説明

フロアパネル

【課題】部品点数や組立工数の増大及び車両の重量化を抑制しつつ、フロアパネルの剛性を十分に確保することができ、且つ車室の床面のスペースを有効に活用する。
【解決手段】車室8の床面8aを形成するフロアパネル14であって、センターフロアパネル部27と、1対の凹部28と、1対のサイドフロアパネル部29と、を備える。センターフロアパネル部27は、車室8の車幅方向の略中央で、車室8の前端から後端まで延びる。凹部28は、センターフロアパネル部27の車幅方向の端部から下方へ曲折して延びる立下り部30と、立下り部30の下端から車幅方向外側へ曲折して延びる平面部31と、平面部31の車幅方向外側の端部から上方へ曲折して延びる立上り部32とをそれぞれ有し、車室8の前端から後端まで延び、断面U字状に形成される。サイドフロアパネル部29は、立上り部30の上端から車幅方向外側へ曲折して延びる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブオーバー型車両の車室の床面を区画するフロアパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2000−318652号公報には、車両のキャブの補強、特にフロアパネルを補強する役割を果たす一対のメインシルが下面に溶接されているフロアパネルが記載されている。メインシルは、エンジンを挟んで車幅方向に間隔をおいて配設され、車体前後方向に延在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−318652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特開2000−318652号公報のフロアパネルでは、下面にメインシルが溶接によって固着されているので、フロアパネルの剛性はメインシルによって確保される。
【0005】
しかし、特開2000−318652号公報に記載のフロアパネルでは、フロアパネルの剛性の確保のために別体の補強部材であるメインシルをフロアパネルの下面に溶接によって固着しなければならず、部品点数や組立工数が増え、また、車両の重量が増加する可能性がある。
【0006】
また、上記フロアパネルの下面と、断面略U字状のメインシルの内面と、によって区画されるスペースがデッドスペースになり、有効に活用することができない。
【0007】
そこで、本発明は、部品点数や組立工数の増大及び車両の重量化を抑制しつつ、フロアパネルの剛性を十分に確保することができ、且つ車室の床面のスペースを有効に活用できるフロアパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、車室の床面を形成するフロアパネルであって、センターフロアパネル部と、1対の凹部と、1対のサイドフロアパネル部と、を一体的に備える。
【0009】
センターフロアパネル部は、車幅方向の略中央で、車室の前端から後端まで延びる。1対の凹部は、センターフロアパネル部の車幅方向の端部から下方へ曲折して延びる立下り部と、立下り部の下端から車幅方向外側へ曲折して延びる平面部と、平面部の車幅方向外側の端部から上方へ曲折して延びる立上り部とをそれぞれ有し、車室の前端から後端まで延び、断面U字状に形成される。1対のサイドフロアパネルは、立上り部の上端から車幅方向外側へ曲折して延びる。
【0010】
上記構成では、フロアパネルにフロアパネルの前端から後端まで延びる1対の凹部が曲折形成されているので、この凹部によってフロアパネルの面剛性が確保される。このため、メインシルなどの補強部材をフロアパネルの下面に固着する必要がなく、部品点数及び組立工数が削減される。したがって、車両重量を低減させることができ、且つ、組立作業性を向上させることができる。
【0011】
また、凹部の内面を、例えば、車載用の消火器やジャッキハンドルなどの車載用品の収容部として利用することができ、車室の床面のスペースを有効に活用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、部品点数や組立工数の増大及び車両の重量化を抑制しつつ、フロアパネルの剛性を十分に確保することができ、且つ車室の床面のスペースを有効に活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態にかかる車両の要部斜視図である。
【図2】図1の要部分解斜視図である。
