説明

ホットメルト接着剤での使用に好適なインターポリマーおよびこれらの製造方法

本発明は、エチレンとインター重合された少なくとも1つのα−オレフィンを含んでなり、そして少なくとも一つの態様においては、ホットメルト接着剤配合物で使用する場合改善された性質を有することを特徴とするエチレン/α−オレフィンのインターポリマー製品に関する。本発明は、また、少なくとも一つの反応環境(または反応器)中で2つ以上の単一部位触媒系を使用することを含んでなり、少なくとも2つの触媒系が同一の重合条件で測定される場合、(a)異なるコモノマーの組み込み能力あるいは反応性および/または(b)異なる停止動力学を有するこのインターポリマー製品の製造方法にも関する。このインターポリマー製品は、例えば、ホットメルト接着剤などの用途において、そして衝撃、瀝青およびアスファルト変成品、接着剤、分散液またはラテックス、および加工物品、例えば限定ではないが、フォーム、フィルム、シート、成形品、熱成形品、プロファイルおよびファイバーにも有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレンとインター重合された少なくとも1つのα−オレフィンを含んでなり、そして少なくとも一つの態様においては、ホットメルト接着剤配合物で使用する場合改善された性質を有することを特徴とするエチレン/α−オレフィンのインターポリマー製品に関する。本発明は、また、少なくとも一つの反応環境(または反応器)中で2つ以上の単一部位触媒系(single site catalyst system)を使用することを含んでなり、少なくとも2つの触媒系が同一の重合条件で測定される場合、(a)異なるコモノマーの組み込み能力あるいは反応性および/または(b)異なる停止動力学を有するこのインターポリマー製品の製造方法にも関する。このインターポリマー製品は、例えば、ホットメルト接着剤などの用途において、そして衝撃、瀝青およびアスファルト変成品、接着剤、分散液またはラテックス、および加工物品、例えば限定ではないが、フォーム、フィルム、シート、成形品、熱成形品、プロファイルおよびファイバーにも有用である。
【背景技術】
【0002】
エチレンホモポリマーおよびコポリマーはよく知られた類のオレフィンポリマーであり、これから種々のプラスチック製品が製造される。このような製品はホットメルト接着剤を含む。このような接着剤の製造に使用されるポリマーは、場合によっては1つ以上の共重合型モノマーと共にエチレンから製造可能である。エチレンホモポリマーあるいはコポリマーの製造に使用される一つの方法は、配位触媒、例えばチーグラー・ナッタ触媒を低圧下で使用することを伴う。慣用のチーグラー・ナッタ触媒は、通常、各々が異なる金属酸化状態と、配位子との異なる配位環境を有する多くのタイプの触媒種から構成される。不均質系の例は既知であり、そして有機金属共触媒により活性化された金属ハライド、例えばトリアルキルアルミニウム化合物により活性化された塩化マグネシウム上に担持された塩化チタンを含む。これらの系は1つ以上の触媒種を含有するために、異なる活性とコモノマーをポリマー鎖の中に組み込む種々の能力を持つ重合部位を保有する。このような多部位化学反応の結果は、隣接する鎖を比較した場合ポリマー鎖構造の制御が劣る生成物である。更には、個別の触媒部位の差異は、ある部位においては高分子量のポリマーを生成し、他の部位においては低分子量のポリマーを生成し、不均質な組成のポリマーを生じる。このようなポリマーの分子量分布(多分散性指数または「PDI」または「MWD」とも呼ばれるMw/Mnにより示されるような)はかなり広いことができる。不均質性および広いMWDの一部の組み合わせ物に対しては、このポリマーの機械的および他の性質は、時にはある用途においては他の用途におけるよりも望ましくない。
【0003】
オレフィンの重合において有用な別な触媒技術は、金属、例えばハフニウム、チタン、バナジウム、またはジルコニウムに結合する1つ以上のシクロペンタジエニル配位子を含有する有機金属化合物であるメタロセンを含む単一部位の均質な触媒の化学に基づく。共触媒、例えばオリゴマーメチルアルミノキサン(メチルアルモキサンとも呼ばれる)は、この触媒の触媒活性を促進するためにしばしば使用される。
【0004】
メタロセンを含む単一部位触媒の独自性は、一部、各活性触媒部位が立体的および電子的に同等であるということに存する。特に、これらの触媒は、慣用のチーグラー・ナッタ触媒について上述したように部位の混合物でなく単一の、安定な化学的部位を有することを特徴とする。生成する系は単一の活性および選択性を有する触媒種から構成される。このような触媒により製造されるポリマーは、当技術分野では均質な部位あるいは単一部位の樹脂としばしば呼ばれる。
【0005】
このような単一の反応性の結果は、この単一部位触媒の遷移金属錯体成分の金属成分および/または配位子と配位子置換基を変えることにより、無数のポリマー製品がカスタム製造され得るということである。これらは約200〜1,000,000以上の範囲の分子量(Mn)のオリゴマーおよびポリマーを含む。加えて、この単一部位触媒の金属成分および/または配位子と配位子置換基を変えることにより、エチレンアルファオレフィンインター重合において、極めて異なるレベルのコモノマーが所定のコモノマー濃度で組み入れられるように、この触媒のコモノマー反応性を変えることも可能である。このように、コモノマー組み込みの高い(0.900g/cm3以下の密度を生じる)製品から殆どコモノマー組み込みの無い(0.950g/cm3以上の密度を生じる)製品まで製品の密度を反応器中で同一のコモノマー濃度において自前の製造を行うことも可能である。
【0006】
単一部位触媒の反応性がこのように変わることを使用する一つの方法は、2つ以上のこのような触媒を多数個の反応器構成と組み合わせて使用して、各触媒により製造される製品の組み合わせ物であるいわゆる反応器樹脂ブレンドを製造することである。この場合には、i)各反応器中で独立に重合条件を制御し、ii)最終ポリマー組成物(いわゆる、反応器スプリット比)への各反応器生成物の寄与を制御し、そしてiii)各反応器に単一部位触媒を供給し、このような方法が各反応器生成物の組み合わせ物である広い範囲のポリマー生成物を生成することを可能とさせる能力が存在する。別々に製造された成分を後反応器ブレンド化するのと反対にこのような反応器内ブレンドを製造する能力は、単一の反応器・単一の触媒または二つの反応器・単一の触媒の構成で製造不能な製品を要求する用途において明確な方法面、経済性、および製品柔軟性の利点を有する。
【0007】
加えて、異なるコモノマー反応性および/または停止動力学の単一部位触媒を反応器の中に導入し、そしてこれらの相対量を変えて、所望の最終のポリマー性質を生じることにより、単一部位触媒混合物(単一部位触媒と在来のチーグラー触媒の混合物と反対に)の相互の両立性によって、同一の重合条件下でも広い範囲の反応器内ブレンド製品を単一の反応器中で製造することも可能となる。このモードにおいては、別々に製造される成分を後反応器ブレンドすることを除いて他の方法では入手不能である反応器内ブレンドも製造され得る。
【0008】
先行技術には両方のタイプの製品および方法の多数の例が存在する。例えば、米国特許第5,530,065号(Farleyら)は、狭い分子量分布および組成分布を有する第1のポリマーと、広い分子量分布および組成分布を有する第2のポリマーのポリマーブレンドを含んでなる熱封止物品と熱封止性フィルムを開示している。
【0009】
米国特許第5,382,630号および第5,382,631号(Stehlingら)は、狭い分子量分布(Mw/Mn≦3)と狭い組成物分布(CDBI>50%)を有する成分から製造される改善された性質の直鎖のエチレンインターポリマーブレンドを開示している。
【0010】
米国特許第6,545,088B1号(Kolthammerら)は、単一のあるいは多数個の反応器のいずれか中でメタロセン触媒により接触されたエチレン、アルファ−オレフィンおよび場合によってはジエンを重合させるための方法を開示している。
【0011】
米国特許第6,566,446B1号(Kolthammerら)は、少なくとも2つの拘束構造触媒(constrained geometry catalyst)を用いて、第1の均質なエチレン/アルファ−オレフィンインターポリマーと少なくとも1つの第2の均質なエチレン/アルファ−オレフィンインターポリマーをインター重合させることを含んでなる方法を開示している。この触媒は異なる反応性を有して、第1のインターポリマーが狭い分子量分布と極めて高いコモノマー含量と比較的高い分子量を有し、そして第2のエチレン/アルファオレフィンインターポリマーが狭い分子量分布と低いコモノマー含量と第1のインターポリマーの分子量よりも低い分子量を有する。このインターポリマーは並列あるいは直列で運転される単一の反応器または別々の反応器中で重合可能である。
【0012】
WO97/48735(Canichら)は、1つの最近の遷移金属触媒と、最近の遷移金属触媒系、遷移金属メタロセン触媒系またはチーグラー・ナッタ触媒系からなる群から選択される少なくとも1つの異なる触媒系を含んでなる混合遷移金属オレフィン重合触媒系を開示している。
【0013】
米国特許第4,939,217号(Stricklen)は、多モードの分子量分布を有するポリオレフィンを製造するための方法であって、水素と、アルモキサンおよび少なくとも2つの異なるメタロセンを含有し、各々が異なるオレフィン重合の停止速度定数を有する触媒系との存在下でこの重合が行われる方法を開示している。
【0014】
米国特許第4,937,299号(Ewenら)は、エチレンと高級アルファ−オレフィンを2つ以上のメタロセンとアルモキサンを含んでなる触媒系の存在下で重合させることにより得られるポリオレフィン反応器ブレンドを開示している。
【0015】
WO02/074816A2(de Grootら)は、(a)高分子量の分岐した成分とb)低分子量の分岐した成分を含んでなるポリマー組成物(および製造方法)を開示している。
【0016】
WO02/074817A2(Stevensら)は、単一の反応器中少なくとも高分子量触媒と少なくとも低分子量触媒の存在下で1又はそれ以上のオレフィンコモノマーを接触させ;そしてこの反応器中でこのオレフィンコモノマーの重合を行って、オレフィンポリマーを得ることを含んでなり、両方の触媒が実質的に類似の量のコモノマーをこのオレフィンポリマーに組み込む能力を有する重合方法を開示している。
【0017】
ポリマー製造におけるこのような柔軟性は、ポリマー性質の特別、かつ独自の組み合わせを要求するある用途においては極めて望ましい。一つのこのような例は、ホットメルト接着剤(「HMA」)配合物で使用されるポリマー配合物である。大多数のホットメルト接着剤は、ポリマー樹脂、ワックス、および粘着性付与剤の3成分の混合物である。各成分は、一般に、HMA配合物中にほぼ等しい比率で存在するが、これらの相対的な比は特別の用途の必要性に対してしばしば「微調整」される。ワックスは系の全粘度を低下させ、結合対象の基材への接着剤の塗布を簡易化する一方で、通常、ポリマー成分は接着結合に強さをもたらす。
【0018】
HMAのポリマー樹脂は、選択された分子量および密度のエチレンホモポリマーとインターポリマーであることができる。このようなインターポリマーは単一のポリマーあるいはブレンド組成物であることができる。例えば、1996年6月25日公告のTseらへの米国特許第5,530,054号は、本質的に(a)メタロセンとアルモキサンを含んでなる触媒組成物の存在下で製造され、約20,000〜約100,000のMwを有する、30パーセント〜70重量パーセントのエチレンと約6パーセント〜約30重量パーセントのC3〜C20α−オレフィンのコポリマーとの(b)挙げられたリストから選択される炭化水素粘着性付与剤からなるホットメルト接着剤組成物を特許請求している。
【0019】
1996年8月20日公告のTseらへの米国特許第5,548,014号は、
エチレン/アルファ−オレフィンコポリマーのブレンドを含んでなり、第1のコポリマーが約20,000〜約39,000のMwを有し、そして第2のコポリマーが約40,000〜約100,000のMwを有するホットメルト接着剤組成物を特許請求している。例示されたホットメルト接着剤の各々は、コポリマーのブレンドを含んでなり、このコポリマーの少なくとも1つは2.5以上の多分散性を有する。更には、例示された最低密度のコポリマーは0.894g/cm3の比重を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
しかしながら、ホットメルト接着剤配合物のワックスおよびポリマー成分の両方に対して置き換えできるような性質を持つ合成ポリマーが使えるということは、このようなHMA用途においては極めて有利である。
【0021】
最少の混合段階を含んでなり、この配合物のコストとばらつきを最少とするこのようなポリマー組成物を製造するための方法を有することも極めて有利である。
【0022】
HMA配合物において使用するためのポリマー組成物と、主として輸入されるか、そしてあるいは輸入オイルをベースとする原料から誘導される高価な石油ワックスをホットメルト接着剤配合物の中に組み込む要求を不用とするその製造方法を有することも極めて有利である。
【0023】
終わりに、
i)ホットメルト接着剤配合物のワックスとポリマー成分の両方に対して置き換えできるような性質を持ち;
ii)最少の混合段階を含んでなる方法により製造可能であり、この配合物のコストとばらつきを最少とし;
iii)ホットメルト接着剤配合物の中に組み込まれる場合、高価な石油ワックス(主として輸入されるか、そしてあるいは輸入オイルをベースとする原料から誘導される)をホットメルト接着剤配合物の中に組み込む要求を不用とし;そして
iv)HMA配合物の中に組み込まれる場合、前記配合物が改善された熱安定性および酸化安定性も示す一方で、市販のHMAの強さと接着特性を呈することができる合成ポリマーが使えることも極めて有利である。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明は、約0.88〜約1.06g/cm3の、好ましくは約0.88〜約0.93g/cm3の、更に好ましくは約0.89〜約0.92g/cm3の、そしてなお更に好ましくは約0.895〜約0.915g/cm3の密度を有するエチレンアルファオレフィンインターポリマーである。このエチレンアルファオレフィンインターポリマーがスチレンコモノマーを含んでなる場合には、この密度は、好適には、約0.931〜約1.06g/cm3の、好ましくは約0.931〜約1.03g/cm3の、そして好ましくは約0.931〜約0.96g/cm3の範囲である。
【0025】
本発明のエチレンアルファオレフィンインターポリマーは、約1,000の、好ましくは約1,250の、更に好ましくは約1,500の、そしてなお更に好ましくは約2,000〜約9,000までの、好ましくは約7,000までの、そして更に好ましくは約6,000までの数平均分子量(GPCにより測定したMn)を有する。
