説明

プリンタ

【課題】プリンタの操作部材を最小限にして操作性を向上させる。
【解決手段】プリント材料が内蔵されたカートリッジを着脱可能なプリンタであって、操作部材と、カートリッジが装着されたことを検出する検出手段と、検出手段により検出したカートリッジの装着状態に応じて、操作部材に割り付けられた機能を切換える操作部材切換手段とを有する。操作部材切換手段は、カートリッジが装着状態のときは、操作部材にプリント出力設定のための機能を割り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合カメラの一種であるプリンタ付撮影装置、より具体的にはスチルカメラやビデオカメラと画像プリンタを一体的に構成した、プリント材料が内蔵されたカートリッジを着脱可能にしたプリンタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カメラで撮影したその場で写真プリントを見たいという声があった。この要望に対応して、特許文献1−5等に示された装置や、同じく特許文献6に示されたフィルムカートリッジ等、いわゆるインスタントカメラ及びインスタントフィルムによって撮影後短い時間でプリントが鑑賞できるシステムが開示されている。
【0003】
しかしながら、上記従来例の装置においては、以下のような問題点を有していた。
【0004】
(1)撮影された瞬間の画像はすべてインスタントフィルム上に記録されるのみであり、特に複数枚のプリントを得ようとしても、インスタントフィルム上に形成された画像をコピーするしかなく、その原画の保存方法等で、銀塩フィルム等に比べて不便である。
【0005】
(2)すべての撮影シーンがその場でプリントアウトする必要性が高いとは限らない。しかしインスタント写真ではその場ではプリントアウトはしないで後でまとめてプリントアウトするといったことができない。
【0006】
このようなインスタント写真の欠点を補う方法として、固体撮像素子に撮像した画像情報をメモリに取り込んで、これを任意にプリントアウトするようにしたプリンタ付カメラが考えられる。
【0007】
こうしたカラーの画像情報をプリントアウトするのに用いられるプリンタは一般的に、(a)溶融型熱転写プリンタ、(b)昇華型熱転写プリンタ、(c)インクジェット型プリンタ、等が適している。
【0008】
この中でもインクジェット型プリンタはランニングコストや小型化、省電、出力スピード等に優れており、携帯性を必要とするプリンタ付カメラとして大変有効なものである。
【0009】
一方、特許文献7、特許文献8等の装置においては、固体撮像素子等によって電気的に撮像した情報をプリントアウトするプリンタ付カメラが開示されている。又、特許文献9記載の装置において、数種のインクリボン及び数種の記録紙が装填可能なプリンタ内蔵カメラが開示されている。
【特許文献1】米国特許第3,709,122号明細書
【特許文献2】米国特許第3,727,529号明細書
【特許文献3】米国特許第4,000,500号明細書
【特許文献4】米国特許第4,249,811号明細書
【特許文献5】米国特許第4,212,524号明細書
【特許文献6】米国特許第3,707,116号明細書
【特許文献7】米国特許第4,074,324号明細書
【特許文献8】特開昭54−136325号公報
【特許文献9】特開平4−200181号公報
【特許文献10】米国特許第4,723,129号明細書
【特許文献11】米国特許第4,740,796号明細書
【特許文献12】米国特許第4,463,359号明細書
【特許文献13】米国特許第4,345,262号明細書
【特許文献14】米国特許第4,313,124号明細書
【特許文献15】米国特許第4,558,333号明細書
【特許文献16】米国特許第4,459,600号明細書
【特許文献17】特開昭59−123670号公報
【特許文献18】特開昭59−138461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記従来例では静止画を撮影する装置と紙等の媒体に画像情報を出力するプリンタ装置を一体的に構成している。これによる操作性の複雑化を防止したり、装置の構成やコスト等使用者が簡単に意図した撮影及びプリント出力を行うのに十分な解決方法を与えるものではなかった。
【0011】
いま、装置に搭載される消耗材料について考える。一般的に熱昇華型や熱転写型のプリンタにおいては、インクシートもしくはインクリボンと言われるインク成分を含む材料と、所望の画像を視認して保存するプリンタ用紙の2つを別々に装置に装着していた。
【0012】
一方、インクジェット記録装置をプリンタ部に使用した場合も、インク水溶液のタンクユニット(印画ヘッドを併設する場合もある)と、プリンタ用紙を別々に装置に装着していた。
【0013】
前記の一例として、特許文献9記載のプリンタ内蔵カメラにおいては、外部からプリンタ用紙を供給するようになっている。
【0014】
しかし、撮影装置としての形態を考えた時、以下のような問題点を有していた。
【0015】
(1)携帯機器である為に、電源として電池を用いることが主になるので、電源電池の交換作業が生じるが、更にインクタンクの交換作業、プリンタ用紙の補充作業といくつもの材料と作業が必要であり、そのため操作性が著しく悪い。
【0016】
(2)消耗材料の各々を別々に扱っていると、インクタンクの交換時期とプリンタ用紙の補充時期又は電源電池の交換時期が必ずしも一致するとは限らないので、消耗材料の管理が煩雑になる。
【0017】
そこで消耗材料をカートリッジユニットにしてプリンタ付撮影装置の本体に着脱できるようにすると操作性が著しく向上し大変有効である。
【0018】
このような形態を考えた時、撮影作業に専念してプリントアウト作業は後で行おうとする場合、消耗材であるプリンタ用紙やインク等は装置本体から分離しておくと更に小型化されて便利である。
【0019】
ここで、プリンタ付撮影装置の操作部材を考えると、一般的には撮影装置として必要な操作部材と、プリンタ装置として必要な操作部材の両方を有している。しかし、多くの操作部材を装置本体に配置するのは操作性が悪く、又小型化の妨げにもなるという問題点を有していた。
【0020】
本発明は、上記のような問題点を考慮してなされたものであり、プリント材料が内蔵されたカートリッジを着脱可能としたとき、プリンタの操作部材を最小限にして操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成する為に、本発明によれば、プリント材料が内蔵されたカートリッジを着脱可能なプリンタであって、操作部材と、上記カートリッジが装着されたことを検出する検出手段と、前記検出手段により検出した前記カートリッジの装着状態に応じて、前記操作部材に割り付けられた機能を切換える操作部材切換手段とを有するようにしたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、プリント材料が内蔵されたカートリッジを着脱可能なプリンタにおいて、カートリッジが装着されたことを検出し、カートリッジの装着状態に応じて、操作部材に割り付けられた機能を切換えている。これにより、カートリッジの着脱動作だけで操作部材に機能を割り付けられるので、操作性が向上し、操作部材を最小限の数に減らせるとことができ、かつ装置をより小型化しても操作性が良好であるという効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1の実施形態)
図1乃至図8において本発明の第1の実施形態について説明する。図1は本発明の装置の主たる構成を表わしたブロック図である。図2及び図3は動作の流れを示すフローチャートである。又、図4(a),図4(b)及び図5は本発明の装置の外観を表わした斜視図である。図6は本装置の中央断面の構成略図である。図7はカートリッジの透視斜視図である。図8は消耗材カートリッジユニットの分解図である。
【0024】
本プリンタ付き撮影装置はプリンタエンジン部にインクジェット記録方式を採用し、電子的な撮像をメモリへ蓄えるのと共に、任意のメモリに蓄えられた映像情報を任意なプリント枚数分プリント出力することができるものである。撮影される被写界の光学像を電気信号に変換する撮像手段による撮影動作と、プリント手段によるプリント動作を行う。
【0025】
図1において、本プリンタ付撮影装置は、撮像レンズと光電変換素子を含む撮像部2と、当該撮像部2を制御する撮像制御部3と、プリントを出力するプリンタエンジン部4と、当該プリンタエンジン部4を制御するプリンタ制御部5とを有する。又、操作部材に割り付けられた機能を切換える操作部材切換手段6と、撮影者に種々の情報を知らせる表示部8と、撮影した撮像信号を記録するA/D変換部を含むメモリ手段7と、カートリッジ装着検出手段9とを有する。更に、撮影者と装置とのインターフェイスを含む操作用スイッチ10〜13と、上記各部を制御するCPUとそのプログラムを含む制御手段1とが有る。
【0026】
又、図4及び図5に示されるプリンタ付き撮影装置は、装置本体に装着して内部のプリント前のプリント用紙や電池、カートリッジ本体等の消耗材料であるカートリッジユニット102と、撮影装置とプリンタ装置とを合体した装置本体101とから構成される。装置本体は、ズームボタン104や表示手段8の表示装置114や、シャッターボタン112、強制発光ボタン115(SWC12)、撮影モード設定ボタン116(SWD13)等から構成されている。強制発光ボタン115は、サイズ設定ボタンを兼ね、撮影モード設定ボタン116は、プリント出力枚数ボタンを兼ねる。
