説明

プロトンポンプ阻害剤のアルカリ塩

本発明は、プロトンポンプ阻害剤のアルカリ性塩及びこれらの化合物を含有する医薬品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明対象
本発明はプロトンポンプ阻害剤のアルカリ塩に関する。その新規の塩は医薬品の製造のために医薬品工業で使用できる。
【0002】
技術的背景
それらのH/K−ATPアーゼ阻害作用のため、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾール、例えばEP−A−0005129号、EP−A−0166287号、EP−A−0174726号及びEP−A−0268956号から公知のものは、胃酸分泌の増大と関連する疾患の治療においてかなり重要である。
【0003】
商業的に又は医薬臨床開発において入手可能な化合物群からの有効化合物の例は、5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:オメプラゾール)、(S)−5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチル−スルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:エソメプラゾール)、5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:パントプラゾール)、2−[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール(INN:ランソプラゾール)、2−{[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチルピリジン−2−イル]メチルスルフィニル}−1H−ベンズイミダゾール(INN:ラベプラゾール)及び5−メトキシ−2−((4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジルメチル)スルフィニル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(INN:テナトプラゾール)である。
【0004】
前記のスルフィニル誘導体は、その作用機構からプロトンポンプ阻害剤又は略してPPIとも呼ばれる。
【0005】
従来技術
初めて、欧州特許出願80602号は、一定のピリジン−2−イルmエチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾール化合物のナトリウム塩とカルシウム塩の特定の製造を記載している。その後に、欧州特許出願124495号(US4738974号)は、カチオン、例えばLiカチオン、Naカチオン、Kカチオン、Mg2+カチオン、Ca2+カチオン又はTi4+カチオンとのオメプラゾールの新規の塩を記載し、特許の保護を請求している。
【0006】
前記のPPIの全ての共通の特性はそれらの酸感受性(根本的に有効性に必須である)であり、その特性は中性の、特に酸性の環境で強い分解傾向で明らかとなり、強く着色した分解産物をもたらす。過去に、PPIの酸に対する感受性にも拘わらず、これらのPPIを含有する安定かつ貯蔵可能な経口剤形を得るための著しい努力に欠いていたわけではなかった。安定な経口のPPI剤形、例えば錠剤を得るための非常に一般的な手法は、アルカリ反応性化合物、例えば炭酸ナトリウムを経口剤形に添加して、酸反応性PPIの微細環境をpH7〜12にすることである(欧州特許244380号を参照のこと)。従って、安定かつ貯蔵可能な経口剤形(例えば錠剤又はカプセル剤)を今日得ることができる。しかしながら、これらの経口剤形の製造は比較的複雑であり、そして包装に関しても、一定の措置を取って、極度の貯蔵条件(例えば高温多湿の熱帯地域において)でさえも該剤形を十分に貯蔵安定にする必要がある。更に過去に、PPIをヒトの体内でそれぞれの要求に最良の可能な様式で放出するように仕立てる努力に欠いていたわけではない。
【0007】
国際特許出願WO92/08716号は、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールをそれらの光学対掌体に分割することを可能にする化学的方法を記載している。例として製造されたものとして挙げられる化合物は、とりわけ(+)−及び(−)−5−ジフルオロメトキシ−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンズイミダゾール[=(+)−及び(−)−パントプラゾール]という化合物である。国際特許出願WO92/08716号は、ピリジン−2−イル−メチルスルフィニル−1H−ベンズイミダゾールの光学対掌体、すなわち(+)−及び(−)−エナンチオマー又は(R)−及び(S)−エナンチオマーが胃腸疾患の治療のための医薬品において有効化合物として有効であると言及している。該有効化合物の適用方法及び投与方法に関しては、とりわけ欧州特許第166287号明細書が参照されている。
【0008】
1993年9月にモントリオールで催されたシンポジウムで、Kohl他のポスターが発表され、そこではパントプラゾールのエナンチオマーの合成と生物学的活性が示された。