【0026】
本発明のエチレンアルファオレフィンインターポリマーは、約500の、好ましくは約1,000の、そして更に好ましくは約1,500〜約7,000cPまでの、好ましくは約6,000cPまでの、更に好ましくは約5,000cPまでのブルックフィールド粘度(300°F/149℃で測定)を有する。
【0027】
本発明のエチレンアルファオレフィンインターポリマーは、粘着性付与剤と混合した場合、約400の、好ましくは約500の、そして更に好ましくは約750〜約2,000cPまでの、好ましくは約1,400cPまでの、更に好ましくは約1,200cPまでのブルックフィールド粘度(350°F/177℃で測定)を有する接着剤組成物を生成する。
【0028】
本発明のエチレンアルファオレフィンインターポリマーは、粘着性付与剤と混合した場合、110°F(43.3℃)に等しいか高い、好ましくは115°F(46.1℃)に等しいか高い、更に好ましくは120°F(48.8℃)に等しいか高い剥離接着破壊温度(PAFT)を有する接着剤組成物を生成する。
【0029】
本発明のエチレンアルファオレフィンインターポリマーは、粘着性付与剤と混合した場合、140°F(60℃)に等しいか高い、好ましくは150°F(65.5℃)に等しいか高い、更に好ましくは170°F(76.7℃)に等しいか高い剪断接着破壊温度(SAFT)を有する接着剤組成物を生成する。
【0030】
本発明のエチレンアルファオレフィンインターポリマーは、粘着性付与剤と混合した場合、77〜140°F(25゜〜60℃)の100%のペーパー引き裂き(paper tear)、好ましくは35〜140°F(1.7°〜60℃)の100%のペーパー引き裂き、そして最も好ましくは0〜140°F(マイナス17.7℃〜60℃)の100%のペーパー引き裂きを呈する接着剤組成物を生成する。
【0031】
上記の生成接着剤組成物は、好適には、適切に配合した場合には、このようなHMAを通常使用する種々の最終用途に対してホットメルト接着剤としての役目をする。
【0032】
本発明の別な実施形態は、(a)少なくとも2つの触媒の存在下で1又はそれ以上のオレフィンモノマーを接触させ;そして(b)このオレフィンモノマーの重合を1又はそれ以上の反応器中で行って、オレフィンポリマーを取得することを含んでなり、各触媒が異なる量のコモノマーをこのポリマー中に組み込む能力を有し、そして/あるいは各触媒が選択された重合条件下でこのモノマーから実質的に異なる分子量のポリマーを製造する能力のあるエチレンアルファオレフィンインターポリマーの製造方法を提供する。
【0033】
本発明の方法においては、一方の触媒が分子量MwHを有するポリマーを生成し、そして第2の触媒が分子量MwLのポリマーを生成する。この方法は、
(a)反応器への第1の触媒の制御された添加を準備し、
(b)反応器への第2の触媒の制御された添加を準備し、各触媒は異なるコモノマー組み込み能力を有するものであり、
(c)反応器の中に1つ以上のC2-20オレフィンを連続的にフィードし、
(d)ポリマーを生成するのに充分な速度で反応器の中に各触媒を連続的にフィードすることを含んでなり、
i)一方の触媒により製造されるポリマーの分子量(GPCにより測定されるMw)に対する他方の触媒により製造されるポリマーの分子量の比、MwH/MwLが約1、好ましくは約1.5、更に好ましくは約2〜約20まで、好ましくは約15まで、更に好ましくは約10までであり;そして/あるいは
ii)比r1H/r1Lにより記述されるコモノマーに対する各触媒の反応性が約0.03の間に、好ましくは約0.05の間に、そして更に好ましくは約0.1と約30の間に、好ましくは約20に、そして更に好ましくは約10に存在しなければならない
2-20オレフィンホモポリマーまたはインターポリマーの製造方法を包含する。
【0034】
この方法のある実施形態においては、この重合は単一の反応器中で行われる。他の実施形態においては、この重合は2つ以上の反応器中で行われ、混合が第3の反応器中で起こるように第1の反応器は第2の反応器に並列に接続される。別な実施形態においては、第1の反応器は第2の反応器に直列に接続され、他の実施形態においては、第1の反応器の内容物は第2の反応器の中に逐次導入される。
【0035】
ある実施形態においては、このような方法は連続溶液重合条件下で行われる。ある実施形態においては、第2の反応器は連続溶液重合条件の下で運転される。ある実施形態においては、エチレンは、第1の反応器内容物の約3.5重量%あるいはそれ以下の、第1の反応器内容物の約2.5重量%あるいはそれ以下の、あるいは第1の反応器内容物の約2.0重量%あるいはそれ以下の定常状態濃度を有する。ある方法においては、第1の反応器は、第1の反応器内容物の約10重量%あるいはそれ以上の、第1の反応器内容物の約18重量%あるいはそれ以上の、あるいは第1の反応器内容物の約20重量%あるいはそれ以上の定常状態濃度のポリマーを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明は、所望の加工性と物理的特性のエチレンアルファオレフィンインターポリマーを提供する。本発明は、また、1又はそれ以上のオレフィンモノマーあるいはコモノマーを2つ以上の単一部位触媒(単一の反応器を使用する場合)あるいは1又はそれ以上の単一部位触媒(多数個の反応器法を使用する場合)の存在下で接触させ;そしてこのオレフィンモノマーの重合を前記反応器中で行って、オレフィンポリマーを取得することを含んでなるこのインターポリマーを製造するための新しい方法も提供する。好ましくは、この触媒は、実質的に異なる量のコモノマーを製造されるポリマー中に組み込む能力を有し、そして/あるいは選択された重合条件下で実質的に異なる分子量のポリマーを製造する能力を有する。
【0037】
次の説明においては、開示されているすべての数字は、用語「約」または「ほぼ」がこれと一緒に使用されるかどうかにかかわらずおおよその値である。これらは1%、2%、5%、あるいは時によっては10〜20%まで変わり得る。下限RLと上限RUを持つ数値範囲が開示される場合にはいつでも、この範囲内に入る任意の数Rが特に開示される。特に、R=RL+k*(RU−RL)の範囲内の数Rが特に開示される。式中、kは1%の増分を持つ1%〜100%の範囲の変数である。すなわち、kは1%、2%、3%、4%、5%、...、50%、51%、52%、...、95%、96%、97%、98%、99%、または100%である。更には、2つの数により規定される数値範囲に対しては、Rも上記に規定されるように特に開示される。
【0038】
用語「ポリマー」は、この明細書で使用されるように同一あるいは異なるタイプのモノマーの重合により製造される高分子化合物を指す。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマーなどを指す。
【0039】
用語「インターポリマー」は、この明細書で使用されるように、少なくとも2つのタイプのモノマーまたはコモノマーの重合により製造されるポリマーを指す。これは、限定ではないが、コポリマー(2つの異なるモノマーまたはコモノマーから製造されるポリマーを通常指す)、ターポリマー(3つの異なるモノマーまたはコモノマーから製造されるポリマーを通常指す)、およびテトラポリマー(4つの異なるモノマーまたはコモノマーから製造されるポリマーを通常指す)などを含む。
【0040】
用語「狭い組成分布」は、この明細書で使用されるように、均質なインターポリマーに対するコモノマー分布を記述する。この狭い組成分布の均質なインターポリマーは、SCBDI(短鎖分岐分布インデックス)またはCDBI(組成物分布分岐インデックス)によっても特徴付け可能である。SCBDIまたはCBDIは中位のモルコモノマー含量の50パーセント内のコモノマー含量を有するポリマー分子の重量パーセントとして定義される。
【0041】
ポリマーのCDBIは、例えば開示が引用により本明細書に組み込まれている、Wildら,Journal of Polymer Science,Poly.Phys.Ed.,Vol.20,p.441(1982)、または米国特許第5,548,014号に記述されているような、温度上昇溶離分別(この明細書では「TREF」と略記される)などの当技術分野で既知の方法から得られるデータから容易に計算される。このように、CDBIを計算するための次の手順が使用可能である:
(1)TREFから得られる溶離温度に対するコポリマー濃度の正規化された累積分布プロットを生成させる。
(2)溶解コポリマーの50重量パーセントが溶離した溶離温度を求める。
(3)この中位の溶離温度で溶離するコポリマーフラクション内のモルのコモノマー含量を求める。
(4)この中位の溶離温度で溶離するコポリマーフラクション内のモルのコモノマー含量の0.5倍および1.5倍の制限モル分率値を計算する。
(5)これらの制限モル分率値と関連する制限溶離温度値を求める。
(6)これらの制限溶離温度値の間の累積溶離温度分布の部分を部分的に積分する。
(7)この部分積分の結果のCDBIを元の、正規化された累積分布プロットのパーセントとして表現する。
【0042】
用語「異なる触媒系」は、インター重合時にモノマーを異なる量で組み込む触媒系を引用してこの明細書で使用される。この用語は相互に対して異なる化学的組成を有する触媒系に主として言及する一方、この用語は異なるモノマー組み込みまたは異なる重合反応性あるいは速度を生じる任意の差異に一般に言及する。従って、この用語は、また、触媒系が同一の化学的組成を有する場合の濃度、操作条件、注入方法またはタイミングの差異も指す。
【0043】
MWD全体に影響を及ぼす一つの因子はHMW成分とLMW成分の分子量の間の差異である。ある実施形態においては、一方の触媒により製造されるポリマーの分子量に対する他方の触媒により製造されるポリマーの分子量の比、MwH/MwLは、約1〜約20、好ましくは約1.5〜約15、更に好ましくは約2〜約10である。
【0044】
全体のMWDに実質的な影響を及ぼすことができる別な因子は、組成物の「ポリマースプリット」である。「ポリマースプリット」は、ポリマー組成物中の高分子量ポリマー成分の重量分率として定義される。高分子量および低分子量成分の相対的なフラクションは包絡化されたGPCピークから求められる。本発明のポリマー組成物は、約30%〜約70%の、好ましくは約40%〜約60%の、更に好ましくは約45%〜約55%のスプリットを有する。
【0045】
この方法においては、高分子量触媒は低分子量触媒に対して定義される。高分子量触媒は、モノマーと任意の選択したコモノマーから高い重量平均分子量MwHのポリマーを一組の所定の重合条件下で生成する触媒を指し、低分子量触媒は、同一のモノマーとコモノマーから低い重量平均分子量MwLのポリマーを実質的に同一の重合条件下で生成する触媒を指す。それゆえ、この明細書において使用される用語「低分子量触媒」および「高分子量触媒」は触媒の分子量には言及しない;むしろこれらは低分子あるいは高分子量のポリマーを生成する触媒の能力に言及している。選択された高分子量および低分子量触媒により製造されるポリマーの固有の分子量の差異は、組成物の「ポリマースプリット」を生じる。
【0046】
このように、高分子量触媒と低分子量触媒はお互いを参照して決められる。触媒が高分子量触媒であるか、あるいは低分子量触媒であるかは、別な触媒を選択する後まで判らない。それゆえ、触媒を指す場合にこの明細書で使用される用語「高分子量」および「低分子量」は単に相対的な用語であり、そしてポリマーの分子量に関していかなる絶対値も包含しない。一対の触媒を選択した後、
1)選択された触媒により重合可能な少なくとも1つのモノマーを選択し;
2)選択された触媒を含有する単一の反応器中で予め選択された重合条件下で選択されたモノマーからポリマーを製造し;
3)他の触媒を含有する単一の反応器中で実質的に同一の重合条件下で同一のモノマーから別なポリマーを作製し;そして
4)それぞれのインターポリマーの分子量を測定する
方法により高分子量触媒を容易に確認することができる。高いMwを生成する触媒は高分子量触媒である。逆に、低Mwを生成する触媒は低分子量触媒である。この方法論を用いて、これらが実質的に同一の条件下で生成することができるポリマーの分子量に基づき複数の触媒をランク付けすることが可能である。従って、カスタム製造された構造および性質のポリマーを製造するために、3、4、5、6、あるいはそれ以上の触媒を分子量の能力に従って選択し、これらの触媒を単一の重合反応器中で同時に使用し得る。
【0047】
コモノマー組み込みは当技術分野で既知の多くの方法により測定可能である。使用され得る一つの技術は13CNMR分光法であり、この例は、引用によりこの明細書に組み込まれている開示文献、Randall,(Journal of Macromolecular Science, Reviews in Polymer Chemistry and Physics,C29(2&3),201-317(1989))でエチレン/アルファ−オレフィンコポリマーに対するコモノマー含量の定量に対して述べられている。オレフィンインターポリマーのコモノマー含量の定量の基本的な方法は、試料中の異なる炭素に対応するピークの強度が試料中の寄与する核の総数に直接的に比例する条件下で13CNMRスペクトルを取得することを伴う。この比例性を確実にするための方法は当技術分野で既知であり、パルス後の緩和に対する充分な時間の許容、ゲート付きデカップリング法の使用、緩和剤などを包含する。ピークまたはピーク群の相対強度は実際上コンピューターで生成される積分から得られる。スペクトルを得、そしてピークを積分した後、コモノマーに関連するピークが帰属される。既知のスペクトルあるいは文献を参照するか、あるいはモデル化合物を合成し、分析することにより、あるいは同位体ラベルされたコモノマーを使用することにより、この帰属は実施可能である。モル%コモノマーは、例えばRandallにおいて述べられているようにインターポリマー中のモノマーのすべてのモル数に対応する積分に対するコモノマーのモル数に対応する積分の比により定量可能である。
【0048】
単一部位触媒の反応性比は、例えば引用により本明細書に全体で組み込まれている、「Linear Method for Determining Monomer Reactivity Ratios in Copolymerization」,M. FinemanおよびS. D. Ross, J. Polymer Science 5,259(1950)、または「Copolymerization」,F. R. Mayo and C. Walling, Chem. Rev. 46, 191(1950)に述べられているように既知の方法により一般に得られる。例えば、反応性比を求めるために、最も広く使用される共重合モデルは、式
【化1】

