説明

ヘルメット警報設備

【課題】作業者に対して十分に警報を伝えることができるヘルメット警報設備を提供すること。
【解決手段】本発明は、警報発信用ヘルメット2Aには、危険信号を入力する警報情報入力部15と、危険信号を送信する送信部23と、警報を出力する警報情報出力部21と、危険信号に対する応答信号を受信する応答情報受信部12とを有する警報発信手段が組み合わされ、警報受信用ヘルメット3Aには、危険信号を受信する警報情報受信部26と、危険信号を受信することで警報を出力する警報情報出力部21と、応答信号を入力する応答情報入力部27と、応答信号を送信する送信部33とを有する警報受信手段が組み合わされ、警報受信手段の警報情報受信部26では、送信部23から応答信号を送信した後、出力中の警報を停止し、警報発信手段の警報情報出力部21では、応答情報受信部12で応答信号を受信した後、出力中の警報を停止するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に線路工事用として用いられるヘルメット警報設備に関する。
【背景技術】
【0002】
道路工事や線路工事は夜間に行われることが多く、監視者が監視し、この監視者から作業者に対して車両の侵入状況を伝達することで作業の安全を図っている。
一般的には、誘導灯や無線機を用いることが多いが、誘導灯に無線機を一体に設けることで監視者の負担を軽減し、安全性を高めるものが提案されている(特許文献1)。
また、誘導灯にあって、発光部の発光色を変更することで状況の変化を知らせるとともに、通信機能を持たせて一方の誘導灯からの操作によって他方の誘導灯の発光状況を変更することも提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開平10−321002号公報
【特許文献2】特開平11−66924号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、これら誘導灯による警報は、特に工事現場の作業者にとっては必ずしも十分な伝達機能を持たず、近年においても事故が後を絶たない状況にある。
【0004】
そこで本発明は、作業者に対して十分に警報を伝えることができるヘルメット警報設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の本発明のヘルメット警報設備は、危険信号を送信する警報発信用手段と、前記警報発信用手段からの危険信号を受信する警報受信用ヘルメットとを備え、前記警報発信用ヘルメットに関連した警報発信手段は、危険信号を入力する警報情報入力部と、前記警報情報入力部で入力された前記危険信号を送信する送信部と、前記送信部から前記危険信号を送信することで警報を出力する警報情報出力部と、前記送信部から送信した前記危険信号に対する応答信号を受信する応答情報受信部とを有し、前記警報受信用ヘルメットに関連した警報受信手段は、前記警報情報出力部から出力された前記危険信号を受信する警報情報受信部と、前記警報情報受信部で前記危険信号を受信することで警報を出力する警報情報出力部と、前記受信部で受信した前記危険信号に対する応答信号を入力する応答情報入力部と、前記応答情報入力部で入力された前記応答信号を送信する送信部とを有し、前記警報受信手段における前記警報情報受信部では、前記送信部から前記応答信号を送信した後、出力中の前記警報を停止し、前記警報発信用ヘルメットにおける前記警報情報出力部では、前記応答情報受信部で前記応答信号を受信した後、出力中の前記警報を停止することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、ヘルメット警報設備線路などに載置して危険信号を送信する警報発信用ユニットを備え、前記警報発信用ユニットには、電車などの接近又は通過を検知する物体検出部と、前記物体検出部で検知された危険信号を送信する送信部とを有し、前記警報受信手段は、前記警報発信用ユニットからの前記危険信号を前記警報情報受信部にて受信し、前記警報発信用ユニットからの前記危険信号を受信することで前記警報情報出力部から警報を出力することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載のヘルメット警報設備において、前記警報発信用ヘルメットと前記警報受信用ヘルメットのうちの少なくとも前記警報受信用ヘルメットと前記警報発信用ユニットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、前記警報発信用ユニットの前記送信部では、前記警報発信用ユニットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を発信し、前記警報受信手段の前記送信部では、前記警報受信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を発信し、発信された前記ユニット位置情報と前記ヘルメット位置情報とを用いて、前記警報発信用ユニットと前記警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算手段を含むことを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、前記警報発信用ヘルメットと前記警報受信用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、前記警報発信用ヘルメットの前記送信部では、前記警報発信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、前記警報受信用ヘルメットの前記送信部では、前記警報受信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を前記管理サーバに送信し、前記管理サーバには、前記警報発信用ヘルメットの前記送信部からの前記危険信号と前記位置情報、及び前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報を受信する受信部と、前記警報発信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報と、前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とから、前記警報発信用ヘルメットと前記警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、前記演算部で演算した距離情報と、前記警報発信用ヘルメットからの前記危険信号とを前記警報受信用ヘルメットに送信する送信部とを有し、前記警報受信用ヘルメットでは、前記管理サーバの前記送信部から送信された前記警報発信用ヘルメットの前記危険信号を受信すると、前記演算部で演算された前記距離情報に応じた警報を前記警報情報出力部から出力することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、前記警報発信用ヘルメットおよび/又は前記警報受信用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