説明

プラズマエッチング装置

【課題】誘導アンテナにより生成されるプラズマの状態が変わることを抑えつつ、誘電窓に付着したエッチング生成物の除去効率を高めることのできるプラズマエッチング装置を提供する。
【解決手段】プラズマエッチング装置10は、基板Sを収容するとともに、誘電窓12で封止された真空槽Cと、誘電窓12の上方に配置され、真空槽C内にプラズマを生成する誘導アンテナ21と、誘導アンテナ21に接続され、誘導アンテナ21に流れる電流を抑制する電流抑制コイル24を備えている。また、プラズマエッチング装置10は、アンテナ用整合器23を介して容量電極26、誘導アンテナ21、及び電流抑制コイル24に高周波電力を供給するアンテナ用高周波電源22を備えている。誘導アンテナ21及び電流抑制コイル24からなる直列回路と容量電極26とからなる並列回路が、アンテナ用整合器23に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導結合型のプラズマエッチング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば特許文献1に記載のように、薄膜や基板のパターニングに用いられる誘導結合型のプラズマエッチング装置が知られている。この種のプラズマエッチング装置の概略構成について、図10を参照して説明する。
【0003】
図10に示されるように、プラズマエッチング装置80には、有底筒状の収容器81と、収容器81の開口を封止する誘電窓82とからなる真空槽Cが搭載され、該真空槽Cの内部には、基板Sを保持するステージ83が配置されている。ステージ83には、基板Sにバイアス電圧を印加するためのバイアス用高周波電源84がバイアス用整合器85を介して接続されている。上記真空槽Cの備える排気口81aには、真空槽C内を排気する排気部86が接続され、真空槽Cの備えるガス供給口81bには、エッチングガスを供給するエッチングガス供給部87が接続されている。
【0004】
誘電窓82の上方には、スパイラル状の誘導アンテナ91が配設され、該誘導アンテナ91には、アンテナ用整合器93を介してアンテナ用高周波電源92が接続されている。これら誘導アンテナ91と誘電窓82との間には、誘電窓82の表面と平行な磁束線を形成するための複数の永久磁石94が、上記誘導アンテナ91と同径の環状をなすように配置されている。
【0005】
こうしたプラズマエッチング装置80にて基板Sのエッチングが行われる際には、まず、排気部86によって所定圧力にまで減圧された真空槽C内に基板Sが搬入される。搬入された基板Sがステージ83に載置されると、エッチングガス供給部87から真空槽Cに対して所定流量のエッチングガスが供給される。エッチングガスが供給されると、アンテナ用高周波電源92から誘導アンテナ91に対して高周波電力を供給することにより、真空槽C内のエッチングガスからプラズマが生成される。次いで、バイアス用高周波電源84の高周波電力がステージ83に供給されることによって、基板Sに負のバイアス電圧が印加される。これにより、基板Sの表面にプラズマ中の正イオンが引き込まれることに加え、プラズマ中の他の粒子が基板Sの表面に到達することで、基板Sがその表面からエッチングされる。このとき、基板Sとプラズマ中の粒子とが反応することで生じたエッチング生成物の一部は、真空槽Cの内側面に付着する。特に、誘電窓82の内側面に付着したエッチング生成物は、収容器81の内側面に付着したエッチング生成物よりもスパッタにより剥がれやすいことから、真空槽C内を浮遊するパーティクルの一因となりやすい。また、同エッチング生成物は、誘電窓82を介した磁場の形成を妨げることで、プラズマを生成されにくくもする。
【0006】
そこで、上記プラズマエッチング装置80では、永久磁石94と誘電窓82との間に櫛歯状の容量電極95が配設されている。そして、容量電極95と可変コンデンサ96とからなる直列回路と誘導アンテナ91とからなる並列回路が、アンテナ用整合器93に接続されている。これにより、誘電窓82における内側面の近くで生成された正イオンが、誘電窓82の内側面に引き込まれることで、誘電窓82の内側面がスパッタされる。そのため、エッチング生成物は、誘電窓82に付着しにくくなるとともに、一旦付着したとしても除去されやすくなる。それゆえに、上述のような問題が生じにくくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−316210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、基板Sのエッチングを行っているときには、アンテナ用高周波電源92からの高周波電力が、誘導アンテナ91と容量電極95とに分配されることになる。この際、アンテナ用高周波電源92から出力される電力量は、通常、エッチングの速度やエッチングの加工形状に応じて定められる。そのため、誘電窓82に対するエッチング生成物の付着速度によっては、こうした電力量ではエッチング生成物の除去が十分に行われず、ひいては、容量電極95への高周波電力の供給が行われていたとしても、上述のような問題を招くおそれがある。
【0009】
なお、上述したプラズマエッチング装置では、可変コンデンサ96による直流電圧Vdcが誘電窓82に印加されることから、エッチング生成物の除去がその分は高められる。しかし、エッチング生成物を除去するための正イオンが、誘電窓82の表面に少なからず蓄積され続けるため、やがては、エッチング生成物の除去が行われ難くなる。また、容量電極95と可変コンデンサ96とからなる直列回路と誘導アンテナ91とが並列に接続されるため、可変コンデンサ96のインピーダンスの分、容量電極95に流れる電流が小さくもなる。それゆえに、誘電窓82では、可変コンデンサ96が設けられていない構成と比べて、高周波電圧波形の最高値と最低値との差である振幅Vppが小さくなり、エッチング生成物が除去され難くもなる。
【0010】
ちなみに、こうした問題は、高周波電源からの出力が大きくなることによって解決可能ではある。しかし、上述したように、高周波電力の出力とは、エッチングの処理結果が所望のものとなるように設定されるものであるから、高周波電力の出力が変更されることとなれば、エッチングの処理結果も自ずと変わってしまう。なお、こうした問題は、基板Sのエッチングと誘電窓82のスパッタとを同時に行う場合に限らず、単一の高周波電源からの出力が誘導アンテナ91と容量電極95とに分配される構成であれば、誘電窓82に対しスパッタのみを行うときにも、概ね共通して生じる。
【0011】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘導アンテナにより生成されるプラズマの状態が変わることを抑えつつ、誘電窓に付着したエッチング生成物の除去効率を高めることのできるプラズマエッチング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
本発明の一つの態様は、誘電体からなる壁部を有し、エッチング対象物を収容する真空槽と、前記真空槽の外側で前記壁部と互いに向い合うように配置された誘導アンテナと、前記壁部と前記誘導アンテナとの間に配置された容量電極と、前記誘導アンテナに接続され、該誘導アンテナに流れる電流を抑制する電流抑制コイルと、インピーダンス整合器を介して前記容量電極、前記誘導アンテナ、及び前記電流抑制コイルに高周波電力を供給する高周波電源とを備え、前記インピーダンス整合器には、前記誘導アンテナ及び前記電流抑制コイルからなる直列回路と前記容量電極とからなる並列回路が接続されているプラズマエッチング装置である。
