説明

プリンタ複合機、プリントシステム、及び、静止画像印刷プログラム

【課題】機器の操作が苦手なユーザーでも動画から静止画像を容易に印刷することができる、プリンタ複合機を提供する。
【解決手段】静止画データ抽出部が動画データから複数の静止画データを抽出し、複数の静止画データとそれらの動画データ中の時間との対応関係を対応関係記憶部が記憶する。そして、印刷ヘッドは、複数の静止画データに対応する複数のサムネイル画像30を、動画データ中の時間に対応付けて一覧表示されるように印刷用紙P1に印刷する。さらに、選択マーク31が付された状態で印刷用紙P1がスキャナにより読み取られると、選択画像抽出部は、選択マーク31に対応する動画データ中の時間を認識し、その時間に対応する印刷要求静止画データを動画データから抽出する。そして、印刷ヘッドが、印刷要求静止画データの画像を印刷用紙に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ複合機、プリンタ複合機を有するプリントシステム、及び、プリンタ複合機に用いられる静止画像印刷プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、時系列に並べられた複数の静止画データからなる動画データから、所望のシーンの静止画データを抽出し、その静止画像を印刷媒体に印刷する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の画像出力装置は、動画データ中の複数の静止画データ(フレーム)を一時的に保持しており、ユーザーのリモコン操作によって静止画像の印刷指示が入力されたときには、その印刷指示が入力された時刻付近にある複数(例えば、2つ)の静止画像を画面に表示する。さらに、これら複数の表示画像のうちから、ユーザーのリモコン操作によって印刷を行う画像が特定されると、その特定された画像の画像データを画像形成装置(カラープリンタ等)に出力する。
【0003】
【特許文献1】特開2003−264660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、特許文献1の画像出力装置においては、ユーザーは、動画データ中の印刷したいシーンの特定、及び、印刷画像の特定を、画面を見ながらリモコン操作により行うことになる。そのため、機器の操作を苦手とする、高齢者等のユーザーにとっては、動画から所望の画像を印刷することを手軽に行えるものではなかった。
【0005】
本発明の目的は、機器の操作を苦手とするユーザーでも、動画中の静止画像を容易に印刷することができる、プリンタ複合機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明のプリンタ複合機は、印刷媒体に画像を印刷する印刷手段と、印刷媒体に印刷された画像を読み取る画像読取手段とを備えたプリンタ複合機であって、
入力された動画データから、一覧表示用の複数の静止画データを抽出する静止画データ抽出手段と、前記複数の静止画データとそれらの前記動画データ中の時間位置との対応関係を記憶する記憶手段を有し、前記印刷手段は、前記複数の静止画データに対応する複数のサムネイル画像を、前記動画データ中の時間位置に対応付けて一覧表示されるように、第1の印刷媒体に印刷可能に構成されており、
さらに、前記複数のサムネイル画像が印刷された前記第1の印刷媒体に選択マークが付された状態で、前記第1の印刷媒体が前記画像読取手段により読み取られたときに、前記選択マークに対応する前記動画データ中の時間位置を認識し、前記記憶手段を参照して、認識した前記動画データ中の時間位置に対応する印刷要求静止画データを前記動画データから抽出する選択画像抽出手段を備え、前記印刷手段は、前記選択画像抽出手段により抽出された前記印刷要求静止画データの画像を第2の印刷媒体に印刷することを特徴とするものである。
【0007】
本発明のプリンタ複合機によれば、まず、静止画データ抽出手段により一覧表示用の複数の静止画データが抽出されるとともに、それらの静止画データと動画データ中の時間との対応関係が記憶手段に記憶される。そして、印刷手段は、複数の静止画データに対応する複数のサムネイル画像を、それらの動画データ中の時間位置に対応付けて第1の印刷媒体に印刷し、複数のサムネイル画像を一覧表示する。
【0008】
その後、ユーザーにより第1の印刷媒体の任意の位置に、印刷したい画像を選択するための選択マークが付された後に、第1の印刷媒体が画像読取手段により読み取られると、選択画像抽出手段は、第1の印刷媒体の選択マークが付された位置に応じて動画データ中の時間位置を認識し、記憶手段を参照して、その認識した時間位置に対応する静止画データを印刷要求静止画データとして抽出する。尚、選択画像抽出手段により抽出される印刷要求静止画データは、前述した静止画データ抽出手段により抽出された一覧表示用の複数の静止画データに含まれるもの(つまり、一覧表示されたサムネイル画像に対応する静止画データ)であってもよいし、サムネイル画像が一覧表示される静止画データの間に位置する、サムネイル画像が表示されない静止画データであってもよい。そして、印刷手段は、抽出された印刷要求静止画データの画像を第2の印刷媒体に印刷する。
【0009】
つまり、ユーザーは、第1の印刷媒体に印刷された、複数の静止画データのサムネイル画像の一覧表示を見て、この第1の印刷媒体に、印刷したい画像を選択するための選択マークを付す。そして、その選択マークが付された第1の印刷媒体を画像読取手段に読み取らせるだけで、所望の静止画データが抽出され、その画像が第2の印刷媒体に印刷される。従って、ユーザーが、静止画像印刷のために、通常の画像印刷時には行わない特殊な操作をする必要がないことから、機器の操作が苦手なユーザーでも、動画中の所望のシーンの静止画像を手軽に印刷することができる。
【0010】
第2の発明のプリンタ複合機は、前記第1の発明において、前記印刷手段は、前記動画データを識別するための動画識別マークを前記複数のサムネイル画像とともに前記第1の印刷媒体に印刷し、前記選択画像抽出手段は、前記第1の印刷媒体に印刷された前記動画識別マークから、前記印刷要求静止画データを抽出すべき前記動画データを認識することを特徴とするものである。
【0011】
この構成によれば、選択マークが付された第1の印刷媒体が画像読取手段で読み取られたときに、選択画像抽出手段が、第1の印刷媒体に印刷された動画識別マークから、印刷要求画像データを抽出する動画データを認識するため、どの動画データから印刷要求静止画データを抽出するのかを、プリンタ複合機がユーザーに問い合わせる必要がない。
【0012】
第3の発明のプリンタ複合機は、前記静止画データ抽出手段は、前記動画データから前記複数の静止画データを複数のグループに区分して抽出し、前記印刷手段は、前記複数のグループの各々に対応するグループ識別マークを、そのグループに属する前記静止画データのサムネイル画像とともに、1枚の前記第1の印刷媒体に一緒に印刷し、前記選択画像抽出手段は、前記第1の印刷媒体に印刷された前記グループ識別マークから、前記印刷要求静止画データを抽出すべき前記グループを認識することを特徴とするものである。
【0013】
複数枚の第1の印刷媒体にわたって複数のサムネイル画像を一覧表示する場合に、各サムネイル画像が何枚目の第1の印刷媒体に印刷されるかを定めるために、動画データから複数の静止画データを複数のグループに区分して抽出する。そして、1つのグループに属する静止画データのサムネイル画像を同じ第1の印刷媒体に印刷し、さらに、同じ第1の印刷媒体に、そのグループに対応するグループ識別マークを印刷する。そして、選択マークが付された第1の印刷媒体が画像読取手段で読み取られたときに、選択画像抽出手段が、第1の印刷媒体に印刷されたグループ識別マークから、印刷要求静止画データを抽出すべきグループを認識する。従って、どのグループから印刷要求静止画データを抽出すればよいかを、プリンタ複合機がユーザーに問い合わせる必要がない。
【0014】
第4の発明のプリンタ複合機は、前記第1〜第3の何れかの発明において、前記選択マークが、その選択マークの位置に対応する前記動画データ中の時間位置範囲内においてより細かな時間間隔でサムネイル画像を印刷することを要求するための、所定の形態で付されている場合には、前記静止画データ抽出手段は、前記時間位置範囲内で時間的に細分化して複数の静止画データを再度抽出し、前記印刷手段は、細分化された前記複数の静止画データのサムネイル画像を、前記第1の印刷媒体に印刷することを特徴とするものである。
【0015】
この構成によれば、ユーザーにより指示された時間位置範囲内で、時間的にさらに細分化してサムネイル画像を一覧表示することができるため、最適な画像(最も印刷したいシーンの画像)を、ユーザーが容易に選択することができる。
【0016】
