ポジションセンサ
【課題】小型化を図ることが可能なポジションセンサを提供すること。
【解決手段】ポジションセンサは、磁束を発生する磁石10及びその磁石10に対向して配置され同磁石10による磁束を検出するホールIC21〜23を備える。磁石10は、第1の直線に沿って移動されることで、その移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係となる第1の着磁領域10Aを有する。また、磁石10は、第2の直線に沿って移動されることで、その移動距離に対する磁束密度の変化が上記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域10Bを有する。各ホールIC21〜23による検出電圧は、シフトレバーが第1の直線上の操作ポジションにある場合と、シフトレバーが第2の直線上の操作ポジションにある場合とで、大小関係が逆になる。
【解決手段】ポジションセンサは、磁束を発生する磁石10及びその磁石10に対向して配置され同磁石10による磁束を検出するホールIC21〜23を備える。磁石10は、第1の直線に沿って移動されることで、その移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係となる第1の着磁領域10Aを有する。また、磁石10は、第2の直線に沿って移動されることで、その移動距離に対する磁束密度の変化が上記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域10Bを有する。各ホールIC21〜23による検出電圧は、シフトレバーが第1の直線上の操作ポジションにある場合と、シフトレバーが第2の直線上の操作ポジションにある場合とで、大小関係が逆になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ポジションを検出するポジションセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
変速機を備える車両では、シフトレバーの操作ポジションがポジションセンサによって検出され、その検出結果が変速機の接続状態に反映され、例えば、シフト操作によりドライブポジションが選択されたとき、変速機の接続状態が前進ギヤ段に切り換えられる。特許文献1には、車両前後方向であるシフト方向及び車幅方向であるセレクト方向に沿ってシフトレバーを操作できるよう、シフトゲートがH字タイプに設定され、このゲートに沿ったシフト操作を検出するポジションセンサについて開示されている。そして、上記文献によるものは、シフト側の磁石をシフト用の検出素子群で検出するとともに、セレクト側の磁石をセレクト用の検出素子群で検出し、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、シフトレバーの操作ポジションを特定することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−239057号公報(段落[0029]、段落[0031]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているものでは、シフト側及びセレクト側といった2個の磁石が必要であるため、部品点数が多く、センサの大型化を招く虞がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、小型化を図ることが可能なポジションセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、前記検出素子は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に所定の間隔を有して3個以上設けられ、さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備えることをその要旨としている。
【0006】
同構成によると、第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に設けられた各検出素子による検出信号は、シフトレバーが第1の直線上の操作ポジションにある場合と、シフトレバーが第2の直線上の操作ポジションにある場合とで、大小関係が逆になる。例えば、第1の検出素子、第2の検出素子、第3の検出素子といった3個の検出素子による検出信号をそれぞれ第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号と規定すると、その大小関係が第1の検出信号>第2の検出信号>第3の検出信号、或いは、第1の検出信号<第2の検出信号<第3の検出信号となる。このため、まず各検出信号の大小関係に基づき、シフトレバーが第1の直線上にあるのか、それとも第2の直線上にあるのか、を特定できるとともに、次いで、各検出信号そのものの値に基づき、上記特定した直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか、を特定できるようになる。そして、このように操作ポジションを特定するに際し、磁石の着磁態様に工夫を凝らすことで、当該磁石の数を増やすことなく、単一の磁石で対応できるようになる。従って、小型化を図ることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポジションセンサにおいて、前記第1の着磁領域は、前記第1の直線に沿った第1端部から第2端部へ向かう表面側の磁極がN極、S極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がS極、N極の順に設定され、前記第2の着磁領域は、前記第2の直線に沿った前記第1端部から前記第2端部へ向かう表面側の磁極がS極、N極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がN極、S極の順に設定され、さらに、前記第1端部から前記第2端部へ向かって順に設定された2つの磁極間には、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域に跨る中実の態様で、磁束を発生しない非着磁部が介在されていることをその要旨としている。
【0008】
同構成によると、磁束を発生しない非着磁部に組付け穴を設ける等の加工を施すことができ、また、そうした穴を着磁部に設けた場合には当該着磁部による磁束の特性が変化するが、本構成によるとそのような心配もない。尚、磁束が各検出素子に及ぼす影響の少ない場所に非着磁部を設けることで、各検出素子による検出信号を安定させることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポジションセンサにおいて、前記磁石が有する面のうち前記各検出素子に対向する面を当該磁石の表面と規定したとき、その磁石の表面には、前記第1の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第1の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第1の凹部が形成されるとともに、当該磁石の表面には、前記第2の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第2の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第2の凹部が形成され、さらに、前記第1の凹部及び前記第2の凹部には、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向である前記幅の方向に当該幅の拡大する凸をなす膨出部が形成されていることをその要旨としている。
【0010】
同構成によると、磁石に第1の凹部及び第2の凹部を設けるとともに、各凹部に膨出部を設けることで、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各検出素子による検出信号の出力として同様のものが得られるようになり、すなわちシフト操作の許容幅を広げられる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のポジションセンサにおいて、前記膨出部のうち、隣りに着磁領域が存在する膨出部を第1の膨出部と規定するとともに、隣りに着磁領域が存在しない膨出部を第2の膨出部と規定し、前記第1の膨出部の曲率を前記第2の膨出部の曲率に対して大きく設定することをその要旨としている。
【0012】
同構成によると、第1の膨出部の曲率を第2の膨出部の曲率に対して大きくすることで、磁石としての性能が向上され、シフト操作の許容範囲を広げることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジションセンサにおいて、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第1の調整着磁部が設けられるとともに、当該並設された方向に沿って、前記第1の着磁領域を挟んで前記第2の着磁領域の反対側には、前記第2の着磁領域と同様の着磁態様とされた第2の調整着磁部が設けられることをその要旨としている。
【0013】
同構成によると、第2の着磁領域を挟むようにして、第1の着磁領域及び第1の調整着磁部が設けられることで、当該第2の着磁領域周辺の磁束がいわば左右対称となる。また、第1の着磁領域を挟むようにして、第2の着磁領域及び第2の調整着磁部が設けられることで、当該第1の着磁領域周辺の磁束も左右対称となる。このため、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各検出素子による検出信号の出力として同様のものが得られるようになり、すなわちシフト操作の許容幅を広げられる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第3の着磁領域が設けられ、前記検出素子は、前記第1の着磁領域に対向する一直線上と、前記第2の着磁領域に対向する一直線上とに分かれるかたちで、且つ、それらの直線に直交する直線上を避けるかたちで、合計3個以上設けられ、さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備えることをその要旨としている。
