説明

ブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置、及びブラダ成形物の製造方法

【課題】複雑な制御によらずに、膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を精度よく制御する。
【解決手段】外径制御装置50の圧力制御手段52により、ガス供給手段30から供給するガスの供給圧力を制御して、ブラダ20内に所定の封入圧力でガスを封入する。ブラダ20内に封入したガスの封入量を測定して、封入量の測定値と目標値とを比較し、封入量の比較結果に基づき、圧力制御手段52によるブラダ20内のガスの封入圧力を変更させる。封入圧力によりブラダ20内のガスの封入量を目標値に調整して、ガスの封入量により、膨張したブラダ20により成形されたブラダ成形物であるゴム成形物Gの外径を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に供給されるガスにより膨張したブラダ、又は膨張したブラダにより成形された成形物(ブラダ成形物)の外径を制御するブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置と、ブラダ成形物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ガスにより膨張するブラダを製造過程で使用して、タイヤや空気バネ用のゴム成形物等、各種のブラダ成形物が成形されている。例えば、タイヤは、膨張するブラダによりビードコア周りにタイヤ構成部材を折り返して未加硫タイヤが成形される。また、空気バネは、その構成部品であるゴム成形物が、膨張したブラダにより加硫モールドの内面に押し付けられて加硫され、所定形状に成形される(特許文献1参照)。
【0003】
ところで、このような空気バネ用のゴム成形物の加硫成形時には、加硫モールドへの収納前に、筒状の未加硫ゴム部材からなる成形途中段階のゴム成形物内でブラダを膨張させて、予めゴム成形物をある程度膨出変形させることがある。これにより、形状を整えた状態でゴム成形物を加硫モールド内に収納して、ゴム成形物を加硫モールドに均等に接触させ、加硫モールドやブラダとゴム成形物との間の空気残りを抑制して、ゴム成形物を安定して加硫成形する。
【0004】
しかしながら、空気バネは、成形対象のゴム成形物の外径を大きく膨出変形させると、加硫モールドを構成する分割型の合わせ面でゴム成形物が挟み込まれる懸念がある。他方、ゴム成形物は、外径を小さく膨出変形させると、空気残りや表面形状の問題が生じる虞や、加硫モールドと接触しない部分ができて加硫が不充分になる虞が大きくなる。そのため、空気バネは、ゴム成形物を設定された外径に精度よく、かつ、繰り返し安定して膨出変形させる必要がある。また、空気バネ用のゴム成形物以外のブラダ成形物、及び、それらを成形するブラダも、同様に所定の外径に膨張等させて外径を管理する必要があり、複雑な制御によることなく外径の精度を確保することが要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−52348号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであって、その目的は、複雑な制御によらずに、膨張したブラダや膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を精度よく制御して、所定の外径を安定して確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ブラダと、ブラダ内にガスを供給して膨張させるガス供給手段とを備え、膨張したブラダの外径、又は膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を制御するブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置であって、ガス供給手段から供給するガスの供給圧力を制御して、ブラダ内に所定の封入圧力でガスを封入する圧力制御手段と、ブラダ内に封入したガスの封入量を測定する封入量測定手段と、ガスの封入量の測定値と目標値とを比較する封入量比較手段と、封入量の比較結果に基づき、圧力制御手段によるガスの封入圧力を変更させて、ブラダ内のガスの封入量を目標値に調整する封入量調整手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、内部に供給されるガスで膨張するブラダによりブラダ成形物を製造するブラダ成形物の製造方法であって、ブラダ内にガスを供給して所定の封入圧力でガスを封入する工程と、ブラダ内に封入したガスの封入量を測定する工程と、ガスの封入量の測定値と目標値とを比較する工程と、封入量の比較結果に基づき、ブラダ内のガスの封入圧力を変更してブラダ内のガスの封入量を目標値に調整する工程と、ガスの封入量により、膨張したブラダの外径、又は膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を制御する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複雑な制御によらずに、膨張したブラダや膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を精度よく制御して、所定の外径を安定して確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態の空気バネ用のゴム成形物の加硫成形装置を示す要部断面図である。
