説明

マルチポンプユニット

【課題】第1及び第2油圧ポンプの双方のチャージ油路の油圧を単一のリリーフ弁によって設定可能としつつ、第1及び第2油圧ポンプが直列連結されたタンデム配置と第1及び第2油圧ポンプが独立設置される独立設置との選択を可能とする。
【解決手段】第1及び第2ポートブロックは、ポンプ軸が挿通される軸線孔と一対の作動油路と一端部が外表面に開口して圧油受入ポートを形成するチャージ油路と一端部が前記チャージ油路に流体接続され且つ他端部が端面に開口されて接続ポートを形成する分岐油路とを有する点において共通する。前記接続ポートは前記軸線孔の軸線を通った状態で第1板面方向及び厚み方向に沿った仮想面上に位置する。一方の圧油受入ポートに圧油が供給され、他方の圧油供給ポートはプラグによって閉塞される。第1及び第2ポートブロックの一方にのみチャージ油路の油圧を設定するリリーフ弁が装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1及び第2油圧ポンプを含むマルチポンプユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
第1及び第2油圧ポンプを含むマルチポンプユニットは従来から知られており、例えば、下記特許文献1には、第1及び第2油圧ポンプが直列配置されたタンデム型のマルチポンプユニットが開示されている。
【0003】
前記特許文献1に記載のタンデム型のマルチポンプユニットは、単一のチャージポンプから供給され且つ単一のリリーフ弁によって油圧設定された圧油が第1油圧ポンプによって形成される第1油圧回路及び第2油圧ポンプユニットによって形成される第2油圧回路の双方へ供給されるように構成されており、前記第1及び第2油圧回路へのチャージ油供給構造の簡略化を図り得る点において有用である。
【0004】
しかしながら、前記特許文献1に記載のマルチポンプユニットにおいては、前記第1及び第2油圧ポンプが直列配置された態様でしか使用できず、構成部材の汎用性に乏しいという問題があった。
【0005】
詳しく説明すると、前記特許文献1には第1及び第2形態に係るタンデム型のマルチポンプユニットが開示されている。
前記第1形態に係るポンプユニットは、単一のポートブロックと、前記ポートブロックの厚み方向一方側の第1端面に摺接された第1油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプを囲繞するように前記ポートブロックの前記第1端面に連結された第1ポンプケースと、前記ポートブロックの厚み方向他方側の第2端面に摺接された第2油圧ポンプと、前記第2油圧ポンプを囲繞するように前記ポートブロックの前記第2端面に連結された第2ポンプケースとを備えている。
【0006】
前記第1形態に係るポンプユニットにおいては、前記単一のポートブロックが前記第1及び第2油圧ポンプの双方に対して共通部材とされており、従って、前記第1及び第2油圧ポンプを独立して設置させることはできない。
さらに、前記単一のポートブロックは前記第1形態に係るタンデムポンプユニットに専用の部材となり、汎用性に欠ける。
【0007】
一方、前記第2形態に係るポンプユニットは、第1及び第2油圧ポンプと、軸線方向一方側に前記第1油圧ポンプが挿通可能な第1開口を有し且つ軸線方向他方側に前記第2油圧ポンプが挿通可能な第2開口を有する単一のポンプケースと、前記第1油圧ポンプが摺接される状態で前記第1開口を閉塞するように前記ポンプケースに連結される第1ポートブロックと、前記第2油圧ポンプが摺接される状態で前記第2開口を閉塞するように前記ポンプケースに連結される第2ポートブロックとを備えている。
【0008】
前記第2形態に係るポンプユニットにおいては、前記単一のポンプケースが前記第1及び第2油圧ポンプの双方を収容する部材とされており、従って、前記第1形態と同様に、前記第1及び第2油圧ポンプを独立して設置させることはできない。
さらに、前記単一のポンプケースは前記第2形態に係るポンプユニットに専用の部材となり、汎用性に欠ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−116107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、斯かる従来技術に鑑みなされたものであり、第1及び第2油圧ポンプの双方のチャージ油路の油圧を単一のリリーフ弁によって設定可能としつつ、前記第1及び第2油圧ポンプを直列連結させたタンデム態様と前記第1油圧ポンプを含むポンプユニット及び前記第2油圧ポンプを含むポンプユニットをそれぞれ独立配置させる使用態様とを選択できる構造簡単なマルチポンプユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、前記目的を達成するために、第1油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプが直接又は間接的に摺接する第1端面及び前記第1端面とは厚み方向反対側の第2端面を有する第1ポートブロックと、前記第1油圧ポンプを囲繞するように前記第1ポートブロックの第1端面に連結される第1ポンプケースと、第2油圧ポンプと、前記第2油圧ポンプが直接又は間接的に摺接する第1端面及び前記第1端面とは厚み方向反対側の第2端面を有する第2ポートブロックと、前記第2油圧ポンプを囲繞するように前記第2ポートブロックの第1端面に連結される第2ポンプケースとを含むマルチポンプユニットであって、前記第1及び第2ポートブロックは、対応する油圧ポンプを駆動するポンプ軸が挿通されるように前記第1及び第2端面間を貫通する軸線孔と、前記軸線孔を挟んで互いに対して対称な状態で前記ポートブロックの第1板面方向に延び且つ前記油圧ポンプに流体接続されるように前記第1端面に開口された一対の平行部を有すると共に一端部が外表面に開口されて一対の給排ポートを形成する一対の作動油路と、一端部が外表面に開口して圧油受入ポートを形成し且つ他端部が分岐されて前記一対の作動油路にそれぞれチェック弁を介して流体接続されるチャージ油路と、一端部が前記チャージ油路に流体接続され且つ他端部が前記第2端面に開口されて接続ポートを形成する分岐油路とを有する点において共通し、前記接続ポートは、前記軸線孔の軸線を通った状態で前記第1板面方向及び前記ポートブロックの厚み方向に沿った仮想面上に位置され、前記第1ポートブロックの前記圧油受入ポート及び前記第2ポートブロックの前記圧油受入ポートの一方が圧油供給源に流体接続され且つ他方がプラグによって閉塞され、前記第1及び第2ポートブロックの一方にのみ前記チャージ油路の油圧を設定するリリーフ弁が装着されているマルチポンプユニットを提供する。
【0012】
好ましくは、前記リリーフ弁からのリリーフ油を前記一方のポートブロックと対応するポンプケースとによって形成される一方のポンプ空間に案内する第1リリーフドレン油路と、前記リリーフ油を前記リリーフ弁が装着されていない他方のポートブロックと対応するポンプケースとによって形成される他方のポンプ空間に案内する第2リリーフドレン油路とが設けられる。
この場合、前記第1リリーフドレン油路は、一端部が前記リリーフ弁に流体接続され且つ他端部が第1端面に開口して前記一方のポンプ空間に流体接続されるように前記一方のポートブロックに形成される。
一方、前記第2リリーフドレン油路は、一端部が前記リリーフ弁に流体接続され且つ他端部が第2端面に開口するように前記一方のポートブロックに形成された上流側部分と、一端部が前記上流側部分に流体接続されるように第2端面に開口され且つ他端部が第1端面に開口して前記他方のポンプ空間に流体接続されるように前記他方のポートブロックに形成された下流側部分とを含み得る。
前記一方のポートブロック及び対応するポンプケースの少なくとも一方には両者によって形成されるポンプ空間を外部に開くドレンポートが形成され、前記他方のポートブロック及び対応するポンプケースの少なくとも一方には両者によって形成されるポンプ空間を外部に開くドレンポートが形成される。
