説明

フレキシブルプリント基板

【課題】省スペースで断線を防止して信号品質を維持させることが可能なフレキシブルプリント基板を提供する。
【解決手段】フレキシブルプリント基板は、縁E1から軸Ax方向に延びて形成される配線端子30と、配線端子30の軸Axに対して垂直な方向の両側に設けられ、縁E1から軸Ax方向に延びるように形成され、外部基板に接合可能な第1の接合端子20A及び第2の接合端子20Bとを備える。配線端子30の端部30eは、縁E1に沿って延びる基準線L0よりも縁E1側に位置し、第1の接合端子20Aの端部20Aeと第2の接合端子20Bの端部20Beとは、基準線L0よりも縁E2側に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブルプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の光トランシーバは、上ハウジング、下ハウジング、電子回路を搭載する回路基板、光受信サブアセンブリ、及び光送信サブアセンブリを備える。上ハウジング及び下ハウジングは、電子回路を収容する第1の空間と光サブアセンブリを収容する第2の空間とを画成する。上ハウジング及び下ハウジングは、第1の空間と第2の空間とを個別独立にEMIシールドする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−199083号公報
【特許文献2】特開2007−88233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の光トランシーバは、可撓性を有するフレキシブルプリント基板を備える。フレキシブルプリント基板は、電気配線に接続させるための配線端子を備える。フレキシブルプリント基板において、配線端子に曲げが生じた場合、断線が生じ信号品質が劣化する等の問題が生じる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、省スペースで断線を防止して信号品質を維持させることが可能なフレキシブルプリント基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るフレキシブルプリント基板は、可撓性を有する板状部を備えており前記板状部に電気配線が設けられているフレキシブルプリント基板であって、前記板状部の一の端部に設けられており前記電気配線に接続される配線端子と、前記端部に設けられており外部基板に接合される第1及び第2の接合端子とを備え、前記第1の接合端子、前記配線端子及び前記第2の接合端子は、前記端部の縁に沿って順に配置され、前記第1の接合端子、前記配線端子及び前記第2の接合端子は、前記縁から前記縁に交差する方向に延びており、前記第1の接合端子及び前記第2の接合端子は、前記端部を通り前記縁に沿って延びる基準線を越えて、前記縁から延びており、前記配線端子は、前記基準線を越えることなく前記縁と前記基準線との間の領域内において前記縁から延びている。
【0007】
本発明に係るフレキシブルプリント基板によれば、縁から基準線を越えて延在する第1の接合端子及び第2の接合端子と、縁から基準線を越えることなく延在する配線端子とを備える。第1及び第2の接合端子は、縁から基準線を越えた位置まで延在する。そして、第1及び第2の接合端子の基準線を越えた位置まで延在した部分は、外部基板と接合される。このため、基準線を越えずに延在する配線端子には、曲げが生じない。従って、配線端子の銅箔が剥がれたり断線したりする事態を回避することが可能となり、信号品質を維持することができる。また、本発明ではリードデバイスのような追加部品は不要であるため、設計自由度の確保が可能となり省スペースを実現できる。なお、第1及び第2の接合端子は、配線端子の機能も兼ねている。また、第1及び第2の接合端子は、スルーホールを介して半田接合される。そして、第1及び第2の接合端子は、半田接合面の反対側の面に配線を備えている。このように配線を備えることにより、断線を回避している。
【0008】
また、本発明に係るフレキシブルプリント基板では、前記板状部の上に設けられており前記電気配線を覆う配線保護部を更に備え、前記配線保護部は、前記端部において前記基準線まで延在する。本発明によれば、配線保護部の一端は、第1及び第2の接合端子の縁の反対側端部よりも、縁側にある。このため、配線保護部の縁側から露出した配線に曲げが生じないようにすることが可能となる。従って、断線の発生を防止することが可能となり、信号品質を維持することができる。
