説明

メタルハニカム担体構造

【課題】このメタルハニカム担体構造は,金網又は金属製薄板を波板状帯体に成形し,波板状帯体の溝に沿って形成したハニカム通路の壁面に排気ガスを接触通過させて排気ガス中の有害物質を燃焼又は酸化・還元反応させて消失させる。
【解決手段】担体1は,金属製薄板F又は金網Nの一方を稜線7と溝6から成る波板状帯体3に,他方を平板状帯体13に成形し,それらを巻き上げて柱状体4に形成し,溝6に沿って柱状体4の一端面から他端面へ連通する多数のハニカム通路5が形成されている。ハニカム通路5を流れる排気ガスは,金網Nの凹凸表面で乱れて流され且つ金属製薄板Fの表面に接触して流されて,有害物質が燃焼や酸化,還元反応で消失浄化される。金属製薄板Fと金網Nには,互いに異なる種類の触媒が担持されることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,エンジン,バーナ,燃焼装置等の排出口から排気される排気ガスを担体に接触通過させて排気ガス中に含まれる有害物質を燃焼や酸化・還元反応させて消失除去して排気ガスを浄化するメタルハニカム担体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来,ディーゼルエンジンでは,熱効率が高いということからトラック,船舶等に多く用いられており,近年では,CO2 の排出量少ない原動機として見直され,乗用車についても採用が増え続けている。しかしながら,ディーゼルエンジンは,圧縮着火式であるため,NOX はもとよりガソリンエンジンではほとんど発生しない粒子状物質(PMという)が排気ガス中に含まれている。また,金属製ハニカムについて,排気ガスとの接触面積を増やすことは有効であるが,更にハニカムのセルで構成されたガス通路を流れる排気ガスに乱れを与えて,排気ガスを触媒に積極的に接触させる構造のものが提案されている。該ハニカム構造は,薄板を孔開き構造に形成し,表面積の増大という点では損失であるが,ガス通路内に乱流を生成し,乱れによる排気ガスを触媒に積極的に接触させるものである。
【0003】
また,排気ガス浄化用触媒担体として,通流中のガスが乱流となって触媒との反応時間が長くなり,浄化性能を向上させるものが知られている。該排気ガス浄化用触媒担体は,多重捲回体を形成しつつ両端を開口した筒状ケース内に収納配置され,触媒担体は帯状薄板からなり,該帯状薄板にケース内に配置した状態で乱流を発生させる乱流発生部を設け,乱流発生部は複数の孔又はケース内に配置した状態で風の流れを変化させる変化面部から成り,触媒担体を収納するケースの両端開口部分には内部に収納した触媒担体の離脱を係止させるための係止部が設けられたものである(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
また,排ガス浄化触媒用担体構造として,断熱クッションなどを用いることなく,担体からの放熱を防止し,昇温特性を向上させるものが知られている。該排ガス浄化触媒用担体構造は,外筒と,排ガスの上流側に配置される第一ハニカム体と,排ガスの下流側に配置される第二ハニカム体とを備え,第二ハニカム体は外筒に固定され,第一ハニカム体は第二ハニカム体から突出し軸方向上流側に延びる保持部材に外筒と非接触状態に保持されている。第一ハニカム体と外筒との間に空気層が介在しているので,第一ハニカム体からの放熱が防止され,昇温特性が向上するものである(例えば,特許文献2参照)。
【0005】
また,排気ガス浄化触媒用金属担体として,自動車排気ガス等の排気ガスの浄化に使用される触媒のためのハニカム構造を有するものが知られている。該排気ガス浄化触媒用金属担体は,金属の平板と波板とを交互に配列したハニカム構造体であって,排気ガスの上流側から下流側に向けて複数個に分割され,かつ上流側ハニカム構造体と下流側ハニカム構造体とを各々の平板端部を重ね合わせて配列した渦巻き状又は積層状のハニカム構造体であると共に,ハニカム構造体のセル孔方向に沿った外周面を筒体で被装し,該筒体の両端に支持プレートを取り付けて支持プレートで筒体内部に固定されているものである(例えば,特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平8−196918号公報
【特許文献2】特開平6−2536号公報