【0013】
一形態においては、前記第1及び第2ポートブロックの各々は、厚み方向に延びて前記第1及び第2端面の周縁を連結する第1〜第4側面を有する。前記第1及び第2側面はそれぞれ前記第1板面方向一方側及び他方側を向き且つ前記第3及び第4側面はそれぞれ前記第1板面方向とは直交する第2板面方向一方側及び他方側を向く。
この場合において、前記第1及び第2ポートブロックの各々には、前記軸線孔を挟んで互いに対して対称な状態で前記第1板面方向に延び、一端部及び他端部がそれぞれ前記第1及び第2側面に開口された一対の第1穿孔と、前記軸線孔より前記第2側面に近接する側において前記一対の第1穿孔の間を連通するように前記第2板面方向に沿って延び、一端部及び他端部がそれぞれ前記第3及び第4側面に開口された第2穿孔と、一端部が前記第2側面に開口し且つ他端部が前記第2穿孔に流体接続された第3穿孔と、一端部が前記第3穿孔に流体接続され且つ他端部が前記第2端面に開口されて前記分岐油路を形成する第4穿孔とが形成される。
前記一対の第1穿孔は他端部がプラグによって閉塞されることで一端部が前記給排ポートとして作用する前記一対の作動油路を形成する。
前記第2穿孔の一端部及び他端部からそれぞれ前記チェック弁が挿入されることで前記第3穿孔の一端部が前記圧油受入ポートとして作用した状態で前記第2穿孔及び前記第3穿孔が前記チャージ油路を形成する。
さらに、前記第1及び第2ポートブロックのうち、前記リリーフ弁が装着される一方のポートブロックには、一端部が前記第3側面に開口し且つ他端部が前記第3穿孔に流体接続するように前記軸線孔より前記第2側面に近接する側において前記第2板面方向に沿って延びた第5穿孔であって、前記一端部から前記リリーフ弁が挿入されるリリーフ弁挿入孔を形成する第5穿孔と、前記第5穿孔を貫通した状態で一端部及び他端部が前記第1及び第2端面に開口された第6穿孔とが設けられる一方で、前記リリーフ弁が装着されない他方のポートブロックには、前記第6穿孔の他端部と流体接続するように一端部が前記第2端面に開口され且つ他端部が前記第1端面に開口された第7穿孔が設けられる。
前記第6穿孔のうち前記第5穿孔よりも第1端面寄りに位置する部分が前記第1リリーフドレン油路を形成し、前記第6穿孔のうち前記第5穿孔よりも第2端面寄りに位置する部分及び前記第7穿孔が前記第2リリーフドレン油路を形成する。
【0014】
好ましくは、前記第1及び第2ポートブロックの各々には、前記軸線孔より前記第1側面に近接する側において前記第2板面方向に延びる第8穿孔が形成される。
前記第8穿孔は、一端部が前記第3又は第4側面の一方に開口された状態で前記一対の作動油路の双方に流体接続され、前記第8穿孔の前記一端部から挿入されたバイパス弁によって、前記一対の作動油路の間が選択的に流体接続又は遮断される。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るマルチポンプユニットによれば、前記第1及び第2ポートブロックの双方のチャージ油路の油圧設定を単一のリリーフ弁によって行うことを可能としつつ、第1及び第2油圧ポンプが直列配置されてなるタンデム構成と前記第1及び第2油圧ポンプが互いに対して独立配置される独立設置構成とを選択することができる。
特に、前記タンデム構成においては、前記第1及び第2ポートブロックの第2端面同士を当接させた状態で両ポートブロックを連結させることにより、両ポートブロックの前記接続ポート同士が連結されるので、追加部材を備えることなく、前記単一のリリーフ弁による双方のチャージ油路の油圧設定を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態に係るポンプユニットの断面図である。
【図2A】図2Aは、前記ポンプユニットの油圧回路図である。
【図2B】図2Bは、前記ポンプユニットと流体接続されるモータユニットの油圧回路図である。
【図3】図3は、図1におけるIII-III線に沿った断面図である。
【図4】図4は、図1におけるIV-IV線に沿った断面図である。
【図5】図5は、図1におけるV-V線に沿った断面図である。
【図6】図6は、図5におけるVI-VI線に沿った端面図である。
【図7】図7は、図1におけるVII-VII線に沿った端面図である。
【図8】図8は、図1におけるVIII-VIII線に沿った端面図である。
【図9】図9は、図1におけるIX-IX線に沿った端面図である。
【図10】図10は、図5におけるX-X線に沿った断面図である。
【図11】図11は、前記作業車輌における第1油圧モータユニット近傍の断面図である。
【図12】図12は、図11に示す前記第1油圧モータユニットの断面図である。
【図13】図13は、図12に示す前記第1油圧モータユニットの変形例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るポンプユニットの好ましい実施の形態について添付図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1に本実施の形態に係るポンプユニット1の断面図を示す。
図1に示すように、前記ポンプユニット1は、第1油圧ポンプ15(1)と、前記第1油圧ポンプ15(1)が直接又は間接的に摺接する第1端面11a及び前記第1端面11aとは厚み方向反対側の第2端面11bを有する第1ポートブロック10(1)と、前記第1油圧ポンプ15(1)を収容する第1ポンプ空間P(1)を形成するように前記第1ポートブロック10(1)の第1端面11aに連結される第1ポンプケース16(1)と、第2油圧ポンプ15(2)と、前記第2油圧ポンプ15(2)が直接又は間接的に摺接する第1端面11a及び前記第1端面11aとは厚み方向反対側の第2端面11bを有する第2ポートブロック10(2)と、前記第2油圧ポンプ15(2)を収容する第2ポンプ空間P(2)を形成するように前記第2ポートブロック10(2)の第1端面11aに連結される第2ポンプケース16(2)とを有している。
【0019】
前記ポンプユニット1は、例えば、走行系変速装置500を構成する部材として作業車輌に適用される。
本実施の形態においては、前記走行系変速装置は2ポンプ・2モータ方式とされている。
図2Aに前記ポンプユニット1の油圧回路図を示す。図2Bに前記ポンプユニット1に流体接続されて前記走行系変速装置500を形成する第1、第2モータユニット511(1)、511(2)の油圧回路図を示す。
【0020】
詳しくは、図2A及び図2Bに示すように、前記走行系変速装置500においては、前記ポンプユニット1の前記第1油圧ポンプ15(1)は左右一対の第1及び第2駆動輪500(1)、500(2)の一方500(1)を駆動する第1油圧モータ511(1)と共働して第1HSTを形成し、前記第2油圧ポンプ15(2)は前記一対の第1及び第2駆動輪500(1)、500(2)の他方500(2)を駆動する第2油圧モータ511(2)と共働して第2HSTを形成している。
【0021】
詳しくは、図2A及び図2Bに示すように、前記作業車輌は、前記ポンプユニット1に加えて、前記ポンプユニット1の動力源となるエンジン505と、前記一対の第1及び第2駆動輪500(1)、500(2)と、前記第1油圧ポンプ15(1)に一対の第1油圧ライン410(1)を介して流体接続されて前記第1HSTを形成する前記第1油圧モータ511(1)を有し、前記第1油圧モータ511(1)の回転動力を前記第1駆動輪500(1)に向けて出力する第1油圧モータユニット510(1)と、前記第2油圧ポンプ15(2)に一対の第2油圧ライン410(2)を介して流体接続されて前記第2HSTを形成する前記第2油圧モータ511(2)を有し、前記第2油圧モータ511(2)の回転動力を前記第2駆動輪500(2)に向けて出力する第2油圧モータユニット510(2)と、前記エンジン505によって作動的に駆動され、前記第1及び第2HSTに対する作動油供給源として作用するチャージポンプ530と、前記チャージポンプ530の油源として作用する油タンク540とを備えている。
