説明

メッシュ状導電性金属薄膜の製造方法

【課題】樹脂基板の表面にメッシュ状の金属薄膜を精度よく簡単に形成する方法を提供する。
【解決手段】粒径の略均一な多数の樹脂粒子1を相互に密接させた状態で一平面上に配列させて平板状集合体3を形成する。次に、前記樹脂粒子1よりも粒径の小さい多数の金属粒子2を前記平板状集合体3の樹脂粒子1の隙間に配置する。その後、前記金属粒子2が配置された前記平板状集合体3をプレスにて加圧加熱して、樹脂粒子1の軟化・変形及び/又は溶融により隣接する樹脂粒子1を結合して樹脂基板を形成すると共に、金属粒子2の軟化・変形及び/又は溶融により上記樹脂粒子1の隙間に沿った形状のメッシュ状に金属粒子2を結合する。これらの工程により、樹脂基板の少なくとも一方の面にメッシュ状の導電性金属薄膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂基板の片面又は両面に、メッシュ状の導電性金属薄膜を形成する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パターン状の金属類の薄膜形成技術として、パターニング・マスクを用いて金属薄膜をエッチングして所定形状の導体パターンを形成する方法や、パターン状に蒸着・スパッタ等して所定形状に金属薄膜を形成する方法や、スクリーン印刷やグラビア印刷の技術を用いて導電性ペーストをパターン状に印刷する方法や、インクジェット技術を用いてインク状の導電性材料を基材表面に吹き付けて所定形状の薄膜パターンを形成する方法などが知られている。
【0003】
金属薄膜のパターン形状において、メッシュ形状は、光透過性や低抵抗などの複数の機能性を有しているために望まれる形状であるが、上記のような従来の方法により、メッシュ状(格子状)に導電性のパターンを形成する場合、微細なものを精度よく得ることができなかった。すなわち、これらのマスクやスクリーン版を用いた方法では、マスクやスクリーン版の製作・加工精度がそのまま薄膜パターンの寸法精度に影響を及ぼし、マスクやスクリーン版の加工精度には限界があるため、微細なパターンを精度よく形成することができなかった。特に、ナノメートルサイズのオーダーのパターン形状の金属薄膜を形成するためには、高いパターン精度が要求されるため、これらの技術では困難であった。
【0004】
メッシュ形状の金属薄膜形成技術として、例えば特許文献1の技術が提案されている。この文献の技術では、積層体や金属被膜ワイヤの集合体をスライスすることによりメッシュ状の金属薄膜が得られている。しかしながら、積層体や金属被膜ワイヤ集合体の作成に手間がかかる上、それらの積層体や集合体を精度よくスライスしなければならず、簡単には製造することができないといった問題があった。
【特許文献1】特開2008−127660号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、メッシュ状の金属薄膜を精度よく簡単に形成する方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係るメッシュ状導電性薄膜の製造方法は、粒径の略均一な多数の樹脂粒子1を相互に密接させた状態で一平面上に配列させて平板状集合体3を形成する工程と、前記樹脂粒子1よりも粒径の小さい多数の金属粒子2を前記平板状集合体3の樹脂粒子1の隙間4に配置する工程と、前記金属粒子2が配置された前記平板状集合体3をプレスにて加圧加熱して、樹脂粒子1の軟化・変形及び/又は溶融により隣接する樹脂粒子1を結合して樹脂基板5を形成すると共に、金属粒子2の軟化・変形及び/又は溶融により上記樹脂粒子1の隙間4に沿った形状のメッシュ状に金属粒子2を結合する工程とを含む工程により、樹脂基板5の少なくとも一方の面にメッシュ状の導電性金属薄膜6を形成することを特徴とするものである。
【0007】
請求項2に係るメッシュ状導電性薄膜の製造方法は、粒径の略均一な多数の樹脂粒子1を相互に密接させた状態で一平面上に配列させて平板状集合体3を形成する工程と、前記樹脂粒子1よりも粒径の小さい多数の金属粒子2を前記平板状集合体3の一方の面の樹脂粒子1の隙間4に配置する工程と、前記樹脂粒子1よりも粒径の小さい多数の金属粒子2を前記平板状集合体3の他方の面の樹脂粒子1の隙間4に配置する工程と、前記金属粒子2が両面に配置された前記平板状集合体3をプレスにて加圧加熱して、樹脂粒子1の軟化・変形及び/又は溶融により隣接する樹脂粒子1を結合して樹脂基板5を形成すると共に、金属粒子2の軟化・変形及び/又は溶融により上記樹脂粒子1の隙間4に沿った形状のメッシュ状に同一面同士の金属粒子2を結合する工程とを含む工程により、樹脂基板5の両面にメッシュ状の導電性金属薄膜6を形成することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、樹脂基板の表面に微細なメッシュパターンの金属薄膜を精度よく簡単に製造することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、樹脂基板の両面に微細なメッシュパターンの金属薄膜を精度よく簡単に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明のメッシュ状導電性薄膜の製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0011】
