説明

マスクを使用してパターン化基板を提供する方法

パターン化されたマスク層を有する基板を製造する方法が開示され、そのマスク層は、反復する縞などの微細な形体を備えたものである。その方法は、基板の第1の主表面上に所定のパターンを備えた転写層を有する基板を形成する工程と、第1の主表面上に転写層を有する基板を用意する工程と、本体と複数の接触部分とを有する構造化成形型を用意する工程であって、接触部分は、約0.5Gpa〜約30Gpaのヤング率を有する、工程と、構造化成形型か又は基板のいずれかを加熱する工程と、転写層を構造化成形型と接触させる工程と、転写層を冷却する工程と、転写層の各部分が、構造化成形型と共に分離するように、構造化成形型を転写層から引き離し、転写層を完全に貫いて基板まで延びる開口部を転写層内に開口部を残し、所定のパターンを備えた転写層を形成する工程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面上にパターン形体を有する基板の製造に関し、より具体的には、非常に小さな形体を持つパターンを基板上に形成するマスクの使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定のパターンで表面上に積層された第2の物質を有する、基板に関する多数の用途が現代の製造業で見出されている。周知の一例として、プリント回路基板は、導電性トレースを設けるために片側又は両側の表面に銅のパターン層を有する。更に最近では、今まで以上に微細な寸法を有する更に新種の材料から形成されたパターンに関する用途が産業界で見出されてきた。例えば、透明なタッチスクリーンセンサーは、インジウムスズ酸化物で作製されたパターントレースを有するガラスなどの基板を有する。パターントレースは、スクリーン印刷されたマスクを用いて形成され得る。スクリーン印刷技術は、製造環境において、約50マイクロメートル以上の最小特徴解像度を有する。それに代わって、ステップアンドリピート式のフォトリソグラフィは、25マイクロメートルに迫る更に微細な特徴解像度を達成し得るが、そのようなプロセスは、大型の基板の表面全体にわたってそのような微細なパターンを生成するには、あまり適したものではない。
【0003】
より微細なパターンを、あるいはより大きな寸法のパターン化基板を効率的に製造する効率的な製造技術が存在すれば、精巧で新規な製品が、タッチセンサー、光学ディスプレイ、EMIシールド、フレキシブル回路、及びアクティブサイネージ(active signage)ディスプレイユニットの分野において作製され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スクリーン印刷技術を用いてこれまでに可能であったよりも更に微細な形体を備えたパターン層を有する基板を生産するか、あるいは、不定な長さのウェブ上にロールツーロールプロセスでパターンマスクを形成し得る装置によってより効率的に作製されるようにする方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エラストマースタンプを使用して高分子フィルムにパターン形成する方法が、米国特許第6,966,997号において開示されている。しかしながら、個々のトレースがより広く分離する、反復的な六角形パターン(ハニカムパターン)などの特定のパターンに対して、エラストマースタンプは機能しない。スタンプの本体から延びる六角形パターンを形成する、エラストマースタンプの接触部分が過度に圧縮して、スタンプの本体部分が基板と接触することになり、印刷される六角形トレースの微細なパターンが損なわれることが判明している。加えて、エラストマースタンプを作製するために用いられるプロセス(フォトリソグラフィ)の結果として、スタンプは、使用中の基板と接触する平坦な水平表面を有するスタンプ本体から延びる正方形又は長方形の形体を有することになる。スタンプの形体の接触部分に対するそのような形状は、スタンププロセスで生産される電気トレースに関して最小幅を制限することになり得る。
【0006】
本発明者らが確認したところでは、エラストマースタンプよりも高い剛性を有する構造化成形型により、エラストマースタンプを使用するときの過剰に適合する問題が解決される。望ましくは、構造化成形型は、基板にわずかに適合し得るように半硬質であるが、金属で作製されたエンボスロール又は成形型と比べると、あまり硬質ではない。この望ましい適合性により、構造化成形型の接触部分が、(接触部分の微妙な高さ変化がある場合でも)使用中に基板の表面を不適当に変形又はエンボス加工することなく、基板の表面に完全に触れ得ることが確かとなる。また、この望ましい剛性により、より広く分離したパターン又は形体を、所望のパターンがないように意図された領域で基板を構造化成形型と誤って接触させることでそれらの形体を損なうことなく、基板上に配置することが可能となる。
【0007】
少なくとも構造化成形型の接触部分は半硬質であるべきである。構造化成形型の本体部分は、更に高い剛性を有する別の材料から作製され得るが、多くの場合、接触部分と同じ材料で作製される。典型的なエラストマースタンプのヤング率(弾性率)は通常、約0.5Mpa〜約3Mpaである。多くの場合、これらのスタンプは、ポリジメチルシロキサン材料(PDMS)で作製される。他方で、アルミニウム、真ちゅう、鋼、及びタングステンなどの硬質材料は、69GPa〜410GPaのヤング率を有する。本発明者らが確認したところでは、エラストマー材料よりも高い弾性係数が望ましいが、印刷作業中の適合性を高めるためには、硬質材料よりも低い弾性係数も利用されるべきである。本発明の様々な実施形態において、接触部分を形成する材料のヤング率は、約0.5Gpa〜約30Gpa、又は約1GPa〜約10GPa、又は約2Gpa〜約8Gpa、又は約3Gpa〜約7Gpaであるべきである。好ましい実施形態において、接触部分を含めた構造化成形型の全体が、約4Gpa〜約6Gpaのヤング率を有するアクリル樹脂で作製される。