【0009】
また、本発明に係るフレキシブルプリント基板では、前記配線端子が前記板状部に接している面の面積は、前記第1の接合端子が前記板状部に接している面の面積20%以上80%以下の範囲内、及び、前記第2の接合端子が前記板状部に接している面の面積の20%以上80%以下の範囲内にある。本発明によれば、フレキシブルプリント基板をより強固に外部基板に接合させることができる。そして、断線を回避することができる。
【0010】
また、本発明に係るフレキシブルプリント基板では、前記第1の接合端子と、前記板状部における前記第1の接合端子に接する領域とに、前記縁から前記基準線に向けて窪みが形成され、前記第2の接合端子と、前記板状部における前記第2の接合端子に接する領域とに、前記縁から前記基準線に向けて窪みが形成されている。本発明によれば、接合端子の半田接合時において、窪みに半田を盛ることが可能となる。このため、フレキシブルプリント基板をより一層強固に外部基板に接合させることができる。そして、断線を回避することができる。
【0011】
また、本発明に係るフレキシブルプリント基板では、補強用部材を更に備え、前記端部は、第1領域及び第2領域からなり、前記第1領域は、前記第2領域に接続しており、前記第1領域及び前記第2領域は、前記基準線と交差する方向に配置され、前記第1の接合端子、前記配線端子及び前記第2の接合端子は、前記第1領域に設けられ、前記補強用部材は、前記第2領域に設けられている。本発明によれば、補強用部材により、曲げが生じうる部分を補強することができる。従って、配線端子を保護し、銅箔の剥がれ落ちや断線を回避することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、省スペースで断線を防止して信号品質を維持させることが可能なフレキシブルプリント基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態に係るフレキシブルプリント基板を搭載した光トランシーバを示す図である。
【図2】本実施形態に係るフレキシブルプリント基板を示す図である。
【図3】本実施形態に係るフレキシブルプリントの構成を説明するための図である。
【図4】従来のフレキシブルプリント基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。光トランシーバ1は、光通信装置に含まれる。光トランシーバ1は、光通信装置に対して挿抜可能である。光トランシーバ1は、図1に示すように、外部基板2、発光ユニット3、受光ユニット4及びフレキシブルプリント基板10を備える。外部基板2、発光ユニット3、受光ユニット4及びフレキシブルプリント基板10は、例えば略直方体形状を有する筐体(不図示)の内部に格納される。フレキシブルプリント基板10は、発光ユニット3、受光ユニット4それぞれに対応して1個ずつ設けられる。
【0015】
外部基板2は、略長方形の形状を有する。発光ユニット3は、外部基板2の長手方向の端部に配置される。発光ユニット3は、電気的な送信信号を光信号に変換して外部に送出する。発光ユニット3は、フレキシブルプリント基板10を介して外部基板2に接続される。受光ユニット4は、外部基板2の長手方向の端部に配置される。受光ユニット4は、発光ユニット3と並んで配置される。受光ユニット4は、光通信装置に送られてきた光信号を電気的な受信信号に変換する。受光ユニット4は、フレキシブルプリント基板10を介して、外部基板2に接続される。
【0016】
フレキシブルプリント基板10は、図2に示すように、補強板11と、孔部12と、カバーレイ13と、補強用部材14と、板状部15と、第1の接合端子20Aと、第2の接合端子20Bと、配線端子30とを備える。フレキシブルプリント基板10は、略長方形の平板状に形成される。フレキシブルプリント基板10は、縁E1と縁E2とを有する。フレキシブルプリント基板10は、縁E1から縁E2に向かう長手方向に延びている。フレキシブルプリント基板10は、長手方向に延びる軸Axに関して略対称に形成される。フレキシブルプリント基板10は、長手方向の一端である端部A2に、補強板11と孔部12とを備える。
【0017】
