プレート情報管理装置およびプレート情報管理方法
【課題】スクリーニング装置において、マイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができるプレート情報管理装置およびプレート情報管理方法を提供することを目的とする。
【解決手段】蛋白質結晶化条件のスクリーニング作業での結晶化プレート16に関する情報管理において、個々の結晶化プレートを識別するID番号がバーコードで印刷されたバーコードラベル75を結晶化プレート16に貼付するとともに、管理台帳76にも貼付する。これにより、必要時には現物の結晶化プレート16と無関係に、管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75からID番号を認識し、このID番号と関連付けられたプレート情報を記憶部から読み取って表示装置に表示することができる。これにより結晶化プレート情報を情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができる
【解決手段】蛋白質結晶化条件のスクリーニング作業での結晶化プレート16に関する情報管理において、個々の結晶化プレートを識別するID番号がバーコードで印刷されたバーコードラベル75を結晶化プレート16に貼付するとともに、管理台帳76にも貼付する。これにより、必要時には現物の結晶化プレート16と無関係に、管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75からID番号を認識し、このID番号と関連付けられたプレート情報を記憶部から読み取って表示装置に表示することができる。これにより結晶化プレート情報を情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができる
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質結晶化溶液を収容する結晶化プレートなどのマイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理装置およびプレート情報管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年遺伝子情報を医療などの分野に有効に利用するための取り組みが活発化しており、その基礎技術として遺伝子を構成する蛋白質の構造を解析する努力が行われている。この蛋白質の構造解析は、蛋白質を構成するアミノ酸が3次元の線状に連なった立体構造を特定するものであり、X線結晶構造解析などの方法によって行われる。
【0003】
このような蛋白質の構造解析を行うためには、まず解析対象の蛋白質を結晶化することが求められ、この蛋白質結晶化の方法として蒸気拡散法が知られている。この方法では、結晶化対象の蛋白質を含む蛋白質溶液から蒸発する溶媒成分を同一容器内に収容された結晶化溶液によって吸収させることにより、蛋白質溶液を過飽和状態に保って結晶を徐々に生成させる。蒸気拡散法による蛋白質結晶化には、蛋白質溶液の液滴を液保持面の下面側に付着させた垂下状態で溶媒を蒸発させるハンギングドロップ方式(例えば特許文献1,2参照)と、蛋白質溶液の液滴を液保持部の上面に付着させた載置状態で溶媒を蒸発させるシッティングドロップ方式(例えば特許文献3参照)が用いられている。
【0004】
蛋白質結晶化の最適条件を見いだすための結晶化スクリーニングにおいては、対象となる蛋白質や用いられる試薬の種類、環境条件など種々の条件因子を変化させた系統的な試験が数多く実行される。このようなスクリーニングにおいては、試験の対象となる試料の現物と当該試料に適用された条件因子とを正しく対応させるため、バーコードなどによって情報が記録されたラベルを識別用に貼付する方法が広く用いられている(例えば特許文献4参照)。この特許文献例では、RNA解析などにおける一連のデータを管理する資料データ管理システムの例が示されており、ここでは試料の個体を識別する識別情報としてのID番号が印刷されたバーコードラベルを各試料を収容する容器に貼付するようにしている。
【特許文献1】特開2002−179500号公報
【特許文献2】特開2003−14596号公報
【特許文献3】特開2004−194647号公報
【特許文献4】国際公開第99/30167号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の従来技術においては、識別情報は容器の現物に貼付されているのみであるため、各試料の試験に適用された条件因子や試験結果などの情報を検索する際に、効率よく且つ容易に検索を行うことが困難であった。すなわち、試験が継続進行している過程においては、試料はインキュベータなどの試験装置内に保管された状態にあるため識別情報を容易に確認することができず、検索の可能な範囲が限定されることとなっていた。このように、従来はマイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置において、マイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことが困難であった。
【0006】
そこで本発明は、スクリーニング装置において、マイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができるプレート情報管理装置およびプレート情報管
理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプレート情報管理装置は、マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理装置であって、前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するためのプレート情報入力画面を表示装置に表示するプレート情報入力処理部と、前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行部と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行部によって発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録処理部と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷部と、前記ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部と、前記図形コード読取部によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレート情報表示処理部とを備えた。
【0008】
本発明のプレート情報管理方法は、マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理方法であって、前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行工程と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷工程と、前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するプレート情報入力工程と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行工程において発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録工程と、前記管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取工程と、前記図形コード読取工程において読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識工程と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレート情報表示工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報をマイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷して出力させることにより、必要時には現物のマイクロプレートに無関係に、管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を読み取ってID番号を認識し、このID番号と関連付けられたプレート情報を記憶部から読み取って表示装置に表示することができる。これにより、スクリーニング装置においてマイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化条件スクリーニング装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化プレート作製装置の透過斜視図、図3は本発明の一実施の形態において使用される結晶化プレートの斜視図、図4は本発明の一実施の形態のプレート保管装置の透過斜視図、図5は本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置の処理機能を示す機能ブロック図、図6は本発明の一実施の形態において使用されるバーコードラベルの貼付対象の説明図、図7は本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報入力画面を示す図、図8,図9,図10、図11、図12は本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図である。
【0011】
まず図1を参照して、蛋白質結晶化条件スクリーニング装置の全体構造を説明する。蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1は、蒸気拡散法による蛋白質結晶化方法であるシッティグドロップ法やハンギングドロップ法における蛋白質の結晶化条件をスクリーニングする作業に用いられるものであり、それぞれ個別の装置である蛋白質結晶化プレート作製装置2およびプレート保管装置5を連結した構成となっている。
【0012】
蛋白質結晶化プレート作製装置2は、結晶化容器として用いられるマイクロプレート(結晶化プレート)を対象として分注操作を行うことにより、所定の結晶化条件に設定する結晶化プレート作製処理を行う。プレート保管装置5は、作製された複数の結晶化プレートを所定の環境下で保管し、これらの結晶化プレートを対象として蛋白質結晶検出を行う。
【0013】
蛋白質結晶化プレート作製装置2、プレート保管装置5はそれぞれ箱形の筐体3,6の内部に後述する各機能部を収容した構成となっている。筐体3には観察および内部アクセス用の窓3a、消耗部品を補給するための部品供給扉3bおよび制御パネル4が設けられており、筐体6は内部環境温度を設定温度に保持する恒温室を構成しており、内部アクセス用の扉6a、前面からの操作・点検用の小扉6bおよび内部点検用の窓6c、制御パネル7が配設されている。筐体3,6の境界には容器搬送用の開口部が設けられており、蛋白質結晶化プレート作製装置2で作製された結晶化プレートを、プレート保管装置5に直接搬入できるようになっている。
【0014】
蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1には、結晶化プレート情報管理装置8が付属している。結晶化プレート情報管理装置8は蛋白質結晶化条件スクリーニング装置において、結晶化プレートに関する情報(結晶化プレート情報)を管理する機能を有するものであり、本体部8a、キーボード8b、表示モニタ8cより成るパーソナルコンピュータに、ラベルプリンタ8e、バーコードリーダ8dを組み合わせた構成となっている。ラベルプリンタ8eは、結晶化プレートの識別用として用いられるバーコードラベルを印刷して出力する機能を有している。そしてバーコードリーダ8dは出力されたバーコードラベルを読み取る機能を有している。本実施の形態においては、これらのバーコードラベルによって、結晶化プレート情報、すなわち当該プレートに収納されている物質や作業日時などの詳細情報を管理するようにしている。