【特許文献3】特開平1−123638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで,排気ガス中に含まれるNOX とPMとの浄化機能は,トレードオフ関係にあって両方同時に低減することが難しく,ディーゼルエンジンでは,排気ガス中の酸素濃度が高いためガソリンエンジンで有効な三元触媒によるNOX の低減が難しい。また,PMの主成分である煤の酸化温度が高いため,ディーゼルエンジンでは,特殊なPM低減装置が必要になる。最近では,NOX の低減では,尿素を用いてNOX のOを選択的に還元するNOX 還元触媒を用いたり,大量なEGRを行って燃焼温度を下げてNOX の発生を抑える等の技術が開発されている。一方,PMに関しては,コージライトや炭化珪素のセラミックハニカムフィルタを用いてPMを濾過し,フィルタに堆積したPMを,フィルタに担持した触媒により低温で酸化燃焼させるディーゼルパティキュレートフイルタ(以下,DPF)が有効であり,多くの車両に搭載されるようになった。通常,フィルタに担持される触媒は,300℃前後から煤を燃焼させるか,又は排気ガス中のNOをNO2 に酸化させ,該NO2 を活用してPMを酸化燃焼させることによってPMを低温で燃焼させることができると言われている。
【0007】
しかしながら,PMの主成分である煤は,フィルタにより濾過されて燃焼するが,DPFを搭載した車両が渋滞路等で連続的に走行する場合に,エンジンの排気ガス温度は触媒によるPM燃焼温度に達する頻度が極めて少なくなり,結果的に煤によりフィルタが閉塞し,それが排気ブレーキとなって車両が走行できなくする可能性が発生している。更に,フィルタに堆積した煤が車両の走行条件により煤の燃焼温度を上回った時に,PMが急激に爆発的に燃焼し,DPFを破損したり,最悪の場合に,フィルタの溶損や火災に発展する恐れがある。従って,最近では,DPFは,煤の堆積量を圧力センサ等により検知し,煤の堆積量が一定値を超えた場合に,排気温度を高める装置を付加して煤を積極的に燃焼させようとする工夫がなされてきた。これらの排気ガス浄化装置は,エンジンの膨張行程後半又は排気行程にコモンレール式燃料噴射装置を用いて燃料を噴射して燃焼させるか,排気温度を上昇させるもの,又は噴射した燃料を後方に設けた酸化触媒により酸化発熱させるか,又はPM除去装置の上流に別途設けられた燃料供給装置からの燃料を後方に設けられた酸化触媒により酸化発熱させ,排気ガス温度を上昇させている。
【0008】
上記のような排気ガス浄化装置は,煤によりフィルタが閉塞する危険性は低いが,車両の低速走行時等で排気ガスが高温になる頻度が少ない場合は,燃料を用いた排気ガス昇温システムを稼働し,燃料を消費するため走行燃費が悪化するという問題があった。一方,都市部の大気をクリーンにするためには,新車の排気ガスをクリーンにすることは勿論重要であるが,既に市販された車両の排気ガスを浄化することが不可欠となる。そこで,既存車にDPFを装着する場合に,既存車では,コモンレール等の燃料噴射装置を用いて排気ガス温度を容易に制御できる装置を用いることができないこと,エンジンと総合的に制御できないこと等で,既存車に新車のDPFを用いたとしても,DPFが正常に作動しない場合が多い。その結果,コージライト等のフィルタを装着した車両は,低速走行が継続するような都市部ではトラブルが多く発生する。
【0009】
近年,車両に装着するDPFによる排気ガス中のPMの低減率を50%程度として,車両が市街地を走行しても良いとする国が多く出てきた。そのような条件を満足するDPFとして,金属薄板と金属不織布を複合させたものが使用され始めている。該DPFは,排気ガスを金属薄板でガイドして金属不織布に衝突させ不織布でPMを捕集するものでは,比較的に閉塞することがないため,市場でのトラブルが発生しにくい。しかしながら,DPFの構造が複雑になり,金属不織布が高額であるため,トータルのコストが高くなる問題があり,また,PM削減率が40〜50%が限度であり,それ以上高くできない難点がある。
【0010】
この発明の目的は,上記の問題を解決するため,排気ガスが通過する担体のハニカム通路そのものの構造を従来のものと根本的に異なった構造に構成し,金属製薄板と金属製ワイヤから成る金網との帯体の組合せで多数のハニカム通路を構成したものであって,いずれか一方の帯体を平行に傾斜状又はストレート状に延びる稜線と該稜線間の溝とからなる波板状帯体に成形し且つ他方を平板状帯体に成形し,両者を重ねた帯体を巻き上げ又は積層して円筒や角筒の筒体の柱状体を形成し,帯体間に溝に沿ってストレート又はジグザグに延びる多数のハニカム通路を形成し,それによって排気ガスを金網の隙間をほとんど通過させずに,大半の排気ガスをハニカム通路の壁面に沿って接触通過させ,排気ガス流れに乱れを発生させると共に排気ガスの壁面への接触面積を増大させ,担体に担持した触媒の助けで有害物質を酸化・還元させて有害物質を消失させ,従来のような粒子状物質による担体のセルの目詰まり即ち閉塞現象の発生を防止し,排気ガスがハニカム通路を通って常に流れ続けさせ,排気ガス中の有害物質の70〜99%程度を消失処理させ,排気ガスを浄化するメタルハニカム担体構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は,排気ガス通路に配設された担体に排気ガスを通して前記排気ガス中に含まれるNOX ,HC,粒子状物質,スート等の有害物質を燃焼や酸化・還元反応で消失させて前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化用担体構造において,
