説明

プラズマ処理システムをツールマッチングしかつトラブルシュートする方法

【課題】本発明は、プラズマ処理チャンバの一貫性した結果を保持するために、チャンバ・ハードウェア部品の正しいアセンブリを確認しかつチャンバ・プラズマ処理システムを故障診断修理するために高速かつ正確な方法を提供する。
【解決手段】本発明の方法は、チャンバ、RF電源、及び整合ネットワークを有しているプラズマ処理システムを試験する。RF電力信号は、チャンバ内のプラズマを点火することなくRF電源からチャンバに生成される。チャンバで受け取った、RF電力信号の電圧、RF電力信号の電流、及びRF電力信号の位相が測定され、同時にチャンバ係数に影響を及ぼすその他のパラメータが保持される。チャンバのインピーダンスを表す値は、電圧、電流、及び位相に基づき計算される。次いで、値は、プラズマ処理システムにおける欠陥を決定するために基準値と比較される。基準値は、欠陥なしチャンバのインピーダンスを表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本願は、発明者Armen Avoyan及びSeyer Jafar Jafarian-Tehraniの名前でかつここに共通して選定された2002年9月26日に出願した、米国仮特許出願第60/414,108号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、電子デバイスの製造に関する。より特定的には、本発明は、プラズマ処理システムを確認する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
プラズマ・エッチング及び反応イオン・エッチングのような、電離気体による様々な形式の処理は、半導体デバイス製造の分野で特に重要性が増大している。特に興味があるのは、エッチング処理で用いられるデバイスである。静電容量及び誘電結合されたプラズマ・エッチング・システムは、半導体デバイスの処理及び製造で用いられうる。プラズマ処理システムは、その中にプラズマ・チャンバを有しているプラズマ・リアクタを一般的に含む。RF発電機は、プラズマ・チャンバにRF電力を供給する。
【0004】
プラズマ形成の主推進力として、RF周波数及び電力は、最も注意深く制御されるパラメータであるべきである。残念ながら、これは、ほとんど一般的にはそうではない。例えば、図1は、電子デバイス及び製造リアクタに対するRF電力を生成するRFネットワーク10を示す。特に、RFプラズマ発生を生成するために、RF発電機12は、ケーブル16を介してローカル自動化整合ネットワーク14に接続する。ローカル自動化整合ネットワーク14から、機械的RF接続18は、処理チャンバ20に進む。処理チャンバ20は、RFプラズマを生成するためにプラズマ・シース26内の処理気体24に影響を及ぼす陰極(カソード)22を含む。
【0005】
RFネットワーク10では、一定の制限が存在する。例えば、RF発電機12は、ソリッドステート(固体素子)技術を含んでいるが、まだ、クリーン・ルーム空間の望ましくないアバウト(undesirable about)を消費する大きくて扱いにくいシステムである。結果として、RFネットワーク10の性能は、発電機配置による設置従属性によって時々不利な影響を及ぼされる。ローカル自動化整合ネットワーク14の目的は、RF発電機12と処理チャンバ20(RF負荷)との間の大きく異なるインピーダンスを整合することによってRF発電機12からプラズマ処理気体24のRF負荷へのRF電力の効率的転送を提供することである。
【0006】
RFネットワーク10の更なる制限は、処理チャンバ20自体に関する。処理チャンバ20内では、半導体ウェハのような、電子装置は、エッチまたは堆積のような所望の結果を達成するために配置されかつ処理される。処理チャンバ20に関しては、二つの重要な制限が存在する。まず第1に、ローカル自動化整合ネットワーク14による既知の設置依存性及び変化性によっても、RF電力は、RF発電機12で行なわれる測定に基づき主に制御される。所与の電力レベルに対するRF発電機12が電圧、電流及び位相角の3つの変数で構成されていても、既知のシステムは、ワットの単位だけでRF電力を一般に測定しかつ制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
プラズマ処理チャンバに関連付けられた多くのその他の問題が存在しうる。プラズマ処理チャンバは、チャンバ磨耗及びポリマー堆積により長い使用期間の後に同じ結果を生成しえない。また、不適当なハードウェア・アセンブリ及び不適切なトルク要件のようなその他の問題もプラズマ処理チャンバに一貫性していない歩留り(inconsistent yields)を生成させる。
【0008】
プラズマ処理チャンバの一貫性した結果(consistent results)を保持するために、チャンバ・ハードウェア部品の正しいアセンブリを確認しかつチャンバ・プラズマ処理システムをトラブルシュート(故障診断修理)するために高速かつ正確な方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