【0015】
次に図2を参照して、蛋白質結晶化プレート作製装置2の内部構造を説明する。蛋白質結晶化プレート作製装置2の内部に設けられた基台10の上面は、蛋白質溶液中の蛋白質を結晶化させるために用いられる結晶化プレートを対象として分注操作が実行される分注部11となっている。基台10の手前側の側面には、消耗品を収容するストック部12が設けられている。ストック部12は空プレート供給部13および2つのラックストック部14,15を備えている。
【0016】
空プレート供給部13は昇降プレート13aを備えており、昇降プレート13a上には結晶化用の空のマイクロプレート16(以下、単に「結晶化プレート16」と略記する)が多段積みの積層状態で収納される。昇降プレート13aが上昇することにより、積層された結晶化プレート16が上昇し、最上層の結晶化プレート16が後述する搬送部20によって取り出される。結晶化プレート16には、結晶化プレート情報管理装置8のラベルプリンタ8eによって印刷された識別用のバーコードラベル75(図6参照)が予め貼付されている。
【0017】
ラックストック部14,15は、昇降プレート14a、15aを備えており、昇降プレート14a、15aには、ティップラック17,18が、結晶化プレート16と同様に積
層状態で収納され、搬送部20によって取り出される。ティップラック17,18には、分注操作において結晶化溶液の分注に使用される使い捨て型の分注ティップが格子状配列で複数保持されている。結晶化溶液の分注には大小2種類の分注ティップが用いられ、ティップラック17、18は、それぞれ小型サイズ、大型サイズの結晶化溶液分注用ティップを収納している。
【0018】
これらの結晶化プレート16やティップラック17,18は、後述する搬送部20によって分注部11に搬送され、ここでティップラック17,18から取り出された分注ティップが分注操作に使用される。使用された分注ティップは、ティップラック17,18に戻し入れされる。ストック部12には、使用後の消耗部品を回収するための廃棄ボックス19が設けられており、使用後の分注ティップを収容したティップラック17,18は、搬送部20によってこの廃棄ボックス19内に投棄される。
【0019】
搬送部20について説明する。基台10の上方には、2条のX軸機構24がX方向に配設されており、X軸機構24に架設されたY軸機構23には、Zθ軸機構22が装着されている。Zθ軸機構22から下方に延出した軸部22aには、搬送ヘッド21が結合されている。X軸機構24、Y軸機構23、Zθ軸機構22を駆動することにより、搬送ヘッド21は分注部11内でX方向、Y方向およびZθ方向に移動し、結晶化プレート16やティップラック17,18をクランプして搬送する。
【0020】
次に分注部11について説明する。分注部11の略中央部には、分注ステージ11aが設けられており、ストック部12から取り出された結晶化プレート16は、搬送部20による搬送経路に設けられたバーコード読取部28によってバーコードラベル75が読み取られ識別された後に、分注ステージ11aにセットされる。分注ステージ11aとストック部12との間のエリアには、ティップラック17,18や、後述する蛋白質溶液分注ノズルを収容するノズルラック27が載置される。また分注ステージ11aの奥側のエリアには、スクリーニングの対象となる蛋白質溶液を貯溜した蛋白質溶液供給リザーバ26および結晶化に使用される結晶化溶液を貯溜した結晶化溶液供給リザーバ25が載置されている。
【0021】
スクリーニングにおいて試験の対象となる結晶化プレートを準備する結晶化プレート作製処理は、空の結晶化プレート16に対して、蛋白質溶液供給リザーバ26から取り出した蛋白質溶液および結晶化溶液供給リザーバ25から取り出した結晶化溶液を、以下に説明する分注手段によって分注することにより行われる。
【0022】
分注ステージ11aを含んだ分注部11の上方には、X軸テーブル31がX方向に配設されており、X軸テーブル31に結合されたY軸テーブル32には、分注ヘッド部33が装着されている。X軸テーブル31およびY軸テーブル32を駆動することにより、分注ヘッド部33は分注ステージ11aを含んだ分注部11上で移動し、分注対象の結晶化プレート16に位置合わせされる。そして「33」を駆動して分注ノズルを結晶化プレート16のウェル16aに挿入して液体を吐出することにより、分注が行われる。
【0023】
ここで図3を参照して、結晶化プレート16について説明する。図3に示すように、結晶化プレート16には複数のウェル16aが格子状に形成されている。ウェル16aは、円形の凹部の中心に円柱状の液保持部16bが設けられたいわゆるカルデラ状の液体収納用の凹部であり、ウェル16a内には、結晶化の対象となる試料、すなわち結晶化対象の蛋白質を含んだ蛋白質溶液と、結晶化に用いられる結晶化溶液とが分注される。
【0024】
結晶化の開始に際しては、液保持部16bに蛋白質溶液と結晶化溶液とを混合して保持させ、各ウェル16a上面に密封用のシール部材56が貼着される(図3参照)。そして
この状態の結晶化プレート16を所定の温度雰囲気下で保管することにより、蛋白質溶液中の溶媒成分を蒸発させ、これにより蛋白質溶液の蛋白質濃度を過飽和状態にまで高めて蛋白質結晶を生成する。
【0025】
図2において、分注ステージ11aの側方(ストック部12の反対側)に配設されたシール貼付部50について説明する。分注部11上には、スライドテーブル51が配設されている。スライドテーブル51上には結晶化プレート16を保持するプレート保持部52がY方向にスライド自在に装着されており、プレート保持部52は移動手段(図示省略)によりY方向に往復動する。プレート保持部52には、分注ステージ11aにて分注操作が完了した結晶化プレート16が載置され保持される。
【0026】
スライドテーブル51の上方には、シール貼付ヘッド55が昇降自在に配設されている。シール貼付ヘッド55には、シール供給部53から引き出されたシート状のシール部材56が供給される。シール部材56は剥型紙に積層された状態で供給され、シール貼付動作においては、シール貼付ヘッド55をプレート保持部52に保持された結晶化プレート16の上面に押圧した状態で結晶化プレート16をシール貼付ヘッド55に対して水平方向(Y方向)に相対移動させる。
【0027】
これにより、結晶化プレート16の上面には、シール部材56が貼着され、そしてシール部材56が剥離された後の剥型紙は、剥型紙回収部54に巻き取られて回収される。このシール部材56の貼着により全てのウェル16aの上面が塞がれて密閉される。
【0028】
筐体3の側面には、シール貼付部50に隣接した位置に結晶化プレート16を搬出するための開口部3cが設けられている。シール貼付部50にて上面にシール部材56が貼り付けられた結晶化プレート16は、搬送ヘッド21によって開口部3cを介してプレート保管装置5に搬出される。
【0029】
次に図4を参照して、プレート保管装置5の構造を説明する。プレート保管装置5は、箱形状の筐体6内に形成された恒温室に、結晶化プレート保管庫60、搬送ユニット61および観察部63を配置した構成となっている。恒温室6は内部雰囲気を所定環境に保持する温調機能を備えており、図4に示すように、筐体6の側面には蛋白質結晶化プレート作製装置2の開口部3cから搬出される結晶化プレート16を内部へ搬入するための搬入口6bが設けられている。搬入口6bは、搬入口開閉機構(図示省略)によって開閉自在となっている。
【0030】
恒温室の内部構造を説明する。恒温室の内部には、奥側壁面に沿って縦型棚形状の結晶化プレート保管庫60が配置されている。結晶化プレート保管庫60は棚状に仕切られた複数の収納部60aを備えており、それぞれの収納部60aには結晶化プレート作製装置2によって分注操作が行われウェル16aが密閉された結晶化プレート16が1つだけ収容される。結晶化プレート保管庫60における個々の結晶化プレート16の位置は、結晶化プレート位置情報記憶部67(図5参照)に記憶される。
【0031】
結晶化プレート保管庫60の前面には搬送ユニット61が配置されている。搬送ユニット61は、Xテーブル61X、Yテーブル61Y、Zテーブル61Z、回転ヘッド61R、プレート保持ヘッド62を備えている。Xテーブル61Xは、床面に水平姿勢でX方向(結晶化プレート保管庫60に平行な方向)に配設されており、Xテーブル61Xに立設されたZテーブル61Zには、Yテーブル61Yが水平姿勢で装着されており、Yテーブル61には回転ヘッド61Rが装着されている。
【0032】
回転ヘッド61Rの回転軸にはプレート保持ヘッド62が装着されている。Xテーブル
61X、Yテーブル61Y、Zテーブル61Zを駆動することにより、プレート保持ヘッド62は結晶化プレート保管庫60の前面でX,Y,Z方向に移動する。また、回転ヘッド61Rを駆動することにより、保持ヘッド8の水平方向の向きを変更することができる。
【0033】
そしてこのXYZ方向の移動により、プレート保持ヘッド62は搬入口6bから搬入されるプレート16をアーム62aによって挟んで保持し、結晶化プレート保管庫60の指定された収容部60aに収納する。収納部5aで所定時間保持された結晶化プレート16は、搬送ユニット61のプレート保持ヘッド62によって保持され、プレート保持ヘッド62が移動することにより、観察部63まで搬送される。
【0034】
観察部63は基台64上に立設されたフレーム64aに、観察テーブル65を水平姿勢で装着し、観察テーブル65の上方にカメラ66を配置した構成となっている。観察テーブル65にはプレート保持ヘッド62によって搬送された結晶化プレート16が載置され、セットされる。観察テーブル65に備えられたXYZ移動機構を駆動することにより、プレート16はX,Y,Z方向に移動する。観察部63は結晶生成過程の結晶化プレート16を観察することにより、各ウェル16a毎に液保持部16b内の溶液の状態を示す画像を取得する。そしてこの画像を基づき各ウェル16aにおける蛋白質結晶の有無や結晶化の度合いを検出する。観察部63によって取得された画像データは、以下に説明する記憶部73に転送され結晶化プレート情報として個々の結晶化プレート毎に記憶される。
【0035】
次に図5を参照して、蛋白質結晶化プレート作製装置に付属して設けられた結晶化プレート情報管理装置8の処理機能を説明する。図5において処理部70は、図1に示す本体部8aによって実行される処理機能を示すものであり、バーコード読取部71、ラベル印刷部72はそれぞれはバーコードリーダ8d、ラベルプリンタ8eの機能を示している。また操作・入力部74はキーボード8bや表示モニタ8cに設定されたタッチパネルによる入力機能を示している。操作・入力部74からの操作指令入力やデータ入力により、処理部70による各種処理が実行され、処理部70の画面表示処理機能によって表示モニタ8cに各種画面が表示される。
【0036】
記憶部73は本体部8aに内蔵された記憶装置または外部データ記憶装置である。記憶部73は、蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1を構成する各部、すなわちバーコード読取部28、分注部11、シール部50、観察部63、結晶化プレート保管庫60、結晶化プレート位置情報記憶部67から転送される情報を記憶するとともに、スクリーニングの対象とされた結晶化プレート16についての結晶化プレート情報を記憶する。
【0037】
処理部70は、バーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70c、結晶化プレート情報入力処理部70d、識別情報発行部70e、結晶化プレート情報登録処理部70fを備えている。これらの各部のうち、結晶化プレート情報入力処理部70d、識別情報発行部70e、結晶化プレート情報登録処理部70fは、スクリーニング作業の開始に際しての結晶化プレート情報の入力および登録の機能を有するものである。そしてバーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70cは、スクリーニング作業の継続中または作業後に、結晶化プレート情報を参照する必要がある場合における情報検索および画面表示の機能を有するものである。