フレキシブルプリント基板10は、軸Ax方向の一端であってかつ端部A2の反対側の端部A1に、補強用部材14と、第1の接合端子20Aと、第2の接合端子20Bと、配線端子30とを備える。端部A1は、図3に示すように、第1領域A1aと第2領域A1bとに分けられる。第1領域A1aは、第2領域A1bよりも縁E1側に位置する。
【0018】
補強用部材14は、第2領域A1bに設けられる。第1の接合端子20A、第2の接合端子20B、及び配線端子30は、第1領域A1aに設けられる。板状部15は、可撓性を有する。板状部15には、補強板11、カバーレイ13、補強用部材14、第1の接合端子20A、第2の接合端子20B及び配線端子30が設けられている。
【0019】
補強板11は、略長方形の形状を有する。補強板11は、例えば樹脂等の材料を有する。補強板11は、フレキシブルプリント基板10の端部A2を補強するために設けられる。孔部12は、円形状に形成される。孔部12の外周部には、導通部12aが設けられる。孔部12は、導電性材料からなるピン(不図示)が接合される。
【0020】
配線端子30は、縁E2側に端部30eを有する。電気配線50は、端部30eから軸Ax方向に延びている。電気配線50は、導通部12aに電気接続されている。カバーレイ13は、電気配線50を覆うように保護する。カバーレイ13は、配線保護部として機能する。カバーレイ13は可撓性を有する。
【0021】
補強用部材14は、例えば樹脂材料からなる。ただし、補強用部材14の材料は、樹脂材料に限られず、カバーレイ13より硬い材料のものであれば他の材料であってもよい。
【0022】
第1の接合端子20Aは、第1領域A1aにおいて軸Ax方向に延びるように設けられる。第1の接合端子20Aは、導電性材料からなる。第1の接合端子20Aは、外部基板2上の端子に半田接合される。第2の接合端子20Bは、第1領域A1aにおいて軸Ax方向に延びるように設けられる。第2の接合端子20Bは、導電性材料からなる。第2の接合端子20Bは、外部基板2上の端子に半田接合される。
【0023】
第1の接合端子20Aの縁E1側には、第1の窪み21Aが設けられている。第1の窪み21Aは、第1の接合端子20Aと、板状部15における第1の接合端子20Aに接する領域とに、縁E1から基準線L0に向けて形成されている。第2の接合端子20Bの縁E1側には、第2の窪み21Bが設けられている。第2の窪み21Bは、第2の接合端子20Bと、板状部15における第2の接合端子20Bに接する領域とに、縁E1から基準線L0に向けて形成されている。
【0024】
配線端子30は、軸Ax方向に延びている。配線端子30の縁E1の反対側には電気配線50が接続されている。第1の接合端子20A、配線端子30及び第2の接合端子20Bは、縁E1に沿って順に配置される。配線端子30は、導電性材料からなる。配線端子30は、外部基板2上に半田接合される。また、配線端子30の板状部15との接触面積は、第1の接合端子20Aの板状部15との接触面積の20%以上80%以下となっている。更に、配線端子30の板状部15との接触面積は、第2の接合端子20Bの板状部15との接触面積の20%以上80%以下となっている。配線端子30の縁E1側には、第1の窪み21Aと同様の窪み31が設けられている。
【0025】
以下では、フレキシブルプリント基板10を光トランシーバ1に装着する手順について簡潔に説明する。まず、図1に示すようにフレキシブルプリント基板10を撓ませる。そして、ピン(不図示)を孔部12に挿入してフレキシブルプリント基板10の縁E2側を発光ユニット3又は受光ユニット4に固定保持させる。そして、第1の接合端子20A及び第2の接合端子20Bを上述したように外部基板2上に半田接合させる。こうして、フレキシブルプリント基板10を介して発光ユニット3及び受光ユニット4が外部基板2に接続される。
【0026】
本実施形態に係るフレキシブルプリント基板10の端部A1の構成を、図3を参照しながら、以下で説明する。カバーレイ13は、縁E1側に端部13eを有する。第1の接合端子20Aは、縁E2側に端部20Aeを有する。第2の接合端子20Bは、縁E2側に端部20Beを有する。基準線L0と、直線L1と、直線L2とは、縁E1が延びる方向に延びる直線である。基準線L0は、第1領域A1aにある端部13eを通る。直線L1は、第1領域A1aと第2領域A1bとの境目にある端部20Aeと端部20Beとを通る。直線L2は、第1領域A1aにある端部30eを通る。また、図中符号Aは、縁E1から直線L2までの距離を示す。図中符号Bは、縁E1から基準線L0までの距離を示す。図中符号Cは、カバーレイ13の軸Ax方向の貼り付け公差を示す。図中符号Dは、縁E1から直線L1までの距離を示す。