方法は、チャンバ、RF電源、及び整合ネットワークを有しているプラズマ処理システムを試験する。RF電力信号は、チャンバ内のプラズマに点火することなくRF電源からチャンバに生成される。チャンバによって受け取られたRF電源信号の電圧、RF電源信号の電流、及びRF電源信号の位相が測定され、同時にチャンバに影響を及ぼすその他のパラメータを一定に保持する。チャンバのインピーダンスを表す値は、電圧、電流、及び位相に基づき計算される。次いで、値は、プラズマ処理システムにおける欠陥を決定するために基準値と比較される。基準値は、欠陥なしチャンバのインピーダンスを表す値である。
【0010】
本明細書に組み込まれかつその一部を構成する添付した図面は、本発明の一つ以上の実施形態を示し、かつ詳細な説明と一緒に、本発明の原理及び実施形態を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、プラズマ・エッチング装置内にプラズマ処理環境を設定するための通常のRFネットワークを概略的に示す図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に従ってプラズマ処理システムを確認するためのシステムを概略的に示す図である。
【図3】図3は、本発明の形態を実施するために適するコンピュータ・システムのブロック図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に従ってプラズマ処理システムを確認するための方法を概略的に示すフロー図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態に従ってプラズマ処理システムをツールマッチングするための方法を概略的に示すフロー図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態をプラズマ処理システムに関連してここに説明する。当業者は、本発明の以下の詳細な説明が説明だけのためでありかつあらゆる方法において限定することを意図しないということを認識するであろう。本発明のその他の実施形態は、この開示の利益を有する当業者に対してそれら自体を容易に提案するであろう。参照は、添付図面に示したような本発明の実施形態に対して詳細にここでなされるであろう。同じ参照番号は、同じかまたは類似する部分を参照するために図面及び以下の詳細な説明を通して用いられる。
【0013】
明瞭のために、ここに説明する実施形態の決まりきった機能的特徴の全ては、示されていないしかつ説明されていない。勿論、そのような実際の実施形態の研究において、アプリケーション-及びビジネス-関連制約の遵守のような、研究者の特定の目標を達成するために多数の実施形態−特定決定が成されなければならないし、かつこれら特定の目標が一実施形態から別の実施形態に対してかつ一人の研究者から別の研究者に対して変化するということが理解されるであろう。更に、そのような研究成果が複雑でありかつ時間が掛かるが、しかしそれにも係わらずこの開示の利益を有する当業者に対してエンジニアリングの決まりきった仕事であるということが理解されるであろう。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、構成要素、処理段階、及び/又はデータ構造は、様々な種類のオペレーティング・システム(OS)、コンピューティング・プラットフォーム、ファームウェア、コンピュータ・プログラム、コンピュータ言語、及び/又は汎用マシンを用いて実施されうる。方法は、処理回路で実行されるプログラム処理として実行することができる。処理回路は、プロセッサとオペレーティング・システムの多数の組合せ、または独立(スタンドアロン)装置の形を取ることができる。処理は、そのようなハードウェア、ハードウェア単独、またはそれらの組合せによって実行される命令として実施することができる。ソフトウェアは、マシンによって読取り可能なプログラム記憶装置に記憶されうる。
【0015】
更に、当業者は、ここに開示された発明の概念の適用範囲及び精神から逸脱することなく、ハードワイヤード装置、フィールドプログラマブルゲート・アレイ(FPGAs)及び複合プログラマブル論理装置(CPLDs)を含んでいる、フィールドプログラマブル論理装置(FPLDs)、専用(特定用途向け)集積回路(ASICs)、等のような、低汎用特質の装置を用いうるということを認識するであろう。
【0016】
