説明

マトリクスコンバータ回路

【課題】ゲート駆動に必要な絶縁型の直流電源の数を減らして回路を簡素化し、低コストのマトリクスコンバータ回路を提供する。
【解決手段】単相交流電源1を所定の周波数の交流電圧に直接変換して3相モータ3の巻線に供給する3相のマトリクスコンバータ回路であって、電流方向に対応して2個のゲート入力を有し単相交流電源1の端子間に直列に接続され相毎に設けられた双方向スイッチ2a,2dと、直列の対となる双方向スイッチ2a,2dのうち下流側の双方向スイッチ2dを制御するゲート入力用の直流電源8bと、直流電源8bの電圧を整流した電荷が充電されるコンデンサ11とを備え、直列の対となる双方向スイッチのうち上流側の双方向スイッチ2aを制御するゲート入力用の電源としてコンデンサ11の電圧を使用するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数個の双方向スイッチにより構成され、商用電源の交流を直接所望の周波数の交流出力電圧に変換してモータ駆動に使用するマトリクスコンバータ回路技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電源からの交流電力を直接所望の周波数の交流に変換してモータの駆動などに使用するマトリクスコンバータ回路として、特開2001−258259号公報(特許文献1)や特開2004−135462号公報(特許文献2)がある。特許文献1に記載された交流/交流直接形電力変換装置は、双方向スイッチを介して3相交流電源をモータなどの負荷に接続し、双方向スイッチをPWM制御することによりモータを正常に駆動するものである。3相交流が不均衡となった場合でも駆動を継続できるような制御機能も備えたものである。
【0003】
また、特許文献2に記載された交流−交流直接形電力変換装置は、双方向スイッチを介して3相交流電源をモータなどの負荷に接続し、双方向スイッチをPWM制御することによりモータを正常に駆動するものであり、出力となる交流出力電圧に重畳される低周波成分を抑えてモータの騒音、振動を抑えるものである。
【特許文献1】特開2001−258259号公報
【特許文献2】特開2004−135462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のマトリクスコンバータ回路においては、その双方向スイッチを駆動するために、2つのゲート信号用の電源が各素子に必要であり、数多くの直流電源が必要となるものであった。
【0005】
例えば、3相交流電源を入力として周波数の異なる3相交流電圧に変換して出力するマトリクスコンバータにおいては、9個の双方向スイッチの電流が流れる方向毎に直流電源が必要となる。そして、同電位となる電源を共通化する工夫をした場合でも、直流電源が全部で6個必要であった。
【0006】
本発明で提示しているような単相交流電源から3相交流を出力するマトリクスコンバータにおいては、6個の双方向スイッチの電流が流れる方向毎に直流電源が必要となる。そして、同電位となる電源を共通化する工夫をした場合でも、直流電源が全部で5個必要であった。
【0007】
ここでいう直流電源は、1次側を交流電源に接続した電源トランスの2次側の交流電圧を整流・平滑を行って所望レベルの直流電圧を発生するもので、1次側と2次側が電気的に絶縁されているものであり、いわゆる絶縁型の直流電源である。
【0008】
この絶縁型の直流電源を数多く用いることは、回路全体を複雑化し、コストアップとなることから、マトリクスコンバータの実用化を阻害する要因となっていた。
【0009】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、マトリクスコンバータ、特に単相交流電源を3相交流に変換する直接型変換機において、ゲート駆動に必要な絶縁型の直流電源の数を減らし、回路を簡素化して、低コストのマトリクスコンバータ回路を実現するこ
とを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るマトリクスコンバータ回路は、単相交流電源を所定の周波数の交流電圧に直接変換して3相のモータの巻線に供給する3相のマトリクスコンバータ回路であって、電流方向に対応して2個のゲート入力を有し前記単相交流電源の端子間に直列に接続され相毎に設けられた双方向スイッチと、前記直列の対となる双方向スイッチのうち下流側の双方向スイッチを制御するゲート入力用の直流電源と、前記直流電源の電圧を整流した電荷が充電されるコンデンサとを備え、前記直列の対となる双方向スイッチのうち上流側の双方向スイッチを制御するゲート入力用の電源として前記コンデンサの電圧を使用することを特徴とする。
【0011】