第5の発明のプリンタ複合機は、前記第4の発明において、前記第1の印刷媒体に2つの前記選択マークが付されている場合には、前記静止画データ抽出手段は、前記2つの選択マークにそれぞれ対応する前記動画データ中の時間位置の間で時間的に細分化して、複数の静止画データを再度抽出することを特徴とするものである。
【0017】
この構成によれば、第1の印刷媒体に2つの選択マークを付すという簡単な作業をするだけで、プリンタ複合機に対して、それら2つの選択マーク間の時間範囲で、細分化してサムネイル画像を再度表示するように指示することができる。
【0018】
第6の発明のプリンタ複合機は、前記第5の発明において、前記第1の印刷媒体に2つの第1選択マークが付されている場合には、前記選択画像抽出手段は、前記2つの第1選択マークにそれぞれ対応する時間位置における静止画データを、前記印刷要求静止画データとして前記動画データから抽出し、前記第1の印刷媒体に前記第1選択マークとは異なる2つの第2選択マークが付されている場合には、前記静止画データ抽出手段は、前記2つの第2選択マークにそれぞれ対応する前記動画データ中の時間位置の間で時間的に細分化して、複数の静止画データを再度抽出することを特徴とするものである。
【0019】
この構成によれば、ユーザーが、印刷画像を選択する場合と細分化してサムネイル画像を再表示させる場合とで、選択マークの種類を変えるだけで、画像選択か細分化表示かの何れが要求されているかをプリンタ複合機側で認識することができる。
【0020】
第7の発明のプリンタ複合機は、前記第1〜第6の何れかの発明において、前記第1の印刷媒体の、ある2つの前記サムネイル画像とそれぞれ対応付けられた位置の間に、前記選択マークが付されている場合には、前記選択画像抽出手段は、前記2つのサムネイル画像の元となる2つの前記静止画データにそれぞれ対応する時間位置の間の静止画データを、前記印刷要求静止画データとして抽出することを特徴とするものである。
【0021】
この構成によれば、一覧表示されているサムネイル画像の元となる静止画データだけでなく、時間的にそれら静止画データの間に位置する静止画データをも、印刷要求静止画データとして抽出することができるため、サムネイル画像の元となる静止画データの画像よりもさらに印刷に適した画像を、ユーザーが選択して印刷することが可能になる。逆に言えば、サムネイル画像の表示間隔を大きくして、第1の印刷媒体に印刷されるサムネイル画像の枚数を少なくしつつも、最適な画像(最も印刷したいシーンの画像)をユーザーが選択することが可能になる。
【0022】
第8の発明のプリントシステムによれば、前記第1の発明と同様に、静止画像印刷のために、ユーザーがプリンタ複合機に対して特別な操作を行う必要がないことから、機器の操作が苦手なユーザーでも、動画中の所望のシーンの静止画像を手軽に印刷することができる。
【0023】
また、第9〜第15の発明の静止画像印刷プログラムによれば、前記第1〜第7の発明と同様の効果をそれぞれ得ることができる。
【0024】
なお、以上の本願発明における時間位置とは、動画データが開始してからの経過時間を含むとともに、その経過時間に対応するフレーム番号などの情報をも含むものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ユーザーは、第1の印刷媒体に印刷される、静止画データのサムネイル画像の一覧表示を見て、この第1の印刷媒体に、印刷したい画像を選択するための選択マークを付す。そして、その選択マークが付された第1の印刷媒体を画像読取手段に読み取らせるだけで、選択された静止画データの画像が第2の印刷媒体に印刷される。従って、機器の操作が苦手なユーザーでも、動画中の所望のシーンの静止画像を手軽に印刷することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<第1実施形態>
次に、本発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形態のプリンタ複合機を概略的に示す外観図であり、図2はプリンタ複合機の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【0027】
図1、図2に示すように、本実施形態のプリンタ複合機1は、印刷用紙P(印刷媒体)に画像を印刷する印刷ヘッド2(印刷手段)と、印刷用紙Pを所定方向(図1の前方)へ搬送する用紙搬送機構3と、印刷用紙Pに印刷された画像を読み取るスキャナ4(画像読取手段)と、印刷ヘッド2、用紙搬送機構3、スキャナ4等、プリンタ複合機1の各種機構をそれぞれ制御する制御装置5を備えている。
【0028】
図1に示すように、プリンタ複合機1は、略直方体状のプリンタ本体6を有し、このプリンタ本体6内に、印刷ヘッド2と用紙搬送機構3等が収容されている。印刷ヘッド2としては、インクジェット方式や、レーザー方式、あるいは、熱転写方式等、公知の方式で印刷用紙Pに印刷を行うものが用いられる。また、用紙搬送機構3は、モータで回転駆動される搬送ローラによって印刷用紙Pを所定方向へ搬送するように構成されている。
【0029】
スキャナ4は、プリンタ本体6の上部に設けられている。図1に示すように、このスキャナ4は、ガラス板からなる載置台(図示省略)と、この載置台の下側に配置された読取ユニット(図示省略)と、載置台の上面を覆うカバー7とを備えている。そして、スキャナ4は、載置台の上面に原稿が載置された後にカバー7が閉じられた状態で、読取ユニットにより原稿に印刷された画像を読み取るように構成されている。
【0030】
プリンタ本体6の前部の上側部分には傾斜面6aが形成され、この傾斜面6aには、ユーザーにより操作される複数の操作ボタンからなる操作部8と、プリンタ複合機1の動作状態やエラーメッセージ等を表示するディスプレイ9が設けられている。また、プリンタ本体6の前面の右側部分には、メモリーカード等のデータ記録媒体11が装着されるスロット10が設けられている。そして、データ記録媒体11に記録されている動画データや画像データ等のデータは、スロット10で読み出されて制御装置5に入力される。
【0031】
尚、以下では、説明の便宜上、データ記録媒体11からスロット10を介してプリンタ複合機1へ動画データ等の各種データが入力されるものとするが、プリンタ複合機1へのデータ入力はこのような構成に限られるものではない。例えば、プリンタ複合機1とデジタルビデオカメラがケーブルで接続され、このケーブルを介してプリンタ複合機1へデータが入力されてもよい。あるいは、ビデオ撮影機能付き携帯電話等から、赤外線等を利用した無線通信を介してプリンタ複合機1へデータが入力されてもよい。
【0032】
次に、制御装置5を中心とするプリンタ複合機1の電気的構成について、図2を参照して説明する。
制御装置5は、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、プリンタ複合機1の各種機構を制御するためのプログラムやデータ等が格納されたROM(Read Only Memory)、CPUで処理されるデータを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)、外部装置との間の信号の入出力を行う入出力インターフェース等で構成されている。
【0033】
図2に示すように、制御装置5は、印刷制御部20と、スロット10に装着されているデータ記録媒体11から入力された画像データや動画データが記憶される記憶部21とを有する。そして、ユーザーによる操作部8からの印刷指令が入力されたときには、記憶部21に記憶されているデータに基づいて、印刷制御部20が印刷ヘッド2と用紙搬送機構3をそれぞれ制御することにより、印刷用紙Pに所望の画像を印刷するように構成されている。また、制御装置5は、プリンタ複合機1の状態(印刷状態、または、待機状態)やエラーメッセージ等をディスプレイ9に表示させて、これらの情報をユーザーに通知する。
【0034】
これに加えて、本実施形態のプリンタ複合機1は、以下のような、従来の複合機にはない特有の構成を有する。即ち、操作部8を介したユーザーからの要求に応じて、データ記録媒体11から入力された動画データから複数の静止画データを抽出して、これら複数の静止画データのサムネイル画像30(縮小画像)を印刷用紙P1に印刷することが可能に構成されている(サムネイル画像印刷処理:図6参照)。さらに、ユーザーにより、サムネイル画像30が印刷された印刷用紙P1(第1の印刷媒体)に、拡大印刷する画像を選択する選択マーク31が付された状態で(図7参照)、この印刷用紙P1がスキャナ4により読み込まれたときには、選択マーク31に対応する静止画データを抽出してその画像32を別の印刷用紙P2(第2の印刷媒体)に印刷することが可能に構成されている(選択画像印刷処理:図8参照)。この特有の構成について、以下詳細に説明する。