【0013】
上記態様では、誘導アンテナに対して直列に接続された電流抑制コイルが設けられるとともに、これら誘導アンテナ及び電流抑制コイルからなる直列回路が容量電極と並列に接続されている。そのため、電流抑制コイルが設けられていない構成と比べて、電流抑制コイルの自己インダクタンスの分、誘導アンテナには電流が流れにくくなる。それゆえに、誘導アンテナにより生成されるプラズマの状態が、電流抑制コイルを有していない構成のそれと同じであるという前提では、電流抑制コイルを有していない構成と比べて、高周波電源からの出力が大きく設定されることとなる。その結果、容量電極に流れる電流が大きくなるため、上記電流抑制コイルが設けられた分、容量電極に印加される高周波電圧の振幅Vppも大きくなることとなる。したがって、誘導アンテナにより生成されるプラズマの状態が変わることを抑えつつ、誘電体からなる壁部に付着したエッチング生成物の除去効率を高めることができる。
【0014】
本発明の一つの態様では、前記電流抑制コイルが可変コイルである。
上記態様では、電流抑制コイルの自己インダクタンスが変更されることにより、上記直列回路のインダクタンスを変更することができる。つまり、直列回路における電流の流れにくさが変更されることで、容量電極に流れる電流の大きさを変更することができる。そのため、例えば上記壁部に対するエッチング生成物の付着速度に応じて、容量電極に流れる電流、ひいては該容量電極に印加される高周波電圧の振幅Vppが変更可能となる。したがって、誘導アンテナにより生成されるプラズマの状態が変わることを抑えつつ、上記壁部に付着したエッチング生成物の除去効率を高められるという効果が、互いに異なるエッチング条件において得られる。
【0015】
本発明の一つの態様では、前記電流抑制コイルの自己インダクタンスを制御する制御部を備え、前記制御部は、前記エッチング対象物がエッチングされるときの自己インダクタンスよりも、前記真空槽内がクリーニングされるときの前記自己インダクタンスを高くする。
【0016】
上記態様では、クリーニング時における電流抑制コイルの自己インダクタンスを、エッチング時における電流抑制コイルの自己インダクタンスよりも大きくするようにしている。そのため、上記壁部に付着したエッチング生成物の除去効率をより高めつつ、高周波電源の出力がエッチングの際に高くなることを抑えることができる。
【0017】
本発明の一つの態様では、前記制御部は、前記壁部に付着するエッチング生成物の生成量が大きくなる程、前記電流抑制コイルの自己インダクタンスを大きくする。
上記態様では、上記壁部におけるエッチング生成物の生成量が大きくなる程、電流抑制コイルの自己インダクタンスを大きくするようにしている。そのため、該生成量が大きくなる程、直列回路のインダクタンスが大きくなる。これにより、容量電極に印加される高周波電圧の振幅Vppも大きくなることから、上記付着速度が大きくなることに合わせて、エッチング生成物がスパッタされやすくなる。ひいては、エッチング生成物の生成量が大きくなる場合であっても、該エッチング生成物が上記壁部に堆積することを抑えることが可能である。また、エッチング生成物の生成量が小さくなる場合であれば、誘電体からなる壁部がスパッタされ過ぎることを抑えることが可能である。さらにまた、誘電窓にエッチング生成物が付着した状態からであっても、該付着したエッチング生成物を取り除くことができる。
【0018】
本発明の一つの態様は、前記容量電極と前記インピーダンス整合器との接続及び切断を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記真空槽内がクリーニングされるときに、前記容量電極と前記インピーダンス整合器とを接続し、前記エッチング対象物がエッチングされるときに、前記容量電極と前記インピーダンス整合器とを切断する。
【0019】
上記態様によれば、エッチング対象物がエッチングされるときに、容量電極とインピーダンス整合器とが切断されるため、高周波電源の出力がエッチングの際に高くなることを回避することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1実施形態におけるプラズマエッチング装置の全体構成を示す概略図。
【図2】容量電極に印加される高周波電圧の振幅Vppを示すグラフ。
【図3】真空槽内のパーティクルの数と、基板の処理枚数との関係を示すグラフ。
【図4】可変コンデンサの電極間距離と基板の処理枚数との関係を示すグラフ。
【図5】本発明の第2実施形態におけるプラズマエッチング装置の全体構成を示す概略図。
【図6】可変コイルのインダクタンスの変更態様を示すタイミングチャート。
【図7】本発明の第3実施形態におけるプラズマエッチング装置の全体構成を示す概略図。
【図8】可変コイルのインダクタンスの変更態様を示すタイミングチャート。
【図9】他の実施形態におけるプラズマエッチング装置の全体構成を示す概略図。
【図10】従来のプラズマエッチング装置の全体構成を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、本発明のプラズマエッチング装置を誘導結合型のプラズマエッチング装置として具現化した第1実施形態について、図1〜図4を参照して説明する。
[プラズマエッチング装置の構成]
まず、プラズマエッチング装置の全体構成について、図1を参照して説明する。なお、このプラズマエッチング装置は、上記従来のプラズマエッチング装置80と比べて、高周波電力の伝送系の構成が異なる。そのため、以下では、高周波電力の伝送系、及び該伝送系の作用について特に説明する。
【0022】
図1に示されるように、プラズマエッチング装置10が有する真空槽Cは、有底筒状のアルミニウムからなる収容器11と、石英等の誘電体から形成されて収容器11の開口を封止する壁部としての誘電窓12とから構成されている。
【0023】
真空槽C内には、円板状の基板Sを保持する円柱状のステージ13が、収容器11と同一軸線上に配置されている。ステージ13に載置される基板Sは、例えば、シリコン基板上に、下部電極層、強誘電体層、上部電極層、及びマスクパターンがこの順に積層された積層体である。このうち、下部電極層及び上部電極層は、例えばイリジウム、白金、ルテニウム、銀、銅等の貴金属からなる。また、強誘電体層は、例えばチタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ビスマスランタン鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛、タンタル酸ビスマスストロンチウム等からなる。
【0024】
ステージ13には、バイアス用高周波電源14が、バイアス用整合器15を介して接続されている。バイアス用高周波電源14は、例えば13.56MHzの周波数の高周波電力を出力する。バイアス用整合器15は、バイアス用高周波電源14の出力インピーダンスと、負荷の入力インピーダンスとを整合させる。
【0025】
収容器11の側面に貫通形成された排気口11aには、真空槽C内を排気する排気部16が接続されている。排気部16は、ターボ分子ポンプ、該ターボ分子ポンプの後段に接続されたドライポンプ、及びこれらポンプによる排気速度を調節するバルブ等から構成されている。
【0026】
収容器11の側面に貫通形成されたガス供給口11bには、塩素ガス供給部18とアルゴンガス供給部19とが接続されている。塩素ガス供給部18は、塩素(Cl)ガスを貯蔵するボンベに接続されたマスフローコントローラであって、真空槽C内に供給する塩素ガスの流量を調節する。他方、アルゴンガス供給部19は、アルゴン(Ar)ガスを貯蔵するボンベに接続されたマスフローコントローラであって、真空槽C内に供給するアルゴンガスの流量を調節する。
