説明

プラスチック添加剤の低粉塵性グラニュール

【課題】粉立ちがなく、流動性や耐磨耗性に優れ、長い保存寿命を有するプラスチック添加剤のグラニュールを提供する。
【解決手段】本発明は、ステアリン酸カルシウムを少なくとも30重量%含有するプラスチック添加剤の低粉塵性グラニュールであって、該ステアリン酸カルシウムの含水量が2%未満であり、1mmないし10mmのISO3435に準拠する粒径、400g/lより大きいルーズ嵩密度および15s(tR25 )未満のDIN53492に準拠する流動性を有する低粉塵性グラニュール並びに、有機ポリマー(ポリエチレン,ポリプロピレン等)および上記グラニュールを含有する組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はステアリン酸カルシウムを含有するプラスチック添加剤の低粉塵性グラニュール並びに、有機ポリマー(ポリエチレン,ポリプロピレン等)および上記グラニュールを含有する組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有機ポリマー(プラスチック)、特にポリオレフィンは、加工されるため、および使用特性を長期間保持するために添加剤の添加を一般に必要とする。光および熱の他に、有機ポリマーを損傷させる作用はまた、製造に使用された触媒の残留である。従来技術は添加剤および安定剤として使用され得る非常に広範囲の物質群を開示している。有機ポリマーへの損傷に対してその全てが詳細に理解されているわけではない種々のプロセス(加工)のために、多数の添加剤の混合物が頻繁に使用される。
【0003】
一般に添加剤は粉末形態にある。しかしながら、粉末形態にある添加剤混合物は多くの欠点、例えば粉立ち(ダスチング)、さらには粉体爆発、分離傾向および計量の困難さを有する。このため、これらの欠点のない市販形態に対する要求がある。このために、例えば凝集法(水性および適当であるならば分散剤を用いる)、バインダーを用いる混合法またはペレットプレスを用いる圧縮が記載されている。しかしながら、多くの場合、得られる市販の形態は依然として適当な機械的特性をもたない。市販の形態はまた、有機ポリマーへの引き続く配合の間に問題を引き起し得るか、または特別な手段を必要とする水またはその他のバインダーをしばしば含有する。それ故に、バインダーを含有しない長い保存寿命を有する粒状添加剤混合物に対する要望がある。重要性が増大している環境面(低い粉塵性,バインダーを省くことによる材料節約)をも満足させるこのタイプの粒状材料がまた望ましい。
【0004】
この目的に対し、米国特許第5240642号明細書(特許文献1)は、有機酸および無機抗酸添加剤およびテトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンの粒状形態を得るための方法を記載しており、該方法は溶融状態にある後者の物質の存在下、抗酸粉末塊の全体に該物質を均一に分散し、該塊を押出し、押出されたストランドを冷却し、そしてグラニュールを形成することにより行われる。残念ながら、上記方法により得られるグラニュールはいくつかの欠点により特徴づけられる。すなわち、上記グラニュールは依然として、大規模工程で作業する工業界における作業者に特に有害である相当量の粉塵を放出し、保存や移動の間に分離しやすく、そしてそれらに付随して計量の困難さを有する。
【特許文献1】米国特許第5240642号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、プラスチック添加剤の低粉塵性グラニュール並びに、有機ポリマーおよび上記グラニュールを含有する組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かなりな程度まで工業界の要求を満足させるプラスチック添加剤のグラニュールが、本発明に従って、プラスチック添加剤とステアリン酸カルシウムの混合物を、ステアリン酸カルシウムの少なくとも80%が溶融するまで加温し、そして塑性状態で次の成形を行うことにより驚くべきことに製造される。
【0007】
プラスチック添加剤の新規グラニュールは非常に均一であり、そして優れたばら材料(bulk material) 特性、特にダスト(粉塵)がないこと、流動性および耐磨耗性により、および良好な保存寿命により区別される。それらは安定化されるべき有機ポリマー中に非常に容易に計量され得、そして慣用のステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カルシウム粉末混合物に比べ熱的に良好な融解挙動を有する。
【0008】
従って、本発明は、ステアリン酸カルシウムを少なくとも30重量%含有するプラスチック添加剤の低粉塵性グラニュールであって、該ステアリン酸カルシウムの含水量が2%未満であり、1mmないし10mmのISO3435に準拠する粒径、400g/lより大きいルーズ嵩密度および15s(tR25 )未満のDIN53492に準拠する流動性を有する低粉塵性グラニュールに関する。
本発明の低粉塵性グラニュールは、
(a)少なくとも30重量%で、100重量%までのステアリン酸カルシウムを含有するプラスチック添加剤の混合物を、ステアリン酸カルシウムの少なくとも80重量%が溶融するまで加温し、
(b)ノズルまたはホールの直径が1mmないし10mmであるノズルまたはホールを備えたプレートを通して得られた溶融体をプレスし、そして
(c)得られた押出物から、それが塑性状態にある間にグラニュールを形成する
ことにより得ることができる。
本発明はまた、有機ポリマーおよび本発明のグラニュールを含有する組成物に関する。
【0009】
本発明の目的のために、「低粉塵性グラニュール(low-dust granule)」という用語は、ホイバッハ試験(Heubach test)における粉塵(ダスト)発生が0.15重量%未満(5分後)であるグラニュール(粒体)を意味すると理解される。
明細書の以下の記載において、「新規グラニュール」という用語は上で定義された低粉塵性グラニュールを意味すると理解される。
【0010】
本発明の目的のために、ステアリン酸カルシウムは市販の脂肪酸混合物とカルシウム化合物との反応生成物を意味すると理解される。市販の脂肪酸混合物は主成分のステアリン酸としばしばパルミチン酸を有する炭素原子数14ないし20の脂肪酸の混合物、例えばステアリン酸約67%とパルミチン酸33%からなる。本発明によれば、ステアリン酸カルシウムは低含量の結晶水を有し、すなわち、それは実質的に不定形である。周囲の影響(例えば保存条件)および熱履歴に応じ、ステアリン酸カルシウムの全体の含水量およびステアリン酸カルシウム成分は変化し得るが、好ましくは1%未満である。
【0011】
好ましい態様において、新規グラニュールはステアリン酸カルシウムを少なくとも30重量%または100重量%含有する。
【0012】
新規グラニュールのISO3435に従って規定される粒径は好ましくは1mmないし6mm、特に好ましくは2mmないし6mmである。
【0013】
ルーズ嵩密度(loose bulk density)は好ましくは500g/lより大きいが、それは混合物全体の密度に依存し、そしてその密度がステアリン酸カルシウムの密度と大きく異なる混合物においては、より大きくても、より小さくてもよい。それ故に、上記の数値は、当該密度のステアリン酸カルシウムの密度との相違が10%以内である混合物に適用される。もし混合物の密度がより大きく異なるならば、嵩密度はステアリン酸カルシウムの密度と混合物の密度との間の比率により与えられる因子(倍率)により補整されるべきである。
【0014】
本発明によれば、DIN53492に準拠して決定される流動性は好ましくは15s(tR25 )未満、最も好ましくは10s(tR25 )未満である。
【0015】
粉塵発生は実際条件に類似の実験設備においてホイバッハ試験により決定され、その場合、試験材料は磨耗による粉立ち傾向を決定するために作動状態におかれる。使用される装置はドイツ国ランゲルシャイムのホイバッハ・エンジニアリング・ゲーエムベーハーにより製造される。詳しくは、試験材料(試料重量50g)は、3つの障害物がハウジング壁に対して45°の角度で回転方向に配置されている2.5リットルの容量を有するダスト形成ユニット内で30rpm(19cm/秒の周速度に相当する)で動かされ、その間に0.32リットル/秒の空気流がフィルター上に微粉成分を堆積させる。本発明によれば、この方法で決定される微粉含量は好ましくは0.1重量%を越えない。
【0016】
本発明に従ってグラニュール中に存在し得るその他のプラスチック添加剤はそれ自体公知であり、単独であるか、または種々の組合せである。以下に記載される多くのプラスチック添加剤は市販のものが利用可能である。その他のプラスチック添加剤は公知方法および標準的条件で製造され得、固体(例えば粉末またはグラニュール)、溶融体(例えば合成から直接)または液体の形態である。
【0017】
本発明はさらに、少なくとも30重量%で、100重量%までのステアリン酸カルシウムを含有するプラスチック添加剤の混合物を、ステアリン酸カルシウムの少なくとも80重量%が溶融するまで加温し、ノズルまたはホールの直径が1ないし10mmであるノズルまたはホールを備えたプレートを介して混合物を押し進め、そして得られた押出物を塑性状態において切断してグラニュールを得ることからなるプラスチック添加剤のグラニュールの製造方法に関する。「塑性状態」という用語は未だ凝固していないストランドを意味し、該ストランドは軟質状態にあり、そして粘度に関し、ストランドは一般に1ないし500000Pa・s、好ましくは1ないし100000Pa・sの範囲の粘度を有する。
ノズルまたはホールの直径は好ましくは2ないし6mmである。
【0018】
プラスチック添加剤(またはステアリン酸カルシウム)は一軸または二軸スクリュー押出機内で溶融されるのが有利であり、そのような押出機はプラスチック加工業界において公知であり、そして例えばバス(スイス)、ブラベンダー(ドイツ)、ベルナー・ウント・プフライデラー(ドイツ)またはビューラー(スイス)により市販されている。本発明において、プラスチック添加剤は通常固体(例えば粉末またはグラニュール)として使用されるが、溶融体、水性懸濁液または少量で液体添加剤を使用することも可能である。依然として軟質状態で行われる押出物の切断の後またはその間に、そしてノズルまたは穿孔ディスクの通過の後に、グラニュール粒子は冷却される。冷却は水を用いる湿式冷却の形態で(例えば水中,水性フィルム,水性リングその他により)、または好ましくは空気を使用することにより(例えば空気フィルム,空気渦その他)または組合せにより行われ得る。水冷却が使用されるならば、引続き脱水および乾燥(好ましくは流動層乾燥剤)が必要である。これらの冷却法はそれらの工業的手段において公知である。工業界において慣用の押出粒状化および破砕工程とは異なり、粒状化は実際の冷却段階の前に塑性状態で行われることが必須である。
【0019】
ステアリン酸カルシウム含有溶融体の製造は単一の一定温度で通常行われずに、材料は連続プロセスにおける温度分布を通す。130℃を越えるピーク温度がここで達成されるのが有利であり、その他の混合物成分に応じて150℃を越えるピーク温度が好ましく、そして220℃までのピーク温度が通常適当である。これらの温度は材料の温度に対応する。
【0020】
ガス抜きをさらに含む方法がさらに好ましい。この方法が実施される場合、上記ガス抜き設備はステアリン酸カルシウムが溶融される領域またはそれに続く領域に設置されるのが好ましい。
【0021】
グラニュールは押出機を用いて製造されるのが好ましく、130℃を越える材料温度が押出機内の少なくとも1点で達成される。
【0022】
本発明の方法により得られるプラスチック添加剤グラニュールは同様に本発明の対象である。上記の好ましい事項がここでも同様に当てはまる。
【0023】
本発明に係るグラニュールに存在し得るその他のプラスチック添加剤は、立体障害性アミン(HALS)、立体障害性フェノール、ホスフィットまたはホスホニット、ハイドロタルサイト、金属酸化物、金属炭酸塩、その他の金属セッケン、帯電防止剤、粘着防止剤、難燃剤、チオエステル、内部滑剤および表面滑剤、顔料、UV吸収剤およびその他の光安定剤からなる群から選択される化合物であることが好ましい。
グラニュールはさらに追加の物質、例えば熱可塑性ポリマー(例えばポリオレフィンまたはポリオレフィンワックス)等を含有し得る。
【0024】
本発明の特に好ましい態様はステアリン酸カルシウムと立体障害性フェノールタイプの少なくとも1種の酸化防止剤と少なくとも1種のホスフィットまたはホスホニットの組合せである。特に好ましいのは、さらに、ステアリン酸カルシウムと少なくとも1個の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン基を含有する立体障害性アミンからなる群からの少なくとも1種の化合物の組合せである。
【0025】
本発明のとりわけ好ましい態様はステアリン酸カルシウムと立体障害性フェノールタイプの少なくとも1種の酸化防止剤と少なくとも1種のホスフィットまたはホスホニットと少なくとも1個の2,2,6,6−テトラメチルピペリジン基を含有する立体障害性アミンからなる群からの少なくとも1種の化合物の組合せである。
【0026】
立体障害性アミン、好ましくはピペリジン化合物は主に光安定剤として公知である。これらの化合物は次式I:
【化1】

