説明

プロセスカートリッジ及び画像形成装置

【課題】 像担持体のみらずプロセス手段の交換の煩雑さも軽減可能なプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】 像担持体3とクリーニング手段61とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ1において、像担持体3を着脱可能に受け入れる受入部を有する第1枠体2aと、この第1枠体に回動可能に取り付けた第2枠体2bとを設ける。そして、この第2枠体に対しクリーニング手段61を着脱可能に取り付けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成に用いるプロセスカートリッジ及びこのプロセスカートリッジを備える画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、像担持体と、この像担持体に作用可能なプロセス手段とを有し、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジが知られている。例えば電子写真方式の画像形成装置では、帯電手段、現像手段、転写手段、クレーニング手段などの、像担持体(感光体)に対して作用可能なプロセス手段の少なくとも一つと、像担持体とを収容したプロセスカートリッジが用いられている。
このようなプロセスカートリッジに関する提案として特許文献1には、次のような画像形成装置が記載されている。「表面に感光体を有する像担持手段と、該感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、該感光体表面に形成された静電潜像をトナー像に現像する現像装置と、該感光体表面に作用し転写後該感光体表面に残留するトナーを除去するトナー除去手段を備えたクリーニング装置と、を具備し、該像担持手段及び該クリーニング手段が装置本体に着脱自在に装着されるユニット枠に装着される画像形成装置において、該ユニット枠は第1枠体と該第1枠体に旋回自在に装着された第2枠体を備えており、該第1枠体には該像担持手段を着脱自在に受入れる受部が規定され、該像担持手段は該受部に回転自在に装着されており、該第2枠体には該トナー除去手段が配設されており、該第2枠体を閉方向に旋回せしめて作用位置にせしめると、該トナー除去手段が該像担持手段の表面に作用し、一方第2枠体を該作用位置から開方向に旋回せしめると、該トナー除去手段が該像担持手段の表面から離間することを特徴とする画像形成装置。」
この提案に係る画像形成装置によれば、上記第2枠体を開方向に旋回せしめてトナー除去手段を像担持手段表面から離間させた状態で、像担持手段のユニット枠からの離脱及びユニット枠への装着を容易に行うことができる。
【0003】
【特許文献1】特開平1−142666号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のプロセスカートリッジは、トナー除去手段などのプロセス手段の交換については記載されておらず、プロセス手段の交換作業の煩雑さが残る可能性がある。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、像担持体のみらずプロセス手段の交換の煩雑さも軽減可能なプロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体とクリーニング手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、像担持体を着脱可能に受け入れる受入部を有する第1枠体と、該第1枠体に回動可能に取り付けた第2枠体とを設け、該第2枠体に対しクリーニング手段を着脱可能に取り付けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1のプロセスカートリッジにおいて、上記第1枠体の底部が水平面に着くよう該水平面上に載置し、上記第2枠体を回動させて該第2枠体の外周部を該水平面に接触させるまでの回動角度が90度以上になるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1のプロセスカートリッジにおいて、像担持体に対する少なくとも1つのクリーニング用の作用部材に加え、クリーニング用又は他の用途の像担持体に対する少なくとも1つの作用部材を、着脱可能に上記第2枠体に取り付けたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3のプロセスカートリッジにおいて、上記第1枠体の底部が水平面に着くよう該水平面上に載置し、上記第2枠体を回動させて該第2枠体の外周部を該水平面に接触させるまで回動させた状態で、上記第2枠体に着脱可能に取り付けられた部材の全てが上方から視認可能なように、これらの部材を取り付けたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4のプロセスカートリッジにおいて、上記着脱可能に取り付けられた部材は上記第2枠体の上下方向で互いに異なる箇所に取り付けられており、第2枠体において、上記第1枠体との回動可能な係合部よりも高い箇所側が該第1枠体から離間するように回動されることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3のプロセスカートリッジにおいて、上記着脱可能に取り付けられた部材の少なくとも一つを、上記第2枠体を上記第1枠体に対して閉じた状態のまま、該第2枠体の外周側から着脱可能であるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6のプロセスカートリッジにおいて、上記外周側から着脱可能にするため上記第2枠体の外部ケーシングに開閉蓋を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項3のプロセスカートリッジにおいて、上記第2枠体に着脱可能に取り付けたられた作用部材のうち、少なくとも2つは回転部材であり、該少なくとも2つの回転部材の両端を、共通の側板片にそれぞれ軸受けし、該少なくとも2つの回転部材を該第2枠体にし対して該側板片とともに着脱できるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、像担持体とプロセス手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、像担持体を着脱可能に受け入れる受入部を有する第1枠体と、該第1枠体に回動可能に取り付けた第2枠体とを設け、該第2枠体に対し複数のプロセス手段を着脱可能に取り付け、かつ、該複数のプロセス手段のうちの少なくとも一つは、該第2枠体を第1枠体に対して回動させて開いた状態で着脱可能であり、他の少なくとも一つは、上記第2枠体を上記第1枠体に対して閉じた状態のまま、該第2枠体の外周側から着脱可能であるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、像担持体とプロセス手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、像担持体を着脱可能に受け入れる受入部を有する第1枠体と、該第1枠体に回動可能に取り付けた第2枠体とを設け、該第2枠体に対し複数のプロセス手段としての複数の回動部材を取り付け、かつ、該複数の回転部材の両端を、共通の側板片にそれぞれ軸受けし、該複数の回転部材を該第2枠体に対して該側板片とともに着脱できるように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1〜10の何れかのプロセスカートリッジにおいて、第1枠体に対し、脱着可能に第3枠体を取り付け、該第3枠体にプロセス手段としての現像手段を設け、該第3枠体と第1枠体との間の位置決め及び上記像担持体と該現像手段の現像剤担持体との位置決めを両枠体に対して脱着可能な面板を用いて行うように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項1〜11の何れかのプロセスカートリッジにおいて、プロセス手段としての帯電手段を上記第1の枠体に対して脱着可能に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1〜11の何れかのプロセスカートリッジにおいて、プロセス手段として現像手段を備えており、該現像手段は、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあるトナーを用いることを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、請求項13のプロセスカートリッジにおいて、トナーは、重量平均粒径と個数平均粒径との比が、1.05ないし1.40の範囲にあることを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、請求項13又は14のプロセスカートリッジにおいて、上記トナーは、外観形状がほぼ球形状であって、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足することを特徴とするものである。
また、請求項16の発明は、請求項13〜15の何れかのプロセスカートリッジにおいて、前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させることを特徴とするものである。
