ポリペプチド及びその使用
この発明は、炎症及び/又は過度の血液凝固の処置又は予防における使用のための、血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質に由来するアミノ酸配列、又はその断片、変異体、融合体又は誘導体、あるいは前記断片の融合体、その変異体又は誘導体を含んで成るか、又はこれらから成るポリペプチドを提供する。本発明の関連局面は、抗炎症及び/又は抗凝固活性を示す、配列番号1〜11のアミノ酸配列、又はその断片、変異体、融合体又は誘導体、あるいは前記断片の融合体、その変異体又は誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る単離されたポリペプチド、並びにそれを製造する単離された核酸分子、ベクター及び宿主細胞を提供する。これに加えて、本発明のポリペプチドを含んでなる医薬組成物、並びに炎症及び/又は過度の血液の凝固の処置及び/又は予防におけるその使用方法が提供される。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
炎症及び/又は過度の凝固の処置又は予防における使用のための、血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質(ヘパリンコファクターII又はトロンビン以外のもの)に由来するアミノ酸配列、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体、又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成るポリペプチドであって、該断片、変異体、融合体若しくは誘導体は、抗炎症及び/又は抗凝固活性を示す、上記ポリペプチド。
【請求項2】
ポリペプチドが天然に存在するタンパク質ではない、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質がヒトタンパク質である、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、セリンプロテイナーゼインヒビター(セルピン)、組織因子経路インヒビター(例えば、TFPI−1及びTFPI−2)及びヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)から成る群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質がセルピンである、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
セルピンがアンチトロンビンIIIである、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項7】
アンチトロンビンIIIが、スイスプロットアクセション番号P01008(Swiss Port Accession NO. P01008)である、請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項8】
配列番号1又は2のアミノ酸配列:
“FFF21”: FFFAKLNCRLYRKANKSSKLV[配列番号1]
“AKL22”: AKLNCRLYRKANKSSKLVSANR[配列番号2]、又は配列番号1又は2の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項6又は7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
配列番号1又は2のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項8に記載のポリペプチド。
【請求項10】
セルピンがプロテインCインヒビター(PCI)である、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項11】
プロテインCインヒビターがスイスプロットアクセション番号P05154である、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項12】
配列番号3のアミノ酸配列:
“SEK20”: SEKTLRKWLKMFKKRQLELY[配列番号3]、
又は配列番号3の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項10又は11に記載のポリペプチド。
【請求項13】
配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項12に記載の
ポリペプチド。
【請求項14】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、組織因子経路インヒビター(TFPI)である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項15】
組織因子経路インヒビターがTFPI−1である、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
TFPI−1がスイスプロットアクセッション番号P10646である、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項17】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列:
“GGL27”:GGLIKTKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM[配列番号4]
“LIK17”:LIKTKRKRKKQRVKIAY[配列番号5]
“TKR22”:TKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM[配列番号6]、
又は配列番号4〜6のいずれか1つの抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項15又は16に記載のポリペプチド。
【請求項18】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項17に記載のポリペプチド
【請求項19】
組織因子経路インヒビターがTFPI−2である、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項20】
TFPI−2がスイスプロットアクセッション番号P48307である、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項21】
配列番号7又は8のアミノ酸配列:
“ALK25”:ALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF[配列番号7]
“EDC34”:EDCKRACAKALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF[配列番号8]、
又は配列番号7又は8の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項19又は20に記載のポリペプチド。
【請求項22】
配列番号7又は8のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項23】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、ヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項24】
HRGがスイスプロットアクセッション番号P04196である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項25】
配列番号9のアミノ酸配列:
(X1X2X3X4X5)n [配列番号9]
[上式において、
X1及びX4は、独立して、G、P、L、I、F、T、V、Y又はWを表し;
X2、X3及びX5は、独立して、H、R又はKを表し;そして
‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号9の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23又は24に記載のポリペプチド。
【請求項26】
配列番号10のアミノ酸配列:
(GHHPH)n [配列番号10]
[上式において、‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号10の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23〜25のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項27】
配列番号11のアミノ酸配列:
“GHH25”:GHHPHGHHPHGHHPHGHHPHGHHPH [配列番号11]、
又は配列番号11の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23〜26のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項28】
配列番号:9、10又は11のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23〜27のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項29】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、L−アミノ酸を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項1〜28のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項30】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、修飾されているか、又は誘導体化されている1つ又はそれより多いアミノ酸を含んでなる、請求項1〜29のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項31】