本発明によれば、方法は、パーソナル・コンピュータ、ワークステーション・コンピュータ、メインフレーム・コンピュータ、またはPalo Alto, California(米国カリフォルニア州パロ・アルト)のSun Microsystems, Inc.(サン・マイクロシステムズ社)から市販されているSolaris(登録商標)、Redmond, Washington(米国ワシントン州レッドモンド)のMicrosoft Corporation(マイクロソフト社)から市販されているMicrosoft(登録商標) Windows(登録商標)XP及びWindows(登録商標)2000のようなOS、または多数のベンダから市販されているLinuxのようなUnix(登録商標)オペレーティング・システムの様々なバージョンを実行する高性能サーバのようなデータ処理コンピュータ上で実施されうる。また方法は、多重プロセッサ・システム上でも、または入力装置、出力装置、表示装置、ポインティング装置、メモリ、記憶装置、データをプロセッサとの間で転送するためのメディア・インターフェイス、等のような様々な周辺装置を含んでいるコンピューティング環境においても実施されうる。更に、そのようなコンピュータ・システムまたはコンピューティング環境は、ローカル的に、またはインターネット上でネットワークされうる。
【0017】
図2は、本発明の一実施形態によるプラズマ処理システムを確認するシステム200を概略的に示す図である。システム200において、無線周波数(RF)電力発電機202は、RF電力をプラズマ処理チャンバ206内に配置された下部電極204に供給する。RF電流は、下部電極204と上部接地電極205との間を流れうる。本発明の一実施形態によれば、RF電力発電機202は、例えば、2MHz及び27MHzを発生する二重(デュアル)周波数発電機でありうる。上に示した例が限定することを意図しないしかつここに開示された本発明の概念から逸脱することなくその他の周波数を用いうるということを当業者は、理解するであろう。
【0018】
整合ネットワーク208は、RF電力発電機202をチャンバ206に接続する。RF電力発電機202からチャンバ206(RF負荷)へのRF電力の効率的な転送を供給するために、整合ネットワーク208は、RF電力発電機202とチャンバ206との間のインピーダンスを整合する。その全てが最小反射電力に同調することによって動作する、整合ネットワーク210に対する様々な設計が存在するということを当業者は、認識するであろう。
【0019】
センサ210は、チャンバ206と整合ネットワーク208との間で、チャンバ206の入力においてシステム200に接続される。センサ210は、チャンバ206によって受信されたRF電力信号の電圧、電流、及び位相角を測定する。本発明の一実施形態によれば、センサ210は、例えば、電圧/電流プローブ(VIプローブ)またはネットワーク・アナライザでありうる。多くの種類の電圧、電流、及び位相角センサを本発明に適用しうるということを当業者は、認識するであろう。
【0020】
コンピュータ・システム212は、センサ210から測定されたデータ(電圧、電流、及び位相角)を受け取る。コンピュータ・システム212は、受け取ったデータを解析することによってプラズマ処理システムが欠陥なしかどうか及びチャンバ・ハードウェア部品が正しく組立てられているかどうかをユーザに確認させる。コンピュータ・システム212内のアルゴリズムは、図4のフロー図を参照して以下に更に説明する。図3は、本発明の形態を実施するために適するコンピュータ・システム300のブロック図を示す。図3に示すように、コンピュータ・システム300は、中央処理装置304、システム・メモリ306(一般的にRAM)、入出力(I/O)制御装置308、表示アダプタ312を介する表示画面310のような外部装置、シリアル・ポート314及び316、キーボード318、固定ディスク・ドライブ320、フロッピー(登録商標)・ディスク324を受け取るように動作するフロッピー(登録商標)・ディスク・ドライブ322、及びCD−ROM328を受け取るように動作するCD−ROMプレイヤ326のような主要なサブシステムを相互接続するバス(母線)302を含む。システム・メモリ306は、図4に示したアルゴリズムを含みうる。シリアル・ポート314を介して接続された位置指示装置(ポインティング装置)330(例えば、マウス)及びシリアル・ポート330を介して接続されたモデム332のような、多くの他の装置を接続することができる。モデム332は、電話リンクを介して遠隔サーバにまたはPOP(point of presence)を介してインターネットに直接接続を供給しうる。代替的に、ネットワーク・インターフェイス・アダプタ334は、当業者に知られたネットワーク・インターフェイス・システム(例えば、Ethernet(登録商標)、xDSL、AppleTalk(登録商標))を用いてローカルまたはワイド・エリア・ネットワークにインターフェイスするために用いうる。
【0021】
多くの他の装置またはサブシステム(図示省略)は、同様な方法で接続しうる。また、以下に説明するように、本発明を実施するために図3に示す装置の全てが存在する必要はない。更に、装置及びサブシステムは、図3に示した方法とは異なる方法で相互接続されうる。図3に示すようにコンピュータ・システムの動作は、この技術分野で容易に知られており、本説明を過剰に複雑にしないように、本出願では詳細に説明しない。本発明を実施するためのコードは、システム・メモリ306に実施可能に配置されうるかまたは固定ディスク320、フロッピー(登録商標)・ディスク324またはCD−ROM328のような記憶媒体に記憶されうる。
