説明

メモリカード装置

【課題】テストパッドを増加することなくテストを可能とするメモリカード装置を提供する。
【解決手段】コントローラ14は、第1、第2のメモリ12,13に接続されている。テストパッドTP1は、第1のメモリ12とコントローラ14を接続するバス18に設けられている。転送回路20は、コントローラ14に設けられ、テストパッドTP1に供給されたテストデータを第2のメモリ13に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばNANDフラッシュメモリとそのコントローラを搭載したメモリカード装置に係わり、特に、NANDフラッシュメモリのテストに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばNANDフラッシュメモリとそのコントローラを搭載したメモリカードが種々開発されている。メモリカードは、小型化、大容量化、高速化の要求に伴い、実装密度が高まっている。そこで、一層の小型化が図られたmicroSDカードTDやminiSDTDカードが開発されている。この種のカードは、コントローラとNANDフラッシュメモリが一緒にパッケージされたSiP(Silicon in Package)が採用されている。
【0003】
ところで、この種のメモリカードは、製造時にNANDフラッシュメモリがテストされる。このテストは、NANDコントローラとNANDフラッシュメモリとの間のバスに設けられたテストパッドにテスタのプローブが接触されて実施される。従来、NANDコントローラとNANDフラッシュメモリのバスは1系統であった。このため、バスに設けられた複数のテストパッドにプローブを接触させることが可能であった。
【0004】
しかし、近時、メモリカードのさらなる大容量化に伴いNANDフラッシュメモリチップの積層数が増加し、NANDコントローラとNANDフラッシュメモリの間のバスが複数系統設けられたメモリカードが開発されている。また、NANDフラッシュメモリのバス幅が拡張された場合、NANDフラッシュメモリとNANDコントローラとの間のバスが増加する。
【0005】
このように、NANDフラッシュメモリとNANDコントローラとの間のバスが増加した場合、これらバスに接続されるテストパッドの数を増加する必要がある。しかし、上記のように小型化されたメモリカードの場合、テストパッドを増加することが困難である。
【0006】
そこで、プローブの位置精度を高めることなく、メモリのデータ入出力パッドのピッチを狭くする技術が開発されている(例えば特許文献1参照)。しかし、この技術によっても複数系統のバスやバス幅が拡張されたメモリカードに対応することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−299925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、テストパッドを増加することなくテストを可能とするメモリカード装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のメモリカードの第1の態様は、第1、第2のメモリと、前記第1、第2のメモリに接続されたコントローラと、前記第1のメモリと前記コントローラを接続するバスに設けられたテストパッドと、前記コントローラに設けられ、前記テストパッドに供給されたテストデータを前記第2のメモリに転送する転送回路とを具備することを特徴とする。
【0010】
本発明のメモリカードの第2の態様は、第1、第2のバスを有するメモリと、前記第1、第2のバスが接続されたコントローラと、前記第1のバスに設けられたテストパッドと、前記コントローラに設けられ、前記テストパッドに供給されたテストデータを前記第2のバスに転送する転送回路とを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、テストパッドを増加することなくテストを可能とするメモリカード装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す構成図。
【図2】図1の一部の構成を示す回路図。
【図3】図2の変形例を示す回路図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す構成図。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るメモリカードを示している。第1の実施形態はメモリカードが例えば2系統のNANDフラッシュメモリを有する場合を示している。
