説明

マスカダイン搾りかす抽出物の調製方法

本願はマスカダイン搾りかす抽出物を製造する方法を開示する。その方法は、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合してマスカダイン搾りかす抽出物を製造する工程を含むことができ、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は0.1〜10(重量:重量)、例えば0.3〜3(重量:重量)の範囲内であり、マスカダイン搾りかす抽出物は少なくとも2%のポリフェノール含有量である。本願では、抗酸化剤、例えば老化防止の健康補助食品として使用するマスカダイン搾りかす抽出物をまた開示する。この組成物は、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および他の活性成分を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2008年7月31日に出願された米国仮特許出願第61/085,371号の優先権を主張し、その全開示を本明細書に参照により組み入れる。
【0002】
本開示は、老化防止健康補助食品として用いられるような、抗酸化物質として用いられるマスカダイン搾りかす抽出物およびレスベラトロールを含むマスカダイン組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
活性酸素種(ROS)は好気的代謝の必須副産物であり、よってヒトおよび他の生物において継続的に生成される。ヒトは汚染、日光および食事のような外部/環境源からのROSにもさらされている。ROSの異なる化学形態があるが、それらはすべて細胞構成要素および高分子の構造および機能に対して有害な作用を引き起こす。ROS生成/それにさらされる程度を酸化ストレスと称する。
【0004】
酸化ストレスは糖尿病、癌、アテローム性動脈硬化症および他の循環器疾患のような慢性炎症性疾患ならびにアルツハイマー病およびパーキンソン病のような変性疾患と関連している。さらに、複数の一連の証拠は酸化ストレスが通常の老化の根底にある中心的メカニズムであるという見解を裏付ける。従って、酸化ストレスを抑制する治療を開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
酸化ストレスを最小化することが健康および長寿にとって重要であると考えられる。疫学データは抗酸化栄養素が豊富な食事による強い利点を示す。典型的な抗酸化ビタミン(ビタミンCおよびE)のほかに、食用植物は摂取後急性的および慢性的に酸化ストレスを低下させると考えられるポリフェノールを多く含む。いくつかの生体内アッセイが異なる食物の抗酸化能を測定するために開発され、ポリフェノール含有量と抗酸化能との間には強い相関関係がある。
【0006】
ブドウを含む植物は抗酸化物質の有望な供給源を提供するが、ヒト集団における植物化学物質の広範な使用には大きな障害がある。例えば、食物中の活性物質のバイオアベイラビリティは抗酸化物質として用いるには次善であることが多い。活性物質は摂取するための食品の典型的な調理において過小評価または無視されている植物の特定の部位に集中していることもある。関連する食物の異なる種は、それらを治療上の使用にあまり最適でないものとする生化学的な相違を有することもある。
【0007】
本発明者らは、酸素ラジカル吸収能(ORAC)アッセイにより測定するように、マスカダイン搾りかす抽出物および日本タデ抽出物の抗酸化能を別々にまたは(混合物もしくは栄養補助食品中で)組み合わせて測定した。試料の親水性抗酸化能および親油性抗酸化能の両方を測定した。これらの研究は、混合物または栄養補助食品中のマスカダイン搾りかす抽出物と日本タデの根抽出物の親油性抗酸化能の発現における強い相乗効果を示した。親油性状態において示される選択的相乗効果は予想外であった。これらの研究結果は、少なくともほぼ純粋なレスベラトロールの供給源としての日本タデ抽出物、およびマスカダイン搾りかす抽出物の両方を含む混合物および栄養補助食品のどちらの単独の抽出物と比べても向上した抗酸化能を示した。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書において向上した抗酸化活性を有する組成物について開示する。いくつかの開示実施形態では、組成物は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源(例えば日本タデの根抽出物など)からのレスベラトロールを含むが、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は0.1:1〜10:1(重量:重量)の範囲内であり、これにより向上した抗酸化活性を有する組成物を提供する。特定の実施例では、組成物は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源(例えば日本タデの根抽出物など)からのレスベラトロールを含むが、マスカダイン搾りかす抽出物:レスベラトロールの比は0.2:1〜50:1(重量:重量)、例えば5:1〜50:1(重量:重量)または20:1〜50:1などの範囲内であり、これにより向上した抗酸化活性を有する組成物を提供する。いくつかの実施例では、組成物はポリフェノール1mg当たり少なくとも24μモルのトロロックス当量(μモルTE/mgポリフェノール)の総ORACを有する。
【0009】
いくつかの実施例では、マスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物は約4%の総ポリフェノール含有量を有し、組成物は約18:1(重量:重量)のマスカダイン搾りかす抽出物:トランスレスベラトロールの比を有する。ある実施例では、組成物は約0.75:1(重量:重量)のマスカダインポリフェノール:レスベラトロールの比を有する。特定の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物は液体中20%〜50%の固体を含むことができる。例えば、マスカダイン搾りかす抽出物は液体中約40%の固体からなる。いくつかの実施例では、レスベラトロールは日本タデ(Polygonum cuspidatum)の根から抽出された少なくとも98%のトランスレスベラトロールを含む。
【0010】
開示組成物は、いくつかの実施例では、エルダーベリー抽出物、紫ニンジン抽出物、賦形剤(例えばグリセリン、ソルビトール、コロイド状二酸化ケイ素、または天然香料添加剤など)またはその混合物をさらに含むことができる。特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物を総組成物の23%〜32%、レスベラトロールを総組成物の1.2%〜3.0%、紫ニンジン抽出物を総組成物の0.12%〜0.20%、エルダーベリー抽出物を総組成物の0.4%〜0.6%、ソルビトールを総組成物の50%〜61%、99.7%グリセリン組成物を総組成物の8%〜12%、およびコロイド状二酸化ケイ素を総組成物の1%〜2%含む。
【0011】
より特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物(ポリフェノール約4.1%含有)を総組成物の約28.9%、レスベラトロールを総組成物の約1.65%、紫ニンジン抽出物を総組成物の約0.16%、エルダーベリー抽出物を総組成物の約0.48%、ソルビトールを総組成物の約54.8%、99.7%グリセリン組成物を総組成物の約10%、コロイド状二酸化ケイ素を総組成物の約2%、Concordブドウ抽出物を約1.27%、Cabernetブドウ抽出物を約0.16%、および赤ブドウ粉末を約0.48%含む。
【0012】
別の特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物(ポリフェノール約5%含有)を総組成物の約23.77%、レスベラトロールを総組成物の約1.65%、紫ニンジン抽出物を総組成物の約0.16%、エルダーベリー抽出物を総組成物の約0.48%、ソルビトールを総組成物の約60%、99.7%グリセリン組成物を総組成物の約10%、コロイド状二酸化ケイ素を総組成物の約2%、Concordブドウ抽出物を約1.27%、Cabernetブドウ抽出物を約0.16%、および赤ブドウ粉末を約0.48%含む。
【発明の効果】
【0013】
開示組成物のいずれかを非飲料食品、飲料、または栄養補助食品に液体または固体形態で備えることができる。さらに、開示組成物のいずれかを皮膚改善剤を含む抗酸化剤、例えば老化防止健康補助食品などとして用いることができる。例えば、細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを予防または抑制するのに十分な開示組成物の用量の必要とする対象への投与、例えば組成物を服用する対象におけるフリーラジカル形成または活性の予防または抑制などを含む、細胞老化の予防または抑制方法について開示する。
【0014】
本明細書において開示抗酸化組成物の製造方法も提供する。これらの方法は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源からのレスベラトロールの混合を含むことができるが、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は0.1:1〜10:1(重量:重量)の範囲内であり、これにより抗酸化活性を有するマスカダイン搾りかす抽出物およびトランスレスベラトロールの混合物を提供する。いくつかの実施例では、その方法は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源(例えば日本タデの根抽出物など)からのレスベラトロールの混合を含むことができるが、マスカダイン搾りかす抽出物:レスベラトロールの比は18:1(重量:重量)を含む0.2:1〜50:1(重量;重量)、例えば5:1〜50:1(重量:重量)または20:1〜50:1(重量:重量)などの範囲内であり、これにより抗酸化活性を有する組成物を提供する。
【0015】
開示方法は、マスカダイン搾りかす抽出物のトランスレスベラトロールとの混合前にマスカダイン搾りかす抽出物の調製をさらに含むことができる。1つの特定の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物の調製は、銅マスカダイン搾りかす抽出物の紫マスカダイン搾りかす抽出物との混合を含む。他の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物の調製は銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすの混合物からの抽出物の調製を含む。
【0016】
特定の実施例では、その方法は、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合することによるマスカダイン搾りかす抽出物の調製を含むが、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は0.1:1〜10:1(重量:重量)、例えば0.3:1〜3:1(重量:重量)などの範囲内である。より特定の実施例では、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.25:1(重量:重量)である。
【0017】
本開示の前述および他の特徴は以下の詳細な説明からより明確になるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(I.略語および用語)
(a)略語
FRAP: 血漿鉄還元能力
mg: ミリグラム
mL: ミリリットル
ORAC: 酸素ラジカル吸収能
ROS: 活性酸素能
TE: トロロックス当量
TEAC: トロロックス当量抗酸化能
wt: 重量
【0019】
(b)用語
以下の用語および方法の説明は本開示をより良く説明し本開示の実施において当業者を導くために提供する。本明細書および添付の特許請求の範囲で用いるように、単数形「ある」または「その」は、前後でとくに明確な指示がない限り、複数参照を含む。「または」の語は、前後でとくに明確な指示がない限り、記載代替要素の単一要素または2つ以上の要素の組み合わせを指す。本明細書で用いるように、「〜からなる」とは「〜を含む」を意味する。よって、「AまたはBからなる」とは追加要素を除外することなく「A、B、またはAおよびBを含む」を意味する。
【0020】
とくに説明のない限り、本明細書で用いるすべての技術および科学用語はこの開示が属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同一の意味を有する。本明細書に記載するものと同様または同等の方法および物質を本開示の実施または試験に用いることができるが、適切な方法および物質は下に記載する。「約」または「およそ」等の語が記載されていようとなかろうと、定量値は概算であることをさらに理解すべきである。すべての割合および比は、とくに指示のない限り、重量により計算される。
【0021】
投与:対象に作用剤、例えばマスカダイン搾りかす抽出物およびトランスレスベラトロールを含む組成物をいずれかの効果的な投与法により提供または与えること。例となる投与法としては、経口、注射(例えば皮下、筋肉内、皮内、腹腔内、静脈および腫瘍内など)、舌下、経皮、経鼻、局所および吸入投与が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
抗酸化活性:酸化フリーラジカルの捕捉および中和を含む活性。抗酸化活性は、酸素ラジカル吸収能(ORAC)アッセイ、血漿鉄還元能力(FRAP)アッセイ、およびトロロックス当量抗酸化能(TEAC)アッセイを含む、本明細書で開示する方法および当技術分野で知られる方法を用いて測定することができる。ある実施例では、組成物は抗酸化活性を有し、ポリフェノール1mg当たり少なくとも24μモルのトロロックス当量(μモルTE/mgポリフェノール)の総ORACを有する場合、抗酸化剤として用いることができる。
【0023】
エルダーベリー(Sambucus nigra):ヨーロッパおよび北アメリカで見られ、いくつかの地域変種または亜種を有するレンプクソウ科に属する植物。花は平らな散房花序である。果実は黒色から白っぽい青色であり、アントシアニンおよび他のポリフェノールを含有するが、アントシアニンおよび他のポリフェノールの量および種類は品種によって異なる。
【0024】
「エルダーベリー抽出物」は、所望の活性(例えば、色安定活性、抗酸化活性またはその組み合わせ)を有する限り、当業者に知られるいずれかの抽出方法に従ってエルダーベリーを抽出することにより得られる物質とすることができる。例えば、エルダーベリー抽出物は当業者に従来知られる任意の抽出方法に従ってエルダーベリーの果実を圧搾することにより得られる果汁、またはエルダーベリーの全果実もしくは果実の果皮や種子の適切な部位を抽出することにより得られる抽出物、等を含むことができる。また、エルダーベリーの果実の粉砕生成物または乾燥させたエルダーベリーの果実の濃縮物を「エルダーベリー抽出物」として用いることができる。