【0038】
まず結晶化プレート情報入力処理部70d、識別情報発行部70e、結晶化プレート情報登録処理部70fの処理機能について、図7を参照して説明する。図7は結晶化プレート情報入力処理部70dによって表示モニタ8cに表示される結晶化プレート情報入力画面80を示している。すなわち、結晶化プレート情報入力処理部70dは、結晶化プレートに関する結晶化プレート情報を入力するための結晶化プレート情報入力画面80を表示
装置である表示モニタ8cに表示する。
【0039】
結晶化プレート情報入力画面80には、入力対象の諸情報を入力するための入力フィールドや、画面上での処理を操作するための操作ボタンが設けられている。入力フィールド80a、80b、80c、80dには、ID番号、ID番号の発行日時、当該ID番号の属するプロジェクト名および作業者氏名がそれぞれ入力される。入力エリア81には、結晶化プレート16に収納される物質や試験条件に関する情報が入力される。入力エリア81は、さらに物質の名称、量、備考、温度および上述の各情報を補足するために必要なメモをそれぞれ入力するための入力フィールド81a、81b、81c、81d、81eより構成される。これらの入力フィールドに正しく情報が入力されると、当該情報が各入力フィールドに表示される。
【0040】
操作ボタンについて説明する。結晶化プレート情報入力画面80には、ID発行ボタン80e、登録ボタン80f、終了ボタン80fが設けられている。ID発行ボタン80eを操作することにより、識別情報発行部70eによって結晶化プレート16の識別用に貼付されるバーコードラベルのための新たなID番号が発行される。すなわち、識別情報発行部70eは、結晶化プレート16を識別するためのID番号を発行する。そしてこの操作により、ID表示フィールド80a、発行日時表示フィールド80bには新たに発行されたID番号および発行日時が自動的に表示される。
【0041】
この後、キーボード8bを操作することにより、表示フィールド80c、80dおよび入力エリア81内の各入力フィールドに、付与されたID番号が貼付された結晶化プレート16に関する結晶化プレート情報を入力する入力操作が行われる。これにより各入力フィールドには、入力された各情報がそれぞれ表示される。
【0042】
次いでこの状態で登録ボタン80fを操作することにより、結晶化プレート情報入力画面80の各入力フィールドに表示されている各情報は、結晶化プレート情報登録処理部70fによって、ID番号と関連付けされて記憶部73に記憶される。すなわち、結晶化プレート情報登録処理部70fは、結晶化プレート情報入力画面80に入力された結晶化プレート情報を、識別情報発行部70eで発行されたID番号に関連付けして記憶部73に記憶させる登録処理を行う。そして終了ボタン80fを操作することにより、上述の入力・登録の処理が終了する。
【0043】
上述の登録処理とともに、結晶化プレート情報登録処理部70fからラベル印刷部72に印刷指令が出力され、これによりラベル印刷部72は、結晶化プレート情報入力画面80上に表示された各情報のうち少なくともID番号を含む情報がバーコードの形態で表示されたバーコードラベルを印刷して出力する。このとき、ラベル印刷部72は同一内容のバーコードラベルを少なくとも2枚印刷する。そして図6に示すように、印刷された2枚のバーコードラベル75は、1枚が対象となる結晶化プレート16の本体部16cの側面に現物識別用として貼付される。そしてもう1枚のバーコードラベル75は、当該作業の実行履歴を管理する管理台帳に貼付される。
【0044】
ここで管理台帳とは、作業内容の記録管理のために業務ルール的に定められた管理ファイルのほか、実験担当者が個人的に日々の作業内容を記録する業務日誌や研究レポートなど、各種の形態のものであってもよい。すなわち、本実施の形態においては、ラベル印刷部72はID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷する形態となっている。
【0045】
次に、バーコード読取部71、バーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70cの機能について説明する。バーコード読取部71は、結晶化プレ
ート16または管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75のバーコード(図形コード情報)を読み取る。すなわちバーコード読取部71は、ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部となっている。
【0046】
バーコード認識部70aは、バーコード読取部71によって読み取ったバーコードから、ID番号を認識する処理を行う。すなわちバーコード認識部70aは、図形コード読取部であるバーコード読取部71によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部となっている。なお、図形コード情報として通常の1次元バーコード以外に2次元バーコードを用いてもよい。
【0047】
バーコード認識部70aによって認識されたID番号は、結晶化プレート情報表示処理部70cに伝達される。そして結晶化プレート情報表示処理部70cは、このID番号に関連付けられた結晶化プレート情報を記憶部73から読み出して、表示モニタ8cに表示させる処理を行う。図8は、結晶化プレート情報表示処理部70cによって表示モニタ8cに表示される結晶化プレート情報表示画面82を示している。
【0048】
結晶化プレート情報表示画面82には、対象となる情報を表示するための表示フィールドや、画面上での処理を操作するための操作ボタン(バーコード検索ボタン82h、条件検索ボタン82i、終了ボタン82j)が設けられている。バーコード検索ボタン82h、条件検索ボタン82iを操作することにより、以下に説明するデータ検索が可能となり、終了ボタン82jを操作することにより、結晶化プレート情報表示画面82上での処理が終了する。
【0049】
表示フィールド82a、82b、82c、82dには、図7に示す結晶化プレート情報表示画面80において入力フィールド80a、80b、80c、80dに表示されたID番号、ID番号の発行日時、当該ID番号の属するプロジェクト名および作業者氏名がそれぞれ表示される。そして表示フィールド82e、82fには、結晶化プレート情報表示画面80において入力エリア81に入力された情報が、それぞれの該当する表示欄に表示される。また画像表示フィールド82gには、観察部63によって結晶化プレート16の各ウェル16aの結晶化溶液を撮像した画像が、各ウェル16a毎に表示される。
【0050】
結晶化プレート情報表示画面82において、ID表示フィールド82aに何も表示されていない場合、すなわち表示されるべき結晶化プレート情報が特定されていない場合には、結晶化プレート情報表示画面82の各欄には何も表示されない。この場合には、バーコード検索ボタン82h、条件検索ボタン82iのいずれかを操作して、データ検索を行う必要がある。バーコード検索は、バーコードラベル75を読み取って認識したID番号を、結晶化プレート情報表示処理部70cに直接指示することにより、結晶化プレート情報を検索するものである。
【0051】
すなわち、バーコード検索ボタン82hを操作することにより、図9に示すように、結晶化プレート情報表示画面82にはバーコード読み取り結果表示ウィンドウ83が表示される。そしてこの状態でバーコード読取部71によってバーコードラベル75によって読み取り操作を行う。ここでバーコードが正しく読み取られ、バーコード認識部70aによってID番号が認識されると、バーコード読み取り結果表示ウィンドウ83のID表示フィールド83aに認識されたID番号が表示される。
【0052】
そしてこの状態で表示ボタン83bを操作することにより、図10に示すように、結晶化プレート情報表示画面82の各表示フィールドに、当該ID番号に関連付けられた結晶化プレート情報が、結晶化プレート情報表示処理部70cによって記憶部73から読み取られて表示される。このとき、画像表示フィールド82gには、各ウェル内の結晶化溶液
の状態を示す複数のウェル画像84が表示される。ここで、スクロールバー82x、82yを操作することにより、ウェル画像84を画像表示フィールド82g内で、それぞれx方向、y方向にスクロールさせることができる。
【0053】
すなわち上記構成において結晶化プレート情報表示処理部70cは、図形コード情報から認識されたID番号と関連付けられた結晶化プレート情報を、記憶部73から読み取って表示装置に表示する機能を有している。そして本実施の形態においては、結晶化プレート情報は、結晶化プレート16に収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データを含む形態となっている。
【0054】
また結晶化プレート情報表示画面82において条件検索ボタン82iを操作することにより検索部70bが起動される。検索部70bは、図11に示す検索条件入力ウィンドウ85を結晶化プレート情報表示画面82に表示させる処理と、入力された検索条件に基づき記憶部73内の情報を検索する機能と、検索結果をリストとして表示する機能を有している。以下、これらの機能を画面上での操作に即して説明する。
【0055】
まず条件検索ボタン82iを操作することにより、結晶化プレート情報表示画面82には、図11に示す検索条件入力ウィンドウ85が表示される。そして検索条件入力ウィンドウ85内の検索条件入力エリア85aに設けられた各入力フィールドに該当する検索条件を入力する。図11に示す例では、物質が検索条件となっており、物質種類AAA・・が入力されている。そしてこの状態で検索ボタン85bを操作することにより、検索部70bは検索条件に該当する結晶化プレート情報を記憶部73から検索し、検索結果を結晶化プレート情報表示画面82に検索結果リスト86として表示する。
【0056】
検索結果リスト86には、検索条件入力ウィンドウ85にて入力された検索条件(すなわち物質種類AAA・・)に該当する結晶化プレート情報が列挙される。そしてこれらのうち所望の結晶化プレート情報に該当する行をダブルクリックなどの方法で指定すると、指定された結晶化プレート情報のID番号が結晶化プレート情報表示処理部70cに指示される。これにより、図10に示す画面、すなわち所望の結晶化プレート情報を示す結晶化プレート情報表示画面82が、表示モニタ8cに表示される。
【0057】
なお上記実施の形態においては、結晶化プレート情報管理装置8の処理部70に、結晶化プレート情報の検索・表示に関する機能を担うバーコード読取部71、バーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70cを具備する構成を採用しているが、これら結晶化プレート情報の検索・表示に関する機能を担う部分を、処理部70と別個の装置としてもよい。この場合には、処理部70は、ID番号を発行してバーコードラベルを出力する機能、発行されたID番号に対応する結晶化プレートについての結晶化プレートを入力する機能、入力された結晶化プレート情報をID番号と関連付けて記憶部73に登録する機能に限定された処理機能を有する形態となる。
【0058】
上述の蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1において結晶化プレート情報を管理する結晶化プレート情報管理方法は、以下の処理作業工程によって行われる。すなわち未使用の結晶化プレート16を結晶化プレート作製装置2に供給する前にこの結晶化プレート16を識別するためのID番号を発行し(識別情報発行工程)、このID番号に関する情報を含んだバーコードを結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のバーコードラベル75に印刷する(ラベル印刷工程)。そしてこのバーコードラベル75を当該結晶化プレート16に貼付するとともに、管理台帳76において当該結晶化プレート16に関連した事項を記載したページに同一のバーコードラベル75を貼付する。