【0015】
図1において、メモリカード11は、例えば第1のNANDフラッシュメモリ12、第2のNANDフラッシュメモリ13、コントローラ14、及びホストIF(interface)15を有している。第1、第2のNANDフラッシュメモリ12、13のそれぞれは、例えば複数のNANDフラッシュメモリチップが積層されて構成されている。
【0016】
ホストIF15は、コントローラ14及び図示せぬ接続端子に接続され、図示せぬホスト機器とデータ及び制御信号を授受する。コントローラ14は、メモリカード11全体を制御するものであり、図示せぬマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサの動作プログラム等が格納されたROM(Read Only Memory)、ワーク領域としてのRAM(Random Access Memory)などを有している。
【0017】
さらに、コントローラ14は、第1、第2のNANDバスIF16,17、及びデータ転送回路20を有している。第1のNANDバスIF16と第1のNANDフラッシュメモリ12は、第1のバス18により接続され、第2のNANDバスIF17と第2のNANDフラッシュメモリ13は、第2のバス19により接続されている。
【0018】
第1のバス18は、例えばチップイネーブル信号CE1を転送する配線、書き込みイネーブル信号/WEを転送する配線、読み出しイネーブル信号/REを転送する配線、及び8ビットのデータDT[0:7]及び図示せぬクロック信号イネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALEを転送する配線などにより構成されている。
【0019】
第2のバス19も同様に、チップイネーブル信号CE2を転送する配線、書き込みイネーブル信号/WEを転送する配線、読み出しイネーブル信号/REを転送する配線、及び8ビットのデータDT[0:7]、クロック信号イネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALEを転送する配線などにより構成されている。
【0020】
第1のバス18のチップイネーブル信号CE1、書き込みイネーブル信号/WE、読み出しイネーブル信号/RE、8ビットのデータDT[0:7]、及び図示せぬクロック信号イネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALEを転送する配線は、それぞれテストパッドTP1を有している。このため、NANDテスタ21は、テスト時に、これらテストパッドTP1を介して第1のNANDフラッシュメモリ12を直接アクセスすることができる。
【0021】
また、第1のバス19は、チップイネーブル信号CE2を転送する配線のみがテストパッドTP2を有し、データ配線などはテストパッドを有していない。このため、NANDテスタ21は、テスト時に、第2のNANDフラッシュメモリ13を直接アクセスすることができない。
【0022】
そこで、コントローラ14は、第1のNANDバスIF16と第2のNANDバスIF17に接続されたデータ転送回路20を有している。このデータ転送回路20は、例えば双方向バッファであり、メモリカード11のテスト時に、第1のバス18に供給されたテストデータや書き込みイネーブル信号/WE、読み出しイネーブル信号/REなどを、第1のNANDバスIF16を介して受け、この受けたデータや信号をそのまま第1のNANDバスIF17、及び第2のバス19のデータ配線を介して第2のNANDフラッシュメモリ13に転送する。
【0023】
また、データ転送回路20は、第2のNANDフラッシュメモリ13から読み出されたデータを第2のバス19のデータ配線及び第2のNANDバスIF17を介して受け、このデータを第1のNANDバスIF16、第1のバス18のデータ配線を介してNANDテスタ21に転送する。
【0024】
データ転送回路20は、データに関して双方向である必要があるが、制御信号に対しては、双方向である必要はなく、第1のNANDバスIF16から第2のNANDバスIF17に制御信号を転送できればよい。
【0025】
図2は、データ転送回路20の一例を示すものである。図2は、データDT[0:7]のうち1ビット分の構成を示しており、残りのビットに対しても同様の構成とされている。データ転送回路20は、バッファ20a、20b、20c、20d、及びこれらバッファ20a、20b、20c、20dを切り替える切換回路20hにより構成されている。
【0026】