【図2】図1の加硫成形装置が型閉めされた状態を示す要部断面図である。
【図3】膨張するブラダによりゴム成形物を成形する過程を模式的に示す要部断面図である。
【図4】膨張するブラダによりゴム成形物を成形する過程を模式的に示す要部断面図である。
【図5】本実施形態の外径制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図6】PLCの概略構成を示す機能ブロック図である。
【図7】本実施形態の外径制御装置によるゴム成形物の外径制御処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置(以下、外径制御装置という)と、ブラダ成形物の製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の外径制御装置は、膨張するブラダによりブラダ成形物を所定形状に向けて成形するときに、膨張したブラダの外径、又は、膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を制御する。なお、ブラダ成形物は、ブラダの膨張に伴い次第に膨張や膨出する等して、全体又は一部が変形して所定形状に成形される成形物である。本実施形態では、空気バネ用のゴム成形物(以下、ゴム成形物という)の加硫成形工程で、筒状の未加硫ゴム部材からなる成形途中段階のゴム成形物をブラダにより膨出変形させて、ブラダ成形物としてゴム成形物を成形する場合を例に採り説明する。
【0011】
図1は、本実施形態のゴム成形物の加硫成形装置(以下、加硫成形装置という)を模式的に示す要部断面図であり、型開きした状態の加硫成形装置1を切断して、左右方向の中央線を挟んだ一方側(左側)を示す半断面図である。また、図2は、図1の加硫成形装置1が型閉めされた状態を示す要部断面図である。
なお、以下の加硫成形装置1の説明で、単に周方向、半径方向、中心線方向というときには、それぞれ環状の加硫モールド10の周方向、半径方向(図では左右方向)、半径方向に直交する中心線方向(図では上下方向)のことをいう。
【0012】
加硫成形装置1は、図示のように、ゴム成形物Gを収納する加硫モールド10と、加硫モールド10内のゴム成形物G内に配置されるブラダ20とを備えている。また、加硫成形装置1は、ガス(ここではエア)を送り出すポンプ等からなるガス供給手段30を備え、ガス供給手段30からブラダ20内に加圧媒体であるガスを供給して膨張させ、ブラダ20でゴム成形物Gを膨出変形させる。ゴム成形物Gは、加硫成形の前工程で、未加硫ゴムにより、両端(図では上下端)の開口の縁部に沿って環状のビード部Bが設けられた筒状に形成され、加硫成形時に、搬送装置(図示せず)により搬送されてブラダ20の周りに配置される。
【0013】
ブラダ20は、ゴム等の耐熱性や伸縮性を有する材料により膨張及び収縮可能な筒状に形成され、収縮した状態(図1参照)で、成形前のゴム成形物Gが外周側に配置される。ブラダ20は、ガス供給手段30からのガスにより内圧が付加されてゴム成形物G内で次第に膨張し、その内面に当接してゴム成形物Gを膨出変形させ、加硫成形時には、ゴム成形物Gを加硫モールド10(図2参照)の内面に押し付けて所定圧力で押圧する。また、ブラダ20は、加硫成形の終了後に、内部のガスが排出されてゴム成形物Gの押圧を解除し、元の状態まで収縮して、加硫成形後のゴム成形物Gが外周側から取り外される。
【0014】
加えて、ブラダ20は、その上下の開口部を囲む環状の端部が、それぞれ上下の保持部材21、22により気密状に保持され、連結部材(図示せず)により連結された保持部材21、22と一体化してブラダユニットを構成する。保持部材21、22は、ブラダ20の断面T字状の各端部を挟み込んで固定して同芯状に保持する部材であり、それぞれ加硫モールド10に当接して配置される円盤状に形成されている。これら保持部材21、22は、ブラダ20の端部を中心線方向に所定間隔を隔てて保持するとともに、下側の保持部材22に形成された貫通孔がガス供給手段30に接続されて、貫通孔を介してブラダ20の内部と外部との間でガスを流通させる。また、保持部材21、22は、それぞれ上面と下面にゴム成形物Gのビード部Bが係合する環状凹部を有し、その中に収納して係合したビード部Bを保持し、かつ、加硫成形時には、ビード部Bを加硫モールド10との間に挟み込んで保持する。
【0015】