[実施形態1]
図2は、粒径の略均一な多数の樹脂粒子1を相互に密接させた状態で一平面上に配列させて樹脂粒子1の集合体(平板状集合体3)を形成した状態の一例を示す平面図である。また、図1は、図2の平板状集合体3の樹脂粒子1の隙間4に、樹脂粒子1よりも粒径の小さい多数の金属粒子2を配置した状態の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A断面図を示している。このように、本発明では、まず、樹脂粒子1を図2のように配列した後、金属粒子2を図1のように配置する。
【0012】
本実施の形態では、図1のように樹脂粒子1は1粒子の厚みで平板状に配列されている例が図示されているが、樹脂粒子1は2粒子以上の厚みで配列されていてもよい。
【0013】
樹脂粒子1は、熱可塑性を有する材質にて形成される。樹脂粒子1の材料としては、特に限定されるものではないが、ガラス転移点(Tg)が比較的に高いものが好ましい。また、可視光に対して透明性を有するものが好ましく、複屈折性の小さいものであることがさらに好ましい。
【0014】
樹脂粒子1の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、環状ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルケトン、熱可塑性フッ素変性樹脂、熱可塑性シリコーン変性樹脂等の樹脂を挙げることができ、これらの樹脂を単独で、又は同種もしくは異種のものを組み合わせて用いることができる。
【0015】
平板状集合体3は、粒径が略均一な多数の樹脂粒子1により形成されている。平板状集合体3を形成する樹脂粒子1の粒径が略均一であることにより、樹脂粒子1は自己組織化して相互に密接した状態に配列することが可能となっている。粒径が略均一な樹脂粒子1としては、多数の樹脂粒子1の粒径がバラツキなく揃っていることが好ましい。粒径にバラツキがあると、樹脂粒子1を密接して配列することができなくなるおそれがある。樹脂粒子1の粒径のバラツキについては、粒径80μm±15μmの領域の粒子の含有率が粒子全体の個数の95%以上であることが好ましい。このようなバラツキの範囲内に粒子の粒径が揃っていれば、加圧加熱により軟化した際に粒径のバラツキを吸収して格子状のパターンを形成できるものである。
【0016】
樹脂粒子1の粒径は格子ピッチを決める主な支配要因となるものである。粒径が揃っている程、格子ピッチが均一化しやすくなる。また、図2のような配列となるためには、樹脂粒子1は球状のものであることが好ましい。粒径と同様、樹脂粒子1の真球度のバラツキも、形成される導電性金属薄膜6の格子の電気的性能及び外観(ダークスポットの発生)に影響を及ぼすものである。但し、粒径や真球度のバラツキの程度はアプリケーションによって仕様が異なるので、適宜、バラツキの範囲内の樹脂材料を選択することができる。
【0017】
樹脂粒子1の粒径としては65〜95μmであることが好ましい。樹脂粒子1の粒径がこの範囲よりも小さいと、導電性金属薄膜の格子にダークスポットが発生するおそれがある。一方、樹脂粒子1の粒径がこの範囲よりも大きいと、導電性金属薄膜の格子に欠損が発生するおそれがある。なお、粒径は、例えば、粒子径測定装置(例えば、粒度分布測定器など)により、その平均値やバラツキを測定することができる。
【0018】
金属粒子2は、導電性の金属により形成される粒子である。金属としては、導電性のものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、クロム、コバルト、亜鉛、すず、ルテニウム、ロジウムなどや、これらの任意の2種以上を組み合わせた合金などを用いることができる。
【0019】
また、金属粒子2として有機化合物で被覆されたものを使用することもできる。その場合、粒径が小さいものを用いても金属粒子2が凝集することを防ぐことができる。
【0020】
