説明

ホース

【課題】圧力損失を小さくすることができるホースを提供することにある。
【解決手段】たて糸13とよこ糸を筒状に織成したジャケット12の少なくとも内側にライニング層を設けたホースで、よこ糸は、断面略三角形状で、その平坦面の底辺部をジャケットの内周側に、頂部をジャケットの外周側に向けた第1のよこ糸14と、第1のよこ糸より細い第2のよこ糸15とからなり、第1のよこ糸と第2のよこ糸とを交互に配置しかつ第1のよこ糸の底辺部に隣接して第2のよこ糸を位置し、たて糸13は、2本の第2のよこ糸の周面部と、これらの間に配置された第1のよこ糸の底辺部とを通ってジャケットの内周側に現れる部分と、第1のよこ糸の頂部を通ってジャケットの外周側に現れる部分とを所定比率で交互に、かつ互いに隣り合うたて糸同士が第2のよこ糸の部分で交叉するように織成し、ジャケットの内周面を軸方向に略同一平面に形成し、ジャケットの外周面を軸方向に凹凸形状にした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば消防用吸管や屋内消火栓用保形ホースのように、たて糸とよこ糸とを織成して得られた筒状のジャケットの少なくとも内側にチューブ層をライニングしたホースに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等に設置される消火栓においては、軽量で、柔軟性があり、外力を加えても容易に潰れることなく円形に保たれた保形ホースがリールに対して螺旋状に巻回されている。そして、このホースの基端部が接続口金を介して消火栓に接続され、先端部に放水口金が設けられている。
【0003】
したがって、消火時にはホースの先端部を持って引き出すことにより、リールが回転してホースを必要な長さだけ引き出すことができ、ホースを途中まで引き出したときにはホースの基端側はリールに巻回されたままであるが、円形に保たれた保形ホースであるため通水することができる。
【0004】
この種のホースは、繊維を筒状に織成したジャケットの内面にゴムまたは合成樹脂のライニング層を施したジャケットホースが用いられている。すなわち、繊維よりなるたて糸と、金属線状体または合成樹脂線状体からなるよこ糸とを筒状に織成し、このジャケットの内側にゴムまたは合成樹脂のライニング層を施している。
【0005】
すなわち、従来のホースは、図5に示すように構成されている。ホース1のジャケット2は、たて糸3はポリエステルスパン糸を複数本燃り合わせた糸条を使用し、よこ糸4は鋼線またはポリエステルモノフィラメント糸を使用し、筒状に織成したものである。そして、このジャケット2の内面にポリエステル系TPEのライニング層5を施している。
【0006】
このジャケット2のよこ糸4の密度が粗いため、ホース1を曲げても、曲げの内側でよこ糸4とよこ糸4とが干渉せず、近付く余裕があり、しわが発生しないが、よこ糸4の密度が粗い(通常、よこ糸の直径の2倍以上)ため、ホース1の内面の凹凸が大きく、圧力損失が大きいという問題がある。
【0007】
そこで、この問題を解決するために、特許文献1に示すように、コンポジットホースのホース内面に設けられる内螺旋輪の接液面を平坦面として形成し、ホース内面が略平坦面として形成されるようにし、ホース内における流体の圧力損失と液溜りを減少させるようにしたホースが開発された。
【特許文献1】特開平8−28762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のものは、断面がかまぼこ形状、略三角形状の内螺旋輪を芯とし、この芯を中心として積層体を形成し、この積層体の外表面に外螺旋輪を設け、内螺旋輪の接液面を平坦面としたものであり、流体の圧力損失と液溜りを減少させることはできるものの、芯が接液面に露出しているため圧力損失の減少が十分とはいえず、またホース全体が大重量となり、取扱いが困難である。
【0009】
この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、軽量、柔軟性に優れているとともに、圧力損失を小さくすることができるホースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、前述した目的を達成するために、請求項1は、たて糸13と、よこ糸を筒状に織成したジャケット12の少なくとも内側にライニング層を設けたホースにおいて、前記よこ糸は、断面略三角形状で、その平坦面の底辺部をジャケット12の内周側Aに、頂部をジャケット12の外周側Bに向けた第1のよこ糸14と、この第1のよこ糸14より細い第2のよこ糸15とからなり、第1のよこ糸14と第2のよこ糸15とを交互に配置するとともに、第1のよこ糸14の底辺部に隣接して第2のよこ糸15を位置し、前記たて糸13は、2本の第2のよこ糸15の周面部と、これらの間に配置された第1のよこ糸