加硫モールド10は、ゴム成形物Gの外面形状を規定する外型であり、上下に対向して配置される上モールド11及び下モールド12と、それらの間に配置されて、周方向に複数に分割された分割モールド(セクターモールド)13とを有する。また、加硫モールド10は、各分割モールド13が半径方向に移動可能に、かつ、上モールド11と下モールド12が接近及び離間する方向に相対移動可能に構成されている。
【0016】
加硫成形装置1は、これら各モールド11、12、13を、互いに離間した開放(型開き)位置(図1参照)と、所定位置に組み合わせて密着させた閉鎖(型閉め)位置(図2参照)との間で移動させる。加硫成形装置1は、この型閉め位置への移動により、加硫モールド10内にブラダ20とゴム成形物Gを収納し、加硫モールド10内にゴム成形物Gの形状に応じたキャビティKを区画し、その中に未加硫のゴム成形物Gを収納して加硫成形する。その際、上モールド11と下モールド12で、ゴム成形物Gの上下の端部側形状を、分割モールド13で、ゴム成形物Gの外周面(側面)形状を、それぞれ成形(型付け)して所定形状に形成する。そのため、各モールド11、12、13は、加硫モールド10の内面側のキャビティKを区画する面が、ゴム成形物Gの各部の形状に応じた凹曲面状をなし、互いに段差等なく滑らかに連続する成形面に形成されている。以下、これら各モールド11、12、13を含む各部について具体的に説明する。
【0017】
上モールド11と下モールド12は、それぞれ環状をなし、加硫モールド10内に収納されたブラダ20の保持部材21、22に当接して、それらを上下方向から挟み込む。また、下モールド12は、下プレート2(例えば下プラテン)の上面に取り付けられて、加硫モールド10内での位置が固定されている。これに対し、上モールド11は、下プレート2の上方で上下方向に移動可能な上プレート3(例えば上プラテン)の下面に取り付けられている。上プレート3は、その上方に垂直に設置されたピストン・シリンダ機構等の昇降手段(図示せず)により上下方向に移動(昇降)し、上モールド11を下モールド12に離間及び接近変位させる。この変位に伴い、加硫モールド10が開放及び閉鎖され、ゴム成形物Gの内部への収納と取り出しとが行われる。
【0018】
複数の分割モールド13は、それぞれ平面視弧状をなし、周方向に組み合わされて全体として環状モールドを形成する。また、分割モールド13は、それぞれ半径方向外側の背面に、半径方向の移動を案内する傾斜ガイド部13Aが形成されている。これら複数の分割モールド13の半径方向外側には、それらを囲んで、分割モールド13を半径方向に同期して移動させるための筒状のアウターリング4が、中心線方向に移動可能に設けられている。
【0019】
アウターリング4は、上端が上プレート3の下面に取り付けられ、上プレート3とともに上下方向に昇降して中心線方向に移動する。また、アウターリング4は、内周面の傾斜面4Aが、分割モールド13の傾斜ガイド部13Aと同一勾配で傾斜して形成されている。傾斜面4Aには複数のガイド溝(図示せず)が形成され、各ガイド溝が、各傾斜ガイド部13Aに固定されたスライドレール(図示せず)に連結されて、それらが傾斜方向に摺動可能に係合している。従って、アウターリング4が上下方向に移動すると、傾斜面4Aと分割モールド13の傾斜ガイド部13Aとが傾斜方向に沿って摺動し、傾斜面4Aから分割モールド13に半径方向の内外方向の力が作用する。これにより、複数の分割モールド13が、アウターリング4の傾斜面4Aの傾斜に応じて半径方向に変位し、下ガイドプレート5に沿って半径方向の内側又は外側に移動(拡縮)する。また、分割モールド13は、半径方向外側の移動端まで移動した後は、アウターリング4に連結された状態に維持されて、アウターリング4と一体に上昇(図1参照)する。
【0020】
加硫成形装置1は、ブラダ20やゴム成形物Gを囲んで、上下のモールド11、12を型閉め位置(図2参照)に配置するとともに、複数の分割モールド13を半径方向内側に移動させ、分割モールド13を互いに当接させて加硫モールド10を型閉めする。また、アウターリング4を下方に押し付けながらブラダ20を膨張させて、ゴム成形物Gを加硫モールド10の成形面に所定圧力で押圧しつつ、ゴム成形物Gを加熱して加硫成形を進行させる。加硫成形の終了後は、ブラダ20を収縮させて、複数の分割モールド13と上下のモールド11、12を離間させて型開きし、加硫モールド10内から加硫成形後のゴム成形物Gを取り出す。
【0021】
ここで、本実施形態では、加硫モールド10を型閉めして、ゴム成形物Gを加硫モールド10へ収納する前(図1参照)に、ゴム成形物G内でブラダ20を途中段階まで膨張させる。これにより、予めゴム成形物Gをある程度膨出変形させた後、加硫モールド10を型閉めしてゴム成形物Gを加硫モールド10内へ収納し、ブラダ20を更に膨張(図2参照)させて、上記のようにゴム成形物Gを加硫成形する。その際、ゴム成形物Gを、型閉め時に各モールド11、12、13の合わせ面に挟み込まれず、かつ、加硫モールド10と均等に接触して、加硫モールド10やブラダ20との間に空気残りが生じないように、キャビティKよりも小さい所定状態に膨出変形させて成形する。また、加硫モールド10の外側に配置された外径測定手段40で、膨張したブラダ20により成形したゴム成形物Gの外径を測定する。