また、請求項17の発明は、像担持体とすくなとも一つのプロセス手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えた画像形成装置において、該プロセスカートリッジとして請求項1〜17の何れかのプロセスカートリッジを用いたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1乃至17の発明においては、第2枠体を開方向に回動せしめ、この第2枠体に取り付けてあるプロセス手段を像担持手段表面から離間させた状態で、像担持手段のユニット枠からの離脱及びユニット枠への装着を容易に行うことができる。また、第2枠体に支持させるプロセス手段は着脱可能に取り付けられている。よって、像担持体のみらずプロセス手段の交換の煩雑さも軽減可能であるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるプロセスカートリッジの内部構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、プロセスカートリッジ1は、潜像担持体である感光体3と各プロセス手段として帯電手段である帯電モジュール4、現像手段である現像モジュール5、クリーニング手段であるクリーニングモジュール6を備えることができる。
【0008】
図2はプロセスカートリッジ1の斜視図である。
プロセスカートリッジ1は画像形成装置本体100の開口100aに対し、感光体3の軸線方向に沿って進退させることによって着脱でき、交換可能である。プロセスカートリッジ枠体(以下、「枠体」と記すことがある。)2は、感光体3の受け部を備えた第1枠体2a、クリーニングモジュール6を備えた第2枠体2b、及び、現像モジュールを備えた第3枠体2cからなっている。第2枠体2bは回動自在な係合部2dで第1枠体に取り付けられ、第2枠体位置決部材74で位置決めされる。第3枠体2cは第3枠体位置決部材71によって第1枠体2aに取り付けられると共に位置決めされる。帯電モジュール4は、第2枠体2bに対して鉛直方向に着脱可能になっている(図10参照)。これらについて後に詳述する。そして、後に詳述するように、プロセスカートリッジ1を画像形成装置本体100から取り外した状態で、感光体3、帯電モジュール4、現像モジュール5、クリーニングモジュール6は、モジュール単位で新しいものと交換可能である。また、各モジュールはそれ自体でサービスマン、ユーザによる取り扱いが可能である。
【0009】
図3は、第3枠体2cと帯電モジュール4を取り外した状態のプロセスカートリッジ枠体の構造を示す概略図であり、図3(a)は、画像形成装置手前側から見た図であり、図3(b)は、画像形成装置奥側から見た図である。
このプロセスカートリッジ枠体2は、第1枠体2aと第2第2枠体2bとが係合部2dを軸として、開放位置と閉塞位置との間を回転可能に係合している。閉塞位置のとき、枠体2a、2bは感光体3が取り外せないように囲っている。係合部2dは、図示しない突起部と穴部をそれぞれの枠体2a、2bに設けて、この穴部に突起部を挿入して係合させ、突起部にリングで抑えて抜けないようにする。さらに、閉塞位置時において第1、第2のプロセスカートリッジ枠体2a、2bがオーバーラップしている個所に設けられた穴部に対して、第2枠体位置決部材74に植立された2本のピンによって貫通させることにより、第1枠体2aに対して第2枠体2bを位置決すると同時に固定する。これによって、プロセスカートリッジ枠体2は、第1及び第2枠体2a、2bを一体に成形することなく組立てることができ、さらに、容易に分離することができる。これによって、下記に説明する各プロセス手段4等および感光体3を別個に独立して入れ換えることができる。
【0010】
なお、この枠体2には、図1に示すように、検知手段を設けてもよい。検知手段としては、プロセスカートリッジ1内の温湿度を検知するための温湿度センサ21、感光体3の電位を検知する電位センサ22、現像後の感光体3上の現像されたトナー量を検知するトナー濃度センサ23を配設する。このように感光体3に関係する各センサをカートリッジ枠体2a、2bに配置することにより、各プロセス手段の交換を容易にすることができる。また、交換可能な各プロセス手段を安価にすることができる。図示しない信号線ハーネスは、プロセスカートリッジ1の奥側にまとめ、図3(b)に示すようにプロセスカートリッジ1の奥側に設けるコネクタ部2gに一括接続させ、画像形成装置100本体側の電気回路と接続される。各ハーネスは係合部2dの回転軸を這わせれば、第2枠体2bの自由な回転移動を実現でき、感光体3および各プロセス手段の交換性を上げる。
この他に、例えば、転写前除電装置25、クリーニング前除電装置26を配設しても良い。
【0011】
図4は、感光体の構成を示す概略図である。
図5は、画像形成装置に組み込まれたプロセスカートリッジ奥側の状態を示す概略図である。図6は、画像形成装置に組み込まれたプロセスカートリッジ手前側の状態を示す概略図である。
感光体3は、図4に示すように、円筒状のアルミニウム基板35上に感光層36を設ける。円筒状の感光体3の場合には、円筒内部の両端にフランジ31、32を設けている。
プロセスカートリッジ奥側のフランジ32は、図5に示すように、中心部に画像形成装置100の本体に設けられる駆動軸101を通すための軸受33が形成される。軸受33の内面にはギア34が形成されており、駆動軸101に設けるギア102と嵌合される。
また、プロセスカートリッジ1手前側のフランジ31は、図6に示すように、中心部に嵌合部37fが形成される。この嵌合部37fは、感光体3のプロセスカートリッジ1への装着時に、プロセスカートリッジ枠体2aに取り付けられた位置決部2eに嵌合する。位置決部2eは感光体3を押し返す方向に、スプリング(図示しない)により付勢されている。感光体3のプロセスカートリッジ1への装着は、フランジ32の嵌合部37rを位置決部2eに押圧しつつ、プロセスカートリッジ枠体に装着することで行われ、取り外し時にはその逆である。なお、この感光体3は、プロセスカートリッジ枠体2の側板11に設ける支持部12rに支持させるだけで、画像形成が行えるほど高精度には位置決めされてはいない。画像形成装置100は、画像形成装置100本体奥側板111に軸受112を介して駆動軸101が支持されている。この駆動軸101は、プロセスカートリッジ1の枠体後側板11rに設ける穴部13rに合わせた軸受103を備えている。そして、この駆動軸101は、プロセスカートリッジ1の穴部13に挿嵌させて、画像形成装置100とプロセスカートリッジ1の位置決をする。
【0012】
さらに、この駆動軸101は、感光体3のフランジ31における軸受33に挿入すると共に、駆動軸101のギア102とフランジ31に設けるギア34に嵌合させる。この画像形成装置100の本体に配設する駆動軸101を回転させると、駆動軸101のギア102が感光体3のギア34を介して感光体3を回転させる。また、感光体3は、プロセスカートリッジ1の支持部12rに固定せず、支持させているだけで、画像形成装置100本体に設ける駆動軸101を感光体3に挿嵌させることで、感光体3の位置決めをする。この画像形成装置100本体に設けられる駆動軸101によって、プロセスカートリッジ1と感光体3との位置決めが同時に行われる。この構成のように、高精度に感光体3を駆動するためには、感光体3の回転軸を持たせることが有効だが、本実施例においては、駆動軸101を画像形成装置100本体側に設け、プロセスカートリッジ1を貫通させつつ、位置決めすることにより、感光体3およびプロセスカートリッジ1を安価にすることができ、かつ高精度で回転駆動できる。
【0013】
図7は、感光体の感光層の構造を示す概略図である。
感光体3の基板35は、例えば、アルミニウム、銅、鉄等の金属またはこれらの金属の合金を押し出し、引き抜きなどの加工して円筒状の素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した円筒状ドラムに形成されている。
感光層36の構造は、電荷発生物質を主成分とする層である電荷発生層36aと発生した電荷を感光体表面又は基板35に輸送する電荷輸送層36bで構成される。また、感光層36を保護するために、保護層36cが感光層36の上に設けられることもある。保護層36cにはその他、耐摩耗性を向上する目的でフィラーを添加することもできる。
【0014】
図8(a)は、帯電モジュールの外観を示す斜視図であり、図8(b)はその側面を示す概略図である。また、図9は、帯電モジュールの構成を示す概略図である。
帯電モジュール4は、図9に示すように、感光体3に対向して配設される帯電部材しとての帯電ローラ42、帯電ローラ42が振動するのを防止し、バネ材43、帯電ローラ42の汚れを除去する帯電クリーニングローラ44、スペーサ部材45、バネ支持部材46、これらを収納するハウジング41からなっている。帯電ローラ42は、バネ支持部材46に回転自在に軸支され、バネ材43により感光体3表面方向に押圧されている。帯電クリーニングローラ44は、帯電モジュール4のハウジング41の側板に設けられる軸受47に嵌合され、回転可能に軸支される。この帯電クリーニングローラ44は、帯電ローラ42に当接して、外周面をクリーニングする。帯電ローラ42の表面にトナー、紙粉、部材の破損物等の異物が付着すると異常放電するのを防止する。帯電クリーニングローラ44は、樹脂繊維のブラシ状が好ましく、複数設けることができる。バネ支持部材46は、バネ材43により、ハウジング41から離間する方向(感光体のドラム軸に向かう方向)へ押圧され、ハウジング41に形成された規制部材により移動を規制される。この構成により、帯電モジュール4のプロセスカートリッジ1への装着時、帯電部材42は、スペーサ部材45によって感光体3と適切な距離を保ち、かつ帯電部材42が振動することを防止する。また、帯電モジュール4の取り外し時には、帯電モジュール4自体での取り扱いを可能とする。
【0015】
また、図10は、帯電モジュールをプロセスカートリッジに装着する状態を示す概略図である。
帯電モジュール4は、図10に示すように、プロセスカートリッジ1の両側側板に設けられる帯電嵌合部15f、15rに挿入し、嵌合させて位置決めを行い、第2枠体2bにネジ止めなどで固定される。
【0016】