【0027】
真空槽C内にて基板Sのエッチング処理を行うときには、上記排気部16の排気流量、塩素ガス供給部18からのClガスの供給流量、及びアルゴンガス供給部19からのArガスの供給流量によって、真空槽C内が所定の圧力とされる。
【0028】
誘電窓12の上方には、誘導アンテナ21が、誘電窓12と平行に配設されている。誘導アンテナ21は、収容器11及びステージ13と同軸線上に配置された2回巻きのスパイラルアンテナである。誘導アンテナ21には、アンテナ用高周波電源22が、インピーダンス整合器としてのアンテナ用整合器23と、アンテナ用整合器23とは別体の電流抑制コイル24とを介して接続されている。
【0029】
アンテナ用高周波電源22は、周波数が例えば13.56MHzの高周波電力を出力する。アンテナ用整合器23は、誘導アンテナ21に対して直列に接続された直列可変コンデンサ23aと、誘導アンテナ21に対して並列に接続された並列可変コンデンサ23bとを有している。直列可変コンデンサ23aと並列可変コンデンサ23bとの容量は、例えば160μF以上1380μF以下の範囲で変更可能である。アンテナ用整合器23は、誘導アンテナ21の出力インピーダンスと、負荷の入力インピーダンスとを整合させる。電流抑制コイル24は、アンテナ用整合器23とは別体に設けられたコイルである。電流抑制コイル24の自己インダクタンスは、例えば0.5μHである。
【0030】
誘導アンテナ21と誘電窓12との間には、複数の永久磁石25が、誘導アンテナ21と同径の環状をなすように配置されている。また、永久磁石25と誘電窓12との間には、容量電極26が配置されている。容量電極26は、例えば、誘電窓12の中心を通る軸から放射状に、且つ、該誘電窓12と平行に延びる複数の導電部材からなる。また、各導電部材は、収容器11の底面の半径と略同じ長さであり、これにより、容量電極26の外縁、つまり、各容量電極の端部を結んだ形状は、収容器11の開口と略同じ大きさになる。容量電極26の中心には、図示されない入力端子が設けられ、該入力端子が、上記アンテナ用整合器23と電流抑制コイル24との間に接続されている。つまり、アンテナ用高周波電源22には、上記誘導アンテナ21及び電流抑制コイル24からなる直列回路と上記容量電極26とからなる並列回路が、アンテナ用整合器23を介して接続されている。
【0031】
このような構成によれば、電流抑制コイル24を有しない構成と比べて、電流抑制コイル24のインダクタンスの分、誘導アンテナ21には電流が流れにくくなる。それゆえに、誘導アンテナ21により生成されるプラズマの状態が維持される、すなわち誘導アンテナ21で消費される高周波電力が電流抑制コイル24を有しない構成と同じであるという前提では、電流抑制コイル24を有しない構成と比べて、アンテナ用高周波電源22からの出力が大きく設定されることとなる。その結果、容量電極26に流れる電流が大きくなるため、上記電流抑制コイル24が設けられた分だけ、容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppが大きくなることにもなる。
【0032】
こうしたプラズマエッチング装置10には、各高周波電源14,22、各ガス供給部18,19、排気部16、及び各整合器15,23の駆動を制御する制御部としての制御装置31が搭載されている。制御装置31には、各高周波電源14,22、各ガス供給部18,19、及び排気部16の出力に関する設定値がプロセスステップごとに定められたプログラムがプロセスレシピとして記憶されている。
【0033】
制御装置31は、プロセスレシピを読み出した後、プロセスレシピを構成するプロセスステップごとに、そのプロセスステップにおける設定値を読み出す。そして、制御装置31は、上記プロセスステップごとに、該プロセスステップに含まれる設定値に応じた指令を出力する。すなわち、制御装置31は、各高周波電源14,22に電力指令を出力し、各ガス供給部18,19に流量指令を出力し、排気部16に排気流量指令を出力する。
【0034】
例えば、制御装置31は、上記プロセスレシピを読み出すと、まず、各ガス供給部18,19からのガス流量を安定させるためのプロセスステップを実行する。このとき、制御装置31は、各ガス供給部18,19に対して所定流量でガスを出力するための流量指令を出力するとともに、各高周波電源14,22に対して、これらの出力を0Wとするための電力指令を出力する。これにより、高周波電源14,22からの出力がなされていない状態で、真空槽C内にClガスあるいはArガスの供給が継続されることで、各ガス供給部18,19における流量の安定化が図られる。
【0035】
次いで、制御装置31は、プラズマを生成するためのプロセスステップを実行する。すなわち、制御装置31は、各ガス供給部18,19に対して、所定流量でガスを流すための流量指令を出力し、且つ、アンテナ用高周波電源22に対して、所定電力にて高周波電力を出力するための電力指令を出力する。その後、制御装置31は、アンテナ用高周波電源22が検出した反射波電力に応じて、該反射波電力を抑えるための駆動指令を各可変コンデンサ23a,23bに出力する。続いて、制御装置31は、バイアス用高周波電源14に対して、所定電力にて高周波電力を出力するための電力指令を出力する。その後、制御装置31は、バイアス用高周波電源14が検出した反射波電力に応じて、バイアス用整合器15に対し、該反射波電力を抑えるための駆動指令を出力する。これにより、真空槽C内にプラズマが生成され、基板Sのエッチングが開始される。
[プラズマエッチング装置の作用]
次に、上記プラズマエッチング装置10の作用として、該プラズマエッチング装置10の動作の一つであるエッチング処理の作用について説明する。
【0036】
プラズマエッチング装置10にて基板Sのエッチングが行われるときには、まず、真空槽C内が、上記排気部16によって所定圧力に減圧される。真空槽C内が所定圧力に減圧されると、基板Sが、図示しない搬入口から真空槽C内に搬入され、そして、基板Sは、ステージ13によって保持される。
【0037】
基板Sの搬入が完了すると、塩素ガス供給部18からの所定流量のClガスと、アルゴンガス供給部19からの所定流量のArガスとが真空槽C内に供給された後、アンテナ用高周波電源22から誘導アンテナ21に対して高周波電力が出力される。これにより、真空槽C内には、ClガスとArガスとのプラズマが生成され、容量電極26にも高周波電源22からの高周波電力が供給される。この際、誘導アンテナ21により生成されるプラズマが、電流抑制コイル24を有しない構成のそれと同じになるように、アンテナ用高周波電源22からの出力が設定される。すなわち、電流抑制コイル24を有しない構成での設定値よりも大きい値が、高周波電源22には設定される。そのため、誘導アンテナ21では、電流抑制コイル24を有しない構成と比べて、電流抑制コイル24のインダクタンスの分、電流が流れにくくなるものの、該誘導アンテナ21の生成するプラズマは、電流抑制コイル24を有しない構成のそれと同じになる。また、アンテナ用高周波電源22からの出力が大きくなる分、容量電極26に流れる電流が大きくなり、容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppが大きくなる。
【0038】
