説明

プラスチック製燃料タンクの製造方法

本発明は、パリソンを成形することによって、プラスチック製の燃料タンクを製造する方法に関する。本発明による方法は、パリソンの成形作業中に、パイプ(3)をパリソンに少なくとも2箇所で取付ける工程を有する。パイプ(3)は、その曲がり部の存在により上記2箇所の間で変形可能であり、パイプ(3)をパリソンに取付けている間、曲り部が引伸ばされる。また、本発明は、上記方法によって得られるプラスチック製の燃料タンク(1)に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製の燃料タンクを製造する方法、この方法によって得られる燃料タンク、及びこの方法/燃料タンク用の通気パイプに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な種類の車両に取付けられる燃料タンクは、燃料タンクの設計上の使用形式及び燃料タンクが従わなければならない環境上の要件を満たすように漏れ抵抗及び透過性に関する基準に適合させる必要がある。現時点において、大気中及び一般に自然界への汚染物質排出の制限に関する要件は、欧州とそれ以外の世界中の両方においてますます厳しくなっている。
【0003】
かかる汚染物質排出を制限する特定の考え方の1つは、構成部品(通気ライン、弁、バッフル、スチフナ等)をタンク内及び/又は充填パイプ内に配置することであった(これについては、特に、本出願人名義の国際公開第2004/024487号パンフレット(特許文献1)を参照されたい)。しかしながら、これらの構成部品が、タンク成形後にタンクに取付けられる場合、一般に、これらの構成部品をタンク内に導入してその中に固定できるようにするために、少なくとも1つの開口をタンクに設けることが必要である。したがって、この開口の付近に漏れの問題が生じる場合がある。
【0004】
これに対して、本出願人は、タンクを実際に成形するときにおける構成部品の導入(及び固定)を可能にする少なくとも1つのスロットを備えたパリソンから始まる成形方法を発展させ、それによれば、開口を切断によってタンクに形成する必要がない(これについては、特に欧州特許第1,110,697号明細書(特許文献2)を参照されたい)。
【0005】
【特許文献1】国際公開第2004/024487号パンフレット
【特許文献2】欧州特許第1,110,697号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本出願人は、かかる方法における成形後の冷却中、タンクは、比較的大きい量の収縮(典型的には、約3%の収縮)を生じさせるのに対し、成形中にタンクの中に一体にされた部分は、これらの部分がプラスチックで作られている場合であっても、僅かしか加熱されず、あまり収縮しないことを発見した。これは、ポリマー間の熱膨張/収縮の差が大きいためである。これにより、パイプの両端部がタンクに固定されていても、許容できないほどの変形、したがって内部張力が生じる場合がある。しかしながら、かかる固定は、端部に弁を有する通気ラインの場合に特に有利である。
【0007】
したがって、本発明の目的は、成形によるプラスチック製燃料タンクの製造中、パイプを、タンクの冷却後の変形を生じさせないようにプラスチック製燃料タンクに一体にする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、本発明は、パリソンを成形することによってプラスチック製燃料タンクを製造する方法であって、パリソンの成形作業中、パイプをパリソンに少なくとも2箇所で取付ける工程を有し、パイプは、その曲がり部の存在により上記2箇所の間で変形可能であり、パイプをパリソンに取付けている間、曲り部が引伸ばされる方法に関する。
【0009】
「燃料タンク」という用語は、燃料を種々の且つ漸変する環境及び使用上の条件下において貯蔵できる密閉タンクを意味するものである。このタンクの一例は、自動車両に取付けられるタンクである。
【0010】
本発明の燃料タンクは、プラスチックで作られる。
【0011】
「プラスチック」という用語は、本明細書においては、少なくとも1種類の合成樹脂ポリマーを含む任意の材料を意味するものである。
【0012】
全ての種類のプラスチックが適している。特に適したプラスチックは、熱可塑性樹脂のカテゴリーから得られる。
【0013】