図11は、帯電部材の構造を示す概略図である。この帯電モジュール4は、帯電部材42は適宜な形態に構成できるが、ローラ状が好ましい。この帯電ローラ42は、中心に金属製芯金による軸部42a、その外側に中抵抗層42cと最外層に表面層42dとを有する本体部42bからなる構造をしている。軸部42aは、例えば、直径が8〜20mmのステンレス、アルミニウムの高い剛性と導電性を有している金属製又は1×10Ω・cm以下、好ましくは1×10Ω・cm以下で高い剛性を有する導電性の樹脂等で構成される。中抵抗層42cは、1×10Ω・cm〜1×10Ω・cmの体積抵抗率で、1〜2mm程度の厚さにすることが好ましい。表面層42dは、1×10Ω・cm〜1×1012Ω・cmの体積抵抗率で、10μm程度の厚さが好ましい。表面層42dの体積抵抗率は、中抵抗層42cの電気抵抗率より高くすることが好ましい。ここで、本体部42bは、中抵抗層42cと表面層42dとの2層構造で示したが、特にこの構造に限定されるものではなく、単層でも3層であっても良い。
【0017】
帯電ローラ42と感光体3との間隙は、スペーサ部材45により100μm以下、特に、20〜50μmの範囲にする。これにより、帯電モジュール4の作動時における異常画像の形成を抑えることができる。この間隙は、プロセスカートリッジ1と帯電装置4を嵌合する帯電嵌合部15で調整しても良い。
【0018】
図12は、現像モジュールの外観を示す概略図である。
現像モジュール5は、図1に示すように、第1枠体2aに装着されている。また、現像モジュール5は、感光体3に近接するように配置されている現像剤担持体である現像スリーブ51、現像モジュールと別個に設けられる補給トナー容器からトナーが補給される補給口58、補給されたトナーを混合・攪拌する混合スクリュー55、混合した現像剤を現像スリーブに供給する供給ローラ56などから構成され、感光体3への現像剤の供給を可能とする。
【0019】
図13及び図14は、現像モジュールを装着する状態を示す概略図である。
現像モジュール5は、図13及び図14に示すように、第1枠体2aに形成したガイド溝2eに沿って装着して、一旦保持させてから、現像手段面板である第3枠体位置決部材71の穴部71bにより現像スリーブと同軸の第2突起状(D型)ガイド59b、穴部71dにより感光体ドラムの軸部を貫通させ、位置決めの主基準とする。これによれ感光体ドラムの軸部に対し現像スリーブを位置決めできる。また、同時に現像モジュール5の第1突起状ガイド59aが第1枠体2aのガイド部2fへ、第1枠体2aの突起状ガイド28を第3枠体位置決部材71の第3穴状ガイド71cに挿通することで従基準を決める。これにより、第1枠体2aに対して第3枠体2cを完全に位置決めできる。
第3枠体位置決部材71による位置決め後、スリーブ角度決定部材72は、D型穴部71eを第2突起状(D型)ガイド59bに挿入した後、磁力線方向を感光体ドラム軸方向に合わせて穴部71eで第1枠体2aと固定する。
これと逆に、スリーブ角度決定部材72、第3枠体位置決部材71をはずすことで、現像モジュール5をプロセスカートリッジから容易に分離することができる。
本発明の現像モジュールに関しては、乾式ニ成分現像剤を使用する現像モジュールで説明したが、乾式ニ成分現像剤であってリサイクルトナーを使用する現像モジュールであっても、一成分磁性現像剤、一成分非磁性現像剤を使用する現像モジュールでもよい。
また、本発明の現像モジュール5は、トナーを補給する補給口58を設けることができる。本発明のプロセスカートリッジ1は、シール、蓋等により補給口58が封止されて出荷され、最初の使用時に開封されるものである。開封後は、使用されてトナーが空になったプロセスカートリッジ1は、トナーを再充填することで、再度使用することができる。また、プロセスカートリッジ1は、トナーを収納する収納部53に新たに補給されたトナーを収納することができる。このトナーは、再度充填されたトナーであってもよいし、回収されて再利用されるトナーであってもよい。このときに、画像形成装置本体に補給用のトナーを収納する図示しない収納部を設けておいてもよい。また、この収納部がプロセスカートリッジ1に設けられていてもよい。これらの場合、トナーを現像モジュール5に補給し、最重点することで、現像モジュール5自体を交換することなく、繰り返し使用することができる。
【0020】
図15は、クリーニングモジュールの構成を示す概略断面図である。
クリーニングモジュール6は、図15に示すように、クリーニング機構6aと塗布機構6bからなっている。クリーニング機構6aは、感光体3表面上の残留トナーを除去するクリーニングブレード61、クリーニングブレード61が固着された支持部材62、支持部材62がネジ82などで着脱可能に取り付けられ、支持部材62を介してを介してクリーニングブレード61の先端を感光体に付勢する付勢ブラケット81、付勢ブラケット81に所定の向きに回動するよう付勢する付勢手段としての付勢スプリング83を備えている。この付勢スプリング83の付勢力に抗して、付勢ブラケット81の回動を規制する規制部84も備えている。この規制部84は、クリーニング機構6aの作動時には、規制機能を発揮せず、感光体3が取り外される等の状態で初めて規制機能を発揮する。
また、クリーニング機構6aは、残留トナーの帯電量を制御するバイアスローラ64、クリーニングブレードに付着したトナーを回収する回収ローラ66、バイアスローラに付着した残留トナーを掻き取るフリッカー63a、回収ローラに付着した残留トナーを掃き取るフリッカー63bなども備えている。これらにより、感光体3のクリーニングを行う。クリーニングブレード61でクリーニングされた残留トナー、フリッカー63により掃き落とされた残留トナーは、自重により下方に落ち、枠体の回転軸2dに同軸に形成された搬送オーガ65によりプロセスカートリッジ1の外部に搬送し、廃トナー収納部に溜める。
【0021】
塗布機構6bは、潤滑剤成型体67と、潤滑剤成型体67に接触して潤滑剤を削り取り感光体5の表面に供給する塗布ローラ66とで構成されている。ここでは、塗布ローラ66は、上述した回収ローラ66を兼ねている(以下、「回収・塗布ローラ」と記す。)。この他に、潤滑剤成型体67を回収・塗布ローラ66に所定の圧力で押圧する加圧スプリング85を設けても良い。潤滑剤成型体67は直方体状に形成され、クリーニングモジュール6に保持され、加圧スプリング85で押圧して回収・塗布ローラ66に接触させている。これによって、回収・塗布ローラ66はクリーニングブレード上に溜まった残留トナーの回収と、潤滑剤塗布を同時に行う。
なお、ここでは潤滑剤の塗布機構6bは、クリーニングモジュール6内に設けられているが、クリーニング機構6aと別体にして、クリーニング機構6bとは無関係に、独立して個別に交換可能なモジュール化してもよい。回収・塗布ローラ66は感光体3の軸方向に延びる形状を有している。加圧スプリングは、潤滑剤成型体67をほぼ全てを使い切れるように、回収・塗布ローラ66に対して付勢されている。潤滑剤成型体67は消耗品であるため経時的にその厚みが減少するが、加圧スプリングで加圧されているために常時回収・塗布ローラ66に当接させることで潤滑剤を掻き取り、その後感光体3に供給・塗布する。潤滑剤成型体67の潤滑剤としては、例えば、オレイン酸鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸銅、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸鉄、ステアリン酸銅、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸銅、リノレン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類や、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロクロルエチレン、ジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−オキサフルオロポロピレン共重合体等のフッ素系樹脂が挙げられる。特に、感光体5の摩擦を低減する効果の大きいステアリン酸金属塩、さらにはステアリン酸亜鉛が一層好ましい。
【0022】
図15の例では、クリーニングモジュール6の上方に開閉可能な蓋80が取り付けられている。この蓋80を開くと、付勢スプリング84,ネジ82、付勢ブラケット81,支持部材62(クリーニングブレード61)、加圧スプリング85,潤滑剤成型体67などを、上方から視認することができる。付勢スプリング84や加圧スプリング85の上端部は図示しない係止部に係止されている。蓋を開いた状態で、ネジ82を取り外すことにより、支持部材62とともに、クリーニンググレード61を取り出し、交換することができる。また、加圧スプリング85の図示しない上端係止部材ごと、加圧スプリング85を取り出し、その下方にある潤滑剤成型体67を取り出し、交換することができる。加圧スプリング85を設けずに、潤滑剤成型体67の自重で、この潤滑剤成型体67を回収・塗布ローラ66に圧接させるようにしてもよい。この場合には、蓋80を開けた状態で潤滑剤成型体67の後端が露出するので、この後端をつまんで上方に持ち上げて取り出すだけで、潤滑剤成型体67を交換することができる。
【0023】
図16は、机などの水平面上にプロセスカートリッジ1を載置し、第2枠体2bを開くようにほぼ90度回転させて、クリーニングモジュール6及び感光体3を上方から視認できるように開放した状態を示す概略図である。このように開放するには、手前側及び奥側それぞれにネジ止めなどで取り付けられている第2枠体位置決部材74を取り外し、係合部2cの周りで第2枠体2bを回転させる。
回転して摩耗しやすい部材、例えば、バイアスローラ64、回収・塗布ローラ66が上方に露出している。図示の例では、これらの回転体の両軸部を受ける側板部に切り欠きを設け、図示の状態でこれらの回転体を上方に取り出せるようになっている。取り出しに先立って、手前側・奥側それぞれに取り付けられているクリーニング位置決部材75を取り外す。このクリーニング位置決部材75は、第2枠体2bの両側板部に対し、回転部材の軸部を位置決めして固定するものである。なお、これらの回転体を取り除いた後、または、レイアウト上可能であれば、その前に、クリーニングブレード61及び支持部材62や潤滑剤成型体67を、この開放状態で上方に取り出してもよい。
【0024】