【0059】
これとともに、当該結晶化プレート16に関する結晶化プレート情報を、図7に示す結
晶化プレート情報入力画面80上で入力する(結晶化プレート情報入力工程)。これにより、結晶化プレート情報入力処理部70dは、結晶化プレート情報入力画面80に入力された結晶化プレート情報を、識別情報発行部70eで発行されたID番号に関連付けして記憶部73に記憶させる処理を行う(結晶化プレート情報登録工程)。
【0060】
これらの処理作業を終えた後、結晶化プレート16は結晶化プレート作製装置2によって結晶化条件スクリーニングのための所定の分注操作の対象となり、その後プレート保管装置5に保管される。そして保管期間中には規定インターバルにて、結晶化プレート16を対象とした観察作業、すなわち各ウェル16a内の結晶化溶液を撮像して画像に取り込む処理が観察部63によって行われ、これらの画像データは各結晶化プレート16に付与されたID番号に関連付けられて記憶部73に記憶される。これにより、記憶部73には観察中もしくは観察完了後の複数の結晶化プレート16の画像データが、結晶化プレート情報として各ID番号毎に蓄積される。
【0061】
これらの処理を継続して実行する過程または処理が終了した後に、上述の画像データや処理条件などの結晶化プレート情報を参照する必要がある場合には、管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75に印刷された図形コード情報を、結晶化プレート情報管理装置8のバーコードリーダ8dによって読み取る(図形コード読取工程)。そして読み取った図形コード情報をバーコード認識部70aによって認識して、この図形コード情報に含まれるID番号を認識する(図形コード情報認識工程)。
【0062】
そして認識されたID番号と関連付けられた結晶化プレート情報を、結晶化プレート情報表示処理部70cによって記憶部73から読み取って、表示モニタ8cに表示する(結晶化プレート情報表示工程)。この晶化プレート情報表示工程においては、結晶化プレート16に収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データ表示させるようにしている。
【0063】
上記説明したように、本実施の形態に示す結晶化プレート情報管理においては、ID番号に関する情報を含んだバーコードラベル75を少なくとも2枚印刷して出力させ、それぞれを結晶化プレート16と管理台帳76に貼付するようにしている。これにより、必要時には現物の結晶化プレート16に無関係に、管理台帳用のバーコードラベル75を読み取ってID番号を認識し、このID番号と関連付けられた結晶化プレート情報を記憶部73から読み取って表示させることができる。
【0064】
したがって、試験が継続進行している過程において結晶化プレート16が結晶化プレート保管庫5内に保管された状態にあって現物の識別情報を確認することができないような場合にあっても、管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75を参照することにより、必要な結晶化プレート情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができる。
【0065】
なお上記実施の形態では、結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を対象として結晶化条件のスクリーニング作業を行う蛋白質結晶化条件スクリーニング装置における結晶化プレート情報管理に対して本発明を適用する例を示しているが、本発明の適用対象はこれには限定されず、一般のマイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置におけるプレート情報管理にも、上記実施の形態と同様に本発明が適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のプレート情報管理装置およびプレート情報管理方法は、スクリーニング装置においてマイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができるという効果を有し、蛋白質結晶化条件のスクリーニングを行う分野などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化条件スクリーニング装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化プレート作製装置の透過斜視図
【図3】本発明の一実施の形態において使用される結晶化プレートの斜視図
【図4】本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化プレート保管装置の透過斜視図
【図5】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置の処理機能を示す機能ブロック図
【図6】本発明の一実施の形態において使用されるバーコードラベルの貼付対象の説明図
【図7】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報入力画面の説明図
【図8】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図9】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図10】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図11】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図12】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【符号の説明】
【0068】
1 蛋白質結晶化条件スクリーニング装置
2 結晶化プレート作製装置
5 結晶化プレート保管装置
8 結晶化プレート情報管理装置
8e ラベルプリンタ
8d バーコードリーダ
11 分注部
12 ストック部
16 結晶化プレート
70 処理部
75 バーコードラベル
76 管理台帳
80 結晶化プレート情報入力画面
82 結晶化プレート情報表示画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質結晶化溶液を収容する結晶化プレートなどのマイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理装置およびプレート情報管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年遺伝子情報を医療などの分野に有効に利用するための取り組みが活発化しており、その基礎技術として遺伝子を構成する蛋白質の構造を解析する努力が行われている。この蛋白質の構造解析は、蛋白質を構成するアミノ酸が3次元の線状に連なった立体構造を特定するものであり、X線結晶構造解析などの方法によって行われる。
【0003】
このような蛋白質の構造解析を行うためには、まず解析対象の蛋白質を結晶化することが求められ、この蛋白質結晶化の方法として蒸気拡散法が知られている。この方法では、結晶化対象の蛋白質を含む蛋白質溶液から蒸発する溶媒成分を同一容器内に収容された結晶化溶液によって吸収させることにより、蛋白質溶液を過飽和状態に保って結晶を徐々に生成させる。蒸気拡散法による蛋白質結晶化には、蛋白質溶液の液滴を液保持面の下面側に付着させた垂下状態で溶媒を蒸発させるハンギングドロップ方式(例えば特許文献1,2参照)と、蛋白質溶液の液滴を液保持部の上面に付着させた載置状態で溶媒を蒸発させるシッティングドロップ方式(例えば特許文献3参照)が用いられている。
【0004】
蛋白質結晶化の最適条件を見いだすための結晶化スクリーニングにおいては、対象となる蛋白質や用いられる試薬の種類、環境条件など種々の条件因子を変化させた系統的な試験が数多く実行される。このようなスクリーニングにおいては、試験の対象となる試料の現物と当該試料に適用された条件因子とを正しく対応させるため、バーコードなどによって情報が記録されたラベルを識別用に貼付する方法が広く用いられている(例えば特許文献4参照)。この特許文献例では、RNA解析などにおける一連のデータを管理する資料データ管理システムの例が示されており、ここでは試料の個体を識別する識別情報としてのID番号が印刷されたバーコードラベルを各試料を収容する容器に貼付するようにしている。
【特許文献1】特開2002−179500号公報
【特許文献2】特開2003−14596号公報
【特許文献3】特開2004−194647号公報
【特許文献4】国際公開第99/30167号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の従来技術においては、識別情報は容器の現物に貼付されているのみであるため、各試料の試験に適用された条件因子や試験結果などの情報を検索する際に、効率よく且つ容易に検索を行うことが困難であった。すなわち、試験が継続進行している過程においては、試料はインキュベータなどの試験装置内に保管された状態にあるため識別情報を容易に確認することができず、検索の可能な範囲が限定されることとなっていた。このように、従来はマイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置において、マイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことが困難であった。
【0006】
そこで本発明は、スクリーニング装置において、マイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができるプレート情報管理装置およびプレート情報管
理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプレート情報管理装置は、マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理装置であって、前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するためのプレート情報入力画面を表示装置に表示するプレート情報入力処理部と、前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行部と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行部によって発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録処理部と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷部と、前記ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部と、前記図形コード読取部によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレート情報表示処理部とを備えた。
【0008】
