説明

ポイントカード装置

【課題】遊技場と併設店の顧客の双方に利益を与えるとともに、複合店としたことの利点を十分に活用して併設店側の顧客からの遊技場の新規顧客を開拓し得るポイントカード装置を提供する。
【解決手段】景品顧客管理端末機600は、コンビニエンスストア20での商品購入額に応じてその顧客の商店得点を累積加算し、遊技媒体貸出装置200からパチンコ玉を有料で貸し出したときその額に応じてその顧客の遊技場得点を累積加算する。遊技媒体貸出装置200は商店得点が一定以上のときパチンコ玉を払い出すことで商店得点を利益に還元する。POS装置300は遊技場得点が一定以上のとき、遊技場得点に代えて所定の率で商品購入額を割引することで顧客に得点の利益を還元する。またPOS装置300は、商店得点と遊技場得点の合計に応じて適当な景品を顧客に提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客を特定するためのポイントカードを各顧客に配布し、前記ポイントカードを併用して行われた取引の内容に応じた得点を併用されたポイントカードに対応付けて加算し、累積している得点に応じて所定のサービスを顧客に提供する多数の遊技機が設置された遊技場と多数の商品が陳列された商店との複合店に使用されるポイントカード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のポイントカード装置としては、例えば特開平9−198552号公報に開示されているように、顧客を特定するためのポイントカードを遊技場に来場する各顧客に配布し、遊技機で遊技を行う際にポイントカードを挿入させ、各遊技者の行った遊技内容が予め定められた条件を満たしたとき、その顧客に対して所定のポイントを付与し登録するものがある。この装置では、ポイントカードに対応して登録されているポイントが所定条件を満たすことにより顧客に対して履歴情報公開や景品付与等のサービスを提供するようになっている。
【0003】
また、遊技場と飲食店等とを併設した複合店では、遊技場で付与されたポイントを使用して、飲食店などの併設店にてサービスを受けるように構成されているものがある。
【0004】
【特許文献1】特開平9−198552号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特開平9−198552号公報に開示されているものでは、遊技場で遊技を行った場合にだけポイントが付与されるので、遊技場に良く来る固定客はその利益を享受できるが、遊技をあまり行わない人を新規な顧客にするほどの集客力は得られず、遊技場の利益向上に貢献するまでには至っていなかった。
【0006】
また、複合店の場合、遊技場で遊技を行う顧客にとっては併設店で買い物ができる等の利点が生じていたが、併設店で買い物はするが遊技は行わないという顧客にとっては複合店であることの利点がなかった。このため複合店の形態をとっても遊技場の売上向上のみにしかつながらず、複合店であることが十分に活用されていなかった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、遊技場と併設店の顧客の双方に利益を与えるとともに、複合店としたことの利点を十分に活用して併設店側の顧客からの遊技場の新規顧客を開拓し得るポイントカード装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。[1]顧客を特定するためのポイントカードを各顧客に配布し、前記ポイントカードを併用して行われた取引の内容に応じた得点を併用されたポイントカードに対応付けて加算し、累積している得点の値に応じて所定のサービスを顧客に提供する多数の遊技機(100)が設置された遊技場(10)と多数の商品が陳列された商店(20)との複合店に使用されるポイントカード装置において、
前記遊技場(10)に設置される遊技場用端末(200、600)と、前記商店(20)に配置される商店用端末(300、600)と、累積されている前記得点に応じて前記所定のサービスを顧客に提供するサービス提供手段(200、300)と、前記遊技場(10)に設けられる自動換金機と、前記商店(20)に設けられる自動販売機とを備え、
前記遊技場用端末(200、600)は、前記ポイントカードを併用して遊技に供される遊技媒体の貸し出しが行われた際にその貸出金額に応じて前記商店(20)でのサービスを顧客に提供する遊技場得点を併用されたポイントカードに対応付けて累積加算し、
前記商店用端末(300、600)は、前記ポイントカードを併用して商品の購入が行われた際にその購入額に応じて前記遊技場(10)でのサービスを顧客に提供する商店得点を併用されたポイントカードに対応付けて累積加算し、
前記サービス提供手段(200、300)は、前記商店(20)で商品を購入する際に併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている遊技場得点が予め定められた条件を満たすとき、購入商品の金額を所定の率で割り引きする割引処理が可能であり、該割引処理を実行する場合に前記併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている遊技場得点を予め定めた点数だけ差し引き、
前記サービス提供手段(200、300)は、前記遊技場(10)で遊技媒体の貸し出しを受ける際に併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている商店得点が予め定められた条件を満たすとき、所定数の遊技媒体を放出可能であり、該所定数の遊技媒体を放出する場合に前記併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている商店得点を予め定めた点数だけ差し引き、
前記サービス提供手段(200、300)は、指定されたポイントカードに対応付けて累積加算されている前記遊技場得点と前記商店得点との合計が予め定めた条件を満たすとき、予め定めたサービスを提供可能であり、該サービスを提供する場合に、顧客が所定の点数を前記遊技場得点と前記商店得点のいずれか一方あるいは双方を使用するか選択し、該選択された得点から使用した点数を差し引き、
前記自動換金機は、顧客が獲得した遊技媒体との景品交換として自動的に現金を放出するものであり、
前記自動販売機は、前記ポイントカードの読取部及び演算手段が設けられ、前記ポイントカードを挿入することにより、前記商店得点及び前記遊技場得点、前記商店得点と前記遊技場得点の合計値である総得点を演算表示し、顧客の操作により前記サービス提供手段(200、300)の有する機能のうち前記購入商品の金額を所定の率で割り引きする割引処理を実行することを特徴とするポイントカード装置。
【0009】
[2]前記ポイントカードにはそれぞれ固有の識別番号が記録されており、
前記識別番号に対応付けて、前記商店用端末(300、600)で付与された商店得点と、前記遊技場用端末(200、600)で付与された遊技場得点と、前記商店得点と前記遊技場得点の合計値である総得点と、前記商店得点のうち使用された点数と、前記遊技場得点のうち使用された点数を、それぞれ個別に記録し管理する顧客管理装置(600)を備えたことを特徴とする[1]記載のポイントカード装置。