部と、録画又は録音を行う画像・音声情報入力部と、パケット交換方式や回線交換方式などの通信方式を決定する送信方式決定部と、前記送信方式決定部で決定した通信方式にデータを変換するデータ変換部とを有し、前記警報発信手段および/または前記警報受信手段の前記送信部から、前記現在位置情報受信部で受信した前記位置情報とともに、前記画像・音声情報入力部で入力された画像・音声情報を管理サーバに送信し、前記管理サーバでは、受信した前記画像・音声情報を、前記位置情報とともにデータ蓄積又は出力することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、前記警報発信用ヘルメットおよび/又は前記警報受信用ヘルメットには、画像・音声情報を受信する画像・音声情報受信部と、受信した前記画像・音声情報を出力する画像・音声情報出力部とを有することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、前記警報受信用ヘルメットとして、リーダー用ヘルメットと一般用ヘルメットとを備え、前記リーダー用ヘルメットと前記一般用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、前記リーダー用ヘルメットの前記送信部では、前記リーダー用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、前記一般用ヘルメットの前記送信部では、前記一般用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を前記管理サーバに送信し、前記管理サーバには、前記リーダー用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報と前記一般用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とを受信する受信部と、前記リーダー用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報と、前記一般用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とから、前記リーダー用ヘルメットと前記一般用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、演算した前記距離が所定距離以上であるか否かを判断する距離判断部と、前記距離判断部で所定距離以上であると判断した場合には、前記リーダー用ヘルメット及び前記一般用ヘルメットに対して危険信号を送信する送信部とを有し、前記リーダー用ヘルメット及び前記一般用ヘルメットでは、前記管理サーバの前記送信部から送信された前記危険信号を受信すると、警報を前記警報情報出力部から出力することを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、電車などに搭載して位置情報を送信する車載発信用ユニットを備え、前記車載発信用ユニットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部と、前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信する送信部とを有し、前記警報受信用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、前記警報受信用ヘルメットの前記送信部では、前記警報受信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、前記管理サーバには、前記車載発信用ユニットの前記送信部からの前記位置情報と前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とを受信する受信部と、前記車載発信用ユニットの前記送信部からの前記位置情報と、前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とから、前記車載発信用ユニットと前記警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、演算した前記距離が所定距離以下であるか否かを判断する距離判断部と、前記距離判断部で所定距離以下であると判断した場合には、前記警報受信用ヘルメットに対して危険信号を送信する送信部とを有し、前記警報受信用ヘルメットでは、前記管理サーバの前記送信部から送信された前記危険信号を受信すると、警報を前記警報情報出力部から出力することを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、前記警報情報出力部として、振動によって警報を出力するバイブレーションユニットを設け、前記バイブレーションユニットを、顎紐又はベルトに装着することを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項1に記載のヘルメット警報設備において、前記警報発信用ヘルメット及び前記警報受信用ヘルメットには、蓄電可能な電源部と、非接触状態の外部交番磁界に対して誘起電圧を発生させる誘起電圧発生部と、前記誘起電圧発生部で発生させた交流電圧を整流する整流部とを有し、前記整流部で整流された電流によって前記電源部への充電を行うことを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項10に記載のヘルメット警報設備において、前記警報発信用ヘルメット及び前記警報受信用ヘルメットを載置するヘルメットラックに、前記外部交番磁界を発生させる充電部を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、危険信号を送信したか否か、危険信号を無事受信したか否かなどを確実に監視者や作業者に伝えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の第1の実施の形態によるヘルメット警報設備は、警報発信手段には、危険信号を入力する警報情報入力部と、警報情報入力部で入力された危険信号を送信する送信部と、送信部から危険信号を送信することで警報を出力する警報情報出力部と、送信部から送信した危険信号に対する応答信号を受信する応答情報受信部とを有し、警報受信用手段には、警報情報出力部から出力された危険信号を受信する警報情報受信部と、警報情報受信部で危険信号を受信することで警報を出力する警報情報出力部と、受信部で受信した危険信号に対する応答信号を入力する応答情報入力部と、応答情報入力部で入力された応答信号を送信する送信部とを有している。そして、本実施の形態によるヘルメット警報設備は、警報受信用ヘルメットにおける警報情報受信部では、送信部から応答信号を送信した後、出力中の警報を停止し、警報発信用ヘルメットにおける警報情報出力部では、応答情報受信部で応答信号を受信した後、出力中の警報を停止するものである。警報の停止は、応答信号の送受信したときに発生する停止信号により停止される、あるいは、送受信の後の所定時期後に停止される、あるいは、手動で停止するように構成することもできる。