【0022】
図2Aに示すように、前記第1ポートブロック10(1)には前記一対の第1油圧ライン410(1)の一部を形成する一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)が形成され、前記第2ポートブロック10(2)には前記一対の第2油圧ライン410(2)の一部を形成する一対の第2油圧ポンプ用作動油路411(2)が形成されている。
【0023】
図1に示すように、前記第1油圧ポンプ15(1)は前記第1ポートブロック10(1)における前記第1端面11aの摺接領域11a’に摺接しており、前記第2油圧ポンプ10(2)は前記第2ポートブロック10(2)における前記第1端面11aの摺接領域11a’に摺接している
【0024】
前記摺接領域11a’には、対応する前記第1及び第2油圧ポンプ10(1)、10(2)の吸入・吐出部に通じる一対のキドニーポート(図示せず)が設けられており、前記一対のキドニーポートを介して対応する前記油圧ポンプ10(1)、10(2)及び対応する前記油圧ポンプ用作動油路411(1)、411(2)の間で作動油が給排されるようになっている。
なお、本実施の形態においては、図1に示すように、前記油圧ポンプ10(1)、10(2)は、前記吸入・吐出部を有する端面が凹状球面とされており、前記摺接領域11a’の外表面は前記凹状球面と係合する凸状球面とされている。
【0025】
図3に、図1におけるIII-III線に沿った前記第1ポートブロック10(1)の断面図を示す。
図3に示すように、前記第1ポートブロック10(1)は、前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)に加えて、対応する前記第1油圧ポンプ10(1)を駆動する第1ポンプ軸17(1)が挿通されるように前記第1及び第2端面11a、11bの間を貫通する第1軸線孔14(1)と、圧油源からの圧油を前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)へ供給する第1チャージ油路430(1)とを有している。
【0026】
前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)は、前記第1油圧ポンプ15(1)に流体接続された状態で少なくとも一端部が外表面に開口して一対の第1給排ポート411P(1)を形成している。
【0027】
本実施の形態においては、図3に示すように、前記一対の第1ポンプ用作動油路411(1)は、前記第1軸線孔14(1)を挟んで互いに対して対称な状態で前記第1ポートブロック10(1)の第1板面方向X1に延び且つ対応する前記第1油圧ポンプ15(1)に流体接続されるように前記第1端面11aに開口された一対の平行部415と、前記一対の平行部415から前記第1板面方向X1一方側に延びて外表面に開口し前記一対の第1給排ポート411P(1)を形成する一対のメイン開口部416とを有している。
【0028】
本実施の形態においては、図3に示すように、前記第1ポートブロック10(1)は、前記第1及び第2端面11a、11bの周縁同士を連結するように厚み方向に延びる第1〜第4側面12a〜12dを有している。
前記第1及び第2側面12a、12bは、それぞれ、前記第1板面面方向X1一方側及び他方側を向いており、前記第3及び第4側面12c、12dは、それぞれ、前記第1板面方向X1とは直交する第2板面方向X2一方側及び他方側を向いている。
そして、前記第1給排ポート411P(1)は前記第1側面12aに開口している。
【0029】
なお、本実施の形態においては、前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)は、前記一対の平行部415から前記第1板面方向X1反対側に延びて前記第2側面12bに開口する一対のサブ開口部417を有しており、前記一対のサブ開口部417はプラグ417aによって閉塞されている。
【0030】
本実施の形態においては、前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)は、前記第1板面方向X1に沿った状態で前記第1ポートブロック10(1)を貫通するように穿孔された一対の第1穿孔400aによって形成されている。
【0031】
前記第1チャージ油路430(1)は、図3に示すように、一端部が外表面に開口して圧油受入ポート430Pを形成し且つ他端部が分岐されて前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)に一対のチェック弁435を介して流体接続されている。
なお、本実施の形態においては、前記一対のチェック弁435の各々は、高圧リリーフ弁の機能を合わせ持つ形態とされている。
【0032】
本実施の形態においては、前記第1チャージ油路430(1)は、第2及び第3穿孔400b、400cによって形成されている。
詳しくは、図3に示すように、前記第2穿孔400bは、前記第1軸線孔14(1)より前記第2側面12bに近接する側において前記一対の第1穿孔400aの間を連通するように前記第2板面方向X2に沿って延び、一端部及び他端部がそれぞれ前記第3及び第4側面12c、12dに開口されている。
【0033】
前記第3穿孔400cは、一端部が前記第2側面12bに開口し且つ他端部が前記第2穿孔400bに流体接続している。
本実施の形態においては、前記第2及び第3穿孔400b、400cはT字形を形成している。
即ち、前記第3穿孔400cは、前記一対の油圧ポンプ用作動油路411(1)の間において前記第1板面方向X1に沿って延びており、一端部が前記第2側面12bに開口し且つ他端部が前記第2穿孔400bに流体接続している。
より詳しくは、前記第3穿孔400cは、前記第1軸線孔14(1)の軸線を通った状態で前記第1板面方向X1及び前記第1ポートブロック10(1)の厚み方向に沿った仮想面IP上に位置している。
【0034】
前記一対のチェック弁435は、前記第2穿孔400bの前記一端部及び他端部からそれぞれ挿入されており、前記第3穿孔400cから前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)への圧油の流入は許容し且つ逆向きの流れは防止するように構成されている。
【0035】
さらに、前記第1ポートブロック10(1)には、図3に示すように、一端部が前記一対のチェック弁435より圧油流れ方向上流側において前記第1チャージ油路430(1)に流体接続され且つ他端部が前記第2端面11bに開口されて接続ポート440Pを形成する第1分岐油路440(1)が形成されている。
【0036】
前記接続ポート440Pは、図1及び図3に示すように、前記第1軸線孔14(1)の軸線を通った状態で前記第1板面方向X1及び前記第1ポートブロック10(1)の厚み方向に沿った仮想面IP上に位置されている。
【0037】
本実施の形態においては、前記第1分岐油路440(1)は、第4穿孔400dによって形成されている。
前記第4穿孔400dは、図3に示すように、一端部が前記第3穿孔400cに流体接続され且つ他端部が前記第2端面11bに開口されている。
【0038】
図4に、図1におけるIV-IV線に沿った前記第2ポートブロック10(2)の断面図を示す。
図1及び図4に示すように、前記第2ポートブロック10(2)は、前記一対の第2油圧ポンプ用作動油路411(2)に加えて、対応する前記第2油圧ポンプ15(2)を駆動する第2ポンプ軸17(2)が挿通されるように前記第1及び第2端面11a、11bの間を貫通する第2軸線孔14(2)と、圧油源からの圧油を前記一対の第2油圧ポンプ用作動油路411(2)へ供給する第2チャージ油路430(2)であって、一対のチェック弁435が介挿された第2チャージ油路430(2)と、一端部が前記一対のチェック弁435より圧油流れ方向上流側において前記第2チャージ油路430(2)に流体接続され且つ他端部が前記第2端面11bに開口されて接続ポート440Pを形成する第2分岐油路440(2)とを有している。
