説明

プラズマ密度調整部材

【課題】大型の基板であっても、その表面全体を均一にエッチングすることができ、また、エッチング形状の悪化が生じない基板エッチング装置を提供する。
【解決手段】プラズマ生成空間9及び処理空間6を有するチャンバ2と、プラズマ生成空間9に対応する部分の外方に配設されたコイル16と、処理空間6に設けられた基板K載置用の基台10と、プラズマ生成空間9に処理ガスを供給する処理ガス供給手段19と、コイル16に高周波電力を供給する高周波電力供給手段17と、基台10に高周波電力を供給する基台電力供給手段13とを備える。プラズマ密度調整部材20を、プラズマ生成空間9と基台10との間のチャンバ2内壁に固設する。プラズマがプラズマ密度調整部材20を通過する際にその平面内密度が平準化されて、基板Kに導かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチングガスをプラズマ化して、例えば、シリコン基板やガラス基板などの基板表面をエッチングするプラズマエッチング装置、に設けられるプラズマ密度調整部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シリコン基板をプラズマエッチングする装置として、特開2006−80504号公報(従来例1)及び特開2006−60089号公報(従来例2)に開示される装置が知られている。
【0003】
図6に示すように、上記従来例1に係るプラズマエッチング装置101は、上側にプラズマ生成空間109が設定され、下側に処理空間110が設定された円筒状のチャンバ102と、プラズマ生成空間109に対応するチャンバ102の外方に、これを捲回するように配設されたコイル103と、コイル103に高周波電力を供給する高周波電力供給手段104と、プラズマ生成空間109にエッチングガスを供給するエッチングガス供給手段105と、処理空間110に配設された基板載置用の基台106と、基台106に高周波電力を供給する高周波電力供給手段107と、チャンバ102内の気体を排気する排気手段108とを備える。
【0004】
このプラズマエッチング装置101では、前記コイル103に高周波電力を印加することで、プラズマ生成空間109に誘導電界が生じ、当該プラズマ生成空間109に供給されたエッチングガスが、この誘導電界によってプラズマ化され、生成されたプラズマによって基台106上の基板Kがエッチングされる。
【0005】
また、図7に示すように、上記従来例2に係るプラズマエッチング装置201は、上側の小径部202a及び下側の大径部202bからなる、同じく円筒状をしたチャンバ202を備える。小径部202aには、その外方に、これを捲回するように配設されたコイル203が設けられ、この小径部202a内がプラズマ生成空間209に設定される。また、大径部202b内は、処理空間210に設定され、この処理空間210内に基板載置用の基台206が配設される。
【0006】
そして、高周波電力供給手段204からコイル203に高周波電力が供給され、一方、基台206には高周波電力供給手段207から高周波電力が供給される。また、エッチングガス供給手段205からプラズマ生成空間209にエッチングガスが供給され、排気手段208によってチャンバ202内の気体が排気される。
【0007】
このプラズマエッチング装置201によれば、上記従来例1に係るプラズマエッチング装置101と同様に、前記コイル203に高周波電力を印加することで、プラズマ生成空間209に誘導電界が生じ、当該プラズマ生成空間209に供給されたエッチングガスが、この誘導電界によってプラズマ化され、生成されたプラズマによって基台206上の基板Kがエッチングされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006−80504号公報
【特許文献2】特開2006−60089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、近年では、処理対象の基板が大型化してきており、このような大型基板の全面を均一にエッチングすることができるプラズマエッチング装置が求められている。
【0010】
ところが、かかる大型基板を上記従来のプラズマエッチング装置101,201によって処理した場合、それぞれ以下に説明するような問題があった。
【0011】
即ち、上記プラズマエッチング装置101の場合、プラズマ生成空間109が大きいため、構造的には比較的大きな基板に対応し易いものではあるが、基板Kの大型化に対応してチャンバ102を大きくし、プラズマ生成空間109を大きくすると、プラズマ生成空間109で生成されるプラズマの平面内密度Pmは、コイル103に近い部分が高く、中央部が低くなった中凹の密度分布となり、これがそのまま基板Kに作用するため、基板K表面が均一にエッチングされないのである。