【0027】
そこで、本実施形態のフレキシブルプリント基板10では、A<B<Dとなっている。すなわち、端部30eは、直線L1及び基準線L0よりも縁E1側に位置する。そして、端部20Aeと端部20Beとは、基準線L0よりも縁E1の反対側に位置する。そして、端部13eは、基準線L0にまで延在する。すなわち、基準線L0は、端部30eよりも縁E2側、かつ端部20Ae及び端部20Beよりも縁E1側に位置する。そして、上記Cについては、D−A≧Cの関係を満たす。すなわち、カバーレイ13の貼り付け公差は、第1の接合端子20Aの軸Ax方向の長さと配線端子30の軸Ax方向の長さとの差の範囲内、かつ第2の接合端子20Bの軸Ax方向の長さと配線端子30の軸Ax方向の長さとの差の範囲内に収まる。この構成により、カバーレイ13の縁E1側の電気配線50が露出した部分(図3参照)では曲げが生じないようにすることが可能となる。そして、電気配線50における銅箔の剥がれ落ちを防止することができる。
【0028】
以上のように構成されるフレキシブルプリント基板10の作用について従来の技術を説明しながら以下で説明する。まず、XMD−MSA(10Gbit/s Miniature Device Multi Source Agreement)では、OSAに搭載されるデバイスの仕様が共通化されている。XMD−MSAでは、例えば図4の(A)部に示すように、デバイスの放熱部に近い位置に高周波信号ピンが配置される。放熱部の熱は、光トランシーバのハウジングを介して外部へ放出される。このため、デバイスの放熱部は、ハウジング近傍に配置することが好ましい。よって、デバイスの複数のピンのうち高周波信号ピンは放熱部に近い場所に位置する。また、SFP−MSA(Small Form factor Pluggable Multi Source Agreement)では、光トランシーバの形状等が共通化されている。SFP−MSAでは、回路基板上には送信回路や受信回路が設けられる。回路基板上に電子部品が実装される。
【0029】
OSAと回路基板とはフレキシブルプリント基板により接続される。フレキシブルプリント基板は、OSAと回路基板との位置のバラツキを吸収する。このため信頼性が高い接続が得られる。ここで、フレキシブルプリント基板の配置について、例えば図4の(A)部のように回路配線と接続したフレキシブルプリント基板を曲げてデバイスの端子と接続する構造がある。この構造を採用した場合、フレキシブルプリント基板が、回路基板から剥がされにくくなるという効果が得られる。しかしながら、図4の(A)部の構造では、高周波信号線のピンを迂回して配線させなければならない。よって、高周波信号の品質が劣化する虞がある。高周波信号線は、なるべく短く直線的に配置されることが望ましいからである。
【0030】
そこで、図4の(B)部のような構造が考えられる。この構造では、高周波信号ピンと基板側端子とは直線的に配線される。しかしながら、基板上の回路配線とフレキシブルプリント基板とは、基板を貫通するビアを介して接続される。従って、高周波信号がビアを経由することになり、やはり信号品質にとって好ましくない。
【0031】
また、図4の(C)部の構造ではフレキシブルプリント基板の高周波信号線を直線的に配置できる。またビアを介さないので良好な信号品質が得られる。ただし、この構造には、フレキシブルプリント基板と回路基板との接続部近傍に曲げが生じる場合がある。すなわち、この構造を採用した場合、接続部近傍に引きはがす方向の力が加わったとき、配線端子の銅箔が剥がれ断線する場合がある。
【0032】
図4の(A)部〜(C)部に示したフレキシブルプリント基板に対して、本実施形態に係るフレキシブルプリント基板10は、可撓性を有する板状部15を備えており板状部15に電気配線50が設けられている。フレキシブルプリント基板10は、板状部15の一の端部A1に設けられており電気配線50に接続される配線端子30と、端部A1に設けられており外部基板2に接合される第1の接合端子20A及び第2の接合端子20Bとを備える。第1の接合端子20A、配線端子30及び第2の接合端子20Bは、端部A1の縁E1に沿って順に配置される。第1の接合端子20A、配線端子30及び第2の接合端子20Bは、縁E1から縁E1に交差する軸Ax方向に延びている。更に、第1の接合端子20A及び第2の接合端子20Bは、端部A1を通り縁E1に沿って延びる基準線L0を越えて、縁E1から延びている。一方、配線端子30は、基準線L0を越えることなく縁E1と基準線L0との間の領域内において縁E1から延びている。