【0010】
[3]前記商店(20)と前記遊技場(10)との境界部にカウンター(30)を設け、当該カウンター(30)に前記商店用端末(300、600)および前記サービス提供手段(200、300)と遊技場(10)側で顧客が獲得した遊技媒体に基づいて景品交換する機能を果たすPOS装置(300)を配置し、該POS装置(300)は、前記商店(20)に陳列されている商品を前記遊技場(10)で遊技を行う遊技者の獲得した遊技媒体と交換される景品として設定したことを特徴とする[1]または[2]記載のポイントカード装置。
【0011】
[4]前記遊技場(10)で使用される遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機(200)に前記ポイントカードの読取部(209、213)を設け、当該遊技媒体貸出機(200)に前記遊技場用端末(200、600)の機能と前記サービス提供手段(200、300)の有する機能のうち得点に応じて遊技媒体を放出しその分得点を減算する機能とを具備させたことを特徴とする[1]、[2]または[3]記載のポイントカード装置。
【0012】
前記本発明は次のように作用する。
遊技場用端末(200、600)は、ポイントカードを併用して遊技に供される遊技媒体の貸し出しが行われた際に、その貸出金額に応じて前記商店(20)でのサービスを顧客に提供する遊技場得点を、併用されたポイントカードに対応付けて累積加算する。商店用端末(300、600)は、ポイントカードを併用して商品の購入が行われた際に、その購入額に応じて前記遊技場(10)でのサービスを顧客に提供する商店得点を、併用されたポイントカードに対応付けて累積加算する。たとえばポイントカード自体に磁気などによる記録領域を設け、当該箇所に得点を累積加算して登録する。
【0013】
サービス提供手段(200、300)は、商店(20)で商品を購入する際に併用されたポイントカードに対応する遊技場得点が予め定められた条件を満たすとき(たとえば一定値以上のとき)、購入商品の金額を所定の率で割り引きする割引処理が可能であり、該割引処理を実行する場合に、前記併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている遊技場得点から予め定めた点数を差し引く。
【0014】
一方、遊技場(10)で遊技媒体の貸し出しを受ける際に併用されたポイントカードに対応する商店得点が予め定められた条件を満たすとき、所定数の遊技媒体を放出可能であり、該所定数の遊技媒体を放出する場合に、前記併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている商店得点を予め定めた点数だけ差し引く。
【0015】
このように遊技場(10)で遊技媒体の貸し出しを受けることで付与された遊技場得点を、併設されている商店(20)で商品を購入する際に利用でき、また商店(20)で商品を購入した際に付与された商店得点を遊技場(10)で遊技をする際に利用できる。その結果、商店(20)に買い物に来た顧客は遊技を行いやすくなり、遊技場(10)に遊技をしに来た顧客は商店(20)で買い物を行いやすくなり、商店(20)と遊技場(10)の双方の売上げ向上に貢献することができる。また各顧客は遊技場(10)と併設された商店(20)の双方を利用するようになるので、商店(20)の顧客から新規な遊技客を開拓することができる。
【0016】
さらに、サービス提供手段(200、300)は、指定されたポイントカードに対応付けて累積加算されている遊技場得点と商店得点との合計が予め定めた条件を満たすとき、予め定めたサービスを提供可能であり、該サービスを提供する場合に、顧客が所定の点数を遊技場得点と商店得点のいずれか一方あるいは双方を使用するか選択し、該選択された得点から使用した点数を差し引く。
【0017】
これにより、各顧客の遊技場(10)の利用頻度と商店(20)の利用頻度に差がある場合であっても、合計の得点に基づいてサービスを受けることができるので、遊技を行わない顧客にもポイント制度の利益を与えることができ、顧客の利用状況に多様に対応することができる。
【0018】
また、遊技場(10)において自動換金機は、顧客が獲得した遊技媒体との景品交換として自動的に現金を放出する。さらに、商店(20)に自動販売機を設けることにより、カウンター(30)をなくし、無人化するようにしてもよい。すなわち、前記自動販売機には、前記ポイントカードの読取部及び演算手段が設けられており、前記ポイントカードを挿入することにより、前記商店得点及び前記遊技場得点、前記商店得点と前記遊技場得点の合計値である総得点を演算表示し、顧客の操作により前記サービス提供手段(200、300)の有する機能のうち前記購入商品の金額を所定の率で割り引きする割引処理を実行することができ、人件費の節約になるため利益向上につながる。
【0019】
また、顧客に配られたポイントカードごとの得点をまとめて記憶し管理する顧客管理装置(600)を設けたものでは、各顧客の利用状況を一括して管理できるので、遊技場(10)と商店(20)との営業状態を総合的に把握して的確な経営管理を容易に行うことができるとともに、各顧客によって得点データが改竄されるような事態を防ぐことができる。
【0020】
各ポイントカードにはそれぞれ固有の識別番号が記録されており、顧客管理装置(600)は、この識別番号に対応付けて得点を記録し管理する。これによりポイントカード側の記録媒体を書き換え可能なものにする必要がなく、カードの価格を低く抑えることができる。また識別番号に基づいて管理するので、顧客管理装置(600)側の処理内容の簡略化を図ることができる。
【0021】
さらに、顧客管理装置(600)は、前記識別番号に対応付けて、前記商店用端末(300、600)で付与された商店得点と、前記遊技場用端末(200、600)で付与された遊技場得点と、該商店得点と前記遊技場得点の合計値である総得点と、前記商店得点のうち使用された点数と、前記遊技場得点のうち使用された点数を、それぞれ個別に記録して管理する。これにより、遊技場(10)の経営者は、一目で各顧客における遊技場(10)と商店(20)の利用状況を把握でき、商店(20)と遊技場(10)の営業方針を決める手助けとして有効に活用することができる。また、各顧客ごとに遊技場(10)と商店(20)の利用状況を個別に把握できるので、それぞれの顧客の特性に応じたきめの細かいサービスを展開することも可能になる。
【0022】
商店(20)と遊技場(10)との境界部に設けたカウンター(30)に、商店用端末(300、600)およびサービス提供手段(200、300)と遊技場(10)側で顧客が獲得した遊技媒体に基づいて景品交換する機能を果たすPOS装置(300)を配置し、該POS装置(300)により、商店(20)に陳列されている商品を遊技場(10)で遊技を行う遊技者の獲得した遊技媒体と交換される景品とすることにより、景品倉庫を別途設ける必要が無くなるなど、複合店としての利点をより一層有効活用することができる。
