プロジェクション光源及びその製造法
プロジェクション光源はハウジング及びハウジングで支持されたアークチューブを有し得る。アークチューブは、複数の密封端部分の中間にバルブ状チャンバーを備えたアークチューブ本体と、一対の電極と、チャンバー内に収容された充填ガスと、チャンバー内に収容された充填材料と、ハウジングで支持されたほぼ楕円形の反射器とを有し得る。アークチューブ及び反射器は、ほぼ楕円形の反射器の焦点がアークチューブの電極の内方先端部間にのびる軸線上に位置するように、位置決めされ得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年12月27日に出願された仮出願第60/753,425の出願日の利益を請求し、かかる仮出願の明細書はその全体が本明細書に組込まれる。
関連出願の相互参照
【0002】
本願は、2003年4月15日に発行された米国特許第6,546,752号、発明の名称“光学結合装置の製造法”、2001年10月16日に発行された米国特許第6,304,693号、発明の名称“光源と光導波管との間で光を結合する有効な装置”、2003年9月2日に発行された米国特許第6,612,892号、発明の名称“高強度放電ランプ、アークチューブ及び製造法”、2003年2月11日に発行された米国特許第6,517,404号、発明の名称“高強度放電ランプ、アークチューブ及び製造法”、及び2003年6月10日に出願された米国特許出願第10/457,442号、発明の名称“高強度放電ランプ、アークチューブ及び製造法”(米国特許公表第2004−0014391として公表された)、に関するものであり、これらの特許の開示事項は参照として本明細書に組込まれる結合される。
【背景技術】
【0003】
テレビジョン、家庭用娯楽及びビジネスプレゼンテーション用のプロジェクションシステムには、デジタル光処理すなわちDLP(商標)、種々の液晶ディスプレイ(LED)、及びシリコン上の液晶(LCoS)のような技術が含まれている。プロジェクションシステムの技術に関係なく、これらのデバイスは市場においてはより小型で軽量で安価なシステムに対する要求が増大している同じ傾向に直面している。
【0004】
DLP(商標)技術の概要は、プロジェクション光源における要求の最も注目されているものである。DLP(商標)技術では、ヒンジ取付け型デジタルマイクロミラーのアレイを備えたマイクロチップが使用され、各マイクロミラーは、マイクロミラーの位置に応じてビューイング像に光を選択的に投射する。このようなマイクロミラーシステムは通常デジタルマイクロミラーデバイスすなわちDMDと呼ばれている。
【0005】
デジタルコードは、毎秒数千回各ミラーを傾けたり直したりさせる。光が画素において反射される平均時間は、画素の影を決定し、千通りもの異なった陰を作り出している。カラーを投影するには、プロジェクション光源は、カラーホイールを通過する白い光を発生し、DMDチップの表面に送る。カラーホイールは赤色、緑色及び青色(“RGB”)フィルターから成り、カラーホイールによって、単一チップDMDシステムは単一光源から少なくとも1670万色を発生できる。多くの先行技術システムでは、RGBカラーホイールはまた画像の輝度を高めるため白色セクターも備えている。三チップバージョンでは、DMDプロジェクションシステムは、35兆種以上の色を発生する。
【0006】
色を発生するこの能力及び比較的小型で軽量で安価なシステムの要求はプロジェクション光源における重要な要求事項となっている。約6500Kの関連した色温度(“CCT”)で大量の光を発生させる必要がある。従来の金属ハロゲン化物ランプは、CCTが低すぎるか又は光の発生量が不十分であるため不適当である。先行技術では、所望の色を発生させかつプロジェクション照射に適したルーメンを得るのに高圧水銀ランプが用いられてきた。
【0007】
その結果、デジタルプロジェクション照射システムは、通常、高出力で高ルーメンの水銀放電光源を用いている。従来のプロジェクション光は、主としてランプにおいて比較的高いワットによってより多くのルーメンが得られることになるという一般概念のために、100ワット又はそれ以上の電力定格を持っている。この従来の見識から、アークチューブ圧力が150気圧以上である超高圧(“UHP”)ランプが開発されてきた。このような超高圧は、少なくとも150mg/ccの水銀充填によって発生される。一般に、水銀の蒸気圧が高くなればなるほど、放電はプロジェクションの目的のために一層適するようになる。ランプ圧力は、部分的にはランプ要素及びそのシールの強さによって制限される。
【0008】
破裂や漏れの可能性は、UHPランプの安全性及び製品寿命にとって重大な欠点をもたらす。特に、先行技術の装置で必要とされる高圧は重大な安全上の問題点となる。ランプ要素及びシールを補強すると、装置は小型サイズや携帯可能性の観点で好ましくなくなるが、これらの装置はなお補強手段に頼ることになる。例えば、UHPランプの故障モードは悲惨なことになり易い。UHPランプが故障すると、破裂し易く、ガラスや金属の破片が種々の方向へ高速度で飛散する。普通のUHPバーナーでは、そのような破裂の際に放出されるエネルギーはほぼ2.5ジュールである。またしばしば、ガラスや金属の破片は周囲の包囲体に突き刺さったり貫通したりし得る。このようなランプの故障の悲惨さの観点から、かかるランプにおいてアノードとして働く厚い電極は普通、ランプの破裂時にしばしばプロジェクターの構造体に突き刺さるので、“弾丸”と呼ばれる。代わりに、破裂が包囲体内で起ったとしても、破裂音がユーザーを不安にさせる。
【0009】
例えば、Takahashi等(米国特許公表第2004−0150343号)には、プロジェクション光源に適したUHPランプが記載されている。Takahashi等は、400気圧又はそれ以上の圧力に耐えることができる高圧放電ランプ要素に向けられている。アークチューブは、石英とバイコールガラスとの複合構造体で構成され、そして端部ランプにおける圧縮応力を高めるために製造中に熱処理される。上記の公表公報には、300mg/cm3までの水銀をランプ要素に装填することが記載されている。このような高い圧力は市販用製品では望ましくない。
【0010】
プロジェクション照射システムにおける目的は、望ましい輝度及び色合いをもつ表示像を得るために適切なカラーで十分な量の光を投射することにある。幾つかの設計上の限定事項は解消しなければならない。例えば、普通のプロジェクションシステムでは、光はRGB又はRGBWフィルターで濾光される。従って重要な設計上のファクターには、RGB(又はRGBW)フィルターにできる限り多くの光を投射すること及び濾光下光をできるだけ多く得ることが含まれる。
【0011】
プロジェクション照射システム用の光源を選択する際に考察される重要な特徴は、光源のエタンデュー特性当たりのルーメンである。アークギャップ及び充填圧力のようなランプの幾つかの物理的特性は、ランプのエタンデュー特性当たりのルーメンに影響を及ぼす。エタンデュー当たりのルーメンを要求に合わせるために、UHPランプはアークを抑えるために高充填圧力で作動しなければならない。上述のように、かかる高充填圧力はランプの故障時には有害であり得る。
【0012】
単一パネルシステム(例えば色分離用のカラーホイールを用いたDLPシステム)の別の重要な特徴は、システムの色分離効率、すなわち光源によって投射した光を赤、緑及び青に分離する際のシステムの効率である。単一パネルDLPシステム及び同様な表示光エンジンに用いられたカラーホイールは一般に、光源から受けた光を順次濾光するためにRGB(赤−緑−青)、RGBW(赤−緑−青−白)か、又はRGBYW(赤−緑−青−黄−白)カラーホイールを使用する。理想的には、RGBカラーホイールは単に赤、緑及び青セクターを等しい割合(ほぼ120°)で備えている。
【0013】
本発明の目的のために、用語“色分離効率”は、フィルターにおける総入射光(ルーメン)で分離した各カラーセクターで表わされた総濾光のそれぞれの割合で重み付けしたカラーホイールを通る濾光した赤色光、濾光した緑色光、及び濾光した青色光の各々の和(ルーメン)を意味している。赤色フィルター及び緑色フィルターの各々が総フィルターの35%であり、青色フィルターが総フィルターの30%であるカラーホイールにおいて、濾光した赤色光及び濾光した緑色光のルーメンは0.35のファクターで重み付けされ、濾光した青色光のルーメンは0.30のファクターで重み付けされる。先行技術のシステムは、普通、25%未満の色分離効率を達成する。理想的な色分離効率は一般には33%であると考えられる。
【0014】
UHPランプのような従来の光源はDPLシステムにおける特定のカラーホイールにスペクトルにおいて整合されないので、カラーホイールは、種々のUHPランプの種々のルーメン及びカラー性能を補償するように特製されなければならない。例えば、UHPランプは、一般的に、比較的大量の青色光を発生できるが赤色光が不足している。DLPシステムにおけるカラーホイールは、青色に比較して赤色フィルターの割合が補償して大きくなるように変えなければならず、そのためシステムの色分離効率が低下する。さらに、スクリーンルーメンを高めるために白色及び/又は黄色部分を設けるRGBW及びRGBYWカラーホイールがしばしば必要であり、そのため色分離効率はさらに低下する。スクリーンを横切る白色及び/又は黄色光のブラストは、視覚的には比較的輝いたスクリーン像の印象をうまく創造することができるが、色を不飽和させることで像の質に悪影響を及ぼす。幾つかの従来のシステムでは、色の質を犠牲にしてルーメンを高めるためにカラーホイールにおいて約100°の白色スペースが使用される。
【0015】
さらに、市場では、標準化されたプロジェクション光源がない。ランプ寿命は通常全体としてプロジェクションシステムの寿命より短い。システム設計者は、焦点距離、物理的寸法、ワット数などのような種々のパラメーターのために利用できるランプの品質を比較する能力に欠けている。その結果、ランプは、特定のプロジェクション照射システムに対してしばしば特注で製作され、そのため運転コストが嵩み、顧客及び製造業者にとっては、ほんの一又は二つの特定の形式のプロジェクション照射システムに適用できる無数のランプに直面したままである。
【0016】
この工業分野においては、プロジェクション照射の需要に合う十分な効率及び品質で光を発生できる、安価で、安全で、低電力で、低輝度の標準化光源を提供する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、概略的にはプロジェクション光源に関する。特に、本発明は、低ワット数の金属ハロゲン化物ランプ、かかるランプを用いたプロジェクション光源、及び方法に関する。
【0018】
記載する種々の実施形態は、ハウジングと、ハウジングで支持されたアークチューブと、ほぼ楕円形の反射器とを備えたプロジェクション光源に関する。ハウジングと;ハウジングで支持され、複数の密封端部分の中間にバルブ状チャンバーを備えたアークチューブ本体を有するアークチューブと;各々密封端部分から上記バルブ状チャンバーへのびて、それぞれの内方先端部間の距離が約1.0mm〜約2.5mmであり、また各々直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えた一対の電極と;上記バルブ状チャンバー内に収容され、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、圧力がほぼ常温で約5気圧未満である充填ガスと;上記バルブ状チャンバー内に収容され、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含む充填材料と;上記バルブ状チャンバー内に収容された水銀と;上記ハウジングで支持されたほぼ楕円形の反射器とを有して成り、上記ほぼ楕円形の反射器の焦点が上記アークチューブの電極の内方先端部間にのびる軸線上に位置するように、上記アークチューブ及び上記ほぼ楕円形の反射器が位置決めされて成るプロジェクション光源が提供される。
【0019】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を発生するプロジェクション照射システム用低ワット光源が提供される。
【0020】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含むプラズマを収容するチャンバーを有し、上記プラズマから放出される光のカラー分離効率が25%以上であるように金属ハロゲン化物の組成が選択される、色分離するためカラーホイールを用いたプロジェクション照射システム用ランプが提供される。
【0021】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有し、濾光した光のルーメンが上記ランプの動作電力のワット当たり約5以上であり、又は濾光した赤色光、緑色光及び青色光のルーメンと上記フィルターに送られる光のルーメンとの比が約0.2 以上であり、又はビューイングスクリーンへ送られる光のルーメンが上記ランプの動作電力のワット当たり約2以上であるプロジェクション照射システムが提供される。
【0022】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ送る光学系とを有し、色分離効率が約0.25 以上であり、上記赤、緑及び青フィルターが、ほぼ等しいセクターの赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターを備えたRGBフィルターを形成するプロジェクション照射システムが提供される。
【0023】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、50ワット又はそれ以下の電力で動作する金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有するプロジェクターが提供される。
【0024】
(a)水銀及び一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、
(b)上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、
上記光源が、50ワット未満で作動し、上記アークチューブに収容した水銀の単位グラム当たり2.76mm2sr 未満のエタンデューで少なくとも650ルーメンの光を発生することから成るプロジェクション照射システム用低ワット光源が提供される。
【0025】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、バラストに作動的に結合した金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有し、上記バラストが、上記ランプに対して1.0〜2.5アンペアのランアップ(運転)電流、5000ボルト以上の始動電圧及び1000ヘルツ以上の動作電圧を供給して成るプロジェクターが提供される。
【0026】
本発明の種々の特徴は、添付の本発明を限定しない実施形態に関して考察する際に以下の詳細な説明を参照して当業者に明らかとなろう。
【0027】
本発明は、金属ハロゲン化物ランプ、反射器及びバラストを含んでいる。また本発明は、反射器に結合した金属ハロゲン化物ランプ並びにランプ及び反射器を支持するハウジング備えたプロジェクション光源も包含している。ここで説明する実施形態は、プロジェクションシステム、例えば図5に示すDLPシステム10、図6に示すLCDシステム20、又は図13に示すLCoSシステム用の光源に利用される。
【0028】
ここで説明する実施形態によるプロジェクション光源は、金属ハロゲン化物充填材料を含むアークチューブを支持するハウジング、及びアークチューブに結合した反射器を有し得る。
【0029】
低ワット数の考察
一般に、ここで説明する実施形態はプロジェクション光源用低ワット光源に向けられている。プロジェクション光源用低ワット光源は、電力消費、発熱及びサイズを含む多くの理由で望ましい。
【0030】
コンパクトなプロジェクション照射システムにおいては、熱の影響は重大である。通常の金属ハロゲン化物ランプでは、入力電力の30%以上が熱放射、熱伝導及び熱対流の形態で熱に変わる。従って、低電力を維持することは、システムの全ての構成要素における熱負荷を低減する。また電力の低減によって、騒音を発生ししかも付加的な電力を消費する従来のファンを取り外すことができる。さらに、低ワットランプを利用することによって、スペースの拘束を最小化し、プロジェクションシステムの携帯性を促進する。
【0031】
低ワットプロジェクション光源を開発する別の考察は、システム内の光学的閉じ込めにもかかわらず十分なルーメンをスクリーン上に集めることができるように、エタンデュー当たりのルーメン特性をもつ光源を提供することにある。従って、普通のプロジェクション照射システムのエタンデュー制限に適合するようにアークギャップの小さい放電ランプが必要である。しかし、狭いアークギャップで作動するアークチューブはアークギャップの広いアークチューブに比べて低ランプ電圧となる。その結果、ランプ電流は所与電力レベルを達成するには比較的高くなければならない。この高電流の結果として電極にかかる負荷が高くなり、そのためルーメンが下がり寿命が短くなる。従って、低ワットランプは、短いアークギャップの利点を実現しながら高電流の欠点を避けるのに望ましい。
【0032】
ほぼ50ワット以下にランプ電力を最小化する初期の方法では、高スクリーンルーメン及びカラー性能を達成するために、エタンデュー効率、光学的効率及びカラーホイール効率を含む他のファクターに注目されてきた。
【0033】
図1〜図4(及び図8〜図11)を参照すると、プロジェクション光源1(100)が示され、このプロジェクション光源1(100)はアークチューブ2(102)、反射器3(103)、及びハウジング5(105)を備えている。
【0034】
プロジェクション光源1に対して最適なアークチューブ充填材料、光学的干渉フィルター、及び光源カップリングを決める際には、特に光源及びカラー濾光の点に力点をおいて、光プロジェクションシステムを介してのエタンデューを考慮しなければならない。プロジェクション光源のルーメン/エタンデュー(mm2ステラジアン)特性は、アークチューブ2、反射器3及びレンズ4の物理的構成によって決められる。図7には、エタンデューの関数としてルーメンの理想的及び実際の曲線を示している。プロジェクション照射システムにおいて、光源におけるエタンデューは普通、図7に示すグラフの線形部分にある。プロジェクション光源では、プロジェクションシステムの所与エタンデュー拘束に対して高いルーメンを達成するのが望ましい。