【0035】
図2に示すように、制御装置5は、入力された動画データから、一覧表示用(サムネイル表示用)の複数の静止画データを抽出する静止画データ抽出部22(静止画データ抽出手段)を有する。また、制御装置5の記憶部21は、データ記録媒体11から入力された動画データを一時記憶する動画データ記憶部23と、静止画データ抽出部22により抽出された複数の静止画データとそれらの動画データ中の時間との対応関係を記憶する対応関係記憶部24(記憶手段)を有する。さらに、制御装置5は、ユーザーによって選択マーク31が付された印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られたときに、選択マーク31に対応する静止画データ(印刷要求静止画データ)を動画データから抽出する選択画像抽出部25(選択画像抽出手段)を備えている。
【0036】
尚、印刷制御部20、静止画データ抽出部22、対応関係記憶部24、及び、選択画像抽出部25等は、制御装置5を構成しているCPU,ROM,RAM等により実現されている。言い換えれば、制御装置5のROMに、動画データ中から静止画データを抽出して印刷するための、静止画像印刷プログラムが格納されており、このROMに格納されたプログラムが、制御装置5のCPUで実行されることで、印刷制御部20、静止画データ抽出部22、対応関係記憶部24、及び、選択画像抽出部25等の、それぞれの機能が実現される。
【0037】
次に、第1実施形態の制御装置5によって実現される、サムネイル画像印刷処理、及び、選択画像印刷処理を含む一連の静止画像印刷処理について、図3のフローチャートと、図4〜図8を参照して説明する。但し、図3において、Si(i=10,11,12・・・)は各ステップを示す。
【0038】
(サムネイル画像印刷処理)
まず、データ記録媒体11に記録されている所定の動画データについて、サムネイル画像印刷実行を要求する指令が、ユーザーにより操作部8から入力されると(S10:Yes)、静止画データ抽出部22は、その動画データから複数の静止画データを抽出する(S11:静止画データ抽出ステップ)。
【0039】
具体的には、まず、データ記録媒体11がスロット10に挿入されている状態で、サムネイル画像印刷の指令がユーザーから操作部8を介して入力されると、制御装置5は、データ記録媒体11に格納されている動画データ(ファイル名)のリストをディスプレイ9に表示させる。そして、リストの中の1つの動画データがユーザーにより操作部8から選択されると、その選択された動画データがスロット10により読み出され、動画データ記憶部23に一時記憶される。
【0040】
そして、図4に示すように、静止画データ抽出部22は、動画データ記憶部23に記憶された動画データ50から、複数の静止画データ(フレーム)を等しい時間間隔Tで切り出す。即ち、動画データ中における時間(時刻)tがそれぞれ、0,T,2T,・・・,nT,(n+1)Tである、複数のフレーム(F0,F1,F2・・・Fn,F(n+1)・・・)をそれぞれ抽出する。さらに、抽出された複数の静止画データのそれぞれに対して、画像サイズを小さくした一覧表示用のサムネイル画像データ(DAT0、DAT1,DAT2・・・)を生成する。
【0041】
尚、静止画データ抽出部22が、動画データ50から一覧表示用の複数の静止画データを抽出する時間間隔Tは、予め設定された固定値であってもよいし、ユーザーにより操作部8から任意に設定される値であってもよい。あるいは、データ抽出対象となる動画データの総時間に応じて、静止画データ抽出部22が適切な時間間隔Tの値を設定してもよい。例えば、総時間の長い動画データから静止画データを抽出する場合には、時間間隔Tを大きくし、総時間の短い動画データから静止画データを抽出する場合には、時間間隔Tを小さく(細かく)する。
【0042】
次に、図5に示すように、対応関係記憶部24は、静止画データ抽出部22により抽出された複数の静止画データのフレーム番号(F0,F1,F2・・・)、それら静止画データの動画データ中の時間t、及び、サムネイル画像データ(DAT0、DAT1,DAT2・・・)を対応付けて記憶する(S12:記憶ステップ)。また、これらの対応関係を示すデータには、静止画データを抽出した動画データを識別するための、動画データID(“ABC”)が付される。
【0043】
S12までの処理が終了すると、印刷制御部20は、図5に示す、対応関係記憶部24に記憶された複数のサムネイル画像データ(DAT0、DAT1,DAT2・・・)と動画データ中の時間tとの対応関係に基づいて、印刷ヘッド2を制御する。即ち、印刷ヘッド2は、複数の静止画データにそれぞれ対応する複数のサムネイル画像30を、動画データ中の時間に対応付けて一覧表示されるように、印刷用紙P1に印刷する(S13:第1印刷ステップ)。
【0044】
図6は、複数のサムネイル画像30の具体的な印刷例を示している。この図6においては、動画データから5秒の時間間隔(T=5s)で抽出された複数の静止画データのサムネイル画像30のうち、12枚のサムネイル画像30が、1枚の印刷用紙P1に印刷されている。ここで、12枚のサムネイル画像30のうち、時間が最も早いサムネイル画像30は印刷用紙P1の左上の位置(1行目の左端)に印刷され、それよりも時間が経過したサムネイル画像30はその右側に印刷される。さらに、各行(横の列)の右端のサムネイル画像30よりも時間が遅いサムネイル画像30は、その下の行の左端に印刷される。つまり、12枚のサムネイル画像30は、元となる静止画データの動画データ中における時間に応じて、印刷用紙P1の左上の位置から右下の位置まで、順番に印刷されることになる。
【0045】
また、印刷ヘッド2は、印刷用紙P1の右上の位置に、静止画データが抽出された動画データを識別するための動画データID33(“ABC”:動画識別マーク)を印刷する。さらに、印刷ヘッド2は、各サムネイル画像30のすぐ下の位置に、そのサムネイル画像30に対応する静止画データの時間と、チェックボックス34とを印刷する。ここで、複数のサムネイル画像30が、対応する静止画データの動画データ中の時間に応じた位置に印刷されていることから、複数のサムネイル画像30にそれぞれ対応する複数のチェックボックス34も、動画データ中の時間に応じた位置に印刷されることになる。
【0046】
尚、このサムネイル画像30の印刷を行った後は、サムネイル画像データは不要となるので、対応関係記憶部24からサムネイル画像データを消去するようにしてもよい。但し、図5における、フレーム番号(F0,F1,F2,・・・)と動画データ中の時間tとの対応関係は、後ほどユーザーにより選択された静止画像のデータを抽出するために必要となるため、消去しない。
【0047】
このように、印刷用紙P1にサムネイル画像30が印刷された後、図7に示すように、ユーザーがペン等で手書きするなどして、任意のサムネイル画像30(図7では、14時間30分35秒の静止画データに対応するサムネイル画像)のチェックボックス34に選択マーク31が付されることにより、印刷したい画像が選択される。
【0048】
(選択画像印刷処理)
サムネイル画像30が印刷された印刷用紙P1が、ユーザーによる所定操作(蓋部7の開放、載置台への印刷用紙P1のセット、及び、読取開始指令の入力等)が行われることによって、スキャナ4で読み取られると(S14:Yes)、選択画像抽出部25は、スキャナ4で得られた画像データから、印刷用紙P1の右上の位置に印刷されている動画データID33と、選択マーク31が付されているチェックボックス34の位置情報を検出する。
【0049】
ここで、ユーザーのミスにより、選択マーク31が付されずにスキャナ4の読み取りが行われてしまった場合や、チェックされた選択マーク31が薄くて読みとれない場合など、選択画像抽出部25が選択マーク31を検出することができなかった場合には(S15:No)、制御装置5は、選択マーク31が付されていない旨をユーザーに対して通知するエラーメッセージを、ディスプレイ9に表示させる(S16)。
【0050】
一方、選択画像抽出部25が選択マーク31を検出した場合には(S15:Yes)、選択画像抽出部25は、まず、取得した動画データID33から、静止画データを抽出すべき動画データを認識する。また、前述したように、各サムネイル画像30に対応するチェックボックス34は、そのサムネイル画像30の元となる静止画データの時間に応じた位置に印刷されている。そこで、選択画像抽出部25は、選択マーク31が付されたチェックボックス34(サムネイル画像30)の位置から、そのチェックボックス34に対応する動画データ中の時間、即ち、ユーザーにより印刷が要求されている静止画データの時間を認識する。さらに、対応関係記憶部24に記憶されている、フレーム番号と動画データ中の時間との関係を参照して、選択マーク31に対応するフレームの番号を認識し、このフレーム番号の静止画データ(即ち、印刷が要求されている印刷要求静止画データ)を動画データから抽出する(S17:選択画像抽出ステップ)。