【0025】
賦形剤:組成物の有効成分の担体として用いられる不活性物質。賦形剤は非常に強力な有効成分で製剤を大きくするために用いられ、便利で正確な用量を可能にし、有効成分を安定化し、デリバリーシステムを光学的および/または官能的に許容可能にする物質を含むことができる。医薬品賦形剤の例としては、デンプン、ブドウ糖、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、一ステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール、等が挙げられる。特定の実施例では、開示老化防止健康補助食品は以下の賦形剤:グリセリン、ソルビトール、コロイド状二酸化ケイ素、および天然香料添加剤を含む。
【0026】
細胞老化の抑制(予防を含む):細胞老化に関連する1つ以上のプロセスの抑制(例えば予防)、例えば組成物を服用する対象におけるフリーラジカル形成または活性の抑制など。細胞老化の予防とは細胞老化の兆候または症状を改善する介入を指す。予防とは細胞老化に関連する1つ以上のプロセスの開始を遅延させる予防法を含む。細胞老化の予防または抑制は細胞老化の完全非存在を要求しない。特定の実施例では、開示組成物は細胞老化に関連するプロセスを少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、またはさらに少なくとも90%減少または遅延させる。こうした減少は本明細書で開示する方法および当技術分野で知られる方法を用いて測定することができる。
【0027】
マスカダインブドウ(Vitus rotundifolia):米国南東部原産で、デラウェア州からメキシコ湾および西へミズーリ州、カンザス州、オクラホマ州、およびテキサス州で自生するブドウ。マスカダインは米国南東部の温暖湿潤条件によく適合している。果実は、ヨーロッパおよびアメリカブドウの大きくぎっしり詰まった房の特徴とは異なり、小さい3〜40個のブドウのゆるい房でなる。丸く1〜1-1/2インチの果実は厚く堅い果皮を有し、5個までの硬く楕円形の種を含む。果実の色は緑銅から銅、ピンクがかった赤、紫およびほとんど黒まで多様である。
【0028】
Black Beauty、Black Fry、Darlene、Fry,Higgins、Jumbo、Scuppernong、Sugargate、Summit、Supreme、およびSweet Jennyのような雌の(雌しべのある)品種ならびにCarlos、Cowart、Dixieland、Dixie Red、Fry Seedless、Magnolia、Nesbitt、Noble、Redgate、RegaleおよびSterlingのような自家受精できる品種を含むたくさんの異なる品種のマスカダインブドウが入手可能である。
【0029】
例えば銅色の品種のマスカダインブドウは当業者によりCarlos、Chowan、Doreen、Higgins、Magnolia、Nevermiss、Pamlico、Roanoke、Scuppernong、Sterling、およびSummit品種を含むと見なされる。紫から黒色の品種としてはAlbermarle、Bountiful,Cowart、GA−1、Hunt、NC−1、Noble、Regale、Tarheel、およびJumboが挙げられる。
【0030】
全マスカダインブドウの植物化学構成要素はVitis viniferaとは異なる。マスカダインはエラグ酸、没食子酸、およびフラボノイド配糖体の高濃度により認められるより高い総ポリフェノール含有量を有する。マスカダインブドウ中のエラグ酸の存在は特異であり、遊離エラグ酸、エラグ酸配糖体、メトキシル化誘導体およびエラギタニンの形態で含まれる。別の特異な特徴はマスカダインにおいて見られるアントシアニンの化学的性質である。デルフィニジン、シアニジン、ペチュニジン、ペオニジン、およびマルビジンの(3-グルコシドとは対照的な)3,5-ジグルコシドとして非アクリル化形態で存在するこれらの化合物およびブドウ中に存在する他のアントシアニンからの天然色素影響は果汁および搾りかすを濃い紫色にする。紫の搾りかす抽出物はアントシアニンを含むが、銅の搾りかす抽出物は含まない。
【0031】
赤および紫アントシアニンは抗酸化特性を有するポリフェノール化合物である。フラボノールは全マスカダイン中に存在する2番目に豊富なフラボノイドである。マスカダインの皮画分について報告されている主なフェノールは(降順で)エラグ酸、ミリセチン、ケルセチン、ケンペロールであるが、種子について報告されているものはエピカテキン、カテキンおよび没食子酸である(Patrana−Bonilla et al.J.Agric.Food Chem.51:5497〜5503,2003)。
【0032】
薬学的に許容される媒体:本開示おいて有用である薬学的に許容される媒体(担体)は従来のものである。Remington’s Pharmaceutical Sciences,by E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th Edition(1995)は1つ以上の組成物、例えば1つ以上のマスカダイン組成物、および追加作用剤などの薬剤デリバリーに適した組成物および製剤について記載する。
【0033】
一般に、媒体の性質は用いる特定の投与法によって決まるだろう。例えば、非経口製剤は通常媒体として水、生理的食塩水、平衡塩類溶液、デキストロース水溶液、グリセロール等のような薬学的および生理学的に許容される液体を含む注射液からなる。固体組成物(例えば、粉末、ピル、タブレット、またはカプセル型)について、従来の非毒性固体媒体としては、例えば、医薬品グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを挙げることができる。生物学的に中性の媒体に加え、投与する医薬組成物は少量の非毒性補助剤、例えば湿潤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤等、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含むことができる。
【0034】
精製:精製という語は絶対的な純度を要求せず、むしろ相対語を意図する。よって、例えば、精製物質は自然環境、例えば果実(例えば、ブドウ)中にあるよりも濃縮した物質である。1つの実施形態では、物質が製剤の総量の少なくとも約5%(例えば、これらに限定されないが、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、70%、80%、90%、95%、98%、または99%)存在するように製剤を精製する。ある実施例では、抗酸化活性を有する開示組成物は総レスベラトロール製剤の(質量で)少なくとも50%、70%、80%、90%、95%、98%または99%の最低純度を有するトランスレスベラトロールを含む。
【0035】
搾りかす:果汁抽出後に残る果皮、種子、および果肉。1つの実施例では、搾りかす抽出物は銅マスカダイン搾りかす抽出物、紫マスカダイン搾りかす抽出物またはその組み合わせである。たくさんの異なる品種のマスカダインブドウ搾りかすが出発物質として入手可能であり、Black Beauty、Black Fry、Darlene、Fry,Higgins、Jumbo、Scuppernong、Sugargate、Summit、Supreme、およびSweet Jennyのような雌の(雌しべのある)品種ならびにCarlos、Cowart、Dixieland、Dixie Red、Fry Seedless、Magnolia、Nesbitt、Noble、Redgate、RegaleおよびSterlingのような自家受精できる品種が挙げられる。
【0036】
マスカダイン搾りかすは没食子酸およびエラグ酸を含む抗酸化特性を有するフェノール化合物を含有する。
【0037】
紫ニンジン(Daucus carota):アントシアニン色素を含有するニンジンの品種。「紫ニンジン抽出物」は、所望の活性(例えば、色安定活性、抗酸化活性またはその組み合わせ)を有する限り、当業者に知られるいずれかの抽出方法に従って紫ニンジンを抽出することにより得られる物質とすることができる。ある実施例では、紫ニンジン抽出物はマスカダインの色素を安定させる特性を有し、従って後で色安定化添加剤として用いることができる。
【0038】
レスベラトロール:スチルベノイド、スチルベンの誘導体であり、植物において酵素スチルベンシンターゼの助けで生成されるフィトアレキシン。レスベラトロールは2つの構造異性体:シスおよびトランスレスベラトロールとして存在する。トランスレスベラトロールは加熱または紫外線照射にさらされるとシス形態へ異性化することができる。
【0039】
レスベラトロールはブドウ、ラスベリー、クワ、スモモ、ピーナッツ、ブルーベリー、ビルベリー、およびクランベリーを含むスノキ種のベリー類、スコットランドマツおよび東洋シロマツのようなマツ類、ならびに巨大タデおよび日本タデの根および茎に幅広く様々な量で含まれる。ブドウでは、レスベラトロールは主に果皮および種子に含まれる。ブドウ果皮に含まれるレスベラトロールの量はブドウ品種、地理的起源、および真菌感染で異なる。
【0040】
本明細書で用いるように、レスベラトロールの語はブドウのような植物から抽出される天然トランスレスベラトロール、または合成トランスレスベラトロールを含むことができる。本明細書で用いるように、レスベラトロールの語はマイクロカプセル化または水分散性型のようなトランスレスベラトロールの修飾製剤を含むことができる。
【0041】
対象:生きた多細胞脊椎動物、ヒトおよび家畜の両方の対象を含む区分。
【0042】
治療に効果的な量:単独で、または追加作用剤(例えば追加抗酸化剤)とともに、所望の反応(例えば、細胞老化の予防または抑制)をもたらす組成物の量。本明細書で開示する製剤は治療に効果的な量を投与することができる。
【0043】
1つの実施例では、所望の反応は組成物を投与する対象における1つ以上の細胞老化プロセスに関連するフリーラジカル生成または活性の抑制または減少である。組成物を有効にするのにフリーラジカル生成または活性を完全になくす必要はない。例えば、組成物は生成または活性を所望の量、例えば組成物非存在下でのフリーラジカル生成または活性と比べて少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも98%減少させることができる。
【0044】
開示マスカダイン搾りかす抽出物組成物の治療に効果的な量を、治療過程の間、例えば毎日、単一用量または複数の用量投与することができる。しかしながら、治療に効果的な量は治療する対象、治療する症状の重症度および種類、ならびに投与の方法によって決まり得る。例えば、こうした作用剤の治療に効果的な量は、経口投与の場合、トランスレスベラトロール、マスカダインポリフェノール、またはその組み合わせ約1〜約500ミリグラムと毎日異なり得る。
【0045】
単位用量:個別にまたは集合的に治療効果のような所望の効果をもたらすように計算された所定量の活性物質を含有する物理的に不連続な単位。単一の単位用量または複数の単位用量を用いて所望の効果または活性、例えば抗酸化活性などをもたらすことができる。1つの実施例では、単位用量は細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを予防または抑制する作用剤を所望の量含む。
【0046】
(II.いくつかの実施形態の説明)
植物性物質は酸化ストレスを低減するために用いることができる栄養補助剤の潜在的な供給源として広く研究されてきた。赤ブドウは集中的な研究の対象である多くの食物うちの1つである。赤ブドウの抗酸化作用は広くポリフェノール化合物、例えばレスベラトロールおよびプロシアニジンなどに起因し、後者のかなりの量がブドウ中に見られる。
【0047】
発明者らはエラグ酸の最大溶解性を促進するのに十分なマスカダイン搾りかす抽出物を開発するため一連の研究を行った。未濃縮の65%:35%の銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物(体積:体積)の比が2つの搾りかす抽出物の間でエラグ酸の最大溶解性を促進することを見出した。
【0048】
マスカダイン搾りかす抽出物中の(マスカダインブドウに特有の)エラグ酸の最大溶解性の測定は向上したエラグ酸溶解性を有する抽出物の調製(およびひいては搾りかすのポリフェノールプロファイルの獲得)を可能にし、同様に向上した抗酸化活性を有する抽出物の調製を可能にした。よって、本明細書において向上したエラグ酸溶解性を有するマスカダイン搾りかす抽出物およびこうした抽出物の使用方法について開示する。例えば、開示マスカダイン抽出物は単独でまたは他の化合物と組み合わせて非飲料食品、飲料、栄養補助食品または局所軟膏として投与することができる。また銅マスカダイン搾りかす抽出物の紫マスカダイン搾りかす抽出物との混合を含むマスカダイン搾りかす抽出物の製造方法が可能であり、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は0.1:1〜10:1(重量:重量)、例えば0.3:1〜3:1(重量:重量)などの範囲内である。
【0049】
さらに、本発明者らは、ORACアッセイにより測定するように、開示マスカダイン搾りかす抽出物およびトランスレスベラトロール98%に規格化された日本タデ抽出物の抗酸化能を別々にまたは(混合物または栄養補助食品中で)組み合わせて測定した。試料の親水性抗酸化能および親油性抗酸化能の両方を測定した。これらの研究は親油性抗酸化能の発現における混合物または栄養補助食品中のマスカダイン搾りかす抽出物とトランスレスベラトロール98%に規格化された日本タデの根抽出物の強い相乗効果を示した。親油性状態における選択的相乗効果は予想外であった。また、組成物に用いるマスカダイン抽出物は、マスカダインポリフェノール:レスベラトロールの開示比が維持される限り、種子、抽出プロセス、等によって異なり得る天然抽出物とすることができるが、相乗的親油性抗酸化活性は保たれた。
【0050】
これらの研究結果はトランスレスベラトロール98%に規格化された日本タデ抽出物およびマスカダイン搾りかす抽出物の両方を含有する混合物および栄養補助食品の単独のどちらの抽出物と比べても向上した親油性抗酸化能を示した。重要なことには、親油性環境において起こる酸化プロセスがアテローム性動脈硬化症における低密度リポタンパク質(LDL)酸化および2型肥満における肥満誘導性インスリン抵抗のような複数の病状の発症の根底にある、および/またはそれを引き起こすと考えられている。さらに、胃腸管内での食物中の脂肪の酸化はマロンジアルデヒド(MDA)のような細胞毒性および遺伝毒性脂質過酸化生成物の吸収を引き起こす。よって、高親油性抗酸化能を有する開示組成物は上記脂質酸化の有害な影響を妨げるのに有益な作用をもたらし得る。