図19及び図20は変形例に係るクリーニングモジュール6を説明するためのものである。この変形例では、クリーニングモジュールの中におけるクリーニングサブモジュールの構成する。図19はクリーニングサブモジュール6cの概略図である。クリーニングサブモジュール6cは、バイアスローラ64、回収・塗布ローラ66、潤滑剤成型体67等の部材を一つの交換単位とすることで、クリーニングモジュール6の部材交換を容易にする。ここでは、図19に示すように、残留トナーの帯電量を制御するバイアスローラ64、潤滑剤の回収・塗布ローラ66、潤滑剤成型体67、回収ローラとバイアスローラとに付着した残留トナーを掃き取る図示しない第1、第2フリッカー等の交換頻度の高い部材をクリーニングサブモジュール6cとして一体にして、クリーニングモジュール6とは別個に、モジュール化することで独立に交換することができる。ここで、バイアスローラ64や回収・塗布ローラ66といった回転体の軸部両端は、上記クリーニングサブモジュール6cの両側板片に回動自在に支持されている。
【0025】
図20は、クリーニグモジュール6cを第2プロセスカートリッジから回転させて開放した状態を示す概略図である。これによって、クリーニングサブモジュール6cを容易に交換することができる。クリーニングサブモジュール6cの固定は、クリーニング位置決部材75に植立された2本のピンを第2枠体2bに挿通させて行われる。枠体2bを90°回転させて、クリーニングサブモジュール6cを上に向かせてから、クリーニング位置決部材75を外すことでクリーニングサブモジュール6cを取り外すことができる。
なお、クリーニング位置決部材75のピンは、上記付勢ブラケット81の揺動軸の軸心に対し、位置決めできるようにすることが望ましい。逆に揺動軸の軸心と同心のピンあるいは軸そのものの突出部を、クリーニング位置決め部材75の孔に嵌合させて位置決めしてもよい。これによれば、感光体3に対する当接角度など設定精度を高めることができる。
【0026】
本発明のプロセスカートリッジ1は、装着された感光体3、帯電モジュール4、現像モジュール5、クリーニングモジュール6のいずれも取り外して分離し、交換することができる。また、特に、帯電モジュール4、現像モジュール5、クリーニングモジュール6、クリーニングサブモジュール6cのいずれもが、他のモジュールとは独立して取り外し・装着を行うことができる。
帯電モジュール4は、プロセスカートリッジ1の帯電嵌合部15から上方に引き出すことで取り外すことができる。現像モジュール5は、図13からわかるように、スリーブ角度位置決部材72を外し、さらに、第3枠体位置決部材71を外すことで、現像モジュール5が枠体2から開放して取り外すことができる。ここで、スリーブ角度位置調整部材72を省略してもよい。これによれば、第3枠体位置決部材71のみの取り外しで、脱着可能になる。クリーニングモジュール6は、第2枠体位置決部材74を取り外して第1枠体に対して回動させ、その状態で、クリーニング位置決部材75を外すことにより、各種の部品を取り外すことができる。更にクリーニングモジュール6は、第1乃至第3の枠体2a、2b、2cを相互に位置決めした状態のまま、上方の開閉蓋80を開くことにより、クリーニングブレード61や潤滑剤成型体67を取り出すこともできる。
【0027】
クリーニングモジュール6においては、図18及び20に示すように、枠体位置決部材74を外すことによって、枠体2bを約90°回転して、内部を開放することができる。クリーニングブレード61は感光体3に当接してトナーをクリーニングすると、先端が摩耗して交換しなければならない。また、潤滑剤成型体67も感光体3に塗布することで消耗するために、潤滑剤成型体67を交換しなければならない。そこで、枠体2bの開放位置において、クリーニングブレード61、回収・塗布ローラ66を個々に交換を容易にすることができ、また、クリーニングサブモジュール6c内の摩耗・消耗しやすい回収・塗布ローラ66、潤滑剤成型体67を一体化して取りはずことができる。
【0028】
図19及び図20は、プロセスカートリッジ1から感光体3を取り外して分離するときの状態を示す概略図である。また、感光体3は、以下のように分離することができる。図21に示すように、第2枠体2bを固定している位置決部材74を外し、枠体2bの係合部2cで回転させてプロセスカートリッジ1の上部を開放する。さらに、図20に示すように、プロセスカートリッジ1の枠体2の支持部13に支持されているだけで、固定されていない感光体3は、プロセスカートリッジ枠体2の位置決部75側に押し付けつつ上方に引き出すことで、容易に分離することができる。
【0029】
図21は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置100に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置100は、4個のプロセスカートリッジ1を感光体3の移動方向に並列させて、カラー画像を形成する画像形成装置(以下、「タンデム型」と記す。)100である。また、転写装置106における搬送ベルト106aは、4つの支持ローラ106b、106c、106d、106eに張架されて無端移動する構成となっている。この搬送ベルト106a上に搬送される転写紙に、4色のトナーを用いるプロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1K上のトナー像が静電転写方式により互いに重なり合うように転写される。静電転写方式には、転写ローラ106fを用いた構成を採用している。具体的には、各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1Kと接触する搬送ベルト106aの部分の裏面に、それぞれ転写装置106としての各転写ローラ106fY、106fC、106fM、106fKを配置している。ここでは、転写ローラ106fにより押圧された搬送ベルト106aの部分と感光体3とによって、転写領域が形成される。そして、各プロセスカートリッジ1Y、1C、1M、1K上のトナー像を搬送ベルト106a上の転写紙に転写する際には、転写ローラ106eに正極性のバイアスが印加される。これにより、各一次転写する領域には転写電界が形成され、各プロセスカートリッジ1の感光体3上のトナー像は、所定のタイミングで送り込まれるようになっている転写紙上に静電的に付着し、転写される。搬送ベルト106aの周りには、その表面に残留したトナーを除去するためのベルトクリーニング装置を設けてもよい。
この転写紙は、給紙カセット109内に収容されており、ピックアップローラ109a等によってレジストローラ対109bまで搬送される。そして、搬送ベルト106a上の転写紙に重ね合わされたトナー像は、定着装置108に搬送されて、熱及び圧力で定着されて、排紙ローラ120によって、画像形成装置100外に排紙され、排紙トレイ125に載置される。
また、本発明のプロセスカートリッジ1は、トナーを補給することができる。プロセスカートリッジ1は、シール、蓋等により補給口58が封止されて出荷され、最初の使用時に開封されるものである。通常は、使用されてトナーが空になったプロセスカートリッジ1は交換されるが、本発明の画像形成装置100が備えるプロセスカートリッジ1はトナーを再充填することで、再度使用することができる。また、プロセスカートリッジ1は、トナーを収納する収納部53に新たに補給されたトナーを収納することができる。このトナーは、再度充填されたトナーであってもよいし、回収されて再利用されるトナーであってもよい。このときに、画像形成装置100本体に補給用のトナーを収納する図示しない収納部を設けておいてもよい。また、この収納部がプロセスカートリッジ1に設けられていてもよい。これらの場合、トナーを現像モジュール5に補給し、最重点することで、現像モジュール5自体を交換することなく、繰り返し使用することができる。
【0030】
このときに、本発明の画像形成装置100では、平均円形度が0.93以上のトナーを用いることが好ましい。この円形度は、乾式粉砕で製造されるトナーでは、熱的又は機械的に球形化処理する。熱的には、例えば、アトマイザーなどに熱気流とともにトナー粒子を噴霧することで球形化処理を行うことができる。また、機械的にはボールミル等の混合機に比重の軽いガラス等の混合媒体とともに投入して攪拌することで、球形化処理することができる。ただし、熱的球形化処理では凝集し粒径の大きいトナー粒子又は機械的球形化処理では微粉が発生するために再度の分級工程が必要になる。また、水系溶媒中で製造されるトナーでは、溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、形状を制御することができる。
【0031】
円形度は、円形度SR=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長/粒子投影像の周囲長)×100%で定義され、トナーが真球に近いほど100%に近い値となる。円形度の高いトナーは、、キャリア又は現像スリーブ5a上において電気力線の影響を受けやすく、静電潜像の電気力線に沿って忠実に現像される。微小な潜像ドットを再現する際には緻密で均一なトナー配置をとりやすいために細線再現性が高くなる。また、円形度の高いトナーは、その表面は滑らかで適度な流動性をもつために電気力線の影響を受けやすく電気力線に沿って忠実に転移しやすいために転写率が高くなり、高品位の画像を得ることができる。さらに、中間転写ベルト6aが感光体3に押圧された場合でも、円形度の高いトナーは均一に中間転写ベルト6aに接触し、トナーの接触面積が一様になることで転写率の向上に寄与する。しかし、トナーの平均円形度が0.93未満では、忠実な現像、転写率の高い転写ができなくなる。これは、トナーが不定形では、トナー表面の帯電が不均一であり、また、重心と帯電の中心がずれるために電界に対して忠実な移動が困難になるためである。
【0032】