【0023】
遊技場(10)で使用される遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機(200)にポイントカードの読取部(209、213)を設け、当該遊技媒体貸出機(200)に遊技場用端末(200、600)の機能を具備させる。たとえば、各遊技機(100)の隣にそれぞれ遊技媒体貸出機(200)を設置すれば、ポイントカードを併用した遊技媒体の貸し出しが行われやすくなり、遊技者によるポイントカードの利用を促進することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかるポイントカード装置によれば、遊技場と商店の複合店であって、遊技場で遊技を行った場合と併設された商店で商品を購入した場合、遊技場で付与されたサービスポイントにより商店でのサービスを受けることができ、商店で付与されたサービスポイントにより遊技場でのサービスを受けることができるので、遊技場と商店の双方の顧客にポイントカードによる利益を与えることができる。
【0025】
また、遊技場得点を、併設された商店で商品を購入する際に購入商品の金額を所定の率での割り引きで利用でき、また商店で商品を購入した際に付与された商店得点を利用して遊技場で遊技媒体の貸出しを受けることができ、さらに遊技場得点と商店得点の合計の得点に応じて顧客が遊技場得点と商店得点のいずれか一方あるいは双方を使用するかを選択し、選択された得点から使用した点数を差し引くことで、景品など適当なサービスの提供を受けることができるので、ポイント制度を商店と遊技場の双方の売上げ向上に役立てることができる。また各顧客は、商店と遊技場の双方を利用するようになるので、商店の顧客から新規に遊技客を開拓することもできる。
【0026】
また、遊技場において自動換金機は、顧客が獲得した遊技媒体との景品交換として自動的に現金を放出し、商店に自動販売機を設けることにより、景品交換所をなくし、無人化することもできる。すなわち、前記自動販売機には、前記ポイントカードの読取部及び演算手段が設けられており、前記ポイントカードを挿入することにより、前記商店得点及び前記遊技場得点、前記商店得点と前記遊技場得点の合計値である総得点を演算表示し、顧客の操作により前記サービス提供手段の有する機能のうち前記購入商品の金額を所定の率で割り引きする割引処理を実行することができ、人件費の節約になるため利益向上につながる。
【0027】
さらに、ポイントカードにはそれぞれ固有の識別番号が記録されており、識別番号に対応付けて商店用端末で付与された商店得点と、遊技場用端末で付与された遊技場得点と、商店得点と遊技場得点の合計値である総得点と、商店得点のうち使用された点数と、遊技場得点のうち使用された点数とを、それぞれ個別に記録し管理するようにしたので、複合店の経営者は、遊技場と商店との利用状況をそれぞれ個別に把握でき、複合店としての営業方針を決める手助けとして有効利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
各図は、本発明の一実施の形態を示している。
図2は、本発明の一実施の形態にかかるポイントカード装置40を適用した複合店を示している。この複合店は、遊技場(パチンコホール)10にコンビニエンスストア(商店)20を併設した形態を成しており、遊技場10とコンビニエンスストア20との間に共通部分としての景品交換所30(カウンター)が設置されている。
【0029】
遊技場10内には、遊技機としての多数のパチンコ機100と遊技媒体貸出装置200とを並設した複数の遊技機島11が配列されている。
【0030】
また、コンビニエンスストア20には、多数の商品を陳列した陳列棚21が配列されている。各陳列棚21の上部には、宣伝広告や各種の情報を顧客に向けて表示するための陳列棚表示部22が設けられている。遊技場10とコンビニエンスストア20との間に設けられた景品交換所30は、遊技場10側及びコンビニエンスストア20側の顧客の双方に対応することができるように構成され、景品交換所30には、この図では示していないPOS装置300、ホール管理端末機410等が設置されている。
【0031】
図1は、図2に示した複合店に設置された複合店管理システムであって、本発明にかかるポイントカード装置40を適用したものの構成を示したものである。遊技場10と商店としてのコンビニエンスストア20とこれらの境界部に設けられた景品交換所30のそれぞれに配置された各種の装置は、共通の通信ネットワーク400に接続されている。なお、ここでは、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)およびLON(Local Operating Network:エシャロン社登録商標)の技術を適用して複合店管理システムを構築している。
【0032】
各遊技機島11には、それぞれ中継器としての台コントローラ412を設置してあり、LONチップを用いた各遊技機島11を介してその配下にあるパチンコ機100、遊技媒体貸出装置200等の検知、監視、制御を行うようになっている。また、遊技媒体貸出装置200には更に遊技媒体計数器250が接続されている。
【0033】
各遊技機島11は、ゲートウェイを兼ねた島コントローラ414に接続されている。島コントローラ414は各遊技機島11の設備機器であるパチンコ機100、遊技媒体貸出装置200等からの各データを一時集積して記憶する機能を有している。島コントローラ414は通信ネットワーク400としてのLANと接続され、通信ネットワーク400には、ホール管理端末機410、ホール管理コンピュータ420、景品管理端末機500、POS装置300、景品顧客管理端末機600、情報表示端末機700等がそれぞれ接続されている。これらの装置には、ディスプレイ、プリンタ、モデム、音声出力装置等が更に接続されている。
【0034】
コンビニエンスストア20においても島コントローラ414と同様のゲートウェイ装置416が配置され、当該ゲートウェイ装置416の配下に端末コントローラ417を介して現金投入機418が接続されている。
【0035】
図3は、POS装置300を示している。POS装置300は、表示部311および操作部312を備えたPOS装置本体部310と、コンビニエンスストア20で客が選択した商品に付されている商品データ及び遊技場10で獲得した遊技媒体数が記録されているレシートを読取るスキャナー330とから構成されている。またPOS装置本体部310には、所定のI/F(インターフェイス)を介して貯玉カードリーダー340が接続されている。貯玉カードリーダー340は、顧客が獲得した遊技媒体(以下パチンコ玉と称す。)に関する情報等を認識するための貯玉カードを挿入し排出するための貯玉カード挿排口341を有している。
【0036】
図4は、コンビニエンスストア20で商品を購入する際のポイントを付加するためのポイント端末機360を示している。ポイント端末機360は、POS装置300と所定のI/Fを介して接続されている。ポイント端末機360は、ポイントカードを挿入及び排出するためのカード挿排口361、各種のデータを表示するための表示部362と、操作部363とを備えている。
