説明

ヘッドアップディスプレイの表示方法

【課題】ヘッドアップディスプレイ43で表示する道路表示の画像が、運転者から見てわかり易い表示になるように、ナビゲーション装置41から提供された道路情報が情報加工されるヘッドアップディスプレイ43の表示方法を提供する。
【解決手段】道路情報を、自車の進行方向である前方、該前方に対する後方、前方及び後方の両側にある左右方向、左右方向と前方及び後方方向との間の斜め方向の各方向の道路情報に区分し、前方及び後方の道路情報1及び2は、3及び4のように疎化して表示され、左右方向の道路情報5及び6は、7のように束ねて密化して表示され、斜め方向の道路情報は、道路情報16及び17同士が対称形に配置されるように情報加工されて、ヘッドアップディスプレイ43にて、ウインドシールドWS上に、交差点の画像を表示する

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウインドシールドにナビゲーション装置からの道路情報を表示するヘッドアップディスプレイの表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1として、車両の運転者の前方のウインドシールド(窓ガラス)にナビゲーション装置からの道路情報、特に交差点形状を表示して、進むべき方向を矢印で表示するものが知られている。この表示案内形式はターンバイターン表示と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−121031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、ヘッドアップディスプレイでの表示は、運転中に運転者の直前に表示されるため、煩雑な表示では、運転者が視認し難い。また、ヘッドアップディスプレイのデバイスの解像度の都合上、全ての方位の道路情報を表示すると、ギザギザの斜め線が多数現れたりして、運転者には、かえって分かり難いという問題が発生する。
【0005】
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、ヘッドアップディスプレイで表示する道路表示の画像が、運転者から見て分かり易い表示になるように、ナビゲーション装置から提供された道路情報を情報加工するヘッドアップディスプレイの表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報を、自車の進行方向である前方、該前方に対する後方、前方及び後方の両側の左右方向、左右方向と前方及び後方方向との間の斜め方向の各方向の道路情報に区分し、
少なくとも斜め方向に区分された道路情報は、斜め方向に区分された道路情報同士が、所定の対称形に配置されて表示されるように情報加工され、
該情報加工された道路情報を用いて、ヘッドアップディスプレイ(43)にて、自車のウインドシールド(WS)上に、道路表示の画像を表示することを特徴としている。
【0007】
この請求項1に記載の発明によれば、斜め方向に区分された道路情報は、斜め方向に区分された道路情報同士が、所定の対称形に配置されて表示されるので、道路表示の形状が崩れず、整然と見えるため、ヘッドアップディスプレイ(43)で表示される道路表示の画像が、運転者から見てわかり易い。
【0008】
請求項2においては、ヘッドアップディスプレイ(43)によって、ウインドシールド(WS)上で表示された道路表示の画像は、北の方角が、運転者の頭上方向となるノースアップ表示による交差点道路表示であることを特徴としている。
【0009】
この請求項2に記載の発明によれば、ノースアップ表示のときには、ウインドシールド(WS)上下方向と自車の進行方向との関係が特定されないが、少なくとも、自車進行方向から見て斜め方向に区分された道路情報については、ウインドシールド(WS)上に表示された道路表示の画像が崩れず、整然と見え、ノースアップ表示による交差点道路表示に良好な結果が得られる。
【0010】
請求項3においては、ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報を、自車の進行方向である前方、該前方に対する後方、前方及び後方の両側にある左右方向、左右方向と前方及び後方との間の斜め方向の各方向の道路情報に区分し、
前方及び後方に区分された道路情報は、道路表示間隔を広げて疎化して表示するように道路情報を加工する第1情報加工を行い、
左右方向に区分された道路情報は、道路表示間隔を狭めて密化して表示するように道路情報を加工する第2情報加工を行い、
斜め方向に区分された道路情報は、斜め方向に区分された道路情報同士が、所定の対称形に配置されて表示されるように道路情報を加工する第3情報加工を行い、
該第1乃至第3情報加工にて加工された道路情報を用いて、ヘッドアップディスプレイ(43)にて自車のウインドシールド(WS)上に道路表示の画像を表示することを特徴としている。
【0011】
この請求項3に記載の発明によれば、前方及び後方に区分された道路情報は、道路表示間隔を広げて疎化して表示され、左右方向に区分された道路情報は、道路表示間隔を狭めて密化して表示され、斜め方向に区分された道路情報は、斜め方向に区分された道路情報同士が対称的に配置されて表示されるので、進行方向の道路表示がわかり易く、左右方向の道路表示は簡略的に表示され、斜め方向は対称性があるため、形状が崩れず、整然と見え、ヘッドアップディスプレイ(43)で表示する道路表示の画像が、運転者から見てわかり易い。
【0012】
請求項4においては、ウインドシールド(WS)での道路表示は、進行方向が運転者の頭上方向となるヘディングアップ表示、または北の方角が運転者の頭上方向となるノースアップ表示のいずれかで表示されることを特徴としている。
【0013】