【0009】
国際特許出願WO94/24867号及びWO94/25028号は、ヒトにおける胃疾患の治療のための化合物(−)−及び(+)−パントプラゾールの使用を特許請求の範囲としている。各立体異性体は、それぞれの他の立体異性体に比して医学的利点を有すると言われている。また幾つかの可能な種々の立体異性体の塩が記載に挙げられ、特にナトリウム塩が有利である。
【0010】
国際特許出願WO94/27988号(US5693818号)において、(+)−及び(−)−オメプラゾールの一定の塩並びにそれらの製造方法が開示されている。
【0011】
国際特許出願WO97/41114号は、ピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールのマグネシウム塩の一定の製造方法を記載している。例として記載されるのは、とりわけパントプラゾールのマグネシウム塩の製造である。示される分析データによれば、製造される塩は無水形のパントプラゾールマグネシウムである。
【0012】
国際特許出願WO00/10995号(US6410569号)は、ラセミ体パントプラゾールのマグネシウム塩の二水和物を記載している。
【0013】
米国特許第6369085号は、新規の形のオメプラゾール三水和物のS−エナンチオマーのマグネシウム塩並びにかかるS−オメプラゾールのマグネシウム塩形の製造方法及びそれを含有する医薬品組成物に関する。
【0014】
国際特許出願WO021045693号(DE10061137号)は、医薬剤形の製造に適した新規の調製物を記載している。その新規の調製物において、例えばPPI又はその塩である有効成分は、脂肪アルコール、トリグリセリド、部分グリセリド及び脂肪酸エステルの群から選択される1種以上の賦形剤から構成される賦形剤基材中に実質的に均質に分散されて存在する。
【0015】
米国特許第5997903号は、コア、中間層、そして耐胃液性の外層からなるパントプラゾールのための経口適用形に関する。
【0016】
国際特許出願WO04/013126号は、(S)−パントプラゾールマグネシウム及びそれらの水和物を記載している。
【0017】
発明の開示
ここで、他のアルカリ反応性化合物を添加しなくても、更に経口剤形に加工するのに極めて適したPPIのアルカリ反応性塩をそれらの特性及び高い安定性のため製造できることが判明した。
【0018】
従って、本発明は、一般的な態様において、H/K−ATPアーゼ阻害活性を有するメチル−スルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールのアルカリ反応性塩を提供する。
【0019】
本発明によれば、“アルカリ反応性塩”とは、例えばH/K−ATPアーゼ阻害活性を有するピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールの薬理学的に認容性の金属塩であって、その金属イオンの少なくとも一価の正電荷当量が水酸イオンによって相殺されている塩であると解される。
【0020】
本発明によれば、“H/K−ATPアーゼ阻害活性を有するピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾール”とは、例えば、ラセミ形のパントプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール及びテナトプラゾール、並びにこれらの化合物のエナンチオマー、例えば(R)−及び(S)−パントプラゾール、(R)−及び(S)−オメプラゾール、(R)−及び(S)−ランソプラゾール、(R)−及び(S)−ラベプラゾール並びに(R)−及び(S)−テナトプラゾールの純粋形、任意の所望の非チルでのそれらの混合物、例えば特に1種のエナンチオマーであって、それぞれのもう一方のエナンチオマーを含まないものであると解される。
【0021】
特に、本発明によるH/K−ATPアーゼ阻害活性を有するピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールのアルカリ反応性塩は、一般式1
[Me][PPI][OH] (1)
[式中、
Meは薬理学的に認容性の二価の金属イオンであり、
PPIはパントプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール及びテナトプラゾール並びにそれらのエナンチオマーから選択される化合物であり、
OHは水酸イオンであり、
Xは正の数であって、総数は1〜3であり、
Yは正の数であって、総数は1〜5であり、かつ
Zは正の数であって、総数は1〜5であり、その際、
方程式(Y+Z)=2Xに当てはまる]によって特徴付けることができる。
【0022】
殊に、本発明は、式1で示され、式中、
Meはマグネシウム、カルシウム及び亜鉛から選択される薬理学的に認容性の二価の金属イオンであり、
PPIはパントプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール及びラベプラゾール並びにそれらのエナンチオマーから選択される化合物であり、
OHは水酸イオンであり、
Xは1又は2の数であり、
Yは正の数であって、総数は1〜3であり、かつ
Zは正の数であって、総数は1〜3であり、その際、
