説明

ホップ抽出物含有組成物

【課 題】 本発明はホップに由来する苦みを低減することによって、食べやすく多くの人の嗜好にあったホップ抽出物含有組成物を提供することを目的とするものである。
【解決手段】 ホップ抽出物およびアセスルファムカリウムを含有することを特徴とするホップ抽出物含有組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホップ抽出物の苦味が低減されたホップ抽出物含有組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ホップ抽出物に抗菌作用(例えば、特許文献1参照。)、抗酸化作用(例えば、特許文献2参照。)、鎮静作用(例えば、特許文献3参照。)、アルドースリダクターゼ阻害作用(例えば、特許文献4参照。)、健胃作用(例えば、特許文献5参照。特開2003−206238)等があること、並びにホップのポリフェノールが虫歯の予防(例えば、特許文献6参照。)、老化の防止(例えば、特許文献7参照。)、癌転移抑制(例えば、特許文献8参照。)等に有効であること等が知られるようになり、それを含む機能的食品または健康食品への開発が注目を集めている。しかし、ホップは、特有の苦味を有するためそのままでは食品として用いることは困難である。
【0003】
ホップ等の苦味を低減する方法として、通常使用される飲料用水に代えて、深層海水を脱NaCl処理して得られる水を原料として用いることによって、ポリフェノールに由来する苦み等が軽減され、無理なく美味しく飲食できるポリフェノール含有食品が知られている(例えば、特許文献9参照。)。しかし、この方法は脱塩処理した高価な深層海水を使用するため、実用的ではない。
また、苦味等の不快な味が簡易にマスキングされた製剤として、例えば(a)不快な味を有する成分、(b)メントール、並びに(c)ステビア抽出物、アスパルテーム、グリチルリチン酸、サッカリンおよびスクラロースからなる群より選ばれる1種または2種以上の甘味剤を含有する経口用固形製剤が知られている(例えば、特許文献10参照。)。前記文献の中で不快な味を有する成分として、生薬が例示され、さらにその中でホップが他の生薬と共に例示されている。しかし、ホップ抽出物の苦味が軽減されたことについての具体的な記載は認められない。そこで、後記する実施例でホップとスクラロースを含有する組成物を調製し苦味の官能試験を行ったが、ホップ抽出物の苦味はほとんど緩和されなかった。
【特許文献1】特開平6−25081号公報
【特許文献2】特開平7−196572号公報
【特許文献3】特開2003−183174号公報
【特許文献4】特開2003−226640号公報
【特許文献5】特開2003−206238号公報
【特許文献6】特開平9−295944号公報
【特許文献7】特開2003−2237号公報
【特許文献8】特開2000−327582号公報
【特許文献9】特開2004−113253号公報
【特許文献10】特開2000−159691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はホップに由来する苦みを低減することによって、食べやすく多くの人の嗜好にあったホップ抽出物含有組成物を提供することを目的とするものである。さらに本発明は、ホップに由来する苦みを低減する方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意研究を重ねていたところ、ホップ抽出物にアセスルファムカリウムを配合することにより、ホップに由来する苦みが軽減することを見出した。そしてこれによって種々の機能的効果が判明してきたホップ抽出物を含有する食品を無理なく美味しく飲食できるようになることを確認した。本発明はかかる知見に基づいて完成されたものである。
【0006】
すなわち本発明は、
(1) ホップ抽出物およびアセスルファムカリウムを含有することを特徴とする苦味が低減されたホップ抽出物含有組成物、
(2) さらにスクラロースを含有することを特徴とする上記(1)記載の組成物、
(3) さらにグリチルリチンまたはその塩を含有することを特徴とする上記(2)記載の組成物、
(4) さらに塩化ナトリウムまたは食塩を含有することを特徴とする上記(1)記載の組成物、