【0051】
この発見は向上した抗酸化活性を有するマスカダイン搾りかす抽出物組成物およびこうした組成物の製造方法を可能にした。例えば、本明細書において非飲料食品、飲料、液体もしくは固体栄養補助食品または局所軟膏として投与することができる抗酸化活性を有するマスカダイン搾りかす抽出物組成物について開示する。開示組成物の製造方法は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物の少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源からのトランスレスベラトロールとの混合を含むことができるが、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は0.1:1〜10:1(重量:重量)の範囲内であり、これにより抗酸化活性を有するマスカダイン搾りかす抽出物およびトランスレスベラトロールの混合物を製造する。開示組成物の製造方法はまた少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物の少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源からのトランスレスベラトロールとの混合を含むことができるが、マスカダイン搾りかす抽出物:トランスレスベラトロールの比は0.2:1〜50:1(重量:重量)、例えば5:1〜50:1(重量:重量)など、20:1〜50:1(重量:重量)、例えば18:1(重量:重量)などを含む範囲内であり、これにより抗酸化活性を有するマスカダイン搾りかす抽出物およびトランスレスベラトロールの混合物を製造する。
【0052】
親油性抗酸化剤は様々な種類の皮膚へのダメージの予防、例えば、これらに限定されないが、脂質過酸化反応の抑制および脂質過酸化反応により生成される生成物、例えば架橋剤などによるものなどの抑制に効果的であることが見出された。酸化ストレスが通常の老化の根底にある中心的メカニズムであることは知られている。本明細書において開示組成物が向上した親油性抗酸化活性を有することを示す。これらの観測結果に基づき、フリーラジカル生成および活性の予防または抑制のような細胞老化の抑制方法について開示する。その方法は向上した抗酸化能を有する開示組成物(例えば栄養補助食品)の老化防止健康補助食品としての使用を含む。例えば、混合物または栄養補助食品組成物を服用する対象におけるフリーラジカル生成または活性の低減または抑制のような、細胞老化に関連する1つ以上のプロセスの予防または低減方法が可能である。
【0053】
(A.マスカダイン搾りかす抽出物)
本明細書において、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすから得られるマスカダイン搾りかす抽出物について開示する。いくつかの実施形態では、マスカダイン搾りかす抽出物中の銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は0.1:1〜10:1(重量:重量)、例えば0.3:1〜3:1(重量:重量)などの範囲内である。例えば、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.75:約1(重量:重量)、2.5:約1(重量:重量)、約2.25:約1(重量:重量)、約2:約1(重量:重量)、約1.5:約1(重量:重量)、または約1:約1(重量:重量)である。本明細書で用いるように、「約」の語は±0.5と定義する。特定の実施例では、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.25:約1(重量:重量)である。
【0054】
特定の実施形態では、開示マスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有する。例えば、ポリフェノール含有量は少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、または少なくとも14%である。特定の実施例では、マスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物は約4%のポリフェノール含有量を有する。
【0055】
いくつかの実施形態では、開示マスカダイン搾りかす抽出物は液体中20%〜50%、例えば少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも37%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも46%、または少なくとも48%の固体を含む。特定の実施例では、抽出物は液体中約40%の固体を含む。
【0056】
(B.マスカダイン搾りかす抽出物の製造方法)
銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比が0.1:1〜10:1(重量:重量)、例えば0.3:1〜3:1(重量:重量)などの範囲内であるマスカダイン搾りかす抽出物の製造方法についても開示する。1つの開示実施形態では、マスカダイン搾りかす抽出物は銅マスカダイン搾りかす抽出物を紫マスカダイン搾りかす抽出物と混合することにより調製する。1つの特定の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物は銅マスカダイン搾りかす抽出物を紫マスカダイン搾りかす抽出物と混合することにより調製するが、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.75:約1(重量:重量)、2.5:約1(重量:重量)、約2.25:約1(重量:重量)、約2:約1(重量:重量)、約1.5:約1(重量:重量)、または約1:約1(重量:重量)を含む0.1:1〜10:1(重量:重量)、例えば0.3:1〜3:1(重量:重量)などの範囲内である。さらにより特定の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物は銅マスカダイン搾りかす抽出物を紫マスカダイン搾りかす抽出物と混合することにより調製するが、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.25:1(重量:重量)である。
【0057】
いくつかの実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物の製造方法は銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物の別々の調製を含むことができる。例えば、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすを別々に水で、好適には加熱して抽出する。銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物の調製は、抽出した糖を除去するため銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物の発酵をさらに含むことができる。1つの実施例では、発酵は銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすの抽出後、銅マスカダイン搾りかす抽出物の紫マスカダイン搾りかす抽出物との混合前に行い、開示マスカダイン搾りかす抽出物を製造する。他の実施例では、発酵は銅マスカダイン搾りかす抽出物を紫マスカダイン搾りかす抽出物と所望の抽出後の比(例えば銅:紫の比約2.25:1など)で混合した後に行う。
【0058】
発酵は本明細書で開示する方法を含む当業者に知られるいずれかの方法で行ってもよい。例えば、発酵は酵母および酵母栄養素の搾りかすへの添加および残存糖含有量がエタノールに変換されるまでの抽出物の発酵を含むことができる。通常1倍の(未濃縮)抽出物1000ガロン当たり酵母2ポンドを用いる。こうした実施例では、発酵は通常3日後に完了する。他の実施例では、酵母の量および/または株ならびに発酵期間および温度は当業者に知られる個別の方法によって異なり得る。いくつかの実施例では、酵素を用いて残渣を浄化および/もしくは処理、または搾りかす抽出物における抽出収率を向上することができる。例えば、これらの酵素はペクチナーゼまたはAspergillus nigerからの酵素のブレンド物を含むことができ、Scott Laboratoriesのような供給業者から市販されている。これらの酵素は発酵前または発酵中に搾りかす抽出物に添加してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物の調製は銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物のろ過を含む。例えば、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を発酵の前および/または後にろ過することができる。ろ過は本明細書で開示するろ過方法を含む当業者に知られる一般的な方法により行うことができる。特定の実施例では、抽出物は適当なメッシュサイズのこし器、例えば米国薬局方メッシュ(通常120メッシュ)または同様の布フィルター(Millipore Corporationから市販されるフィルター)などに通してろ過する。
【0060】
他の実施形態では、マスカダイン搾りかす抽出物の調製は、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすの所望の比での混合ならびに銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすの同時抽出を含むことができる。例えば、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすを同時に水で、好適には加熱して抽出し、開示マスカダイン搾りかす抽出物を製造する。いくつかの実施形態では、この方法は抽出した糖を除去するためマスカダイン搾りかす抽出物の発酵をさらに含むことができる。前に記載したように、本明細書に記載する方法を含む、当業者に知られるいずれかの発酵方法を用いることができる。例えば、発酵は酵母および酵母栄養素の搾りかすへの添加および残存糖含有量がエタノールに変換されるまでの抽出物の発酵を含むことができる。1つの実施例では、発酵は1倍の抽出物1000ガロン当たり酵母2ポンドの添加およびおよそ3日間または残存糖含有量がエタノールに変換されるまでの抽出物の室温維持を含む。この開示方法はマスカダイン搾りかす抽出物のろ過を含むこともできる。例えば、マスカダイン搾りかす抽出物を発酵の前および/または後にろ過することができる。ろ過は本明細書で開示するろ過方法を含む当業者に知られる一般的な方法により行うことができる。
【0061】
特定の実施形態では、マスカダイン搾りかす抽出物の製造方法は銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物の濃縮をさらに含むが、各抽出物は液体中20%〜50%、例えば少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも37%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも46%、または少なくとも48%の固体を含む。特定の実施例では、各抽出物が液体中約40%の固体を含むように抽出物を濃縮する。本明細書で開示する試料の濃縮方法を含む一般に知られる試料の濃縮方法を用いて銅および紫の抽出物を濃縮することができる。
【0062】
特定の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物を粉末形態まで乾燥させ、水につけて固体40%の濃度にもどし、マスカダイン搾りかす抽出物を固体40%に調製する。代わりの、より許容可能な商業的方法は減圧蒸発による抽出溶媒の除去による濃縮である。これはバッチまたは連続プロセスによって達成することができる。バッチプロセスでは抽出物を容器に入れ、容器ジャケットを加熱しながら水銀を20〜29インチ引き上げ、溶媒の蒸気圧を増加させるエネルギーをもたらす。溶媒蒸気は容器の外部で凝縮し、凝縮速度は凝縮物の温度を制御する。同一の原理を連続蒸発プロセスに適用するが、利点は凝縮物が高温にさらされる時間の短縮である。両方のプロセスが本明細書に記載するマスカダイン搾りかす抽出物の濃縮に適用可能である。
【0063】
特定の実施形態では、マスカダイン搾りかす抽出物の製造方法は銅および紫の搾りかすの別々の抽出およびその後の銅:紫の搾りかす抽出物の所望の比での混合前にそれぞれの抽出物のろ過を含む。いくつかの実施例では、この方法は抽出した糖を除去するため混合したマスカダイン搾りかす抽出物の発酵をさらに含むことができる。前に記載したように、本明細書に記載する方法を含む当業者に知られるいずれかの発酵方法を用いることができる。1つの実施例では、その方法は発酵の前および後の抽出物のろ過のような1回以上のろ過を含む。いくつかの実施例では、その方法は本明細書に記載するように抽出物の濃縮をさらに含むことができる。例えば、その方法は減圧蒸発による抽出溶媒の除去による抽出物の濃縮を含むことができる。
【0064】
(C.抗酸化活性を有する組成物)
本明細書において向上した抗酸化活性を有する組成物について開示する。いくつかの開示実施形態では、組成物は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%の最低純度を有するマスカダインブドウ以外の供給源(例えば日本タデの根抽出物など)からのトランスレスベラトロールを含むが、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は0.1:1〜10:1(重量:重量)の範囲内であり、これにより抗酸化活性を有する組成物を提供する。
【0065】
いくつかの実施例では、組成物は少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%または少なくとも14%の総ポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも98%の最低純度を有するマスカダインブドウ以外の供給源からのトランスレスベラトロールを含む。特定の実施例では、組成物は約4%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundiforia)搾りかす抽出物および少なくとも98%の最低純度を有するマスカダインブドウ以外の供給源からのトランスレスベラトロールを含む。
