説明

プリオン特異的なペプチド試薬

プリオンタンパク質のPrPsc型と優先的に相互作用するペプチド試薬が記載される。プリオンおよびプリオン関連疾患についての検出、診断、精製、治療および予防のために試薬またはこの試薬に対する抗体を使用する方法も記載される。これらのペプチド試薬は、病原性プリオンを単離するためか、またはサンプル中の病原性プリオンの存在を検出するためのツールとして、治療的組成物または予防的組成物の成分として、および/またはプリオン特異的抗体を作製するためなどの幅広い用途において使用することができる。例えば、PrPと比較して、PrPScと優先的に相互作用するペプチド試薬は、生存被験体から得られたサンプル中の病原型の直接的な検出、例えば、疾患の診断または献血サンプルのスクリーニングまたは臓器提供用の臓器のスクリーニングに有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
PrPと比較して、優先的にPrPScと相互作用する単離されたペプチド試薬であって、該ペプチド試薬は、配列番号
【化1】

を有するペプチドから誘導される、ペプチド試薬。
【請求項2】
PrPと比較して、優先的にPrPScと相互作用する単離されたペプチド試薬であって、該ペプチド試薬は、配列番号
【化2】

を有するペプチドから誘導される、ペプチド試薬。
【請求項3】
配列番号
【化3】

を有するペプチドから誘導される、請求項2に記載のペプチド試薬。
【請求項4】
請求項3に記載のペプチド試薬であって、該ペプチド試薬は、N末端および/またはC末端に、n=1、2、3または4であるアミノ酸配列(G)を含む、ペプチド試薬。
【請求項5】
ビオチン化されている、請求項3または4に記載のペプチド試薬。
【請求項6】
配列番号
【化4】