方程式(Y+Z)=2Xに当てはまる化合物を提供する。
【0023】
本発明の有利な対象は、式1で示され、式中、
Meはマグネシウムであり、
PPIはパントプラゾール、(R)−パントプラゾール及び(S)−パントプラゾールから選択される化合物であり、
OHは水酸イオンであり、
Xは1又は2の数であり、
Yは1又は3の数であり、かつ
Zは1又は3の数であり、その際、
方程式(Y+Z)=2Xに当てはまる化合物である。
【0024】
本発明の特に有利な対象は、式1で示され、式中、
Meはマグネシウムであり、
PPIは実質的に(R)−パントプラゾールを含まない(S)−パントプラゾールであり、
OHは水酸イオンであり、
Xは1又は2の数であり、
Yは1又は3の数であり、かつ
Zは1又は3の数であり、その際、
方程式(Y+Z)=2Xに当てはまる化合物である。
【0025】
ここで、(−)−又は(S)−パントプラゾールのナトリウム塩は国際特許出願WO94/24867号で特に好ましいものであるが、これは安定な貯蔵形を形成しないことが判明した。(−)−パントプラゾールに関する安定な経口剤形を得るための試みにあたって、ここで、(S)−パントプラゾールのアルカリ反応性マグネシウム塩、特にその水和物形が非常に驚くべき安定性特性を有し、そのため固体剤形又は経口剤形で使用するのに特に適した候補となった。(−)−パントプラゾールのナトリウム塩と比較して、前記の塩はかなり改善された安定性特定を有する。こうして、例えば式1で示され、式中、Meはマグネシウムであり、PPIは(S)−パントプラゾールであり、Xは1であり、Yは1であり、かつZは1である化合物の水和物形は、70℃で1週間にわたり完全に安定であり、かつ事実上、変色又は分解を示さないのに対して、一方で、同じ期間で同一条件下に、(−)−パントプラゾールナトリウムの水和物の色は褐色に変わり、かなりの量の分解産物を形成する。更に、式1で示され、式中、Meはマグネシウムであり、PPIは(S)−パントプラゾールであり、Xは1であり、Yは1であり、かつZは1である化合物の水和物形は、ラセミ体のパントプラゾールマグネシウム二水和物よりも、驚くべきほどで予想されないほど迅速な溶解を示す。
【0026】
本発明による化合物及びそれらの水和物は、PPIを用いることによって治療又は予防できる全ての疾患の治療及び予防のために使用できる。特に、本発明による化合物及びそれらの水和物は、胃疾患の治療のために使用することができる。この関連で、特に本発明による化合物及びそれらの水和物の比較的高い安定性が挙げられるべきである。例えば大気条件下で貯蔵した場合に、[Mg][(S)−パントプラゾール][OH]×HO中の副産物の総和は事実上一定である一方で、(−)−パントプラゾールナトリウムの場合には、同一条件(60〜70℃で貯蔵)下にその純度(HPLCによる)は99.5%から96〜97%へと低下する。この比較的高い貯蔵安定性により、本発明による化合物及びそれらの水和物は医薬品で使用するのに特に適している。
【0027】
本発明による化合物及びそれらの水和物は、特定の様式で、PPIとMe塩とをアルカリ水酸化物の存在下で反応させるか、又は易溶性のPPI塩(例えば(−)−パントプラゾールナトリウム)から、例えば塩化マグネシウムのようなマグネシウム塩、水酸化ナトリウム溶液を用いて、水中で又は水と極性有機溶剤(例えばアルコール、有利にはメタノール、エタノール又はイソプロパノール又はケトン、有利にはアセトン)との混合物中で製造される。
【0028】
該方法で使用するのに適したMe塩は、例えばMe塩化物、Me臭化物、Meフッ化物、Meヨウ化物、Meギ酸塩、Me酢酸塩、Meプロピオン酸塩、Meグルコン酸塩又はMe炭酸塩である。また、Meアルコキシド(例えばMeメトキシド、Meエトキシド、Me(イソ)プロポキシド、Meブトキシド、Meヘキソキシド又はMeフェノキシド)をアルコラート媒体中で易溶性のPPI塩とアルカリ水酸化物溶液の存在下に反応させ、かつ水の添加によって該アルカリ性PPI塩を水和物形で結晶化させることも可能である。更に、本発明による化合物及びそれらの水和物を、例えばメタノール/水混合物から再結晶させることも可能である。
【0029】
以下の実施例は本発明をより詳細に説明するものであるが、本発明を制限するものではない。m.p.は融点を示し、min.は分を示し、hは時間を示す。
【0030】
実施例
1. マグネシウム {[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ一水和物
式 [パントプラゾールOHMg2+O]:
1617SMg
10.7gのパントプラゾールナトリウムセスキ水和物を110mlの水中に溶解させる。2.48gの40%NaOHを25℃で添加し、そして該溶液を1時間撹拌する。5.01gの塩化マグネシウム六水和物を20mlの水中に溶解させ、該溶液を25℃で撹拌下に前記パントプラゾールナトリウム塩溶液に滴加する。撹拌を1時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、沈殿物を50mlの水で洗浄する。沈殿物を100mlの水中に再懸濁させ、再び濾過し、かつ真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、融点184〜187℃(分解)の10.76g(94.6%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0031】