【0033】
すなわち、配線端子30の端部30eは、基準線L0よりも縁E1側に位置する。一方、端部20Aeと端部20Beは、基準線L0よりも縁E2側に位置する。よって、配線端子30の縁E2側が第1の接合端子20A及び第2の接合端子20Bにより半田接合されているため、配線端子30に曲げが生じないようにすることが可能となる。従って、フレキシブルプリント基板10の場合、図4の(A)部〜(C)部のフレキシブルプリント基板とは異なり、配線端子30の銅箔が剥がれたり断線したりする事態を防止することが可能となる。そして、信号品質を維持することができる。
【0034】
また、本実施形態に係るフレキシブルプリント基板10は、第1の接合端子20A、第2の接合端子20B及び配線端子30そのものの構成に特徴を有する。よって、信号品質を維持するための追加部品は不要である。従って、コストを抑えることができる。更に基板上に追加部品のための領域を設ける必要がない。このため、設計自由度の確保が可能となり省スペースを実現できる。
【0035】
また、本実施形態に係るフレキシブルプリント基板10では、板状部15の上に設けられており電気配線50を覆うカバーレイ13を更に備える。そして、カバーレイ13は、端部13eにおいて基準線L0まで延在する。すなわち、端部13eは、端部20Ae及び端部20Beよりも縁E1側に位置する。このため、曲げは端部13eよりも縁E2側で生じることになる。よって、カバーレイ13の縁E1側の電気配線50が露出した部分(図3参照)では曲げを生じないようにすることが可能となる。そして、電気配線50における銅箔の剥がれ落ちを防止することができる。
【0036】
また、本実施形態に係るフレキシブルプリント基板10では、配線端子30が板状部15に接している面の面積は、第1の接合端子20Aが板状部15に接している面の面積の20%以上80%以下の範囲内、及び、第2の接合端子20Bが板状部15に接している面の面積の20%以上80%以下の範囲内にある。このため、フレキシブルプリント基板10をより強固に外部基板2に接合させることができ、断線を回避することができる。
【0037】
また、本実施形態に係るフレキシブルプリント基板10では、第1の接合端子20Aと、板状部15における第1の接合端子20Aに接する領域とに、縁E1から基準線L0に向けて第1の窪み21Aが形成される。そして、第2の接合端子20Bと、板状部15における第2の接合端子20Bに接する領域とに、縁E1から基準線L0に向けて第2の窪み21Bが形成されている。従って、半田接合時に第1の窪み21A及び第2の窪み21Bに半田を盛ることが可能となる。よって、フレキシブルプリント基板10をより強固に外部基板2に接合させることができ、断線を回避することができる。
【0038】
また、本実施形態に係るフレキシブルプリント基板10では、補強用部材14を更に備える。端部A1は、第1領域A1a及び第2領域A1bからなる。第1領域A1aは、第2領域A1bに接続している。第1領域A1a及び第2領域A1bは、基準線L0と交差する軸Ax方向に配置される(図3参照)。そして、第1の接合端子20A、配線端子30及び第2の接合端子20Bは、第1領域A1aに設けられている。一方、補強用部材14は、第2領域A1bに設けられている。従って、曲げが生じうる第2領域A1bを補強することができる。そして、電気配線50の露出部分と、配線端子30とが保護され、銅箔の剥がれ落ちや断線を回避できる。
【0039】
なお、上述した実施形態では、配線端子30が例えば6個並んで設けられ、第1の接合端子20A及び第2の接合端子20Bが配線端子30の両側に設けられる例について説明した。しかし、第1の接合端子20A、第2の接合端子20B及び配線端子30の配置及び数については適宜変更することが可能である。
【0040】