で表される基を1個またはそれ以上含有する。
これらは比較的低い分子量(<700)または比較的高い分子量の化合物であってよい。後者の場合、それらはオリゴマーまたはポリマー生成物であってよい。
【0027】
特に重要な安定剤はテトラメチルピペリジン化合物の以下の群である。
a)次式II:
【化2】

〔式中、
nは1ないし4、好ましくは1または2の数を表し、
1 は水素原子、オキシル基、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数3ないし8のアルキニル基、炭素原子数7ないし12のアルアルキル基、炭素原子数1ないし8のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基、グリシジル基または次式:−CH2 CH(OH)−Z(式中、Zは水素原子、メチル基またはフェニル基を表す)で表される基を表し、R1 は好ましくは炭素原子数1ないし4のアルキル基、アリル基、ベンジル基、アセチル基またはアクリロイル基を表し、
nが1の場合、R2 は水素原子、1もしくはそれ以上の酸素原子により中断されてもよい炭素原子数1ないし18のアルキル基、シアノエチル基、ベンジル基、グリシジル基、脂肪族、環状脂肪族、芳香脂肪族、不飽和もしくは芳香族カルボン酸、カルバミン酸またはリン含有酸の1価の基、または1価のシリル基、好ましくは炭素原子数2ないし18の脂肪族カルボン酸、炭素原子数7ないし15の環状脂肪族カルボン酸、炭素原子数3ないし5のα,β−不飽和カルボン酸もしくは炭素原子数7ないし15の芳香族カルボン酸の基を表し、
nが2の場合、R2 は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、キシリレン基、脂肪族、環状脂肪族、芳香脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸、ジカルバミン酸またはリン含有酸の2価の基、または2価のシリル基、好ましくは炭素原子数2ないし36の脂肪族ジカルボン酸、炭素原子数8ないし14の環状脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸、または炭素原子数8ないし14の脂肪族、環状脂肪族もしくは芳香族ジカルバミン酸の基を表し、
nが3の場合、R2 は脂肪族、環状脂肪族もしくは芳香族トリカルボン酸、芳香族トリカルバミン酸、またはリン含有酸の3価の基、または3価のシリル基を表し、そして
nが4の場合、R2 は脂肪族、環状脂肪族または芳香族テトラカルボン酸の4価の基を表す〕で表される化合物。
【0028】
あらゆる炭素原子数1ないし12のアルキル置換基は例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基またはn−ドデシル基である。
【0029】
炭素原子数1ないし18のアルキル基R2 は、例えば上に挙げた基、そしてさらに例えばn−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基またはn−オクタデシル基であってよい。
炭素原子数3ないし8のアルケニル基R1 は例えば1−プロペニル基、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基、2−オクテニル基または4−第三ブチル−2−ブテニル基であってよい。
炭素原子数3ないし8のアルキニル基R1 は好ましくはプロパルギル基である。
炭素原子数7ないし12のアルアルキル基R1 は、特にフェネチル基であり、とりわけベンジル基である。
炭素原子数1ないし8のアルカノイル基R1 は、例えばホルミル基、プロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基であるが、好ましくはアセチル基であり、そして炭素原子数3ないし5のアルケノイル基R1 は特にアクリロイル基である。
【0030】
2 がカルボン酸の1価の基であるならば、それは例えばアセチル基、カプロイル基、ステアロイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ベンゾイル基またはβ−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基である。
2 がジカルボン酸の2価の基であるならば、それは例えばマロニル基、スクシニル基、グルタリル基、アジポイル基、スベロイル基、セバコイル基、マレオイル基、フタロイル基、ジブチルマロニル基、ジベンジルマロニル基、ブチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロニル基またはビシクロヘプテンジカルボニル基である。
2 がトリカルボン酸の3価の基であるならば、それは例えばトリメリチル基またはニトリロトリアセチル基である。
2 がテトラカルボン酸の4価の基であるならば、それは例えばブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸またはピロメリット酸の4価の基である。
2 がジカルバミン酸の2価の基であるならば、それは例えばヘキサメチレンジカルバモイル基または2,4−トリレンジカルバモイル基である。
【0031】
この群のポリアルキルピペリジン化合物の例は以下の化合物である:
1)4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
2)1−アリル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
3)1−ベンジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
4)1−(4−第三ブチル−2−ブテニル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
5)4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
6)1−エチル−4−サリチロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、7)4−メタクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、
8)1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イルβ−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
9)ジ(1−ベンジル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)マレエート、
10)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシネート、
11)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)グルタレート、
12)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アジペート、
13)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート、
14)ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)セバケート、
15)ジ(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチルピペリジン−4−イル)セバケート、
16)ジ(1−アリル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)フタレート、
17)1−プロパルギル−4−β−シアノエチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
18)1−アセチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イルアセテート、19)トリメリット酸トリ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)エステル、
20)1−アクリロイル−4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
21)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ジエチルマロネート、
22)ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ジブチルマロネート、
23)ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ブチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、
24)ジ(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)ジベンジルマロネート、
25)ジ(1,2,3,6−テトラメチル−2,6−ジエチルピペリジン−4−イル)ジベンジルマロネート、
26)ヘキサン−1’,6’−ビス(4−カルバモイルオキシ−1−n−ブチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)、
27)トルエン−2’,4’−ビス(4−カルバモイルオキシ−1−n−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)、
28)ジメチル−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)シラン、
29)フェニル−トリス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−オキシ)シラン、
30)トリス(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ホスフィット、
31)トリス(1−プロピル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ホスフェート、
32)ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)フェニルホスホネート、
33)4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、
34)4−ヒドロキシ−N−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
35)4−ヒドロキシ−N−(2−ヒドロキシプロピル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
36)1−グリシジル−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン。
【0032】
b)次式III:
【化3】