【図3】図1のサイドパネルの分解斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】図2のV−V線断面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】図2のVII−VII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図中矢印FRは車両前方を、矢印UPは上方を、矢印INは車幅方向内側をそれぞれ示している。また、以下の説明において、前後とは車両の前後を意味し、左右とは車両前方を向いた状態での左右を意味する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の車両1は、キャブ2の下方にエンジンルーム39が位置するキャブオーバー型のトラックである。キャブ2は、シャシフレーム3の前端部に取付けられているキャブマウント4によって、前方へ傾斜可能に支持される。
【0016】
シャシフレーム3は、前後方向に沿って並行に延びる左右のメインビーム5と、複数のクロスメンバ6とキャブマウント4とを有する。左右のメインビーム5は、直交する複数のクロスメンバ6によって相互に連結される。シャシフレーム3の前端部付近及び後端部付近には、走行車軸(図示省略)が設けられる。走行車軸の車幅方向両端には、走行車輪7が回転自在に支持される。
【0017】
キャブ2は、略箱状体であり、内部に車室8を区画する。キャブ2は、ルーフパネル9と、サイドパネル10と、フロントフレーム部11と、ダッシュパネル12と、バックパネル13と、フロアパネル14と、を有する。これらのパネルは、例えば、鋼板などの高強度材料からなり、プレス成形によって成形される。また、これらのパネルは、スポット溶接などによって接合される。
【0018】
ルーフパネル9は、車室8の上部を区画する。サイドパネル10は、ルーフパネル9の車幅方向両端部に接合し、車室8の車幅方向両端部を区画する。フロントフレーム部11は、車室8の前方でサイドパネル10に接合する。ダッシュパネル12は、フロントフレーム部11とサイドパネル10とに接合し、車幅方向に沿って起立して車室8の前端を区画する。バックパネル13は、ルーフパネル9とサイドパネル10とに接合し、車室8の後部を区画する。フロアパネル14は、サイドパネル10、ダッシュパネル12及びバックパネル13に接合し、車室8の底部を区画する。
【0019】
ルーフパネル9は、略矩形状の平板である。ルーフパネル9の車幅方向両端部は、サイドパネル10の上端部と接合し、後端部は、バックパネル13の上端部と接合する。
【0020】
サイドパネル10は、図1及び図2に示すように、中央に略矩形状に形成されるドア開口15を有し、また、フロントピラー部16と、ロッカー部17と、フェンダー部18と、ルーフサイドレール部19と、リアピラー部20と、を有する。
【0021】
フロントピラー部16は、上端から前方へ傾斜して延びる傾斜部16aと傾斜部16aの下端から鉛直方向へ曲折して延びる鉛直部16bとを有し、ドア開口15の前縁を構成する。ロッカー部17は、フロントピラー部16の下端(鉛直部16bの下端)から後方へ曲折して延び、ドア開口15の下縁の一部を構成する。フェンダー部18は、ロッカー部17の後端からアーチ状に延びている。フェンダー部18の下端側は、前車輪を上方から覆うホィールハウスを構成する。また、フェンダー部18の上端側は、ドア開口の下縁の一部を構成する。ルーフサイドレール部19は、フロントピラー部16の上端(傾斜部16aの上端)から車両後方へ曲折して延び、ドア開口15の上縁を区画する。リアピラー部20は、フェンダー部18の後端とルーフサイドレール部19の後端とを連結してドア開口15の後縁を区画する。
【0022】
また、サイドパネル10は、図3に示すように、車幅方向外側にアウタパネル40と、アウタパネル40の車幅方向内側に対向して配置されるインナパネル50と、を有する。サイドパネル10は、アウタパネル40がインナパネル50に車幅方向外側から重なって、それぞれの外縁がスポット溶接などによって接合されることで構成される。フロントピラー部16の鉛直部16bは、アウタパネル40のフロントピラーアウタ鉛直部41とインナパネル50のフロントピラーインナ鉛直部51とによって構成される。なお、本実施形態の車両1は左右同様の構造であるため、以下の説明においては車両1の左側について説明し、車両の右側については説明を省略する。
【0023】
フロントピラーアウタ鉛直部41は、車両1の前方で車幅方向に延び、且つフロントピラーインナ鉛直部51と接合するアウタ前方接合部42と、アウタ前方接合部42の車幅方向外側の端部から後方へ曲折して延びるアウタ中央部43と、アウタ中央部43の後端から車幅方向内側に延びるアウタ後方接合部44(図4参照)と、を有する。アウタ後方接合部44の車幅方向内側の端部には、後方へ曲折して延びるフランジ部44a(図4参照)が形成される。アウタ中央部43の車幅方向外側面の上下2箇所には、ドアヒンジ取付面部16cが設けられる。ドアヒンジ取付面部16cは、ドア(図示省略)をドアヒンジ(図示省略)を介して回転自在に支持する。また、ドアヒンジ取付面部16cは、ドアヒンジを固定するためのボルトが螺合するボルト孔(図示省略)を有する。