この構成により、ゲート駆動に必要な直流電源の数を少なくして、回路構成を簡素化し、低コストのマトリクスコンバータ回路を実現することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によれば、ゲート駆動に必要な直流電源の数を減らして回路を簡素化し、低コストのマトリクスコンバータ回路を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の第1の発明は、単相交流電源を所定の周波数の交流電圧に直接変換して3相のモータの巻線に供給する3相のマトリクスコンバータ回路であって、電流方向に対応して2個のゲート入力を有し前記単相交流電源の端子間に直列に接続され相毎に設けられた双方向スイッチと、前記直列の対となる双方向スイッチのうち下流側の双方向スイッチを制御するゲート入力用の直流電源と、前記直流電源の電圧を整流した電荷が充電されるコンデンサとを備え、前記直列の対となる双方向スイッチのうち上流側の双方向スイッチを制御するゲート入力用の電源として前記コンデンサの電圧を使用することを特徴とする。
【0014】
この構成により、ゲート駆動に必要な直流電源の数を少なくして、回路構成を簡素化し、低コストのマトリクスコンバータ回路を実現することができる。
【0015】
第2の発明は、特に、第1の発明の直流電源は単相交流電源の端子に対応して2個備えられ、コンデンサは相毎に2個ずつ備えられているので、3相出力を基準にする電源としてコンデンサに蓄積した電荷を活用できるので、出力の相数が増えても2つの直流電源で回路動作させることが可能であり、簡素な回路構成で3相交流電圧を出力することができる。
【0016】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明のマトリクスコンバータ回路の起動時には、直列の対となる双方向スイッチのうち下流側の端子に接続された双方向スイッチを所定の時間ON状態にするので、下流側の双方向スイッチがON状態になっている所定の時間、コンデンサへの充電が確実に行われ、マトリクスコンバータ回路の起動を確実にすることができる。
【0017】
第4の発明は、特に、第3の発明のマトリクスコンバータ回路の起動時に下流側の双方向スイッチをON状態とする所定の時間は、コンデンサの電圧が上流側の双方向スイッチのON状態を可能にするゲート入力の電圧値以上に充電されるまでの時間と同等である。
【0018】
この構成により、下流側の双方向スイッチがONしている時間中に、上流側の双方向スイッチを駆動することが可能になる電圧値までコンデンサを充電する充電時間を最適化することができる。
【0019】
第5の発明は、特に、第1〜第4の発明のうち1つの発明の3相の出力交流電圧のうち一番低い電位になる相に備えられた1対の双方向スイッチのうち単相交流電源の低い電位側の端子に接続された双方向スイッチを所定期間ON状態にして変調を行うものである。
【0020】
この構成により、変換効率が高く、出力電圧の高いマトリクスコンバータ回路を実現することができる。
【0021】
第6の発明は、特に、第1〜第5の発明のうち1つの発明の3相の出力交流電圧の位相角120度毎に一番低い電位になる相に備えられた1対の双方向スイッチのうち交流電源の低い電位側の端子に接続された双方向スイッチを所定期間ON状態にして変調を行うものである。
【0022】
この構成により、変換効率が高く、高い出力電圧を出力することができると共に、素子負荷のアンバランスの少ないマトリクスコンバータ回路を実現することができる。
【0023】
第7の発明は、特に、第1〜第6の発明のうちの1つの発明の双方向スイッチが窒化ガリウム半導体により構成されているので、スイッチング速度が速く、変換効率の高いマトリクスコンバータ回路を実現することができる。
【0024】
第8の発明は、特に、第1〜第6の発明のうち1つの発明の双方向スイッチが炭化ケイ素半導体により構成されているので、高温で安定に動作し、変換効率の高いマトリクスコンバータ回路が実現される。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】
図1は、第1および第2の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路の要部構成を示す回路図である。
【0028】
単相交流電源1からの入力の一端には、双方向スイッチ2a、2b、2cが接続され、他方の一端には、双方向スイッチ2d、2e、2fが接続されている。さらに、直列に接続された双方向スイッチ2aと2dの中間端にはモータ3の3相巻線の一端が接続され、双方向スイッチ2bと2eの中間端にはモータ3の3相巻線の更に別の一端が接続され、双方向スイッチ2cと2fの中間端にはモータ3の3相巻線の別の一端が接続されている。