〔式中、
nは1または2を表し、
1 はa)において定義したものと同じ意味を表し、
3 は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数7または8のアルアルキル基、炭素原子数2ないし18のアルカノイル基、炭素原子数3ないし5のアルケノイル基またはベンゾイル基を表し、そして
nが1の場合、R4 は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、炭素原子数3ないし8のアルケニル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、ヒドロキシ基、シ
アノ基、アルコキシカルボニル基もしくはカルバミド基により置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基を表すか、またはグリシジル基、次式:−CH2 −CH(OH)−Zまたは−CONH−Z(式中、Zは水素原子、メチル基またはフェニル基を表す)で表される基を表し、
nが2の場合、R4 は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数6ないし12のアリーレン基、キシリレン基、次式:−CH2 −CH(OH)−CH2 −または−CH2 −CH(OH)−CH2 −O−D−O−(式中、Dは炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基、炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基)で表される基を表し、また、R3 がアルカノイル基、アルケノイル基またはベンゾイル基を表すという条件で、R4 はまた、脂肪族、環状脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸またはジカルバミン酸の2価の基または−CO−基を表し得、また、
nが1の場合、R3 およびR4 は一緒になって脂肪族、環状脂肪族または芳香族の1,2−または1,3−ジカルボン酸の2価の基であってよい〕で表される化合物。
【0033】
あらゆる炭素原子数1ないし12のアルキルまたは炭素原子数1ないし18のアルキル置換基は既にa)において定義されたものである。
あらゆる炭素原子数5ないし7のシクロアルキル置換基は特にシクロヘキシル基である。
炭素原子数7または8のアルアルキル基R3 は特にフェニルエチル基、とりわけベンジル基である。炭素原子数2ないし5のヒドロキシアルキル基R3 は特に2−ヒドロキシエチル基または2−ヒドロキシプロピル基である。
炭素原子数2ないし18のアルカノイル基R3 は例えばプロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基であるが、好ましくはアセチル基であり、そして炭素原子数3ないし5のアルケノイル基R3 は特にアクリロイル基である。
炭素原子数2ないし8のアルケニル基R4 は例えばアリル基、メタリル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、2−ヘキセニル基または2−オクテニル基である。
ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基またはカルバミド基により置換された炭素原子数1ないし4のアルキル基としてのR4 は例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−シアノエチル基、メトキシカルボニルメチル基、2−エトキシカルボニルエチル基、2−アミノカルボニルプロピル基または2−(ジメチルアミノカルボニル)エチル基であってよい。
あらゆる炭素原子数2ないし12のアルキレン置換基は、例えばエチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基またはドデカメチレン基である。
あらゆる炭素原子数6ないし15のアリーレン基は、例えばo−、m−もしくはp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基または4,4’−ジフェニレン基である。
炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基Dは特にシクロヘキシレン基である。
【0034】
この群のポリアルキルピペリジン化合物の例は以下のものである:
37)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレン−1,6−ジアミン、
38)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)ヘキサメチレン−1,6−ジアセトアミド、
39)1−アセチル−4−(N−シクロヘキシルアセトアミド)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
40)4−ベンゾイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
41)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N’−ジブチルアジパミド、
42)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N,N
’−ジシクロヘキシル−2−ヒドロキシプロピレン−1,3−ジアミン、
43)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−p−キシレンジアミン、
44)N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)スクシンアミド、
45)ジ(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−N−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)−β−アミノジプロピオネート、
46)次式:
【化4】

で表される化合物、
47)4−(ビス−2−ヒドロキシエチルアミノ)−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、
48)4−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルベンズアミド)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、
49)4−メチルアクリルアミド−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン。
【0035】
c)次式IV:
【化5】

(式中、
nは1または2を表し、
1 はa)において定義したものと同じ意味を表し、そして
nが1の場合、R5 は炭素原子数2ないし8のアルキレン基、炭素原子数2ないし8のヒドロキシアルキレン基または炭素原子数4ないし22のアシルオキシアルキレン基を表し、そしてnが2の場合、R5 は次式:(−CH2 2 C(CH2 −)2 で表される基を表す)で表される化合物。
【0036】
炭素原子数2ないし8のアルキレン基または−ヒドロキシアルキレン基としてR5 は例えばエチレン基、1−メチルエチレン基、プロピレン基、2−エチルプロピレン基または2−エチル−2−ヒドロキシメチルプロピレン基である。
炭素原子数4ないし22のアシルオキシアルキレン基R5 は例えば2−エチル−2−アセトキシメチルプロピレン基である。
【0037】
この群のポリアルキルピペリジン化合物の例は以下のものである:
50)9−アザ−8,8,10,10−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、
51)9−アザ−8,8,10,10−テトラメチル−3−エチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、
52)8−アザ−2,7,7,8,9,9−ヘキサメチル−1,4−ジオキサスピロ〔4.5〕デカン、
53)9−アザ−3−ヒドロキシメチル−3−エチル−8,8,9,10,10−ペンタメチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、
54)9−アザ−3−エチル−3−アセトキシメチル−9−アセチル−8,8,10,10−テトラメチル−1,5−ジオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、
55)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−スピロ−2’−(1’,3’−ジオキサン)−5’−スピロ−5”−(1”,3”−ジオキサン)−2”−スピロ−4”’−(2”’,2”’,6”’,6”’−テトラメチルピペリジン)。
【0038】
d)次式VA,VBおよびVCで表される化合物:
【化6】

〔式中、
nは1または2を表し、
1 はa)において定義したものと同じ意味を表し、
6 は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、アリル基、ベンジル基、グリシジル基または炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基を表し、そして
nが1の場合、R7 は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基、炭素原子数3ないし5のアルケニル基、炭素原子数7ないし9のアルアルキル基、炭素原子数5ないし7のシクロアルキル基、炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基、炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル基、炭素原子数6ないし10のアリール基、グリシジル基または次式:−(CH2 p −COO−Qまたは−(CH2 p −O−CO−Q(式中、pは1または2を表し、そしてQは炭素原子数1ないし4のアルキル基またはフェニル基を表す)で表される基を表し、
nが2の場合、R7 は炭素原子数2ないし12のアルキレン基、炭素原子数4ないし12のアルケニレン基、炭素原子数6ないし12のアリーレン基、次式:−CH2 −CH(OH)−CH2 −O−D−O−CH2 −CH(OH)−CH2 −{式中、Dは炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基、炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基または次式:−CH2 CH(OZ’)CH2 −(OCH2 −CH(OZ’)CH2 2 −(式中、Z’は水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基、アリル基、ベンジル基、炭素原子数2ないし12のアルカノイル基またはベンゾイル基を表す)で表される基を表す}で表される基を表し、
1 およびT2 は互いに独立して水素原子、炭素原子数1ないし18のアルキル基また
は炭素原子数6ないし10のアリール基または炭素原子数7ないし9のアルアルキル基を表すが、それらの各々は非置換であっても、ハロゲン原子または炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されていてもよく、また、
1 およびT2 はそれらを結合している炭素原子と一緒になって炭素原子数5ないし14のシクロアルカン環を形成する〕。
【0039】
あらゆる炭素原子数1ないし12のアルキル置換基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基またはn−ドデシル基である。
あらゆる炭素原子数1ないし18のアルキル置換基は、例えば上記の基、さらに、例えばn−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基またはn−オクタデシル基であってよい。
あらゆる炭素原子数2ないし6のアルコキシアルキル置換基は、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、第三ブトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、n−ブトキシエチル基、第三ブトキシエチル基、イソプロポキシエチル基またはプロポキシプロピル基である。
【0040】
炭素原子数3ないし5のアルケニル基R7 は例えば1−プロペニル基、アリル基、メタリル基、2−ブテニル基または2−ペンテニル基である。
炭素原子数7ないし9のアルアルキル基R7 、T1 およびT2 は特にフェネチル基またはとりわけベンジル基である。炭素原子と一緒なってT1 およびT2 がシクロアルカン環を形成するならば、これは例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタンまたはシクロドデカン環であってよい。
炭素原子数2ないし4のヒドロキシアルキル基R7 は例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基または4−ヒドロキシブチル基である。
炭素原子数6ないし10のアリール基R7 、T1 およびT2 は特にフェニル基、α−またはβ−ナフチル基であるが、それらの各々は非置換であっても、ハロゲン原子または炭素原子数1ないし4のアルキル基により置換されていてもよい。
【0041】
炭素原子数2ないし12のアルキレン基R7 は、例えばエチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基またはドデカメチレン基である。
炭素原子数4ないし12のアルケニレン基R7 は特に2−ブテニレン基、2−ペンテニレン基または3−ヘキセニレン基である。
炭素原子数6ないし12のアリーレン基R7 は、例えばo−、m−もしくはp−フェニレン基、1,4−ナフチレン基または4,4’−ビフェニレン基である。
炭素原子数2ないし12のアルカノイル基Z’は、例えばプロピオニル基、ブチリル基、オクタノイル基、ドデカノイル基であり、好ましくはアセチル基である。
炭素原子数2ないし10のアルキレン基、炭素原子数6ないし15のアリーレン基または炭素原子数6ないし12のシクロアルキレン基Dはb)において定義されたものと同じである。
【0042】
この群のポリアルキルピペリジン化合物の例は以下のものである:
56)3−ベンジル−1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、
57)3−n−オクチル−1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、
58)3−アリル−1,3,8−トリアザ−1,7,7,9,9−ペンタメチルスピロ〔
4.5〕デカン−2,4−ジオン、
59)3−グリシジル−1,3,8−トリアザ−7,7,8,9,9−ペンタメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、
60)1,3,7,7,8,9,9−ヘプタメチル−1,3,8−トリアザスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、
61)2−イソプロピル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン、
62)2,2−ジブチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ〔4.5〕デカン、
63)2,2,4,4−テトラメチル−7−オキサ−3,20−ジアザ−21−オキソジスピロ〔5.1.11.2〕ヘンエイコサン、
64)2−ブチル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−4,8−ジアザ−3−オキソスピロ〔4.5〕デカン、
65)8−アセチル−3−ドデシル−1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチルスピロ〔4.5〕デカン−2,4−ジオン、または
以下の式で表される化合物である:
【化7】