分析:
【0032】
【表1】

【0033】
2. マグネシウム (−)−{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ一水和物
式 [(S)−パントプラゾールOHMg2+O]): C1617SMg
10.9gの(−)−パントプラゾールナトリウム塩を110mlの水中に溶解させる。2.48gの40%NaOHを50℃で添加し、そして該溶液を1時間撹拌する。該溶液を室温にまで冷却する。5.01gの塩化マグネシウム六水和物を20mlの水中に溶解させる。その塩化マグネシウム溶液を撹拌下に25℃で前記(−)−パントプラゾールナトリウム塩溶液に滴加する。撹拌を18時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、沈殿物を50mlの水で洗浄する。沈殿物を100mlの水中に再懸濁させ、再び濾過し、かつ真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、融点164〜167℃(分解)の10.01g(88.0%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0034】
比旋光度: α20゜=−123(c=0.5、メタノール)
分析:
【0035】
【表2】

【0036】
3. マグネシウム (+)−{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシセスキ水和物
式 [2(R)−パントプラゾール2OH2Mg2+3HO]):
323311Mg
5.0gの(+)−パントプラゾールナトリウム塩を50mlの水中に溶解させる。1.23gの40%NaOHを35℃で添加し、そして該溶液を1時間撹拌する。該溶液を室温にまで冷却する。2.50gの塩化マグネシウム六水和物を15mlの水中に溶解させる。その塩化マグネシウム溶液を撹拌下に25℃で前記(+)−パントプラゾールナトリウム塩溶液に滴加する。撹拌を18時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、沈殿物を3回に分けて50mlの水で洗浄し、そして真空乾燥器(<50ミリバール)中で50〜55℃において乾燥させて、融点161〜165℃(分解)の4.33g(74.6%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0037】
比旋光度: α20゜=+112(c=0.5、メタノール)
分析:
【0038】
【表3】

【0039】
4. 二マグネシウム トリス{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ四水和物
式 [3パントプラゾールOH2Mg2+4HO]:
485117Mg
25.0gのパントプラゾールナトリウムセスキ水和物を250mlの水中に溶解させる。1.33gの40%NaOHを25℃で添加し、そして該溶液を15分間撹拌する。3.92gの塩化マグネシウム六水和物を31mlの水中に溶解させる。その塩化マグネシウム溶液を撹拌下に25℃で前記パントプラゾールナトリウム塩溶液に滴加する。撹拌を2.5時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、沈殿物を3回に分けて150mlの水で洗浄する。沈殿物を真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、融点182〜185℃(分解)の12.47g(52.7%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0040】
分析:
【0041】
【表4】

【0042】
5. 二マグネシウム (−)−トリス−{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ五水和物
式 [3(S)−パントプラゾールOH2Mg2+5HO]:
485318Mg
6.0gの(−)−パントプラゾールナトリウムを60mlの水中に溶解させる。0.49gの40%のNaOHを30〜35℃で添加し、そして15分間撹拌する。1.02gの塩化マグネシウム六水和物を8mlの水中に溶解させる。その塩化マグネシウム溶液を撹拌下に25℃で前記(−)−パントプラゾールナトリウム塩溶液に滴加する。撹拌を18時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、沈殿物を2回に分けて50mlの水で洗浄する。沈殿物を真空乾燥器(<50ミリバール)中で60℃において乾燥させて、融点162〜166℃(分解)の2.41g(48.3%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0043】
比旋光度: α20゜=−125(c=0.5、メタノール中)
分析:
【0044】
【表5】

【0045】
