説明

プラズマチューブアレイ型表示装置

【課題】本発明は、容易に大型化することができるとともに、表示面を湾曲させることができる両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を提供する。
【解決手段】本発明は、プラズマチューブアレイ2と、プラズマチューブアレイ3と、プラズマチューブアレイ2を表面に、プラズマチューブアレイ3を表面の反対側となる背面にそれぞれ配置するフレーム基体4とを備える両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置である。フレーム基体4の一方の端縁部で、プラズマチューブアレイ2の表示電極対とプラズマチューブアレイ3の表示電極対とをそれぞれ電気的に接続し、フレーム基体4の他方の端縁部で、表示電極対のうちのX電極をX電極駆動回路5に、表示電極対のうちのY電極をY電極駆動回路6にそれぞれ電気的に接続してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプラズマチューブを並列に配置してあるプラズマチューブアレイを用いるプラズマチューブアレイ型表示装置に関し、特に、フレーム基体の第1の面及び第2の面にプラズマチューブアレイを配置してある両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示してあるように、新世代の大画面表示装置を実現する技術として、内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブ(発光管)を並列に配置してあるプラズマチューブアレイ型表示装置が開発されている。例えば1m四方のプラズマチューブアレイを複数接続したプラズマチューブアレイ型表示装置は、数m×数m規模の大画面表示装置を構築することができる。プラズマチューブアレイ型表示装置では、LCD、PDP等のように大型のガラス基板を扱う必要がなく、大規模な設備も不要となり、少ないコストで、画質が均質となる表示装置を提供することができる。
【0003】
図8は、従来のプラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイの構成を模式的に示す斜視図である。図8(a)は、プラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイの構成を模式的に示す斜視図であり、図8(b)は、プラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイの構成を部分的に示す斜視図であり、図8(c)は、プラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイを縦横に接続した状態を示す斜視図である。
【0004】
図8(a)に示すように、従来のプラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイ300は、プラズマチューブアレイ型表示装置の矩形画面の一部を構成することから、矩形形状を有しており、内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブ301、301、・・・を並列に配置している。プラズマチューブ301、301、・・・はガラス製の放電細管であり、管体となる細管の径は、特に大きさが限定されるものではないが、直径0.5〜5mm程度であることが望ましい。細管の形状は、円形の断面、扁平楕円状の断面、方形の断面等、どのような形状の断面を有していても良い。また、プラズマチューブ301、301、・・・の内部にはネオン、キセノン等の放電ガスが所定の割合で所定の圧力で封入されている。
【0005】
並列に配置された複数のプラズマチューブ301、301、・・・は、各プラズマチューブ301の長手方向下面に接するように配設されているアドレス電極302、302、・・・を有する背面側のアドレス電極シート303と、各プラズマチューブ301の長手方向の上面を横切る方向に配設されている表示電極304、304、・・・を有する表面側の表示電極シート305とに挟持されている。表示電極シート305はフレキシブルシートであり、例えばポリカーボネートフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等で構成されている。
【0006】
複数の表示電極304、304、・・・は、表示電極シート305の内面にストライプ状に配設されており、各プラズマチューブ301の上面を横切るように接している。表示電極対を構成する隣接する表示電極304、304がX電極及びY電極として機能し、X電極とY電極との間でプラズマチューブ301、301、・・・内に表示放電を発生させることになる。表示電極304のパターンは、ストライプ形状のほか、メッシュ状、梯子状、くし歯状等、当該分野で公知のパターンにて形成することができる。また、表示電極304に用いられる材料としては、例えば、ITO(酸化錫ドープ酸化インジウム)、SnO2 等の透明な導電性材料や、Ag、Au、Al、Cu、Cr等の金属の導電性材料が挙げられる。
【0007】
表示電極304の形成方法としては、当該分野で公知の各種の方法を適用することができる。例えば、印刷等の厚膜形成技術を用いて形成しても良いし、物理的堆積法又は化学的堆積法からなる薄膜形成技術とホトリソグラフィによるパターンニング技術を用いて形成しても良い。厚膜形成技術としては、スクリーン印刷法等が挙げられる。薄膜形成技術のうち、物理的堆積法としては、蒸着法、スパッタ法等が挙げられる。化学的堆積法としては、熱CVD法、光CVD法、あるいはプラズマCVD法等が挙げられる。
【0008】
アドレス電極302、302、・・・は、プラズマチューブアレイ300の背面に、プラズマチューブ301、301、・・・の長手方向に沿ってプラズマチューブ301ごとに設けられ、対となる表示電極304、304、・・・との交差部に発光セルを形成する。アドレス電極302も、当該分野で公知の各種の材料と方法とを用いて形成することができる。なお、アドレス電極302、302、・・・が形成してあるアドレス電極シート303は、便宜上1枚のシートで示してあるが、実際には各プラズマチューブ301の管径寸法の微小な違いに基づくプラズマチューブ301とアドレス電極302との間の位置ずれ誤差を吸収し、プラズマチューブ301の長手方向に対して交差する方向の表示画面のフレキシビリティを確保する観点から、例えばRGB1組3本のプラズマチューブ301ごとに、又はRGB8組24本のプラズマチューブ301ごとに、複数枚に分離されている。
【0009】
上記構成において、プラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイ300をカラー表示対応とする場合には、図8(b)に示すように、プラズマチューブ301ごとに赤色(R)用の蛍光体層306R、緑色(G)用の蛍光体層306G、青色(B)用の蛍光体層306Bを有する。RGB3色のプラズマチューブ301、301、301を一組として一つの画素を構成することで、カラー表示に対応することができる。なお、蛍光体層306は、赤色(R)用の蛍光体層306Rでは、紫外線照射により赤色発光する(Y、Gd)BO3 :Eu3+等の蛍光体材料を用いる。緑色(G)用の蛍光体層306Gでは、緑色発光するZn2 SiO4 :Mn等の蛍光体材料を用い、青色(B)用の蛍光体層306Bでは、青色発光するBaMgAl1217:Eu2+等の蛍光体材料を用いる。