本実施の形態によれば、警報発信用ヘルメットおよび/または警報発信手段と警報受信用ヘルメットおよび/または警報受信手段のいずれにも警報情報出力部を備えており、危険信号を送信したか否か、危険信号を無事受信したか否かなどを確実に作業者に伝えることができる。なお、警報発信手段は、警報発信用ヘルメットに着脱自在に装着され、あるいは、警報発信用ヘルメットと電気的に接続される接続可能な接続端子を有することが好ましい。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、線路などに載置して危険信号を送信する警報発信用ユニットを備え、警報発信用ユニットには、電車などの接近又は通過を検知する物体検出部と、物体検出部で検知された危険信号を送信する送信部とを有している。そして、本実施の形態によるヘルメット警報設備は、警報受信用手段では、警報発信用ユニットからの危険信号を警報情報受信部にて受信し、警報発信用ユニットからの危険信号を受信することで警報情報出力部から警報を出力するものである。本実施の形態によれば、警報発信用ヘルメットとともに警報発信用ユニットを用いることで、警報発信用ヘルメットの装着者に異変が生じて危険信号が発せられない場合であっても、警報発信用ユニットからの危険信号によって危険を回避することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報発信用ヘルメットと警報受信用ヘルメットのうちの少なくとも警報受信用ヘルメットと警報発信用ユニットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、警報発信用ユニットの送信部では、警報発信用ユニットの現在位置情報受信部で受信した位置情報を、警報発信用ヘルメット、警報発信手段、または管理サーバに発信し、警報受信用ヘルメットの送信部では、警報受信用ヘルメットの現在位置情報受信部で受信した位置情報を、警報発信用ヘルメット、警報発信手段、または管理サーバに発信し、発信されたユニット位置情報とヘルメット位置情報とを用いて、警報発信用ユニットと警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算手段を含んでいる。本実施の形態によれば、あらかじめ設置している警報発信用ユニットと、警報受信用ヘルメットを装着している作業者との距離を作業者に伝えることができるので、電車などの接近状況を作業者に正確に伝えることができ安全性を高めることができる。
本発明の第4の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報発信用ヘルメットと警報受信用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、警報発信用ヘルメットの送信部では、警報発信用ヘルメットの現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、警報受信用ヘルメットの送信部では、警報受信用ヘルメットの現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、管理サーバには、警報発信用ヘルメットの送信部からの危険信号と位置情報、及び警報受信用ヘルメットの送信部からの位置情報を受信する受信部と、警報発信用ヘルメットの送信部からの位置情報と、警報受信用ヘルメットの送信部からの位置情報とから、警報発信用ヘルメットと警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、演算部で演算した距離情報と、警報発信用ヘルメットからの危険信号とを警報受信用ヘルメットに送信する送信部とを有している。そして、本実施の形態によるヘルメット警報設備は、警報受信用ヘルメットでは、管理サーバの送信部から送信された警報発信用ヘルメットの危険信号を受信すると、演算部で演算された距離情報に応じた警報を警報情報出力部から出力するものである。本実施の形態によれば、現場において警報受信用ヘルメットを装着している作業者が移動し、警報発信用ヘルメットを装着している監視者が、この作業者の移動を把握できていない場合であっても、電車の接近状況を作業者に正確に伝えることができ安全性を高めることができる。
本発明の第5の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報発信用ヘルメット又は警報受信用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部と、録画又は録音を行う画像・音声情報入力部と、パケット交換方式や回線交換方式などの通信方式を決定する送信方式決定部と、送信方式決定部で決定した通信方式にデータを変換するデータ変換部とを有している。そして、本実施の形態によるヘルメット警報設備は、現在位置情報受信部と関連した警報発信手段および/または警報受信手段の送信部から、現在位置情報受信部で受信した位置情報とともに、画像・音声情報入力部で入力された画像・音声情報を例えば管理サーバに送信し、管理サーバでは、受信した画像・音声情報を、位置情報とともにデータ蓄積又は出力するものである。本実施の形態によれば、各地点での現場状況を位置情報とともに把握できるために、例えば災害状況などを正確に把握することができる。
本発明の第6の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報発信用ヘルメットおよび/又は警報受信用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部と、録画又は録音を行う画像・音声情報入力部と、パケット交換方式や回線交換方式などの通信方式を決定する送信方式決定部と、送信方式決定部で決定した通信方式にデータを変換するデータ変換部とを有し、現在位置情報受信部と関連した警報発信手段および/または警報受信手段の送信部から、現在位置情報受信部で受信した位置情報とともに、画像・音声情報入力部で入力された画像・音声情報を発信するものである。本実施の形態によれば、現場にいる作業者に、遠隔地から画像や音声を伝達することができるので、各種の作業指示を正確に伝達することができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報受信用ヘルメットとして、リーダー用ヘルメットと一般用ヘルメットとを備え、リーダー用ヘルメットと一般用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、リーダー用ヘルメットの送信部では、リーダー用ヘルメットの現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、一般用ヘルメットの送信部では、一般用ヘルメットの現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、管理サーバには、リーダー用ヘルメットの送信部からの位置情報と一般用ヘルメットの送信部からの位置情報とを受信する受信部と、リーダー用ヘルメットの送信部からの位置情報と、一般用ヘルメットの送信部からの位置情報とから、リーダー用ヘルメットと一般用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、演算した距離が所定距離以上であるか否かを判断する距離判断部と、距離判断部で所定距離以上であると判断した場合には、リーダー用ヘルメット及び一般用ヘルメットに対して危険信号を送信する送信部とを有している。