【0015】
同構成によると、特定手段による特定に際し、各検出素子による検出信号について、一方の列をなす検出素子群がN極(S極)を検出する場合の検出信号と、他方の列をなす検出素子群がS極(N極)を検出する場合の検出信号とを同じものとして扱うことで、全ての検出素子を一直線上に配置した場合と実質的に同じ作用が得られる。また、ポジションセンサのサイズについて、縦への大型化が回避され、コンパクト化が図られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のポジションセンサによって検出される操作ポジションについて、その設定態様を示す概念図。
【図2】ポジションセンサの構成を示す側面図、及び、磁石の下面側を示す斜視図、及び、ホールICの配置を示す基板の平面図。
【図3】磁石の表面側を示す斜視図、及び、磁石及びホールICの配置関係を操作ポジション毎に示す概念図。
【図4】ホールICによる出力電圧を示すグラフ。
【図5】ポジションセンサの電気的構成を示すブロック図。
【図6】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石の構成を示す斜視図。
【図7】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石の一部を表面側から見た図。
【図8】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石の全体を表面側から見た図。
【図9】他の実施形態のポジションセンサについて、ホールICによる出力電圧を示すグラフ。
【図10】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石及び検出素子の配置関係を示す概念図。
【図11】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石及び検出素子の配置関係を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を、車両変速機の接続状態を切り換えるためのシフト装置に適用されるとともに、このシフト装置が備えるシフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサに具体化した一実施形態について説明する。尚、この種のシフト装置として、近年、シフトレバーと車両変速機とが機構的に分離されるとともに、上記シフトレバーによる機械的なシフト操作を電気的な操作信号に変換し、その操作信号によってアクチュエータを作動させ、このことにより、車両変速機の接続状態を切り換える、いわゆるシフトバイワイヤ方式によるものが提案されている。本実施形態のポジションセンサは、上記シフトバイワイヤ方式によるシフト装置に適用されたものであるが、本発明はこれに限定されず、シフトレバーと車両変速機とが機構的に連結されたシフト装置に適用されてもよい。また、シフト装置には、シフトポジションを選択後にシフトレバーから手を離してもシフトレバーが選択位置で保持されるステーショナリー型と、シフトポジションを選択後にシフトレバーから手を離すとシフトレバーが原点位置に戻るモメンタリー型とが存在する。本実施形態のポジションセンサは、モメンタリー型のシフト装置に適用されたものであるが、本発明はこれに限定されず、ステーショナリー型のシフト装置に適用されてもよい。
【0019】
本実施形態のシフト装置は、運転席と助手席との間に配設されるとともに、このシフト装置が備えるシフトレバーは、運転者による操作側の端部にシフトノブが設けられ、また、シフトレバーの反対側の端部、すなわち最終端にポジションセンサが設けられている。そして、運転者がシフトノブを操作すると、このシフトノブの操作ポジションがポジションセンサで検出されるとともに、その検出結果が車両変速機の接続状態に反映される。
【0020】
図1に示すように、シフトレバーは、シフトゲートに沿って、車両前後方向であるシフト方向及び車幅方向であるセレクト方向への操作が許容されるとともに、そのうちシフト方向への操作は、第1の直線に沿った操作及びその第1の直線と平行な第2の直線に沿った操作が許容されている。そして、上記第1の直線上には、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジションといった3つの操作ポジションが設定されるとともに、上記第2の直線上には、ホームポジション、回生ブレーキポジションといった2つの操作ポジションが設定されている。
【0021】
図2に示すように、ポジションセンサ1は、上記シフトレバーの操作に伴って同レバーと一体的に移動する単一の磁石10、及び、その磁石10の下面に対向して固定配置されるかたちで基板20上に実装された3個のホールIC21〜23を備えている。尚、上記ホールIC21〜23は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に等間隔で設けられている。
【0022】
図3に示すように、上記磁石10の下面には、前記第1の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第1の直線に沿って、各ホールIC21〜23から離間する方向に凸をなす第1の凹部11が形成されている。また、同様に、上記磁石10の下面には、前記第2の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第2の直線に沿って、各ホールIC21〜23から離間する方向に凸をなす第2の凹部12が形成されている。すなわち、上記第1の凹部11及び上記第2の凹部12は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設されている。そして、上記第1の凹部11を含むかたちで磁石10の半分が第1の着磁領域10Aに、また、上記第2の凹部12を含むかたちで磁石10の残りの半分が第2の着磁領域10Bとなるよう着磁されている。
【0023】
ここで、上記磁石10が有する面のうち各ホールIC21〜23に対向する面、すなわち磁石10の下面を当該磁石10の表面と規定したとき、上記第1の着磁領域10Aは、前記第1の直線に沿った第1端部から第2端部へ向かう表面側の磁極がN極、S極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がS極、N極の順に設定されている。また、同様に、上記第2の着磁領域10Bは、前記第2の直線に沿った前記第1端部から前記第2端部へ向かう表面側の磁極がS極、N極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がN極、S極の順に設定されている。
【0024】
そして、こうした着磁態様のもと、上記シフトレバーが上記シフトゲートに沿って操作されると、磁石10及びホールIC21〜23の配置関係は、操作ポジション毎に図3に示す態様となり、また、そのときの各ホールIC21〜23による出力電圧は図4に示す態様となる。
【0025】
図4から理解されるように、上記シフトレバーが前記第1の直線に沿ってRポジションからNポジションを経由してDポジションまで操作されるとき、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3は、V1>V2>V3の大小関係が維持されつつ、それぞれの傾きが正の比例関係となる。これは、上記磁石10の着磁態様のうち特に第1の着磁領域10Aが、当該磁石10の移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係となるよう設定され、また、各ホールIC21〜23に対向する面の磁極が、前記第1端部から前記第2端部へ向かってN極、S極の順に設定されていることによる。尚、各ホールIC21〜23は、図3のDポジションにおいてホールIC21が配置される位置のように、N極の端部に近い位置に対向する程、より大きな電圧を出力し、図3のRポジションにおいてホールIC23が配置される位置のように、S極の端部に近い位置に対向する程、より小さな電圧を出力する。
【0026】
一方、上記シフトレバーが前記第2の直線に沿ってHポジションからBポジションまで操作されるとき、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3は、この場合、V1<V2<V3の大小関係が維持されつつ、それぞれの傾きが負の比例関係となる。これは、上記磁石10の着磁態様のうち特に第2の着磁領域10Bが、当該磁石10の移動距離に対する磁束密度の変化が上記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となるよう設定され、また、各ホールIC21〜23に対向する面の磁極が、前記第1端部から前記第2端部へ向かってS極、N極の順に設定されていることによる。
【0027】
尚、各ホールIC21〜23の間隔を本例によるように例えば等間隔とすることで、各出力電圧V1〜V3の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まる。ここに図4の例では、出力電圧V1と出力電圧V2との出力差、及び、出力電圧V2と出力電圧V3との出力差がそれぞれ1Vであり、また、出力電圧V1と出力電圧V3との出力差は2Vである。
【0028】
図5に示すように、上記各ホールIC21〜23は、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30に電気的に接続されている。このシフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、上記各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3を監視するとともに、当該出力電圧V1〜V3の組み合わせに基づき、上記シフトレバーの操作ポジションを特定する。