【0043】
e)次式VIで表される化合物:
【化8】

〔式中、nは1または2を表し、そしてR8 は次式:
【化9】

で表される基を表し、
1 はa)で定義されたものと同じ意味を表し、
Eは−O−または−NR11−を表し、
Aは炭素原子数2ないし6のアルキレン基または−(CH2 3 −O−を表し、
xは〔sic〕0または1を表し、
9 はR8 と同一であるか、または次式:−NR1112,−OR13,−NHCH2 OR13または−N(CH2 OR132 で表される基の一つを表し、
nが1の場合、R10はR8 またはR9 と同一であり、そしてnが2の場合、次式:−E−B−E−(式中、Bは中断されていないか、または−N(R11)−基により中断された炭素原子数2ないし6のアルキレン基を表す)で表される基を表し、
11は炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基または炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基または次式:
【化10】

で表される基を表し、
12は炭素原子数1ないし12のアルキル基、シクロヘキシル基、ベンジル基または炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル基を表し、そして
13は水素原子、炭素原子数1ないし12のアルキル基またはフェニル基を表すか、ま
たは
11およびR12は一緒になって炭素原子数4または5のアルキレン基または−オキサアルキレン基、例えば次式:
【化11】

で表される基を表すか、または次式:
【化12】

で表される基を表すか、または
11およびR12は各々の場合において次式:
【化13】

で表される基を表す〕。
【0044】
あらゆる炭素原子数1ないし12のアルキル置換基は、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、第二ブチル基、第三ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基またはn−ドデシル基である。
あらゆる炭素原子数1ないし4のヒドロキシアルキル置換基は、例えば2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシブチル基または4−ヒドロキシブチル基である。
炭素原子数2ないし6のアルキレン基Aは、例えばエチレン基、プロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、テトラメチレン基またはヘキサメチレン基である。
炭素原子数4または5のアルキレン基またはオキサアルキレン基としての一緒になったR11およびR12の例は、テトラメチレン基、ペンタメチレン基または3−オキサペンタメチレン基である。
【0045】
この群のポリアルキルピペリジン化合物の例は下記式で表される化合物である:
【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【0046】
f)反復構造単位が式Iの2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン基を1個またはそれ以上含有するオリゴマーまたはポリマー化合物、特にポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリアミン、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリアミノトリアジン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリシロキサン、ポリ(メタ)アクリルアミドおよび上記の基を含有するそれらのコポリマー。
【0047】
この群の2,2,6,6−ポリアルキルピペリジン光安定剤の例は下記式で表され、式中、mは2ないし約200の数である化合物である:
【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【0048】
これらの群の中で、クラスe)およびf)が特に適当であり、とりわけs−トリアジン基を含むテトラアルキルピペリジン化合物が適当である。特に、化合物74、76、84、87、92および95がさらに適当である。
【0049】
立体障害性アミン、好ましくはテトラメチルピペリジン化合物の量は、プラスチック添加剤グラニュールの意図される用途によって決定され、グラニュールは立体障害性アミンを0−90重量%、好ましくは20−70重量%含有するのが有利である。
【0050】
立体障害性フェノールタイプの酸化防止剤は有機材料の酸化防止剤として公知であり、そしてポリマーの安定化のために頻繁に使用される。これらの化合物は好ましくは次式X:
【化25】

(式中、R’は水素原子、メチル基または第三ブチル基を表し、そしてR”は非置換または置換アルキル基または置換アルキルチオアルキル基を表す)で表される基を少なくとも1個含有する。
【0051】
次式:
【化26】

(式中、R’はメチル基または第三ブチル基を表し、そしてR”は非置換または置換アルキル基または置換アルキルチオアルキル基を表す)で表される基を少なくとも1個含有する化合物が特に好ましい。
【0052】
そのようなフェノール系酸化防止剤の例は以下のとおりである:
1.アルキル化モノフェノールの例
2,6−ジ−第三ブチル−4−メチルフェノール、2−第三ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−n−ブチルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−イソブチルフェノール、2,6−ジシクロペンチル−4−メチルフェノ−ル、2−(α−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェノール、2,6−ジオクタデシル−4−メチルフェノ−ル、2,4,6−トリシクロヘキシルフェノール、2,6−ジ−第三ブチル−4−メトキシメチルフェノール、2,6−ジノニル−4−メチルフェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルウンデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルヘプタデシ−1’−イル)フェノール、2,4−ジメチル−6−(1’−メチルトリデシ−1’−イル)フェノールおよびそれらの混合物。
【0053】
2.アルキルチオメチルフェノールの例
2,4−ジオクチルチオメチル−6−第三ブチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−メチルフェノール、2,4−ジオクチルチオメチル−6−エチルフェノール、2,6−ジドデシルチオメチル−4−ノニルフェノール。
【0054】
3.ヒドロキノンおよびアルキル化ヒドロキノンの例
2,6−ジ第三ブチル−4−メトキシフェノール、2,5−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ第三アミルヒドロキノン、2,6−ジフェニル−4−オクタデシルオキシフェノール、2,6−ジ第三ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニソール、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルステアレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)アジペート。
【0055】
4.トコフェロールの例
α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)
【0056】
5.ヒドロキシル化チオジフェニルエーテルの例
2,2’−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−オクチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(3,6−ジ第二アミルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド。
【0057】
6.アルキリデンビスフェノールの例
2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−第三ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス〔4−メチル−6−(α−メチルシクロヘキシル)フェノール〕、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−ノニル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ−第三ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(6−第三ブチル−4−イソブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス〔6−(α−メチルベンジル)−4−ノニルフェノール〕、2,2’−メチレンビス〔6−(α,α−ジメチルベンジル)−4−ノニルフェノール〕、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−第三ブチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(6−第三ブチル−2−メチルフェノール)、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、2,6−ビス(3−第三ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシベンジル)−4−メチルフェノール、1,1,3−トリス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−n−ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール−ビス〔3,3−ビス(3’−第三ブチル−4’ーヒドロキシフェニル)ブチレート〕、ビス(3−第三ブチル−4ーヒドロキシ−5−メチルフェニル)ジシクロペンタジエン、ビス〔2−(3’−第三ブチル−2’ーヒドロキシ−5’−メチルベンジル)−6−第三ブチル−4−メチルフェニル〕テレフタレート、1,1−ビス(3,5−ジメチル−2−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン。
【0058】
7.O−,N−およびS−ベンジル化合物の例
3,5,3’,5’−テトラ第三ブチル−4,4’−ジヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルベンジルメルカプトアセテート、トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)アミン、ビス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)ジチオテレフタレート、ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、イソオクチル−3,5−ジ第三ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルメルカプトアセテート。
【0059】
8.ヒドロキシベンジル化マロネートの例
ジオクタデシル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−2−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジオクタデシル−2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)マロネート、ジドデシルメルカプトエチル−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、ジ〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル〕−2,2−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート。
【0060】
9.ヒドロキシベンジル芳香族化合物の例
1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,4−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)フェノール。
【0061】
10.トリアジン化合物の例
2,4−ビス(オクチルメルカプト)−6−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2−オクチルメルカプト−4,6−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−1,2,3−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−第三ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌレート、2,4,6−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルエチル)−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,5−トリス(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート。
【0062】
11.ベンジルホスホネートの例
ジメチル−2,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジオクタデシル5−第三ブチル−4−ヒドロキシ3−メチルベンジルホスホネート、3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸のモノエチルエステルのカルシウム塩。
【0063】
12.アシルアミノフェノールの例
4−ヒドロキシラウリン酸−アニリド、4−ヒドロキシステアリン酸−アニリド、オクチルN−(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−カルバメート。
【0064】
13.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2
〕オクタン。
【0065】
14.β−(5−第三ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタン。
【0066】
15.β−(3,5−ジシクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタン。
【0067】
16.3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル酢酸と以下の一価または多価アルコールとのエステル
アルコールの例:メタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、N,N’−ビス(ヒドロキシエチル)オキサルアミド、3−チアウンデカノール、3−チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4−ヒドロキシメチル−1−ホスファ−2,6,7−トリオキサビシクロ〔2.2.2〕オクタン。
【0068】
17.β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のアミドの例
N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン。
【0069】
上記7、9、10、13、14、15および17項、特に7、9、10および13項に記載の酸化防止剤が好ましく、特に、β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のオクタノールおよびオクタデカノールエステルおよびテトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンが好ましい。テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンが最も好ましい。
【0070】
その他の特に好ましい化合物は以下のとおりである:
【化27】

{2−(1,1−ジメチルエチル)−6−〔〔3−(1,1−ジメチルエチル)−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル〕メチル−4−メチルフェニル2−プロペノエート};
【化28】

{1,6−ヘキサンジイル3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル2−プロパノエート};
【化29】

{1,2−エタンジイルビス(オキシ−2,1−エタンジイル)3−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ−5−メチル−フェニルプロパノエート};
【化30】

{2−メチル−4,6−ジ〔(オクチルチオ)メチル〕フェノール};
【化31】

{2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)};
【化32】

{チオジ−2,1−エタンジイルビス−3,5−ジ(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニルプロパノエート};
【化33】