この請求項4に記載の発明によれば、ヘディングアップ表示、またはノースアップ表示のいずれにおいても、ヘッドアップディスプレイ(43)でウインドシールド(WS)上に表示された道路表示の画像がわかり易い。
【0014】
請求項5においては、ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報の最大本数より少ない所定本数で、ヘッドアップディスプレイ(43)が、ウインドシールド(WS)上に道路表示の画面を表示するものから成り、
ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報に、道路番号(0からV)を付与し、
各道路番号(0からV)の道路情報のうちの所定本数の道路情報に、コンピュータが演算処理する順番である走査順番(1番から13番)を付与し、
少なくとも走査順番(1番から13番)を付与した道路情報に、適用すべき束ねルールの番号であるルール番号(零から六)を付与して、走査順番(1番から13番)を付与した道路情報の各々に対応する束ねルール(零から六)を決定し、
予めコンピュータ内に格納された束ねルール(零から六)を実行するためのプログラムを使用して、走査順番(1番から13番)に従って、走査順番(1番から13番)が付与された道路情報ごとに、対応する束ねルール(零から六)を用いて演算処理することを特徴としている。
【0015】
この請求項5に記載の発明によれば、ヘッドアップディスプレイ(43)の表示方法は、ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報の最大本数より少ない所定本数で、ヘッドアップディスプレイ(43)が、ウインドシールド(WS)上に道路表示の画像を表示するから、画像が簡素化される。更に、この所定本数の道路情報に対して、束ねルール(零から六)に基いて演算を行うことにより、ヘッドアップディスプレイ(43)でウインドシールド(WS)上に表示される道路表示の画像が、運転者から見てわかり易くなる。
【0016】
請求項6においては、ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報に、道路番号(0からV)を付与するときに、道路情報の中の特定の注目道路情報と、該注目道路情報を中心として左右に隣接する2つの隣接道路情報とが、順番に並ぶように道路番号(0番からV番)が付与され、
注目道路情報をnとし、隣接道路情報のうちの一方隣接道路情報をn+1とし、かつ他方隣接道路情報をn−1としたとき、注目道路情報nに対して適用される束ねルール(零から六)は、
何も演算処理しない束ねルール零、
注目道路情報nに隣接する一方隣接道路情報n+1に、道路情報がなければ、注目道路情報nを、一方隣接道路情報n+1に移動させ、一方隣接道路情報n+1に道路情報が存在すれば、他方隣接道路情報n−1に注目道路情報nを移動させるルール壱、
一方隣接道路情報n+1に道路情報がなければ、一方隣接道路情報n+1の位置に注目道路情報nを移動させ、一方隣接道路情報n+1に道路情報があれば、反射して他方隣接道路情報n−1の位置を調べ、他方隣接道路情報n−1に道路情報がなければ、注目道路情報nを他方隣接道路情報n−1に移動させ、他方隣接道路情報n−1に道路情報があれば反射して、注目道路情報nを一方隣接道路情報n+1に移動させる束ねルール弐、
注目道路情報nを強制的に、一方隣接道路情報n+1の位置に移動または束ねる束ねルール参、
他方隣接道路情報n−1を確認して、他方隣接道路情報n−1の位置に道路情報がなければ、注目道路情報nを他方隣接道路情報n−1の位置に移動させ、他方隣接道路情報n−1の位置に道路情報が存在すれば、反射して注目道路情報nを一方隣接道路情報n+1に移動させる束ねルール四、
他方隣接道路情報n−1に道路情報が無い場合は、他方隣接道路情報n−1の位置に注目道路情報nを移動させ、他方隣接道路情報n−1に道路情報が存在すれば、反射して、一方隣接道路情報n+1の内容を調べ、一方隣接道路情報n+1の位置に道路情報がなければ、注目道路情報nを一方隣接道路情報n+1に移動させ、一方隣接道路情報n+1に道路情報があれば、反射して他方隣接道路情報n−1の位置に注目道路情報nを移動させる束ねルール五、及び
強制的に注目道路情報nを他方隣接道路情報n−1の位置に移動もしくは束ねる束ねルール六からなることを特徴としている。
【0017】
この請求項6に記載の発明によれば、零ルールから六ルールまでの7つの束ねルール(零から六)に基づき、道路情報を情報加工することにより、ヘッドアップディスプレイ(43)で表示される道路表示の画像が、運転者から見てわかり易くなる。
【0018】
請求項7においては、ヘディングアップ表示、またはノースアップ表示のいずれかの一方の表示を行うように第1情報加工乃至第3情報加工を行い、
ヘディングアップ表示、またはノースアップ表示のいずれかの他方の表示が選択されたとき、第1情報加工乃至第3情報加工によって得られた画像情報を回転させることを特徴としている。
【0019】
この請求項7に記載の発明によれば、ヘディングアップ表示、またはノースアップ表示のいずれの表示要求に対しても、対応することが出来る。
【0020】
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、第1実施形態における道路表示の第1情報加工乃至第3情報加工の概要を示す模式図である。
【図2】図2は、上記実施形態におけるヘディングアップ表示を説明する模式図である。
【図3】図3は、上記実施形態において、ヘッドアップディスプレイによってウインドシールド上に表示された交差点道路形状の例を示す模式的表示図である。
【図4】図4は、上記実施形態におけるナビゲーション装置とヘッドアップディスプレイとメーターのブロック構成図である。
【図5】図5は、上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイの模式的構成図である。