本発明のプレート情報管理方法は、マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理方法であって、前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行工程と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷工程と、前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するプレート情報入力工程と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行工程において発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録工程と、前記管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取工程と、前記図形コード読取工程において読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識工程と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレート情報表示工程とを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報をマイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷して出力させることにより、必要時には現物のマイクロプレートに無関係に、管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を読み取ってID番号を認識し、このID番号と関連付けられたプレート情報を記憶部から読み取って表示装置に表示することができる。これにより、スクリーニング装置においてマイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化条件スクリーニング装置の斜視図、図2は本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化プレート作製装置の透過斜視図、図3は本発明の一実施の形態において使用される結晶化プレートの斜視図、図4は本発明の一実施の形態のプレート保管装置の透過斜視図、図5は本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置の処理機能を示す機能ブロック図、図6は本発明の一実施の形態において使用されるバーコードラベルの貼付対象の説明図、図7は本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報入力画面を示す図、図8,図9,図10、図11、図12は本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図である。
【0011】
まず図1を参照して、蛋白質結晶化条件スクリーニング装置の全体構造を説明する。蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1は、蒸気拡散法による蛋白質結晶化方法であるシッティグドロップ法やハンギングドロップ法における蛋白質の結晶化条件をスクリーニングする作業に用いられるものであり、それぞれ個別の装置である蛋白質結晶化プレート作製装置2およびプレート保管装置5を連結した構成となっている。
【0012】
蛋白質結晶化プレート作製装置2は、結晶化容器として用いられるマイクロプレート(結晶化プレート)を対象として分注操作を行うことにより、所定の結晶化条件に設定する結晶化プレート作製処理を行う。プレート保管装置5は、作製された複数の結晶化プレートを所定の環境下で保管し、これらの結晶化プレートを対象として蛋白質結晶検出を行う。
【0013】
蛋白質結晶化プレート作製装置2、プレート保管装置5はそれぞれ箱形の筐体3,6の内部に後述する各機能部を収容した構成となっている。筐体3には観察および内部アクセス用の窓3a、消耗部品を補給するための部品供給扉3bおよび制御パネル4が設けられており、筐体6は内部環境温度を設定温度に保持する恒温室を構成しており、内部アクセス用の扉6a、前面からの操作・点検用の小扉6bおよび内部点検用の窓6c、制御パネル7が配設されている。筐体3,6の境界には容器搬送用の開口部が設けられており、蛋白質結晶化プレート作製装置2で作製された結晶化プレートを、プレート保管装置5に直接搬入できるようになっている。
【0014】
蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1には、結晶化プレート情報管理装置8が付属している。結晶化プレート情報管理装置8は蛋白質結晶化条件スクリーニング装置において、結晶化プレートに関する情報(結晶化プレート情報)を管理する機能を有するものであり、本体部8a、キーボード8b、表示モニタ8cより成るパーソナルコンピュータに、ラベルプリンタ8e、バーコードリーダ8dを組み合わせた構成となっている。ラベルプリンタ8eは、結晶化プレートの識別用として用いられるバーコードラベルを印刷して出力する機能を有している。そしてバーコードリーダ8dは出力されたバーコードラベルを読み取る機能を有している。本実施の形態においては、これらのバーコードラベルによって、結晶化プレート情報、すなわち当該プレートに収納されている物質や作業日時などの詳細情報を管理するようにしている。
【0015】
次に図2を参照して、蛋白質結晶化プレート作製装置2の内部構造を説明する。蛋白質結晶化プレート作製装置2の内部に設けられた基台10の上面は、蛋白質溶液中の蛋白質を結晶化させるために用いられる結晶化プレートを対象として分注操作が実行される分注部11となっている。基台10の手前側の側面には、消耗品を収容するストック部12が設けられている。ストック部12は空プレート供給部13および2つのラックストック部14,15を備えている。
【0016】
空プレート供給部13は昇降プレート13aを備えており、昇降プレート13a上には結晶化用の空のマイクロプレート16(以下、単に「結晶化プレート16」と略記する)が多段積みの積層状態で収納される。昇降プレート13aが上昇することにより、積層された結晶化プレート16が上昇し、最上層の結晶化プレート16が後述する搬送部20によって取り出される。結晶化プレート16には、結晶化プレート情報管理装置8のラベルプリンタ8eによって印刷された識別用のバーコードラベル75(図6参照)が予め貼付されている。
【0017】
ラックストック部14,15は、昇降プレート14a、15aを備えており、昇降プレート14a、15aには、ティップラック17,18が、結晶化プレート16と同様に積
層状態で収納され、搬送部20によって取り出される。ティップラック17,18には、分注操作において結晶化溶液の分注に使用される使い捨て型の分注ティップが格子状配列で複数保持されている。結晶化溶液の分注には大小2種類の分注ティップが用いられ、ティップラック17、18は、それぞれ小型サイズ、大型サイズの結晶化溶液分注用ティップを収納している。
【0018】
これらの結晶化プレート16やティップラック17,18は、後述する搬送部20によって分注部11に搬送され、ここでティップラック17,18から取り出された分注ティップが分注操作に使用される。使用された分注ティップは、ティップラック17,18に戻し入れされる。ストック部12には、使用後の消耗部品を回収するための廃棄ボックス19が設けられており、使用後の分注ティップを収容したティップラック17,18は、搬送部20によってこの廃棄ボックス19内に投棄される。
【0019】
搬送部20について説明する。基台10の上方には、2条のX軸機構24がX方向に配設されており、X軸機構24に架設されたY軸機構23には、Zθ軸機構22が装着されている。Zθ軸機構22から下方に延出した軸部22aには、搬送ヘッド21が結合されている。X軸機構24、Y軸機構23、Zθ軸機構22を駆動することにより、搬送ヘッド21は分注部11内でX方向、Y方向およびZθ方向に移動し、結晶化プレート16やティップラック17,18をクランプして搬送する。
【0020】
次に分注部11について説明する。分注部11の略中央部には、分注ステージ11aが設けられており、ストック部12から取り出された結晶化プレート16は、搬送部20による搬送経路に設けられたバーコード読取部28によってバーコードラベル75が読み取られ識別された後に、分注ステージ11aにセットされる。分注ステージ11aとストック部12との間のエリアには、ティップラック17,18や、後述する蛋白質溶液分注ノズルを収容するノズルラック27が載置される。また分注ステージ11aの奥側のエリアには、スクリーニングの対象となる蛋白質溶液を貯溜した蛋白質溶液供給リザーバ26および結晶化に使用される結晶化溶液を貯溜した結晶化溶液供給リザーバ25が載置されている。
【0021】
スクリーニングにおいて試験の対象となる結晶化プレートを準備する結晶化プレート作製処理は、空の結晶化プレート16に対して、蛋白質溶液供給リザーバ26から取り出した蛋白質溶液および結晶化溶液供給リザーバ25から取り出した結晶化溶液を、以下に説明する分注手段によって分注することにより行われる。
【0022】
分注ステージ11aを含んだ分注部11の上方には、X軸テーブル31がX方向に配設されており、X軸テーブル31に結合されたY軸テーブル32には、分注ヘッド部33が装着されている。X軸テーブル31およびY軸テーブル32を駆動することにより、分注ヘッド部33は分注ステージ11aを含んだ分注部11上で移動し、分注対象の結晶化プレート16に位置合わせされる。そして「33」を駆動して分注ノズルを結晶化プレート16のウェル16aに挿入して液体を吐出することにより、分注が行われる。
【0023】
ここで図3を参照して、結晶化プレート16について説明する。図3に示すように、結晶化プレート16には複数のウェル16aが格子状に形成されている。ウェル16aは、円形の凹部の中心に円柱状の液保持部16bが設けられたいわゆるカルデラ状の液体収納用の凹部であり、ウェル16a内には、結晶化の対象となる試料、すなわち結晶化対象の蛋白質を含んだ蛋白質溶液と、結晶化に用いられる結晶化溶液とが分注される。
【0024】
結晶化の開始に際しては、液保持部16bに蛋白質溶液と結晶化溶液とを混合して保持させ、各ウェル16a上面に密封用のシール部材56が貼着される(図3参照)。そして
この状態の結晶化プレート16を所定の温度雰囲気下で保管することにより、蛋白質溶液中の溶媒成分を蒸発させ、これにより蛋白質溶液の蛋白質濃度を過飽和状態にまで高めて蛋白質結晶を生成する。
【0025】
図2において、分注ステージ11aの側方(ストック部12の反対側)に配設されたシール貼付部50について説明する。分注部11上には、スライドテーブル51が配設されている。スライドテーブル51上には結晶化プレート16を保持するプレート保持部52がY方向にスライド自在に装着されており、プレート保持部52は移動手段(図示省略)によりY方向に往復動する。プレート保持部52には、分注ステージ11aにて分注操作が完了した結晶化プレート16が載置され保持される。
【0026】
スライドテーブル51の上方には、シール貼付ヘッド55が昇降自在に配設されている。シール貼付ヘッド55には、シール供給部53から引き出されたシート状のシール部材56が供給される。シール部材56は剥型紙に積層された状態で供給され、シール貼付動作においては、シール貼付ヘッド55をプレート保持部52に保持された結晶化プレート16の上面に押圧した状態で結晶化プレート16をシール貼付ヘッド55に対して水平方向(Y方向)に相対移動させる。
【0027】
これにより、結晶化プレート16の上面には、シール部材56が貼着され、そしてシール部材56が剥離された後の剥型紙は、剥型紙回収部54に巻き取られて回収される。このシール部材56の貼着により全てのウェル16aの上面が塞がれて密閉される。
【0028】
筐体3の側面には、シール貼付部50に隣接した位置に結晶化プレート16を搬出するための開口部3cが設けられている。シール貼付部50にて上面にシール部材56が貼り付けられた結晶化プレート16は、搬送ヘッド21によって開口部3cを介してプレート保管装置5に搬出される。
【0029】
次に図4を参照して、プレート保管装置5の構造を説明する。プレート保管装置5は、箱形状の筐体6内に形成された恒温室に、結晶化プレート保管庫60、搬送ユニット61および観察部63を配置した構成となっている。恒温室6は内部雰囲気を所定環境に保持する温調機能を備えており、図4に示すように、筐体6の側面には蛋白質結晶化プレート作製装置2の開口部3cから搬出される結晶化プレート16を内部へ搬入するための搬入口6bが設けられている。搬入口6bは、搬入口開閉機構(図示省略)によって開閉自在となっている。
