説明

ポリシリコン成形体の汚染および破壊のない試験法および欠陥のないポリシリコン成形体

【課題】多結晶シリコン成形体の材料欠陥を破壊なしに試験する方法を提供する。
【解決手段】ポリシリコン成形体に超音波を照射し、ポリシリコン成形体が通過後に超音波受信機により超音波を記録し、これによりポリシリコン中の材料の欠陥を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高純度多結晶シリコンの破壊のない材料試験法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下にポリシリコンと記載する高純度多結晶シリコンは特に電子部品および太陽電池を製造するための出発物質として使用される。ポリシリコンはジーメンス反応器中で珪素含有ガスまたは珪素含有ガス混合物の熱分解およびCVD堆積により大きな規模で製造される。その際ポリシリコンはポリシリコン成形体として生じる。ポリシリコン成形体を引き続き機械的に処理できる。
【0003】
このポリシリコン成形体は破壊のない試験法を使用してその材料の特性を検査しなければならない。このために一般に音響試験とも呼ばれる音響的共鳴分析を使用する。その際ポリシリコン成形体を、例えば軽くハンマーでたたくことにより外部から刺激し、これにより得られる本来の固有の共鳴が当業者にポリシリコン成形体の材料特性に関する表現を与える。共鳴分析の利点は数秒のきわめて短い試験時間である。更に試験の際に試験体全体を試験し、すなわち試験は体積に合わせた試験法である。共鳴分析の欠点は、正確な位置の探求または材料の欠陥の確認がこの方法で不可能であることである。更にポリシリコン成形体はそれぞれの試験でハンマーでたたくことにより接触し、汚染され、引き続く洗浄工程が強制的に必要である。共鳴分析の他の欠点はポリシリコン成形体が試験の際に損傷することである。例えば表面の剥離またはポリシリコン成形体の破壊を生じることがある。更にポリシリコン成形体がその形、例えば直径および長さまたは長さ、幅および高さまたは最終断片形状で異なり、それぞれのポリシリコン成形体が異なる形状により異なる固有の共鳴を生じることが欠点である。これは試験結果の比較性を困難にする。数ミリメートルの寸法である、材料の特性を損なう小さい欠陥、例えば亀裂、空洞または穴はこの試験法では検出できない。
【0004】
ポリシリコンの他の破壊のない試験法は目による検査である。その際試験されるポリシリコン成形体の全部の表面を当業者により評価する。目による検査は種々の補助手段、例えば所定の照明装置または拡大レンズを使用して改良できる。目による検査の際に表面欠陥を認識し、位置を確認することができるが、この場合にポリシリコン成形体の内部に不利な材料欠陥を認識できない。更に人間により試験を行い、すなわち結果が客観的でなく、確実に再現できず、その日のコンディションおよび試験者の経験に依存する。
【0005】
前記の2つの破壊のない試験法はポリシリコン成形体が試験者により補助手段を使用して方向転換することが該当する。この補助手段、例えば手袋は2つの試験の間に汚れ粒子を負荷することがあり、試験の際にポリシリコン成形体の汚染を生じ、引き続く洗浄工程が強制的に必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、技術水準に関して記載された欠点を有しない、多結晶シリコン成形体の材料欠陥を破壊なしに試験する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、多結晶シリコン成形体に超音波を照射し、ポリシリコン成形体が通過後に超音波受信機により超音波を記録し、これによりポリシリコン中の材料の欠陥を検出する方法により解決される。
【0008】
本発明により、有利に100kHz〜25MHz、特に0.8MHz〜20MHz、特に有利に2〜12MHzの周波数範囲の超音波を超音波ヘッドから多結晶シリコンに導入する。多結晶シリコン中で超音波が直線的に拡大するが、界面で、材料欠陥(例えば亀裂、空洞、または穴)の場合に見られるように、および多結晶シリコンの移行部分でも空気に反射する。材料欠陥の主要拡大が超音波の拡大方向に垂直にポリシリコン中に延びる場合に、材料欠陥が最もよく位置を測定できる。従って有利に本発明の方法の経過中にすべての面のポリシリコン成形体の放射が行われ、これによりポリシリコン成形体中の検出された材料欠陥の位置の正確な汚染のない、破壊のない確認が可能である。
【0009】
ポリシリコン成形体の放射は超音波透過法またはインパルス・エコー法を使用して行い、その際第2の方法が有利である。
【0010】