【0051】
このように、選択画像抽出部25により印刷要求静止画データが抽出されると、図8に示すように、印刷制御部20により制御される印刷ヘッド2が、印刷要求静止画データの画像32を、その動画データ中の時間(例えば、14時間30分35秒)とともに、サムネイル画像30が印刷された印刷用紙P1とは別の印刷用紙P2(第2の印刷媒体)に印刷する(S18:第2印刷ステップ)。
【0052】
尚、ユーザーが印刷用紙P1(第1の印刷媒体)に付ける選択マーク31は1つに限られるものではなく、複数の選択マーク31を付けることにより、印刷したい静止画像を複数選択することも可能である。この場合には、選択画像抽出部25は、複数の選択マーク31に対応する動画データ中の時間をそれぞれ認識し、それら時間に対応する複数の印刷要求静止画データを抽出する。そして、印刷ヘッド2は、選択画像抽出部25により抽出された複数の印刷静止画データの画像を、複数枚の印刷用紙P2(第2の印刷媒体)にそれぞれ印刷する。
【0053】
以上説明した第1実施形態のプリンタ複合機1によれば、次のような効果が得られる。
ユーザーは、印刷用紙P1に印刷された、複数の静止画データのサムネイル画像30の一覧表示を見て、この印刷用紙P1に、印刷したい画像を選択するための選択マーク31を付す。そして、その選択マーク31が付された印刷用紙P1をスキャナ4に読み取らせるだけで、所望の静止画像が別の印刷用紙P2に自動的に印刷される。従って、静止画像印刷のために、ユーザーが、通常の画像印刷時には行わない特殊な操作をする必要がないため、機器の操作が苦手なユーザーでも、動画中の所望のシーンの静止画像を手軽に印刷することができる。
【0054】
また、印刷ヘッド2は、印刷用紙P1にサムネイル画像30を印刷する際に、同時に、動画データID33(動画識別マーク)を印刷する。そのため、選択マーク31が付された印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られたときに、選択画像抽出部25が、印刷用紙P1に印刷された動画データID33から、印刷要求画像データを抽出する動画データを認識することができる。従って、どの動画データから静止画像を抽出するのかを、プリンタ複合機1がユーザーに問い合わせる必要がない。
【0055】
但し、どの動画データから静止画像を抽出するのかを、プリンタ複合機1が他の方法で認識できる場合には、印刷ヘッド2は、サムネイル画像30とともに動画データID33(動画識別マーク)を印刷用紙P1に印刷する必要は特にない。例えば、選択マーク31が付された印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られたときに、動画データのファイル名のリストをディスプレイ9に表示して、静止画データを抽出する動画データをユーザーに選択させるようにしてもよい。あるいは、選択マーク31が付された印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られたときに、その直前にサムネイル画像印刷の対象となった動画データを、選択マーク31に対応する静止画データを抽出すべき動画データであるとみなすことも可能である。
【0056】
以上説明した第1実施形態に対して、次のような変更を加えることも可能である。
1]前記第1実施形態においては、印刷ヘッド2は、印刷用紙P1に複数のサムネイル画像30を印刷する際に、ユーザーが選択マーク31を付しやすくするために、複数のサムネイル画像30にそれぞれ対応した複数のチェックボックス34を同時に印刷している(図6、図7参照)。しかし、複数のサムネイル画像30は、対応する静止画データの時間に応じた位置にそれぞれ印刷されることから、チェックボックス34の有無にかかわらず、選択マーク31が付されている位置から、選択画像抽出部25が動画データ中の時間を認識することは可能である。従って、印刷ヘッド2が複数のサムネイル画像30とともにチェックボックス34を印刷する必要は必ずしもない。尚、このように、印刷用紙P1にチェックボックス34が印刷されていない場合には、ユーザーは、任意のサムネイル画像30に直接選択マーク31を書き込んだり、あるいは、サムネイル画像30の周囲の位置に選択マーク31を付けたりすればよい。
【0057】
2]動画データの総時間や静止画データを抽出する時間間隔によっては、1つの動画データから抽出される静止画データの数が多く、これら静止画データに対応するサムネイル画像30を1枚の印刷用紙P1に全て印刷しきれない場合もある。このような場合には、1つの動画データのサムネイル画像30を複数枚の印刷用紙P1にわたって印刷することになる。
【0058】
その場合、まず、静止画データ抽出部22は、動画データから、複数の静止画データを複数のグループに区分して抽出する。そして、印刷制御部20は、ある静止画データのサムネイル画像30を何枚目の印刷用紙に印刷すればよいかということを、その静止画データが属するグループから判断し、それに基づいて印刷ヘッド2を制御する。つまり、印刷ヘッド2は、ある1つのグループに属する複数の静止画データのサムネイル画像を、1枚の印刷用紙P1に印刷することになる。
【0059】
このとき、図9に示すように、印刷ヘッド2が、各グループに属する静止画データのサムネイル画像30を1枚の印刷用紙P1に印刷するとともに、さらに、同じ印刷用紙P1に、そのグループに対応するグループ識別マーク35を印刷することが好ましい。尚、図9中の “3/6” というグループ識別マーク35は、サムネイル画像30が印刷された全6枚の印刷用紙P1のうち、3枚目の印刷用紙P1を示している。
【0060】
この場合、サムネイル画像30が印刷された複数枚の印刷用紙P1の何れか1枚に選択マーク31が付された後、この印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られたときには、選択画像抽出部25は、スキャナ4で得られた画像データから、選択マーク31が付された位置を認識するとともに、グループ識別マーク35から、選択マーク31に対応する静止画データ(印刷要求静止画データ)を抽出すべきグループを認識することができる。このように、印刷ヘッド2が、1つのグループに属する複数のサムネイル画像30とこれらサムネイル画像30に対応するグループ識別マーク35を、1枚の印刷用紙P1に印刷することで、その印刷用紙P1が選択マーク31が付された状態でスキャナ4に読み取られたときに、どのグループから静止画像を抽出すればよいかをプリンタ複合機1が把握でき、ユーザーに問い合わせる必要がない。
【0061】
尚、静止画像を抽出すべきグループを、プリンタ複合機1が他の方法で認識できる場合には、印刷ヘッド2が、印刷用紙P1にサムネイル画像30とともにグループ識別マーク35を印刷する必要はない。例えば、選択マーク31が付された印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られたときに、ディスプレイ9にメッセージを表示して、何枚目の印刷用紙P1をスキャナ4で読み込ませたのかを、ユーザーに操作部8から入力させるようにしてもよい。
【0062】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。この第2実施形態のプリンタ複合機は、動画データから抽出した静止画データのサムネイル画像30を印刷用紙P1に一覧表示し、その後、ユーザーにより選択された静止画データの画像を別の印刷用紙P2に印刷するという基本的構成については、前述した第1実施形態とほぼ同じである。そこで、以下の説明においては、前記第1実施形態とは相違する構成を中心に説明するものとし、前記第1実施形態と同様の構成については適宜その説明を省略する。
【0063】
ユーザーが、印刷に最も適した画像(最も印刷したいシーンの画像)を選択できるようにするためには、その画像が見逃されることがないように、できるだけ細かい時間間隔で静止画データを抽出してそれらのサムネイル画像30を印刷用紙P1に一覧表示することが好ましい。しかし、動画の総時間が長い場合に、静止画データを抽出する時間間隔を細かくすると、抽出される静止画データの総数が膨大な数になって、多数の印刷用紙P1にわたってサムネイル画像30を印刷することになり、ユーザーによる画像選択がかえって難しくなる。
【0064】
そこで、この第2実施形態のプリンタ複合機は、ユーザーからサムネイル画像印刷の要求があった場合には、まず、粗い(大きな)時間間隔で静止画データを抽出してサムネイル画像30を印刷用紙P1に印刷する。その後、ユーザーにより、ある時間範囲においてより細かな時間間隔でサムネイル画像30を再度印刷するように選択マーク31が付された場合には、その指定された時間範囲について、時間的に細分化して(より細かな時間間隔で)静止画データを抽出し、細分化されたサムネイル画像30を再度印刷する。