平板状集合体3の隙間4に配置される多数の金属粒子2は、粒径が略均一な粒子であることが好ましい。それにより、一面にわたって均一なメッシュ状の薄膜を形成することが容易となる。粒径が略均一な金属粒子2としては、多数の金属粒子2の粒径がバラツキなく揃っていることが好ましい。粒径にバラツキがあると、金属粒子2を平板状集合体3の隙間4に配置することができなくなるおそれがある。金属粒子2の粒径のバラツキについては、粒径30μm±10μmの領域の粒子の含有率が粒子全体の個数の95%以上であることが好ましい。このようなバラツキの範囲内に粒子の粒径が揃っていれば、加圧加熱により軟化した際に粒径のバラツキを吸収して格子状のパターンを形成できるものである。
【0021】
また、図1のような配置となるためには、金属粒子2は球状のものであることが好ましい。粒径と同様、金属粒子2の真球度のバラツキも、形成される導電性金属薄膜6の格子の電気的性能及び外観(ダークスポットの発生)に影響を及ぼすものである。但し、粒径や真球度のバラツキの程度はアプリケーションによって仕様が異なるので、適宜、バラツキの範囲内の金属粒子2を選択することができる。
【0022】
金属粒子2の粒径は樹脂粒子1の粒径よりも小さいものである。それにより加圧加熱した際に、樹脂粒子1の一部を表面に露出させて金属粒子2がメッシュ状に変形や溶融することができる。また、金属粒子2の粒径は、樹脂粒子1の隙間4を厚み方向に通過しない長さであることが好ましい。それにより、金属粒子1が平板状集合体3の隙間4に脱落せずに、隙間4を覆うように金属粒子2を配置することができ、加圧加熱した際にメッシュ状に金属粒子2が変形や溶融することができる。
【0023】
樹脂粒子1と金属粒子2の粒径の比としては、樹脂粒子1の粒径を100%とした場合に金属粒子2の粒径が16〜50%であることが好ましく、16〜30%であることがより好ましい。樹脂粒子1に対する金属粒子2の粒径がこの範囲よりも小さいと、金属粒子2が平板状集合体3の隙間4に脱落してしまい、平板状集合体3の隙間4に金属粒子2を配置できなくなるおそれがある。一方、樹脂粒子1に対する金属粒子2の粒径がこの範囲よりも大きいと、プレスした際に金属粒子2が平板状集合体3の表面を覆ってしまいメッシュ状のパターンを形成できなくなるおそれがある。
【0024】
金属粒子2の粒径については、樹脂粒子1の粒径100%に対して幾何学的に16%以上あれば3つの樹脂粒子1の隙間4上に配置されて隙間4から脱落することはない。したがって、樹脂粒子1の粒径の16%以上であれば、導電性金属薄膜6の格子幅に適した粒径を選択すれば良い。
【0025】
金属粒子2の粒径としては、このように樹脂粒子1の粒径の16%以上であればよいが、好ましくは、金属粒子2の粒径は20〜40μmである。金属粒子2の粒径がこの範囲よりも小さいと、粒子表面のエネルギーが非常に大きくなって室温でも隣接する粒子同士が凝集しあって凝集体を形成してしまい、金属粒子2を樹脂粒子の隙間4に配置させることができなくなるおそれがある。一方、金属粒子2の粒径がこの範囲よりも大きいと、金属粒子2が変形や溶融した際に樹脂基板5の表面を全て覆ってしまいメッシュ状のパターンを形成できなくなるおそれがある。金属粒子2の粒径については、樹脂粒子1の測定と同様の方法で測定することができる。
【0026】
図1のように、樹脂粒子1と金属粒子2とを配置するにあたっては、まず、図2のように樹脂粒子1を平板状に配列させて樹脂粒子1の平板状集合体3を形成する。樹脂粒子1を配列させる方法としては、樹脂粒子1を平板状に配列できるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂粒子1を溶媒に分散させた塗料をプレス下型7などの表面に塗布したり噴きつけたりする方法により行うことができる。溶媒としては、適宜のものを使用することが可能であるが、樹脂粒子1が溶解すると粒子形状が破壊されてしまうので、樹脂粒子1を溶解しないものが好ましく、例えば、水やアルコール系溶媒などを使用することができる。より好ましくは次のように行う。
【0027】
まず、樹脂粒子1を溶解しない溶媒を用いて樹脂粒子1を希釈して、粒子が均一に分散され、比較的希釈されたゾル液を作製する。このとき、溶媒の量は、樹脂粒子1に対して5wt%程度が好ましい。この溶液を基板の上に薄く塗布(例えば、スクリーン印刷工法などによる)した後、比較的ゆっくり時間をかけて自然乾燥させると樹脂粒子1同士で自己組織化され、図2の様に整列して樹脂粒子1を配列させることが容易にできる。
【0028】
スクリーン印刷工法を用いる場合、粒子が確実に一層だけ塗布される様にスクリーン版の仕様(主に厚さ、オープニング等)を設定する必要がある。アクリル樹脂のペーストを塗布する場合は、粒子径80μm±15μmの領域に対応する厚さ及びオープニングのものを選定すれば良い。スクリーン版の紗の線径は極力細いことが望まれるので、メッシュカウントが180程度のものが市販品で入手可能であり、線径の細いものが好ましい。印刷機の設定条件は樹脂ペーストの粘度との相性があるので、試行による調整により、均一に塗布出来る条件を見つけることが可能である。
【0029】
