ポンプ制御装置
【課題】ポンプの起動・停止回数を減少させ、ポンプへの負荷を低減でき、かつ、ポンプの寿命を延ばすことができるポンプ制御装置を提供する。
【解決手段】ポンプ制御装置は、ポンプ5の能力を設定するポンプ能力設定装置10と、ポンプ吐出量と流量差との比率を演算する流量差比率演算装置13と、算出した比率によりポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置14と、ポンプ最大・最小能力設定装置14の値と流量差比率演算装置13の値からポンプの起動モードを決定するポンプ起動モード判定装置15とを備える。
【解決手段】ポンプ制御装置は、ポンプ5の能力を設定するポンプ能力設定装置10と、ポンプ吐出量と流量差との比率を演算する流量差比率演算装置13と、算出した比率によりポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置14と、ポンプ最大・最小能力設定装置14の値と流量差比率演算装置13の値からポンプの起動モードを決定するポンプ起動モード判定装置15とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水、雨水などのポンプ場のポンプ運転を、精度良く行うことが出来るポンプ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のポンプ制御装置として、ポンプ井水位を検出し、ポンプの運転を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
図3はこのような従来のポンプ制御装置を示す構成図である。図において、1は雨量計、2は管渠水位計、3はポンプ場へ流入する流量を計測する流量計、4はポンプ場の水位を計測するポンプ井水位計、5はポンプ井に貯留した雨水・汚水を水位に応じて運転し吐出するポンプである。6は計測器で計測された各種データを蓄積する計測値蓄積装置、7は現在ポンプ場で運転しているポンプの台数を判定するポンプ起動台数判定装置である。
17はポンプ5の起動停止を行う基準となる水位の値を設定するポンプ井水位設定装置、19は計測値蓄積装置6に蓄積しているポンプ井水位とポンプ井水位設定装置17で設定した値を比較し、何台目のポンプの起動、停止位置に水位があるかを比較するポンプ井水位比較装置、11は一台のポンプに負荷を集中させないためにポンプの起動順序の変更を設定するポンプ起動順序設定装置である。
18は、ポンプ井水位比較装置17で比較した結果から起動・停止させるポンプを判定するポンプ起動停止判定装置、16はポンプ起動停止判定装置18で判定した結果からポンプの起動・停止を行うポンプ起動停止装置である。
次に動作について説明する。
(1) ポンプ井水位比較装置19により、計測値蓄積装置6に蓄積しているポンプ井水位と、ポンプ井水位設定装置17で設定した値を比較し、ポンプ起動台数判定装置7により何台目のポンプが起動、停止位置に水位があるかを判定する。
(2) 起動、停止の水位を特定すると、ポンプ起動停止判定装置18により、起動・停止させるポンプを判定する。
(3) ポンプの判定結果を、ポンプの起動・停止を行うポンプ起動停止装置16に送り、停止させる。
このように、従来のポンプ制御装置は、ポンプ井水位を検出して、ポンプの起動停止を行うものである。
【特許文献1】特開平7−145784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来のポンプ制御装置は、ポンプ井水位からポンプの起動・停止を行っているため、水位が起動停止水位前後では起動停止回数が増加しポンプへの負荷を与えるという問題があった。また、ポンプ場への流入量が急激に増加するような場合は、水位運転ではポンプの起動が遅れることがあるので、浸水の危険があるというような問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、流入量予測の結果とポンプの最小・最大起動停止からさ最適ポンプ運転モードを決定することにより、ポンプの起動・停止回数を減少させ、ポンプへの負荷を低減でき、かつ、ポンプの寿命を延ばすことができるポンプ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記ポンプが最大・最小時に起動する前記ポンプ井の水位を設定するポンプ井水位設定装置(17)と、前記計測値蓄積装置に蓄積しているポンプ井水位と前記ポンプ井水位設定装置で設定した値を比較し、何台目のポンプの起動、停止位置に水位があるかを比較するポンプ井水位比較装置(19)と、前記ポンプ井の水位からポンプの起動停止の判定を行うポンプ起動停止判定装置(18)と、前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、前記ポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)を設け、前記ポンプ起動停止判定装置(18)は、前記ポンプ最大・最小能力設定装置(14)により設定したポンプ井水位からポンプの最大・最小起動を判定するものである。