14の底辺部とを通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる部分と、第1のよこ糸14の頂部を通ってジャケット12の外周側Bに現れる部分とを所定の比率で交互に、かつ互いに隣り合うたて糸13同士が第2のよこ糸15の部分で交叉するように織成することにより、前記ジャケット12の内周面を軸方向に略同一平面に形成し、前記ジャケット12の外周面を軸方向に凹凸形状にしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2は、たて糸13と、よこ糸を筒状に織成したジャケット12の少なくとも内側にライニング層を設けたホースにおいて、前記よこ糸は、断面略円形状の第1のよこ糸22と、この第1のよこ糸22より細い第2のよこ糸15とからなり、第1のよこ糸22と第2のよこ糸15とを交互に配置するとともに、前記ジャケット12の内周側Aにおいては第1のよこ糸22と第2のよこ糸15の外周面を略一致させ、前記たて糸13は、2本の第2のよこ糸15の周面部と、これらの間に配置された第1のよこ糸22の周面部とを通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる部分と、第1のよこ糸22の周面部を通ってジャケット12の外周側Bに現れる部分とを所定の比率で交互に、かつ互いに隣り合うたて糸13同士が第2のよこ糸15の部分で交叉するように織成することにより、前記ジャケット12の内周面を軸方向に略同一平面に形成し、前記ジャケット12の外周面を軸方向に凹凸形状にしたことを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1または2記載において、所定間隔毎に配置した第2のたて糸24が、第2のよこ糸15と第1のよこ糸14または22の周面部を通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる部分と、第2のよこ糸15と第1のよこ糸14または22の周面部を通って前記ジャケット12の外周側Bに現れる部分とを有するように織成して、第2のよこ糸15を第2のたて糸24で部分的に固定させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、ジャケットのよこ糸を、断面が略三角形状の第1のよこ糸と、第1のよこ糸より細い第2のよこ糸とすることにより、ジャケットの内周面のライニング層が平滑となり、軽量、柔軟性に優れているとともに、圧力損失を小さくすることができるホースを提供できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、ジャケットのよこ糸を、断面が円形状にすることにより、請求項1と同様に、軽量、柔軟性に優れているとともに、圧力損失を小さくすることができるホースを提供することができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、第1の請求項の効果に加え、ジャケットの外周面にライニング層を設けないホースに有効であり、一層軽量化と柔軟性に富んだホースを得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1および図2は第1の実施形態を示し、図1は保形ホースとしての吸管の半断面図、図2はよこ糸の斜視図である。ホース11のジャケット12は、たて糸13と第1のよこ糸14および第2のよこ糸15とを筒状に織成することにより形成されている。
【0017】
たて糸13は合成繊維糸として、呼称75の保形ホースの場合、ポリエステルスパン糸の10/10を264本とポリエステルスパン糸の20/10を1本使用する。ポリエステルスパン糸の10/10と20/10の2種類のかわりにポリエステルフィラメント1500D×1、ナイロンフィラメント1260D×5、ビニロンフィラメント1200D×5等を使用してもよい。
【0018】
第1のよこ糸14はアルミニウム、スチール等の線状体または合成繊維のモノフィラメント糸を使用している。この第1のよこ糸14は、図2に示すように、断面が例えば二等辺三角形で、その3つの角部に丸みを付けるとともに、平坦面の底辺部16をジャケット12の内周側に、頂部17をジャケット12の外周側に向けて配列されている。
【0019】
第2のよこ糸15は第1のよこ糸14より細いフィラメント糸、スパン糸、モノフィラメント糸あるいはスチールワイヤを使用しており、この第2のよこ糸15は第1のよこ糸14と交互に配置されているとともに、第1のよこ糸14の底辺部16を隣接した状態に配置されている。つまり、第2のよこ糸15は、たて糸13とは織成されず、第1のよこ糸14,14間に位置し、たて糸13相互の交叉部に添接状態にある。
【0020】