【0030】
恒温室の内部構造を説明する。恒温室の内部には、奥側壁面に沿って縦型棚形状の結晶化プレート保管庫60が配置されている。結晶化プレート保管庫60は棚状に仕切られた複数の収納部60aを備えており、それぞれの収納部60aには結晶化プレート作製装置2によって分注操作が行われウェル16aが密閉された結晶化プレート16が1つだけ収容される。結晶化プレート保管庫60における個々の結晶化プレート16の位置は、結晶化プレート位置情報記憶部67(図5参照)に記憶される。
【0031】
結晶化プレート保管庫60の前面には搬送ユニット61が配置されている。搬送ユニット61は、Xテーブル61X、Yテーブル61Y、Zテーブル61Z、回転ヘッド61R、プレート保持ヘッド62を備えている。Xテーブル61Xは、床面に水平姿勢でX方向(結晶化プレート保管庫60に平行な方向)に配設されており、Xテーブル61Xに立設されたZテーブル61Zには、Yテーブル61Yが水平姿勢で装着されており、Yテーブル61には回転ヘッド61Rが装着されている。
【0032】
回転ヘッド61Rの回転軸にはプレート保持ヘッド62が装着されている。Xテーブル
61X、Yテーブル61Y、Zテーブル61Zを駆動することにより、プレート保持ヘッド62は結晶化プレート保管庫60の前面でX,Y,Z方向に移動する。また、回転ヘッド61Rを駆動することにより、保持ヘッド8の水平方向の向きを変更することができる。
【0033】
そしてこのXYZ方向の移動により、プレート保持ヘッド62は搬入口6bから搬入されるプレート16をアーム62aによって挟んで保持し、結晶化プレート保管庫60の指定された収容部60aに収納する。収納部5aで所定時間保持された結晶化プレート16は、搬送ユニット61のプレート保持ヘッド62によって保持され、プレート保持ヘッド62が移動することにより、観察部63まで搬送される。
【0034】
観察部63は基台64上に立設されたフレーム64aに、観察テーブル65を水平姿勢で装着し、観察テーブル65の上方にカメラ66を配置した構成となっている。観察テーブル65にはプレート保持ヘッド62によって搬送された結晶化プレート16が載置され、セットされる。観察テーブル65に備えられたXYZ移動機構を駆動することにより、プレート16はX,Y,Z方向に移動する。観察部63は結晶生成過程の結晶化プレート16を観察することにより、各ウェル16a毎に液保持部16b内の溶液の状態を示す画像を取得する。そしてこの画像を基づき各ウェル16aにおける蛋白質結晶の有無や結晶化の度合いを検出する。観察部63によって取得された画像データは、以下に説明する記憶部73に転送され結晶化プレート情報として個々の結晶化プレート毎に記憶される。
【0035】
次に図5を参照して、蛋白質結晶化プレート作製装置に付属して設けられた結晶化プレート情報管理装置8の処理機能を説明する。図5において処理部70は、図1に示す本体部8aによって実行される処理機能を示すものであり、バーコード読取部71、ラベル印刷部72はそれぞれはバーコードリーダ8d、ラベルプリンタ8eの機能を示している。また操作・入力部74はキーボード8bや表示モニタ8cに設定されたタッチパネルによる入力機能を示している。操作・入力部74からの操作指令入力やデータ入力により、処理部70による各種処理が実行され、処理部70の画面表示処理機能によって表示モニタ8cに各種画面が表示される。
【0036】
記憶部73は本体部8aに内蔵された記憶装置または外部データ記憶装置である。記憶部73は、蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1を構成する各部、すなわちバーコード読取部28、分注部11、シール部50、観察部63、結晶化プレート保管庫60、結晶化プレート位置情報記憶部67から転送される情報を記憶するとともに、スクリーニングの対象とされた結晶化プレート16についての結晶化プレート情報を記憶する。
【0037】
処理部70は、バーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70c、結晶化プレート情報入力処理部70d、識別情報発行部70e、結晶化プレート情報登録処理部70fを備えている。これらの各部のうち、結晶化プレート情報入力処理部70d、識別情報発行部70e、結晶化プレート情報登録処理部70fは、スクリーニング作業の開始に際しての結晶化プレート情報の入力および登録の機能を有するものである。そしてバーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70cは、スクリーニング作業の継続中または作業後に、結晶化プレート情報を参照する必要がある場合における情報検索および画面表示の機能を有するものである。
【0038】
まず結晶化プレート情報入力処理部70d、識別情報発行部70e、結晶化プレート情報登録処理部70fの処理機能について、図7を参照して説明する。図7は結晶化プレート情報入力処理部70dによって表示モニタ8cに表示される結晶化プレート情報入力画面80を示している。すなわち、結晶化プレート情報入力処理部70dは、結晶化プレートに関する結晶化プレート情報を入力するための結晶化プレート情報入力画面80を表示
装置である表示モニタ8cに表示する。
【0039】
結晶化プレート情報入力画面80には、入力対象の諸情報を入力するための入力フィールドや、画面上での処理を操作するための操作ボタンが設けられている。入力フィールド80a、80b、80c、80dには、ID番号、ID番号の発行日時、当該ID番号の属するプロジェクト名および作業者氏名がそれぞれ入力される。入力エリア81には、結晶化プレート16に収納される物質や試験条件に関する情報が入力される。入力エリア81は、さらに物質の名称、量、備考、温度および上述の各情報を補足するために必要なメモをそれぞれ入力するための入力フィールド81a、81b、81c、81d、81eより構成される。これらの入力フィールドに正しく情報が入力されると、当該情報が各入力フィールドに表示される。
【0040】
操作ボタンについて説明する。結晶化プレート情報入力画面80には、ID発行ボタン80e、登録ボタン80f、終了ボタン80fが設けられている。ID発行ボタン80eを操作することにより、識別情報発行部70eによって結晶化プレート16の識別用に貼付されるバーコードラベルのための新たなID番号が発行される。すなわち、識別情報発行部70eは、結晶化プレート16を識別するためのID番号を発行する。そしてこの操作により、ID表示フィールド80a、発行日時表示フィールド80bには新たに発行されたID番号および発行日時が自動的に表示される。
【0041】
この後、キーボード8bを操作することにより、表示フィールド80c、80dおよび入力エリア81内の各入力フィールドに、付与されたID番号が貼付された結晶化プレート16に関する結晶化プレート情報を入力する入力操作が行われる。これにより各入力フィールドには、入力された各情報がそれぞれ表示される。
【0042】
次いでこの状態で登録ボタン80fを操作することにより、結晶化プレート情報入力画面80の各入力フィールドに表示されている各情報は、結晶化プレート情報登録処理部70fによって、ID番号と関連付けされて記憶部73に記憶される。すなわち、結晶化プレート情報登録処理部70fは、結晶化プレート情報入力画面80に入力された結晶化プレート情報を、識別情報発行部70eで発行されたID番号に関連付けして記憶部73に記憶させる登録処理を行う。そして終了ボタン80fを操作することにより、上述の入力・登録の処理が終了する。
【0043】
上述の登録処理とともに、結晶化プレート情報登録処理部70fからラベル印刷部72に印刷指令が出力され、これによりラベル印刷部72は、結晶化プレート情報入力画面80上に表示された各情報のうち少なくともID番号を含む情報がバーコードの形態で表示されたバーコードラベルを印刷して出力する。このとき、ラベル印刷部72は同一内容のバーコードラベルを少なくとも2枚印刷する。そして図6に示すように、印刷された2枚のバーコードラベル75は、1枚が対象となる結晶化プレート16の本体部16cの側面に現物識別用として貼付される。そしてもう1枚のバーコードラベル75は、当該作業の実行履歴を管理する管理台帳に貼付される。
【0044】
ここで管理台帳とは、作業内容の記録管理のために業務ルール的に定められた管理ファイルのほか、実験担当者が個人的に日々の作業内容を記録する業務日誌や研究レポートなど、各種の形態のものであってもよい。すなわち、本実施の形態においては、ラベル印刷部72はID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷する形態となっている。
【0045】
次に、バーコード読取部71、バーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70cの機能について説明する。バーコード読取部71は、結晶化プレ
ート16または管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75のバーコード(図形コード情報)を読み取る。すなわちバーコード読取部71は、ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部となっている。
【0046】
バーコード認識部70aは、バーコード読取部71によって読み取ったバーコードから、ID番号を認識する処理を行う。すなわちバーコード認識部70aは、図形コード読取部であるバーコード読取部71によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部となっている。なお、図形コード情報として通常の1次元バーコード以外に2次元バーコードを用いてもよい。
【0047】
バーコード認識部70aによって認識されたID番号は、結晶化プレート情報表示処理部70cに伝達される。そして結晶化プレート情報表示処理部70cは、このID番号に関連付けられた結晶化プレート情報を記憶部73から読み出して、表示モニタ8cに表示させる処理を行う。図8は、結晶化プレート情報表示処理部70cによって表示モニタ8cに表示される結晶化プレート情報表示画面82を示している。
【0048】
結晶化プレート情報表示画面82には、対象となる情報を表示するための表示フィールドや、画面上での処理を操作するための操作ボタン(バーコード検索ボタン82h、条件検索ボタン82i、終了ボタン82j)が設けられている。バーコード検索ボタン82h、条件検索ボタン82iを操作することにより、以下に説明するデータ検索が可能となり、終了ボタン82jを操作することにより、結晶化プレート情報表示画面82上での処理が終了する。
【0049】
表示フィールド82a、82b、82c、82dには、図7に示す結晶化プレート情報表示画面80において入力フィールド80a、80b、80c、80dに表示されたID番号、ID番号の発行日時、当該ID番号の属するプロジェクト名および作業者氏名がそれぞれ表示される。そして表示フィールド82e、82fには、結晶化プレート情報表示画面80において入力エリア81に入力された情報が、それぞれの該当する表示欄に表示される。また画像表示フィールド82gには、観察部63によって結晶化プレート16の各ウェル16aの結晶化溶液を撮像した画像が、各ウェル16a毎に表示される。
【0050】
結晶化プレート情報表示画面82において、ID表示フィールド82aに何も表示されていない場合、すなわち表示されるべき結晶化プレート情報が特定されていない場合には、結晶化プレート情報表示画面82の各欄には何も表示されない。この場合には、バーコード検索ボタン82h、条件検索ボタン82iのいずれかを操作して、データ検索を行う必要がある。バーコード検索は、バーコードラベル75を読み取って認識したID番号を、結晶化プレート情報表示処理部70cに直接指示することにより、結晶化プレート情報を検索するものである。