【0066】
特定の実施形態では、組成物は液体中20%〜50%、例えば少なくとも23%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも37%、少なくとも40%、少なくとも42%、少なくとも44%、少なくとも46%、または少なくとも48%などの固体を有するマスカダイン搾りかす抽出物を含む。特定の実施例では、抽出物は液体中約40%の固体を含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、レスベラトロールは少なくとも5%のトランスレスベラトロール、例えば少なくとも10%のトランスレスベラトロール、少なくとも20%のトランスレスベラトロール、少なくとも30%のトランスレスベラトロール、少なくとも40%のトランスレスベラトロール、少なくとも50%のトランスレスベラトロール、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも98%のトランスレスベラトロールを含む。特定の実施形態では、レスベラトロールは日本タデ(Polygonum cuspidatum)の根から抽出された少なくとも50%のトランスレスベラトロール、例えば少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも98%のトランスレスベラトロールを含む。開示組成物において合成トランスレスベラトロールを含む他のトランスレスベラトロールの供給源を用いることができることを意図している。
【0068】
特定の実施形態では、開示抗酸化剤組成物は少なくとも0.1:1(重量:重量)、例えば、0.25:1、0.5:1、0.6:1、0.65:1、0.7:1、0.75:1、0.8:1、0.9:1または1:1(重量:重量)などのマスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比を有する。他の実施形態では、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は10:1(重量:重量)、例えば2:1、3:1、4:1、5:1、7.5:1または9:1(重量:重量)などであってもよい。特定の実施例では、開示抗酸化剤組成物は0.75:1(重量:重量)のマスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比を有する。
【0069】
特定の実施形態では、開示抗酸化剤組成物は0.2:1〜50:1(重量:重量)、例えば0.5:1、1:1、5:1、10:1、15:1、20:1、22:1、25:1、30:1、35:1、40:1、または45:1(重量:重量)などの範囲内のマスカダイン搾りかす抽出物:トランスレスベラトロールの比を有する。
【0070】
いくつかの実施形態では、抗酸化活性を有する開示組成物はポリフェノール1mg当たり少なくとも21μモルのトロロックス当量(μモルTE/mgポリフェノール)、例えば少なくとも22μモルTE/mgポリフェノール、少なくとも24μモルTE/mgポリフェノール、少なくとも26μモルTE/mgポリフェノール、少なくとも28μモルTE/mgポリフェノール、または少なくとも30μモルTE/mgポリフェノールなどの総ORACを有する。1つの実施例では、開示組成物は24μモルTE/mgポリフェノールの総ORACを有する。
【0071】
開示組成物は、いくつかの実施例では、エルダーベリー抽出物、紫ニンジン抽出物、賦形剤(例えばグリセリン、ソルビトール、コロイド状二酸化ケイ素、または天然香料添加剤など)またはその混合物をさらに含むことができる。例えば、組成物に色をつけるため、またはさらなる抗酸化活性のため、エルダーベリー抽出物および紫ニンジン抽出物を含めることができる。
【0072】
特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物(ポリフェノール含有量約4〜5%)を総組成物の23%〜32%(例えば、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%または32%)、トランスレスベラトロールを総組成物の1.2%〜3.0%(例えば1.3%、1.5%、1.7%、1.9%、2.1%、2.3%、2.5%、2.7%、または2.9%)、紫ニンジン抽出物を総組成物の0.12%〜0.20%(例えば0.12%、0.14%、0.16%、0.18%、または0.20%)、エルダーベリー抽出物を総組成物の0.4%〜0.6%(例えば、0.4%、0.45%、0.5%、0.55%、または0.6%)、ソルビトールを総組成物の50%〜61%(例えば、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、または60%)、99.7%グリセリン組成物を総組成物の8%〜12%(例えば、8%、9%、10%、11%、または12%)、コロイド状二酸化ケイ素を総組成物の1%〜2%(例えば1.2%、1.5%、1.7%または2%)含む。他の特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物(液体重量に基づきマスカダインポリフェノール2%〜14%含有)を総組成物の8%〜60%およびトランスレスベラトロールを総組成物の1.2%〜3.0%含む。
【0073】
より特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物を総組成物の28%〜30%、レスベラトロールを総組成物の1%〜2%、紫ニンジン抽出物を総組成物の0.1%〜0.2%、エルダーベリー抽出物を総組成物の0.4%〜0.5%、ソルビトールを総組成物の53%〜56%、99.7%グリセリン組成物を総組成物の9%〜11%、コロイド状二酸化ケイ素を総組成物の1.5%〜2%、Concordブドウ抽出物を1%〜2%、Cabernetブドウ抽出物を0.1%〜0.2%および赤ブドウ粉末を約0.4〜0.5%含む。
【0074】
さらにより特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物(ポリフェノール含有量4.1%)を総組成物の約28.9%、レスベラトロールを総組成物の約1.65%、紫ニンジン抽出物を総組成物の約0.16%、エルダーベリー抽出物を総組成物の約0.48%、ソルビトールを総組成物の約54.8%、99.7%グリセリン組成物を総組成物の約10%、コロイド状二酸化ケイ素を総組成物の約2%、Concordブドウ抽出物を約1.27%、Cabernetブドウ抽出物を約0.16%および赤ブドウ粉末を約0.48%含む。
【0075】
別の特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす抽出物を総組成物の23%〜25%、レスベラトロールを総組成物の1%〜2%、紫ニンジン抽出物を総組成物の0.1%〜0.2%、エルダーベリー抽出物を総組成物の0.4%〜0.5%、ソルビトールを総組成物の58%〜61%、99.7%グリセリン組成物を総組成物の9%〜11%、コロイド状二酸化ケイ素を総組成物の1.5%〜2%、Concordブドウ抽出物を1%〜2%、Cabernetブドウ抽出物を0.1%〜0.2%および赤ブドウ粉末を約0.4〜0.5%含む。
【0076】
別のさらにより特定の実施例では、組成物はマスカダイン搾りかす液体抽出物(ポリフェノール含有量5%)を総組成物の約23.77%、レスベラトロールを総組成物の約1.65%、紫ニンジン抽出物を総組成物の約0.16%、エルダーベリー抽出物を総組成物の約0.48%、ソルビトールを総組成物の約60.05%、99.7%グリセリン組成物を総組成物の約10%、コロイド状二酸化ケイ素を総組成物の約2%、Concordブドウ抽出物を約1.27%、Cabernetブドウ抽出物を約0.16%および赤ブドウ粉末を約0.48%含む。
【0077】
開示組成物のいずれかを非飲料食品、飲料、または液体もしくは固体栄養補助食品として提供することができる。いくつかの実施例では、開示組成物を飲料として提供する。本明細書における組成物(とくに食品、飲料および栄養補助食品組成物)は1つ以上の栄養素、とくに1つ以上のビタミンおよび/またはミネラルで強化することができる。ビタミンおよびミネラルについて米国の1日当たり推奨摂取量(USRDI)は1日当たり推奨栄養所要量・食品栄養委員会、全米科学アカデミー・米国学術研究会議において規定および説明されている。本明細書においてとくに指定のない限り、所定のミネラルが製品中に存在する場合、製品はこうしたミネラルのUSRDIの少なくとも約1%、例えば少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約150%からなる。本明細書においてとくに指定のない限り、所定のビタミンが製品中に存在する場合、製品はこうしたビタミンのUSRDIの少なくとも約1%、例えば少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約100%、少なくとも約150%からなる。添加するビタミンおよびミネラルの量は製剤中の他の成分の加工および濃縮によって決まり得る。
【0078】
こうしたビタミンおよびミネラルの非限定的実施例としては鉄、亜鉛、銅、カルシウム、リン、ナイアシン、チアミン、葉酸、パントテン酸、ヨウ素、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB2、ビタミンB3、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKが挙げられる。ビタミンおよびミネラルの市販の供給源を本組成物に含んでもよい。
【0079】
例えば、食用製品中に含むのに適したこれらミネラルのいずれかの可溶性塩、例えば、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、ヨウ化カリウム、硫酸銅、グルコン酸銅、およびクエン酸銅を用いることができる。カルシウムの供給源としては、例えば、アミノ酸キレートカルシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、クエン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、カルシウムチトレート、グルコン酸カルシウム、カルシウムリアレート、カルシウムタントレート、および乳酸カルシウム、とくにクエン酸リンゴ酸カルシウムを挙げることができる。本明細書で用いるように、「ビタミンA」としてはレチノール、βカロチン、パルミチン酸レチノール、および酢酸レチノールが挙げられるが、これらに限定されない。ビタミンAは、例えば、オイル、ビードレットまたはカプセル形態とすることができる。カプセル型アスコルビン酸およびアスコルビン酸の食用塩を用いることもできる。ヨウ素の供給源としてはヨウ素含有塩、例えばヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、またはその混合物が挙げられる。これらの塩はカプセルに入れてもよい。鉄の許容可能な形態は当技術分野で周知である。組成物に組み入れる鉄化合物の量は最終製品における所望の補給レベルおよび対象消費者によって広く異なるだろう。本開示の鉄強化組成物は通常鉄についてのUSRDIの約5%〜約100%、例えば約15%、約25%、約40%、約50%、約70%、約80%、または約90%を含有する。
【0080】
体は通常第二鉄よりも第一鉄をよく用いる。摂取可能な開示組成物に用いることができる高いバイオアベイラビリティを有する第一鉄塩は硫酸第一鉄、フマル酸第一鉄、コハク酸第一鉄、グルコン酸第一鉄、乳酸第一鉄、酒石酸第一鉄、クエン酸第一鉄、アミノ酸キレート第一鉄、およびこれらの第一鉄塩の混合物である。第一鉄は通常バイオアベイラビリティがより高いが、特定の第二鉄塩も高いバイオアベイラビリティを有する鉄の供給源を提供することができる。本開示の食品または飲料組成物において用いることができる高いバイオアベイラビリティを有する第二鉄塩は第二鉄サッカラート、クエン酸第二鉄アンモニウム、クエン酸第二鉄、硫酸第二鉄、およびこれらの第二鉄塩の混合物である。高いバイオアベイラビリティを有する第一鉄および第二鉄塩の化合物または混合物をこれらの食用ミックスおよびすぐ飲める飲料に用いることができる。これらの高いバイオアベイラビリティを有する第一鉄および第二鉄塩に加えて、バイオアベイラビリティを有する鉄の他の供給源を本開示の食品および飲料組成物に含むことができる。製品を強化するのにとくに適した鉄の他の供給源としては特定の鉄‐糖‐カルボン酸塩錯体が挙げられた。
【0081】
開示組成物に用いることができる亜鉛化合物はよく用いられる形態、例えば、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、アスコルビン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、ピコリン酸亜鉛、アミノ酸キレート亜鉛、および酸化亜鉛のいずれかとすることができる。
【0082】
いくつかの実施例では、食品および飲料組成物は1つ以上の食物繊維を含むこともできる。「食物繊維」とは哺乳動物酵素による分解に耐性がある複合糖質、例えば植物細胞壁および海藻に見られる糖質、および微生物発酵により生成されるものなどを意味する。これらの複合糖質の例はブラン、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、ゴムおよび粘液、海藻抽出物、および生合成ゴムである。セルロース系繊維の供給源としては野菜、果物、種子、穀物、および(例えば、細菌合成による)人工繊維が挙げられる。精製植物セルロースまたはセルロース粉のような市販の繊維を用いることもできる。天然繊維としては柑橘類の全皮、シトラスアルベド、甜菜、柑橘類の果肉および固体集合、リンゴ、アンズ、およびスイカの皮から得られるものが挙げられる。
【0083】
飲料の酸性度は既知および従来の方法、例えば、食品用酸性緩衝剤の使用により必要な範囲に調節およびその内で維持することができる。通常、上記必要な範囲内の飲料の酸性度は微生物抑制のための最大酸性度と所望の飲料の風味のための最適酸性度との間でバランスが保たれる。いくつかの実施例では、飲料組成物は約2〜約8、例えば約2〜約4.5または約2.7〜約4.2のpHを有する。
【0084】
有機および無機食用酸を用いて飲料組成物のpHを調節してもよい。酸はそれらの未解離形態で、または代わりにそれらの各塩、例えばリン酸水素カリウムもしくはナトリウム、リン酸二水素カリウムもしくはナトリウムとして存在することができる。いくつかの実施例では、酸としてはクエン酸、リンゴ酸、フマル酸、アジピン酸、リン酸、グルコン酸、酒石酸、アスコルビン酸、酢酸、ピルビン酸、またはその混合物が挙げられる。酸味料もまた抗酸化剤として働き、飲料成分を安定させることができる。よく用いられる抗酸化剤の例としてはアスコルビン酸、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、およびその塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