【0029】
次に、ポジションセンサ1の作用について説明する。
車両ユーザによってシフトレバーが操作されていないとき、同レバーはHポジションの選択位置にある。この場合、図4に示すように、ホールIC21による出力電圧V1が1.5Vに、また、ホールIC22による出力電圧V2が2.5Vに、さらに、ホールIC23による出力電圧が3.5Vとなる。シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、まず出力電圧V1〜V3の大小関係がV1<V2<V3であることに基づき、シフトレバーが第2の直線上にあることを特定するとともに、次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定した第2の直線上のHポジションにシフトレバーがあることを特定する。尚、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、各出力電圧V1〜V3の出力差について、所定の許容差を考慮しつつ基準値に対する比較を行い、それによって各ホールIC21〜23の故障判定を行う。そして、基準値に対し許容差を超えるかたちの出力差を得た場合、正しい出力差が得られている2個のホールICによる出力電圧に基づいて操作ポジションを特定するとともに、出力差が大きくずれる要因となったホールICの故障を判定する。
【0030】
そして、シフトレバーがHポジションからNポジションを経由してDポジションまで操作されると、このDポジションの選択位置において、図4に示すように、ホールIC21による出力電圧V1が4.5Vに、また、ホールIC22による出力電圧V2が3.5Vに、さらに、ホールIC23による出力電圧が2.5Vとなる。この場合、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、まず出力電圧V1〜V3の大小関係がV1>V2>V3であることに基づき、シフトレバーが第1の直線上にあることを特定するとともに、次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定した第1の直線上のDポジションにシフトレバーがあることを特定する。そして、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、上記のように操作ポジションとしてDポジションを特定したとき、変速機の接続状態を前進ギヤ段に切り換える。その結果、車両は前進走行できるようになる。
【0031】
尚、上記HポジションやDポジション以外の操作ポジションが選択される場合にも、上記原理に倣って、まず出力電圧V1〜V3の大小関係に基づき、シフトレバーが第1の直線上にあるのか、それとも第2の直線上にあるのか、が特定される。次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定された直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか、が特定される。また、併せて、各出力電圧V1〜V3の出力差について、基準値に対する比較が行われ、出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠としてホールICの故障が判定される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に設けられた各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3は、シフトレバーが第1の直線上の操作ポジションにある場合と、シフトレバーが第2の直線上の操作ポジションにある場合とで、大小関係が逆になる。このため、まず各出力電圧V1〜V3の大小関係に基づき、シフトレバーが第1の直線上にあるのか、それとも第2の直線上にあるのか、を特定できるとともに、次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定した直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか、を特定できるようになる。そして、このように操作ポジションを特定するに際し、磁石の着磁態様に工夫を凝らすことで、当該磁石の数を増やすことなく、単一の磁石10で対応できるようになる。従って、小型化を図ることができる。
【0033】
(2)各ホールIC21〜23の間隔を本例によるように例えば等間隔とすることで、出力電圧V1〜V3の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まる。このため、上記出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠としてホールICの故障を判定できるようになる。
【0034】
(3)出力電圧V1〜V3の出力差が各ホールIC21〜23の間隔に基づいて一義的に決まることを踏まえて、いずれか1個のホールICの故障が判定された場合でも、本例によるように、ホールICの数を例えば3個とすることで、残りの2個のホールICを用いてシフトレバーの操作ポジションを検出できるようになる。
【0035】
(4)5つの操作ポジションを検出するに際し、3個のホールIC21〜23で足りるため、検出素子の数を減らすことができる。
(5)上記(4)に加え、ホールICのような検出素子の出力端子の数に由来するハーネスの数を減らすことができる。
【0036】
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記実施形態では、第1の着磁領域10Aや第2の着磁領域10Bについて、移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係となるものを規定したが、移動距離に対する各ホールIC21〜23の出力の変化が比例関係となるものが規定されてもよい。例えば、移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係でなくても、各ホールIC21〜23から出力される電圧の変化が比例関係となればよい。或いは、各ホールIC21〜23から出力される電圧の変化そのものが比例関係でなくても、当該電圧に基づくシフトバイワイヤ電子制御ユニット30による演算結果が比例関係となればよい。
【0037】
・ホールICのような検出素子は、第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に所定の間隔を有して4個以上設けられてもよい。同構成によると、いずれか1個の検出素子の故障が判定されても、残りの3個以上の検出素子を用いて操作ポジションを検出できるとともに、いずれか2個の検出素子の故障が判定されても、残りの2個以上の検出素子を用いて操作ポジションを検出できるようになる。すなわち、故障と判定された検出素子以外の残りの正常な検出素子の数が2個以上あれば、それらによる検出信号の大小関係に基づき、シフトレバーがいずれの直線上にあるのか特定できるとともに、次いで、各検出信号そのものの値に基づき、上記特定した直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか特定できる。
【0038】
・各検出素子は、必ずしも等間隔で設けられる必要はなく、例えば3個の検出素子が第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に1:2の間隔で設けられてもよい。同構成によるように間隔が1:2の場合にも、各検出素子による検出信号の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まるので、上記出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠として検出素子の故障を判定できる。
【0039】
・図6に示すように、第1の着磁領域10A及び第2の着磁領域10Bが並設された方向に沿って、当該第2の着磁領域10Bを挟んで第1の着磁領域10Aの反対側には、第1の着磁領域10Aと同様の着磁態様とされた第1の調整着磁部10Cを設ける。また、前記並設された方向に沿って、第1の着磁領域10Aを挟んで第2の着磁領域10Bの反対側には、第2の着磁領域10Bと同様の着磁態様とされた第2の調整着磁部10Dを設けるようにしてもよい。同構成によると、第2の着磁領域10Bを挟むようにして、第1の着磁領域10A及び第1の調整着磁部10Cが設けられることで、当該第2の着磁領域10B周辺の磁束がいわば左右対称となる。また、第1の着磁領域10Aを挟むようにして、第2の着磁領域10B及び第2の調整着磁部10Dが設けられることで、当該第1の着磁領域10A周辺の磁束も左右対称となる。このため、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3として同様のものが得られるようになり、すなわちシフト操作の許容幅を広げられる。
【0040】
・上記図6に示すように、第1の直線及び第2の直線に沿って、第1端部から第2端部へ向かって順に設定された2つの磁極間には、第1の着磁領域10A及び第2の着磁領域10Bに加えて第1の調整着磁部10C及び第2の調整着磁部10Dにも跨る中実の態様で、磁束を発生しない非着磁部10Eが介在されるようにしてもよい。同構成によると、磁束を発生しない非着磁部10Eに組付け穴40を設ける等の加工を施すことができ、また、そうした穴を着磁部に設けた場合には当該着磁部による磁束の特性が変化するが、本構成によるとそのような心配もない。尚、磁束が各ホールIC21〜23に及ぼす影響の少ない場所に非着磁部10Eを設けることで、各出力電圧V1〜V3を安定させることができる。ここで、上記実施形態では言及しなかったが、磁石10の全体を磁粉入りのプラスチックで成形し、すなわち磁石10をプラスチック磁石で構成し、非着磁部10Eを除くかたちで着磁を行う等の製造方法を採用することが可能である。
