説明

ポンプ槽内攪拌装置

【課題】汚水の攪拌と共に、曝気を促進させ、汚水中での硫化水素の発生を抑制する。
【解決手段】ポンプ槽1内に設置される水中ポンプ装置2に取り付けられ、該水中ポンプ装置2の運転開始時に一定時間、該水中ポンプ装置2の噴流の一部又は全部をポンプ槽1内に吐出させて該ポンプ槽1内の攪拌を行うポンプ槽内攪拌装置4において、吐出部33内を流通する噴流に空気を混入するエジェクタ機構34を備え、該エジェクタ機構34によって空気が混入された噴流を、上記ポンプ槽1内に吐出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中ポンプ装置に取り付けられ、水中ポンプ運転開始時に一定時間噴流を吐出して水槽内の攪拌を行うポンプ槽内攪拌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記ポンプ槽内攪拌装置は、水中ポンプ運転開始時に噴流を一定時間吐出して水槽内を攪拌するため、水槽内の砂、汚泥、浮遊油脂、スカム等を、続くポンプ運転によって排出することができる。よって、水槽内に砂や汚泥が滞留または堆積したり、浮遊油脂やスカムが槽壁等に固着することが抑制され、槽内攪拌装置によって槽内が洗浄される効果が得られる。
【0003】
このような槽内攪拌装置として、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に係る槽内攪拌装置では、水中ポンプの運転開始時に、水中ポンプからの噴流が槽内攪拌装置の内部に流入すると共に、この噴流が水槽内に吐出されて、水槽内が攪拌される。やがて、槽内攪拌装置内部のボール弁が噴流の負圧により流出孔を塞いで、槽内攪拌装置からの噴流の吐出を停止する。
【特許文献1】特許第3570861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、水槽内の汚水には、硫黄化合物(硫酸イオン)が含まれており、この硫黄化合物は嫌気的条件下で細菌の作用によって硫化水素となる。近年、この硫化水素によるポンプ槽内の臭気や、汚水が排出される埋設管の腐蝕が問題となっている。
【0005】
上記特許文献1に係る槽内攪拌装置では、ポンプ槽内攪拌装置で水槽内の汚水が攪拌されることによって、水面近傍の汚水に空気中から酸素が供給される(曝気)。この曝気によって、硫化水素の発生が抑制される。しかしながら、かかる方法では、曝気が行われるのは水面近傍においてのみであり、曝気が不十分となる場合もある。
【0006】
また、特許文献1に係る槽内攪拌装置では、水槽内底部に沈殿する汚泥等の攪拌と、水面の攪拌(曝気)とを両立させるため、それ相応の吐出量が必要となる。そのため、特に水槽内の水量が多い場合には、底部と水面との水位差が大きくなるため、底部の汚泥等の攪拌と水面の攪拌のうちどちらか一方が不十分になるということも起こり得る。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、汚水の攪拌と共に、曝気を促進させ、汚水中での硫化水素の発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、水槽内の攪拌と曝気とを促進するために、空気が混入された噴流を水槽内に吐出するようにしたものである。
【0009】
本発明は、水槽内に設置される水中ポンプ装置に取り付けられ、該水中ポンプ装置の運転開始時に一定時間、該水中ポンプ装置の噴流の一部又は全部を水槽内に吐出させて該水槽内の攪拌を行うポンプ槽内攪拌装置が対象である。
【0010】
そして、該ポンプ槽内攪拌装置に導入された上記噴流に空気を混入する空気混入部を備え、該空気混入部によって空気が混入された噴流を、上記水槽内に吐出するものとする。
【0011】
上記の構成の場合、ポンプ槽内攪拌装置から水槽内に吐出される吐出流には、上記空気混入部から混入された空気が含まれており、該吐出流は水槽内の汚水を攪拌すると同時に、曝気を行って汚水を好気化させる。それによって硫化水素ガスの発生が抑制される。
【0012】
また、汚水を攪拌する吐出流に空気を混入させるため、汚水の水面において汚水上方の大気と曝気するだけでなく、水槽内の底部の汚水にまで酸素を供給して曝気することができる。さらに、攪拌と同時に曝気を行うため、水槽内の底部に単に酸素を送り込むだけでなく、より積極的に汚水中に酸素を供給することができる。