1つ又はそれより多いアミノ酸が、PEG化、アミド化、エステル化、アシル化、アセチル化及び/又はアルキル化によって、修飾されているか又は誘導体化されている、請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項32】
ポリペプチドが、配列番号1〜11のアミノ酸配列のいずれか1つの断片を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項1〜31のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項33】
断片が、配列番号3の少なくとも5個の連続したアミノ酸、例えば少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26又は27個の連続したアミノ酸を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項32に記載のポリペプチド。
【請求項34】
ポリペプチドが、配列番号1〜11のいずれか1つのアミノ酸配列のいずれか1つの変異体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項1〜33のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
変異体が、配列番号1〜11のいずれか1つのアミノ酸配列と、アミノ酸配列で少なくとも50%の同一性、例えば少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは少なくとも99%の同一性を有する、請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項36】
ポリペプチドが、10〜200個のアミノ酸の長さ、例えば10〜150個、15〜100個、15〜50個、15〜30個、17〜30個、又は17〜28個のアミノ酸の長さである、請求項1〜35のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項37】
ポリペプチドが少なくとも17個のアミノ酸の長さである、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
ポリペプチドが線状である、請求項1〜37のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項39】
ポリペプチドが組み換えポリペプチドである、請求項1〜38のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項40】
ポリペプチドが、ヒト単球由来のマクロファージに起源する1つ又はそれより多い炎症誘発性サイトカインの放出を抑制することができる、請求項1〜39のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項41】
炎症誘発性サイトカインが、マクロファージ阻害因子、TNF−α、HMGB1、C5a、IL−17、IL−8、MCP−1、IFN−γ、Il−6、IL−1b、IL−12から成る群より選択される、請求項33に記載のポリペプチド。
【請求項42】
ポリペプチドが、血小板活性化を遮断することができる、請求項1〜41のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項43】
ポリペプチドが、白血球、上皮細胞(ケラチノサイトを含む)及び/又は間葉細胞(線維芽細胞を含む)におけるトル様受容体(TLR)シグナル伝達を妨害することができる、請求項1〜42のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項44】
ポリペプチドが、1つ又はそれより多い以下のモデル:
(a)刺激剤として、LPS、LTA、ザイモサン、フラジェリン、ダニ、ウイルス若しくは細菌のDNA若しくはRNA、又はペプチドグリカンを用いるインビトロマクロファージモデル;
(b)エンドトキシン・ショックのインビボマウスモデル;
及び/又は
(c)抗微生物療法と組み合わせるか、又は単独で与える、インビボ感染症モデル;
において抗炎症活性を示す、請求項1〜43のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項45】
ポリペプチドが抗凝固活性を示す、請求項1〜44のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項46】
炎症及び凝固の併用処置又は予防に使用するための請求項45に記載のポリペプチド。
【請求項47】
該ポリペプチドがトル様受容体(TLR)遮断活性を示す、請求項1〜46のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項48】
ポリペプチドが感染症に関連する炎症の処置又は予防に使用するための、請求項1〜47のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項49】
下記から選択される疾患、状態又は適応の処置又は予防に使用するための請求項1〜48のいずれか1項に記載のポリペプチド:
i)感染性要素の有無にかかわらず、急性全身性炎症疾患、例えば全身性炎症反応症候群(SIRS)、ARDS、敗血症、重症敗血症、及び敗血症性ショック;丹毒、髄膜炎、関節炎、トキシックショック症候群、憩室炎、中垂炎、膵炎、胆嚢炎、大腸炎、蜂巣炎、火傷感染症、肺炎、尿路感染症、術後感染症、及び腹膜炎を含む、他の全身性又は限局性で侵襲性の感染性及び炎症性疾患:
ii)下記を含む慢性炎症性及び/又は感染性疾患;嚢胞性線維症、COPD及び他の肺疾患、慢性皮膚及び胃潰瘍を含む胃腸疾患、アトピー性皮膚炎、口腔内潰瘍(アフタ性潰瘍)、陰部潰瘍及び炎症性変化、歯周炎、結膜炎及び角膜炎を含む眼の炎症、外耳炎、中耳炎、泌尿生殖器の炎症などの他の上皮炎症性及び/又は感染性疾患:
iii)術後炎症;血栓症、DIC、術後凝固異常、並びに体外循環及び生体材料の使用を含む異物との接触に関連する凝固異常を含む、炎症性疾患及び凝固異常;更に、血管炎関連炎症性疾患、並びにアレルギー性鼻炎及び喘息を含むアレルギー:
iv)過度の接触活性化及び/又は脳卒中(これらに限定されない)に関連する凝固:
v)抗微生物剤処置との併用での過度の炎症;使用される抗微生物剤は、種々のルートによって投与することができる;静脈内(iv)、動脈内、硝子体内、皮下(sc)、筋肉内(im)、腹腔内(ip)、膀胱内、髄こう内、硬膜外、経腸(経口、直腸、胃内、及び他の経腸ルートを含む)、又は局所的(皮膚、鼻への適用、例えば滴剤による眼又は耳内の適用、及び肺吸入を含む);薬剤の例には、ペニシリン系、セファロスポリン系、カルバセフェム系、セファマイシン系、カルバペネム系、モノバクタム系、アミノグリコシド系、グリコペプチド系、キノロン系、テトラサイクリン系、マクロライド系、及びフルオロキノロン系がある;防腐剤には、ヨウ素、銀、銅、クロルヘキシジン、ポリヘキサニド及び他のビグアニド類、キトサン、酢酸、及び過酸化水素が含まれる。
【請求項50】
急性炎症、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症、喘息、アレルギー性及び他のタイプの鼻炎、皮膚血管炎及び全身性血管炎、血栓症及び播種性血管内凝固(DIC)の処置又は予防に使用するための、請求項1〜49のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項51】
敗血症の処置又は予防に使用するための、請求項50に記載のポリペプチド。
【請求項52】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防に使用するための、請求項50に記載のポリペプチド。
【請求項53】
1つ又はそれより多い別の治療薬と組み合わせて使用するための、請求項1〜52のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項54】
別の治療薬が、抗生剤、抗真菌剤、防腐剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、血管作用薬、受容体遮断薬、受容体作動薬及び防腐剤から成る群より選択される、請求項53に記載のポリペプチド。
【請求項55】
抗生剤が、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤から成る群より選択される、請求項54に記載のポリペプチド。
【請求項56】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質に由来するアミノ酸配列、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体、又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成り、抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を示す、単離されたポリペプチドであって、
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質は、セルピン(ヘパリンコファクターII以外)、ヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)及び組織因子経路インヒビター(例えば、TFPI−1及びTFPI−2)から成る群より選択され、但し、該ポリペプチドは天然に存在するタンパク質ではないことを条件とする、上記単離されたポリペプチド。
【請求項57】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、ヒトタンパク質である、請求項56に記載のポリペプチド。