【0010】
図8(c)は、上述したプラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイ300を縦横に接続したプラズマチューブアレイ型表示装置400を模式的に示す斜視図である。図8(c)では、4枚のプラズマチューブアレイ300、300、・・・から1枚の大画面用のプラズマチューブアレイ型表示装置400を構成しており、1枚1枚のプラズマチューブアレイ300は、駆動回路、電源回路等を含まない。大画面用のプラズマチューブアレイ型表示装置400を構成した段階で、全体を一つの表示装置として駆動回路、電源回路等を組み込むことで、プラズマチューブアレイ300、300、・・・ごとに表示画像の品質のばらつきが少ない大画面用の表示装置を構成することができる。横方向に連結されたプラズマチューブアレイ300、300間は互いの表示電極304、304同士を接続することにより共通駆動することができ、縦方向に連結されたプラズマチューブアレイ300、300は、それぞれのアドレス電極302、302を画面の上下にそれぞれ導出してアドレス駆動回路に接続することで、アドレス電極302、302同士は接続することなく、上側2個のプラズマチューブアレイ300、300の画面と下側2個のプラズマチューブアレイ300、300の画面とを公知のいわゆるデュアルスキャンの手法にて並行して駆動させることができる。
【0011】
一方、特許文献2には、LCDと、LCDを照射するバックライトとを具備する表示装置が開示されている。特許文献2に開示してある表示装置は、基板となるバックライトの両側に第1のLCDと第2のLCDとを設けてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−27598号公報
【特許文献2】特開平09−243988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、LCDのサイズは、製造装置により制約を受けるため、大型化することができない。そのため、特許文献2に開示してある表示装置は、基板の両面に設けてあるLCDのサイズが制約され、大型化することができないという問題があった。
【0014】
また、LCDは、二枚の平面の透明ガラス基板で液晶を挟持する構成であるため、LCD自体の形状を曲げることはできない。そのため、特許文献2に開示してある表示装置は、LCD自体の形状も制約され、表示面を湾曲させた表示装置を構成することができないという問題があった。
【0015】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、容易に大型化することができるとともに、表示面を湾曲させることができる両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために第1発明に係るプラズマチューブアレイ型表示装置は、内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブを並列に配置してあり、第1のアドレス電極が形成してある第1のアドレス電極シートと、第1の表示電極対が形成してある第1の表示電極シートとの間に前記複数のプラズマチューブを挟持する第1のプラズマチューブアレイと、内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブを並列に配置してあり、第2のアドレス電極が形成してある第2のアドレス電極シートと、第2の表示電極対が形成してある第2の表示電極シートとの間に前記複数のプラズマチューブを挟持する第2のプラズマチューブアレイと、前記第1のプラズマチューブアレイを第1の面に、前記第2のプラズマチューブアレイを前記第1の面の反対側となる第2の面にそれぞれ配置してあるフレーム基体とを備える、前記フレーム基体の前記第1の面及び前記第2の面において両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置において、前記フレーム基体の前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある一方の端縁部で、前記第1の表示電極対と前記第2の表示電極対とを電気的に接続し、前記フレーム基体の前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある他方の端縁部で、前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの一方の表示電極を第1の駆動回路に、前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの他方の表示電極を第2の駆動回路に、それぞれ電気的に接続してある。
【0017】
第1発明では、第1のプラズマチューブアレイと、第2のプラズマチューブアレイと、第1のプラズマチューブアレイを第1の面に、第2のプラズマチューブアレイを第1の面の反対側となる第2の面にそれぞれ配置してあるフレーム基体とを備え、フレーム基体のプラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある一方の端縁部で、第1の表示電極対と第2の表示電極対とを電気的に接続し、フレーム基体のプラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある他方の端縁部で、第1の表示電極対及び第2の表示電極対のうちの一方の表示電極を第1の駆動回路に、第1の表示電極対及び第2の表示電極対のうちの他方の表示電極を第2の駆動回路に、それぞれ電気的に接続してあるので、製造装置によりサイズの制約を受けないプラズマチューブアレイを用いて容易に大型化することができるとともに、フレーム基体の第1の面及び第2の面において表示面を湾曲させることができる両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を提供することができる。
【0018】
また、第2発明に係るプラズマチューブアレイ型表示装置は、第1発明において、前記フレーム基体は、前記第1の面で前記第1のプラズマチューブアレイを支持する第1のシャーシと、前記第2の面で前記第2のプラズマチューブアレイを支持する第2のシャーシとを備え、前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの一方の表示電極が、前記第1のシャーシの端縁部において前記第1の駆動回路に接続され、前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの一方の表示電極が、前記第2のシャーシの端縁部において前記第2の駆動回路に接続されている。