{4,4’,4”−〔(2,4,6−トリメチル−1,3,5−フェニルトリイル)トリス(メチレン)〕トリス〔2,6−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノール};
【化34】

{1,3,5−トリス〔〔3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル〕メチル〕−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン}。
【0071】
立体障害性フェノールタイプの酸化防止剤の量は、プラスチック添加剤グラニュールの意図される用途によって決定され、グラニュールは立体障害性フェノールタイプの酸化防止剤を0−90重量%、好ましくは3−60重量%含有するのが有利である。
【0072】
有機ホスフィットおよびホスホニット(phosphonite) がプラスチックのための安定剤として同様に公知である。それらは特にポリオレフィンのための加工安定剤として使用される。
それらは主に芳香族ホスフィットおよびホスホニット、例えばトリフェニルホスフィット、ジフェニルアルキルホスフィット、フェニルジアルキルホスフィット、トリス(ジフェニルアルキルホスフィット)アミン、トリス(ノニルフェニル)ホスフィット、トリラウリルホスフィット、トリオクタデシルホスフィット、ジステアリルペンタエリトリチルジホスフィット、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット、ジステアリルペンタエリトリチルジホスフィット、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリトリチルジホスフィット、トリステアリルソルビチルトリホスフィット、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホニット、3,9−ビス(2,4−ジ第三ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−トリス(2,4,6−トリス第三ブチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ〔5.5〕ウンデカンおよび2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスフィットである。
【0073】
特に好ましいの以下のホスフィットである:
(P−001)トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット;
【化35】

【化36】

中でもとりわけ好ましいのはトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットである。
【0074】
ホスフィットまたはホスホニットの量は、プラスチック添加剤グラニュールの意図される用途によって決定され、グラニュールはホスフィットまたはホスホニットを0−90重
量%、好ましくは3−70重量%含有するのが有利である。
【0075】
立体障害性フェノールの他に、添加剤グラニュールは好ましくは有機ホスフィットまたはホスホニットをも含有する。上に示したように、好ましい立体障害性フェノールと好ましい有機ホスフィットまたはホスホニットとの組合せ、例えばβ−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のオクタノールもしくはオクタデカノールエステルまたはテトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンとトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットとの組合せが好ましい。最も好ましいのは、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシメチル〕メタンとトリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットとの組合せである。立体障害性フェノールとホスフィットまたはホスホニットとの重量比は好ましくは20:1ないし1:20、特に好ましくは10:1ないし1:10、そして非常に好ましくは4:1ないし1:4である。
【0076】
本発明に従って使用され得るハイドロタルサイト(マナセアイト,ハイドロタルク石,hydrotalcite)、金属炭酸塩(カーボネート)および金属酸化物からなる群からの化合物は天然に産する鉱物および合成化合物の両方である。
【0077】
ハイドロタルサイト系からの化合物は一般式X:
【化37】

(式中、
2+はMg2+,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Zn2+,Cd2+,Pb2+,Sn2+および/またはNi2+を表し、
3+はAl3+,B3+またはBi3+を表し、
n-は原子価nのアニオンを表し、
nは1ないし4の数を表し、
xは0ないし0.5の数を表し、そして
mは0ないし2の数を表す)で表され得る。
n-は好ましくは次式:
【化38】

のアニオンである。
【0078】
上記の方法に有利に使用され得るその他のハイドロタルサイトは一般式Xa:
【化39】

(式中、
2+はMgまたはZnからなる群からの少なくとも1種の金属、好ましくはMg2+を表し、
n-はアニオン、例えばCO3 2-
【化40】

OH- およびS2-からなる群から選択されるアニオンを表し、
nはアニオンの原子価を表し、
mは正の数、好ましくは0.5ないし5の範囲の数を表し、そして
xおよびzは正の数を表し、xは好ましくは2ないし6、そしてzは2未満の数を表す)で表される化合物である。
好ましく、かつ市販されているハイドロタルサイトは協和化学工業からのDHT−4AおよびDHT−4Cである。
【0079】
一般式X:
【化41】

(式中、
2+はMg2+またはMgおよびZnの固溶体を表し、
n-はCO3 2-を表し、
xは0ないし0.5の数を表し、そして
mは0ないし2の数を表す)で表されるハイドロタルサイト系からの化合物が好ましい。
【0080】
次式:
【化42】