また、上述した実施形態では、第1の窪み21A、第2の窪み21B、及び窪み31が設けられる例について説明した。しかし、第1の窪み21A、第2の窪み21B及び窪み31の個数、位置及び形状は、適宜変更することが可能である。また、第1の窪み21A、第2の窪み21B、又は窪み31はなくてもよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、略長方形状を呈し樹脂等の材料により構成される補強板11と、円形状に形成される孔部12とについて説明した。しかし、補強板11の形状、位置等は、適宜変更可能である。孔部12の形状、位置等も適宜変更可能である。さらに、上述した実施形態では、補強用部材14が設けられる例について説明したが、補強用部材14を設けない構成であることができる。
【0042】
また、上述した実施形態では、フレキシブルプリント基板10が光トランシーバ1に用いられる例について説明した。しかし、光トランシーバ1以外の装置にもフレキシブルプリント基板10を適用させることは可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…光トランシーバ、2…回路基板、3…発光ユニット、4…受光ユニット、10…フレキシブルプリント基板、11…補強板、12…孔部、13…カバーレイ(配線保護部)、14…補強部材、20A…第1の接合端子、20Ae…端部、20B…第2の接合端子、20Be…端部、21A…第1の窪み、21B…第2の窪み、30…配線端子、30e…端部、31…窪み、50…電気配線、L0…基準線、L1,L2…直線、A1…端部、A1a…第1領域、A1b…第2領域、E1,E2…縁。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有する板状部を備えており前記板状部に電気配線が設けられているフレキシブルプリント基板であって、
前記板状部の一の端部に設けられており前記電気配線に接続される配線端子と、
前記端部に設けられており外部基板に接合される第1及び第2の接合端子とを備え、
前記第1の接合端子、前記配線端子及び前記第2の接合端子は、前記端部の縁に沿って順に配置され、
前記第1の接合端子、前記配線端子及び前記第2の接合端子は、前記縁から前記縁に交差する方向に延びており、
前記第1の接合端子及び前記第2の接合端子は、前記端部を通り前記縁に沿って延びる基準線を越えて、前記縁から延びており、
前記配線端子は、前記基準線を越えることなく前記縁と前記基準線との間の領域内において前記縁から延びている、フレキシブルプリント基板。
【請求項2】
前記板状部の上に設けられており前記電気配線を覆う配線保護部を更に備え、
前記配線保護部は、前記端部において前記基準線まで延在する、ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項3】
前記配線端子が前記板状部に接している面の面積は、前記第1の接合端子が前記板状部に接している面の面積の20%以上80%以下の範囲内、及び、前記第2の接合端子が前記板状部に接している面の面積の20%以上80%以下の範囲内にある、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項4】
前記第1の接合端子と、前記板状部における前記第1の接合端子に接する領域とに、前記縁から前記基準線に向けて窪みが形成され、
前記第2の接合端子と、前記板状部における前記第2の接合端子に接する領域とに、前記縁から前記基準線に向けて窪みが形成されている、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板。
【請求項5】
補強用部材を更に備え、
前記端部は、第1領域及び第2領域からなり、
前記第1領域は、前記第2領域に接続しており、
前記第1領域及び前記第2領域は、前記基準線と交差する方向に配置され、
前記第1の接合端子、前記配線端子及び前記第2の接合端子は、前記第1領域に設けられ、
前記補強用部材は、前記第2領域に設けられている、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のフレキシブルプリント基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−16654(P2013−16654A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148582(P2011−148582)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】