【0019】
第2発明では、フレーム基体は、第1の面で第1のプラズマチューブアレイを支持する第1のシャーシと、第2の面で第2のプラズマチューブアレイを支持する第2のシャーシとを備え、第1の表示電極対及び第2の表示電極対のうちの一方の表示電極が、第1のシャーシの端縁部において第1の駆動回路に接続され、第1の表示電極対及び第2の表示電極対のうちの一方の表示電極が、第2のシャーシの端縁部において第2の駆動回路に接続されているので、第1のシャーシと、第2のシャーシとを組み合わせて様々な形状のフレーム基体を構成することができる。
【0020】
また、第3発明に係るプラズマチューブアレイ型表示装置は、第1又は第2発明において、前記フレーム基体は、前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に湾曲する前記第1の面及び前記第2の面を有し、前記第1の面が凸面、前記第2の面が凹面である。
【0021】
第3発明では、フレーム基体は、プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に湾曲する第1の面及び第2の面を有し、第1の面が凸面、第2の面が凹面であるので、表示面を湾曲させることができ、凸の表示面と、凹の表示面とを有する両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を提供することができる。
【0022】
また、第4発明に係るプラズマチューブアレイ型表示装置は、第1又は第2発明において、前記フレーム基体は、前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に湾曲する前記第1の面及び前記第2の面を有し、前記第1の面、及び前記第2の面が凸面である。
【0023】
第4発明では、フレーム基体は、プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に湾曲する第1の面及び第2の面を有し、第1の面、及び第2の面が凸面であるので、表示面を湾曲させることができ、凸の表示面と、凸の表示面とを有する両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を提供することができる。
【0024】
また、第5発明に係るプラズマチューブアレイ型表示装置は、第1乃至第4発明のいずれか一つにおいて、前記第1のプラズマチューブアレイ、及び前記第2のプラズマチューブアレイは、前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に、複数のサブプラズマチューブアレイを連結して構成してあり、前記フレーム基体には、隣接する前記サブプラズマチューブアレイの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部を設けてある。
【0025】
第5発明では、第1のプラズマチューブアレイ、及び第2のプラズマチューブアレイは、プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に、複数のサブプラズマチューブアレイを連結して構成してあり、フレーム基体には、隣接するサブプラズマチューブアレイの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部を設けてあるので、複数のサブプラズマチューブアレイを連結してより大型化することができる。また、一部に表示不良が生じても、サブプラズマチューブアレイの単位で交換して修理することが可能になる。
【0026】
また、第6発明に係るプラズマチューブアレイ型表示装置は、第1乃至第4発明のいずれか一つにおいて、前記第1のプラズマチューブアレイ、及び前記第2のプラズマチューブアレイは、前記プラズマチュ−ブの長手方向に対して交差する方向に、複数のサブプラズマチューブアレイを連結して構成してあり、隣接する前記サブプラズマチューブアレイのフレーム基体の隣接する端部同士がヒンジ機構で回動自在に連結され、隣接する前記サブプラズマチューブアレイの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部を前記フレーム基体に設けてある。
【0027】
第6発明では、第1のプラズマチューブアレイ、及び第2のプラズマチューブアレイは、プラズマチュ−ブの長手方向に対して交差する方向に、複数のサブプラズマチューブアレイを連結して構成してあり、隣接するサブプラズマチューブアレイのフレーム基体の隣接する端部同士がヒンジ機構で回動自在に連結され、隣接するサブプラズマチューブアレイの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部をフレーム基体に設けてあるので、複数のサブプラズマチューブアレイを組み合わせた屏風形式のプラズマチューブアレイ型表示装置を提供することができる。
【0028】
また、第7発明に係るプラズマチューブアレイ型表示装置は、第1乃至第6発明のいずれか一つにおいて、前記第1のプラズマチューブアレイ、及び前記第2のプラズマチューブアレイは、表示面に透明ゲルシートを介して透明板を張り付けてある。
【0029】
第7発明では、第1のプラズマチューブアレイ、及び第2のプラズマチューブアレイは、表示面に透明ゲルシートを介して透明板を張り付けてあるので、第1のプラズマチューブアレイ、及び第2のプラズマチューブアレイの表示面を保護することができるとともに、二枚の透明板で第1のプラズマチューブアレイ、及び第2のプラズマチューブアレイを挟持しているのでプラズマチューブアレイ型表示装置自体の強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0030】
上記構成によれば、第1のプラズマチューブアレイと、第2のプラズマチューブアレイと、第1のプラズマチューブアレイを第1の面に、第2のプラズマチューブアレイを第1の面の反対側となる第2の面にそれぞれ配置してあるフレーム基体とを備え、フレーム基体のプラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある一方の端縁部で、第1の表示電極対と第2の表示電極対とを電気的に接続し、フレーム基体のプラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある他方の端縁部で、第1の表示電極対及び第2の表示電極対のうちの一方の表示電極を第1の駆動回路に、第1の表示電極対及び第2の表示電極対のうちの他方の表示電極を第2の駆動回路に、それぞれ電気的に接続してあるので、製造装置によりサイズの制約を受けないプラズマチューブアレイを用いて容易に大型化することができるとともに、フレーム基体の第1の面及び第2の面において表示面を湾曲させることができる両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施の形態1に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の別のフレーム基体の構成を概念的に示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の層構成を示す概略図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の接続端部の構成を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の隣接するサブプラズマチューブアレイとサブプラズマチューブアレイとの接続部の構成を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置を設置場所に固定する構成を示す概略図である。