ここで、本発明の画像形成装置100の画像形成動作について、1つのプロセスカートリッジ1によって説明する。画像形成動作開始によって、初めに帯電モジュール4で感光体3上に負極性に一様に帯電される。次に、露光装置104は、画像データに基づいて感光体3の表面にレーザ光を走査しながら照射して、潜像を形成する。この潜像を、現像モジュール5で、トナー像を形成する。このときに、トナー像が形成された感光体3が回転して転写領域に入り、同時期に移動してきた中間転写ベルト106a上に転写領域で転写ローラ106bからのバイアスによって、感光体3から中間転写ベルト106aにトナー像が転写される。転写領域では、感光体3上で現像されたトナー像は、転写電界やニップ圧の作用を受ける。感光体3に複数のカラートナーのあるタンデム型では、この転写が複数回繰り返されることで、中間転写ベルト106a上にカラートナー像が形成される。その後、給紙ユニット109からピックアップローラ109aで、給紙が開始された転写紙は、レジストローラ109bまで搬送されて、中間転写ベルトとのタイミングを同期して2次転写領域に搬送される。2次転写領域では、2次転写ローラ106fのバイアスによって、トナー像が中間転写ベルト106aから転写紙に転写される。その後、定着装置で、トナーが溶融・固着されて転写紙上に定着され、排紙ローラ101によって画像形成装置100外の排紙トレイに積載される。
【0033】
また、感光体3上に画像が形成された後、潤滑剤の塗布機構6bは、回収・塗布ローラ66で潤滑剤成型体67から潤滑剤であるステアリン酸亜鉛を掻き取ってローラに付着させ、これを感光体3表面に摺擦させて塗布する。次に、感光体3に当接しているクリニングブレード61で潤滑剤が押圧されて薄い膜を形成する。この潤滑剤の薄層を形成することで感光体3上のトナーはクリーニングされやすくなり、円形度の高い残留トナーであってもクリーニングすることができる。
【0034】
さらに、この潤滑剤が塗布された感光体3は、クリーニングモジュール6のクリーニングブレード61で感光体3上に押圧されて薄膜を形成する。この薄膜が感光体3の摩擦係数を低下させる。このとき、感光体3の摩擦係数μを、0.4以下にすることが好ましい。摩擦係数μは、潤滑剤成型体67に対する加圧スプリングの強度による圧力、回収・塗布ローラ66のブラシ密度、ブラシの直径、ローラの回転数、回転方向等の塗布機構6bの設定条件で制御することができる。
感光体3の摩擦係数を0.4以下にすることで、クリーニングブレード61との摩擦が大きくなるのを抑え、クリーニングブレード61の変形又はめくれを抑えて、トナーがクリーニングブレード61をすり抜けるのを防止して、クリーニング不良の発生を抑制することができる。さらに、0.4以下、さらに0.3以下が一層好ましい。感光体3の摩擦係数は、画像形成装置100に配設される他の装置の影響を受けるために、画像形成直後の摩擦係数の値から変化する。しかし、A4版記録紙で1,000枚程度の画像形成により摩擦係数の値はほぼ一定の値となる。したがって、ここにいう摩擦係数とは、この定常状態における一定になったときの摩擦係数をいう。
【0035】
また、トナーの体積平均粒径Dvは、小さい方が細線再現性を向上させることができるために、大きくとも8μm以下のトナーを用いる。しかし、粒径が小さくなると現像性、クリーニング性が低下するために、小さくとも3μm以上が好ましい。さらに、3μm未満では、キャリア又は現像ローラ5aの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおけるキャリアまたは現像ローラとの接触・摩擦が不十分となり逆帯電性トナーが多くなり地かぶり等の異常画像を形成するため好ましくない。
また、体積平均粒径Dvと数平均粒径Dnとの比(Dv/Dn)で表される粒径分布は、1.05〜1.40の範囲であることが好ましい。粒径分布をシャープにすることで、トナー帯電量分布が均一にすることができる。Dv/Dnが1.40を越えると、トナーの帯電量分布も広く、逆帯電トナーが多くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。Dv/Dnが1.05未満では、製造が困難であり、実用的ではない。トナーの粒径は、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが50μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径の平均を測定することで得られる。
【0036】
また、トナーは、円形度のうち形状係数SF−1が100以上180以下の範囲にあり、形状係数SF−2が100以上180以下の範囲にあることが好ましい。図22は、トナーの形状を模式的に表した図であり、図22(a)は形状係数SF−1、図22(b)は形状係数SF−2を説明するための図である。形状係数SF−1は、トナー形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)2/AREA}×(100π/4)……式(1)
SF−1の値が100の場合トナーの形状は真球となり、SF−1の値が大きくなるほど不定形になる。
また、形状係数SF−2は、トナーの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナーを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−2={(PERI)2/AREA}×(100π/4)……式(2)
SF−2の値が100の場合トナー表面に凹凸が存在しなくなり、SF−2の値が大きくなるほどトナー表面の凹凸が顕著になる。
形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナーの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
【0037】
トナーの形状が球形に近くなると、トナーとの接触が点接触になるために、トナー同士の吸着力が弱くなり、その結果流動性が高くなり、また、トナーと感光体3との吸着力が弱くなって、転写率が高くなり、感光体3上の残留トナーをクリーニングしやすくなる。
トナーの形状係数SF−1とSF−2は100以上がよい。また、SF−1とSF−2が大きくなると、形状が不定型になり、トナーの帯電量分布が広くなり、現像が潜像に対して忠実でなくなり、また、転写でも転写電界に忠実でなくなり画像品位が低下する。さらに、転写率が低下して転写残トナーが多くなり、大きいクリーニングモジュール6が必要になり画像形成装置100の設計上不利になる。このために、SF−1は180を越えない方が好ましく、SF−2は180を越えない方が好ましい。
【0038】
さらに、この画像形成装置100に用いるトナーは、略球形であってもよい。図23は、トナーの外形形状を示す概略図であり、図23(a)はトナーの外観であり、図23(b)はトナーの断面図である。図23(a)では、X軸がトナーの最も長い軸の長軸r1を、Y軸が次に長い軸の短軸r2を、Z軸に最も短い軸の厚さr3を表し、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を有している。
このトナーは、長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0で表される略球形の形状を有している。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。
厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、不定形状に近づくために帯電量分布が広くなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、略球形の形状になるために、帯電量分布が狭くなる。
なお、これまでのトナーの大きさは、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変え、その場観察しながら測定した。
トナーの形状は、製造方法により制御することができる。例えば、乾式粉砕法によるトナーは、トナー表面も凸凹で、トナー形状が一定しない不定形になっている。この乾式粉砕法トナーであっても、機械的又は熱的処理を加えることで真球に近いトナーにすることができる。懸濁重合法、乳化重合法により液滴を形成してトナーを製造する方法によるトナーは、表面が滑らかで、真球形に近い形状になることが多い。また、溶媒中の反応途中で攪拌して剪断力を加えることで楕円にすることができる。
【0039】
また、このような略球形の形状のトナーとしては、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーが好ましい。
以下に、トナーの構成材料及び好適な製造方法について説明する。(ポリエステル)
ポリエステルは、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との重縮合反応によって得られる。
多価アルコール化合物(PO)としては、2価アルコール(DIO)および3価以上の多価アルコール(TO)が挙げられ、(DIO)単独、または(DIO)と少量の(TO)との混合物が好ましい。2価アルコール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなど);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコールおよびビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用である。3価以上の多価アルコール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなど);3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど);上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
【0040】
多価カルボン酸(PC)としては、2価カルボン酸(DIC)および3価以上の多価カルボン酸(TC)が挙げられ、(DIC)単独、および(DIC)と少量の(TC)との混合物が好ましい。2価カルボン酸(DIC)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上の多価カルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族多価カルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、多価カルボン酸(PC)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いて多価アルコール(PO)と反応させてもよい。