「熱可塑性樹脂」という用語は、熱可塑性エラストマーを含む任意の熱可塑性ポリマー並びにこれらの配合物を意味する。「ポリマー」という用語は、ホモポリマーとコポリマー(特に、二成分又は三成分コポリマー)の両方を意味している。かかるコポリマーの例は、非限定的に言えば、ランダムコポリマー、線状ブロックコポリマー、他のブロックコポリマー及びグラフトコポリマーである。
【0014】
融点が分解温度よりも低い任意の種類の熱可塑性ポリマー又はコポリマーが適している。少なくとも10℃の幅のある融点を持つ合成熱可塑性樹脂が、特に適している。かかる材料の例としては、これらの分子量に多分散性を示す材料が挙げられる。
【0015】
特に、ポリオレフィン、熱可塑性ポリエステル、ポリケトン、ポリアミド及びこれらのコポリマーを用いるのがよい。また、ポリマー又はコポリマーの配合物も使用でき、同様に、無機充填材、有機充填材及び(又は)天然充填材、例えばカーボン、塩及び他の無機誘導体、天然繊維又はポリマー繊維(これらには限定されない)入りのポリマー材料の配合物の使用が可能である。また、上述のポリマー又はコポリマーのうち少なくとも1つを含む互いに接合された積み重ね状態の層から成る多層構造体を用いることが可能である。
【0016】
用いられる場合の多いポリマーの1つは、ポリエチレンである。燃料タンクの主成分として高密度ポリエチレン(HDPE)を用いた場合に優れた結果が得られた。
【0017】
タンクの壁は、熱可塑性材料の単一層からなってもよいし、2つの層からなってもよい。1つ又は2つ以上の他の考えられる追加の層は、有利には、液体及び/又はガスバリヤ層から成るのがよい。バリヤ層の性状及び厚さは、好ましくは、タンクの内面と接触状態になる液体及びガスの透過性を最小に抑えるよう選択される。この層は、好ましくは、バリヤ樹脂、即ち、燃料不透性樹脂、例えばEVOH(エチレン/ビニルアルコールコポリマー)系のものである。変形例として、タンクを燃料に対して不透性にするためにタンクに表面処理(フッ素化又はスルフォン化)を施してもよい。
【0018】
本発明のタンクは、好ましくは、EVOHを利用したバリヤ層を、HDPEを利用した外側の層の間に有する。
【0019】
本発明によれば、燃料タンクは、パリソンを成形することによって作られる。「パリソン」は、要求される形態及び寸法に成形された後にタンクの壁を形成するよう設計された予備成形物、一般的には、押出し予備成形物を意味する。この予備成形物は、必ずしも、一体品である必要はない。
【0020】
したがって、実際には、パリソンは2つの別々の部分、例えば2枚のシートからなることが有利である。しかしながら、上述した欧州特許第1,110,697号明細書(特許文献2)に記載されているように、2つの部分は、管状に押出されたパリソンを切断することによって得ることが好ましく、この目的で、特許文献2を本明細書に援用する。この形態では、単一のパリソンを押出した後、パリソンを、直径方向に対向する2つの線に沿って長さ方向に切断して、2つの別々の部分、即ち、シートを形成する。
【0021】
別々に成形され且つ厚さが一定の2枚のシートを成形する場合と比較して、上記方法では、長さ方向に沿って一定でない変化厚さを有するパリソンの使用を可能にし、かかる変化厚さは、適当な押出し装置、一般的には、位置を調節することが可能なマンドレルを有するダイを備えた押出し機によって得られる。かかるパリソンは、型内における材料の変わりやすい変形速度に起因してパリソンの或る特定の箇所のところに生じる厚さの減少に対する考慮がなされている。
【0022】
パリソンを2つの部分として成形した後、一般的には、一方の部分は、燃料タンクの下側壁を形成し、他方の部分は、燃料タンクの上側壁を形成する。
【0023】
本発明は、パイプをパリソンの一方の部分に2箇所で固定するのに非常に適しており、燃料タンクがパリソンの2つの部分からから成形されてもされなくても、特に、パイプを燃料タンクの上側部分(壁)に2箇所で固定するのに非常に適している。これら箇所は、一般的に、数センチメートル又は数十センチメートル離れている。
【0024】
本発明の目的上、「パイプ」は、両端が開口し且つ基本的に管状の部分である細長いチャネルである。本発明のパイプは、通気パイプ、燃料ポンプライン、燃料をエンジンからタンクに戻すライン(ディーゼルエンジンの場合)、充填ライン又は電気ライン(この場合、パイプは、一般に、電気ケーブルのシース又は鞘である)等である。パイプは、好ましくは、流体又は電気等の何かを運ぶために用いられる。本発明によれば、パイプは、タンクに(「タンク」という用語は、完成状態の成形物品を意味しているので、厳密に言えば、パリソンに)少なくとも2箇所で、一般的には、その両端部で固定される。このことは、本発明が、少なくとも2箇所でタンクの壁に固定された「スパイダ」パイプシステム(即ち、数本のアームを有する)を含まないということを意味するものではない。3箇所以上のところでタンクに固定されたパイプの場合、2つの固定箇所の間に位置するパイプの各部分が変形可能であることが有利である。