【0012】
特に、基板Kの外周部については、プラズマの平面内密度Pmが均一であっても、中央部に比べてエッチングレートが高く、エッチングが進行し易い傾向にあるため、上記のような中凹の密度分布となる場合には、なおさら基板Kの外周部のエッチングが進行し易く、基板Kの全表面を均一にはエッチングすることができないのである。
【0013】
また、外周部のプラズマ密度が高いと、例えば、基板Kに深穴を形成する場合、図8に示すように、高密度のイオンによって、穴300の入口部周縁がエッチングされ、この入口部の形状がテーパ状になる他、その表面がスパッタによって荒れたものになり、エッチング形状が悪くなるという問題を生じる。
【0014】
一方、プラズマエッチング装置201の場合、プラズマ生成空間209の容積が小さく、コイル203に印加する高周波電力が小さくても高密度のプラズマを生成することができ、また、その平面内密度Pmも中凸になるため、比較的小さな基板Kの場合には、その全面を均一にエッチングすることができるものの、プラズマ生成空間209をそのままにして、基板Kの大型化に対応して処理空間210のみを大きくすると、プラズマ生成空間109で生成されたプラズマが基板Kの外周部に作用し難くなり、この場合も基板Kの全面を均一にエッチングすることができない。
【0015】
これに対し、基板Kの大型化に対応してプラズマ生成空間209も大きくすると、上述したプラズマエッチング装置101の場合と同様の問題を生じる。
【0016】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、大型の基板であってもその表面全体を均一にエッチングすることができ、また、イオンによる形状の悪化を防止することができる基板処理装置、に設けられるプラズマ密度調整部材の提供を、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための本発明は、
円筒状の胴部、この胴部の上部を閉塞する天板、及び胴部の底部を閉塞する底板からなり、該胴部内の上部領域に設定されたプラズマ生成空間、及びこのプラズマ生成空間の下方に設定された処理空間を有するチャンバと、
前記チャンバの、前記プラズマ生成空間に対応する部分の外方に、これを捲回するように配設されたコイルと、
前記チャンバ内の処理空間に配設され、処理対象の基板を載置する基台と、
前記チャンバ内のプラズマ生成空間に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記コイルに高周波電力を供給するコイル電力供給手段と、
前記基台に高周波電力を供給する基台電力供給手段とを備えるとともに、前記プラズマ生成空間を形成する胴部の内径は、前記基板外径よりも大径に形成されているプラズマエッチング装置、に設けられるプラズマ密度調整部材であって、
上部及び下部が開口し、その上端部が、前記プラズマ生成空間と前記基台との間の、前記チャンバ内壁に固設され、前記プラズマ生成空間で生成されたプラズマの平面内密度を調整して前記基台上の基板に導くとともに、接地された導電性の材料から構成され、その下端部の内径が、その上端部の内径及び前記プラズマ生成空間を形成する胴部内径よりも小径となった漏斗状に形成されてなるプラズマ密度調整部材である。
【0018】
このプラズマエッチング装置によれば、まず、コイル電力供給手段によってコイルに高周波電力を印加する。これにより、チャンバ内のプラズマ生成空間に誘導電界が生じ、この状態で、処理ガス供給手段によりプラズマ生成空間に処理ガスを供給すると、供給された処理ガスが前記誘導電界によってプラズマ化される。
【0019】
このようにして生成されるプラズマは、その平面内密度が、コイル寄りの外周部の密度が高く、中央部の密度が低い中凹状の密度分布を有するものとなる。
【0020】
そして、このような中凹状の密度分布を有するプラズマは、下方に流下し、上部及び下部が開口した円筒状のプラズマ密度調整部材内を流通して、その下方の基台上に載置された基板上に至り、その表面をエッチングする。
【0021】
プラズマ密度調整部材は、その下端部の内径が、上端部の内径及びプラズマ生成空間を形成する胴部内径よりも小径の漏斗状に形成されているので、このプラズマ密度調整部材内を流通することで、プラズマは、その平面内密度が極端な中凹状のものが平準化され、或いは、逆に、やや中凸状の密度分布に調整されて基板上に至る。
【0022】
また、上述したように、プラズマ生成空間で生成されたプラズマは、その外周部が高密度、即ち、イオン密度も高密度になっているが、本発明に係るプラズマ密度調整部材は、接地された導電性の材料から構成されているので、このようなプラズマがプラズマ密度調整部材を通過する際に、プラズマの外周部に位置する高密度のイオンがプラズマ密度調整部材と接触することによって、除電,中和され、外周部のイオン密度が低減される。