【0027】
この装置について、特に図2、図3に従って、動作の手順に従って説明する。撮影者がメインスイッチの電源を入力する(S1)と、制御手段1は該装置が前回使用されて、電源がオフされてから所定期間、例えば3日以上(72時間以上)経過しているか否かを判断する(S2)。もしも3日以上経過している場合には、制御手段1はプリンタ部の制御を受け持つプリンタ制御部5に回復ポンピングの指示を出してプリンタエンジン部4を駆動する(S3)。
【0028】
ここで、回復ポンピングは、後述するインクジェット記録方式の装置においてより記録を有効にするものであって、用紙への記録を行う事前に記録ヘッドを吸引ポンプ等の手段によってクリーニングするものである。このクリーニングの目安として、本実施形態においては3日間以上の未使用期間があった場合の電源入力時にこれを行うものとした。
【0029】
ここで、プリントするプリント材料やカートリッジカバー等を含む後述の消耗材料であるカートリッジユニット102の着脱状態によって、本実施形態の装置は撮影装置として機能するか、プリンタ装置として機能するかが決められるようになっている。すなわち、消耗材カートリッジユニット102の装着状態を検出するカートリッジ装着検出手段9によって、消耗材カートリッジユニット102が装着されている場合にはプリンタ装置として操作ボタン類が機能する。非装着の場合には撮影装置として同じ操作ボタン類が機能することで、操作ボタン類の種類を大幅に少なくすることを可能にしている。
【0030】
具体的には制御手段1は後述する装着検出接点126の状態によって消耗材カートリッジユニット102の装着状態を検出して、操作部材切換手段6を介して各操作部材に割り付けられた機能に切換える(S4)。操作部材切換手段6は、消耗材カートリッジユニット102の装着状態に応じて、操作部材に、撮影設定、又はプリント出力設定の機能を割り付ける。
【0031】
さて、回復ポンピング処理が終了して(S3)、カートリッジ102が装着されているのか否かを判断し(S4)、装着されていない場合、すなわち、撮影者が消耗材カートリッジユニット102を取りはずした状態である。この状態で、撮影装置として動作させる場合について説明する(フローチャートの図3に示す(A))。撮影に際してシャッターボタン112を第1ストロークまで押し込むと、SWA10にSW1信号が入力する(S11)。
【0032】
制御手段1は撮像制御部3を介して撮像部2を駆動し、露出制御値の決定や測距情報の決定、ストロボ発光の有無等露出動作に必要な諸条件の決定を行う(S12)。
【0033】
撮影者が実際に撮影を実行する為に、更にシャッターボタン112を押し込むと、制御手段1にはSWB11にSW2信号が入力する(S13)。
【0034】
制御手段1は撮像制御部3を介して撮像部2を駆動して焦点合わせの為のレンズ駆動やシャッターの速度制御、絞りの開口量制御、又、必要であればストロボの発光等の一連の露光動作を行う。そして、固体撮像素子800−aに入力する画像情報をメモリ手段7に取り込む(S14、S15)。
【0035】
制御手段1は保存した画像情報をメモリ手段7から呼び出して表示手段8、具体的には液晶表示板114に表示を行い、撮影内容や撮影条件の確認等が行えるようにする(S16)。
【0036】
撮影動作としては以上を繰り返すことによってメモリ手段7に映像情報が蓄積されていく。
【0037】
一方、プリント出力を行う場合には消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体101に取付ける。この取り付けにより、ステップS4において、カートリッジユニット102の装着状態となる。
【0038】
新しい消耗材カートリッジユニット102が装着されると、図7に示すように、ロック爪127の一部に形成されているロック解除部127−aがカメラ本体101のロックピン125をロックピンバネ129のバネ力に抗して押した状態となる。ロックレバー124はロックピン125が押されると係止状態が解放され、ロックバネ128によって引かれてスライドする。これによってロックレバーの爪部124−aと消耗材カートリッジユニット102のロック爪127が係合して消耗材カートリッジユニット102がカメラ本体101に対して固定される。
【0039】
この時、ロックレバー124の端部が装着検出接点126をオンさせることで制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の装着を検出する(S4)。
【0040】
制御手段1は給紙用モータ600へ通電してプリンタ用紙300をカメラ本体101内部へ給紙する。
【0041】
又、プリンタ制御部5を介して再度回復ポンピングの指示を行い、印画可能な状態に復活させる(S5)。
【0042】
次に、メモリ手段7に取り込まれた画像情報を画像送りボタン104−a、画像戻りボタン104−bによって液晶表示板114を見ながら検索し、プリント出力したい画像情報を表示する(S6)。
【0043】
ここで、図4に示す画像送りボタンT104−aと画像戻りボタンW104−bは、消耗材カートリッジユニット102が装着されている場合のキーの機能である。前述の撮影装置として使用している場合には、撮像光学系のズーム倍率変更に使われ望遠側が104−a、広角側が104−bとなっている。プリント出力設定は、プリント出力サイズ設定、又は出力枚数設定であり、プリントの出力サイズの大小を決めるサイズ設定ボタン115(SWC12)とプリント出力の枚数を決めるプリント出力枚数ボタン116(SWD13)が有る。それらは、撮影装置としては各々ストロボの強制発光ボタン(115)及び撮影モード設定ボタン(116)として機能するように構成したが、各操作スイッチ部材への機能の振り分けはこれに限られるものではない。
【0044】
次に、図4に示す装置で、プリント動作を行う為にプリント開始ボタン112(撮影装置として使用している場合にはシャッターボタンとして機能させている)を押すと、制御手段1にはSWA10にプリント信号が入力する(S7)。
【0045】
プリンタ制御部5は記録ヘッド(後述400)のホームポジション位置でプリント動作をより有効にする為にまず予備吐出を行い、記録ヘッド400の目づまりを解消したり、蒸発しているノズルの回復等を行う。
【0046】
次に、プリンタ制御部5はメモリ手段7に蓄えられた映像情報をプリント出力用の画像処理を加えた上でプリンタエンジン部4から出力する(S8)。
【0047】
図4に示すように、プリンタエンジン部4でプリントされた印画済プリンタ用紙108はロール状に巻かれたプリンタ用紙300と切り離される位置まで自動的に給紙される(S9)。
【0048】
ここで、インク及びプリンタ用紙及び電源電池を含む消耗材カートリッジユニット102は、内部に書き換え可能な出力枚数メモリ14を有しており、プリント出力した枚数が記憶されている。
【0049】
制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の出力枚数メモリ14にプリント出力ごとに加算していく。これと共に出力後にプリント用紙の残量をチェックして、もしプリント用紙が無い場合には液晶表示板114に消耗材カートリッジ102の交換を促す警告表示を行う。
【0050】
撮影者である使用者は、前記警告に従って消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体部101から取りはずして新しい消耗材カートリッジユニット102に交換する。消耗材カートリッジユニット102の脱着はカートリッジ取りはずしボタン111を押すことで、カメラ本体101と切り離すことができるようになっている。
【0051】
図5は、消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体101から切り離した状態を表わしている。消耗材カートリッジユニット102は四隅にロック爪117を有しており、カメラ本体101のロック爪穴118に差し込む。カメラ本体101には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのインクを記録ヘッド400に供給するインク接続部119(119−Y,119−M,119−C,119−K)が有る。又、図6に示す電源電池200から電力を伝達する電源端子120、出力枚数メモリ14との情報伝達の為のメモリ端子121及びプリンタ用紙300の給紙用接続ギア122が配設されている。又、消耗材カートリッジユニット102から給紙されたプリンタ用紙300がカメラ本体101内部へ導かれる給紙口123が配設されている。なお、メモリ端子121は、本実施形態では4端子だがメモリの容量等によってこれに限られるものではない。
【0052】
図6に示す電源電池200は消耗材カートリッジユニット102の装着によって装置全体への電力供給を行う。一方消耗材カートリッジユニット102が非装着の場合には、本体側に内蔵される本体電池149から電力供給を行うように制御手段1は制御する。
【0053】
又、制御手段1は、本体電池149と電源電池200との両電源電池の状態をモニターしている。消耗材カートリッジユニット102が装着時にどちらかの電源電池の供給能力が不足する場合には供給可能なもう一方の電源電池を用いることで効率よく使用できるようになっている。
【0054】
図6は装置全体の上面及び側面の断面状態を表わした断面図であり、主要な構成のみを表わしている。