【0022】
図3、図4は、膨張するブラダ20によりゴム成形物Gを成形する過程を模式的に示す要部断面図であり、図1からゴム成形物Gの成形に関係する部分を抜き出して示している。
外径測定手段40は、例えば、対象物の変位量を測定するレーザ変位センサや対象物との距離を測定する測距センサからなり、図示のように、ゴム成形物Gの最も膨出する部分(ここでは上下方向の中央部)に向けて配置される。また、外径測定手段40は、ゴム成形物Gを挟んで、その側方の左右両側(図では、左側のみ示す)に一対配置され、ゴム成形物Gの最膨出部分の変位量や最膨出部分との間の距離を測定して、その部分の外径を左右両側から測定する。
【0023】
ゴム成形物Gの成形時には、加硫成形装置1は、まず、ガス供給手段30から供給するガスにより、ブラダ20(図3参照)を僅かに膨張させてゴム成形物Gの内面に当接させ、ゴム成形物Gを位置決めしてブラダ20と同芯状に配置する。次に、ブラダ20内にガスを供給して、ブラダ20(図4参照)を更に膨張させ、ブラダ20内に所定の封入圧力でガスを封入して、ブラダ20の膨張形状に合わせてゴム成形物Gを膨出変形させる。これにより、ゴム成形物Gを、ここでは断面円弧形状に成形して、その外径を外径測定手段40で測定する。加硫成形装置1は、このブラダ20の膨張を、外径測定手段40による外径の測定結果等に基づいて外径制御装置により制御し、膨張したブラダ20により成形されたゴム成形物Gの外径を制御する。
【0024】
図5は、外径制御装置の概略構成を示すブロック図である。
外径制御装置50は、図示のように、装置全体を制御する制御部であるPLC(プログラマブルロジックコントローラ)60と、入力装置51と、圧力制御手段52と、ガス流量計53と、外径測定手段40とを備えている。入力装置51は、PLC60に接続された例えばタッチパネルからなり、作業者により各種データの入力や操作に使用されて、入力や操作の各データをPLC60へ出力する。また、入力装置51は、後述する外径制御に関する各種データをPLC60に設定するときにも使用され、入力された設定データをPLC60へ出力する。
【0025】
圧力制御手段52は、ガス供給手段30とブラダ20との間のガス供給経路(配管)中に接続され、ブラダ20に供給するガスの圧力を無段階に変化させる電空弁(又は電空電磁弁)等の圧力制御弁を有する。圧力制御手段52は、この圧力制御弁を作動させてブラダ20の内圧を制御する内圧制御コントローラであり、圧力制御弁を開閉してブラダ20へ繋がるガス供給経路を開放及び閉鎖する。また、圧力制御手段52は、圧力制御弁により、ガス供給手段30からブラダ20内に供給するガスの供給圧力を制御して変更し、各圧力でブラダ20を膨張させてガス供給経路を閉鎖し、ブラダ20内に所定の封入圧力でガスを封入する。その際、圧力制御手段52は、接続されたPLC60からの制御信号に基づき、ブラダ20内に設定された初期圧力でガスを供給して封入するとともに、圧力制御弁を開閉等して、ブラダ20へ供給して封入するガスの圧力を変更する。
【0026】
ガス流量計53は、圧力制御手段52とブラダ20との間のガス供給経路中に取り付けられ、ブラダ20内に供給されるガスの流量(単位時間あたりに流れるガスの体積(体積流量))を測定する。ガス流量計53は、ブラダ20へのガス供給時にガスの流量を連続して測定し、ガスの流量の測定値をPLC60へ順次出力する。また、PLC60には外径測定手段40も接続され、ブラダ20を膨張させて初期圧力のガスを封入したときを含む所定のタイミングで、外径測定手段40が、ゴム成形物Gの外径を測定して各測定値をPLC60へ出力する。
【0027】
PLC60は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、外径制御処理のための各種プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、CPUが直接アクセスするデータを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)等を備えたマイクロコンピュータ(又はCPUユニット)を有する。また、PLC60は、CPUによりROMに格納されたプログラムを実行することで得られる機能実現手段として、ゴム成形物Gの外径制御に関する処理を行う後述する各手段(機能部)を有する。
【0028】
図6は、PLC60の概略構成を示す機能ブロック図である。