【0022】
図4は、本発明の一実施形態に従ってプラズマ処理システムをトラブルシュート(故障診断修理)するための方法を概略的に示すフロー図である。402から開始すると、約0mTorr(ミリ・トル)の圧力でチャンバ206に真空が生成される。チャンバ206は、処理すべきウェハまたは流れる気体なしの“クリーン”チャンバでありうる。404において、RF電力信号が流れる気体なしでチャンバで生成されている。例えば、2MHzまた27MHzにおける、約10ワット(Watts)以下のような低電力は、プラズマを点火(発火)することなくチャンバ206を通して生成されうる。406において、センサ210は、プラズマなしチャンバ206で受け取ったRF電力信号の電圧、電流、及び位相角を測定する。408において、コンピュータ・システム212は、RF電力信号の測定された電圧、電流、及び位相角を受け取りかつ記録する。コンピュータ・システム212は、測定されたデータからチャンバ・インピーダンスを計算する。
【0023】
チャンバのインピーダンスは、(フォワード・パワー)RF電力発電機202からの交流電流と抵抗及びリアクタンス(チャンバ部品)との間の相互作用に関する複合量であるということを当業者は、認識するであろう。以下の式は、上記の関係を示す:
【0024】
【数1】

【0025】
【数2】

【0026】
【数3】

【0027】
【数4】

ここで、Zはチャンバのインピーダンス、Rは抵抗、Xはリアクタンス、θは位相角、Vは測定された電圧、そしてIは測定された電流である。
【0028】
チャンバ・インピーダンスは、例えば、気体の圧力、気体の種類、RF電力、壁の状態、気体の圧力、RFアース、ウェハの種類、ウェハの配置、及び電力カップリングのような、多くの要因によって影響を及ぼされうる。従って、チャンバ壁の重合または様々な処理チャンバ構成要素の成分の陽極酸化処理コーティングの磨耗のような、あらゆる変化がRF負荷で発生した場合には、電圧及び電流が変化し、従ってチャンバのインピーダンスが変化する。
【0029】
チャンバ206が真空に設定されるので、真空チャンバを通るRF電力信号の位相角θは、約90°である。位相角θが約90°なので、抵抗Rは、約ゼロである。従って、チャンバのインピーダンスは、ほとんどリアクタンスである。計算された値は、インピーダンスの絶対値を表しうる。
【0030】
410において、コンピュータ・システムは、欠陥が存在するかどうかを決定するために計算されたチャンバ・インピーダンスをインピーダンス・ベースラインと比較する。インピーダンス・ベースラインは、製造時における真空における同じ種類のプラズマ処理チャンバの平均インピーダンスである。説明の目的のために、無プラズマ・チャンバの平均インピーダンスは、例えば、15Ωでありうる。同じ種類の無プラズマ・チャンバの測定されたインピーダンスが15Ωの少なくとも約10%以上ずれている、例えば、19Ωの場合には、可能な欠陥が存在しうる。その場合には、412において、チャンバは、欠陥に対して検査する必要がある。可能がある欠陥は、それに限定されないが、以下のものを含みうる:不適当なハードウェア・アセンブリ、不適切なトルク要件、使用した低水準部品、紛失しているハードウェア部品、チャンバ・ウェアー(消耗)及びアーキング、ポリマー堆積。414において可能がある問題を識別しかつフィックスした後、故障診断修理処理は、システムを確認するために402において繰り返されうる。
【0031】
ツールマッチングは、製造された全てのプラズマ・チャンバが欠陥なしであるということを保証するために必要でありうる。一つは、同じモデル、種類、または設計の全ての処理チャンバのチャンバ・インピーダンスを比較することによって、あらゆる欠陥プラズマ・チャンバを識別することが可能でありうる。図5は、本発明の一実施形態に従ってプラズマ処理システムをツールマッチする方法を概略的に示すフロー図である。502で開始すると、真空は、例えば、約0mTorrの圧力で各チャンバ206において生成される。各チャンバ206は、処理すべきウェハまたは流れる気体なしの“クリーン”チャンバでありうる。504において、RF電力信号が各チャンバを通って流れる気体なしで、即ちプラズマなしで各チャンバにおいて生成される。例えば、2MHzまたは27MHzにおいて、約10ワット(Watts)以下のような、低い電力は、プラズマを発火(点火)することなく各チャンバ206を通して生成されうる。506において、各チャンバ・センサ210は、各無プラズマ・チャンバ206で受け取ったRF電力信号の電圧、電流、及び位相角を測定する。508において、各チャンバ・コンピュータ・システム212は、RF電力信号の測定された電圧、電流、及び位相角を受け取りかつ記録する。各チャンバ・コンピュータ・システム212は、測定されたデータからチャンバ・インピーダンスを計算する。