【0024】
フロントピラーインナ鉛直部51は、車両1の前方で車幅方向に延び、且つフロントピラーアウタ鉛直部41のアウタ前方接合部42と接合するフロント前方接合部52と、フロント前方接合部52の車幅方向外側の端部から後方へ曲折して延びるインナ中央部53と、インナ中央部53の後端から後方へ延び、アウタ後方接合部44と接合するインナ後方接合部54(図4参照)と、を有する。インナ中央部53の上下2箇所には、車幅方向外側に突出するインナ凸部55がプレス加工などによって一体的に曲折形成される。インナ凸部55は略四角錐台形状で、車幅方向外側に略矩形状のインナ頂面部55aを有する。また、インナ凸部55は、インナ起立面部55bを有する。インナ起立面部55bは、インナ頂面部55aの各辺から車幅方向内側に傾斜しながらインナ凸部55の基端部まで延出する。また、インナ中央部53には、上下2箇所のインナ凸部55の間にインナ中央部53を貫通する略矩形状の貫通孔56が形成される。
【0025】
アウタパネル40とインナパネル50とが接合されサイドパネル10を構成すると、図4に示すように、フロントピラーアウタ鉛直部41のアウタ前方接合部42は、フロントピラーインナ鉛直部51のインナ前方接合部52と接合し、また、アウタ後方接合部44のフランジ部44aは、インナ後方接合部54と接合し、フロントピラー部16を構成する。また、アウタ中央部43とインナ中央部53とは、相互に離間し、フロントピラー部16の内部に閉断面16dを区画する。閉断面16d内において、インナ凸部55は、アウタパネル40のドアヒンジ取付面部16cに向かって突出する。ドアヒンジ取付面部16cの車幅方向内側面は、インナ凸部55のインナ頂面部55aの車幅方向外側面に車幅方向外側から重なった状態でスポット溶接などによって接合される。
【0026】
説明を図1に戻すと、ダッシュパネル12は、略矩形板状体であり、ダッシュパネル本体21と、ダッシュパネル折曲部22と、長孔23と、ダッシュパネル延出部24と、を有する。これらは、プレス加工などによって、一体的に形成される。
【0027】
ダッシュパネル本体21は、車幅方向に沿って延びる。ダッシュパネル折曲部22は、ダッシュパネル本体21の両端部から後方へ傾斜して延びる。長孔23は、ダッシュパネル本体21の上側の左右2箇所に設けられる。長孔23はダッシュパネル12がフロントフレーム部11に接合されると、フロントフレーム部11によって閉止される。また、ダッシュパネル延出部24は、ダッシュパネル本体21の下端部の左右2箇所から下方に延出する。
【0028】
バックパネルは13、略矩形板状体である。バックパネル13は、略中央部に後部窓ガラスが嵌合されるバックパネル開口部25を有する。また、バックパネル13は、下端部の左右2箇所から下方に延出するバックパネル延出部26を一体的に有する。
【0029】
フロアパネル14は、図2及び図5〜図7に示すように、略矩形板状体であり、センターフロアパネル部27と、左右1対の凹部28と、左右1対のサイドフロアパネル部29とを有する。これらは、プレス加工などによって、一体的に形成される。フロアパネル14の上面は車室8の床面8aを形成する。なお、図5〜図7では、後述するサイドフロアパネル部の突出部37の図示を省略している。
【0030】
センターフロアパネル部27は、車室8の車幅方向中央に形成され、車室8の前端から後端、すなわちフロアパネル14の前端から後端まで延びる。また、センターフロアパネル部27は、フロアパネル14の前端から後方へ略水平に延びるセンターフロアパネル前方部27aと、センターフロアパネル前方部27aの後端から上方へ傾斜して延びるセンターフロアパネル傾斜部27bと、センターフロアパネル傾斜部27bの後端からセンターフロアパネル前方部27aに対して略平行に曲折してフロアパネル14の後端まで延びるセンターフロアパネル後方部27cと、を有する。車両1のセンターフロアパネル部27の下側には、エンジン(図示省略)を収容するエンジンルーム39が形成されている。
【0031】