【図8】従来のプラズマチューブアレイ型表示装置のプラズマチューブアレイの構成を模式的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の構成を示す断面図である。図1に示すプラズマチューブアレイ型表示装置1は、内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブ21、21、・・・を並列に配置してあり、背面側にあってアドレス電極(第1のアドレス電極)が形成してあるアドレス電極シート(第1のアドレス電極シート)22と、表示面側にあって表示電極対(第1の表示電極対)が形成してある表示電極シート(第1の表示電極シート)23との間に複数のプラズマチューブ21、21、・・・を挟持するプラズマチューブアレイ(第1のプラズマチューブアレイ)2と、内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブ31、31、・・・を並列に配置してあり、背面側にあってアドレス電極(第2のアドレス電極)が形成してあるアドレス電極シート(第2のアドレス電極シート)32と、表示面側にあって表示電極対(第2の表示電極対)が形成してある表示電極シート(第2の表示電極シート)33との間に複数のプラズマチューブ31、31、・・・を挟持するプラズマチューブアレイ(第2のプラズマチューブアレイ)3と、プラズマチューブアレイ2を表面(第1の面)に、プラズマチューブアレイ3を表面の反対側となる背面(第2の面)にそれぞれ配置してあるフレーム基体4とを備える。プラズマチューブアレイ型表示装置1は、フレーム基体4の表面及び背面において両面表示可能である。ここで、プラズマチューブアレイ型表示装置1は、フレーム基体4の表面に配置してあるプラズマチューブアレイ2を表側のプラズマチューブアレイ2、フレーム基体4の裏面に配置してあるプラズマチューブアレイ3を裏側のプラズマチューブアレイ3とする。
【0034】
なお、プラズマチューブアレイ2は、プラズマチューブ21の長手方向に対して交差する方向に、二枚のサブプラズマチューブアレイ2a、2bを連結して構成してある。また、プラズマチューブアレイ3は、プラズマチューブ31の長手方向に対して交差する方向に、二枚のサブプラズマチューブアレイ3a、3bを連結して構成してある。プラズマチューブアレイ2及びプラズマチューブアレイ3は、二枚のサブプラズマチューブアレイ2a、2b、3a、3bを連結して構成する場合に限定されるものではなく、三枚以上のサブプラズマチューブアレイを連結して構成しても良い。サブプラズマチューブアレイ2a、2b、3a、3bは、図8に示すプラズマチューブアレイ300と実質的に同じ構成であるため、詳細な説明は省略する。フレーム基体4は、それぞれフレキシブルなプラズマチューブアレイ2、3を支持して表面形状を規定する二枚のシャーシ41、42を背中あわせに組み合わせた複合体である。フレーム基体4を構成する各シャーシには、アルミ、カーボン強化プラスチック等、プラズマチューブアレイ型表示装置1自体の強度を得ることができる材料を用いている。二枚のシャーシ41、42は、所定間隔を隔てて図示しない螺子などにより連結されている。
【0035】
表側のプラズマチューブアレイ2の表示電極シート23に形成してある表示電極対と、裏側のプラズマチューブアレイ3の表示電極シート33に形成してある表示電極対とは、表示電極対の延長方向(プラズマチューブ21、31の長手方向に対して交差する方向)の図中の左側端縁部で、電気的に接続してある。具体的には、表示電極シート23上の表示電極対の電極延長端部24を、フレキシブルな表示電極シート23と共にプラグ端子として成型してシャーシ41の裏側に折り曲げ、シャーシ41の裏面端縁部に設けた凹部43に格納してある中継基板44上の入力側コネクタと電気的に接続してあり、同じく表示電極シート33上の表示電極対の電極延長端部34を、フレキシブルな表示電極シート33と共にプラグ端子として成型してシャーシ42の裏側に折り曲げ、シャーシ42の裏面端縁部に設けた凹部43に格納してある中継基板45上の入力側コネクタと電気的に接続してある。そして、両中継基板44と中継基板45にそれぞれマウントした出力側コネクタ間を中継用のフレキシブルケーブル442で接続することで、表側のサブプラズマチューブアレイ2aと裏側のサブプラズマチューブアレイ3aとの表示電極対同士を図中の左側端縁部で、サブプラズマチューブアレイ2a、3aの外形からはみ出した部分に接続部分を設けることなしに電気的に共通に接続してある。
【0036】
また、表側のプラズマチューブアレイ2の表示電極シート23に形成してある表示電極対のうちのX電極(一方の表示電極)は、図中の右側端縁部で、X電極駆動回路(第1の駆動回路)5と電気的に接続してある。具体的には、表示電極シート23上のX電極の電極延長端部25を、表示電極シート23と共にプラグ端子として成型してシャーシ41の図中の右側端縁部に設置してあるX電極駆動回路5と電気的に接続してある。なお、X電極駆動回路5は、回路基板51に、X電極に供給する信号を生成するX電極ドライバIC52、及びプラグ端子として成型したX電極の電極延長端部25を挿入接続するためのコネクタ53を備えている。ここで、表側のプラズマチューブアレイ2と裏側のプラズマチューブアレイ3の対応する位置の表示電極対同士は、上述のように図中の左側端縁部で電極延長端部24、34を折り曲げて接続してあるので、全てのプラズマチューブアレイ2、3のX電極をX電極駆動回路5で共通に駆動することが可能となる。
【0037】
他方、裏側のプラズマチューブアレイ3の表示電極シート33に形成してある表示電極対のうちのY電極(他方の表示電極)は、同じく図中の右側端縁部で、Y電極駆動回路(第2の駆動回路)6と電気的に接続してある。具体的には、表示電極シート33上のY電極の電極延長端部35を、表示電極シート33と共にプラグ端子として成型してシャーシ42の図中の右側端縁部に設置してあるY電極駆動回路6と電気的に接続してある。なお、Y電極駆動回路6は、回路基板61に、Y電極に供給する信号を生成するY電極ドライバIC62、及びプラグ端子に成型されたY電極の電極延長端部35を挿入接続するためのコネクタ63を備えている。ここで、表側のプラズマチューブアレイ2と裏側のプラズマチューブアレイ3の対応する位置の表示電極対同士は、上述のように図中の左側端縁部で電極延長端部24、34を折り曲げて接続してあるので、全てのプラズマチューブアレイ2、3のY電極をY電極駆動回路6で共通に駆動することが可能となる。