【0032】
チャンバ206が真空に設定されるので、真空チャンバを通るRF電力信号の位相角θは、約90°である。位相角θが約90°なので、抵抗Rは、約ゼロである。従って、チャンバのインピーダンスは、ほとんどリアクタンスである。計算された値は、インピーダンスの絶対値を表しうる。
【0033】
510において、コンピュータ・システムは、欠陥が存在するかどうかを決定するために各チャンバのインピーダンスを比較する。説明の目的のために、27MHzのRF電力信号を有するプラズマなしの同じ種類のいくつかのチャンバの計算されたインピーダンスは、15.8Ω、19.2Ω、14.9Ω、16.2Ω、15.9Ωでありうる。チャンバの計算されたインピーダンスが計算されたインピーダンスの中間(中央値)の少なくとも10%以上ずれている場合には、可能な欠陥が存在しうる。上記の説明において、19.2Ωの計算されたインピーダンスを有するチャンバは、可能な欠陥に対して検査されることが必要である。その場合には、512において、上記チャンバは、可能な欠陥に対してチャックされることが必要である。可能がある欠陥は、以下のものに限定されないが、それらを含みうる:不適当なハードウェア・アセンブリ、不適切なトルク要件、使用した低水準部品、紛失しているハードウェア部品、チャンバ・ウェアー(消耗)及びアーキング、ポリマー堆積。514において可能がある問題を識別しかつフィックスした後、ツールマッチング処理は、全てのチャンバが欠陥なしであるということを確認するために502において繰り返されうる。
【0034】
本発明の実施形態及び応用を示しかつ説明したが、ここに示した本発明の概念から逸脱することなく上記したよりも多くの変更が可能であるということは、この開示の利益を有する当業者にとって明らかであろう。従って、本発明は、添付した特許請求の範囲の精神において以外には限定されるべきではない。
【符号の説明】
【0035】
200 プラズマ処理システムを確認するシステム
202 RF電源
204 下部電極
205 上部接地電極
206 プラズマ処理チャンバ
208 整合ネットワーク
210 プローブ
212 コンピュータ・システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバ、RF電源、及び整合ネットワークを有しているプラズマ処理システムを試験する方法であって、
チャンバ内のプラズマを点火することなくRF電源からチャンバにRF電力信号を生成する段階と、
チャンバから受け取った、前記RF電力信号の電圧、該RF電力信号の電流、及び該RF電力信号の位相を測定すると同時に前記チャンバ係数に影響を及ぼすその他のパラメータを保持する段階と、
前記電圧、前記電流、及び前記位相に基づき前記チャンバのインピーダンスを表す値を計算する段階と、及び
プラズマ処理システムにおける欠陥を決定するために前記値を、欠陥なしチャンバのインピーダンスを表す基準値と比較する段階と
を具備する方法。
【請求項2】
前記値が前記基準値の少なくとも約10%以内ではないときに前記プラズマ処理システムを検査する段階を更に具備する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記RF電力信号は、高周波電力を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RF電力信号は、低周波電力を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生成する段階は、前記RF電力信号のインピーダンスを前記チャンバのインピーダンスに整合する段階を更に具備する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
複数のプラズマ処理チャンバをツールマッチする方法であって、
各チャンバ内のプラズマを点火することなく各チャンバに対してRF電力信号を生成する段階と、
各チャンバで受け取った、前記RF電力信号の電圧、該RF電力信号の電流、及び該RF電力信号の位相を測定すると同時に前記チャンバ係数に影響を及ぼすその他のパラメータを保持する段階と、
前記電圧、前記電流、及び前記位相に基づき各チャンバに対するインピーダンスを表す値を計算する段階と、及び
各チャンバに対する前記値を他のチャンバと比較する段階と
を具備する方法。
【請求項7】
チャンバの値が他のチャンバの平均値から少なくとも約10%ずれているときにプラズマ処理チャンバを分離する段階を更に具備する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記電力は、高周波電力を含む請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記電力は、低周波電力を含む請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記生成する段階は、前記RF電力信号のインピーダンスを各チャンバの前記インピーダンスに整合する段階を更に具備する請求項6に記載の方法。