前記担体は,金属製薄板と金属製ワイヤから成る金網とのいずれか一方を平行な傾き状又はストレート状に延びる稜線と該稜線間の溝から成る波板状帯体に成形し,他方を平板状帯体に成形し,前記波板状帯体と前記平板状帯体とを重ね合わせて筒状に巻き上げ又は積層して柱状体を構成し,前記波板状帯体と前記平板状帯体との間に前記溝に沿って前記柱状体の一端面から他端面へ連通する多数のハニカム通路を形成し,前記ハニカム通路を流れる前記排気ガスが前記金網の凹凸表面で乱れて流されると共に前記薄板の表面に接触して流されて前記有害物質を消失させて浄化することを特徴とするメタルハニカム担体構造に関する。
【0012】
このメタルハニカム担体構造において,前記担体に担持される触媒は,酸化触媒,三元触媒,或いは炭化水素系燃料,アンモニア又は尿素を還元剤として機能させるNOX 還元触媒である。
【0013】
このメタルハニカム担体構造は,前記金属製薄板には,酸化触媒又はNOX 還元触媒が担持されていることが好ましい。また,前記金属製薄板と前記金網には,互いに異なる種類の触媒が担持されていることが好ましい。
【0014】
このメタルハニカム担体構造において,前記波板状帯体の前記稜線は,前記柱状体の軸に対して10°〜50°の角度に傾いている。また,前記金網の前記稜線は,前記ハニカム通路がジグザクの前記屈折路に形成されている。また,前記波板状帯体の波状凸凹のピッチは,1mm〜6mmである。更に,前記波板状帯体の波状凸凹の高さは,0.5mm〜5mmである。
【0015】
このメタルハニカム担体構造において,前記金網のメッシュは,16〜200メッシュである。更に,前記金網のメッシュは,巻き上げ方向で縦のメッシュが横のメッシュより多くなっている。また,前記金網を構成する前記金属製ワイヤの線径は,0.03mm〜0.35mmである。
【0016】
このメタルハニカム担体構造において,前記金網及び前記金属製薄板は,ステンレス鋼又は鉄クロムアルミ合金から構成されている。更に,前記金網と前記金属製薄板とは,予め決められた複数の所定の箇所でロウ付けによって互いに接合されている。
【0017】
このメタルハニカム担体構造において,前記金属製薄板に積層された前記金網は,2枚以上重ねられて複合金網に構成されている。
【発明の効果】
【0018】
このメタルハニカム担体構造は,上記のように構成されているので,排気ガスの大半が溝に沿ってハニカム通路を流れ,ハニカム通路の金網の帯体の凹凸表面によって排気ガスの接触面積を増大させ,HC,NOX ,COの有害物質を水,二酸化炭素,窒素に酸化還元させて有害物質を消失させる性能を促進することができる。このメタルハニカム担体構造は,波板状帯体の稜線をジグザグに成形することによりハニカム通路をジグザグ状に形成し,特に,排気ガスが金網を通過することがほとんど無く,排気ガス中のPMが溝に沿うハニカム通路を流れて常にハニカム通路が閉塞することなく確保されるので,ハニカム通路の屈曲部の領域でPMが付着捕集されると共に,PMが漸次に酸化燃焼されて消失される。また,このメタルハニカム担体構造には,三元触媒,NOX 選択還元触媒等の各種触媒との接触チャンスを増大させ,HC,NOX ,COのガス体の有害物質を,水,二酸化炭素,窒素に酸化還元させて有害物質を消失させる性能を促進できる。即ち,このメタルハニカム担体構造は,金網と金属製薄板とで構成されているので,両者は機能と作用効果が大きく異なっており,そのため,PMやすすを捕集して燃焼浄化する機能と共に,触媒の助けでHC,NOX のガス体を浄化する機能を兼ね備えたものである。そこで,このメタルハニカム担体構造について,金網と金属製薄板との特徴を一層効果的にするため,それぞれに異なった触媒を担持させることができる。この場合に,このメタルハニカム担体構造は,金網と金属製薄板とにそれぞれ異なった触媒を担持させて,これらを重ね合わせて巻き上げ又は積層することによって両者の機能を同時に確保することができる。即ち,このメタルハニカム担体構造は,波板状帯体に触媒を担持させないか又はPM燃焼に有効な触媒を担持させ,PMを捕集して燃焼させ,フィルタを再生し,PMの付着し難い金属製薄板(金属箔を含む)には酸化触媒を担持させ,排気ガス中のHC,CO,NOX 等を酸化させて排気ガスを浄化させることができる。また,このメタルハニカム担体構造は,NOX 還元触媒用担体に用いる場合は,金網にフィルタ機能を持たせ,金網の波板状帯体のジグザグの排気ガス通路でPMを捕集し,PMの付着し難い金属製薄板でNOX の還元を発揮させることができる。また,金網をハニカム担体の機能を重視した場合には,金属製薄板を平板状帯体に成形し,金網の波板状帯体と金属製薄板の平板状帯体とを組み合わせて担体を作製することで,製造コストを安価にすることができる。