に基づく。式中、Miは「i」(ここで、i=l、2である)と任意に表示されるモノマー分子を指し;そしてM2*はモノマーiが直近に結合した成長ポリマー鎖を指す。
【0049】
ij値は指示した反応に対する速度定数である。例えば、エチレン/プロピレン共重合においては、k11は、前に挿入されたモノマー単位もエチレンである成長ポリマー鎖の中にエチレン単位が挿入する速度を表す。反応性比は、r1=k11/k12およびr2=k22/k21(式中、k11、k12、k22およびk21は最後に重合されたモノマーがエチレン(k1x)またはプロピレン(k2x)である触媒部位へのエチレン(1)あるいはプロピレン(2)付加に対する速度定数である)である。
【0050】
温度によるr1の変化が触媒ごとに変わり得るために、用語「異なるコモノマー組み込み」は特に重合温度に関しては同一のあるいは実質的に同一の重合条件において比較される触媒を指すと認識されるべきである。このように、一対の触媒は低い重合温度では「異なるコモノマー組み込み」を有し得ないが、高い温度では「異なるコモノマー組み込み」を有し得、また逆も成り立つ。本発明の目的には、「異なるコモノマー組み込み」は同一のあるいは実質的に同一の重合温度で比較される触媒を指す。異なる共触媒または活性化剤がオレフィン共重合においてコモノマー組み込みの量に影響を及ぼすことも既知であるために、「異なるコモノマー組み込み」は、同一のあるいは実質的に同一の共触媒または活性化剤を用いて比較される触媒に言及しているということを認識すべきである。このように、本発明の目的には、2つ以上の触媒が「異なるコモノマー組み込み」を有するか、否かを決める試験は、各々の触媒が各々の触媒に対して活性化の同一の方法を使用して行われるべきであり、そしてこの試験は、個別の触媒を一緒に使用する場合、本発明の方法で使用されるのと同一の重合温度、圧力、およびモノマー含量(コモノマー濃度を含む)で行われるべきである。
【0051】
1Lの低分子量触媒とr1Hの高分子量触媒を選択する場合には、r1比のr1H/r1Lは、低分子量および高分子量触媒によりコモノマー組み込みの量を定義する別な方法である。比r1H/r1Lは、好ましくは約0.03〜約30の間に、更に好ましくは約0.05〜約20の間に、そして最も好ましくは約0.1〜約10の間に存在する。在来の知識によれば、1未満のr1H/r1L比を有する触媒対から製造されるインターポリマーは、比が1よりも大きいインターポリマーよりも実質的に良好な接着性を付与するということが推測される。本発明者らは、どちらのカテゴリーにも入る本発明のインターポリマーにより優れた接着性能を得ることができることを見出した。表3に示すように製造されたインターポリマーの10つの例から製造された接着剤配合物に対して表5に示した性能データを参照のこと。このデータは、驚くべきことには、1以上のr1H/r1L比を有する触媒対から製造されるポリマー番号1−4および8をベースとする配合物が1未満のr1H/r1L比を有する触媒対から製造されるポリマー番号5−7、9および10をベースとする配合物と比較した場合等しく良好な接着性を示すことを示唆する。
【0052】
一般に、小さいr1は触媒に対する高いコモノマー組み込み能力を示す。逆に、大きいr1は一般に触媒に対する低いコモノマー組み込み能力を示す(すなわち、コモノマーよりもエチレンに対する高い反応性と、したがってエチレンホモポリマーを生成する傾向)。それゆえ、最小の密度スプリットのコポリマーを製造することを所望するならば、実質的に類似のあるいは同一のr1の少なくとも2つの触媒を使用することが好ましく、他方、有意の密度のスプリットのホモポリマーとコポリマーのブレンドを製造することを所望するならば、実質的に異なるr1の少なくとも2つの触媒を使用することが好ましい。
【0053】
高分子量触媒と低分子量触媒は、異なる量のコモノマーをポリマー中に組み込む能力を有するように選択され得る。言い換えれば、温度、圧力、およびモノマー含量(コモノマー濃度を含む)の実質的に同一の条件下で、各触媒は異なるモルパーセントのコモノマーを生成するインターポリマーの中に組み込む。「異なる」モルパーセントのコモノマーを定量化する一つの方法は次の通りである。すなわち、第1の触媒と第2の触媒のコモノマー組み込みの間に少なくとも10パーセントデルタの差異が存在する場合;例えば、20モル%のコモノマーを組み込む第1の触媒に対しては、第2の触媒は18モル%以下あるいは22モル%以上のコモノマーを組み込む。
【0054】
好ましくは、直前に述べたエチレンホモポリマーとインターポリマーのすべてに対して、単一の反応器中で使用される触媒の少なくとも2つは、異なるコモノマー組み込みを有し、そして使用される方法は気相、スラリー、または溶液法である。更に好ましくは、直前に述べたエチレンホモポリマーとインターポリマーのすべてに対して、単一の反応器中で使用される触媒の少なくとも2つは、異なるコモノマー組み込みを有し、そしてMwH/MwLは約1〜約20、好ましくは約1.5〜約15、更に好ましくは約2〜約10である。
【0055】
好ましくは、使用される方法は、連続溶液法、特に定常状態における反応器中のポリマー濃度が反応器内容物の少なくとも10重量%であり、そしてエチレン濃度が反応器内容物の3.5重量%以下である連続溶液法である。
【0056】
なお更に好ましくは、使用される方法は、連続溶液法、特に定常状態における反応器中のポリマー濃度が反応器内容物の少なくとも18重量%であり、そしてエチレン濃度が反応器内容物の2.5重量%以下である連続溶液法である。
【0057】
最も好ましくは、直前に述べたエチレンホモポリマーとインターポリマーのすべてに対して、単一の反応器中で使用される触媒の少なくとも2つは、異なるコモノマー組み込みを有し、そして使用される方法が定常状態における反応器中のポリマー濃度が反応器内容物の少なくとも20重量%であり、そしてエチレン濃度が反応器内容物の2.0重量%以下である連続溶液法である。
【0058】
本発明の方法において使用される触媒は、個別に使用される場合、均質なエチレン/α−オレフィンインターポリマーを生成する。用語「均質なインターポリマー」は、拘束構造あるいは単一部位のメタロセン触媒を使用して製造される直鎖のあるいは実質的に直鎖のエチレンインターポリマーを示すようにこの明細書では使用される。用語「均質な」とは、任意のコモノマーが所定のインターポリマー分子内でランダムに分布しており、そしてこのインターポリマー分子の実質的にすべてがこのインターポリマー内で同一のエチレン/コモノマー比を有するという意味である。示差走査熱分析(DSC)により求められるような、均質な直鎖および実質的に直鎖のエチレンポリマーの融解ピークは、密度の減少および/または数平均分子量の減少と共に広幅となる。
【0059】
この均質な直鎖あるいは実質的に直鎖のエチレンポリマーは、狭い分子量分布(Mw/Mn)を有することが特徴である。直鎖および実質的に直鎖のエチレンポリマーに対しては、Mw/Mnは、好ましくは約1.5以上、好ましくは約1.8以上〜約2.6以下、好ましくは約2.4以下までである。
【0060】
本発明のあるインターポリマー組成物は、多数の単一部位触媒を用いて製造される場合には、各触媒から誘導される生成物の相対的な寄与に依って、更に大きな値を呈する。このような場合には、分子量分布(Mw/Mn)値は、約2〜約20まで、好ましくは約15まで、そして更に好ましくは約12までであり得る。
【0061】
均質に分岐した直鎖のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、均質な短鎖分岐分布をもたらす重合法(Elston、米国特許第3,645,992号にのべられているような)を使用して製造され得る。Elstonの重合法では、可溶性バナジウム触媒系を使用して、このようなポリマーを製造している。しかしながら、Mitsui Petrochemical CompanyおよびExxon Chemical Companyなどの他の方法は、いわゆる単一部位メタロセン触媒系を使用して、均質な直鎖構造を有するポリマーを製造した。均質な直鎖エチレン/α−オレフィンインターポリマーは、Mitsui Petrochemical Companyから商品名「TAFMER(商標)」で、そしてExxon Chemical Companyから商品名「EXACT(商標)」で現在入手し得る。
【0062】
実質的に直鎖エチレンポリマーは長鎖分岐を有する均質なポリマーである。この長鎖分岐はポリマー骨格と同一のコモノマー分布を有し、そしてポリマー骨格の長さとほぼ同一の長さであることができる。本発明の実施において実質的に直鎖のエチレンポリマーを使用する場合、このようなポリマーは1,000個の炭素当たり0.01〜3個の長鎖分岐により置換されたポリマー骨格を有することを特徴とする。
【0063】
定量するための定量的な方法としては、例えば、米国特許第5,272,236号および第5,278,272号;13C核磁気共鳴分光法を用いる長鎖分岐の測定を論述している、Randall(Rev. Macromol. Chem. Phys., C29(2&3),p.285-297),Zimm, G. H. and Stockmayer, W. H., J. Chem.Phys., 17, 1301(1949);およびRudin,A.、低角度レーザー光散乱検出器(GPC−LALLS)と結合したゲルパーミエーションクロマトグラフィおよび示差粘度計検出器(GPC−DV)と結合したゲルパーミエーションクロマトグラフィの使用を論述している、「Modern Methods of Polymer Characterization」,John Wiley & Sons, New York(1991)pp.103-112を参照のこと。
【0064】
最も好ましいのは、エチレンと少なくとも1つのC3−C30α−オレフィン、(例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および1−オクテン)のインターポリマーであり、エチレンと少なくとも1つのC4−C20α−オレフィン、特に少なくとも1つのC6−C10α−オレフィンとのインターポリマーが最も好ましい。エチレンのインターポリマーの別な好ましい類は少なくとも1つのコモノマーがスチレンにより製造されるものである。
【0065】
実質的に直鎖のエチレン/α−オレフィンインターポリマーは、The Dow Chemical CompanyからAFFINITY(商標)ポリオレフィンプラストマーとして入手し得る。実質的に直鎖のエチレン/アルファ−オレフィンインターポリマーは、全内容が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,272,236号と米国特許第5,278,272号に述べられている方法により製造され得る。
【0066】
本発明は、物品を結合するのに引き続いて使用される慣用のホットメルト接着剤への代替物として使用可能であり、ポリマー、ワックスおよび粘着性付与剤を含有する接着剤に類似の接着性を生じる、エチレンとアルファオレフィンから誘導されるポリマー組成物である。
【0067】
本発明は、特定のタイプの均質なインターポリマーをそれ自体で、あるいは粘着性付与剤との組み合わせで使用して、商品として受け入れ可能なホットメルト接着剤を製造することが予想外に使用可能であるということを見出した。本発明は、好適な粘着性付与剤と組み合わせると、3成分のワックス、ポリマーおよび粘着性付与剤の混合物を組み込んだホットメルト接着剤配合物の代替物として使用可能な、特定の合成のインターポリマーを含んでなるホットメルト接着剤である。
【0068】
本発明の均質なインターポリマーは、拘束構造の触媒の混合物を使用して製造され得る。このような触媒は、全部が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,064,802号、第5,132,380号、第5,703,187号、第6,034,021号、EP0468651、EP0514828、WO93/19104、およびWO95/00526に開示されている。別な好適な類の触媒は、全部が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,044,438号;第5,057,475号;第5,096,867号;および第5,324,800号に述べられているメタロセン触媒である。拘束構造触媒はメタロセン触媒として考慮され得、そして当技術分野では時には両方が単一部位触媒と呼ばれることを特記する。
【0069】
例えば、触媒は、式
【化2】