請求項2に記載の発明は、雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記雨量、水位、流量のデータによりポンプ場へ流入する下水の流入量を予測する流入量予測装置(8)と、前記ポンプのポンプ吐出量と前記予測流入量との差を演算する流量差演算装置(9)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記流量差と前記ポンプ能力とを比較し前記流量差に最も適合した号機を判定する最適号機判定装置(12)と、前記最適号機判定装置の演算結果により前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、
前記ポンプの能力を設定するポンプ能力設定装置(10)と、前記ポンプ吐出量と前記流量差との比率を演算する流量差比率演算装置(13)と、前記算出した比率によりポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)と、前記ポンプ最大・最小能力設定装置の値と流量差比率演算装置の値からポンプの起動モードを決定するポンプ起動モード判定装置(15)とを備えたものである。
請求項3に記載の発明は、前記最適号機判定装置は、能力が等しいポンプが複数存在する場合に起動順位から起動・停止を判定する同一ポンプ能力判定装置(121)と、能力が異なるポンプが複数存在する場合にポンプの能力から判定する能力別ポンプ判定装置(122)とを備えたものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、起動停止のポンプ井水位にポンプの最大・最小停止水位を設定することによって、詳細な運転が可能なるため、ポンプの起動停止を低減させることが可能になる。したがって、先行待機型ポンプなどの機械装置更新の必要がなく、流入流量に適した運転を行うことが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、流入量予測結果をポンプの起動停止に利用することにより、先行的にポンプの起動停止を行うことが可能になるため起動・停止回数が低減される。ポンプ場への流入量予測結果とポンプの能力からポンプの起動指令を与えることができるため、ポンプの起動・停止回数を低減する起動タイミングを設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ポンプの能力によって判定モード変更するので、最適なポンプの判定が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明の実施例1を示すポンプ制御装置の構成図である。図において、14はポンプ最大・最小能力設定装置である。その他の符号は、従来例と同じである。
本実施例は、従来のポンプ制御装置にポンプ最大・最小能力設定装置14を設けたものである。ポンプ最大・最小能力設定装置14は、ポンプ5が吐出可能な最小能力と最大能力を設定する。
次に動作について説明する。
(1) 従来例と同じように、ポンプ井水位比較装置19により、計測値蓄積装置6に蓄積しているポンプ井水位と、ポンプ井水位設定装置17で設定した値を比較し、ポンプ起動台数判定装置7により何台目のポンプが起動、停止位置に水位があるかを判定する。
(2) 起動、停止の水位を判定すると、ポンプ起動停止判定装置18により、起動・停止させるポンプを判定する。
(3) このとき、ポンプ最大・最小能力設定装置14により、設定されたポンプ5の最小能力と最大能力の設定値を考慮し、最小能力モードで運転するか、最大能力モードで運転するかを判定する。2台(小型と大型)のポンプを例にして説明する。ポンプの起動停止を、小型ポンプ標準、大型ポンプ最小、大型ポンプ最大の3つに分類する。そして、ポンプ起動水位は、小型起動水位を4m、大型最小能力起動水位を5m、大型最大能力起動水位を6mに設定する。また、ポンプ停止水位は、小型起動水位を1m、大型最小能力起動水位を2m、大型最大能力起動水位を3mに設定する。これにより、起動・停止回数が低減され、流入流量に適した運転を行うことが可能になる。
(3) ポンプの判定結果を、ポンプの起動・停止を行うポンプ起動停止装置16に送り、停止させる。
なお、本実施例では、2台の能力の異なるポンプを例について説明したが、例えば、小型、中型、大型の3台の能力の異なるポンプの場合においても、同じようにポンプ最大・最小能力設定装置14により、中型ポンプを大型ポンプ最小、大型ポンプ最大に分けて設定することにより、起動・停止回数が低減され、流入流量に適した運転を行うことができる。
【実施例2】
【0008】
図2は、本発明の実施例2を示すポンプ制御装置の構成図である。図において、8はポンプ場へ流入する量を予測モデルを用いて予測する流入量予測装置、9は流入量の予測値とポンプ吐出量との差を演算する流量差演算装置、10は汚水、雨水のポンプの能力(定格流量)を設定するポンプ能力設定装置、12は流量差に最も適合したポンプを判定する最適号機判定装置、13は流量比率算装置、14はポンプ5が吐出可能な最小能力と最大能力を設定するポンプ最大・最小能力設定装置、15はポンプの起動モードを判定する装置ポンプ起動モード判定装置である。その他の符号は、従来例と同じである。