【0041】
・直前の二つの別例を援用して、第1の調整着磁部10C及び第2の調整着磁部10Dが設けられ、非着磁部10Eについては割愛される態様の磁石10を用いるようにしてもよい。或いは、非着磁部10Eが設けられ、第1の調整着磁部10C及び第2の調整着磁部10Dについては割愛される態様の磁石10を用いるようにしてもよい。
【0042】
・図7に示すように、第1の凹部11及び第2の凹部12には、第1の直線及び第2の直線と直交する方向である幅の方向に当該幅の拡大する凸をなす膨出部13が形成されるようにしてもよい。同構成によると、磁石10に第1の凹部11及び第2の凹部12を設けるとともに、各凹部11及び12に膨出部13を設けることで、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3として同様のものが得られるようになる。従って、シフト操作の許容幅を広げられる。
【0043】
・上記別例に倣い膨出部が形成される構成に関連し、図8に示すように、隣りに着磁領域が存在する第1の膨出部14の曲率と、隣りに着磁領域が存在しない第2の膨出部15の曲率とを異ならせてもよい。この場合、第1の膨出部14の曲率を第2の膨出部15の曲率に対して大きくすることで、磁石としての性能が向上され、シフト操作の許容範囲を広げることができる。すなわち、自らの着磁領域の隣りに他の着磁領域が存在する場合、それらの境界付近の磁束が互いに打ち消し合うため、磁石としての性能が弱まる傾向にあるが、そうした境界に近い第1の膨出部14の曲率を大きなものとすることで、磁石としての性能が補われる。
【0044】
・図4に示すものとの比較において、例えば感度2倍の検出素子をホールIC22として用いることで、図9に示す態様の出力電圧が得られるようにしてもよい。この場合、ホールIC22による出力電圧V2について、「(V2−2.5)/2+2.5」の式を用いて傾き半分の値を算出し、この値を操作ポジションの検出で用いることで、前記実施形態と同様の原理で操作ポジションが検出される。そして、こうした構成によると、ホールIC22による出力電圧V2の範囲が0.5V〜4.5Vといったように4Vとなり、前記実施形態によるそれに対して2倍の電圧範囲を有することになる。従って、電圧範囲が広がる分、耐ノイズ特性が向上する。
【0045】
・検出素子は最も近接配置できる距離が予め規定されているので、一直線上に3個以上の検出素子を設ける場合には、その数が多くなる程、当該直線に沿ったポジションセンサの全長が大きくなり、いわば縦長となる。そこで、3個以上の検出素子を2列に分けるかたちで配置する構成を採用してもよい。図10の例では、4個の検出素子24〜27を配置するに際し、第1の着磁領域10Aに対向する一直線上に当該素子24〜27を配置する代わりに、第1の着磁領域10Aに対向する一直線上に素子25及び27を配置するとともに、第2の着磁領域10Bに対向する一直線上に素子24及び26を配置している。尚、素子24〜27は、第1の直線及び第2の直線に直交する一直線上には配置されない。そして、第2の着磁領域10Bを挟んで第1の着磁領域10Aの反対側には、前記第1の着磁領域10Aと同様の着磁態様とされた第3の着磁領域10Fが設けられる。
【0046】
同構成によると、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30による演算に際し、素子24〜27による出力電圧について、素子25及び27がN極(S極)を検出する場合の電圧と、素子24及び26がS極(N極)を検出する場合の電圧とを同じものとして扱うことで、素子24〜27を一直線上に配置した場合と実質的に同じ作用が得られる。また、ポジションセンサのサイズについて、2列に分けて配置することで、素子24と素子26との間隔、及び、素子25と素子27との間隔をそれぞれ小さくすることができるため、縦への大型化が回避され、コンパクト化が図られる。尚、本例による原理を用いて、例えば図11のように素子24〜27を配置することも可能であり、また、それ以外の態様も勿論可能である。
【0047】
・検出素子は、磁束の変化を検出するに際し、その強弱を検出する点で優れるホールICに限定されず、例えば、その向きを検出する点で優れる磁気抵抗素子等であってもよい。
【0048】
・シフトレバーの操作に伴う磁石及び検出素子の相対的な変位の態様は、前記実施形態による磁石が可動で検出素子が固定の態様に限定されず、検出素子が可動で磁石が固定の態様であってもよい。尚、両者が可動の態様、例えば、同じ方向に異なる移動量で移動する態様、或いは、異なる方向に移動する態様等であってもよい。
【0049】
・シフトパターンは、h字パターンに限らず、H字パターン、或いは、シフト方向の中央以外にセレクト方向が設定されるパターン等であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について記載する。
【0050】
(イ)前記各検出素子は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に等間隔で設けられる請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジションセンサ。同構成によるように、各検出素子の間隔を例えば等間隔とすることで、各検出素子による検出信号の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まる。このため、上記出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠として検出素子の故障を判定できるようになる。
【符号の説明】
【0051】
1…ポジションセンサ、10…磁石、10A…第1の着磁領域、10B…第2の着磁領域、10C…第1の調整着磁部、10D…第2の調整着磁部、10E…非着磁部、10F…第3の着磁領域、11…第1の凹部、12…第2の凹部、13…膨出部、14…第1の膨出部、15…第2の膨出部、20…基板、21〜23…ホールIC(検出素子)、24〜27…検出素子、30…シフトバイワイヤ電子制御ユニット(特定手段)、40…組付け穴。
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作ポジションを検出するポジションセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
変速機を備える車両では、シフトレバーの操作ポジションがポジションセンサによって検出され、その検出結果が変速機の接続状態に反映され、例えば、シフト操作によりドライブポジションが選択されたとき、変速機の接続状態が前進ギヤ段に切り換えられる。特許文献1には、車両前後方向であるシフト方向及び車幅方向であるセレクト方向に沿ってシフトレバーを操作できるよう、シフトゲートがH字タイプに設定され、このゲートに沿ったシフト操作を検出するポジションセンサについて開示されている。そして、上記文献によるものは、シフト側の磁石をシフト用の検出素子群で検出するとともに、セレクト側の磁石をセレクト用の検出素子群で検出し、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、シフトレバーの操作ポジションを特定することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−239057号公報(段落[0029]、段落[0031]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されているものでは、シフト側及びセレクト側といった2個の磁石が必要であるため、部品点数が多く、センサの大型化を招く虞がある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、小型化を図ることが可能なポジションセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、前記検出素子は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に所定の間隔を有して3個以上設けられ、さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備えることをその要旨としている。
【0006】
同構成によると、第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に設けられた各検出素子による検出信号は、シフトレバーが第1の直線上の操作ポジションにある場合と、シフトレバーが第2の直線上の操作ポジションにある場合とで、大小関係が逆になる。例えば、第1の検出素子、第2の検出素子、第3の検出素子といった3個の検出素子による検出信号をそれぞれ第1の検出信号、第2の検出信号、第3の検出信号と規定すると、その大小関係が第1の検出信号>第2の検出信号>第3の検出信号、或いは、第1の検出信号<第2の検出信号<第3の検出信号となる。このため、まず各検出信号の大小関係に基づき、シフトレバーが第1の直線上にあるのか、それとも第2の直線上にあるのか、を特定できるとともに、次いで、各検出信号そのものの値に基づき、上記特定した直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか、を特定できるようになる。そして、このように操作ポジションを特定するに際し、磁石の着磁態様に工夫を凝らすことで、当該磁石の数を増やすことなく、単一の磁石で対応できるようになる。従って、小型化を図ることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポジションセンサにおいて、前記第1の着磁領域は、前記第1の直線に沿った第1端部から第2端部へ向かう表面側の磁極がN極、S極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がS極、N極の順に設定され、前記第2の着磁領域は、前記第2の直線に沿った前記第1端部から前記第2端部へ向かう表面側の磁極がS極、N極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がN極、S極の順に設定され、さらに、前記第1端部から前記第2端部へ向かって順に設定された2つの磁極間には、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域に跨る中実の態様で、磁束を発生しない非着磁部が介在されていることをその要旨としている。