【図6】図6は、上記実施形態におけるヘッドアップディスプレイ内のコンピュータに格納された束ねルールを説明するための説明図である。
【図7】図7は、上記実施形態において32本の道路情報を走査順番に従って束ねルールを適用していく状態を示す設定表である。
【図8】図8は、上記実施形態のヘッドアップディスプレイ内のコンピュータでの処理を示すフローチャートである。
【図9】図9は、本発明のその他の実施形態を説明するノースアップ表示の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図8を用いて詳細に説明する。図1は、ヘッドアップディスプレイ43(図4)によってウインドシールドWS(図3)上に表示された道路表示の束ね方、即ち第2情報加工乃至第3情報加工の概要について説明するものである。
【0023】
第1情報加工とは、道路情報を表示する際に、道路表示間隔が広げられて疎化されるように、情報加工されるものである。
【0024】
第2情報加工とは、道路表示間隔が狭められて密化されるように、情報加工されるものである。また、第3情報加工とは、道路情報同士が所定の対称形に配置されて表示されるように、情報加工されるものである。
【0025】
ここで、ナビゲーション装置41(図4)からヘッドアップディスプレイ43に入力される道路情報には、32本の道路情報があり、ヘッドアップディスプレイ43によってウインドシールドWS上に表示される道路表示の数は、その半分の16本である。これは、ヘッドアップディスプレイ43の図示されないデバイスの解像度を考慮して、削減された道路情報について表示するようにしているからである。
【0026】
図2は、後述するヘディングアップ表示の例を示している。この図2は、32方向の交差点道路情報に、道路番号である道路ビットを割り付けた図である。道路ビット8番、及び24番の水平方向が密となり、0番及び16番の垂直方向が、疎となるように情報加工(情報処理)される。図2の上方が進行方向、その下方が、今まで走行してきた道路情報を示している。
【0027】
また、図2の左右は、それぞれ進行方向に対して、右方向と左方向の道路情報を示している。そして、32本の交差点道路情報のうち、いくつかの道路情報は、次のようにして束ねられたり、また、表示位置を変更されたりする。即ち、図1上方の進行方向の破線で描かれた2つの道路情報1及び2は、それぞれ実線3及び4のように、広げられて表示される。
【0028】
図1の1と2は、広げられる前の、ナビゲーション装置41(図4)から送信されてきた道路情報の位置であり、3と4は、広げられ疎化された道路情報の表示位置である。このように、前方に区分された道路情報は、道路間隔を広げて疎化して表示する第1情報加工が行われる。また図1の下方の後方に区分された道理情報についても、同じく第1情報加工が行われ、疎化される。
【0029】
次に、左右方向に区分された道路情報は、道路間隔を狭めて密化する第2情報加工がなされる。すなわち、ナビゲーション装置41から送られてきた5と6の道路情報は、それぞれ7の道路情報に併合されて、束ねられて密化して表示される。左側の道路情報8及び9についても、道路情報10に束ねられて、密化して表示される。
【0030】
また、右下がりの斜め45度の実線で表された道路情報11に隣接する、破線で示された道路情報12については、対称性を持たせるために、道路情報12に併合され、束ねられる。同様に、道路情報13は、道路情報14に束ねられて、対称性を持たせた表示とされる。
【0031】
更に、右上がりの斜め45度の道路情報15及び18に隣接した道路情報16及び17についても、それぞれ斜め45度の道路情報15及び18に併合され、束ねて表示される。すなわち、これらの進行方向の前後左右以外の、斜めの道路情報の一部は、斜め方向に区分された道路情報同士が、所定の対称形に配置されて表示されるように、情報加工される第3情報加工が行われる。
【0032】
以上のような情報加工が行われることによって、ナビゲーション装置41から送信された道路情報が、そのままヘッドアップディスプレイ43にて、ウインドシールドWS上に表示されるのでなく、情報が簡潔化され整理され、かつ整然となるように表示される。
【0033】
このため、進行方向の道路表示がわかり易く、左右方向の道路表示は簡略的に表示され、斜め方向の道路表示は、対称性があるため形状が崩れず、整然と見える。これによってヘッドアップディスプレイ43で表示される道路表示の画像が、運転者から見てわかり易く、また、整然とした状態になる。
【0034】
図2は、ヘディングアップ表示における交差点道路表示を説明するものである。なお、本発明において、交差点とは、三叉路やT字型道路表示等の分岐点を含めて、交差点と称することにする。この図2に示されたヘディングアップ表示においては、進行方向が常に車両の天井方向となるように表示される。即ち、ウインドシールドの上方が、車両の進行方向と一致して、道路表示が表示される。
【0035】
そして、0番目から31番目の道路情報は、I象限、II象限、III象限、及びIV象限に、それぞれ割り振られて配列されている。即ち、道路情報のうち、0番から7番までの道路情報は、I象限に配列され、8番から15番までの道路情報は、II象限に配列され、16番から23番までの道路情報は、III象限に配列され、24番から31番までの道路情報は、IV象限に配列されている。
【0036】
これらの道路情報は、全部で32本存在するが、実際にヘッドアップディスプレイ43でウインドシールド上に表示されるのは、最大においてもその半数の16本である。ヘッドアップディスプレイ43の解像度を考慮して、わかり易く表示するために、道路表示を間引いて表示しているのである。
【0037】