【0013】
さらに、曝気を促進することによって、好気性バクテリアによる有機物の分解が促進され、ポンプ槽内における悪臭の発生を抑制することができる。
【0014】
さらにまた、上記噴流に混入された空気は気泡となって水槽内に吐出されるため、特許文献1に係るポンプ槽内攪拌装置のように気泡を含まない吐出流を水槽内に吐出する装置と比較して、汚水の攪拌効率を向上させることができる。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、上記水中ポンプ装置から噴流が流入する流入部と、該流入部に流入した噴流を上記水槽内に吐出する吐出口を有する吐出部とをさらに備え、上記空気混入部は、上記吐出口付近に設けられ且つ該吐出部を流通する噴流のエジェクタ効果によって該噴流に空気を吸入するエジェクタ機構であるものとする。
【0016】
上記の構成の場合、上記空気混入部は、上記吐出部を流通する噴流の速度エネルギの一部を圧力エネルギに変換し、当該圧力エネルギによって空気を吸引して、噴流に空気を混入させる(エジェクタ効果)。このエジェクタ機構は、噴流に空気を混入させるための動力源が不要であるため、小型化されると共に受電が必要なくなり、その設置が容易である上に、ランニングコストの低減化が図られる。つまり、上記吐出部のエジェクタ機構によって吐出流に空気を混入させるため、低いランニングコストで、汚泥等を攪拌する吐出流による積極的な曝気を実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、水槽内に吐出する、水槽ポンプ装置からポンプ槽内攪拌装置に導入された噴流に空気混入部によって空気を混入することによって、水槽内を攪拌する吐出流に空気が含まれるため、水槽内の汚水を攪拌する際に、同時に曝気を行うことができ、硫化水素ガスの発生を抑制することができる。また、好気性バクテリアのによる有機物の分解を促進し、ポンプ槽内における、硫化水素以外の悪臭の発生も抑制することができる。その結果、ポンプ槽内での悪臭の発生及び埋設管の腐蝕を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1において、1は水槽としての下水中継ポンプ槽(以下、ポンプ槽ともいう)、2は水中ポンプ本体3に槽内攪拌装置4が付設された槽内攪拌装置付き水中ポンプ装置(以下、水中ポンプ装置という)である。流入口5よりポンプ槽1内に流入した下水は、その水位が所定の運転レベル以上になると、水中ポンプ装置2の作動により、所定の停止レベルに水位が低下するまで固定排出管6から排出される。この水中ポンプ装置2の作動のために、ポンプ槽1内に運転用フロート7、停止用フロート8及び異常水位警報用フロート9が設けられ、ポンプ槽1の上方に制御盤10が設けられている。
【0020】
水中ポンプ装置2は、下水中継ポンプ槽1のマンホール11よりガイドパイプ12を伝って槽内底部に降ろされ、着脱装置13により該下水中継ポンプ槽1に着脱自在に設置される。水中ポンプ装置2の昇降のためにマンホール11の蓋14と水中ポンプ本体3とが昇降用チェーン15によって連結されている。昇降用チェーン15は水中ポンプ装置2の重心を通る垂直線上で水中ポンプ本体3の頂面部に接続されている。着脱装置13は、水中ポンプ装置2をポンプ槽1内に固定された固定排出管6に結合するものであり、この結合により、水中ポンプ装置2は固定排出管6に支持される。
【0021】
すなわち、図2に示すように、着脱装置13は、水中ポンプ装置2の水中ポンプ本体3の噴出部31に設けられた着脱フランジ部16及びフック17を有する着脱用接続管23と、固定排出管6の基端フランジ部18とによって構成されている。フック17は、着脱フランジ部16の上部との間に下方に開口した係合凹部を形成し、固定排出管6の基端フランジ部18の上部には当該係合凹部に嵌る係合部18aが形成されている。この係合凹部と係合部18aとの嵌合により、水中ポンプ装置2は固定排出管6に支持され、該水中ポンプ装置2の自重により着脱フランジ部16を固定排出管6の基端フランジ部18に押し当てるモーメントが働いて、両者は隙間なく接続される。フック17及び係合部18aの互いの当接面には、上記嵌合を案内するとともに、上記フランジ部16,18同士を密に接続するために、テーパが形成されている。