【請求項58】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、セリンプロテイナーゼインヒビター(セルピン)、組織因子経路インヒビター(例えば、TFPI−1及びTFPI−2)及びヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)から成る群より選択される、請求項56又は57に記載のポリペプチド。
【請求項59】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、セルピンである、請求項58に記載のポリペプチド。
【請求項60】
セルピンがアンチトロンビンIIIである、請求項59に記載のポリペプチド。
【請求項61】
アンチトロンビンIIIがスイスプロットアクセッション番号P01008である、請求項60に記載のポリペプチド。
【請求項62】
配列番号1又は2のアミノ酸配列:
“FFF21”:FFFAKLNCRLYRKANKSSKLV [配列番号1]
“AKL22”:AKLNCRLYRKANKSSKLVSANR [配列番号2]、又は配列番号1又は2の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項60又は61に記載のポリペプチド。
【請求項63】
配列番号1又は2のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項62に記載のポリペプチド。
【請求項64】
セルピンがプロテインCインヒビター(PCI)である、請求項59に記載のポリペプチド。
【請求項65】
プロテインCインヒビターが、スイスプロットアクセッション番号P05154である、請求項64に記載のポリペプチド。
【請求項66】
配列番号3のアミノ酸配列:
“SEK20”:SEKTLRKWLKMFKKRQLELY [配列番号3]、
又は配列番号3の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項64又は65に記載のポリペプチド。
【請求項67】
配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項66に記載のポリペプチド。
【請求項68】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、組織因子経路インヒビター(TFPI)である、請求項58に記載のポリペプチド。
【請求項69】
組織因子経路インヒビターがTFPI−1である、請求項68に記載のポリペプチド。
【請求項70】
TFPI−1が、スイスプロットアクセッション番号P10646である、請求項69に記載のポリペプチド。
【請求項71】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列:
“GGL27” :GGLIKTKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM [配列番号4]
“LIK17”:LIKTKRKRKKQRVKIAY [配列番号5]
“TKR22”:TKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM [配列番号6]、又は配列番号4〜6のいずれか1つの抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項68又は69に記載のポリペプチド。
【請求項72】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項71に記載のポリペプチド。
【請求項73】
組織因子経路インヒビターがTFPI−2である、請求項68に記載のポリペプチド。
【請求項74】
TFPI−2が、スイスプロットアクセッション番号P48307である、請求項73に記載のポリペプチド。
【請求項75】
配列番号7又は8のアミノ酸配列:
“ALK25”:ALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF [配列番号7]
“EDC34” :EDCKRACAKALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF [配列番号8]、
又は配列番号7又は8の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項73又は74に記載のポリペプチド。
【請求項76】
配列番号7又は8のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項75に記載のポリペプチド。
【請求項77】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、ヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)である、請求項58に記載のポリペプチド。
【請求項78】
HRGが、スイスプロットアクセッション番号P04196である、請求項77に記載のポリペプチド。
【請求項79】
配列番号9のアミノ酸配列:
(X1X2X3X4X5)n [配列番号9]
[上式において、
X1及びX4は、独立して、G、P、L、I、F、T、V、Y又はWを表し;
X2、X3及びX5は、独立して、H、R又はKを表し;そして
‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号9の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77又は78に記載のポリペプチド。
【請求項80】
配列番号10のアミノ酸配列:
(GHHPH)n [配列番号10]
[上式において、‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号10の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77〜79のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項81】
配列番号11のアミノ酸配列:
“GHH25”:GHHPHGHHPHGHHPHGHHPHGHHPH [配列番号11]、
又は配列番号11の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77〜80のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項82】
配列番号9、10又は11のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77〜81のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項83】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、L−アミノ酸を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項56〜82のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項84】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、修飾されているか、又は誘導体化されている1つ又はそれより多いアミノ酸を含んでなる、請求項56〜83のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項85】
1つ又はそれより多いアミノ酸が、PEG化、アミド化、エステル化、アシル化、アセチル化及び/又はアルキル化によって、修飾されているか又は誘導体化されている、請求項84に記載のポリペプチド。
【請求項86】
ポリペプチドが、10〜200個のアミノ酸の長さ、例えば10〜150、15〜100、15〜50、15〜30、17〜30、又は17〜28個のアミノ酸の長さである、請求項56〜85のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項87】
ポリペプチドが、少なくとも17個のアミノ酸の長さである、請求項86に記載のポリペプチド。
【請求項88】
ポリペプチドが線状である、請求項56〜87のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項89】
ポリペプチドが、組み換えポリペプチドである、請求項56〜88のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項90】
ポリペプチドが、ヒト単球由来のマクロファージに起源する1つ又はそれより多い炎症誘発性サイトカインの放出を阻害することができる、請求項56〜89のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項91】
炎症誘発性サイトカインが、マクロファージ阻害因子、TNF−α、HMGB1、C5a、IL−17、IL−8、MCP−1、IFN−γ、Il−6、IL−1b、IL−12から成る群より選択される、請求項90に記載のポリペプチド。
【請求項92】
ポリペプチドが、血小板活性化を遮断することができる、請求項56〜91のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項93】
ポリペプチドが、白血球、上皮細胞(ケラチノサイトを含む)及び/又は間葉細胞(線維芽細胞を含む)におけるトル様受容体(TLR)シグナル伝達を妨害することができる、請求項56〜92のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項94】
ポリペプチドが、1つ又はそれより多い以下のモデル:
(a)刺激剤として、LPS、LTA、ザイモサン、フラジェリン、ダニ、ウイルス若しくは細菌のDNA若しくはRNA、又はペプチドグリカンを用いるインビトロマクロファージモデル;
(b)エンドトキシン・ショックのインビボマウスモデル;
及び/又は
(c)抗微生物療法と組み合わせるか、又は単独で与える、インビボ感染症モデル;
において抗炎症活性を示す、請求項56〜93のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項95】