【0008】
多くの場合、構造化成形型が、複数の接触部分を上に有する本体部分を備えることが好都合である。これらの接触部分は多くの場合、代表高さを有し、それらの代表高さだけ本体から延出する傾向がある。多くの便利な実施形態において、この代表高さは、基板を構造化成形型と接触させるときに基板から除去される転写層の厚さよりも高いものとなる。代表高さが転写層の厚さよりも少なくとも2倍〜10倍、高いときに良好な結果が確認されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、接触部分は、谷又はトラフによって分離された概ね平行なライン又は隆起線である。接触部分は、三角形、長方形、台形、又は正方形である横断面を有し、少なくとも2.5マイクロメートル、少なくとも12マイクロメートル、少なくとも25マイクロメートル、又は少なくとも100マイクロメートルの代表高さを有し得る。そのような構造化成形型が、米国特許第5,175,030号、同第5,183,597号、同第7,282,272号において開示されているような微細複製技術によって調製され得る。
【0010】
本発明者らが確認したところでは、構造化成形型の接触部分が、好ましい実施形態において三角形の横断面積を備えるとき、その接触部分は、三角形の横断面の頂点にて、基板と基本的に線接触(プリズム状の接触部分)又は点接触(角錐状の接触部分)をなし得るので、より微細なパターンが基板に生成され得る。更に驚くべきことに、この極端に小さな接触面積は、転写層を完全に貫いて基板まで延びる開口部を残して基板から転写層を除去するのに十分なものである。三角形の横断面は、使用中の接触部分の剛性を改善するのに役立つだけでなく、より微細なパターンラインを基板上に形成すること可能にする。
【0011】
多くの便利な実施形態において、転写層は蝋を含むが、転写層の物質がある2つの特性を有するという条件で、蝋質でない高分子が使用されてもよい。第一に、その物質は、構造化成形型を引き離す工程の間に基板に対して有する付着力よりも大きな付着力を、構造化成形型に対して有さなければならない。第二に、構造化成形型が引き離されるとその物質が基板のところまで失われるように、成形型に対する付着力は、転写層内の凝集力に打ち勝つほど十分に高くなければならない。多くの便利な実施形態において、転写層は、約50ナノメートル〜約5マイクロメートルの厚さを有するように、基板上に置かれる。構造化成形型を引き離す工程の後、残存する所定のパターンは、50マイクロメートル未満、40マイクロメートル未満、30マイクロメートル未満、20マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、又は更には5マイクロメートル未満の反復ラインの幅など、ある寸法を有する形体を有し得る。
【0012】
多くの便利な実施形態において、基板は、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)などの軟質材料である。これらの実施形態において、多くの場合、本発明のプロセスをロールツーロールプロセスとして実施することが好都合である。これらの実施形態において、構造化成形型は、軟質の基板材料上に積層又は型押しされる不定な長さのウェブであっても、円の直径を有する成形型ロールであってもよい。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、転写層を構造化成形型と接触させる工程は、一方が支持ロールである2つのロールの間のニップにて実施される。材料及びプロセス条件に応じて、支持ロールは剛性(金属性)であっても弾性(エラストマー性)であってもよい。更に、確認されていることとして、本発明のプロセスがロールツーロールプロセスにて用いられるとき、少なくとも4フィート/分(121.9cm/分)の速度で基板を前進させることが可能であるが、用いられる装置及び処理条件によっては更なる高速も可能である。
【0013】
以前は連続する転写層であったところに開口部を残して、構造化成形型を引き離す工程の後、所定のパターンを利用する方法のうちの1つは、所定のパターンに続く間隙内で基板上に導電層を堆積することである。例えば、そのような導電層は、インジウムスズ酸化物であっても、スパッタ堆積で付けられる銅、銀、又は金などの他の金属であってもよい。別の例として、導電層は、無電解めっきされた金属層を含み得る。無電解めっきされた金属層が望まれる場合、基板への付着を良好にするために、タイ又はシード層を設けると好都合となり得る。例えば、銅層を無電解めっきすることが意図される場合、最初にパラジウム層をスパッタ堆積することによって良好な結果が得られてきた。
【0014】
いくつかの他の実施形態は、基板からの引き離しの後に構造化成形型に付着した転写層材料を使用する。これらの実施形態において、構造化成形型が高分子転写層から引き離された後、転写層のうちの、構造化成形型で分離された部分を受容フィルム上に熱的に転写するために、構造化成形型は、受容フィルムに対して押し込まれて接触する。受容フィルムは次いで、基板上に残されていた所定のパターンのネガ像を有し、導電層の追加などの他の処理を引き続き受けることができる。
【0015】