また、樹脂粒子1の粒径によっては、粒子1粒がちょうど収まる様な仕様のメッシュも有り、そのような樹脂粒子1の粒径の大きさに合ったメッシュ孔を有するメッシュを使用することにより1粒子ずつ均一に塗布することもできる。この場合も、後工程において前述と同様にゆっくり自然乾燥させることで樹脂粒子1が自己組織化されて均一に密集して配列させることができる。粒子径がサブミクロンオーダーになっても極薄膜塗布用のスクリーン版仕様のものを用いてペーストをサブミクロンオーダーで極薄く塗布させると同様の効果が期待できるものである。このようにして、図2のように樹脂粒子1を配列させて平板状集合体3を形成することができる。
【0030】
次に、金属粒子2を配置するには、金属粒子2を樹脂粒子1の隙間4に配置できるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば金属粒子ペーストや金属粒子溶液を用いて塗布する方法により行うことができる。金属粒子ペーストや金属粒子溶液を用いれば、高い流動性により簡単に金属粒子2を樹脂粒子1の隙間4に配置させることができる。金属粒子ペーストや金属粒子溶液は、例えば、金属粒子2をバインダーや溶媒で希釈して均一に分散させることにより得ることができる。このうち金属粒子ペーストを用いれば、金属粒子2の粒径が小さく表面エネルギーが高い場合でも、バインダー等の有機化合物が金属粒子2に被覆して金属粒子2が凝集するのを防止したり、有機化合物が分散剤として機能し、金属粒子2を凝集させずに均一に分散させたりすることができる。
【0031】
金属粒子2を配置させる方法としては、樹脂粒子1の場合と同様に、バインダーあるいは樹脂を溶解しない溶媒を用いて希釈された溶液に均一に分散させたものを、樹脂粒子1が配列した平板状集合体3の上に薄く塗布し、比較的ゆっくり時間をかけて自然乾燥させることによって、金属粒子2を樹脂粒子1の隙間4に収めて配置させることができる。
【0032】
上記のようにして形成された図1の状態の樹脂粒子1の平板状集合体3を、次にプレスにより加圧加熱する。図3は、金属粒子2が配置された樹脂粒子1の平板状集合体3をプレスにて加圧加熱している状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)はB−B断面図を示している。
【0033】
プレスする装置としては、適宜のものを使用することができ、例えば、油圧プレスなどを用いることができる。また、均一にメッシュ状の薄膜を形成するために、プレスの上型はガラス板や鋼板等の平滑な面で行うことが好ましい。加圧加熱するプレス装置として温度調節機能が付いたものを用いることが操作性がよいので好ましい。そのようなものとして、例えば、蒸気温調装置がプレスの上型と下型の両方の鋼板に接続された温調機能付きプレス機が例示される。また、加熱手段として電気ヒータを用いたり、プラズマ処理を用いたりすることもできる。
【0034】
プレスの加圧加熱条件は、使用する樹脂粒子1及び金属粒子2の種類と、目的とする格子幅及び格子ピッチとに応じて、適宜設定し得るものであるが、圧力としては0.05〜1.0MPaであることが好ましい。加熱温度としては120〜180℃であることが好ましい。圧力や温度がこの範囲より低くなると樹脂粒子1や金属粒子2を軟化させて加圧変形により結合させることができなくなるおそれがある。一方、圧力や温度がこの範囲より高くなると、樹脂粒子1及び金属粒子2が過剰の熱や圧力を受けて良好な格子状パターンが形成できなくなるおそれがある。また、圧力値による加圧の調整に代えて、プレス機の下死点を、樹脂基板5の厚みや、金属薄膜6の格子幅が所望のものとなるように調整して加圧調整することも可能である。
【0035】
また、樹脂粒子1を構成する樹脂材料と金属粒子2を構成する金属材料とを最適に選択・組合せしてプレスすることが好ましく、そのような選択・組合せとしては、各々の融点が近い材料同士を選択・組み合わせるのが好ましい。但し、融点の近い材料の選択が実現不可能な場合は各粒子の粒径を適宜に設定して軟化や溶融による変形と加圧力による変形とを旨く組み合わせることにより調整することができる。
【0036】
加圧方法としては、プレス機の圧力を制御する方法と、プレス機のストロークに下死点を設け、その下死点を調整してプレスで形成したい膜厚を制御する方法の2通りが考えられる。いずれの方法でも加圧は可能である。所定の下死点にすれば所望する膜厚の格子パターンが形成されることが判明している場合は、後者の方法が確実な方法である。
【0037】
また、加熱方法としては、プレス機の上面或いは下面のいずれか、もしくはこれらの両方で加熱する方法がある。加熱温度が高過ぎると形成したい膜厚に到達する前に樹脂粒子1が溶解して金属粒子2の配列を崩すおそれがあるので、低めの温度に最適化して設定することが好ましい。
【0038】