PLC60は、図示のように、入出力部61と、記憶部62と、ゴム成形物Gの外径を制御するための処理を行う外径制御処理部70とを有し、それらがバス63を介して互いに接続されている。入出力部61は、外部機器と接続してデータを入出力するインターフェースであり、上記した入力装置51、圧力制御手段52、ガス流量計53、及び外径測定手段40が接続されている。記憶部62は、外径制御に関する各種データ、例えば、外径制御の設定条件、ガス流量計53によるガス流量の測定値、及び外径測定手段40によるゴム成形物Gの外径の測定値等を記憶する。
【0029】
PLC60は、入力装置51を介して、作業者から外径制御に関する各データが予め入力されて、それらを記憶部62に記憶し、外径制御処理部70が記憶部62から必要なデータを読み出して使用する。外径制御処理部70は、封入量測定部71、封入量比較部72、封入量調整部73、外径比較部74、外径調整部75、及び圧力設定部76を有し、これら各部(手段)によりゴム成形物Gの外径制御処理を実行して、処理結果を記憶部62に記憶させる。以下、外径制御装置50により、膨張したブラダ20により成形されたゴム成形物Gの外径を制御する処理の手順や、この外径制御装置50により外径を制御してゴム成形物Gを製造する製造方法について説明する。
【0030】
図7は、外径制御装置50によるゴム成形物Gの外径制御処理の手順を示すフローチャートである。
この外径制御装置50では、まず、上記のように、成形前のゴム成形物Gをブラダ20の周りに配置(図1参照)した後、PLC60からの制御信号に基づき、ガス供給手段30から圧力制御手段52を介してガスを供給してブラダ20を僅かに膨張させる(図3参照)。続いて、圧力制御手段52により、ブラダ20内に供給するガスの供給圧力を制御して、ブラダ20内にガスを供給してブラダ20を更に膨張させ(図4参照)、ブラダ20に供給圧力に対応する所定の封入圧力でガスを封入する(S101)。
【0031】
その際、PLC60の外径制御処理部70により、予め設定された初期圧力を圧力制御手段52へ出力し、圧力制御手段52から初期圧力でガスを徐々に供給してブラダ20内にガスを封入する。これにより、ブラダ20を初期圧力に応じた状態まで膨張させ、ブラダ20の膨張形状に合わせてゴム成形物Gを膨出変形させる。また、ガス流量計53により、ブラダ20内に供給するガスの流量を順次測定してPLC60へ出力する。このガスの流量の測定値と各流量でのガスの供給時間に基づき、封入量測定部71により、ブラダ20にガスを供給した間を通して、ガスの供給量を積算して積算値を算出し、ブラダ20内に封入したガスの封入量を測定する(S102)。続いて、封入量比較部72により、封入量測定部71が測定したガスの封入量の測定値と、予め設定されたガスの封入量の目標値とを比較する(S103)。
【0032】
次に、封入量比較部72による封入量同士の比較結果に基づき、封入量調整部73によりブラダ20内のガスの封入量を調整する(S104)。封入量調整部73は、封入量の比較結果に基づき、圧力制御手段52によりブラダ20内に供給するガスの供給圧力を制御させて、圧力制御手段52によるブラダ20内のガスの封入圧力を変更させる。その際、例えば、ガスの封入量の測定値が目標値よりも小さいときには、ガスの供給圧力を高くしてブラダ20を膨張させ、ブラダ20へのガスの封入圧力を高くしてガスの封入量を多くする。逆に、ガスの封入量の測定値が目標値よりも大きいときには、ガスの供給圧力を低くしてブラダ20を収縮させ、ブラダ20へのガスの封入圧力を低くしてガスの封入量を少なくする。このようにして、封入量調整部73は、ガスの封入量の測定値と目標値の差に応じて、ブラダ20へのガスの封入圧力を変更し、ブラダ20内のガスの封入量を目標値に向けて調整する。
【0033】
ここで、ブラダ20は、一般的な風船と同様に、ガスの供給圧力に応じて膨張して、その圧力でガスが封入されるとともに、ガスの封入量と外径(膨張径)との間に線形性や所定の関係が生じて、ガスの封入量に対応して外径が連続的に変化する。そのため、外径制御装置50は、PLC60と圧力制御手段52により、ブラダ20内のガスの封入量を調整してブラダ20の膨張量を変化させ、ガスの封入量により、膨張したブラダ20の外径、又は、膨張したブラダ20により成形されたブラダ成形物の外径を制御する。ここでは、外径制御装置50は、封入量測定部71でガスの封入量を測定しつつ、ブラダ成形物であるゴム成形物Gの外径をガスの封入量により制御して変化させ、ゴム成形物Gの外径を予め設定された外径の目標値に向けて調整する。
【0034】
また、外径制御装置50は、外径測定手段40(図4参照)により、膨出変形するゴム成形物Gの外径を測定して監視し、調整後のゴム成形物Gの外径を測定して(S105)、外径比較部74により、外径の測定値と目標値とを比較する(S106)。次に、外径の測定値と目標値の比較結果に基づき、外径調整部75により、圧力制御手段52によるガスの封入圧力を変更させて、ブラダ20又はゴム成形物G(ここではゴム成形物G)の外径を調整する(S107)。なお、外径の目標値は、所定の外径の値、又は、所定の許容範囲を含む外径の値が予め設定されて記憶部62に記憶される。
【0035】