真空槽C内にプラズマが生成されると、バイアス用高周波電源14からステージ13に対して高周波電力が出力される。これにより、基板Sにバイアス電圧が印加されることによって、基板Sが、プラズマに含まれる正イオンやラジカルによってエッチングされる。同時に、誘電窓12の内側面の周辺にて形成されたプラズマ中の正イオンが、誘電窓12の内側面をスパッタする。これにより、基板Sのエッチングにより生成されたエッチング生成物の付着が抑えられるとともに、誘電窓12に付着したエッチング生成物が取り除かれることになる。そして、容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppが大きくなる分、誘電窓12に付着したエッチング生成物の除去効率を高めることができる。
[実施例]
以下に、誘導アンテナ21と直列に接続された電流抑制コイル24の作用について、実施例に基づき、図2〜図4を参照して説明する。なお、図2〜図4では、電流抑制コイル24を有するプラズマエッチング装置10を実施例とし、他方、電流抑制コイルを有しないものの、その他の構成についてはプラズマエッチング装置10と同様であるプラズマエッチング装置を比較例としている。
【0039】
直径が200mmであるシリコン基板上にイリジウム層が積層された試験用基板のエッチングを以下の条件にて行った。この際、実施例の有する電流抑制コイル24の自己インダクタンスを0.2μHとした。そして、下記条件にてエッチングを行ったときに容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppを実施例として測定した。該高周波電圧の振幅Vppの測定結果を図2に示す。
【0040】
また、電流抑制コイルを有しないプラズマエッチング装置を用い、アンテナ用高周波電源22の出力を800Wに変更し、その他の条件を下記条件と同じくしてエッチングを行った。そして、エッチング時の容量電極に印加される高周波電圧の振幅Vppを比較例として測定した。該高周波電圧の振幅Vppの測定結果を同じく図2に示す。
[エッチング処理の条件]
・Clガスの流量/Arガスの流量 35sccm/15sccm
・真空槽C内の圧力 0.5Pa
・アンテナ用高周波電源22の出力 1000W
・バイアス用高周波電源14の出力 400W
・処理時間 120秒
図2に示されるように、比較例の容量電極における振幅Vppを1とするとき、実施例の容量電極における振幅Vppは、1.4であった。このように、誘導アンテナ21に対して電流抑制コイル24を直列に接続することで、容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppが大きくなることが認められた。
[パーティクル数の推移]
上記プラズマエッチング装置10を用い、11枚の試験用基板を上記条件で連続的にエッチングするとともに、エッチング後の試験用基板におけるパーティクルの数をパーティクルカウンタによって測定し、実施例におけるパーティクル数の推移を得た。なお、パーティクルの測定は、粒径が0.2μm以上のパーティクルを測定の対象とした。実施例におけるパーティクル数の測定結果を図3に示す。
【0041】
また、電流抑制コイルを有しないプラズマエッチング装置を用い、アンテナ用高周波電源22の出力を800Wに変更し、その他の条件を上記条件と同じくして、11枚の試験用基板を連続的にエッチングした。そして、エッチング後の試験用基板におけるパーティクルの数をパーティクルカウンタによって測定し、比較例におけるパーティクル数の推移を得た。比較例におけるパーティクル数の測定結果を図3に示す。
【0042】
図3に示されるように、実施例では、11枚の試験用基板をエッチングした後のパーティクル数と、5枚の試験用基板をエッチング後のパーティクル数とが、50個以下の値であった。つまり、実施例では、試験用基板の処理枚数が増えても、真空槽C内のパーティクル数は略一定の値であった。これに対し、比較例では、1枚の試験用基板をエッチングした後のパーティクル数が50個以下、5枚の試験用基板をエッチングした後のパーティクル数が100個以上200個以下、10枚の試験用基板をエッチングした後のパーティクル数が200個以上300個以下であった。つまり、比較例では、試験用基板の処理枚数が増えるごとに、真空槽C内を浮遊するパーティクルの数が増えることが認められた。
【0043】
こうした結果は、実施例のエッチング時にエッチング生成物が誘電窓に付着しにくい、あるいは、誘電窓に付着したとしてもスパッタによって除去されやすくなる、これらを示唆するものである。これに対し、比較例においては、エッチング生成物が誘電体に付着しやすく、これにより、試験用基板の処理枚数を重ねるごとに、誘電窓に付着しているエッチング生成物の量が増加していることを示唆するものである。
[マッチングポイントの推移]
上記プラズマエッチング装置10を用い、14枚の試験用基板を上記条件で連続的にエッチングするとともに、上記直列可変コンデンサ23a及び並列可変コンデンサ23bにおける電極間距離を、試験用基板のエッチングを行うごとに測定して、実施例における電極間距離を得た。該電極間距離の測定結果を図4に示す。なお、図4では、電極間距離の最小値を0%とし、最大値を100%としている。また、図4に示される電極間距離の値は、アンテナ用整合器23によりインピーダンスが整合した状態での測定結果である。
【0044】
また、電流抑制コイルを有しないプラズマエッチング装置を用い、アンテナ用高周波電源22の出力を800Wに変更し、その他の条件を上記条件と同じくして、13枚の試験用基板を連続的にエッチングした。そして、上記直列可変コンデンサ23a及び並列可変コンデンサ23bにおける電極間距離を、試験用基板のエッチングを行うごとに測定して、比較例における電極間距離を得た。該電極間距離の測定結果を図4に示す。
【0045】
図4に示されるように、実施例における直列可変コンデンサ23aでは、1枚目の試験用基板をエッチングしたときの電極間距離から、14枚目の試験用基板をエッチングしたときの電極間距離に到るまで略同一であった。詳細には、電極間距離は、50%から60%の範囲で推移していた。また、同じく実施例における並列可変コンデンサ23bでは、1枚目の試験用基板をエッチングしたときの電極間距離から、14枚目の試験用基板をエッチングしたときの電極間距離に到るまで略同一であった。詳細には、電極間距離は、30%から40%の範囲で推移していた。
【0046】
これに対し、比較例における直列可変コンデンサでは、エッチングされた試験用基板の枚数が増えるにつれて、電極間距離が大きくなっていることが認められた。詳細には、電極間距離は、その最小値が40%である一方、その最大値が80%であった。また、同じく比較例の並列可変コンデンサでは、エッチングされた試験用基板の枚数が増えるにつれて、電極間距離が小さくなっていることが認められた。詳細には、電極間距離は、その最大値が50%である一方、その最小値が15%であった。
【0047】
こうした実施例の結果は、誘電窓12に対するエッチング生成物の付着が、ほとんど起こっておらず、それゆえに、各コンデンサにおける電極間距離、すなわち、各コンデンサ23a,23bの容量がほとんど変化していないことを示唆するものである。一方、比較例の結果は、誘電窓12に対するエッチング生成物が、試験用基板のエッチングを行うたびに堆積しているために、各コンデンサにおける電極間距離、すなわち、各コンデンサの容量が大きく変化していることを示唆するものである。
【0048】