次に動作について説明する。
(1) 流入量予測値装置8により、従来から用いられている自己回帰モデルを適用してポンプ場へ流入する流入量を予測する。
いま、時刻nにおけるプロセスの状態をk次元の全変数ベクトルX(n)、時刻nよりm時点前の全変数ベクトルをX(n-m)、白色ノイズベクトルをU(n)、自己回帰モデルの回帰係数をA(m)、自己回帰モデルの最適次数をMで表すと、その自己回帰表現は、
【0009】
【数1】
【0010】
で表される。
従って自己回帰モデルの作成とは、自己回帰係数、白色ノイズベクトルの分散および自己回帰モデルの最適次数の決定に帰結される。
自己回帰係数A(m)は、要素をAij(m)とし、次の連立方程式をi=1,2,3,・・・・,kについて解くことにより求められる。
但し、Xi、Xjの相互分散をRij(l)、自己回帰係数の要素をAij(m)とすると
【0011】
【数2】
【0012】
という連立一次方程式をi=1,2,...,kについて解けばAij(m)が求められる。
白色ノイズベクトルU(n)の要素をεi(n)とすると、その残差分散値σi2は次のようになる。
【0013】
【数3】
【0014】
なお、モデルの最適次数Mは予測誤差を表す(5)式のMFPE(M)を最小にする値である。
【0015】
【数4】
【0016】
但し、Nはデータ数、‖dM‖はU(n)の分散共分散行列推定値である。またMFPEはMultiple Final Prediction Errorの頭文字である。
このようにして自己回帰係数、白色ノイズの分散および最適モデル次数が求められ、自己回帰モデルが作成される。従って、流入量の予測を行うために必要な、流入量と水位と降雨量との関係式を自己回帰モデルから求めることができる。自己回帰モデルの更新は、直近のデータを使用することを目的に1日1回行う。そして、自己回帰モデルで作成したモデルに入力するためのデータ列を作成する。作成した自己回帰モデルと予測値用データで作成したデータ列から統計的に類推可能な流入量の数十分先の予測値を演算する。自己回帰モデルを用いた時の数十分先の予測は次のように表される。
【0017】
【数5】
【0018】
但し、
X(n)p:時刻iにおける予測値ベクトル
X(n) :時刻iにおける計測値ベクトル
A(m) :計測値に対する自己回帰係数
m:モデル次数
しかし、1点先以上の予測が必要なため、1点先以上の予測には、流入量は予測値を使用し、システム変数である水位、降雨量は前回の降雨量を使用する。また、数時間先まで予測した降雨量データがあれば、流入量の予測にそれを利用し、数時間先の流入量も予測することができる。このようにして得られた流入量の予測値X(0)p、X(1)p・・・を流量差演算装置9に出力する。
【0019】
(2) 流量差演算装置9により、流入量予測値装置8で演算された予測値とポンプ場で起動している全てのポンプ吐出量の差(予測値−ポンプ吐出量)を演算する。
(3) 最適号機判定装置12により、流量差演算装置9で演算した流量差と各ポンプの能力(定格流量)を比較し、最適号機を判定する。
最適号機判定装置12は、同一ポンプ判定装置121と能力別ポンプ判定装置122からなりポンプ場のポンプの種類によっていずれかを選定するものである。
同一ポンプ判定装置121は、ポンプ場に設置しているポンプの能力が等しい場合にポンプの起動・停止を決定するもので、各ポンプは起動順位が設定されている。前記流量差演算装置9で演算した流量差がマイナスの時は、ポンプ能力が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が低下することになる。そこで、起動しているポンプから起動順位の遅いポンプを選定する。流量差がプラスの時は、流入量が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が上昇することになる。そこで、停止しているポンプから起動順位の早いポンプを選定する。能力別ポンプ判定装置122は、ポンプ場に設置しているポンプの能力が異なる場合にポンプの能力から最適号機を決定するもので、運転順位は設定されていない。前記流量差演算装置9で演算した流量差がマイナスの時は、ポンプ能力が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が低下することになる。そこで、起動している各ポンプの能力と流量差を比較し、流量差に最も値の近いポンプを選定する。流量差がプラスの時は、流入量が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が上昇することになる。そこで、停止しているポンプの能力と流量差を比較し、流量差に最も値の近いポンプを選定する。このようにポンプを選定することにより、現在の流入量に一致した能力のポンプを起動停止することができる。