【0055】
カメラ本体101は撮像ユニット800から入力した画像情報を基板ユニット900上に配設された回路によって処理して、記録ヘッド400によって印画する。記録ヘッド400は2本の支持バー400−a,400−bによって支持され、ヘッド駆動モータ700からギアユニット700−aとベルト700−bを介してプリンタ用紙300の給紙と直角方向に往復駆動される。
【0056】
プリンタ用紙300は給紙モータ600により給紙され、バネ支持されたローラー600−a部を通って、カメラ本体外部へプリント出口107から排出される。
【0057】
一方、図8は、消耗材カートリッジユニット102の分解図である。この消耗材カートリッジユニット102は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクを収納したインクタンク500と、ロール状に巻かれたプリンタ用紙300と、プリンタ用紙300と同軸上に配設された電源電池200とを有している。出力枚数メモリ14は、メモリ基板130に搭載されて、カートリッジ上カバー102−aに固定される。プリンタ用紙300は軸中心部に電源電池200を挿入した上で両側から軸受300−a,300−bをはめ込む。
【0058】
軸受300−a側には、給紙用のギア301を二方どり部301−aを合わせて組み付け、軸受300−b側からは電源電池200からリード線302を引き出すようになっている。このプリンタ用紙300をプリンタ用紙300をガイドするガイドバー300−cと共に、カートリッジ下カバー102−bに組んでカートリッジ上カバー102−aと合わせることで消耗材カートリッジユニット102が構成される。
【0059】
消耗材カートリッジユニット102は、このような構成の為にカバー102−a,b等を回収後に再利用が可能になっている。
【0060】
本発明の装置は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせる為に利用されるエネルギーとして、熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備えている。このため、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式の記録ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらす。
【0061】
その代表的な構成や原理については、例えば、特許文献10、特許文献11に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は特にオンデマンド型の場合には液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加する。それによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一に対応し液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。
【0062】
この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0063】
このパルス形状の駆動信号としては、特許文献12、特許文献13に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の特許文献14に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
【0064】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液路又は直角液流路)とする。この他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する特許文献15、特許文献16を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0065】
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特許文献17や、熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特許文献18に基づいた構成としても本発明は有効である。
【0066】
更に、記録装置部が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドがある。上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や、一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良いが、これらの構成をとることで本発明を一層有効に発揮することができる。
【0067】
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0068】
又、本発明の記録装置部の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは、本発明の効果を一層安定できるので好ましいものである。
【0069】
これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或いは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせによる予備加熱手段が有る。記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定した記録を行うために有効である。
【0070】
更に、記録装置部の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけでなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでもよい。異なる色の複色カラー又は、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置であることが極めて有効になる。
【0071】
(第2の実施形態)
図9乃至図11において本発明の第2の実施形態について説明する。図9は本発明のプリンタ付き撮影装置の主たる構成を表わしたブロック図であり、モード設定手段は、印刷面積の大中小を切り換える機能を有している。図11及び図11は動作の流れを示すフローチャートである。又、第1の実施形態によって説明した構造的な内容はほぼ同様であり、図4(a)及び図4(b)、図5は本発明の装置の外観を表わした斜視図である。図6は本装置の中央断面の構成略図である。図7は透視斜視図である。図8は消耗材カートリッジユニットの分解図である。
【0072】
本装置は、プリンタエンジン部にインクジェット記録方式を採用し、電子的な撮像をメモリへ蓄えるのと共に、任意のメモリに蓄えられた映像情報を任意なプリント枚数分プリント出力することができるものである。この装置について動作の手順に従って説明する。
【0073】
撮影者がプリンタ付き撮影装置の電源を入力する(S21)と、制御手段1は該装置が前回使用されて、電源がオフされてから所定期間、例えば3日以上(72時間以上)経過しているか否かを判断する(S22)。もしも3日以上経過している場合には、制御手段1はプリンタ部の制御を受け持つプリンタ制御部5に回復ポンピングの指示を出してプリンタエンジン部4を駆動する(S23)。
【0074】
次に、撮影者は撮影に際して、シャッターボタン112を第1ストロークまで押し込むと、SW1信号9が入力する(S24)。制御手段1は撮像制御部3を介して撮像部2を駆動し、露出制御値の決定や測距情報の決定、ストロボ発光の有無等露出動作に必要な諸条件の決定を行う(S25)。
【0075】
撮影者が実際に撮影を実行する為に更にシャッターボタン112を押し込むと、制御手段1にはSW2信号10が入力する(S26)。制御手段1は撮像制御部3を介して撮像部2を駆動して焦点合わせの為のレンズ駆動やシャッターの速度制御、絞りの開口量制御、又必要であればストロボの発光等の一連の露光動作を行う。そして、図6に示す固体撮像素子800−aに入力する画像情報をメモリ手段7に取り込む(S27、S28)。
【0076】
制御手段1は保存したメモリ画の画像情報をメモリ手段7から呼び出して表示手段8、具体的には図4に示す液晶表示板114に表示を行い、撮影内容や撮影条件の確認等が行えるようにする(S29)。
【0077】
撮影動作としては以上を繰り返すことによってメモリ手段7に映像情報が蓄積されていく。
【0078】
さて、撮影者がプリント出力を所望した場合、プリント出力のモード設定をモード設定手段6によって行う。具体的にはプリント出力にはプリントアウトする画像の印刷面積の大中小を切り換えるサイズ設定ボタン115及びプリント枚数設定ボタン116を用いる。
【0079】
次に、メモリ手段7に取り込まれた画像情報を画像送りボタン110、画像戻りボタン109によって液晶表示板114を見ながら検索し、プリント出力したい画像情報を表示する(S30)。
【0080】
ここで、プリントボタン103を押すと、プリント信号PR11が入力し、制御手段1はプリント動作を開始する(S31)。プリンタ制御部5は図6に示す記録ヘッド(後述400)のホームポジション位置でプリント動作をより有効にする為にまず予備吐出を行い、記録ヘッド400の目づまりを解消したり蒸発しているノズルの回復等を行う(S32)。