一実施形態において、本発明は、基板の第1の主表面上に所定のパターンを備えた転写層を有する基板を形成する方法であって、第1の主表面上に転写層を有する基板を用意する工程と、本体と複数の接触部分とを有する構造化成形型を用意する工程であって、接触部分は、約0.5Gpa〜約30Gpaのヤング率を有する、工程と、構造化成形型か又は基板のいずれかを加熱する工程と、転写層を構造化成形型と接触させる工程と、転写層を冷却する工程と、転写層の各部分が、構造化成形型と共に分離するように、構造化成形型を転写層から引き離し、転写層を完全に貫いて基板まで延びる開口部を転写層内に残し、所定のパターンを備えた転写層を形成する工程とを含む。
【0016】
用語の定義
本開示に関連して、「転写層」という語句は、転写層が第1の主表面の全体を被覆する必要があることを意味するものではなく、単に、構造化成形型による接触が意図されるいくつかの領域内で転写層が実質的に連続であることを意味するものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1a】本発明による方法の一態様におけるある段階を、特に基板に隣接する構造化成形型を概略的に示している。
【図1b】図1aのプロセスの後の段階を示しており、構造化成形型は転写層に押し込まれている。
【図1c】図1bのプロセスの後の段階を示しており、構造化成形型は基板から引き剥がされ、それによって転写層は、一部分を構造化成形型に付着した状態に残して破砕されている。
【図1d】図1cのプロセスの後の段階を示しており、構造化成形型は、転写層を貫いて基板の第1の主表面まで延びる開口部を残して移動される。
【図2a】図1dのパターン化基板上へ金属を蒸着する任意選択のプロセスにおける一段階を示している。
【図2b】図2aのプロセスの後の段階を示しており、転写層は完全に除去され、金属パターンが基板上に残されている。
【図2c】図2bのプロセスの後の段階を示しており、更なる金属層が図2bの金属パターンに加えられている。
【図3】所定のパターンを備えた転写層を有する基板をロールツーロール法で形成する装置の概略図を示している。
【図4】所定のパターンを備えた転写層を有する基板をロールツーロール法で形成する別の装置の概略図を示している。
【図5】PET基板上のインク転写層内の、所定のパターンを示している。
【図6】PET基板上の銅層内の、別の所定のパターンを示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで図1aを参照すると、本発明による方法での一段階が示されている。多層フィルム20が設けられており、この多層フィルム20は、第1の主表面23とその第1の主表面の反対側の第2の主表面25とを有する基板22と、第1の主表面の少なくとも一部分に張り付けられた転写層24とを有している。転写層24は、第1の主表面23の全体を被覆する必要はないが、多くの便利な実施形態において、転写層は、第1の主表面の少なくとも一部分において連続している。一実施形態において、転写層24は、「T」と記される概ね均一な厚さを有している。
【0019】
多層フィルム20に構造化成形型30が隣接している。図示の構造化成形型30は本体部分32を有し、本体部分32は、本体に取り付けられた複数の接触部分34を有している。接触部分は半硬質であり、前述のようなヤング率を有している。接触部分は好都合にも、「H」と記される概ね均一な代表高さを有している。接触部分の代表高さを転写層の厚さよりも高くすると有用となり得ることが認められている。代表高さが転写層の厚さの少なくとも2倍〜500倍の高さ、又は2倍〜100倍の高さ、又は2倍〜50倍の高さ、又は2倍〜10倍の高さ、又は2倍〜5倍の高さであるときに、良好な結果が認められている。構造化成形型が液状の転写層に押し込まれるとき、液状の転写層を接触部分同士の間の谷の領域内に押しのけるためには、それらの領域に、十分な量が存在しなければならないと考えられる。構造化成形型の接触部分を十分に高く設計することにより、転写層は、隣接する接触部分同士の間の谷と接触しなくなり、それによって、冷却後に構造化成形型が取り除かれるとき、転写層がきれいに切り離されることになる。
【0020】
いくつかの実施形態において、接触部分は、谷又はトラフによって分離された概ね平行なライン又は隆起線である。接触部分は、三角形、長方形、台形、又は正方形である横断面を有し、少なくとも2.5マイクロメートル、少なくとも12マイクロメートル、少なくとも25マイクロメートル、若しくは少なくとも100マイクロメートル、又は更に最大で約1mmの代表高さを有し得る。一実施形態において、接触部分は、構造化成形型の表面の全体にわたって延びる、平行な複数の三角プリズムを備える。
【0021】
ここで図1bを参照すると、図1aのプロセスの後の段階が示されている。この図において、構造化成形型30は、押し込まれて転写層24と接触している。いくつかの実施形態において、構造化成形型は、転写層の厚さの少なくとも1/2の距離、転写層の厚さの少なくとも3/4の距離、又は実質的に転写層の厚さ全体にわたって押し込まれている。転写層は、適切な加熱源によって液化状態まで加熱されている。加熱は、構造化成形型30か又は基板22のいずかに、それによって間接的に転写層24に施され得る。転写層の加熱は、放射又は対流エネルギーによって直接的に、あるいは、基板22又は構造化成形型30を通じた伝導によって間接的に実施され得る。多くの便利な実施形態において、熱は、転写層24と最初に接触する前の構造化成形型30に加えられる。構造化成形型30と転写層24との間で接触がなされた後、転写層24に冷却が施される。これは、対流エネルギーによってなされても、基板22又は構造化成形型30を通じた伝導によって間接的になされてもよい。多くの便利な実施形態において、冷却は、基板22を通じた伝導によって施されるか、あるいは、受動的に環境に対して生じるようにされる。