6. 二マグネシウム (+)−トリス−{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ五水和物
式 [3(R)−パントプラゾールOH2Mg2+5HO]:
485318Mg
5.0gの(+)−パントプラゾールナトリウムを50mlの水中に溶解させる。0.27gの40%NaOHを30〜35℃で添加し、そして該溶液を15分間撹拌する。0.78gの塩化マグネシウム六水和物を6mlの水中に溶解させる。その塩化マグネシウム溶液を撹拌下に25℃で前記(+)−パントプラゾールナトリウム塩溶液に滴加する。撹拌を2日間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、沈殿物を3回に分けて25mlの水で洗浄する。沈殿物を真空乾燥器(<50ミリバール)中で40℃において乾燥させて、融点161〜166℃(分解)の2.10g(40.1%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0046】
比旋光度: α20゜=+114.5(c=0.5、メタノール中)
分析:
【0047】
【表6】

【0048】
7. カルシウム {[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ一水和物
式 [パントプラゾールOHCa2+O]:
1617SCa
21.6gのパントプラゾールナトリウムセスキ水和物を250mlの水中に溶解させる。2.00gのNaOHを25℃で添加し、そして該溶液を1時間撹拌する。5.55gの塩化カルシウム(乾燥)を50mlの水中に溶解させる。その塩化カルシウム溶液を撹拌下に25℃で前記パントプラゾールナトリウム溶液に滴加する。撹拌を20時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、該沈殿物を200mlの水で洗浄し、そして真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、21.86g(91.8%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0049】
水分(カール−フィッシャー滴定): 7.6%
融点: 157〜160℃(分解)
分析:
【0050】
【表7】

【0051】
8. カルシウム (−)−{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ一水和物
式 [パントプラゾールOHCa2+O]:
1617SCa
22.7gの(−)−パントプラゾールナトリウム(湿潤、0.05モル)を250mlの水中に溶解させる。2.00gのNaOHを25℃で添加し、そして該溶液を40℃で1時間撹拌する。5.55gの塩化カルシウム(乾燥)を50mlの水中に溶解させる。その塩化カルシウム溶液を撹拌下に25℃で前記パントプラゾールナトリウム溶液に滴加する。撹拌を20時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、該沈殿物を200mlの水で洗浄し、そして真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、21.44g(89.9%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0052】
水分(カール−フィッシャー滴定): 7.8%
融点: 137〜147℃(分解)
分析:
【0053】
【表8】

【0054】
9. 亜鉛 {[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ一水和物
式 [パントプラゾールOHZn2+O]:
1617SZn
21.6gのパントプラゾールナトリウムセスキ水和物を250mlの水中に溶解させる。2.00gのNaOHを25℃で添加し、そして該溶液を1時間撹拌する。6.80gの塩化亜鉛(乾燥)を50mlの水中に溶解させる。その塩化亜鉛溶液を撹拌下に25℃で前記パントプラゾールナトリウム溶液に滴加する。撹拌を20時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、該沈殿物を200mlの水で洗浄し、そして真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、23.08g(94.2%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0055】
水分(カール−フィッシャー滴定): 5.1%
融点: 167〜179℃(分解)
分析:
【0056】
【表9】

【0057】
10. 亜鉛 (−)−{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ一水和物
式 [(S)−パントプラゾールOHZn2+O]:
1617SZn
22.7gの(−)−パントプラゾールナトリウム(湿潤、0.05モル)を250mlの水中に溶解させる。2.00gのNaOHを25℃で添加し、そして該溶液を1時間撹拌する。6.80gの塩化亜鉛(乾燥)を50mlの水中に溶解させる。その塩化亜鉛溶液を撹拌下に25℃で前記パントプラゾールナトリウム溶液に滴加する。撹拌を20時間継続する。得られた懸濁液を吸引濾過し、該沈殿物を200mlの水で洗浄し、そして真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、22.87g(94.2%)の表題化合物が灰白色の固体として得られる。