プレスの方法としては、加熱によって樹脂粒子1が軟化した後、加圧力によって樹脂粒子1が容易に変形し、その隙間4に金属粒子2が食い込む様に加圧することが望ましい。このようなプロセスに適する様に、樹脂粒子1及び金属粒子2の粒径(粒子の体積、すなわち軟化・変形及び溶融に必要な熱量)を選定することが好ましい。
【0039】
図3のようにプレスして加圧加熱を行うと、樹脂粒子1が軟化して扁平状に変形すると共に、金属粒子2も軟化して扁平状に変形する。そして、加圧加熱の条件によっては樹脂粒子1が溶融すると共に、金属粒子2も溶融する。さらに加圧加熱状態を継続すると、隣接する樹脂粒子1同士が結合すると共に、近接する金属粒子2は表面張力によって相互に引きつけ合って融合し、結合される。図3(a)では変形あるいは溶融された金属粒子2を変形溶融金属2aとして示している。このとき、変形溶融金属2aは樹脂粒子1の隙間4に沿って延伸する。詳しくは、変形溶融金属2aは、図2に示す樹脂粒子1の平面視外延Qに沿って延伸し、近接する金属粒子2の変形溶融金属2aと融合する。すなわち、樹脂粒子1の平面視中心Pにはプレス上型が当接しており、このプレス上型が変形溶融金属2aの延伸を妨げるため、変形溶融金属2aは平面視中心Pを通らずに平面視外延Qに沿って延伸する。これにより、樹脂粒子1の平面視中心Pは変形溶融金属2aによって被覆されず、全体として平面視六角形の格子状のパターンが変形溶融金属2aで形成される。
【0040】
なお、金属材料であっても、金属粒子2のように微小な粒子径になっていると融点は低下する。これは微小化により粒子の表面が活性化されるためであり、表面積と体積の比率に起因して生じるものである。特に粒子径がサブミクロン以下になると、この低下率は顕著になって表れる。前述のような粒子径の範囲においては、融点の低下率はそれほど高くないが、加熱によって生じる樹脂粒子1の軟化・変形と、加圧によって生じた変形による金属粒子2の隣接粒子間の融合・接合との両方によって、金属粒子2を軟化した樹脂粒子1に喰い込ませた形で格子パターンを形成させて結合させることができるものである。
【0041】
そして、変形や溶融されて結合した樹脂粒子1と金属粒子2とをその状態を維持したまま冷却すると、結合した樹脂粒子1により樹脂基板5が形成され、結合した金属粒子6により、図4に示すような六角形の格子状パターンとなったメッシュ状の金属薄膜6が樹脂基板5の表面に形成される。図4において、(a)は平面図、(b)はC−C断面図を示している。このとき、図示のように、金属薄膜6は樹脂基板5に入り込んだ状態となっている。
【0042】
樹脂基板5の厚みや、金属薄膜6の格子幅・格子ピッチ・膜厚は、プレス装置の加圧条件に応じて調整することができる。通常、加圧力を上げる又はプレスの下死点を下げることによって、格子幅は広がり金属薄膜6の表面抵抗値は下がるが、単位面積当たりの透明領域の面積が減少するので光透過率は下がる傾向にある。
【0043】
また、樹脂粒子1の粒径と金属粒子2の粒径を適宜のものに設定することにより、各層の厚みや、格子幅と格子ピッチを所望のものにすることができる。例えば、ナノサイズオーダーの粒子を用いればナノサイズオーダーのメッシュ状金属薄膜6が得られ、ミリサイズオーダーの粒子を用いればミリサイズオーダーのメッシュ状金属薄膜6が得られる。
【0044】
樹脂基板5の厚みL1は40〜50μmであることが好ましい。樹脂基板5の厚みL1がこの範囲よりも薄いと樹脂基板5の強度が十分でなくなるおそれがある。一方、樹脂基板5の厚みL1がこの範囲よりも厚いと、光透過性が悪くなるおそれがある。また、金属薄膜6の厚みL2は10〜20μmであることが好ましい。金属薄膜6の厚みL2がこの範囲よりも薄いと、導電性が悪くなるおそれがある。一方、金属薄膜6の厚みL2がこの範囲よりも厚いと、光透過性が悪くなるおそれがある。
【0045】
樹脂基板5と金属薄膜6の厚みは成形前の各々の粒子径の比率に比例しながら、圧縮荷重によって変形するため全体的に粒子の粒径よりも薄くなる。樹脂粒子1の粒径よりも金属粒子2の粒径の方が大きいと、場合によっては目詰まり状態となり、光を透過しなくなるか、あるいは透過率が極端に低下し、透明導電性薄膜としての機能を果たさなくなってしまう。但し、所望する透過率を満足すれば、この限りではなく、透過率を適宜設定することができる。
【0046】
金属薄膜6の格子幅Tは10〜20μmであることが好ましい。格子幅Tがこの範囲よりも小さくなると、十分な導電性が得られず、表面抵抗値が高くなるおそれがある。一方、格子幅Tがこの範囲よりも大きくなると、十分な光学特性(例えば、透過率、ヘイズ率)が得られなくなるおそれがある。また、金属薄膜6の格子ピッチSは70〜90μmであることが好ましい。格子ピッチSがこの範囲になることにより、十分な透明性と導電性を得ることがより可能となる。
【0047】