以上説明したように、本実施形態のプラズマエッチング装置によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電流抑制コイル24が設けられていない構成と比べて、電流抑制コイル24の自己インダクタンスの分、誘導アンテナ21には電流が流れにくくなる。それゆえに、誘導アンテナ21により生成されるプラズマの状態が、電流抑制コイル24を有していない構成のそれと同じであるという前提では、電流抑制コイル24を有していない構成と比べて、アンテナ用高周波電源22からの出力が大きく設定されることとなる。その結果、容量電極26を流れる電流が大きくなるため、電流抑制コイル24が設けられた分、容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppも大きくなる。したがって、誘導アンテナ21により生成されるプラズマの状態が変わることを抑えつつ、誘電窓12に付着したエッチング生成物の除去効率を高めることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明のプラズマエッチング装置を誘導結合型のプラズマエッチング装置として具現化した第2実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、本実施形態のプラズマエッチング装置は、上記第1実施形態のプラズマエッチング装置10と比べて、電流抑制コイルが可変コイルである点が異なる。また、本実施形態のプラズマエッチング装置は、上述のような基板Sのエッチング処理に加えて、クリーニング処理として、基板Sを真空槽C内に収容しない状態でプラズマを生成する点が異なる。そのため、以下では、こうした相違点について詳細に説明することとし、その他については、上記第1実施形態の構成並びに作用を準用することとする。
[プラズマエッチング装置の構成]
まず、本実施形態におけるプラズマエッチング装置の構成について、図5を参照して説明する。なお、図5では、先の図1にて示した部材と同一の部材に対し、同一の符号を付している。
【0049】
図5に示されるように、プラズマエッチング装置40には、上記第1実施形態と同様、真空槽C内にプラズマを生成する誘導アンテナ21が、誘電窓12の上方に配置されている。誘導アンテナ21には、アンテナ用整合器23を介してアンテナ用高周波電源22が接続されている。また、誘導アンテナ21には、電流抑制コイルとしての可変コイル41が、アンテナ用整合器23よりも該誘導アンテナ21側に直列に接続されている。
【0050】
また、誘電窓12の上方には、上記第1実施形態と同様、容量電極26が配置されている。容量電極26の入力端子は、可変コイル41とアンテナ用高周波電源22との間に接続されている。つまり、アンテナ用高周波電源22には、可変コイル41及び誘導アンテナ21からなる直列回路と容量電極26とからなる並列回路が、アンテナ用整合器23を介して接続されている。
【0051】
可変コイル41は、アンテナ用整合器23とは別体のコイルであって、その自己インダクタンスが、例えば0.1μH以上1.0μH以下の範囲で変更可能である。可変コイル41の自己インダクタンスが小さくなるほど、可変コイル41と誘導アンテナ21とには、電流が流れやすくなる。他方、可変コイル41の自己インダクタンスが大きくなるほど、可変コイル41と誘導アンテナ21とには、電流が流れにくくなる。
【0052】
プラズマエッチング装置40に搭載された制御装置31には、上記各高周波電源14,22、各ガス供給部18,19、排気部16、及び各整合器15,23に加えて、可変コイル41が接続されている。また、制御装置31の記憶しているプロセスレシピには、可変コイル41の自己インダクタンスの値もプロセスステップごとに定められている。
[プラズマエッチング装置の作用]
次に、上記プラズマエッチング装置40の作用として、プラズマエッチング装置40の動作の一つであるエッチング処理、及び、同じくプラズマエッチング装置40の動作の一つであるクリーニング処理の作用について、図6を参照して説明する。なお、図6には、制御装置31から各ガス供給部18,19、可変コイル41、各高周波電源14,22、及び各整合器15,23に対する駆動指令の出力態様が示されている。
【0053】
プラズマエッチング装置40にてエッチング処理が行われるときには、まず、上記第1実施形態と同様、真空槽C内が、上記排気部16によって所定圧力に減圧される。真空槽C内が所定圧力に減圧されると、基板Sが、図示しない搬入口から真空槽C内に搬入され、そして、基板Sは、ステージ13によって保持される。
【0054】
基板Sの搬入が完了すると、図6に示されるように、タイミングT1にて、制御装置31から塩素ガス供給部18に対して駆動指令が出力されることによって、所定流量のClガスが塩素ガス供給部18から真空槽C内に供給される。また、同じくタイミングT1では、制御装置31からアルゴンガス供給部19に対して駆動指令が出力されることによって、所定流量のArガスがアルゴンガス供給部19から真空槽C内に供給される。
【0055】
このとき、制御装置31から可変コイル41に対して、該可変コイル41の自己インダクタンスを相対的に低い第1インダクタンスLLとするための駆動指令が出力されている。なお、可変コイル41の自己インダクタンスは、アンテナ用高周波電源22からの出力が安定し、且つ、誘導アンテナ21に供給される高周波電力が、エッチング処理の条件に応じた電力となる範囲で最も大きいことが好ましい。
【0056】
ClガスとArガスとの供給が開始されると、タイミングT2にて、制御装置31からアンテナ用高周波電源22に対して駆動指令が出力されることによって、所定の高周波電力が、アンテナ用高周波電源22から誘導アンテナ21に対して出力される。これにより、真空槽C内には、ClガスとArガスとのプラズマが生成される。また、同じくタイミングT2にて、制御装置31からアンテナ用整合器23への駆動指令の出力が開始される。なお、該駆動指令は、アンテナ用高周波電源22によって検出された反射波電力に応じて生成されたものである。そして、駆動指令は、アンテナ用高周波電源22の出力インピーダンスと、負荷の入力インピーダンスとが整合した時点で一定の値となる。
【0057】
真空槽C内にプラズマが生成されると、タイミングT3にて、制御装置31からバイアス用高周波電源14に対して駆動指令が出力されることによって、所定の高周波電力が、バイアス用高周波電源14からステージ13に対して出力される。また、同じくタイミングT3にて、制御装置31からバイアス用整合器15への駆動指令の出力が開始される。なお、該駆動指令は、上記アンテナ用整合器23への駆動指令と同様、バイアス用高周波電源14によって検出された反射波電力に応じて生成されたものである。そして、駆動指令は、バイアス用高周波電源14の出力インピーダンスと、負荷の入力インピーダンスとが整合した時点で一定の値となる。
【0058】
そして、ステージ13に対して高周波電力が出力されることで、基板Sにバイアス電圧が印加される。これにより、基板Sが、プラズマに含まれる正イオンやラジカルによってエッチングされる。このとき、誘電窓12の内側面の周辺にて形成されたプラズマ中の正イオンが、誘電窓12の内側面に引き込まれることで、誘電窓12に付着したエッチング生成物若しくは誘電窓12自体をスパッタする。これにより、基板Sのエッチングにより生成されたエッチング生成物の付着が抑えられるとともに、誘電窓12に付着したエッチング生成物が取り除かれることになる。
【0059】