【0022】
ここで図1cを参照すると、図1bのプロセスの後の段階が示されている。この図において、構造化成形型30は、多層フィルム20から引き剥がされている。この動作に関連して、転写層24の分離部分24aは、保持部分24bによって画定される開口部を転写層24に残すように、構造化成形型30に残留している。
【0023】
ここで図1dを参照すると、構造化成形型は、転写層を完全に貫いて基板22の第1の主表面23まで延びる開口部36を転写層24内に残して完全に引き離されており、それによって、所定のパターン38を備えた転写層を基板上に形成している。
【0024】
ここで図2aを参照すると、図1dのパターン化基板から始まる、本発明を用いた任意選択の付加的なプロセスにおける一段階が示されている。この図において、材料40は、多層フィルム20の表面全体にわたって堆積されており、多層フィルム20は、所定のパターン38を備えた転写層を有している。材料40の一部は、基板22の第1の主表面23上に直接堆積されているのに対し(参照符号40a)、材料40の一部は、それに代わって、所定のパターン38を備えた転写層上に堆積されている(転写層24の残留部分であり、参照符号40b)。材料40の性質に応じて、多数の方法が材料40を張り付けるために用いられ得る。例えば、インジウムスズ酸化物の透明導電層を据え付けるために、スパッタ堆積が用いられ得る。スパッタ堆積はまた、更なる処理のためのシード層を据え付けるためにも用いられ得る。
【0025】
ここで図2bを参照すると、図2aのプロセスの後の段階が示されている。この図において、所定のパターン38を備えた転写層(図2aにおける転写層24の残留部分)は溶剤又は熱によって完全に除去されており、第2の所定のパターン41を形成する材料40aのみが残されている。
【0026】
ここで図2cを参照すると、図2bのプロセスの後の段階が示されている。この図において、付加的な層44が材料40aの第2の所定のパターン41上に堆積されている。本発明の有用な一実施形態は、図2aに示す段階でパラジウムのシード層をスパッタ堆積すること、並びに、無電解めっきを用いて、図2bに示すパラジウムのシード層を備える第2の所定のパターン41上に導電性銅トレースの追加層44を堆積することを含む。
【0027】
別の実施形態において、所定のパターン38の開口部36内で第1の主表面23上に銅層をめっきする代わりに、転写層24は、銅層を備える第1の主表面23の全体にわたって張り付けられ、それによって、基板と、銅層と、転写層とを備える多層フィルムが形成され得る。銅層、又は、銀、アルミニウム、若しくは金などの金属層は、スパッタコーティング又は蒸発による金属コーティング(evaporative metal coating)など、当業者に知られている技術で張り付けられ得る。転写層22内の所定のパターン38が形成されると、その所定のパターン38の開口部36内にある、露出した銅領域又は金属層はエッチングされ、溶剤による転写層の除去後に銅層又は金属層内に所定のパターン38が残され得る。
【0028】
ここで図3を参照すると、所定のパターンを備えた高分子層を有する基板をロールツーロール法で形成する装置の概略図が示されている。多層フィルム20が、成形型ロール30aの形態をなす構造成形型と支持ロール50との間のニップの中に前進されている。成形型ロール30aは、本体32aと接触部分34aとを有している。この図において、転写層24の分離部分24aが、転写層を貫いて基板22まで延びる開口部を残すように成形型ロール30aに残留していることが分かり、それにより、保持部分24bによって画定される所定のパターン38を備えた転写層が形成されている。任意選択により、転写層の分離部分24aは、成形型ロール30a及び第2の支持ロール56と共に第2のニップを通じて前進される受容フィルム54と接触させて配置され得る。分離部分24aは次いで受容フィルム54に付着して、所定のパターン38のネガ像58を受容フィルム54上に形成することができる。必要に応じて、受容フィルムとの接触の後に成形型ロール30aから残留物すべてを除去し、次いで転写層24と再び接触させるために成形型ロールを乾燥させるように、ブラシロールなどの好適な清浄ステーションが、溶剤の槽及び乾燥器と共に設けられ得る。
【0029】
ここで図4を参照すると、所定のパターンを備えた転写層を有する基板をロールツーロール法で形成する別の装置の概略図が示されている。多層フィルム20が、中実ロール52と支持ロール50との間のニップの中へと前進されている。この実施形態における構造化成形型は、本体32bと接触部分34bとを有する構造化フィルム30bの形態をなしている。そのようなフィルムが、セントポール(St. Paul)のスリーエム社(3M Corporation)社から入手可能であり、ビキュイティ(Vikuiti)(商標)輝度上昇フィルムとして販売されている。典型的な輝度上昇フィルムは、90度のプリズム角、24μm又は50μmのプリズムピッチ、及び62μm〜275μmの張付け厚さ(applied thickness)を有する。この実施形態の利点は、構造化フィルム30bの引き離しを直ちに達成する必要がないことである。構造化フィルム30bと多層フィルム20との一時的な積層体はロール状に巻かれてもよく、そのため、引き離す工程は、都合のよい時間と場所で後に実施され得る。
【0030】