【0081】
次にプリンタ制御部5はメモリ手段7に蓄えられた画像情報をプリント出力用の画像処理を加えた上でプリンタエンジン部4から出力する(S33)。
【0082】
プリンタエンジン部4でプリントされた印画済プリンタ用紙108はロール状に巻かれたプリンタ用紙300と切り離される位置まで自動的に給紙される(S34)。ここでインク及びプリンタ用紙及び電源電池を含む消耗材カートリッジユニット102は内部に書き換え可能な出力枚数メモリ14を有しておりプリント出力した枚数が記憶されている。
【0083】
制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の出力枚数メモリ14にプリント出力ごとに加算していく。これと共に出力後にプリンタ用紙の残量をチェックして、もしプリンタ用紙300が無い場合には液晶表示板114に消耗材カートリッジユニット102の交換を促す警告表示を行う(S35、S36)。
【0084】
使用者は前記警告に従って消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体部101から取りはずして新しい消耗材カートリッジユニット102に交換する。消耗材カートリッジユニット102の脱着はカートリッジ取りはずしボタン111を押すことでカメラ本体101と切り離すことができるようになっている。
【0085】
図5は、消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体101から切り離した状態を表わしている。消耗材カートリッジユニット102は、四隅にロック爪117を有しており、カメラ本体101のロック爪穴118に差し込む。カメラ本体101には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのインクを記録ヘッド400に供給するインク接続部119(119−Y,119−M,119−C,119−K)が有る。又、電源電池200から電力を伝達する電源端子120、出力枚数メモリ14との情報伝達の為のメモリ端子121及びプリンタ用紙300の給紙用接続ギア122が配設されている。又、消耗材カートリッジユニット102から給紙されたプリンタ用紙300がカメラ本体101内部へ導かれる給紙口123が配設されている。
【0086】
さて、新しい消耗材カートリッジユニット102が装着されると、ロック爪117の一部に形成されているロック解除部127がカメラ本体101のロックピン125をロックピンバネ129のバネ力に抗して押す(図7)。ロックレバー124はロックピン125が押されると係止状態が解放され、ロックバネ128によって引かれてスライドする。これによってロックレバーの爪部124−aと消耗材カートリッジユニット102のロック爪117が係合して消耗材カートリッジユニット102がカメラ本体101に対して固定される。
【0087】
この時ロックレバーの端部が装着検出接点126をオンさせることで制御手段1は印画可能なカートリッジユニット102が装着されたのか否かを検出・判断する(S37)。装着されていれば、制御手段1は給紙用モータ600へ通電してプリンタ用紙300をカメラ本体101内部へ給紙する(S38)。
【0088】
又、プリンタ制御部5を介して回復ポンピングの指示を行い、印画可能な状態に復活させる(S39)。
【0089】
一方、図8は消耗材カートリッジユニット102の分解図である。この消耗材カートリッジユニット102は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクを収納したインクタンク500と、ロール状に巻かれたプリンタ用紙300と、プリンタ用紙300と同軸上に配設された電源電池200を有している。出力枚数メモリ14はメモリ基板130に乗ってカートリッジ上カバー102−aに固定される。プリンタ用紙300は軸中心部に電源電池200を挿入した上で両側から軸受300−a,300−bをはめ込む。
【0090】
軸受300−a側には給紙用のギア301を二方どり部301−aを合わせて組み付け、軸受300−b側からは電源電池200からリード線302を引き出すようになっている。このプリンタ用紙300をプリンタ用紙300をガイドするガイドバー300−cと共にカートリッジ下カバー102−bに組んでカートリッジ上カバー102−aと合わせることで消耗材カートリッジユニット102が構成される。
【0091】
(第3の実施形態)
図12乃至図13において本発明の第3の実施形態を説明する。なお第2の実施形態と同じ動作を行う個所については同一の符号を付け説明は省略する。
【0092】
本第3の実施形態のプリンタ付撮影装置は、装置本体に装置される脱着式のカートリッジ本体内部に配設された電源電池を電源電池単体で脱着可能に構成したものである。
【0093】
これによると、プリンタ用紙と印画用インク及び電源電池の各消耗材をすべて一括で扱える。それと同時に、長時間放置されたり、使用環境が変化する等の諸条件によって電源電池の能力が不足して、他の消耗材がまだ十分に残っているのに撮影及びプリント出力ができなくなるといったことを防ぐことができるものである。併せて電源電池の脱着が可能であるので充電式の電源電池(ニッカド電池やリチウムイオン電池)を使うことができ、更に経済的である。
【0094】
図12は第2の実施形態と同様の上面から見た中央断面図である。電源電池2006は消耗材カートリッジユニット2000の側面に配設された電池蓋2008を開け、挿入することで脱着されるようになっている。
【0095】
図13は消耗材カートリッジユニット2000を分解した図である。プリンタ用紙2003はボビン2002に巻かれている。このボビン2002の中心軸部分に電池ホルダー2006が配設され、電池ホルダー2006の端部にある二方どり部2006−aがカートリッジ下ケース2009の壁溝部2009−aと係合して固定される。又、電池ホルダー2006には電池接片2010が配設され、電源端子(第1実施形態120)につながっている。
【0096】
プリンタ用紙2003の給紙は本体側のギア列と噛み合うボビンギア2005によって行われる。ボビンギア2005は電源電池2007及び電池ホルダー2006と干渉しないように軸中心部は穴があいている。ボビンギア2005は軸2005−aとボビンの穴2004によって係合して固定されており、ボビン2005及びプリンタ用紙2003を回転可能にしている。
【0097】
これらを組付けた上でカートリッジ上カバー2001をかぶせて消耗材カートリッジユニット2000が完成している。
【0098】
これによって消耗材カートリッジユニット2000で各種消耗材すべてを一括して扱えると同時に、電源電池をどの状態でも交換可能になっているわけである。
【0099】
(第4の実施形態)
図14乃至図17において本発明の第4の実施形態を説明する。なお第2及び第3の実施形態と同じ動作を行う個所については同一の符合を付け説明は省略する。
【0100】
本第4の実施形態の装置は、消耗材の1つである印画用インクタンクを直接記録ヘッド部と一体的に連結させるタイプであって、かつ消耗材を一括して交換作業等を扱えるものである。
【0101】
これによれば、記録ヘッド部とインクタンクの接続部の配管が簡単になると共に吸引ポンピングによる廃インクの量の節約が可能なものである。
【0102】
図14は第4の実施形態の斜視図である。図15は上側から見た中央断面図であり、図16は側面から見た断面図であり、図17はキャリッジ部の詳細図である。
【0103】
図14、図15に示すように、消耗材カートリッジユニット3000は外側にインクタンク3001を有しており、爪部3002によって保持されている。爪部3002は消耗材カートリッジユニット3000の外装部を構成するプラスチック材料で形成されており、バネ性を利用してインクタンク3001を固定している。この消耗材カートリッジユニット3000を本体101の側面に取付けるが、インクタンク3001の出張り部分を本体101に形成された穴部3005に差し込むように挿入していく。
【0104】
一方、本体101内部に具備されているヘッドキャリッジ3003には、インクの供給を行う圧接弁3004(4色分の4ケを有する)とインク供給管3006及び記録ヘッド3007が配設されていて、接続されたインクタンク3001からのインクを供給する。
【0105】
ヘッドキャリッジ3003は、インクタンク3001を導くと共に、図17に示すように固定する為のくさび状の溝3010と3011を有している。これらの溝によって正確に位置決めされると共に固定される。又、抜け止め用のストッパーとして、ロックピン3013がインクタンク3001のロック穴3015に係合するようになっている。ロックピン3013はロックレバー3012にかけられるロックバネ3014を介して突出方向に付勢されている。
【0106】
ここで、図15に示すように、インクタンク3001の交換はヘッドキャリッジ3003の交換位置であるA位置で行われる。このA位置においてはロックレバー3012はカメラ本体101の側壁面部に当接して時計回り方向に回転してロックピン3013を押し下げる。これによって消耗材カートリッジユニット3000を引き抜くことが可能である。
【0107】
ヘッドキャリッジ3003の溝3010,3011に対してインクタンク3001はくさび状の凸部3008と3009が係合するようになっている。
【0108】