【0038】
二枚のサブプラズマチューブアレイ2a、2bを連結して表側の表示画面を構成するため、サブプラズマチューブアレイ2aの表示電極シート23に形成してある表示電極対と、サブプラズマチューブアレイ2bの表示電極シート23に形成してある表示電極対とをそれぞれ電気的に接続する必要がある。同様に、二枚のサブプラズマチューブアレイ3a、3bを連結して裏側の表示画面を構成するため、サブプラズマチューブアレイ3aの表示電極シート33に形成してある表示電極対と、サブプラズマチューブアレイ3bの表示電極シート33に形成してある表示電極対とをそれぞれ電気的に接続する必要がある。そのため、二枚のシャーシ41、42で構成される2組のフレーム基体4同士が隣接する端縁部には、隣接するサブプラズマチューブアレイ2a、2b、3a、3bの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部46を設けてある。
【0039】
フレーム基体4を構成するよう背中合わせに組み合わせた二枚のシャーシ41、42の隣接する端縁部に共通の空間として示した凹部46には、中継基板47a、47b、48a、48bが接続部としてマウントされ格納してある。サブプラズマチューブアレイ2aの表示電極シート23と共にプラグ端子として成型してシャーシ41の裏側に折り曲げた表示電極対の電極延長端部26を、シャーシ41、41の端縁部の裏面に設けた凹部46に格納してある接続部の中継基板47aのコネクタと電気的に接続し、隣接するサブプラズマチューブアレイ2bの表示電極シート23と共にプラグ端子として成型してシャーシ41の裏側に折り曲げた表示電極対の電極延長端部27を、隣接するシャーシ41、41の端縁部の裏面に設けた凹部46に格納してある接続部の中継基板47bのコネクタと電気的に接続してある。そして、隣接する中継基板47aと中継基板47bとの間をコネクタ接続用のフレキシブルケーブル443で電気的に接続することで、隣接するサブプラズマチューブアレイ2a、2b間を実質的にシームレス接続している。
【0040】
裏側の表示画面を構成するサブプラズマチューブアレイ3a、3bの表示電極シート33上の表示電極対の電極延長端部36、37同士も、シャーシ42の裏側に折り曲げてシャーシ42、42同士が隣接する端縁部に設けた凹部46に格納してある接続部の中継基板48a、48bのコネクタでそれぞれ電気的に接続してある。そして、隣接する中継基板48aと中継基板48bとの間をコネクタ接続用のフレキシブルケーブル444で電気的に接続することで、隣接するサブプラズマチューブアレイ3a、3b間を実質的にシームレス接続している。
【0041】
表側のプラズマチューブアレイ2、及び裏側のプラズマチューブアレイ3は、プラズマチューブ21、31の長手方向に対して交差する方向に、サブプラズマチューブアレイ2aとサブプラズマチューブアレイ2bとを、サブプラズマチューブアレイ3aとサブプラズマチューブアレイ3bとをそれぞれ二枚づつ連結して構成してある。フレーム基体4を構成するシャーシ41、42には、隣接するサブプラズマチューブアレイ2aとサブプラズマチューブアレイ2b、サブプラズマチューブアレイ3aとサブプラズマチューブアレイ3bの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部46を設けてあるので、複数のサブプラズマチューブアレイ2a、2b、3a、3bを連結して、両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置1をより大型化することができる。また、一部に表示不良が生じても、サブプラズマチューブアレイ2a、2b、3a、3bの単位で交換して修理することが可能になる。さらに、上述のようにアドレス電極シート22、32が、例えばRGB8組24本のプラズマチューブ21、31ごとに、複数枚に分離して構成されている場合、フレーム基体4から剥離したサブプラズマチューブアレイ2a、2b、3a、3bの内、不良プラズマチューブ21、31を含むアドレス電極シート22、32の単位で、表示電極シート23、33から剥離して交換することも可能である。
【0042】
なお、フレーム基体4の各シャーシ41、42の端縁部に設けた凹部46に格納してある接続部は、中継基板47a、47b、48a、48bを備える構成に限定されるものではなく、サブプラズマチューブアレイ2a、3aの表示電極シート23、33と共に折り曲げた表示電極対の電極延長端部26、36とサブプラズマチューブアレイ2b、3bの表示電極シート23、33と共に折り曲げた表示電極対の電極延長端部27、37とを直接接続するコネクタ等を備える構成であっても良い。
【0043】
アドレス電極シート22、32に形成してあるアドレス電極は、プラズマチューブ21、31の長手方向の一方の端部側にあるシャーシ41、42の端縁部(紙面の垂直方向の端縁部)に設けてあるアドレス電極駆動回路(図示せず)と電気的に接続されている。
【0044】
以上のように、本発明の実施の形態1に係るプラズマチューブアレイ型表示装置1は、二つのプラズマチューブアレイ2と、プラズマチューブアレイ3とをフレーム基体4の表面と背面に備え、該フレーム基体4のプラズマチューブ21、31の長手方向に対して交差する方向にある一方の端縁部で、表側及び裏側のプラズマチューブアレイ2、3の表示電極対同士を電気的に共通に接続し、フレーム基体4の他方の端縁部で、表示電極対のうちのX電極の端部を共通のX電極駆動回路5に、Y電極の端部を共通のY電極駆動回路6に、それぞれフレーム基体4の異なる面で電気的に接続してあるので、製造装置によりサイズの制約を受けないプラズマチューブアレイ2、3を用いて容易に大型化することができるとともに、後述するようにフレーム基体4の表示面を湾曲させることができる両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置1を提供することができる。
【0045】
なお、フレーム基体4は、図1に示したように二枚のフラットなシャーシ41、42を組み合わせた構成に限定されるものではなく、表面及び背面が共に湾曲した面であっても良い。図2は、本発明の実施の形態1に係るプラズマチューブアレイ型表示装置1の別のフレーム基体の構成を概念的に示す断面図である。図2(a)に示すフレーム基体4aは、プラズマチューブアレイ2、3のプラズマチューブ21、31の長手方向に対して交差する方向に湾曲するシャーシ41、42を有し、シャーシ41、42はそれぞれ、プラズマチューブアレイ2、3を支持する面が凸面である。そのため、フレーム基体4aを用いたプラズマチューブアレイ型表示装置1は、凸の表側の表示画面と、凸の裏側の表示画面とを有し、両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置1を提供することができる。図2(a)においてフレーム基体4aは、凸の表側の表示画面を構成するプラズマチューブアレイ2を支持するシャーシ41と、凸の裏側の表示画面を構成するプラズマチューブアレイ3を支持するシャーシ42とを背中合わせに組み合わせて構成してある。