【0019】
このメタルハニカム担体構造は,金網を波板状帯体に成形し,金属製薄板(金属箔)を平板状帯体に成形した場合には,1つの担体で排気ガス中のNOX ,HC,COを浄化させる機能とPMを捕集消失させる機能とを持たせることができ,フィルタが安価に製造でき極めて捕集率が高く,コンパクトになる。更に,担体の金網にフィルタ機能を持たせても,排気ガスが溝に沿うハニカム通路を流れ,PMが捕集される金網壁面とが分離しているため,PMで排気ガス通路が閉塞し難くなっており,PMが金網壁面に大量に捕集されたとしても金網の溶損が発生し難い。また,フィルタがPMを過大に捕集して,排気ガス温度が急に上昇した時,大量のPMが短時間に燃焼発熱して担体を溶かしてしまうことがあるが,本願発明は,金網を使用しており,熱容量が大きいため,急速なPM燃焼が起きても溶損が極めて発生し難いのが特徴であるが,本願発明は,金網間に金属薄板を介在しているので,最大のPM捕集量が多少減少し,かつ熱容量が薄板分増加する。その結果,金網の溶解がほとんど発生しないものである。更に,このメタルハニカム担体構造は,金網や金属製薄板に酸化触媒,NOX 触媒を担持させた場合には,金網の凹凸による壁面で排気ガスの流れが乱され,高い浄化効率を確保することができる。或いは,このメタルハニカム担体構造は,金属製薄板を波板状帯体に成形し,金網を平板状帯体に成形した場合には,酸化触媒,NOX 触媒を用いる場合には,金網が排気ガス流れを大きく乱すので,高い浄化効率を得ることができる。1つの担体で排気ガス中のNOX ,HC,COを浄化させる機能とPMを捕集消失させる機能を持たせることができるので,画期的にコンパクトに安価に構成できる。金網にフィルタ機能を持たせても,ハニカム通路が金属製薄板の溝で確保されているので,PMによるハニカム通路の閉塞がし難く,PMが金網壁面に大量に捕集されたとしても金網の溶損が発生し難い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下,図面を参照して,この発明によるメタルハニカム担体構造について説明する。このメタルハニカム担体構造は,エンジン,バーナ,燃焼装置,煙道等の排出口から排出される排気ガスに含まれるHC,NOX 等の有害物質を,触媒を用いたりして水,二酸化炭素,窒素に酸化・還元反応させて消失させ,排気ガスを浄化する担体1A,1B(総称は1)に関するものである。以下,本実施例では,金属製薄板として金属箔Fを用いている。このメタルハニカム担体構造は,金網Nと金属箔Fとを重ね合わせて筒状に巻き挙げ又は積層して構成されており,金網Nと金属箔Fとのいずれか一方を平行な傾き状又はストレート状に延びる稜線7と該稜線7間の溝6から成る波板状帯体3N,3F(総称は3)に成形し,他方を平らな平板状帯体13N,13F(総称は13)に成形し,波板状帯体3と平板状帯体3とを重ね合わせて筒状に巻き上げ又は積層して柱状体4を構成し,波板状帯体3と平板状帯体13との間に溝3に沿って柱状体4の一端面9から他端面10へ連通する多数のハニカム通路5を形成したものである。このメタルハニカム担体構造は,具体的には,図1に示すように,波板状帯体3Nに成形した金網Nと平板状帯体13Fに成形した金属箔Fとを重ね合わせた担体1Aから構成されているか,又は図2に示すように,平板状帯体13Nに成形した金網Nと波板状帯体3Fに成形した金属箔Fとを重ね合わせた担体1Bから構成されている。
【0021】
担体1は,図3〜図5に示すように,波板状帯体3と平板状帯体13とを交互に配置して渦巻き状即ち螺旋状に巻き上げ,又は積層して柱状体4に構成し,波板状帯体3の溝6に沿って柱状体4の一端面の流入口9から他端面の流出口10へ連通したハニカム通路5を形成したことを特徴としている。柱状体4は,全体として,円筒,角筒等の筒体形状に形成されている。ハニカム通路5は,両端部が封止されておらず,一端面の流入口9から他端面の流出口10へ連通してストレート又はジグザグに延びる多数のガス通路を有している。このメタルハニカム担体構造では,ストレートなハニカム通路5を備えた柱状体4即ち担体8A(図7)と担体8B(図8)は,HC,NOX ,CO等の有害物質を浄化するのに適しており,また,ジグザグなハニカム通路5を備えた担体8C(図9)と担体8D(図10)は,HC,NOX に加えて粒子状物質18(図6)等の有害物質を浄化するのに適している。また,波板状帯体3の稜線7は,図7や図8に示すように,波板状帯体3の稜線7が平行に延びて溝6に沿って多数の平行路17を備えたもの,又は図9や図10に示すように,柱状体4の軸に対して波板状帯体3の稜線7が屈折して延びて溝6に沿って多数の屈折路16を備えたものに形成されている。このメタルハニカム担体構造は,排気ガスGが帯体3,13間の溝6に沿って形成されたハニカム通路5をその壁面に接触して通過する際に,排気ガスG中の有害物質が担体1に接触しつつ乱れとなって流れて酸化・還元反応で燃焼して水,二酸化炭素,窒素へ変換されて有害物質を消失させることを特徴としている。