【0022】
上記水中ポンプ本体3の噴出部31は、図3に示すように、水中ポンプ本体3のポンプケーシング3aより側方へ突出して形成されており、この先端に上記着脱用接続管23が取り付けられている。着脱用接続管23は、上記着脱フランジ部16、並びにガイドパイプ12に摺動自在に係合するガイド24が設けられている。図3に示すように、ガイドパイプ12は2本あり、着脱用接続管23にはガイド24が2つ設けられている。
【0023】
槽内攪拌装置4について説明するに、これは、水中ポンプ装置2の運転開始時、水中ポンプ本体3の吐出流の一部又は全部を槽内に吐出させるものである。そのケーシング30は、図3、4に示すように、水中ポンプ本体3のポンプケーシング3aに取り付けられるケーシング本体45と、その下側に結合されたダイヤフラムカバー46とからなり、ケーシング本体45の上側に保護カバー47が設けられている。
【0024】
ケーシング本体45とダイヤフラムカバー46とよりなるケーシング30内は、図に示すように、下部ダイヤフラム48によって、ボール弁49を収容する上部の弁収容部51と下部の作動流体としてのオイルを収容する下部オイル室52とに区画形成されている。下部ダイヤフラム48はその周縁部がケーシング本体45とダイヤフラムカバー46とに挟持されている。
【0025】
一方、ケーシング本体45の頂部には凹部が形成されていて、該凹部の周縁部と保護カバー47との間に上部ダイヤフラム53の周縁部が挟持されて、該ケーシング本体45の凹部と上部ダイヤフラム53とによって上部オイル室54が形成されている。保護カバー47は上部ダイヤフラム53を保護するものである。
【0026】
下部オイル室52と上部オイル室54とは、ケーシング本体45及びダイヤフラムカバー46に形成されたオイル通路55によって連通し、ダイヤフラムカバー46にオイル通路55のオイル流量を調整する調整弁56が取付けられている。
【0027】
ケーシング本体45の上部には、水中ポンプ本体3の噴流を該ケーシング本体45内部に導入するための流入部32が設けられている。ケーシング本体45を流入部32の上流端に形成されたフランジ32aによって水中ポンプ本体3のポンプケーシング3aに取り付けられる。そして、流入部32の内部には、水中ポンプ本体3と弁収容部51とを連通させる噴流用通路57が形成されており、この噴流用通路57を介して、水中ポンプ本体3から弁収容部51へ噴流が流入する。
【0028】
一方、ケーシング本体45の上部における、流入部32の反対側には、該流入部32から流入した噴流が外部に流出する吐出部33が設けられている。この吐出部33は、該吐出部33を流通する噴流のエジェクタ効果によって該噴流に空気を吸入するエジェクタ機構34と、該エジェクタ機構34によって空気が混入された噴流をポンプ槽1内に吐出する吐出口35aを有するノズル35とを備える。
【0029】
エジェクタ機構34は、弁収容部51から噴流を流出させる流出部34aと、この流出部34aの下流端部に取り付けられる本体管34bと、この本体管34bに対して径方向外方から設けられた空気導入部34c、この空気導入部34cに取り付けられるエアホース34dとを備える。
【0030】
上記流出部34aには、弁収容部51に通じる流出孔58が形成されており、この流出孔58の上流端にはボール弁49が着座可能な弁座59が設けられている。また、流出部34aは、外径が小さくなった小径部34eが下流端に形成されており、上記本体管34bは、この小径部34eとの間に径方向に隙間を有した状態で、流出部34aに取り付けられている。このとき、本体管34bは、流出部34aに対して外側から嵌められており、その内径は流出部34aの内径よりも大きく形成されている。そして、空気導入部34cは、本体管34bの、上記小径部34eとの隙間に対応する位置に設けられている。この空気導入部34cには、下流端が本体管34bの内部に開口する一方、上流端には上記エアホース34dが接続される導入通路が形成されている。エアホース34dは、ケーシング本体45に沿って水中ポンプ本体3まで延びた後、水中ポンプ本体3に連結された昇降用チェーン15に沿ってポンプ槽1の上部まで延びている(図1参照)。また、エジェクタ機構34の下流端には、ノズル35が取り付けられている。