【0035】
一つの実施形態では、プロジェクション照射源1が提供され、このプロジェクション照射源1は、ハウジング5、ハウジング5で支持されたアークチューブ2、及びハウジング5で支持され、アークチューブ2に結合されたほぼ楕円形の反射器3を備えている。アークチューブ2は、複数の密封端部分405の中間にバルブ状チャンバー403を備えたアークチューブ本体と、一対の対向電極407と、チャンバー403内に収容された充填ガス(図示していない)と、チャンバー403内に収容された水銀(図示していない)とを備えている。各電極407は、電極407の内方先端部間の距離(すなわちアークギャップ)が約1.0mm〜約2.5mmとなるように、密封端部分405からチャンバー403内にのびている。上記各電極407は直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えている。充填ガスは、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、また充填ガスの圧力は通常、ほぼ常温で約5気圧未満である。充填材料は、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含んでいる。アークチューブ2及び反射器3は、ほぼ楕円形の反射器3の焦点が図14に示すようにアークチューブ2の電極407の内方先端部間にのびる軸線221上に位置するように、位置決めされている。
【0036】
次に種々のその他の特徴及び実施形態に関して、アークチューブ、反射器及びハウジングについて以下さらに詳細に説明する。
【0037】
[I.] アークチューブ
ここで説明する実施形態はアークチューブ構造に対する解決法に基くアプローチである。ルーメン及びカラーの課題は両方とも種々の構造パラメーターによって解決される。一つの実施形態ではアークチューブは石英で形成される。代わりの実施形態では、アークチューブはセラミックで形成される。
【0038】
記載した実施形態によるプロジェクションシステムに対して高いスクリーンルーメンを達成するために、カラーバランス及びアークのサイズについて特に考察される。比較的小さなアークは光を比較的小さなアパーチャに収束できる。この原理はエタンデューに関連している。カラーバランスについては、比較的高いカラーホイール効率を得るためには、カラー特に赤色、緑色及び青色のバランスをとるのが望ましい。従来の装置に関連して上記で説明したように、一つのカラー(例えば青色又は赤色又は緑色)が光源において不足している場合には、カラーホイールは他のカラーを犠牲にしてそのカラーを強めるように構成されなければならない。その結果、スクリーンルーメンは落ちる。
【0039】
(A)小さなアーク
アークのサイズは、アークチューブにおけるアークギャップを減少すること及び電極の形状を変えることによって低減され得る。アークのサイズはまたアークを収縮することでも低減し得る。
【0040】
種々の実施形態において、電極間のアークギャップは、比較的高いエタンデュー効率を得るには2.5mm未満となるように短くされる。好ましくは、アークギャップはほぼ1.0mm〜ほぼ2.5mmの範囲内である。さらに好ましくは、アークギャップはほぼ1.6mm〜1.9mmの範囲内である。さらに一層好ましくは、アークギャップはほぼ1.7mmである。ルーメン及びランプ寿命に対するアークギャップの減少の影響を考慮した実験では、アークギャップの好ましい範囲は2.0mm〜1.5mmの範囲である。
【0041】
選択した実施形態では、アークチューブにおける電極はステック電極である。一層好ましい実施形態では、電極は、直径0.2mm〜0.4mm又は好ましくは0.25mm〜0.3mmのテーパー状ステック電極である。代わりに、電極はコイル状でもよい。電極は約2%のトリウムを含み得る。一層好ましくは、電極のトリウム含有量は2%未満である。
【0042】
アークギャップを減少することに加えて、電極の構成も変えられ得る。一般に、アークギャップを短くすると、電流は高くなる。高い電力負荷による電極の熱的蒸発を防ぐために、電極は比較的厚く作られる。しかし、単に厚くするだけでは、特に小さなアークギャップの場合、アパーチャを通過する光の陰影を作る(シャドウイング)という悪影響が生じる。図17を参照すると、対向する電極1705の内方端部分1703は内方先端部に向ってテーパー状にされ、シャンクは相対的に厚く保たれ、それにより反射器に一層多くの光線を晒す。テーパー状電極1705、1805は図17及び図18に例示されている。図17及び図18に示すように、電極によって作られる陰影の程度は、電極に設けたテーパーの度合いで低減され得る。短ギャップのアークチューブにおいてはちらつきの問題が大きく、テーパー状電極はちらつきを防ぐようにアークを安定化するのにも役立つ。
【0043】
電極構造を変えることに加えて、光源のエタンデューはアークを収縮することによりさらに低減され得る。アークを収縮する幾つかの方法について説明する。一つの実施形態では、ネオンのようなイオン化電位(電離電圧)の高いガスはアークを収縮するのに用いられる。ネオンはまた、特にUHP光源において知られた特定のスペクトル不足の観点で、赤色の有用なカラーをもたらし得る。収縮したアークは、エタンデュールーメン効率を改善する。別の実施形態では、アークの収縮に沃素のようなハロゲン化物が充填材料に用いられ得る。さらに別の実施形態では、アークを収縮させる軸方向磁界を発生するのに永久磁石が用いられ得る。プラズマを断面縮小(狭窄)するものとして知られたNd−Fe−Bのような高磁界磁石は、プラズマを断面縮小するのに適した磁界を発生させるために特化した形状に構成され得る。磁界はまた、電子が磁界によって閉じ込められるので、始動に役立ちこともでき、それによりグローからアークへの遷移時間を短くし、すなわち始動電圧を低減できる。
【0044】
(B)スペクトル出力
上記の実施形態で取り扱ったエタンデュー及びルーメンの問題の他に、種々の実施形態もカラー性能を高めそしてカラーホイールのような光フィルターの特徴を整合するようにカラー出力を適応することを含むカラーの問題を取り扱う。
【0045】
記載した金属ハロゲン化物に基くランプは、プロジェクションに応用するために比較的バランス取れたリッチなカラーを発生する。一つの実施形態では、図14のCIExy色度線図を参照して、金属ハロゲン化物ランプのカラーを示し、UHPランプより大きな全面積及び一層バランスした白色が得られる。例示実施形態では、アークチューブは、青色、緑色及び赤色に相応した波長でピーク量の光を発生する。さらに別の実施形態では、アークチューブは、プロジェクションシステムで利用した波長で光を発生する。選択した実施形態では、充填材は、カラーホイールにおけるRGBフィルターに整合し、従ってカラーホイール効率を改善するために、青色、緑色及び赤色に相応した波長で光のピークを発生するように部分的に予め決められる。さらに別の実施形態では、金属ハロゲン化物光源のカラーは、最高のカラーホイール効率のために作られたカラーホイールに整合するように特製される。別の実施形態では、充填材は、RGBカラーホイールに従って殆どのスクリーンルーメンを発生するように部分的に予め決められる。さらに別の実施形態では、充填材は、RGBWカラーホイールに従って殆どのスクリーンルーメンを発生するように部分的に予め決められる。さらに別の実施形態では、充填ガス及び圧力は、光源のエタンデューをさらに低減するためにアークを減少するように部分的に予め決められる。
【0046】
ある特定の実施形態では、光源のカラーは、ランプ充填材料の組成を変えることによって特製される。ハロゲン化物、金属ハロゲン化物及び金属のような材料及び充填ガスの種々の組合せによって、カラー及びルーメン要求に対して所望のスペクトルを得ることができる。ある特定の実施形態では、アークチューブには2mg未満の材料が充填される。好ましい実施形態では、アークチューブには1mg未満の材料が充填される。
【0047】
金属ハロゲン化物ランプを用いた場合の特別の利点は、ランプのスペクトル出力がランプ充填材料における組成物によって決められ得ることにある。一つの実施形態では、充填材料は、意図する波長、例えば光スペクトルの赤色領域、緑色領域及び青色領域にスパイクをもつ光出力を発生するように選択される。例えば、通常のLCD、DMD、LCoS応用では、光は赤色、緑色及び青色光を発生するように濾光される。従って、説明した実施形態では、ドーズは、青色(例えば475nm)、緑色(例えば510nm)、及び赤色(例えば650nm)に相応したピーク量の光を発生することによって、プロジェクション照射システムのカラー性能を高めるように予め決められる。デジタルプロジェクションシステムで利用される波長で光を伝送することによって、照射システムの効率(カラーホイール効率)が増大される。説明してきた実施形態の別の特徴に加えて、プロジェクションシステムの要求に適合する十分な光を発生する低電力光源が提供される。
【0048】
一つの特徴によれば、アークチューブには、金属ハロゲン化物を含むドーズ材料が充填される。アークチューブはまた金属ハロゲン化物、金属及びハロゲン化物の組合せも包含し得る。適当な金属としては、セシウム、スカンジウム、ルビジウム、ナトリウム、アルミニウム、及びマンガンが含まれるが、これらに限定されるものではない。充填材料の適当な組成はナトリウムとスカンジウムとの組合せを含む。インジウム又はトリウムのハロゲン化物又はそれらの両方も充填材料に含まれ得る。代わりに、充填材料は希土類金属の組合せを含み得る。充填材料は、米国特許第6,612,892号、米国特許第6,517,404号及び米国特許出願第10/457,442号に記載された方法によってアークチューブ内に導入され得る。これらの製造方法では、広範囲の金属ハロゲン化物充填材料組成を利用できる。金属ハロゲン化物ランプの輝度及びカラーはプロジェクション照射の要求によく適合できるものが提供されてきた。
【0049】
ある特定の実施形態では、ほぼ常温でアークチューブにおける充填圧力は一般に約5気圧未満である。随意に、充填ガス圧は常温で約10気圧未満であり、或いは充填ガス圧は常温で約2気圧未満である。動作温度での典型的な圧力は約25〜35 気圧である。
【0050】
ある特定の実施形態では、アークチューブのチャンバーは、一般に、直径8mm又はそれ以下の偏球回転楕円体である。別の実施形態では、直径は6mm又はそれ以下である。
【0051】
ある特定の実施形態では、光源は、0.5モル/リットル未満の充填ガス、20μg/μl未満の水銀、及び/又は4μg/μl未満のハロゲン化物を備えている。代わりに、光源は、0.05cc未満の充填ガス、1.5mg又はそれ以下の水銀、及び/又は0.5mg未満のハロゲン化物を備える。
【0052】
また充填ガスの選択によりカラー性能を高めることができる。適当な充填ガスとしては、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオン、及びそれらの混合物がある。種々の実施形態において、充填ガスはまた、上述のアーク収縮を改善する。
【0053】
ある特定の実施形態では、光源は、0.5モル/リットル未満の充填ガス、20μg/μl未満の水銀、及び/又は4μg/μl未満のハロゲン化物を備えている。代わりに、光源は、0.05cc未満の充填ガス、1.5mg又はそれ以下の水銀、及び/又は0.5mg未満のハロゲン化物を備える。
【0054】
ランプのスペクトル出力は、アークチューブにおける薄膜コーティングを用いて特製され得る。一つの実施形態では、光学干渉コーティングは、スクリーンにおける意図したカラーホイール効率及びカラー要求を達成するように、青色、緑色及び/又は赤色における特定の波長において光の反射率を高める充填材料の観点で予め決められる。代わりの実施形態では、コーティングは一つのカラーを強める濾光型のものであることができる。UVを阻止するTiO2のような他のコーティングは、あるカラーシフト効果をもたらす。これらの効果は、コーティング材料がUVエネルギーを吸収し、壁温を上昇させるので、生じられ、それにより連鎖反応が生じられる。試験では、TiO2コーティングにより、スペクトルの赤色シフト及び高いルーメン出力が観察された。さらに、壁温度は比較的一様であった。同様に、同じ機能を達成するのにUV阻止石英を用いてもよい。一般に、これらの薄膜は下流のUVの負荷を軽減でき、そしてアークチューブのルーメン出力を改善する。
【0055】
さらに一般的には、ルーメンを得るためにアークチューブをコーティングすることにより、カラーホイール効率及び特注のカラーを得るためにカラーを特製することができる。代わりの実施形態では、アークチューブは、紫外(UV)又は赤外(IR)放射線の少なくとも一方を反射する光学干渉濾光を備える。
【0056】
一つの実施形態では、コーティングはLPCVDによって形成される。別の実施形態では、コーティングは電子ビーム蒸着によって形成される。さらに別の実施形態では、コーティングは反応性スパッタリングによって形成される。
【0057】
(C)ハロゲン化物プール
ハロゲン化物プールは、ルーメン及びカラーの課題の両方に関する。ハロゲン化物プールは普通、水平燃焼型アークチューブの底部に位置し、そして図16aに示すようにある光を阻止又は濾光する。ハロゲン化物プールによる吸収は通常、スペクトルの青色領域においてであり、それによりルーメン及びカラーホイール効率を低減し、従ってそれの影響を低減する必要がある。以下幾つかの解決策を考察する。まず、壁温度の一様性を改善しかつハロゲン化物プールを低減するように、アークチューブ構造及び壁の厚さは変えられる。第2に、アークチューブ壁を加熱してハロゲン化物プールを低減するためにUV吸収コーティングが用いられる。第3に、金属ハロゲン化物のドーズ量は、ハロゲン化プールに蓄積するために液相では殆どないように最適化され得る。第4に、図16bを参照すると、アークチューブ1602は垂直形態で作動され得、従ってハロゲン化物プール1611は、プラズマから放出され反射器で集束される光を阻止できない。
【0058】
(D)チューブ包囲体/構造
種々の実施形態においてはアークチューブの構造又は壁厚は変更される。これらの変更は有利には壁温度の一様性を改善し、そしてハロゲン化物プールを低減する。
【0059】
種々の実施形態において、アークチューブ包囲体構造、形状、壁厚は、動作中における壁温度を最適化しかつ内部圧力を処理するように構成される。
【0060】
図21に示す一つの実施形態では、アークチューブ2102は実質的に長円形であり、それぞれ第1及び第2電極先端部2125a、2125bの中間に第1及び第2長円形焦点2123a、2123bを備えている。
【0061】
アークチューブの厚さ及び形状は安全性に関連して決められる。一つの実施形態では、アークチューブは二重長円形であり、それぞれ第1及び第2電極先端部の中間に二つの長円形焦点を備えている。
【0062】
アークチューブは随意に先端部なしにでき、アークチューブ壁に熱を実質的に一様に分布させることができる。アークチューブは実質的にアークの形状に追従し、それにより先端部からの光子散乱を低減できる。さらに、この先端部なしアークチューブは、完全な放電ランプの表面に管状欠陥がなく、従ってかかる欠陥によって生じる光の阻害や屈折をなくすことができる。さらに、アークチューブ壁に熱を一層一様に分布させることができる。一様な熱分布は、プロジェクション照射システムにおいて要求された小さなアークチューブにおいて特に望ましい。
【0063】
記載したアークチューブは種々の材料を用いて作ることができる。一つの実施形態では、アークチューブは石英で形成される。別の実施形態では、アークチューブはセラミックで形成される。ある特定の実施形態では、アークチューブはUV阻止石英から成る。光源からのUV放射線は、UVによる老化を最少化するように相当に低減される。代わりの実施形態では、アークチューブは、UV阻止手段としてTiO2で被覆される。吸収したUVエネルギーは、壁温度及び一様性を高めるのに寄与する。別の実施形態では、アークチューブは、アークチューブにおける散乱を低減しかつ壁温度を高めるためにサファイア又はその他の結晶体で構成され得る。
【0064】
以下III部で説明する反射器構造においてアークチューブの形状の光学系について考察する。
【0065】
(E)バラスト
幾つかの実施形態では、プロジェクション応用に対して一層有効で高性能なバラストが設けられる。一つの実施形態では、非対称バラストは、熱対流及び不整合のようなファクターによる二つの電極間の非対称動作を解消する。代わりに、非対称バラストは、一方の電極付近からのルーメン出力を高めるのに用いることができる。反射器は通常一つの焦点位置を備えているので、反射器は明るい方の電極の周りに光学的に構成され得る。言い換えれば、非対称動作は、光源のエタンデューを有効に低減できる。
【0066】
他の実施形態では、バラストのデューティサイクルは低減されるが、カラーホイールのスポーク領域すなわち同様なカラー濾光装置の類似部分の利点を得て同一ルーメン出力を維持する。図20を参照すると、従来のカラーホイール2001は、赤色、緑色及び青色フィルターの各々を分離する非光伝導“スポーク”セクター2003を備えている。各スポークセクター2003は約8°にわたってのび、それで三つのかかるスポークセクター2003を備えたカラーホイール2001は、ホイールの約5%の暗区間を備えている。選択した実施形態では、ランプは、同一平均電極負荷を維持しながらスポーク区間2007ではオフとなり、赤色、緑色又は青色濾光区間2009ではオンに戻る。代わりに、バラストは、少ない入力電力で同じスクリーンルーメンを達成するためにスポーク区間中にランプをオフさせるのに用いられ得る。これにより全体の熱影響は低減される。
【0067】
バラストを設計する際に考慮したファクターには、アークチューブの電圧、電流及び電力要求が含まれる。例えば、ある特定の実施形態では、バラスト電圧及び電流パルスは光源を駆動しかつ予定の時間内にグローからアークに遷移させるのに十分である。さらに、バラストは予定の時間内には光源をホット再駆動するのに十分な電圧及び電流パルスをもつ。
【0068】
35ワット光源についての一つの実施形態では、バラスト電圧はほぼ65ボルトであり、そしてバラストは8kVの電流パルスで光源を駆動する。バラストは10秒以内にホット光源を再駆動する。
【0069】
バラストの設計において考慮したファクターにはまた、光源を含む完全なシステムのサイズ及び熱的要求事項が含まれている。一つの実施形態では、バラストは46g未満の総重量すなわち質量をもつ。別の実施形態では、バラストは72mm×15mm×50mmの全体寸法すなわち54.000mm3未満の相応した体積をもつ。ある特定の実施形態では、バラストは0.76ワット/グラムを発生する。