凹部28は、センターフロアパネル部を挟んで、1対に形成される。凹部28は、立下り部30と、平面部31と、立上り部32と、を有し、断面U字状に形成される。立下り部は、センターフロアパネル部27の車幅方向の端部から曲折して車幅方向外側へ斜め下方に傾斜して延びる。平面部31は、立下り部30の下端から車幅方向外側へ曲折して、車幅方向に略水平に延びる。立上り部32は、平面部31の車幅方向外側の端部から曲折して車幅方向外側へ斜め上方に傾斜して延びる。また、凹部28は、車室8の前端から後端まで、すなわちフロアパネル14の前端から後端まで延びる。凹部28は、前端に凹部前端部33、また、後端に凹部後端部34を一体的に有する。凹部28は、フロアパネル14の前端から後方へ略水平に延びる凹部前方部28aと、凹部前方部28aの後端から上方へ傾斜して延びる凹部傾斜部28bと、凹部傾斜部28bの後端から曲折して凹部前方部28aに対して略平行にフロアパネル14の後端まで延びる凹部後方部28cと、を有する。凹部傾斜部28bにおける立下り部30は、センターフロアパネル部27のセンターフロアパネル後方部27cの端部から下方へ傾斜して延びる第1立下り部30aと第1立下り部30aの下端部から下方へ傾斜して延びる第2立下り部30bとを有する(図6参照)。第1立下り部30bは、第2立下り部30bよりも比較的緩やかに傾斜する。凹部前方部28aにおける平面部31の下面には、シャシフレーム3のキャブマウント4に接合する接合部(図示省略)が設けられている。接合部は、複数のネジ孔(図示省略)を有し、このネジ孔とキャブマウント4に設けられたネジ孔(図示省略)とにネジが螺合すると、キャブ2はキャブマウント4に固着される。
【0032】
サイドフロアパネル部29は、センターフロアパネル部27と1対の凹部28とを挟んで、車室8の底部の車幅方向両端に1対に形成される。サイドフロアパネル部29は、凹部28の立上り部32の上端から車幅方向外側へ曲折して延びる。サイドフロアパネル部29は、フロアパネル14の前端から後方へ略水平に延びるサイドフロアパネル前方部29aと、サイドフロアパネル前方部29aの後端から上方へ傾斜して延びるサイドフロアパネル傾斜部29bとサイドフロアパネル傾斜部29bの後端から曲折してサイドフロアパネル前方部29aに対して略平行にフロアパネル14の後端まで延びるサイドフロアパネル後方部29cとを有する。また、サイドフロアパネル部29は、サイドフロアパネル部29の前端から後端まで、サイドフロアパネル前方部29a、サイドフロアパネル傾斜部29b及びサイドフロアパネル後方部29cに亘って延びる畝条の突出部37が所定の間隔を隔てて3本設けられている。また、サイドフロアパネル前方部29aの車幅方向外側の前方に、車幅方向外側に突出するフロアパネル凸部38が形成されている。フロアパネル凸部38は、略四角錐台形状で、車幅方向外側に略矩形状のフロアパネル凸部頂面部38aを有する。また、フロアパネル凸部38は、フロアパネル凸部起立面部38bを有する。フロアパネル凸部起立面部38bは、フロアパネル凸部頂面部38aの各辺から車幅方向内側に傾斜しながらフロアパネル凸部38の基端部まで延出する。
【0033】
図2に示すように、センターフロアパネル傾斜部27bの下端部は、凹部傾斜部28b及びサイドフロアパネル傾斜部29bの下端部よりも前方に配置される。また、センターフロアパネル傾斜部27bの上端部は、凹部傾斜部28b及びサイドフロアパネル傾斜部29bの上端部よりも前方で、且つ凹部傾斜部28b及びサイドフロアパネル傾斜部29bの下端部と車両前後方向の略同一位置に配置される。
【0034】
図5に示すように、センターフロアパネル前方部27aとサイドフロアパネル前方部29aとは、等しい高さとなるように形成される。また、図7に示すように、センターフロアパネル後方部27cとサイドフロアパネル後方部29cとは、等しい高さとなるように形成される。
【0035】
次に、フロアパネル14とダッシュパネル12、バックパネル13及びサイドパネル10との接合態様について説明する。
【0036】
図1に示すように、フロアパネル14とダッシュパネル12とは、フロアパネル14の前端部とダッシュパネル12の下端部とがスポット溶接などによって溶接され、また、ダッシュパネル延出部24が、凹部28の凹部前端部33にスポット溶接などによって溶接されることによって接合される。
【0037】
フロアパネル14とバックパネル12とは、フロアパネル14の後端部とバックパネル12の下端部とがスポット溶接などによって溶接され、また、バックパネル延出部26が、凹部28の凹部後端部34にスポット溶接などによって溶接されることによって接合される。
【0038】
また、図1、図2及び図4に示すように、フロアパネル14とサイドパネル10とは、フロアパネル14のサイドフロアパネル部29の車幅方向外端部に、サイドパネル10のフロントピラー部16の下端部、ロッカー部17、フェンダー部18及びリアピラー部20の下端部が車幅方向外側から重なってスポット溶接などによって溶接されることによって接合される。具体的には、サイドフロアパネル前方部29aがフロントピラー部16の下端部及びロッカー部17と、サイドフロアパネル傾斜部29bがフェンダー部18と、サイドフロアパネル後方部29cがリアピラー部19の下端部とが接合される。