そして、本実施の形態によるヘルメット警報設備は、リーダー用ヘルメット及び一般用ヘルメットでは、管理サーバの送信部から送信された危険信号を受信すると、警報を警報情報出力部から出力するものである。本実施の形態によれば、作業現場において、仮に作業者が予定範囲から外れる位置に取り残された場合に、予定範囲外になったことを把握することができ、はぐれ作業者を無くし、安全性を高めることができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、電車などに搭載して位置情報を送信する車載発信用ユニットを備え、車載発信用ユニットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部と、現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信する送信部とを有し、警報受信用ヘルメットには、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、警報受信用ヘルメットの送信部では、警報受信用ヘルメットの現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、管理サーバには、車載発信用ユニットの送信部からの位置情報と警報受信用ヘルメットの送信部からの位置情報とを受信する受信部と、車載発信用ユニットの送信部からの位置情報と、警報受信用ヘルメットの送信部からの位置情報とから、車載発信用ユニットと警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、演算した距離が所定距離以下であるか否かを判断する距離判断部と、距離判断部で所定距離以下であると判断した場合には、警報受信用ヘルメットに対して危険信号を送信する送信部とを有している。そして、本実施の形態によるヘルメット警報設備は、警報受信用ヘルメットでは、管理サーバの送信部から送信された危険信号を受信すると、警報を警報情報出力部から出力するものである。本実施の形態によれば、電車が危険区域まで接近したことを伝えることができるので、安全性を確保することができる。
本発明の第9の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報情報出力部として、振動によって警報を出力するバイブレーションユニットを設け、バイブレーションユニットを、顎紐又はベルトに装着するものである。本実施の形態によれば、バイブレーションユニットによる振動を装着者に確実に伝達することができる。
本発明の第10の実施の形態は、第1の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報発信用ヘルメット及び警報受信用ヘルメットには、蓄電可能な電源部と、非接触状態の外部交番磁界に対して誘起電圧を発生させる誘起電圧発生部と、誘起電圧発生部で発生させた交流電圧を整流する整流部とを有し、整流部で整流された電流によって電源部への充電を行うものである。本実施の形態によれば、未接点充電システムとすることで、充電を容易に行うことができるとともに防水効果もある。
本発明の第11の実施の形態は、第10の実施の形態によるヘルメット警報設備において、警報発信用ヘルメット及び警報受信用ヘルメットを載置するヘルメットラックに、外部交番磁界を発生させる充電部を設けたものである。本実施の形態によれば、ヘルメットラックに置くだけで充電を行うことができる。
【実施例】
【0008】
以下本発明の実施例について図面とともに詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例によるヘルメット警報設備の使用状況を示す説明図、図2は同ヘルメット警報設備で用いる警報発信用ヘルメットの機能ブロック図、図3は同ヘルメット警報設備で用いるリーダー用の警報発信用ヘルメットの機能ブロック図、図4は同ヘルメット警報設備で用いる一般用の警報発信用ヘルメットの機能ブロック図、図5は同ヘルメット警報設備で用いる警報発信用ユニットの機能ブロック図、図6は同ヘルメット警報設備で用いる車載発信用ユニットの機能ブロック図、図7は同ヘルメット警報設備で用いる管理サーバの機能ブロック図である。
【0009】
図1に示すように、線路1の工事においては、監視者2が、作業者3、4、5、6から離れた位置で電車7の接近を監視する。
本実施例においては、監視者2は警報発信用ヘルメット2Aを装着している。また、作業現場のリーダーである作業者3は、リーダー用の警報受信用ヘルメット3Aを装着している。また、その他の作業者4、5、6は、それぞれ一般用の警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aを装着している。
また、線路の所定の位置には、警報発信用ユニット8が載置され、電車7には、車載発信用ユニット7Aが搭載されている。
警報発信用ヘルメット2A、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6A、車載発信用ユニット7A、及び警報発信用ユニット8は、管理サーバ9との間で情報の送受信が可能な構成となっている。
本実施例における警報発信用ヘルメット2A、車載発信用ユニット7A、及び警報発信用ユニット8は、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aを装着している作業者に電車7の接近を警告するものである。
【0010】
次に図2を用いて同ヘルメット警報設備で用いる警報発信用ヘルメットの機能について説明する。
警報発信用ヘルメット2Aは、GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部11と、危険信号に対する応答信号を受信する応答情報受信部12と、画像・音声情報を受信する画像・音声情報受信部13と、録画又は録音を行う画像・音声情報入力部14と、危険信号を入力する警報情報入力部15と、電源部16の放電状態を検出する電源検出部17とを備えており、これらの受信、入力、及び検出情報は制御部18によって処理される。電源部16は、蓄電可能な二次電池で構成されている。また、警報発信用ヘルメットは、非接触状態の外部交番磁界に対して誘起電圧を発生させる誘起電圧発生部19と、誘起電圧発生部19で発生させた交流電圧を整流する整流部20とを有し、整流部20で整流された電流によって電源部16への充電を行う。