【0051】
すなわち、バーコード検索ボタン82hを操作することにより、図9に示すように、結晶化プレート情報表示画面82にはバーコード読み取り結果表示ウィンドウ83が表示される。そしてこの状態でバーコード読取部71によってバーコードラベル75によって読み取り操作を行う。ここでバーコードが正しく読み取られ、バーコード認識部70aによってID番号が認識されると、バーコード読み取り結果表示ウィンドウ83のID表示フィールド83aに認識されたID番号が表示される。
【0052】
そしてこの状態で表示ボタン83bを操作することにより、図10に示すように、結晶化プレート情報表示画面82の各表示フィールドに、当該ID番号に関連付けられた結晶化プレート情報が、結晶化プレート情報表示処理部70cによって記憶部73から読み取られて表示される。このとき、画像表示フィールド82gには、各ウェル内の結晶化溶液
の状態を示す複数のウェル画像84が表示される。ここで、スクロールバー82x、82yを操作することにより、ウェル画像84を画像表示フィールド82g内で、それぞれx方向、y方向にスクロールさせることができる。
【0053】
すなわち上記構成において結晶化プレート情報表示処理部70cは、図形コード情報から認識されたID番号と関連付けられた結晶化プレート情報を、記憶部73から読み取って表示装置に表示する機能を有している。そして本実施の形態においては、結晶化プレート情報は、結晶化プレート16に収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データを含む形態となっている。
【0054】
また結晶化プレート情報表示画面82において条件検索ボタン82iを操作することにより検索部70bが起動される。検索部70bは、図11に示す検索条件入力ウィンドウ85を結晶化プレート情報表示画面82に表示させる処理と、入力された検索条件に基づき記憶部73内の情報を検索する機能と、検索結果をリストとして表示する機能を有している。以下、これらの機能を画面上での操作に即して説明する。
【0055】
まず条件検索ボタン82iを操作することにより、結晶化プレート情報表示画面82には、図11に示す検索条件入力ウィンドウ85が表示される。そして検索条件入力ウィンドウ85内の検索条件入力エリア85aに設けられた各入力フィールドに該当する検索条件を入力する。図11に示す例では、物質が検索条件となっており、物質種類AAA・・が入力されている。そしてこの状態で検索ボタン85bを操作することにより、検索部70bは検索条件に該当する結晶化プレート情報を記憶部73から検索し、検索結果を結晶化プレート情報表示画面82に検索結果リスト86として表示する。
【0056】
検索結果リスト86には、検索条件入力ウィンドウ85にて入力された検索条件(すなわち物質種類AAA・・)に該当する結晶化プレート情報が列挙される。そしてこれらのうち所望の結晶化プレート情報に該当する行をダブルクリックなどの方法で指定すると、指定された結晶化プレート情報のID番号が結晶化プレート情報表示処理部70cに指示される。これにより、図10に示す画面、すなわち所望の結晶化プレート情報を示す結晶化プレート情報表示画面82が、表示モニタ8cに表示される。
【0057】
なお上記実施の形態においては、結晶化プレート情報管理装置8の処理部70に、結晶化プレート情報の検索・表示に関する機能を担うバーコード読取部71、バーコード認識部70a、検索部70b、結晶化プレート情報表示処理部70cを具備する構成を採用しているが、これら結晶化プレート情報の検索・表示に関する機能を担う部分を、処理部70と別個の装置としてもよい。この場合には、処理部70は、ID番号を発行してバーコードラベルを出力する機能、発行されたID番号に対応する結晶化プレートについての結晶化プレートを入力する機能、入力された結晶化プレート情報をID番号と関連付けて記憶部73に登録する機能に限定された処理機能を有する形態となる。
【0058】
上述の蛋白質結晶化条件スクリーニング装置1において結晶化プレート情報を管理する結晶化プレート情報管理方法は、以下の処理作業工程によって行われる。すなわち未使用の結晶化プレート16を結晶化プレート作製装置2に供給する前にこの結晶化プレート16を識別するためのID番号を発行し(識別情報発行工程)、このID番号に関する情報を含んだバーコードを結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のバーコードラベル75に印刷する(ラベル印刷工程)。そしてこのバーコードラベル75を当該結晶化プレート16に貼付するとともに、管理台帳76において当該結晶化プレート16に関連した事項を記載したページに同一のバーコードラベル75を貼付する。
【0059】
これとともに、当該結晶化プレート16に関する結晶化プレート情報を、図7に示す結
晶化プレート情報入力画面80上で入力する(結晶化プレート情報入力工程)。これにより、結晶化プレート情報入力処理部70dは、結晶化プレート情報入力画面80に入力された結晶化プレート情報を、識別情報発行部70eで発行されたID番号に関連付けして記憶部73に記憶させる処理を行う(結晶化プレート情報登録工程)。
【0060】
これらの処理作業を終えた後、結晶化プレート16は結晶化プレート作製装置2によって結晶化条件スクリーニングのための所定の分注操作の対象となり、その後プレート保管装置5に保管される。そして保管期間中には規定インターバルにて、結晶化プレート16を対象とした観察作業、すなわち各ウェル16a内の結晶化溶液を撮像して画像に取り込む処理が観察部63によって行われ、これらの画像データは各結晶化プレート16に付与されたID番号に関連付けられて記憶部73に記憶される。これにより、記憶部73には観察中もしくは観察完了後の複数の結晶化プレート16の画像データが、結晶化プレート情報として各ID番号毎に蓄積される。
【0061】
これらの処理を継続して実行する過程または処理が終了した後に、上述の画像データや処理条件などの結晶化プレート情報を参照する必要がある場合には、管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75に印刷された図形コード情報を、結晶化プレート情報管理装置8のバーコードリーダ8dによって読み取る(図形コード読取工程)。そして読み取った図形コード情報をバーコード認識部70aによって認識して、この図形コード情報に含まれるID番号を認識する(図形コード情報認識工程)。
【0062】
そして認識されたID番号と関連付けられた結晶化プレート情報を、結晶化プレート情報表示処理部70cによって記憶部73から読み取って、表示モニタ8cに表示する(結晶化プレート情報表示工程)。この晶化プレート情報表示工程においては、結晶化プレート16に収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データ表示させるようにしている。
【0063】
上記説明したように、本実施の形態に示す結晶化プレート情報管理においては、ID番号に関する情報を含んだバーコードラベル75を少なくとも2枚印刷して出力させ、それぞれを結晶化プレート16と管理台帳76に貼付するようにしている。これにより、必要時には現物の結晶化プレート16に無関係に、管理台帳用のバーコードラベル75を読み取ってID番号を認識し、このID番号と関連付けられた結晶化プレート情報を記憶部73から読み取って表示させることができる。
【0064】
したがって、試験が継続進行している過程において結晶化プレート16が結晶化プレート保管庫5内に保管された状態にあって現物の識別情報を確認することができないような場合にあっても、管理台帳76に貼付されたバーコードラベル75を参照することにより、必要な結晶化プレート情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができる。
【0065】
なお上記実施の形態では、結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を対象として結晶化条件のスクリーニング作業を行う蛋白質結晶化条件スクリーニング装置における結晶化プレート情報管理に対して本発明を適用する例を示しているが、本発明の適用対象はこれには限定されず、一般のマイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置におけるプレート情報管理にも、上記実施の形態と同様に本発明が適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明のプレート情報管理装置およびプレート情報管理方法は、スクリーニング装置においてマイクロプレートに関する情報を効率よく管理して容易に検索を行うことができるという効果を有し、蛋白質結晶化条件のスクリーニングを行う分野などに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化条件スクリーニング装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化プレート作製装置の透過斜視図
【図3】本発明の一実施の形態において使用される結晶化プレートの斜視図
【図4】本発明の一実施の形態の蛋白質結晶化プレート保管装置の透過斜視図
【図5】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置の処理機能を示す機能ブロック図
【図6】本発明の一実施の形態において使用されるバーコードラベルの貼付対象の説明図
【図7】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報入力画面の説明図
【図8】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図9】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図10】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図11】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【図12】本発明の一実施の形態の結晶化プレート情報管理装置における結晶化プレート情報表示画面を示す図
【符号の説明】
【0068】
1 蛋白質結晶化条件スクリーニング装置
2 結晶化プレート作製装置
5 結晶化プレート保管装置
8 結晶化プレート情報管理装置
8e ラベルプリンタ
8d バーコードリーダ
11 分注部
12 ストック部
16 結晶化プレート
70 処理部
75 バーコードラベル
76 管理台帳
80 結晶化プレート情報入力画面
82 結晶化プレート情報表示画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理装置であって、
前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するためのプレート情報入力画面を表示装置に表示するプレート情報入力処理部と、前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行部と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行部によって発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録処理部と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷部と、前記ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部と、前記図形コード読取部によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレート情報表示処理部とを備えたことを特徴とするプレート情報管理装置。
【請求項2】
