説明

モータを用いて圧力変動を補正するためのシステムおよび方法

【課題】ポンプ装置の種々の密閉空間内に生じ得る圧力上昇を補償するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、チャンバの容量を調整してチャンバ内の圧力上昇を補償するようにポンプ装置のポンプ手段を動作させることによって、ポンプ装置のチャンバ内の圧力上昇を補償することが可能である。より具体的には、一実施形態では、分配チャンバ内の流体に対する不要な圧力上昇を補償するために、ピストンを戻すように分配モータを逆回転して、分配チャンバ内のあらゆる圧力上昇を補償することが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2005年12月2日に、発明者のGeorge Gonnella、James Cedrone、Raymond ZagarsおよびRobert McLoughlinによって出願された、名称が「System and Method for Correcting for Pressure Variations Using a Motor」である米国仮特許出願第60/741,681号の優先権を主張し、その内容の全体が、すべての目的のために明白に参照によって本願明細書に援用される。本出願は、2005年2月4日にRaymond A.Zagarsらによって出願された、名称が「Pump Controller for Precision Pumping Apparatus」である米国特許出願第11/051,576号の一部継続出願であり、後者は、1999年11月23日に、発明者のZagarsらによって出願された、名称が「Pump Controller for Precision Pumping Apparatus」である米国特許出願第09/447,604号の分割出願であり、この出願は1998年11月23日に出願された米国仮特許出願第60/109,568号の特許法第119条の優先権の利益を主張し、これらの内容の全体が、すべての目的のために明白に参照によって本願明細書に援用される。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、概して流体ポンプに関する。より具体的には、本発明の実施形態は、多段階ポンプに関する。さらに具体的には、本発明の実施形態は、半導体の製造に使用されるポンプ内での構成要素の作動によって生じた圧力変動の補正に関する。
【背景技術】
【0003】
ポンプ装置によって流体が分配されるときに、流体の量および/または速度の精密な制御が必要である多数の用途が存在する。半導体処理では、例えば、フォトレジスト化学薬品のような光化学薬品が半導体ウエハに適用されるときに、その量および速度を制御することが重要である。処理中に半導体ウエハに適用されるコーティングは、一般的に、オングストロームで測定されるウエハの表面全体の平坦度が必要である。処理化学薬品がウエハに適用される速度は、処理液が一様に適用されるように、制御されなければならない。
【0004】
今日、半導体業界で使用される多くの光化学薬品は非常に高価であり、1リットル当たりのコストが1000ドルになることもしばしばである。したがって、最少量だが十分な量の化学薬品が使用され、化学薬品がポンプ装置によって劣化しないようにすることが好ましい。現在の多段階ポンプは、液体内に急激な圧力スパイクを生じさせる可能性がある。例えば、負の圧力スパイクは、化学薬品内のガス化および気泡形成を促進する場合があり、ウエハのコーティング時に欠陥を生じる可能性がある。同様に、正の圧力スパイクは、尚早のポリマーの架橋を生じさせる場合があり、これもコーティングの欠陥となる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−167916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような圧力スパイクおよびその後の圧力降下が、以上のように流体を劣化させている場合がある(すなわち、流体の物理的特性を不利に変化させる場合がある)。加えて、圧力スパイクは、流体圧力の増加につながり、分配ポンプに意図された以上の流体を分配させるか、または好適でない動特性を有する形態で流体を分配させる可能性がある。
【0007】
より具体的には、弁を閉じてポンプ装置内に混入空間を作り出したときに、この弁を閉じることによって、その混入空間内の圧力が上昇する場合がある。この圧力上昇は、分配を待つ流体を含む分配チャンバ内に生じたときには、特に不利益なものとなり得る。したがって、ポンプ装置内の弁の運動による圧力上昇を補償するための方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ポンプ装置の種々の密閉空間内に生じる場合がある圧力上昇(または降下)を補償する
システムおよび方法である。本発明の実施形態は、チャンバの容量を調整してチャンバ内
の圧力上昇(または降下)を補償するように、ポンプ装置のポンプ手段を動作させること
によって、ポンプ装置のチャンバ内の圧力上昇(または降下)を補償することが可能であ