すなわち、図17に示すように、消耗材カートリッジユニット3001をT方向へ挿入していくと、くさび部3008,3009がヘッドキャリッジ3003の溝部3010,3011へ係合して装着される。この後ヘッドキャリッジ3003がS方向へ移動すると、爪部3002がはずされて、ヘッドキャリッジ3003のロックピン3013が挿入されて、ヘッドキャリッジ3003とインクタンク3001が一体的に構成されるわけである。
【0109】
ヘッドキャリッジ3003は制御手段1によってインクタンク3001交換時のみA位置へ移動し、通常は待機位置B及び印画位置C〜Dの間を往復するように制御されている。
【0110】
(第5の実施形態)
図18乃至図21及び図4乃至図8において本発明の第5の実施形態について説明する。図18は本発明の装置の主たる構成を表わしたブロック図であり、第1の実施形態によって説明した図1とはカートリッジ種類判別手段15が追加されている。図19乃至図21は動作の流れを示すフローチャートである。図4(a)及び図4(b)、図5は本発明の装置の外観を表わした斜視図である。図6は本装置の中央断面の構成略図である。図7は透視斜視図である。図8は消耗材カートリッジユニットの分解図である。又、図22は手差しカートリッジユニットを装着した断面図であり、図23は手差しカートリッジユニットの分解図である。
【0111】
本プリンタ付き撮影装置はプリンタエンジン部にインクジェット記録方式を採用し、電子的な撮像をメモリへ蓄えるのと共に、任意のメモリに蓄えられた映像情報を任意なプリント枚数分プリント出力することができるものである。この装置について動作の手順を図19乃至図21に従って説明する。
【0112】
撮影者が電源を入力する(S41)と、制御手段1は該装置が前回使用されて、電源がオフされてから所定期間、例えば3日以上(72時間以上)経過しているか否かを判断する(S42)。もしも3日以上経過している場合には、制御手段1はプリンタ部の制御を受け持つプリンタ制御部5に回復ポンピングの指示を出してプリンタエンジン部4を駆動する(S43)。
【0113】
さて撮影者は撮影に際して、シャッターボタン112を第1ストロークまで押し込むと、SW1信号9が入力する(S44)。
【0114】
制御手段1は撮像制御部3を介して撮像部2を駆動し、露出制御値の決定や測距情報の決定、ストロボ発光の有無等露出動作に必要な諸条件の決定を行う(S45)。
【0115】
撮影者が実際に撮影を実行する為に更にシャッターボタン112を押し込むと、制御手段1にはSW2信号10が入力する(S46)。
【0116】
制御手段1は、撮像制御部3を介して撮像部2を駆動して焦点合わせの為のレンズ駆動やシャッターの速度制御、絞りの開口量制御、又必要であればストロボの発光等の一連の露光動作を行う。そして、固体撮像素子800−aに入力する画像情報をメモリ手段7に取り込む(S47、S48)。
【0117】
制御手段1は保存したメモリ画の画像情報をメモリ手段7から呼び出して表示手段8、具体的には液晶表示板114に表示を行い、撮影内容や撮影条件の確認等が行えるようにする(S49)。
【0118】
撮影動作としては以上を繰り返すことによってメモリ手段7に映像情報が蓄積されていく。
【0119】
さて、撮影者がプリント出力を所望した場合、プリント出力のモード設定をモード設定手段6によって行う。具体的にはプリント出力にはプリントアウトする画像の印刷面積の大中小を切り換えるサイズ設定ボタン115及びプリント枚数設定ボタン116を用いる。
【0120】
次にメモリ手段7に取り込まれた画像情報を画像送りボタン110、画像戻りボタン109によって液晶表示板114を見ながら検索し、プリント出力したい画像情報を表示する(S50)。
【0121】
ここで、プリントボタン103を押すと、プリント信号PR11が入力し、制御手段1はプリント動作を開始する(S51)。
【0122】
ここで、図22に示す手差しカートリッジユニット150が装着されている場合、制御手段1はカートリッジユニット150の出力枚数メモリ14から装着されているカートリッジの種類を表す信号を読み出す。例えば通常の消耗材カートリッジユニット102の場合には0、手差しカートリッジユニット150の場合には1と、1ビットの信号で表わされていたとすると、カートリッジ種類判別手段14はこれを検出し、制御手段1に伝達する。制御手段1は各々のカートリッジに適応したプリンタ用紙や葉書等の給紙動作等を制御する(S52)。もし手差しカートリッジユニット150が装着されている場合、制御手段1は葉書等の手差しされる用紙の挿入を検出する紙検出スイッチ151によって印画される用紙の有無をチェックする(S53)。もしも、用紙がセットされていない場合には、用紙の挿入を促す用紙給紙警告表示を行う(S54)。
【0123】
プリンタ制御部5は記録ヘッド(後述400)のホームポジション位置でプリント動作をより有効にする為にまず予備吐出を行い、記録ヘッド400の目づまりを解消したり蒸発しているノズルの回復等を行う(S55)。
【0124】
次に、手差しカートリッジが挿入され、又はプリント用紙300が準備された場合は、プリンタ制御部5はメモリ手段7に蓄えられた画像情報をプリント出力用の画像処理を加えた上でプリンタエンジン部4から出力する(S56)。
【0125】
プリンタエンジン部4でプリントされた印画済プリンタ用紙108はロール状に巻かれたプリンタ用紙300と切り離される位置まで自動的に給紙される。又手差しの場合には手差しされた用紙を完全に排出するまで給紙する(S57)。
【0126】
ここで、図4(a)に示すプリント用紙のプリント出口107は、図4(b)に示すプリント出口127のいずれかでよく、いずれに出力するのかは合法的に定めればよい。又、インク及びプリンタ用紙及び電源電池を含む消耗材カートリッジユニット102は内部に書き換え可能な出力枚数メモリ14を有しておりプリント出力した枚数が記憶されている。
【0127】
制御手段1は、消耗材カートリッジユニット102の出力枚数メモリ14にプリント出力ごとに加算していく。これと共に出力後にプリンタ用紙の残量をチェックして(S58)、カートリッジユニット102を取り外すか否かを判定し(S59)する。もしプリンタ用紙が無い場合には液晶表示板114に消耗材カートリッジユニット102の交換を促す警告表示を行う(S60、S61)。
【0128】
一方、手差しカートリッジユニット150が装着状態であることを装着検出接点126と出力枚数メモリ14から検出する。もしも手差しカートリッジユニット150が取りはずされた場合には同様にカートリッジの交換を促す警告表示を行う(S58、S59、S61)。
【0129】
撮影者は前記警告に従って、消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体部101から取りはずして新しい消耗材カートリッジユニット102又は手差しカートリッジユニット150に交換する。消耗材カートリッジユニット102又は手差しカートリッジユニット150の脱着はカートリッジ取りはずしボタン111を押すことでカメラ本体101と切り離すことができるようになっている。
【0130】
図5は、消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体101から切り離した状態を表わしている。消耗材カートリッジユニット102は四隅にロック爪117を有しており、カメラ本体101のロック爪穴118に差し込む。カメラ本体101には、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのインクを記録ヘッド400に供給するインク接続部119(119−Y,119−M,119−C,119−K)がある。又、図6に示す電源電池200から電力を伝達する電源端子120、出力枚数メモリ14との情報伝達の為のメモリ端子121及びプリンタ用紙300の給紙用接続ギア122が配設されている。又、消耗材カートリッジユニット102から給紙されたプリンタ用紙300がカメラ本体101内部へ導かれる給紙口123が配設されている。なお、メモリ端子121は、実施形態では4端子だがメモリの容量等によってこれに限られるものではない。
【0131】
さて、新しい消耗材カートリッジユニット102が装着されると、ロック爪117の一部に形成されているロック解除部127がカメラ本体101のロックピン125をロックピンバネ129のバネ力に抗して押す(図7)。ロックレバー124はロックピン125が押されると係止状態が解放され、ロックバネ128によって引かれてスライドする。これによってロックレバー124の爪部124−aと消耗材カートリッジユニット102のロック爪117が係合して消耗材カートリッジユニット102がカメラ本体101に対して固定される。
【0132】
この時、ロックレバー124の端部が装着検出接点126をオンさせることで制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の装着を検出すると共に(S63)、枚数メモリ14のカートリッジ種類を記録した信号を読み出す(S63)。制御手段1は給紙用モータ600へ通電して、プリンタ用紙300をカメラ本体101内部へ給紙する(S64)。又、手差しカートリッジ150で有るか否かを問わず、プリンタ制御部5を介して回復ポンピングの指示を行い、印画可能な状態に復活させる(S66)。
【0133】
一方、手差しカートリッジユニット150が装着された場合も上記消耗材カートリッジユニットが装着された場合と同じ動作によって着脱される。
【0134】