また、警報発信用ヘルメット2Aは、警報を、音、光、振動のいずれかとして出力する警報情報出力部21と、受信又は入力した画像・音声情報を出力する画像・音声情報出力部22と、現在位置情報受信部11で受信した位置情報信号や画像・音声情報入力部14で入力された画像・音声情報を送信する送信部23とを備えている。送信部23から送信される情報は、送信方式決定部24にて、パケット交換方式や回線交換方式などの通信方式が決定され、送信方式決定部24で決定した通信方式にデータ変換部25にてデータが変換される。ここで、送信方式決定部24は、データの種類や現場の状況に応じた条件によってあらかじめ設定している通信方式とする場合の他、警報発信用ヘルメット2Aの装着者の操作によって決定できることが好ましい。また、管理サーバ9からの送信データによって決定されるものであってもよい。
【0011】
本実施例による警報発信用ヘルメット2Aでは、警報情報入力部15から危険信号が入力され、この危険信号が送信部23から送信されることで、警報情報出力部21によって警報が出力される。この警報によって、危険信号を送信したことを監視者2は確認することができる。
また、警報発信用ヘルメット2Aでは、この危険信号に対する応答信号を応答情報受信部12にて受信すると、警報情報出力部21による警報の出力を停止する。この警報の出力停止によって、作業者3が危険信号を把握したことを確認することができる。
また、警報発信用ヘルメット2Aでは、電源部16において所定値以上に放電したことを電源検出部17によって検出した場合にも、警報情報出力部21から警報を出力する。
また、警報発信用ヘルメット2Aでは、現在位置情報受信部11で受信した位置情報とともに、画像・音声情報入力部14で入力された画像・音声情報を送信部23から送信することで、現在位置における状況を画像や音声によって伝達することができる。
また、警報発信用ヘルメット2Aでは、現在位置情報受信部11で受信した位置情報とともに、警報情報入力部15で入力された危険信号を送信部23から送信することで、電車などの物体の接近状況を伝達することができる。
【0012】
次に図3を用いて同ヘルメット警報設備で用いるリーダ−用の警報受信用ヘルメットの機能について説明する。なお、リーダー用の警報受信用ヘルメット3Aにおいて、警報発信用ヘルメット2Aと同一機能を有する構成には、同一符号を付して説明を省略する。
リーダー用の警報受信用ヘルメット3Aは、危険情報を受信する警報情報受信部26と、危険信号に対する応答信号を入力する応答情報入力部27とを備えている。
本実施例による警報受信用ヘルメット3Aでは、警報情報受信部26で危険信号を受信することで、警報情報出力部21によって警報が出力される。この警報によって、危険信号を受信したことをリーダー3は確認することができる。
また、警報受信用ヘルメット3Aでは、この危険信号に対する応答信号を応答情報入力部27にて入力し、送信部23から応答情報が送信されると、警報情報出力部21による警報の出力を停止する。この警報の出力停止によって、監視者2に対して応答信号を返信したことを確認することができる。
また、警報受信用ヘルメット3Aでは、現在位置情報受信部11で受信した位置情報を定期的に管理サーバ9に送信することで、危険信号を発信した発信元との距離を管理サーバ9にて判断することができるので、電車などの物体の接近状況の正確な情報を得ることができる。
【0013】
次に図4を用いて同ヘルメット警報設備で用いる一般用の警報受信用ヘルメットの機能について説明する。なお、一般用の警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aにおいて、リーダー用の警報受信用ヘルメット3Aと同一機能を有する構成には、同一符号を付して説明を省略する。
一般用の警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aでは、危険信号に対する応答信号を入力する応答情報入力部27の代わりに、警報停止入力部28を備えている。
本実施例による警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aでは、警報情報受信部26で危険信号を受信することで、警報情報出力部21によって警報が出力される。この警報によって、危険信号を受信したことを作業者4、5、6は確認することができる。
警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aでは、この危険信号に対する停止信号を警報停止入力部28にて入力することで、警報情報出力部21による警報の出力を停止する。
また、警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aでは、現在位置情報受信部11で受信した位置情報を定期的に管理サーバ9に送信することで、危険信号を発信した発信元との距離を管理サーバ9にて判断することができるので、電車などの物体の接近状況の正確な情報を得ることができる。なお、警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aでは、現在位置情報受信部11を備えず、リーダー用の警報受信用ヘルメット3Aからの位置情報を用いて電車などの物体の近接状況の情報を得るようにしてもよい。
【0014】
次に図5を用いて同ヘルメット警報設備で用いる警報発信用ユニットの機能について説明する。なお、警報発信用ユニット8において、警報発信用ヘルメット2Aと同一機能を有する構成には、同一符号を付して説明を省略する。
警報発信用ユニット8は、警報情報入力部15の代わりに、物体検出部29を備えている。本実施例のように電車の近接を検知するには、物体検出部29として、ドップラーレーダーを用いるものが適している。
本実施例による警報発信用ユニット8では、物体検出部29で電車の近接又は通過を検知すると、危険信号が送信部23から送信される。このとき、送信部23から送信する情報に、現在位置情報受信部11で受信した位置情報をあわせて送信することが好ましい。なお、警報発信用ユニット8の場合には、設置したタイミングであらかじめ位置情報を送信しておいてもよく、その場合には、危険信号とともに送信する必要はない。
【0015】
次に図6を用いて同ヘルメット警報設備で用いる車載発信用ユニットの機能について説明する。なお、車載発信用ユニット7Aにおいて、警報発信用ヘルメット2Aと同一機能を有する構成には、同一符号を付して説明を省略する。
車載発信用ユニット7Aでは、現在位置情報受信部11で受信した位置情報を定期的に送信部23から送信する。このように位置情報を定期的に送信することで、電車の位置を常に把握し、管理サーバ9にて作業者との位置関係を演算して、所定の距離に近づいた場合には、危険信号を管理サーバ9から送信することができる。
【0016】
次に図7を用いて同ヘルメット警報設備で用いる管理サーバの機能について説明する。
管理サーバ9は、警報発信用ヘルメット2A、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6A、車載発信用ユニット7A、及び警報発信用ユニット8の送信部23から送信される情報を受信する受信部31と、受信部31で受信した情報を処理する制御部32、制御部32で処理した情報を、警報発信用ヘルメット2A、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6A、車載発信用ユニット7A、及び警報発信用ユニット8に対して送信する送信部33とを備えている。