る。より具体的には、一実施形態では、分配チャンバ内の流体に対する不要な圧力上昇を
補償するために、ピストンを戻すように分配モータを逆回転して、分配チャンバ内のいか
なる圧力上昇も補償することが可能である。
【0009】
本発明の実施形態は、これまでに開発されたポンプシステムおよび方法の不利点を実質
的に排除するか、または軽減する、圧力変動を補正するためのシステムおよび方法を提供
する。より具体的には、本発明の実施形態は、多段階ポンプまたは多段階ポンプとともに
使用される装置に内蔵された種々の機構または構成要素の作動によって生じる、チャンバ
内の圧力変動を補正するシステムおよび方法を提供する。
【0010】
本発明の一実施形態は、分配セグメントの開始前のパージ弁の閉鎖によって生じる、分
配チャンバ内の圧力変化を補正することが可能である。この補正は、分配チャンバ内の容量が、ほぼパージ弁のホールドアップ容量だけ増加するように、分配モータを逆回転する
ことによって達成される。
【0011】
本発明の別の実施形態は、分配モータを更なる距離に逆回転することによって、また、分配セグメントの前に、この更なる距離に等しい量だけ分配モータを順回転することによって、分配モータの最後の運動が順方向になるようにする。
【0012】
本発明の実施形態は、分配のための所望の基準圧力を、分配セグメントの前に分配チャンバ内で達成することができるという利点を提供することが可能である。
【0013】
本発明の他の実施形態は、システム間のヘッド圧力の差のような、多段階ポンプとともに用いられる装置内の差異を補償する能力を提供することができる。
【0014】
本発明の特定の実施形態は、バックラッシュの分配への影響がごくわずかとなるように、分配モータの駆動アセンブリ内に生じ得る、あらゆるバックラッシュを補償することによって利益を提供する。
【0015】
本発明のこれらの、および他の側面は、以下の説明および添付図面を参照することによって、より良好に認識かつ理解されよう。本発明の種々の実施形態およびその多数の特定の詳細を示しているが、以下の説明は、例示のためのものであり、限定するためのものではない。多数の置換、改良、追加、または再構成は、本発明の範囲内で行うことが可能であり、本発明は、このような置換、改良、追加、または再構成の全てを包含する。
【0016】
本発明およびその利点は、添付図面とともに用いられる以下の説明を参照することによってより完全に理解され、同じ参照番号は同じ機能を示す。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、ポンプシステムの一実施形態を示した図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態による、複数段階のポンプ(「多段階ポンプ」)を示した図である。
【図3A】図3A、図3B、図4A、図4C、および図4Dは、多段階ポンプの種々の実施形態を示した図である。
【図3B】図3A、図3B、図4A、図4C、および図4Dは、多段階ポンプの種々の実施形態を示した図である。
【図4A】図3A、図3B、図4A、図4C、および図4Dは、多段階ポンプの種々の実施形態を示した図である。
【図4B】分配ブロックの一実施形態を示した図である。
【図4C】図3A、図3B、図4A、図4C、および図4Dは、多段階ポンプの種々の実施形態を示した図である。
【図4D】図3A、図3B、図4A、図4C、および図4Dは、多段階ポンプの種々の実施形態を示した図である。
【図5】図5は、本発明の一実施形態のための、弁およびモータの時間調節を示した図である。
【図6】図6は、ポンプによって使用される作動シーケンスの実施形態の圧力プロファイルの一例の図である。
【図7】図7は、ポンプによって使用される作動シーケンスの一実施形態の一部の圧力プロファイルの一例の図である。
【図8A】図8Aおよび図8Bは、ポンプの動作の種々のセグメントのための弁およびモータの時間調節の一実施形態を示した図である。
【図8B】図8Aおよび図8Bは、ポンプの動作の種々のセグメントのための弁およびモータの時間調節の一実施形態を示した図である。
【図9A】図9Aおよび図9Bは、ポンプの動作の種々のセグメントのための弁およびモータの時間調節の一実施形態を示した図である。
【図9B】図9Aおよび図9Bは、ポンプの動作の種々のセグメントのための弁およびモータの時間調節の一実施形態を示した図である。
【図10A】図10Aおよび図10Bは、ポンプによって使用される作動シーケンスの一実施形態の一部の圧力プロファイルの一例の図である。
【図10B】図10Aおよび図10Bは、ポンプによって使用される作動シーケンスの一実施形態の一部の圧力プロファイルの一例の図である。
【図11】図11は、ポンプシステムの一実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好適な実施形態を図面内に示すが、種々の図面の類似または対応する要素には同じ符号を使用する。
【0019】