【0037】
図5は、POS装置本体部310、貯玉カードリーダー340、ポイント端末機360の各回路構成の概要およびそれらの接続関係を示している。POS装置本体部310は、スキャナー330で読取ったデータを記憶管理する景品交換情報記憶部313と、景品交換情報記憶部313で記憶している情報を加工演算するCPU(中央処理装置)314と、操作部312で加工演算された内容を表示する表示部311および操作部312とから構成されている。また、表示部311はタッチパネル式になっており、これを通じて各種操作を行い得るようになっている。さらに、POS装置本体部310には、プリンター315が接続されており各種のデータの印刷出力が可能になっている。このほかPOS装置本体部310は他の装置と通信するためのI/F316を備えている。
【0038】
貯玉カードリーダー340は、貯玉カード挿排口341から挿入された貯玉カードの内容を読取るための貯玉カード読取部342を有している。また貯玉カード読取部342で読取られた情報を加工演算するCPU343と、CPU343で加工演算されたデータを表示する表示部344と、貯玉カードによる景品交換情報を記憶する貯玉景品交換情報記憶部345およびI/F346とで構成されている。
【0039】
ポイント端末機360は、ポイントカードを挿入及び排出するカード挿排口361、ポイントカード情報を読取るカード読取部363aと、これで読取られた情報を記憶するポイント情報記憶部364と、ポイント情報を加工演算するCPU365と、CPU365で加工演算されたデータを表示する表示部362、およびI/F366とで構成されている。なお、POS装置300で操作された情報は景品管理端末機500及び景品顧客管理端末機600に送信されるように構成されている。
【0040】
図6は、遊技媒体貸出装置200および遊技媒体計数器250を示している。遊技媒体貸出装置200は縦長の薄い箱型形状を成し、パチンコ機100に併設されるようになっている。遊技媒体貸出装置200の正面には、その上部から順に、従業員等が操作するリモコンからの無線信号を受信するリモコン受信部201、紙幣を投入及び排出する紙幣投排口202、硬貨を投入する硬貨投入口203、硬貨を返却させる硬貨返却ボタン204、各種表示をする表示部205、各種操作をする各種操作部206、パチンコ玉をパチンコ機の上皿まで放出するノズル207、硬貨を返却する硬貨返却口208、ポイントカードを挿入及び排出するカード挿排口209が配列されている。
【0041】
また、遊技媒体貸出装置200の下部には遊技媒体計数器250が接続されている。遊技媒体計数器250には、顧客が獲得したパチンコ玉を投入するための玉投入口251、この玉投入口251に投入されたパチンコ玉を計数し、遊技終了時に獲得パチンコ玉としてその個数を記録したレシート(前述したPOS装置300で読取られるレシート)を発券するレシート発券手段252で構成されている。
【0042】
表示部205には、ポイントカードを挿入した際に、当該カードから認識することができるコンビニポイント数及び遊技場ポイント数等が表示されると共に、遊技媒体計数器250で計数された獲得パチンコ玉数等を表示するように構成されている。なお、商店得点としてのコンビニポイントは、コンビニエンスストア20で商品を購入した際に、その購入額等に応じて付与され累積加算される得点である。また遊技場得点としての遊技場ポイントは、遊技媒体貸出装置200等でパチンコ玉の貸し出しを受けた際に、その貸出金額に応じて付与されて累積加算される得点である。
【0043】
リモコン受信部201は、従業員からのリモコン操作として、遊技を一旦中断する休憩信号、大当たり遊技時に連続遊技を行うことができるか否かの情報等を受信し、遊技媒体貸出装置200及び遊技媒体計数器250を制御するように構成されている。また、各種操作部206は、一旦計数されたパチンコ玉を再度遊技に使用するための戻し玉ボタン、遊技を終了する精算ボタン、貯玉をリプレイするための暗証番号入力部、コンビニポイントを使用してパチンコ玉の貸し出しを受けるための貸出ボタン等で構成されている。
【0044】
図7は、遊技媒体貸出装置200および遊技媒体計数器250の回路構成を示している。遊技媒体貸出装置200は、各種機能を統括制御するCPU210を有し、当該CPU210に各種の回路装置が接続されている。紙幣識別手段211は、紙幣投排口202から投入された紙幣の真偽およびその額面を判断する回路部分である。硬貨識別手段212は、硬貨投入口203から投入された硬貨の真偽とその額面を判別し、必要な場合に釣り銭を硬貨返却口208から排出する機能を備えている。カード識別手段213は、カード挿排口209から挿入されたポイントカードに記録されているデータを読取る機能を有している。
【0045】
玉放出部214は、投入された金額等に応じて遊技媒体であるパチンコ玉をノズル207から払い出す機能を有し、玉放出制御部215は、放出するパチンコ玉の個数等を制御する回路部分である。I/F216は台コントローラ412との間で、またI/F217は、遊技媒体計数器250との間でそれぞれ各種のデータを入出力するための入出力回路である。
【0046】
遊技媒体計数器250は、レシート発券手段252のほか、玉投入口251から投入されたパチンコ玉の個数を計数する計数手段253と、遊技媒体貸出装置200との間で各種のデータを入出力するためのI/F254とを備えている。
【0047】
図8は、情報表示端末機700の外観を示し、図9はその回路構成を示している。情報表示端末機700は、ポイントカードの挿入及び排出をするためのカード挿排口701と、表示部704、およびその画面上に配置されたタッチパネルから成る操作部705と、音声ガイダンス等を流すためのスピーカ706とを備えている。カード挿排口701にポイントカードを挿入することにより景品顧客管理端末機600からの情報をI/F702を介して受信し、CPU703にて加工し、加工後の各種情報を表示部704に表示するようになっている。
【0048】
また、操作部705を操作することにより、その他の情報、例えばパチンコ機100の情報やコンビニエンスストア20に陳列されている商品情報等を表示するように構成されている。操作履歴記憶部707は、操作部705を通じて入力された各種操作の履歴情報を記憶する回路部分であり、カード読取部708は、カード挿排口701から投入されたポイントカードの内容を読み出す回路部分である。
【0049】
図10は、情報表示端末機700の表示部704に表示されるポイント確認画面710を示している。ポイント確認画面710は、挿入されたポイントカードの所有者の有する現在のポイント数とそれによって受け得るサービスの内容を示している。より詳細には、ポイントカードを挿入したポイントカードの所持者のポイント数(コンビニポイント数711、遊技場ポイント数712、総ポイント数713)が表示され、ポイント数に応じて提供可能なサービスの内容がその右横に対応付けて表示される。
【0050】