【0070】
バラストの実施形態ではAC又はDCモードで作動する。ACモードの実施形態では、波形は正弦波又は方形波である。一つの実施形態では、方形波スイッチングバラストは7kHzの周波数で35ワット光源に給電する。代わりに、半DCバラストは電極間で非対称動作を可能にする。前述のように、この非対称バラストは非対称熱的及び電極不整合の問題を軽減できる。
【0071】
他の実施形態では、バラストの波形は、光源の電力及びカラーバランスを変えるように変調される。従って、光源は光エンジンで発生した特定のカラー(例えば、カラーホイールの青色、緑色又は赤色セグメント内のカラー)の色及び輝度に対して最適化される。
【0072】
カラーホイール又は同様な交互のすなわち周期的なカラー装置を使用したシステムに関する実施形態では、バラストは、カラーホイールのスポークセグメント中には光源を止め、従って光源は一層有効に使用され、それによりスクリーンルーメン/ワット性能を高める。選択した実施形態では、バラストは、意図した時間の後に光源を止めるマイクロチップを備える。
【0073】
別の特徴において、光源は随意に、限定するものではないが光出力、動作時間、ランプ電流、ランプ電圧を含む一つ以上のパラメーターの予定の値に基いて光源を無能にする定期寿命特徴を備える。例えば、バラストは、ランプの動作時間又はランプからの被測定光出力に基いてランプを無能にさせるためランプ電流を遮断するようにプログラミングされ得る。
【0074】
[II] 反射器
アークチューブ2及び反射器3の例示実施形態は図2及び図3に示すように位置決めされる。一つの実施形態では、反射器3は、米国特許第6,546,752号に記載されたスピンモールドプロセスを用いて石英で形成される。反射性コーティング9は、LPCVD又は別の適当なコーティング法を用いて内面に堆積され、高度に一様な反射プロファイルを形成する。反射器3及びアークチューブ2は反射器ランプ副組立体11を形成する。35Wの実施形態では、反射器の最大直径は約30mmである。
【0075】
好ましい実施形態では、楕円形反射器は、光を集束するのに用いられる。一つの実施形態では、ランプは、楕円体の一方の焦点付近に配置され、またアパーチャは他方の焦点に位置する。しかし、アークは点でないので、反射器の設計にはアーク性能を分析する必要がある。
【0076】
(A)反射器の曲線構造
従って、アークの光分布に関しては特殊な知識が要求される。この光分布情報は、種々の角度からアークの像を撮り、そしてそれらの像を分析してアークのデジタル3−Dプロファイルをデジタル的に作ることによって得ることができる。
【0077】
種々の実施形態では、反射器の曲率の設計には普通、二つの段階が伴う。第1に、光をアパーチャに収束させるために曲率についての分析表現が得られる。この段階は随意に、分析を単純化又は加速するため、アークを点源と仮定することを含む。第2に、第1段階によるアークプロファイルを用いて曲率を細かく合わせ、そして最適性能を達成する光学的シミュレーションが用いられる。
【0078】
(B)反射器本体
一般に、反射器203はアークチューブ202からの光を収束し、光路に投射する。図14にはこの概念を示している。本明細書で用いたアパーチャは一般的には、限定するものではないがレンズ、結合ロッド、及びマイクロディスプレイユニットを含む光学素子の物理的サイズを表わしている。最小光学素子は一般的にシステムアパーチャを決めている。DMD及び他のプロジェクション照射システムの場合、アパーチャは一般的には小さい。アパーチャの小さなサイズは一般的には技術的な理由より経済的な理由で多く用いられる。従って、ここで説明するある特定の実施形態では4〜6mmのアパーチャサイズが用いられる。アパーチャはまた、限定するものではないが楕円形(円形)及び長方形(正方形を含む)を含む種々の形状のものでよい。
【0079】
一つの実施形態では、反射器の開口直径は45mm又はそれ未満である。別の実施形態では、直径は30mm又はそれ未満である。さらに別の実施形態では、直径は25mm又はそれ未満である。さらに別の実施形態では、反射器の開口の直径は、プロジェクターの電力定格又は熱定格に相応している。
【0080】
一つの実施形態では、反射器の全長は約40mm未満である。好ましい実施形態では、反射器の全長は約25mm未満である。一つの実施形態では、楕円の短軸線で画定される長さは約20mm未満である。別の実施形態では、楕円の短軸線で画定される長さは約15mm未満である。
【0081】
種々の実施形態による反射器は、広範囲の材料を含み得る。適当な反射器材料としては、金属、及び限定するものではないがセラミック、ガラス、ポリマー及び結晶体(石英)を含む他の材料がある。一つの実施形態では、反射器は実質的に石英である。別の実施形態では、反射面は金属である。さらに別の実施形態では、反射器はセラミックである。別の実施形態では、反射器はガラスを備えている。さらに別の実施形態では、反射器はポリマーを備えている。
【0082】
反射器はハウジングとは分離したすなわち別個の構造体であるが、ある特定の実施形態では、反射器はプロジェクション照射源のハウジングと一体化される。この一体化は好ましくは、反射器の曲率を造形してハウジングを形成することにより達成される。一つの実施形態では、ハウジング及び反射器は一つの部材1501として一体に形成される。反射面1503はかかる部材を機械加工、エッチング又は鋳造することにより造形され、そして研摩及びコーティングによって仕上げられる。
【0083】
一つの実施形態では、反射器は光源の有効な熱シンクを構成するようにハウジングに一体化される。一体化したハウジングは、羽根、フランジ、ダクト、又はメッシュのような熱シンク特徴を随意に結合し、熱を放散する表面積を増大する。ある特定の実施形態では、反射器表面はハウジング本体に造形される。造形した表面は、限定するものではないが機械加工や鋳造を含む種々の方法を用いて製造される。さらに、造形した表面は研摩され、エッチングされそして被覆され得る。代わりに、反射器は、スピンモールディング法、金属機械加工法、又は金属打ち抜き法によって作られる。
【0084】
一つの実施形態では、反射器の前面部は開いている。第2の実施形態では、反射器の前面部は前面カバーを備えている。反射器の前面カバーは光学干渉フィルターを備え得る。
【0085】
図12aには、ランプ1201に対して反射器1203を位置決めする一つの実施形態を示している。反射器1203は、電極1208の内方先端部間にのびる軸線1212上に焦点1210を位置決めしたほぼ楕円形であり得る。
【0086】
(C)反射器コーティング
図12bを参照すると、ある特定の実施形態では、反射器1203は、反射器1203の内面及び外面のいずれか又は両方に反射コーティングを任意に備えている。種々の実施形態では、反射コーティング(図示されていない)は、限定するものではないがIPCVD、電子ビーム蒸着、及びプラズマアシストスパッタリングを含む形成法を用いて反射器1203の内面1203bに形成される。別の実施形態では、反射コーティング(図示されていない)は、限定されるものではないがLPCVD及び蒸着コーティングを含む形成法を用いて反射器の外面1203aに形成される。
【0087】
(D)反射器例1−石英反射器
例示実施形態では、反射器は石英反射器である。この実施形態による石英反射器はスピンモールディング法によって作られる。一般に、スピンモールディング法では、別の方法(例えば、石英のプレス加工)を用いて作成した形状より一層一様な反射器形状を作ることができる。反射器はまた、公知のアークチューブ形成技術を用いて石英で作られる。石英を用いる利点としては、限定するものではないが高温耐久性、高表面平滑性、電気的不活性、形成の容易性がある。
【0088】
石英反射器を形成した後、コーティングが任意に施される。コーティングは少なくとも二つの方法、すなわち反射器の内側をコーティングすること又は反射器の外側をコーティングすることによって実施できる。第1の方法では、石英反射器の内側は、例えばLPCVDによってコーティングされる。第2の方法では、第2の方法では、石英反射器の外側がコーティングされる。外側をコーティングすることは、石英が可視光に対して透過性であるので有効である。さらに、外側面をコーティングすることは、特に石英反射器が外側からのモールディングによって形成される場合に、表面曲率の制御性を高めることを含む利点をもつ。さらに外側コーティング法ではスパッタリング法を用いてコーティングすることができる。
【0089】
(E)反射器例2−金属ブロック反射器
図15に示すように、反射器の選択した実施形態は直接金属ブロックを用いて作られる。
【0090】
反射器を画定している内側曲面は、設計に従って高精度に機械加工され得る。代わりに、造形表面は鋳造体である。そして表面は、光学特性を改善するために研摩又はエッチングによって仕上げられる。適当な材料としては、アルミニウム及びその他の高反射性材料が含まれる。他の適当な材料には、限定されるものではないが薄いアルミニウムコーティング(例えば、ほぼ100nm)又は多層干渉コーティングが含まれる。
【0091】
一つの実施形態では、金属反射器はまた、全体システムに対して位置決めされそして整列されるハウジングとしても機能する。反射器は、光エンジンの整列及び位置決めツールとなる。金属反射器の高い熱伝導率により、良好な熱シンクをもたらす。反射器は、アークチューブからの熱を直接システムハウジングへ伝導する。従って、ある特定の実施形態では、反射器は、光エンジン組立体のハウジング及び熱シンクとして機能し、そして光学機能を果たす造形表面を備えている。
【0092】
[III.] ハウジング
図1〜図4(及び図8〜図11)に示すように、反射器ランプの副組立体11の例示実施形態はハウジング5に装着される。光源ハウジング5(105)は、プロジェクター光学系との精確な機械的インターフェースを構成するように、反射器3(103)内にアークチューブ2(102)を整列し保持する機械的組立体を備えている。光源ハウジングは任意に、カバー6、バックプレート12、第1及び第2垂直スライド13、14、及びレンズ4を備えている。レンズ4は、反射器ランプの副組立体11の前方に配置され、そこから光を伝送できるようにされる。一つの実施形態では、レンズ4は、反射器ランプの副組立体11のからの光を収束する。ある特定の実施形態では、レンズは光学干渉フィルターを備えている。一つの実施形態では、UV又はIR放射線の少なくとも一方が光学リレーに入り、DMDチップを衝突するのを阻止する光学干渉フィルターを備えた前面レンズ4が利用される。アークチューブ21からの第1、第2導路19は、プロジェクション照射システムと電気的に接続するためバックプレート12から突出している。カバー6及びバックプレート12は組合せて、任意にハウジング5の壁を形成し、反射器ランプの副組立体11を包囲する。バックプレート12及びカバー6は第1及び第2垂直スライド13、14によって結合される。ハウジング5の構成要素は、セメント又はその他の接着剤を用いずに機械的に任意に結合される。代わりに、耐熱接着剤が用いられる。
【0093】
ハウジング5(105)は好ましくは標準の寸法、重さ及び電気的接続で形成される。さらに、ハウジング5(105)は好ましくは、レンズ4から放出した光を光プロジェクションシステムに有効に結合するため標準の光伝導寸法で形成される。光源1を図5、図6及び図13に示すもののようなデジタルプロジェクションシステムに有効に結合することによって、十分な光がランプ電力定格の需要を低減して結合される。
【0094】
ハウジングの実施形態は、光源の垂直又は水平動作モードに適応するような形態に構成したハウジングを備える。さらに、ハウジング5(105)の実施形態では種々の材料が利用される。例えば、ハウジング5(105)は金属、鋳造金属を機械加工して構成しても、打ち抜き金属構造体で構成しても、或いはセラミックやガラスやプラスチックで構成してもよい。
【0095】
図15に示す実施形態では、ハウジングは光源及び反射器を一部片に保持し、反射器に対する光源の位置及び整列は調整され得る。
【0096】
種々の実施形態においては、ハウジングはプロジェクター及び光エンジン構成要素の熱環境に従って構成される。選択した実施形態では、ハウジング5は光源に対する換気用空気通路を備える。代わりに、ハウジング5は、内部熱環境を改善する熱パイプすなわち熱伝導導管を備える。さらに、ハウジングの実施形態では、電気導線の配線のような種々の安全性が考察される。
【0097】
[IV.] システムの変形例
別の実施形態では、光エンジン組立体、アークチューブ及び反射器は水平に対して垂直に構成される。垂直構成の光源では、臨界光学通路からハロゲン化物プールを除去することでルーメン及びカラーホイール効率が改善される。図16(図16bの誤り)には垂直に配置したアークチューブを示している。
【0098】
さらに、熱放散は垂直形態において強められる。すなわち、システムは、底部における接触面積が小さいので、熱を放散する表面積が大きくなる。
【0099】
UV/IRフィルターはアークチューブ壁に任意に設けられる。代わりに、フィルターはアークチューブから離間される。
【0100】
[V.] 性能
記載した実施形態では有利には、先行技術のデバイスに勝る明白な性能上の利点が得られる。性能上の利点には、限定するものではないが、電力、光出力、有効な光出力、始動、及び物理的規格における利点が含まれる。
【0101】
上述のように、ここに説明する実施形態は、先行技術のデバイスに比べてはるかに優れた電力定格性能をもたらす。ある特定の実施形態では、ランプは100ワット又はそれ以下で動作する。好ましい実施形態では、ランプは50ワット又はそれ以下で動作する。他の好ましい実施形態では、定格電力は20ワット〜40ワットである。一層好ましい実施形態では、ランプは35ワット又はそれ以下で作動する。さらに好ましい実施形態では、ランプは10ワット又はそれ以下で作動する。
【0102】
記載した実施形態ではまた、増強光出力(例えば、ルーメンにおいて)及び有効な光出力(例えば、スクリーンルーメンにおいて)が発生される。例えば、アークチューブ、充填材料、及び光学干渉フィルターの種々の実施形態では、カラー関連温度(CCT)、色度(ccx、ccy)、及び光プロジェクションのために十分なルーメン/ワットで光が発生される。
【0103】
一つの実施形態では、電力定格は75ルーメン/ワット以上で約35ワットであり、またCCTは4K〜8Kの範囲にある。
【0104】
ある特定の実施形態では、光源は20%以上のカラーホイール効率をもつ。好ましい実施形態では、カラーホイール効率は25%以上である。一層好ましい実施形態では、カラーホイール効率は30%以上である。
【0105】
ある特定の実施形態では、光源は少なくとも約600ルーメンを発生する。好ましい実施形態では、光源は約600〜5000ルーメンを発生する。一層好ましい実施形態では、光源は約1000〜4000ルーメンを発生する。
【0106】
光源は、30°未満の半円錐角度をもつ4mmの円形アパーチャで約200〜3000ルーメンを発生する。
【0107】
光源のある特定の実施形態では、少なくとも2ルーメン/ワットのRGB光が発生される。好ましい実施形態では、光源は少なくとも2ルーメン/ワットのRGB光を発生する。
【0108】
好ましい実施形態では、50〜500スクリーンルーメンの範囲でプロジェクションシステムに対して有効な光出力を発生する。光源の選択した実施形態では、約20〜300スクリーンルーメンを発生する。
【0109】
ある特定の実施形態では、光源は50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を発生する。好ましい実施形態では、光源は少なくとも1200アパーチャルーメンの光を発生する。一層好ましい実施形態では、光源は少なくとも2000アパーチャルーメンの光を発生する。
【0110】
記載した実施形態では、光源定格電力は約100ワット未満であり、約20以上のスクリーンルーメンを発生する。別の実施形態では、プロジェクション光源は、約50〜200以上のスクリーンルーメンを発生する約50ワット未満の定格電力をもつ光源を備えている。
【0111】
光源の有効性は約65結合ルーメン/ワット以上であり、そして約85結合ルーメン/ワット以上であり得る。
【0112】
光源の選択した実施形態では、少なくとも3スクリーンルーメン/ワットが発生される。例えば、35ワット源の実施形態では、105スクリーンルーメンが発生される。光源は、4以上のスクリーン/ワットを随意に発生する。光源は、5以上のスクリーン/ワットを随意に発生する。
【0113】
ある特定の実施形態では、光源のランプ寿命は、75%ルーメン維持の場合に定格で約500時間以上である。好ましい実施形態では、光源のランプ寿命は、50%ルーメン維持の場合に定格で約1000時間以上である。
【0114】
また記載した実施形態では、始動及び再駆動性能が高められる。ある特定の実施形態では、光源は8kV未満の始動電圧を必要とする。好ましい実施形態では、光源は2kV〜8kVの始動電圧を必要とする。ある特定の実施形態では、光源は100ns〜300nsの始動パルス幅を用いる。好ましい実施形態では、光源は約200nsの始動パルス幅を用いる。
【0115】
ウオームアップ期間に関して、ランプのある特定の実施形態では、10秒未満で80%輝度(例えば、全ルーメン性能の)に達する。好ましい実施形態では、約5秒未満で80%輝度に達する。
【0116】
再駆動時間に関して、光源のある特定の実施形態では、1秒未満で瞬時又は迅速再駆動状態に達する。光源の種々の実施形態では、30秒未満で迅速再駆動状態に達する。好ましい実施形態では、10秒未満で迅速すなわちホット再駆動状態に達する。
【0117】
性能を強めることの他に、記載した実施形態では、比較的コンパクトで低質量の装置で高性能が得られる。ある特定の実施形態では、光源は、ハウジング、反射器及びランプを含めて約200g未満である。好ましい実施形態では、光源は、ハウジング、反射器及びランプを含めて約100g未満である。ある特定の実施形態では、光源組立体は、38mm×36mm×36mm又はそれ以下の体積に適合する。さらに、種々の実施形態では、光源は、約2.5g/cc未満の重量対体積比をもつ。
【0118】