【0031】
このように構成されたエジェクタ機構34は、弁収容部51内の噴流が流出部34aを通過することによって噴流の流速が増大し且つ静圧が低下することに伴い、空気導入部34cを介してエアホース34dから本体管34b内部に空気が吸引される。吸引された空気は、本体管34b内で微細気泡として噴流に混入され、噴流と共にノズル35からポンプ槽1内に吐出される。
【0032】
ダイヤフラムカバー46は、ケーシング30の底壁を構成し、この底壁は下部ダイヤフラム48を底壁に沿わせて収めるべく下方へ突出した凸曲面状に形成されている。そうして、該底壁の周囲に、当該槽内攪拌装置4を平坦面上で自立させる設置部を構成する3本の脚62、62が設けられている(図4では2本のみ図示)。
【0033】
上記3本の脚62、62のうちの一つの脚62の内側には、該脚62の上部と凸曲面状底壁との間にわたって延びる下方へ膨出した膨出部が形成され、当該脚62と膨出部とによって上記調整弁56の取付部63が形成されている。すなわち、当該脚62の外面から膨出部へ延びる調整弁取付孔が形成され、該取付孔に調整弁56がねじ込まれている。
【0034】
上記槽内攪拌装置4の作動を説明するに、ポンプ始動前は、図4の実線で示すように、ボール弁49が弁収納部51の下方にあって流出孔58は開の状態にある。この状態で水中ポンプ本体3を始動すると、ポンプケーシング3aから下水の一部が噴流用通路57を介して弁収容部51に流入し、流出孔58を介してノズル35からポンプ槽1内へ噴出する。これにより、ポンプ槽1内が攪拌される。
【0035】
そして、弁収容部51を下水が通過することにより、該弁収容部51に負圧が発生し、この負圧によって、オイルが上部オイル室54から下部オイル室52に移動するのに合わせて、上部ダイヤフラム53が下降し、下部ダイヤフラム48が上昇して、ボール弁49が持ち上がり始める(図4の二点鎖線参照)。
【0036】
運転開始から約20〜50秒経過すると、下部ダイヤフラム48は上方に突出した状態になり、ボール弁49は下部ダイヤフラム48に押し上げられ弁座59に当接して流出孔58を閉じる(図4の一点鎖線参照)。これにより、ノズル35からの下水の噴出は停止し、下水は噴出部31、着脱用接続管23を通って固定排出管6へ流れるようになる。一方、弁収容部51内は、ボール弁49が弁座59に押し当てられた状態で正圧になり、上部ダイヤフラム53、下部ダイヤフラム48及びオイルはポンプ始動前の状態に戻る。ポンプ作動が停止すると、ボール弁49は弁座59から離脱して下部ダイヤフラム48の上に落ちる。尚、運転開始からボール弁49が流出孔58を閉じるまでの時間は、上記調整弁56を調整することによって調整することができる。
【0037】
よって、上記槽内攪拌装置4の作動により、ポンプ槽1内の砂、汚泥、浮遊油脂、スカム等は、上記噴流によって攪拌され、固定排出管6から排出される。このため、水槽内に砂や汚泥が滞留ないしは堆積したり、浮遊油脂やスカムが槽壁等に固着することが抑制される。
【0038】
また、ポンプ槽1内の汚水が攪拌されると、水面近傍の汚水も攪拌されるため、大気からの酸素の供給も積極的に行われ、曝気が促進される。
【0039】
このように、上記実施形態では、槽内攪拌装置4からポンプ槽1内に吐出される吐出流には、エジェクタ機構34によって空気が混入されているため、該吐出流がポンプ槽1内の汚水を攪拌すると同時に、曝気を行って好気化させる。また、槽内攪拌装置4のノズル35は、一般的には、ポンプ槽1の底部に向かって吐出流が吐出して、ポンプ槽1の底部の汚泥等を攪拌するように構成されているが、この吐出流に空気が混入されているため、汚泥を攪拌しながら曝気を行うことができ、非常に効率的に曝気を行うことができる。さらに、攪拌の観点から見ても、吐出流に気泡が含まれているため、攪拌効率を向上させることができる。そして、このように攪拌及び曝気を促進することによって、硫化水素ガスの発生を抑制することができる。また、好気性バクテリアによる有機物の分解が促進されて、硫化水素以外の悪臭の発生も抑制することができる。その結果、ポンプ槽1内での悪臭の発生及び固定排出管6やその下流側の埋設管の腐蝕を抑制することができる。
【0040】