外径調整部75は、外径の比較結果に基づき、封入量調整部73と同様に、ブラダ20内のガスの封入圧力を変更して、ブラダ20内のガスの封入量を変化させ、ゴム成形物Gの外径を目標値に調整する。その際、設定された外径の目標値に向けて変形するゴム成形物Gの外径を外径測定手段40で測定し、外径調整部75により、外径の測定値を監視しながら圧力制御手段52によるガスの封入圧力を制御して変更する。これにより、外径調整部75は、外径の測定値が目標値に一致したときに、圧力制御手段52によりブラダ20にガスを封入して、ゴム成形物Gの外径変化を停止させる。また、外径調整部75は、外径の比較結果に基づき変更したブラダ20内の最終封入圧力、及び、封入量測定部71で測定したブラダ20内のガスの最終封入量を記憶部62に記憶させる。
【0036】
続いて、外径制御装置50は、圧力設定部76により、ブラダ20内の最終封入圧力に基づき、次のブラダ20の膨張時に、圧力制御手段52によりブラダ20内に最初にガスを封入する初期封入圧力を設定する(S108)。ここでは、圧力設定部76が、最終封入圧力よりも所定圧力だけ低い圧力を初期封入圧力に設定して、その回のゴム成形物Gの外径制御処理を終了する。次にブラダ20を膨張させるときには、まず、設定された初期封入圧力でブラダ20にガスを封入して、封入量比較部72により、前回のガスの最終封入量を目標値としてブラダ20内のガスの封入量の測定値と比較する。その結果、測定値が目標値よりも小さいのを確認した後に、ガスの封入圧力を前回の最終封入圧力まで高くして、ブラダ20のガスの封入量を調整する。
【0037】
このように、外径制御装置50は、外径測定手段40を用いて、その回のガスの封入圧力や封入量を調整するとともに、その結果に基づき、次のブラダ20の膨張時にガスの封入圧力や封入量をフィードバック制御して調整する。また、最初にブラダ20を膨張させるときには、ガスの初期封入圧力や封入量の目標値等の設定条件として、試験的にブラダ20を膨張させて、或いは、過去のデータから、ある程度の妥当性がある値を設定すると、次回以降との差を小さくして円滑に制御できる。外径制御装置50は、以上の各工程を繰り返して、内部に供給されるガスで膨張するブラダ20によりゴム成形物Gを所定形状に順次成形して、ゴム成形物Gを製造する。ここでは、ゴム成形物Gを所定状態に膨出変形させて成形した後、上記のように、加硫モールド10(図2参照)を型閉めしてブラダ20を更に膨張させて、ゴム成形物Gを加硫成形する。その後、ブラダ20を収縮させて加硫モールド10を型開きし、加硫後のゴム成形物Gを取り出して、次のゴム成形物Gをブラダ20の周りに配置し、ゴム成形物Gを連続して製造する。
【0038】
以上説明したように、本実施形態では、ブラダ20内に所定の封入圧力でガスを封入して、ガスの封入量の測定値と目標値とを比較し、封入量の比較結果に基づき、ガスの封入圧力を変更してブラダ20内のガスの封入量を目標値に調整する。そのため、ブラダ20内のガスの封入量を、膨張したブラダ20、又はブラダ20により成形されたゴム成形物Gの外径(ここではゴム成形物Gの外径)が設定された外径となる封入量の目標値に繰り返し安定して維持できる。これに伴い、ブラダ20を、膨張の都度、ガスの封入量の目標値に応じた所定の外径及び形状に膨張させて、ゴム成形物Gの外径を精度よく制御できるため、ゴム成形物Gを繰り返し安定して膨出変形等させて同様の状態に成形できる。また、比較的容易かつ精度よく測定できるガスの封入量を測定し、その測定結果に基づきブラダ20内のガスの封入量を調整するため、ブラダ20を正確に膨張させてゴム成形物Gの外径の精度を高くできる。同時に、複雑な制御によることなく、ブラダ20の膨張を確実に制御して、高い外径精度を容易に確保できる。
【0039】
従って、本実施形態によれば、複雑な制御によらずに、膨張したブラダ20により成形されたゴム成形物Gの外径を精度よく制御して、所定の外径を安定して確保することができる。これにより、加硫成形時には、ゴム成形物Gを、目標とする外径や形状に正確に成形した状態で加硫モールド10内に収納できるため、加硫モールド10にゴム成形物Gを均等に接触させることもできる。その結果、加硫モールド10やブラダ20とゴム成形物Gとの間の空気残りや、ゴム成形物Gの表面形状の変動を、より確実に抑制して、ゴム成形物Gを安定して加硫成形できる。併せて、ゴム成形物Gを各モールド11、12、13の合わせ面で挟み込まずに加硫モールド10に収納できるとともに、ゴム成形物Gを全体に亘り加硫モールド10に接触させて加熱でき、加硫や成形のバラツキを低減して確実に加硫成形できる。
【0040】
また、ゴム成形物Gの外径制御を、複雑な制御や処理、動作等を要さずに実行できるため、外径制御装置50の構成も比較的簡単にでき、コストを削減しつつ装置の信頼性を向上できる。ここでは、外径制御のための演算や処理、圧力制御手段52の制御、外径測定手段40やガス流量計53からの信号処理を行う機器を分散させずに、1つのPLC60により行うため、外径制御装置50の汎用性も高くなる。
【0041】