超音波透過法において、多結晶シリコンを超音波送信機と受信機の間に配置する。ポリシリコンを通過する超音波は超音波受信機により再び電気振動に変換され(圧電効果)、表示される。材料欠陥はポリシリコンへの界面により減少したまたは欠如した信号として示される。欠陥の深部測定はこの方法では不可能である。従って超音波測定のこの変形が原則的に使用可能であるが、本発明により有利に以下に記載されるインパルス・エコー法を使用する。しかし欠陥の深部測定および欠陥評価の実施態様にまで、インパルス・エコー法の以下の実施態様は超音波透過法と同様に該当する。
【0011】
インパルス・エコー法において、超音波の送信機および受信機として超音波試験ヘッドを使用する。100kHz〜25MHz、特に0.8MHz〜20MHz、特に有利に2〜12MHzの周波数範囲にある超音波インパルスは超音波試験ヘッドからポリシリコン成形体に放射され、完全にまたは部分的に反射後、同じ超音波ヘッドにより記録され、受信機インパルスに方向転換する。
【0012】
送信インパルス、後の壁のエコーおよび場合により欠陥エコーが電子的に記録され、その際反射される超音波のそれぞれの経過時間により材料欠陥の深部測定が可能である。その際有利に欠陥領域、表面エコーと後の壁のエコーの間で生じるすべてのエコーを欠陥エコーと呼ぶ。記録された音波インパルスは有利にdB(底10の対数)で示される。
【0013】
本発明の方法において、有利に1〜5個の超音波試験ヘッドを1つの試験ヘッド保持器に組み込む。超音波試験ヘッドおよび相当する試験ヘッド保持器を以下に試験ヘッド装置と呼ぶ。有利に10°〜85°のシリコン中の音波浸入角度を有する角度試験ヘッドまたは垂直試験ヘッドを使用する。
【0014】
有利に試験ヘッド装置はポリシリコン成形体の近くにある。このために試験ヘッド装置に有利に無接触の間隔保持器が備えられる。試験ヘッド間隔は有利に5〜200mm、特に5〜80mmである。
【0015】
超音波の結合は技術水準でゲル、油、糊または水を使用して行う。ポリシリコンの高い材料純度によりポリシリコンの結合手段として水のみを使用する。
【0016】
結合剤媒体として飲料水を使用した試験の後に、ポリシリコン表面に以下の表面金属値が得られることが試験により示された。
Fe1500、Cr100、Ni50、Na2500、Zn100、Cl300、Cu50、Mo1、Ti250、W1、K500、Co0.5、Mn15、Ca4500、Mg1500、V0.5
すべての表示はpptw(pert per trillion weight)で示される。
【0017】
この結果、全部の試験された材料を引き続き更に洗浄しなければならない。
【0018】
意想外にも、気泡のない、完全脱塩水を使用して超音波結合を行うことができる。結合剤媒体として完全脱塩水(pH7.0以下、抵抗=18メガオーム、浮遊物質不含)を使用した試験の後に、ポリシリコン表面に以下の表面金属値が得られることが試験により示された。
Fe15、Cr1、Ni0.5、Na25、Zn10、Cl30、Cu1、Mo1、Ti25、W1、K5、Co0.5、Mn0.5、Ca45、Mg11、V0.5
すべての表示はpptwで示される。
【0019】
従って完全脱塩水の使用によりポリシリコン成形体の付加的な後洗浄を節約できる。
【0020】
本発明の方法は第1にポリシリコン成形体の試験を可能にし、その際ポリシリコン成形体の表面は高純度に維持される(表面金属値:Fe15以下、Cr1以下、Ni0.5以下、Na25以下、Zn10以下、Cl30以下、Cu1以下、Mo1以下、Ti25以下、W1以下、K5以下、Co0.5以下、Mn0.5以下、Ca45以下、Mg11以下、V0.5以下、すべての表示はpppywで示される)。
【0021】
超音波結合は噴射水技術または浸漬技術で行うことができる。噴射水技術において超音波結合は有利に噴射水を使用して行い、噴射水が超音波ヘッドをポリシリコン成形体の表面と気泡がなく結合する。浸漬技術において全部の試験を水中で行う、超音波ヘッドが試験体の表面と同様に気泡がなく結合する。
【0022】
超音波結合の後に超音波を使用するポリシリコン成形体の透視を開始する。有利にポリシリコン成形体を試験の際に超音波ヘッドで検査する。検査は任意の形で、特に有利に試験される成形体の縦軸方向で、特に有利に試験される成形体の縦軸および周囲に沿ってらせんの方向で行う。これと同時におよび交互にポリシリコン成形体自体を移動する、例えば下降する、上昇するまたは水平に移動することができる。更にポリシリコン成形体自体を回転してずらすことができる。
【0023】
検査速度/試験速度は有利に1〜1500mm/s、特に150mm/s〜600mm/sである。
【0024】