【0041】
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)の重縮合反応は、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。ポリエステルの水酸基価は5以上であることが好ましく、ポリエステルの酸価は通常1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらには記録紙への定着時、記録紙とトナーの親和性がよく低温定着性が向上する。しかし、酸価が30を超えると帯電の安定性、特に環境変動に対し悪化傾向がある。
また、重量平均分子量1万〜40万、好ましくは2万〜20万である。重量平均分子量が1万未満では、耐オフセット性が悪化するため好ましくない。また、40万を超えると低温定着性が悪化するため好ましくない。
【0042】
ポリエステルには、上記の重縮合反応で得られる未変性ポリエステルの他に、ウレア変性のポリエステルが好ましく含有される。ウレア変性のポリエステルは、上記の重縮合反応で得られるポリエステルの末端のカルボキシル基や水酸基等と多価イソシアネート化合物(PIC)とを反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得、これとアミン類との反応により分子鎖が架橋及び/又は伸長されて得られるものである。
多価イソシアネート化合物(PIC)としては、脂肪族多価イソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエートなど);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなど);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなど);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなど);イソシアネート類;前記ポリイソシアネートをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
多価イソシアネート化合物(PIC)の比率は、イソシアネート基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、ウレア変性ポリエステルを用いる場合、そのエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0043】
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の多価イソシアネート化合物(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40wt%、好ましくは1〜30wt%、さらに好ましくは2〜20wt%である。0.5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40wt%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中の1分子当たりに含有されるイソシアネート基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0044】
次に、ポリエステルプレポリマー(A)と反応させるアミン類(B)としては、2価アミン化合物(B1)、3価以上の多価アミン化合物(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。
2価アミン化合物(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上の多価アミン化合物(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコール(B3)としては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリジン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
【0045】
アミン類(B)の比率は、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)中のイソシアネート基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
また、ウレア変性ポリエステル中には、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
【0046】
ウレア変性ポリエステルは、ワンショット法、などにより製造される。多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)を、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイドなど公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧としながら生成する水を留去して、水酸基を有するポリエステルを得る。次いで40〜140℃にて、これに多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。さらにこの(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステルを得る。
(PIC)を反応させる際、及び(A)と(B)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。使用可能な溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレンなど);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど);エステル類(酢酸エチルなど);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)およびエーテル類(テトラヒドロフランなど)などのイソシアネート(PIC)に対して不活性なものが挙げられる。
【0047】
また、ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との架橋及び/又は伸長反応には、必要により反応停止剤を用い、得られるウレア変性ポリエステルの分子量を調整することができる。反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
ウレア変性ポリエステルの重量平均分子量は、通常1万以上、好ましくは2万〜1000万、さらに好ましくは3万〜100万である。1万未満では耐ホットオフセット性が悪化する。ウレア変性ポリエステル等の数平均分子量は、先の未変性ポリエステルを用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。ウレア変性ポリエステルを単独で使用する場合は、その数平均分子量は、通常2000〜15000、好ましくは2000〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。20000を超えると低温定着性およびフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
【0048】
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを併用することで、低温定着性およびフルカラー画像形成装置100に用いた場合の光沢性が向上するので、ウレア変性ポリエステルを単独で使用するよりも好ましい。尚、未変性ポリエステルはウレア結合以外の化学結合で変性されたポリエステルを含んでも良い。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとは類似の組成であることが好ましい。
また、未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとの重量比は、通常20/80〜95/5、好ましくは70/30〜95/5、さらに好ましくは75/25〜95/5、特に好ましくは80/20〜93/7である。ウレア変性ポリエステルの重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
未変性ポリエステルとウレア変性ポリエステルとを含むバインダ樹脂のガラス転移点(Tg)は、通常45〜65℃、好ましくは45〜60℃である。45℃未満ではトナーの耐熱性が悪化し、65℃を超えると低温定着性が不十分となる。
また、ウレア変性ポリエステルは、得られるトナー母体粒子の表面に存在しやすいため、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
【0049】
なお、ここで、着色剤、帯電制御剤、離型剤等は、既存の物質を用いることができる。
【0050】
次に、トナーの製造方法について説明する。ここでは、好ましい製造方法について示すが、これに限られるものではない。(トナーの製造方法)
1)着色剤、未変性ポリエステル、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、離型剤を有機溶媒中に分散させトナー材料液を作る。
有機溶媒は、沸点が100℃未満の揮発性であることが、トナー母体粒子形成後の除去が容易である点から好ましい。具体的には、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。有機溶媒の使用量は、ポリエステルプレポリマー100重量部に対し、通常1〜300重量部、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは25〜70重量部である。