【0058】
水分(カール−フィッシャー滴定): 4.3%
融点: 169〜173℃(分解)
分析:
【0059】
【表10】

【0060】
11. マグネシウム (−)−{[5−(ジフルオロメトキシ)]−2−[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチルスルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾリド}ヒドロキシ一水和物
式 [(S)−パントプラゾールOHMg2+O]:
1617SMg
6.20kgの(−)−パントプラゾールナトリウム(湿潤、14.06モル)を64lの水中に溶解させる。0.56kgのNaOHを室温で添加し、そして該溶液を40℃で1時間撹拌する。該溶液を室温にまで冷却する。2.86kgの塩化マグネシウム六水和物を11.4lの水中に溶解させる。その塩化マグネシウム溶液を撹拌下に25℃で前記(+)−パントプラゾールナトリウム溶液に添加する。撹拌を18時間継続する。得られた懸濁液を遠心分離し、該沈殿物を41lの水で洗浄し、そして真空乾燥器(<50ミリバール)中で40〜45℃において乾燥させて、3.97kg(灰白色の固体としての58.84%の表題化合物)が得られる。
【0061】
純度(HPLC): 99.4%
ee: >99%
水分(カール−フィッシャー滴定): 7.7%
分析:
【0062】
【表11】

【0063】
産業上利用性
本発明による化合物及びそれらの水和物は有用な薬理学的特性を有するため、産業上利用可能である。特に、これらは、胃酸分泌に顕著な阻害作用を有し、かつ温血動物、特にヒトにおいて優れた胃腸保護作用を有する。それらの独特な安定性特性のため、本発明による化合物及びそれらの水和物は、安定な経口PPI剤形の製造に特に適している。本発明による化合物中に水酸イオンが存在することによって、PPIは酸反応性で微量の酸に対して感受性であるが、それは貯蔵時の不所望な分解に対して自己保護を伴う。
【0064】
本発明の関連で、“胃腸保護”とは、例えば微生物(例えばヘリコバクター・ピロリ)、細菌毒、医薬品(例えば一定の抗炎症薬及び抗リウマチ薬)、化学物質(エタノール)、胃酸又はストレスによって引き起こされうる胃腸疾患、特に胃腸炎症性疾患及び病巣(例えば胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃炎、酸の産生増大又は医薬品の結果としての過敏性腸、GERD、クローン病、IBD)の予防及び治療として解されるべきである。
【0065】
それらの優れた特性と共に、本発明による選択された化合物及びそれらの水和物は、抗腫瘍発生特性及び抗分泌特性の測定用の種々のモデルにおいて、特にそれらの安定性及び薬理学的特性の点で、従来の化合物に対して驚くべきことに明らかに優れている。これらの特性のゆえに、化合物[Mg][(S)−パントプラゾール][OH]×HO及び[Mg][(S)−パントプラゾール][OH]×HOは例えば、ヒト医学及び獣医学での使用に非常に適しており、その際、これらは、特に胃腸疾患の治療及び/又は予防のために使用される。
【0066】
従って、更に本発明は、前記の疾病の治療及び/又は予防において使用するための、本発明による化合物及びそれらの水和物を提供する。
【0067】
また本発明は、前記の疾病の治療及び/又は予防のために使用される医薬品の製造のための、本発明による化合物及びそれらの水和物の使用を含む。
【0068】
従って、更に本発明は、前記の疾病の治療及び/又は予防のための、本発明による化合物及びそれらの水和物の使用を含む。
【0069】
また本発明は、本発明による化合物及びそれらの水和物を含有する医薬品を提供する。
【0070】
医薬品は、当業者によく知られた自体公知の方法によって製造される。医薬品としては、本発明による化合物及びそれらの水和物は、それ自体として又は、有利には好適な医薬品助剤又は担体と組み合わせて、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤、坐剤、パッチ剤(例えばTTS)、乳剤、懸濁液又は液剤の形で使用され、その際、有効化合物の含有率は有利には0.1〜95%であり、かつ助剤及び担体の適当な選択によって、有効化合物に厳密に適合された、及び/又は及び/又は所望の作用開始及び/又は作用所要時間に厳密に適合された医薬品剤形(例えば遅延放出形又は腸溶形)を製造できる。
【0071】
所望の医薬品製剤に適した助剤又は担体は、当業者にはその専門知識により公知である。溶剤、ゲル形成剤、坐剤基材、打錠助剤及び他の活性化合物用担体の他に、例えば、酸化防止剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、矯臭剤、保存剤、可溶化剤、着色剤、又は殊に浸透促進剤及び錯化剤(例えばシクロデキストリン)を使用することができる。
【0072】