【0065】
この第2実施形態における、サムネイル画像印刷、及び、選択画像印刷を含む一連の静止画像印刷処理について、図10のフローチャートと、図11〜図13を参照して説明する。
【0066】
まず、所定の動画データについてサムネイル画像印刷を要求する指令が、ユーザーによって操作部8から入力されると(S20:Yes)、静止画データ抽出部22は、その動画データから比較的大きな時間間隔で複数の静止画データを抽出する(S21)。さらに、対応関係記憶部24は、静止画データ抽出部22により抽出された複数の静止画データのフレーム番号、それらの動画データ中の時間、及び、サムネイル画像データを対応付けて記憶する(S22)。
【0067】
そして、印刷制御部20により制御される印刷ヘッド2が、複数の静止画データにそれぞれ対応する複数のサムネイル画像30が動画データ中の時間に対応付けて一覧表示されるように、これらサムネイル画像30を印刷用紙P1に印刷する(S23)。このとき、印刷ヘッド2は、複数のサムネイル画像30にそれぞれ対応する複数のチェックボックス34も印刷用紙P1に印刷する。図11には、5秒の時間間隔で12枚のサムネイル画像30が印刷された印刷用紙P1が示されている。
【0068】
その後、任意のサムネイル画像30に対応するチェックボックス34に選択マーク31が付された後、この印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られる(S24:Yes)と、選択画像抽出部25により、スキャナ4で得られた画像データから選択マーク31が検出される。但し、選択画像抽出部25が選択マーク31を検出することができなかった場合には(S25:No)、制御装置5は、選択マーク31が付されていない旨を通知するエラーメッセージをディスプレイ9に表示させる(S26)。
【0069】
選択画像抽出部25が選択マーク31を検出した場合(S25:Yes)、選択画像抽出部25は、その選択マーク31が、印刷要求静止画データの選択を示しているのか、あるいは、選択マーク31がある時間範囲を指定しており、その範囲内で時間的に細分化することを要求しているのかを判断する(S27)。この判断は、ユーザーによる選択マーク31の付され方に基づいて行われる。
【0070】
例えば、図12に示すように、あるサムネイル画像30のチェックボックス34に、1つの選択マーク31a(第1選択マーク)が付されている場合には、選択画像抽出部25は、選択マーク31aに対応する静止画データを選択して印刷することをユーザーから要求されていると判断する(S27:Yes)。一方、図13に示すように、2つのサムネイル画像30にそれぞれ対応する2つのチェックボックス34に、2つの選択マーク31b(第2選択マーク)がそれぞれ付されている場合には、選択画像抽出部25は、これら2つの第2選択マーク31bにそれぞれ対応する時間の間で、細分化して静止画データを再抽出することをユーザーから要求されていると判断する(S27:No)。この場合は、ユーザーは、印刷用紙P1に2つの選択マーク31bを付すという簡単な作業をするだけで、プリンタ複合機1に対して、それら2つの選択マーク31b間の時間範囲で、さらに時間的に細分化したサムネイル画像30を再度表示するように指示することができる。
【0071】
尚、図12、図13に示されているように、印刷画像選択のための選択マーク31a(第1選択マーク)と、細分化する時間範囲を指定するための選択マーク31b(第2選択マーク)を互いに異なる形状のマークにすれば、プリンタ複合機1が、上記の判断をより適切に行うことができるようになる。例えば、2つのサムネイル画像30に対応する2つの静止画像をそれぞれ印刷したい場合においても、ユーザーは2つのサムネイル画像30にそれぞれ選択マーク31を付けることになるが、このときに付される選択マーク31a(第1選択マーク)の形状は、細分化する時間範囲を指定する際の選択マーク31b(第2選択マーク)と異なる。そのため、選択画像抽出部25は、より細かい時間間隔で静止画データを再抽出することが要求されていると誤って判断してしまうことがない。つまり、印刷画像選択用の選択マーク31aと、細分化指定用の選択マーク31bを異ならせるだけで、画像選択と細分化表示の何れが要求されているかを、プリンタ複合機1の選択画像抽出部25により正しく認識させることができる。
【0072】
もちろん、ユーザーによって選択マーク31が付されたときに、印刷画像選択か細分化する時間範囲を指定しているのかを、別の方法でプリンタ複合機1が認識できれば、印刷画像選択のための選択マーク31aと、細分化する時間範囲を指定するための選択マーク31bを、異なる形状にする必要はない。例えば、印刷用紙P1に2つの選択マーク31が付されている場合には、ディスプレイ9にメッセージを表示して、2つの画像を印刷するように要求しているのか、細分化した静止画データを抽出して再度サムネイル画像30を印刷するように要求しているのかを、ユーザーに問い合わせるようにすればよい。
【0073】
図10のフローチャートに戻って、印刷用紙P1に付された選択マーク31から、その選択マーク31に対応する静止画データを印刷することが要求されていると、選択画像抽出部25が判断した場合には(S27:Yes)、前記第1実施形態と同様に、選択画像抽出部25は、選択マーク31が付されたチェックボックス34の位置に対応する動画データ中の時間(即ち、ユーザーにより印刷が要求されている、印刷要求静止画データの時間)を認識する。さらに、対応関係記憶部24を参照し、認識した動画データ中の時間に対応する印刷要求静止画データを動画データから抽出する(S28)。そして、印刷ヘッド2は、選択画像抽出部25により抽出された印刷要求静止画データの画像を、別の印刷用紙P2(第2の印刷媒体)に印刷する(S29)。
【0074】
一方、印刷用紙P1に付された選択マーク31から、ある時間範囲内で時間的に細分化して静止画データを再抽出し、細分化したサムネイル画像30を再度表示することが要求されていると、選択画像抽出部25が判断した場合には(S27:No)、静止画データ抽出部22は、動画データから静止画データを抽出する際の時間間隔を小さく設定し直し(S30)、新たに設定された時間間隔で細分化して静止画データを再度抽出する(S21)。また、対応関係記憶部24は、再抽出された(細分化された)静止画データと時間との対応関係を新たに記憶する(S22)。そして、印刷ヘッド2が、細分化された静止画データに対応するサムネイル画像30を印刷用紙P1に印刷する(S23)。例えば、図14に示すように、図11の1回目のサムネイル画像印刷時(T=5s)よりもさらに細かい時間間隔(T=1s)で、サムネイル画像30が印刷されることになる。
【0075】
以上の静止画データの再抽出は、印刷画像の選択がなされたと判断される(S27がYesとなる)まで、繰り返し行われる。そして、図14に示すように、あるサムネイル画像30のチェックボックス34に選択マーク31aが付されて、ユーザーから画像選択がなされたと選択画像抽出部25が判断したときには(S27:Yes)、その選択マーク31aに対応する印刷要求静止画データを動画データから抽出する(S28)。さらに、図15に示すように、印刷ヘッド2が、抽出された印刷要求静止画データの画像32を印刷用紙P2に印刷する。
【0076】
この第2実施形態のプリンタ複合機1によれば、ユーザーにより指定された時間範囲内で、時間的にさらに細分化して静止画データを抽出し、それら静止画データのサムネイル画像30を再度一覧表示するため、最適な画像(最も印刷したいシーンの画像)を、ユーザーが容易に選択することができる。
【0077】
尚、以上説明した第2実施形態では、2つの選択マーク31bが印刷用紙P1に付けられている場合に、静止画データを細分化する時間範囲が指定されていると選択画像抽出部25が判断しているが、判断手法はこのようなものに限られない。例えば、2以上の複数のサムネイル画像30に跨って選択マーク31が付されている場合に、それら複数のサムネイル画像30に対応する時間範囲内で細分化が指定されていると判断してもよい。
【0078】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。前述した第1実施形態のプリンタ複合機は、印刷用紙P1に印刷された複数のサムネイル画像30のうちの、任意のサムネイル画像30に対してユーザーにより選択マーク31が付されると、選択画像抽出部25は、選択マーク31が付されたサムネイル画像30に対応する静止画データを印刷画像静止画データとして抽出している。
【0079】