【0039】
フロアパネル14とサイドパネル10とが接合されると、図4に示すように、フロアパネル凸部38は、フロントピラー部16の鉛直部16bの下方に位置するインナパネル凸部55に向かって突出し、インナパネル凸部55の頂面部55aの下方に車幅方向の内側から当接し、スポット溶接などによって接合される。
【0040】
本実施形態によれば、フロアパネル14の凹部28が曲折形成されていることから、フロアパネル14に入力される力によって、フロアパネル14の形状が変形しにくく、凹部28によってフロアパネル14の剛性が確保される。このため、メインシルなどの補強部材をフロアパネル14の下面に固着する必要がなく、部品点数及び組立工数が削減される。したがって、車両重量を低減させることができ、且つ、組立作業性を向上させることができる。
【0041】
また、凹部28の内面を、例えば、車載用の消火器やジャッキハンドルなどの車載用品の収容部などに利用することができ、車室の床面8aのスペースを有効に活用することができる。
【0042】
また、ドアにかかる力がサイドパネル10のアウタパネル40のドアヒンジ取付面部16cに入力され、ドアヒンジ取付面部16cを介してアウタパネル40に伝達されると、インナ凸部55を介してアウタパネル40からインナパネル50へ伝達され、また、インナパネル50へ伝達された力はフロアパネル凸部38を介してフロアパネル14に伝達される。すなわち、アウタパネル40のドアヒンジ取付面部16cへの入力を、アウタパネル40、インナパネル50及びフロアパネル14によって分担して支持することができる。したがって、ドアヒンジ取付面部16cを補強し、ドアヒンジ取付面部16cの剛性を高めることができる。
【0043】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。
【0044】
例えば、凹部28の立下り部30は、センターフロアパネル部27の車幅方向の端部から曲折して車幅方向内側へ斜め下方に傾斜して延び、また、立上り部32は、平面部31の車幅方向外側の端部から曲折して車幅方向内側へ斜め上方に傾斜して延びてもよい。
【0045】
また、立下り部30は、センターフロアパネル部27の車幅方向の端部から曲折して下方に垂直に延び、また、立上り部32は、平面部31の車幅方向外側の端部から曲折して上方に垂直に延びてもよい。
【0046】
すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、キャブオーバー型車両の車室の床面を区画するフロアパネルに広く適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1:車両
2:キャブ
8:車室
8a:床面
14:フロアパネル
27:センターフロアパネル部
27a:センターフロアパネル前方部
27b:センターフロアパネル傾斜部
27c:センターフロアパネル後方部
28:凹部
28a:凹部前方部
28b:凹部傾斜部
28c:凹部後方部
29:サイドフロアパネル部
29a:サイドフロアパネル前方部
29b:サイドフロアパネル傾斜部
29c:サイドフロアパネル後方部
30:立下り部
31:平面部
32:立上り部
38:フロアパネル凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室の床面を形成するフロアパネルであって、
前記車室の車幅方向の略中央で、前記車室の前端から後端まで延びるセンターフロアパネル部と、
前記センターフロアパネル部の車幅方向の端部から下方へ曲折して延びる立下り部と、前記立下り部の下端から車幅方向外側へ曲折して延びる平面部と、前記平面部の車幅方向外側の端部から上方へ曲折して延びる立上り部とをそれぞれ有し、前記車室の前端から後端まで延びる断面U字状の1対の凹部と、
前記立上り部の上端から車幅方向外側へ曲折して延びる1対のサイドフロアパネル部と、を一体的に備えた、
ことを特徴とするフロアパネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−183858(P2012−183858A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46536(P2011−46536)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】