ある特定の実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約250000スクリーンルーメン以上を発生する。好ましい実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約315000スクリーンルーメンを発生する。さらに好ましい実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約333000スクリーンルーメン以上を発生する。ある特定の実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約5000000結合ルーメン以上を発生する。好ましい実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約9000000ルーメン以上を発生する。
【0119】
ある特定の実施形態では、光源は、光源の単位容積cc当たり約200結合ルーメン以上を発生する。さらに、光源のある特定の実施形態では、光源は、光源の単位グラム重量当たり約80結合ルーメン以上を発生する。種々の実施形態では、光源は、光源の単位容積cc当たり約7スクリーンルーメン以上を発生する。さらに、種々の実施形態では、光源は、光源の単位グラム重量当たり約2.8スクリーンルーメン以上を発生する。
【0120】
本発明の種々の実施形態ではまた、安全性に関して先行技術の装置に勝る利点が得られる。上述のように、UHP装置の故障モードでは、光源に含まれた2.5ジュール以上のエネルギーを解放する突発爆発になり易い。これに対して、種々の記載してきた実施形態によるアークチューブは0.5ジュール未満のエネルギーを含んでいる。好ましい実施形態では、アークチューブはほぼ0.15ジュールのエネルギーを含んでいる。一層好ましい実施形態では、アークチューブはほぼ0.11ジュールのエネルギーを含んでいる。
【0121】
ある特定の実施形態では、光源は、バッテリー運転できるようにするために、予定の最大電力制限に適合するように構成され得る。さらに、光源の選択した実施形態では、プロジェクターの最大IR要求未満を発生する。さらに、光源の種々の実施形態では、紫外線については総放射エネルギーの15%未満であり、また赤外線については20%未満である。
【0122】
フローチャートにおける処理説明及びブロックはモジュール、セグメント、又はコンピュータソフトウエアの部分、或いは特殊な論理機能すなわち処理段階を実行する一つ以上の実行可能な命令を含むコードを表わすものであり、また本発明の技術分野における当業者に理解されるように、付随する機能性に関連して、実質的に同時に又は逆の順序を含めて図示し又は説明したものからの命令外で機能を実行し得る代わりの手段が本発明の好ましい実施形態の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0123】
アークチューブ、反応器、ハウジング、又はプロジェクション光源を構成する方法について本明細書で説明してきた実施形態は、特殊目的又は汎用目的のコンピュータで実行されるコンピュータ読取り可能なコードを備えたコンピュータ使用可能な媒体を用いて実施することができる。
【0124】
上記の実施形態、特に全ての“好ましい”実施形態は、単に本発明の原理を明瞭に理解するために記載した単なる可能な実施例であることが力説されるべきである。本発明の精神及び原理から実質的に逸脱することなしに、本発明の上記実施形態に対して多くの変形及び変更がなされ得る。好ましい実施形態について説明してきたが、上記の実施形態は単に例示のためのものであり、本発明の範囲は単に特許請求の範囲によって定義されることになり、等価の全範囲に合わせて、本明細書を通読することにより当業者には多くの変形及び変更が当然なされることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施形態によるプロジェクション光源の等角斜視図。
【図2】カバーを外して図1のプロジェクション光源を示す等角斜視図。
【図3】カバーを外して図1のプロジェクション光源を示す側面図。
【図4】反射器を外して図3のプロジェクション光源を示す側面図。
【図5】普通のデジタル光処理プロジェクションシステムを示す概略図。
【図6】普通の液晶ディスプレイプロジェクションシステムを示す概略図。
【図7】エタンデュー当たりのルーメンの理論的及び単純モデル曲線を示すグラフ。
【図8】本発明の別の実施形態によるプロジェクション光源の等角斜視図。
【図9】図8のプロジェクション光源の側面図。
【図10】図8のプロジェクション光源の別の等角斜視図。
【図11】カバーを外して図8のプロジェクション光源を示す側面図。
【図12a】本発明の実施形態による反射器構造を例示する線図。
【図12b】本発明の実施形態による反射器構造を例示する線図。
【図13】シリコン上の液晶システムを示す概略図。
【図14】本発明の実施形態の性能を示すxy色度線図。
【図15】一体に構成したハウジング及び反射器を例示する図。
【図16a】水平に配列したアークチューブにおけるハロゲン化物プールを示す概略図。
【図16b】垂直に配列したアークチューブにおけるハロゲン化物プールを示す概略図。
【図17】本発明の一つの特徴による電極を示す概略図。
【図18】本発明の別の特徴による電極を示す概略図。
【図19】カラーホイールを示す概略図。
【図20】カラーホイール及び関連した電力タイミング線図を示す概略図。
【図21】アークチューブ内の電極形態を示すが概略図。
【図22】光源を設計する本発明の実施形態を示すフローチャート。
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年12月27日に出願された仮出願第60/753,425の出願日の利益を請求し、かかる仮出願の明細書はその全体が本明細書に組込まれる。
関連出願の相互参照
【0002】
本願は、2003年4月15日に発行された米国特許第6,546,752号、発明の名称“光学結合装置の製造法”、2001年10月16日に発行された米国特許第6,304,693号、発明の名称“光源と光導波管との間で光を結合する有効な装置”、2003年9月2日に発行された米国特許第6,612,892号、発明の名称“高強度放電ランプ、アークチューブ及び製造法”、2003年2月11日に発行された米国特許第6,517,404号、発明の名称“高強度放電ランプ、アークチューブ及び製造法”、及び2003年6月10日に出願された米国特許出願第10/457,442号、発明の名称“高強度放電ランプ、アークチューブ及び製造法”(米国特許公表第2004−0014391として公表された)、に関するものであり、これらの特許の開示事項は参照として本明細書に組込まれる結合される。
【背景技術】
【0003】
テレビジョン、家庭用娯楽及びビジネスプレゼンテーション用のプロジェクションシステムには、デジタル光処理すなわちDLP(商標)、種々の液晶ディスプレイ(LED)、及びシリコン上の液晶(LCoS)のような技術が含まれている。プロジェクションシステムの技術に関係なく、これらのデバイスは市場においてはより小型で軽量で安価なシステムに対する要求が増大している同じ傾向に直面している。
【0004】
DLP(商標)技術の概要は、プロジェクション光源における要求の最も注目されているものである。DLP(商標)技術では、ヒンジ取付け型デジタルマイクロミラーのアレイを備えたマイクロチップが使用され、各マイクロミラーは、マイクロミラーの位置に応じてビューイング像に光を選択的に投射する。このようなマイクロミラーシステムは通常デジタルマイクロミラーデバイスすなわちDMDと呼ばれている。
【0005】
デジタルコードは、毎秒数千回各ミラーを傾けたり直したりさせる。光が画素において反射される平均時間は、画素の影を決定し、千通りもの異なった陰を作り出している。カラーを投影するには、プロジェクション光源は、カラーホイールを通過する白い光を発生し、DMDチップの表面に送る。カラーホイールは赤色、緑色及び青色(“RGB”)フィルターから成り、カラーホイールによって、単一チップDMDシステムは単一光源から少なくとも1670万色を発生できる。多くの先行技術システムでは、RGBカラーホイールはまた画像の輝度を高めるため白色セクターも備えている。三チップバージョンでは、DMDプロジェクションシステムは、35兆種以上の色を発生する。
【0006】
色を発生するこの能力及び比較的小型で軽量で安価なシステムの要求はプロジェクション光源における重要な要求事項となっている。約6500Kの関連した色温度(“CCT”)で大量の光を発生させる必要がある。従来の金属ハロゲン化物ランプは、CCTが低すぎるか又は光の発生量が不十分であるため不適当である。先行技術では、所望の色を発生させかつプロジェクション照射に適したルーメンを得るのに高圧水銀ランプが用いられてきた。
【0007】
その結果、デジタルプロジェクション照射システムは、通常、高出力で高ルーメンの水銀放電光源を用いている。従来のプロジェクション光は、主としてランプにおいて比較的高いワットによってより多くのルーメンが得られることになるという一般概念のために、100ワット又はそれ以上の電力定格を持っている。この従来の見識から、アークチューブ圧力が150気圧以上である超高圧(“UHP”)ランプが開発されてきた。このような超高圧は、少なくとも150mg/ccの水銀充填によって発生される。一般に、水銀の蒸気圧が高くなればなるほど、放電はプロジェクションの目的のために一層適するようになる。ランプ圧力は、部分的にはランプ要素及びそのシールの強さによって制限される。
【0008】
破裂や漏れの可能性は、UHPランプの安全性及び製品寿命にとって重大な欠点をもたらす。特に、先行技術の装置で必要とされる高圧は重大な安全上の問題点となる。ランプ要素及びシールを補強すると、装置は小型サイズや携帯可能性の観点で好ましくなくなるが、これらの装置はなお補強手段に頼ることになる。例えば、UHPランプの故障モードは悲惨なことになり易い。UHPランプが故障すると、破裂し易く、ガラスや金属の破片が種々の方向へ高速度で飛散する。普通のUHPバーナーでは、そのような破裂の際に放出されるエネルギーはほぼ2.5ジュールである。またしばしば、ガラスや金属の破片は周囲の包囲体に突き刺さったり貫通したりし得る。このようなランプの故障の悲惨さの観点から、かかるランプにおいてアノードとして働く厚い電極は普通、ランプの破裂時にしばしばプロジェクターの構造体に突き刺さるので、“弾丸”と呼ばれる。代わりに、破裂が包囲体内で起ったとしても、破裂音がユーザーを不安にさせる。
【0009】
例えば、Takahashi等(米国特許公表第2004−0150343号)には、プロジェクション光源に適したUHPランプが記載されている。Takahashi等は、400気圧又はそれ以上の圧力に耐えることができる高圧放電ランプ要素に向けられている。アークチューブは、石英とバイコールガラスとの複合構造体で構成され、そして端部ランプにおける圧縮応力を高めるために製造中に熱処理される。上記の公表公報には、300mg/cm3までの水銀をランプ要素に装填することが記載されている。このような高い圧力は市販用製品では望ましくない。
【0010】
プロジェクション照射システムにおける目的は、望ましい輝度及び色合いをもつ表示像を得るために適切なカラーで十分な量の光を投射することにある。幾つかの設計上の限定事項は解消しなければならない。例えば、普通のプロジェクションシステムでは、光はRGB又はRGBWフィルターで濾光される。従って重要な設計上のファクターには、RGB(又はRGBW)フィルターにできる限り多くの光を投射すること及び濾光下光をできるだけ多く得ることが含まれる。
【0011】
プロジェクション照射システム用の光源を選択する際に考察される重要な特徴は、光源のエタンデュー特性当たりのルーメンである。アークギャップ及び充填圧力のようなランプの幾つかの物理的特性は、ランプのエタンデュー特性当たりのルーメンに影響を及ぼす。エタンデュー当たりのルーメンを要求に合わせるために、UHPランプはアークを抑えるために高充填圧力で作動しなければならない。上述のように、かかる高充填圧力はランプの故障時には有害であり得る。
【0012】
単一パネルシステム(例えば色分離用のカラーホイールを用いたDLPシステム)の別の重要な特徴は、システムの色分離効率、すなわち光源によって投射した光を赤、緑及び青に分離する際のシステムの効率である。単一パネルDLPシステム及び同様な表示光エンジンに用いられたカラーホイールは一般に、光源から受けた光を順次濾光するためにRGB(赤−緑−青)、RGBW(赤−緑−青−白)か、又はRGBYW(赤−緑−青−黄−白)カラーホイールを使用する。理想的には、RGBカラーホイールは単に赤、緑及び青セクターを等しい割合(ほぼ120°)で備えている。
【0013】
本発明の目的のために、用語“色分離効率”は、フィルターにおける総入射光(ルーメン)で分離した各カラーセクターで表わされた総濾光のそれぞれの割合で重み付けしたカラーホイールを通る濾光した赤色光、濾光した緑色光、及び濾光した青色光の各々の和(ルーメン)を意味している。赤色フィルター及び緑色フィルターの各々が総フィルターの35%であり、青色フィルターが総フィルターの30%であるカラーホイールにおいて、濾光した赤色光及び濾光した緑色光のルーメンは0.35のファクターで重み付けされ、濾光した青色光のルーメンは0.30のファクターで重み付けされる。先行技術のシステムは、普通、25%未満の色分離効率を達成する。理想的な色分離効率は一般には33%であると考えられる。
【0014】
UHPランプのような従来の光源はDPLシステムにおける特定のカラーホイールにスペクトルにおいて整合されないので、カラーホイールは、種々のUHPランプの種々のルーメン及びカラー性能を補償するように特製されなければならない。例えば、UHPランプは、一般的に、比較的大量の青色光を発生できるが赤色光が不足している。DLPシステムにおけるカラーホイールは、青色に比較して赤色フィルターの割合が補償して大きくなるように変えなければならず、そのためシステムの色分離効率が低下する。さらに、スクリーンルーメンを高めるために白色及び/又は黄色部分を設けるRGBW及びRGBYWカラーホイールがしばしば必要であり、そのため色分離効率はさらに低下する。スクリーンを横切る白色及び/又は黄色光のブラストは、視覚的には比較的輝いたスクリーン像の印象をうまく創造することができるが、色を不飽和させることで像の質に悪影響を及ぼす。幾つかの従来のシステムでは、色の質を犠牲にしてルーメンを高めるためにカラーホイールにおいて約100°の白色スペースが使用される。
【0015】
さらに、市場では、標準化されたプロジェクション光源がない。ランプ寿命は通常全体としてプロジェクションシステムの寿命より短い。システム設計者は、焦点距離、物理的寸法、ワット数などのような種々のパラメーターのために利用できるランプの品質を比較する能力に欠けている。その結果、ランプは、特定のプロジェクション照射システムに対してしばしば特注で製作され、そのため運転コストが嵩み、顧客及び製造業者にとっては、ほんの一又は二つの特定の形式のプロジェクション照射システムに適用できる無数のランプに直面したままである。
【0016】
この工業分野においては、プロジェクション照射の需要に合う十分な効率及び品質で光を発生できる、安価で、安全で、低電力で、低輝度の標準化光源を提供する必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、概略的にはプロジェクション光源に関する。特に、本発明は、低ワット数の金属ハロゲン化物ランプ、かかるランプを用いたプロジェクション光源、及び方法に関する。
【0018】
記載する種々の実施形態は、ハウジングと、ハウジングで支持されたアークチューブと、ほぼ楕円形の反射器とを備えたプロジェクション光源に関する。ハウジングと;ハウジングで支持され、複数の密封端部分の中間にバルブ状チャンバーを備えたアークチューブ本体を有するアークチューブと;各々密封端部分から上記バルブ状チャンバーへのびて、それぞれの内方先端部間の距離が約1.0mm〜約2.5mmであり、また各々直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えた一対の電極と;上記バルブ状チャンバー内に収容され、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、圧力がほぼ常温で約5気圧未満である充填ガスと;上記バルブ状チャンバー内に収容され、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含む充填材料と;上記バルブ状チャンバー内に収容された水銀と;上記ハウジングで支持されたほぼ楕円形の反射器とを有して成り、上記ほぼ楕円形の反射器の焦点が上記アークチューブの電極の内方先端部間にのびる軸線上に位置するように、上記アークチューブ及び上記ほぼ楕円形の反射器が位置決めされて成るプロジェクション光源が提供される。
【0019】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を発生するプロジェクション照射システム用低ワット光源が提供される。
【0020】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含むプラズマを収容するチャンバーを有し、上記プラズマから放出される光のカラー分離効率が25%以上であるように金属ハロゲン化物の組成が選択される、色分離するためカラーホイールを用いたプロジェクション照射システム用ランプが提供される。
【0021】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有し、濾光した光のルーメンが上記ランプの動作電力のワット当たり約5以上であり、又は濾光した赤色光、緑色光及び青色光のルーメンと上記フィルターに送られる光のルーメンとの比が約0.2 以上であり、又はビューイングスクリーンへ送られる光のルーメンが上記ランプの動作電力のワット当たり約2以上であるプロジェクション照射システムが提供される。
【0022】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ送る光学系とを有し、色分離効率が約0.25 以上であり、上記赤、緑及び青フィルターが、ほぼ等しいセクターの赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターを備えたRGBフィルターを形成するプロジェクション照射システムが提供される。
【0023】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、50ワット又はそれ以下の電力で動作する金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有するプロジェクターが提供される。