前記たて糸13は、2本の第2のよこ糸15,15の間に配置された第1のよこ糸14の底辺部16を通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる直線部分13aと第1のよこ糸14の頂部17を通ってジャケット12の外周側Bに現れる屈曲部分13bとが交互に形成されている。
【0021】
さらに、互いに隣り合うたて糸13,13同士は第2のよこ糸15の部分、つまり、ジャケット12の内周側Aで交叉した状態で織成されている。したがって、互いに隣り合うたて糸13,13はジャケット12の軸方向に直線部分13aと屈曲部分13bとが1ピッチずつずれており、ジャケット12の内周面を軸方向に略同一平面に形成し、前記ジャケット12の外周面を軸方向に凹凸形状に形成している。
【0022】
すなわち、ジャケット12の内周面は、第1のよこ糸14に平坦面の底辺部16を有していること、第2のよこ糸15が第1のよこ糸14の底辺部16を近接した状態に配置されていることから、軸方向が略同一平面に形成され、外周面は第1のよこ糸14と第2のよこ糸15が交互に配置されていること、第1のよこ糸14の頂部17が所定間隔を存して配置されていることから略三角形の山部18aと谷部18bとが交互に連続する凹凸部18に形成されている。
【0023】
さらに、前記ジャケット12の内周面にはゴムまたは合成樹脂材料からなる内面平滑なライニング層19が施され、外周面には同様にゴムまたは合成樹脂材料からなるライニング層20が施されている。ここで、ジャケット12の内周面側のライニング層19は薄肉であり、ジャケット12の外周面側のライニング層20は前記凹凸部18の谷部18bを埋めて外周面を平滑にした厚肉ライニングであり、外力を加えても容易に潰れることなく円形に保たれた保形ホースに形成されている。
【0024】
このように構成された保形ホースによれば、ホース11の内周面のライニング層19は、ジャケット12を構成する第1のよこ糸14の底辺部16によって軸方向が略同一平面に形成されているため、ライニング層19も軸方向に略同一平面に形成され、内部を流れる流体は層流状態となり、圧力損失の小さい流路21を構成することができる。
【0025】
また、ホース11の外周面は、ジャケット12を構成する第1のよこ糸14の頂部17が所定間隔を存して配置され、略三角形の山部18aと谷部18bとが交互に連続する凹凸部18に形成されていることから、ホース11を曲げたときに谷部18bが逃げ部となる。したがって、ホース11は軽量で、柔軟性があり、任意の方向に曲げやすい構造である。また、第1のよこ糸14は平坦面の底辺部16を有しているため、たて糸13との織成時に第1のよこ糸14の安定性に優れ、第1および第2のよこ糸14,15の偏りを防止できる。
【0026】
ここで、第1のよこ糸14(例えば、一辺の長さが3.5mmの三角形)の打込み数について述べると、内径がφ75mmの吸管の場合、アルミニウム、スチール等の線状体を17本/10cm、または前記線状体とポリエステルフィラメント糸を引き揃えて15本/10cm程度とする。
【0027】
なお、前記第1の実施形態においては、よこ糸14を中実の断面三角形状に形成しているが、中空の断面三角形状に形成してもよい。このように形成することによって、ホース11を一層軽量化でき、取扱いの容易化を図ることができる。
【0028】
図3は第2の実施形態を示し、図3は保形ホースの半断面図であり、第1の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。ホース11のジャケット12は、たて糸13と第1のよこ糸22および第2のよこ糸15とを筒状に織成することにより形成されている。
【0029】
前記第1のよこ糸22は、断面が中実円形状で、第2のよこ糸15より太く形成されている。第1のよこ糸22と第2のよこ糸15とは交互に配置されているとともに、前記ジャケット12の内周側Aにおいては第1のよこ糸22と第2のよこ糸15の外周面を略一致させている。
【0030】
第1のよこ糸22は、第1の実施形態と同様に、アルミニウム、スチール等の線状体または合成繊維のモノフィラメント糸を使用するか、またはフィラメント糸かスパン糸を使用している。第2のよこ糸15は第1のよこ糸22より細いフィラメント糸、スパン糸、モノフィラメント糸あるいはスチールワイヤを使用している。
【0031】
前記たて糸13は、2本の第2のよこ糸15,15の間に配置された第1のよこ糸22のジャケット12の内周側Aの周面部を通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる直線部分13aと第1のよこ糸22のジャケット12の外周側Bの周面部を通ってジャケット12の外周側Bに現れる屈曲部分13bとが交互に形成されている。
【0032】