に対応する金属配位錯体から選択され得る。
式中、Mは3、4−10族、または元素周期律表のランタニド系列金属であり;Cp*はη5結合モードでMに結合するシクロペンタジエニルまたは置換シクロペンタジエニル基であり;Zはホウ素、元素周期律表の14族の構成員、および場合によってはイオウまたは酸素を含んでなる部分であり;この部分は40個までの非水素原子を有し、そして場合によってはCp*とZは一緒に融合環系を形成し;Xは独立に各々起源としてアニオン性配位子基であり、前記Xは30個までの非水素原子を有し;nはYがアニオン性である場合にはMの原子価よりも2少なく、Yが中性である場合にはMの原子価よりも1少なく;Lは独立に各々起源として中性のルイス塩基配位子基であり、前記Lは30個までの非水素原子を有し;mは0、1、2、3、または4であり;そしてYは窒素、リン、酸素またはイオウを含んでなり、そして40個までの非水素原子を有するZとMに結合するアニオン性あるいは中性の配位子基であり、場合によっては、YとZは一緒になって融合環系を形成する。
【0070】
好適な触媒は、また、式
【化3】

に対応する金属配位錯体からも選択され得る。
式中、R’は各々起源として水素、アルキル、アリール、シリル、ゲルミル、シアノ、ハロおよび20個までの非水素原子を有するこれらの組み合わせからなる群から独立に選択され;Xは各々起源としてヒドリド、ハロ、アルキル、アリール、シリル、ゲルミル、アリールオキシ、アルコキシ、アミド、シロキシ、および20個までの非水素原子を有するこれらの組み合わせからなる群から独立に選択され;Lは独立に各々起源として30個までの非水素原子を有する中性のルイス塩基配位子であり;Yは−O−、−S−、−NR*−、−PR*−、またはOR*、SR*、NR*2、PR*2からなる群から選択される中性の2つの電子供与体配位子であり;M、n、およびmは前に定義した通りであり;そしてZはSIR*2、CR*2、SiR*2SiR*2、CR*2CR*2、CR*=CR*、CR*2SiR*2、GeR*2、BR*、BR*2であり;ここで、R*は各々起源として水素、20個までの非水素原子を有するアルキル、アリール、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール基、およびこれらの混合物からなる群から独立に選択されるか、あるいはY、Z、またはYとZの両方からの2つ以上のR*基は融合環系を形成する。
【0071】
式Iと次の式は触媒用のモノマー型構造を示すが、この錯体は二量体または高級オリゴマーとして存在し得るということを特記しなければならない。
【0072】
更に好ましくは、R'、Z、またはR*の少なくとも1つは電子供与性部分である。このように、極めて好ましくは、Yは式−N(R””)−あるいは−P(R””)−(式中、R””はC1-10アルキルあるいはアリールである)に対応する窒素またはリン含有基、すなわちアミドあるいはホスフィド基である。
【0073】
更なる触媒は、式
【化4】

に対応するアミドシラン−あるいはアミドアルカンジイル化合物から選択され得る。
式中、Mはシクロペンタジエニル基にη5結合モードで結合するチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり;R'は各々起源として水素、シリル、アルキル、アリールおよび10個までの炭素あるいはケイ素原子を有するこれらの組み合わせから独立に選択され;Eはケイ素または炭素であり;Xは独立に各々起源としてヒドリド、ハロ、10個までの炭素のアルキル、アリール、アリールオキシまたはアルコキシであり;mは1または2であり;そしてnはMの原子価に依って1または2である。
【0074】
上記の金属配位化合物の例は、限定ではないが、このアミド基上のR'がメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、(異性体を含む)、ノルボニル、ベンジル、フェニルなどであり;このシクロペンタジエニル基がシクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒドロインデニル、フルオレニル、オクタヒドロフルオレニルなどであり;前出のシクロペンタジエニル基上のR'が各々起源として水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、(異性体を含む)、ノルボニル、ベンジル、フェニルなどであり;そしてXがクロロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、(異性体を含む)、ノルボニル、ベンジル、フェニルなどである化合物を含む。
【0075】
特定の化合物は、限定ではないが、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジメチル、(tert−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタニウムジメチル、(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロリド、(メチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルチタニウムジクロリド、(エチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)メチレンチタニウムジクロリド、(tert−ブチルアミド)ジフェニル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタニウムジクロリド、フェニルホスフィド)ジメチル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジルなどを含む。
【0076】
別な好適な類の触媒は、全部が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,965,756号および第6,015,868号に開示されている金属錯体を含有する置換インデニルである。他の触媒は同時系属出願のUS−A−6,268,444;US−A−6,515,155;US−A−6,613,921およびWO01/042315A1に開示されている。すべての先行する特許出願あるいは刊行物の開示は全部が引用により本明細書に組み込まれている。これらの触媒は高分子量の能力を有する傾向がある。
【0077】
上記の触媒の一つの類は
【化5】

のインデニル含有金属である。
式中、Mは+2、+3あるいは+4の形式酸化状態のチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり;
A’はヒドロカルビル、フルオロ置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ置換ヒドロカルビル、ジアルキルアミノ置換ヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびこれらの混合物から選択される基により少なくとも2あるいは3位で置換された置換インデニル基であり、この基は40個までの非水素原子を含有し、そしてA'は二価のZ基によりMに共有結合され;Zはσ結合によりA'とMの両方に結合されている二価の部分であり、Zはホウ素、または元素周期律表の14族の構成員を含んでなり、そして窒素、リン、イオウまたは酸素も含んでなり;Xは環状、非局在化、π結合の配位子基である配位子の類を除いて60個までの原子を有するアニオン性あるいはジアニオン性の配位子基であり;X'は独立に各々起源として20個までの原子を有する中性のルイス塩基であり;pは0、1または2であり、そしてMの形式酸化状態よりも2少なく、但し、Xがジアニオン性配位子基である場合には、pは1であり;そしてqは0、1または2である。
【0078】
上述の錯体は、場合によっては純粋な形の、あるいは他の錯体との混合物として、場合によっては溶媒、特に有機液体中での溶媒和した付加物の形で、ならびに二量体またはこれらのキレート化された誘導体の形で単離された結晶として存在し得、ここで、このキレート化剤は、有機材料、好ましくは中性のルイス塩基、特にトリヒドロカルビルアミン、トリヒドロカルビルホスフィン、またはこれらのハロゲン化誘導体である。
【0079】
他の好ましい触媒は式
【化6】

に対応する錯体である。
式中、R1とR2は独立に水素、ヒドロカルビル、ペルフルオロ置換ヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびこれらの混合物から選択される基であり、この基は20個までの非水素原子を含有し、但しR1またはR2の少なくとも1つは水素でなく;R3、R4、R5、およびR6は独立に水素、ヒドロカルビル、ペルフルオロ置換ヒドロカルビル、シリル、ゲルミルおよびこれらの混合物から選択される基であり、この基は20個までの非水素原子を含有し;Mはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり;Zはホウ素、または元素周期律表の14族の構成員を含んでなり、そして窒素、リン、イオウまたは酸素も含んでなる二価の部分であり、この部分は60個までの非水素原子を有し;pは0、1または2であり;qは0または1であり;但し、pが2である場合には、qは0であり、Mは+4の形式酸化状態にあり、そしてXはハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ジ(ヒドロカルビル)アミド、ジ(ヒドロカルビル)ホスフィド、ヒドロカルビルスルフィド、およびシリル基、ならびにハロ−、ジ(ヒドロカルビル)アミノ−、ヒドロカルビルオキシ−およびこれらのジ(ヒドロカルビル)ホスフィノ置換誘導体からなる群から選択されるアニオン性配位子であり、X基は20個までの非水素原子を有し、pが1である場合には、qは0であり、Mは+3の形式酸化状態にあり、そしてXはアリル、2−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェニル、および2−(N,N−ジメチル)−アミノベンジルからなる群から選択される安定化アニオン性配位子基であり、あるいはMは+4の形式酸化状態にあり、そしてXは共役ジエンの二価の誘導体であり、MとXは一緒になって金属シクロペンテン基を形成し、そしてpが0である場合には、qは1であり、Mは+2の形式酸化状態にあり、そしてX'は1又はそれ以上のヒドロカルビル基により場合によっては置換された中性の、共役あるいは非共役ジエンであり、X'は40個までの炭素原子を有し、そしてMとπ錯体を形成する。
【0080】
更に好ましい触媒は式
【化7】