で表されるハイドロタルサイトが非常に好ましい。
【0081】
ハイドロタルサイトの量は、プラスチック添加剤グラニュールの意図される用途によって決定され、グラニュールはハイドロタルサイトを0−50重量%、好ましくは3−40重量%含有するのが有利である。
【0082】
好ましい金属酸化物は2価金属の酸化物である。特に好ましいのは、第2主族および亜族(2A族および2B族)からの金属の酸化物であり、中でも酸化亜鉛および酸化マグネシウムが非常に好ましい。
金属酸化物の量は、プラスチック添加剤グラニュールの意図される用途によって決定され、グラニュールは金属酸化物を0−90重量%、好ましくは5−60重量%含有するのが有利である。
【0083】
好ましい金属炭酸塩は2価金属の炭酸塩である。特に好ましいのは、第2主族および亜族(2A族および2B族)からの金属の炭酸塩であり、中でも炭酸カルシウムが非常に好ましい。
金属炭酸塩の量は、プラスチック添加剤グラニュールの意図される用途によって決定され、グラニュールは金属炭酸塩を0−90重量%、好ましくは5−60重量%含有するのが有利である。
【0084】
本発明の目的のためのその他の金属セッケンは脂肪酸の金属セッケン(ステアリン酸カルシウムは除く)であり、その場合、金属は特に第2主族または亜族(2A族または2B族)またはスズであってよい。
これらは、特に、炭素原子数2ないし22の脂肪族飽和カルボキシレート、炭素原子数3ないし22の脂肪族オレフィン系カルボキシレート、少なくとも1個のOH基により置換された炭素原子数2ないし22の脂肪族カルボキシレート、炭素原子数5ないし22の環式または二環式カルボキシレート、炭素原子数7ないし22の芳香族カルボキシレート、少なくとも1個のOH基により置換された炭素原子数7ないし22の芳香族カルボキシレート、炭素原子数1ないし16のアルキル基により置換されたフェニルカルボキシレートおよびフェニル−炭素原子数1ないし16のアルキルカルボキシレートからなる群からのマグネシウム、スズまたは好ましくは亜鉛塩であり、好ましくはステアレートおよびラウレートおよびベヘネートである。その他の金属セッケンは特に好ましくはステアリン酸亜鉛またはステアリン酸マグネシウムである。
その他の金属セッケンの量は、プラスチック添加剤グラニュールの意図される用途によって決定され、グラニュールはその他の金属セッケンを0−90重量%、好ましくは5−60重量%含有するのが有利である。
【0085】
好ましいチオエステルはβ−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、亜鉛ジブチルジチオカルバメート、ジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリトリトールテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネートまたはエチレングリコールビスメルカプトアセテートである。
【0086】
適当な滑剤の例はモンタンワックス、脂肪酸エステル、PEワックス、アミドワックス、塩素化パラフィン、グリセロールエステルまたはアルカリ土類金属セッケンである。適当な滑剤は「プラスチック添加剤(Plastic Additives) 」ハー.ゲヒターおよびハー.ミュラー編,ハンザー・フェルラーク,第3版,1990,423−480頁にも記載されている。
【0087】
添加剤グラニュールはさらに以下の項2−10からの化合物を含有し得る。
2.UV吸収剤および光安定剤
2.1.2−(2’−ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾールの例
2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第二ブチル−5’−第三ブチル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オクチルオキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ジ第三アミル−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2’−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−オクチルオキシカルボニルエチル)フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−第三ブチル−5’−〔2−(2−エチルヘキシルオキシ)カルボニルエチル〕−2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3’−ドデシル−2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールおよび2−(3’−第三ブチル−2’−ヒドロキシ−5’−(2−イソオクチルオキシカルボニルエチル)フェニルベンゾトリアゾールの混合物、2,2’−メチレンビス〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−ベンゾトリアゾール−2−イルフェノール〕;2−〔3’−第三ブチル−5’−(2−メトキシカルボニルエチル)−2’−ヒドロキシフェニル〕ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール300とのエステル交換体;次式:〔R−CH2 CH2 −COO(CH2 3 −〕2 −(式中、Rは3’−第三ブチル−4’−ヒドロキシ−5’−2H−ベンゾトリアゾール−2−イルフェニル基を表す)で表される化合物。
【0088】
2.2.2−ヒドロキシ−ベンゾフェノンの例
4−ヒドロキシ−、4−メトキシ−、4−オクチルオキシ−、4−デシルオキシ−、4−ドデシルオキシ−、4−ベンジルオキシ−、4,2’,4’−トリヒドロキシ−および2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ誘導体。
【0089】
2.3.置換されたおよび非置換安息香酸のエステルの例
4−第三ブチルフェニルサリチレート、フェニルサリチレート、オクチルフェニルサリチレート、ジベンゾイルレゾルシノール、ビス(4−第三ブチルベンゾイル)レゾルシノール、ベンゾイルレゾルシノール、2,4−ジ−第三ブチルフェニル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−メチル−4,6−ジ第三ブチルフェニル3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート。
【0090】
2.4.アクリレートの例
エチルα−シアノ−β, β−ジフェニルアクリレート、イソオクチルα−シアノ−β, β−ジフェニル−アクリレート、メチルα−カルボメトキシシンナメート、メチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、ブチルα−シアノ−β−メチル−p−メトキシシンナメート、メチルα−カルボメトキシ−p −メトキシシンナメートおよびN−(
β−カルボメトキシ−β−シアノビニル) −2−メチルインドリン。
【0091】
2.5 ニッケル化合物の例
2,2’−チオビス−〔4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル) フェノール〕のニッケル錯体、例えば1:1または1:2錯体であって、所望によりn−ブチルアミン、トリエタノールアミンもしくはN−シクロヘキシルジエタノールアミンのような他の配位子を伴うもの、ニッケルジブチルジチオカルバメート、モノアルキルエステル、例えば4−ヒドロキシ−3,5−ジ−第三ブチルベンジルホスホン酸のメチルもしくはエチルエステルのニッケル塩、ケトキシム例えば2−ヒドロキシ−4−メチル−フェニルウンデシルケトキシムのニッケル錯体、1−フェニル−4−ラウロイル−5−ヒドロキシ−ピラゾールのニッケル錯体であって、所望により他の配位子を伴うもの。
【0092】
2.6.オキサルアミドの例
4,4’−ジオクチルオキシオキサニリド、2,2’−ジエトキシオキサニリド、2,2’−ジオクチルオキシ−5,5’−ジ第三ブチルオキサニリド、2,2’−ジドデシルオキシ−5,5’−ジ第三ブチルオキサニリド、2−エトキシ−2’−エチルオキサニリド、N,N’−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)オキサルアミド、2−エトキシ−5−第三ブチル−2’−エチルオキサニリドおよび該化合物と2−エトキシ−2’−エチル−5,4’−ジ第三ブチルオキサニリドとの混合物、オルト−およびパラ−メトキシ−二置換オキサニリドの混合物およびo−およびp−エトキシ−二置換オキサニリドの混合物。
【0093】
2.7.2−(2−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの例
2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル) −1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2−ヒドロキシ−4−プロピルオキシフェニル)−6−(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシフェニル) −4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシフェニル) −4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−ブチルオキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−3−オクチルオキシプロピルオキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン。
【0094】
3.金属不活性化剤の例
N,N’−ジフェニルオキサルアミド、N−サリチラル−N’−サリチロイルヒドラジン、N,N’−ビス(サリチロイル)ヒドラジン、N,N’−ビス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオニル)ヒドラジン、3−サリチロイルアミノ−1,2,4−トリアゾール、ビス(ベンジリデン)オキサロジヒドラジド、オキサニリド、イソフタロジヒドラジド、セバコイルビスフェニルヒドラジド、N,N’−ジアセチルアジポジヒドラジド、N,N’−ビスサリチロイルオキサロジヒドラジド、N,N’−ビス(サリチロイル)チオプロピオノジヒドラジド。
【0095】
4.過酸化物スカベンジャーの例
β−チオジプロピオン酸のエステル、例えばラウリル、ステアリル、ミリスチルまたはトリデシルエステル、メルカプトベンズイミダゾール、または2−メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジオクタデシルジスルフィドおよびペンタエリトリチルテトラキス(β−ドデシルメルカプト)プロピオネート。
【0096】
5.ポリアミド安定剤の例
ヨウ化物および/またはリン化合物と組合せた銅塩および二価マンガンの塩。
【0097】
6.塩基性補助安定剤の例
メラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミド、トリアリルシアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン、ポリアミド、ポリウレタン、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えば亜鉛ステアレート、マグネシウムベヘネート、マグネシウムステアレート、ナトリウムリシノレート、カリウムパルミテート、アンチモンピロカテコレートまたはスズピロカテコレート。
【0098】
7.核剤の例
4−第三ブチル安息香酸、アジピン酸およびジフェニル酢酸。
【0099】
8.充填剤および強化剤の例
炭酸カルシウム、ケイ酸塩(シリケート)、ガラス繊維、アスベスト、タルク、カオリン、雲母(マイカ)、硫酸バリウム、金属酸化物および水酸化物、カーボンブラックおよびグラファイト。
【0100】
9.その他の添加剤の例
可塑剤、滑剤、乳化剤、顔料、光沢剤、難燃剤、静電防止剤および発泡剤。
【0101】
10.ベンゾフラノンおよびインドリノンの例
US−A−4325863号、US−A−4338244号、US−A−5175312号、US−A−5216052号、US−A−5252643号、DE−A−4316611号、DE−A−4316622号、DE−A−4316876号、EP−A−0589839号またはEP−A−0591102号に開示された化合物または3−〔4−(2−アセトキシエトキシ)フェニル〕−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラン−2−オン、5,7−ジ第三ブチル−3−〔4−(2−ステアロイルオキシエトキシ)フェニル〕ベンゾフラン−2−オン、3,3’−ビス〔5,7−ジ第三ブチル−3−(4−〔2−ヒドロキシエトキシ〕−フェニル)ベンゾフラン−2−オン〕、5,7−ジ第三ブチル−3−(4−エトキシフェニル)ベンゾフラン−2−オン、3−(4−アセトキシ−3,5−ジメチルフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラン−2−オンおよび3−(3,5−ジメチル−4−ピバロイルオキシフェニル)−5,7−ジ第三ブチルベンゾフラン−2−オン。
【0102】
本発明に係るグラニュールは熱、酸化または光誘導崩壊(分解)に対する有機ポリマーまたはプラスチックの安定化のために適している。そのようなポリマーの例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない:
【0103】
1.モノオレフィンおよびジオレフィンのポリマー、例えばポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリイソプレンまたはポリブタジエン、並びにシクロオレフィン例えばシクロペンテンまたはノルボルネンのポリマー、ポリエチレン(架橋されていてもよい)、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)および分岐低密度ポリエチレン(BLDPE)。
【0104】
ポリオレフィン、すなわち前項に例示したモノオレフィンのポリマー、特にポリエチレンおよびポリプロピレンは異なる方法、特に以下の方法により製造され得る:
a)フリーラジカルによる方法(通常、高温高圧下)。
b)周期表のIVb、Vb、VIbまたはVIII族の金属1種以上を通常含有する触媒による方法。これらの金属は通常1以上の配位子、典型的にはπ(パイ)−またはσ(シグマ)−配位されていてよい酸化物、ハロゲン化物、アルコキシド、エステル、エーテル、アミン、アルキル、アルケニルおよび/またはアリールを有する。これらの金属錯体は遊離体であっても、または支持体、例えば活性化塩化マグネシウム、塩化チタン(III)、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素に固定されていてもよい。これらの触媒は重合化媒体に可溶性であっても、不溶性であってもよい。触媒は重合においてそれ自体活性化され得、またその他の活性化剤、例えば金属アルキル、金属水素化物、金属アルキルハロゲン化物、金属アルキル酸化物または金属アルキルオキサンが使用され得る(上記金属は周期表のIa、IIaおよび/またはIIIa族の元素である)。活性化剤は例えばその他のエステル、エーテル、アミンまたはシリルエーテル基で慣用方法により変性されてもよい。上記触媒系は通常フィリップス、スタンダード・オイル・インディアナ、チーグラー(−ナッタ)、TNZ(デュポン)、メタロセンまたは単一部位触媒(single site catalyst, SSC)として知られている。
【0105】
2.前項1.に記載したポリマーの混合物、例えばポリプロピレンとポリイソブチレンとの混合物、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物(例えばPP/HDPE,PP/LDPE)および異なる種類のポリエチレンの混合物(例えばLDPE/HDPE)。
【0106】
3.モノオレフィンとジオレフィン相互または他のビニルモノマーとのコポリマー、例えばエチレン/プロピレンコポリマー、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびこれと低密度ポリエチレン(LDPE)との混合物、プロピレン/ブテン−1コポリマー、プロピレン/イソブチレンコポリマー、エチレン/ブテン−1コポリマー、エチレン/ヘキセンコポリマー、エチレン/メチルペンテンコポリマー、エチレン/ヘプテンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、プロピレン/ブタジエンコポリマー、イソブチレン/イソプレンコポリマー、エチレン/アルキルアクリレートコポリマー、エチレン/アルキルメタクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマーおよびそれらの一酸化炭素とのコポリマーまたはエチレン/アクリル酸コポリマーおよびそれらの塩類(アイオノマー)、並びにエチレンとプロピレンとジエン例えばヘキサジエン、ジシクロペンタジエンまたはエチリデンノルボルネンとのターポリマー;および上記コポリマー相互の、および項1.に記載のポリマーとの混合物、例えばポリプロピレン/エチレンプロピレンコポリマー、LDPE/エチレン−酢酸ビニルコポリマー(EVA)、LDPE/エチレン−アクリル酸コポリマー(EAA)、LLDPE/EVA、LLDPE/EAAおよび交互またはランダムポリアルキレン/一酸化炭素コポリマー、およびそれらとその他のポリマー例えばポリアミドとの混合物。
【0107】
4.炭化水素樹脂(例えば炭素原子数5ないし9のもの)およびそれらの水素化変性体(例えば粘着付与剤)およびポリアルキレンとデンプンとの混合物。
【0108】
5.ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)。
【0109】
6.スチレンまたはα−メチルスチレンとジエンまたはアクリル誘導体とのコポリマー、例えばスチレン/ブタジエン、スチレン/アクリロニトリル、スチレン/アルキルメタクリレート、スチレン/ブタジエン/アルキルアクリレート、スチレン/無水マレイン酸、スチレン/アクリロニトリル/メチルアクリレート;スチレンコポリマーと別のポリマー、例えばポリアクリレート、ジエンポリマーまたはエチレン/プロピレン/ジエンターポリマーとの高耐衝撃性混合物;およびスチレンのブロックコポリマー例えばスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンまたはスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン。
【0110】
7.スチレンまたはα−メチルスチレンのグラフトコポリマー、例えばポリブタジエンにスチレン、ポリブタジエン−スチレンまたはポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマーにスチレン、ポリブタジエンにスチレンおよびアクリロニトリル(またはメタクリロニトリル)、ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよびメチルメタアクリレート、ポリブタジエンにスチレンおよび無水マレイン酸;ポリブタジエンにスチレン、アクリロニトリルおよび無水マレイン酸;ポリブタジエンにスチレンおよびマレイミド;ポリブタジエンにスチレンおよびアルキルアクリレート;エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、ポリアルキルアクリレートまたはポリアルキルメタクリレートにスチレンおよびアクリロニトリル、アクリレート/ブタジエンコポリマーにスチレンおよびアクリロニトリル、並びにこれらと項6.に列挙したコポリマーとの混合物、例えばABS−、MBS−、ASA−またはAES−ポリマーとして知られているコポリマー混合物。
【0111】
8.ハロゲン含有ポリマー、例えばポリクロロプレン、塩素化ゴム、塩素化またはクロロスルホン化ポリエチレン、エチレンと塩素化エチレンとのコポリマー、エピクロロヒドリンホモ−およびコポリマー、特にハロゲン含有ビニル化合物からのポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン並びにこれらのコポリマー、例えば塩化ビニル/塩化ビニリデン、塩化ビニル/酢酸ビニルまたは塩化ビニリデン/酢酸ビニルコポリマー。
【0112】
9.α,β−不飽和酸およびその誘導体から誘導されるポリマー、例えばポリアクリレートおよびポリメタアクリレート;ブチルアクリレートで耐衝撃性に変性されたポリメタクリレート、ポリアクリルアミドおよびポリアクリロニトリル。
【0113】
10.前項9.に挙げたモノマー相互のまたは他の不飽和モノマーとのコポリマー、例えばアクリロニトリル/ブタジエンコポリマー、アクリロニトリル/アルキルアクリレートコポリマー、アクリロニトリル/アルコキシアルキルアクリレートもしくはアクリロニトリル/ハロゲン化ビニルコポリマーまたはアクリロニトリル/アルキルメタアクリレート/ブタジエンターポリマー。
【0114】
11.不飽和アルコールおよびアミンまたはそれらのアシル誘導体もしくはアセタールから誘導されるポリマー、例えばポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルステアレート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルマレエート、ポリビニルブチレート、ポリアリルフタレートまたはポリアリルメラミン;並びにこれらと項1.に記載したオレフィンとのコポリマー。
【0115】
12.環状エーテルのホモポリマーおよびコポリマー、例えばポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドまたはこれらとビスグリシジルエーテルとのコポリマー。
【0116】
13.ポリアセタール、例えばポリオキシメチレンおよびエチレンオキシド等をコモノマーとして含むポリオキシメチレン;熱可塑性ポリウレタン、アクリレートまたはMBSで変性されたポリアセタール。
【0117】
14.ポリフェニレンオキシドおよびスルフィド、およびポリフェニレンオキシドとスチレンポリマーまたはポリアミドとの混合物。
【0118】
15.一方の成分としてヒドロキシ末端基を含むポリエーテル、ポリエステルまたはポリブタジエンと他方の成分として脂肪族または芳香族ポリイソシアネートとから誘導されたポリウレタン並びにその前駆体。
【0119】
16.ジアミンおよびジカルボン酸および/またはアミノカルボン酸または相当するラクタムから誘導されたポリアミドおよびコポリアミド。例えばナイロン4、ナイロン6、ナイロン6/6、6/10、6/9、6/12、4/6、12/12、ナイロン11、ナイロン12、m−キシレン、ジアミンおよびアジピン酸から出発する芳香族ポリアミド;ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸および/またはテレフタル酸とから、変性剤としてエラストマーを添加して、または添加せずに製造されたポリアミド、例えばポリ−2,4,4−トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミドまたはポリ−m−フェニレンイソフタルアミド;上記ポリアミドとポリオレフィン、オレフィンコポリマー、アイオノマーまたは化学結合化もしくはグラフト化エラストマーとの、またはポリエーテル、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレングリコールとのブロックコポリマー;並びにEPDMまたはABSで変性させたポリアミドまたはコポリアミド;および加工の間に縮合したポリアミド(RIMポリアミド系)。
【0120】
17.ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミドイミドおよびポリベンズイミダゾール。
【0121】
18. ジカルボン酸およびジオールおよび/またはヒドロキシカルボン酸から誘導されたポリエステルまたは相当するラクトン、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1, 4−ジメチロール−シクロヘキサンテレフタレートおよびポリヒドロキシベンゾエート並びにヒドロキシ末端基を有するポリエーテルから誘導されたブロックコポリエーテルエステル;およびポリカーボネートまたはMBSで変性されたポリエステル。
【0122】
19.ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネート。
【0123】
20.ポリスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルケトン。
【0124】
21.一方の成分としてアルデヒドおよび他方の成分としてフェノール、尿素およびメラミンから誘導された架橋ポリマー、例えばフェノール/ホルムアルデヒド樹脂、尿素/ ホルムアルデシド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒド樹脂。
【0125】
22.乾性および不乾性アルキド樹脂。
【0126】
23.飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとのコポリエステルおよび架橋剤としてのビニル化合物から誘導された不飽和ポリエステル樹脂、および燃焼性の低いそれらのハロゲン含有変性物。
【0127】
24.置換アクリル酸エステル、例えばエポキシアクリレート、ウレタンアクリレートまたはポリエステルアクリレートから誘導された架橋性アクリル樹脂。
【0128】
25.メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネートまたはエポキシ樹脂と架橋されたアルキド樹脂、ポリエステル樹脂およびアクリレート樹脂。
【0129】
26.ポリエポキシド、例えばビスグリシジルエーテルまたは脂環式ジエポキシドから誘導された架橋エポキシ樹脂。
【0130】
27.天然ポリマー、例えばセルロース、天然ゴム、ゼラチンおよびこれらの化学的に変性させた重合同族体誘導体、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロースおよび酪酸セルロースまたはセルロースエーテル例えばメチルセルロース;並びにロジンおよびそれらの誘導体。
【0131】
28. 前記したポリマーの混合物(ポリブレンド)、例えばPP/EPDM、ポリアミド/EPDMまたはABS、PVC/EVA、PVS/ABS、PVC/MBS、PC/ABS、PBTP/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PVC/CPE、PVC/アクリレート、POM/熱可塑性PUR、PC/熱可塑性PUR、POM/アクリレート、POM/MBS、PPO/HIPS、PPO/PA6.6およびコポリマー、PA/HDPE、PA/PP、PA/PPO。
【0132】
29.純粋なモノマー化合物またはその混合物である天然および合成有機物質、例えば鉱油、動物または植物脂肪、オイルおよびワックス、または合成エステル(例えばフタレート,アジペート,ホスフェートまたはトリメリテート)をベースとするオイル、ワックスおよび脂肪、および合成エステルと鉱油との所望重量比にあるブレンド、例えば紡糸剤として使用されるもの、およびそれらの水性エマルジョン。
【0133】
30.天然または合成ゴムの水性エマルジョン、例えば天然ゴムラテックスまたはカルボキシル化スチレン−ブタジエンコポリマーのラテックス。
【発明を実施するための最良の形態】
【0134】
それ故に、本発明はさらに、熱、酸化または光誘導崩壊(分解)に感受性である有機ポリマーおよび本発明に係るグラニュールを含有する組成物に関する。驚くべきことに、本発明に係るグラニュールにより安定化されたポリマーは、慣用の添加剤混合物により安定化されたポリマーに比べ、より高い安定性を有する。本発明に係るグラニュールを含有するポリマーは1種またはそれ以上の慣用のその他のプラスチック添加剤をさらに含有してもよい。好ましくは、そのような添加剤は立体障害性アミン(HALS)、立体障害性フェノール、ホスフィットまたはホスホニット、ハイドロタルサイト、金属酸化物、金属炭酸塩、その他の金属セッケン、帯電防止剤、粘着防止剤、難燃剤、チオエステル、内部滑剤および表面滑剤、顔料、UV吸収剤およびその他の光安定剤からなる群から選択される。好ましい化合物(および詳細な記載)は低粉塵性グラニュールに対して記載したもの(および事項)である。その他のプラスチック添加剤(群)はあらゆる通常の物理的形態、例えば結晶、粉末、ペレット、グラニュール、分散液または液体であってよい。ポリマーが本発明に係るグラニュールを1種以上含有することも可能である。
【0135】
好ましい有機ポリマーは合成ポリマーであり、特に項1からのポリマー、とりわけポリエチレンおよびポリプロピレンである。
【0136】
グラニュールは安定化されるべき有機ポリマーの全重量を基準として0.01ないし10%、好ましくは0.01ないし5%の量で安定化されるべき有機ポリマーに添加されることが有利である。
本発明に係るグラニュールおよびあらゆるその他の添加剤は有機ポリマー中に公知方法、例えば成形前もしくは成形中または溶解もしくは分散グラニュールをポリマーに適用し、必要ならば引続き溶媒を蒸発させることにより混合され得る。グラニュールはまた、いわゆるマスターバッチの製造のために使用され得る。
【0137】
上記したような有効量の低粉塵性グラニュールを有機ポリマー中に混合(配合)することからなる有機ホリマーの安定化のための方法は本発明のもう一つの対象である。低粉塵性グラニュールおよびポリマーに対する好ましい態様が同様に当てはまる。
【0138】
このようにして安定化されたポリマーは慣用の方法で広範囲の形態、例えばフィルム、繊維、テープ、成形用組成物またはプロフィール(形材)に変換され得る。
【実施例】
【0139】
以下の実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されるものではない。これらの実施例において、本明細書のその他の部分と同様に、部は重量部であり、%は重量%であり、そして「+」は第三ブチル基を意味する。
【0140】
実施例1
ステアリン酸カルシウム粉末〔ラジアスター(登録商標,Radiastar )1060;ドイツ,フィナ社〕を計量ユニットにより20kg/時間の処理量で重量を測定して二軸スクリュー押出機(タイプDNDL44;スイス,ブューラー社)に供給する。押出機は温度が自動調節され、そして以下の温度分布を有する:18℃/18℃/200℃/200℃/230℃/230℃/230℃/175℃/175℃/175℃。ノズル温度は180℃である。ガス抜き(蒸気の除去)は第5領域で行われる。生成物は直径2mmを有する8個のノズルを介し、135rpmのスクリュー速度で押出される。ノズルの直後、塑性状態(10000ないし100000Pa・s)の押出物を切断し、そして次に21℃の空気により流動層コンデンサーにおいて30℃まで冷却する。
この方法において使用された本発明に係るグラニュールは丸められた非常に規則正しい形状を有し、そして使用された粉末と比較した場合に特に、非常に良好な、ばら材料特性を有する(表1)。
【0141】
【表1】