結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を対象として結晶化条件のスクリーニング作業を行う蛋白質結晶化条件スクリーニング装置における前記結晶化プレートに関する情報を管理する結晶化プレート情報管理装置であって、
前記結晶化プレートに関する結晶化プレート情報を入力するための結晶化プレート情報入力画面を表示装置に表示する結晶化プレート情報入力処理部と、前記結晶化プレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行部と、前記結晶化プレート情報入力画面に入力された前記結晶化プレート情報を前記識別情報発行部によって発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させる結晶化プレート情報登録処理部と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロ結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷部と、前記ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部と、前記図形コード読取部によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記結晶化プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示する結晶化プレート情報表示処理部とを備えたことを特徴とする結晶化プレート情報管理装置。
【請求項3】
前記結晶化プレート情報は、前記結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データを含むことを特徴とする請求項2記載の結晶化プレート情報管理装置。
【請求項4】
マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理方法であって、
前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行工程と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷工程と、前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するプレート情報入力工程と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行工程において発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録工程と、前記管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取工程と、前記図形コード読取工程において読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識工程と、前記図形コード情報認識工程において認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレ
ート情報表示工程とを含むことを特徴とするプレート情報管理方法。
【請求項5】
結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を対象として結晶化条件のスクリーニング作業を行う蛋白質結晶化条件スクリーニング装置における前記結晶化プレートに関する情報を管理する結晶化プレート情報管理方法であって、
前記結晶化プレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行工程と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷工程と、前記結晶化プレートに関する結晶化プレート情報を入力する結晶化プレート情報入力工程と、前記結晶化プレート情報入力画面に入力された前記結晶化プレート情報を前記識別情報発行工程において発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させる結晶化プレート情報登録工程と、前記管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取工程と、前記図形コード読取工程において読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識工程と、前記図形コード情報認識工程において認識されたID番号と関連付けられた前記結晶化プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示する結晶化プレート情報表示工程とを含むことを特徴とする結晶化プレート情報管理方法。
【請求項6】
前記結晶化プレート情報表示工程において、前記結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データを表示させることを特徴とする請求項5記載の結晶化プレート情報管理方法。
【請求項1】
マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理装置であって、
前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するためのプレート情報入力画面を表示装置に表示するプレート情報入力処理部と、前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行部と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行部によって発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録処理部と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷部と、前記ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部と、前記図形コード読取部によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレート情報表示処理部とを備えたことを特徴とするプレート情報管理装置。
【請求項2】
結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を対象として結晶化条件のスクリーニング作業を行う蛋白質結晶化条件スクリーニング装置における前記結晶化プレートに関する情報を管理する結晶化プレート情報管理装置であって、
前記結晶化プレートに関する結晶化プレート情報を入力するための結晶化プレート情報入力画面を表示装置に表示する結晶化プレート情報入力処理部と、前記結晶化プレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行部と、前記結晶化プレート情報入力画面に入力された前記結晶化プレート情報を前記識別情報発行部によって発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させる結晶化プレート情報登録処理部と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロ結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷部と、前記ラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取部と、前記図形コード読取部によって読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識処理部と、前記図形コード情報認識処理部によって認識されたID番号と関連付けられた前記結晶化プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示する結晶化プレート情報表示処理部とを備えたことを特徴とする結晶化プレート情報管理装置。
【請求項3】
前記結晶化プレート情報は、前記結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データを含むことを特徴とする請求項2記載の結晶化プレート情報管理装置。
【請求項4】
マイクロプレートに収容された試料を対象として所定のスクリーニング作業を行うスクリーニング装置における前記マイクロプレートに関する情報を管理するプレート情報管理方法であって、
前記マイクロプレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行工程と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記マイクロプレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷工程と、前記マイクロプレートに関するプレート情報を入力するプレート情報入力工程と、前記プレート情報入力画面に入力された前記プレート情報を前記識別情報発行工程において発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させるプレート情報登録工程と、前記管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取工程と、前記図形コード読取工程において読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識工程と、前記図形コード情報認識工程において認識されたID番号と関連付けられた前記プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示するプレ
ート情報表示工程とを含むことを特徴とするプレート情報管理方法。
【請求項5】
結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を対象として結晶化条件のスクリーニング作業を行う蛋白質結晶化条件スクリーニング装置における前記結晶化プレートに関する情報を管理する結晶化プレート情報管理方法であって、
前記結晶化プレートを識別するためのID番号を発行する識別情報発行工程と、前記ID番号に関する情報を含んだ図形コード情報を前記結晶化プレート用と管理台帳用の少なくとも2枚のラベルに印刷するラベル印刷工程と、前記結晶化プレートに関する結晶化プレート情報を入力する結晶化プレート情報入力工程と、前記結晶化プレート情報入力画面に入力された前記結晶化プレート情報を前記識別情報発行工程において発行された前記ID番号に関連付けして記憶部に記憶させる結晶化プレート情報登録工程と、前記管理台帳用のラベルに印刷された図形コード情報を光学的に読み取る図形コード読取工程と、前記図形コード読取工程において読み取った図形コード情報を認識してこの図形コード情報に含まれるID番号を認識する図形コード情報認識工程と、前記図形コード情報認識工程において認識されたID番号と関連付けられた前記結晶化プレート情報を前記記憶部から読み取って表示装置に表示する結晶化プレート情報表示工程とを含むことを特徴とする結晶化プレート情報管理方法。
【請求項6】
前記結晶化プレート情報表示工程において、前記結晶化プレートに収容された蛋白質結晶化溶液を撮像した画像データを表示させることを特徴とする請求項5記載の結晶化プレート情報管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−317253(P2006−317253A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139554(P2005−139554)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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