本発明の実施形態は、ポンプを使用して正確に流体を分配するポンプシステムに関し、本システムは、単一段階ポンプまたは複数段階の(「多段階」)ポンプとすることが可能である。より具体的には、本発明の実施形態は、ポンプ装置の種々の密閉空間内に生じ得る圧力上昇(または降下)を補償することが可能である。本発明の実施形態は、チャンバの容量を調整して圧力変動を補償するように、ポンプ装置のポンプ手段を動作させることによって、ポンプ装置のチャンバ内の圧力変動を補償することが可能である。より具体的には、一実施形態では、分配チャンバ内の流体に対する不要な圧力上昇を補償するために、ピストンを戻すように分配モータを逆回転させて、分配チャンバ内のあらゆる圧力上昇を補償することが可能である。当該のポンプシステムの実施形態は、発明者であるJames Cedrone、George Gonnella、およびIraj Gashgaeeによる米国仮特許出願第60/742,435号、名称「System and Method for Multi−stage Pump with Reduced Form Factor」(2005年12月5日出願)に開示されており、参照によりその全体が本願明細書に組み込まれる。
【0020】
図1は、ポンプシステム10の当該の一実施形態を示した図である。ポンプシステム10は、流体ソース15と、ポンプ制御器20と、多段階ポンプ100とを含むことができ、これらは互いに作用して流体をウエハ25上に分配する。多段階ポンプ100の動作は、ポンプ制御器20によって制御することができ、この制御器は、多段階ポンプ100に搭載するか、または通信制御信号、データ、または他の情報を通信するための1つ以上の通信リンクを経て多段階ポンプ100に接続することができる。加えて、ポンプ制御器20の機能は、オンボード制御器と別の制御器との間に分配することができる。ポンプ制御器20は、多段階ポンプ100の動作を制御する一組の制御命令30を含む、コンピュータ可読媒体27(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気ドライブ、または他のコンピュータ可読媒体)を含むことができる。プロセッサ35(例えば、CPU、ASIC、RISC、DSP、または他のプロセッサ)は、命令を実行することができる。プロセッサの一例には、Texas Instruments社(テキサス州ダラスに根拠を置く会社)のTMS320F2812PGFA16ビットDSPが挙げられる。図1の実施形態では、制御器20は、通信リンク40および45を経て、多段階ポンプ100と通信する。通信リンク40および45は、ネットワーク(例えば、従来技術において既知または開発された、イーサネット(登録商標)、無線ネットワーク、グローバルエリアネットワーク、DeviceNetネットワーク、または他のネットワーク)、バス(例えば、SCSIバス)、または他の通信リンクとすることができる。制御器20は、オンボードPCBボード、リモート制御器として、または他の好適な様態で実装することができる。ポンプ制御器20は、多段階ポンプ100と通信するための、適切なインターフェース(例えば、ネットワークインターフェース、I/Oインターフェース、アナログ−デジタル変換器、および他の構成要素)を含むことができる。加えて、ポンプ制御器20は、簡潔にするために図示しないが、プロセッサ、メモリ、インターフェース、ディスプレイ装置、周辺機器、または他のコンピュータ構成要素を含む、従来技術において既知の種々のコンピュータの構成要素を含むことができる。ポンプ制御器20は、多段階ポンプに、低粘性流体(すなわち、100センチポアズ未満)または他の流体を含む流体を正確に分配させるように、多段階ポンプ内の種々の弁およびモータを制御することができる。Cedrone他による米国特許出願第60/741,657号、名称「I/O Interface System and Method for a Pump」(2005年12月2日出願)、および米国特許出願第__________号(__________出願)[ENTG1810−1]、名称「I/O Systems,Methods and Devices for Interfacing a Pump Controller」に開示されているようなI/Oインターフェースコネクタを使用して、種々のインターフェースおよび製造ツールにポンプ制御器20を接続することが可能であり、いずれの特許出願も、参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。
【0021】
図2は、多段階ポンプ100を示した図である。多段階ポンプ100は、供給段階部105と、別個の分配段階部110とを含む。流体の流れの観点から、フィルタ120は、供給段階部105と分配段階部110との間に位置して、プロセス流体から不純物をフィルタ処理する。例えば、入口弁125、遮断弁130、バリア弁135、パージ弁140、ベント弁145、および出口弁147を含む複数の弁は、多段階ポンプ100を介して流体の流れを制御することができる。分配段階部110は、分配段階110で流体の圧力を測定する圧力センサ112をさらに含むことができる。圧力センサ112によって測定された圧力を使用して、下述するように、種々のポンプの速度を制御することができる。例示的な圧力センサには、Metallux AG社(ドイツ、コーブ)が製造するものを含む、セラミックおよびポリマーのピエゾ抵抗および容量圧力センサが挙げられる。一実施形態によれば、プロセス流体と接触する圧力センサ112の表面は、パーフルオロポリマー(perfluoropolymer)である。ポンプ100は、供給チャンバ155内の圧力を読み取る圧力センサのような、更なる圧力センサを含むことができる。