【0022】
担体1を構成する金網Nは,各種の形状に織っても良いものであり,また,図示していないが,同等の機能を持つ金属製不織布でもよいものである。波板状帯体3は,金網N又は金属箔Fの帯体を,例えば,ジグザグの凹凸状の一対のロール型のプレス機等の成形具に通されるだけで又はロール間で押圧するだけで,幅方向に多数の稜線7と稜線7間の多数の溝6とに成形することによって形成できる。また,平板状帯体13は,金網N又は金属箔Fの帯体を平らな一対のロール間に通して平らに成形して形成できる。また,柱状体4を形成する波板状帯体3又は平板状帯体13の帯体は,その表面に有害物質を酸化・還元させて消失させる触媒を担持させることができる。金網Nは,その表面に多数の凹凸が形成され,凹凸表面に触媒が担持されているので,担体1は,排気ガスGが帯体表面に接触する機会が増え,高い浄化性能を発揮できる。排気ガスGは,担体1の帯体壁面に接触して流れることによって乱れ即ち乱流を起こし,排気ガスGと触媒との接触チャンスや接触時間が増大され,有害物質の酸化・還元が促進されることになる。担体1は,常時,低温と高温の繰り返しの熱応力を受けており,その上,温度分布も担体1の場所によって異なっている。金網Nは,それぞれ非常に細いワイヤで構成されているため,熱分布による変形を柔軟に許容することができ,局部的な塑性変形等が起きないので,表面にコーティングされているセラミックス等は剥がれず耐久性も優れている。担体1は,排気ガスGの流れに乱れを起こすことにより,担体1の表面にコーティング等で担持された触媒との接触が大幅に増大され,担体1に担持された触媒の種類に無関係に浄化性能をアップでき,或いは従来のものと同等の浄化性能を得るのであれば,本発明は大幅に小型化することができる。
【0023】
図6には,金網Nから成る波板状帯体3が積層した複合金網で構成された状態が示されている。排気ガスGは,担体1に形成された屈折路16を矢印で示す方向に流れる。担体1は,排気ガスGが波板状帯体3間に形成された屈折路16を通過する際に,排気ガス中の粒子状物質18は,波板状帯体3に接触しつつ流れ又は稜線7間の溝6で形成される屈折路16の屈折部分等の領域で一旦滞留し,そこで徐々に粒子状物質18が酸化燃焼して焼却される。排気ガスGに含まれた粒子状物質18は,排気ガスと共に屈折路16を流れるに従って波板状帯体3の金網壁面に接触しつつ流れて金網Nに担持されている触媒の助けで低温で消失されるが,粒子状物質18の一部は屈折路16の屈折部分等の領域で一旦滞留し,そこで,排気ガス温度が高くなって排気熱で加熱焼却又はNO2 により酸化消失し,或いは,徐々に触媒の助けで酸化燃焼焼却されることになり,屈折路16は,粒子状物質18で金網N自体が閉塞されたとしてもハニカム通路5は閉塞されることがなく,排気ガスGはハニカム通路5を常にスムーズに流れるように連通している。
【0024】
また,波板状帯体3の稜線7は,柱状体4の軸に対してジグザグの傾きの角度が同一又は異なっており,その範囲は柱状体4の軸に対してほぼ10°〜50°の角度に傾いて,ハニカム通路5の傾斜路である屈折路16に形成されている。また,柱状体4は,筒状ケース2内に複数個直列に配設され,柱状体4の波板状帯体3の稜線7の傾き角度は,排気ガスGの上流側と下流側とで同一又は異なっているものである。稜線7の傾き角度は,排気ガスGの流れを考慮すると,10°〜50°が好ましい。本発明品が高い浄化率を確保できたのは,金網Nの表面が排気ガスGの流れに乱れを起こし,触媒との接触を大幅に増加させていることが1つの要因であると思料される。また,1個の担体1の帯体3,13の稜線角度を一定とし,2種類以上の異なった稜線角度の担体1を排気ガスGの流れに直列に配置すると,低速から高速まで安定した性能を得ることができる。或いは,1個の担体1に,帯体の稜線角度の異なったものを2種類以上組み合わせて巻き込むこと又は積層したものを用いても,低速から高速まで安定した性能を得ることができる。更に,稜線7の稜線角度が異なったものを組み合わせた担体1の複数個を,排気ガスGの流れに直列に配列することで,一段と高い浄化率を得ることができると共に,複数個が同じ仕様で製造できるので,担体1の製造コストを低減することができる。
【0025】