(5) アセスルファムカリウムの含有量がホップ抽出物1重量部に対し、0.01〜10.0重量部であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) 飲食品、保健機能食品、飼料、餌料のいずれかであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物、
(7) 食品用保存剤であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の組成物、および
(8) ホップ抽出物にアセスルファムカリウムを配合することを特徴とするホップ抽出物の苦味を低減する方法、
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明のホップ抽出物含有組成物は、ホップ抽出物の苦味が低減されているため、無理なく美味しく飲食できる嗜好性が向上したホップ抽出物含有組成物として、特に機能性食品や食品用保存剤に広く利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に用いられるホップ抽出物の原料であるホップ(Humulus lupulus L.)は、クワ科に属する多年生植物である。ホップの種類は多く、例えばブリオン(Bullion)、ブリューワーズゴールド(Brewers Gold)、カスケード(Cascade)、チヌーク(Chinook)、クラスター(Cluster)、イーストケントゴールディング(East Kent Golding)、ファグルス(Fuggles)、ハレトウ(hallertau)、マウントフッド(Mount Hood)、ノーザンブリューワー(Northan Brewer)、ペーレ(Perle)、ザーツ(Saaz)、スティリアン(Styrian)、テットナンガー(Tettnanger)およびウィラメット(Willamette)等が挙げられる。本発明に用いられるホップ抽出物にはいずれの品種も好ましく用いることができる。また、ホップは前記品種の2種以上を混合して用いてもよい。ホップ抽出物の原料としては、前記ホップの毬花(雌花)、毬果(未受精の雌花が成熟したもの)、葉、茎および苞等いずれの部位も好ましく用いることができる。特に毬花および毬果が好ましい。また、最近ではホップ毬花および毬果を低温下で粉砕後、小指の先ほどの大きさに成形したペレットの形のものがあるが、本発明に用いられるホップ抽出物はこれも原料として用いることができる。さらに、これらを同時に用いることもできる。
【0009】
本発明に用いられるホップ抽出物は、上記ホップの毬花、毬果、葉、茎または/および苞等(以下、ホップ原料という。)を水、食塩水、アルコール、エーテル、アセトンまたはヘキサン等の溶媒で抽出し、抽出液はろ過後、通常、濃縮、乾燥される。ホップ抽出物は、抽出乾燥されたものを粉末化して用いてもよいが、抽出方法によっては、抽出液をそのまま、または濃縮された液状物として用いることもできる。前記溶媒は、1種または2種以上を混合してもよい。また、水酸化アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等を添加し、アルカリ性下で抽出してもよい。抽出は通常使用される抽出方法であればいずれでもよい。乾燥は、自体公知の方法、例えば加熱濃縮、減圧濃縮、凍結乾燥等の公知の手段またはこれらを組み合わせて用いることができる。前記抽出により得られるホップ抽出物は、フムロン類(例、イソフムロン等)やポリフェノール類等を含むことが好ましい。また、本発明に用いられるホップ抽出物は、市販のものを用いてもよい。例えば、BOTANIX社製ISO HOP(イソアルファ酸含量30W/V%)等を用いることができる。
【0010】