【0029】
この回路構成により、単相交流電源1から入力された交流電力は、双方向スイッチ2a〜2fをスイッチングすることにより、所望の周波数の交流電圧に変換され、モータ3を駆動することが可能になる。
【0030】
図2に示すように、1つの双方向スイッチは、2つのスイッチング素子4a、4bを逆並列接続して構成され、スイッチング素子4a或いは4bをON/OFFすることにより通流方向を制御することができ、それぞれの通電方向に対して通電を制御する。スイッチング素子4a或いは4bをON/OFFすることにより通流方向を制御するものである。各スイッチング素子には、そのON/OFFを制御するためのゲート入力端子が設けられており、このゲート入力端子にゲート信号を入力することにより、素子の導通が制御され
る。
【0031】
図3は、マトリクスコンバータ回路のドライブ回路の1相分の構成を示す回路図である。単相交流電源1の両端に双方向スイッチ2a、2dが直列に接続されたものが1相分の回路構成である。この双方向スイッチ2a、2dは、それぞれ2個のゲート入力端子を有し、各ゲート入力端子にはゲートドライブ回路6a〜6dが設けられている。各ゲートドライブ回路6a〜6dには、回路全体を制御するマイクロコンピュータ7からのPWM制御信号が入力され、それにより双方向スイッチ2a、2dのON/OFF状態をPWM制御している。
【0032】
このゲートドライブ回路6a〜6dを駆動するためには、直流電源が必要である。一般的なスイッチング素子、たとえばIGBTなどの場合、直流電源として15Vの電源電圧が必要である。この電源として回路内に配置された直流電源5a〜5cを使用している。直流電源5aは、単相交流電源の一端を基準電位としており、直流電源5cは、単相交流電源1の別の一端を基準電位としており、直流電源5bは、双方向スイッチ2aと双方向スイッチ2dの中間点、つまり、モータ3の巻線への接続端子12を基準電位としている。
【0033】
これは、双方向スイッチ2a、2dの駆動を行うためには、ゲートドライブ回路6a〜6dの基準電位と直流電源5a〜5cの基準電位が同じである必要があるからである。そのために、各基準電位に対応した直流電源5a〜5cが必要となっている。
【0034】
図3は1相分の形態を示したものであるが、3相のモータ3を駆動するためには、同様の回路が3相分必要である。単純に考えると、基準電位の必要数に対応して直流電源が5個必要となるのは明白であり、電源トランスの巻線の数を直流電源の必要数に合わせる必要がある。
【0035】
図4は、第1の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路のドライブ回路の1相分の具体的な回路構成を示す回路図であり、図3に示したマトリクスコンバータ回路のゲートドライブ回路の1相分の構成とは、直流電源の構成が異なった形態となっている。
【0036】
図4に示すように、ゲートドライブ回路6a、6cは直接直流電源8a、8bからの電源供給により駆動されるものである。そして、直流電源8bから抵抗9、ダイオード10を介してコンデンサ11が接続されている。ゲートドライブ回路6b、6dは、このコンデンサ11に充電された電荷を用いて駆動される。このコンデンサ11は、双方向スイッチ2aと双方向スイッチ2dの中間点、つまり、モータ3の巻線への接続端子12の電位が直流電源8bの基準電位とほぼ同レベルとなり、コンデンサ11の一端の電位が直流電源8bの電位より低くなった場合、コンデンサ11は充電される。
【0037】
抵抗9は、その際の充電電流を制限するために設けられている。また、ダイオード10は、整流作用を有しており、コンデンサ11の一端の電位が直流電源8bの電位より高くなった場合に、充電電荷が流出するのを阻止し、低くなった場合にコンデンサ11に電荷を充電する。
【0038】
この構成により、直流電源をコンデンサ11により代替することができる。図4は1相のみの形態を示したものであるが、3相のモータ3を駆動するためには、図1に示すように3相分の回路が必要であり、その場合必要となる基準電位から、本実施の形態の場合、2個の直流電源で構成されるのは明白である。これによって、直流電源の数を減らすことができ、回路の簡略化、コスト低減が実現される。
【0039】
(実施の形態2)
図5は、第2の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路のドライブ回路の1相分の構成を示す構成図である。この回路構成においては、ゲートドライブ回路6dを駆動するために、直流電源8aから抵抗9b、ダイオード10bを介してコンデンサ11bが接続されている。このコンデンサ11bに蓄電された電荷を用いて、ゲートドライブ回路6dは駆動される。この構成に従った場合、コンデンサ11a、11bは、ゲートドライブ回路の1個ずつに電源供給すれば良いので、コンデンサの容量値を小さくしても回路機能を発揮することができ、小型のコンデンサを用いてコンパクトに実装することができる。