さらに、互いに隣り合うたて糸13,13同士は第2のよこ糸15の部分、つまり、ジャケット12の内周側Aで交叉した状態で織成されている。したがって、互いに隣り合うたて糸13,13はジャケット12の軸方向に直線部分22aと屈曲部分22bとが1ピッチずつずれており、ジャケット12の内周面を軸方向に略同一平面に形成し、前記ジャケット12の外周面を軸方向に凹凸形状に形成している。
【0033】
すなわち、ジャケット12の内周面は、第2のよこ糸15が大径の第1のよこ糸22の周面部に近接した状態に配置されていることから、軸方向が略同一平面に形成され、ジャケット12の外周面は第1のよこ糸22と第2のよこ糸15が交互に配置されていること、第1のよこ糸22の周面部が第2のよこ糸15より外周側に突出して所定間隔を存して配置されていることから略三角形の山部18aと谷部18bとが交互に連続する凹凸部18に形成されている。
【0034】
さらに、前記ジャケット12の内周面にはゴムまたは合成樹脂材料からなる内面平滑なライニング層19が施され、外周面には同様にゴムまたは合成樹脂材料からなるライニング層20が施されている。したがって、第1の実施形態と同様な効果が得られる。
【0035】
なお、前記第2の実施形態においては、よこ糸22を断面中実の円形状に形成しているが、中空の円形状に形成してもよい。このように形成することによって、ホース11を一層軽量化でき、取扱いの容易化を図ることができる。
【0036】
前記第1および第2の実施形態において、ジャケットの内周面および外周面にライニング層を設けているが、外周面のライニング層は必ずしも設ける必要がなく、内周面のみにライニング層を設けることにより、より軽量で曲げ剛性が小さく取扱いが一層良好となる。
【0037】
図4は第3の実施形態を示し、図4(a)は保形ホースの半断面図、図4(b)は保形ホースの内面図、図4(c)は保形ホースの外面図であり、第1および第2の実施形態と同一構成部分は同一番号を付して説明を省略する。ホース11のジャケット12は、たて糸13と第1のよこ糸22および第2のよこ糸15とを筒状に織成することにより形成されている。
【0038】
前記第1のよこ糸22は、断面が中実円形状で、第2のよこ糸15より太く形成されている。第1のよこ糸22と第2のよこ糸15とは交互に配置されているとともに、前記ジャケット12の内周側Aにおいては第1のよこ糸22と第2のよこ糸15の外周面を略一致させている。
【0039】
第1のよこ糸22は、第1および第2の実施形態と同様に、アルミニウム、スチール等の線状体、合成繊維のモノフィラメント糸またはフィラメント糸を使用している。第2のよこ糸15は第1のよこ糸22より細いフィラメント糸、スパン糸、モノフィラメント糸あるいはスチールワイヤを使用している。
【0040】
第1のよこ糸22と第2のよこ糸15とが交互に配置されているとともに、前記ジャケット12の内周側においては第1のよこ糸22と第2のよこ糸15の外周面を略一致させている。
【0041】
前記たて糸13は、2本の第2のよこ糸15,15の間に配置された第1のよこ糸22の周面部を通ってジャケット12の内周側Aに現れる直線部分23aと第1のよこ糸22の周面部を通ってジャケットBの外周側に現れる屈曲部分23bとを交互に織成した第1のたて糸23と、2本の第2のよこ糸15,15の間に配置された第1のよこ糸22の周面部を通ってジャケット12の内周側Aに現れる直線部分24aと第1のよこ糸22の周面部および1本の第2のよこ糸15の周面部を通ってジャケット12の外周側Bに現れる屈曲部分24bとを交互に織成した第2のたて糸24とからなる。
【0042】
さらに、互いに隣り合う第1のたて糸23,23同士および第1のたて糸23と第2のたて糸24は、第2のよこ糸15の部分、つまり、ジャケット12の内周側Aで交叉した状態で織成されている。したがって、第1と第2のたて糸23,24はジャケット12の軸方向に直線部分23a,24aと屈曲部分24b、24bとが1ピッチずつずれており、ジャケット12の内周面を軸方向に略同一平面に形成し、前記ジャケット12の外周面を軸方向に凹凸形状に形成している。
すなわち、ジャケット12の内周面は、第2のよこ糸15が大径の第1のよこ糸22の周面部に近接した状態に配置されていることから、軸方向が略同一平面に形成され、ジャケット12の外周面は第1のよこ糸22と第2のよこ糸15が交互に配置されていること、第1のよこ糸22の周面部が第2のよこ糸15より外周側に突出して所定間隔を存して配置されていることから略三角形の山部18aと谷部18bとが交互に連続する凹凸部18に形成されている。
【0043】
さらに、本実施形態においては、第1のたて糸23と第2のたて糸24とを交互に配置してもよく、第1のたて糸23が複数本に対して第2のたて糸24を1本の割合で打ち込んでもよく、いずれにしても第2のよこ糸15が第2のたて糸24によって部分的に固定されることから、外周面にライニング層を有しないホースに有効である。