本発明のホップ抽出物含有組成物は、ホップ抽出物とアセスルファムカリウムを含有することを特徴とする。ホップ抽出物の苦味成分(例、イソフムロン等)は抽出溶媒や抽出方法等によりその含有量が異なるため、ホップ抽出物の含有量は、ホップ抽出物の苦味成分であるイソフムロン含有量を指標とするのがよい。ホップ抽出物の含有量は、その目的等により異なるが、食品に健康機能等の付与のために添加する場合は、その機能が有効に発揮される量で、また食品保存剤として添加される場合には、食品に添加して抗菌性が発揮される量であってかつ食品の味を著しく損ねない量であることはいうまでもない。通常は組成物に対して、約0.001〜1.0重量%(以下、本明細書では特に断らない限り、「重量%」を単に「%」と表記する。)程度、好ましく約0.001〜0.05%程度である。イソフムロン含有量としては、組成物に対し約0.0003〜0.3%、好ましくは約0.0003〜0.03%、さらに好ましくは約0.0003〜0.015%程度である。アセスルファムカリウムの配合量は、そのホップ抽出物の苦味を低減する効果が発揮される量であれば、特に制限はない。通常はホップ抽出物1重量部に対して約0.01〜10.0重量部程度、好ましくは、約0.3〜3.0重量部程度、さらに好ましく約0.5〜2.7重量部程度である。とりわけ、ホップ抽出物中のイソフムロン1重量部に対してアセスルファムカリウムを約1〜10重量部、好ましくは約1.5〜8重量部とするのが好ましい。アセスルファムカリウムの含有量としては、組成物に対して約0.001〜0.1%、好ましくは約0.001〜0.05%、さらに好ましくは約0.005〜0.02%となるよう調製されるのがよい。
【0011】
また、本発明のホップ抽出物含有組成物は、ホップ抽出物とアセスルファムカリウムにさらにスクラロースを含有させることが好ましい。スクラロースをさらに含有させることにより、後味の苦味も軽減され優れた組成物を得ることができる。スクラロースの配合量は、アセスルファムカリウムがホップ抽出物の苦味を低減する効果を増強する量が好ましく、ホップ抽出物中のイソフムロン1重量部に対して約1〜15重量部、好ましくは約4〜12重量部、およびアセスルファムカリウムに対して約0.1〜3重量部、好ましくは約1〜2重量部である。スクラロースの含有量としては、組成物に対してスクラロースを、約0.001〜0.03%、好ましくは約0.008〜0.03%、となるよう調製されるのがよい。スクラロースの含有量が組成物に対して約0.001%未満では、アセスルファムカリウムによるホップ抽出物の苦味の低減の増強効果が発揮されない懸念がある。アセスルファムカリウムとスクラロースを配合する場合のアセスルファムカリウムの含有量は、組成物に対して、約0.001〜0.03%、好ましくは約0.005〜0.01%程度とすることができる。
【0012】
また、本発明のホップ抽出物含有組成物は、ホップ抽出物、アセスルファムカリウムおよびスクラロースに、さらにグリチルリチンまたはその塩を含有させることが好ましい。グリチルリチンの塩としては、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸アンモニウムまたはグリチルリチン酸ジカリウム等が挙げられる。グリチルリチンまたはその塩をさらに含有させることにより、ホップの後味の苦味も軽減される。グリチルリチンまたはその塩の配合量は、アセスルファムカリウムおよびスクラロースがホップ抽出物の苦味を低減する効果をさらに増強する量が好ましく、アセスルファムカリウム/スクラロース/グリチルリチン(W/W/W)は、好ましくは約1/0.5〜2/0.5〜2程度、特に好ましくは約1/1〜1.2/1である。グリチルリチンまたはその塩の含有量としては、組成物に対して約0.001〜0.2%、好ましくは約0.001〜0.01%である。
【0013】
また、本発明のホップ抽出物含有組成物は、ホップ抽出物、アセスルファムカリウムおよびスクラロースに、さらに塩化ナトリウムまたは食塩を含有させることが好ましい。塩化ナトリウムまたは食塩をさらに含有させることにより、アセスルファムカリウム等の甘味料の甘味が引き立ち、さらなる後味の苦味の軽減を奏する優れた組成物を得ることができる。塩化ナトリウムまたは食塩の使用量は、アセスルファムカリウムがホップ抽出物の苦味を低減する効果を増強する程度が好ましい。塩化ナトリウムまたは食塩の含有量としては、組成物に対して約0.005〜0.2%、好ましくは約0.01〜0.2%程度である。
なお、上記した「さらに食塩を含有させる」とは、通常食塩が使用される加工食品等に本発明のホップ抽出物含有組成物が使用される場合においては、該加工食品に使用される塩化ナトリウムや食塩も包含するものである。したがって、塩化ナトリウムまたは食塩の含有量は、本発明のホップ抽出物含有組成物が使用される対象食品等に応じて適宜選択されるのが好ましい。