図3に、ウインドシールドWSに表示される道路情報の表示例を示す。この道路情報は前方に6つの分岐した道路表示30、31、32,26、27、28を持つ交差点があることを示している。その交差点の斜め右方向に右折して進行するように表示している。このような矢印表示37を用いて、次々に進行すべき方向を表示していく表示形式は、ターンバイターン表示と称される。
【0038】
実際のウインドシールドWSにおいては、道路表示の幅を表す図3の白い線34及び35は、ウインドシールドWS上では、光る線として表示され、道路表示の幅を表す線の間29、及び道路表示の幅を表す線34と、隣の道路表示30の道路表示の幅を表す線36との間の空間38は、ウインドシールドWSを通して、前方の景色が表示される。また、進行方向を示す矢印表示37も、その輪郭が発光する線画として運転者に視認される。
【0039】
図4は、ナビゲーション装置41と、ヘッドアップディスプレイ43との配線を表し、ナビゲーション装置41とヘッドアップディスプレイ43は、車両のメーター42を介して、多重通信線路44、44a、44b、及び44cを用いたネットワークを介して接続されている。
【0040】
なお、このメーター42は、単に、ナビゲーション装置41からの情報をヘッドアップディスプレイ43に素通りさせるゲートウエイとしての役割を果たすだけのものである。つまり、ネットワーク上にナビゲーション装置41と、メーター42が繋がっている。ヘッドアップディスプレイ43は、メーター42とだけ繋がっている。そして、道路情報や矢印情報は、ナビゲーション装置41が、ヘッドアップディスプレイ43に送信する。
【0041】
ナビゲーション装置41は、ナビゲーションECU50、車両の現在位置を検出する位置検出器51、及び地図データ52を記憶しているHDD(ハードディスクドライブ)装置53を備えている。ここで、ナビゲーションECU50は、ルート設定手段、及び推奨走行レーン決定手段に相当する。
【0042】
また、位置検出器51は、位置検出手段に相当し、HDD装置53は、記憶手段のひとつに相当する。また、ナビゲーション装置41は、図示されないが、他にも車両の現在位置マークと推奨ルートと地図データ等とを重ね合わせて表示するための、LCD等の表示装置や、使用者からの操作入力を受けるための操作スイッチ群、及び音声案内を行うためのスピーカ等が接続されている。
【0043】
また、上記操作スイッチ群の中には、後述するヘディングアップ表示とノースアップ表示とを切替えるためのスイッチ手段が設けられている。ナビゲーションECU50は、CPU55、ROM56、RAM57、入出力ポート58がバス59を介して接続されたマイクロプロセッサから成る。
【0044】
また、車内ネットワークを構築するシリアル通信線路をなすシリアル通信バス44、及び44aと、内部のバス59とは、シリアル通信インターフェイス60を介して接続されている。また、通信データを一時的に格納するために、RAM57とは別に設けられたバッファメモリー61を備えている。ROM56は、CPU55が実行するプログラム、及び、それに必要なデータを記憶している。RAM57は、CPU55がプログラムを実行する際に、作業領域として利用される。
【0045】
HDD装置53には、地図データ52が記憶されている。また、地図データ52には、道路データ、背景データ、及び属性データ等が含まれる。道路データには、相互に関係する形状情報と位相情報とが含まれている。位相情報は、交差点(ノード)と、交差点の接続(リンク)を記述するものであって、推奨ルートの設定などに用いられる。
【0046】
ここでリンクとノードについて説明する。地図上の各道路表示は、交差、分岐、及び合流する点等の複数のノードにて分割される。それぞれのノード間は、リンクとして規定される。各リンクを接続することにより、道路情報が構成される。リンクデータは、リンクを特定する固有番号(リンクID)、リンクの長さを示すリンク長、リンクの始端と終端を示す点、道路名称、道路種別、道路幅員、及び車線数等から構成されている。
【0047】
他方、ノードとは、地図上の各道路表示が交差、分岐、及び合流する点である。ノード毎に、固有の番号を付したノードID、ノード座標、ノード名称、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、分岐地点、及び合流地点等の各データが設定されている。
【0048】
位置検出器51は、GPS衛星から送信されたGPS電波を、アンテナ70で受信して、位置データを取得するGPS受信機71と、地磁気に基づいて方位を検出する地磁気センサ72と、角速度を検出して方位を算出するジャイロスコープ73と、走行距離を検出して距離データを取得する距離センサ74とを備えている。
【0049】
そして、GPS受信機71、地磁気センサ72、ジャイロスコープ73、及び距離センサ74が取得したデータを、相互補完することによって、車両の現在位置の検出と、正確な走行距離の計測を行う。
【0050】
ナビゲーションECU50は、使用者により走査される操作スイッチ群など(図示せず)から入力された目的地について、現在地から目的地までの推奨ルートを算出する機能を有する。
【0051】
このように、自動的に推奨ルートを設定する手法は、例えば、周知のダイクストラ(Dijkstra)法によるコスト計算で行われる。すなわち、リンク長、道路種別、及び道路幅員等を考慮して、リンク毎に付されるコスト値を用いて、最小のコストで目的地に到達する経路を計算する方法が採用される。
【0052】
なお、このように設定した推奨ルートにおいて、右左折のいずれかが予定されている交差点を、右左折予定交差点とする。右左折とは、着目する交差点(ノード)への進入ルート(リンク)に対し、直進以外の脱出ルート(リンク)が選択されている場合であって、直進であるか否かは、道路種別、リンク属性、路線名称、路線番号の変化、進入及び脱出等を考慮して判断される。
【0053】