【0024】
(a)水銀及び一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、
(b)上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、
上記光源が、50ワット未満で作動し、上記アークチューブに収容した水銀の単位グラム当たり2.76mm2sr 未満のエタンデューで少なくとも650ルーメンの光を発生することから成るプロジェクション照射システム用低ワット光源が提供される。
【0025】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、バラストに作動的に結合した金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有し、上記バラストが、上記ランプに対して1.0〜2.5アンペアのランアップ(運転)電流、5000ボルト以上の始動電圧及び1000ヘルツ以上の動作電圧を供給して成るプロジェクターが提供される。
【0026】
本発明の種々の特徴は、添付の本発明を限定しない実施形態に関して考察する際に以下の詳細な説明を参照して当業者に明らかとなろう。
【0027】
本発明は、金属ハロゲン化物ランプ、反射器及びバラストを含んでいる。また本発明は、反射器に結合した金属ハロゲン化物ランプ並びにランプ及び反射器を支持するハウジング備えたプロジェクション光源も包含している。ここで説明する実施形態は、プロジェクションシステム、例えば図5に示すDLPシステム10、図6に示すLCDシステム20、又は図13に示すLCoSシステム用の光源に利用される。
【0028】
ここで説明する実施形態によるプロジェクション光源は、金属ハロゲン化物充填材料を含むアークチューブを支持するハウジング、及びアークチューブに結合した反射器を有し得る。
【0029】
低ワット数の考察
一般に、ここで説明する実施形態はプロジェクション光源用低ワット光源に向けられている。プロジェクション光源用低ワット光源は、電力消費、発熱及びサイズを含む多くの理由で望ましい。
【0030】
コンパクトなプロジェクション照射システムにおいては、熱の影響は重大である。通常の金属ハロゲン化物ランプでは、入力電力の30%以上が熱放射、熱伝導及び熱対流の形態で熱に変わる。従って、低電力を維持することは、システムの全ての構成要素における熱負荷を低減する。また電力の低減によって、騒音を発生ししかも付加的な電力を消費する従来のファンを取り外すことができる。さらに、低ワットランプを利用することによって、スペースの拘束を最小化し、プロジェクションシステムの携帯性を促進する。
【0031】
低ワットプロジェクション光源を開発する別の考察は、システム内の光学的閉じ込めにもかかわらず十分なルーメンをスクリーン上に集めることができるように、エタンデュー当たりのルーメン特性をもつ光源を提供することにある。従って、普通のプロジェクション照射システムのエタンデュー制限に適合するようにアークギャップの小さい放電ランプが必要である。しかし、狭いアークギャップで作動するアークチューブはアークギャップの広いアークチューブに比べて低ランプ電圧となる。その結果、ランプ電流は所与電力レベルを達成するには比較的高くなければならない。この高電流の結果として電極にかかる負荷が高くなり、そのためルーメンが下がり寿命が短くなる。従って、低ワットランプは、短いアークギャップの利点を実現しながら高電流の欠点を避けるのに望ましい。
【0032】
ほぼ50ワット以下にランプ電力を最小化する初期の方法では、高スクリーンルーメン及びカラー性能を達成するために、エタンデュー効率、光学的効率及びカラーホイール効率を含む他のファクターに注目されてきた。
【0033】
図1〜図4(及び図8〜図11)を参照すると、プロジェクション光源1(100)が示され、このプロジェクション光源1(100)はアークチューブ2(102)、反射器3(103)、及びハウジング5(105)を備えている。
【0034】
プロジェクション光源1に対して最適なアークチューブ充填材料、光学的干渉フィルター、及び光源カップリングを決める際には、特に光源及びカラー濾光の点に力点をおいて、光プロジェクションシステムを介してのエタンデューを考慮しなければならない。プロジェクション光源のルーメン/エタンデュー(mm2ステラジアン)特性は、アークチューブ2、反射器3及びレンズ4の物理的構成によって決められる。図7には、エタンデューの関数としてルーメンの理想的及び実際の曲線を示している。プロジェクション照射システムにおいて、光源におけるエタンデューは普通、図7に示すグラフの線形部分にある。プロジェクション光源では、プロジェクションシステムの所与エタンデュー拘束に対して高いルーメンを達成するのが望ましい。
【0035】
一つの実施形態では、プロジェクション照射源1が提供され、このプロジェクション照射源1は、ハウジング5、ハウジング5で支持されたアークチューブ2、及びハウジング5で支持され、アークチューブ2に結合されたほぼ楕円形の反射器3を備えている。アークチューブ2は、複数の密封端部分405の中間にバルブ状チャンバー403を備えたアークチューブ本体と、一対の対向電極407と、チャンバー403内に収容された充填ガス(図示していない)と、チャンバー403内に収容された水銀(図示していない)とを備えている。各電極407は、電極407の内方先端部間の距離(すなわちアークギャップ)が約1.0mm〜約2.5mmとなるように、密封端部分405からチャンバー403内にのびている。上記各電極407は直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えている。充填ガスは、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、また充填ガスの圧力は通常、ほぼ常温で約5気圧未満である。充填材料は、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含んでいる。アークチューブ2及び反射器3は、ほぼ楕円形の反射器3の焦点が図14に示すようにアークチューブ2の電極407の内方先端部間にのびる軸線221上に位置するように、位置決めされている。
【0036】
次に種々のその他の特徴及び実施形態に関して、アークチューブ、反射器及びハウジングについて以下さらに詳細に説明する。
【0037】
[I.] アークチューブ
ここで説明する実施形態はアークチューブ構造に対する解決法に基くアプローチである。ルーメン及びカラーの課題は両方とも種々の構造パラメーターによって解決される。一つの実施形態ではアークチューブは石英で形成される。代わりの実施形態では、アークチューブはセラミックで形成される。
【0038】
記載した実施形態によるプロジェクションシステムに対して高いスクリーンルーメンを達成するために、カラーバランス及びアークのサイズについて特に考察される。比較的小さなアークは光を比較的小さなアパーチャに収束できる。この原理はエタンデューに関連している。カラーバランスについては、比較的高いカラーホイール効率を得るためには、カラー特に赤色、緑色及び青色のバランスをとるのが望ましい。従来の装置に関連して上記で説明したように、一つのカラー(例えば青色又は赤色又は緑色)が光源において不足している場合には、カラーホイールは他のカラーを犠牲にしてそのカラーを強めるように構成されなければならない。その結果、スクリーンルーメンは落ちる。
【0039】
(A)小さなアーク
アークのサイズは、アークチューブにおけるアークギャップを減少すること及び電極の形状を変えることによって低減され得る。アークのサイズはまたアークを収縮することでも低減し得る。
【0040】
種々の実施形態において、電極間のアークギャップは、比較的高いエタンデュー効率を得るには2.5mm未満となるように短くされる。好ましくは、アークギャップはほぼ1.0mm〜ほぼ2.5mmの範囲内である。さらに好ましくは、アークギャップはほぼ1.6mm〜1.9mmの範囲内である。さらに一層好ましくは、アークギャップはほぼ1.7mmである。ルーメン及びランプ寿命に対するアークギャップの減少の影響を考慮した実験では、アークギャップの好ましい範囲は2.0mm〜1.5mmの範囲である。
【0041】
選択した実施形態では、アークチューブにおける電極はステック電極である。一層好ましい実施形態では、電極は、直径0.2mm〜0.4mm又は好ましくは0.25mm〜0.3mmのテーパー状ステック電極である。代わりに、電極はコイル状でもよい。電極は約2%のトリウムを含み得る。一層好ましくは、電極のトリウム含有量は2%未満である。
【0042】
アークギャップを減少することに加えて、電極の構成も変えられ得る。一般に、アークギャップを短くすると、電流は高くなる。高い電力負荷による電極の熱的蒸発を防ぐために、電極は比較的厚く作られる。しかし、単に厚くするだけでは、特に小さなアークギャップの場合、アパーチャを通過する光の陰影を作る(シャドウイング)という悪影響が生じる。図17を参照すると、対向する電極1705の内方端部分1703は内方先端部に向ってテーパー状にされ、シャンクは相対的に厚く保たれ、それにより反射器に一層多くの光線を晒す。テーパー状電極1705、1805は図17及び図18に例示されている。図17及び図18に示すように、電極によって作られる陰影の程度は、電極に設けたテーパーの度合いで低減され得る。短ギャップのアークチューブにおいてはちらつきの問題が大きく、テーパー状電極はちらつきを防ぐようにアークを安定化するのにも役立つ。
【0043】
電極構造を変えることに加えて、光源のエタンデューはアークを収縮することによりさらに低減され得る。アークを収縮する幾つかの方法について説明する。一つの実施形態では、ネオンのようなイオン化電位(電離電圧)の高いガスはアークを収縮するのに用いられる。ネオンはまた、特にUHP光源において知られた特定のスペクトル不足の観点で、赤色の有用なカラーをもたらし得る。収縮したアークは、エタンデュールーメン効率を改善する。別の実施形態では、アークの収縮に沃素のようなハロゲン化物が充填材料に用いられ得る。さらに別の実施形態では、アークを収縮させる軸方向磁界を発生するのに永久磁石が用いられ得る。プラズマを断面縮小(狭窄)するものとして知られたNd−Fe−Bのような高磁界磁石は、プラズマを断面縮小するのに適した磁界を発生させるために特化した形状に構成され得る。磁界はまた、電子が磁界によって閉じ込められるので、始動に役立ちこともでき、それによりグローからアークへの遷移時間を短くし、すなわち始動電圧を低減できる。
【0044】
(B)スペクトル出力
上記の実施形態で取り扱ったエタンデュー及びルーメンの問題の他に、種々の実施形態もカラー性能を高めそしてカラーホイールのような光フィルターの特徴を整合するようにカラー出力を適応することを含むカラーの問題を取り扱う。
【0045】
記載した金属ハロゲン化物に基くランプは、プロジェクションに応用するために比較的バランス取れたリッチなカラーを発生する。一つの実施形態では、図14のCIExy色度線図を参照して、金属ハロゲン化物ランプのカラーを示し、UHPランプより大きな全面積及び一層バランスした白色が得られる。例示実施形態では、アークチューブは、青色、緑色及び赤色に相応した波長でピーク量の光を発生する。さらに別の実施形態では、アークチューブは、プロジェクションシステムで利用した波長で光を発生する。選択した実施形態では、充填材は、カラーホイールにおけるRGBフィルターに整合し、従ってカラーホイール効率を改善するために、青色、緑色及び赤色に相応した波長で光のピークを発生するように部分的に予め決められる。さらに別の実施形態では、金属ハロゲン化物光源のカラーは、最高のカラーホイール効率のために作られたカラーホイールに整合するように特製される。別の実施形態では、充填材は、RGBカラーホイールに従って殆どのスクリーンルーメンを発生するように部分的に予め決められる。さらに別の実施形態では、充填材は、RGBWカラーホイールに従って殆どのスクリーンルーメンを発生するように部分的に予め決められる。さらに別の実施形態では、充填ガス及び圧力は、光源のエタンデューをさらに低減するためにアークを減少するように部分的に予め決められる。
【0046】
ある特定の実施形態では、光源のカラーは、ランプ充填材料の組成を変えることによって特製される。ハロゲン化物、金属ハロゲン化物及び金属のような材料及び充填ガスの種々の組合せによって、カラー及びルーメン要求に対して所望のスペクトルを得ることができる。ある特定の実施形態では、アークチューブには2mg未満の材料が充填される。好ましい実施形態では、アークチューブには1mg未満の材料が充填される。
【0047】
金属ハロゲン化物ランプを用いた場合の特別の利点は、ランプのスペクトル出力がランプ充填材料における組成物によって決められ得ることにある。一つの実施形態では、充填材料は、意図する波長、例えば光スペクトルの赤色領域、緑色領域及び青色領域にスパイクをもつ光出力を発生するように選択される。例えば、通常のLCD、DMD、LCoS応用では、光は赤色、緑色及び青色光を発生するように濾光される。従って、説明した実施形態では、ドーズは、青色(例えば475nm)、緑色(例えば510nm)、及び赤色(例えば650nm)に相応したピーク量の光を発生することによって、プロジェクション照射システムのカラー性能を高めるように予め決められる。デジタルプロジェクションシステムで利用される波長で光を伝送することによって、照射システムの効率(カラーホイール効率)が増大される。説明してきた実施形態の別の特徴に加えて、プロジェクションシステムの要求に適合する十分な光を発生する低電力光源が提供される。
【0048】
一つの特徴によれば、アークチューブには、金属ハロゲン化物を含むドーズ材料が充填される。アークチューブはまた金属ハロゲン化物、金属及びハロゲン化物の組合せも包含し得る。適当な金属としては、セシウム、スカンジウム、ルビジウム、ナトリウム、アルミニウム、及びマンガンが含まれるが、これらに限定されるものではない。充填材料の適当な組成はナトリウムとスカンジウムとの組合せを含む。インジウム又はトリウムのハロゲン化物又はそれらの両方も充填材料に含まれ得る。代わりに、充填材料は希土類金属の組合せを含み得る。充填材料は、米国特許第6,612,892号、米国特許第6,517,404号及び米国特許出願第10/457,442号に記載された方法によってアークチューブ内に導入され得る。これらの製造方法では、広範囲の金属ハロゲン化物充填材料組成を利用できる。金属ハロゲン化物ランプの輝度及びカラーはプロジェクション照射の要求によく適合できるものが提供されてきた。
【0049】
ある特定の実施形態では、ほぼ常温でアークチューブにおける充填圧力は一般に約5気圧未満である。随意に、充填ガス圧は常温で約10気圧未満であり、或いは充填ガス圧は常温で約2気圧未満である。動作温度での典型的な圧力は約25〜35 気圧である。
【0050】
ある特定の実施形態では、アークチューブのチャンバーは、一般に、直径8mm又はそれ以下の偏球回転楕円体である。別の実施形態では、直径は6mm又はそれ以下である。
【0051】
ある特定の実施形態では、光源は、0.5モル/リットル未満の充填ガス、20μg/μl未満の水銀、及び/又は4μg/μl未満のハロゲン化物を備えている。代わりに、光源は、0.05cc未満の充填ガス、1.5mg又はそれ以下の水銀、及び/又は0.5mg未満のハロゲン化物を備える。
【0052】
また充填ガスの選択によりカラー性能を高めることができる。適当な充填ガスとしては、クリプトン、キセノン、アルゴン、ネオン、及びそれらの混合物がある。種々の実施形態において、充填ガスはまた、上述のアーク収縮を改善する。
【0053】
ある特定の実施形態では、光源は、0.5モル/リットル未満の充填ガス、20μg/μl未満の水銀、及び/又は4μg/μl未満のハロゲン化物を備えている。代わりに、光源は、0.05cc未満の充填ガス、1.5mg又はそれ以下の水銀、及び/又は0.5mg未満のハロゲン化物を備える。
【0054】
ランプのスペクトル出力は、アークチューブにおける薄膜コーティングを用いて特製され得る。一つの実施形態では、光学干渉コーティングは、スクリーンにおける意図したカラーホイール効率及びカラー要求を達成するように、青色、緑色及び/又は赤色における特定の波長において光の反射率を高める充填材料の観点で予め決められる。代わりの実施形態では、コーティングは一つのカラーを強める濾光型のものであることができる。UVを阻止するTiO2のような他のコーティングは、あるカラーシフト効果をもたらす。これらの効果は、コーティング材料がUVエネルギーを吸収し、壁温を上昇させるので、生じられ、それにより連鎖反応が生じられる。試験では、TiO2コーティングにより、スペクトルの赤色シフト及び高いルーメン出力が観察された。さらに、壁温度は比較的一様であった。同様に、同じ機能を達成するのにUV阻止石英を用いてもよい。一般に、これらの薄膜は下流のUVの負荷を軽減でき、そしてアークチューブのルーメン出力を改善する。
【0055】
さらに一般的には、ルーメンを得るためにアークチューブをコーティングすることにより、カラーホイール効率及び特注のカラーを得るためにカラーを特製することができる。代わりの実施形態では、アークチューブは、紫外(UV)又は赤外(IR)放射線の少なくとも一方を反射する光学干渉濾光を備える。
【0056】
一つの実施形態では、コーティングはLPCVDによって形成される。別の実施形態では、コーティングは電子ビーム蒸着によって形成される。さらに別の実施形態では、コーティングは反応性スパッタリングによって形成される。
【0057】
(C)ハロゲン化物プール
ハロゲン化物プールは、ルーメン及びカラーの課題の両方に関する。ハロゲン化物プールは普通、水平燃焼型アークチューブの底部に位置し、そして図16aに示すようにある光を阻止又は濾光する。ハロゲン化物プールによる吸収は通常、スペクトルの青色領域においてであり、それによりルーメン及びカラーホイール効率を低減し、従ってそれの影響を低減する必要がある。以下幾つかの解決策を考察する。まず、壁温度の一様性を改善しかつハロゲン化物プールを低減するように、アークチューブ構造及び壁の厚さは変えられる。第2に、アークチューブ壁を加熱してハロゲン化物プールを低減するためにUV吸収コーティングが用いられる。第3に、金属ハロゲン化物のドーズ量は、ハロゲン化プールに蓄積するために液相では殆どないように最適化され得る。第4に、図16bを参照すると、アークチューブ1602は垂直形態で作動され得、従ってハロゲン化物プール1611は、プラズマから放出され反射器で集束される光を阻止できない。