【0008】
同構成によると、磁束を発生しない非着磁部に組付け穴を設ける等の加工を施すことができ、また、そうした穴を着磁部に設けた場合には当該着磁部による磁束の特性が変化するが、本構成によるとそのような心配もない。尚、磁束が各検出素子に及ぼす影響の少ない場所に非着磁部を設けることで、各検出素子による検出信号を安定させることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポジションセンサにおいて、前記磁石が有する面のうち前記各検出素子に対向する面を当該磁石の表面と規定したとき、その磁石の表面には、前記第1の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第1の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第1の凹部が形成されるとともに、当該磁石の表面には、前記第2の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第2の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第2の凹部が形成され、さらに、前記第1の凹部及び前記第2の凹部には、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向である前記幅の方向に当該幅の拡大する凸をなす膨出部が形成されていることをその要旨としている。
【0010】
同構成によると、磁石に第1の凹部及び第2の凹部を設けるとともに、各凹部に膨出部を設けることで、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各検出素子による検出信号の出力として同様のものが得られるようになり、すなわちシフト操作の許容幅を広げられる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のポジションセンサにおいて、前記膨出部のうち、隣りに着磁領域が存在する膨出部を第1の膨出部と規定するとともに、隣りに着磁領域が存在しない膨出部を第2の膨出部と規定し、前記第1の膨出部の曲率を前記第2の膨出部の曲率に対して大きく設定することをその要旨としている。
【0012】
同構成によると、第1の膨出部の曲率を第2の膨出部の曲率に対して大きくすることで、磁石としての性能が向上され、シフト操作の許容範囲を広げることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジションセンサにおいて、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第1の調整着磁部が設けられるとともに、当該並設された方向に沿って、前記第1の着磁領域を挟んで前記第2の着磁領域の反対側には、前記第2の着磁領域と同様の着磁態様とされた第2の調整着磁部が設けられることをその要旨としている。
【0013】
同構成によると、第2の着磁領域を挟むようにして、第1の着磁領域及び第1の調整着磁部が設けられることで、当該第2の着磁領域周辺の磁束がいわば左右対称となる。また、第1の着磁領域を挟むようにして、第2の着磁領域及び第2の調整着磁部が設けられることで、当該第1の着磁領域周辺の磁束も左右対称となる。このため、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各検出素子による検出信号の出力として同様のものが得られるようになり、すなわちシフト操作の許容幅を広げられる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第3の着磁領域が設けられ、前記検出素子は、前記第1の着磁領域に対向する一直線上と、前記第2の着磁領域に対向する一直線上とに分かれるかたちで、且つ、それらの直線に直交する直線上を避けるかたちで、合計3個以上設けられ、さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備えることをその要旨としている。
【0015】
同構成によると、特定手段による特定に際し、各検出素子による検出信号について、一方の列をなす検出素子群がN極(S極)を検出する場合の検出信号と、他方の列をなす検出素子群がS極(N極)を検出する場合の検出信号とを同じものとして扱うことで、全ての検出素子を一直線上に配置した場合と実質的に同じ作用が得られる。また、ポジションセンサのサイズについて、縦への大型化が回避され、コンパクト化が図られる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態のポジションセンサによって検出される操作ポジションについて、その設定態様を示す概念図。
【図2】ポジションセンサの構成を示す側面図、及び、磁石の下面側を示す斜視図、及び、ホールICの配置を示す基板の平面図。
【図3】磁石の表面側を示す斜視図、及び、磁石及びホールICの配置関係を操作ポジション毎に示す概念図。
【図4】ホールICによる出力電圧を示すグラフ。
【図5】ポジションセンサの電気的構成を示すブロック図。
【図6】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石の構成を示す斜視図。
【図7】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石の一部を表面側から見た図。
【図8】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石の全体を表面側から見た図。
【図9】他の実施形態のポジションセンサについて、ホールICによる出力電圧を示すグラフ。
【図10】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石及び検出素子の配置関係を示す概念図。
【図11】他の実施形態のポジションセンサについて、磁石及び検出素子の配置関係を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を、車両変速機の接続状態を切り換えるためのシフト装置に適用されるとともに、このシフト装置が備えるシフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサに具体化した一実施形態について説明する。尚、この種のシフト装置として、近年、シフトレバーと車両変速機とが機構的に分離されるとともに、上記シフトレバーによる機械的なシフト操作を電気的な操作信号に変換し、その操作信号によってアクチュエータを作動させ、このことにより、車両変速機の接続状態を切り換える、いわゆるシフトバイワイヤ方式によるものが提案されている。本実施形態のポジションセンサは、上記シフトバイワイヤ方式によるシフト装置に適用されたものであるが、本発明はこれに限定されず、シフトレバーと車両変速機とが機構的に連結されたシフト装置に適用されてもよい。また、シフト装置には、シフトポジションを選択後にシフトレバーから手を離してもシフトレバーが選択位置で保持されるステーショナリー型と、シフトポジションを選択後にシフトレバーから手を離すとシフトレバーが原点位置に戻るモメンタリー型とが存在する。本実施形態のポジションセンサは、モメンタリー型のシフト装置に適用されたものであるが、本発明はこれに限定されず、ステーショナリー型のシフト装置に適用されてもよい。
【0019】
本実施形態のシフト装置は、運転席と助手席との間に配設されるとともに、このシフト装置が備えるシフトレバーは、運転者による操作側の端部にシフトノブが設けられ、また、シフトレバーの反対側の端部、すなわち最終端にポジションセンサが設けられている。そして、運転者がシフトノブを操作すると、このシフトノブの操作ポジションがポジションセンサで検出されるとともに、その検出結果が車両変速機の接続状態に反映される。
【0020】
図1に示すように、シフトレバーは、シフトゲートに沿って、車両前後方向であるシフト方向及び車幅方向であるセレクト方向への操作が許容されるとともに、そのうちシフト方向への操作は、第1の直線に沿った操作及びその第1の直線と平行な第2の直線に沿った操作が許容されている。そして、上記第1の直線上には、リバースポジション、ニュートラルポジション、ドライブポジションといった3つの操作ポジションが設定されるとともに、上記第2の直線上には、ホームポジション、回生ブレーキポジションといった2つの操作ポジションが設定されている。
【0021】
図2に示すように、ポジションセンサ1は、上記シフトレバーの操作に伴って同レバーと一体的に移動する単一の磁石10、及び、その磁石10の下面に対向して固定配置されるかたちで基板20上に実装された3個のホールIC21〜23を備えている。尚、上記ホールIC21〜23は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に等間隔で設けられている。
【0022】