図5は装置全体の上面及び側面の断面状態を表した断面図であり、主要な構成のみを表わしている。この構成は第1の実施形態で説明した内容と同一であるので説明を省略する。
【0135】
又、図22は手差しカートリッジユニット150を装着した場合の断面図を表わしている。又、図23は手差しカートリッジユニット150の分解図を示している。撮影者が葉書用紙159等の手差し用紙を挿入すると、紙検出スイッチ151が入力して実際のプリント動作が開始する。図5に示すカメラ本体101側の給紙用接続ギア122と噛み合う給送ギアa152が回転すると、同軸上の給送ギアb153、給送ギアc154を介して給紙ゴムローラー155が回転する。これにより、葉書用紙159をカメラ本体101内部へ、押さえローラー156、給紙ローラー157によってガイドしながら挿入していく。
【0136】
ここで、カメラ本体101の用紙搬送部123のうち、図6に示すローラー600−a部分は給紙モータ600によって用紙が直接駆動されて搬送される部分であり、用紙の送り精度が画質に影響する。本実施形態においては手差しカートリッジユニット150の用紙搬送部を、カメラ本体101の用紙搬送部と対向して直線的に配設されるように構成した。これによって手差しされる用紙の厚さ等の用紙搬送における問題を最小限にすることが可能になっている。
【0137】
手差しカートリッジユニット150には、通常の消耗材カートリッジユニット102と同様にインクタンク500と電源電池200と枚数メモリ14を有している。枚数メモリ14はメモリ基板130上に実装されているが、手差しカートリッジユニット150では葉書等の手差し用紙のプリント出力回数をカウントし、インクタンク500のインク容量の残容量や消費される電源電池200の容量等を推測することに用いられる。
【0138】
(第6の実施形態)
図24乃至図25において本発明の第6の実施形態を説明する。なお第4の実施形態と同じ動作を行う個所については同一の符号を付け説明は省略する。
【0139】
第6の実施形態における手差しカートリッジユニット2000は葉書等の手差し用紙159を挿入すると、カメラ本体101側の給紙用ローラー600−aで用紙の搬送を行うようにしたものである。この場合、手差しカートリッジユニット2000側に用紙搬送のメカニズムがほとんど不要になるので軽量で低コストのカートリッジユニットが供給できる。
【0140】
図24は手差しカートリッジユニット2000を装着した装置の断面図を表わしており、図25は手差しカートリッジユニット2000を分解した図を示している。手差しカートリッジユニット2000は上カバー2000−aと下カバー2000−bで構成される。上カバー2000−aにはカメラ本体101の用紙搬送部と対向して直線的に手差し用紙ガイド面2001が形成されており、これによって手差し用紙159を直線的に挿入することができるようになっている。手差し用紙159を挿入口2004から挿入していくと、紙検出スイッチ2002が入力する。紙検出スイッチ2002の信号はメモリ基板を介してカメラ本体101側へ伝達される。制御手段1はこの信号を受けて給紙モータ600を駆動し、給紙ローラー600−aを駆動させる。手差し用紙159を挿入していくと、ガイドローラー2003によって搬送方向が整えられ、カメラ本体101側で給紙ローラー600−aで搬送されることでプリント動作が行われる。
【0141】
手差しカートリッジユニット2000には他の種類のカートリッジユニットと同様にインクタンク500と電源電池200及び枚数メモリ14を有している。
【0142】
電源電池200はプリンタ用紙や手差し用紙のカートリッジ内での搬送メカニズム等が不要である為にスペースの余裕に応じて容積の大きな電池を搭載することも可能である。
【0143】
(第7の実施形態)
図26乃至図30及び図4乃至図7において、本発明の第7の実施形態について説明する。図26は本発明のプリンタ付き撮影装置の主たる構成を表わしたブロック図であり、廃液吸収紙検出手段16を備え、他の部分は第1の実施形態と同様であり重複説明を省略する。図27び図28は動作の流れを示すフローチャートである。図4(a)及び4(b)、図5は本発明の装置の外観を表わした斜視図である。図6は本装置の中央断面の構成略図である。図7は透視斜視図である。図29は消耗材カートリッジユニットの分解図である。
【0144】
本装置はプリンタエンジン部にインクジェット記録方式を採用し、電子的な撮像をメモリへ蓄えるのと共に、任意のメモリに蓄えられた映像情報を任意なプリント枚数分プリント出力することができるものである。この装置について動作の手順に従って説明する。
【0145】
撮影者がプリンタ付き撮影装置の電源を入力する(S71)と、制御手段1は該装置が前回使用されて、電源がオフされてから所定期間、例えば3日以上(72時間以上)経過しているか否かを判断する(S72)。もしも3日以上経過している場合には、制御手段1はプリンタ部の制御を受け持つプリンタ制御部5に回復ポンピングの指示を出してプリンタエンジン部4を駆動する(S73)。以上の動作は第1,第2及び第4の実施形態と同様である。この時、制御手段1は廃液吸収紙160の有無を検出する廃液吸収紙検出手段16からの信号によって確実に廃液吸収紙160が装着されている場合のみ回復ポンピング動作を行うようにした。これによって、万が一の際に廃液が周囲に飛びちる等の不良動作を防ぐことができるようになっている。
【0146】
ここで改めて、回復ポンピングは、後述するインクジェット記録方式の装置においてより記録を有効にするものであって、用紙への記録を行う事前に記録ヘッドを吸引ポンプ等の手段によってクリーニングするものである(回復動作の詳細については後述する)。このクリーニングの目安として、本実施形態においては3日間以上の未使用期間があった場合の電源入力時にこれを行うものとした。
【0147】
さて撮影者は撮影に際して、シャッターボタン112を第1ストロークまで押し込むと、SW1信号9が入力する(S74)。制御手段1は撮像制御部3を介して撮像部2を駆動し露出制御値の決定や測距情報の決定、ストロボ発光の有無等露出動作に必要な諸条件の決定を行う(S75)。撮影者が実際に撮影を実行する為に更にシャッターボタン112を押し込むと、制御手段1にはSW2信号10が入力する(S76)。
【0148】
制御手段1は撮像制御部3を介して撮像部2を駆動して焦点合わせの為のレンズ駆動やシャッターの速度制御、絞りの開口量制御、又必要であればストロボの発光等の一連の露光動作を行う。そして、固体撮像素子800−aに入力する画像情報をメモリ手段7に取り込む(S77、S78)。
【0149】
制御手段1は保存したメモリ画をメモリ手段7から呼び出して表示手段8、具体的には液晶表示板114に表示を行い、撮影内容や撮影条件の確認等が行えるようにする(S79)。
【0150】
撮影動作としては以上を繰り返すことによってメモリ手段7に映像情報が蓄積されていく。繰り返し回数が増加すると、メモリ手段7のメモリ容量をオーバーするときには、その旨の警告表示を表示手段によって警告する。
【0151】
さて、撮影者がプリント出力を所望した場合、プリント出力のモード設定をモード設定手段6によって行う。具体的にはプリント出力にはプリントアウトする画像の印刷面積の大中小を切り換えるサイズ設定ボタン115及びプリント枚数設定ボタン116を用いる。
【0152】
次に、メモリ手段7に取り込まれた画像情報を画像送りボタン110、画像戻りボタン109によって液晶表示板114を見ながら検索し、プリント出力したい画像情報を表示する(S80)。
【0153】
ここで、プリントボタン103を押すと、プリント信号PR11が入力し、制御手段1はプリント動作を開始する(S81)。
【0154】
プリンタ制御部5は記録ヘッド(後述400)のホームポジション位置でプリント動作をより有効にする為にまず予備吐出を行い、記録ヘッド400の目づまりを解消したり蒸発しているノズルの回復等を行う(S82)。
【0155】
次にプリンタ制御部5はメモリ手段7に蓄えられた映像情報をプリント出力用の画像処理を加えた上でプリンタエンジン部4から出力する(S83)。
【0156】
プリンタエンジン部4でプリントされた印画済プリンタ用紙108はロール状に巻かれたプリンタ用紙300と切り離される位置まで自動的に給紙される(S84)。
【0157】
ここで、インク及びプリンタ用紙及び電源電池を含む消耗材カートリッジユニット102は内部に書き換え可能な出力枚数メモリ14を有しておりプリント出力した枚数が記憶されている。制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の出力枚数メモリ14にプリント出力ごとに加算していく。これと共に出力後にプリンタ用紙の残量をチェックしてもしプリンタ用紙が無い場合には液晶表示板114に消耗材カートリッジユニット102の交換を促す警告表示を行う(S85、S86)。
【0158】
使用者は前記警告に従って消耗材カートリッジユニット102をカメラ本体部101から取りはずして新しい消耗材カートリッジユニット102に交換する。消耗材カートリッジユニット102の脱着はカートリッジ取りはずしボタン111を押すことでカメラ本体101と切り離すことができるようになっている。
【0159】