に対応する錯体である。
式中、R1とR2は水素またはC1-6アルキルであり、但しR1またはR2の少なくとも1つは水素でなく;R3、R4、R5、およびR6は独立に水素またはCl-6アルキルであり;Mはチタンであり;Yは−O−、−S−、NR*−、−PR*−であり;Z*はSiR*2、CR*2、SiR*2SiR*2、CR*2CR*2、CR*=CR*、CR*2SiR*2、またはGeR*2であり;R*は各々起源として独立に水素、またはヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、シリル、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、およびこれらの組み合わせから選択される構成員であり、R*は20個までの非水素原子を有し、そして場合によっては、Z(R*が水素でない場合)からの2つのR*基、またはZからのR*基およびYからのR*基は環系を形成し;pは0、1または2であり;qは0または1であり;但し、pが2である場合には、qは0であり、Mは+4の形式酸化状態にあり、そしてXは独立に各々起源としてメチルまたはベンジルであり、pが1である場合には、qは0であり、Mは+3の形式酸化状態にあり、そしてXは2−(N,N−ジメチル)アミノベンジルであり;あるいはMは+4の形式酸化状態にあり、そしてXは1,4−ブタジエニルであり、そしてpが0である場合には、qは1であり、Mは+2の形式酸化状態にあり、そしてX'は1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエンまたは1,3−ペンタジエンである。後者のジエンは非対称ジエン基を例示するものであり、それぞれの幾何異性体の混合物である金属錯体を生成する。
【0081】
この明細書で開示される本発明の実施において使用され得る他の触媒、共触媒、触媒系、および活性化法は、米国特許第5,616,664号、WO96/23010(公告1996.8.1)、WO99/14250(公告1999.3.25)、WO98/41529(公告1998.9.24)、WO97/42241(公告1997.11.13)、WO97/42241(公告1997.11.13)、Scollard、らJ.Am.Chem.Soc.1996、118、10008−10009により開示されたもの、EP0468537B1(公告1996.11.13)、WO97/22635(公告1997.6.26)、EP0949278A2(公告1999.10.13);EP0949279A2(公告1999.10.13);EP1063244A2(公告2000.12.27);米国特許第5,408,017号;米国特許第5,767,208号;米国特許第5,907,021号;WO88/05792、(公告1988.8.11);W088/05793(公告1988.8.11);WO93/25590(公告1993.12.23);米国特許第5,599,761;米国特許第5,218,071号;WO90/07526(公告1990.7.12);米国特許第5,972,822号;米国特許第6,074,977号;米国特許第6,013,819号;米国特許第5,296,433号;米国特許第4,874,880号;米国特許第5,198,401号;米国特許第5,621,127号;米国特許第5,703,257号;米国特許第5,728,855号;米国特許第5,731,253号;米国特許第5,710,224号;米国特許第5,883,204号;米国特許第5,504,049号;米国特許第5,962,714号;米国特許第6,150,297号、米国特許第5,965,677号;米国特許第5,427,991号;WO93/21238(公告1993.10.28);WO94/03506(公告1994.2.17);WO93/21242(公告1993.10.28);WO94/00500(公告1994.1.6)、WO96/00244(公告1996.1.4)、WO98/50392(公告1998.11.12);Wangら、Organometallics 1998,17,3149−3151;Younkinら,Science 2000,287,460−462、Chen and Marks,Chem.Rev.2000,100,1391−1434、Alt and Koppl,Chem.Rev.2000,100,1205−1221;Resconiら,Chem.Rev.2000,100,1253−1345;Ittelら,Chem.Rev.2000,100,1169−1203;Coates,Chem.Rev.,2000,100,1223−1251;WO96/13530(公告1996.5.9)に開示されているものを含む。これらの特許と刊行物はすべて全部が引用により本明細書に組み込まれている。すべて全部が引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,965,756号;第6,150,297号;および公告US−A−6,268,444およびUS−A−6,515,155に開示されている触媒、共触媒、および触媒系も有用である。加えて、前述の触媒の製造方法は、引用により本明細書に組み込まれている、例えば米国特許第6,015,868号に述べられている。
【0082】
共触媒
上述の触媒は、活性化共触媒と組み合わせることにより、あるいは活性化法を使用することにより触媒活性となされ得る。この明細書で使用される好適な活性化共触媒は、限定ではないが、ポリマー型あるいはオリゴマー型のアルモキサン、特にメチルアルモキサン、トリイソブチルアルミニウム変成メチルアルモキサン、またはイソブチルアルモキサン;中性ルイス酸、例えばCl-30ヒドロカルビル置換13族化合物、特に各ヒドロカルビルあるいはハロゲン化ヒドロカルビル基中に1〜30個の炭素を有するトリ(ヒドロカルビル)アルミニウムあるいはトリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物およびハロゲン化(ペルハロゲン化を含む)されたこれらの誘導体、更に特にペルフルオロ化トリ(アリール)ホウ素およびペルフルオロ化トリ(アリール)アルミニウム化合物、フルオロ−置換(アリール)ホウ素化合物とアルキル含有アルミニウム化合物との混合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとトリアルキルアルミニウムとの混合物、またはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとアルキルアルモキサンとの混合物、更に特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとメチルアルモキサンとの混合物、およびトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランと数パーセントの高級アルキル基により変成されたメチルアルモキサン(MMAO)との混合物、最も特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとトリス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム;非ポリマー型、融合性、非配位性、イオン形成性の化合物(酸化性条件下でのこのような化合物の使用を含む)、特に融合性、非配位性のアニオンのアンモニウム−、ホスホニウム−、オキソニウム−、カルボニウム−、シリリウム−あるいはスルホニウム塩または融合性、非配位性アニオンのフェロセニウム塩の使用;バルク電解および前出の活性化共触媒および方法の組み合わせを含む。前出の活性化共触媒と活性化法は、EP−A−277,003、US−A−5,153,157、US−A−5,064,802、EP−A−468,651(米国特許出願第07/547,718号に同等)、EP−A−520,732(米国特許出願第07/876,268号に同等)、およびEP−A−520,732(1992年5月1日出願の米国特許出願第07/884,966号に同等)に異なる金属錯体に関して以前に教示されたものである。先行する特許あるいは特許出願のすべての開示は、引用により本明細書に全体で組み込まれている。
【0083】
中性ルイス酸の組み合わせ物、特に各アルキル基中に1〜4個の炭素を有するトリアルキルアルミニウム化合物と、各ヒドロカルビル基中に1〜20個の炭素を有するハロゲン化トリ(ヒドロカルビル)ホウ素化合物、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランの組み合わせ物、このような中性ルイス酸混合物とポリマー型あるいはオリゴマー型のアルモキサンとの更なる組み合わせ物、および単一の中性ルイス酸、特にトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとポリマー型あるいはオリゴマー型のアルモキサンとの組み合わせ物が特に望ましい活性化共触媒である。トリス(ペンタフルオロ−フェニル)ボラン/アルモキサン混合物の組み合わせ物を用いる最も効率的な触媒活性化は低減されたレベルのアルモキサンにおいて起こることが観察されている。4族金属錯体:トリス(ペンタフルオロ−フェニルボラン):アルモキサンの好ましいモル比は1:1:1〜1:5:10、更に好ましくは1:1:1〜1:3:5である。低レベルのアルモキサンのこのような効率的な使用によって、高価なアルモキサン共触媒を少量使用する高触媒効率でのオレフィンポリマーの製造が可能となる。加えて、低レベルのアルミニウム残渣のポリマー、従って高透明性が得られる。
【0084】
本発明のいくつかの実施形態における共触媒として有用な好適なイオン形成型化合物は、プロトンを供与する能力のあるブレンステッド酸であるカチオンおよび融合性、非配位性アニオン、A-を含んでなる。この明細書で使用されるように、用語「非配位性」は、前駆体錯体を含有する4属金属とこれから誘導される触媒誘導体に配位しないか、あるいはこのような錯体に弱い配位しかせず、中性のルイス塩基による置換に充分変わり得る状態にあるアニオンまたは物質を意味する。非配位性アニオンは、カチオン性金属錯体において電荷をバランスさせるアニオンとして機能する場合、アニオン性置換基またはこれらのフラグメントをこのカチオンに移さず、カチオン性金属錯体の触媒としての意図された使用を実質的に妨害する時間中性の錯体を形成するアニオンを特に指す。「融合性アニオン」は、始めに形成された錯体が分解する場合中性まで分解せず、そして所望の以降の重合またはこの錯体の他の使用に非妨害性であるアニオンである。
【0085】
好ましいアニオンは、電荷担持性の金属あるいは半金属コアを含んでなり、このアニオンが2つの成分を合体させる場合形成され得る活性触媒種(金属カチオン)の電荷をバランスさせる能力のある単一の配位錯体を含有するものである。また、このアニオンは、オレフィン型、ジオレフィン型およびアセチレン型不飽和化合物またはエーテルまたはニトリルなどの他の中性のルイス塩基による置換に充分変わり得るものでなければならない。好適な金属は、限定ではないがアルミニウム、金および白金を含む。好適な半金属は、限定ではないがホウ素、リン、およびケイ素を含む。単一の金属あるいは半金属の原子を含有する配位錯体を含んでなるアニオンを含有する化合物は、勿論、当技術分野で既知であり、そして多数の、特にアニオン部分中に単一のホウ素原子を含有するこのような化合物が市販されている。
【0086】
好ましくは、このような共触媒は、一般式
【化8】

により表され得る。
式中、L*は中性のルイス塩基であり;(L*−H)+はブレンステッド酸であり;Ad-はd−の電荷を有するアニオンであり、そしてdは1〜3の整数である。更に好ましくは、Ad-は式[M'Q4-に対応する。式中、M'は+3の形式酸化状態におけるホウ素またはアルミニウムであり;そしてQは独立に各々起源としてヒドリド、ジアルキルアミド、ハライド、ヒドロカルビル、ヒドロカルビルオキシ、ハロ置換ヒドロカルビル、ハロ置換ヒドロカルビルオキシ、およびハロ置換シリルヒドロカルビル基(ペルハロゲン化ヒドロカルビル−、ペルハロゲン化ヒドロカルビルオキシ−およびペルハロゲン化シリルヒドロカルビル基を含む)から選択され、Qは20個までの炭素を有し、但し多くて1つの起源においてQはハライドである。好適なヒドロカルビルオキシQ基の例は米国特許第5,296,433号に開示されている。
【0087】
更に好ましい実施形態においては、dは1であり、すなわち、この対イオンは単一の負電荷を有し、そしてA-である。本発明の触媒の製造において特に有用であるホウ素を含んでなる活性化共触媒は、一般式
【化9】