図3に示すように、上記磁石10の下面には、前記第1の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第1の直線に沿って、各ホールIC21〜23から離間する方向に凸をなす第1の凹部11が形成されている。また、同様に、上記磁石10の下面には、前記第2の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第2の直線に沿って、各ホールIC21〜23から離間する方向に凸をなす第2の凹部12が形成されている。すなわち、上記第1の凹部11及び上記第2の凹部12は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設されている。そして、上記第1の凹部11を含むかたちで磁石10の半分が第1の着磁領域10Aに、また、上記第2の凹部12を含むかたちで磁石10の残りの半分が第2の着磁領域10Bとなるよう着磁されている。
【0023】
ここで、上記磁石10が有する面のうち各ホールIC21〜23に対向する面、すなわち磁石10の下面を当該磁石10の表面と規定したとき、上記第1の着磁領域10Aは、前記第1の直線に沿った第1端部から第2端部へ向かう表面側の磁極がN極、S極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がS極、N極の順に設定されている。また、同様に、上記第2の着磁領域10Bは、前記第2の直線に沿った前記第1端部から前記第2端部へ向かう表面側の磁極がS極、N極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がN極、S極の順に設定されている。
【0024】
そして、こうした着磁態様のもと、上記シフトレバーが上記シフトゲートに沿って操作されると、磁石10及びホールIC21〜23の配置関係は、操作ポジション毎に図3に示す態様となり、また、そのときの各ホールIC21〜23による出力電圧は図4に示す態様となる。
【0025】
図4から理解されるように、上記シフトレバーが前記第1の直線に沿ってRポジションからNポジションを経由してDポジションまで操作されるとき、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3は、V1>V2>V3の大小関係が維持されつつ、それぞれの傾きが正の比例関係となる。これは、上記磁石10の着磁態様のうち特に第1の着磁領域10Aが、当該磁石10の移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係となるよう設定され、また、各ホールIC21〜23に対向する面の磁極が、前記第1端部から前記第2端部へ向かってN極、S極の順に設定されていることによる。尚、各ホールIC21〜23は、図3のDポジションにおいてホールIC21が配置される位置のように、N極の端部に近い位置に対向する程、より大きな電圧を出力し、図3のRポジションにおいてホールIC23が配置される位置のように、S極の端部に近い位置に対向する程、より小さな電圧を出力する。
【0026】
一方、上記シフトレバーが前記第2の直線に沿ってHポジションからBポジションまで操作されるとき、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3は、この場合、V1<V2<V3の大小関係が維持されつつ、それぞれの傾きが負の比例関係となる。これは、上記磁石10の着磁態様のうち特に第2の着磁領域10Bが、当該磁石10の移動距離に対する磁束密度の変化が上記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となるよう設定され、また、各ホールIC21〜23に対向する面の磁極が、前記第1端部から前記第2端部へ向かってS極、N極の順に設定されていることによる。
【0027】
尚、各ホールIC21〜23の間隔を本例によるように例えば等間隔とすることで、各出力電圧V1〜V3の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まる。ここに図4の例では、出力電圧V1と出力電圧V2との出力差、及び、出力電圧V2と出力電圧V3との出力差がそれぞれ1Vであり、また、出力電圧V1と出力電圧V3との出力差は2Vである。
【0028】
図5に示すように、上記各ホールIC21〜23は、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30に電気的に接続されている。このシフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、上記各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3を監視するとともに、当該出力電圧V1〜V3の組み合わせに基づき、上記シフトレバーの操作ポジションを特定する。
【0029】
次に、ポジションセンサ1の作用について説明する。
車両ユーザによってシフトレバーが操作されていないとき、同レバーはHポジションの選択位置にある。この場合、図4に示すように、ホールIC21による出力電圧V1が1.5Vに、また、ホールIC22による出力電圧V2が2.5Vに、さらに、ホールIC23による出力電圧が3.5Vとなる。シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、まず出力電圧V1〜V3の大小関係がV1<V2<V3であることに基づき、シフトレバーが第2の直線上にあることを特定するとともに、次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定した第2の直線上のHポジションにシフトレバーがあることを特定する。尚、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、各出力電圧V1〜V3の出力差について、所定の許容差を考慮しつつ基準値に対する比較を行い、それによって各ホールIC21〜23の故障判定を行う。そして、基準値に対し許容差を超えるかたちの出力差を得た場合、正しい出力差が得られている2個のホールICによる出力電圧に基づいて操作ポジションを特定するとともに、出力差が大きくずれる要因となったホールICの故障を判定する。
【0030】
そして、シフトレバーがHポジションからNポジションを経由してDポジションまで操作されると、このDポジションの選択位置において、図4に示すように、ホールIC21による出力電圧V1が4.5Vに、また、ホールIC22による出力電圧V2が3.5Vに、さらに、ホールIC23による出力電圧が2.5Vとなる。この場合、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、まず出力電圧V1〜V3の大小関係がV1>V2>V3であることに基づき、シフトレバーが第1の直線上にあることを特定するとともに、次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定した第1の直線上のDポジションにシフトレバーがあることを特定する。そして、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30は、上記のように操作ポジションとしてDポジションを特定したとき、変速機の接続状態を前進ギヤ段に切り換える。その結果、車両は前進走行できるようになる。
【0031】
尚、上記HポジションやDポジション以外の操作ポジションが選択される場合にも、上記原理に倣って、まず出力電圧V1〜V3の大小関係に基づき、シフトレバーが第1の直線上にあるのか、それとも第2の直線上にあるのか、が特定される。次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定された直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか、が特定される。また、併せて、各出力電圧V1〜V3の出力差について、基準値に対する比較が行われ、出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠としてホールICの故障が判定される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に設けられた各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3は、シフトレバーが第1の直線上の操作ポジションにある場合と、シフトレバーが第2の直線上の操作ポジションにある場合とで、大小関係が逆になる。このため、まず各出力電圧V1〜V3の大小関係に基づき、シフトレバーが第1の直線上にあるのか、それとも第2の直線上にあるのか、を特定できるとともに、次いで、各出力電圧V1〜V3の値に基づき、上記特定した直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか、を特定できるようになる。そして、このように操作ポジションを特定するに際し、磁石の着磁態様に工夫を凝らすことで、当該磁石の数を増やすことなく、単一の磁石10で対応できるようになる。従って、小型化を図ることができる。
【0033】
(2)各ホールIC21〜23の間隔を本例によるように例えば等間隔とすることで、出力電圧V1〜V3の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まる。このため、上記出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠としてホールICの故障を判定できるようになる。
【0034】
(3)出力電圧V1〜V3の出力差が各ホールIC21〜23の間隔に基づいて一義的に決まることを踏まえて、いずれか1個のホールICの故障が判定された場合でも、本例によるように、ホールICの数を例えば3個とすることで、残りの2個のホールICを用いてシフトレバーの操作ポジションを検出できるようになる。
【0035】
(4)5つの操作ポジションを検出するに際し、3個のホールIC21〜23で足りるため、検出素子の数を減らすことができる。