【0039】
前記第2ポートブロック10(2)は前記第1ポートブロック10(1)と同一外形状を有している。
又、前記一対の第2油圧ポンプ用作動油路411(2)は前記一対の第1油圧ポンプ用作動油路411(1)と同一構成を有し、前記第2軸線孔14(2)は前記第1軸線孔14(1)と同一構成を有し、前記第2チャージ油路430(2)は前記第1チャージ油路430(1)と同一構成を有し、前記第2分岐油路440(2)は前記第1分岐油路440(1)と同一構成を有している。
従って、図中、第2ポートブロック10(2)については、前記第1ポートブロック10(1)におけると同一部分に同一符号又は括弧内を「2」に変更した同一符号を付している。
【0040】
前述の通り、前記第2分岐油路440(2)は前記第1分岐油路440(1)と同一構成を有している。
即ち、前記第2分岐油路440(2)の接続ポート440Pも、前記第1分岐油路440(1)の接続ポート440Pと同様に、対応する軸線孔14(2)軸線を通った状態で前記第1板面方向及び前記ポートブロックの厚み方向に沿った仮想面IP上に位置されている。
【0041】
斯かる構成により、前記第1ポートブロック10(1)の第1端面11aに前記第1油圧ポンプ15(1)及び前記第1ポンプケース16(1)が支持されてなる第1アッセンブリと前記第2ポートブロック10(2)の第1端面11aに前記第2油圧ポンプ15(2)及び前記第2ポンプケース16(2)が支持されてなる第2アッセンブリとを、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の第1板面方向を一致させつつ第2端面11b同士を当接させた状態で、例えば4本の取付ボルトによって連結して互いの前記ポンプ軸17(1)、17(2)が同軸上に位置された前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)のタンデム配置を実現させた際に、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の前記接続ポート440P同士が流体接続されることになる。
【0042】
従って、前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)のタンデム配置においては、単一の圧油源からの圧油を前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の何れか一方における前記圧油受入ポート430Pへ供給するだけで、前記第1チャージ油路430(1)及び前記第2チャージ油路430(2)の双方に圧油を供給することができる。
【0043】
具体的には、前記第1及び第2油圧ポンプ用チャージ油路430(1)、430(2)の何れか一方のチャージ油路(本実施の形態においては前記第1油圧ポンプ用チャージ油路430(1))の前記圧油受入ポート430Pをプラグ431(図3参照)によって閉塞し且つ他方のチャージ油路(本実施の形態においては前記第2油圧ポンプ用チャージ油路430(2))の前記圧油受入ポート430Pを前記チャージポンプ530に流体接続させることで、単一の前記チャージポンプから530の圧油を双方のチャージ油路430(1)、430(2)へ供給することができる。
【0044】
又、本実施の形態に係る前記ポンプユニット1においては、前記第1及び第2アッセンブリを独立配置させることも可能である。
即ち、前記第1及び第2アッセンブリの各々を独立配置されるシングルポンプユニットとして用いることも可能である。
【0045】
本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の各々には、板厚方向に沿って視た際の四隅に取付ボス13が設けられている。
前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)をタンデム配置させる場合には、互いに対向する取付ボス同士が取付ボルトを介して締結される。
前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)をシングルポンプユニットとして用いる場合には、前記取付ボス13が図示しないフレームなどの固定部に当接された状態で適宜の取付ボルトによって前記固定部に固定される。
【0046】
なお、独立使用態様においては、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の前記接続ポート440P同士を配管を介して流体接続することにより、単一の前記チャージポンプ530からの圧油を双方のチャージ油路430(1)、430(2)へ供給することができる。
【0047】
さらに、図2A〜図4に示すように、本実施の形態に係る前記ポンプユニット1は、単一のリリーフ弁450によって前記第1及び第2チャージ油路430(1)、430(2)の双方の油圧を設定するように構成されており、これにより、部品数削減によるコスト低廉化を図っている。
【0048】
即ち、前記ポンプユニット1においては、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の一方(図示の形態においては前記第1ポートブロック10(1))にのみ前記リリーフ弁450が装着されており、前記リリーフ弁450によって前記第1及び第2チャージ油路430(1)、430(2)の双方の油圧が設定されるようになっている。
【0049】
具体的には、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)のうち少なくとも前記リリーフ弁450が装着される側のポートブロック(図示の形態においては前記第1ポートブロック10(1))には、前記第1〜第4穿孔400a〜400dに加えて、前記リリーフ弁450の設置孔として作用する第5穿孔400eが形成されている。
【0050】
図3に示すように、前記第5穿孔400eは、一端部が前記第3側面12c又は第4側面12dに開口し且つ他端部が前記第3穿孔400cに流体接続するように前記第1軸線孔14(1)より前記第2側面12cに近接する側において前記第2板面方向X2に沿って延びており、前記リリーフ弁450は一次側が前記第3穿孔400cに臨むように開口端部から前記第5穿孔400eに挿入される。
【0051】
なお、本実施の形態においては、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の可及的な共通化による製造コストの向上を図る為に、前記リリーフ弁450が装着されない側のポートブロック(本実施の形態においては前記第2ポートブロック10(2))にも、図4及び図5に示すように、一端部が前記チェック弁435より圧油流れ方向上流側において対応する前記チャージ油路430(2)に流体接続され且つ他端部が外表面に開口された前記第5穿孔400eが形成されている。
なお、前記リリーフ弁450が装着されない側の前記第2ポートブロック10(2)においては、前記第5穿孔400eの開口端はプラグ458によって閉塞されている。
【0052】
本実施の形態に係る前記ポンプユニット1は、前記リリーフ弁450からのリリーフ油を前記リリーフ弁450が装着されたポートブロック(図示の形態においては前記第1ポートブロック10(1))及びこれに対応するポンプケース16(1)によって画されるポンプ空間P(1)へ案内すると共に、前記リリーフ油を前記リリーフ弁450が装着されていないポートブロック(図示の形態においては前記第2ポートブロック10(2))及びこれに対応するポンプケース16(2)によって画されるポンプ空間P(2)へも案内するように構成されている。
【0053】
図5に、図1におけるV-V線に沿った断面図を示す。