バッファ20a、20bは、第1のバス18のデータ配線と第2のバス19のデータ配線の間に直列接続され、第1のバス18から第2のバス19へデータを転送する。また、バッファ20c、20dは、第2のバス19のデータ配線と第1のバス18のデータ配線の間に直列接続され、第2のバス19から第1のバス18へデータを転送する。
【0027】
切換回路20hは、フリップフロップ回路20cとアンド回路20f、及びインバータ回路20gにより構成されている。書き込みイネーブル信号/WEはアンド回路20fの入力端に供給され、クロックイネーブル信号CLE及びアドレスラッチイネーブル信号ALEは反転されてアンド回路20fの入力端に供給される。アンド回路20fの出力信号は、フリップフロップ回路20cの一方入力端に供給され、読み出しイネーブル信号/REは、フリップフロップ回路20cの他方入力端に供給されている。フリップフロップ回路20cの出力信号は、バッファ20dの反転制御入力端に供給されるとともに、インバータ回路20gを介してバッファ20bの反転制御入力端に供給される。
【0028】
テストデータの書き込み時、読み出しイネーブル信号/REは、ハイレベルとされ、書き込みイネーブル信号/WEは、ローレベルとされる。このため、フリップフロップ回路20cの出力信号DRCは、ハイレベルとなる。この信号DRCはインバータ回路20gを介してバッファ20bの反転制御入力端に供給される。このため、バッファ20bがアクティブとされる。また、ハイレベルの信号DRCが反転制御入力端に供給されるバッファ20dは、インアクティブとされる。したがって、データ転送回路20は、第1のバス18から第2のバス19へデータが転送可能とされる。
【0029】
また、データの読み出し時、読み出しイネーブル信号/REは、ローレベルとされ、書き込みイネーブル信号/WEは、ハイレベルとされる。このため、フリップフロップ回路20cの出力信号DRCは、ローレベルとなる。この信号DRCはインバータ回路20gを介してバッファ20bの反転制御入力端に供給される。このため、バッファ20bはインアクティブとされる。また、ローレベルの信号DRCが反転制御入力端に供給されるバッファ20dは、アクティブとされる。したがって、データ転送回路20は、第2のバス19から第1のバス18へデータが転送可能とされる。
【0030】
テスト時において、各テストパッドTP1、TP2には、NANDテスタ21のプローブが接触される。第1、第2のNANDフラッシュメモリ12、13にデータを書き込む場合、NANDテスタ21から各配線に対応するチップイネーブル信号CE1、CE2、書き込みイネーブル信号/WE、8ビットのテストデータDT[0:7]アドレス信号などが対応するテストパッドTP1、TP2に供給される。テストパッドTP1に供給されたテストデータDTは、第1のバス18を介して第1のNANDフラッシュメモリ12に直接書き込まれるとともに、第1のNANDバスIF、データ転送回路20、第2のNANDバスIF17、第2のバス19を介して第2のNANDフラッシュメモリ13に供給され、第2のNANDフラッシュメモリ13に書き込まれる。
【0031】
一方、データの読み出し時、NANDテスタ21からチップイネーブル信号CE1、CE2、読み出しイネーブル信号/RE、及びアドレス信号などが各配線に対応して出力される。第1のNANDフラッシュメモリ12は、これらの信号に応じて前記書き込まれたテストデータを読み出し、第1のバス18に供給する。第1のバス18のデータはNANDテスタ21に送られる。
【0032】
また、第2のNANDフラッシュメモリ13は、第1のバス18、第1のNANDバスIF16、データ転送回路20、第2のNANDバスIF17、第2のバス19を介して供給された読み出しイネーブル信号/REに応じてテストデータを読み出す。この読み出されたテストデータは、第2のバス19、第2のNANDバスIF17、データ転送回路20、第1のNANDバスIF16、第1のバス18を介してNANDテスタ21に供給される。NANDテスタ21は、第1のNANDフラッシュメモリ12から読み出されたテストデータと第2のNANDフラッシュメモリ13から読み出されたテストデータを比較し、比較結果に基づき第1、第2のNANDフラッシュメモリ12、13を評価する。
【0033】