(4) 流量比率演算装置13により、流量差演算装置9から出力された流量差の値と、最適号機判定装置12で選定されたポンプ能力の比率を演算する。
(5) ポンプ起動モード判定装置15により、ポンプの起動モードを判定する。
判定する水位をa(大)、b(小)を2パターンで設定する。流量差演算装置9で演算した流量差がプラスの時は、流量比率演算装置12に出力された比率がa以上ではポンプ最大・最小能力設定装置14で設定された最大能力モードで運転する。比率がa〜b内ではポンプ最大・最小能力設定装置13で設定された最小能力モードで運転する。比率がb以下では、流量差がないため、水位の変動もないことからポンプ台数の変更は実施しない。流量差演算装置9で演算した流量差がマイナスの時は、流量比率演算装置12出力された比率がa以上ではポンプ最大・最小能力設定装置14で設定されたポンプを停止する。比率がa-b内では、最大モードで運転していれば、ポンプ最大・最小能力設定装置14で設定された最小能力モードにし、また、最小モードで運転していれば、ポンプ最大・最小能力設定装置14で設定されたポンプ停止とする。比率がb以下では、流量差がないため、水位の変動もないことからポンプ台数やモードの変更は実施しない。
(6) ポンプ起動停止装置16により、ポンプの起動・停止を行う。
ポンプ起動モード判定装置15の結果によりポンプの制御を行なう。
なお、本実施例では、2台の能力の異なるポンプを例について説明したが、3台の能力の異なるポンプの場合においても同じようにポンプ最大・最小能力設定装置14の設定を行なうことにより、起動・停止回数が低減され、流入流量に適した運転を行うことができる。
【0020】
このように、流入量予測装置と最適号機判定装置とポンプ起動モード判定装置からポンプの起動判定を行うような構成をしているので、最適なポンプを選定し、ポンプの起動停止回数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1を示すポンプ制御装置の構成図
【図2】本発明の実施例2を示すポンプ制御装置の構成図
【図3】従来のポンプ制御装置を示す構成図
【符号の説明】
【0022】
1 雨量計
2 管渠水位計
3 流量計
4 ポンプ井水位
5 ポンプ
6 計測値蓄積装置
7 ポンプ起動台数判定装置
8 流入量予測装置
9 流量差演算装置
10 ポンプ能力設定装置
11 ポンプ起動順序設定装置
12 最適号機判定装置
121 同一ポンプ判定装置
122 能力別ポンプ判定装置
13 流量比率算装置
14 ポンプ最大・最小能力設定装置
15 ポンプ起動モード判定装置
16 ポンプ起動停止装置
17 ポンプ井水位設定装置
18 ポンプ起動停止判定装置
19 ポンプ井水位比較装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚水、雨水などのポンプ場のポンプ運転を、精度良く行うことが出来るポンプ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のポンプ制御装置として、ポンプ井水位を検出し、ポンプの運転を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
図3はこのような従来のポンプ制御装置を示す構成図である。図において、1は雨量計、2は管渠水位計、3はポンプ場へ流入する流量を計測する流量計、4はポンプ場の水位を計測するポンプ井水位計、5はポンプ井に貯留した雨水・汚水を水位に応じて運転し吐出するポンプである。6は計測器で計測された各種データを蓄積する計測値蓄積装置、7は現在ポンプ場で運転しているポンプの台数を判定するポンプ起動台数判定装置である。
17はポンプ5の起動停止を行う基準となる水位の値を設定するポンプ井水位設定装置、19は計測値蓄積装置6に蓄積しているポンプ井水位とポンプ井水位設定装置17で設定した値を比較し、何台目のポンプの起動、停止位置に水位があるかを比較するポンプ井水位比較装置、11は一台のポンプに負荷を集中させないためにポンプの起動順序の変更を設定するポンプ起動順序設定装置である。
18は、ポンプ井水位比較装置17で比較した結果から起動・停止させるポンプを判定するポンプ起動停止判定装置、16はポンプ起動停止判定装置18で判定した結果からポンプの起動・停止を行うポンプ起動停止装置である。
次に動作について説明する。
(1) ポンプ井水位比較装置19により、計測値蓄積装置6に蓄積しているポンプ井水位と、ポンプ井水位設定装置17で設定した値を比較し、ポンプ起動台数判定装置7により何台目のポンプが起動、停止位置に水位があるかを判定する。
(2) 起動、停止の水位を特定すると、ポンプ起動停止判定装置18により、起動・停止させるポンプを判定する。
(3) ポンプの判定結果を、ポンプの起動・停止を行うポンプ起動停止装置16に送り、停止させる。
このように、従来のポンプ制御装置は、ポンプ井水位を検出して、ポンプの起動停止を行うものである。