【0025】
本発明によれば、パイプを、成形後に燃料タンクを形成するように構成されたパリソンに固定し又は取付ける。これは、パイプがタンクの壁と直接的な接触状態にあるか、パイプが、タンクの壁と直接的な接触状態にある中間固定手段に連結されるかのいずれかであることを意味する。中間固定手段は、タンクに作用を及ぼす機能を有するのが良い。中間固定手段は、例えば、弁である。本明細書においては、「接触」という用語は、機械的取付け(即ち、取外すことが可能)か、溶接(分子の相互侵入)かのいずれかであるのがよい。溶接は、透過性の観点から良好な結果をもたらすので、また、パリソンが成形作業中に溶融され又は軟化させられるので、本発明に用いるのに実用的である。パリソンが溶融状態又は軟化状態であることを好ましくは利用する他の技術、例えば孔あけリベット止めを利用してもよいことに注目すべきである。この技術は、本出願人の仏国特許出願第04.08196号明細書に記載されており、この特許文献を本明細書に援用する。
【0026】
本発明は、成形中に内部パイプをタンクに固定する目的で開発されたが、本発明は又、収縮の問題が生じる外部パイプのタンクへの固定にも利用できる。
【0027】
本発明のパイプは、その機能に適した任意の材料で作られる。周囲温度に近い温度で流体を運搬するパイプの場合、パイプの主要構成要素は、一般にプラスチック製であり、かかるパイプは、例えば、タンクの頂部をキャニスタ又は燃料蒸気を吸収する装置に連結するタンク通気パイプ、タンクを充填しているときにいくらかの蒸気を充填パイプの頂部に運搬する蒸気ブリーザライン、燃料レベルによる閉塞によってノズルを作動又は停止させる最大燃料レベル固定ライン等である。
【0028】
本発明によれば、固定すべきパイプは、少なくとも1つの曲がり部を有することにより、タンクへの2つの取付け箇所の間で変形可能である。「変形可能」という用語は、本明細書においては、パイプの2つの取付け箇所の間の距離が可変であることを意味する。本明細書で用いられる「曲がり部」という用語は、実際には、パイプを引伸ばすと長くすることができる任意の変形部、例えば、ループ又は螺旋形、ベローズ及びカール等の1つ又は2つ以上の波形を意味する。実用上非常に好適な一形態は、所望の領域にS形、波形又はV形(より厳密に曲がり部の両端を数えた場合、W形)等の少なくとも1つの曲がり部を作る工程を有し、これは、パイプの単純な変形、好ましくは熱変形によって容易に形成できるからである。これにより、一種のばねがパイプに作られ、このばねは、パイプをパリソンに取付ける際に或る量、又は、或る程度まで引伸ばされ、その結果、成形タンクを冷却する際、パイプ、静止状態又はほぼ静止状態にあることが好ましい。
【0029】
一般的に言って、本発明の方法は、パリソンを型の中に配置する工程と、パイプを支持するコアを、型内のパリソン内部に配置する工程と、型を閉じる工程と、コアを通して供給された内部ガス圧力によって且つ/又は型の後方に真空を適用することによって、パリソンを型の壁に押付ける工程と、パイプをコアの助けによってパリソンに固定する工程と、必要ならば、プラスチックをガス抜きする工程と、型を開いてコアを取出す工程と、圧力下の流体をパリソンの中に注入するブロー成形、又は、型の後方で真空引きする熱成形のいずれかによって、パリソンを成形する工程と、を有するのがよい。
【0030】
本発明のこの変形例の型は、パリソンの外面と接触するよう設計された2つの窪みを有し、パリソンを、その内側に注入する圧縮ガスによってこれら窪みまで拡張させる。
【0031】
ガス抜き工程を任意適当な仕方で実施してもよいが、ガス抜き工程は、ブロー成形の場合に必要であるが、熱成形の場合には必要ではない。一般的には、最初、例えばパリソンに針を刺すことによって、パリソンに孔をあけ、次いで、例えば弁を使用して、流体を型から排出する。
【0032】
したがって、本発明のこの変形例による方法は、引伸ばされた曲がり部を有するパイプをパリソンに固定するためにコアを用いる。コアは、型の窪みと窪みとの間に挿入することが可能な寸法及び形状を有する構成要素を意味する。かかる構成要素は、例えば、英国特許第1,410,215号明細書に記載され、この目的のために、前記英国特許の内容をここに援用する。