ポリペプチドが抗凝固活性を示す、請求項56〜94のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項96】
ポリペプチドがトル様受容体(TLR)遮断活性を示す、請求項56〜95のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項97】
請求項56〜96のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
【請求項98】
請求項97に記載の核酸分子を含んでなる、ベクター。
【請求項99】
ベクターが発現ベクターである、請求項98に記載のベクター。
【請求項100】
請求項97に記載の核酸分子、又は請求項98又は99に記載のベクターを含んでなる、宿主細胞。
【請求項101】
前記ポリペプチドが発現される条件下で、請求項100に記載の宿主細胞の集団を培養し、そしてそれからポリペプチドを単離することを含んでなる、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
【請求項102】
ポリペプチドの液相又は固相合成を含んでなる、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
【請求項103】
請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドを、製薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体、バッファー又はアジュバントと一緒に含んでなる、医薬組成物。
【請求項104】
局所、眼内、経鼻、経肺、口腔、非経口(静脈内、皮下、髄こう内及び筋肉内)、経口、膣内及び直腸から成る群より選択される経路を介して投与するのに適している、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項105】
インプラントを介する投与に適している、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項106】
医薬組成物が、医療に使用されるデバイス又は材料に関連する、請求項103〜105のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項107】
デバイスが、バイパス手術、体外循環、創傷ケア及び/又は透析において使用されるデバイスである、請求項106に記載の医薬組成物。
【請求項108】
医薬組成物が、縫合糸、人工補綴物、インプラント、創傷被覆材、カテーテル、レンズ、皮膚移植片、代用皮膚、フィブリン接着剤又は包帯に、被覆されるか、塗られるか、噴霧されるか、又はその他の方法で適用される、請求項106又は107に記載の医薬組成物。
【請求項109】
デバイス又は材料が、ポリマー、金属、金属酸化物及び/又はセラミックを含んでなるか、又はこれらから成る、請求項106〜108のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項110】
医療に使用するための、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項111】
急性及び/又は慢性炎症の処置及び/又は予防に使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項112】
微生物感染症(例えば、細菌感染症)の処置及び/又は予防に使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項113】
血液凝固のモジュレーションに使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項114】
創傷の処置に使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項115】
下記から選択される疾患、状態又は適応の処置又は予防に使用するための請求項110又は114に記載のポリペプチド:
i)感染性要素の有無にかかわらず、急性全身性炎症疾患、例えば全身性炎症反応症候群(SIRS)、ARDS、敗血症、重症敗血症、及び敗血症性ショック;丹毒、髄膜炎、関節炎、トキシックショック症候群、憩室炎、中垂炎、膵炎、胆嚢炎、大腸炎、蜂巣炎、火傷感染症、肺炎、尿路感染症、術後感染症、及び腹膜炎を含む、他の全身性又は限局性で侵襲性の感染性及び炎症性疾患:
ii)下記を含む慢性炎症性及び/又は感染性疾患;嚢胞性線維症、COPD及び他の肺疾患、慢性皮膚及び胃潰瘍を含む胃腸疾患、アトピー性皮膚炎、口腔内潰瘍(アフタ性潰瘍)、陰部潰瘍及び炎症性変化、歯周炎、結膜炎及び角膜炎を含む眼の炎症、外耳炎、中耳炎、泌尿生殖器の炎症などの他の上皮炎症性及び/又は感染性疾患:
iii)術後炎症;血栓症、DIC、術後凝固異常、並びに体外循環、及び生体材料の使用を含む異物との接触に関連する凝固異常を含む、炎症性疾患及び凝固異常;更に、血管炎関連炎症性疾患、並びにアレルギー性鼻炎及び喘息を含むアレルギー:
iv)過度の接触活性化及び/又は脳卒中(これらに限定されない)に関連する凝固:
v)抗微生物剤処置との併用での過度の炎症;使用される抗微生物剤は、種々のルートによって投与することができる;静脈内(iv)、動脈内、硝子体内、皮下(sc)、筋肉内(im)、腹腔内(ip)、膀胱内、髄こう内、硬膜外、経腸(経口、直腸、胃内、及び他の経腸ルートを含む)、又は局所的(皮膚、鼻への適用、例えば滴剤による眼又は耳内の適用、及び肺吸入を含む);薬剤の例には、ペニシリン系、セファロスポリン系、カルバセフェム系、セファマイシン系、カルバペネム系、モノバクタム系、アミノグリコシド系、グリコペプチド系、キノロン系、テトラサイクリン系、マクロライド系、及びフルオロキノロン系がある;防腐剤には、ヨウ素、銀、銅、クロルヘキシジン、ポリヘキサニド及び他のビグアニド類、キトサン、酢酸、及び過酸化水素が含まれる。
【請求項116】
炎症及び/又は過度の凝固の処置又は予防のための薬剤の製造における、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドの使用。
【請求項117】
薬剤が、急性炎症、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症、喘息、アレルギー性及び他のタイプの鼻炎、皮膚血管炎及び全身性血管炎、血栓症及び播種性血管内凝固(DIC)の処置又は予防における使用のためである、請求項116に記載の使用。
【請求項118】
薬剤が敗血症の処置又は予防における使用のためである、請求項114に記載の使用。
【請求項119】
薬剤が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防における使用のためである、請求項114に記載の使用。
【請求項120】
薬剤が1つ又はそれより多い別の治療薬と組み合わせて使用するためである、請求項116〜119のいずれか1項に記載の使用。
【請求項121】
別の治療薬が、抗生剤、抗真菌剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、血管作用薬及び防腐剤から成る群より選択される、請求項120に記載の使用。
【請求項122】
抗生剤が、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤から成る群より選択される、請求項121に記載の使用。
【請求項123】
別の治療薬がステロイドである、請求項121に記載の使用。
【請求項124】
患者の炎症を処置又は予防する方法であって、治療的に有効な量の請求項1〜86のいずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項103〜109のいずれか1項に記載の医薬組成物を患者に投与することを含んでなる、上記方法。
【請求項125】
患者がヒトである、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
急性炎症、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症、喘息、アレルギー性及び他のタイプの鼻炎、皮膚血管炎及び全身性血管炎、血栓症及び播種性血管内凝固(DIC)の処置又は予防のための、請求項124又は125に記載の方法。
【請求項127】
敗血症の処置又は予防のための、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防のための、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
1つ又はそれより多い別の治療薬を患者に更に投与する、請求項124〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
別の治療薬が、抗生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、血管作用薬、受容体遮断剤、受容体作動薬及び防腐剤から成る群より選択される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
抗生剤が、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤から成る群より選択される、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
別の治療薬がステロイドである、請求項129に記載の方法。
【請求項133】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、ポリペプチド。
【請求項134】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、医薬組成物。
【請求項135】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、医療用インプラント若しくはデバイス、又は生体材料に使用するための、医療用インプラント若しくはデバイス、又は生体材料。