格子は上記の方法によれば、基本的には六角形のパターンを描く。より正確には粒子の変形や溶融を伴ってパターンが形成されるので、図4のように角が丸まった六角形の格子パターンとなる。格子ピッチを決める要因は主に樹脂粒子1側の粒子径である。また、格子幅、即ち格子1本の線幅を決める要因は金属粒子2側の粒子径である。但し、格子幅は加圧力によっても変化する。加圧力を上げるに従って、両者の粒子径は変形するので、格子幅は太くなる。但し、太く変形するに連れて格子線の厚みは薄くなる。更に、変形し過ぎると格子が目詰まり状態になってしまい、光学的に透過率が極端に低下し、最終的には光を透過しなくなってしまう。一方、格子ピッチは基本的には加圧力によっても変化することはない。導電性格子状薄膜の表面抵抗値はこれらで形成される格子線の数、その断面積即ち、格子幅×格子厚みによって決まる。これらのパラメータは金属粒子2の粒径を変えることで最適値を調整することができるものである。
【0048】
このように、本実施の形態によれば、メッシュ状の導電性金属薄膜6を、パターンマスク等の手段を用いずに、樹脂粒子1と金属粒子2の粒子径を適宜に変更することによって格子ピッチや格子幅、金属薄膜の厚みを容易に調整して製造することができるものである。そして、粒子径を変更すれば、微細形状のものから大面積のものまで対応でき、ナノメートルオーダーのサイズからミリメートルオーダーのサイズまで、種々の大きさのメッシュ状の金属薄膜6を形成することができるものである。
【0049】
[実施形態2]
実施形態2では、樹脂基板5の両面にメッシュ状の金属薄膜6を形成する方法の一例を示す。この実施の形態の金属薄膜6は、概略としては、図1〜4の方法で説明した金属粒子2の配置を両面で行うことにより得られるものであり、樹脂粒子1及び金属粒子2の材料や、プレスの条件等は実施形態1と同様に設定するこができる。
【0050】
図5は、図2の平板状集合体3の樹脂粒子1の一方の面の隙間4と、平板状集合体3の他方の面の樹脂粒子1の隙間4とに、樹脂粒子1よりも粒径の小さい多数の金属粒子2を配置した状態の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はD−D断面図を示している。
【0051】
本実施の形態では、図5のように樹脂粒子1は厚み方向に1列となって平板状に配列されている例が示されているが、樹脂粒子1は厚み方向に2列以上に配列していてもよい。また、平板状集合体3に配置する金属粒子2は表面と裏面とで異なる種類や大きさのものを用いてもよい。
【0052】
図5のように樹脂粒子1の平板状集合体3の両面に金属粒子2を配置させるにあたっては、まず、溶剤に分散された樹脂粒子1を例えばスクリーン印刷工法やスプレー塗布工法を用いて塗布するなどして樹脂粒子1を平板状に配列させて図2のような樹脂粒子1の平板状集合体3を形成する。次に、金属粒子ペーストなどを用いて金属粒子2を平板状集合体3の一方の面の隙間4に配置させ、図1のような状態とする。その後、図5のように、平板状集合体3を表裏反転させて金属粒子2が配置されていない面を表面にして載置し、この表面に金属粒子ペーストなどを用いて金属粒子2を平板状集合体3の隙間4に配置させる。このとき、金属粒子2が配置された平板状集合体3を表裏反転させても、平板状集合体3が破れるなどの破損を起こさないことが好ましい。また、表裏反転の際に樹脂粒子1と金属粒子2とが密着して金属粒子2が脱落しないことが好ましい。樹脂粒子1や金属粒子2を配置させる方法としては、実施形態1と同様の方法を用いることができる。このような工程によって、図5のように、樹脂粒子1の平板状集合体3の表裏両面の樹脂粒子1の隙間4に金属粒子2を配置させることができる。
【0053】
その後は、図6で示すように、プレスして加圧加熱を行う。図6は、金属粒子2が両面に配置された樹脂粒子1の平板状集合体3をプレスにて加圧加熱している状態を示す図であり、(a)は平面図、(b)はE−E断面図を示している。図6で示すように、図3の場合と同様、プレスして加圧加熱すると樹脂粒子1は加熱により軟化して扁平状に変形すると共に、金属粒子2も軟化して扁平状に変形する。そして、加圧加熱の条件によっては樹脂粒子1が溶融すると共に、金属粒子2も溶融する。さらに加圧加熱状態を継続すると、隣接する樹脂粒子1同士が結合すると共に、近接する金属粒子2は表面張力によって相互に引きつけ合って融合し、結合される。その際、変形溶融金属2aは樹脂粒子1の隙間4に沿って延伸する。詳しくは、変形溶融金属2aは、図2に示す樹脂粒子1の平面視中心Pが当接されプレスで妨げられているために、樹脂粒子1の平面視外延Qに沿って延伸し、同一面の近接する金属粒子2の変形溶融金属2aと融合する。また、変形溶融金属2aの延伸時には樹脂粒子1は変形し溶融されて表裏間を貫通する樹脂粒子1の隙間4は厚み方向で塞がっており、金属粒子2は、樹脂粒子1の平板状集合体3の同一面の金属粒子2同士で結合する。このようにして、樹脂粒子1が結合されると共に、各面の変形溶融金属2aが樹脂粒子1の平面視中心Pを通らずに平面視外延Qに沿って延伸することにより、各面における平面視中心Pは変形溶融金属2aによって被覆されず、全体として平面視六角形の格子状のパターンが変形溶融金属2aにより平板状集合体3の両面に形成される。