【0044】
なお、第2のよこ糸15を所定間隔毎に第2のたて糸24で接結することにより、密着結合されているが、熱融着繊維のメルティ(商品名)を使用する事により、内側のライニング層の形成時に熱融着することができる。
【0045】
なお、前記第3の実施形態においては、よこ糸22を断面中実の円形状に形成しているが、中空の円形状に形成してもよい。このように形成することによって、ホース11を一層軽量化でき、取扱いの容易化を図ることができる。
【0046】
前記第1〜第3の実施形態においては全てジャケット織りの基本的な組織が平織りですが、斜文織りや朱子織りでもよく、また、消防用吸管について説明したが、これに限定されず、通常の消防ホースや消火栓用の保形ホースをはじめあらゆる技術分野のホースに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】この発明の第1の実施形態を示すホースの半断面図。
【図2】同実施形態の第1のよこ糸と第2のよこ糸の斜視図。
【図3】この発明の第2の実施形態を示すホースの半断面図。
【図4】この発明の第3の実施形態を示し、(a)は保形ホースの半断面図、(b)は保形ホースの内面図、(c)は保形ホースの外面図。
【図5】従来の消防用吸管の半断面図。
【符号の説明】
【0048】
11…ホース、12…ジャケット、13…たて糸、14…第1のよこ糸、15…第2のよこ糸、16…底辺部、17…頂部、19…ライニング層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
たて糸13と、よこ糸を筒状に織成したジャケット12の少なくとも内側にライニング層を設けたホースにおいて、
前記よこ糸は、断面略三角形状で、その平坦面の底辺部をジャケット12の内周側Aに、頂部をジャケット12の外周側Bに向けた第1のよこ糸14と、この第1のよこ糸14より細い第2のよこ糸15とからなり、
第1のよこ糸14と第2のよこ糸15とを交互に配置するとともに、第1のよこ糸14の底辺部に隣接して第2のよこ糸15を位置し、
前記たて糸13は、2本の第2のよこ糸15の周面部と、これらの間に配置された第1のよこ糸14の底辺部とを通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる部分と、第1のよこ糸14の頂部を通ってジャケット12の外周側Bに現れる部分とを所定の比率で交互に、かつ互いに隣り合うたて糸13同士が第2のよこ糸15の部分で交叉するように織成することにより、前記ジャケット12の内周面を軸方向に略同一平面に形成し、前記ジャケット12の外周面を軸方向に凹凸形状にしたことを特徴とするホース。
【請求項2】
たて糸13と、よこ糸を筒状に織成したジャケット12の少なくとも内側にライニング層を設けたホースにおいて、
前記よこ糸は、断面略円形状の第1のよこ糸22と、この第1のよこ糸22より細い第2のよこ糸15とからなり、
第1のよこ糸22と第2のよこ糸15とを交互に配置するとともに、前記ジャケット12の内周側Aにおいては第1のよこ糸22と第2のよこ糸15の外周面を略一致させ、
前記たて糸13は、2本の第2のよこ糸15の周面部と、これらの間に配置された第1のよこ糸22の周面部とを通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる部分と、第1のよこ糸22の周面部を通ってジャケット12の外周側Bに現れる部分とを所定の比率で交互に、かつ互いに隣り合うたて糸13同士が第2のよこ糸15の部分で交叉するように織成することにより、前記ジャケット12の内周面を軸方向に略同一平面に形成し、前記ジャケット12の外周面を軸方向に凹凸形状にしたことを特徴とするホース。
【請求項3】
所定間隔毎に配置した第2のたて糸24が、第2のよこ糸15と第1のよこ糸14または22の周面部を通って前記ジャケット12の内周側Aに現れる部分と、第2のよこ糸15と第1のよこ糸14または22の周面部を通って前記ジャケット12の外周側Bに現れる部分とを有するように織成して、第2のよこ糸15を第2のたて糸24で部分的に固定させたことを特徴とする請求項1又は2記載のホース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−121894(P2008−121894A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305089(P2007−305089)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【分割の表示】特願平9−53404の分割
【原出願日】平成9年3月7日(1997.3.7)
【出願人】(391001169)櫻護謨株式会社 (40)
【Fターム(参考)】