により表され得る。
式中、L*は前に定義した通りのものであり;M'は3の形式酸化状態のホウ素またはアルミニウムであり;そしてQは20個までの非水素原子のヒドロカルビル−、ヒドロカルビルオキシ−、フッ素化ヒドロカルビル−、フッ素化ヒドロカルビルオキシ−、あるいかフッ素化シリルヒドロカルビル基であり、但し多くて1つの起源においてQはヒドロカルビルである。最も好ましくは、Qは、各々起源においてフッ素化アリール基、特にペンタフルオロフェニル基である。好ましい(L*−H)+カチオンは、N,N−ジメチルアニリニウム、N,N−ジ(オクタデシル)アニリニウム、ジ(オクタデシル)メチルアンモニウム、メチルビス(水素化タロウイル)アンモニウム、およびトリブチルアンモニウムである。
【0088】
活性化共触媒として使用され得るホウ素化合物の例示的な、しかし非限定的な例は、三置換アンモニウム塩、例えばトリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリ(sec−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)−ボレート;N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジメチルアニリニウムn−ブチルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジメチルアニリニウムベンジルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(t−ブチルジメチルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(4−(トリイソプロピルシリル)−2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジメチルアニリニウムペンタフルオロフェノキシトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)−ボレート;N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;およびN,N−ジメチル−2,4,6−トリメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート;ジアルキルアンモニウム塩、例えばジ−(i−プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;およびジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリ置換ホスホニウム塩、例えばトリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;トリ(o−トリル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;およびトリ(2,6−ジメチルフェニル)−ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;ジ−置換オキソニウム塩、例えばジフェニルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;ジ(o−トリル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;およびジ(2,6−ジメチルフェニル)オキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;ジ−置換スルホニウム塩、例えばジフェニルスルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;ジ(o−トリル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート;およびビス(2,6−ジメチルフェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0089】
好ましいシリリウム塩活性化共触媒は、限定ではないが、トリメチルシリリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリエチルシリリウムテトラキスペンタフルオロ−フェニルボレートおよびこれらのエーテル置換付加物を含む。シリリウム塩は、以前に、J.Chem.Soc.Chem.Comm.,1993,383-384、ならびにLambert,J.B.ら,Organometallics,1994,13,2430-2443に一般的に開示されたことがある。付加重合触媒用の活性化共触媒としての上記のシリリウム塩の使用は、引用により本明細書に組み込まれている、米国特許第5,625,087号に開示されている。アルコール、メルカプタン、シラノール、およびオキシムとトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランとのある錯体も有効な触媒活性化剤であり、本発明の実施形態で使用され得る。このような共触媒は、引用により本明細書に全体で組み込まれている、米国特許第5,296,433号に開示されている。
【0090】
この触媒系は、溶液重合法により重合を行う溶媒に必須成分を添加することにより均質な触媒として製造され得る。この触媒系は、また、触媒担体材料、例えばシリカゲル、アルミナまたは他の好適な無機担体材料上に必須成分を吸着させることにより不均質な触媒としても製造され、使用され得る。不均質な形または担持された形で製造される場合には、担体材料としてシリカを使用することが好ましい。
【0091】
常に、個別の成分、ならびに触媒成分は酸素と水分から保護されなければならない。それゆえ、この触媒成分と触媒は酸素と水分を含まない雰囲気中で製造され、回収されなければならない。それゆえ、好ましくは、この反応は、乾燥した不活性ガス、例えば窒素またはアルゴンの存在下で行われる。
【0092】
使用される金属錯体:活性化共触媒のモル比は、好ましくは1:1000〜2:1、更に好ましくは1:5〜1.5:1、最も好ましくは1:2〜1:1の範囲である。金属錯体をトリスペンタフルオロフェニルボランとトリイソブチルアルミニウム変成のメチルアルモキサンにより活性化する好ましい場合には、遷移金属:ホウ素:アルミニウムのモル比は、通常、1:10:50〜1:0.5:0.1、最も通常には約1:3:5である。
【0093】
一般に、この重合は、チーグラー・ナッタあるいはメタロセンタイプの重合反応用の条件、すなわち大気圧〜3500気圧(354.6MPa)の範囲の反応器圧力で行われ得る。この反応器温度は80℃以上、通常100℃〜250℃、そして好ましくは100℃〜180℃でなければならず、高い反応器温度、すなわち、100℃以上の反応器温度は、一般に、低分子量ポリマーの形成を有利とする。
【0094】
大多数の重合反応においては、使用される触媒:重合性化合物のモル比は、10-12:1〜10-1:1、更に好ましくは10-9:1〜10-5:1である。
【0095】
溶液重合条件はこの反応のそれぞれの成分用の溶媒を使用する。好ましい溶媒は鉱油と反応温度で液体である種々の炭化水素を含む。有用な溶媒の例示の例は、アルカン、例えばペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、およびノナン、ならびにケロシンおよびExxon Chemicals Inc.から入手し得るIsopar E(商標)を含むアルカンの混合物;シクロアルカン、例えばシクロペンタンおよびシクロヘキサン;および芳香族、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンおよびジエチルベンゼンを含む。
【0096】
この溶媒は反応器中で相分離を防止するのに充分な量で存在する。この溶媒は熱を吸収する機能があるので、溶媒が少ないと、低断熱性の反応器を生じる。溶媒:エチレンの比(重量基準)は、通常、2.5:1〜12:1であり、この点を超えると触媒効率が落ちる。最も通常の溶媒:エチレンの比(重量基準)は3.5:1〜7:1の範囲にある。
【0097】
この重合は、バッチあるいは連続の重合法で行われ得、実質的に直鎖のポリマーの製造には連続重合法が必要とされる。連続法においては、エチレン、コモノマー、と場合によっては溶媒およびジエンが反応域に連続的に供給され、そしてポリマー製品が連続的に取り出される。
【0098】
他の添加物
本発明のインターポリマーは、また、多数の更なる成分、例えば安定剤、可塑剤、充填剤または酸化防止剤も含有し得る。本発明の接着剤組成物中に包含可能な適用可能な安定剤または酸化防止剤のうちには、高分子量ヒンダードフェノールと多官能性フェノール、例えばイオウ含有およびリン含有フェノールがある。ヒンダードフェノールは、当業者には既知のように、フェノール性ヒドロキシル基に近接して立体的にかさ高な基も含有するフェノール系化合物として記述され得る。特に、三級ブチル基は、一般に、フェノール性ヒドロキシル基に対してオルト位置の少なくとも一つのベンゼン環上に置換される。このヒドロキシル基のこれらのかさ高な置換基の存在は、伸縮周波数と、それに対応してこの反応性を遅らせる役目をする。これらのフェノール系化合物の安定化させる性質をもたらすのはこの障害である。
【0099】
代表的なヒンダードフェノールは、限定ではないが、2,4,6−トリアルキル化モノヒドロキシフェノール;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−ベンゼン;商品名IRGANOX(登録商標)1010の下で市販されているペンタエリスリトールテトラキス−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;n−オクタデシル−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート;4,4'−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチル−フェノール);4,4'−チオビス(6−tert−ブチル−o−クレゾール);2,6−ジ−tert−ブチルフェノール;6−(4−ヒドロキシフェノキシ)−2,4−ビス(n−オクチル−チオ)−1,3,5トリアジン;2−(n−オクチルチオ)エチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンゾエート;ジ−n−オクタデシル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルホスホネート;およびソルビトールヘキサ(3,3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニル)−プロピオネートを含む。
【0100】
酸化防止剤は、限定ではないが、この配合物を更に熱安定性とせしめるのにも使用され得るブチル化ヒドロキシアニソール(「BHA」)またはブチル化ヒドロキシトルエン(「BHT」)を含む。これらの安定剤と酸化防止剤は配合物のほぼ0.01%〜ほぼ5重量%の範囲の量で添加される。
【0101】
既知の共力剤をこの酸化防止剤と合わせて使用することは、これらの酸化防止剤の性能を更に増強し得る。これらの既知の共力剤の一部は、例えばチオジプロピオネートエステルおよびホスフェートである。キレート化剤と金属不活性化剤も使用され得る。これらの化合物の例は、エチレンジアミンテトラ酢酸(「EDTA」)と、更に好ましくはこの塩、およびジサリシルアルプロピレンジアミンを含む。ジステアリルチオジプロピオネートは特に有用である。接着剤組成物に添加する場合には、使用される場合には、これらの安定剤は、一般に、約0.1〜約1.5重量パーセントの、更に好ましくは約0.25〜約1.0重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0102】
本発明は、また、ポリマー型添加物を接着剤に添加することも意図している。このポリマー型添加物は、10〜28重量パーセントのメチルアクリレートを含有するエチレンメチルアクリレートポリマー;25〜150の酸価を有するエチレンアクリル酸コポリマー;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリ(ブテン−1−コ−エチレン)ポリマーおよび低分子量および/または低溶融インデックスエチレンn−ブチルアクリレートコポリマーからなる群から選択可能である。このようなポリマー型添加物を添加する場合には、これは、組成物の約15重量パーセントまでの量で存在する。
【0103】
このインターポリマーの配合物に意図されている特定の最終使用に依って、他の添加物、例えば可塑剤、顔料および染料が包含され得る。粘度を変成し、接着剤組成物の粘着性を改善するために、可塑剤が二次粘着性付与剤の代わりに、あるいは組み合わせて使用され得る。
【0104】
分散剤もこれらの組成物に添加可能である。この分散剤は、塗布した表面から組成物を例えば水性条件下で分散させ得る化学品であることができる。分散剤は、塗布した表面から組成物を分散させる薬剤であってもよい。当業者には既知であるように、これらの分散剤の例は、界面活性剤、乳化剤、および種々のカチオン性、アニオン性あるいは非イオン性の分散剤を含む。アミン、アミドおよびこれらの誘導体などの化合物はカチオン性分散剤の例である。せっけん、酸、エステルおよびアルコールは既知のアニオン性分散剤のうちである。分散剤の添加はホットメルト接着剤を塗布した製品のリサイクル性に影響を及ぼし得る。
【0105】
この界面活性剤は種々の既知の界面活性剤から選択可能である。これらは商品供給者からのエトキシレートなどの非イオン性化合物を含むことができる。例は、アルコールエトキシレート、アルキルアミンエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレートなどを含む。脂肪酸エステル、例えば限定ではないが、グリセロールエステル、ポリエチレングリコールエステルおよびソルビタンエステルなどの他の界面活性剤が使用され得る。
【0106】
粘着性付与剤
本発明のポリマーからホットメルト接着剤を配合するためには、接着剤の固化あるいは硬化の前に結合させることを可能とするために、粘着性付与剤の添加が望ましい。これの例は高速穀物箱のシール操作におけるものであり、この場合にはホットメルト接着剤が固化する間に箱の重なり合う折りぶたは相互に接着される必要がある。
【0107】
このような粘着性付与樹脂は、脂肪族、シクロ脂肪族および芳香族炭化水素および変成炭化水素と水素化された形;テルペンおよび変成テルペンと水素化形、およびロジンおよびロジン誘導体と水素化形;およびこれらの混合物を含む。これらの粘着性付与樹脂は70℃〜150℃の環球式の軟化点(ring and ball softening point)を有し、そしてブルックフィールド粘度計を用いて測定して、2000センチポイズ以下の350°F(177℃)における粘度を通常有する。これらは、別の普通に使用される用語である異なるレベルの水素化、または飽和によっても入手し得る。有用な例は、それぞれ100℃、115℃および130℃の軟化点の部分水素化シクロ脂肪族石油炭化水素樹脂である、Eastman ChemicalCo.(Kingsport,Tenn.)からのEastotac(商標)H−100、H−115、H−130およびH−142を含む。これらは、異なるレベルの水素化を示し、Eが最小に水素化され、Wが最大に水素化されている、Eグレード、Rグレード、LグレードおよびWグレードで入手し得る。Eグレードは15の臭素価を、Rグレードは5の臭素価をLグレードは3の臭素価を、そしてWグレードは1の臭素価を有する。Eastman Chemical Co.からのEastotac(商標)H−142Rは約140℃の軟化点を有する。他の有用な粘着性付与樹脂は、Exxon Chemical Co.(Houston,Tex.)から入手し得る部分水素化脂肪族石油炭化水素樹脂のEscorez(商標)5300、5400、および5637、および部分水素化芳香族変成石油炭化水素樹脂Escorez(商標)5600;Goodyear Chemical Co.(Akron,Ohio)から入手し得る脂肪族、芳香族石油炭化水素樹脂であるWingtack Extra;Hercules,Inc.(Wilmington,Del)から入手し得る部分水素化シクロ脂肪族石油炭化水素樹脂のHercolite(商標)2100を含む。
【0108】
ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、二量化ロジンおよび重合ロジンを含む異なるレベルの水素化で入手し得る多数のタイプのロジンおよび変成ロジンがある。いくつかの特定の変成ロジンは、ウッドロジンおよびトール油ロジンのグリセロールおよびペンタエリスリトールエステルを含む。市販のグレードは、限定ではないが、Arizona Chemical Co.から入手し得るペンタエリスリトールロジンエステルのSylvatac(商標)1103、Union Camp(Wayne,N.J.)から入手し得るペンタエリスリトールロジンエステルのUnitac(商標)R−100Lite、Herculesから入手し得るエリスリトール変成ウッドロジンのPermalyn(商標)305、およびHerculesから入手し得る高水素化ペンタエリスリトールロジンエステルであるForal105を含む。Sylvatac(商標)R−85および295は、Arizona Chemical Co.から入手し得る85℃および95℃融点のロジン酸であり、そしてForal AXはHercules,Inc.から入手し得る70℃融点の水素化ロジン酸である。Nirez V−2040はArizona Chemical Co.から入手し得るフェノール系変成テルペン樹脂である。
【0109】
別な例示の粘着性付与剤のPiccotac115は約1600センチポイズの350°F(177℃)における粘度を有する。他の通常の粘着性付与剤は、1600センチポイズの、例えば50〜300センチポイズの350°F(177℃)における粘度を有する。
【0110】
例示の脂肪族樹脂は、商品名Eastotac(商標)、Escorez(商標)、Piccotac(商標)、Mercures(商標)、Wingtack(商標)、Hi−Rez(商標)、Quintone(商標)、Tackirol(商標)などで入手し得るものを含む。例示のポリテルペン樹脂は、商品名Nierez(商標)、Piccolyte(商標)、Wingtack(商標)、Zonarez(商標)など入手し得るものを含む。例示の水素化樹脂は、商品名Escorez(商標)、Arkon(商標)、Clearon(商標)など入手し得るものを含む。例示の混合脂肪族−芳香族樹脂は、商品名Escorez(商標)、Regalite(商標)、Hercures(商標)、AR(商標)、Imprez(商標)、Norsolene(商標)M、Marukarez(商標)、Arkon(商標)M、Quinone(商標)など入手し得るものを含む。他の粘着性付与剤は、均質の直鎖あるいは実質的に直鎖のエチレン/アルファ−オレフィンインターポリマーと相溶性であるという前提で使用され得る。
【0111】
本発明をしかるべき程度の特殊性をもって述べてきたが、下記の実施例は単に本発明の例示を目的とするものであり、本発明の範囲は特許請求の範囲により定義されるように意図されていないということを理解すべきである。
【実施例】
【0112】
特記しない限り、次の試験方法が使用され、そしてパーセントまたは部は重量によるものである。
【0113】
密度をASTMD−792により測定する。測定を行う前に試料を周囲条件で24時間アニールする。
【0114】
本発明のポリマーのコモノマー含量を核磁気共鳴(NMR)分析により求める。10mmNMR管中で約3gのテトラクロロエタン−d2/オルト−ジクロロベンゼンの50/50混合物(これに充分なクロムアセチルアセトナートを添加して、この混合物がこのクロム化合物中で0.025Mとなるように)を0.4gの試料ポリマーに添加することにより、分析試料を作製する。これと含量を150℃/302°Fまで加熱することにより、試料をこの管中で溶解し、ホモゲナイズする。100.6MHzの13C共鳴周波数に相当するVarian Unity Plus 400MHzNMRスペクトロメーターを用いて、データを収集する。取得パラメーターを選択して、緩和剤として作用するクロムアセチルアセトナートの存在下で定量的な13Cデータ取得を確実にする。ゲート付き1Hデカップリング、データファイル当たり4000トランジェント、6秒のパルス繰り返し遅延、24,200Hzのスペクトル幅、および64Kデータポイントのファイルサイズを用いて、130℃/266°Fまで加熱されたプローブヘッドによりデータ取得する。
【0115】
分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により求める。このクロマトグラフシステムは、Polymer LaboratoriesモデルPL−210またはPolymer LaboratoriesモデルPL−220のいずれかからなる。カラムと回転台小室を140℃で運転する。3つのPolymer Laboratoriesの10ミクロン混合Bカラムを1,2,4トリクロロベンゼンの溶媒により使用する。試料を50mlの溶媒中0.lgのポリマーの濃度で作製する。この試料の作製に使用される溶媒は200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)を含有する。160℃で2時間軽く振盪することにより、試料を作製する。使用される注入容積は100マイクロリットルであり、流量は1.0ml/分である。GPCカラムの組の較正をPolymer Laboratoriesから入手し得る狭い分子量分布ポリスチレン標準により行う。ポリエチレンとポリスチレンに対する適切なMark−Houwink係数(Williams and Ward in Journal of Polymer Science, Polymer Letters, Vol.6,(621)1968により述べられているような)を式