さて、新しい消耗材カートリッジユニット102が装着されると、ロック爪117の一部に形成されているロック解除部127がカメラ本体101のロックピン125をロックピンバネ129のバネ力に抗して押す(図7)。ロックレバー124はロックピン125が押されると係止状態が解放され、ロックバネ128によって引かれてスライドする。これによってロックレバーの爪部124−aと消耗材カートリッジユニット102のロック爪117が係合して消耗材カートリッジユニット102がカメラ本体101に対して固定される。
【0160】
この時、ロックレバー124の端部が装着検出接点126をオンさせることで制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の装着を検出する(S87)。制御手段1は給紙用モータ600へ通電してプリンタ用紙300をカメラ本体101内部へ給紙する(S88)。
【0161】
又、プリンタ制御部5を介して回復ポンピングの指示を行い、印画可能な状態に復活させる(S89)。
【0162】
上述したように、図6は装置全体の上面及び側面の断面状態を表した断面図であり、主要な構成のみを表わしている。プリンタ付き撮影装置本体101は撮像ユニット800から入力した画像情報を基板ユニット900上に配設された回路によって処理され記録ヘッド400によって印画される。
【0163】
一方、図29は消耗材カートリッジユニット102の分解図である。これは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクを収納したインクタンク500と、ロール状に巻かれたプリンタ用紙300と、プリンタ用紙300と同軸上に配設された電源電池200と、廃液吸収紙160を有している。出力枚数メモリ14はメモリ基板145に乗って、カートリッジ上カバー102−aに固定される。プリンタ用紙300は軸中心部に電源電池200を挿入した上で両側から軸受300−a,300−bをはめ込む。又、他の部分は図8にて説明した内容と同様である。又、消耗材カートリッジユニット102はこのような構成の為に回収後に再利用が可能になっている。
【0164】
次に、前述した回復ポンピングの構成について説明する。図30はカメラ本体101内に具備されている回復ポンピングの構成概念図である。消耗材カートリッジユニット102が装着され、廃液吸収紙160が所定の位置へセットされると、制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の装着検出接点126の信号を入力する。それと共に廃液吸収紙装着検出スイッチ170の信号の入力を確認し、確実に装着されている場合のみ回復ポンピング動作するように構成されている。
【0165】
廃液吸収紙160が装着されると、廃液排出ノズル113の圧着部113−bと密着する。圧着部113−bは圧着バネ139によって付勢され、確実に廃液吸収紙160と密着するようになっている。制御手段1は消耗材カートリッジユニット102の交換や、電源投入時等の前記フローチャートにおける各々のタイミングにおいて回復ポンピング動作を行う。
【0166】
制御手段1はプリンタ制御部5を介してプリンタエンジン部4を駆動し、具体的には給紙モータ600からの駆動力を分割してアイドラギア132からピストンギア133へ動力を伝達する。ピストンギア133はスクリュー軸136と係合しており共に回転可能になっている。スクリュー軸136の溝部にはピストン弁135が係合しており、これらがシリンダ134の中を往復する。又、スクリュー軸136には、バネ性を有したレバー140が同軸上に配設され、ピストン弁135がAからBの方向へ動く時に反時計回りに摩擦を利用して回転し、中継レバー141を介してポンピングパッド131を押し上げて記録ヘッド400に密着する。この時、シリンダ134内部はピストン弁135がB方向に移動することで内圧が低下し、ポンピングパッド131と記録ヘッド400の密着部分もパットチューブ138を介して圧力が低下する。これにより記録ヘッド400の内部のインクを吸い出して、シリンダ134内部に溜まる。
【0167】
次に、制御手段1はピストンギア133が逆回転するようにプリンタエンジン部4を制御する。ピストン弁135がBからA方向に移動すると同時に、レバー140も時計回りに回転し、中継レバー141を介してポンピングパッド131も押し下げられて、大気圧に戻る。
【0168】
ピストン弁135はA→B方向でシリンダと密着し、B→A方向ではシリンダとすきまができるようにゴム等の軟質な材料で構成してあり、A方向へピストン弁135が戻ってくると吸引されたインクはピストン弁135の外側へ押し出される。
【0169】
その後、次の駆動によって再びA→B方向へピストン弁が移動すると、先ほどのインクは、更に押し出されて中継チューブ137を通って廃液排出ノズル113へ導きだされ、廃液吸収紙160の吸水力で、廃液吸収紙160へ移動する。このような吸引、排出の動作を数回連続して行うことで記録ヘッド400内に固着しているインクや流路内に混入した空気等を取り除く。
【0170】
更に消耗材カートリッジユニット102の交換時には通常の回復ポンピング動作時よりも長くポンピングの為の吸引、排出動作を行う等、場合によってポンピングの回数を変化させるとより好ましい。
【0171】
(第8の実施形態)
図31乃至図32において本発明の第8の実施形態について説明する。なお、第6の実施形態と同じ動作をする個所については同じ符号を付して説明は省略する。
【0172】
本第8の実施形態のカートリッジユニットにおけるインクの廃液溜め手段は、カートリッジユニットの隙間に配設したもので、カートリッジユニットの容積を有効に使うことで小型化を計る例である。
【0173】
廃液吸収紙4000は、消耗材カートリッジユニット102の外形に対してオフセットされた軸中心を持つプリンタ用紙300と電源電池200の下側の隙間にプリンタ用紙300を逃げるように配設してある。
【0174】
このように配設することで、外装形状を保ちつつカートリッジ内部を有効に利用することが可能である。
【0175】
又、廃液吸収紙4000端部には、廃液排出ノズル113からの廃インクを受ける部分形状4000−aが形成されている。これによって廃液排出ノズル113と廃液吸収紙4000の位置関係は自由度高く設計できる。
【0176】
上記実施形態では、プリント用紙に印刷した残りの廃液処理について、特にカートリッジユニット内に収納したことを説明した。この廃液処理によって、装置本体のヘッドのプリント枚数を増加することができ、動作的にも長寿命で、撮影者の操作の煩わしさを防止できる。
【0177】
以下、本発明の実施形態による効果を説明する。インクカートリッジの着脱動作だけでカメラモードとプリントモードが切換えられるので、操作性が向上するという効果を有している。又各モードに応じて操作部材の機能が割り付けられるので操作部材を最小限の数に減らせるという効果を有し、かつ装置をより小型化しても操作性が良好であるという効果も有している。
【0178】
又、カメラモード時にはカートリッジユニットが不要であるので更に小型化が可能であるという効果も有している。
【0179】
又、電源電池を各々のモードに適した使用を行うことで、カメラモード時にはより小さな電源電池で済むと同時に、消費電力の大きいプリントモード時には大きな電源電池を使用するので効率が良いという効果を有している。
【0180】
又、装置本体側及びカートリッジユニット側の片方の電源電池の電力供給が不足する場合には、もう片方から電力供給されるので、動作途中で停止してしまうことがないという効果も有している。
【0181】
また、プリンタ付カメラに装着される脱着式のカートリッジ本体に少なくとも1色以上のインクを収納するインクタンクと、印画用記録紙を内蔵し、カートリッジ本体を装着するとインク及び印画用記録紙の供給がされるようにしている。これにより、プリント出力に必要な消耗材を一括で扱えるので1つ1つの残量を常に注意したり、別々に用意する必要がなく、操作性が良いという効果を有している。
【0182】
又、インクタンク部が装着されるとカートリッジ本体に対してインクタンク部が離脱するようにしたことで、記録ヘッドとインクタンク部が一体的に駆動するタイプであっても、他の消耗材と一括して扱える。これにより、多種の記録ヘッド部のタイプに対応できると共に、ユーザーはこれらの記録ヘッドのタイプを気にすることもなく扱いやすい操作性を得ることができるという効果を有している。
【0183】
又、記録ヘッド部とインクタンク部を一体に構成できることによって、インクタンク部の交換時にインク流路に浸入する空気を排出する回復ポンピングの為の作業が流路が短い分むだになるインクが少なく、要する時間も短いという効果も有している。
【0184】
又、プリンタ付撮影装置に、カートリッジが装着される検出部を設け、これに基づいてプリンタ付撮影装置を制御することで、装着に応じた動作をユーザーが行うことなく作業でき、操作性が良いという効果を有している。
【0185】
又、カートリッジ本体内部に電源電池を配設し、これを印画用記録紙軸中心部に配設又は交換可能にしたことで、電源電池を他の消耗材と一括して扱うことができ、更に操作性が向上するという効果を有する。又、交換可能にしたことで充電電池の使用も可能であるという効果も有する。又、軸中心部に配設したことで装置全体を小型化することが可能であるという効果も有する。
【0186】
さらに、プリンタ付撮影装置において、着脱可能なカートリッジユニットであって、少なくとも1色以上のインクタンクと手差し給紙部を有し、該手差し給紙部はプリンタ付撮影装置本体の用紙搬送部と対向して直線的に配設した。これにより、消耗品を一括したカートリッジユニットとして扱いながら、手差し用紙へのプリント出力を所望した時に手軽にプリント出力が行えるという効果を有している。