次に、ヘッドアップディスプレイ43について説明する。ヘッドアップディスプレイ(HUD)43は、ウインドシールドWSに画像を表示するHUD表示器80が、ヘッドアップディスプレイECU(HUD ECU)81に接続された構造を有する。このHUD ECU81は、CPU82、ROM83、RAM84、及び入出力ポート(I/Oポート)89が、バス86を介して接続されたマイクロプロセッサからなる。
【0054】
また、通信データを一時的に格納するために、RAM84とは別に設けられたバッファメモリー87、及びインターフェイス90を備えている。ROM83は、CPU82が実行するプログラム、及びそれに必要なデータを記憶している。RAM84は、CPU82がプログラムを実行する際に、作業領域として利用される。
【0055】
HUD表示器80は、HUD ECU81から表示命令を受けると、それに基づいて車両のウインドシールドWS(図5参照)に、道路表示、及び進行方法を示す矢印表示37(図3)を表示する。HUD表示器80と車両のウインドシールドWSとの関係を図5に基いて説明する。
【0056】
HUD表示器80は、ウインドシールドWSの下側から車両の内側へ延在するインストルメントパネル90の内部に配設されており、道路表示、及び進行方向を示す矢印表示37を映し出した液晶パネル91に対して、バックライト92で光を照射すると、液晶パネル91を透過した光が、ウインドシールドWSに入射し、運転席に着座した運転者の目に向けて矢印93のように反射することで、道路表示、及び進行方向を示す矢印表示37が、発光する光の線として運転者によって観察される。
【0057】
次に、図2に示した0から31までの各道路情報に対して、演算処理を行うためのルールについて説明する。このルールの実行によって、上述したように前方及び後方に区分された道路情報は、道路表示間隔を広げて疎化して表示されるように情報加工され、左右方向に区分された道路情報は、道路表示間隔を狭めて密化して表示されるように情報加工される。
【0058】
また、斜め方向に区分された道路情報は、斜め方向に区分された道路情報同士が所定の対称形に配置されて表示されるように情報加工される。これらの情報加工を行うルールが、零から六までの、7つの束ねルール(間引きルールとも言える)として構成されている。
【0059】
図1において、32本のうちの、どれかの注目道路情報をnとし、それに隣接する左右の道路情報をn+1及びn−1としたとき、図6に示される7つの束ねルールが適用される。
【0060】
例えば、図1における道路情報9をnとしたとき、n−1の道路情報は、道路情報19に該当し、n+1が道路情報10に該当する。図1においては、道路情報10に道路情報8及び9が束ねられて、密化する処理が行われる。このようにして、nの道路情報をn+1の道路情報に束ねるというのは、強制的にn+1の位置に、道路表示の位置を移動させることである。
【0061】
図7は、32本の各道路情報と、その道路情報に適応される束ねルールとの関係を表した設定表である。そして、上述のn、n−1及びn+1の道路情報は、図7の設定表では道路ビットと称する道路番号において、n+1に道路ビットの8番、nに道路ビットの7番、n−1に道路ビットの6番が付与されている。ここで、図7の設定表を参照すれば、道路ビット7番、即ち道路情報nに適応する束ねルールは、弐であることが判明する。
【0062】
図1の例では、n、n−1及びn+1のいずれにも、道路情報が入力されている。この場合、道路情報n、即ち道路ビットが7番の道路情報は、いずれかの道路情報に束ねられないと、道路表示本数が削減されない。図1においては、道路情報nは、n+1の道路情報に束ねられている。
【0063】
次に、図6に示された束ねルールについて説明する。図6の束ねルールは、今処理すべき注目道路情報nの前後の道路情報n−1、及びn+1を見て、いずれかの道路情報に束ねる等の処理を行うものである。
【0064】
この束ねルールの概要を述べれば、次の通りである。零から六までの束ねルールが定義されている。束ねルールを適用する対称となる道路ビットの隣同士の状態により、右に寄って表示するか、左に寄って表示するか、そのまま表示するかを、決定するものである。
【0065】
N本の道路表示が交差する交差点を、M本に削減する場合、(但し N > M、N及びMを方位数とする)、今、束ね処理を行うために注目した注目方位nと、その方位nに隣接する方位n−1及びn+1の方位に入力された道路情報に対し、位置を寄せる方向のルールを定義するのが束ねルール(位置寄せルールと言うことも出来る)である。
【0066】
走査順番(図7)は、このN方位の交差点の道路情報を、束ねルールに基いて演算する順番を定義するものである。そして、束ねルールは、上記交差点の道路情報の1本1本に対して定義される。なお、上記走査順番は、道路情報の1つ1つに対してカスタマイズ可能なため、どんな順番の要求にでも応えられる。以下、具体的に述べる。束ねルール零は、何も演算処理しないことを表すルールである。
【0067】
束ねルール壱は、道路情報nに隣接する道路情報n+1に道路情報がなければ、道路情報nを、道路情報n+1に移動させる。また、道路情報n+1に道路情報が存在すれば、道路情報n−1に道路情報nを束ねることを表している。即ち、束ねルール壱はn+1に道路情報がなければ、道路情報nを、n+1に移動させ、n+1に道路情報があれば、反射してn−1の位置に、道路情報nの道路表示を移動させることを示している。
【0068】
束ねルール弐は、n+1に道路情報がなければ、n+1の位置に道路情報nを移動させ、n+1に道路情報があれば、反射してn−1の位置を調べ、n−1に道路情報がなければ、道路情報nを、n−1に移動させる。更に、n−1に道路情報があれば、反射して、道路情報nを、n+1に移動させることを表している。
【0069】
束ねルール参は、道路情報nを、強制的に、n+1の位置に移動または束ねることを表している。
【0070】