基板Sのエッチング処理が所定期間継続されると、タイミングT4にて、制御装置31から塩素ガス供給部18、アルゴンガス供給部19、アンテナ用高周波電源22、バイアス用高周波電源14、アンテナ用整合器23、及びバイアス用整合器15に対して、これらの駆動を停止するための駆動指令が出力される。これにより、各ガス供給部18,19からのガスの供給、誘導アンテナ21及びステージ13に対する高周波電力の出力、並びに各整合器15,23の駆動が停止されることで、基板Sのエッチング処理が終了する。なお、本実施形態では、上記タイミングT1からタイミングT4までの期間が、エッチング処理が実施されている期間である。
【0060】
こうしたエッチング処理が複数回行われると、タイミングT5にて、制御装置31から可変コイル41に対して駆動指令が出力される。これにより、可変コイル41の自己インダクタンスが、上記第1インダクタンスLLから相対的に高い第2インダクタンスLHに変更される。
【0061】
可変コイル41の自己インダクタンスが変更されると、タイミングT6にて、制御装置31からアルゴンガス供給部19に対して駆動指令が出力される。これにより、所定流量のArガスが、真空槽C内に供給される。
【0062】
Arガスの供給が開始されると、タイミングT7にて、制御装置31からアンテナ用高周波電源22に対して駆動指令が出力される。これにより、所定の高周波電力が、アンテナ用高周波電源22から誘導アンテナ21に対して出力される。また、同じくタイミングT7では、先のタイミングT2と同様、制御装置31からアンテナ用整合器23への駆動指令の出力が開始される。なお、該駆動指令は、アンテナ用高周波電源22によって検出された反射波電力に応じて生成されたものである。そして、駆動指令は、アンテナ用高周波電源22の出力インピーダンスと、負荷の入力インピーダンスとが整合した時点で一定の値となる。
【0063】
これにより、真空槽C内にArガスのプラズマが形成され、そして、プラズマ中の正イオンが、誘電窓12の内側面に引き込まれることになる。これにより、誘電窓12の内側面がスパッタされることで、内側面に付着したエッチング生成物が除去される、若しくは、同内側面にエッチング生成物が付着しにくくなる。
【0064】
なお、クリーニング処理時には、可変コイル41の自己インダクタンスは、高周波電源22の出力が安定に維持される範囲とされる。また、誘電窓12のスパッタレートを決める要因には、真空槽C内のプラズマの密度と、容量電極26に印加される電圧の振幅Vppの大きさとが含まれる。そのため、可変コイル41の自己インダクタンスを変えることによって誘電窓12のスパッタレートが大きくなるときには、プラズマ密度が高くなる一方、電圧振幅Vppが小さくなる場合と、プラズマ密度が低くなる一方、電圧振幅Vppが大きくなる場合とがある。このうち、電圧振幅Vppが大きくなる場合であれば、プラズマ密度が高くなる場合よりも、誘電窓12をスパッタされやすくしつつ、真空槽Cの内側面をスパッタされにくくすることができる。それゆえに、可変コイル41の自己インダクタンスは、電圧振幅Vppの増大によって誘電窓12のスパッタレートが大きくなる範囲で最も大きい値であることが好ましい。
【0065】
クリーニング処理が所定期間継続されると、タイミングT8にて、制御装置31からアルゴンガス供給部19、アンテナ用高周波電源22、及びアンテナ用整合器23に対して、これらの駆動を停止するための駆動指令が出力される。これにより、アルゴンガス供給部19からのガスの供給、誘導アンテナ21に対する高周波電力の出力、並びにアンテナ用整合器23の駆動が停止されることで、クリーニング処理が終了する。なお、本実施形態では、上記タイミングT4からタイミングT8までの期間が、クリーニング処理が実施されている期間である。
【0066】
以上説明したように、本実施形態によれば、上記(1)の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(2)可変コイル41の自己インダクタンスが変更されることにより、可変コイル41と誘導アンテナ21とに流れる電流の大きさを変更することができる。これにより、容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppを変更することができる。
【0067】
例えば、誘電窓12に付着するエッチング生成物の生成量に応じて、容量電極26に印加される電圧が変更可能となる。したがって、エッチング生成物の付着速度に対して誘電窓12に引き込まれる粒子の量が多すぎることで、誘電窓12自体がスパッタされてしまうことや、同付着速度に対して誘電窓12に引き込まれる粒子の量が少なすぎることで、エッチング生成物が十分に除去されないことを起こりにくくすることができる。そして、このような効果が、互いに異なる複数のエッチング条件に対し得られることとなる。
【0068】
(3)真空槽C内に基板Sを収容していない状態で並列回路に高周波電力を供給することにより、誘電窓12に付着したエッチング生成物を除去するクリーニングを行うようにしている。しかも、クリーニング時における可変コイル41の自己インダクタンスを、基板Sのエッチング時における可変コイル41の自己インダクタンスよりも大きくするようにしている。そのため、基板Sのエッチング処理に対して影響することなく、誘電窓12に付着したエッチング生成物の除去効率を高めることができる。そして、誘電窓12に付着したエッチング生成物の除去効率を高めつつ、高周波電源22の出力がエッチングの際に高くなることを抑えることが可能でもある。
[第3実施形態]
以下、本発明のプラズマエッチング装置を誘導結合型のプラズマエッチング装置として具現化した第3実施形態について、図7及び図8を参照して説明する。なお、本実施形態のプラズマエッチング装置は、上記第2実施形態のプラズマエッチング装置40と比べて、容量電極26が、アンテナ用高周波電源22に対してスイッチを介して接続されている点が異なる。そのため、以下では、こうした相違点について詳細に説明することとし、その他の点については、上記第2実施形態の構成並びに作用を準用することとする。
[プラズマエッチング装置の構成]
まず、本実施形態におけるプラズマエッチング装置の構成について、図7を参照して説明する。なお、図7では、先の図1に示される部材と同一の部材に対して同一の符号を付している。
【0069】
図7に示されるように、プラズマエッチング装置50には、上記第2実施形態と同様、真空槽C内にプラズマを生成する誘導アンテナ21が、誘電窓12の上方に配置されている。誘導アンテナ21には、可変コイル41と、該可変コイル41とは別に設けられたアンテナ用整合器23とを介してアンテナ用高周波電源22が接続されている。なお、可変コイル41の自己インダクタンスは、先の第2実施形態と同様、例えば0.1μH以上1.0μH以下の範囲で変更可能である。
【0070】
また、誘電窓12の上方には、上記第2実施形態と同様、容量電極26が配置されている。容量電極26の入力端子は、可変コイル41とアンテナ用高周波電源22との間にスイッチ51を介して接続されている。容量電極26は、スイッチ51がオンのときにアンテナ用高周波電源22に対して接続された状態となり、他方、スイッチ51がオフであるときにアンテナ用高周波電源22から切断された状態となる。
【0071】
プラズマエッチング装置50に搭載された制御装置31には、上記第2実施形態と同様、各高周波電源14,22、各ガス供給部18,19、排気部16、及び各整合器15,23、及び可変コイル41に加えて、スイッチ51が接続されている。また、制御装置31の記憶しているプロセスレシピには、スイッチ51のオンあるいはオフの態様もプロセスステップごとに定められている。