【0023】
したがって、上述した高密度のイオンによってエッチング形状が悪化するという問題を改善することができる。
【0024】
尚、本発明の目的は、大型の基板であってもその表面全体を均一にエッチングすること、即ち、表面全体でのエッチングレートを均一にすることであるが、本発明者等の知見によると、そのためには、基板のマスク開口率や基板の大きさなどの諸条件によって、プラズマの平面内密度を緩やかな中凹状や、逆に緩やかな中凸状にする必要があるが、上記プラズマ密度調整部材を用いて、その長さや下端部の内径を適宜設定することで、プラズマの平面内密度をこのような状態に調整することができ、この結果、基板表面の全体を均一にエッチングすることが可能となる。
【0025】
尚、前記プラズマエッチング装置において、前記天板の中心部に、これから下方に垂下する円筒状の芯部材を設けて、前記プラズマ生成空間をドーナツ状に形成するのが好ましい。
【0026】
このようにすれば、プラズマ生成空間の容積を小さくすることができ、コイルに比較的小さい高周波電力を供給することで、高密度のプラズマを生成することができ、エネルギ効率を高めることができる。
【0027】
更に、この芯部材は、これを非導電性の材料から構成するのが好ましい。芯部材が導電性の材料から構成され、これが設置されていると、前記プラズマ生成空間で生成されたプラズマ中のイオンが消失し、結果としてプラズマ密度が低下するが、芯部材を非導電性の材料から構成することで、プラズマ密度が低下するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係るプラズマ密度調整部材によれば、その内部を流通させることで、プラズマの平面内密度を最適な状態に調整することができ、この結果、基板表面の全域を均一にエッチングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマエッチング装置を示した正断面図である。
【図2】本実施形態に係るプラズマエッチング装置によってトレンチエッチングを行ったそのエッチング形状を説明するための説明図である。
【図3】本実施形態に係るプラズマ密度調整部材を示した断面図である。
【図4】本実施形態に係るプラズマ密度調整部材によりプラズマ密度を調整してエッチングしたそのエッチングレートに関するグラフである。
【図5】本実施形態に係るプラズマ密度調整部材によりプラズマ密度を調整してエッチングしたそのエッチングレートに関するグラフである。
【図6】従来例に係るプラズマエッチング装置を示した正断面図である。
【図7】従来例に係るプラズマエッチング装置を示した正断面図である。
【図8】従来例に係るプラズマエッチング装置によってトレンチエッチングを行ったそのエッチング形状を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面に基づいて説明する。
【0031】
図1に示すように、本例のプラズマエッチング装置1は、下胴部3,上胴部7,底板4,中間板5及び天板8から構成されるチャンバ2を備える。これら下胴部3,上胴部7,底板4,中間板5及び天板8はそれぞれ、例えばセラミックスなどから構成され、上胴部7及び下胴部3は円筒状に形成されている。
【0032】
底板4は下胴部3の下端部に固設され、中間板5は下胴部3の上端部に固設され、これら下胴部3,底板4及び中間板5によって処理空間6が形成される。
【0033】
この処理空間6内には、基板Kを載置するための基台10が配設されており、この基台10は適宜昇降機構によって昇降されるようになっている。この基台10にはマッチングユニット14を介して高周波電源13が接続されており、この高周波電源13によって当該基台10に高周波電力が供給される。尚、符号11は、基台10の外周部を覆うカバーであり、符号12は基台10の昇降を支持する支持台である。
【0034】
また、下胴部3には、基板Kを出し入れするための開口部3a、及び処理空間6内の気体を排気するための排気口3bが形成されており、開口部3aはシャッタ機構21によって開閉され、一方、排気口3bには排気装置22が接続され、この排気装置22によって処理空間6内の気体が排気される。
【0035】
前記上胴部7は前記中間板5上に固設され、この上胴部7の上端部に天板8が固設され、天板8の中心部には、これから下方に垂下するようにカップ状の芯部材15が固設されている。斯くして、これら上胴部7,天板8及び芯部材15によってドーナツ状のプラズマ生成空間9が形成される。尚、この上胴部7の内径は、基板Kの外径よりも大径となっている。
【0036】