【請求項136】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、ポリペプチドの使用。
【請求項137】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、炎症を処置又は予防する方法。
【請求項1】
炎症及び/又は過度の凝固の処置又は予防における使用のための、血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質(ヘパリンコファクターII又はトロンビン以外のもの)に由来するアミノ酸配列、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体、又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成るポリペプチドであって、該断片、変異体、融合体若しくは誘導体は、抗炎症及び/又は抗凝固活性を示す、上記ポリペプチド。
【請求項2】
ポリペプチドが天然に存在するタンパク質ではない、請求項1に記載のポリペプチド。
【請求項3】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質がヒトタンパク質である、請求項1又は2に記載のポリペプチド。
【請求項4】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、セリンプロテイナーゼインヒビター(セルピン)、組織因子経路インヒビター(例えば、TFPI−1及びTFPI−2)及びヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)から成る群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項5】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質がセルピンである、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項6】
セルピンがアンチトロンビンIIIである、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項7】
アンチトロンビンIIIが、スイスプロットアクセション番号P01008(Swiss Port Accession NO. P01008)である、請求項6に記載のポリペプチド。
【請求項8】
配列番号1又は2のアミノ酸配列:
“FFF21”: FFFAKLNCRLYRKANKSSKLV[配列番号1]
“AKL22”: AKLNCRLYRKANKSSKLVSANR[配列番号2]、又は配列番号1又は2の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項6又は7に記載のポリペプチド。
【請求項9】
配列番号1又は2のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項8に記載のポリペプチド。
【請求項10】
セルピンがプロテインCインヒビター(PCI)である、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項11】
プロテインCインヒビターがスイスプロットアクセション番号P05154である、請求項5に記載のポリペプチド。
【請求項12】
配列番号3のアミノ酸配列:
“SEK20”: SEKTLRKWLKMFKKRQLELY[配列番号3]、
又は配列番号3の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項10又は11に記載のポリペプチド。
【請求項13】
配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項12に記載の
ポリペプチド。
【請求項14】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、組織因子経路インヒビター(TFPI)である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項15】
組織因子経路インヒビターがTFPI−1である、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項16】
TFPI−1がスイスプロットアクセッション番号P10646である、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項17】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列:
“GGL27”:GGLIKTKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM[配列番号4]
“LIK17”:LIKTKRKRKKQRVKIAY[配列番号5]
“TKR22”:TKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM[配列番号6]、
又は配列番号4〜6のいずれか1つの抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項15又は16に記載のポリペプチド。
【請求項18】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項17に記載のポリペプチド
【請求項19】
組織因子経路インヒビターがTFPI−2である、請求項14に記載のポリペプチド。
【請求項20】
TFPI−2がスイスプロットアクセッション番号P48307である、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項21】
配列番号7又は8のアミノ酸配列:
“ALK25”:ALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF[配列番号7]
“EDC34”:EDCKRACAKALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF[配列番号8]、
又は配列番号7又は8の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項19又は20に記載のポリペプチド。
【請求項22】
配列番号7又は8のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項19に記載のポリペプチド。
【請求項23】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、ヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項24】
HRGがスイスプロットアクセッション番号P04196である、請求項4に記載のポリペプチド。
【請求項25】
配列番号9のアミノ酸配列:
(X1X2X3X4X5)n [配列番号9]
[上式において、
X1及びX4は、独立して、G、P、L、I、F、T、V、Y又はWを表し;
X2、X3及びX5は、独立して、H、R又はKを表し;そして
‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号9の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23又は24に記載のポリペプチド。
【請求項26】
配列番号10のアミノ酸配列:
(GHHPH)n [配列番号10]
[上式において、‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号10の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23〜25のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項27】
配列番号11のアミノ酸配列:
“GHH25”:GHHPHGHHPHGHHPHGHHPHGHHPH [配列番号11]、
又は配列番号11の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23〜26のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項28】
配列番号:9、10又は11のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項23〜27のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項29】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、L−アミノ酸を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項1〜28のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項30】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、修飾されているか、又は誘導体化されている1つ又はそれより多いアミノ酸を含んでなる、請求項1〜29のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項31】
1つ又はそれより多いアミノ酸が、PEG化、アミド化、エステル化、アシル化、アセチル化及び/又はアルキル化によって、修飾されているか又は誘導体化されている、請求項30に記載のポリペプチド。
【請求項32】
ポリペプチドが、配列番号1〜11のアミノ酸配列のいずれか1つの断片を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項1〜31のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項33】
断片が、配列番号3の少なくとも5個の連続したアミノ酸、例えば少なくとも6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26又は27個の連続したアミノ酸を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項32に記載のポリペプチド。