一方、以下に説明する第3実施形態のプリンタ複合機1は、一覧表示されたサムネイル画像30に対応する静止画データだけでなく、時間的にそれらの間に位置する、サムネイル画像が印刷されていない静止画データをも、印刷画像静止画データとして抽出できる点で、第1実施形態と異なっている。
【0080】
この第3実施形態における、サムネイル画像印刷、及び、選択画像印刷を含む一連の静止画像印刷処理を、図16のフローチャートと図17〜図21を参照して説明する。
【0081】
まず、サムネイル画像印刷を要求する指令が、ユーザーによって操作部8から入力されると(S40:Yes)、静止画データ抽出部22は、その動画データから複数の静止画データを抽出する(S41)。
【0082】
ここで、静止画データ抽出部22は、動画データ記憶部23に記憶された動画データから、複数の静止画データ(フレーム)を等しい時間間隔Tで切り出す。即ち、図17に示すように、動画データ中における時間(時刻)tがそれぞれ、0,T,2T,・・・,nT,(n+1)Tである、複数のフレーム(F0,F1,F2・・・Fn,F(n+1)・・・)をそれぞれ抽出する。さらに、抽出された静止画データに対して、画像サイズを小さくした一覧表示用のサムネイル画像データを生成する。
【0083】
但し、この第3実施形態においては、静止画データ抽出部22は、抽出された複数の静止画データの全てに対してサムネイル画像データを作成するわけではなく、一部の静止画データに対してのみサムネイル画像データを作成する。より具体的には、図17に太線で示されている、時間間隔5T毎で抽出されているフレーム(F0,F5,・・・,Fn)についてのみサムネイル画像データ(DAT0,DAT5,・・・,DATn)を生成し、時間的にそれらの間に位置する静止画データに対してはサムネイル画像データを生成しない。
【0084】
そして、図18に示すように、対応関係記憶部24は、静止画データ抽出部22により抽出された複数の静止画データのフレーム番号(F0,F1,F2・・・)、動画データ中の時間t、及び、サムネイル画像データ(DAT0、DAT5・・・)をそれぞれ対応付けて記憶する(S42)。但し、前述したように、静止画データ抽出部22において、フレーム番号F0,F5等の一部の静止画データに対してのみサムネイル画像データが生成されていることから、これら一部の静止画データに対応するサムネイル画像データのみが、フレーム番号及び時間tに対応付けて記憶される(図18において、サムネイル画像データが生成されていないフレーム(F1,F2等)に対応する、サムネイル画像データの欄には“−”が付されている)。
【0085】
以上の処理が終了すると、印刷ヘッド2は、抽出された複数の静止画データのうちの、一覧表示用の静止画データ(フレーム番号F0,F5等)にそれぞれ対応する複数のサムネイル画像30を、動画データ中の時間に対応付けて一覧表示されるように、これらサムネイル画像30を印刷用紙P1に印刷する(S43)。
【0086】
図19は、複数のサムネイル画像30の具体的な印刷例を示している。この図19においては、動画データから5秒の時間間隔で抽出された、一覧表示用の複数の静止画データ(フレーム番号F0,F5等)のサムネイル画像30のうち、12枚のサムネイル画像30が、1枚の印刷用紙P1に印刷されている。
【0087】
また、図19に示すように、印刷ヘッド2は、各サムネイル画像30のすぐ下の位置に、そのサムネイル画像30の元となる静止画データの時間を印刷する。さらにその下に、用紙幅方向に並ぶ複数(図12では3つ)のサムネイル画像30にわたって延びるチェック欄40を印刷する。このチェック欄40は、動画データ中の時間に対応付けられて印刷される。即ち、チェック欄40の、あるサムネイル画像30のすぐ下の位置(サムネイル画像30に対応付けられた位置)は、そのサムネイル画像30の元となる静止画データの時間に対応付けられている。また、チェック欄40の、2つのサムネイル画像30の間の位置は、それら2つのサムネイル画像30の元となる2つの静止画データの間の時間に対応付けられている。
【0088】
このようにして、印刷用紙P1にサムネイル画像30とチェック欄40が印刷されると、図20に示すように、ユーザーは、各サムネイル画像30の下に印刷された動画データ中の時間を参照しながら、印刷したい画像の時間を推定し、その推定した時間に対応する、チェック欄40の所定の位置に選択マーク31を付ける。即ち、あるサムネイル画像30に対応する静止画像そのものを印刷させたい場合には、そのサムネイル画像30のすぐ下の位置において、チェック欄40に選択マーク31を付ける。また、ある2つのサムネイル画像30を見て、時間的にそれらの間にあると思われるシーンの画像を印刷させたい場合には、それら2つのサムネイル画像30の間の位置において、チェック欄40に選択マーク31を付ける。
【0089】
その後、選択マーク31が付された印刷用紙P1がスキャナ4で読み取られる(S44:Yes)と、選択画像抽出部25により、スキャナ4で得られた画像データから選択マーク31が検出される。但し、選択画像抽出部25が選択マーク31を検出することができなかった場合には(S45:No)、制御装置5は、選択マーク31が付されていない旨を通知するエラーメッセージをディスプレイ9に表示させる(S46)。
【0090】
選択画像抽出部25が選択マーク31を検出した場合には(S45:Yes)、選択画像抽出部25は、チェック欄40の選択マーク31が付されている位置から、その選択マーク31に対応する動画データ中の時間(即ち、ユーザーにより印刷が要求されている静止画データの時間)を認識する。そして、対応関係記憶部24に記憶された、フレーム番号と動画データ中の時間との関係を参照して、認識した時間に対応するフレーム番号の静止画データ(印刷要求静止画データ)を動画データから抽出する(S47)。
【0091】
選択マーク31が、チェック欄40の、あるサムネイル画像30と対応する位置(サムネイル画像30のすぐ下の位置)に付されている場合には、選択画像抽出部25は、そのサムネイル画像30に対応する動画データ中の時間を認識して、サムネイル画像30の元となる静止画データを印刷要求静止画データとして抽出する。一方、図20に示すように、選択マーク31が、チェック欄40の、2つのサムネイル画像30に対応する位置の間に付されている場合には、選択画像抽出部25は、2つのサムネイル画像30の元となる2つの静止画データの間の時間を認識する。つまり、サムネイル画像30が印刷された2つの静止画データの間に位置する静止画データ(図17、図18における、サムネイル画像データが作成されているフレームF0,F5等の間に位置する、F1〜F4等のフレーム)を、印刷要求静止画データとして抽出する。
【0092】
このようにして、選択画像抽出部25により印刷要求静止画データが抽出されると、印刷ヘッド2は、図21に示すように、選択画像抽出部25により抽出された印刷要求静止画データの画像32を、その動画データ中の時間(例えば、14時間30分42秒)とともに、別の印刷用紙P2(第2の印刷媒体)に印刷する(S48)。
【0093】
この第3実施形態によれば、表示されているサムネイル画像30の元となる静止画データだけでなく、時間的にそれら静止画データの間に位置する静止画データをも、印刷要求静止画データとして抽出することができるため、サムネイル画像30の元となる静止画データの画像よりも、さらに印刷に適した画像を、ユーザーが選択して印刷することが可能になる。逆に言えば、サムネイル画像30の表示間隔を大きく(粗く)して、サムネイル画像30の枚数を少なくしつつも、最適な画像(最も印刷したいシーンの画像)をユーザーが選択することが可能になる。
【0094】
尚、上述した第3実施形態においては、図17に示すように、サムネイル画像30の印刷前に、静止画データ抽出部22が、一覧表示用の静止画データ(サムネイル画像データを生成する静止画データ:フレームF0,F5等)だけでなく、それらの間の静止画データ(フレームF1〜F4等)をも抽出している。しかし、サムネイル画像30の印刷前には、静止画データ抽出部22が一覧表示用の静止画データのみを抽出し、ユーザーによって、それら一覧表示用の静止画データの間の時間が指定されたときに初めて、選択画像抽出部25がその時間に対応する静止画データを抽出するようにしてもよい。
【0095】
また、複数のサムネイル画像30は、対応する静止画データの時間に対応付けられた位置にそれぞれ印刷されていることから、チェック欄40の有無にかかわらず、選択マーク31が印刷用紙P1のどの位置に付されているかが判別できれば、選択画像抽出部25が選択マーク31に対応する動画データ中の時間を認識することが可能である。従って、印刷ヘッド2が複数のサムネイル画像30とともにチェック欄40を印刷する必要は必ずしもない。尚、このようにチェック欄40が印刷用紙P1に印刷されない場合には、ユーザーは、任意のサムネイル画像30に直接選択マーク31を書き込んだり、あるいは、2つのサムネイル画像30の間の位置に選択マーク31を付けたりすればよい。