Mホ゜リエチレン=A(Mホ゜リスチレン)B

で用いて、ポリスチレン標準ピーク分子量をポリエチレン分子量に変換する。式中、Mは分子量であり、Aは0.4316の値を有し、そしてBは1.0に等しい。Viscotek TriSECソフトウエア・バージョン3.0を用いて、ポリエチレン等価分子量の計算を行う。
【0116】
式Mj=(Σwi(Mijjにより通常の方法で重量平均分子量Mwを計算する。式中、wiはフラクションiでGPCカラムから溶離する分子量Miの分子の重量分率であり、そしてMwを計算する場合にはj=1、およびMnを計算する場合にはj=−1である。
【0117】
溶融粘度を次の手順により求める:使い捨てアルミニウム試料チャンバーを備えたBrookfield LaboratoriesのDVII+粘度計を用いて、ASTMD3236の方法によって粘度を測定した。使用されるスピンドルは、30〜100,000センチポイズの範囲の粘度を測定するのに好適なSC−31ホットメルトスピンドルである。切断ブレードを使用して、1インチ幅、5インチ長の試料チャンバーに合うのに充分小さい片に試料を切断する。この試料をチャンバー中に入れ、次にこれをBrookfield Thermoselの中に挿入し、曲がったラジオペンチにより所定の位置に固定する。試料チャンバーはBrookfield Thermoselの底部に合う刻み目を底部に有して、スピンドルを挿入し、回転させる場合に、チャンバーが回転しないことを確実にする。試料を所望の温度(149℃/300°Fまたは177℃/350°F)まで加熱し、溶融試料が試料チャンバーの頂部の約1インチ下になるまで、追加の試料を添加する。この粘度計装置を下げ、そしてスピンドルを試料チャンバーの中に沈める。粘度計上の取り付け用金具がThermosel上で位置が合うまで下げ続ける。粘度計を回転し、そして30〜60パーセントの範囲のトルク読みを生じる剪断速度に設定する。約15分間、あるいは最終読みを記録する値が安定するまで毎分読みを行う。
【0118】
FP83HT滴点セル付きのMettler Toledo FP90 Central Processor上でASTM D3954を用いて滴点を測定する。
【0119】
TA Instruments供給のモデルQ1000示差走査クロマトグラフを用いて示差走査熱量計(DSC)により、パーセント結晶度を求める。約5〜8mgサイズの試料を試験対象の材料から切断し、分析のために直接DSC皿に入れる。高分子量材料に対しては、通常、薄いフィルムを試料からプレスするが、粘着性、あるいは加工時に易流動性であり過ぎるので調製が普通必要でない本発明の試料に対してはそうしない。しかしながら、密度試験用に作製され、使用されるプラック(plaques)から試験用の試料を切断してもよい。この試料を180℃まで第1に加熱し、この温度で3分間等温的に保持して、溶融(第1の加熱)を確実に完結させる。次に、この試料を1分当たり10℃の速度でマイナス60℃まで冷却し、ここで3分間等温的に保持し、その後これを1分当たり10℃の速度で150℃まで再加熱(第2の加熱)する。この第2の加熱からのサーモグラムを「第2の加熱曲線」と呼ぶ。サーモグラムを温度対ワット/グラム(エネルギー)としてプロットする。
【0120】
第2の加熱曲線で生じる融解熱のデータを用いて(通常の市販のDSC装置によりこの加熱曲線下の該当面積を積分することにより、通常、融解熱を自動計算する)、
試料のパーセント結晶度を式

パーセントCryst.=(Hf/292J/g)×100、

により計算し得る。
式中、パーセントCryst.はパーセント結晶度を表し、そしてHfはエチレンインターポリマー試料の融解熱を1グラム当たりのジュール(J/g)で表す。
【0121】
特記しない限り、本発明のインターポリマーおよび接着剤配合物の試料の融点を上述のようにDSCから得られる第2の加熱曲線から求める。
【0122】
40ポンドのクラフト紙上に被覆することにより、本発明の配合物の接着性の評価を行う。
【0123】
500gの荷重を使用する標準のSAFT試験方法(ASTMD4498)を用いて、剪断接着破壊温度(「SAFT」)試験(接着性能を評価し、そして当業界ではよく知られた普通に使用される試験)を行う。この試験を室温(25℃/77°F)で開始し、そして温度を0.5℃/分の平均温度で上昇させる。
【0124】
剥離モード用に改良され、100グラムの荷重を使用するASTMD−4498により剥離接着破壊温度(「PAFT」)を行う。
【0125】
各々約6×12インチ(152×305mm)の寸法の2枚の40ポンドのクラフト紙を用いて、SAFTおよびPAFT試験用の試料を作製する。底のシート上に、2つの1.75あるいは2インチ(45あるいは51mm)幅の細片のマスキングテープなどの片面感圧性テープを長さ方向に、そしてlインチ(25mm)の隙間で隔てて平行に接着させる。試験対象の接着剤試料を177℃(350°F)まで加熱し、テープ細片の間に形成される隙間の中心に均一に振りまく。次に、この接着剤が2つのガラス棒を過度に粘稠にする前に、テープ上に乗せ、そしてこの隙間の各側上で同一のテープの細片により、続いて第2の棒および(2つの棒の間で)紙の第2のシートシムされた一方の棒をこのシートの長さの下に滑らせる。第1の棒がテープ細片の間の隙間の接着剤を均一に拡げ、そして第2の棒が隙間の頂部にわたって、そしてテープ細片の頂部上に第2のシートを均一に圧縮するようにこれを行う。このように、2つのテープ細片の間に試料接着剤の単一の1インチ幅の細片を作り出し、紙シートを結合する。このように結合されたシートを1インチの幅および約3インチの長さの細片に交差して切断する。各細片は1×lインチ(25×25mm)接着剤試料結合を中心に有する。次に、この細片をSAFTまたはPAFTで所望のように使用し得る。
【0126】
波型板紙材料上のパーセントファイバー引き裂きを標準の業界の試験方法により行う。接着剤を177℃/350°Fまで加熱し、波型のひだが長さ方向に走る1×3インチ(25×76mm)の長方形シートに切断した板紙材料上に塗布する。試験対象の接着剤を約5mm/0.2インチ幅の細片として長さ方向に塗布し、そしてスパチュラまたはホットメルト塗布器により展げてもよい。次に、第2の細片を2秒以内に塗布し、中程度の圧力により5秒間保持して、積層する。積層試料を試験に選択された温度で少なくとも24時間コンディショニングする。積層シートを一隅近くで保持し、そしてスパチュラを用いて、積層シートの一つの一隅を折り返して、握りを形成する。コンディショニング温度を維持するために、この積層物を加熱または冷却源にできるだけ近く保持しながら、折り返された隅を各シートの長さ方向の軸に対してほぼ45〜90゜の角度でできるだけ速く手で引っ張って、接着結合を引き裂く。引き裂かれたファイバーのパーセント(ファイバー引き裂きまたはFT)を25%の増分、すなわち0%、25%、50%、75%および100%で評価する。特記しない限り、通常、FT試験を5つの複製試料について繰り返し、そしてこれらの5つの試験の平均を表示する。
【表1】