束ねルール四は、道路情報n−1を確認して、n−1の位置に道路情報がなければ、道路情報nをn−1の位置に移動させ、n−1の位置に道路情報が存在すれば、反射して道路情報nを道路情報n+1に移動させる、すなわちn+1に吸収させることを表している。
【0071】
束ねルール五は、n−1に道路情報が無い場合は、n−1の位置に移動させ、n−1に道路情報が存在すれば、反射して、n+1の内容を調べる。そして、n+1の位置に道路情報がなければ、道路情報nをn+1に移動させ、n+1に道路情報があれば、反射してn−1の位置に、道路情報nの道路情報を移動させることを示している。
【0072】
束ねルール六は、強制的に道路情報nを、n−1に移動もしくは束ねることを表している。
【0073】
そして、前述のように、図7の設定表においては、道路情報n、即ちこの場合の道路ビット7番は、束ねルール弐が適用される。束ねルール弐は、n+1に道路情報がなければ、道路情報nを、n+1の位置に移動させ、n+1に道路情報が存在すれば、n−1の位置に道路情報nを移動させる。更に、n−1に道路情報あれば、更に反射して、道路情報nを、n+1に吸収させる。この場合、道路情報nである道路ビット7番の前後であるn+1及びn−1の位置には、いずれも道路情報が存在するから、道路情報nはn+1、即ち道路ビット8番に吸収される。
【0074】
なお、図1において、道路情報nに隣接して括弧書きした番号(7)は、図7の道路ビット7番の番号であり、n+1に隣接して括弧書きした(8)、及びn−1に隣接して括弧書きした(6)も、図7の道路ビットの番号である。
【0075】
このように、7つの種類から成る束ねルールが、設定表と称した、図4のRAM84の記憶領域に用意され、演算処理する道路情報nが、進行方向の前後であるのか、進行方向の左右であるのか、それらの間の斜めの区分に属する道路情報であるのかに応じて、適応する束ねルールを決定して、前述の第1情報加工乃至第3情報加工を行う。
【0076】
なお、図6の束ねルールにおいて、束ねルール弐及び五は、 n+1及びn−1の両方に道路情報が存在した場合は、n+1及びn+1のいずれかに、道路情報nが吸収される対称的なルールになっている。同様に、束ねルール壱と四、及び、参と六も、対称的なルールとなっている。
【0077】
次に、図7の設定表について、更に詳しく説明する。この図7は、32本の道路ビットに、束ねルールを設定した設定表である。走査順番を定義し、道路情報、及び矢印情報に束ねルールの番号を設定している。この設定表では、図2の道路ビット8番、及び24番(O=英数字オウ番)の水平方向が密、0番及び16番(G番)の、垂直方向が疎、斜め同士の方位が対称的となるように束ねルールが定義されている。
【0078】
ナビゲーション装置41(図4)からは、32本の道路情報が、ヘッドアップディスプレイ43に入力される。この32本の道路情報には、道路情報の番号である道路ビットが、図7のように、0番からV(Vは31を示す)番までの範囲で付与されている。この32本の道路情報は、ヘッドアップディスプレイ43においては、最大16本までの活用される道路情報に削減する必要がある。
【0079】
そのため、先ず、32本の道路情報の半分において、走査順番を付与する。この走査順番というのは、この走査順番が付与された道路情報に対してのみ、走査順番に書かれた順番で、コンピュータが演算処理することを示している。即ち、走査順番が付与されない道路ビット0番や2番については、コンピュータは、何も処理しないことを示している。
【0080】
そして、走査順番1番が付与された道路ビット1番に対しては、束ねルール参が適用される。また、走査順番2番が付与された道路ビット3番に対しては、束ねルール壱が適用される。更に、走査順番4番が付与された道路ビット7番に対しては、束ねルール弐が適用される。また、道路表示の進行方向を示す矢印表示37に対しても、道路情報と同じ束ねルールが適用される。
【0081】
なお、走査順番は、道路ビットに対して一つ飛ばしに付与されると共に、道路ビットの順番とは異なる順番で走査順番が付与される。即ち、図2に示したとおり、道路ビット1番から7番までに対しては、走査順番は、1番、2番、3番、4番のように矢印20の方向に付与される。そして、道路ビット8番からF番(=15番)までは、走査順番が、逆に、8番、7番、6番、5番と付与される。つまり、矢印21の方向に付与される。
【0082】
なお、図2において、0番、8番、24番(O=英数字オウ番)の道路ビットには、括弧書きで、図8の設定表に示された道路ビットの番号を付与した。即ち、道路情報16は、道路ビットで表記すれば、G番(=16番)であり、道路情報24は、道路ビットで表記すれば、O(オウ)番(=24番)に該当する。
【0083】
即ち、図7の設定表に表記したとおり、図2の象限IからIVに関して、走査順番は、象限Iについては、1番、2番、3番、4番の順番で、矢印20方向に付与されるが、象限IIについては、5番、6番、7番、8番の順番に、矢印21方向に付与され、象限IIIについては、9番、10番、11番、12番の順番で、矢印22方向に付与され、象限IVについては、16番、15番、14番、13番の逆回りに、矢印23方向に、走査順番が付与される。
【0084】
次に、上述したコンピュータ上の処理を、図8のフローチャートに基いて説明する。先ず、このサブルーチンがスタートすると、ステップS1において、ナビゲーション装置41から、道路ビット情報等の道路情報を、ヘッドアップディスプレイ43内に取り込む。そして、取り込んだ道路情報を、RAM84(図4)内の記憶領域(Road)に格納する。
【0085】
また、ステップS2において、矢印表示37のビット情報等を、ナビゲーション装置41からヘッドアップディスプレイ43が取り込む。そして取り込んだ矢印情報を、RAM84内の記憶領域(Arrow)に格納する。
【0086】