(D.抗酸化活性を有するマスカダイン組成物の製造方法)
抗酸化活性を有するマスカダイン搾りかす抽出物組成物の製造方法についても開示する。本組成物は当業者に周知の方法によって製造することができる。一般に、組成物はすべての成分を単独でまたは適切に組み合わせて、すべての成分が可溶化または十分に分散するまで必要に応じて機械的撹拌器で撹拌しながら水中で溶解、分散、またはそうでなければ混合することにより調製することができる。必要に応じて、すべての個別の溶液を混合してもよい。貯蔵安定性のある組成物が望ましい場合、最終混合物は任意に殺菌または適当なプロセス条件下で無菌充填することができる。
【0086】
これらの方法は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%(例えば少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%または少なくとも99%など)の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源からのレスベラトロールの混合を含むことができるが、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は0.1:1〜10:1(重量:重量)の範囲内であり、これにより抗酸化活性を有するマスカダイン搾りかす抽出物およびトランスレスベラトロールの混合物を提供する。開示方法はマスカダイン搾りかす抽出物のトランスレスベラトロールとの混合前にマスカダイン搾りかす抽出物の調製をさらに含むことができる。
【0087】
1つの特定の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物の調製は銅マスカダイン搾りかす抽出物の紫マスカダイン搾りかす抽出物との混合を含む。他の実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物の調製は銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすの混合物の同時抽出を含む。特定の実施例では、開示組成物中に含まれるマスカダイン搾りかす抽出物を本明細書に開示する方法によって調製する。しかしながら、マスカダイン搾りかす抽出物が粉砕、押圧、抽出、ろ過(数回)、および抽出物の減圧蒸発による濃縮、冷凍によるものを含む当技術分野で既知の方法によって調製することができることを意図している。1つの実施例では、抽出プロセスには水のみを用い、追加成分、例えば、溶媒、担体、または防腐剤は抽出物自体には加えない。プロセスは他の分子、例えば糖類の大部分の存在を低減させながらポリフェノール化合物を保護する条件下で行う。他の実施例では、抽出プロセスにエタノールまたはエタノールおよび水の混合物を用いる。特定の実施例では、抽出プロセスは浄化または抽出促進のための酵素の使用をさらに含むことができる。例えば、これらの用途にAspergillus nigerからの酵素のブレンド物またはペクチナーゼを用いることができる。市販の例としてはScott LaboratoriesからのScottzyme KSおよびScottzymePEC5Lが挙げられる。
【0088】
他の実施例では、開示組成物は少なくとも2%の総フェノール濃度を有するマスカダイン搾りかす抽出物を用いて調製する。例えば、市販されている少なくとも2%の総フェノール濃度を有するマスカダイン抽出物を用いて抗酸化活性を有する開示組成物を調製することができる。
【0089】
特定の実施例では、抗酸化活性を有する組成物の調製方法はマスカダイン搾りかす抽出物およびレスベラトロールのエルダーベリー抽出物、紫ニンジン抽出物、賦形剤(例えばグリセリン、ソルビトール、コロイド状二酸化ケイ素、または天然香料添加剤など)またはその混合物との混合をさらに含むことができる。特定の実施例では、その方法は総組成物の23%〜32%のマスカダイン搾りかす抽出物(ポリフェノール含有量約4〜約5%)の、総組成物の1.2%〜3.0%のトランスレスベラトロール、総組成物の0.12%〜0.20%の紫ニンジン抽出物、総組成物の0.4%〜0.6%のエルダーベリー抽出物、総組成物の50%〜61%のソルビトール、総組成物の8%〜12%の99.7%グリセリン組成物、および総組成物の1%〜2%のコロイド状二酸化ケイ素との混合を含む。
【0090】
より特定の実施例では、その方法は総組成物の約28.9%のマスカダイン搾りかす抽出物(ポリフェノール含有量4.1%)の総組成物の約1.65%のレスベラトロール、総組成物の約0.16%の紫ニンジン抽出物、総組成物の約0.48%のエルダーベリー抽出物、総組成物の約54.8%のソルビトール、総組成物の約10%の99.7%グリセリン組成物、総組成物の約2%のコロイド状二酸化ケイ素、約1.27%のConcordブドウ抽出物、約0.16%のCabernetブドウ抽出物、および約0.48%の赤ブドウ粉末との混合を含む。
【0091】
別のより特定の実施例では、その方法は総組成物の約23.77%のマスカダイン搾りかす液体抽出物(ポリフェノール含有量5%)の総組成物の約1.65%のトランスレスベラトロール、総組成物の約0.16%の紫ニンジン抽出物、総組成物の約0.48%のエルダーベリー抽出物、総組成物の約60.05%のソルビトール、総組成物の約10%の99.7%グリセリン組成物、総組成物の約2%のコロイド状二酸化ケイ素、約1.27%のConcordブドウ抽出物、約0.16%のCabernetブドウ抽出物、および約0.48%の赤ブドウ粉末との混合を含む。
【0092】
すぐ飲める組成物の製造において、飲料濃縮物を任意にまず形成してもよい。飲料組成物の濃縮形態を調製する1つの方法は飲料組成物の調製に用いる必要な量よりも少ない水で開始することである。別の方法は最終調製飲料組成物を部分的に脱水し、水および存在するその他の揮発性液体の一部のみを除去することである。脱水は減圧蒸発のような周知の方法に従って達成することができる。濃縮物は比較的濃厚な液体の形態とすることができる。シロップは通常電解質または乳剤のような適切な成分を飲料濃縮物に添加することにより形成する。次にシロップを水と混合して最終飲料または最終飲料濃縮物を形成する。
【0093】
開示組成物の本質的に乾燥した混合物は適当な量および比のすべての必要な乾燥成分を一緒にブレンドすることにより調製することができる。代わりに、最終調製飲料組成物を脱水して飲料組成物の本質的に乾燥した混合物を得ることができる。例えば、粉末、顆粒またはタブレットとしての本質的に乾燥した組成物は後で適当な量の炭酸または非炭酸水中に溶解して飲める最終飲料を製造することも、水とともに服用することもできる。
【0094】
食品形態としては、開示組成物はいずれかの任意の形態、例えば顆粒状、粒状、ペースト状、ジェル状、固体状、または液状に製剤することができる。これらの形態では、様々な追加物質、例えば結合剤、崩壊剤、増粘剤、分散剤、再吸収促進剤、風味剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、防腐剤、乳化剤、等張剤、安定剤、またはpH調節剤を含むことができる。特定の実施例では、開示組成物を(これに限定されないが、皮膚の質の改善を含む)健康維持のための食品、機能性食品、等として用いる場合、本組成物および抽出物(例えば、マスカダイン搾りかす抽出物、レスベラトロール、紫ニンジン抽出物およびエルダーベリー抽出物)の有効成分は本開示の所定の効果が抗酸化活性をもたらすには十分であると見られる量を含有することが好ましい。
【0095】
(E.細胞老化の抑制(例えば予防)方法およびキット)
本明細書において開示組成物は向上した親油性抗酸化活性を有することを示す。酸化ストレスが通常の老化の根底にある中心的メカニズムであることは知られている。親油性抗酸化剤が様々な種類の皮膚へのダメージを抑制することができることもまた知られている。これらの観測結果に基づき、例えばフリーラジカル生成または活性の抑制または低減など、細胞老化の抑制方法について開示する。1つの実施例では、その方法は細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを抑制または低減するのに十分な抗酸化活性を有する開示組成物の用量のその必要とする対象への投与を含む。例えば、細胞老化に関連する1つ以上のプロセスの抑制は組成物を服用する対象におけるフリーラジカル形成または活性の低減または抑制を含む。
【0096】
いくつかの開示実施形態では、その方法は本明細書に記載するような銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすから得られるマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物を含む摂取可能な組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、マスカダイン搾りかす抽出物中の銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は0.1:1〜10:1(重量:重量)、例えば0.3:1〜3:1(重量:重量)などの範囲内である。例えば、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.75〜:約1(重量:重量)、2.5:約1(重量:重量)、約2.25:約1(重量:重量)、約2:約1(重量:重量)、約1.5:約1(重量:重量)、または約1:約1(重量:重量)である。本明細書で用いるように、「約」の語は±0.5と定義する。特定の実施例では、銅マスカダイン搾りかす抽出物:紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.25:約1(重量:重量)である。
【0097】
特定の実施形態では、経口投与マスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有する。例えば、ポリフェノール含有量は少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、または少なくとも14%である。特定の実施例では、マスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物は約4%のポリフェノール含有量を有する。
【0098】
いくつかの実施形態では、その方法はマスカダイン搾りかす抽出物およびこれに限定されないがレスベラトロールを含む他の追加成分を含む摂取可能な組成物の投与を含む。いくつかの実施例では、その方法は約0.75:1(重量:重量)のマスカダインポリフェノール:レスベラトロールの比を有する経口組成物の投与を含む。他の実施例では、その方法は少なくとも総組成物の8%〜60%のマスカダイン搾りかす抽出物(マスカダインポリフェノール含有量、液体重量に基づき2%〜14%、例えば4%、6%、8%、10%または12%)および総組成物の1.2%〜3.0%のトランスレスベラトロールを含む組成物の投与を含む。
【0099】
さらなる実施形態では、その方法は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン搾りかす抽出物および少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源(例えば日本タデの根抽出物など)からのレスベラトロールを含む経口組成物の投与を含むが、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は0.1:1〜10:1(重量:重量)の範囲内であり、これにより(これに限定されないが、皮膚の質の改善を含む)細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを抑制または低減するのに十分な抗酸化活性を有する組成物を提供する。特定の実施例では、その方法は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有するマスカダイン(Vitis rotundifolia)搾りかす抽出物および少なくとも5%の最低純度を有するマスカダイン以外の供給源(例えば日本タデの根抽出物など)からのレスベラトロールを含む組成物の投与を含むが、マスカダイン搾りかす抽出物:レスベラトロールの比は0.2:1〜50:1(重量:重量)、例えば5:1〜50:1(重量:重量)または20:1〜50:1(重量:重量)などの範囲内であり、これにより抗酸化活性を有する組成物を提供する。いくつかの実施例では、組成物はポリフェノール1mg当たり少なくとも24μモルのトロロックス当量(μモルTE/mgポリフェノール)の総ORACを有する。
【0100】
他の実施形態では、その方法はマスカダイン搾りかす抽出物を単独でまたはこれに限定されないがレスベラトロールを含む追加有効成分と組み合わせて含有する溶液または局所軟膏を塗布することにより皮膚細胞におけるフリーラジカル形成または活性を抑制または低減することによる皮膚の質の改善を含む。1つの実施例では、溶液または局所軟膏はレスベラトロールを含まない開示マスカダイン搾りかす抽出物を含む。別の実施例では、溶液または局所軟膏はマスカダインポリフェノール:レスベラトロールの比が約0.75:1(重量:重量)となるマスカダインポリフェノール濃度を含むマスカダイン搾りかす抽出物のように開示マスカダイン搾りかす抽出物およびレスベラトロールの両方を含む。その方法は臨床医学者または他の医療サービス提供者が行うことができる。その方法は家庭用にも設計されている。その方法は老化に関連する皮膚の変化の外観を緩和し、ヒトの皮膚のしわを目に見えて緩和し、皮膚の質感を向上することができる。抗酸化活性を有する(経口または軟膏を含む)開示組成物またはマスカダイン抽出物および1つ以上の追加老化防止組成物、例えば1つ以上の追加抗酸化剤などを含むことができる皮膚の質を改善するための組成物およびキットも提供する。
【0101】
本明細書で提供する方法を用いて皮膚表面(例えば、皮膚の表皮)を治療することができる。治療することができる皮膚表面としては眼窩骨膜、唇、頬、鼻唇溝、額、首、上唇しわ、腹、背中、胸、手、脚、足、またはその組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。ある実施例では、顔表面の皮膚は本明細書において提供する方法を用いて治療することができる。その方法はいずれの顔面領域および/またはいずれの体表面領域にも適用することができるが、他の周辺の適用領域としては胸と首が挙げられる。同一の治療期間中に1つ以上の皮膚表面を治療することができる。特定の実施例では、開示組成物または抽出物の液体またはクリーム形態を皮膚の表面にわたり均一に塗布し、皮膚上に組成物または抽出物の層を形成する。