本発明の様々な実施形態において、転写層は、蝋、高分子レジスト、インク、又はFurturrex NR−9 1000PYなどの光結像性(photoimageable)レジストを含んでもよい。好適には、転写層は、約50ナノメートル〜約5マイクロメートル厚となり得る。いくつかの実施形態において、三角形の横断面形状を有する構造化成形型を使用するとき、転写層が薄いと、結果として、所定のパターンをなす開口部は、約20マイクロメートル未満、約10マイクロメートル、又は更には約5マイクロメートル未満の幅を有することになり得る。
【実施例】
【0031】
(実施例1)
転写層(DNP M290ニアエッジ蝋/樹脂熱転写リボン(Near-Edge Wax/Resin Thermal Transfer Ribbon)(日本国東京都の大日本印刷社(Dai Nippon Printing Co., Ltd.))を有する基板を、構造化成形型として作用するPET微細複製フィルム(microreplicated film)の一区間と接触させて置いた。構造化成形型は、図1aに示す構造化成形型30と同様に、本体部分に取り付けられた複数の接触部分34を有する長方形の本体部分32を備えるものであった。接触部分は、平行な三角プリズム(二等辺三角形の横断面)を備え、それらの三角プリズムは、三角形の等辺の間の接触先端部において、100μmの高さ、200μmのピッチ、及び90度の角度を有するものであった。
【0032】
DNP転写リボン(DNP Transfer Ribbon)を熱ロールと接触させた状態で、DNP転写リボンと微細複製構造化成形型とを、ケムインスツルメンツ社(ChemInstruments)のホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)(オハイオ州フェアフィールド(Faifield))の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を180°F(82.2℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。
【0033】
DNP転写リボンを微細複製構造化成形型から剥がし、リボンから構造化成形型の接触部分に蝋を転写したところ、転写リボンの第1の主表面まで延びる開口部が蝋転写層内に残った。これらの開口部は、200μmのピッチで約20μm幅であり、図1dに示すパターンと類似した、20μmの開口部36で分離された約180μm幅の所定のパターン38をなす転写層材料の縞が残った。
【0034】
(実施例2)
5ミル(0.13mm)厚のPET片の一部分を備える基板を、黒色の丸芯/角芯スーパーシャーピーツインチップ(Fine/Chisel Super Sharpie Twin Tip)油性マジック(イリノイ州オークブルック(Oak Brook)のサンフォード社(Sanford Corporation))で均一に黒色化して、第1の主表面上にインク転写層を形成し、このインク転写層を、微細複製構造化成形型と接触して配置した。構造化成形型は、長方形の本体部分を備え、その本体部分は、本体部分に取り付けられた、複数の平行な台形形状の接触部分を有するものであった。横断面において、台形形状の要素の高さ及びピッチはそれぞれ175μm及び350μmであり、最初に転写層に触れていた台形形状の接触部分の水平方向の頂部分は約200μm幅であった。
【0035】
インク転写層を熱ロールと接触させた状態で、基板と微細複製構造化成形型とを、ケムインスツルメンツ社(ChemInstruments)のホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)(オハイオ州フェアフィールド(Faifield))の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を180°F(82.2℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。
【0036】
次いで基板を微細複製構造化成形型から剥がし、インク転写層の各部分を5ミル(0.13mm)厚のPETから微細複製構造化成形型の接触部分に転写したところ、PET基板の第1の主表面まで延びる開口部が残った。これらの開口部は、350μmのピッチで約200μm幅であり、図1dに示すパターンと類似した、200μmの開口部36で分離された約150μm幅の所定のパターン38をなすインク転写層材料の縞が残った。
【0037】
(実施例3)
転写層(オレゴン州ビーバートン(Beaverton)のテクトロニクス社(Tektronix)の3色転写ロール(3-Color Transfer Roll)(PhaserTM Thermal−wax Printers(再注文番号016−0906−01)用)を有する基板を、構造化成形型として作用するPET微細複製フィルムの一区間と接触させて配置した。構造化成形型は長方形の本体部分32を備え、本体部分32は、図1aに示す構造化成形型30と類似した本体部分に取り付けられた、複数の接触部分34を有するものであった。接触部分は、平行な三角プリズム(二等辺三角形の横断面)を備え、それらの三角プリズムは、三角形の等辺の間の接触先端部において、100μmの高さ、200μmのピッチ、及び90度の角度を有するものであった。
【0038】
3色転写リボン(3-Color Transfer Ribbon)を熱ロールと接触させた状態で、3色転写リボンと微細複製構造化成形型とを、ケムインスツルメンツ社(ChemInstruments)のホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)(オハイオ州フェアフィールド(Faifield))の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を230°F(110℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。