次に、ステップS3は、ステップS3からステップS8までの繰り返し処理の始まりとなるステップであって、0番からV(31)番までの道路ビットの道路情報に対して、ステップS4からステップS7までの処理を繰り返すことを意味している。このステップS3においては、道路ビット0番を指定するインデックス0と、道路ビットV(31)番を指定するインデックス31までが指定される。そして、上記インデックス0からインデックス31までの演算の繰り返しを開始する。
【0087】
ステップS4においては、各道路ビットの道路情報に対して、走査順番を指定する。換言すれば、上記インデックスの順に、図7の設定表の走査順番を決定する。
【0088】
そして、ステップS5では、各道路ビットと、各矢印情報に対して、束ねルールを指定する。換言すれば、ステップS4で決定した走査順番ごとに、束ねルールを決定する。
【0089】
次に、ステップS6において、各道路ビットの道路情報に対して、その道路ビットに対応する束ねルールを実行する。
【0090】
ステップS7においては、各矢印表示37に対して、その矢印表示37が関係する道路ビットと同じ種類の束ねルールを実行する。
【0091】
このようにして、一つの該当する道路ビット、及び矢印表示のインデックスに対して、上記S4からS7までの演算処理が終わったら、ステップS8において、ステップS3に戻って、次の走査順番に該当する、道路ビットの道路情報、及び矢印表示のインデックスに対して、上記S4からS7までの演算処理が行われる。そして、最後の道路ビットV(=31)番の道路情報、及び矢印表示37に対して、上記S4からS7までの演算処理が行われた後に、ループ(繰り返し)処理を終了し、エンドとなる。
【0092】
なお、ここで道路ビットは、0番からV(=31)番まであるが、走査順番は、1番から16番まで付与されるため、このステップS3以降のループ処理は、走査順番1番から16番までの処理にて終了する。即ち、ナビゲーション装置41(図4)から与えられた全ての道路ビットに対して、束ね処理等を実行するのでなく、間引いて実行される。これによって、ヘッドアップディスプレイ43においては、最大16本までの道路表示がなされる。
【0093】
(その他の実施形態)
本発明は、上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の第1実施形態では、車両の進行方向が、ウインドシールドWSの上方に位置するように表示されるヘディングアップ表示の例について述べたが、ウインドシールドWSの上方を、常に北の方位とするノースアップ表示にて、ヘッドアップディスプレイ43が、ウインドシールドWSに、交差点情報を表示する場合においても、本発明を適用することが出来る。
【0094】
図9は、図2の表示画像のノースアップ版である。この図9のノースアップ表示は、地図どおりに、北を常に上方に表示するため、車両の進行方向は、種々雑多の方向になる。従って、このノースアップ表示において、特に重要なのは、進行方向前後に対して、斜め方向に区分された道路表示の対称性である。そして、ノースアップ表示で表示するヘッドアップディスプレイ43の表示方法においては、第1実施形態で述べたとおりの処理を行った後、画像を所定方向に回転させ、ノースアップ表示とすることが出来る。
【0095】
この場合、ナビゲーション装置41(図4)内の図示されない操作手段の中に、ノースアップ表示と、ヘディングアップ表示の切替を行う操作スイッチを設け、この操作スイッチからの操作信号により、基本的にヘディングアップ表示で設定された画像を、所定方向に所定角度だけ回転させて、北が真上になるノースアップ表示に変更することが出来る。
【0096】
上記第1実施形態では、ヘッドアップディスプレイ43(図4)の解像度が比較的低く、ヘッドアップディスプレイ43内のデバイスの解像度により、ナビゲーション装置41から入力された道路情報に対して、ヘッドアップディスプレイ43で表示する道路表示にデザイン上の制約がある場合を示した。
【0097】
そして、この制約によって、道路情報を、上述の束ねルールによって間引くことを実行した。しかし、ヘッドアップディスプレイ43の解像度が向上した場合、及び表示すべき道路情報の本数が少ない場合は、間引きは、実行しなくともよく、単に、分かり易くきれいに見える道路表示の配置となるように、道路情報の表示位置を移動させるだけでも良い。
【符号の説明】
【0098】
0からV…道路ビットで表された道路番号
1番から13番…走査順番
零から六…束ねルール
n…注目道路情報
n+1…一方隣接道路情報
n−1…他方隣接道路情報
零…零ルール
壱…壱ルール
弐…弐ルール
参…参ルール
四…四ルール
五…五ルール
六…六ルール
41…ナビゲーション装置
43…ヘッドアップディスプレイ
WS…ウインドシールド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報を、自車の進行方向である前方、該前方に対する後方、前方及び後方の両側の左右方向、左右方向と前方及び後方方向との間の斜め方向の各方向の道路情報に区分し、
少なくとも斜め方向に区分された前記道路情報は、斜め方向に区分された前記道路情報同士が、所定の対称形に配置されて表示されるように情報加工され、
該情報加工された道路情報を用いてヘッドアップディスプレイ(43)にて自車のウインドシールド(WS)上に、道路表示の画像を表示することを特徴とするヘッドアップディスプレイの表示方法。
【請求項2】
前記ヘッドアップディスプレイ(43)によって、前記ウインドシールド(WS)上で表示された道路表示の画像は、北の方角が運転者の頭上方向となる、ノースアップ表示による交差点道路表示であることを特徴とする請求項1に記載のヘッドアップディスプレイの表示方法。
【請求項3】
ナビゲーション装置(41)から提供された道路情報を、自車の進行方向である前方、該前方に対する後方、前方及び後方の両側にある左右方向、左右方向と前方及び後方との間の斜め方向の各方向の道路情報に区分し、