[プラズマエッチング装置の作用]
次に、上記プラズマエッチング装置50の作用として、プラズマエッチング装置50の動作の一つであるエッチング処理、及び、同じくプラズマエッチング装置50の動作の一つであるクリーニング処理の作用について、図8を参照して説明する。なお、図8には、制御装置31から各ガス供給部18,19、可変コイル41、各高周波電源14,22、各整合器15,23、及びスイッチ51に対する駆動指令の出力態様が示されている。
【0072】
プラズマエッチング装置50にてエッチング処理が行われるときには、まず、上記第2実施形態と同様、所定圧力に減圧された真空槽C内に基板Sが搬入され、そして、基板Sがステージ13によって保持される。
【0073】
基板Sの搬入が完了すると、図8に示されるように、また、上記第2実施形態と同様、タイミングT1にて、所定流量のClガス及びArガスが真空槽C内に供給される。
このとき、制御装置31から可変コイル41に対して、該可変コイル41の自己インダクタンスを相対的に低い第1インダクタンスLLとするための駆動指令が出力されている。加えて、制御装置31からスイッチ51に対して、該スイッチ51をオフの状態とするための駆動指令が出力されている。これにより、容量電極26とアンテナ用高周波電源22とが切断されている。
【0074】
ClガスとArガスとの供給が開始されると、タイミングT2にて、所定の高周波電力が、アンテナ用高周波電源22から誘導アンテナ21に対して出力されることで、ClガスとArガスとのプラズマが真空槽C内に生成される。また、同タイミングT2にて、アンテナ用高周波電源22の出力インピーダンスと負荷の入力インピーダンスとの整合が、アンテナ用整合器23によって開始される。
【0075】
真空槽C内にプラズマが生成されると、タイミングT3にて、所定の高周波電力が、バイアス用高周波電源14からステージ13に対して供給されることで、プラズマ中の正イオンが基板Sに対して引き込まれる。これにより、基板Sのエッチングが開始される。また、同じくタイミングT3では、バイアス用高周波電源14の出力インピーダンスと負荷の入力インピーダンスとの整合が、バイアス用整合器15によって開始される。
【0076】
基板Sのエッチングが所定時間継続されると、タイミングT4にて、上記Clガスの供給、Arガスの供給、各種高周波電力の供給、及び各整合器15,23によるインピーダンス整合が停止されることで、基板Sのエッチングが終了される。なお、本実施形態では、上記タイミングT1からタイミングT4までの期間が、エッチング処理が実施されている期間である。
【0077】
こうしたエッチング処理が複数回行われると、タイミングT5にて、制御装置31から可変コイル41に対して駆動指令が出力される。これにより、可変コイル41の自己インダクタンスが、上記第1インダクタンスLLから相対的に高い第2インダクタンスLHに変更される。また、同じくタイミングT5では、制御装置31からスイッチ51に対して駆動指令が出力される。これにより、スイッチ51がオンの状態とされることで、容量電極26とアンテナ用高周波電源22とが接続される。つまり、可変コイル41及び誘導アンテナ21からなる直列回路と、容量電極26とが、アンテナ用高周波電源22に対して並列に接続されることになる。
【0078】
可変コイル41の自己インダクタンスが変更され、且つスイッチ51がオンの状態とされると、タイミングT6にて、所定流量のArガスが、真空槽C内に供給される。Arガスの供給が開始されると、タイミングT7にて、所定の高周波電力が、アンテナ用高周波電源22から誘導アンテナ21に対して供給される。また、同じくタイミングT7では、アンテナ用整合器23が、アンテナ用高周波電源22の出力インピーダンスと負荷の入力インピーダンスとの整合を開始する。これにより、Arガスのプラズマが、真空槽C内に形成されることで、プラズマ中の正イオンが上記誘電窓12の内側面に引き込まれる。これにより、誘電窓12の内側面が正イオンによってスパッタされることで、誘電窓12の内側面にエッチング生成物が付着しにくくなる、若しくは、付着したエッチング生成物が除去される。
【0079】
誘電窓12のスパッタが所定期間継続されると、タイミングT8にて、Arガスの供給、誘導アンテナ21に対する高周波電力の供給、及びアンテナ用整合器23によるインピーダンス整合が停止されることで、誘電窓12のスパッタが停止される。なお、同じくタイミングT8では、制御装置31からスイッチ51に対して駆動指令が出力されることで、スイッチ51がオフの状態とされる。これにより、容量電極26とアンテナ用高周波電源22とが切断される。本実施形態では、上記タイミングT5からタイミングT8までの期間を、クリーニング処理が行われる期間としている。
【0080】
なお、クリーニング処理時には、上記第2実施形態と同様、可変コイル41の自己インダクタンスは、高周波電源22の出力が安定に維持される範囲とされる。また、第2実施形態と同様、可変コイル41の自己インダクタンスは、電圧振幅Vppの増大によって誘電窓12のスパッタレートが大きくなる範囲で最も大きい値であることが好ましい。
【0081】
以上説明したように、上記実施形態によれば、上記(1)〜(3)に記載の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(4)エッチング処理を行うときには、容量電極26とアンテナ用高周波電源22とを切断し、他方、クリーニング処理を行うときには、容量電極26とアンテナ用高周波電源22とを接続するようにしている。これにより、エッチング処理時には、アンテナ用高周波電源22に対して、誘導アンテナ21と可変コイル41とからなる直列回路のみが接続されることになる。そのため、可変コイル41の自己インダクタンスに応じてアンテナ用高周波電源22の出力を大きくすることが、エッチング処理時には不要となる。
【0082】
なお、上記実施形態は、以下のように適宜変更することができる。
・真空槽Cは、図9に示されるように、誘電体からなる円筒部材61aと、円筒部材61aの底面側の開口を封止する底面円板部材61bとからなる収容器61、及び収容器61の上面側の開口を封止する上面円板部材62によって構成されてもよい。この場合、底面円板部材61bに貫通形成された排気口61cに、上記排気部16が接続されるとともに、上面円板部材62に貫通形成されたガス供給口62aに上記塩素ガス供給部18とアルゴンガス供給部19とが接続される構成であればよい。また、円筒部材61aの外壁面に沿って誘導アンテナ71が配置され、そして、円筒部材61aの外周面と誘導アンテナ71との間に容量電極72が配置される構成であればよい。こうした構成によっても、上記(1)〜(4)に準じた効果を得ることができる。
【0083】
・第1実施形態に記載のプラズマエッチング装置10が、第3実施形態に記載のスイッチ51を有する構成であってもよい。こうした構成によって、上記(1)(4)に準じた効果を得ることは可能である。
【0084】
・プラズマエッチング装置40,50は、誘電窓12に付着するエッチング生成物の生成量を測定あるいは推定する装置が搭載されるとともに、該装置が測定あるいは推定した生成量を制御装置31が利用する構成であってもよい。
【0085】