ここでは、コンビニポイント数が「20」の場合には、パチンコ玉50個又はメダル10枚が付与されることを、遊技ポイント数が「3」の場合には、提供されるサービスが無いことを、総ポイント数が「23」の場合には、500円相当の景品等がサービスされ得ることが示されている。この表示内容を基にして、ポイントカードの所持者は、サービスを受けるか否かを判断することができるようになっている。
【0051】
図11は、情報表示端末機700の表示部704に表示されるポイントサービス確認画面720を示している。ポイントサービス確認画面720は、コンビニポイント数721及び遊技場ポイント数722、総ポイント数723の点数に応じて提供されるサービスの種類を一覧で表示したものである。例えば、コンビニポイント数が30以上ある場合(724)は、パチンコ玉200個又はメダル40枚が貸出可能である旨を表示している。また、遊技場ポイント数が10以上ある場合(725)は、コンビニエンスストア20で商品を購入する際にその価格が3%割り引かれるサービスが提供される旨を表示している。総ポイント数が20以上の場合(726)は、300円相当の景品が贈呈される旨が表示されている。
【0052】
利用者は、このポイントサービス確認画面720を見ることにより、あと何ポイント貯めればより良いサービスを受けることができるか等を認識することができ、ポイント利用のための戦略を立てることができる。なお、それぞれのポイント数に対するサービスの個数、割引率、値段等はコンビニエンスストア20及び遊技場10で任意に設定することが可能に構成されている。
【0053】
図12は、景品管理端末機500の外観を示し、図13は景品管理端末機500の回路構成を示している。景品管理端末機500は、POS装置300からの景品交換情報を収集し、記憶管理する機能を有するものである。景品管理端末機500は、本体部501と、各種操作を行う操作部502と、表示部(CRT)503とを備えている。また景品管理端末機500には、表示部503に表示されているデータを印刷出力するためのプリンタ510が接続されている。
【0054】
景品管理端末機500は、CPU504を中心に構成され、景品交換情報を記録するための景品交換情報記憶部505と、I/F506、507とを備えている。景品管理端末機500は、POS装置300から景品交換情報をI/F506を介して受信し、CPU504にて加工演算し、景品交換情報記憶部505に記憶するようになっている。また、景品交換情報記憶部505に記憶されている情報を表示部503に表示したり、プリンタ510から印刷出力し得るようになっている。
【0055】
ここでは景品管理端末機500を、汎用のパーソナルコンピュータで構成している。なお、景品管理端末機500の操作部502をPOS装置300と同様に表示部503の画面上に配置するタッチパネル式とすることにより、より操作性を向上させることができる。
【0056】
図14は、景品顧客管理端末機600の外観を示し、図15は景品顧客管理端末機600の回路構成を示している。景品顧客管理端末機600は、ポイントカードの各所有者ごとに、そのポイント数等を記憶し管理する機能を有するものである。景品顧客管理端末機600は、本体部601と、各種操作(演算加工、出力等)を行うための操作部602と、表示部(CRT)603とを備えている。また景品顧客管理端末機600には、表示部603に表示されているデータを印刷出力するためのプリンタ610と通信装置としてのモデム620とが接続されている。
【0057】
景品顧客管理端末機600は、CPU604を中心に構成され、ポイント数等を記憶するためのポイント情報記憶部605と、I/F606、607とを備えている。
【0058】
景品顧客管理端末機600は、POS装置300及び遊技媒体貸出装置200からのポイントカード情報をI/F606を介して受信し、CPU604で加工演算し、ポイント情報記憶部605に記憶するようになっている。またポイント情報記憶部605に記憶されたポイント情報は、表示部603に表示されるとともに、プリンタ610で印刷することが可能である。なお、景品顧客管理端末機600では、表示部603と操作部602とをそれぞれ独立に分けて設けたが、POS装置300と同様にタッチパネル式にすることで、より操作性を向上させることができる。
【0059】
図16は、景品顧客管理端末機600の有する表示部603上に表示される顧客情報表示画面630を示している。景品顧客管理端末機600は、顧客毎(ポイントカード上に予め付されているID番号毎)にポイント数等を記憶管理する機能を有している。顧客情報表示画面630上には、以下の各項目が表示される。カードIDの欄631は、ポイントカードごとに予め付されているID番号が表示される。コ・売上金額の欄632には、コンビニエンスストア20での売上げ金額が、遊・貸出金額の欄633には遊技場10に配置された遊技媒体貸出装置200に投入された金額がそれぞれ表示される。
【0060】
コ・ポイントの欄634には、コンビニポイント数が、遊・ポイントの欄635には遊技場ポイント数が、総ポイントの欄636には、コンビニポイント数と遊技場ポイント数の合計がそれぞれ表示される。遊・ポイント使用数の欄638には、遊技場ポイント数のうちの使用ポイント数が、コ・ポイント使用数の欄637には、コンビニポイント数のうちの使用ポイント数がそれぞれ表示される。
【0061】
顧客情報表示画面630からは、遊技場ポイントを貯める顧客とコンビニポイントを貯める顧客等に分かれる場合が存在するなど、各顧客の利用状況を把握することができる。例えばカードIDが「002」の顧客641はコンビニポイント数が「2」に対して遊技場ポイント数が「35」であり、この顧客641は主に遊技を中心に行っている傾向があることがわかる。またこの顧客641は、遊技場ポイント使用数が「20」であるため、遊技場ポイントを貯めて、コンビニで割引処理を行っているか、景品贈呈のサービスを受けている傾向があると考えられる。
【0062】
また、カードIDが「003」の顧客642はコンビニポイント数が「20」に対して遊技場ポイント数が「3」であり、この顧客642は主にコンビニを中心に買い物を行っている傾向があることがわかると共に、コンビニポイント使用数が「30」であるため、コンビニポイントを使用してパチンコ玉の貸出を受けているか、景品贈呈のサービスを受けている傾向があると考えられる。
【0063】
次に、作用を説明する。
図17は、遊技場10でコンビニポイントを使用する際と遊技場ポイントを付与する際における処理の流れを示している。顧客が遊技場10に来店し、ポイントカードを所持していない場合は(ステップS1001;N)、パチンコ機100の隣に設置されている遊技媒体貸出装置200に現金が投入され(ステップS1002)、遊技が開始され(ステップS1003、S1004)、その後遊技が終了する(ステップS1005;Y)。
【0064】
顧客がポイントカードを所持している場合は遊技媒体貸出装置200にポイントカードが挿入され(ステップS1001;Y)、そのID番号に対応付けて登録されているコンビニポイント数が所定条件を満たしているか否か(貸出ポイントの有無)を判別する(ステップS1006)。