有利に計算装置で反射された超音波の信号評価を行う。その際決められた時間範囲、いわゆる欠陥期待範囲で、反射された超音波の信号を計算装置で基本雑音水準または決められた信号閾値と比較する。基礎雑音水準または決められた信号閾値を上回る場合は、ポリシリコン成形体を誤りであるとみなし、誤りのある部分量を配分する(ポリシリコン成形体はokでない)。信号閾値の変動により欠陥認識の感度を段階なく変動できる。
【0025】
結果の供給は有利に表示装置を使用して行い、表示装置が明らかな結果、一般にポリシリコン成形体okまたはポリシリコン成形体okでないを供給する。決められた信号閾値、欠陥期待範囲の開始、欠陥期待範囲の終了のような試験パラメーターは有利に試験プログラムの形で計算装置に保管され、ポリシリコン成形体の形状および使用目的に応じて、異なる寸法および特性の変化のための種々の欠陥範囲にこの方法を速く、簡単に適合できる。計算装置は、更に、記載されるように、ポリシリコン成形体の欠陥の位置を測定し、ポリシリコン成形体中の誤りのある範囲を特定することを可能にする。このためにシリコン成形体の結果の供給に誤りのある範囲と誤りのない範囲を表示することができる。
【0026】
超音波試験の後に有利にポリシリコン成形体を乾燥する。
【0027】
このために有利に圧縮空気を衝突させたノズルが試験通路を試験を行ったのと逆の方向に、試験体が乾燥するまで走る。
【0028】
ポリシリコン成形体はポリシリコン棒または棒断片である。有利にポリシリコン成形体は3mm〜300mm、特に50mm〜200mmの直径を有する。成形体の長さは原則的に制限されないが、有利に10mm〜4500mm、特に100mm〜3000mmの測定長さの成形体を試験する。有利に成形体は機械で読み取り可能な身元確認(ID)値が備えられ、この確認値が本発明の方法でID値により成形体を把握することを可能にする。これは例えば計算装置で行うことができる。
【0029】
本発明の方法は任意の形状のポリシリコン成形体の試験に適している。バナナ形成形体も試験できる。
【0030】
本発明の方法は高純度ポリシリコンの破壊のない材料試験を可能にする。本発明の方法は表面付近および材料内部で隠れた材料欠陥を検出する。本発明の方法は明らかな、再現可能な試験結果を供給する。材料欠陥はインパルス・エコー法を使用する場合にポリシリコンの内部で正確に場所をつきとめ、確認することができる。
【0031】
本発明の方法は汚染物なしに行う。試験されるポリシリコン成形体を、補助手段水、有利に完全脱塩水(pH7.0以下、抵抗0.5メガオーム以上、特に抵抗18メガオーム以上、浮遊物不含)と接触する。
【0032】
試験に必要なこの補助手段は有利に連続的に100%定性的に試験するが、それはこの補助物質の特性がポリシリコン成形体の表面金属値に直接作用するからである。
【0033】
本発明の方法は体積に関する試験法であり、すなわちポリシリコン成形体全体で10分の1ミリメートルからミリメートルまでの材料欠陥位置を検出し、正確に場所をつきとめることができる。本発明の方法を使用してすでに多結晶ポリシリコン成形体で0.2mmの直径および130mmの深さの欠陥を検出した。これに対して共鳴分析を使用してバルクに存在する材料欠陥をcm〜dmの範囲で検出できる。眼による検査は表面配向試験のみを可能にし、すなわち可視表面欠陥のみを検出できる。
【0034】
本発明による自動化された試験法は人間による主観的な欠陥を含む評価を排除し、いかなる欠陥も見落とさない。この試験法は明らかな、再現可能な試験結果を供給し(試験体−OK/試験体−OKでない)、更にポリシリコン成形体の規格に合わない領域の決定を可能にする。
【0035】
本発明の方法は試験されるポリシリコン成形体の特別な準備を必要とせず、現存する製造法に簡単に挿入できる。
【0036】
本発明の方法により円筒形および円錐形のポリシリコン成形体をFZ溶融法のために材料欠陥位置について検査できる。更に棒もしくは棒断片(例えばカットロッド、後で挿入された棒等)をFZまたはCZ溶融法のために材料欠陥位置について検査できる。
【0037】
本発明は第1に欠陥を有しないポリシリコン成形体を使用し、前記欠陥は0.03mm2より大きい投射面を有する亀裂、空洞または穴である。本発明のポリシリコン成形体は有利に欠陥を有せず、引き続く溶解および溶融法で減少した離脱および剥離特性を有する。本発明の方法の2つの実施態様が図1および2に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の方法を使用して水平試験する装置の側面図および平面図である。
【図2】本発明の方法を使用して垂直試験する装置の側面図および平面図である。番号は図1に相当する。