【特許文献1】特開平7−145784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、従来のポンプ制御装置は、ポンプ井水位からポンプの起動・停止を行っているため、水位が起動停止水位前後では起動停止回数が増加しポンプへの負荷を与えるという問題があった。また、ポンプ場への流入量が急激に増加するような場合は、水位運転ではポンプの起動が遅れることがあるので、浸水の危険があるというような問題もあった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、流入量予測の結果とポンプの最小・最大起動停止からさ最適ポンプ運転モードを決定することにより、ポンプの起動・停止回数を減少させ、ポンプへの負荷を低減でき、かつ、ポンプの寿命を延ばすことができるポンプ制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1に記載の発明は、雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記ポンプが最大・最小時に起動する前記ポンプ井の水位を設定するポンプ井水位設定装置(17)と、前記計測値蓄積装置に蓄積しているポンプ井水位と前記ポンプ井水位設定装置で設定した値を比較し、何台目のポンプの起動、停止位置に水位があるかを比較するポンプ井水位比較装置(19)と、前記ポンプ井の水位からポンプの起動停止の判定を行うポンプ起動停止判定装置(18)と、前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、前記ポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)を設け、前記ポンプ起動停止判定装置(18)は、前記ポンプ最大・最小能力設定装置(14)により設定したポンプ井水位からポンプの最大・最小起動を判定するものである。
請求項2に記載の発明は、雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記雨量、水位、流量のデータによりポンプ場へ流入する下水の流入量を予測する流入量予測装置(8)と、前記ポンプのポンプ吐出量と前記予測流入量との差を演算する流量差演算装置(9)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記流量差と前記ポンプ能力とを比較し前記流量差に最も適合した号機を判定する最適号機判定装置(12)と、前記最適号機判定装置の演算結果により前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、
前記ポンプの能力を設定するポンプ能力設定装置(10)と、前記ポンプ吐出量と前記流量差との比率を演算する流量差比率演算装置(13)と、前記算出した比率によりポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)と、前記ポンプ最大・最小能力設定装置の値と流量差比率演算装置の値からポンプの起動モードを決定するポンプ起動モード判定装置(15)とを備えたものである。
請求項3に記載の発明は、前記最適号機判定装置は、能力が等しいポンプが複数存在する場合に起動順位から起動・停止を判定する同一ポンプ能力判定装置(121)と、能力が異なるポンプが複数存在する場合にポンプの能力から判定する能力別ポンプ判定装置(122)とを備えたものである。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、起動停止のポンプ井水位にポンプの最大・最小停止水位を設定することによって、詳細な運転が可能なるため、ポンプの起動停止を低減させることが可能になる。したがって、先行待機型ポンプなどの機械装置更新の必要がなく、流入流量に適した運転を行うことが可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、流入量予測結果をポンプの起動停止に利用することにより、先行的にポンプの起動停止を行うことが可能になるため起動・停止回数が低減される。ポンプ場への流入量予測結果とポンプの能力からポンプの起動指令を与えることができるため、ポンプの起動・停止回数を低減する起動タイミングを設定することができる。
請求項3に記載の発明によれば、ポンプの能力によって判定モード変更するので、最適なポンプの判定が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【実施例1】
【0007】
図1は、本発明の実施例1を示すポンプ制御装置の構成図である。図において、14はポンプ最大・最小能力設定装置である。その他の符号は、従来例と同じである。
本実施例は、従来のポンプ制御装置にポンプ最大・最小能力設定装置14を設けたものである。ポンプ最大・最小能力設定装置14は、ポンプ5が吐出可能な最小能力と最大能力を設定する。
次に動作について説明する。
(1) 従来例と同じように、ポンプ井水位比較装置19により、計測値蓄積装置6に蓄積しているポンプ井水位と、ポンプ井水位設定装置17で設定した値を比較し、ポンプ起動台数判定装置7により何台目のポンプが起動、停止位置に水位があるかを判定する。