【0058】
(D)チューブ包囲体/構造
種々の実施形態においてはアークチューブの構造又は壁厚は変更される。これらの変更は有利には壁温度の一様性を改善し、そしてハロゲン化物プールを低減する。
【0059】
種々の実施形態において、アークチューブ包囲体構造、形状、壁厚は、動作中における壁温度を最適化しかつ内部圧力を処理するように構成される。
【0060】
図21に示す一つの実施形態では、アークチューブ2102は実質的に長円形であり、それぞれ第1及び第2電極先端部2125a、2125bの中間に第1及び第2長円形焦点2123a、2123bを備えている。
【0061】
アークチューブの厚さ及び形状は安全性に関連して決められる。一つの実施形態では、アークチューブは二重長円形であり、それぞれ第1及び第2電極先端部の中間に二つの長円形焦点を備えている。
【0062】
アークチューブは随意に先端部なしにでき、アークチューブ壁に熱を実質的に一様に分布させることができる。アークチューブは実質的にアークの形状に追従し、それにより先端部からの光子散乱を低減できる。さらに、この先端部なしアークチューブは、完全な放電ランプの表面に管状欠陥がなく、従ってかかる欠陥によって生じる光の阻害や屈折をなくすことができる。さらに、アークチューブ壁に熱を一層一様に分布させることができる。一様な熱分布は、プロジェクション照射システムにおいて要求された小さなアークチューブにおいて特に望ましい。
【0063】
記載したアークチューブは種々の材料を用いて作ることができる。一つの実施形態では、アークチューブは石英で形成される。別の実施形態では、アークチューブはセラミックで形成される。ある特定の実施形態では、アークチューブはUV阻止石英から成る。光源からのUV放射線は、UVによる老化を最少化するように相当に低減される。代わりの実施形態では、アークチューブは、UV阻止手段としてTiO2で被覆される。吸収したUVエネルギーは、壁温度及び一様性を高めるのに寄与する。別の実施形態では、アークチューブは、アークチューブにおける散乱を低減しかつ壁温度を高めるためにサファイア又はその他の結晶体で構成され得る。
【0064】
以下III部で説明する反射器構造においてアークチューブの形状の光学系について考察する。
【0065】
(E)バラスト
幾つかの実施形態では、プロジェクション応用に対して一層有効で高性能なバラストが設けられる。一つの実施形態では、非対称バラストは、熱対流及び不整合のようなファクターによる二つの電極間の非対称動作を解消する。代わりに、非対称バラストは、一方の電極付近からのルーメン出力を高めるのに用いることができる。反射器は通常一つの焦点位置を備えているので、反射器は明るい方の電極の周りに光学的に構成され得る。言い換えれば、非対称動作は、光源のエタンデューを有効に低減できる。
【0066】
他の実施形態では、バラストのデューティサイクルは低減されるが、カラーホイールのスポーク領域すなわち同様なカラー濾光装置の類似部分の利点を得て同一ルーメン出力を維持する。図20を参照すると、従来のカラーホイール2001は、赤色、緑色及び青色フィルターの各々を分離する非光伝導“スポーク”セクター2003を備えている。各スポークセクター2003は約8°にわたってのび、それで三つのかかるスポークセクター2003を備えたカラーホイール2001は、ホイールの約5%の暗区間を備えている。選択した実施形態では、ランプは、同一平均電極負荷を維持しながらスポーク区間2007ではオフとなり、赤色、緑色又は青色濾光区間2009ではオンに戻る。代わりに、バラストは、少ない入力電力で同じスクリーンルーメンを達成するためにスポーク区間中にランプをオフさせるのに用いられ得る。これにより全体の熱影響は低減される。
【0067】
バラストを設計する際に考慮したファクターには、アークチューブの電圧、電流及び電力要求が含まれる。例えば、ある特定の実施形態では、バラスト電圧及び電流パルスは光源を駆動しかつ予定の時間内にグローからアークに遷移させるのに十分である。さらに、バラストは予定の時間内には光源をホット再駆動するのに十分な電圧及び電流パルスをもつ。
【0068】
35ワット光源についての一つの実施形態では、バラスト電圧はほぼ65ボルトであり、そしてバラストは8kVの電流パルスで光源を駆動する。バラストは10秒以内にホット光源を再駆動する。
【0069】
バラストの設計において考慮したファクターにはまた、光源を含む完全なシステムのサイズ及び熱的要求事項が含まれている。一つの実施形態では、バラストは46g未満の総重量すなわち質量をもつ。別の実施形態では、バラストは72mm×15mm×50mmの全体寸法すなわち54.000mm3未満の相応した体積をもつ。ある特定の実施形態では、バラストは0.76ワット/グラムを発生する。
【0070】
バラストの実施形態ではAC又はDCモードで作動する。ACモードの実施形態では、波形は正弦波又は方形波である。一つの実施形態では、方形波スイッチングバラストは7kHzの周波数で35ワット光源に給電する。代わりに、半DCバラストは電極間で非対称動作を可能にする。前述のように、この非対称バラストは非対称熱的及び電極不整合の問題を軽減できる。
【0071】
他の実施形態では、バラストの波形は、光源の電力及びカラーバランスを変えるように変調される。従って、光源は光エンジンで発生した特定のカラー(例えば、カラーホイールの青色、緑色又は赤色セグメント内のカラー)の色及び輝度に対して最適化される。
【0072】
カラーホイール又は同様な交互のすなわち周期的なカラー装置を使用したシステムに関する実施形態では、バラストは、カラーホイールのスポークセグメント中には光源を止め、従って光源は一層有効に使用され、それによりスクリーンルーメン/ワット性能を高める。選択した実施形態では、バラストは、意図した時間の後に光源を止めるマイクロチップを備える。
【0073】
別の特徴において、光源は随意に、限定するものではないが光出力、動作時間、ランプ電流、ランプ電圧を含む一つ以上のパラメーターの予定の値に基いて光源を無能にする定期寿命特徴を備える。例えば、バラストは、ランプの動作時間又はランプからの被測定光出力に基いてランプを無能にさせるためランプ電流を遮断するようにプログラミングされ得る。
【0074】
[II] 反射器
アークチューブ2及び反射器3の例示実施形態は図2及び図3に示すように位置決めされる。一つの実施形態では、反射器3は、米国特許第6,546,752号に記載されたスピンモールドプロセスを用いて石英で形成される。反射性コーティング9は、LPCVD又は別の適当なコーティング法を用いて内面に堆積され、高度に一様な反射プロファイルを形成する。反射器3及びアークチューブ2は反射器ランプ副組立体11を形成する。35Wの実施形態では、反射器の最大直径は約30mmである。
【0075】
好ましい実施形態では、楕円形反射器は、光を集束するのに用いられる。一つの実施形態では、ランプは、楕円体の一方の焦点付近に配置され、またアパーチャは他方の焦点に位置する。しかし、アークは点でないので、反射器の設計にはアーク性能を分析する必要がある。
【0076】
(A)反射器の曲線構造
従って、アークの光分布に関しては特殊な知識が要求される。この光分布情報は、種々の角度からアークの像を撮り、そしてそれらの像を分析してアークのデジタル3−Dプロファイルをデジタル的に作ることによって得ることができる。
【0077】
種々の実施形態では、反射器の曲率の設計には普通、二つの段階が伴う。第1に、光をアパーチャに収束させるために曲率についての分析表現が得られる。この段階は随意に、分析を単純化又は加速するため、アークを点源と仮定することを含む。第2に、第1段階によるアークプロファイルを用いて曲率を細かく合わせ、そして最適性能を達成する光学的シミュレーションが用いられる。
【0078】
(B)反射器本体
一般に、反射器203はアークチューブ202からの光を収束し、光路に投射する。図14にはこの概念を示している。本明細書で用いたアパーチャは一般的には、限定するものではないがレンズ、結合ロッド、及びマイクロディスプレイユニットを含む光学素子の物理的サイズを表わしている。最小光学素子は一般的にシステムアパーチャを決めている。DMD及び他のプロジェクション照射システムの場合、アパーチャは一般的には小さい。アパーチャの小さなサイズは一般的には技術的な理由より経済的な理由で多く用いられる。従って、ここで説明するある特定の実施形態では4〜6mmのアパーチャサイズが用いられる。アパーチャはまた、限定するものではないが楕円形(円形)及び長方形(正方形を含む)を含む種々の形状のものでよい。
【0079】
一つの実施形態では、反射器の開口直径は45mm又はそれ未満である。別の実施形態では、直径は30mm又はそれ未満である。さらに別の実施形態では、直径は25mm又はそれ未満である。さらに別の実施形態では、反射器の開口の直径は、プロジェクターの電力定格又は熱定格に相応している。
【0080】
一つの実施形態では、反射器の全長は約40mm未満である。好ましい実施形態では、反射器の全長は約25mm未満である。一つの実施形態では、楕円の短軸線で画定される長さは約20mm未満である。別の実施形態では、楕円の短軸線で画定される長さは約15mm未満である。
【0081】
種々の実施形態による反射器は、広範囲の材料を含み得る。適当な反射器材料としては、金属、及び限定するものではないがセラミック、ガラス、ポリマー及び結晶体(石英)を含む他の材料がある。一つの実施形態では、反射器は実質的に石英である。別の実施形態では、反射面は金属である。さらに別の実施形態では、反射器はセラミックである。別の実施形態では、反射器はガラスを備えている。さらに別の実施形態では、反射器はポリマーを備えている。
【0082】
反射器はハウジングとは分離したすなわち別個の構造体であるが、ある特定の実施形態では、反射器はプロジェクション照射源のハウジングと一体化される。この一体化は好ましくは、反射器の曲率を造形してハウジングを形成することにより達成される。一つの実施形態では、ハウジング及び反射器は一つの部材1501として一体に形成される。反射面1503はかかる部材を機械加工、エッチング又は鋳造することにより造形され、そして研摩及びコーティングによって仕上げられる。
【0083】
一つの実施形態では、反射器は光源の有効な熱シンクを構成するようにハウジングに一体化される。一体化したハウジングは、羽根、フランジ、ダクト、又はメッシュのような熱シンク特徴を随意に結合し、熱を放散する表面積を増大する。ある特定の実施形態では、反射器表面はハウジング本体に造形される。造形した表面は、限定するものではないが機械加工や鋳造を含む種々の方法を用いて製造される。さらに、造形した表面は研摩され、エッチングされそして被覆され得る。代わりに、反射器は、スピンモールディング法、金属機械加工法、又は金属打ち抜き法によって作られる。
【0084】
一つの実施形態では、反射器の前面部は開いている。第2の実施形態では、反射器の前面部は前面カバーを備えている。反射器の前面カバーは光学干渉フィルターを備え得る。
【0085】
図12aには、ランプ1201に対して反射器1203を位置決めする一つの実施形態を示している。反射器1203は、電極1208の内方先端部間にのびる軸線1212上に焦点1210を位置決めしたほぼ楕円形であり得る。
【0086】
(C)反射器コーティング
図12bを参照すると、ある特定の実施形態では、反射器1203は、反射器1203の内面及び外面のいずれか又は両方に反射コーティングを任意に備えている。種々の実施形態では、反射コーティング(図示されていない)は、限定するものではないがIPCVD、電子ビーム蒸着、及びプラズマアシストスパッタリングを含む形成法を用いて反射器1203の内面1203bに形成される。別の実施形態では、反射コーティング(図示されていない)は、限定されるものではないがLPCVD及び蒸着コーティングを含む形成法を用いて反射器の外面1203aに形成される。
【0087】
(D)反射器例1−石英反射器
例示実施形態では、反射器は石英反射器である。この実施形態による石英反射器はスピンモールディング法によって作られる。一般に、スピンモールディング法では、別の方法(例えば、石英のプレス加工)を用いて作成した形状より一層一様な反射器形状を作ることができる。反射器はまた、公知のアークチューブ形成技術を用いて石英で作られる。石英を用いる利点としては、限定するものではないが高温耐久性、高表面平滑性、電気的不活性、形成の容易性がある。
【0088】
石英反射器を形成した後、コーティングが任意に施される。コーティングは少なくとも二つの方法、すなわち反射器の内側をコーティングすること又は反射器の外側をコーティングすることによって実施できる。第1の方法では、石英反射器の内側は、例えばLPCVDによってコーティングされる。第2の方法では、第2の方法では、石英反射器の外側がコーティングされる。外側をコーティングすることは、石英が可視光に対して透過性であるので有効である。さらに、外側面をコーティングすることは、特に石英反射器が外側からのモールディングによって形成される場合に、表面曲率の制御性を高めることを含む利点をもつ。さらに外側コーティング法ではスパッタリング法を用いてコーティングすることができる。
【0089】
(E)反射器例2−金属ブロック反射器
図15に示すように、反射器の選択した実施形態は直接金属ブロックを用いて作られる。
【0090】
反射器を画定している内側曲面は、設計に従って高精度に機械加工され得る。代わりに、造形表面は鋳造体である。そして表面は、光学特性を改善するために研摩又はエッチングによって仕上げられる。適当な材料としては、アルミニウム及びその他の高反射性材料が含まれる。他の適当な材料には、限定されるものではないが薄いアルミニウムコーティング(例えば、ほぼ100nm)又は多層干渉コーティングが含まれる。
【0091】
一つの実施形態では、金属反射器はまた、全体システムに対して位置決めされそして整列されるハウジングとしても機能する。反射器は、光エンジンの整列及び位置決めツールとなる。金属反射器の高い熱伝導率により、良好な熱シンクをもたらす。反射器は、アークチューブからの熱を直接システムハウジングへ伝導する。従って、ある特定の実施形態では、反射器は、光エンジン組立体のハウジング及び熱シンクとして機能し、そして光学機能を果たす造形表面を備えている。
【0092】
[III.] ハウジング
図1〜図4(及び図8〜図11)に示すように、反射器ランプの副組立体11の例示実施形態はハウジング5に装着される。光源ハウジング5(105)は、プロジェクター光学系との精確な機械的インターフェースを構成するように、反射器3(103)内にアークチューブ2(102)を整列し保持する機械的組立体を備えている。光源ハウジングは任意に、カバー6、バックプレート12、第1及び第2垂直スライド13、14、及びレンズ4を備えている。レンズ4は、反射器ランプの副組立体11の前方に配置され、そこから光を伝送できるようにされる。一つの実施形態では、レンズ4は、反射器ランプの副組立体11のからの光を収束する。ある特定の実施形態では、レンズは光学干渉フィルターを備えている。一つの実施形態では、UV又はIR放射線の少なくとも一方が光学リレーに入り、DMDチップを衝突するのを阻止する光学干渉フィルターを備えた前面レンズ4が利用される。アークチューブ21からの第1、第2導路19は、プロジェクション照射システムと電気的に接続するためバックプレート12から突出している。カバー6及びバックプレート12は組合せて、任意にハウジング5の壁を形成し、反射器ランプの副組立体11を包囲する。バックプレート12及びカバー6は第1及び第2垂直スライド13、14によって結合される。ハウジング5の構成要素は、セメント又はその他の接着剤を用いずに機械的に任意に結合される。代わりに、耐熱接着剤が用いられる。
【0093】
ハウジング5(105)は好ましくは標準の寸法、重さ及び電気的接続で形成される。さらに、ハウジング5(105)は好ましくは、レンズ4から放出した光を光プロジェクションシステムに有効に結合するため標準の光伝導寸法で形成される。光源1を図5、図6及び図13に示すもののようなデジタルプロジェクションシステムに有効に結合することによって、十分な光がランプ電力定格の需要を低減して結合される。
【0094】
ハウジングの実施形態は、光源の垂直又は水平動作モードに適応するような形態に構成したハウジングを備える。さらに、ハウジング5(105)の実施形態では種々の材料が利用される。例えば、ハウジング5(105)は金属、鋳造金属を機械加工して構成しても、打ち抜き金属構造体で構成しても、或いはセラミックやガラスやプラスチックで構成してもよい。
【0095】
図15に示す実施形態では、ハウジングは光源及び反射器を一部片に保持し、反射器に対する光源の位置及び整列は調整され得る。
【0096】
種々の実施形態においては、ハウジングはプロジェクター及び光エンジン構成要素の熱環境に従って構成される。選択した実施形態では、ハウジング5は光源に対する換気用空気通路を備える。代わりに、ハウジング5は、内部熱環境を改善する熱パイプすなわち熱伝導導管を備える。さらに、ハウジングの実施形態では、電気導線の配線のような種々の安全性が考察される。
【0097】
[IV.] システムの変形例
別の実施形態では、光エンジン組立体、アークチューブ及び反射器は水平に対して垂直に構成される。垂直構成の光源では、臨界光学通路からハロゲン化物プールを除去することでルーメン及びカラーホイール効率が改善される。図16(図16bの誤り)には垂直に配置したアークチューブを示している。
【0098】
さらに、熱放散は垂直形態において強められる。すなわち、システムは、底部における接触面積が小さいので、熱を放散する表面積が大きくなる。
【0099】
UV/IRフィルターはアークチューブ壁に任意に設けられる。代わりに、フィルターはアークチューブから離間される。
【0100】
[V.] 性能
記載した実施形態では有利には、先行技術のデバイスに勝る明白な性能上の利点が得られる。性能上の利点には、限定するものではないが、電力、光出力、有効な光出力、始動、及び物理的規格における利点が含まれる。
【0101】
上述のように、ここに説明する実施形態は、先行技術のデバイスに比べてはるかに優れた電力定格性能をもたらす。ある特定の実施形態では、ランプは100ワット又はそれ以下で動作する。好ましい実施形態では、ランプは50ワット又はそれ以下で動作する。他の好ましい実施形態では、定格電力は20ワット〜40ワットである。一層好ましい実施形態では、ランプは35ワット又はそれ以下で作動する。さらに好ましい実施形態では、ランプは10ワット又はそれ以下で作動する。
【0102】