前方及び後方に区分された道路情報は、道路表示間隔を広げて疎化して表示するように道路情報を加工する第1情報加工を行い、
左右方向に区分された道路情報は、道路表示間隔を狭めて密化して表示するように道路情報を加工する第2情報加工を行い、
斜め方向に区分された道路情報は、斜め方向に区分された道路情報同士が、所定の対称形に配置されて表示されるように、道路情報を加工する第3情報加工を行い、
該第1乃至第3情報加工にて加工された道路情報を用いて、ヘッドアップディスプレイ(43)にて、自車のウインドシールド(WS)上に、道路表示の画像を表示することを特徴とするヘッドアップディスプレイの表示方法
【請求項4】
前記ウインドシールド(WS)での前記道路表示は、進行方向が、運転者の頭上方向となるヘディングアップ表示、または北の方角が、運転者の頭上方向となるノースアップ表示のいずれかで表示されることを特徴とする請求項3に記載のヘッドアップディスプレイの表示方法。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置(41)から提供された前記道路情報の最大本数より少ない所定本数で、前記ヘッドアップディスプレイ(43)が、前記ウインドシールド(WS)上に、前記道路表示の画面を表示するものから成り、
前記ナビゲーション装置(41)から提供された前記道路情報に、道路番号(0番からV番)を付与し、
各前記道路番号(0番からV番)の道路情報のうちの所定本数の道路情報に、コンピュータが演算処理する順番である走査順番(1番から13番)を付与し、
少なくとも前記走査順番(1番から13番)が付与された前記道路情報に、適用すべき束ねルールの番号であるルール番号(零から六)を付与して、前記走査順番(1番から13番)を付与した前記道路情報の各々に対応する前記束ねルール(零から六)を決定し、
予め前記コンピュータ内に格納された前記束ねルール(零から六)を実行するためのプログラムを使用して、前記走査順番(1番から13番)に従って、前記走査順番(1番から13番)が付与された前記道路情報ごとに、対応する前記束ねルール(零から六)を用いて演算処理することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイの表示方法。
【請求項6】
前記ナビゲーション装置(41)から提供された前記道路情報に、前記道路番号(0からV)を付与するときに、前記道路情報の中の特定の注目道路情報と、該注目道路情報を中心として左右に隣接する2つの隣接道路情報とが、順番に並ぶように前記道路番号(0番からV番)が付与され、
前記注目道路情報をnとし、前記隣接道路情報のうちの一方隣接道路情報をn+1とし、かつ他方隣接道路情報をn−1としたとき、前記注目道路情報nに対して適用される前記束ねルール(零から六)は、
何も演算処理しない束ねルール零、
前記注目道路情報nに隣接する前記一方隣接道路情報n+1に前記道路情報がなければ、前記注目道路情報nを、前記一方隣接道路情報n+1に移動させ、前記一方隣接道路情報n+1に前記道路情報が存在すれば、前記他方隣接道路情報n−1に、前記注目道路情報nを移動させるルール壱、
前記一方隣接道路情報n+1に道路情報がなければ、前記一方隣接道路情報n+1の位置に、前記注目道路情報nを移動させ、前記一方隣接道路情報n+1に、前記道路情報があれば、反射して前記他方隣接道路情報n−1の位置を調べ、前記他方隣接道路情報n−1に道路情報がなければ、前記注目道路情報nを、前記他方隣接道路情報n−1に移動させ、前記他方隣接道路情報n−1に前記道路情報があれば、反射して前記注目道路情報nを、前記一方隣接道路情報n+1に移動させる束ねルール弐、
前記注目道路情報nを、強制的に前記一方隣接道路情報n+1の位置に移動または束ねる束ねルール参、
前記他方隣接道路情報n−1を確認して、前記他方隣接道路情報n−1の位置に、前記道路情報がなければ、前記注目道路情報nを、前記他方隣接道路情報n−1の位置に移動させ、前記他方隣接道路情報n−1の位置に、前記道路情報が存在すれば、反射して前記注目道路情報nを、前記一方隣接道路情報n+1に移動させる束ねルール四、
前記他方隣接道路情報n−1に、前記道路情報が無い場合は、前記他方隣接道路情報n−1の位置に、前記注目道路情報nを移動させ、前記他方隣接道路情報n−1に、前記道路情報が存在すれば、反射して前記一方隣接道路情報n+1の内容を調べ、前記一方隣接道路情報n+1の位置に、前記道路情報がなければ、前記注目道路情報nを、前記一方隣接道路情報n+1に移動させ、前記一方隣接道路情報n+1に、前記道路情報があれば、反射して前記他方隣接道路情報n−1の位置に、前記注目道路情報nを移動させる束ねルール五、及び
強制的に、前記注目道路情報nを、前記他方隣接道路情報n−1の位置に移動もしくは束ねる束ねルール六からなることを特徴とする請求項5に記載のヘッドアップディスプレイの表示方法。
【請求項7】
前記ヘディングアップ表示、または前記ノースアップ表示のいずれかの一方の表示を行うように前記第1情報加工乃至前記第3情報加工を行い、
前記ヘディングアップ表示、または前記ノースアップ表示のいずれかの他方の表示が、選択されたとき、前記第1情報加工乃至前記第3情報加工によって得られた画像情報を回転させることを特徴とする請求項4に記載のヘッドアップディスプレイの表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−164343(P2010−164343A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5078(P2009−5078)
【出願日】平成21年1月13日(2009.1.13)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】