担体1に担持させた触媒は,三元触媒,酸化触媒,NOX 触媒,NOX 還元触媒(NOX 選択還元触媒)を用いることができる。本発明は,三元触媒,酸化触媒,NOX 還元触媒のいずれの触媒を用いても,浄化性能を大幅に向上させることができ,従来の担体と同等の浄化性能を確保するのであれば,大幅に小形化でき,低コストに製造することができる。また,尿素(又はアンモニア),軽油(HC)等の還元剤を用いるNOX 還元触媒は,排気ガスGと排気ガスGに混合された還元剤を均一に混合することが極めて重要である。また,担体1は,過大な振動等の外力が負荷される環境,又は大きな熱応力を受ける環境で使用される場合には,担体1を構成する波板状帯体3と平板状帯体13は,分解や変形を阻止するためニッケルを主体としたロウ材で互いに接合することができる。担体1は,600℃以上の高温下で使用される場合,波板状帯体3と平板状帯体13とをロウ材で接合することが,担体1の熱変形が抑制されて好ましいものである。例えば,担体1の一方の端面又は両端面は,ロウ材で接合線で互いに接合してずれないように構成できる。
【0026】
金網Nのメッシュは,縦線と横線とのメッシュ数が異なっており,金網Nの縦線のメッシュ数が横線のメッシュ数より多くなっている。この実施例では,金網Nの縦線のメッシュ数が30〜100メッシュであり,横線のメッシュ数が16〜200メッシュになるように設定されており,織機で1回で織られる速度が速くなり,即ち,所要時間が短くなり,その結果,金網Nを織るための作業コストは高くなる。また,金網Nを構成する金属製ワイヤの線径は,0.03mm〜0.35mmである。また,波板状帯体3の稜線7と溝6との波板の稜線7間の即ち凸凹のピッチPは,1mm〜6mmに設定されることが好ましく,ピッチPが1mm以下であるとハニカム通路5が狭過ぎてPM等が詰まる傾向になり,6mm以上であるとハニカム通路5が広過ぎて排気ガスGの触媒への接触が十分でなくなる。更に,波板状帯体3の稜線7と溝6との波板の凸凹の高さHは,0.5mm〜5mmであることが好ましく,高さHが0.5mm以下であるとハニカム通路5が低過ぎてPM等が詰まる傾向になり,2.5mm以上であるとハニカム通路5が高過ぎて排気ガスGの触媒への接触が十分でなくなる。このメタルハニカム担体構造は,稜線7間のピッチP及び稜線7と溝6との凸凹の高さHを調整することによって,屈折路16又は平行路17の大きさを調節することができ,排気ガスGの流れを調節できるものであり,エンジンの大きさや性能に対応してこれらのサイズを決定すればよいものである。
【0027】
このメタルハニカム担体構造は,担体1を構成する金網Nには,アルミナ(Al2 3 ),シリカ(SiO2 ),ジルコニア(ZrO2 ),セリア(CeO2 ),チタニア(TiO2 )の少なくとも1種以上のセラミックスがコーティングされている。即ち,金網Nを構成する担体基材には,シリカ,アルミナ,セリア,チタニア,ジルコニアのいずれか一種又はそれらの少なくとも1種類を含む複合酸化物粉末が予め被覆されている。更に,金網Nの基材を被覆したセラミックスのコーティング層の表面には,白金(Pt),銀(Ag),カリウム(K),パラジウム(Pd),イリジウム(Ir),鉄(Fe),銅(Cu),バリウム(Ba),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh)の少なくとも1種類以上の酸化・還元触媒が担持されているものである。
【0028】
このメタルハニカム担体構造は,担体1を構成する柱状体4が,複数個(図7〜図10では3個)がケース2内に配設され,例えば,排気管の途中に配設されるものであり,ケース2の端部を排気管に連結するか,排気管内にケース2を押し込むことによって配設することができる。図7と図8に示すように,担体8A,8Bは,波板状帯体3に成形された稜線7を柱状体4の軸に対して平行に延びて形成すれば,波板状帯体3の溝6に沿って形成されるハニカム通路5はストレートな平行路17のハニカム通路5に形成される。又は,図9と図10に示すように,波板状帯体3に成形された稜線7を柱状体4の軸に対して傾きを持ってジグザグに形成すれば,波板状帯体3の溝6に沿って形成されるハニカム通路5が傾斜した屈折路16に形成される。
【0029】