記載した実施形態ではまた、増強光出力(例えば、ルーメンにおいて)及び有効な光出力(例えば、スクリーンルーメンにおいて)が発生される。例えば、アークチューブ、充填材料、及び光学干渉フィルターの種々の実施形態では、カラー関連温度(CCT)、色度(ccx、ccy)、及び光プロジェクションのために十分なルーメン/ワットで光が発生される。
【0103】
一つの実施形態では、電力定格は75ルーメン/ワット以上で約35ワットであり、またCCTは4K〜8Kの範囲にある。
【0104】
ある特定の実施形態では、光源は20%以上のカラーホイール効率をもつ。好ましい実施形態では、カラーホイール効率は25%以上である。一層好ましい実施形態では、カラーホイール効率は30%以上である。
【0105】
ある特定の実施形態では、光源は少なくとも約600ルーメンを発生する。好ましい実施形態では、光源は約600〜5000ルーメンを発生する。一層好ましい実施形態では、光源は約1000〜4000ルーメンを発生する。
【0106】
光源は、30°未満の半円錐角度をもつ4mmの円形アパーチャで約200〜3000ルーメンを発生する。
【0107】
光源のある特定の実施形態では、少なくとも2ルーメン/ワットのRGB光が発生される。好ましい実施形態では、光源は少なくとも2ルーメン/ワットのRGB光を発生する。
【0108】
好ましい実施形態では、50〜500スクリーンルーメンの範囲でプロジェクションシステムに対して有効な光出力を発生する。光源の選択した実施形態では、約20〜300スクリーンルーメンを発生する。
【0109】
ある特定の実施形態では、光源は50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を発生する。好ましい実施形態では、光源は少なくとも1200アパーチャルーメンの光を発生する。一層好ましい実施形態では、光源は少なくとも2000アパーチャルーメンの光を発生する。
【0110】
記載した実施形態では、光源定格電力は約100ワット未満であり、約20以上のスクリーンルーメンを発生する。別の実施形態では、プロジェクション光源は、約50〜200以上のスクリーンルーメンを発生する約50ワット未満の定格電力をもつ光源を備えている。
【0111】
光源の有効性は約65結合ルーメン/ワット以上であり、そして約85結合ルーメン/ワット以上であり得る。
【0112】
光源の選択した実施形態では、少なくとも3スクリーンルーメン/ワットが発生される。例えば、35ワット源の実施形態では、105スクリーンルーメンが発生される。光源は、4以上のスクリーン/ワットを随意に発生する。光源は、5以上のスクリーン/ワットを随意に発生する。
【0113】
ある特定の実施形態では、光源のランプ寿命は、75%ルーメン維持の場合に定格で約500時間以上である。好ましい実施形態では、光源のランプ寿命は、50%ルーメン維持の場合に定格で約1000時間以上である。
【0114】
また記載した実施形態では、始動及び再駆動性能が高められる。ある特定の実施形態では、光源は8kV未満の始動電圧を必要とする。好ましい実施形態では、光源は2kV〜8kVの始動電圧を必要とする。ある特定の実施形態では、光源は100ns〜300nsの始動パルス幅を用いる。好ましい実施形態では、光源は約200nsの始動パルス幅を用いる。
【0115】
ウオームアップ期間に関して、ランプのある特定の実施形態では、10秒未満で80%輝度(例えば、全ルーメン性能の)に達する。好ましい実施形態では、約5秒未満で80%輝度に達する。
【0116】
再駆動時間に関して、光源のある特定の実施形態では、1秒未満で瞬時又は迅速再駆動状態に達する。光源の種々の実施形態では、30秒未満で迅速再駆動状態に達する。好ましい実施形態では、10秒未満で迅速すなわちホット再駆動状態に達する。
【0117】
性能を強めることの他に、記載した実施形態では、比較的コンパクトで低質量の装置で高性能が得られる。ある特定の実施形態では、光源は、ハウジング、反射器及びランプを含めて約200g未満である。好ましい実施形態では、光源は、ハウジング、反射器及びランプを含めて約100g未満である。ある特定の実施形態では、光源組立体は、38mm×36mm×36mm又はそれ以下の体積に適合する。さらに、種々の実施形態では、光源は、約2.5g/cc未満の重量対体積比をもつ。
【0118】
ある特定の実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約250000スクリーンルーメン以上を発生する。好ましい実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約315000スクリーンルーメンを発生する。さらに好ましい実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約333000スクリーンルーメン以上を発生する。ある特定の実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約5000000結合ルーメン以上を発生する。好ましい実施形態では、光源は、充填材料の単位グラム重量当たり約9000000ルーメン以上を発生する。
【0119】
ある特定の実施形態では、光源は、光源の単位容積cc当たり約200結合ルーメン以上を発生する。さらに、光源のある特定の実施形態では、光源は、光源の単位グラム重量当たり約80結合ルーメン以上を発生する。種々の実施形態では、光源は、光源の単位容積cc当たり約7スクリーンルーメン以上を発生する。さらに、種々の実施形態では、光源は、光源の単位グラム重量当たり約2.8スクリーンルーメン以上を発生する。
【0120】
本発明の種々の実施形態ではまた、安全性に関して先行技術の装置に勝る利点が得られる。上述のように、UHP装置の故障モードでは、光源に含まれた2.5ジュール以上のエネルギーを解放する突発爆発になり易い。これに対して、種々の記載してきた実施形態によるアークチューブは0.5ジュール未満のエネルギーを含んでいる。好ましい実施形態では、アークチューブはほぼ0.15ジュールのエネルギーを含んでいる。一層好ましい実施形態では、アークチューブはほぼ0.11ジュールのエネルギーを含んでいる。
【0121】
ある特定の実施形態では、光源は、バッテリー運転できるようにするために、予定の最大電力制限に適合するように構成され得る。さらに、光源の選択した実施形態では、プロジェクターの最大IR要求未満を発生する。さらに、光源の種々の実施形態では、紫外線については総放射エネルギーの15%未満であり、また赤外線については20%未満である。
【0122】
フローチャートにおける処理説明及びブロックはモジュール、セグメント、又はコンピュータソフトウエアの部分、或いは特殊な論理機能すなわち処理段階を実行する一つ以上の実行可能な命令を含むコードを表わすものであり、また本発明の技術分野における当業者に理解されるように、付随する機能性に関連して、実質的に同時に又は逆の順序を含めて図示し又は説明したものからの命令外で機能を実行し得る代わりの手段が本発明の好ましい実施形態の範囲内に含まれると理解されるべきである。
【0123】
アークチューブ、反応器、ハウジング、又はプロジェクション光源を構成する方法について本明細書で説明してきた実施形態は、特殊目的又は汎用目的のコンピュータで実行されるコンピュータ読取り可能なコードを備えたコンピュータ使用可能な媒体を用いて実施することができる。
【0124】
上記の実施形態、特に全ての“好ましい”実施形態は、単に本発明の原理を明瞭に理解するために記載した単なる可能な実施例であることが力説されるべきである。本発明の精神及び原理から実質的に逸脱することなしに、本発明の上記実施形態に対して多くの変形及び変更がなされ得る。好ましい実施形態について説明してきたが、上記の実施形態は単に例示のためのものであり、本発明の範囲は単に特許請求の範囲によって定義されることになり、等価の全範囲に合わせて、本明細書を通読することにより当業者には多くの変形及び変更が当然なされることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の実施形態によるプロジェクション光源の等角斜視図。
【図2】カバーを外して図1のプロジェクション光源を示す等角斜視図。
【図3】カバーを外して図1のプロジェクション光源を示す側面図。
【図4】反射器を外して図3のプロジェクション光源を示す側面図。
【図5】普通のデジタル光処理プロジェクションシステムを示す概略図。
【図6】普通の液晶ディスプレイプロジェクションシステムを示す概略図。
【図7】エタンデュー当たりのルーメンの理論的及び単純モデル曲線を示すグラフ。
【図8】本発明の別の実施形態によるプロジェクション光源の等角斜視図。
【図9】図8のプロジェクション光源の側面図。
【図10】図8のプロジェクション光源の別の等角斜視図。
【図11】カバーを外して図8のプロジェクション光源を示す側面図。
【図12a】本発明の実施形態による反射器構造を例示する線図。
【図12b】本発明の実施形態による反射器構造を例示する線図。
【図13】シリコン上の液晶システムを示す概略図。
【図14】本発明の実施形態の性能を示すxy色度線図。
【図15】一体に構成したハウジング及び反射器を例示する図。
【図16a】水平に配列したアークチューブにおけるハロゲン化物プールを示す概略図。
【図16b】垂直に配列したアークチューブにおけるハロゲン化物プールを示す概略図。
【図17】本発明の一つの特徴による電極を示す概略図。
【図18】本発明の別の特徴による電極を示す概略図。
【図19】カラーホイールを示す概略図。
【図20】カラーホイール及び関連した電力タイミング線図を示す概略図。
【図21】アークチューブ内の電極形態を示すが概略図。
【図22】光源を設計する本発明の実施形態を示すフローチャート。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと;
上記ハウジングで支持され、
複数の密封端部分の中間にバルブ状チャンバーを備えたアークチューブ本体と、各々密封端部分から上記バルブ状チャンバーへのびて、それぞれの内方先端部間の距離が約1.0mm〜約2.5mmであり、また各々直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えた一対の電極と、
上記バルブ状チャンバー内に収容され、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、圧力がほぼ常温で約5気圧未満である充填ガスと、
上記バルブ状チャンバー内に収容され、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含む充填材料と、
上記バルブ状チャンバー内に収容された水銀と、
を備えたアークチューブと;
上記ハウジングで支持されたほぼ楕円形の反射器と;
を有し、
上記ほぼ楕円形の反射器の焦点が上記アークチューブの電極の内方先端部間にのびる軸線上に位置するように、上記アークチューブ及び上記ほぼ楕円形の反射器が位置決めされていること
を特徴とするプロジェクション光源。
【請求項2】
50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンを投射する請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項3】
50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも1200ルーメンを投射する請求項2記載のプロジェクション光源。
【請求項4】
上記アークチューブが石英又はセラミック材料で形成される請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項5】
上記反射器が石英、セラミック、ポリマー、ガラス又は金属で形成される請求項4記載のプロジェクション光源。
【請求項6】
上記アークチューブ本体が石英で形成され、上記反射器がガラスで形成される請求項5記載のプロジェクション光源。
【請求項7】
上記充填ガスがネオンを含み、上記充填材料がナトリウム、スカンジウム及びインジウムを含む請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項8】
上記充填材料がナトリウム及びスカンジウムを含む請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項9】
上記充填材料がインジウムを含む請求項8記載のプロジェクション光源。
【請求項10】
上記充填材料がトリウムを含む請求項9記載のプロジェクション光源。
【請求項11】
上記ほぼ楕円形の反射器の半短軸が約25mm未満である請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項12】
上記ほぼ楕円形の反射器の半短軸が約20mm未満である請求項11記載のプロジェクション光源。
【請求項13】
上記ほぼ楕円形の反射器の半短軸が約15mm未満である請求項12記載のプロジェクション光源。
【請求項14】
複数の密封端部分の中間にバルブ状チャンバーを備えたアークチューブ本体と;
各々密封端部分から上記バルブ状チャンバーへのびて、それぞれの内方先端部間の距離が約1.0mm〜約2.5mmであり、また各々直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えた一対の電極と;
上記バルブ状チャンバー内に収容され、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、圧力がほぼ常温で約5気圧未満である充填ガスと;
上記バルブ状チャンバー内に収容され、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含む充填材料と;
上記バルブ状チャンバー内に収容された水銀と;
を有することを特徴とするアークチューブ。
【請求項15】
上記バルブ状チャンバーが、チャンバー容積のリッター当たり約0.5モル未満の充填ガスと、チャンバー容積のマイクロリッター当たり約4マイクログラム未満のハロゲン化物と、チャンバー容積のマイクロリッター当たり約20マイクログラム未満の水銀とを収容している請求項14記載のアークチューブ。
【請求項16】
上記電極のシャンクが各々、上記電極の内方先端部で終端するテーパー状部分を備えている請求項14記載のアークチューブ。
【請求項17】
上記電極の内方先端部間の軸線方向距離が約1.6mm〜約1.9mmである請求項14記載のアークチューブ。
【請求項18】
上記電極の内方先端部間の軸線方向距離が約1.7mmである請求項14記載のアークチューブ。
【請求項19】
上記充填材料がナトリウム及びスカンジウムのハロゲン化物を含む請求項14記載のアークチューブ。
【請求項20】
上記充填材料がインジウムを含む請求項19記載のアークチューブ。
【請求項21】
上記チャンバーが、直径8mm未満のほぼ球形である請求項14記載のアークチューブ。
【請求項22】
上記直径が約6mmである請求項21記載のアークチューブ。
【請求項23】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を指向することを特徴とするプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項24】
約45ワットで作動する請求項23記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項25】
約35ワットで作動する請求項24記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項26】
2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも1200ルーメンの光を指向する請求項23記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項27】
2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも2000ルーメンの光を指向する請求項26記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項28】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、50ワット未満で作動しながら、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を指向できることを特徴とするプロジェクション照射システム用の低ワット光源。
【請求項29】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含むプラズマを収容するチャンバーを有し、カラーホイールにおいて赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで分離した際の上記プラズマから放出される光のカラー分離効率が25%以上であるように金属ハロゲン化物の組成が選択されていることを特徴とするプロジェクション照射システム用ランプ。
【請求項30】
カラー分離効率が28%以上である請求項29記載のプロジェクション照射システム用ランプ。
【請求項31】
カラー分離効率が30%以上である請求項30記載のプロジェクション照射システム用ランプ。
【請求項32】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有するプロジェクション照射システムにおいて、赤、緑及び青濾光した光のルーメンが、上記ランプの動作電力のワット当たり約5以上であることを特徴とするプロジェクション照射システム。
【請求項33】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有するプロジェクション照射システムにおいて、赤、緑及び青濾光した光のルーメンと上記フィルターに通される光のルーメンとの比が、約0.25以上であることを特徴とするプロジェクション照射システム。
【請求項34】
赤、緑及び青濾光した光のルーメンと上記フィルターに通される光のルーメンとの比が、約0.28以上である請求項33記載のプロジェクション照射システム。
【請求項35】
赤、緑及び青濾光した光のルーメンと上記フィルターに通される光のルーメンとの比が、約0.30以上である請求項34記載のプロジェクション照射システム。
【請求項36】
上記カラーホイールが赤、緑及び青フィルターの等しい部分から成る請求項33記載のプロジェクション照射システム。