【0187】
又、プリント動作を行う用紙搬送部と対向して直線的に手差し用紙を挿入できるので、プリント出力したい用紙の紙質や紙厚等の影響を受けにくく、多種の用紙への出力が可能であるという効果も有している。
【0188】
又、プリンタ付撮影装置において、複数のカートリッジユニットの装着を識別する識別手段を有してこの信号に基づいて該プリンタ付撮影装置の用紙搬送及びプリント動作の制御を変更するようにした。これにより、カートリッジユニットを交換するだけで、そのカートリッジユニットに最も適した用紙の搬送やプリント動作を自動的に行えるので操作性が良いという効果を有している。
【0189】
又、多種のカートリッジが用意されていても撮影者に負担がかからないので、容易に用途に応じたカートリッジを提供することが可能であるという効果も有している。
【0190】
さらにまた、インクジェット記録方式のプリンタ装置を内蔵するプリンタ付カメラに装着される脱着可能なインクカートリッジユニットにおいて、インク廃液溜め手段を前記インクカートリッジユニット内部に配設している。これにより、吸引ポンピング動作によって排出された廃インク及び廃インクを溜める手段をカメラ本体に持つ必要がないので、カメラ本体を小型化できるという効果を有している。
【0191】
又、インクカートリッジユニットに廃液溜め手段があるので交換後に回収して新たな廃液溜め手段と交換することで再利用を可能にできるという効果も有している。
【0192】
又、インクカートリッジユニットに使用するインクの搭載量から廃インクの概算量が把握できるので、廃液溜め手段を最適な大きさにすることが可能となり、コストを適正にすることができるという効果も有している。
【0193】
又、プリンタ付撮影装置において、吸引ポンピング動作によって吸引された廃インクを溜める廃液溜め手段の装着状態を検出する検出手段を有し、この検出手段からの信号に基づいて、プリンタ付撮影装置を制御する制御手段を有する。これにより、インクカートリッジユニットの装着とは別に廃液溜め手段の装着状況を確認できる。よって、廃液溜め手段が何らかの不具合でカメラ本体側と密着していない場合に吸引ポンピング動作を行ってしまって廃液がもれてしまうといった不良を防ぐことができるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【図1】本発明による第1実施形態の構成ブロック図である。
【図2】本発明による第1実施形態のフローチャートである。
【図3】本発明による第1実施形態のフローチャートである。
【図4】本発明による第1実施形態の斜視図である。
【図5】本発明による第1実施形態の斜視図である。
【図6】本発明による第1実施形態の上面及び側面の中央断面図である。
【図7】本発明による第1実施形態の透視斜視図である。
【図8】本発明による第1実施形態の消耗材カートリッジユニット分解図である。
【図9】本発明による第2実施形態の構成ブロック図である。
【図10】本発明による第2実施形態のフローチャートである。
【図11】本発明による第2実施形態のフローチャートである。
【図12】本発明による第3実施形態の中央断面図(上面)である。
【図13】本発明による第3実施形態の消耗材カートリッジユニット分解図である。
【図14】本発明による第4実施形態の斜視図である。
【図15】本発明による第4実施形態の中央断面図(上面)である。
【図16】本発明による第4実施形態の断面図(側面)である。
【図17】本発明による第4実施形態のキャリッジ部詳細図である。
【図18】本発明による第5実施形態のブロック図である。
【図19】本発明による第5実施形態のフローチャートである。
【図20】本発明による第5実施形態のフローチャートである。
【図21】本発明による第5実施形態のフローチャートである。
【図22】本発明による第5実施形態の中央断面図2(側面)である。
【図23】本発明による第5実施形態の手差しカートリッジユニット分解図である。
【図24】本発明による第6実施形態の中央断面図(側面)である。
【図25】本発明による第6実施形態の手差しカートリッジユニット分解図である。
【図26】本発明による第7実施形態の構成ブロック図である。
【図27】本発明による第7実施形態のフローチャートである。
【図28】本発明による第7実施形態のフローチャートである。
【図29】本発明による第7実施形態の消耗材カートリッジユニット分解図である。
【図30】本発明による第7実施形態の回復ポンピング構成図である。
【図31】本発明による第8実施形態の消耗材カートリッジユニット分解図である。
【図32】本発明による第8実施形態の中央断面図(側面)である。
【符号の説明】
【0195】
1 制御手段
2 撮像部
3 撮像制御部
4 プリンタエンジン部
5 プリンタ制御部
6 モード切換手段(操作部材切換手段)
7 メモリ手段
8 表示部
9 カートリッジ装着検出手段
10,11,12,13 操作用スイッチ
14 出力枚数メモリ
15 カートリッジ種類判別手段
16 廃液吸収紙検出手段
101 カメラ本体
102 消耗材カートリッジユニット
104 ズームボタン(画像送りボタン)
105 撮像レンズ
106 光学ファインダー
107 プリント出口
108 印画済プリンタ用紙
111 カートリッジ取りはずしボタン
112 シャッターボタン(プリントボタン)
113 廃液排出ノズル
114 液晶表示板
115 サイズ設定ボタン(ストロボ発光ボタン)
116 プリント枚数設定ボタン(撮影モード設定ボタン)
117 ロック爪
118 ロック爪穴
119 インク接続部
120 電源端子
121 メモリ端子
122 給紙ギア
123 給紙口
124 ロックレバー
125 ロックピン
126 装着検出接点
127 ロック解除部
128 ロックバネ
129 ロックピンバネ
130 検出スイッチ
131 ポンピングパッド
132 アイドラギア
133 ピストンギア
134 シリンダ
135 ピストン弁
136 スクリュー軸
137 中継チューブ
138 パットチューブ
139 圧着バネ
140 レバー
141 中継レバー
145 メモリ基板
149 本体電池
150 手差しカートリッジユニット
151 紙検出スイッチ
152 給送ギアa
153 給送ギアb
154 給送ギアc
155 給紙ローラーゴム
156 押さえローラー
157 給紙ローラー
158 手差し給紙口
159 葉書用紙
200 電源電池
300 プリンタ用紙
400 記録ヘッド
500 インクタンク
600 給紙モータ
700 ヘッド駆動モータ
800 撮像ユニット
900 基板ユニット
2000 手差しカートリッジユニット
3000 消耗材カートリッジユニット
4000 廃液吸収紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント材料が内蔵されたカートリッジを着脱可能なプリンタであって、
操作部材と、
前記カートリッジが装着されたことを検出する検出手段と、
前記検出手段により検出した前記カートリッジの装着状態に応じて、前記操作部材に割り付けられた機能を切換える操作部材切換手段とを有することを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
前記操作部材切換手段は、前記カートリッジが装着状態のときは、前記操作部材にプリント出力設定のための機能を割り付けることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記プリント出力設定は、プリント出力サイズ設定、出力枚数設定のいずれかを含むことを特徴とする請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記プリンタは、更に、撮影される被写界の光学像を電気信号に変換する撮像手段を有し、
前記操作部材切換手段は、前記カートリッジの装着状態に応じて、前記操作部材に、撮影設定、又は、プリント出力設定の機能を割り付けることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記プリンタは、更に、撮影される被写界の光学像を電気信号に変換する撮像手段と、
前記検出手段により検出した前記カートリッジの装着状態に応じて、前記撮像手段による撮影動作と、プリント手段によるプリント動作を切換える制御手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。
【請求項6】
プリント材料が内蔵されたカートリッジを着脱可能なプリンタの制御方法であって、
検出手段により前記カートリッジが装着されたことを検出し、
検出した前記カートリッジの装着状態に応じて、操作部材に割り付けられた機能を切換えるように制御することを特徴とするプリンタの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【公開番号】特開2007−196693(P2007−196693A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−103043(P2007−103043)
【出願日】平成19年4月10日(2007.4.10)
【分割の表示】特願平9−193744の分割
【原出願日】平成9年7月18日(1997.7.18)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】