【0014】
本発明のホップ抽出物含有組成物は、口中で崩壊または溶解等し、口中にホップ抽出物の苦味が蔓延する製剤であればその剤形に特に限定されることなく用いることができる。好ましい剤形としては、例えば口腔内速崩壊錠、口腔内速溶解錠発泡錠、チュアブル錠、トローチ剤、ドロップ剤、口中で速やかに崩壊または溶解する顆粒剤若しくは散剤、口中清涼剤、うがい剤、シロップ剤および内服液剤等が挙げられる。口腔内速崩壊錠または口腔内速溶解錠とは、口腔内で速やかに崩壊または溶解する性質を有する錠剤をいい、チュアブル錠は、錠剤を噛みながら唾液とともに服用できるようにしたものをいう。これらは、例えば、ホップ抽出物、アセスルファムカリウムおよびスクラロース等をマンニトールのような糖アルコール、結晶セルロース、クロスポビドンのような崩壊剤等と共に混合し、流動層造粒して得られた顆粒を口中で容易に崩壊、溶解または咀嚼するに適した硬度となるように圧縮成型することにより製造することができる。トローチ剤、ドロップ剤もこれらを製造する一般的な方法により製造することができる。うがい剤、シロップ剤および内服液剤等も、自体公知の方法、例えば第14改正日本薬局方製剤総則等に記載の方法に従い製造することができる。本発明のホップ抽出物含有組成物には、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、乳糖、デンプン、結晶セルロース、糖アルコール等の賦形剤、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースカルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、アスコルビン酸、エデト酸ナトリウム等の安定化剤、クエン酸、酢酸ナトリウム等の緩衝剤、酒石酸等の矯味剤、香料および色素等を適宜に配合することができる。
【0015】
これら製剤は、ホップ抽出物が有する種々の作用を奏することができるので、例えば鬱症や不眠症の改善、肥満改善、健胃、糖尿病の改善、老化予防、癌転移抑制等を目的とする医薬あるいは食品、特に保健機能食品等として用いることができる。また、これら製剤は動物等の飼料、餌料等として用いることもできる。
また、本発明のホップ抽出物含有組成物は、虫歯予防等の目的で、練歯磨、ガムおよび口中清涼剤等として利用できる。練歯磨、ガムおよび口中清涼剤は、自体公知の方法で製造することができる。
【0016】
また、ホップ抽出物は抗菌作用や食品保存作用を有することから(例えば、特開平06−153882号公報参照。)、本発明のホップ抽出物含有組成物は、食品の保存剤としても好ましく使用することができる。本発明のホップ抽出物含有組成物が保存剤として使用される対象食品としては、特に限定されるものではないが、例えば穀類、野菜、果実類、海草類等を主原料とした惣菜類(佃煮等)、漬物類の他、水産練製品(例、かまぼこ、はんペん、ちくわ、魚肉ハム等)、水産珍味、畜肉製品(例、ソーセージ、ウィンナーソーセージ、ベーコン、ハンバーグ、ミートボール等)、豆類の加工食品(例、生餡、練り餡、煮豆、豆腐、調味油揚げ等)、米の加工食品(例、寿司、炊き込みご飯、チャーハン、モチ、団子等)、小麦の加工食品(例、麺等、パン類、饅頭等)、根茎類や野菜類の加工食品(例、ポテトサラダ、サツマイモのペースト、トロロイモ、キンピラゴボウ、カボチャ、ニンジン、ダイコン、インゲン、ホウレンソウ等の煮物、いため物等)や、飲料(例、茶、コーヒー、スポーツ飲料等)等が挙げられる。特に、本発明のホップ抽出物含有組成物は、ホップ抽出物の苦味のため、充分量の添加が困難であった食品等においても食品用保存剤として有利に使用することができる。
【0017】
本発明のホップ抽出物含有組成物が食品用保存剤として使用される場合、通常、ホップ抽出物が、食品に対し約0.0005〜0.5%となるよう添加されることが好ましく、さらに好ましくは約0.005〜0.1%添加されるのがよい。
【0018】
以下に本発明において好ましい試験例について述べるが、本発明は以下の試験例等に限定されるものではない。
【実施例】
【0019】
〔試験例〕