【0046】
また、図2(b)に示すフレーム基体4bは、プラズマチューブアレイ2、3のプラズマチューブ21、31の長手方向に対して交差する方向に湾曲するシャーシ41、42を有し、シャーシ41は、プラズマチューブアレイ2を支持する面が凸面で、シャーシ42は、プラズマチューブアレイ3を支持する面が凹面である。そのため、フレーム基体4bを用いたプラズマチューブアレイ型表示装置1は、凸の表側の表示画面と、凹の裏側の表示画面とを有し、両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置1を提供することができる。図2(b)においてフレーム基体4bは、凸の表側の表示画面を構成するプラズマチューブアレイ2を支持するシャーシ41と、凹の裏側の表示画面を構成するプラズマチューブアレイ3を支持するシャーシ42とを背中合わせに組み合わせて構成してある。
【0047】
さらに、図2(c)に示すフレーム基体4cは、両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を2曲1双の屏風形式に組み合わせる場合の概略図である。フレーム基体4cは、二枚のサブプラズマチューブアレイ用のフレーム基体101、102を「くの字」型に配置し、二枚のサブプラズマチューブアレイ用のフレーム基体201、202を「くの字」型に配置して構成してある。二枚のサブプラズマチューブアレイ用のフレーム基体101、102でサブプラズマチューブアレイを支持することで左翼の両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置100を構成し、二枚のサブプラズマチューブアレイ用のフレーム基体201、202でサブプラズマチューブアレイを支持することで右翼の両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置200を構成してある。フレーム基体101、102、201、202は、二枚のシャーシを背中合わせに組み合わせて構成してある。
【0048】
プラズマチューブアレイ型表示装置100には、フレーム基体101の図中の左側端縁部に、表側及び裏側のプラズマチューブアレイのX電極駆動回路及びY電極駆動回路を集約した駆動回路103を配置し、フレーム基体201の図中の右側端縁部に、表側及び裏側のプラズマチューブアレイのX電極駆動回路及びY電極駆動回路を集約した駆動回路203を配置してある。隣接するフレーム基体101、102は、隣接する端部同士がヒンジ機構104で回動自在に連結され、隣接するフレーム基体201、202は、隣接する端部同士がヒンジ機構204で回動自在に連結されている。また、隣接するサブプラズマチューブアレイの表示電極対同士は、図1に示したプラズマチューブアレイ型表示装置1と同様にフレーム基体101、102、及びフレーム基体201、202のシャーシの裏面でコネクタ接続され、表側及び裏側のプラズマチューブアレイの表示電極対同士が、駆動回路103、203と接続した端縁部の反対側の端縁部で折り曲げて共通に接続されている。図示していないが、隣接するサブプラズマチューブアレイの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部を、フレーム基体101、102、201、202に設けてある。「くの字」型に二枚連結された各表示画面がサブプラズマチューブアレイで構成される場合、図中縦方向(紙面に対して垂直な方向)に配置したプラズマチューブに沿って設けてあるアドレス電極の駆動回路は、サブプラズマチューブアレイ毎に、フレーム基体101、102、201、202の上端又は下端(紙面に対して手前側又は奥側)設けてあり、個別にサブプラズマチューブアレイを駆動できるように構成することで、サブプラズマチューブアレイ毎に絵画等を屏風形式に表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置を提供することができる。
【0049】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置では、プラズマチューブアレイ型表示装置自体の強度を向上させる構成について説明する。図3は、本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の構成を示す斜視図である。図4は、本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置の層構成を示す概略図である。なお、本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置10は、図1に示したプラズマチューブアレイ型表示装置1と同じ構成要素については、同じ符号を付して詳細な説明は省略する。
【0050】
図3に示すプラズマチューブアレイ型表示装置10は、例えば1m四方のサブプラズマチューブアレイ2a、2bを図中縦方向に連結して構成したプラズマチューブアレイ2をフレーム基体4の表面に張り付けてある。図示していないが、フレーム基体4の背面にも、サブプラズマチューブアレイ3a、3bを図中縦方向に連結して構成したプラズマチューブアレイ3を張り付けてある。
【0051】
サブプラズマチューブアレイ2a、2b、3a、3bのプラズマチューブ21、21、・・・、31、31、・・・は、その長手方向を図中横方向にして、図中縦方向に複数本並列に配置してあり、一方の端縁部側がフレーム基体4を介して柱部7に固定されている。柱部7には、アドレス電極駆動回路(図示せず)が設けてあり、アドレス電極シート22、32に形成してあるアドレス電極はアドレス電極駆動回路と電気的に接続されている。
【0052】
図3において、サブプラズマチューブアレイ2b、3bの図中下側の端縁部は、台部8に固定されている。図4に示すように、台部8には、表側のプラズマチューブアレイ2の表示電極シート23に形成してある表示電極対のうちのX電極と接続するX電極駆動回路5と、裏側のプラズマチューブアレイ3の表示電極シート33に形成してある表示電極対のうちのY電極と接続するY電極駆動回路6と、X電極駆動回路5、Y電極駆動回路6、及びアドレス電極駆動回路等に電力を供給する電源9とを備えている。
【0053】
プラズマチューブアレイ型表示装置10は、図4に示すように、アルミ板で構成されたフレーム基体4の表面(図中上側)に、仲介シート11、プラズマチューブアレイ2、透明ゲルシート12、透明板13を順に張り付けてある。同様に、フレーム基体4の背面(図中下側)にも、仲介シート11、プラズマチューブアレイ3、透明ゲルシート12、透明板13を順に張り付けてある。つまり、プラズマチューブアレイ2、3は、表示面に透明ゲルシート12、12を介して透明板13、13を張り付けてある。なお、図4に示すフレーム基体4では、簡略して一体的に示されているが、実際のプラズマチューブアレイ型表示装置では、図1に示したフレーム基体4と同様、二枚のシャーシ41、42を背中合わせに組み合わせて構成してある。
【0054】