【0039】
次いでテクトロニクス社(Tektronix)の3色転写リボンを微細複製構造化成形型から剥がし、リボンから構造化成形型の接触部分に蝋を転写したところ、転写リボンの第1の主表面まで延びる開口部が蝋転写層内に残った。
【0040】
蝋転写層を接触部分に取り付けた状態で(図1cにおける参照符号30と類似)、微細複製構造化成形型を5ミル(0.13mm)厚のPET受容フィルムと接触させて配置し、ホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を230°F(110℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。
【0041】
次いでPET受容フィルムを構造化成形型から剥がし、所定のパターンのネガ像を形成した。所定のパターンのネガ像は、200μmピッチで約75μm幅である図1dと類似した複数の縞を備え、縞の間の開口部は約125μm幅であった。
【0042】
(実施例4)
Expo vis−a−vis Wet Erase Fine Point Pen(イリノイ州オークブルック(Oak Brook)のサンフォード社(Sanford Corporation))からインクを抽出し、抽出したインクを、固形分と溶媒の比で5.8%(質量で測定して)にイソプロピルアルコールで希釈し、RDS社(RDS)(ニューヨーク州ウェブスター(Webster))の#4 Meyer Rodを使用して、5ミル(0.13mm)厚のPETの一区間を希釈したインクでコーティングし、溶媒を蒸発させることによって転写層を製作した。転写層の乾燥インクの厚さは約0.5μmであった。
【0043】
インク転写層を備えたPET基板を、構造化成形型として作用する微細複製フィルムの一区間と接触させて配置した。構造化成形型は長方形の本体部分32を備え、本体部分32は、図1aに示す構造化成形型30と類似した本体部分に取り付けられた、複数の接触部分34を有するものであった。接触部分は、平行な三角プリズム(二等辺三角形の横断面)を備え、それらの三角プリズムは、三角形の等辺の間の接触先端部において、2.5μmの高さ、5μmのピッチ、及び90度の角度を有するものであった。
【0044】
製作した転写フィルムを熱ロールと接触させた状態で、インク転写層を備えたPET基板と微細複製構造化成形型とを、ケムインスツルメンツ社(ChemInstruments)(オハイオ州フェアフィールド(Faifield))のホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を180°F(82.2℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。
【0045】
PET基板を微細複製構造化成形型から剥がし、転写層から構造化成形型の接触部分上にインクを転写したところ、PET基板の第1の主表面まで延びる開口部が残った。これらの開口部は、5μmのピッチで約3μm幅であり、図5に示すような、3μmの開口部36で分離された約2μm幅の所定のパターン38をなすインク転写層材料の縞が残った。
【0046】
(実施例5)
転写層(オレゴン州ビーバートン(Beaverton)のテクトロニクス社(Tektronix)の3色転写ロール(3-Color Transfer Roll)(PhaserTM Thermal−wax Printers(再注文番号016−0906−01)用)を有する基板を、構造化成形型として作用するフィルムを備えた微細複製フィルム(90/50輝度上昇フィルム(Brightness Enhancement Film)(ミネソタ州セントポール(Saint Paul)のスリーエム社(3M Corporation))の一区間と接触させて配置した。構造化成形型は長方形の本体部分32を備え、本体部分32は、図1aに示す構造化成形型30と類似した本体部分に取り付けられた、複数の接触部分34を有するものであった。接触部分は、平行な三角プリズム(二等辺三角形の横断面)を備え、それらの三角プリズムは、三角形の等辺の間の接触先端部において、25μmの高さ、50μmのピッチ、及び90度の角度を有するものであった。
【0047】
3色転写リボン(3-Color Transfer Ribbon)を熱ロールと接触させた状態で、3色転写リボンと微細複製構造化成形型とを、ケムインスツルメンツ社(ChemInstruments)(オハイオ州フェアフィールド(Faifield))のホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を230°F(110℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。
【0048】
3色転写リボンを微細複製構造化成形型から剥がし、リボンから構造化成形型の接触部分に蝋を転写したところ、転写リボンの第1の主表面まで延びる開口部が残った。
【0049】
転写した蝋を接触部分に付着させた状態で(図1cにおける参照符号30と類似)、微細複製構造化成形型を5ミル(0.13mm)厚のPET受容フィルムと接触させて配置し、ホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を230°F(110℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させ、PET受容フィルムを微細複製構造化成形型から分離したところ、ネガ像の所定パターンが受容フィルムの表面上に残った。
【0050】