制御部32には、警報発信側の位置情報と、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aの位置情報とから距離を演算する距離演算部34を備えている。ここで警報発信側の位置情報としては、警報発信用ヘルメット2A、車載発信用ユニット7A、及び警報発信用ユニット8からの位置情報である。
また、制御部32には、この距離演算部34で演算した結果から、あらかじめ設定した距離になっているか否かを判断する距離判断部35を備えている。
この距離判断部35では、警報発信側の位置情報と、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aの位置情報とから演算した距離を、危険度合いに応じて、第1の距離以内、第2の距離以内、第3の距離以内として判断してもよい。このように管理サーバ9において危険度合いに応じた信号を送信することで、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aにおいて、危険度合いに応じた警報情報を出力することができる。例えば発光ランプの点滅の早さを危険度合いに応じて変更し、又は、光だけの警報から、危険な状況になるにしたがって、光と音の警報、光と音と振動の警報とすることもできる。このような危険度合いに応じた距離を判断することは、特に車載発信用ユニット7Aの位置情報を用いる場合に有効である。
また、距離演算部34において、リーダー用ヘルメット3Aから送信された位置情報と、一般用ヘルメット4A、5A、6Aから送信された位置情報とから、リーダー用ヘルメット3Aと一般用ヘルメット4A、5A、6Aとの距離を演算し、距離判断部35において、演算した距離が所定距離以上であるか否かを判断する。そして、距離判断部35で所定距離以上であると判断した場合には、リーダー用ヘルメット3A及び一般用ヘルメット4A、5A、6Aに対して危険信号を送信し、警報を発することで、作業者4、5、6がリーダー3から離れすぎることを防止することができる。
【0017】
また、管理サーバ9には、記憶部36を備え、記憶部36には、位置情報とともに画像・音声情報を記憶する画像・音声情報記憶部37や、作業内容など現場の作業者3、4、5、6に送信するための情報を記憶する送信情報記憶部38を備えている。
画像・音声情報記憶部37に記憶させる情報は、監視者2や作業者3、4、5、6からの操作によって管理サーバ9に送信する場合の他、指示部39からの指示情報を送信部33から送信することで、管理サーバ9で受信するようにしておくことが好ましい。
また、送信情報記憶部38の情報の送信は、指示部39からの指示によって行う。
【0018】
次に、本実施例に用いるヘルメットについて以下に説明する。
また、図8は、本発明の一実施例によるヘルメット警報設備に用いるヘルメットの左斜視図、図9は同ヘルメットの右斜視図、図10は、同ヘルメットに装着する多機能ユニットの右斜視図、図11は、同多機能ユニットの底面図、図12は、多機能ユニットをヘルメットに装着したときの正面図、図13は、同側面図である。
【0019】
ポリカーボネート樹脂で成型されたヘルメット41には溝部42が形成されている。ヘルメット41の前頭部には鍔部43を有し、前頭部の溝部42の底面には透明窓44が形成されている。
多機能ユニット50と溝部42との係合手段は、凹部45によって形成され、多機能ユニット50に設けられた凸部51と係合する。溝46は、多機能ユニット50に設けられた各種端子およびメモリー着脱口に下に設けられた着脱・挿入のためのスペースである。
ベルト47は、ヘルメット41の両側部にそれぞれ設けている。一対のベルト47は顎紐48によってつながっている。装着者は、ヘルメット41を装着したときに、透明窓44を通して上が見えるようになっている。ヘルメット41は、多機能ユニット50を装着せずに使用することもできる。
ベルト47には、バイブレーションユニット49を装着している。このようにベルト47にバイブレーションユニット49を装着することで、振動を装着者に確実に伝達することができる。なお、バイブレーションユニット49は、顎紐48に装着してもよい。
【0020】
ポリカーボネート樹脂で成型された多機能ユニット50は、係合手段としての凸部51を凹部45に係合させることで、溝部42に嵌め込まれる。
多機能ユニット50には、撮影用対物レンズ52が設けられ、シャッターボタン53によって、静止画像、動画像の撮影を行うことができる。例えば、シャッターボタン53の通常の押圧で、静止画像の撮影が行われ、5秒間等の長い連続した押圧で、動画像の撮影が行われるようになっており、制御回路は、図示しないが、多機能ユニット50の内部に設けている。
パワースィッチ54は、内蔵される電源部をオン・オフする。オンの場合、表示部55が点灯する。また、電源部の電圧低下を電源検出部で検出したときには、この表示部55が点滅することで警報を発する。なお、点滅の間隔の長さで、緊急性を表示することができる。電源部の無接点電源端子56は、図示しないヘルメットラックから充電を行えるようになっている。無接点電源端子56へのヘルメットラック側の充電部は、溝46に配置される。
出力端子57は、内蔵の受信回路(図示されず)の外部への出力端子であり、例えば、イヤホーンジャックを挿入することで、無線で受信回路に送信された内容をイヤホンにて知ることができるように構成されている。なお、多機能ユニット50には、送信部や受信部が内蔵されているが図示を省略する。撮影画像情報やマイクロフォン58の音声情報は、送信部から無線で送信される。なお、メモリー素子用スロット59にメモリーを挿入して、撮影画像や音声を記録できるように構成されている。
レーザービームポインター60は、スィッチ61で、オン・オフができるようになっており、オンのときにカメラの撮影対象をポイントするように配置されている。表示部62、63は、受信部や送信部の作動状態を表示し、例えば、点滅が送信状態を、点灯が受信状態を表示し、作動中であることと、作動状態を判別できるようになっている。
【0021】
表示部55、62、63は、多機能ユニット50がヘルメット41に装着されたときに、それらの光を透明窓44から装着者の視界に入るようになっている。各表示部55、62、63は、それぞれ、赤、緑、白などの異なる色で発光するようになっている。
ヘルメット41の鍔部43には、スポーツファインター70を装着している。透明板71には、両枠マーク72と中心マーク73を有し、片方の目と対象物との間に位置するように支持部74で配置されるようになっている。支持部74は、鍔部43に着脱可能に取り付けられ、支持部74と透明板71は、鍔部43に対して折りたたみ可能になっている。そして使用しない場合には、鍔部43の底面に沿って収納される。また、中心マーク73の指示とレーザービームポインター60の指示は一致するように調整されている。なお、スポーツファインター70の代わりに、小型モニターを用いることで、受信した映像を見ることができる。なお、小型モニターの場合には、透明板71に代えて小型モニターを設置する。また受信した映像は、モニターを設けることなくシールド面に映し出す構成でもよい。この場合には、シールド面に映写する小型映写機を用いることで実現することができる。