仲介シート(緩衝シート)11は、柔軟性を有するように、硬度12以下、好ましくは硬度8〜5程度の薄いシリコン樹脂フィルム等を波型又は凹凸形状に成型したものを用いる。すなわち、仲介シート11は、プラズマチューブアレイ2、3のアドレス電極シート(プラズマチューブアレイ2、3の背面側)22、32に張り付ける面に、複数の凸部を有している。プラズマチューブアレイ2、3の背面側とフレーム基体4とを直接張り合わせるのではなく、プラズマチューブアレイ2、3のアドレス電極シート22、32に張り付ける面に複数の凸部を有する仲介シート11、11を介して、プラズマチューブアレイ2、3の背面側とフレーム基体4とを張り合わせることで、修理の際に容易にフレーム基体4からプラズマチューブアレイ2、3を剥離することができる。
【0055】
透明ゲルシート12は、プラズマチューブアレイ2、3で表示される画像を透過することができる透明性を有する低硬度のゲルシートであり、クリアーオリフィン樹脂等を用いて形成されている。透明ゲルシート12自体が粘着性を有しているため、透明ゲルシート12、12とプラズマチューブアレイ2、3及び透明板13、13との張り付けには、接着剤は不要である。
【0056】
透明板13は、プラズマチューブアレイ2、3で表示される画像を透過することができる透明性を有するガラス、プラスチック等を用いて形成されている。なお、プラズマチューブアレイ型表示装置10自体の強度を向上させるためには、透明板13に強化ガラスを用いることが好ましい。プラズマチューブアレイ2、3を二枚の強化ガラスの透明板13、13で挟持することで、プラズマチューブアレイ型表示装置10自体の強度を向上させることができる。
【0057】
台部8に固定される図中下側の端縁部に対して反対側のプラズマチューブアレイ2、3の図中上側の端縁部には、表側のプラズマチューブアレイ2の表示電極シート23に形成してある表示電極対と、裏側のプラズマチューブアレイ3の表示電極シート33に形成してある表示電極対とを電気的に接続してある接続端部15を備えている。図5は、本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置10の接続端部15の構成を示す斜視図である。図5は、表側のプラズマチューブアレイ2側のみを図示しており、裏側のプラズマチューブアレイ3側はプラズマチューブアレイ2側と同じ構成であるため説明を省略する。図5において表側のフレーム基体4の図中上側の端縁部の裏面には、中継基板44を備える接続端部15を格納する凹部43が設けてある。中継基板44には、フレーム基体4の端縁部でフレーム基体4の裏側に折り曲げたサブプラズマチューブアレイ2bの表示電極シート23上の表示電極対の電極延長端部24を複数対の電極群ごとに熱圧着する接続端子列があり、該接続端子列は中継基板44上で複数のコネクタ441に接続してある。そして、コネクタ441に接続用フレキシブルケーブル442のプラグ形式の一方の端部を挿入し、他方の端部を同様に構成された裏側サブプラズマチューブアレイ3bの接続部のコネクタに挿入することで表側及び裏側のサブプラズマチューブアレイ2b、3bの表示電極対間を共通に接続してある。
【0058】
次に、図6は、本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置10の隣接するサブプラズマチューブアレイ2aとサブプラズマチューブアレイ2bとの接続部の構成を示す斜視図である。なお、裏側の表示画面を構成するサブプラズマチューブアレイ3aとサブプラズマチューブアレイ3bとの接続部は、サブプラズマチューブアレイ2aとサブプラズマチューブアレイ2bとの接続部と同じ構成であるため説明を省略する。
【0059】
図6において、表側のサブプラズマチューブアレイ2a、2bの隣接するフレーム基体4、4の端縁部には、接続部の中継基板47a、47bを格納する凹部46が設けてある。中継基板47aには、フレーム基体4の裏側に折り曲げたサブプラズマチューブアレイ2aの表示電極シート23上の表示電極対の電極延長端部26を複数対の電極群ごとに熱圧着する接続端子列があり、該接続端子列を中継基板47a内で複数のコネクタ471に接続してある。同様に、中継基板47bには、フレーム基体4の側縁に沿って裏側に折り曲げたサブプラズマチューブアレイ2bの表示電極シート23上の表示電極対の電極延長端部27を複数対の電極群ごとに熱圧着する接続端子列があり、該接続端子列を中継基板47b内で複数のコネクタ472に接続してある。コネクタ471とコネクタ472との間を接続用のフレキシブルケーブル473で接続することにより隣接するサブプラズマチューブアレイ2a、2bの表示電極対同士を共通に接続することができる。図6において、接続用のフレキシブルケーブル473は、図1に示すフレキシブルケーブル443に相当するもので、図示の便宜上分割して示してあるが実際は一連のものである。
【0060】
次に、図3に示したプラズマチューブアレイ型表示装置10を設置場所に固定する方法の一例について説明する。図7は、本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置10を設置場所に固定する構成を示す概略図である。図7に示すように、プラズマチューブアレイ型表示装置10を設置する場所には、予め設置用プレート70と、設置用支柱72とを設置面の下に埋設しておく。設置用プレート70は、一部が設置面から突き出るように埋設してあるので、突き出た設置用プレート70と、プラズマチューブアレイ型表示装置10の台部8とが嵌合することでプラズマチューブアレイ型表示装置10を設置場所に固定できる。なお、台部8には、突き出た設置用プレート70と嵌合することができるように溝71が形成してある。設置用支柱72は一部が、設置面から突き出るように埋設してあるので、突き出た設置用支柱72とプラズマチューブアレイ型表示装置10の柱部7とが嵌合することでプラズマチューブアレイ型表示装置10を設置場所に固定できる。なお、柱部7及び台部8に、設置用支柱72と嵌合することができるように溝(図示せず)が形成してある。
【0061】
突き出た設置用プレート70と台部8とを、突き出た設置用支柱72と柱部7及び台部8とをそれぞれ嵌合して、プラズマチューブアレイ型表示装置10を設置場所に固定することで、プラズマチューブアレイ型表示装置10の転倒を防止することができ、プラズマチューブアレイ型表示装置10をアンカー止め等で設置場所に固定する場合に比べて、プラズマチューブアレイ型表示装置10を設置場所により強力に固定することができる。また、突き出た設置用プレート70と台部8とを、突き出た設置用支柱72と柱部7及び台部8とをそれぞれ嵌合するだけなので、プラズマチューブアレイ型表示装置10をアンカー止めする場合に比べて、設置場所からプラズマチューブアレイ型表示装置10を容易に着脱することができる。
【0062】
また、図3に示したプラズマチューブアレイ型表示装置10の別の設置例として、両開き自動ドアとして構成することができる。1対の縦長のプラズマチューブアレイ型表示装置10の上下にドア枠のレールにはまる移動機構を付設する。そして、互いのアドレス電極駆動回路を収納した柱状部7が外側に位置するように配置して、各柱状部7のアドレス電極駆動回路にアドレス信号を供給する伸縮自在のフレキシブルケーブルを接続すれば、両面表示可能なドアとしてプラズマチューブアレイ型表示装置10を利用することができる。両側のドアの端縁部にはそれぞれプラズマチューブの端部を保護する保護鞘を設ける必要がある。