(2) 起動、停止の水位を判定すると、ポンプ起動停止判定装置18により、起動・停止させるポンプを判定する。
(3) このとき、ポンプ最大・最小能力設定装置14により、設定されたポンプ5の最小能力と最大能力の設定値を考慮し、最小能力モードで運転するか、最大能力モードで運転するかを判定する。2台(小型と大型)のポンプを例にして説明する。ポンプの起動停止を、小型ポンプ標準、大型ポンプ最小、大型ポンプ最大の3つに分類する。そして、ポンプ起動水位は、小型起動水位を4m、大型最小能力起動水位を5m、大型最大能力起動水位を6mに設定する。また、ポンプ停止水位は、小型起動水位を1m、大型最小能力起動水位を2m、大型最大能力起動水位を3mに設定する。これにより、起動・停止回数が低減され、流入流量に適した運転を行うことが可能になる。
(3) ポンプの判定結果を、ポンプの起動・停止を行うポンプ起動停止装置16に送り、停止させる。
なお、本実施例では、2台の能力の異なるポンプを例について説明したが、例えば、小型、中型、大型の3台の能力の異なるポンプの場合においても、同じようにポンプ最大・最小能力設定装置14により、中型ポンプを大型ポンプ最小、大型ポンプ最大に分けて設定することにより、起動・停止回数が低減され、流入流量に適した運転を行うことができる。
【実施例2】
【0008】
図2は、本発明の実施例2を示すポンプ制御装置の構成図である。図において、8はポンプ場へ流入する量を予測モデルを用いて予測する流入量予測装置、9は流入量の予測値とポンプ吐出量との差を演算する流量差演算装置、10は汚水、雨水のポンプの能力(定格流量)を設定するポンプ能力設定装置、12は流量差に最も適合したポンプを判定する最適号機判定装置、13は流量比率算装置、14はポンプ5が吐出可能な最小能力と最大能力を設定するポンプ最大・最小能力設定装置、15はポンプの起動モードを判定する装置ポンプ起動モード判定装置である。その他の符号は、従来例と同じである。
次に動作について説明する。
(1) 流入量予測値装置8により、従来から用いられている自己回帰モデルを適用してポンプ場へ流入する流入量を予測する。
いま、時刻nにおけるプロセスの状態をk次元の全変数ベクトルX(n)、時刻nよりm時点前の全変数ベクトルをX(n-m)、白色ノイズベクトルをU(n)、自己回帰モデルの回帰係数をA(m)、自己回帰モデルの最適次数をMで表すと、その自己回帰表現は、
【0009】
【数1】
【0010】
で表される。
従って自己回帰モデルの作成とは、自己回帰係数、白色ノイズベクトルの分散および自己回帰モデルの最適次数の決定に帰結される。
自己回帰係数A(m)は、要素をAij(m)とし、次の連立方程式をi=1,2,3,・・・・,kについて解くことにより求められる。
但し、Xi、Xjの相互分散をRij(l)、自己回帰係数の要素をAij(m)とすると
【0011】
【数2】
【0012】
という連立一次方程式をi=1,2,...,kについて解けばAij(m)が求められる。
白色ノイズベクトルU(n)の要素をεi(n)とすると、その残差分散値σi2は次のようになる。
【0013】
【数3】
【0014】
なお、モデルの最適次数Mは予測誤差を表す(5)式のMFPE(M)を最小にする値である。
【0015】
【数4】
【0016】
但し、Nはデータ数、‖dM‖はU(n)の分散共分散行列推定値である。またMFPEはMultiple Final Prediction Errorの頭文字である。
このようにして自己回帰係数、白色ノイズの分散および最適モデル次数が求められ、自己回帰モデルが作成される。従って、流入量の予測を行うために必要な、流入量と水位と降雨量との関係式を自己回帰モデルから求めることができる。自己回帰モデルの更新は、直近のデータを使用することを目的に1日1回行う。そして、自己回帰モデルで作成したモデルに入力するためのデータ列を作成する。作成した自己回帰モデルと予測値用データで作成したデータ列から統計的に類推可能な流入量の数十分先の予測値を演算する。自己回帰モデルを用いた時の数十分先の予測は次のように表される。
【0017】
【数5】
【0018】
但し、
X(n)p:時刻iにおける予測値ベクトル
X(n) :時刻iにおける計測値ベクトル
A(m) :計測値に対する自己回帰係数
m:モデル次数
しかし、1点先以上の予測が必要なため、1点先以上の予測には、流入量は予測値を使用し、システム変数である水位、降雨量は前回の降雨量を使用する。また、数時間先まで予測した降雨量データがあれば、流入量の予測にそれを利用し、数時間先の流入量も予測することができる。このようにして得られた流入量の予測値X(0)p、X(1)p・・・を流量差演算装置9に出力する。
【0019】
(2) 流量差演算装置9により、流入量予測値装置8で演算された予測値とポンプ場で起動している全てのポンプ吐出量の差(予測値−ポンプ吐出量)を演算する。
(3) 最適号機判定装置12により、流量差演算装置9で演算した流量差と各ポンプの能力(定格流量)を比較し、最適号機を判定する。
最適号機判定装置12は、同一ポンプ判定装置121と能力別ポンプ判定装置122からなりポンプ場のポンプの種類によっていずれかを選定するものである。