【請求項34】
ポリペプチドが、配列番号1〜11のいずれか1つのアミノ酸配列のいずれか1つの変異体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項1〜33のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
変異体が、配列番号1〜11のいずれか1つのアミノ酸配列と、アミノ酸配列で少なくとも50%の同一性、例えば少なくとも55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%若しくは少なくとも99%の同一性を有する、請求項34に記載のポリペプチド。
【請求項36】
ポリペプチドが、10〜200個のアミノ酸の長さ、例えば10〜150個、15〜100個、15〜50個、15〜30個、17〜30個、又は17〜28個のアミノ酸の長さである、請求項1〜35のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項37】
ポリペプチドが少なくとも17個のアミノ酸の長さである、請求項36に記載のポリペプチド。
【請求項38】
ポリペプチドが線状である、請求項1〜37のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項39】
ポリペプチドが組み換えポリペプチドである、請求項1〜38のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項40】
ポリペプチドが、ヒト単球由来のマクロファージに起源する1つ又はそれより多い炎症誘発性サイトカインの放出を抑制することができる、請求項1〜39のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項41】
炎症誘発性サイトカインが、マクロファージ阻害因子、TNF−α、HMGB1、C5a、IL−17、IL−8、MCP−1、IFN−γ、Il−6、IL−1b、IL−12から成る群より選択される、請求項33に記載のポリペプチド。
【請求項42】
ポリペプチドが、血小板活性化を遮断することができる、請求項1〜41のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項43】
ポリペプチドが、白血球、上皮細胞(ケラチノサイトを含む)及び/又は間葉細胞(線維芽細胞を含む)におけるトル様受容体(TLR)シグナル伝達を妨害することができる、請求項1〜42のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項44】
ポリペプチドが、1つ又はそれより多い以下のモデル:
(a)刺激剤として、LPS、LTA、ザイモサン、フラジェリン、ダニ、ウイルス若しくは細菌のDNA若しくはRNA、又はペプチドグリカンを用いるインビトロマクロファージモデル;
(b)エンドトキシン・ショックのインビボマウスモデル;
及び/又は
(c)抗微生物療法と組み合わせるか、又は単独で与える、インビボ感染症モデル;
において抗炎症活性を示す、請求項1〜43のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項45】
ポリペプチドが抗凝固活性を示す、請求項1〜44のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項46】
炎症及び凝固の併用処置又は予防に使用するための請求項45に記載のポリペプチド。
【請求項47】
該ポリペプチドがトル様受容体(TLR)遮断活性を示す、請求項1〜46のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項48】
ポリペプチドが感染症に関連する炎症の処置又は予防に使用するための、請求項1〜47のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項49】
下記から選択される疾患、状態又は適応の処置又は予防に使用するための請求項1〜48のいずれか1項に記載のポリペプチド:
i)感染性要素の有無にかかわらず、急性全身性炎症疾患、例えば全身性炎症反応症候群(SIRS)、ARDS、敗血症、重症敗血症、及び敗血症性ショック;丹毒、髄膜炎、関節炎、トキシックショック症候群、憩室炎、中垂炎、膵炎、胆嚢炎、大腸炎、蜂巣炎、火傷感染症、肺炎、尿路感染症、術後感染症、及び腹膜炎を含む、他の全身性又は限局性で侵襲性の感染性及び炎症性疾患:
ii)下記を含む慢性炎症性及び/又は感染性疾患;嚢胞性線維症、COPD及び他の肺疾患、慢性皮膚及び胃潰瘍を含む胃腸疾患、アトピー性皮膚炎、口腔内潰瘍(アフタ性潰瘍)、陰部潰瘍及び炎症性変化、歯周炎、結膜炎及び角膜炎を含む眼の炎症、外耳炎、中耳炎、泌尿生殖器の炎症などの他の上皮炎症性及び/又は感染性疾患:
iii)術後炎症;血栓症、DIC、術後凝固異常、並びに体外循環及び生体材料の使用を含む異物との接触に関連する凝固異常を含む、炎症性疾患及び凝固異常;更に、血管炎関連炎症性疾患、並びにアレルギー性鼻炎及び喘息を含むアレルギー:
iv)過度の接触活性化及び/又は脳卒中(これらに限定されない)に関連する凝固:
v)抗微生物剤処置との併用での過度の炎症;使用される抗微生物剤は、種々のルートによって投与することができる;静脈内(iv)、動脈内、硝子体内、皮下(sc)、筋肉内(im)、腹腔内(ip)、膀胱内、髄こう内、硬膜外、経腸(経口、直腸、胃内、及び他の経腸ルートを含む)、又は局所的(皮膚、鼻への適用、例えば滴剤による眼又は耳内の適用、及び肺吸入を含む);薬剤の例には、ペニシリン系、セファロスポリン系、カルバセフェム系、セファマイシン系、カルバペネム系、モノバクタム系、アミノグリコシド系、グリコペプチド系、キノロン系、テトラサイクリン系、マクロライド系、及びフルオロキノロン系がある;防腐剤には、ヨウ素、銀、銅、クロルヘキシジン、ポリヘキサニド及び他のビグアニド類、キトサン、酢酸、及び過酸化水素が含まれる。
【請求項50】
急性炎症、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症、喘息、アレルギー性及び他のタイプの鼻炎、皮膚血管炎及び全身性血管炎、血栓症及び播種性血管内凝固(DIC)の処置又は予防に使用するための、請求項1〜49のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項51】
敗血症の処置又は予防に使用するための、請求項50に記載のポリペプチド。
【請求項52】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防に使用するための、請求項50に記載のポリペプチド。
【請求項53】
1つ又はそれより多い別の治療薬と組み合わせて使用するための、請求項1〜52のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項54】
別の治療薬が、抗生剤、抗真菌剤、防腐剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、血管作用薬、受容体遮断薬、受容体作動薬及び防腐剤から成る群より選択される、請求項53に記載のポリペプチド。
【請求項55】
抗生剤が、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤から成る群より選択される、請求項54に記載のポリペプチド。
【請求項56】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質に由来するアミノ酸配列、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体、又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成り、抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を示す、単離されたポリペプチドであって、
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質は、セルピン(ヘパリンコファクターII以外)、ヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)及び組織因子経路インヒビター(例えば、TFPI−1及びTFPI−2)から成る群より選択され、但し、該ポリペプチドは天然に存在するタンパク質ではないことを条件とする、上記単離されたポリペプチド。
【請求項57】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、ヒトタンパク質である、請求項56に記載のポリペプチド。
【請求項58】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、セリンプロテイナーゼインヒビター(セルピン)、組織因子経路インヒビター(例えば、TFPI−1及びTFPI−2)及びヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)から成る群より選択される、請求項56又は57に記載のポリペプチド。
【請求項59】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、セルピンである、請求項58に記載のポリペプチド。
【請求項60】
セルピンがアンチトロンビンIIIである、請求項59に記載のポリペプチド。
【請求項61】
アンチトロンビンIIIがスイスプロットアクセッション番号P01008である、請求項60に記載のポリペプチド。
【請求項62】
配列番号1又は2のアミノ酸配列:
“FFF21”:FFFAKLNCRLYRKANKSSKLV [配列番号1]
“AKL22”:AKLNCRLYRKANKSSKLVSANR [配列番号2]、又は配列番号1又は2の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項60又は61に記載のポリペプチド。