本発明による化合物及びそれらの水和物は、経口的に、非経口的に又は経皮的に適用できる。
【0073】
ヒト医学において、一般に、所望の成果を得るためには、本発明による化合物及びそれらの水和物を、経口投与の場合には、日用量約0.1〜2、有利には0.2〜1.5、特に0.3〜1.1mg/kg(体重)[PPIに対する]で、適宜、複数回の、有利には1〜4回の個別投与の形で投与することが好ましいと判明している。非経口治療のためには、同様の用量又は(特に有効化合物を静脈内投与する場合には)一般により少量の用量を使用することができる。それぞれの場合に必要とされる有効化合物の最適用量及び投与型は、当業者によってその専門知識により容易に決定できる。
【0074】
こうして、本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が10〜100mgのPPIを含有する医薬品である。
【0075】
こうして、本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が20〜80mgの(−)−パントプラゾールを含有する医薬品である。
【0076】
本発明の更なる態様は、胃腸疾患の治療のための、本発明による化合物又はそれらの水和物の使用である。
【0077】
本発明の更なる態様は、薬物代謝が遅い患者における胃腸疾患の治療のための、本発明による化合物又はそれらの水和物の使用である。
【0078】
本発明の更なる態様は、薬物相互作用の危険性がある患者における胃腸疾患の治療のための、本発明による化合物又はそれらの水和物の使用である。
【0079】
本発明の更なる態様は、長期間に亘る酸分泌の阻害が必要な患者における胃腸疾患の治療のための、本発明による化合物又はそれらの水和物の使用である。
【0080】
本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が10〜100mgのPPIを含有する、薬物代謝が遅い患者に使用するための胃腸疾患治療用の医薬品である。
【0081】
本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が20〜80mgのPPIを含有する、薬物代謝が遅い患者に使用するための胃腸疾患治療用の医薬品である。
【0082】
本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が10〜100mgのPPIを含有する、薬物相互作用の危険性がある患者に使用するための胃腸疾患治療用の医薬品である。
【0083】
本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が20〜80mgのPPIを含有する、薬物相互作用の危険性がある患者に使用するための胃腸疾患治療用の医薬品である。
【0084】
本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が10〜100mgのPPIを含有する、長期間に亘る酸分泌の阻害が必要な患者に使用するための胃腸疾患治療用の医薬品である。
【0085】
本発明の更なる態様は、本発明による化合物又はそれらの水和物と一緒に慣用の助剤を含有し、一回量が20〜80mgのPPIを含有する、長期間に亘る酸分泌の阻害が必要な患者に使用するための胃腸疾患治療用の医薬品である。
【0086】
本発明による化合物又はそれらの水和物を前記の疾病を治療するために使用すべきであれば、医薬品調剤は、他の医薬品群からの1種以上の薬理学的有効成分を含有してもよい。挙げられる例は、精神安定剤(例えばベンゾジアゼピン、例えばジアゼパム)、鎮痙薬(例えばビエタミベリン又はカミロフィン)、抗コリン作動薬(例えばオキシフェンシクリミン又はフェンカルバミド)、局所麻酔薬(例えばテトラカイン又はプロカイン)、場合によりまた酵素、ビタミン又はアミノ酸である。
【0087】
この関連で、特に強調されるものは、本発明による化合物と、胃酸を緩衝又は中和するか、又は酸分泌を阻害する他の医薬品、例えば制酸薬(例えばマガルドレート)又はH遮断薬(例えばシメチジン、ラニチジン)及び主作用を相加的又は超相加的に増強する及び/又は副作用を排除又は低減する又はより迅速な作用開始を獲得する目的のガストリンアンタゴニストとの組合せ物である。また、NSAID類により引き起こされる胃腸障害を予防するためのNSAID類(例えばエトフェナマート、ジクロフェナク、インドメタシン、イブプロフェン又はピロキシカム)との、又はヘリコバクター・ピロリの制御のための抗細菌物質(例えばセファロスポリン、テトラサイクリン、ペニシリン、マクロライド、ニトロイミダゾールあるいはビスマス塩)との固定もしくは自由組合せ物を挙げることもできる。挙げることができる適当な抗細菌性の組合せ相手は、例えばメズロシリン、アンピシリン、アモキシシリン、セファロチン、セフォキシチン、セフォタキシム、イミペネム、ゲンタマイシン、アミカシン、エリスロマイシン、シプロフロキサシン、メトロニダゾール、クラリスロマイシン、アジスロマイシン及びこれらの組合せ(例えばクラリスロマイシン+メトロニダゾール又はアモキシシリン+クラリスロマイシン)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