【0065】
貸出ポイント数がある場合は(ステップS1006;Y)、貸出ポイントを使用するか否かを判別し(ステップS1007)、使用しない場合は(ステップS1007;N)、現金が投入される(ステップS1008)。また、貸出ポイントを使用する場合は(ステップS1007;Y)、ポイント数に見合うパチンコ玉が放出され(ステップS1009)、コンビニポイント数がその分減算されて(ステップS1010)、遊技が行われる(ステップS1011)。
【0066】
また、貸出ポイントが無い場合(ステップS1006;N)及び貸出ポイントを使用しない場合には(ステップS1007;N)、投入された現金(ステップS1008)の金額を貸出金額(図16の遊・貸出金額の欄633)に加算し(ステップS1012)、貸出金額が所定金額以上あるか否かを判別し(ステップS1013)、所定金額未満の場合は(ステップS1013;N)、投入金額分のパチンコ玉が貸出され(ステップS1015)、所定金額以上の場合は(ステップS1013;Y)、遊技場ポイント数が加算されるとともに(ステップS1014)、投入金額分のパチンコ玉が貸出される(ステップS1015)。
【0067】
この貸出されたパチンコ玉を使用して遊技が開始される(ステップS1011)。遊技中は、パチンコ玉があるか否かを判別し(ステップS1016)、パチンコ玉がある場合は(ステップS1016;Y)遊技中を継続し、パチンコ玉がない場合は(ステップS1016;N)、遊技を終了するか否かの判別に移る(ステップS1017)。遊技が終了される場合は(ステップS1017;Y)、カードが排出されて(ステップS1018)遊技が終了し、遊技を終了しない場合は(ステップS1017;N)、貸出ポイントが有るか否かの判別(ステップS1006)に戻る。
【0068】
このように、遊技場10でパチンコ玉の貸し出しを受けた場合には、その分、遊技場ポイントが累積加算されるとともに、コンビニポイントを利用してパチンコ玉の貸し出しを受けることができる。
【0069】
図18は、コンビニエンスストア20で遊技場ポイントを使用する際とコンビニポイントを付与する際における処理の流れを示している。顧客は、コンビニエンスストア20に来店し、先ず商品を選択し(ステップS1101)、選択された商品に付されている商品データをPOS装置300のスキャナー330で読取らせる(ステップS1102)。これによりPOS装置300は、その金額を算出するとともに、これを表示部311に表示する(ステップS1103)。
【0070】
顧客がポイントカードを所持していない場合は(ステップS1104;N)、表示金額を顧客から受け取り、商品が引き渡されて(ステップS1105)コンビニエンスストア20での買い物が終了する。一方、ポイントカードを所持している場合は(ステップS1104;Y)、遊技場ポイント数が所定条件を満たしているか否か(割引ポイントの有無)を判別する(ステップS1106)。
【0071】
割引ポイントがある場合は(ステップS1106;Y)、割引処理を実行するか否かを判別し(ステップS1107)、実行する場合(ステップS1107;Y)は割引後の金額が算出されて表示され(ステップS1108)、使用された遊技場ポイントが減算される(ステップS1109)。その後、POS装置本体部310の表示部311に表示された金額の現金を顧客から受け取り、ポイントカードを排出し(ステップS1110)、商品が引き渡される(ステップS1105)。
【0072】
また、割引ポイントがない場合(ステップS1106;N)及び割引処理を実行しない場合は(ステップS1107;N)、算出された金額を売上金額(図16のコ・売上金額の欄632)に加算し(ステップS1111)、売上金額が所定金額以上あるか否かの判別に移る(ステップS1112)。
【0073】
売上金額が所定金額未満である場合は(ステップS1112;N)、表示金額を受け取り、ポイントカードが排出され(ステップS1110)、商品が引き渡される(ステップS1105)。一方、売上金額が所定金額以上ある場合は(ステップS1112;Y)、コンビニポイントが加算され(ステップS1113)、表示金額を受け取り、ポイントカードが排出され(ステップS1110)、商品が引き渡されて(ステップS1105)、コンビニエンスストア20での買い物が終了する。
【0074】
このように、コンビニエンスストア20で商品を購入した場合には、その分、コンビニポイントが累積加算されるとともに、遊技場ポイントを利用して商品の購入金額の割引を受けることができる。
【0075】
図19は、コンビニポイント数と遊技場ポイント数を合算させることにより、所定金額の景品の贈呈を受けるサービスについての処理の流れを示している。先ず、顧客が景品交換所30に出向き、ポイントカードを挿入する(ステップS1201)。
【0076】
このカードをPOS装置300のスキャナー330で読取り、コンビニポイント数、遊技場ポイント数、総ポイント数を演算すると共に(ステップS1202)、贈呈し得る景品金額が算出され、表示部に表示される(ステップS1203)。顧客は、この表示された金額の景品を受けるか否かを選択する(ステップS1204)。景品を受け取らない場合は(ステップS1204;N)、ポイントカードが排出されて(ステップS1207)景品贈呈作業が終了する。
【0077】
表示された金額の景品を受け取る場合は(ステップS1204;Y)、コンビニポイント数と遊技場ポイント数のどちらをどれだけ使用するかを顧客が選択し、選択されたコンビニポイント数及び遊技場ポイント数が減算され(ステップS1205)、景品が引き渡され(ステップS1206)、ポイントカードが排出されて(ステップS1207)、景品贈呈作業が終了する。
【0078】
このように、コンビニポイントと遊技場ポイントの合計値に応じて、景品の贈呈を受けることができるので、遊技場10とコンビニエンスストア20との利用頻度に差の大きい顧客や、遊技場10とコンビニエンスストア20のいずれか一方のみを利用する顧客に対しても、適切に利益を還元することができる。
【0079】
本発明にかかるポイントカード装置40では、上述のように遊技場10で遊技を行った場合と併設されたコンビニエンスストア20で商品を購入した場合のいずれにおいてもポイントが付与されるので、遊技場10とコンビニエンスストア20の双方の顧客に利益を与えることができる。
【0080】
また遊技場10でパチンコ玉の貸し出しを受けた場合のポイントを遊技場ポイントとし、併設されたコンビニエンスストア20で商品を購入した際のポイントをコンビニポイントとして、それぞれ個別にポイント数を累積加算し管理するようにしたので、複合店の経営者は、遊技場10とコンビニエンスストア20の利用状況を各顧客ごとに把握でき、遊技場10とコンビニエンスストア20との営業方針を決める手助けとして有効利用することができる。また各顧客ごとに遊技場10とコンビニエンスストア20の利用状況を個別に把握できるので、それぞれの顧客の特性に応じたきめの細かいサービスを展開することも可能になる。
【0081】