1 ISO3435に準拠;2 DIN53492に準拠;3 カール・フィッシャー法による測定;4 ホイバッハ試験に準拠;5 ISO4324に準拠;* 流動せず
【0142】
実施例2
ステアリン酸カルシウム粉末(ラジアスター1060;ドイツ,フィナ社〕70部およびイルガノックス(登録商標,Irganox )1076(β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のオクタデシルエステル;スイス,チバ−ガイギー社)30部をロエディゲミキサー(Loedige mixer) 中で均一に混合する。この混合物を計量ユニットにより100kg/時間の処理量で重量を測定して二軸スクリュー押出機(タイプDNDF93;スイス,ブューラー社)に供給する。押出機は温度が自動調節され、そして以下の温度分布を有する:21℃/205℃/205℃/205℃/80℃/80℃/30℃/15℃/15℃/15℃。ノズル温度は180℃である。生成物は直径2mmを有する30個のノズルを介し、45rpmのスクリュー速度で押出される。ノズルの直後、押出物を塑性状態で切断し、そして次に21℃の空気により流動層コンデンサーにおいて30℃まで冷却する。
この方法において製造された本発明に係るグラニュールは丸められた非常に規則正しい形状を有し、そして非常に良好な、ばら材料特性を有する(表2:グラニュール2)。
【0143】
実施例3
ステアリン酸カルシウム粉末(ラジアスター1060;ドイツ,フィナ社〕40部、イルガノックス1010(β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のペンタエリトリチルエステル;スイス,チバ−ガイギー社)30部およびイルガフォス(登録商標,Irgafos )168(トリス−(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット;スイス,チバ−ガイギー社)30部をロエディゲミキサー中で均一に混合する。この混合物を計量ユニットにより100kg/時間の処理量で重量を測定して二軸スクリュー押出機(タイプDNDF93;スイス,ブューラー社)に供給する。押出機は温度が自動調節され、そして以下の温度分布を有する:21℃/240℃/240℃/240℃/220℃/220℃/200℃/15℃/15℃/15℃。ノズル温度は150℃である。生成物は直径2mmを有する8個のノズルを介し、91rpmのスクリュー速度で押出される。ノズルの直後、押出物を塑性状態で切断し、そして次に21℃の空気により流動層コンデンサーにおいて30℃まで冷却する。
この方法において製造された本発明に係るグラニュールは丸められた規則正しい形状を有し、そして非常に良好な、ばら材料特性を有する(表2:グラニュール3)。
【0144】
【表2】