【0054】
そして、変形や溶融されて結合した樹脂粒子1と金属粒子2とをその状態を維持したまま冷却すると、結合した樹脂粒子1により樹脂基板5が形成され、結合した金属粒子2により、図7に示すような六角形の格子状のパターンとなったメッシュ状の金属薄膜6が樹脂基板5の両面に形成される。図7において、(a)は平面図、(b)はF−F断面図を示している。このとき、図示のように、金属薄膜6は樹脂基板5に入り込んだ状態となっている。
【0055】
本実施の形態によれば、樹脂粒子1の配列が幾何学的に拘束されるので、樹脂粒子1の隙間4の位置を表裏で合わせることが簡単にできる。したがって、樹脂基板5として透明樹脂を用いた場合、表裏両面に金属薄膜6が形成されている場合でも、光透過性を低下させることがなく、マスクパターンにより薄膜形成する場合よりも精度よく光透過性の高い導電性金属薄膜6を形成することができるものである。
【実施例】
【0056】
次に本発明を実施例により説明する。なお、特に断りのない限り、%は質量%を示す。
【0057】
[実施例1]
導電性の金属粒子として、粒子径が20μmに揃えられた銅粒子(Cu)を用いた(20μm±10μmの個数95%以上)。また、樹脂粒子として、粒子径が80μmに揃えられたアクリル樹脂(80μm±15μmの個数95%以上)を用いた。また、粒子を分散させる溶媒としてエタノールを用いた。
【0058】
上記材料により、アクリル樹脂40質量%とエタノール60質量%とを混合し、樹脂ペーストを調製した。また、銅粒子20質量%とエタノール80質量%とを混合し、銅粒子溶液を調製した。
【0059】
まず、樹脂ペーストを、メッキ表面に鏡面仕上げ処理を施した平面状の鋼板製下型の上に膜厚を均一に塗布した後、ゆっくりと自然乾燥させて粒子同士を自己組織化させることにより、図2に示すような相互に密接させた状態でアクリル樹脂粒子を一平面上に配列させ、樹脂粒子の平板状集合体を作成した。樹脂ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷工法を用いて印刷した。その際、粒径が80μm±15μmの粒子が確実に一層だけ塗布される様にスクリーン版の仕様(主に厚さ、オープニング等)を設定した。
【0060】
次に、銅粒子溶液を樹脂粒子の平板状集合体の上に塗布し、自然乾燥させた。これにより樹脂粒子の隙間に銅粒子を配置させることができた。また、アクリル樹脂粒子の直径が銅粒子の直径の4倍程度であることから、銅粒子はアクリル樹脂粒子の隙間から落下することなく配置された。
【0061】
次いで、銅粒子が配置された樹脂粒子の平板状集合体を、10トン油圧プレスを用いてメッキ表面に鏡面仕上げ処理を施した平面状の鋼板製上型にてプレスして加圧加熱した。加圧条件はアクリル樹脂粒子及び銅粒子が変形するのに十分な圧力と考えられる0.98MPa(10kgf/cm)に設定した。また、加熱温度は樹脂粒子及び金属粒子が変形や溶融するのに十分な温度と考えられる180℃に設定した。加圧加熱するプレス装置としては、蒸気温調装置がプレスの上型と下型の両方の鋼板に接続された温調機能付きプレス機にて行った。
【0062】
以上のような操作によって、樹脂基板の表面に、格子幅が15μmで格子ピッチが80μmの規則的な六角形格子パターンをしたメッシュ状の導電性金属薄膜を形成した。樹脂基板の厚みは40μm、金属薄膜の厚みは10μmであった。また、この樹脂基板の表面に金属薄膜が形成された複合基材は、ヘイズ率が4.5%で、可視光線の透過率が65%、表面抵抗値が0.04Ω/□であった。表面抵抗値は四端子法にて測定した。また、この複合基材は、10MHzから300MHzの周波数領域で50dbと、ほぼ均一なシールド性能を示し、電磁シールド機能を保有していた。
【0063】
[実施例2]
金属粒子、アクリル樹脂及び溶媒は、実施例1と同様のものを使用し、同様の配合量で樹脂ペーストと銅粒子溶液を調製した。
【0064】
まず、実施例1と同様の方法にて、樹脂ペーストを、メッキ表面に鏡面仕上げ処理を施した平面状の鋼板の上に膜厚を均一に塗布した後、自然乾燥させて粒子同士を自己組織化させることにより、図2に示すような相互に密接させた状態でアクリル樹脂粒子を一平面上に配列させて、樹脂粒子の平板状集合体を作成した。次に、銅粒子溶液を樹脂粒子の平板状集合体の上に塗布し、自然乾燥させた。これにより樹脂粒子の隙間に銅粒子を配置させることができた。
【0065】