図7には,排気管に配設される担体1の一例が示されている。担体8Aは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体8Aは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体8Aは,ハニカム通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してストレートガス通路14に形成される。また,担体1は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,ケース2内の上下流側に位置する柱状体4の端面に,係止部材11をケース2に溶着することによって柱状体4をケース2内に固定することができる。また,図8には,排気管に配設される担体1の別の例が示されている。担体8Bは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体8Bは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体8Bは,ハニカム通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してストレートガス通路14に形成される。このメタルハニカム担体構造は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,柱状体4が位置するケース2の外周面を変形させて凹部12を形成してケース2に柱状体4を固定することができる。
【0030】
また,図9には,排気管に配設される担体1の更に別の例が示されている。担体8Cは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体8Cは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体8Cは,ハニカム通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してジグザグガス通路15に形成される。このメタルハニカム担体構造は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,ケース2内の上下流側に位置する柱状体4の端面に,係止部材11をケース2に溶着することによって柱状体4をケース2内に固定することができる。また,図10には,排気管に配設される担体1の他の例が示されている。担体8Dは,排気管の排気ガスGの流れ方向に配設されて組み込まれる。担体8Dは,ケース2とケース2内に配設された3個の柱状体4とから構成されている。担体8Dは,ハニカム通路5が一端面の流入口9から他端面の流出口10へ貫通してジグザグガス通路15に形成される。このメタルハニカム担体構造は,3個の柱状体4をケース2に固定するため,柱状体4が位置するケース2の外周面を変形させて凹部12を形成してケース2に柱状体4を固定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明によるメタルハニカム担体構造は,エンジン,バーナ,燃焼装置等の排出口から排気される排気ガスを接触通過させて排気ガス中に含まれる有害物質を酸化・還元反応させて消失除去して排気ガスを浄化する担体として適用して好ましいものである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明によるメタルハニカム担体構造における担体を形成する工程の一例を示し,(A)が重ね前の波板状帯体と平板状帯体との一部を示す斜視図,(B)が波板状帯体と平板状帯体とを重ねた状態を示す正面図である。
【図2】この発明によるメタルハニカム担体構造における担体を形成する工程の別の例を示し,(A)が重ね前の波板状帯体と平板状帯体との一部を示す斜視図,(B)が波板状帯体と平板状帯体とを重ねた状態を示す正面図である。
【図3】図1と図2の重ね合わせた帯体を螺旋状に巻き上げた柱状体を示す正面図である。
【図4】金網の波板状帯体と金属箔の平板状帯体とを巻き上げて柱状体を形成する工程を示す斜視図である。
【図5】図4の波板状帯体と平板状帯体とを巻き上げた柱状体を示す正面図である。
【図6】図4の柱状体を構成する2枚の波板状帯体の稜線を交差状態に配設した状態を示す説明図である。
【図7】ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態で柱状体の両側端を係止部材でケースに固定した一例を示す説明図である。
【図8】ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態でケースが凹部で柱状体をケースに固定した別の例を示す説明図である。
【図9】ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態で柱状体の両側端を係止部材でケースに固定した更に別の例を示す説明図である。
【図10】ケース内に担体を構成する柱状体を直列に3個配設した状態でケースが凹部で柱状体をケースに固定した他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0033】
1,1A,1B 担体
2 ケース
3,3N,3F 波板状帯体
4 柱状体
5 ハニカム通路
6 溝
7 稜線