【0096】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。前述した第1〜第3実施形態においては、プリンタ複合機1(の制御装置5)が静止画像印刷処理の全てを行っている。しかし、この静止画像印刷処理は、プリンタ複合機単体で全て実行される必要は特にない。即ち、プリンタ複合機と、このプリンタ複合機を制御する外部制御手段とを含む、プリントシステム全体で実現されてもよい。
【0097】
図22、図23に示すように、第4実施形態のプリントシステム100は、印刷ヘッド2(印刷手段)及びスキャナ4(画像読取手段)を有するプリンタ複合機51と、このプリンタ複合機51を制御するパーソナルコンピュータ52(PC:制御手段)とを備えている。
【0098】
プリンタ複合機51は、印刷ヘッド2及びスキャナ4の他、用紙搬送機構3、操作部8、ディスプレイ9、及び、これらを制御する制御装置55等を有するが、このプリンタ複合機51の主要構成は、前述した第1実施形態とほぼ同様であるので、その説明は省略する。また、PC52は、CPU、ROM、RAM、ハードディスク等の大容量記憶装置などを備えている。大容量記憶装置には、CPUによって実行される種々のアプリケーションプログラムや、動画データ等の各種データが格納されている。
【0099】
そして、この第4実施形態においては、前述した第1実施形態においてはプリンタ複合機の制御装置に設けられていた、静止画データ抽出部62、動画データ記憶部63、対応関係記憶部64、及び、選択画像抽出部65がPC52に設けられており、これら静止画データ抽出部62、動画データ記憶部63、対応関係記憶部64、及び、選択画像抽出部65は、PC52のCPU、ROM、RAM、及び、大容量記憶装置等により構成されている。言い換えれば、PC52の大容量記憶装置に格納されているプログラムが、動画データから複数の静止画データを抽出する静止画データ抽出ステップ(図3のS11)、複数の静止画データとそれらの時間とを対応付けて記憶する記憶ステップ(S12)、及び、ユーザーにより付された選択マーク31から印刷画像静止画データを抽出する選択画像抽出ステップ(S17)等を、PC52のCPUに実行させる。
【0100】
この第4実施形態の構成によれば、前記第1実施形態に対して、静止画データの抽出や選択画像の抽出等の一部の処理をPC52側で行うという違いはあるものの、その結果、実現される作用・効果はほぼ同じである。即ち、静止画像印刷のために、ユーザーが、通常の画像印刷時には行わない特殊な操作をする必要がないため、機器の操作が苦手なユーザーでも、動画から所望のシーンの静止画像を手軽に印刷することができる。
【0101】
また、静止画データ抽出部、動画データ記憶部、対応関係記憶部、及び、選択画像抽出部の全てがPC側に設けられている必要はなく、これらの一部のみがPCに設けられ、残りは、前記第1実施形態と同様に、プリンタ複合機の制御装置に設けられていてもよい。
【0102】
以上説明した本発明の実施形態において、対応関係記憶部24,64は、複数の静止画データのフレーム番号と、それら静止画データの動画データ中の時間tと、サムネイル画像データを対応付けて記憶するものであったが、各静止画データの動画データ中の時間tは必ずしも記憶しなくてもよい。そしてこの場合には、印刷制御部20は動画データ中の時間tの替わりにフレーム番号に基づいて所定のサムネイル画像30が印刷されるように印刷ヘッド2を制御するものであればよく、また、選択画像抽出部25,65は、選択画像印刷処理においてユーザーの書込等によるチェックがなされた印刷用紙が読み取られると、そのユーザーのチェック結果から、動画データ中の時間tを認識するのではなく動画データのフレーム番号を認識すれるものであればよい。
また、上述した本発明の実施形態において、サムネイル画像印刷処理(S13,S23,S43)においてサムネイル画像を印刷するときは、その静止画データの時間も併せて印刷していたが、これに替えてフレーム番号を印刷するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1実施形態に係るプリンタ複合機を概略的に示す外観図である。
【図2】プリンタ複合機の電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】静止画像印刷処理のフローチャートである。
【図4】静止画データの抽出を概念的に示す図である。
【図5】対応関係記憶部に記憶される、静止画データのフレーム番号、動画データ中の時間、及び、サムネイル画像データの対応関係を示す図である。
【図6】印刷用紙(第1の印刷媒体)に複数のサムネイル画像が印刷された状態を示す図である。
【図7】サムネイル画像が印刷された印刷用紙に選択マークが付された状態を示す図である。
【図8】印刷用紙(第2の印刷媒体)に選択画像が印刷された状態を示す図である。
【図9】第1実施形態の変更形態において、印刷用紙に複数のサムネイル画像が印刷された状態を示す図である。
【図10】第2実施形態の静止画像印刷処理のフローチャートである。
【図11】印刷用紙(第1の印刷媒体)に複数のサムネイル画像が印刷された状態を示す図である。
【図12】サムネイル画像が印刷された印刷用紙に、選択マーク(第1選択マーク)が付された状態を示す図である。
【図13】サムネイル画像が印刷された印刷用紙に、選択マーク(第2選択マーク)が付された状態を示す図である。
【図14】細分化されたサムネイル画像が印刷された印刷用紙に、選択マーク(第1選択マーク)が付された状態を示す図である。
【図15】印刷用紙(第2の印刷媒体)に選択画像が印刷された状態を示す図である。
【図16】第3実施形態の静止画像印刷処理のフローチャートである。
【図17】第3実施形態における、静止画データの抽出を概念的に示す図である。
【図18】第3実施形態の対応関係記憶部に記憶される、静止画データのフレーム番号、動画データ中の時間、及び、サムネイル画像データの対応関係を示す図である。
【図19】印刷用紙(第1の印刷媒体)に複数のサムネイル画像が印刷された状態を示す図である。
【図20】サムネイル画像が印刷された印刷用紙に、選択マークが付された状態を示す図である。
【図21】印刷用紙(第2の印刷媒体)に選択画像が印刷された状態を示す図である。
【図22】第4実施形態に係るプリントシステムの概略構成図である。
【図23】第4実施形態のプリントシステムの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【符号の説明】
【0104】
1 プリンタ複合機
2 印刷ヘッド
4 スキャナ
22 静止画データ抽出部
24 対応関係記憶部
25 選択画像抽出部
30 サムネイル画像
31 選択マーク
31a 選択マーク(第1選択マーク)
31b 選択マーク(第2選択マーク)
33 動画データID(動画識別マーク)
35 グループ識別マーク
51 プリンタ複合機
52 パーソナルコンピュータ(制御手段)
62 静止画データ抽出部
63 動画データ記憶部
64 対応関係記憶部
65 選択画像抽出部
100 プリントシステム
P1 印刷用紙(第1の印刷媒体)
P2 印刷用紙(第2の印刷媒体)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に画像を印刷する印刷手段と、印刷媒体に印刷された画像を読み取る画像読取手段とを備えたプリンタ複合機であって、
入力された動画データから、一覧表示用の複数の静止画データを抽出する静止画データ抽出手段と、
前記複数の静止画データとそれらの前記動画データ中の時間位置との対応関係を記憶する記憶手段を有し、
前記印刷手段は、前記複数の静止画データに対応する複数のサムネイル画像を、前記動画データ中の時間位置に対応付けて一覧表示されるように、第1の印刷媒体に印刷可能に構成されており、
さらに、前記複数のサムネイル画像が印刷された前記第1の印刷媒体に選択マークが付された状態で、前記第1の印刷媒体が前記画像読取手段により読み取られたときに、前記選択マークに対応する前記動画データ中の時間位置を認識し、前記記憶手段を参照して、認識した前記動画データ中の時間位置に対応する印刷要求静止画データを前記動画データから抽出する選択画像抽出手段を備え、
前記印刷手段は、前記選択画像抽出手段により抽出された前記印刷要求静止画データの画像を第2の印刷媒体に印刷することを特徴とするプリンタ複合機。
【請求項2】
前記印刷手段は、前記動画データを識別するための動画識別マークを前記複数のサムネイル画像とともに前記第1の印刷媒体に印刷し、