例えば、排気口11aと排気部16とを接続する排気管の途中に、真空槽C内から排気された流体中に含まれるパーティクルの個数を計測するパーティクルカウンタが接続され、該パーティクルの個数が大きくなるほど、エッチング生成物の生成量が大きくなるように、制御装置31が該生成量を推定する構成であってもよい。なお、こうしたパーティクルカウンタとしては、例えば、排気管内にレーザ光を出力し、且つパーティクルによって散乱された光を測定することで、パーティクルの個数を計測する装置に具体化することができる。また、誘電窓12にてエッチング生成物の膜厚を計測する膜厚計が搭載され、該膜厚が大きくなるほど、エッチング生成物の生成量が大きくなるように、制御装置31が該生成量を推定する構成であってもよい。さらにまた、真空槽C内に生成されるプラズマからの発光のうち、エッチング生成物に帰属される波長の光の強度を計測する装置が搭載され、該波長の光の強度が大きくなるほど、エッチング生成物の生成量が大きくなるものとして、該装置が生成量を計測する構成であってもよい。
【0086】
そして、制御装置31は、上述した生成量が大きくなる程、可変コイル41の自己インダクタンスが大きくなるような駆動信号を生成し、該駆動信号を可変コイル41に出力するようにしてもよい。なお、この際、制御装置31は、可変コイル41の自己インダクタンスが大きくなる程、アンテナ用高周波電源22の出力が大きくなるような駆動信号を生成し、該駆動信号をアンテナ用高周波電源22に出力する構成が好ましい。
【0087】
こうした構成によれば、上記(1)〜(4)に準じた効果が得られるとともに、以下の効果を得ることができる。
(5)エッチング生成物の生成量が大きくなる程、誘導アンテナと可変コイルとに電流が流れにくくなる。これにより、エッチング生成物の生成量が大きくなる程、容量電極26に印加される高周波電圧の振幅Vppも大きくなる。したがって、エッチング生成物の生成量が大きくなることに合わせて、誘電窓12がスパッタされやすくなり、ひいては、エッチング生成物の除去速度を大きくすることができる。
【0088】
(6)また、エッチング生成物の生成量が小さくなる場合であれば、誘電窓12がスパッタされ過ぎることを抑えることが可能である。
(7)さらにまた、誘電窓12にエッチング生成物が付着した状態からであっても、該付着したエッチング生成物を取り除くことができる。
【0089】
・エッチング処理時とクリーニング処理時とで、可変コイル41の自己インダクタンスを同一としてもよい。こうした構成によれば、上記(1)及び(2)に準じた効果を得ることができるとともに、可変コイル41の自己インダクタンスの制御を簡単にすることができる。
【0090】
・可変コイル41の自己インダクタンスは、クリーニング処理時よりもエッチング処理時の方が大きくてもよい。こうした構成によっても、上記(1)及び(2)に準じた効果を得ることができる。
【0091】
・プラズマエッチング装置40,50は、クリーニング処理を行わない構成であってもよい。こうした構成によっても、上記(1)及び(2)に準じた効果が得られるとともに、制御装置31におけるクリーニング処理に関わる構成を割愛する分だけ、プラズマエッチング装置40,50の構成を簡単にすることができる。
【0092】
・誘電窓12は、半球状であってもよい。この場合、誘導アンテナは、半球状の誘電窓の外壁面に沿う螺旋状であることが好ましい。
・塩素ガス供給部18は、塩素ガスとして、三塩化ホウ素ガス、臭化水素ガス等、塩素ガス以外のガスを供給するものであってもよい。要は、基板Sをエッチングすることのできるガスを供給するものであればよい。
【0093】
・アルゴンガス供給部19は、アルゴンガス以外の希ガスであるヘリウムガス、ネオンガス、クリプトンガス、及びキセノンガス等を供給するガス供給部であってもよい。要は、誘電窓12をスパッタし、且つ誘電窓12と反応しないガスを供給する構成であればよい。
【0094】
・プラズマエッチング装置10にてエッチングされる基板Sは、シリコン基板上に、下部電極層、強誘電体層、上部電極層、及びマスクパターンが順に積層されたもの以外であってもよい。要は、プラズマエッチング装置10を用いたエッチングが可能な基板であればよい。なお、塩素ガス供給部18は、基板をエッチングすることの可能な塩素ガス以外のガスを供給するガス供給部とすればよい。
【符号の説明】
【0095】
10,40,50,60,80…プラズマエッチング装置、11,41,61,81…収容器、11a,41c,61c,81a…排気口、11b,62a,81b…ガス供給口、12,82…誘電窓、13,83…ステージ、14,84…バイアス用高周波電源、15,85…バイアス用整合器、16,86…排気部、18…塩素ガス供給部、19…アルゴンガス供給部、21,71,91…誘導アンテナ、22,92…アンテナ用高周波電源、23,93…アンテナ用整合器、23a…直列可変コンデンサ、23b…並列可変コンデンサ、24…電流抑制コイル、25,94…永久磁石、26,72,95…容量電極、31…制御装置、41…可変コイル、51…スイッチ、61a…円筒部材、61b…底面円板部材、62…上面円板部材、87…エッチングガス供給部、96…可変コンデンサ、C…真空槽、S…基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体からなる壁部を有し、エッチング対象物を収容する真空槽と、
前記真空槽の外側で前記壁部と互いに向い合うように配置された誘導アンテナと、
前記壁部と前記誘導アンテナとの間に配置された容量電極と、
前記誘導アンテナに接続され、該誘導アンテナに流れる電流を抑制する電流抑制コイルと、
インピーダンス整合器を介して前記容量電極、前記誘導アンテナ、及び前記電流抑制コイルに高周波電力を供給する高周波電源とを備え、
前記インピーダンス整合器には、前記誘導アンテナ及び前記電流抑制コイルからなる直列回路と前記容量電極とからなる並列回路が接続されている
プラズマエッチング装置。
【請求項2】
前記電流抑制コイルが可変コイルである
請求項1に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項3】
前記電流抑制コイルの自己インダクタンスを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記エッチング対象物がエッチングされるときの前記自己インダクタンスよりも、
前記真空槽内がクリーニングされるときの前記自己インダクタンスを高くする
請求項2に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記壁部に付着するエッチング生成物の生成量が大きくなる程、前記電流抑制コイルの自己インダクタンスを大きくする
請求項3に記載のプラズマエッチング装置。
【請求項5】
前記容量電極と前記インピーダンス整合器との接続及び切断を制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記真空槽内がクリーニングされるときに、前記容量電極と前記インピーダンス整合器とを接続し、
前記エッチング対象物がエッチングされるときに、前記容量電極と前記インピーダンス整合器とを切断する
請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラズマエッチング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−33860(P2013−33860A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169331(P2011−169331)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(000231464)株式会社アルバック (1,740)
【Fターム(参考)】