更に、繰り返しブラダ20を膨張させるときに、例えば、PLC60により、ブラダ20へ都度封入したガスの封入量から、それらの変化の傾き(微分係数)を算出することで、ブラダ20の経時変化を把握できる。この微分係数に基づき、次の膨張時にブラダ20の外径が目標値となる次のガス封入量の目標値を適宜設定でき、或いは、ブラダ20の劣化を早期に判断できる。このように、過去に蓄積したデータや制御履歴に基づき、ブラダ20の劣化を早期に判断することで、ガスの封入量の急変やブラダ20の過膨張を事前に防止でき、ブラダ20へのガスの封入量を適切に維持して、ゴム成形物Gを安定して目標の外径に成形できる。
【0042】
ここで、例えば、レーザ変位センサ等の外径測定センサのみでゴム成形物Gの外径を測定してガスの封入量を調整するときには、外径測定センサの測定精度の影響で、ゴム成形物Gの外径の精度を効果的に高めるのが難しいことがある。即ち、このような外径測定センサは、測定距離に制限があり、長距離からの測定では測定精度が低くなる傾向があるため、ゴム成形物Gに充分に接近させないと精度のよい外径の測定が困難である。そのため、加硫成形装置1(図1参照)のように、外径測定センサを装置の外部に設置する必要があり、ゴム成形物Gに接近して設置できない状況では、ゴム成形物Gが充分に膨出変形するまで、精度よく外径を測定して外径制御を行うのが難しい。
【0043】
これに対し、本実施形態では、ブラダ20内へのガスの封入量を測定して封入量を調整するため、外径測定センサにおける各問題を回避でき、様々な状況で、ゴム成形物Gの外径を確実に制御して外径の精度を効果的に向上できる。また、ブラダ20でゴム成形物Gを成形した後に、ゴム成形物Gの外径を外径測定手段40で測定するが、その際には、ブラダ20の膨張に応じてゴム成形物Gが外径測定手段40に接近しているため、ゴム成形物Gの外径を精度よく測定できる。そのため、この外径の測定値と目標値の比較結果に基づき、ブラダ20内のガスの封入圧力を変更してゴム成形物Gの外径を目標値に調整することで、ゴム成形物Gの外径をより正確に制御して、外径の精度を一層向上できる。
【0044】
加えて、上記のように、外径の比較結果から変更したブラダ20内の最終封入圧力に基づき、次の膨張時の初期封入圧力を設定すると、次の初期封入圧力を適切に設定できるため、ブラダ20へのガス封入完了までのサイクルタイムを短縮できる。また、ブラダ20は、膨張と収縮の繰り返しに伴い、ある程度の伸びが生じて膨張の仕方も変化するため、前回の最終封入圧力に基づき次の初期封入圧力を設定することで、ブラダ20の変化に対応した適切な初期封入圧力を設定できる。これにより、膨張毎に、ブラダ20を適宜膨張させて、ゴム成形物Gの外径をより高い精度で制御できる。その際、ゴム成形物Gの外径が目標値よりも一旦大きくなると、続けてガスの封入圧力を低くしてブラダ20を収縮させても、ゴム成形物Gに一旦大きく変形した履歴が残留する。従って、初期封入圧力には、最終封入圧力よりも低い圧力を設定するのが望ましい。このようにすることで、まず、ブラダ20が狙いよりも小さい外径で膨張するため、ゴム成形物Gの外径が目標値よりも大きくなるのを確実に防止でき、ゴム成形物Gの品質を安定して確保できる。
【0045】
なお、本実施形態では、ブラダ成形物であるゴム成形物Gの外径を制御する例を説明したが、膨張したブラダ20自体の外径も、以上と同様にして精度よく制御できる。この場合には、膨張したブラダ20の外径を直接測定して外径の目標値と比較し、ブラダ20の外径を目標値に向けて調整等する。これにより、例えば、タイヤの製造工程で、膨張するブラダ20により、ビードコア周りにタイヤ構成部材を折り返して未加硫タイヤを成形するときに、タイヤ構成部材を正確に折り返して、未加硫タイヤの成形精度を向上できる。
【0046】
ただし、この加硫成形装置1で製造するゴム成形物Gは、タイヤに比べて、厚さが薄く、かつ、ビードやワイヤのような内部を補強する部材がなく、或いは、あっても使用量が制限されるため、ブラダ20の状態や膨張に応じて敏感に変形する。そのため、ゴム成形物Gは、外径の制御が難しく、外径のバラツキや過剰な膨出変形も生じ易い傾向があり、上記した変形履歴の残留等を抑制して品質を安定して確保する観点から、より精度の高い外径制御が要求される。従って、本発明は、膨張するブラダ20により膨出変形する空気バネ用のゴム成形物Gの外径を制御する場合に好適である。
【符号の説明】
【0047】