【図3】例1に記載される水中試験での試験ヘッド保持器(11)および超音波試験ヘッド(12)からなるスキャンアーム(7)上の試験ヘッド装置(8)を示す図である。
【図4】例2に記載される噴射水試験での試験ヘッド保持器(11)および超音波試験ヘッド(12)からなるスキャンアーム(7)上の試験ヘッド装置(8)を示す図である。
【実施例】
【0039】
以下の例により本発明を詳細に説明する。
【0040】
例1:水中の水平試験
直径200mmおよび棒長さ2500mmを有するポリシリコン成形体(1)を図1による装置で、水中で水平に試験する。このためにポリシリコン成形体(1)を水平方向に水受け入れ槽(4)の上に置いて試験体受け入れ部分(2)の尖端と受け入れ部分(3)の尖端の間に張設する。水受け入れ槽(4)に完全脱塩水を充填する。これと並行して機械で読み取り可能な身元確認(ID)値を備えたポリシリコン成形体(1)を計算装置(5+6)で告知し、すなわち機械で読み取り可能な身元確認(ID)値を計算装置(5+6)に伝える。引き続き計算装置に保管された試験プログラムを選択し、試験を開始する。
【0041】
端部に超音波試験ヘッド装置(8)が固定されているスキャンアーム(7)が送り速度10mm/sでポリシリコン成形体(1)の方向に動く。超音波試験ヘッド装置(8)が超音波試験ヘッド装置(8)とポリシリコン成形体(1)の間隔5mmを達成する場合に、スキャンアームの送りを調節する。
【0042】
超音波試験ヘッド装置(8)は3個の試験ヘッド保持器(11)、4個の超音波試験ヘッド(12)(図3)および無接触の間隔電子部品からなり、これらはスキャンアーム(7)に組み込まれ(図示されない)、試験ヘッドと成形体の間隔を一定に保持する。
【0043】
超音波試験ヘッド(12)はインパルス・エコー法で運転する。それぞれの超音波試験ヘッド(12)は予め固定して決められた順序で12MHzの周波数を有するインパルスを送信し、反射された信号を受け取る。スキャンアーム(7)は1200mm/sの一定の速度で試験体受け入れ部分(2)から試験体受け入れ部分(3)に向かってポリシリコン成形体(1)の表面に沿って移動する。ポリシリコン成形体(1)は試験体受け入れ部分(2)および(3)により周囲方向に1mm回転する。スキャンアーム(7)は1200mm/sで試験体受け入れ部分(3)から試験体受け入れ部分(2)にポリシリコン成形体(1)の表面に沿って戻る。受信する信号をこれと並行して計算装置(5+6)で評価し、結果を視覚的に明らかにする。材料欠陥を見つけた場合は、試験体端部までランプ(9)で照らす。ポリシリコン成形体(1)を使用して記載されたように長く行う場合は、ポリシリコン成形体の全部の範囲まで動き、試験された。試験終了後に完全脱塩水を水受け入れ槽(4)から排出する。試験体受け入れ部分(2)および(3)を開放し、ポリシリコン成形体(1)を測定装置から取り出す。表示器(9)によりポリシリコン成形体(1)を欠陥なしまたは欠陥付着と等級付ける。
【0044】
例2:噴射水結合による水平方向試験
直径200mmおよび棒長さ2500mmを有するポリシリコン成形体(1)を図1により水平に噴射水結合を用いて試験する。
【0045】
試験の経過は例1と同様に行ったが、超音波試験の間水受け入れ槽(4)を完全脱塩水で充填せず、図4に示され、以下に説明する超音波試験ヘッド装置(8)を取り付けた。
【0046】
超音波試験ヘッド装置(8)は3個の試験ヘッド保持器(11)、4個の超音波試験ヘッド(12)および無接触の間隔電子部品(図示されない)からなり、これらはスキャンアーム(7)に組み込まれ、超音波試験ヘッド装置(8)とポリシリコン成形体(1)の間隔を一定に保持する。試験ヘッド保持器(11)に導管(13)により連続的に完全脱塩水を供給する。この水が超音波試験ヘッド(12)の周りの空間を充填し、噴射水を形成し、噴射水が超音波試験ヘッド(12)とポリシリコン成形体(1)の表面の間の超音波結合を配慮する。
例1に示されるように試験を行った。試験が終了後、逆方向で、圧縮空気(図示されていない)を使用してポリシリコン成形体(1)の乾燥を行った。ポリシリコン成形体(1)を乾燥後、試験体受け入れ部分(2)および(3)の尖端を開放し、ポリシリコン成形体(1)を取り出す。表示器(9)によりポリシリコン成形体(1)を欠陥なしまたは欠陥付着として等級付ける。
【0047】
例3:水中の垂直試験
例1と同様に、図3に示される超音波試験ヘッド装置を使用して試験を行ったが、図2に示されるように、ポリシリコン成形体(1)を垂直に試験した。
【0048】
例4:噴射水結合による垂直試験