上記第1の実施形態によれば、コントローラ14内に第1のNANDバスIF16と第2のNANDバスIF17に接続されたデータ転送回路20を設け、テストデータの書き込み時、第1のバス18に供給されたテストデータを第2のNANDバスIF17、第2のバス19を介して第2のNANDフラッシュメモリ13に転送している。また、テストデータの読み出し時、第2のNANDフラッシュメモリ13から読み出されたテストデータを第2のバス19、第2のNANDバスIF17、データ転送回路20、第1のNANDバスIF16、第1のバス18を介してNANDテスタ21に転送している。このため、第2のバス19にデータ転送用の複数のテストパッドTP2を設けることなくテストを行うことができる。したがって、メモリカード11が、小型化、大容量化された場合においても、テストパッドの数を増加することなくテストを行うことができる。
【0034】
また、データ転送回路20を用いることにより、第1のNANDフラッシュメモリ12と第2のNANDフラッシュメモリ13とにほぼ同時に、同じデータを書き込むことができるため、メモリ容量がさらに増加された場合においても、第1、第2のNANDフラッシュメモリ12、13のテスト時間を短縮することができる。
【0035】
図3は、データ変換回路22を示している。このデータ変換回路22は、データ転送回路20の変形例を示すものであり、図2と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0036】
図2に示すデータ転送回路20は、第1のバス18、又は第2のバス19を介して供給されたデータをそのまま、第2のバス19、又は第1のバス18に供給した。これに対して、図3に示すデータ変換回路22は、転送データを反転可能とされている。
【0037】
図3において、図2に示すバッファ20a、20cが、インバータ回路20i、20jに変更されている。このため、データ変換回路22を図1のデータ転送回路20に置き換えた場合、データの書き込み時、テストデータを反転することができる。このため、第1のNANDフラッシュメモリ12と異なるデータを第2のNANDフラッシュメモリ13に書き込むことができる。
【0038】
また、データの読み出し時、第2のNANDフラッシュメモリ13から読み出されたデータを反転し、元に戻すことができる。
【0039】
このように、図1に示すデータ転送回路20に代えてデータ変換回路22を設けることにより、NANDテスタ21から供給されるテストデータを変換することができる。このため、第1のNANDフラッシュメモリ12と第2のNANDフラッシュメモリ13とに、異なるパターンのデータを書き込み、読み出すことができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態を示すものであり、第1の実施形態に示すコントローラ14は、比較器31をさらに有している。比較器31の一方入力端は、第1のNANDバスIF16を介して第1のNANDフラッシュメモリ12に接続された第1のバス18のデータ配線に接続され、他方入力端は、第2のNANDバスIF17を介して第2のNANDフラッシュメモリ13に接続された第2のバス19のデータ配線に接続されている。
【0041】
上記構成において、NANDテスタ21から出力されるテストデータは、第1の実施形態と同様に、第1のNANDフラッシュメモリ12に書き込まれるとともに、データ転送回路20を介して第2のNANDフラッシュメモリ13に書き込まれる。したがって、第1、第2のNANDフラッシュメモリ12、13には、同一のテストデータが書き込まれる。
【0042】
一方、テストデータの読み出し時、第1のNANDフラッシュメモリ12から読み出されたテストデータは、第1のバス18のデータ配線に設けられた複数のテストパッドTP1を介してNANDテスタ21に供給されるとともに、第1のNANDバスIF16を介して比較器31の一方入力端に供給される。また、第2のNANDフラッシュメモリ13から読み出されたテストデータは、第2のNANDバスIF17を介して比較器31の他方入力端に供給される。比較器31は、これらのテストデータを比較し、第1のNANDフラッシュメモリ12と第2のNANDフラッシュメモリ13から読み出されたデータが等しい場合、一致を示す比較結果を出力する。この比較結果は、例えば第2のNANDバスIF17、第2のチップイネーブル信号CE2を受けるテストパッドTP2を介してNANDテスタ21に転送される。
【0043】
NANDテスタ21は、先ず、第1のNANDフラッシュメモリ12から読み出されたデータが、書き込まれたテストデータと一致するかを判定する。その後、比較器31から供給された判定結果を取り込み、この判定結果に基づき、第1のNANDフラッシュメモリ12と第2のNANDフラッシュメモリ13から正確にデータが読み出せたか否かを判定する。
【0044】