即ち、前記ポンプユニット1は、図3〜図5に示すように、前記リリーフ弁450からのリリーフ油を前記リリーフ弁450が装着された前記第1ポートブロック10(1)及びこれに対応する前記ポンプケース16(1)によって形成される前記第1ポンプ空間P(1)に案内する第1リリーフドレン油路460(1)と、前記リリーフ油を前記リリーフ弁450が装着されていない前記第2ポートブロック10(2)及びこれに対応する第2ポンプケース16(2)とによって形成される前記第2ポンプ空間P(2)に案内する第2リリーフドレン油路460(2)とを含んでいる。
【0054】
図3及び図5に示すように、前記第1リリーフドレン油路460(1)は、一端部が前記リリーフ弁450の二次側に流体接続され且つ他端部が第1端面11aに開口して前記第1ポンプ空間P(1)に流体接続されるように前記第1ポートブロック10(1)に形成されている。
なお、前記第1リリーフドレン油路460(1)の他端部は、対応する前記摺接領域11a’以外の領域において前記第1端面11aに開口されている。
【0055】
図6に、図5におけるVI-VI線に沿った前記第2ポンプケース16(2)の端面図を示す。
一方、前記第2リリーフドレン油路460(2)は、図4〜図6に示すように、一端部が前記リリーフ弁450の二次側に流体接続され且つ他端部が第2端面11bに開口するように前記第1ポートブロック10(1)に形成された上流側部分461と、一端部が前記上流側部分461に流体接続されるように第2端面11bに開口され且つ他端部が第1端面11aに開口して前記第2ポンプ空間P(2)に流体接続されるように前記第2ポートブロック10(2)に形成された下流側部分462とを含んでいる。
なお、前記下流側部分462の他端部は、対応する前記摺接領域11a’以外の領域において前記第1端面11aに開口されている。
【0056】
前記第1リリーフドレン油路460(1)及び前記第2リリーフドレン油路460(2)は、前記第1ポートブロック10(1)に設けられた第6穿孔400fと前記第2ポートブロック10(2)に設けられた第7穿孔400gとによって形成されている。
【0057】
詳しくは、前記第6穿孔400fは、図3及び図5に示すように、前記第5穿孔400eを貫通した状態で一端部及び他端部がそれぞれ前記第1及び第2端面11a、11bに開口するように、前記リリーフ弁450が装着された前記第1ポートブロック10(1)に形成されている。
【0058】
一方、前記第7穿孔400gは、図4〜図6に示すように、前記第6穿孔400fの他端部と流体接続すべく一端部が前記第2端面11bに開口され且つ他端部が前記第1端面11aに開口して前記第2ポンプ空間P(2)に流体接続するように、前記リリーフ弁450が装着されない前記第2ポートブロック10(2)に形成されている。
【0059】
斯かる構成において、前記第6穿孔400fのうち前記第5穿孔400eよりも第1端面11a寄りに位置する部分が前記第1リリーフドレン油路460(1)を形成している。
又、前記第6穿孔400fのうち前記第5穿孔400eよりも第2端面11b寄りに位置する部分が前記上流側部分461を形成し、前記第7穿孔400gが前記下流側部分462を形成している。
【0060】
さらに、前記ポンプユニット1においては、図1に示すように、前記第1ポートブロック10(1)及び前記第1ポンプケース16(1)の少なくとも一方に、両者によって形成される前記第1ポンプ空間P(1)を外部に開く第1ポンプ側ドレンポート470(1)が形成され、前記第2ポートブロック10(2)及び前記第2ポンプケース16(2)の少なくとも一方に、両者によって形成される前記第2ポンプ空間P(2)を外部に開く第2ポンプ側ドレンポート470(2)が形成されている。
【0061】
本実施の形態においては、図1に示すように、前記第1ポンプ側ドレンポート470(1)は前記第1ポンプケース16(1)に形成され、前記第2ポンプ側ドレンポート470(2)は前記第2ポンプケース16(2)に形成されている。
【0062】
このように、本実施の形態に係る前記ポンプユニット1においては、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の一方にのみ前記リリーフ弁450を装着させつつ、前記リリーフ弁450からのリリーフ油を前記第1及び第2ポンプ空間P(1)、P(2)の双方へ案内し、且つ、前記第1及び第2ポンプ空間P(1)、P(2)の貯留油を前記第1及び第2ポンプ側ドレンポート470(1)、470(2)を介して外部に排出させ得るように構成されており、これにより、追加部品を備えること無く前記第1及び第2ポンプ空間P(1)、P(2)内の貯留油を効率的に循環させることができ、これにより、前記貯留油の温度上昇を有効に抑え得るようになっている。
【0063】
好ましくは、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)には前記第1及び第2ポンプ空間P(1)、P(2)を流体接続させる第1及び第2貫通孔475(1)、475(2)が形成される。
【0064】
前記第1貫通孔475(1)は、一端部が前記第1端面11aに開口して前記第1ポンプ空間P(1)に流体接続し且つ他端部が前記第2端面11bに開口するように、前記第1ポートブロック10(1)に形成されている。
前記第2貫通孔475(2)は、一端部が前記第1端面11aに開口して前記第2ポンプ空間P(2)に流体接続し且つ他端部が前記第2端面11bに開口して前記第1貫通孔475(1)に流体接続するように前記第2ポートブロック10(2)に形成されている。
【0065】
本実施の形態においては、図3及び図4に示すように、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の各々には、対応する前記一対の作動油路411(1)、411(2)の間を選択的に連通又は遮断するバイパス弁480が備えられている。
【0066】
詳しくは、図3及び図4に示すように、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の各々には、対応する前記第1及び第2軸線孔14(1)、14(2)より前記第1側面12aに近接する側において前記第2板面方向X2に延びる第8穿孔400hが形成されている。
【0067】
前記第8穿孔400hは、一端部が前記第3又は第4側面12c、12dの一方に開口された状態で対応する前記一対の作動油路411(1)、411(2)の間を連通している。
そして、前記バイパス弁480は、前記第8穿孔400hの前記一端部から挿入されて、外部操作に基づき前記一対の作動油路411(1)、411(2)の間を選択的に流体接続又は遮断する。
【0068】
このように、前記バイパス弁480を第2板面方向X2に関し前記軸線孔14(1)、14(2)を挟んで前記チェック弁435及び前記リリーフ弁480とは反対側に配置させることにより、前記バイパス弁480を無理なく配置させることが可能となる。
【0069】
本実施の形態に係る前記ポンプユニット1においては、図1に示すように、前記第1ポンプ軸17(1)は一端部が前記第1ポンプ空間P(1)から外方へ延在された状態で前記第1ポンプケース16(1)及び前記第1ポートブロック10(1)に軸線回り回転自在に支持されており、前記第1ポンプ軸17(1)の前記一端部に前記エンジン505からの回転動力が入力されるようになっている。
【0070】
前記第2ポンプ軸17(2)は、前記第1ポンプ軸17(1)と同軸上において前記第1ポンプ軸17(1)に相対回転不能に連結された状態で前記第2ポンプケース16(2)及び前記第2ポートブロック10(2)に軸線回り回転自在に支持されている。
【0071】
図1に示すように、本実施の形態においては、前記チャージポンプ530は前記第2ポンプ軸17(2)からの回転動力によって駆動されている。
即ち、前記第2ポンプ軸17(2)は、一端部が前記第1ポンプ軸17(1)の他端部に相対回転不能に連結され且つ他端部から前記チャージポンプ530に回転動力を出力している。