さらに遊技場10でパチンコ玉の貸し出しを受けることで付与された遊技場ポイントを併設するコンビニエンスストア20で商品購入の際に利用でき、またコンビニエンスストア20で商品を購入した際に付与されたコンビニポイントを利用して遊技場10でパチンコ玉の貸出しを受けることができるので、ポイント制度をコンビニエンスストア20と遊技場10の双方の売上げ向上に役立てることができる。すなわち、コンビニエンスストア20に買い物に来た顧客は遊技を行いやすくなり、遊技場10に遊技をしに来た顧客は商店で買い物を行いやすくなる。また各顧客は遊技場10とコンビニエンスストア20の双方を利用するようになるので、コンビニエンスストア20の顧客から新規な遊技客を開拓することもできる。
【0082】
また、ポイントカードにID番号を登録し、ポイント数等を景品顧客管理端末機600でまとめて記憶し管理するようにしたので、各顧客の利用状況を店側で一括して管理することができ、遊技場10とコンビニエンスストア20との営業状態を総合的に把握して的確な経営管理を容易に行うことができる。さらに、各顧客によってポイント数のデータが改竄される等の不正行為を防止することができる。
【0083】
またポイントカード側にはID番号のみを登録すれば良いので、ポイント数を登録する場合のように、カードの記憶内容を書き換える必要がなくまた記憶容量が少なくて済むので、ポイントカードの価格を低く抑えることができる。また識別番号に基づいて管理するので、景品顧客管理端末機600側の処理も容易になる。
【0084】
遊技場10とコンビニエンスストア20との双方からアクセスできる境界部(景品交換所30)に、POS装置300を設けたので、遊技場10側とコンビニエンスストア20側で1つのPOS装置300を共通に利用することができる。また、コンビニエンスストア20に陳列されている商品を遊技者の獲得したパチンコ玉と交換される景品として利用することで、景品倉庫を別途設ける必要が無くなり、複合店であることの利点をより一層有効活用することができる。
【0085】
このほか、各パチンコ機100の隣に設置された遊技媒体貸出装置200にカード挿排口209や表示部205を設け、ポイントの加減算を行わせるようにしたので、ポイントカードを併用したパチンコ玉の貸し出しが行いやすくなり、遊技者によるポイントカードの利用を促進することができる。
【0086】
さらに、遊技媒体貸出装置200の表示部205に、コンビニポイント数、遊技場ポイント数およびコンビニポイント数によって放出可能なパチンコ玉の個数が表示されるので、遊技客は遊技を行いながら、付与されるポイント数を確認することができ、安心して遊技場ポイントを貯める喜びを味わうことができる。
【0087】
また、情報表示端末機700をコンビニエンスストア20や遊技場10の各所に配置したので、各顧客は、ポイント数やそれによって享受できるサービスを目視で容易に確認することができ、安心してポイントを貯めることができる。
【0088】
以上説明した実施の形態では、情報表示端末機700及び景品顧客管理端末機600の表示画面上に表の形式で各種のデータを表示するようにしたが、グラフ化して表示しても良い。これにより、一目で各種情報をより迅速に認識できるようになる。また、情報表示端末機700においてそのスピーカ706を通じて操作説明や情報開示を行うようにしても良い。
【0089】
さらに、遊技場10に自動換金機(顧客が獲得したパチンコ玉から自動的に現金を放出する機械)を設け、且つコンビニエンスストア20には自動販売機を設けることにより景品交換所30をなくし、無人化するようにしてもよい。この場合は、コンビニエンスストア20に設置されている自動販売機にポイントカードリーダ及び演算手段を設け、ポイントカードを挿入することによりコンビニポイント数及び遊技場ポイント数、総ポイント数を演算表示し、顧客の操作により割引処理をするようになり、人件費の節約になるため利益向上につながる。
【0090】
また、景品交換所30に現金投入機を設置し、コンビニエンスストア20での買い物で受け取る現金をこの現金投入機に投入するように構成してもよく、従業員等による不正を未然に防ぐことが可能になると共に、コンビニエンスストア20での売り上げを正確に管理することができるようになる。
【0091】
さらに総ポイントにより付与されるサービスは実施の形態に示したものに限定されず、別のサービスであってもよい。例えば、駐車場を利用する際の無料券を贈呈したりする等である。
【0092】
また、実施の形態では、ポイントカードにID番号を登録し、景品顧客管理端末機600側でポイント数を記憶して一括管理するようにしたが、ポイントカードに書き換え可能な記録媒体(例えば磁気テープ等)を設け、これに顧客ごとのポイント数を記録して管理するようにしてもよい。また、ポイントカードでの記録と景品顧客管理端末機600での一括管理とを併用するようにしてもよい。
【0093】
上述の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、スロットマシン等のコイン遊技機であってもよい。また、遊技媒体は、パチンコ機で利用するパチンコ玉であったが、スロットマシンなどで使用されるメダル等であってもよい。
【0094】
また、実施の形態では、遊技媒体計数器250を各パチンコ機100毎に設置するようにしたが、これに限定されず、遊技媒体計数器250は、遊技機島に1台あるいは遊技場10の景品交換所に2台程度設置するようにしてもよく、遊技場に少なくとも1台設置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を適用した複合店管理システムを示す説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を適用した複合店を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成するPOS装置を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成するポイント端末機を示す説明図である。
【図5】POS装置本体部、貯玉カードリーダー、ポイント端末機の回路構成の概要およびそれらの接続関係を示すブロック図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置に適用した遊技媒体貸出装置および遊技媒体計数器を示す斜視図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置に適用した遊技媒体貸出装置および遊技媒体計数器の回路構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成する情報表示端末機を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成する情報表示端末機の回路構成を示すブロック図である。
【図10】情報表示端末機の表示部に表示されるポイント確認画面を示す説明図である。