【0127】
ポリマーの製造
一連のエチレン/α−オレフィンインターポリマーも1ガロンのオイルジャケット付きの連続撹拌のタンク反応器中で製造した。LightningA−320インペラー付きの磁石で連結された振盪機が混合を提供した。反応器を475psig(3,275kPa)で液体で一杯にして運転した。工程流れは底部で入り、頂部で出であった。伝熱オイルを反応器のジャケットにより循環して、反応熱の一部を除去した。流れと溶液密度を測定するMicro−Motion(商標)フローメーターを反応器の出口に置いた。反応器の出口のすべてのラインを50psi(344.7kPa)の蒸気により追跡し、絶縁した。
【0128】
Isopar E溶媒とコモノマーを反応器に30psig(206.8kPa)の圧力で供給した。反応器への溶媒フィードをMicro−Motion(商標)マスフローメーターにより測定した。可変速のダイアフラムは溶媒流量を制御し、溶媒圧力を反応器圧力まで増大させた。コモノマーをMicro−Motion(商標)マスフローメーターにより計量し、Researchコントロールバルブにより流れ制御した。コモノマー流れを溶媒ポンプの吸い込みにおいて溶媒流れと混合し、溶媒と共に反応器にポンプ供給した。残存する溶媒をエチレンと(場合によっては)水素と合体し、反応器に送達した。流れを制御するResearchバルブの直前でMicro−Motion(商標)マスフローメーターによりエチレン流れを測定した。3つのBrooksフローメータ/コントローラー(1−200sccmおよび2−100sccm)を使用して、エチレンコントロールバルブの出口においてエチレン流れの中に水素を送達した。
【0129】
エチレンまたはエチレン/水素混合物を溶媒/コモノマー流れと周囲温度で合体させた。反応器に入る時に溶媒/モノマーの温度を2つの熱交換器により制御した。この流れを1ガロンの連続撹拌のタンク反応器の底部に入れる。
【0130】
不活性雰囲気ボックス中で、この2つの成分の各々の適切な容量の濃厚溶液を溶媒と混合して、既知の濃度および組成物の最終の触媒溶液を準備することにより、この遷移金属化合物の溶液を作製した。重合反応器に移すためにこの溶液を窒素下で高圧計量ポンプに取り付けた圧力容器に移した。
【0131】
同一の不活性雰囲気ボックス中で、一次共触媒のメチルビス(水素化タロウアルキル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと二次共触媒のMMAO Type3Aの溶液を溶媒中で作製し、この触媒溶液について述べたように別々の圧力容器に移した。個別の計量ポンプの容量流れ出力を制御して、表2に示すように重合反応器中でモル比を得ることにより、遷移金属に対するAlおよび遷移金属に対するBの比を確立した。この多成分触媒系と溶媒流れも底部においてモノマー流れと異なるポートから反応器に入る。
【0132】
溶液密度を測定するメーターの後で水を反応器の生成物ラインの中に添加することにより、重合を停止させた。次に、反応器流出液流れは溶媒除去のフラッシュのために更なるエネルギーをもたらす後反応器ヒーターに入った。このフラッシュは流出液が後反応器ヒーターを出る時に起こり、そして圧力は475psigから反応器圧力コントロールバルブにおける10psigまで低下した。
【0133】
このフラッシュされたポリマーは熱オイルジャケット付き揮発分除去装置に入った。揮発分除去装置において揮発分のほぼ90%をポリマーから除去した。揮発分は揮発分除去装置の頂部から出る。残存する流れを冷水ジャケット付き熱交換器により凝縮し、次にグリコールジャケット溶媒/エチレン分離容器に入れる。溶媒を容器の底部から除去し、そしてエチレンを頂部から放出する。エチレン流れをMicro−Motionマスフローメーターにより測定する。未反応エチレンのこの測定を使用して、エチレン転化率を計算した。ポリマーを揮発分除去装置中で分離し、ギアポンプにより排出した。生成物をライニングした皿中に捕集し、真空オーブン中140℃で24時間乾燥した。
【0134】
表2は使用された触媒の動力学的パラメーターを要約し、表3は重合条件を要約し、そして表4は生成ポリマーの性質を要約する。
【表2】

【表3】

【表4】

【0135】
粘着性付与剤による接着剤配合物の製造
成分を全重量100gまで金属容器中でブレンドした。粘着性付与剤樹脂を容器の中に添加し、温度コントロールのために加熱マントルにより10分間加熱した。このポリマーを3−5分にわたってゆっくりと添加した。溶融したならば、この成分を金属スパチュラを中くらいの速度で用いて手により混合した。ポリマーの添加が完結した後、この接着剤を更に15分混合して、均一性を確保した。最終の接着剤温度はすべての場合350−360°F(約177−182℃)であった。生成接着剤の性質を表5に要約し、表6に要約したいくつかの市販の接着剤の性質と比較し得る。
【表5】

【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)1,000〜9,000の数平均分子量(Mn);および
ii)500〜9,000cPのブルックフィールド粘度(149℃/300°Fで測定)
を有し、そして1つ又は複数の粘着性付与剤を前記エチレンインターポリマー組成物に15〜40重量パーセント(インターポリマー組成物と粘着性付与剤の合体された重量基準で)の量で添加する場合、この生成接着剤組成物が
a)400〜2,000cPのブルックフィールド粘度(177℃/350°Fで測定);
b)110°Fに等しいかあるいは高い剥離接着破壊温度(PAFT);および
c)140°Fに等しいかあるいは高い剪断接着破壊温度(SAFT)を有する
エチレンインターポリマー組成物。
【請求項2】
iii)0.88〜1.06g/cm3の密度を有する請求項1に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項3】
オレフィンコモノマー反応試剤から誘導されるものであって、少なくともエチレンとスチレンを含んでなり、このような組成物がiii)0.931〜1.06g/cm3の密度を有する請求項2に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項4】
iii)0.88〜0.93g/cm3の密度を有する請求項2に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項5】
i)0.89〜0.92g/cm3の密度;
ii)1250〜7,000の数平均分子量(Mn);および
iii)1,000〜6,000cPのブルックフィールド粘度(149℃/300°Fで測定)
を有し、そして1つ又は複数の粘着性付与剤を前記エチレンインターポリマー組成物に20〜35重量パーセント(インターポリマー組成物と粘着性付与剤の合体された重量基準で)の量で添加する場合、この生成接着剤組成物が
a)500〜1,400cPのブルックフィールド粘度(177℃/350°Fで測定);
b)115°Fに等しいかあるいは高い剥離接着破壊温度(PAFT);および
c)150°Fに等しいかあるいは高い剪断接着破壊温度(SAFT)および
d)35〜140°Fの100%のペーパー引き裂き
を有する請求項4に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項6】
i)0.895〜0.915g/cm3の密度;
ii)1500〜6,000の数平均分子量(Mn);および
iii)1,500〜5,000cPのブルックフィールド粘度(149℃/300°Fで測定)
を有し、そして1つ又は複数の粘着性付与剤を前記エチレンインターポリマー組成物に20〜35重量パーセント(インターポリマー組成物と粘着性付与剤の合体された重量基準で)の量で添加する場合、この生成接着剤組成物が
a)750〜1,200cPのブルックフィールド粘度(177℃/350°Fで測定);
b)120°Fに等しいかあるいは高い剥離接着破壊温度(PAFT);および
c)170°Fに等しいかあるいは高い剪断接着破壊温度(SAFT)および
d)0〜140°Fの100%のペーパー引き裂き
を有する、
請求項4に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項7】
前記インターポリマーがエチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−ペンテン、エチレン/1−ヘキセンまたはエチレン/l−オクテンのコポリマーである請求項4に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項8】
安定剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、保存剤、共力剤、染料および顔料からなる群から選択される1つ又は複数の化合物を更に含んでなる請求項1に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項9】
i)少なくとも2つの触媒の存在下で1つ又は複数のオレフィンモノマーを接触させ、一方が反応性比r1Hを有し、そして他方が反応性比r1Lを有し;そして
ii)このオレフィンモノマーの重合を反応器中で行って、オレフィンポリマーを取得することを含んでなり、
iii)r1Hとr1Lの各々が1〜200であり、そしてr1H/r1Lが0.03〜30であり、そして/あるいは
iv)一方の触媒が選択された重合条件下でこのモノマーから高分子量(MwH)の第1のポリマーを生成する能力があり、そして他方の触媒が実質的に同一の重合条件下で同じモノマーから第1のポリマーに対して低分子量(MwL)の第2のポリマーを生成する能力があり、MwH/MwLが1〜20である
エチレンインターポリマー組成物を製造する方法。
【請求項10】
この触媒が単一部位触媒である請求項9に記載の方法。
【請求項11】
この触媒がメタロセン触媒である請求項9に記載の方法。
【請求項12】
このメタロセン触媒の少なくとも1つが拘束構造の触媒である請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの拘束構造触媒が(C5Me4SiMe2tBu)Ti(η4−1,3−ペンタジエン)である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
この触媒が(C5Me4SiMe2tBu)Ti(η4−1,3−ペンタジエン)および(1H−シクロペンタ[l]−フェナントレン−2−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタニウムジメチルである請求項9に記載の方法。
【請求項15】
この触媒が(C5Me4SiMe2tBu)ZrMe2および(C5Me4SiMe2tBu)Ti(η4−1,3−ペンタジエン)である請求項9に記載の方法。
【請求項16】
この触媒が[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−l−[1,2,3,4,5−η)−3,4−ジフェニル−2,4−シクロペンタジエニル−1−イル]シランアミナト(2)−κN]−ジメチル−チタニウムおよび(C5Me4SiMe2tBu)Ti(η4−1,3−ペンタジエン)である請求項9に記載の方法。
【請求項17】
この触媒が[N−(1,1−ジメチルエチル)−1,1−ジメチル−1−[1,2,3,4,5−η)−3,4−ジフェニル−2,4−シクロペンタジエニル−1−イル]シランアミナト(2)−κN]−ジメチル−チタニウムおよび(1H−シクロペンタ[1]−フェナントレン−2−イル)ジメチル(t−ブチルアミド)シランチタニウムジメチルである請求項9に記載の方法。
【請求項18】
a)単一の反応器中で反応性比r1Hを有する少なくとも高分子量触媒と、少なくとも反応性比r1Lを有する低分子量触媒との存在下で1つ又は複数のオレフィンモノマーを接触させ;そして
b)このオレフィンモノマーの重合をこの反応器中で行って、オレフィンポリマーを取得し;そして
c)r1Hとr1Lの各々が約1〜約200であり、そしてr1H/r1Lが0.03〜30であり;そして/あるいは
d)この高分子量触媒が選択された重合条件下でこのモノマーから高分子量MwHのポリマーを生成する能力があり、そしてこの低分子量触媒が実質的に同一の重合条件下で同じモノマーから低分子量MwLのポリマーを生成する能力があり、MwH/MwLが1〜20である
ことを含んでなる方法で製造される請求項1に記載のエチレンインターポリマー組成物。
【請求項19】
少なくとも2つの触媒の残渣を含有するものであって、第1の触媒が反応性比r1Hを有し、第2の触媒が反応性比r1Lを有し、そしてr1Hとr1Lの各々が独立に1〜200の数であり、r1H/r1Lが0.03〜30の数である請求項1に記載のエチレンインターポリマー。
【請求項20】
1よりも大きい数であるr1H/r1Lを有することを特徴とする請求項19に記載のエチレンインターポリマー組成物。


【公表番号】特表2007−505978(P2007−505978A)
【公表日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527102(P2006−527102)
【出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【国際出願番号】PCT/US2004/030706
【国際公開番号】WO2005/028584
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】