【0033】
この変形例では、コアは、パリソンをブロー成形するのに必要な圧縮ガスを吹込むのにも使用される。ブロー成形すべきパリソンが2つの部分である場合、この方法の少なくともいくつかの工程の間(通常、燃料タンクを形成するために2つの部分を溶接する前の工程の間)、コアは、2つの部分の縁部を高温に保つのにも使用される。2部分パリソンは、型を開くときに分離されるので、2部分パリソンは、この変形例に非常に適しており、パイプの固定を単純にする。
【0034】
最後に、コアを、プロセスを少なくとも部分的にモニタするのに使用してもよい。この目的のため、コアは、例えば、画像分析によってパイプの取付け部及び燃料タンクの任意その他の構成部品の品質を表示してモニタするビデオカメラを備えるのがよい。また、パリソンへのパイプの固定をより詳細にモニタすることを可能にするために、力、距離、圧力及び温度等の1つ以上のパラメータを測定する1つ又は2つ以上のセンサをコアに取付けるのがよい。
【0035】
変形例として、本発明の方法は、パリソンを形成する2枚のシートを予熱する工程と、2枚のシートを型内で熱成形することによって、2枚のシートを予備成形する工程と、パイプをロボットによって2枚のシートのうちの少なくとも一方の中に組込む工程と、型を再び閉じる工程と、型の後方で真空引きする熱成形することによって、燃料タンクを成形する工程と、を有していてもよい。
【0036】
本発明は又、上述の方法によって得ることができるプラスチック製の燃料タンクに関する。
【0037】
かかるタンクは、燃料を収容するよう設計された内容積部を構成する壁と、少なくとも2箇所で壁に固定されたパイプと、を有し、2箇所の間に位置するパイプの部分は、パイプをパリソンに取付けているときに引伸ばされていた曲がり部の存在により変形可能である、燃料タンクに関する。
【0038】
このパイプは、好ましくは、少なくとも1つの弁と、曲がり部、即ち、ループ形又は螺旋形等の領域とを有する通気パイプである。かかる通気パイプは、その端部の少なくとも一方に弁を有すると共に、ループ形又は螺旋形の曲がり部を含む少なくとも1つの領域を有することを特徴とすることが好ましい。この通気パイプは、その端部の各々に弁を有し、通気パイプは、これらの弁を介して燃料タンクに固定されることが有利である。
【0039】
この理由は、幾つか(少なくとも2つ)のポケットを有するタンク、いわゆる、鞍形タンクにおいて、これらのポケットのうちの少なくとも幾つかは、一般に、通気を必要とするからである。通気を行う実用的な1つの方法は、通気弁で通気すべき1つ又は複数のポケットを構成し、この通気弁をキャニスタに、パイプ(例えば、上述したパイプ)を介して且つパイプとキャニスタとの間に配置された弁によって連結することである。この弁は、幾つかの機能を発揮し、かかる機能は、車両が揺れたり転倒したりした場合に液体燃料がキャニスタ内に入ることを防止する機能(ROV機能、即ち、ロールオーバーバルブ機能)、過剰充填を防止する機能(OFP機能)、蒸気が同伴した液体燃料の液滴を捕捉する機能(液体−蒸気分離機能)等である。本発明は、異なる弁を互いに連結する通気パイプを燃料タンク内に固定するのに非常に好適である。
【0040】
その結果、本発明は又、幾つかのポケットを有する燃料タンクを通気させる方法に関し、この方法において、少なくとも1つのポケットは、少なくとも1つの通気弁を有し、この通気弁を、上述したパイプを介してキャニスタに連結する。この方法では、通気すべきポケットの各々が、好ましくは、少なくとも1つの通気弁を有し、これらの通気弁を、パイプによって互いに連結し、これらのパイプ及び通気弁を、ROV機能、OFP機能及び液体−蒸気分離機能等を発揮する弁を介してキャニスタに連結する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明を、限定するわけではなく、図1〜図3に示す。
【0042】
図1は、本発明に従ってパイプ3によって互いに連結された3つの弁2を有する燃料タンク1を示す。パイプ3は、燃料タンクのブロー成形中、ブロー成形用の型内に導入されたコアを用いて弁2を介して固定される。
【0043】
図2は、燃料タンクをブロー成形して冷却した後におけるパイプ3の概略図であり、図3は、パイプをタンクに固定するために用いられるコアに、引伸ばし状態で取付けられたパイプを示す。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に従ってパイプによって互いに連結された3つの弁を有する燃料タンクの概略図である。