同一ポンプ判定装置121は、ポンプ場に設置しているポンプの能力が等しい場合にポンプの起動・停止を決定するもので、各ポンプは起動順位が設定されている。前記流量差演算装置9で演算した流量差がマイナスの時は、ポンプ能力が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が低下することになる。そこで、起動しているポンプから起動順位の遅いポンプを選定する。流量差がプラスの時は、流入量が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が上昇することになる。そこで、停止しているポンプから起動順位の早いポンプを選定する。能力別ポンプ判定装置122は、ポンプ場に設置しているポンプの能力が異なる場合にポンプの能力から最適号機を決定するもので、運転順位は設定されていない。前記流量差演算装置9で演算した流量差がマイナスの時は、ポンプ能力が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が低下することになる。そこで、起動している各ポンプの能力と流量差を比較し、流量差に最も値の近いポンプを選定する。流量差がプラスの時は、流入量が上回っているため、現在の運転を継続すると水位が上昇することになる。そこで、停止しているポンプの能力と流量差を比較し、流量差に最も値の近いポンプを選定する。このようにポンプを選定することにより、現在の流入量に一致した能力のポンプを起動停止することができる。
(4) 流量比率演算装置13により、流量差演算装置9から出力された流量差の値と、最適号機判定装置12で選定されたポンプ能力の比率を演算する。
(5) ポンプ起動モード判定装置15により、ポンプの起動モードを判定する。
判定する水位をa(大)、b(小)を2パターンで設定する。流量差演算装置9で演算した流量差がプラスの時は、流量比率演算装置12に出力された比率がa以上ではポンプ最大・最小能力設定装置14で設定された最大能力モードで運転する。比率がa〜b内ではポンプ最大・最小能力設定装置13で設定された最小能力モードで運転する。比率がb以下では、流量差がないため、水位の変動もないことからポンプ台数の変更は実施しない。流量差演算装置9で演算した流量差がマイナスの時は、流量比率演算装置12出力された比率がa以上ではポンプ最大・最小能力設定装置14で設定されたポンプを停止する。比率がa-b内では、最大モードで運転していれば、ポンプ最大・最小能力設定装置14で設定された最小能力モードにし、また、最小モードで運転していれば、ポンプ最大・最小能力設定装置14で設定されたポンプ停止とする。比率がb以下では、流量差がないため、水位の変動もないことからポンプ台数やモードの変更は実施しない。
(6) ポンプ起動停止装置16により、ポンプの起動・停止を行う。
ポンプ起動モード判定装置15の結果によりポンプの制御を行なう。
なお、本実施例では、2台の能力の異なるポンプを例について説明したが、3台の能力の異なるポンプの場合においても同じようにポンプ最大・最小能力設定装置14の設定を行なうことにより、起動・停止回数が低減され、流入流量に適した運転を行うことができる。
【0020】
このように、流入量予測装置と最適号機判定装置とポンプ起動モード判定装置からポンプの起動判定を行うような構成をしているので、最適なポンプを選定し、ポンプの起動停止回数を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例1を示すポンプ制御装置の構成図
【図2】本発明の実施例2を示すポンプ制御装置の構成図
【図3】従来のポンプ制御装置を示す構成図
【符号の説明】
【0022】
1 雨量計
2 管渠水位計
3 流量計
4 ポンプ井水位
5 ポンプ
6 計測値蓄積装置
7 ポンプ起動台数判定装置
8 流入量予測装置
9 流量差演算装置
10 ポンプ能力設定装置
11 ポンプ起動順序設定装置
12 最適号機判定装置
121 同一ポンプ判定装置
122 能力別ポンプ判定装置
13 流量比率算装置
14 ポンプ最大・最小能力設定装置
15 ポンプ起動モード判定装置
16 ポンプ起動停止装置
17 ポンプ井水位設定装置
18 ポンプ起動停止判定装置
19 ポンプ井水位比較装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記ポンプが最大・最小時に起動する前記ポンプ井の水位を設定するポンプ井水位設定装置(17)と、前記計測値蓄積装置に蓄積しているポンプ井水位と前記ポンプ井水位設定装置で設定した値を比較し、何台目のポンプの起動、停止位置に水位があるかを比較するポンプ井水位比較装置(19)と、前記ポンプ井の水位からポンプの起動停止の判定を行うポンプ起動停止判定装置(18)と、前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、