上記第2の実施形態によれば、コントローラ20内に比較器31を設け、この比較器31により、第1のNANDフラッシュメモリ12から読み出されたデータと第2のNANDフラッシュメモリ13から読み出されたデータを比較し、比較結果をNANDテスタ21に供給している。このため、メモリカード11内で読み出しデータを比較することができるため、テストの高速化が可能である。
【0045】
(第3の実施形態)
図5は、第3の実施形態を示している。第1、第2の実施形態は、メモリカード11内に2系統のNANDフラッシュメモリが設けられている場合について説明した。これに対して、第3の実施形態は、メモリカード11内に1系統のNANDフラッシュメモリが設けられ、NANDバスIFが例えば8ビットから16ビットに拡張された場合について説明する。尚、図5において、図1、図4と同一部分には同一符号を付している。
【0046】
図5において、コントローラ14は、下位NANDバスIF42と上位NANDバスIF43を有している。下位NANDバスIF42は、下位バス44を介してNANDフラッシュメモリ41の下位ビット端子に接続され、上位NANDバスIF43は、上位バス45を介してNANDフラッシュメモリ41の上位ビット端子に接続されている。
【0047】
下位バス44は、第1、第2の実施形態と同様に、例えばチップイネーブル信号CE1を転送する配線、書き込みイネーブル信号/WEを転送する配線、読み出しイネーブル信号/REを転送する配線、及び8ビットのデータDT[0:7]を転送する8本の配線などにより構成されている。
【0048】
上位バス45は、例えば比較器の比較結果を転送する配線、及び8ビットのデータDT[0:7]を転送する8本の配線などにより構成されている。
【0049】
下位バス44のチップイネーブル信号CE1、書き込みイネーブル信号/WE、読み出しイネーブル信号/RE、及び8ビットのデータDT[0:7]を転送する8本の配線などは、それぞれテストパッドTP1を有している。このため、NANDテスタ21は、テスト時に、これらテストパッドTP1を介してNANDフラッシュメモリ41の下位ビットを直接アクセスすることができる。
【0050】
また、上位バス45は、テスト時に後述する比較器30の比較結果を転送する配線のみがテストパッドTP2を有し、データ配線などはテストパッドを有していない。このため、NANDテスタ21は、テスト時に、NANDフラッシュメモリ41の上位ビットを直接アクセスすることができない。
【0051】
下位NANDバスIF42と上位NANDバスIF43の間には、データ転送回路20、及び比較器31が設けられている。この比較器31は省略可能である。また、データ転送回路20は、データ変換回路22に変更することも可能である。
【0052】
上記構成において、NANDフラッシュメモリのテスト時、NANDテスタ21のプローブが各テストパッドTP1、TP2に接触される。この状態において、テストデータを書き込む場合、NANDテスタ21から、出力されたテストデータは下位バス44を介して直接NANDフラッシュメモリ41の下位ビット側に供給される。
【0053】
一方、NANDフラッシュメモリ41の上位ビット側にテストデータを書き込む場合、NANDテスタ21により発行されたテストデータは、下位NANDバスIF42、データ転送回路20、上位NANDバスIF43、及び上位バス45を介してNANDフラッシュメモリ41の上位ビット側に供給される。このようにして、NANDフラッシュメモリ41の下位ビット側、及び上位ビット側に同一のテストデータが書き込まれる。
【0054】
一方、NANDフラッシュメモリ41からテストデータを読み出す場合、NANDフラッシュメモリ41の下位ビット側のデータは、下位バス44、複数のテストパッドTPTP1を介してNANDテスタ21に供給される。また、上位バス45に読み出されたデータは、上位NANDバスIF43、データ転送回路20、下位NANDバスIF42、下位バス44、テストパッドTP1を介してNANDテスタ21に供給される。NANDテスタ21は、下位バス44、上位バス45を介して読み出されたデータを比較し、NANDメモリ41を評価する。
【0055】
また、コントローラ14内に設けられた比較器31を用いることも可能である。すなわち、下位バス44のデータ配線を介してNANDフラッシュメモリ41から読み出されたテストデータは、複数のテストパッドTP1を介してNANDテスタ21に供給される。これとともに、読み出されたテストデータは、下位NANDバスIF42を介して比較器31の一方入力端に供給される。また、上位バス45を介してNANDフラッシュメモリ41から読み出されたテストデータは、上位NANDバスIF43を介して比較器31の他方入力端に供給される。比較器31は、これらのテストデータを比較し、これらデータが等しい場合、一致を示す比較結果を出力する。この比較結果は、例えば上位NANDバスIF43、テストパッドTP2を介してNANDテスタ21に転送される。