【請求項11】
無プラズマ・チャンバ、RF電力信号を生成するRF電源、及び整合ネットワークを有しているプラズマ処理システムを試験する装置であって、
無プラズマ・チャンバに接続され、該無プラズマ・チャンバで受け取ったRF電力信号の電圧、電流、及び位相角を測定すると同時にチャンバ係数に影響を及ぼす他のパラメータを保持するセンサと、及び
前記センサに接続され、前記電圧,前記電流、及び前記位相に基づきチャンバのインピーダンスを表す値を計算し、かつ前記プラズマ処理システムにおける欠陥を決定するために前記値を、欠陥なしチャンバのインピーダンスを表す基準値と比較するコンピュータ・システムとを備えている装置。
【請求項12】
前記コンピュータ・システムは、前記値が前記基準値の少なくとも約10%以内にないときに警告を発する請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記RF電力信号は、高周波電力を含む請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記RF電力信号は、低周波電力を含む請求項11に記載の装置。
【請求項15】
チャンバ、RF電源、及び整合ネットワークを有しているプラズマ処理システムを試験する装置であって、
チャンバ内のプラズマを発火することなくRF電源からチャンバにRF電力信号を生成する手段と、
チャンバで受け取った前記RF電力信号の電圧、前記RF電力信号の電流、及び前記RF電力信号の位相を測定すると同時にチャンバ係数に影響を及ぼす他のパラメータを保持する手段と、
前記電圧、前記電流、及び前記位相に基づきチャンバのインピーダンスを表す値を計算する手段と、及び
前記プラズマ処理システムにおける欠陥を決定するために前記値を、欠陥なしチャンバのインピーダンスを表す基準値と比較する手段とを備えている装置。
【請求項16】
複数のプラズマ処理チャンバをツールマッチする装置であって、
各チャンバ内のプラズマを発火することなく各チャンバに対してRF電力信号を生成する手段と、
各チャンバで受け取った前記RF電力信号の電圧、前記RF電力信号の電流、及び前記RF電力信号の位相を測定すると同時にチャンバ係数に影響を及ぼす他のパラメータを保持する手段と、
前記電圧、前記電流、及び前記位相に基づき各チャンバに対するインピーダンスを表す値を計算する手段と、及び
各チャンバに対する前記値をその他のチャンバと比較する手段とを備えている装置。
【請求項17】
チャンバ、RF電源、及び整合ネットワークを有しているプラズマ処理システムを試験する方法を実行するためにマシンによって実行可能命令のプログラムを具体的に取り入れている、マシンによって読取り可能なプログラム記憶装置において、前記方法は、
チャンバ内のプラズマを点火することなくRF電源からチャンバにRF電力信号を生成する段階と、
チャンバで受け取った、前記RF電力信号の電圧、該RF電力信号の電流、及び該RF電力信号の位相を測定すると同時に前記チャンバ係数に影響を及ぼすその他のパラメータを保持する段階と、
前記電圧、前記電流、及び前記位相に基づきチャンバのインピーダンスを表す値を計算する段階と、及び
プラズマ処理システムの欠陥を決定するために前記値を、欠陥なしチャンバのインピーダンスを表す基準値と比較する段階と
を具備する方法。
【請求項18】
複数のプラズマ処理チャンバをツールマッチする方法を実行するためにマシンによって実行可能命令のプログラムを具体的に取り入れている、マシンによって読取り可能なプログラム記憶装置において、前記方法は、
各チャンバ内のプラズマを点火することなく各チャンバに対してRF電力信号を生成する段階と、
各チャンバで受け取った、前記RF電力信号の電圧、該RF電力信号の電流、及び該RF電力信号の位相を測定すると同時に前記チャンバ係数に影響を及ぼすその他のパラメータを保持する段階と、
前記電圧、前記電流、及び前記位相に基づき各チャンバに対するインピーダンスを表す値を計算する段階と、及び
各チャンバに対する前記値を他のチャンバと比較する段階と
を具備する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−62579(P2010−62579A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253964(P2009−253964)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【分割の表示】特願2004−539982(P2004−539982)の分割
【原出願日】平成15年9月26日(2003.9.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(598161761)ラム リサーチ コーポレイション (19)
【Fターム(参考)】