前記ポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)を設け、前記ポンプ起動停止判定装置(18)は、前記ポンプ最大・最小能力設定装置(14)により設定したポンプ井水位からポンプの最大・最小起動を判定するものであることを特徴とするポンプ制御装置。
【請求項2】
雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記雨量、水位、流量のデータによりポンプ場へ流入する下水の流入量を予測する流入量予測装置(8)と、前記ポンプのポンプ吐出量と前記予測流入量との差を演算する流量差演算装置(9)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記流量差と前記ポンプ能力とを比較し前記流量差に最も適合した号機を判定する最適号機判定装置(12)と、前記最適号機判定装置の演算結果により前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、
前記ポンプの能力を設定するポンプ能力設定装置(10)と、前記ポンプ吐出量と前記流量差との比率を演算する流量差比率演算装置(13)と、前記算出した比率によりポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)と、前記ポンプ最大・最小能力設定装置の値と流量差比率演算装置の値からポンプの起動モードを決定するポンプ起動モード判定装置(15)とを備えたことを特徴とするポンプ制御装置。
【請求項3】
前記最適号機判定装置は、能力が等しいポンプが複数存在する場合に起動順位から起動・停止を判定する同一ポンプ能力判定装置(121)と、能力が異なるポンプが複数存在する場合にポンプの能力から判定する能力別ポンプ判定装置(122)とを備えていること特徴とする請求項2記載のポンプ制御装置。
【請求項1】
雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記ポンプが最大・最小時に起動する前記ポンプ井の水位を設定するポンプ井水位設定装置(17)と、前記計測値蓄積装置に蓄積しているポンプ井水位と前記ポンプ井水位設定装置で設定した値を比較し、何台目のポンプの起動、停止位置に水位があるかを比較するポンプ井水位比較装置(19)と、前記ポンプ井の水位からポンプの起動停止の判定を行うポンプ起動停止判定装置(18)と、前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、
前記ポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)を設け、前記ポンプ起動停止判定装置(18)は、前記ポンプ最大・最小能力設定装置(14)により設定したポンプ井水位からポンプの最大・最小起動を判定するものであることを特徴とするポンプ制御装置。
【請求項2】
雨量、管渠およびポンプ井の水位、ポンプ場へ流入する流量を計測する計測器類の計測値を蓄積する計測値蓄積装置(6)と、現在のポンプの起動台数を判定するポンプ起動台数判定装置(7)と、前記雨量、水位、流量のデータによりポンプ場へ流入する下水の流入量を予測する流入量予測装置(8)と、前記ポンプのポンプ吐出量と前記予測流入量との差を演算する流量差演算装置(9)と、前記ポンプの起動順序を設定するポンプ起動順序設定装置(11)と、前記流量差と前記ポンプ能力とを比較し前記流量差に最も適合した号機を判定する最適号機判定装置(12)と、前記最適号機判定装置の演算結果により前記ポンプの起動停止を行うポンプ起動停止装置(16)とを備えたポンプ制御装置において、
前記ポンプの能力を設定するポンプ能力設定装置(10)と、前記ポンプ吐出量と前記流量差との比率を演算する流量差比率演算装置(13)と、前記算出した比率によりポンプの最大運転、最小運転、停止を設定するポンプ最大・最小能力設定装置(14)と、前記ポンプ最大・最小能力設定装置の値と流量差比率演算装置の値からポンプの起動モードを決定するポンプ起動モード判定装置(15)とを備えたことを特徴とするポンプ制御装置。
【請求項3】
前記最適号機判定装置は、能力が等しいポンプが複数存在する場合に起動順位から起動・停止を判定する同一ポンプ能力判定装置(121)と、能力が異なるポンプが複数存在する場合にポンプの能力から判定する能力別ポンプ判定装置(122)とを備えていること特徴とする請求項2記載のポンプ制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2009−68436(P2009−68436A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−238651(P2007−238651)
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月14日(2007.9.14)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】
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