【0056】
NANDテスタ21は、先ず、上位バス44を介してNANDフラッシュメモリ41から読み出されたデータが、書き込まれたテストデータと一致するかを判定する。この後、比較器31から供給された判定結果を取り込み、この判定結果に基づき、下位バス44と上位バス45を介してNANDフラッシュメモリ41から正確にデータが読み出せたか否かを判定する。
【0057】
上記第3の実施形態によれば、コントローラ14にデータ転送回路20を設け、下位バス44のデータを上位バス45に転送可能としている。このため、NANDフラッシュメモリ41のバスが拡張された場合においても、テストパッドを増加することなく、拡張されたバス側にもテストデータを書き込むことができる。したがって、メモリカード11が、小型化、大容量化された場合においても、テストパッドの数を増加することなくテストを行うことができる。
【0058】
また、コントローラ14内に、データ転送回路20に代えてデータ変換回路22を設けた場合、NANDテスタ21から送信されるテストデータを変化させて、上位ビット側に書き込むことができる。このため、下位ビット側と上位ビット側のNANDフラッシュメモリ41に対して、異なるデータパターンを書き込むことが可能である。
【0059】
さらに、コントローラ14に設けられた比較器31により下位バス44を介して読み出されたデータと、上位バス45を介して読み出されたデータを比較することができる。したがって、メモリカード11内で読み出しデータの比較ができるため、テストの高速化が可能である。
【0060】
尚、本発明は、NANDフラッシュメモリを内蔵したメモリカードに限定されるものではなく、NORフラッシュや他のメモリを内蔵したメモリカードに適用可能なことは言うまでもない。
【0061】
その他、本発明の要旨を変えない範囲において種々実施可能なことは勿論である。
【符号の説明】
【0062】
11…メモリカード、12、13…第1、第2のNANDフラッシュメモリ、14…コントローラ、16、17…NANDバスIF(インターフェース)、18、19…第1、第2のバス、20…データ転送回路、22…データ変換回路、31…比較器、41…NANDフラッシュメモリ、42,43…上位、下位NANDバスIF(インターフェース)、44,45…下位、上位バス、TP1、TP2…テストパッド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2のメモリと、
前記第1、第2のメモリに接続されたコントローラと、
前記第1のメモリと前記コントローラを接続するバスに設けられたテストパッドと、
前記コントローラに設けられ、前記テストパッドに供給されたテストデータを前記第2のメモリに転送する転送回路と
を具備することを特徴とするメモリカード装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記テストデータに対応して前記第1、第2のメモリから出力される第1、第2の出力データを比較する比較器を具備することを特徴とする請求項1記載のメモリカード装置。
【請求項3】
第1、第2のバスを有するメモリと、
前記第1、第2のバスが接続されたコントローラと、
前記第1のバスに設けられたテストパッドと、
前記コントローラに設けられ、前記テストパッドに供給されたテストデータを前記第2のバスに転送する転送回路と
を具備することを特徴とするメモリカード装置。
【請求項4】
前記コントローラは、前記テストデータに対応して前記第1、第2のバスに出力される第1、第2の出力データを比較する比較器を具備することを特徴とする請求項3記載のメモリカード装置。
【請求項5】
前記転送回路は、前記テストデータを変換するデータ変換部を具備することを特徴とする請求項1又は3に記載のメモリカード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−211290(P2010−211290A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53722(P2009−53722)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】