【0102】
開示組成物または抽出物は化粧品に通例用いられる追加物質、例えば、香料;抗菌薬;抗菌剤;再脂肪剤;錯化剤および封鎖剤;真珠光沢剤;植物抽出物;ビタミン、例えばレチノールまたはビタミンCなど;活性剤;防腐剤;殺菌剤;界面活性剤、染料、着色剤、顔料、または着色効果を有するいずれかの物質;乳化剤;増粘剤;軟化、湿潤、および/もしくは保湿物質;または化粧品もしくは皮膚製剤の他の共通成分、例えばアルコール、ポリオール、ポリマー、気泡安定剤、電解質、有機溶媒、もしくはシリコーン誘導体などを含むことができる。組成物は機能性添加物、例えば角質溶解薬、酸化剤、日焼け防止剤、および皮膚平滑剤などを含むこともできる。組成物はまた抗酸化剤、例えばジメチルアミノエタノール、アルファリポ酸、およびアスコルビン酸を含む皮膚および下にある皮下組織の脂肪溶解注射治療に有益であるとされる成分を含有してもよい。組成物または抽出物の効果を向上させ得る作用剤、例えば親油性および疎油性浸透促進剤(例えばクエン酸トリエチル、プロピレングリコール、脂肪酸エステル等)も組成物中に含んでもよい。皮膚の血管還流を向上させ得る作用剤、例えばアミノフィリン、またはペントキシフィリンも組成物中に含んでもよい。皮膚のハリおよび弾力性を向上させ、下にある皮下組織構造の収縮または縮小を可能にする作用剤、例えばホスファチジルコリンおよび硫酸デオキシコールも組成物中に含んでもよい。エストリオールおよびテストステロンを含むホルモンの利点をもたらし得る生理学的物質、例えば皮膚への女性ホルモンまたは男性ホルモン刺激物質も組成物中に含んでもよい。
【0103】
開示マスカダイン組成物は1つ以上の防腐剤を含むことができる。防腐剤としては、例えばOpthiphen(商標)(International Specialty Products)、Geogard(登録商標)Ultra(Lonza)、欧州連合化粧品指令に記載されている防腐剤等、例えばホルムアルデヒド供与体(例えば、LonzaからGLYDAN(登録商標)の商号で市販されているDMDMヒダントインなど)、ブチルカルバミン酸ヨードプロピル(例えば、LONZA(商標)からGLYCACIL‐S(商標)および/またはJan DekkerからDEKABEN LMB(商標)の商号で市販されているもの)、パラベン(例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、および/またはブチルパラベンのようなp-ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル)、フェノキシエタノール、エタノール、安息香酸、およびサリチル酸などが挙げられる。防腐系はオクトキシグリセリンまたはグリシンソヤのような防腐補助剤をさらに含むことができる。他の防腐剤または防腐補助剤としてはジブロモシアノブタン(2-ブロモ-2-ブロモメチルグルタロジニトリル)、ブチルカルバミン酸3-ヨード-2-プロピニル、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、イミダゾリジニルウレア、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-クロロアセトアミド、塩化ベンザルコニウム、およびベンジルアルコールが挙げられる。
【0104】
組成物は水溶性調整剤のような1つ以上の調整剤を含むこともできる。他の調整剤としては、例えば、化粧品原料の国際命名法(INCI)に従ってポリクオタニウムと称される化合物、とくにポリクオタニウム‐1〜ポリクオタニウム‐56が挙げられる。
【0105】
組成物は柔らかいチューブ、広口瓶、瓶、ポンプ、缶、スプレー缶もしくはスプレー瓶またはその他の既知の容器から投薬することができる。
【0106】
本明細書において家庭でまたは臨床医学者により用いられる皮膚の質を改善するマスカダイン搾りかす抽出物組成物およびキットについても開示する。1つの実施例では、このキットは臨床医学者または美容師が用いるのに適している。こうした実施例では、キットは組成物を塗布するのを補助する塗布器さらに含むことができる。一般にキットは使用説明書も含む。これらの説明書は書面または電子装置、例えばコンピュータ、CDプレーヤー、MP3プレーヤーもしくはDVDプレーヤー等で用いるデジタル形式(例えば、ビデオテープ、DVDまたはCD)とすることができる。別の実施例では、キットは家庭で用いるのに適している。キットはスポンジまたは布のような組成物を塗布するための塗布器を含むことができる。代わりに、1本以上の指を用いて組成物を塗布することができる。一般に、キットは使用説明書も含む。これらの説明書は書面または電子装置、例えばコンピュータ、CDプレーヤー、MP3プレーヤーもしくはDVDプレーヤー等で用いるデジタル形式(例えば、ビデオテープ、DVDまたはCD)とすることができる。
【0107】
いくつかの実施例では、キットは開示組成物または抽出物のうちの1つおよび別の抗酸化剤(例えば、ビタミンC、ビタミンE、セレンおよび/またはベータカロチン)のような1つ以上の追加老化防止化合物を2つの別々の容器中にまたは単一容器中に単一組成物として含む。1つの実施例では、組成物または抽出物を対象皮膚領域に塗布する。1つの特定の非限定的実施例では、マスカダイン搾りかす抽出物老化防止キットは家庭人が次のとおり用いることができる。まず、組成物または抽出物の測定量をスポンジまたは布のような塗布器を用いることにより、または1本以上の指を用いることにより皮膚表面に塗布し、皮膚表面上の組成物または抽出物の均一な層を提供する。組成物または抽出物は皮膚表面に受動的に吸収されるように特定の時間放置するか、皮膚表面による組成物/抽出物の吸収は組成物を指先で皮膚表面に優しく擦り込むことにより促進することができる。一般に、通常のスキンケア法、例えば化粧品の塗布および追加保湿剤の塗布などはマスカダイン搾りかす組成物/抽出物の塗布後に再開することができる。
【0108】
このプロセスは記載するように1日2回、毎日、1日おきに、週2回、毎週、隔週、もしくは毎月、またはその他の間隔、例えば3〜5日に1回などで行うことができる。皮膚の質の改善は自然または本来の老化に関連する皮膚の変化の逆行、その進行の遅延、または予防を含む。本明細書で用いるように、予防およびその変化形とは皮膚の変化の開始のある程度の遅延を指す。例えば、皮膚の質の改善はフリーラジカル形成および活性に関連する皮膚の変化の逆行、その進行の遅延、または予防を含む。1つの実施例では、皮膚の質の改善は日焼けによるダメージまたは紫外線による老化―日光または他の形態の化学線(例えば、紫外線および日焼け室)を浴びることに関連する皮膚へのダメージに関連する皮膚の変化の逆行、その進行の遅延、または予防を含む。別の実施例として、皮膚の質の改善はこれらに限定されないが放射線、大気汚染、風、寒さ、湿気、熱、化学物質、煙、喫煙、およびその組み合わせを含む外部要因に起因する皮膚の変化の逆行、その進行の遅延、または予防も含むことができる。皮膚の質の改善は例えば、特定の皮膚状態(例えば、にきび)、感染症(例えば、リーシュマニア症)、または傷害(例えば、擦傷、刺傷、裂傷、または外科創傷)によって生じ得る瘢痕の逆行、予防または緩和も含むことができる。皮膚の改善としては顔の線を目立たなくすること、顔の線および/またはしわの感触をふっくらさせること、眼窩下の線および/または眼窩周囲の線の外観の改善、目じりのしわの外観の改善、しわ、とくに頬、額(例えば、目の間の垂直のしわ、目の上の水平のしわ)、および/または口のまわりの顔のしわ、とくに深いしわ、ひだ、または屈曲線の外観の緩和および/または軽減、皮膚の柔らかさの向上、細いおよび/または深い線、ひだおよび屈曲線の緩和および/または除去、ならびに皮膚を滑らかにすることのうち少なくとも1つを含むこともできる。皮膚の質の改善を測定する方法は当技術分野で知られている。例えば、米国特許第6,866,856号および第6,682,763号参照。
【0109】
本明細書で開示する方法を行い、キットを用いることにより治療可能な皮膚の変化としては、例えば、しわ(これに限定されないがヒトの顔のしわを含む)、屈曲線、深いしわ、ひだおよび細い線、皮膚の線が深くなること、皮膚が薄くなること、瘢痕、皮膚が黄色くなること、斑点形成、色素沈着過度、色素性および/または非色素性しみの外観、ざらつき、弾力性の喪失、跳ね返り性の喪失、コラーゲン繊維の喪失、弾性繊維の異常な変化、真皮の小血管の損傷、太陽光線で増加する皮膚表面上の可視血管の形成、ならびにその組み合わせが挙げられる。
【0110】
皮膚の質の改善としては、上述の皮膚変化の1つ以上の軽減、緩和、および/または最小化が挙げられる。皮膚の質の改善によってより若い外観を有する皮膚をもたらすことができる。皮膚の質の改善によってより滑らかな、潤った(乾燥していない)、またはうろこ状ではない外観を有する皮膚をもたらすことができる。例えば、特定の実施形態では、皮膚の質の改善は凹凸、乾燥、またはうろこ状の緩和を含むことができる。皮膚の質の改善は線およびしわの消失および改善、ハリ、および弾力性の向上、ならびに所望の持ち上げるおよび引き締める効果が見られることを含む。
【0111】
柔らかさ、しなやかさ、および滑らかさを含む皮膚の質感を向上させることができ、つや、透明度、明るさを向上させる。主観的および客観的に測定することができる重要な追加の皮膚の質としては皮膚の弛緩、または反対に皮膚のつっぱり、ならびに皮膚内の質感的な細い線および粗い線の存在および程度が挙げられるが、これに限定されない。
【0112】
これらは外観(例えば、皮膚の老化)の外的態様により判断される質である。本明細書で開示する治療方法およびキットによるこれらの質の改善は外観に目で見てわかる利益をもたらす。本明細書で開示する方法による皮膚の質の変化は皮膚の老化の外観を和らげる。
【0113】
所望の利点は皮膚に対する生理的利点のみならず、化学的予防または光線力学療法の向上による可能性のある悪性腫瘍の予防および治療のような治療的および薬理学的利点を含む。利点はまた脂腺活性を抑制する組成物を含むことによりにきび治療および抑制を含んでもよい。
【0114】
(F.医薬組成物)
開示マスカダイン搾りかす抽出物および組成物は少なくとも1つ以上の酸化プロセス、例えば細胞老化のような細胞的事象に関連するフリーラジカル形成などの抑制(例えば予防)に有用であり得る。従って、本明細書において少なくとも1つの開示マスカダイン搾りかす抽出物の単独またはレスベラトロールとの組み合わせからなる医薬組成物についても開示する。
【0115】
医薬組成物の製剤については当技術分野で周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,by E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th Edition,1995は単独のまたはレスベラトロールと組み合わせた少なくとも1つの開示マスカダイン搾りかす抽出物の医薬デリバリーに適した例となる製剤(およびその成分)について記載する。いくつかの実施例では、組成物は紫ニンジンの根抽出物またはエルダーベリー抽出物のような追加作用剤も含む。これらの化合物の少なくとも1つからなる医薬組成物はヒトまたは家畜の医薬用に製剤することができる。開示医薬組成物の特定の製剤は、例えば投与方法(例えば、経口、局所または非経口)および/または治療する症状(フリーラジカル生成または活性)によって決まり得る。いくつかの実施形態では、製剤は少なくとも1つの有効成分、例えばマスカダイン搾りかす抽出物などに加えて薬学的に許容される担体を含む。
【0116】
開示方法および組成物に有用な薬学的に許容される担体は当技術分野の従来のものである。医薬担体の性質は用いる特定の投与方法によって決まるだろう。例えば、非経口製剤は通常媒体として薬学的および生理学的に許容される液体、例えば水、生理的食塩水、平衡塩類溶液、デキストロース水溶液、グリセロール、等を含む注射液からなる。粉末、ピル、タブレット、またはカプセル剤形のような固体組成物について、従来の非毒性固体担体としては、例えば医薬品グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを挙げることができる。生物学的に中性の担体に加え、投与する医薬組成物は任意に少量の非毒性補助物質または賦形剤、例えば湿潤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤等;例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含有することができる。他の非限定的な賦形剤としては非イオン性可溶化剤、例えばクレモフォール、またはヒト血清アルブミンのようなタンパク質などが挙げられる。
【0117】
開示医薬組成物は薬学的に許容される塩として製剤してもよい。薬学的に許容される塩は遊離塩基の所望の薬理活性を有する化合物の遊離塩基形態の非毒性塩である。これらの塩は無機または有機酸から誘導してもよい。適切な無機酸の非限定的な例は塩酸、硝酸、臭化水素酸、硫酸、ヨウ化水素酸、およびリン酸である。適切な有機酸の非限定的な例は酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メチルスルホン酸、サリチル酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、等である。他の適切な薬学的に許容される塩の一覧はRemington’s Pharmaceutical Sciences,19th Edition,Mack Publishing Company,Easton,PA,1995に記載されている。薬学的に許容される塩はまた組成物の浸透圧を調節する働きをしてもよい。
【0118】
開示医薬組成物の剤形は選択する投与方法により決まるだろう。例えば、経口剤形を用いてもよい。経口製剤はシロップ、溶液もしくは懸濁液のような液体または粉末、ピル、タブレット、もしくはカプセルのような固体であってもよい。こうした剤形の調製方法については本明細書で開示するか、当業者には理解されるだろう。
【0119】