また、前記中間板5には開口部5aが形成され、その下面に、上部及び下部が開口した漏斗状のプラズマ密度調整部材20が固設されており、この開口部5a及びプラズマ密度調整部材20を介して前記プラズマ生成空間9と処理空間6とが連通した状態となっている。このプラズマ密度調整部材20は、プラズマ生成空間9と基板Kとの間に位置しており、導電性を有する材料(例えば、アルミニウム)から構成され、適宜接地されている。また、このプラズマ密度調整部材の下端部の内径は、上胴部7の内径よりも小径となっている。
【0037】
前記上胴部7の外方には、これを捲回するようにコイル16が配設されるとともに、このコイル16にマッチングユニット18を介して高周波電源17が接続されており、この高周波電源17によってコイル16に高周波電力が供給される。
【0038】
また、前記天板5には、エッチングガス供給源19に接続される供給管19aが接続されており、このエッチングガス供給源19から前記プラズマ生成空間9内にエッチングガスが供給される。
【0039】
以上の構成を備えた本例のプラズマエッチング装置1によれば、まず、前記開口部3aを介して下降位置にある基台10上に基板K(例えば、シリコン基板)が載置される。ついで、基台10が処理位置に上昇され、排気装置22によって処理空間6及びプラズマ生成空間9が負圧にされるとともに、高周波電源13から基台10に高周波電力が供給される。
【0040】
また、前記コイル16に高周波電源17から高周波電力が供給され、プラズマ生成空間9内に誘導電界が生じる。そして、この状態で、エッチングガス供給源19からプラズマ生成空間9内にエッチングガス(例えば、SF)が供給され、前記誘導電界によってエッチングガスがプラズマ化される。
【0041】
上記のように、前記プラズマ生成空間9は、前記円筒状の芯部材15によってドーナツ状に形成されているのでその容積が小さく、また、コイル16に近い外周部分のみがプラズマ生成空間9となっているので、コイル16に印加する電力を比較的小さい電力としても、高密度のプラズマを生成することができる。
【0042】
そして、このようにして生成された高密度のプラズマは、下方に流下し、プラズマ密度調整部材20内を流通して、その下方の基板K上に至り、その表面をエッチングする。尚、プラズマ生成空間9から流下したプラズマの平面内密度は、その外周部の密度が極めて高く、中央部の密度が低い、中凹状態となっている。
【0043】
そして、このような密度状態のプラズマが前記プラズマ密度調整部材20を通過する際、当該プラズマ密度調整部材20が、その下部開口部の内径が上胴部7の内径よりも小径となった漏斗状をしていることから、プラズマは、徐々に集束され、その平面内密度が徐々に平準化されて、緩やかな中凹の状態、或いはフラットな均一状態、或いは緩やかな中凸の状態に調整されて基板上に至る。
【0044】
斯くして、このように調整された高密度プラズマが基板表面に作用することで、基板表面の全域が均一にエッチングされる。
【0045】
また、本例では、基台10に高周波電力を印加して基板Kにバイアス電位を与えている。したがって、プラズマ中のイオンが基板Kに向けて照射され、所謂イオンアシストエッチングが行われる。
【0046】
前記プラズマ密度調整部材20は、接地された導電性の材料から構成されているので、プラズマがプラズマ密度調整部材20内を通過する際に、プラズマの外周部に位置する高密度のイオンがプラズマ密度調整部材20と接触することによって、これが除電,中和されて消滅するため、高密度のイオンが作用することによってエッチング形状が悪化するという問題が解消される。
【0047】
因みに、本例のプラズマエッチング装置1を用いて、基板Kに深穴を形成したその結果を図2に示す。図2に示すように、穴30の入口部はテーパ状にはならず、また、その表面も荒れていない。
【0048】
また、図1に示した本例のプラズマエッチング装置1を用い、エッチングガスとしてSFガスを用い、プラズマ生成空間9に供給するSFガスの供給流量を500ml/minとし、コイル16に印加する高周波電力を2000Wとし、基台10に印加する高周波電力を70Wとし、図3に示すプラズマ密度調整部材20の寸法、即ち、下端部内径Dを172mm、上端部内径Dを270mm、長さLを106mmとして、6インチのシリコン基板上のSiO膜をエッチングした結果を図4に示す。
【0049】
図4に示すように、この例では、基板Kの全面を、そのエッチングレートが15.5nm/min±3.1%という極めて高い均一度でエッチングすることができた。
【0050】