【請求項63】
配列番号1又は2のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項62に記載のポリペプチド。
【請求項64】
セルピンがプロテインCインヒビター(PCI)である、請求項59に記載のポリペプチド。
【請求項65】
プロテインCインヒビターが、スイスプロットアクセッション番号P05154である、請求項64に記載のポリペプチド。
【請求項66】
配列番号3のアミノ酸配列:
“SEK20”:SEKTLRKWLKMFKKRQLELY [配列番号3]、
又は配列番号3の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項64又は65に記載のポリペプチド。
【請求項67】
配列番号3のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項66に記載のポリペプチド。
【請求項68】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、組織因子経路インヒビター(TFPI)である、請求項58に記載のポリペプチド。
【請求項69】
組織因子経路インヒビターがTFPI−1である、請求項68に記載のポリペプチド。
【請求項70】
TFPI−1が、スイスプロットアクセッション番号P10646である、請求項69に記載のポリペプチド。
【請求項71】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列:
“GGL27” :GGLIKTKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM [配列番号4]
“LIK17”:LIKTKRKRKKQRVKIAY [配列番号5]
“TKR22”:TKRKRKKQRVKIAYEEIFVKNM [配列番号6]、又は配列番号4〜6のいずれか1つの抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項68又は69に記載のポリペプチド。
【請求項72】
配列番号4〜6のいずれか1つのアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項71に記載のポリペプチド。
【請求項73】
組織因子経路インヒビターがTFPI−2である、請求項68に記載のポリペプチド。
【請求項74】
TFPI−2が、スイスプロットアクセッション番号P48307である、請求項73に記載のポリペプチド。
【請求項75】
配列番号7又は8のアミノ酸配列:
“ALK25”:ALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF [配列番号7]
“EDC34” :EDCKRACAKALKKKKKMPKLRFASRIRKIRKKQF [配列番号8]、
又は配列番号7又は8の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項73又は74に記載のポリペプチド。
【請求項76】
配列番号7又は8のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項75に記載のポリペプチド。
【請求項77】
血液凝固をモジュレートする天然に存在するタンパク質が、ヒスチジンリッチグリコプロテイン(HRG)である、請求項58に記載のポリペプチド。
【請求項78】
HRGが、スイスプロットアクセッション番号P04196である、請求項77に記載のポリペプチド。
【請求項79】
配列番号9のアミノ酸配列:
(X1X2X3X4X5)n [配列番号9]
[上式において、
X1及びX4は、独立して、G、P、L、I、F、T、V、Y又はWを表し;
X2、X3及びX5は、独立して、H、R又はKを表し;そして
‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号9の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77又は78に記載のポリペプチド。
【請求項80】
配列番号10のアミノ酸配列:
(GHHPH)n [配列番号10]
[上式において、‘n’は、2〜6の整数である]、
又は配列番号10の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77〜79のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項81】
配列番号11のアミノ酸配列:
“GHH25”:GHHPHGHHPHGHHPHGHHPHGHHPH [配列番号11]、
又は配列番号11の抗炎症活性及び/又は抗凝固活性を保持している、その断片、変異体、融合体若しくは誘導体又は該断片の融合体、その変異体若しくは誘導体を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77〜80のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項82】
配列番号9、10又は11のアミノ酸配列を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項77〜81のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項83】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、L−アミノ酸を含んでなるか、又はこれらから成る、請求項56〜82のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項84】
ポリペプチド、又はその断片、変異体、融合体若しくは誘導体が、修飾されているか、又は誘導体化されている1つ又はそれより多いアミノ酸を含んでなる、請求項56〜83のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項85】
1つ又はそれより多いアミノ酸が、PEG化、アミド化、エステル化、アシル化、アセチル化及び/又はアルキル化によって、修飾されているか又は誘導体化されている、請求項84に記載のポリペプチド。
【請求項86】
ポリペプチドが、10〜200個のアミノ酸の長さ、例えば10〜150、15〜100、15〜50、15〜30、17〜30、又は17〜28個のアミノ酸の長さである、請求項56〜85のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項87】
ポリペプチドが、少なくとも17個のアミノ酸の長さである、請求項86に記載のポリペプチド。
【請求項88】
ポリペプチドが線状である、請求項56〜87のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項89】
ポリペプチドが、組み換えポリペプチドである、請求項56〜88のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項90】
ポリペプチドが、ヒト単球由来のマクロファージに起源する1つ又はそれより多い炎症誘発性サイトカインの放出を阻害することができる、請求項56〜89のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項91】
炎症誘発性サイトカインが、マクロファージ阻害因子、TNF−α、HMGB1、C5a、IL−17、IL−8、MCP−1、IFN−γ、Il−6、IL−1b、IL−12から成る群より選択される、請求項90に記載のポリペプチド。
【請求項92】
ポリペプチドが、血小板活性化を遮断することができる、請求項56〜91のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項93】
ポリペプチドが、白血球、上皮細胞(ケラチノサイトを含む)及び/又は間葉細胞(線維芽細胞を含む)におけるトル様受容体(TLR)シグナル伝達を妨害することができる、請求項56〜92のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項94】
ポリペプチドが、1つ又はそれより多い以下のモデル:
(a)刺激剤として、LPS、LTA、ザイモサン、フラジェリン、ダニ、ウイルス若しくは細菌のDNA若しくはRNA、又はペプチドグリカンを用いるインビトロマクロファージモデル;
(b)エンドトキシン・ショックのインビボマウスモデル;
及び/又は
(c)抗微生物療法と組み合わせるか、又は単独で与える、インビボ感染症モデル;
において抗炎症活性を示す、請求項56〜93のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項95】
ポリペプチドが抗凝固活性を示す、請求項56〜94のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項96】
ポリペプチドがトル様受容体(TLR)遮断活性を示す、請求項56〜95のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項97】
請求項56〜96のいずれか1項に記載のポリペプチドをコードする、単離された核酸分子。
【請求項98】
請求項97に記載の核酸分子を含んでなる、ベクター。
【請求項99】
ベクターが発現ベクターである、請求項98に記載のベクター。
【請求項100】
請求項97に記載の核酸分子、又は請求項98又は99に記載のベクターを含んでなる、宿主細胞。
【請求項101】
前記ポリペプチドが発現される条件下で、請求項100に記載の宿主細胞の集団を培養し、そしてそれからポリペプチドを単離することを含んでなる、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
【請求項102】
ポリペプチドの液相又は固相合成を含んでなる、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドの製造方法。
【請求項103】