また、上記実施形態では、槽内攪拌装置4内の噴流への空気の混入をエジェクタ機構34によって行うことによって、吐出部33を流通する噴流の速度エネルギの一部を圧力エネルギに変換して、当該圧力エネルギによって空気を吸引して、噴流に空気を混入させるため、空気を混入させる装置の構成が小型化されると共に受電が必要なくなり、槽内攪拌装置4に対する設置が容易である上に、ランニングコストの低減が図られる。
【0041】
尚、上記実施形態では、弁収容部51、下部、上部オイル室52、54等からなる槽内攪拌装置を採用しているが、これに限られるものではなく、水中ポンプ装置2に取り付けられ、水中ポンプ運転開始時に一定時間噴流を吐出して水槽内の攪拌を行うものであれば、任意の装置を採用することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、エジェクタ機構34は、空気導入部34cを有する本体管34bを設けることによって構成されているが、これに限られるものではない。すなわち、本体管34b等を介して吐出部33内へエアホース34dを導入し、そのエアホース34dの開口端がノズル35の吐出口35a近傍に位置するように構成してもよい。このような構成であっても、吐出部33を流れる噴流のエジェクタ効果によってエアホース34dから空気を吸引して、該噴流内に空気を混入させることができる。
【0043】
さらに、上記実施形態では、槽内攪拌装置4の吐出部33にエジェクタ機構34を設けて、吐出部33内を流通する噴流に空気を混入しているが、これに限られるものではない。例えば、空気混入部として、電動ブロワを利用し、この電動ブロワを水中ポンプ装置2の起動と同時に駆動して強制的に空気を槽内攪拌装置4に供給すると共に、所定時間経過後(槽内攪拌装置の攪拌時間に略相当)停止させるようにしてもよい。このように、吐出部33の流通する噴流に空気を混入することができる構成であればよいが、上記エジェクタ機構34を採用する方が、装置の小型化及びランニングコストの面で有利である。
【0044】
さらに、上記実施形態では水中ポンプ装置2の作動のためにフロート7〜9を利用した水位センサを採用しているが、槽内攪拌装置4を使用する水槽ではフロートが水流で振り回されることから、誤検出を避けるために、気泡式等の圧力式センサを使用することがより望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態を示す全体構成図である。
【図2】同実施形態の水中ポンプ装置の水槽内での設置状態を示す一部省略した側面図である。
【図3】同水中ポンプ装置の平面図である。
【図4】同槽内攪拌装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ポンプ槽(水槽)
2 水中ポンプ装置
32 流入部
33 吐出部
34 エジェクタ機構(空気混入部)
4 ポンプ槽内攪拌装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽内に設置される水中ポンプ装置に取り付けられ、該水中ポンプ装置の運転開始時に一定時間、該水中ポンプ装置の噴流の一部又は全部を水槽内に吐出させて該水槽内の攪拌を行うポンプ槽内攪拌装置であって、
該ポンプ槽内攪拌装置に導入された上記噴流に空気を混入する空気混入部を備え、
該空気混入部によって空気が混入された噴流を、上記水槽内に吐出することを特徴とするポンプ槽内攪拌装置。
【請求項2】
請求項1に記載のポンプ槽内攪拌装置において、
上記水中ポンプ装置から噴流が流入する流入部と、
該流入部に流入した噴流を上記水槽内に吐出する吐出口を有する吐出部とをさらに備え、
上記空気混入部は、上記吐出口付近に設けられ且つ該吐出部を流通する噴流のエジェクタ効果によって該噴流に空気を吸入するエジェクタ機構であることを特徴とするポンプ槽内攪拌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−29829(P2007−29829A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−214692(P2005−214692)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】