【図11】情報表示端末機の表示部に表示されるポイントサービス確認画面を示す説明図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成する景品管理端末機を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成する景品管理端末機の回路構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成する景品顧客管理端末機を示す斜視図である。
【図15】本発明の一実施の形態に係るポイントカード装置を構成する景品顧客管理端末機の回路構成を示すブロック図である。
【図16】景品顧客管理端末機の有する表示部上に表示される顧客情報表示画面を示す説明図である。
【図17】遊技場でコンビニポイントを使用する際と遊技場ポイントを付与する際における処理の流れを示す流れ図である。
【図18】コンビニエンスストアで遊技場ポイントを使用する際とコンビニポイントを付与する際における処理の流れを示す流れ図である。
【図19】コンビニポイント数と遊技場ポイント数を合算させることにより、所定金額の景品の贈呈を受けるサービスについての処理の流れを示す流れ図である。
【符号の説明】
【0096】
10…遊技場
11…遊技機島
20…コンビニエンスストア
21…陳列棚
30…景品交換所
40…ポイントカード装置
100…パチンコ機
200…遊技媒体貸出装置
205…表示部
206…各種操作部
209…カード挿排口
213…カード識別手段
214…玉放出部
215…玉放出制御部
250…遊技媒体計数器
300…POS装置
310…POS装置本体部
311…表示部
312…操作部
313…景品交換情報記憶部
330…スキャナー
340…貯玉カードリーダー
360…ポイント端末機
361…カード挿排口
362…表示部
363…操作部
363a…カード読取部
400…通信ネットワーク
410…ホール管理端末機
412…台コントローラ
414…島コントローラ
416…ゲートウェイ装置
420…ホール管理コンピュータ
500…景品管理端末機
600…景品顧客管理端末機
700…情報表示端末機
704…表示部
705…操作部
706…スピーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客を特定するためのポイントカードを各顧客に配布し、前記ポイントカードを併用して行われた取引の内容に応じた得点を併用されたポイントカードに対応付けて加算し、累積している得点の値に応じて所定のサービスを顧客に提供する多数の遊技機が設置された遊技場と多数の商品が陳列された商店との複合店に使用されるポイントカード装置において、
前記遊技場に設置される遊技場用端末と、前記商店に配置される商店用端末と、累積されている前記得点に応じて前記所定のサービスを顧客に提供するサービス提供手段と、前記遊技場に設けられる自動換金機と、前記商店に設けられる自動販売機とを備え、
前記遊技場用端末は、前記ポイントカードを併用して遊技に供される遊技媒体の貸し出しが行われた際にその貸出金額に応じて前記商店でのサービスを顧客に提供する遊技場得点を併用されたポイントカードに対応付けて累積加算し、
前記商店用端末は、前記ポイントカードを併用して商品の購入が行われた際にその購入額に応じて前記遊技場でのサービスを顧客に提供する商店得点を併用されたポイントカードに対応付けて累積加算し、
前記サービス提供手段は、前記商店で商品を購入する際に併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている遊技場得点が予め定められた条件を満たすとき、購入商品の金額を所定の率で割り引きする割引処理が可能であり、該割引処理を実行する場合に前記併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている遊技場得点を予め定めた点数だけ差し引き、
前記サービス提供手段は、前記遊技場で遊技媒体の貸し出しを受ける際に併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている商店得点が予め定められた条件を満たすとき、所定数の遊技媒体を放出可能であり、該所定数の遊技媒体を放出する場合に前記併用されたポイントカードに対応付けて累積加算されている商店得点を予め定めた点数だけ差し引き、
前記サービス提供手段は、指定されたポイントカードに対応付けて累積加算されている前記遊技場得点と前記商店得点との合計が予め定めた条件を満たすとき、予め定めたサービスを提供可能であり、該サービスを提供する場合に、顧客が所定の点数を前記遊技場得点と前記商店得点のいずれか一方あるいは双方を使用するか選択し、該選択された得点から使用した点数を差し引き、
前記自動換金機は、顧客が獲得した遊技媒体との景品交換として自動的に現金を放出するものであり、
前記自動販売機は、前記ポイントカードの読取部及び演算手段が設けられ、前記ポイントカードを挿入することにより、前記商店得点及び前記遊技場得点、前記商店得点と前記遊技場得点の合計値である総得点を演算表示し、顧客の操作により前記サービス提供手段の有する機能のうち前記購入商品の金額を所定の率で割り引きする割引処理を実行することを特徴とするポイントカード装置。
【請求項2】
前記ポイントカードにはそれぞれ固有の識別番号が記録されており、
前記識別番号に対応付けて、前記商店用端末で付与された商店得点と、前記遊技場用端末で付与された遊技場得点と、前記商店得点と前記遊技場得点の合計値である総得点と、前記商店得点のうち使用された点数と、前記遊技場得点のうち使用された点数を、それぞれ個別に記録し管理する顧客管理装置を備えたことを特徴とする請求項1記載のポイントカード装置。
【請求項3】
前記商店と前記遊技場との境界部にカウンターを設け、当該カウンターに前記商店用端末および前記サービス提供手段と遊技場側で顧客が獲得した遊技媒体に基づいて景品交換する機能を果たすPOS装置を配置し、該POS装置は、前記商店に陳列されている商品を前記遊技場で遊技を行う遊技者の獲得した遊技媒体と交換される景品として設定したことを特徴とする請求項1または2記載のポイントカード装置。
【請求項4】
前記遊技場で使用される遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機に前記ポイントカードの読取部を設け、当該遊技媒体貸出機に前記遊技場用端末の機能と前記サービス提供手段の有する機能のうち得点に応じて遊技媒体を放出しその分得点を減算する機能とを具備させたことを特徴とする請求項1、2または3記載のポイントカード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−4128(P2008−4128A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−236210(P2007−236210)
【出願日】平成19年9月12日(2007.9.12)
【分割の表示】特願平9−353598の分割
【原出願日】平成9年12月22日(1997.12.22)
【出願人】(000127628)株式会社エース電研 (339)
【Fターム(参考)】