【0040】
先に説明した通り、ゲートドライブ回路6b、6dは、コンデンサの電荷を利用して回路動作するために、コンデンサ11には電荷を充電する必要がある。即ち、このコンデンサ11に電荷が充電されていない場合には、ゲートドライブ回路6b、6dを駆動することができず、双方向スイッチ2a、2dは動作しないことになる。特に、起動時には、コンデンサ11に電荷が充電されていない状態から動作を開始するため、ゲートドライブ回路6b、6dで発生する駆動電圧が不十分になり、双方向スイッチを十分にONすることが困難となる。
【0041】
図6は、第1および第2の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路の双方向スイッチの動作を説明するためのシーケンス図である。図6に示しように、本実施の形態のマトリクスコンバータ回路は、時刻t1までは、すべての双方向スイッチ2a〜2fは、OFF状態である。その後、時刻t1からt2までに双方向スイッチ2d〜2fがONされる。
【0042】
そして、低電位側の双方向スイッチ2a〜2fをONさせて接続端子12の電位を直流電源8bの基準電位とほぼ等しくし、ダイオード10を導通することにより、コンデンサ11に電荷をQ1、Q2、Q3まで充電する。つまり、コンデンサ11の電圧が直流電源8bの電圧まで高められるように充電される。これにより、以降、ゲートドライブ回路6b、6dは、コンデンサ11の電荷を利用して駆動され、全ての双方向スイッチ2a〜2fの駆動が可能となり、3相のモータ3を駆動することができる。
【0043】
即ち、このトリクスコンバータ回路は、単相交流電源を投入して起動する際、モータ3の起動時刻t3に至るまでの時刻t1〜t2の期間、低電位側の双方向スイッチ2d〜2fをONさせてコンデンサ11を充電するので、コンデンサ11からの電源供給を受けて動作するゲートドライブ回路6b,6dは十分大きな電圧振幅でスイッチングすることが可能になる。そして、起動時刻t3に達した以降は、マイクロコンピュータ7からのPWM制御信号をゲートドライブ回路を介して双方向スイッチ2a〜fをスイッチングし、3相のモータ3を駆動することができる。
【0044】
図7は、第1および第2の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路の3相のスイッチング方法を示す動作波形図である。モータ3の3相をそれぞれU相、V相、W相とした時の各相の出力電圧とPWMのキャリア信号を図7(a)、(b)、(c)に示し、その場合の各相の出力電圧を図7(d)、(e)、(f)に示す。
【0045】
各相の出力電圧は、モータ巻線の大きなインダクタンスによって平滑され、各相間の電圧が正弦波となるような電圧波形となる。正弦波電圧をモータ3に供給することにより、モータ3を滑らかに駆動するものである。この出力電圧は、1周期を360度としたときに、120度の区間、最も電位の低い相の電位を0レベルとすることにより、各相の出力電圧を実現している。このとき、各相の瞬時電圧も120度の区間、0レベルとなるものであり、その区間においては、電源ラインの低電位側の双方向スイッチ2a〜c、もしくは2d〜fがONされる。これにより、各相に設けられたコンデンサに充電が行われ、ゲ
ートドライブ回路の出力振幅を十分大きくして、双方向スイッチを確実にONさせて安定に駆動することができる。さらに、3相の線間電圧は、線間電圧が電源電圧の最大値まで出力することができるため、出力電圧の高い、つまり出力の大きなマトリクスコンバータが実現される。
【0046】
(実施の形態3)
図8は、第3の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路で用いる双方向スイッチの素子構成図である。この素子は、窒化ガリウム(GaN)半導体により構成されている。動力端子20、21は、制御対象となる電流が流れる端子となる。双方向に電流が流れるため、動力端子20から動力端子21に電流が流れる場合と、動力端子21から動力端子20に電流が流れる場合がある。その制御は、ゲート端子22、23により行う。ゲート端子22に信号をONさせることにより、動力端子20から動力端子21に電流が流れる。逆に、ゲート端子23に信号をONさせることにより、動力端子21から動力端子20に電流が流れるものである。このような双方向スイッチにより、電流をスイッチングするだけでなく、導通方向も制御することができる。