また、上記において、プラズマ密度調整部材20の前記Dを165mmと242mmにし、長さLを86mmにしたときのエッチング結果を図5に示す。この図5に示すように、Dが165mmのとき、基板Kの全面におけるエッチングレートは17.8nm/min±10.1%であり、Dが242mmのとき、基板Kの全面におけるエッチングレートは23.9nm/min±11.1%であった。
【0051】
これらの例から分かるように、プラズマ密度調整部材20の諸寸法を適宜調整することで、基板Kの全面にわたってこれを均一に処理することができる。また、図4から分かるように、プラズマ密度調整部材20の諸寸法を最適な条件に設定することで、基板Kの全面を極めて高い均一度でエッチングすることができる。
【0052】
尚、前記芯部材15は、これを非導電性の材料から構成するのが好ましい。芯部材15が導電性の材料から構成され、これが設置されていると、前記プラズマ生成空間9で生成されたプラズマ中のイオンが消失し、結果としてプラズマ密度が低下するが、芯部材15を非導電性の材料から構成することで、プラズマ密度が低下するのを防止することができる。
【0053】
以上本発明の一実施形態について説明したが、本発明が採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。例えば、上例では芯部材15を設けたが、必ずしもこれを設ける必要は無い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上説明したように、本発明は、基板表面の全面を、極めて高い均一度でエッチングすることができるプラズマエッチング装置、に設けられるプラズマ密度調整部材として好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
1 プラズマエッチング装置
2 チャンバ
3 下胴部
4 底板
5 中間板
6 処理空間
7 上胴部
8 天板
9 プラズマ生成空間
10 基台
13 高周波電源
15 芯部材
16 コイル
17 高周波電源
19 エッチングガス供給源
20 プラズマ密度調整部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の胴部、この胴部の上部を閉塞する天板、及び胴部の底部を閉塞する底板からなり、該胴部内の上部領域に設定されたプラズマ生成空間、及びこのプラズマ生成空間の下方に設定された処理空間を有するチャンバと、
前記チャンバの、前記プラズマ生成空間に対応する部分の外方に、これを捲回するように配設されたコイルと、
前記チャンバ内の処理空間に配設され、処理対象の基板を載置する基台と、
前記チャンバ内のプラズマ生成空間に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、
前記コイルに高周波電力を供給するコイル電力供給手段と、
前記基台に高周波電力を供給する基台電力供給手段とを備えるとともに、前記プラズマ生成空間を形成する胴部の内径は、前記基板外径よりも大径に形成されているプラズマエッチング装置、に設けられるプラズマ密度調整部材であって、
上部及び下部が開口し、その上端部が、前記プラズマ生成空間と前記基台との間の、前記チャンバ内壁に固設され、前記プラズマ生成空間で生成されたプラズマの平面内密度を調整して前記基台上の基板に導くとともに、接地された導電性の材料から構成され、その下端部の内径が、その上端部の内径及び前記プラズマ生成空間を形成する胴部内径よりも小径となった漏斗状に形成されてなることを特徴とするプラズマ密度調整部材。
【請求項2】
前記上端部からなる平面と前記下端部からなる平面とは略平行となっており、これら平面と前記漏斗状の部材面とのなす角度は、52度から81度までの値であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ密度調整部材。
【請求項3】
前記上端部の内径は270mmであり、前記下端部の内径は165mmから242mmまでの間の値であり、上端と下端との間の高さが106mmであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ密度調整部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−178578(P2012−178578A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−93087(P2012−93087)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【分割の表示】特願2009−84137(P2009−84137)の分割
【原出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(511265154)SPPテクノロジーズ株式会社 (6)
【Fターム(参考)】