【0072】
前記チャージポンプ530は種々の形態をとり得るが、本実施の形態においてはギヤポンプとされている。
図7に、図1におけるVII-VII線に沿った端面図を示す。
【0073】
詳しくは、図1及び図7に示すように、前記チャージポンプ530は、前記ポンプユニット1に連結されるチャージポンプケース531と、前記チャージポンプケース531に支持され且つ前記第2ポンプ軸17(2)に軸線回り相対回転不能に連結される駆動軸535と、前記駆動軸535と平行な状態で前記チャージポンプケース531に支持された従働軸536と、前記駆動軸535に相対回転不能に支持された状態で前記チャージポンプケース531に収容された駆動ギヤ537と、前記駆動ギヤ537と噛合するように前記従働軸536に支持された状態で前記チャージポンプケース531に収容された従働ギヤ538とを含んでいる。
【0074】
図7に示すように、前記チャージポンプケース531の周壁にはサクションポート532b及び吐出ポート532cが開口されており、図2Aに示すように、前記サクションポート532bは前記油タンク540に配管を介して接続され、前記吐出ポート530cは前記圧油受入ポート430Pに配管を介して接続される。なお、前記吐出ポート530c及び前記圧油受入ポート430Pを接続する配管には、ラインフィルタ及びオイルクーラが介挿される(図2A参照)。
【0075】
図1及び図7に示すように、前記チャージポンプケース531は、対応する前記第2ポンプケース16(2)に連結されるケース本体532と、前記ケース本体532に連結される蓋部材533とを含んでいる。
【0076】
図7に示すように、前記ケース本体532は前記第2ポンプケース16(2)の端面にボルト等の締結部材532aを介して着脱可能に連結されており、前記蓋部材533は前記ケース本体532にボルト等の締結部材533aを介して着脱可能に連結されている。
【0077】
本実施の形態に係る前記ポンプユニット1は、図1に示すように、前記第1ポンプケース16(1)を介して車輌フレーム等の固定部材503に支持されている。
【0078】
図8及び図9に、それぞれ、図1におけるVIII-VIII線及びIX-IX線に沿った端面図を示す。
詳しくは、図1及び図8に示すように、前記第1ポンプケース16(1)の端面にはボルト等の締結部材19aを介して台座部材18が連結されており、前記ポンプユニット1は前記台座部材18が前記固定部材503に載置された状態でボルト等の締結部材504を介して前記固定部材503に固定されている。
【0079】
なお、前述の通り、本実施の形態に係る前記ポンプユニット1においては、部品共通化を図る為に前記第1及び第2ポンプケース16(1)、16(2)は同一構成とされている。
従って、図8及び図9に示すように、前記第1及び第2ポンプケース16(1)、16(2)の各々の端面に前記チャージポンプケース531用の締結孔532b及び前記台座部材18用の締結孔19bが形成されている。
【0080】
本実施の形態に係る前記ポンプユニット1においては、前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)は互いに対して同一構成を有しており、且つ、容積を個別に変更し得る可変容積型とされている。
【0081】
詳しくは、図1及び図2Aに示すように、前記ポンプユニット1は、さらに、前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)の容積をそれぞれ変更する一対の容積調整機構30を備えている。
【0082】
図10に、図5におけるX-X線に沿った断面図を示す。
図1に示すように、前記容積調整機構30は、対応する前記ポンプ軸17(1)、17(2)と直交する揺動基準軸線(図示せず)回りに傾転することで対応する前記油圧ポンプ15(1)、15(2)の容積を変更する可動斜板31を有している。
【0083】
本実施の形態に係る前記ポンプユニット1においては、前記可動斜板31は油圧の作用を利用して傾転される。
詳しくは、図2A及び図10に示すように、前記ポンプユニットは、前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)用の前記可動斜板31をそれぞれ傾転させる一対の油圧サーボ機構35を備えている。
【0084】
前記油圧サーボ機構35は、図2A及び図10に示すように、シリンダ351の内部空間を正転室351a及び逆転室351bに液密に分離するように前記シリンダ351内に往復動可能に収容されたピストン352と、圧油供給源から圧油が供給される供給ライン356と、圧油を油溜めへ案内する排出ライン357と、前記正転室及び前記逆転室にそれぞれ流体接続された正転ライン358及び逆転ライン359と、一次側に前記供給ライン356及び前記排出ライン357が流体接続され且つ二次側に前記正転ライン358及び前記逆転ライン359が流体接続された切換弁353とを有している。
【0085】
前記切換弁353は、外部操作される入力アーム353aを介して、前記正転ライン358及び前記逆転ライン359を閉塞する保持位置と前記供給ライン356を前記正転ライン358に流体接続させ且つ前記排出ライン357を前記逆転ライン359に流体接続させる正転位置と前記供給ライン356を前記逆転ライン359に流体接続させ且つ前記排出ライン357を前記正転ライン358に流体接続させる逆転位置とを選択的にとり得る。
なお、前記入力アーム353aは、図外のリンク機構を介して前記作業車輌に備えられる操作レバー等の主変速操作部材に作動的に連結される。
【0086】
前記ピストン352は、前記正転室351aへの圧油供給に応じて軸線方向に沿って正転方向へ移動し且つ前記逆転室351bへの圧油供給に応じて軸線方向に沿って逆転方向へ移動する。
前記ピストン352は、軸線方向に沿った正転方向への移動に応じて前記可動斜板31を前記揺動基準軸線回りに正転方向へ傾転させ且つ軸線方向に沿った逆転方向への移動に応じて前記可動斜板31を前記揺動基準軸線回りに逆転方向へ傾転させるように、前記可動斜板31に作動連結されている。
【0087】
本実施の形態においては、図2Aに示すように、前記供給ライン356は、対応する前記チャージ油路430(1)、430(2)のうち前記一対のチェック弁435より圧油流れ方向上流側に位置する部分に流体接続されており、前記リリーフ弁450によって設定された圧油を受け入れるようになっている。
斯かる構成によれば、前記油圧サーボ機構35に対する圧油供給構造の簡略化によるコスト低廉化を図ることができる。
【0088】
詳しくは、前記供給ライン356は、図5に示すように、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)の各々に形成されたポートブロック側供給油路356aと、前記第1及び第2ポンプケース16(1)、16(2)の各々に形成されたポンプケース側供給油路356bとを含んでいる。
【0089】
前記ポートブロック側供給油路356aは、図1、図3、図4及び図5に示すように、一端部が対応する前記チャージ油路430(1)、430(2)における前記一対のチェック弁435より圧油流れ方向上流側に位置する部分に流体接続され且つ他端部が前記第1端面11aに開口されている。
【0090】
前記ポンプケース側供給油路356bは、図1、図5及び図6に示すように、一端部が前記ポートブロック側供給油路356aに流体接続されるように前記ポートブロック10(1)、10(2)との当接部分に開口され且つ他端部が前記切換弁353の一次側に流体接続されている。
【0091】
図2A及び図2Bに示すように、前記作業車輌は、前記第1油圧ポンプ15(1)と共働して前記第1HSTを形成する前記第1油圧モータ511(1)を含む前記第1油圧モータユニット510(1)と、前記第2油圧ポンプ15(2)と共働して前記第2HSTを形成する前記第2油圧モータ511(2)を含む前記第2油圧モータユニット510(2)とを備えている。