【0051】
2)トナー材料液を界面活性剤、樹脂微粒子の存在下、水系媒体中で乳化させる。
水系媒体は、水単独でも良いし、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などの有機溶媒を含むものであってもよい。
トナー材料液100重量部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナー材料液の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。
また、水系媒体中の分散を良好にするために、界面活性剤、樹脂微粒子等の分散剤を適宜加える。
界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの4級アンモニウム塩型のカチオン性界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムべタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
【0052】
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[ω−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[ω−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及び金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サーフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129(住友3M社製)、ユニダインDS−101、DS−102(ダイキン工業社製)、メガファックF−110、F−120、F−113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF−102、103、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
【0053】
また、カチオン性界面活性剤としては、フルオロアルキル基を有する脂肪族1級、2級もしくは2級アミン酸、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサーフロンS−121(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−132(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)などが挙げられる。
【0054】
樹脂微粒子は、水系媒体中で形成されるトナー母体粒子を安定化させるために加えられる。このために、トナー母体粒子の表面上に存在する被覆率が10〜90%の範囲になるように加えられることが好ましい。例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子1μm、及び3μm、ポリスチレン微粒子0.5μm及び2μm、ポリ(スチレン―アクリロニトリル)微粒子1μm、商品名では、PB−200H(花王社製)、SGP(総研社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業社製)、SGP−3G(総研社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル社製)等がある。
また、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等の無機化合物分散剤も用いることができる。
上記の樹脂微粒子、無機化合物分散剤と併用して使用可能な分散剤として、高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させても良い。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸−β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−β−ヒドロキシエチル、アクリル酸−β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸−3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸−3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコールまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの含窒素化合物、またはその複素環を有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
【0055】
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。この中でも、分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。
【0056】
3)乳化液の作製と同時に、アミン類(B)を添加し、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)との反応を行わせる。
この反応は、分子鎖の架橋及び/又は伸長を伴う。反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)との反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
【0057】
4)反応終了後、乳化分散体(反応物)から有機溶媒を除去し、洗浄、乾燥してトナー母体粒子を得る。
有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に層流の攪拌状態で昇温し、一定の温度域で強い攪拌を与えた後、脱溶媒を行うことで紡錘形のトナー母体粒子が作製できる。また、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、トナー母体粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
【0058】
5)上記で得られたトナー母体粒子に、帯電制御剤を打ち込み、ついで、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子等の無機微粒子を外添させ、トナーを得る。
外添剤、潤滑剤を添加して現像剤を調製する際には、これらを同時に又は別々に添加して混合してもよい。外添剤等の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。混合条件である回転数、転動速度、時間、温度などを変化させて、外添剤の埋め込み、潤滑剤のトナー表面の薄膜形成を防止することが好ましい。
これにより、小粒径であって、粒径分布のシャープなトナーを容易に得ることができる。さらに、有機溶媒を除去する工程で強い攪拌を与えることで、真球状から紡錘形状の間の形状を制御することができ、さらに、表面のモフォロジーも滑らかなものから梅干形状の間で制御することができる。
【0059】
流動性や現像性、帯電性を補助するための外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。特に、疎水性シリカおよびまたは疎水性酸化チタンが好ましい。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
その他の無機微粒子の具体例としては、例えば、アルミナ、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。この他高分子系微粒子たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような流動化剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
【0060】
本発明のトナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、現像剤中のキャリアとトナーとのトナー濃度は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー又は非磁性トナーとしても用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態であるプロセスカートリッジの構造を示す概略断面図である。
【図2】同プロセスカートリッジの斜視図である。
【図3】(a)は同プロセスカートリッジを画像形成装置手前側から見た図であり、(b)は、同プロセスカートリッジを画像形成装置奥側から見た図である。
【図4】感光体の構成を示す概略図である。
【図5】画像形成装置に組み込まれたプロセスカートリッジ奥側の状態を示す概略図である。
【図6】画像形成装置に組み込まれたプロセスカートリッジ手前側の状態を示す概略図である。
【図7】感光体の感光層の構造を示す概略図である。
【図8】(a)は、帯電モジュールの外観を示す概略図であり、(b)はその側面を示す概略図である。
【図9】帯電モジュールの構成を模式的に示す概略図である。
【図10】帯電モジュールをプロセスカートリッジに装着する状態を示す概略図である。
【図11】帯電部材の構造を示す概略図である。
【図12】現像モジュールの外観を示す概略図である。
【図13】現像モジュール5を装着する状態を示す概略図である。
【図14】現像モジュール5を装着する状態を示す概略図である。
【図15】クリーニングモジュールの構成を示す概略断面図である。
【図16】クリーニングモジュールを第2プロセスカートリッジ枠体に装着する状態を示す概略図である。
【図17】変形例に係るクリーニングモジュールの中におけるクリーニングサブモジュールの構成を示す概略図である。
【図18】同変形例に係るクリーニングモジュールを第2プロセスカートリッジから回転させて、開放した状態を示す概略図である。