前記選択画像抽出手段は、前記第1の印刷媒体に印刷された前記動画識別マークから、前記印刷要求静止画データを抽出すべき前記動画データを認識することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ複合機。
【請求項3】
前記静止画データ抽出手段は、前記動画データから前記複数の静止画データを複数のグループに区分して抽出し、
前記印刷手段は、前記複数のグループの各々に対応するグループ識別マークを、そのグループに属する前記静止画データのサムネイル画像とともに、1枚の前記第1の印刷媒体に一緒に印刷し、
前記選択画像抽出手段は、前記第1の印刷媒体に印刷された前記グループ識別マークから、前記印刷要求静止画データを抽出すべき前記グループを認識することを特徴とする請求項1又は2に記載のプリンタ複合機。
【請求項4】
前記選択マークが、その選択マークの位置に対応する前記動画データ中の時間位置範囲内においてより細かな時間間隔でサムネイル画像を印刷することを要求するための、所定の形態で付されている場合には、前記静止画データ抽出手段は、前記時間位置範囲内で時間的に細分化して複数の静止画データを再度抽出し、
前記印刷手段は、細分化された前記複数の静止画データのサムネイル画像を、前記第1の印刷媒体に印刷することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のプリンタ複合機。
【請求項5】
前記第1の印刷媒体に2つの前記選択マークが付されている場合には、前記静止画データ抽出手段は、前記2つの選択マークにそれぞれ対応する前記動画データ中の時間位置の間で時間的に細分化して、複数の静止画データを再度抽出することを特徴とする請求項4に記載のプリンタ複合機。
【請求項6】
前記第1の印刷媒体に2つの第1選択マークが付されている場合には、前記選択画像抽出手段は、前記2つの第1選択マークにそれぞれ対応する時間位置における静止画データを、前記印刷要求静止画データとして前記動画データから抽出し、
前記第1の印刷媒体に前記第1選択マークとは異なる2つの第2選択マークが付されている場合には、前記静止画データ抽出手段は、前記2つの第2選択マークにそれぞれ対応する前記動画データ中の時間位置の間で時間的に細分化して、複数の静止画データを再度抽出することを特徴とする請求項5に記載のプリンタ複合機。
【請求項7】
前記第1の印刷媒体の、ある2つの前記サムネイル画像とそれぞれ対応付けられた位置の間に、前記選択マークが付されている場合には、前記選択画像抽出手段は、前記2つのサムネイル画像の元となる2つの前記静止画データにそれぞれ対応する時間位置の間の静止画データを、前記印刷要求静止画データとして抽出することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のプリンタ複合機。
【請求項8】
印刷媒体に画像を印刷する印刷手段、及び、印刷媒体に印刷された画像を読み取る画像読取手段を備えたプリンタ複合機と、このプリンタ複合機を制御する制御手段と、を有するプリントシステムであって、
入力された動画データから、一覧表示用の複数の静止画データを抽出する静止画データ抽出手段と、
前記複数の静止画データとそれらの前記動画データ中の時間位置との対応関係を記憶する記憶手段を有し、
前記印刷手段は、前記複数の静止画データに対応する複数のサムネイル画像を、前記動画データ中の時間位置に対応付けて一覧表示されるように、第1の印刷媒体に印刷可能に構成されており、
さらに、前記複数のサムネイル画像が印刷された前記第1の印刷媒体に選択マークが付された状態で、前記第1の印刷媒体が前記画像読取手段により読み取られたときに、前記選択マークに対応する前記動画データ中の時間位置を認識し、前記記憶手段を参照して、認識した前記動画データ中の時間位置に対応する印刷要求静止画データを前記動画データから抽出する選択画像抽出手段を備え、
前記印刷手段は、前記選択画像抽出手段により抽出された前記印刷要求静止画データの画像を第2の印刷媒体に印刷することを特徴とするプリントシステム。
【請求項9】
印刷媒体に画像を印刷する印刷手段と、印刷媒体に印刷された画像を読み取る画像読取手段とを備えたプリンタ複合機に用いられ、動画データ中から静止画データを抽出して印刷する静止画像印刷プログラムであって、
前記動画データから一覧表示用の複数の静止画データを抽出する静止画データ抽出ステップと、
前記複数の静止画データとそれらの前記動画データ中の時間位置との対応関係を記憶手段に記憶させる記憶ステップと、
前記印刷手段により、前記複数の静止画データに対応する複数のサムネイル画像を、前記動画データ中の時間位置に対応付けて一覧表示されるように、第1の印刷媒体に印刷する第1印刷ステップと、
前記複数のサムネイル画像が印刷された前記第1の印刷媒体に選択マークが付された状態で、前記第1の印刷媒体が前記画像読取手段により読み取られたときに、前記選択マークに対応する前記動画データ中の時間位置を認識し、前記記憶手段を参照して、認識した前記動画データ中の時間位置に対応する印刷要求静止画データを前記動画データから抽出する選択画像抽出ステップと、
前記印刷手段により、前記選択画像抽出ステップにおいて抽出された前記印刷要求静止画データの画像を第2の印刷媒体に印刷する第2印刷ステップと、
をコンピュータに実行させる静止画像印刷プログラム。
【請求項10】
前記第1印刷ステップにおいて、前記印刷手段により、前記動画データを識別するための動画識別マークを前記複数のサムネイル画像とともに前記第1の印刷媒体に印刷し、
前記選択画像抽出ステップにおいて、前記第1の印刷媒体に印刷された前記動画識別マークから、前記印刷要求静止画データを抽出すべき前記動画データを認識することを特徴とする請求項9に記載の静止画像印刷プログラム。
【請求項11】
前記静止画データ抽出ステップにおいて、前記動画データから前記複数の静止画データを複数のグループに区分して抽出し、
前記第1印刷ステップにおいて、前記印刷手段により、前記複数のグループの各々に対応するグループ識別マークを、そのグループに属する前記静止画データのサムネイル画像とともに、1枚の前記第1の印刷媒体に一緒に印刷し、
前記選択画像抽出ステップにおいて、前記第1の印刷媒体に印刷された前記グループ識別マークから、前記印刷要求静止画データを抽出すべき前記グループを認識することを特徴とする請求項9又は10に記載の静止画像印刷プログラム。
【請求項12】
前記選択マークが、その選択マークの位置に対応する前記動画データ中の時間位置範囲内においてより細かな時間間隔でサムネイル画像を印刷することを要求するための、所定の形態で付されている場合には、前記静止画データ抽出ステップにおいて、前記時間位置範囲内で時間的に細分化して複数の静止画データを再度抽出し、
前記第1印刷ステップにおいて、前記印刷手段により、細分化された前記複数の静止画データのサムネイル画像を、前記第1の印刷媒体に印刷することを特徴とする請求項9〜11の何れかに記載の静止画像印刷プログラム。
【請求項13】
前記第1の印刷媒体に2つの前記選択マークが付されている場合には、前記静止画データ抽出ステップにおいて、前記2つの選択マークにそれぞれ対応する前記動画データ中の時間位置の間で時間的に細分化して、複数の静止画データを再度抽出することを特徴とする請求項12に記載の静止画像印刷プログラム。
【請求項14】
前記第1の印刷媒体に2つの第1選択マークが付されている場合には、前記選択画像抽出ステップにおいて、前記2つの第1選択マークにそれぞれ対応する時間位置における静止画データを、前記印刷要求静止画データとして前記動画データから抽出し、
前記第1の印刷媒体に前記第1選択マークとは異なる2つの第2選択マークが付されている場合には、前記静止画データ抽出ステップにおいて、前記2つの第2選択マークにそれぞれ対応する前記動画データ中の時間位置の間で時間的に細分化して、複数の静止画データを再度抽出することを特徴とする請求項13に記載の静止画像印刷プログラム。
【請求項15】
前記第1の印刷媒体の、ある2つの前記サムネイル画像とそれぞれ対応付けられた位置の間に、前記選択マークが付されている場合には、前記選択画像抽出ステップにおいて、前記2つのサムネイル画像の元となる2つの前記静止画データにそれぞれ対応する時間位置の間の静止画データを、前記印刷要求静止画データとして抽出することを特徴とする請求項9〜14の何れかに記載の静止画像印刷プログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2008−236454(P2008−236454A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−74041(P2007−74041)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】