図2aと同様に、PET受容フィルムを蒸気コーティング装置の中に配置し、インジウムスズ酸化物の約100ナノメートル厚の層で受容フィルムを表面全体にわたって蒸気コーティングした。次いで、蒸気コーティングした表面を、ヘプタンを染みこませたぼろ切れで穏やかにこすることによって、転写層から形成されたネガ像の所定パターンを除去した。PET受容フィルムは、図2bと類似した第2の所定パターンをなして中心において50マイクロメートル分離した、約10マイクロメートル〜15マイクロメートル幅の平行なITOラインを備えるパターン化ITO層を生じた。
【0051】
(実施例6)
50nm〜100nmの銀で真空コーティングした5ミル(0.13mm)厚のPETフィルムの一部分を、赤色のファインポイントシャーピー(Fine Point Sharpie)油性マジック(イリノイ州オークブルック(Oak Brook)のサンフォード社(Sanford Corporation))で均一にマーキングし、次いで、微細複製構造化成形型と接触させて配置した。構造化成形型は、長方形の本体部分を備え、その本体部分は、本体部分に取り付けられた、複数の平行な台形形状の接触部分を有するものであった。横断面において、台形形状の要素の高さ及びピッチはそれぞれ175μm及び350μmであり、最初に転写層に触れていた台形形状の接触部分の水平方向の頂部分は約200μm幅であった。
【0052】
転写フィルムを熱ロールと接触させた状態で、インク転写層を備えた基板と微細複製構造化成形型とを、ケムインスツルメンツ社(ChemInstruments)(オハイオ州フェアフィールド(Faifield))のホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を180°F(82.2℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。
【0053】
次いで、基板を微細複製構造化成形型から剥がし、赤色の転写層の各部分を構造化成形型の接触部分に転写したところ、銀でコーティングした基板の第1の主表面まで延びる開口部が残った。基板をマクダーミッド(MacDermid)Copper M−85無電解めっき槽(コネチカット州ウォーターベリー(Waterbury)のマクダーミッド社(MacDermid))内に約30分間にわたって配置したところ、銀の露出領域上に銅の層が明確に形成された。転写層内の所定のパターンを、メチルエチルケトンの槽内で洗い流したところ、銀でコーティングした基板上に銅トレースの第2の所定のパターンが残った。パターン化した銅のラインは、350μmのピッチで約200μm幅であった。
【0054】
(実施例7)
5ミル(0.13mm)厚のPETフィルムを約100nmの銅でスパッタコーティングした。最終的な液体の組成が約5重量%の高分子と95重量%の溶媒となるように、銅でコーティングしたPETフィルムを、75重量%のメチルエチルケトン(MEK)で希釈した25重量%のFuturrex NR−9 1000PY高分子レジスト(ニュージャージー州フランクリン(Franklin)のフューチャレックス社(Futurrex))の溶液でコーティングした。#4のドローダウンロッド(draw-down rod)(ニューヨーク州ウェブスター(Webster)のRDS社(RDS Corp))を用いて、この溶液を銅でコーティングした基板に塗布した。この溶媒を室温の空気中で乾燥させたところ、約0.5マイクロメートル厚の転写層を形成する、乾燥した高分子レジストの均一なコーティングが残った。
【0055】
転写層を有する銅でコーティングしたPETフィルムを、微細複製構造化成形型と接触させて配置した。構造化成形型は、長方形の本体部分を備え、その本体部分は、本体部分に取り付けられた、複数の平行な台形形状の接触部分を有するものであった。横断面において、台形形状の要素の高さ及びピッチはそれぞれ175μm及び350μmであり、最初に転写層に触れていた台形形状の接触部分の水平方向の頂部分は約200μm幅であった。
【0056】
転写フィルムを熱ロールと接触させた状態で、転写層を備えた銅でコーティングしたPETフィルムと微細複製スタンプとを、ケムインスツルメンツ社(ChemInstruments)(オハイオ州フェアフィールド(Faifield))のホットロールラミネータ(Hot Roll Laminator)の積層ニップの中に送給した。ホットロールの温度を150°F(65.6℃)に設定し、速度制御(Speed Control)の設定を10〜20(約2.5フィート/分〜5.0フィート/分(76.2cm/分〜152.4cm/分))とし、ニップ圧力を2psi(13.8kPa)に設定した。
【0057】
積層ニップを脱した後、積層体を室温まで冷却させた。次いで、構造化成形型をPETフィルムの転写層から剥がすと、転写層内の所定のパターンが出現し、そのパターンは、高分子レジストのない(開口部)200μm幅のレーンによって分離された150μm幅の高分子レジストの縞を有するものであった。高分子レジストのないレーンにおいて、銅のコーティングは第1の主表面上で露出される。
【0058】
次いで、転写層内の所定のパターンを備えたPET基板を、銅エッチング槽の中に置いて、転写層内の所定のパターンの開口部内にある露出した銅を除去した。銅エッチング槽は、99重量%の水に1重量%の塩化第二鉄を含むもの(ペンシルバニア州ウエストチェスター(Weschester)のVWR社(VWR Inc.))であった。次いで、高分子レジストのないレーン内のすべての銅がエッチングされたことを確認したとき(約2分間)、PET基板を銅エッチング槽から取り出した。転写層内の所定のパターンを溶媒で除去した後、PET基板は次いで、350μmのピッチで分離された約150μm幅の銅ラインの所定のパターンを有した。図6は、エッチング後のPET基板上の銅層をなす所定のパターンを示している。