を有するペプチドから誘導される、請求項2に記載のペプチド試薬。
【請求項7】
N末端および/またはC末端に、n=1、2、3または4であるアミノ酸配列(G)を含む、請求項6に記載のペプチド試薬。
【請求項8】
ビオチン化された、請求項6または7に記載のペプチド試薬。
【請求項9】
配列番号136を有するペプチドから誘導される、請求項2に記載のペプチド試薬。
【請求項10】
ビオチン化されている、請求項9に記載のペプチド試薬。
【請求項11】
1個以上のプロリン残基が存在する場合、該1個以上のプロリン残基は、N置換グリシンで置換されている、請求項1に記載のペプチド試薬。
【請求項12】
請求項1に記載のペプチド試薬をコードするポリヌクレオチド。
【請求項13】
請求項1に記載のペプチド試薬および病原性プリオンタンパク質を含む複合体。
【請求項14】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は以下の工程:
(a)病原性プリオンが存在する場合に、病原性プリオンを含むと疑われるサンプルと、請求項1に記載の第1のペプチド試薬とを、該第1のペプチド試薬が該病原性プリオンタンパク質に結合し得る条件下で接触させ、第1の複合体を形成する工程;および
(b)該病原性プリオンが存在する場合に、該第1のペプチド試薬への該病原性プリオンの結合によってサンプル中の該病原性プリオンの存在を検出する工程
を含む、方法。
【請求項15】
前記第1のペプチド試薬が、検出可能に標識されている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のペプチド試薬が、ビオチン化されている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のペプチド試薬が、固体支持体に結合している、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)病原性プリオンが存在する場合、病原性プリオンを含むと疑われるサンプルと、請求項1に記載の第1のペプチド試薬とを、該第1のペプチド試薬が該病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させ、第1の複合体を形成する工程;
(b)該第1の複合体と、請求項1に記載の第2のペプチド試薬とを、該第2のペプチド試薬が該第1の複合体中の該病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させる工程であって、ここで、該第2のペプチド試薬は、検出可能な標識を含む、工程;および
(c)病原性プリオンが存在する場合、該第2のペプチド試薬への該病原性プリオンの結合によって該サンプル中の該病原性プリオンの存在を検出する工程
を含む、方法。
【請求項19】
前記第1のペプチド試薬と前記第2のペプチド試薬とが、異なっている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1のペプチド試薬と前記第2のペプチド試薬とが、同じである、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記第1のペプチド試薬が、固体支持体に結合している、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記第1のペプチド試薬が、ビオチン化されている、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)病原性プリオンが存在する場合、病原性プリオンを含むと疑われるサンプルと、請求項1に記載の第1のペプチド試薬とを、該第1のペプチド試薬が該病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させ、第1の複合体を形成する工程;
(b)未結合サンプル物質を除去する工程;
(c)該第1の複合体から該病原性プリオンを解離する工程;
(d)該解離された病原性プリオンと、請求項1に記載の第2のペプチド試薬とを、該第2のペプチド試薬が該病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させる工程であって、ここで、該第2のペプチド試薬は、検出可能な標識を含む、工程;および
(e)該病原性プリオンが存在する場合、該第2のペプチド試薬への該病原性プリオンの結合によって該サンプル中の該病原性プリオンの存在を検出する工程
を含む、方法。
【請求項24】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)病原性プリオンが存在する場合、病原性プリオンを含むと疑われるサンプルと、請求項1に記載の第1のペプチド試薬とを、該第1のペプチド試薬が該病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させ、第1の複合体を形成する工程;
(b)未結合サンプル物質を除去する工程;
(c)該第1の複合体から該病原性プリオンを解離する工程;
(d)該解離された病原性プリオンと、プリオン結合試薬とを、該プリオン結合試薬が該病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させる工程であって、ここで、該プリオン結合試薬は、検出可能な標識を含む、工程;および
(e)該病原性プリオンが存在する場合、該プリオン結合試薬への該病原性プリオンの結合によって該サンプル中の該病原性プリオンの存在を検出する工程
を含む、方法。
【請求項25】
前記プリオン結合試薬が、抗プリオン抗体、モチーフグラフト化ハイブリッドポリペプチド、陽イオン性または陰イオン性のポリマー、増殖触媒およびプラスミノゲンからなる群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)病原性プリオンが存在する場合、病原性プリオンを含むと疑われるサンプルと、プリオン結合試薬とを、該プリオン結合試薬が該病原性プリオンを結合し得る条件下で接触させ、第1の複合体を形成する工程;
(b)未結合サンプル物質を除去する工程;
(c)該第1の複合体と、請求項1に記載のペプチド試薬とを、該ペプチド試薬が該病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させる工程であって、ここで、該ペプチド試薬は、検出可能な標識を含む、工程;および
(d)該病原性プリオンが存在する場合、該ペプチド試薬への該病原性プリオンの結合によって、該サンプル中の該病原性プリオンの存在を検出する工程
を含む、方法。
【請求項27】
サンプル中の病原性プリオンを検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)請求項1に記載の第1のペプチド試薬を含む固体支持体を提供する工程;
(b)サンプル中に病原性プリオンが存在するとき、該固体支持体と該サンプルとを、該病原性プリオンが該第1のペプチド試薬に結合し得る条件下で接触させる工程であって;
該固体支持体と、請求項1に記載の検出可能に標識された第2のペプチド試薬とを、該第2のペプチド試薬が該第1のペプチド試薬によって結合された病原性プリオンに結合し得る条件下で接触させる工程;および
(c)該第1のペプチド試薬と、該サンプルに由来する病原性プリオンと、該第2のペプチド試薬との間に形成された複合体を検出することによって、該サンプル中の該病原性プリオンの存在を検出する工程
を含む、方法。