/K−ATPアーゼ阻害活性を有するピリジン−2−イルメチルスルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールの薬理学的に認容性の金属塩であって、その金属イオンの少なくとも一価の正電荷当量が水酸イオンによって相殺されている塩並びにそれらの水和物。
【請求項2】
/K−ATPアーゼ阻害活性を有するピリジン−2−イルメチル−スルフィニル−1H−ベンゾイミダゾールが、パントプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール及びテナトプラゾール、(R)−及び(S)−パントプラゾール、(R)−及び(S)−オメプラゾール、(R)−及び(S)−ランソプラゾール、(R)−及び(S)−ラベプラゾール並びに(R)−及び(S)−テナトプラゾールである、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項3】
一般式1
[Me][PPI][OH] (1)
[式中、
Meは薬理学的に認容性の二価の金属イオンであり、
PPIはパントプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール及びテナトプラゾール並びにそれらのエナンチオマーから選択される化合物であり、
OHは水酸イオンであり、
Xは正の数であって、総数は1〜3であり、
Yは正の数であって、総数は1〜5であり、かつ
Zは正の数であって、総数は1〜5であり、
その際、方程式(Y+Z)=2Xに当てはまる]を特徴とする、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項4】
請求項3の式1で示され、式中、
Meはマグネシウム、カルシウム及び亜鉛から選択される薬理学的に認容性の二価の金属イオンであり、
PPIはパントプラゾール、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール及びテナトプラゾール並びにそれらのエナンチオマーから選択される化合物であり、
OHは水酸イオンであり、
Xは1又は2の数であり、
Yは正の数であって、総数は1〜3であり、かつ
Zは正の数であって、総数は1〜3であり、その際、
方程式(Y+Z)=2Xに当てはまることを特徴とする、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項5】
請求項3の式1で示され、式中、
Meはマグネシウムであり、
PPIはパントプラゾール、(R)−パントプラゾール及び(S)−パントプラゾールから選択される化合物であり、
OHは水酸イオンであり、
Xは1又は2の数であり、
Yは1又は3の数であり、かつ
Zは1又は3の数であり、その際、
方程式(Y+Z)=2Xに当てはまることを特徴とする、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項6】
請求項3の式1で示され、式中、
Meはマグネシウムであり、
PPIは(S)−パントプラゾールであり、
OHは水酸イオンであり、
Xは1又は2の数であり、
Yは1又は3の数であり、かつ
Zは1又は3の数であり、その際、
方程式(Y+Z)=2Xに当てはまることを特徴とする、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項7】
Mg[パントプラゾール]OHである、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項8】
Mg[(S)−パントプラゾール]OHである、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項9】
Mg[パントプラゾール]OHである、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項10】
Mg[(S)−パントプラゾール]OHである、請求項1記載の薬理学的に認容性の金属塩並びにそれらの水和物。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載の化合物と一緒に慣用の助剤を含有する医薬品。
【請求項12】
胃腸疾患の治療のための、請求項1から10までのいずれか1項記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2006−528158(P2006−528158A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520838(P2006−520838)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/051578
【国際公開番号】WO2005/011692
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(390019574)アルタナ ファルマ アクチエンゲゼルシャフト (69)
【氏名又は名称原語表記】ALTANA Pharma AG
【住所又は居所原語表記】Byk−Gulden−Str. 2、 D−78467 Konstanz、 Germany
【Fターム(参考)】