【請求項37】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有するプロジェクション照射システムにおいて、ビューイングスクリーンへ送られる赤、緑及び青濾光した光のルーメンが、上記ランプの動作電力のワット当たり約2以上であることを特徴とするプロジェクション照射システム。
【請求項38】
上記HIDランプが、ナトリウム、スカンジウム及びインジウムを含むランプ充填材を収容している請求項37記載のプロジェクション照射システム。
【請求項39】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、50ワット又はそれ以下の電力で動作する金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有することを特徴とするプロジェクター。
【請求項40】
上記ランプが、充填ガス、一種類以上の金属ハロゲン化物及び水銀を収容したバルブ状チャンバーを有し、バルブ状チャンバー内に収容した雰囲気エネルギーが約1.5ジュール未満である請求項39記載のプロジェクター。
【請求項41】
少なくとも200スクリーンルーメンの像を発生する請求項39記載のプロジェクター。
【請求項42】
100〜500スクリーンルーメンの像を発生する請求項39記載のプロジェクター。
【請求項43】
上記金属ハロゲン化物ランプが上記光源における単一ランプである請求項39記載のプロジェクター。
【請求項44】
2mm未満のアークギャップを有し、50ワット又はそれ以下の電力で動作し、そして少なくとも3500総合ルーメンの光を発生することを特徴とする金属ハロゲン化物ランプ。
【請求項45】
収容雰囲気エネルギーが約0.15ジュール未満である請求項44記載の金属ハロゲン化物ランプ。
【請求項46】
(a)水銀及び一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、
(b)上記プラズマから放出した光を指向させる反射器と
を有し、
上記光源が、50ワット未満で作動し、上記アークチューブに収容した水銀の単位グラム当たり2.76mm2sr 未満のエタンデューで少なくとも650ルーメンの光を指向すること
を特徴とするプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項47】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、バラストに作動的に結合した金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有し、上記バラストが、上記ランプに対して1.0〜2.5アンペアのランアップ(運転)電流、5000ボルト以上の始動電圧及び1000ヘルツ以上の動作電圧を供給することを特徴とするプロジェクター。
【請求項48】
2mm未満の電極ギャップ及び充填材料を備えたアークチューブを有し、充填材料が上記アークチューブに収容した水銀及び一種類以上の金属ハロゲン化物を含み、上記光源が、上記アークチューブに収容した充填材料の単位グラム当たり約2.250.000総合ルーメン以上を発生できることを特徴とするプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項49】
上記アークチューブに収容した充填材料の単位グラム当たり約11.000.000ルーメン以上を発生できることを特徴とする請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項50】
アークチューブ容積の単位立方cm当たり約200総合ルーメン以上を発生できる請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項51】
アークチューブの単位グラム当たり約80総合ルーメン以上を発生できる請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項52】
上記アークチューブに結合され、上記アークチューブから放出された光を指向させる反射器を有し、上記光源が2.76mm2sr 未満のエタンデューで少なくとも約900ルーメンの光を発生できる請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項1】
ハウジングと;
上記ハウジングで支持され、
複数の密封端部分の中間にバルブ状チャンバーを備えたアークチューブ本体と、各々密封端部分から上記バルブ状チャンバーへのびて、それぞれの内方先端部間の距離が約1.0mm〜約2.5mmであり、また各々直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えた一対の電極と、
上記バルブ状チャンバー内に収容され、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、圧力がほぼ常温で約5気圧未満である充填ガスと、
上記バルブ状チャンバー内に収容され、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含む充填材料と、
上記バルブ状チャンバー内に収容された水銀と、
を備えたアークチューブと;
上記ハウジングで支持されたほぼ楕円形の反射器と;
を有し、
上記ほぼ楕円形の反射器の焦点が上記アークチューブの電極の内方先端部間にのびる軸線上に位置するように、上記アークチューブ及び上記ほぼ楕円形の反射器が位置決めされていること
を特徴とするプロジェクション光源。
【請求項2】
50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンを投射する請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項3】
50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも1200ルーメンを投射する請求項2記載のプロジェクション光源。
【請求項4】
上記アークチューブが石英又はセラミック材料で形成される請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項5】
上記反射器が石英、セラミック、ポリマー、ガラス又は金属で形成される請求項4記載のプロジェクション光源。
【請求項6】
上記アークチューブ本体が石英で形成され、上記反射器がガラスで形成される請求項5記載のプロジェクション光源。
【請求項7】
上記充填ガスがネオンを含み、上記充填材料がナトリウム、スカンジウム及びインジウムを含む請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項8】
上記充填材料がナトリウム及びスカンジウムを含む請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項9】
上記充填材料がインジウムを含む請求項8記載のプロジェクション光源。
【請求項10】
上記充填材料がトリウムを含む請求項9記載のプロジェクション光源。
【請求項11】
上記ほぼ楕円形の反射器の半短軸が約25mm未満である請求項1記載のプロジェクション光源。
【請求項12】
上記ほぼ楕円形の反射器の半短軸が約20mm未満である請求項11記載のプロジェクション光源。
【請求項13】
上記ほぼ楕円形の反射器の半短軸が約15mm未満である請求項12記載のプロジェクション光源。
【請求項14】
複数の密封端部分の中間にバルブ状チャンバーを備えたアークチューブ本体と;
各々密封端部分から上記バルブ状チャンバーへのびて、それぞれの内方先端部間の距離が約1.0mm〜約2.5mmであり、また各々直径約2.0mm〜約4.0mmのタングステンシャンクを備えた一対の電極と;
上記バルブ状チャンバー内に収容され、アルゴン、キセノン、クリプトン及びネオンから成る群から選択した一種類以上のガスを含み、圧力がほぼ常温で約5気圧未満である充填ガスと;
上記バルブ状チャンバー内に収容され、一種類以上の金属の一種類以上のハロゲン化物を含む充填材料と;
上記バルブ状チャンバー内に収容された水銀と;
を有することを特徴とするアークチューブ。
【請求項15】
上記バルブ状チャンバーが、チャンバー容積のリッター当たり約0.5モル未満の充填ガスと、チャンバー容積のマイクロリッター当たり約4マイクログラム未満のハロゲン化物と、チャンバー容積のマイクロリッター当たり約20マイクログラム未満の水銀とを収容している請求項14記載のアークチューブ。
【請求項16】
上記電極のシャンクが各々、上記電極の内方先端部で終端するテーパー状部分を備えている請求項14記載のアークチューブ。
【請求項17】
上記電極の内方先端部間の軸線方向距離が約1.6mm〜約1.9mmである請求項14記載のアークチューブ。
【請求項18】
上記電極の内方先端部間の軸線方向距離が約1.7mmである請求項14記載のアークチューブ。
【請求項19】
上記充填材料がナトリウム及びスカンジウムのハロゲン化物を含む請求項14記載のアークチューブ。
【請求項20】
上記充填材料がインジウムを含む請求項19記載のアークチューブ。
【請求項21】
上記チャンバーが、直径8mm未満のほぼ球形である請求項14記載のアークチューブ。
【請求項22】
上記直径が約6mmである請求項21記載のアークチューブ。
【請求項23】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、50ワット未満で作動し、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を指向することを特徴とするプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項24】
約45ワットで作動する請求項23記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項25】
約35ワットで作動する請求項24記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項26】
2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも1200ルーメンの光を指向する請求項23記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項27】
2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも2000ルーメンの光を指向する請求項26記載のプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項28】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、上記プラズマから放出した光を指向させる反射器とを有し、50ワット未満で作動しながら、2.76mm2sr未満のエタンデューで少なくとも800ルーメンの光を指向できることを特徴とするプロジェクション照射システム用の低ワット光源。
【請求項29】
一種類以上の金属ハロゲン化物を含むプラズマを収容するチャンバーを有し、カラーホイールにおいて赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで分離した際の上記プラズマから放出される光のカラー分離効率が25%以上であるように金属ハロゲン化物の組成が選択されていることを特徴とするプロジェクション照射システム用ランプ。
【請求項30】
カラー分離効率が28%以上である請求項29記載のプロジェクション照射システム用ランプ。
【請求項31】
カラー分離効率が30%以上である請求項30記載のプロジェクション照射システム用ランプ。
【請求項32】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有するプロジェクション照射システムにおいて、赤、緑及び青濾光した光のルーメンが、上記ランプの動作電力のワット当たり約5以上であることを特徴とするプロジェクション照射システム。
【請求項33】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有するプロジェクション照射システムにおいて、赤、緑及び青濾光した光のルーメンと上記フィルターに通される光のルーメンとの比が、約0.25以上であることを特徴とするプロジェクション照射システム。
【請求項34】
赤、緑及び青濾光した光のルーメンと上記フィルターに通される光のルーメンとの比が、約0.28以上である請求項33記載のプロジェクション照射システム。
【請求項35】
赤、緑及び青濾光した光のルーメンと上記フィルターに通される光のルーメンとの比が、約0.30以上である請求項34記載のプロジェクション照射システム。
【請求項36】
上記カラーホイールが赤、緑及び青フィルターの等しい部分から成る請求項33記載のプロジェクション照射システム。
【請求項37】
発生した光を、赤フィルター、緑フィルター及び青フィルターで順次濾光するため、カラーホイールへ向ける反射装置に結合したHIDランプを含む光源と、濾光した光をビューイングスクリーンへ向ける光学系とを有するプロジェクション照射システムにおいて、ビューイングスクリーンへ送られる赤、緑及び青濾光した光のルーメンが、上記ランプの動作電力のワット当たり約2以上であることを特徴とするプロジェクション照射システム。
【請求項38】
上記HIDランプが、ナトリウム、スカンジウム及びインジウムを含むランプ充填材を収容している請求項37記載のプロジェクション照射システム。
【請求項39】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、50ワット又はそれ以下の電力で動作する金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有することを特徴とするプロジェクター。
【請求項40】
上記ランプが、充填ガス、一種類以上の金属ハロゲン化物及び水銀を収容したバルブ状チャンバーを有し、バルブ状チャンバー内に収容した雰囲気エネルギーが約1.5ジュール未満である請求項39記載のプロジェクター。
【請求項41】
少なくとも200スクリーンルーメンの像を発生する請求項39記載のプロジェクター。
【請求項42】
100〜500スクリーンルーメンの像を発生する請求項39記載のプロジェクター。
【請求項43】
上記金属ハロゲン化物ランプが上記光源における単一ランプである請求項39記載のプロジェクター。
【請求項44】
2mm未満のアークギャップを有し、50ワット又はそれ以下の電力で動作し、そして少なくとも3500総合ルーメンの光を発生することを特徴とする金属ハロゲン化物ランプ。
【請求項45】
収容雰囲気エネルギーが約0.15ジュール未満である請求項44記載の金属ハロゲン化物ランプ。
【請求項46】
(a)水銀及び一種類以上の金属ハロゲン化物を含む発光プラズマを収容するアークチューブと、
(b)上記プラズマから放出した光を指向させる反射器と
を有し、
上記光源が、50ワット未満で作動し、上記アークチューブに収容した水銀の単位グラム当たり2.76mm2sr 未満のエタンデューで少なくとも650ルーメンの光を指向すること
を特徴とするプロジェクション照射システム用低ワット光源。
【請求項47】
少なくとも100スクリーンルーメンの像を発生し、バラストに作動的に結合した金属ハロゲン化物ランプを備えた光源を有し、上記バラストが、上記ランプに対して1.0〜2.5アンペアのランアップ(運転)電流、5000ボルト以上の始動電圧及び1000ヘルツ以上の動作電圧を供給することを特徴とするプロジェクター。
【請求項48】
2mm未満の電極ギャップ及び充填材料を備えたアークチューブを有し、充填材料が上記アークチューブに収容した水銀及び一種類以上の金属ハロゲン化物を含み、上記光源が、上記アークチューブに収容した充填材料の単位グラム当たり約2.250.000総合ルーメン以上を発生できることを特徴とするプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項49】
上記アークチューブに収容した充填材料の単位グラム当たり約11.000.000ルーメン以上を発生できることを特徴とする請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項50】
アークチューブ容積の単位立方cm当たり約200総合ルーメン以上を発生できる請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項51】
アークチューブの単位グラム当たり約80総合ルーメン以上を発生できる請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【請求項52】
上記アークチューブに結合され、上記アークチューブから放出された光を指向させる反射器を有し、上記光源が2.76mm2sr 未満のエタンデューで少なくとも約900ルーメンの光を発生できる請求項48記載のプロジェクション照射システム用低電力光源。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16a】
【図16b】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2009−510710(P2009−510710A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534796(P2008−534796)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/049324
【国際公開番号】WO2007/076141
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(502345061)アドバンスド ライティング テクノロジイズ,インコーポレイティド (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/049324
【国際公開番号】WO2007/076141
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(502345061)アドバンスド ライティング テクノロジイズ,インコーポレイティド (11)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]