開示化合物からなる医薬組成物の特定の実施形態は正確な用量の個別の投与に適した単位剤形で製剤してもよい。投与する有効成分の量は治療する対象、疾患の重症度、および投与方法によって決まり、当業者には知られている。これらの範囲内で、投与する製剤は本明細書で開示する抽出物または化合物の治療する対象において所望の効果を達成するのに効果的な量を含有するだろう。特定の実施例では、経口投与用に組成物を約75mgのマスカダイン搾りかす抽出物ポリフェノールおよび100mgのトランスレスベラトロールを含有する液体の形態で提供する。他の実施例では、経口投与用に組成物を治療する対象に対する用量の症候性調節について約1.0〜約500mgの有効成分、とくに約10.0mg、約50mg、約100mg、約150mg、約175mg、約200mg、約210mg、約225mg、約250mg、約300mg、約400mgまたは約500mgの有効成分を含有するタブレットの形態で提供する。1つの例となる経口剤の用法用量では、約1mg〜約500mg(例えば約150mg〜約225mgなど)の有効成分を含むタブレットを少なくとも毎日1回投与する。他の実施例では、約1mg〜約500mg(例えば約150mg〜約225mgなど)の有効成分を含有するタブレットを少なくとも週1回、例えば週少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、もしくは少なくとも6回または毎日投与する。
【0120】
(G.開示抽出物および組成物の投与)
開示組成物および抽出物のいずれかの投与方法は決まっている。例えば、開示組成物(例えば老化に関連する1つ以上のプロセスを予防または低減する抗酸化活性を有する組成物を含むものなど)を注射によって、腫瘍内、経口、局所、経皮、非経口、または吸入もしくはスプレーによって投与することができる。特定の実施例では、組成物を非飲料食品、飲料または栄養補助食品の形態でヒトのような哺乳類対象に経口投与する。別の実施例では、組成物をヒトのような哺乳類対象の皮膚表面に局所投与する。
【0121】
投与する作用剤の治療に効果的な量は所望の効果および治療する対象によって異なり得る。1つの実施例では、その方法は少なくとも1mgの組成物の対象(ヒト対象)への連日投与を含む。例えば、ヒトには組成物を毎日少なくとも1gまたは少なくとも10g、例えば毎日1g〜5g、毎日5g〜10g、例えば毎日7gなど投与することができる。1つの実施形態では、対象にマスカダイン搾りかす抽出物およびレスベラトロールを含む組成物を少なくとも5g投与する。他の実施例では、対象にこうした組成物を少なくとも6.3g経口投与する。用量は分割して(例えば1日当たり2、3、または4回などに分割して)投与することも、毎日単一用量で投与することもできる。
【0122】
特定の実施例では、対象に治療組成物(例えばレスベラトロールおよびマスカダイン抽出物を含む開示老化防止健康補助食品など)を連日投与スケジュールに基づいて、例えば少なくとも2日連続、10日連続、等、例えば数週、数か月または数年の期間投与する。1つの実施例では、対象に治療組成物(例えばレスベラトロールおよびマスカダイン抽出物を含む開示老化防止健康補助食品など)を少なくとも30日、例えば少なくとも2か月、少なくとも4か月、少なくとも6か月、少なくとも12か月、少なくとも24か月、または少なくとも36か月の期間毎日投与する。
【0123】
治療組成物、例えばトランスレスベラトロールおよびマスカダイン搾りかす抽出物またはマスカダイン搾りかす抽出物を単独で含む開示老化防止健康補助食品などは1つ以上の生物活性または不活性化合物(または両方)、例えば追加抗酸化剤および従来の薬学的に許容される非毒性担体などをそれぞれさらに含むことができる。特定の実施例では、治療組成物は1つ以上の生物不活性化合物さらに含む。こうした生物不活性化合物の例としては担体、増粘剤、希釈剤、緩衝剤、および防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。これらの製剤に有用な薬学的に許容される担体は従来のものである(Remington’s Pharmaceutical Sciences,by E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th Edition(1995)参照)。一般に、担体の性質は用いる特定の投与法によって決まるだろう。例えば、非経口製剤は媒体として薬学的および生理学的に許容される液体、例えば水、生理的食塩水、平衡塩類溶液、デキストロース水溶液、グリセロール等を含む注射液を含むことができる。固体組成物(例えば、粉末、ピル、タブレット、またはカプセル型)について、従来の非毒性固体担体としては、例えば医薬品グレードのマンニトール、乳糖、デンプン、またはステアリン酸マグネシウムを挙げることができる。生物学的に中性の担体に加え、投与する医薬組成物は少量の非毒性補助物質、例えば湿潤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤等、例えば酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートを含むことができる。
【0124】
本開示は細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを予防または抑制する開示組成物および抽出物のいずれかを用いて詳細な説明を提供したが、開示組成物および抽出物は細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを予防または抑制する抗酸化剤としてのみならず、酸化ストレスに関連するいずれかの疾患を治療するために用いることができることを意図している。例えば、本抽出物および組成物を用いて慢性炎症性疾患、例えば糖尿病、癌、アテローム性動脈硬化症および他の循環器疾患など、ならびに変性疾患、例えばアルツハイマー病およびパーキンソン病などの発症に関連する酸化ストレスを低減、予防または治療することができることを意図している。
【0125】
本開示の内容を以下の非限定的実施例によりさらに説明する。
【実施例1】
【0126】
(マスカダイン搾りかす抽出物中のエラグ酸溶解性の測定)
この実施例は銅:紫の搾りかす抽出物の各種比の効果をエラグ酸溶解性について示す。
【0127】
別々の発酵した銅および紫の搾りかす抽出物を加熱した後、表1に示す比で総量100mlsに混合した。
【0128】
【表1】

【0129】
別々の銅および紫の搾りかす抽出物の濃縮を行わなかったので、得られる抽出物混合物は1倍濃度であった。1倍濃度は通常約2%の固体溶液(乾燥抽出物2グラムに相当する溶液100グラム)を含んでいた。各比のおよそ20ミリリットルをそれぞれのガラス試験管中に移し、ホイルでふたをした。試料を30分間85℃で加熱した後、熱源から取り外し、室温に戻した。次に試料を品質管理基準内の0.45μmPTFEフィルターに通してろ過し、HPLC/MSによって分析し、それらのエラグ酸含有量を測定した。別々の銅および紫マスカダイン搾りかす抽出物も同様のプロセスによって分析し、銅および紫の両方の搾りかす抽出物中のエラグ酸の基礎値を測定し、紫の搾りかす抽出物中のアントシアニン含有量を測定した。次に試料中のエラグ酸の総面積を逆相HPLCによりイオントラップ型質量検出器によって254nmでUV‐VISタンデム検出し、[M‐H]=301amuで抽出イオンクロマトグラム(EIC)を用いて測定した。
【0130】
固体40%の銅/紫の搾りかす抽出物を各種比に調製するため、別々の1倍の銅および紫マスカダイン搾りかす抽出物を粉末形態まで乾燥させ、水でもどして40%の固体を含有する液体を生成した。次にこれらの2つの別々の溶液を容積ではなく重量(wt)によって各種比に混合した。評価した各種比を表2Aおよび2Bに示す。
【0131】
【表2A】

【0132】
【表2B】

【0133】
各比のおよそ10ミリリットルをそれぞれのガラス試験管中に移し、ホイルでふたをした。試料を30分間85℃で加熱した後、熱源から取り外し、放置して室温に戻した。次に試料を品質管理基準内の0.45μmPTFEフィルターに通してろ過し、HPLC/MSによって分析し、それらのエラグ酸含有量を測定した。別々の銅および紫マスカダイン搾りかす抽出物も同様のプロセスによって分析し、銅および紫両方の搾りかす抽出物中のエラグ酸の基礎値を測定し、紫の搾りかす抽出物中のアントシアニン含有量を測定した。有効な試験方法C2505を用い、試料中のエラグ酸の総面積を[M‐H]=301amuで抽出イオンクロマトグラム(EIC)を用いてイオントラップ型質量検出器でタンデム測定した。
【0134】
これらの研究は65%:35%の銅:紫の搾りかす抽出物(体積:体積)比が1倍濃縮濃度での2つの搾りかす抽出物の混合物中のエラグ酸最大溶解性を促進するのに十分であることを見出した。さらに、固体濃度40%では、エラグ酸の溶解性は混合物中の紫マスカダイン搾りかす抽出物の含有量が増加するにつれて増加し続けた。これらの結果は固体濃度40%では、固体形態中に存在するエラグ酸の量が大きいほど混合物中に存在するすべてのエラグ酸を完全に溶解させるのに要する紫の搾りかす抽出物の含有量は高くなることを示す。これらの研究はまた紫マスカダイン搾りかす抽出物中に含まれるアントシアニンが銅マスカダイン搾りかす抽出物中に含まれるエラグ酸の溶解性に影響を与えることを示し得る。
【実施例2】
【0135】
(老化防止栄養補助食品およびその調製)
この実施例は細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを予防または抑制するために服用することができる栄養補助食品を提供する。
【0136】
開示老化防止栄養補助食品を表3aまたは表3bに示す処方に従って調製した。
【0137】
【表3a】

【0138】
【表3b】

【0139】
栄養補助食品は用量に関する説明書を含む。説明書は5ミリリットルの栄養補助食品(およそ小さじ1杯)を老化防止健康補助食品として、例えば細胞老化に関連する1つ以上のプロセスを抑制するため、毎日食前に服用することができることを示す。
【実施例3】
【0140】
(マスカダイン搾りかす抽出物および日本タデの根抽出物の混合物ならびに老化防止健康補助食品の抗酸化能)
この実施例は酸素ラジカル吸収能(ORAC)アッセイにより測定するように日本タデ抽出物およびマスカダイン搾りかす抽出物を含有する混合物および健康補助食品の向上した抗酸化能を示す。
【0141】
2つの植物抽出物の抗酸化能を別々にまたは混合物もしくは栄養補助食品中で混合し、ORACアッセイを用いて評価した。このアッセイは広範囲の食品および飲料の抗酸化能を測定するのに用いられ、米国農務省(USDA)のORACデータベースに含まれるデータの中心である。親水性抗酸化能および親油性抗酸化能の両方をこの試験により測定することができる。
【0142】
試料(1)最低98%トランスレスベラトロール(実際の含有量は100%トランスレスベラトロール)に規格化した乾燥/粉末日本タデの根抽出物;(2)総ポリフェノール含有量14.4%の乾燥/粉末マスカダイン搾りかす抽出物(銅:紫搾りかすの比2:1);(3)1:5.36(質量:質量)比の上記乾燥/粉末日本タデおよび乾燥/粉末マスカダイン搾りかす抽出物(総ポリフェノール含有量は混合物の27.5%、マスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロールの比は0.75:1であった);および(4)実施例2、表3aに示す老化防止健康補助食品を分析した。親水性、親油性および総ORAC値を測定し(総ORAC値は親水性および親油性の値の合計である)、結果をポリフェノール1mg当たりのμモルトロロックス当量(μモルTE/mgポリフェノール)として表す。結果を表4に示す。
【0143】
【表4】

【0144】
表4に示すように、混合物の親水性ORAC測定値は2つの抽出物の相加効果に基づく予測値と近似している。しかしながら、混合物の親油性ORAC測定値は予測相加値よりも5倍大きく、総ORAC値を20%増加させる。組成物について同様の相乗効果が見られ、相加性に基づく予測ORAC値の3倍近くになった。表5は(表4に示すようにポリフェノール1g当たりに対して)物質1g当たりのORAC値で表す結果を示す。表5に示すように、値は物質1g当たりのORACで表すが、親油性抗酸化能の発現におけるマスカダイン搾りかす抽出物および日本タデの根抽出物の混合物ならびに老化防止健康補助食品の相乗効果は維持される。
【0145】
【表5】

【0146】
これらの研究は親油性抗酸化能の発現におけるマスカダイン搾りかす抽出物および日本タデの根抽出物の混合物ならびに老化防止健康補助食品の強い相乗効果を示した。親油性状態において示される選択的相乗効果は予想外であった。従って、本研究結果はORACアッセイにより測定するように日本タデ抽出物およびマスカダイン搾りかす抽出物を含有する混合物のどちらの単独の抽出物と比べても向上した抗酸化能を示す
【実施例4】
【0147】
(抗酸化カプセル製剤および調製)
この実施例はフリーラジカル形成の予防または抑制を含む、1つ以上の酸化プロセスを抑制するのに用いることができる抗酸化カプセル製剤およびその調製を提供する。
【0148】
40%の固体含有量および固体ベースで没食子当量(GAE)として測定した10%のポリフェノール含有量を有する2:1の銅:紫搾りかす比の水性抽出物を以下のように処理した。1.33KgのマルトデキストリンMD100を10Kgの上記搾りかす濃縮物に加えた。混合物をブレンドし、マルトデキストリンを溶解した。その後液体濃縮物を凍結乾燥させ、乾燥物質を得た。乾燥マスカダイン/マルトデキストリン物質の化学値は:(1)総ポリフェノール(%GAE)、NLT7.0%(乾燥ベース);没食子酸(HPLC)、NLT0.3%(乾燥ベース)および遊離エラグ酸(HPLC)、NLT0.15%(乾燥ベース)であった。乾燥マスカダイン/マルトデキストリンの特徴は表6に記載する。
【0149】
【表6】

【0150】
カプセルは個別の原料のバッチ数量を量り分けることにより調製した。原料をComil(登録商標)整粒機に通し、マルトデキストリンを最後に送った。整粒した物質を均質になるまでブレンドした後、カプセル化装置上で0号サイズのツーピースカプセルに充填した。製造する剤形の実施例を表7に記載し、マスカダイン/レスベラトロールカプセル分析結果を表8に示した。
【0151】
【表7】

【0152】
【表8】

【実施例5】
【0153】
(ヒト対象における酸化ストレスの低減)
この実施例はプラセボ制御臨床試験において評価するように実施例4に記載した抗酸化カプセル剤の生体内効果を示す。
【0154】
カプセルはマスカダイン搾りかす抽出物および日本タデ抽出物の混合物を含有し、1回分3カプセル当たりマスカダインポリフェノール75mgおよびトランスレスベラトロール100mgを備えた(表7および8)。食事の摂取は酸化ストレスを急激に増加させ、炎症反応を引き起こすことが知られている。例えば、健康な標準体重のヒトにおいて900kcalのファーストフードの食事の摂取が血中単核細胞(MNC)および多形核白血球(PMN)における活性酸素種(ROS)生成の著しい増加を引き起こすことが示された(Aljada et al.Am.J.Clin.Nutr.79:682〜690,2004)。これらの変化はp47phoxタンパク質のMNC、酵素のサブユニット、NADPH酸化酵素、ROS生成のメディエータの高度発現を伴う。
【0155】