例2と同様に、図4に示される超音波試験ヘッド装置を使用して試験を行ったが、図2に示されるように、ポリシリコン成形体(1)を垂直に試験した。
【符号の説明】
【0049】
1 ポリシリコン成形体、 2、3 試験体受け入れ部分、 4 水受け入れ槽、 5、6 計算装置、 7 スキャンアーム、 8 超音波試験ヘッド装置、 9 ランプ、 11 試験ヘッド保持器、 12 超音波試験ヘッド、 13 導管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジーメンス反応器中で珪素含有ガスまたは珪素含有ガス混合物の熱分解およびCVD堆積により製造された、3mm〜300mmの直径および10mm〜4500mmの測定長さを有するポリシリコン成形体の材料欠陥を汚染がなく、破壊がなく試験する方法において、ポリシリコン成形体に超音波を照射し、その際、7.0以下のpHおよび0.5メガオーム以上の抵抗を有し、浮遊物質不含である気泡のない完全脱塩水を使用して超音波の結合を噴射水技術により行い、超音波をポリシリコン成形体の通過後に超音波受信器により記録し、こうしてポリシリコン中の材料欠陥を検出し、その結果、材料欠陥を有しないことが検出されたポリシリコン成形体が0.03mmより大きい投影面を有する欠陥を含まないことを特徴とするポリシリコン成形体の材料欠陥を汚染がなく、破壊がなく試験する方法。
【請求項2】
超音波送信器からの超音波をポリシリコン成形体に照射し、ポリシリコン成形体を通過する超音波を超音波受信器により再び電気振動に変換し、表示する請求項1記載の方法。
【請求項3】
超音波試験ヘッドから超音波をポリシリコン成形体に照射し、完全にまたは部分的に反射後に同じ超音波試験ヘッドにより超音波を記録し、再び電気的振動に変換する請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
送信され、受信される超音波を電子的に記録し、評価し、その際超音波のそれぞれの経過時間によりポリシリコン成形体中の材料欠陥の位置を測定する請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
超音波試験ヘッドをポリシリコン成形体に近づけ、超音波結合によりポリシリコン成形体に結合し、超音波で照射する請求項3記載の方法。
【請求項6】
反射された超音波の信号評価を計算装置で行い、その際反射された超音波の時間差および/または信号強度を計算装置で所定のパラメーターで比較する請求項3または5記載の方法。
【請求項7】
超音波試験ヘッドを5〜200mm、特に有利に5〜80mmの試験ヘッド間隔でポリシリコン成形体に近づける請求項3、5または6記載の方法。
【請求項8】
材料欠陥を有しないことが検出されたポリシリコン成形体が高純度の表面を有し、この高純度の表面が、Fe15pptw以下、Cr1pptw以下、Ni0.5pptw以下、Na25pptw以下、Znpptw10以下、Cl30pptw以下、Cu1pptw以下、Mo1pptw以下、Ti25pptw以下、W1pptw以下、K5pptw以下、Co0.5pptw以下、Mn0.5pptw以下、Ca45pptw以下、Mg11pptw以下、V0.5pptw以下の濃度を有する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
3mm〜300mmの直径、10mm〜4500mmの長さを有し、0.03mmより大きい投影面を有する欠陥を含まない、請求項1記載の方法によって材料欠陥を有しないことが検出されたポリシリコン成形体。
【請求項10】
高純度の表面を有し、この高純度の表面が、Fe15pptw以下、Cr1pptw以下、Ni0.5pptw以下、Na25pptw以下、Znpptw10以下、Cl30pptw以下、Cu1pptw以下、Mo1pptw以下、Ti25pptw以下、W1pptw以下、K5pptw以下、Co0.5pptw以下、Mn0.5pptw以下、Ca45pptw以下、Mg11pptw以下、V0.5pptw以下の濃度を有する、請求項8記載のポリシリコン成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−95268(P2011−95268A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277232(P2010−277232)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【分割の表示】特願2007−223588(P2007−223588)の分割
【原出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】