【請求項28】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)プリオン結合試薬を含む固体支持体を提供する工程;
(b)プリオンタンパク質がサンプル中に存在するとき、該固体支持体と該サンプルとを、該プリオンタンパク質が該プリオン結合試薬に結合し得る条件下で接触させる工程;
(c)該固体支持体と請求項1に記載の検出可能に標識された第2のペプチド試薬とを接触させる工程;および
(d)該プリオン結合試薬と、該生物学的サンプル由来の病原性プリオンと、該第2のペプチド試薬との間に形成された複合体を検出する工程
を含む、方法。
【請求項29】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)請求項1に記載の第1のペプチド試薬を含む固体支持体を提供する工程;
(b)該固体支持体と、検出可能に標識された第1のリガンドとを混合する工程であって、ここで、該検出可能に標識された第1のリガンドに対する該第1のペプチド試薬の結合親和性は、病原性プリオンに対する該第1のペプチド試薬の結合親和性よりも弱い、工程;
(c)病原性プリオンがサンプル中に存在するとき、該病原性プリオンが該第1のペプチド試薬に結合し、そして該第1のリガンドを置換し得る条件下で該サンプルと該固体支持体とを混合する工程;
(d)該第1のペプチド試薬と該サンプル由来の該病原性プリオンとの間に形成された複合体を検出する工程
を含む、方法。
【請求項30】
前記固体支持体が、ニトロセルロース、ポリスチレンラテックス、ポリビニルフルオライド、ジアゾ化ペーパー、ナイロン膜、活性化ビーズおよび磁気的反応性ビーズからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項31】
前記サンプルが、生物学的サンプルである、請求項14に記載の方法。
【請求項32】
前記生物学的サンプルが、器官、全血、血液画分、血液成分、血漿、血小板、血清、脳脊髄液(CSF)、脳組織、神経系組織、筋組織、骨髄、尿、涙、非神経系組織、器官および/またはバイオプシーもしくはネクロプシーからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記生物学的サンプルが、全血、血漿、血小板、血液画分または血清である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
請求項1に記載の少なくとも1つのペプチド試薬を含む、固体支持体。
【請求項35】
サンプル中の病原性プリオンの存在を検出するためのキットであって:
(a)請求項34に記載の固体支持体;および
他に必要な試薬ならびに必要であれば、ポジティブコントロールおよびネガティブコントロールを備える、キット。
【請求項36】
請求項1に記載のペプチド試薬を含む組成物。
【請求項37】
請求項12に記載のポリヌクレオチドを含む組成物。
【請求項38】
請求項36に記載の1個以上の組成物を動物に投与する工程を含む、プリオン病を処置または予防する方法。
【請求項39】
前記被験体が、哺乳動物である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記哺乳動物が、ヒトである、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記組成物が、筋肉内、粘膜内、鼻腔内、皮下、皮内、経皮的、膣内、直腸内、経口的または静脈内に投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
プリオン病を処置または予防する方法であって、該方法は、以下の工程
(a)初回刺激工程において請求項36に記載の組成物を含む第1の組成物を投与する工程および
(b)追加免疫として、被験体において免疫応答を誘発するのに十分な量の請求項36に記載の組成物を含む第2の組成物を投与する工程
を含む、方法。
【請求項43】
サンプルから病原性プリオンタンパク質を単離するための方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)請求項34に記載のペプチド試薬を含む固体支持体を提供する工程;
(b)該サンプルと該固体支持体とを、該サンプル中に病原性プリオンタンパク質が存在する場合、該病原性プリオンタンパク質が前記第1のペプチド試薬に結合し得る条件下で接触させ、第1の複合体を形成する工程および
(c)未結合サンプル物質を除去する工程
を含む、方法。
【請求項44】
前記第1の複合体から前記病原性プリオンタンパク質を解離する工程をさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
サンプルから病原性プリオンタンパク質を排除するための方法であって、該方法は、以下の工程;
(a)請求項34に記載のペプチド試薬を含む固体支持体を提供する工程;
(b)該固体支持体と、病原性プリオンタンパク質を含むと疑われるサンプルとを、病原性プリオンタンパク質が存在する場合、該病原性プリオンタンパク質が該ペプチド試薬に結合し得る条件下で、接触させる工程;および
(c)未結合サンプル物質を回収する工程
を含む、方法。
【請求項46】
サンプルの供給物からサンプルを選択するための方法であって、請求項1に記載のペプチド試薬と優先的に相互作用する病原性プリオンタンパク質を含まないサンプルを選択する工程を含む、方法。
【請求項47】
サンプルの供給物からサンプルを選択するための方法であって、請求項1に記載のペプチド試薬と優先的に相互作用する病原性プリオンタンパク質を含むサンプルを選択する工程を含む、方法。
【請求項48】
実質的に病原性プリオンを含まない血液供給物を調製する方法であって、該血液供給物は、全血、血漿、血小板または血清を含み、該方法は、以下の工程:
(a)回収された血液サンプルから、全血、血漿、血小板または血清のアリコートを、請求項14に記載の方法によってスクリーニングする工程;
(b)病原性プリオンが検出されたサンプルを排除する工程;および
(c)病原性プリオンが検出されなかったサンプルを混合し、実質的に病原性プリオンを含まない血液供給物を提供する工程
を含む、方法。
【請求項49】
実質的に病原性プリオンを含まない食品供給物を調製する方法であって、該方法は、以下の工程:
(a)該食品供給物に入る生存生物体から回収されたサンプルまたは該食品供給物に入ることが意図された食物から回収されたサンプルを、請求項14に記載の方法によってスクリーニングする工程;
(b)病原性プリオンが検出されたサンプルを排除する工程;および
(c)病原性プリオンが検出されなかったサンプルを混合し、実質的に病原性プリオンを含まない食品供給物を提供する工程
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−529537(P2008−529537A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555399(P2007−555399)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2006/007001
【国際公開番号】WO2006/086799
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(506361100)ノバルティス ヴァクシンズ アンド ダイアグノスティクス, インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】