請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドを、製薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、担体、バッファー又はアジュバントと一緒に含んでなる、医薬組成物。
【請求項104】
局所、眼内、経鼻、経肺、口腔、非経口(静脈内、皮下、髄こう内及び筋肉内)、経口、膣内及び直腸から成る群より選択される経路を介して投与するのに適している、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項105】
インプラントを介する投与に適している、請求項103に記載の医薬組成物。
【請求項106】
医薬組成物が、医療に使用されるデバイス又は材料に関連する、請求項103〜105のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項107】
デバイスが、バイパス手術、体外循環、創傷ケア及び/又は透析において使用されるデバイスである、請求項106に記載の医薬組成物。
【請求項108】
医薬組成物が、縫合糸、人工補綴物、インプラント、創傷被覆材、カテーテル、レンズ、皮膚移植片、代用皮膚、フィブリン接着剤又は包帯に、被覆されるか、塗られるか、噴霧されるか、又はその他の方法で適用される、請求項106又は107に記載の医薬組成物。
【請求項109】
デバイス又は材料が、ポリマー、金属、金属酸化物及び/又はセラミックを含んでなるか、又はこれらから成る、請求項106〜108のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項110】
医療に使用するための、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項111】
急性及び/又は慢性炎症の処置及び/又は予防に使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項112】
微生物感染症(例えば、細菌感染症)の処置及び/又は予防に使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項113】
血液凝固のモジュレーションに使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項114】
創傷の処置に使用するための、請求項110に記載のポリペプチド。
【請求項115】
下記から選択される疾患、状態又は適応の処置又は予防に使用するための請求項110又は114に記載のポリペプチド:
i)感染性要素の有無にかかわらず、急性全身性炎症疾患、例えば全身性炎症反応症候群(SIRS)、ARDS、敗血症、重症敗血症、及び敗血症性ショック;丹毒、髄膜炎、関節炎、トキシックショック症候群、憩室炎、中垂炎、膵炎、胆嚢炎、大腸炎、蜂巣炎、火傷感染症、肺炎、尿路感染症、術後感染症、及び腹膜炎を含む、他の全身性又は限局性で侵襲性の感染性及び炎症性疾患:
ii)下記を含む慢性炎症性及び/又は感染性疾患;嚢胞性線維症、COPD及び他の肺疾患、慢性皮膚及び胃潰瘍を含む胃腸疾患、アトピー性皮膚炎、口腔内潰瘍(アフタ性潰瘍)、陰部潰瘍及び炎症性変化、歯周炎、結膜炎及び角膜炎を含む眼の炎症、外耳炎、中耳炎、泌尿生殖器の炎症などの他の上皮炎症性及び/又は感染性疾患:
iii)術後炎症;血栓症、DIC、術後凝固異常、並びに体外循環、及び生体材料の使用を含む異物との接触に関連する凝固異常を含む、炎症性疾患及び凝固異常;更に、血管炎関連炎症性疾患、並びにアレルギー性鼻炎及び喘息を含むアレルギー:
iv)過度の接触活性化及び/又は脳卒中(これらに限定されない)に関連する凝固:
v)抗微生物剤処置との併用での過度の炎症;使用される抗微生物剤は、種々のルートによって投与することができる;静脈内(iv)、動脈内、硝子体内、皮下(sc)、筋肉内(im)、腹腔内(ip)、膀胱内、髄こう内、硬膜外、経腸(経口、直腸、胃内、及び他の経腸ルートを含む)、又は局所的(皮膚、鼻への適用、例えば滴剤による眼又は耳内の適用、及び肺吸入を含む);薬剤の例には、ペニシリン系、セファロスポリン系、カルバセフェム系、セファマイシン系、カルバペネム系、モノバクタム系、アミノグリコシド系、グリコペプチド系、キノロン系、テトラサイクリン系、マクロライド系、及びフルオロキノロン系がある;防腐剤には、ヨウ素、銀、銅、クロルヘキシジン、ポリヘキサニド及び他のビグアニド類、キトサン、酢酸、及び過酸化水素が含まれる。
【請求項116】
炎症及び/又は過度の凝固の処置又は予防のための薬剤の製造における、請求項56〜86のいずれか1項に記載のポリペプチドの使用。
【請求項117】
薬剤が、急性炎症、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症、喘息、アレルギー性及び他のタイプの鼻炎、皮膚血管炎及び全身性血管炎、血栓症及び播種性血管内凝固(DIC)の処置又は予防における使用のためである、請求項116に記載の使用。
【請求項118】
薬剤が敗血症の処置又は予防における使用のためである、請求項114に記載の使用。
【請求項119】
薬剤が慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防における使用のためである、請求項114に記載の使用。
【請求項120】
薬剤が1つ又はそれより多い別の治療薬と組み合わせて使用するためである、請求項116〜119のいずれか1項に記載の使用。
【請求項121】
別の治療薬が、抗生剤、抗真菌剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、血管作用薬及び防腐剤から成る群より選択される、請求項120に記載の使用。
【請求項122】
抗生剤が、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤から成る群より選択される、請求項121に記載の使用。
【請求項123】
別の治療薬がステロイドである、請求項121に記載の使用。
【請求項124】
患者の炎症を処置又は予防する方法であって、治療的に有効な量の請求項1〜86のいずれか1項に記載のポリペプチド、又は請求項103〜109のいずれか1項に記載の医薬組成物を患者に投与することを含んでなる、上記方法。
【請求項125】
患者がヒトである、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
急性炎症、敗血症、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症、喘息、アレルギー性及び他のタイプの鼻炎、皮膚血管炎及び全身性血管炎、血栓症及び播種性血管内凝固(DIC)の処置又は予防のための、請求項124又は125に記載の方法。
【請求項127】
敗血症の処置又は予防のための、請求項126に記載の方法。
【請求項128】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の処置又は予防のための、請求項126に記載の方法。
【請求項129】
1つ又はそれより多い別の治療薬を患者に更に投与する、請求項124〜128のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
別の治療薬が、抗生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、血管作用薬、受容体遮断剤、受容体作動薬及び防腐剤から成る群より選択される、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
抗生剤が、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤から成る群より選択される、請求項130に記載の方法。
【請求項132】
別の治療薬がステロイドである、請求項129に記載の方法。
【請求項133】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、ポリペプチド。
【請求項134】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、医薬組成物。
【請求項135】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、医療用インプラント若しくはデバイス、又は生体材料に使用するための、医療用インプラント若しくはデバイス、又は生体材料。
【請求項136】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、ポリペプチドの使用。
【請求項137】
明細書及び図面を参照して実質的にここに記載されている、炎症を処置又は予防する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
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【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【公表番号】特表2013−505286(P2013−505286A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−530326(P2012−530326)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001781
【国際公開番号】WO2011/036445
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512072094)エクセルミューネ・アクチエボラーグ (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【国際出願番号】PCT/GB2010/001781
【国際公開番号】WO2011/036445
【国際公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(512072094)エクセルミューネ・アクチエボラーグ (2)
【Fターム(参考)】
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