1 ISO3435に準拠;2 DIN53492に準拠;3 カール・フィッシャー法による測定し、100%ステアリン酸カルシウムに標準化;4 ホイバッハ試験に準拠;5 ISO4324に準拠
【0145】
実施例4
イルガノックスB215(β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のペンタエリトリチルエステルとトリス−(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットとの1:2混合物;スイス,チバ−ガイギー社)1.5gをステアリン酸カルシウムグラニュール(実施例1に記載した方法で製造)0.75gおよびポリプロピレン粉末1500gと水冷液体ミキサー中2分間混合する。比較混合物は同様に製造されるが、粉末状ステアリン酸カルシウム(ラジアスター1060;ドイツ,フィナ社〕0.75gを含有する。
混合物を各々20dスクリュー押出機において260℃の最高温度で5回押出する。1回目、3回目および5回目の押出の後、MFI値(230℃;2.15kg;ISO1133に類似)を測定し、さらに黄色度指数を5回目の押出の後、厚さ2mmのプレスシート上で測定する。
【0146】
【表3】

【0147】
より低いMFIおよびYI値は、慣用の粉末状ステアリン酸カルシウムを用いる場合に比べより良好な安定化が本発明に係るステアリン酸カルシウムグラニュールを用いて達成されることを明らかに示している。
【0148】
実施例5
イルガノックス1010(β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のペンタエリトリチルエステル;スイス,チバ−ガイギー社)22.2部、イルガフォス168(トリス−(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット;スイス,チバ−ガイギー社)44.5部およびステアリン酸カルシウム33.3部からなる180℃で押出した本発明に係るグラニュール2.25gをポリプロピレン粉末1500gと水冷液体ミキサー中2分間混合する。 混合物を20dスクリュー押出機において260℃の最高温度で5回押出する。5回目の押出の後、黄色度指数を厚さ2mmのプレスシート上で測定する。3.3のYI値が得られる。
【0149】
実施例6
イルガノックス1010(β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のペンタエリトリチルエステル;スイス,チバ−ガイギー社)66.7部およびステアリン酸カルシウム33.3部からなる180℃で押出した本発明に係るグラニュール0.75gと、イルガフォス168(トリス−(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット;スイス,チバ−ガイギー社)66.7部およびステアリン酸カルシウム33.3部からなる180℃で押出した本発明に係るグラニュール1.5gをポリプロピレン粉末1500gと水冷液体ミキサー中2分間混合する。
混合物を20dスクリュー押出機において260℃の最高温度で5回押出する。5回目の押出の後、黄色度指数を厚さ2mmのプレスシート上で測定する。4.6のYI値が得られる。
【0150】
実施例7
イルガノックス1010(β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のペンタエリトリチルエステル;スイス,チバ−ガイギー社)66.7部およびステアリン酸カルシウム33.3部からなる180℃で押出した本発明に係るグラニュール1.125gと、イルガフォス168(トリス−(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィット;スイス,チバ−ガイギー社)66.7部およびステアリン酸カルシウム33.3部からなる180℃で押出した本発明に係るグラニュール1.125gをポリプロピレン粉末1500gと水冷液体ミキサー中2分間混合する。
混合物を20dスクリュー押出機において260℃の最高温度で5回押出する。5回目の押出の後、黄色度指数を厚さ2mmのプレスシート上で測定する。4.8のYI値が得られる。
【0151】
実施例8
イルガノックスB215(β−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸のペンタエリトリチルエステルとトリス−(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスフィットとの1:2混合物;スイス,チバ−ガイギー社;グラニュールの形態に押出)1.5gをステアリン酸カルシウムグラニュール(実施例1に記載した方法で製造)0.75gおよびポリプロピレン粉末1500gと水冷液体ミキサー中2分間混合する。
混合物を20dスクリュー押出機において260℃の最高温度で5回押出する。5回目の押出の後、黄色度指数を厚さ2mmのプレスシート上で測定する。4.7のYI値が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリン酸カルシウムを少なくとも30重量%含有するプラスチック添加剤の低粉塵性グラニュールであって、該ステアリン酸カルシウムの含水量が2%未満であり、1mmないし10mmのISO3435に準拠する粒径、400g/lより大きいルーズ嵩密度および15s(tR25 )未満のDIN53492に準拠する流動性を有する低粉塵性グラニュール。
【請求項2】
立体障害性アミン、立体障害性フェノール、ホスフィットまたはホスホニット、ハイドロタルサイト、金属酸化物または炭酸塩、金属セッケン(ステアリン酸カルシウムは除く)、帯電防止剤、粘着防止剤、難燃剤、チオエステル、滑剤、顔料、UV吸収剤およびその他の光安定剤、またはそれらの混合物からなる群から選択される化合物をさらに含有する請求項1記載の低粉塵性グラニュール。
【請求項3】
有機ポリマーおよび請求項1記載のグラニュールを含有する組成物。

【公開番号】特開2007−314810(P2007−314810A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229181(P2007−229181)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【分割の表示】特願平7−351662の分割
【原出願日】平成7年12月26日(1995.12.26)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】