【図19】プロセスカートリッジから感光体を取り外して分離するときの状態を示す概略図である。
【図20】プロセスカートリッジから感光体を取り外して分離するときの状態を示す概略図である。
【図21】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図22】トナーの形状を模式的に表した図であり、(a)は形状係数SF−1、(b)は形状係数SF−2を説明するための図である。
【図23】トナーの外形形状を示す概略図であり、(a)はトナーの外観であり、(b)はトナーの断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1 プロセスカートリッジ
11 側板
12 支持部
13 穴部
15 帯電嵌合部
2 プロセスカートリッジ枠体
2a 第1枠体
2b 第2枠体
2c 第3枠体
2d 係合部
2e ガイド部
21 温湿度センサ
22 電位センサ
23 トナー濃度センサ
24 信号線ハーネス
25 転写前除電装置
26 クリーニング前除電装置
3 感光体
31、32 フランジ
33 軸受
34 ギア
35 基板
36 感光層
36a 電荷発生層
36b 電荷輸送層
36c 保護層
37 嵌合部
4 帯電モジュール
41 ハウジング
42 帯電ローラ
42a 基体
42b 本体部
42c 中抵抗層
42d 表面層
43 バネ材
44 帯電クリーニングローラ
45 スペーサ部材
46 バネ支持部材
5 現像モジュール
51 現像スリーブ
52 トナーホッパー
53 現像剤収納部
54 補給ローラ
55 混合スクリュー
56 供給ローラ
57 規制部材
58 トナー補給口
59 ガイド
6 クリーニングモジュール
6a クリーニング機構
6b 塗布機構
61 クリーニングブレード
62 支持部材
64 バイアスローラ
65 搬送オーガ
66 回収・塗布ローラ
67 潤滑剤成型体
68a 第1の突起状ガイド
68b 第1の突起状ガイド
71 第3枠体位置決部材
72 スリーブ角度位置決部材
74 第2枠体位置決部材
75 クリーニング位置決部材
76 ブレード位置決部材
80 蓋
100 画像形成装置
101 駆動軸
102 駆動ギア
111 側板
112、113、114 軸受
104 露光装置
106 転写装置
106a 中間転写ベルト
106b 1次転写ローラ
106c、106d 支持ローラ
106f 2転写ローラ
106g 搬送ベルト
108 定着装置
108a 加熱ローラ
108b 加圧ローラ
109 給紙ユニット
109a ピックアップローラ
109b レジストローラ
110 排紙ローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
像担持体とクリーニング手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
像担持体を着脱可能に受け入れる受入部を有する第1枠体と、該第1枠体に回動可能に取り付けた第2枠体とを設け、該第2枠体に対しクリーニング手段を着脱可能に取り付けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1のプロセスカートリッジにおいて、
上記第1枠体の底部が水平面に着くよう該水平面上に載置し、上記第2枠体を回動させて該第2枠体の外周部を該水平面に接触させるまでの回動角度が90度以上になるように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項3】
請求項1のプロセスカートリッジにおいて、
像担持体に対する少なくとも1つのクリーニング用の作用部材に加え、クリーニング用又は他の用途の像担持体に対する少なくとも1つの作用部材を、着脱可能に上記第2枠体に取り付けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項4】
請求項3のプロセスカートリッジにおいて、
上記第1枠体の底部が水平面に着くよう該水平面上に載置し、上記第2枠体を回動させて該第2枠体の外周部を該水平面に接触させるまで回動させた状態で、上記第2枠体に着脱可能に取り付けられた部材の全てが上方から視認可能なように、これらの部材を取り付けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項5】
請求項4のプロセスカートリッジにおいて、
上記着脱可能に取り付けられた部材は上記第2枠体の上下方向で互いに異なる箇所に取り付けられており、第2枠体において、上記第1枠体との回動可能な係合部よりも高い箇所側が該第1枠体から離間するように回動されることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
請求項3のプロセスカートリッジにおいて、
上記着脱可能に取り付けられた部材の少なくとも一つを、上記第2枠体を上記第1枠体に対して閉じた状態のまま、該第2枠体の外周側から着脱可能であるように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項7】
請求項6のプロセスカートリッジにおいて、
上記外周側から着脱可能にするため上記第2枠体の外部ケーシングに開閉蓋を設けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項8】
請求項3のプロセスカートリッジにおいて、
上記第2枠体に着脱可能に取り付けたられた作用部材のうち、少なくとも2つは回転部材であり、該少なくとも2つの回転部材の両端を、共通の側板片にそれぞれ軸受けし、該少なくとも2つの回転部材を該第2枠体にし対して該側板片とともに着脱できるように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項9】
像担持体とプロセス手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
像担持体を着脱可能に受け入れる受入部を有する第1枠体と、該第1枠体に回動可能に取り付けた第2枠体とを設け、
該第2枠体に対し複数のプロセス手段を着脱可能に取り付け、かつ、
該複数のプロセス手段のうちの少なくとも一つは、該第2枠体を第1枠体に対して回動させて開いた状態で着脱可能であり、他の少なくとも一つは、上記第2枠体を上記第1枠体に対して閉じた状態のまま、該第2枠体の外周側から着脱可能であるように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項10】
像担持体とプロセス手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジにおいて、
像担持体を着脱可能に受け入れる受入部を有する第1枠体と、該第1枠体に回動可能に取り付けた第2枠体とを設け、
該第2枠体に対し複数のプロセス手段としての複数の回動部材を取り付け、かつ、
該複数の回転部材の両端を、共通の側板片にそれぞれ軸受けし、該複数の回転部材を該第2枠体に対して該側板片とともに着脱できるように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1〜10の何れかのプロセスカートリッジにおいて、
第1枠体に対し、脱着可能に第3枠体を取り付け、該第3枠体にプロセス手段としての現像手段を設け、該第3枠体と第1枠体との間の位置決め及び上記像担持体と該現像手段の現像剤担持体との位置決めを両枠体に対して脱着可能な面板を用いて行うように構成したことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項1〜11の何れかのプロセスカートリッジにおいて、
プロセス手段としての帯電手段を上記第1の枠体に対して脱着可能に設けたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項13】
請求項1〜11の何れかのプロセスカートリッジにおいて、
プロセス手段として現像手段を備えており、
該現像手段は、平均円形度が0.93ないし1.00の範囲にあるトナーを用いることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項14】
請求項13のプロセスカートリッジにおいて、
トナーは、重量平均粒径と個数平均粒径との比が、1.05ないし1.40の範囲にあることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項15】
請求項13又は14のプロセスカートリッジにおいて、
上記トナーは、外観形状がほぼ球形状であって、
長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5〜1.0の範囲で、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7〜1.0の範囲であって、長軸r1≧短軸r2≧厚さr3の関係を満足することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項16】
請求項13〜15の何れかのプロセスカートリッジにおいて、
前記トナーは、少なくとも、窒素原子を含む官能基を有するポリエステルプレポリマー、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項17】
像担持体とすくなとも一つのプロセス手段とを一体にし、画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジを備えた画像形成装置において、
該プロセスカートリッジとして請求項1〜17の何れかのプロセスカートリッジを用いたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−17970(P2006−17970A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−195075(P2004−195075)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】