食後酸化ストレスのこのモデルにおける抗酸化カプセル剤の効果を試験するため、10人の健康な対象(年齢37±4才、BMI22.6±0.5kg/m2)の一群に、連続しない2日間、910kcalのファーストフードの食事を食事の10分前に服用する単一用量(3カプセル)の抗酸化製剤またはプラセボ(3カプセル)とともに与えた。血液試料を基準として、ならびに食事摂取の1、3および5時間後に採取した。グルコース、インスリンおよび脂質の血中濃度は各治療後も同様であり、開示抗酸化カプセル剤は食事の消化/吸収を変化させないことを示した。しかしながら、食事摂取の1時間後、開示抗酸化カプセル剤治療はNMC(15%対プラセボ62%)およびPMN(8%対プラセボ64%)の両方におけるROS生成の増加を著しく軽減した。また、食事とプラセボの摂取はMNCにおいてp47phoxのタンパク質濃度の基準より148%の著しい増加を引き起こしたが(P<0.05)、食事と抗酸化カプセル剤の摂取はMNCにおけるp47phox濃度のいかなる著しい変化も完全に抑制した(二元配置RMANOVA)によりP<0.05)。さらに、保護転写因子のDNA結合活性が実際に低下したプラセボ治療群と比べ、食事と抗酸化カプセル剤の摂取の3時間後、抗酸化ストレスの転写因子、Nrf‐2のDNA結合活性が基準より150%著しく増加した(RMANOVAおよび二元配置RMANOVAによりP<0.05)。Nrf‐2は内因性抗酸化酵素(例えば、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ)をコードする同義遺伝子の抗酸化反応エレメント(ARE)プロモーター配列に結合し、よって開示抗酸化製剤の摂取後増加したNrf‐2のDNA結合活性は複数の細胞防御の上方調節の可能性を示す。
【0156】
最後に、食事とプラセボの摂取の3時間後、基準より60%の血漿エンドトキシン濃度の著しい上昇があったが(P<0.05)、食事を開示抗酸化カプセル剤とともに摂取した場合1時間後に基準より28%のエンドトキシン濃度の著しい降下があった(RMANOVAおよび二元配置RMANOVAを用いてP<0.05)。エンドトキシンは酸化ストレスを増加させる様々なサイトカインの活性化を引き起こす強力な炎症シグナルである。
【0157】
これらの結果はマスカダイン搾りかす抽出物および日本タデ(0.75:1のマスカダインポリフェノール:トランスレスベラトロール比)の混合物の新規の生体内抗酸化作用を示し、よってこの混合物(実施例3)の相乗的抗酸化能の生体外研究を広げる。
【産業上の利用可能性】
【0158】
これらの研究に基づき、酸化ストレスの抑制方法が可能である。例えば、開示組成物を対象に投与し、例えば食事の摂取に関連するものなどの酸化ストレスを抑制する。1つの実施例では、開示組成物を食事の30分前または後、例えば食事の10分前または後などに投与する。特定の実施例では、組成物を食事のおよそ10分前に投与する。
【0159】
本開示の原理を適用し得る多くの考えられる実施形態を考慮して、例示実施例は開示内容のただの例にすぎず、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではないと認識すべきである。むしろ、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲において定義する。従って、これらの請求項の範囲および精神に含まれるものすべてを我々の発明とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合して、マスカダイン搾りかす抽出物を製造する工程を含むマスカダイン搾りかす抽出物を製造する方法において、紫マスカダイン搾りかす抽出物に対する銅マスカダイン搾りかす抽出物の比は約2.25〜1(重量:重量)であり、マスカダイン搾りかす抽出物は少なくとも約2%のポリフェノール含有量である方法。
【請求項2】
銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合してマスカダイン搾りかす抽出物を製造する工程を含むマスカダイン搾りかす抽出物を製造する方法において、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は0.3〜3(重量:重量)の範囲内であり、マスカダイン搾りかす抽出物は少なくとも2%のポリフェノール含有量である方法。
【請求項3】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を含むマスカダイン搾りかす抽出物組成物において、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物の比は0.3〜3(重量:重量)の範囲内であり、マスカダイン搾りかす抽出物は少なくとも2%のポリフェノール含有量を有する組成物。
【請求項4】
マスカダイン搾りかす抽出物が約4%の総ポリフェノール含有量である請求項2に記載の方法、または請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合する工程は、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすを約2.25:1(重量:重量)で混合する工程、ならびに銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすから抽出物を同時に製造する工程を含む請求項2または4に記載の方法。
【請求項6】
銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物の比が約2.25:1(重量:重量)である請求項2もしくは4に記載の方法、または請求項3〜4に記載の組成物。
【請求項7】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を調製する工程を、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合して、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン搾りかす抽出物を製造する前にさらに含む請求項2、4、または6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を調製する工程は、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすと水を別々に抽出して、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を製造する工程を、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合して、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン搾りかす抽出物を製造する前に含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を調製する工程は、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を別々にろ過する工程を、銅マスカダイン搾りかす抽出物の紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合して、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン搾りかす抽出物を製造する前にさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を調製する工程は、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を発酵して、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすを別々にろ過後に抽出した糖を除去する工程を、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合して、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン搾りかす抽出物を製造する前以外でさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を調製する工程は、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物の発酵後に、銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物をろ過する工程を、銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物を混合して、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン搾りかす抽出物を製造する前以外でさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物を濃縮する工程を、各抽出物が、銅の搾りかす抽出物および紫の搾りかす抽出物の混合前に液体中で20%〜50%の固体を含有するようにさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物がそれぞれ液体中で約40%の固体を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
銅マスカダイン搾りかす抽出物と紫マスカダイン搾りかす抽出物の混合後に、マスカダイン搾りかす抽出物をろ過して、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン搾りかす抽出物を製造する工程をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項15】
マスカダイン搾りかす抽出物のろ過後に、マスカダイン搾りかす抽出物を発酵する工程をさらに含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
マスカダイン搾りかす抽出物の発酵後に、マスカダイン搾りかす抽出物をろ過する工程をさらに含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
マスカダイン搾りかす抽出物のろ過後にマスカダイン搾りかす抽出物の濃縮する工程を、マスカダイン搾りかす抽出物が液体中に20%〜50%の固体を含有するようにさらに含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
マスカダイン搾りかす抽出物が液体中に約40%の固体を含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
銅マスカダイン搾りかす抽出物および紫マスカダイン搾りかす抽出物の混合後に、銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすと水を同時に抽出する工程をさらに含む請求項5に記載の方法。
【請求項20】
銅マスカダイン搾りかすおよび紫マスカダイン搾りかすの同時抽出後に、マスカダイン搾りかす抽出物をろ過する工程をさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
マスカダイン搾りかす抽出物のろ過後に、マスカダイン搾りかす抽出物を発酵して抽出した糖を除去する工程をさらに含む請求項20に記載の方法。
【請求項22】
マスカダイン搾りかす抽出物の発酵後にマスカダイン搾りかす抽出物をろ過して、少なくとも2%のポリフェノール含有量であるマスカダイン搾りかす抽出物を製造する工程をさらに含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
抽出物が液体中に20%〜50%の固体を含むようにマスカダイン搾りかす抽出物を濃縮する工程をさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
マスカダイン搾りかす抽出物が液体中に約40%の固体を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
マスカダイン搾りかす抽出物に賦形剤または追加成分を添加する工程をさらに含む請求項2または4〜24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
賦形剤がグリセリン、ソルビトール、コロイド状二酸化ケイ素、天然香料添加剤、またはその組み合わせからなる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記組成物が賦形剤または追加成分をさらに含む請求項3、4または6のいずれかに記載の組成物。
【請求項28】
前記組成物を、非飲料性食品、飲料、栄養補助食品または化粧品組成物中に含む請求項2もしくは4〜26のいずれかに記載の方法、または請求項3、4、6もしくは27のいずれかに記載の組成物。
【請求項29】
抗酸化剤として使用する請求項3、4、6、27または28のいずれかに記載の組成物。
【請求項30】
老化防止の健康補助食品として使用する請求項3、4、6または27〜29のいずれかに記載の組成物。
【請求項31】
請求項3、4、6または27〜30のいずれかに記載の組成物を、細胞老化に関連する1つ以上の過程を予防または抑制するのに十分な用量で、必要とする対象に投与する工程を含む細胞老化を予防または抑制する方法。
【請求項32】
細胞老化に関連する1つ以上の過程を予防または抑制する工程が、組成物を服用する対象におけるフリーラジカル形成または活性を予防または抑制する工程を含む請求項31に記載の方法。
【請求項33】
請求項3、4、6または27のいずれかに記載の組成物を、酸化ストレスを低減または抑制するのに十分な用量で、必要とする対象に投与する工程を含む酸化ストレスの抑制方法。
【請求項34】
前記組成物を食事摂取の10〜30分前または後に投与する請求項34に記載の方法。
【請求項35】
前記組成物を食事摂取の10分前に投与する請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2011−529909(P2011−529909A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521346(P2011−521346)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【国際出願番号】PCT/US2009/052346
【国際公開番号】WO2010/014873
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(510030892)シャクリー コーポレーション (3)
【Fターム(参考)】