続いて、樹脂粒子の平板状集合体を表裏反転させて、先に銅粒子を塗布した面を下にして、メッキ表面に鏡面仕上げ処理を施した平面状の鋼板製下型の上に、樹脂粒子の平板状集合体を載置した。そして、銅粒子溶液を樹脂粒子の平板状集合体の上に塗布し、自然乾燥させ、樹脂粒子の隙間に銅粒子を配置させた。
【0066】
次いで、両面に銅粒子が塗布された樹脂粒子の平板状集合体を、実施例1と同様の条件で、10トン油圧プレスを用いてメッキ表面に鏡面仕上げ処理を施した平面状の鋼板製上型にてプレスして加熱加圧した。
【0067】
以上のような操作によって格子幅が15μmで格子ピッチが80μmの規則的な六角形格子パターンをしたメッシュ状の導電性金属薄膜を樹脂基板の両面に形成した。樹脂基板の厚みは40μm、金属薄膜の厚みは10μmであった。また、この樹脂基板の表面に金属薄膜が形成された複合基材は、ヘイズ率が3.5%で、可視光線の透過率が65%、表面抵抗値が0.04Ω/□であった。表面抵抗値は四端子法にて測定した。また、この複合基材は、10MHzから300MHzの周波数領域で50dbと、ほぼ均一なシールド性能を示し、電磁シールド機能を保有していた。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明のメッシュ状の導電性金属薄膜の製造方法の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はA−A断面図を示している。
【図2】本発明のメッシュ状の導電性金属薄膜の製造方法の一例を示す図であり、平面図を示している。
【図3】本発明のメッシュ状の導電性金属薄膜の製造方法の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はB−B断面図を示している。
【図4】本発明のメッシュ状の導電性金属薄膜の製造方法の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はC−C断面図を示している。
【図5】本発明のメッシュ状の導電性金属薄膜の製造方法の他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はD−D断面図を示している。
【図6】本発明のメッシュ状の導電性金属薄膜の製造方法の他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はE−E断面図を示している。
【図7】本発明のメッシュ状の導電性金属薄膜の製造方法の他の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)はF−F断面図を示している。
【符号の説明】
【0069】
1 樹脂粒子
2 金属粒子
3 平板状集合体
4 隙間
5 樹脂基板
6 金属薄膜
7 プレス下型


【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒径の略均一な多数の樹脂粒子を相互に密接させた状態で一平面上に配列させて平板状集合体を形成する工程と、前記樹脂粒子よりも粒径の小さい多数の金属粒子を前記平板状集合体の樹脂粒子の隙間に配置する工程と、前記金属粒子が配置された前記平板状集合体をプレスにて加圧加熱して、樹脂粒子の軟化・変形及び/又は溶融により隣接する樹脂粒子を結合して樹脂基板を形成すると共に、金属粒子の軟化・変形及び/又は溶融により上記樹脂粒子の隙間に沿った形状のメッシュ状に金属粒子を結合する工程とを含む工程により、樹脂基板の少なくとも一方の面にメッシュ状の導電性金属薄膜を形成することを特徴とするメッシュ状導電性金属薄膜の製造方法。
【請求項2】
粒径の略均一な多数の樹脂粒子を相互に密接させた状態で一平面上に配列させて平板状集合体を形成する工程と、前記樹脂粒子よりも粒径の小さい多数の金属粒子を前記平板状集合体の一方の面の樹脂粒子の隙間に配置する工程と、前記樹脂粒子よりも粒径の小さい多数の金属粒子を前記平板状集合体の他方の面の樹脂粒子の隙間に配置する工程と、前記金属粒子が両面に配置された前記平板状集合体をプレスにて加圧加熱して、樹脂粒子の軟化・変形及び/又は溶融により隣接する樹脂粒子を結合して樹脂基板を形成すると共に、金属粒子の軟化・変形及び/又は溶融により上記樹脂粒子の隙間に沿った形状のメッシュ状に同一面同士の金属粒子を結合する工程とを含む工程により、樹脂基板の両面にメッシュ状の導電性金属薄膜を形成することを特徴とするメッシュ状導電性金属薄膜の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−144217(P2010−144217A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−322716(P2008−322716)
【出願日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】