1・・・加硫成形装置、2・・・下プレート、3・・・上プレート、4・・・アウターリング、4A・・・傾斜面、5・・・下ガイドプレート、10・・・加硫モールド、11・・・上モールド、12・・・下モールド、13・・・分割モールド、13A・・・傾斜ガイド部、20・・・ブラダ、21、22・・・保持部材、30・・・ガス供給手段、40・・・外径測定手段、50・・・外径制御装置、51・・・入力装置、52・・・圧力制御手段、53・・・ガス流量計、60・・・PLC、61・・・入出力部、62・・・記憶部、63・・・バス、70・・・外径制御処理部、71・・・封入量測定部、72・・・封入量比較部、73・・・封入量調整部、74・・・外径比較部、75・・・外径調整部、76・・・圧力設定部、B・・・ビード部、G・・・ゴム成形物、K・・・キャビティ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラダと、ブラダ内にガスを供給して膨張させるガス供給手段とを備え、膨張したブラダの外径、又は膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を制御するブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置であって、
ガス供給手段から供給するガスの供給圧力を制御して、ブラダ内に所定の封入圧力でガスを封入する圧力制御手段と、
ブラダ内に封入したガスの封入量を測定する封入量測定手段と、
ガスの封入量の測定値と目標値とを比較する封入量比較手段と、
封入量の比較結果に基づき、圧力制御手段によるガスの封入圧力を変更させて、ブラダ内のガスの封入量を目標値に調整する封入量調整手段と、
を備えたことを特徴とするブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置において、
膨張したブラダ又はブラダ成形物の外径を測定する外径測定手段と、
外径の測定値と目標値とを比較する外径比較手段と、
外径の比較結果に基づき、圧力制御手段によるガスの封入圧力を変更させて、ブラダ又はブラダ成形物の外径を目標値に調整する外径調整手段と、
を備えたことを特徴とするブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載されたブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置において、
外径の比較結果から変更したブラダ内の最終封入圧力に基づき、次のブラダ膨張時に圧力制御手段によりブラダ内に封入する初期封入圧力を設定する圧力設定手段を備えたことを特徴とするブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置において、
圧力設定手段が、最終封入圧力よりも低い圧力を初期封入圧力に設定することを特徴とするブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載されたブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置において、
外径を制御するブラダ成形物が、膨張するブラダにより膨出変形する空気バネ用のゴム成形物であることを特徴とするブラダ又はブラダ成形物の外径制御装置。
【請求項6】
内部に供給されるガスで膨張するブラダによりブラダ成形物を製造するブラダ成形物の製造方法であって、
ブラダ内にガスを供給して所定の封入圧力でガスを封入する工程と、
ブラダ内に封入したガスの封入量を測定する工程と、
ガスの封入量の測定値と目標値とを比較する工程と、
封入量の比較結果に基づき、ブラダ内のガスの封入圧力を変更してブラダ内のガスの封入量を目標値に調整する工程と、
ガスの封入量により、膨張したブラダの外径、又は膨張したブラダにより成形されたブラダ成形物の外径を制御する工程と、
を有することを特徴とするブラダ成形物の製造方法。
【請求項7】
請求項6に記載されたブラダ成形物の製造方法において、
膨張したブラダ又はブラダ成形物の外径を測定する工程と、
外径の測定値と目標値とを比較する工程と、
外径の比較結果に基づき、ブラダ内のガスの封入圧力を変更して、ブラダ又はブラダ成形物の外径を目標値に調整する工程と、
を有することを特徴とするブラダ成形物の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載されたブラダ成形物の製造方法において、
外径の比較結果から変更したブラダ内の最終封入圧力に基づき、次のブラダ膨張時にブラダ内に封入する初期封入圧力を設定する工程を有することを特徴とするブラダ成形物の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載されたブラダ成形物の製造方法において、
初期封入圧力を設定する工程が、最終封入圧力よりも低い圧力を初期封入圧力に設定することを特徴とするブラダ成形物の製造方法。
【請求項10】
請求項6ないし9のいずれかに記載されたブラダ成形物の製造方法において、
外径を制御するブラダ成形物が、膨張するブラダにより膨出変形する空気バネ用のゴム成形物であることを特徴とするブラダ成形物の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−148138(P2011−148138A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9877(P2010−9877)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】