【図2】燃料タンクをブロー成形して冷却した後におけるパイプの概略図である。
【図3】パイプを燃料タンクに固定するために用いられるコアに、引伸ばし状態で取付けられたパイプを示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パリソンを成形することによって、プラスチック製燃料タンクを製造する方法であって、
パリソンの成形作業中、パイプをパリソンに少なくとも2箇所で取付ける工程を有し、
前記パイプは、その曲がり部の存在により前記2箇所の間で変形可能であり、前記パイプをパリソンに取付けている間、前記曲り部が引伸ばされる、方法。
【請求項2】
前記パリソンは、管状に押出された1つのパリソンを切断して得られる2つの別々の部分からなる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パイプを、溶接又はリベット止めにより前記パリソンに取付ける、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記パイプは、少なくとも1つの曲がり部を前記2つの取付け箇所の間の領域に有し、前記曲がり部は、S形、V形、W形、ループ形、螺旋形、波形、ベローズ、又はカールである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記2つの取付け箇所の間の領域の前記曲がり部を、熱変形によって形成する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
更に、パリソンを型の中に配置する工程と、
前記パイプを支持するコアを、前記型内のパリソン内部に配置する工程と、
前記型を閉じる工程と、
前記コアを通して供給された内部ガス圧力によって且つ/又は前記型の後方に真空を適用することによって、パリソンを前記型の壁に押付ける工程と、
前記パイプを前記コアの助けによってパリソンに固定する工程と、
必要ならば、プラスチックをガス抜きする工程と、
前記型を開いて前記コアを取出す工程と、
圧力下の流体をパリソンの中に注入するブロー成形、又は、前記型の後方で真空引きする熱成形のいずれかによって、パリソンを成形する工程と、を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
更に、パリソンを形成する2枚のシートを予熱する工程と、
前記2枚のシートを型内で熱成形することによって、前記2枚のシートを予備成形する工程と、
前記パイプをロボットによって前記2枚のシートのうちの少なくとも一方の中に組込む工程と、
前記型を再び閉じる工程と、
前記型の後方で真空引きする熱成形することによって、前記燃料タンクを成形する工程と、を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって得られるプラスチック製の燃料タンクであって、
燃料を収容するよう設計された内容積部を構成する壁と、
少なくとも2箇所で前記壁に固定されたパイプと、を有し、
前記2箇所の間に位置する前記パイプの部分は、前記パイプをパリソンに取付けているときに引伸ばされていた曲がり部の存在により変形可能である、燃料タンク。
【請求項9】
前記パイプは、通気パイプであり、前記通気パイプは、その端部の少なくとも一方に弁を有する、請求項8に記載の燃料タンク。
【請求項10】
前記パイプは、その端部の各々に弁を有し、前記パイプは、これらの弁を介して前記燃料タンクに固定される、請求項9に記載の燃料タンク。
【請求項11】
前記燃料タンクは、複数のポケットを有し、前記ポケットのうちの少なくとも1つは、通気弁を有し、前記通気弁は、前記通気パイプを介してキャニスタに連結される、請求項9又は10に記載の燃料タンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2008−532797(P2008−532797A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500213(P2008−500213)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/060635
【国際公開番号】WO2006/095024
【国際公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【出願人】(502294138)イネルジー オートモーティヴ システムズ リサーチ (41)
【Fターム(参考)】