【0022】
なお、本実施例では、警報発信用ヘルメット2A、警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6A、車載発信用ユニット7A、及び警報発信用ユニット8は、管理サーバ9との間で情報の送受信が可能な構成として説明したが、警報発信用ヘルメット2Aと警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aとの間、車載発信用ユニット7Aと警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aとの間、警報発信用ユニット8と警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aとの間で情報の送受信が可能な構成としてもよい。また、リーダー用の警報受信用ヘルメット3Aと一般用の警報受信用ヘルメット4A、5A、6Aとの間で情報の送受信が可能な構成としてもよい。管理サーバ9との間で情報の送受信を行わない場合には、管理サーバ9の機能を、警報発信用ヘルメット2Aや警報受信用ヘルメット3A、4A、5A、6Aに持たせることで、同機能を実現できる。また、一部の機能についてだけ管理サーバ9で処理を行い、例えば警報情報の発信や応答情報の発信は、管理サーバ9を経由せずに行うこともできる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明のヘルメット警報設備は、建築作業や土木作業などの工事現場におけるヘルメット警報設備や、火災や地震などの震災時におけるヘルメット警報設備に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施例によるヘルメット警報設備の使用状況を示す説明図
【図2】同ヘルメット警報設備で用いる警報発信用ヘルメットの機能ブロック図
【図3】同ヘルメット警報設備で用いるリーダー用の警報発信用ヘルメットの機能ブロック図
【図4】同ヘルメット警報設備で用いる一般用の警報発信用ヘルメットの機能ブロック図
【図5】同ヘルメット警報設備で用いる警報発信用ユニットの機能ブロック図
【図6】同ヘルメット警報設備で用いる車載発信用ユニットの機能ブロック図
【図7】同ヘルメット警報設備で用いる管理サーバの機能ブロック図
【図8】本発明の一実施例によるヘルメット警報設備に用いるヘルメットの左斜視図
【図9】同ヘルメットの右斜視図
【図10】同ヘルメットに装着する多機能ユニットの右斜視図
【図11】同多機能ユニットの底面図
【図12】多機能ユニットをヘルメットに装着したときの正面図
【図13】同側面図
【符号の説明】
【0025】
2A 警報発信用ヘルメット
3A リーダー用の警報受信用ヘルメット
4A、5A、6A 警報受信用ヘルメット
7A 車載発信用ユニット
8 警報発信用ユニット
9 管理サーバ
11 現在位置情報受信部
12 応答情報受信部
13 画像・音声情報受信部
14 画像・音声情報入力部
15 警報情報入力部
16 電源部
19 誘起電圧発生部
21 警報情報出力部
22 画像・音声情報出力部
23 送信部
24 送信方式決定部
25 データ変換部
26 警報情報受信部
27 応答情報入力部
28 警報停止入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
危険信号を送信する警報発信手段と、前記警報発信手段からの危険信号を受信する警報受信手段と、前記警報発信手段と関連した警報発信用ヘルメットと、前記受信手段と関連した警報受信用ヘルメットとを備え、
前記警報発信手段は、
危険信号を入力する警報情報入力部と、
前記警報情報入力部で入力された前記危険信号を送信する送信部と、
前記送信部から前記危険信号を送信することで警報を出力する警報情報出力部と、
前記送信部から送信した前記危険信号に対する応答信号を受信する応答情報受信部と
を有し、
前記警報受信手段は、
前記警報情報出力部から出力された前記危険信号を受信する警報情報受信部と、
前記警報情報受信部で前記危険信号を受信することで警報を出力する警報情報出力部と、
前記受信部で受信した前記危険信号に対する応答信号を入力する応答情報入力部と、
前記応答情報入力部で入力された前記応答信号を送信する送信部と
を有し、
前記警報受信用ヘルメットにおける前記警報情報受信部では、前記送信部から前記応答信号を送信した後に、出力中の前記警報を停止し、前記警報発信用ヘルメットにおける前記警報情報出力部では、前記応答情報受信部で前記応答信号を受信した後に、出力中の前記警報を停止することを特徴とするヘルメット警報設備。
【請求項2】
線路などに載置して危険信号を送信する警報発信用ユニットを備え、
前記警報発信用ユニットには、
電車などの接近又は通過を検知する物体検出部と、
前記物体検出部で検知された危険信号を送信する送信部と
を有し、
前記警報受信用手段は、
前記警報発信用ユニットからの前記危険信号を前記警報情報受信部にて受信し、前記警報発信用ユニットからの前記危険信号を受信することで前記警報情報出力部から警報を出力することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項3】
前記警報発信用ヘルメットと前記警報受信用ヘルメットのうちの少なくとも前記警報受信用ヘルメットと前記警報発信用ユニットには、
GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、
前記警報発信用ユニットの前記送信部では、前記警報発信用ユニットの前記現在位置情報受信部で受信したユニット位置情報を発信し、
前記警報受信手段の前記送信部では、前記警報受信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信したヘルメット位置情報を発信し、発信された前記ユニット位置情報と前記ヘルメット位置情報とを用いて、前記警報発信用ユニットと前記警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算手段を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のヘルメット警報設備。
【請求項4】
前記警報発信用ヘルメットと前記警報受信用ヘルメットには、
GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、
前記警報発信用ヘルメットの前記送信部では、前記警報発信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、
前記警報受信用ヘルメットの前記送信部では、前記警報受信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバには、
前記警報発信用ヘルメットの前記送信部からの前記危険信号と前記位置情報、及び前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報を受信する受信部と、