【0063】
以上のように、本発明の実施の形態2に係るプラズマチューブアレイ型表示装置10のプラズマチューブアレイ2、3は、表示面に透明ゲルシート12、12を介して透明板13、13を張り付けてあるので、プラズマチューブアレイ2、3の表示面を保護することができるとともに、二枚の透明板13、13でプラズマチューブアレイ2、3を挟持しているのでプラズマチューブアレイ型表示装置10自体の強度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0064】
1、10 プラズマチューブアレイ型表示装置
2、3 プラズマチューブアレイ
2a、2b、3a、3b サブプラズマチューブアレイ
4 フレーム基体
5 X電極駆動回路(第1の駆動回路)
6 Y電極駆動回路(第2の駆動回路)
7 柱部
8 台部
9 電源
11 仲介シート
12 透明ゲルシート
13 透明板
15 接続端部
21、31 プラズマチューブ
22、32 アドレス電極シート
23、33 表示電極シート
24、25、26、27、34、35、36、37 電極延長端部
41、42 シャーシ
43、46 凹部
44、45、47a、47b、48a、48b 中継基板
51、61 回路基板
52 X電極ドライバIC
53、63、441、471、472 コネクタ
62 Y電極ドライバIC
70 設置用プレート
71 溝
72 設置用支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブを並列に配置してあり、第1のアドレス電極が形成してある第1のアドレス電極シートと、第1の表示電極対が形成してある第1の表示電極シートとの間に前記複数のプラズマチューブを挟持する第1のプラズマチューブアレイと、
内部に放電ガスが封入された複数のプラズマチューブを並列に配置してあり、第2のアドレス電極が形成してある第2のアドレス電極シートと、第2の表示電極対が形成してある第2の表示電極シートとの間に前記複数のプラズマチューブを挟持する第2のプラズマチューブアレイと、
前記第1のプラズマチューブアレイを第1の面に、前記第2のプラズマチューブアレイを前記第1の面の反対側となる第2の面にそれぞれ配置してあるフレーム基体と
を備える、前記フレーム基体の前記第1の面及び前記第2の面において両面表示可能なプラズマチューブアレイ型表示装置において、
前記フレーム基体の前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある一方の端縁部で、前記第1の表示電極対と前記第2の表示電極対とを電気的に接続し、
前記フレーム基体の前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向にある他方の端縁部で、前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの一方の表示電極を第1の駆動回路に、前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの他方の表示電極を第2の駆動回路に、それぞれ電気的に接続してあることを特徴とするプラズマチューブアレイ型表示装置。
【請求項2】
前記フレーム基体は、
前記第1の面で前記第1のプラズマチューブアレイを支持する第1のシャーシと、
前記第2の面で前記第2のプラズマチューブアレイを支持する第2のシャーシと
を備え、
前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの一方の表示電極が、前記第1のシャーシの端縁部において前記第1の駆動回路に接続され、
前記第1の表示電極対及び前記第2の表示電極対のうちの一方の表示電極が、前記第2のシャーシの端縁部において前記第2の駆動回路に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマチューブアレイ型表示装置。
【請求項3】
前記フレーム基体は、前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に湾曲する前記第1の面及び前記第2の面を有し、
前記第1の面が凸面、前記第2の面が凹面であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマチューブアレイ型表示装置。
【請求項4】
前記フレーム基体は、前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に湾曲する前記第1の面及び前記第2の面を有し、
前記第1の面、及び前記第2の面が凸面であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマチューブアレイ型表示装置。
【請求項5】
前記第1のプラズマチューブアレイ、及び前記第2のプラズマチューブアレイは、前記プラズマチューブの長手方向に対して交差する方向に、複数のサブプラズマチューブアレイを連結して構成してあり、
前記フレーム基体には、隣接する前記サブプラズマチューブアレイの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部を設けてあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラズマチューブアレイ型表示装置。
【請求項6】
前記第1のプラズマチューブアレイ、及び前記第2のプラズマチューブアレイは、前記プラズマチュ−ブの長手方向に対して交差する方向に、複数のサブプラズマチューブアレイを連結して構成してあり、
隣接する前記サブプラズマチューブアレイのフレーム基体の隣接する端部同士がヒンジ機構で回動自在に連結され、隣接する前記サブプラズマチューブアレイの表示電極対同士を接続する接続部を格納する凹部を前記フレーム基体に設けてあることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラズマチューブアレイ型表示装置。
【請求項7】
前記第1のプラズマチューブアレイ、及び前記第2のプラズマチューブアレイは、表示面に透明ゲルシートを介して透明板を張り付けてあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のプラズマチューブアレイ型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−129013(P2012−129013A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−278102(P2010−278102)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【出願人】(506025648)篠田プラズマ株式会社 (29)
【Fターム(参考)】