【0092】
なお、前記第2油圧モータユニット510(2)は前記第1油圧モータユニット510(1)と同一構成を有している。従って、図中、前記第2油圧モータユニット510(2)については、前記第1油圧モータユニット510(1)におけると同一構成部材には同一符号又は括弧内を「2」に変更した同一符号を付している。
【0093】
図11に、前記第1油圧モータユニット510(1)近傍の断面図を示す。
さらに、図12に、前記第1油圧モータユニット510(1)の断面図を示す。
図2B及び図12に示すように、前記第1油圧モータユニット510(1)には前記第1油圧モータ511(1)を収容する第1モータ空間M(1)を外部に開く一対の第1モータ側ドレンポート570(1)が設けられている。
同様に、前記第2油圧モータユニット510(2)には前記第2油圧モータ511(2)を収容する第2モータ空間M(2)を外部に開く一対の第2モータ側ドレンポート570(2)が設けられている。
【0094】
そして、図2A及び図2Bに示すように、前記一対の第1モータ側ドレンポート570(1)の一方は前記第1ポンプ側ドレンポート470(1)に流体接続され且つ前記一対の第1モータ側ドレンポート570(1)の他方は前記油タンク540に流体接続されており、前記一対の第2モータ側ドレンポート570(2)の一方は前記第2ポンプ側ドレンポート470(2)に流体接続され且つ前記一対の第2モータ側ドレンポート570(2)の他方は前記油タンク540に流体接続されている。
【0095】
斯かる構成によれば、追加部材を備えることなく、前記第1及び第2ポンプ空間P(1)、P(2)、前記第1及び第2モータ空間M(1)、M(2)並びに前記油タンク540の間で貯留油を積極的に循環させることができ、前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)並びに前記第1及び第2油圧モータ511(1)、511(2)の温度上昇を有効に防止することができる。
【0096】
前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)の各々は、ポートブロック513と、前記ポートブロック513に摺接される前記油圧モータ511(1)(511(2))と、前記油圧モータ511(1)(511(2))を収容する前記モータ空間M(1)(M(2))を形成するように前記ポートブロック513に連結されるモータケース514と、前記油圧モータ511(1)(521(1))を相対回転不能に支持した状態で前記ポートブロック513及び前記モータケース514に軸線回り回転自在に支持されるモータ軸515とを有している。
そして、前記モータケース514に前記一対のモータ側ドレンポート570(1)(570(2))が形成されている。
【0097】
前記ポートブロック513は、図3及び図4に示す前記第1ポートブロック10(1)及び前記第2ポートブロック10(2)と同一ベース構造を有しており、前記チェック弁、前記リリーフ弁、前記バイパス弁及びそれに関連する油路が削除されている。
この場合には、前記油圧モータ511(1)(511(2))の回転部材(シリンダブロックやピストン)は、前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)における回転部材と同一部材が用いられる。従って、2ポンプ・2モータ方式であるが故に計4つの油圧機器を使用しながらもトータルコストを大幅に低減できる。
【0098】
なお、本実施の形態においては、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)の各々は、対応する前記油圧モータ511(1)(511(2))の容積が固定された固定容積型とされている。
【0099】
即ち、図11及び図12に示すように、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)の各々は、さらに、対応する前記油圧モータ511(1)(511(2))を所定容積に固定する固定斜板516を有している。
【0100】
当然ながら、図13に示すように、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)の各々に、前記固定斜板516に代えて可動斜板517を備えることも可能である。斯かる構成によれば、前記駆動輪を駆動する走行出力のトルクアップが可能となる。
【0101】
さらに、図13に示すように、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)の各々は、前記可動斜板517を油圧の作用を利用して傾転する油圧サーボ機構518を備えている。
この場合には、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)の各々は、前記モータ軸515を除き、前記第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)と同構成部品を用いることができ、部品共用化率をさらに高めることができる。
【0102】
前記油圧サーボ機構518に対する圧油供給構造は第1及び第2油圧ポンプ15(1)、15(2)における圧油供給構造と同一である。
即ち、前記油圧サーボ機構518に対する圧油供給構造は、モータケース側供給油路519bとポートブロック側供給油路519aとを含み、前記ポートブロック513の一周壁面に開口した供給ポート520から受け入れた圧油を前記油路519a、519bを介して前記油圧サーボ機構518へ給油するように構成される。
なお、前記供給ポート520には、前記チャージポンプ531の吐出ポート530cより分岐した配管が接続される。
【0103】
なお、この場合には、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)の前記可動斜板517は単一の副変速操作部材によって互いに対して同期した状態で操作される。即ち、前記第1油圧モータユニット510(1)の前記可動斜板517及び前記第2油圧モータユニット510(2)の前記可動斜板517はリンク機構を介して前記単一の副変速操作部材に作動連結される。
【0104】
前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)における前記可動斜板517は単一の副変速操作部材によって互いに対して同期した状態で操作される。
即ち、前記第1油圧モータユニット510(1)の前記可動斜板517に連係する油圧サーボ機構518に備わる入力アーム及び前記第2油圧モータユニット510(2)の前記可動斜板517に連係する油圧サーボ機構518に備わる入力アームはリンク機構を介して前記単一の副変速操作部材に作動連結される。
例えば、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)における前記可動斜板517は、傾転角度が緩急2段階または3段階の有段となるように構成される。
【0105】
なお、本実施の形態においては、前記作業車輌には、図2B及び図11に示すように、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)と対応する駆動輪501、502との間に介挿された一対の減速ギヤユニット550と、前記第1及び第2油圧モータユニット510(1)、510(2)のモータ軸515にそれぞれ制動力を付加し得る一対のブレーキユニット560とが備えられている。前記ブレーキユニット560のロータ部は前記モータ軸515の各々の内端部に固定される。
又、本実施の形態においては、前記ポートブロック513は、前記第1及び第2ポートブロック10(1)、10(2)と同一ベース構造を有しており、前記取付ボス13を介して前記減速ギヤユニット550の入力部回りの外表面にボルト連結されている。