8A,8B,8C,8D 担体
9 流入口
10 流出口
11 係止部材
12 凹部
13,13N,13F 平板状帯体
14 ストレートガス通路
15 ジグザグガス通路
16 屈折路
17 平行路
18 粒子状物質
F 金属箔(金属製薄板)
G 排気ガス
H 凹凸の高さ
N 金網
P 稜線間のピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガス通路に配設された担体に排気ガスを通して前記排気ガス中に含まれるNOX ,HC,粒子状物質,スート等の有害物質を燃焼や酸化・還元反応で消失させて前記排気ガスを浄化する排気ガス浄化用担体構造において,
前記担体は,金属製薄板と金属製ワイヤから成る金網とのいずれか一方を平行な傾き状又はストレート状に延びる稜線と該稜線間の溝から成る波板状帯体に成形し,他方を平板状帯体に成形し,前記波板状帯体と前記平板状帯体とを重ね合わせて筒状に巻き上げ又は積層して柱状体を構成し,前記波板状帯体と前記平板状帯体との間に前記溝に沿って前記柱状体の一端面から他端面へ連通する多数のハニカム通路を形成し,前記ハニカム通路を流れる前記排気ガスが前記金網の凹凸表面で乱れて流されると共に前記薄板の表面に接触して流されて前記有害物質を消失させて浄化することを特徴とするメタルハニカム担体構造。
【請求項2】
前記担体に担持される触媒は,酸化触媒,三元触媒,或いは炭化水素系燃料,アンモニア又は尿素を還元剤として機能させるNOX 還元触媒であることを特徴とする請求項1に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項3】
前記金属製薄板には,酸化触媒又はNOX 還元触媒が担持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項4】
前記金属製薄板と前記金網には,互いに異なる種類の触媒が担持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項5】
前記波板状帯体の前記稜線は,前記柱状体の軸に対して10°〜50°の角度に傾いていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項6】
前記金網による前記波板状帯体の前記稜線は,前記ハニカム通路がジグザクの前記屈折路に形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項7】
前記波板状帯体の波状凸凹のピッチは,1mm〜6mmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項8】
前記波板状帯体の波状凸凹の高さは,0.5mm〜5mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項9】
前記金網のメッシュは,16〜200メッシュであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項10】
前記金網のメッシュは,巻き上げ方向で縦線のメッシュが横線のメッシュより多くなっており,前記縦線のメッシュは30〜100であり,前記横線のメッシュは60〜200であることを特徴とする請求項9に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項11】
前記金網を構成する前記金属製ワイヤの線径は,0.03mm〜0.35mmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項12】
前記金網及び前記金属製薄板は,ステンレス鋼又は鉄クロムアルミ合金から構成されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項13】
前記金網と前記金属製薄板とは,予め決められた複数の所定の箇所でロウ付けによって互いに接合されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。
【請求項14】
前記金属製薄板に積層された前記金網は,2枚以上重ねられて複合金網に構成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載のメタルハニカム担体構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−202114(P2009−202114A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47958(P2008−47958)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(504059887)
【Fターム(参考)】