(5)上記(4)に加え、ホールICのような検出素子の出力端子の数に由来するハーネスの数を減らすことができる。
【0036】
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記実施形態では、第1の着磁領域10Aや第2の着磁領域10Bについて、移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係となるものを規定したが、移動距離に対する各ホールIC21〜23の出力の変化が比例関係となるものが規定されてもよい。例えば、移動距離に対する磁束密度の変化が比例関係でなくても、各ホールIC21〜23から出力される電圧の変化が比例関係となればよい。或いは、各ホールIC21〜23から出力される電圧の変化そのものが比例関係でなくても、当該電圧に基づくシフトバイワイヤ電子制御ユニット30による演算結果が比例関係となればよい。
【0037】
・ホールICのような検出素子は、第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に所定の間隔を有して4個以上設けられてもよい。同構成によると、いずれか1個の検出素子の故障が判定されても、残りの3個以上の検出素子を用いて操作ポジションを検出できるとともに、いずれか2個の検出素子の故障が判定されても、残りの2個以上の検出素子を用いて操作ポジションを検出できるようになる。すなわち、故障と判定された検出素子以外の残りの正常な検出素子の数が2個以上あれば、それらによる検出信号の大小関係に基づき、シフトレバーがいずれの直線上にあるのか特定できるとともに、次いで、各検出信号そのものの値に基づき、上記特定した直線上のどの操作ポジションにシフトレバーがあるのか特定できる。
【0038】
・各検出素子は、必ずしも等間隔で設けられる必要はなく、例えば3個の検出素子が第1の直線及び第2の直線と平行な一直線上に1:2の間隔で設けられてもよい。同構成によるように間隔が1:2の場合にも、各検出素子による検出信号の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まるので、上記出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠として検出素子の故障を判定できる。
【0039】
・図6に示すように、第1の着磁領域10A及び第2の着磁領域10Bが並設された方向に沿って、当該第2の着磁領域10Bを挟んで第1の着磁領域10Aの反対側には、第1の着磁領域10Aと同様の着磁態様とされた第1の調整着磁部10Cを設ける。また、前記並設された方向に沿って、第1の着磁領域10Aを挟んで第2の着磁領域10Bの反対側には、第2の着磁領域10Bと同様の着磁態様とされた第2の調整着磁部10Dを設けるようにしてもよい。同構成によると、第2の着磁領域10Bを挟むようにして、第1の着磁領域10A及び第1の調整着磁部10Cが設けられることで、当該第2の着磁領域10B周辺の磁束がいわば左右対称となる。また、第1の着磁領域10Aを挟むようにして、第2の着磁領域10B及び第2の調整着磁部10Dが設けられることで、当該第1の着磁領域10A周辺の磁束も左右対称となる。このため、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3として同様のものが得られるようになり、すなわちシフト操作の許容幅を広げられる。
【0040】
・上記図6に示すように、第1の直線及び第2の直線に沿って、第1端部から第2端部へ向かって順に設定された2つの磁極間には、第1の着磁領域10A及び第2の着磁領域10Bに加えて第1の調整着磁部10C及び第2の調整着磁部10Dにも跨る中実の態様で、磁束を発生しない非着磁部10Eが介在されるようにしてもよい。同構成によると、磁束を発生しない非着磁部10Eに組付け穴40を設ける等の加工を施すことができ、また、そうした穴を着磁部に設けた場合には当該着磁部による磁束の特性が変化するが、本構成によるとそのような心配もない。尚、磁束が各ホールIC21〜23に及ぼす影響の少ない場所に非着磁部10Eを設けることで、各出力電圧V1〜V3を安定させることができる。ここで、上記実施形態では言及しなかったが、磁石10の全体を磁粉入りのプラスチックで成形し、すなわち磁石10をプラスチック磁石で構成し、非着磁部10Eを除くかたちで着磁を行う等の製造方法を採用することが可能である。
【0041】
・直前の二つの別例を援用して、第1の調整着磁部10C及び第2の調整着磁部10Dが設けられ、非着磁部10Eについては割愛される態様の磁石10を用いるようにしてもよい。或いは、非着磁部10Eが設けられ、第1の調整着磁部10C及び第2の調整着磁部10Dについては割愛される態様の磁石10を用いるようにしてもよい。
【0042】
・図7に示すように、第1の凹部11及び第2の凹部12には、第1の直線及び第2の直線と直交する方向である幅の方向に当該幅の拡大する凸をなす膨出部13が形成されるようにしてもよい。同構成によると、磁石10に第1の凹部11及び第2の凹部12を設けるとともに、各凹部11及び12に膨出部13を設けることで、第1の直線或いは第2の直線に沿ったシフトレバーの操作が、当該直線と直交する方向に多少ずれても、各ホールIC21〜23による出力電圧V1〜V3として同様のものが得られるようになる。従って、シフト操作の許容幅を広げられる。
【0043】
・上記別例に倣い膨出部が形成される構成に関連し、図8に示すように、隣りに着磁領域が存在する第1の膨出部14の曲率と、隣りに着磁領域が存在しない第2の膨出部15の曲率とを異ならせてもよい。この場合、第1の膨出部14の曲率を第2の膨出部15の曲率に対して大きくすることで、磁石としての性能が向上され、シフト操作の許容範囲を広げることができる。すなわち、自らの着磁領域の隣りに他の着磁領域が存在する場合、それらの境界付近の磁束が互いに打ち消し合うため、磁石としての性能が弱まる傾向にあるが、そうした境界に近い第1の膨出部14の曲率を大きなものとすることで、磁石としての性能が補われる。
【0044】
・図4に示すものとの比較において、例えば感度2倍の検出素子をホールIC22として用いることで、図9に示す態様の出力電圧が得られるようにしてもよい。この場合、ホールIC22による出力電圧V2について、「(V2−2.5)/2+2.5」の式を用いて傾き半分の値を算出し、この値を操作ポジションの検出で用いることで、前記実施形態と同様の原理で操作ポジションが検出される。そして、こうした構成によると、ホールIC22による出力電圧V2の範囲が0.5V〜4.5Vといったように4Vとなり、前記実施形態によるそれに対して2倍の電圧範囲を有することになる。従って、電圧範囲が広がる分、耐ノイズ特性が向上する。
【0045】
・検出素子は最も近接配置できる距離が予め規定されているので、一直線上に3個以上の検出素子を設ける場合には、その数が多くなる程、当該直線に沿ったポジションセンサの全長が大きくなり、いわば縦長となる。そこで、3個以上の検出素子を2列に分けるかたちで配置する構成を採用してもよい。図10の例では、4個の検出素子24〜27を配置するに際し、第1の着磁領域10Aに対向する一直線上に当該素子24〜27を配置する代わりに、第1の着磁領域10Aに対向する一直線上に素子25及び27を配置するとともに、第2の着磁領域10Bに対向する一直線上に素子24及び26を配置している。尚、素子24〜27は、第1の直線及び第2の直線に直交する一直線上には配置されない。そして、第2の着磁領域10Bを挟んで第1の着磁領域10Aの反対側には、前記第1の着磁領域10Aと同様の着磁態様とされた第3の着磁領域10Fが設けられる。
【0046】
同構成によると、シフトバイワイヤ電子制御ユニット30による演算に際し、素子24〜27による出力電圧について、素子25及び27がN極(S極)を検出する場合の電圧と、素子24及び26がS極(N極)を検出する場合の電圧とを同じものとして扱うことで、素子24〜27を一直線上に配置した場合と実質的に同じ作用が得られる。また、ポジションセンサのサイズについて、2列に分けて配置することで、素子24と素子26との間隔、及び、素子25と素子27との間隔をそれぞれ小さくすることができるため、縦への大型化が回避され、コンパクト化が図られる。尚、本例による原理を用いて、例えば図11のように素子24〜27を配置することも可能であり、また、それ以外の態様も勿論可能である。
【0047】
・検出素子は、磁束の変化を検出するに際し、その強弱を検出する点で優れるホールICに限定されず、例えば、その向きを検出する点で優れる磁気抵抗素子等であってもよい。
【0048】
・シフトレバーの操作に伴う磁石及び検出素子の相対的な変位の態様は、前記実施形態による磁石が可動で検出素子が固定の態様に限定されず、検出素子が可動で磁石が固定の態様であってもよい。尚、両者が可動の態様、例えば、同じ方向に異なる移動量で移動する態様、或いは、異なる方向に移動する態様等であってもよい。
【0049】
・シフトパターンは、h字パターンに限らず、H字パターン、或いは、シフト方向の中央以外にセレクト方向が設定されるパターン等であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について記載する。
【0050】
(イ)前記各検出素子は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に等間隔で設けられる請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジションセンサ。同構成によるように、各検出素子の間隔を例えば等間隔とすることで、各検出素子による検出信号の出力差が当該間隔に基づいて一義的に決まる。このため、上記出力差が大きくずれているような場合には、それを根拠として検出素子の故障を判定できるようになる。
【符号の説明】
【0051】