【符号の説明】
【0106】
1 ポンプユニット
10(1) 第1ポートブロック
10(2) 第2ポートブロック
11a 第1端面
11b 第2端面
12a 第1側面
12b 第2側面
12c 第3側面
12d 第4側面
14(1) 第1軸線孔
14(2) 第2軸線孔
15(1) 第1油圧ポンプ
15(2) 第2油圧ポンプ
16(1) 第1ポンプケース
16(2) 第2ポンプケース
17(1) 第1ポンプ軸
17(2) 第2ポンプ軸
400a 第1穿孔
400b 第2穿孔
400c 第3穿孔
400d 第4穿孔
400e 第5穿孔
400f 第6穿孔
400g 第7穿孔
400h 第8穿孔
411(1) 第1油圧ポンプ用作動油路
411(2) 第2油圧ポンプ用作動油路
411P(1) 第1給排ポート
411P(2) 第2給排ポート
415 平行部
430(1) 第1チャージ油路
430(2) 第2チャージ油路
430P 圧油受入ポート
431 プラグ
435 チェック弁
440(1) 第1分岐油路
440(2) 第2分岐油路
440P 接続ポート
450 リリーフ弁
460(1) 第1リリーフドレン油路
460(2) 第2リリーフドレン油路
461 上流側部分
462 下流側部分
470(1) 第1ポンプ側ドレンポート
470(2) 第2ポンプ側ドレンポート
480 バイパス弁
P(1) 第1ポンプ空間
P(2) 第2ポンプ空間
IP 仮想面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプが直接又は間接的に摺接する第1端面及び前記第1端面とは厚み方向反対側の第2端面を有する第1ポートブロックと、前記第1油圧ポンプを囲繞するように前記第1ポートブロックの第1端面に連結される第1ポンプケースと、第2油圧ポンプと、前記第2油圧ポンプが直接又は間接的に摺接する第1端面及び前記第1端面とは厚み方向反対側の第2端面を有する第2ポートブロックと、前記第2油圧ポンプを囲繞するように前記第2ポートブロックの第1端面に連結される第2ポンプケースとを含み、
前記第1及び第2ポートブロックは、対応する油圧ポンプを駆動するポンプ軸が挿通されるように前記第1及び第2端面間を貫通する軸線孔と、前記軸線孔を挟んで互いに対して対称な状態で前記ポートブロックの第1板面方向に延び且つ前記油圧ポンプに流体接続されるように前記第1端面に開口された一対の平行部を有すると共に一端部が外表面に開口されて一対の給排ポートを形成する一対の作動油路と、一端部が外表面に開口して圧油受入ポートを形成し且つ他端部が分岐されて前記一対の作動油路にそれぞれチェック弁を介して流体接続されるチャージ油路と、一端部が前記チャージ油路に流体接続され且つ他端部が前記第2端面に開口されて接続ポートを形成する分岐油路とを有する点において共通し、
前記接続ポートは、前記軸線孔の軸線を通った状態で前記第1板面方向及び前記ポートブロックの厚み方向に沿った仮想面上に位置され、
前記第1ポートブロックの前記圧油受入ポート及び前記第2ポートブロックの前記圧油受入ポートの一方が圧油供給源に流体接続され且つ他方がプラグによって閉塞され、
前記第1及び第2ポートブロックの一方にのみ前記チャージ油路の油圧を設定するリリーフ弁が装着されていることを特徴とするマルチポンプユニット。
【請求項2】
前記リリーフ弁からのリリーフ油を前記一方のポートブロックと対応するポンプケースとによって形成される一方のポンプ空間に案内する第1リリーフドレン油路と、前記リリーフ油を前記リリーフ弁が装着されていない他方のポートブロックと対応するポンプケースとによって形成される他方のポンプ空間に案内する第2リリーフドレン油路とが設けられ、
前記第1リリーフドレン油路は、一端部が前記リリーフ弁に流体接続され且つ他端部が第1端面に開口して前記一方のポンプ空間に流体接続されるように前記一方のポートブロックに形成され、
前記第2リリーフドレン油路は、一端部が前記リリーフ弁に流体接続され且つ他端部が第2端面に開口するように前記一方のポートブロックに形成された上流側部分と、一端部が前記上流側部分に流体接続されるように第2端面に開口され且つ他端部が第1端面に開口して前記他方のポンプ空間に流体接続されるように前記他方のポートブロックに形成された下流側部分とを含み、
前記一方のポートブロック及び対応するポンプケースの少なくとも一方には両者によって形成されるポンプ空間を外部に開くドレンポートが形成され、前記他方のポートブロック及び対応するポンプケースの少なくとも一方には両者によって形成されるポンプ空間を外部に開くドレンポートが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のマルチポンプユニット。
【請求項3】
前記第1及び第2ポートブロックの各々は、厚み方向に延びて前記第1及び第2端面の周縁を連結する第1〜第4側面を有し、前記第1及び第2側面はそれぞれ前記第1板面方向一方側及び他方側を向き且つ前記第3及び第4側面はそれぞれ前記第1板面方向とは直交する第2板面方向一方側及び他方側を向いており、
前記第1及び第2ポートブロックの各々には、前記軸線孔を挟んで互いに対して対称な状態で前記第1板面方向に延び、一端部及び他端部がそれぞれ前記第1及び第2側面に開口された一対の第1穿孔と、前記軸線孔より前記第2側面に近接する側において前記一対の第1穿孔の間を連通するように前記第2板面方向に沿って延び、一端部及び他端部がそれぞれ前記第3及び第4側面に開口された第2穿孔と、一端部が前記第2側面に開口し且つ他端部が前記第2穿孔に流体接続された第3穿孔と、一端部が前記第3穿孔に流体接続され且つ他端部が前記第2端面に開口されて前記分岐油路を形成する第4穿孔とが形成され、
前記一対の第1穿孔は他端部がプラグによって閉塞されることで一端部が前記給排ポートとして作用する前記一対の作動油路を形成し、
前記第2穿孔の一端部及び他端部からそれぞれ前記チェック弁が挿入されることで前記第3穿孔の一端部が前記圧油受入ポートとして作用した状態で前記第2穿孔及び前記第3穿孔が前記チャージ油路を形成し、
前記リリーフ弁が装着される一方のポートブロックには、さらに、一端部が前記第3側面に開口し且つ他端部が前記第3穿孔に流体接続するように前記軸線孔より前記第2側面に近接する側において前記第2板面方向に沿って延びた第5穿孔であって、前記一端部から前記リリーフ弁が挿入されるリリーフ弁挿入孔を形成する第5穿孔と、前記第5穿孔を貫通した状態で一端部及び他端部が前記第1及び第2端面に開口された第6穿孔とが設けられ、
前記リリーフ弁が装着されない他方のポートブロックには、前記第6穿孔の他端部と流体接続するように一端部が前記第2端面に開口され且つ他端部が前記第1端面に開口された第7穿孔が設けられ、
前記第6穿孔のうち前記第5穿孔よりも第1端面寄りに位置する部分が前記第1リリーフドレン油路を形成し、
前記第6穿孔のうち前記第5穿孔よりも第2端面寄りに位置する部分及び前記第7穿孔が前記第2リリーフドレン油路を形成していることを特徴とする請求項2に記載のマルチポンプユニット。
【請求項4】
前記第1及び第2ポートブロックの各々には、前記軸線孔より前記第1側面に近接する側において前記第2板面方向に延びる第8穿孔が形成され、
前記第8穿孔は、一端部が前記第3又は第4側面の一方に開口された状態で前記一対の作動油路の双方に流体接続されており、
前記第8穿孔の前記一端部から挿入されたバイパス弁によって、前記一対の作動油路の間が選択的に流体接続又は遮断されることを特徴とする請求項3に記載のマルチポンプユニット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−188945(P2012−188945A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51025(P2011−51025)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】