前記警報発信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報と、前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とから、前記警報発信用ヘルメットと前記警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、
前記演算部で演算した距離情報と、前記警報発信用ヘルメットからの前記危険信号とを前記警報受信用ヘルメットに送信する送信部と
を有し、
前記警報受信用ヘルメットでは、
前記管理サーバの前記送信部から送信された前記警報発信用ヘルメットの前記危険信号を受信すると、前記演算部で演算された前記距離情報に応じた警報を前記警報情報出力部から出力することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項5】
前記警報発信用ヘルメットおよび/又は前記警報受信用ヘルメットには、
GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部と、
録画又は録音を行う画像・音声情報入力部と、
パケット交換方式や回線交換方式などの通信方式を決定する送信方式決定部と、
前記送信方式決定部で決定した通信方式にデータを変換するデータ変換部と
を有し、
前記警報発信手段および/または前記警報受信手段の前記送信部から、前記現在位置情報受信部で受信した前記位置情報とともに、前記画像・音声情報入力部で入力された画像・音声情報を管理サーバに送信し、
前記管理サーバでは、受信した前記画像・音声情報を、前記位置情報とともにデータ蓄積又は出力することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項6】
前記警報発信用ヘルメットおよび/又は前記警報受信用ヘルメットには、
画像・音声情報を受信する画像・音声情報受信部と、
受信した前記画像・音声情報を出力する画像・音声情報出力部と
を有することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項7】
前記警報受信用ヘルメットとして、リーダー用ヘルメットと一般用ヘルメットとを備え、
前記リーダー用ヘルメットと前記一般用ヘルメットには、
GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、
前記リーダー用ヘルメットの送信部では、前記リーダー用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、
前記一般用ヘルメットの前記送信部では、前記一般用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバには、
前記リーダー用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報と前記一般用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とを受信する受信部と、
前記リーダー用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報と、前記一般用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とから、前記リーダー用ヘルメットと前記一般用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、
演算した前記距離が所定距離以上であるか否かを判断する距離判断部と、
前記距離判断部で所定距離以上であると判断した場合には、前記リーダー用ヘルメット及び前記一般用ヘルメットに対して危険信号を送信する送信部と
を有し、
前記リーダー用ヘルメット及び前記一般用ヘルメットでは、
前記管理サーバの前記送信部から送信された前記危険信号を受信すると、警報を前記警報情報出力部から出力することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項8】
電車などに搭載して位置情報を送信する車載発信用ユニットを備え、
前記車載発信用ユニットには、
GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部と、
前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信する送信部と
を有し、
前記警報受信用ヘルメットには、
GPS衛星の電波などの位置情報信号を受信する現在位置情報受信部を有し、
前記警報受信用ヘルメットの前記送信部では、前記警報受信用ヘルメットの前記現在位置情報受信部で受信した位置情報を管理サーバに送信し、
前記管理サーバには、
前記車載発信用ユニットの前記送信部からの前記位置情報と前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とを受信する受信部と、
前記車載発信用ユニットの前記送信部からの前記位置情報と、前記警報受信用ヘルメットの前記送信部からの前記位置情報とから、前記車載発信用ユニットと前記警報受信用ヘルメットとの距離を演算する距離演算部と、
演算した前記距離が所定距離以下であるか否かを判断する距離判断部と、
前記距離判断部で所定距離以下であると判断した場合には、前記警報受信用ヘルメットに対して危険信号を送信する送信部と
を有し、
前記警報受信用ヘルメットでは、
前記管理サーバの前記送信部から送信された前記危険信号を受信すると、警報を前記警報情報出力部から出力することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項9】
前記警報情報出力部として、振動によって警報を出力するバイブレーションユニットを設け、前記バイブレーションユニットを、顎紐又はベルトに装着することを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項10】
前記警報発信用ヘルメット及び前記警報受信用ヘルメットには、蓄電可能な電源部と、非接触状態の外部交番磁界に対して誘起電圧を発生させる誘起電圧発生部と、前記誘起電圧発生部で発生させた交流電圧を整流する整流部とを有し、前記整流部で整流された電流によって前記電源部への充電を行うことを特徴とする請求項1に記載のヘルメット警報設備。
【請求項11】
前記警報発信用ヘルメット及び前記警報受信用ヘルメットを載置するヘルメットラックに、前記外部交番磁界を発生させる充電部を設けたことを特徴とする請求項10に記載のヘルメット警報設備。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【公開番号】特開2008−276632(P2008−276632A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−121445(P2007−121445)
【出願日】平成19年5月2日(2007.5.2)
【出願人】(000149930)株式会社谷沢製作所 (48)
【Fターム(参考)】