1…ポジションセンサ、10…磁石、10A…第1の着磁領域、10B…第2の着磁領域、10C…第1の調整着磁部、10D…第2の調整着磁部、10E…非着磁部、10F…第3の着磁領域、11…第1の凹部、12…第2の凹部、13…膨出部、14…第1の膨出部、15…第2の膨出部、20…基板、21〜23…ホールIC(検出素子)、24〜27…検出素子、30…シフトバイワイヤ電子制御ユニット(特定手段)、40…組付け穴。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、
前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、
前記検出素子は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に所定の間隔を有して3個以上設けられ、
さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備える
ことを特徴とするポジションセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のポジションセンサにおいて、
前記第1の着磁領域は、前記第1の直線に沿った第1端部から第2端部へ向かう表面側の磁極がN極、S極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がS極、N極の順に設定され、
前記第2の着磁領域は、前記第2の直線に沿った前記第1端部から前記第2端部へ向かう表面側の磁極がS極、N極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がN極、S極の順に設定され、
さらに、前記第1端部から前記第2端部へ向かって順に設定された2つの磁極間には、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域に跨る中実の態様で、磁束を発生しない非着磁部が介在されている
ことを特徴とするポジションセンサ。
【請求項3】
前記磁石が有する面のうち前記各検出素子に対向する面を当該磁石の表面と規定したとき、その磁石の表面には、前記第1の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第1の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第1の凹部が形成されるとともに、当該磁石の表面には、前記第2の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第2の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第2の凹部が形成され、
さらに、前記第1の凹部及び前記第2の凹部には、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向である前記幅の方向に当該幅の拡大する凸をなす膨出部が形成されている
請求項1又は2に記載のポジションセンサ。
【請求項4】
前記膨出部のうち、隣りに着磁領域が存在する膨出部を第1の膨出部と規定するとともに、隣りに着磁領域が存在しない膨出部を第2の膨出部と規定し、
前記第1の膨出部の曲率を前記第2の膨出部の曲率に対して大きく設定する
請求項3に記載のポジションセンサ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジションセンサにおいて、
前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第1の調整着磁部が設けられるとともに、当該並設された方向に沿って、前記第1の着磁領域を挟んで前記第2の着磁領域の反対側には、前記第2の着磁領域と同様の着磁態様とされた第2の調整着磁部が設けられる
ことを特徴とするポジションセンサ。
【請求項6】
磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、
前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、
前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第3の着磁領域が設けられ、
前記検出素子は、前記第1の着磁領域に対向する一直線上と、前記第2の着磁領域に対向する一直線上とに分かれるかたちで、且つ、それらの直線に直交する直線上を避けるかたちで、合計3個以上設けられ、
さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備える
ことを特徴とするポジションセンサ。
【請求項1】
磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、
前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、
前記検出素子は、前記第1の直線及び前記第2の直線と平行な一直線上に所定の間隔を有して3個以上設けられ、
さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備える
ことを特徴とするポジションセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のポジションセンサにおいて、
前記第1の着磁領域は、前記第1の直線に沿った第1端部から第2端部へ向かう表面側の磁極がN極、S極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がS極、N極の順に設定され、
前記第2の着磁領域は、前記第2の直線に沿った前記第1端部から前記第2端部へ向かう表面側の磁極がS極、N極の順に設定されるとともに、同じく裏面側の磁極がN極、S極の順に設定され、
さらに、前記第1端部から前記第2端部へ向かって順に設定された2つの磁極間には、前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域に跨る中実の態様で、磁束を発生しない非着磁部が介在されている
ことを特徴とするポジションセンサ。
【請求項3】
前記磁石が有する面のうち前記各検出素子に対向する面を当該磁石の表面と規定したとき、その磁石の表面には、前記第1の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第1の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第1の凹部が形成されるとともに、当該磁石の表面には、前記第2の直線と直交する方向に所定の幅を有しつつ当該第2の直線に沿って、前記各検出素子から離間する方向に凸をなす第2の凹部が形成され、
さらに、前記第1の凹部及び前記第2の凹部には、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向である前記幅の方向に当該幅の拡大する凸をなす膨出部が形成されている
請求項1又は2に記載のポジションセンサ。
【請求項4】
前記膨出部のうち、隣りに着磁領域が存在する膨出部を第1の膨出部と規定するとともに、隣りに着磁領域が存在しない膨出部を第2の膨出部と規定し、
前記第1の膨出部の曲率を前記第2の膨出部の曲率に対して大きく設定する
請求項3に記載のポジションセンサ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジションセンサにおいて、
前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第1の調整着磁部が設けられるとともに、当該並設された方向に沿って、前記第1の着磁領域を挟んで前記第2の着磁領域の反対側には、前記第2の着磁領域と同様の着磁態様とされた第2の調整着磁部が設けられる
ことを特徴とするポジションセンサ。
【請求項6】
磁束を発生する磁石及びその磁石に対向して配置され同磁石による磁束を検出する検出素子を備え、シフトレバーの操作に伴って前記磁石及び前記検出素子が相対的に変位するとともに、前記検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを検出するポジションセンサにおいて、
前記磁石は、前記シフトレバーの操作方向である第1の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が比例関係となる第1の着磁領域と、同じくシフトレバーの操作方向であるとともに前記第1の直線と平行で且つそれとは別の直線である第2の直線に沿って前記検出素子に対し相対的に変位されることで、その移動距離に対する前記検出素子の出力の変化が前記比例関係とは傾き正負逆の比例関係となる第2の着磁領域とを有し、
前記第1の着磁領域及び前記第2の着磁領域は、前記第1の直線及び前記第2の直線と直交する方向に沿って並設され、その並設された方向に沿って、前記第2の着磁領域を挟んで前記第1の着磁領域の反対側には、前記第1の着磁領域と同様の着磁態様とされた第3の着磁領域が設けられ、
前記検出素子は、前記第1の着磁領域に対向する一直線上と、前記第2の着磁領域に対向する一直線上とに分かれるかたちで、且つ、それらの直線に直交する直線上を避けるかたちで、合計3個以上設けられ、
さらに、各検出素子による検出信号の組み合わせに基づき、前記シフトレバーの操作ポジションを特定する特定手段を備える
ことを特徴とするポジションセンサ。
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図1】
【公開番号】特開2013−60054(P2013−60054A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198562(P2011−198562)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】
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