【0047】
このように、本実施の形態におけるマトリクスコンバータ回路においては、ゲート駆動に必要な直流電源の数が少ないため、マトリクスコンバータ回路の低コスト化、および回路の簡素化が実現されるものである。また、さらに、出力電圧が高く、安定駆動のできる効率の高いマトリクスコンバータ回路が実現される。
【0048】
なお、本実施の形態は、窒化ガリウム(GaN)半導体により構成された双方向スイッチを用いた事例で説明したが、炭化ケイ素(SiC)半導体により構成された双方向スイッチを用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上説明したように本発明は、マトリクスコンバータ回路に関し、3相モータを駆動するような応用に用いられ、低コストで、高効率な特徴が必要なマトリクスコンバータ回路について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による第1および第2の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路の要部構成を示す回路図
【図2】同マトリクスコンバータ回路の双方向スイッチの素子構成図
【図3】同マトリクスコンバータ回路のドライブ回路の1相分の構成を示す回路図
【図4】第1の実施の形態に係るドライブ回路の1相分の回路構成を示す回路図
【図5】第2の実施の形態に係るドライブ回路の1相分の回路構成を示す回路図
【図6】第1および第2の実施の形態に係るマトリクスコンバータ回路の双方向スイッチの動作を説明するためのシーケンス図
【図7】同マトリクスコンバータ回路の変調方式を説明するための動作波形図
【図8】同マトリクスコンバータ回路に使用される窒化ガリウム半導体の素子構成図
【符号の説明】
【0051】
1 単相交流電源
2a、2b、2c、2d、2e、2f 双方向スイッチ
3 モータ
8a、8b 直流電源
9 抵抗
10 ダイオード
11 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単相交流電源を所定の周波数の交流電圧に直接変換して3相のモータの巻線に供給する3相のマトリクスコンバータ回路であって、電流方向に対応して2個のゲート入力を有し前記単相交流電源の端子間に直列に接続され相毎に設けられた双方向スイッチと、前記直列の対となる双方向スイッチのうち下流側の双方向スイッチを制御するゲート入力用の直流電源と、前記直流電源にダイオードを介して接続されたコンデンサとを備え、前記直列の対となる双方向スイッチのうち上流側の双方向スイッチを制御するゲート入力用の電源として前記コンデンサの電圧を使用することを特徴とするマトリクスコンバータ回路。
【請求項2】
前記直流電源は、前記単相交流電源の端子に対応して2個備えられ、前記コンデンサは、相毎に2個ずつ備えられたことを特徴とする請求項1記載のマトリクスコンバータ回路。
【請求項3】
起動時には、前記直列の対となる双方向スイッチのうち下流側の端子に接続された双方向スイッチを所定の時間ON状態にすることを特徴とする請求項1または2記載のマトリクスコンバータ回路。
【請求項4】
起動時に前記下流側の双方向スイッチをON状態とする所定の時間は、前記コンデンサの電圧が前記上流側の双方向スイッチのON状態を可能にするゲート入力の電圧値以上に充電されるまでの時間と同等であることを特徴とする請求項3記載のマトリクスコンバータ回路。
【請求項5】
3相の出力交流電圧のうち一番低い電位になる相に備えられた1対の双方向スイッチのうち単相交流電源の低い電位側の端子に接続された双方向スイッチを所定期間ON状態にして変調を行うことを特徴とする請求項1〜4記載のマトリクスコンバータ回路。
【請求項6】
3相の出力交流電圧の位相角120度毎に一番低い電位になる相に備えられた1対の双方向スイッチのうち交流電源の低い電位側の端子に接続された双方向スイッチを所定期間ON状態にして変調を行うことを特徴とする請求項1〜5記載のマトリクスコンバータ回路。
【請求項7】
双方向スイッチが窒化ガリウム半導体により構成されている請求項1〜6記載のマトリクスコンバータ回路。
【請求項8】
双方向スイッチが炭化ケイ素半導体により構成されている請求項1〜6記載のマトリクスコンバータ回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−148303(P2010−148303A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325206(P2008−325206)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】