BOTANIX社製のISO HOP(イソフムロン含量30W/v%)をメスフラスコを用いてイソフムロン濃度が表1の2倍濃度(%)となるよう蒸留水で溶解し、ホップ抽出物溶解溶液を得た。次いでアセスルファムカリウム、スクラロース、グリチルリチンおよび塩化ナトリウムを表1の2倍の濃度となるよう各々秤量し、蒸留水で溶解し、アセスルファムカリウム溶解溶液、スクラロース溶解溶液、アセスルファムカリウム/スクラロース溶解溶液、アセスルファムカリウム/スクラロース/グリチルリチン溶解溶液およびアセスルファムカリウム/スクラロース/グリチルリチン/塩化ナトリウム溶解溶液を得た。これら溶液と前記ホップ抽出物溶解溶液をそれぞれ等量混合し、試験溶液(試験例1〜6)および比較溶液(比較例A〜D)を調製した。パネラー4名で以下の評価基準により、官能評価を行った。
評価基準:
−:口にしたとき全く苦味を感じないが、後味として僅かに苦味を感じる。
±:口にしたときの苦味はほとんど感じないが、後味として弱い苦味を感じる。
+:口にしたときの苦味はかなり軽減したが、後味として苦味を感じる。
++:口にしたときの苦味は軽減したが、後味として強い苦味を感じる。
+++:口にしたときも後味も強い苦味を感じる。
【0020】
【表1】

【0021】
試験例及び比較例の官能評価の結果を表2に示した。イソフムロンのみを0.002%含む比較例Aでは非常に強い苦味を感じたが、アセスルファムカリウムを0.016%添加することによって、口にした時の苦味が著しく軽減された(試験例1)。また、その軽減の度合いは試験例1の甘味度と合わせてスクラロースを添加した比較例Bよりも顕著であった。またイソフムロン濃度を0.01%(比較例C)と上げても、アセスルファムカリウムの添加により、イソフムロンの苦味が0.002%の場合と同様に低減した(試験例2)。また、その低減の度合いは試験例2の甘味度と合わせてスクラロースを添加した比較例Dよりも顕著であった。
また、試験例1に更にスクラロース(試験例3又は4)又はスクラロースとグリチルリチンを添加(試験例6)することにより、イソフムロンの苦味を低減する効果は更に高まった。また、試験例4に更に塩化ナトリウムを添加(試験例5)すると、全体的な味の調和が得られ、より苦味を感じなくなった。
【0022】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明によれば、アセスルファムカリウムを用いることによってホップの苦みが低減されてなるホップ抽出物含有組成物を提供することができる。さらに本発明の方法によれば、ホップ抽出物含有食品のホップに由来する苦みが低減されるので、まろやかで食べやすい嗜好性が向上したホップ抽出物含有食品としての利用や、ホップ抽出物含有食品用保存剤として有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホップ抽出物およびアセスルファムカリウムを含有することを特徴とする苦味が低減されたホップ抽出物含有組成物。
【請求項2】
さらにスクラロースを含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
さらにグリチルリチンまたはその塩を含有することを特徴とする請求項2記載の組成物。
【請求項4】
さらに塩化ナトリウムまたは食塩を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
アセスルファムカリウムの含有量がホップ抽出物1重量部に対し、0.01〜10.0重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
飲食品、保健機能食品、飼料、餌料のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
食品用保存剤であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
ホップ抽出物にアセスルファムカリウムを配合することを特徴とするホップ抽出物の苦味を低減する方法。

【公開番号】特開2006−55074(P2006−55074A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−240406(P2004−240406)
【出願日】平成16年8月20日(2004.8.20)
【出願人】(502118328)武田キリン食品株式会社 (27)
【Fターム(参考)】