【0059】
本発明について、それらの様々な実施形態に関連して示し説明してきたが、当業者であれば、形状及び細部における様々な他の変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、その分野においてなされ得ることが理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の第1の主表面上に所定のパターンを備えた転写層を有する基板を形成する方法であって、
前記第1の主表面上に前記転写層を有する前記基板を用意する工程と、
本体と複数の接触部分とを有する構造化成形型を用意する工程であって、前記接触部分は、約0.5GPa〜約30GPaのヤング率を有する、工程と、
前記構造化成形型か又は前記基板のいずれかを加熱する工程と、
前記転写層を前記構造化成形型と接触させる工程と、
前記転写層を冷却する工程と、
前記転写層の各部分が前記構造化成形型と共に分離するように、前記構造化成形型を前記転写層から引き離し、前記転写層を完全に貫いて前記基板まで延びる開口部を前記転写層内に残し、前記所定のパターンを備えた前記転写層を形成する、工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記転写層は、約50ナノメートル〜約5マイクロメートルの厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の接触部分は、代表高さを有し、該代表高さは、前記転写層の前記厚さの少なくとも2倍〜10倍高いものである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の接触部分は三角形の横断面を備え、少なくとも12マイクロメートルの前記代表高さを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記構造化成形型は、微細複製される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記構造化成形型は、成形型ロールである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記接触させる工程は、前記成形型ロールと支持ロールとの間で実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記接触させる工程は、長さの不定な材料のストリップである前記基板が、ロールツーロールプロセスにおいてニップを通じて前進されている間に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記転写層は蝋を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記開口部は、20マイクロメートル未満の幅を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記所定のパターンは、前記第1の主表面全体にわたって延びる縞を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
導電層を前記基板上に堆積して、第2の所定のパターンを形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記導電層は、インジウムスズ酸化物を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記導電層は、無電解めっきされた金属層を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記導電層は、スパッタ堆積されたパラジウム層の上の無電解めっきされた銅層を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の主表面は金属層を含み、前記基板はエッチングされて、前記所定のパターン内の前記開口部から前記金属層を除去する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記構造化成形型を前記転写層から引き離す工程の後に、前記構造化成形型を受容フィルムに対して接触させて、前記転写層のうちの前記構造化成形型と共に分離した各部分を、前記所定のパターンのネガ像として前記受容フィルム上へと熱転写する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記受容フィルム上に導電層を堆積する工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記接触部分は、約3GPa〜約7GPaのヤング率を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記接触部分は、三角形の横断面を備える、請求項19に記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−516764(P2013−516764A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547120(P2012−547120)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061195
【国際公開番号】WO2011/090641
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】