【0022】
供給段階105および分配段階110は、多段階ポンプ100内に流体を給送する転動型(rolling)ダイヤフラムポンプを含むことができる。供給段階ポンプ150(「供給ポンプ150」)は、例えば、流体を回収する供給チャンバ155と、供給チャンバ155内で動作して流体を排出する供給段階ダイヤフラム160と、供給段階ダイヤフラム160を動作させるピストン165と、親ネジ170と、ステップモータ175とを含む。親ネジ170は、モータから親ネジ170へエネルギを与えるためナット、歯車、または他の機構を介してステップモータ175に連結される。一実施形態によれば、供給モータ170はナットを回転させ、その後親ネジ170を回転させて、ピストン165を作動させる。分配段階ポンプ180(「分配ポンプ180」)は、同様に、分配チャンバ185と、分配段階ダイヤフラム190と、ピストン192と、親ネジ195と、分配モータ200とを含むことができる。分配モータ200は、ネジ付きナット(例えば、トルロンまたは他の材料のナット)を介して、親ネジ195を駆動することができる。
【0023】
他の実施形態によれば、供給段階105および分配段階110は、空気圧または油圧作動のポンプ、油圧ポンプ、または他のポンプを含む、種々の他のポンプとすることができる。供給段階用の空気圧作動のポンプおよびステップモータ駆動の油圧ポンプを使用した、多段階ポンプの一実施例は、米国特許出願第11/051,576号に記述されている。なお、両段階でモータを使用することで、油圧配管、制御システム、および流体が省かれ、それによってスペースおよび潜在的な漏れが低減される、といった利益が提供される。
【0024】
供給モータ175および分配モータ200は、あらゆる好適なモータとすることができる。一実施形態によれば、分配モータ200は、永久磁石型同期モータ(Permanent−Magnet Synchronous Motor:「PMSM」)である。PMSMは、モータ200、制御器搭載の多段階ポンプ100、または(図1に示されるような)別個のポンプ制御器において、フィールドオリエンティド制御(Field−Oriented Control:「FOC」)を用いたデジタル信号処理器(digital signal processor:「DSP」)、または従来技術において既知の他のタイプの位置/速度制御によって制御することができる。PMSM200は、分配モータ200の位置をリアルタイムでフィードバックするための符号器(例えば、ファインライン回転型位置エンコーダ)をさらに含むことができる。位置センサを使用することで、ピストン192の位置の正確かつ反復可能な制御が与えられ、分配チャンバ185内の流体の動作の正確かつ反復可能な制御をもたらす。例えば、一実施形態によればDSPに8000のパルスを与える、2000ライン符号器を使用することで、0.045度の回転角で正確に測定および制御することが可能である。加えて、PMSMは、ほとんどまたは全く振動せずに低速で動作することができる。供給モータ175は、PMSMまたはステップモータとすることもできる。また、供給ポンプは、供給ポンプがその基準位置にあるときを示すホームセンサを含むことができることに留意されたい。
【0025】
図3Aは、多段階ポンプ100のためのポンプアセンブリの一実施形態を図形的に示した図である。多段階ポンプ100は、多段階ポンプ100を通して種々の流体流路を画定し、供給チャンバ155および分配チャンバ185を少なくとも部分的に画定する、分配ブロック205を含むことができる。分配ポンプブロック205は、一実施形態によれば、PTFE、改質PTFE、または他の材料の一体ブロックとすることができる。これらの材料は、多くのプロセス流体と反応しないか、または最小限にしか反応しないので、これらの材料を使用することによって、流路およびポンプチャンバは、最小限の追加ハードウェアとともに、分配ブロック205内に直接機械加工することができる。したがって、分配ブロック205は、一体型の流体マニホールドを提供することによって、配管の必要性を低減する。
【0026】
分配ブロック205は、例えば、流体を受ける入口210、ベントセグメント中に流体を排出するためのベント出口215、および分配セグメント中に流体が分配される分配出口220を含む、種々の外部の入口および出口を含むことができる。分配ブロック205は、図3Aの実施例では、(図4Aおよび図4Bに示されるように)パージされた流体が供給チャンバに戻されるような外部パージ出口を含まない、なお、本発明の他の実施形態では、流体は、外部にパージすることができる。Iraj Gashgaeeによる米国仮特許出願第60/741,667号、名称「O−Ring−Less Low Profile Fitting and Assembly Thereof」(2005年12月2日出願)では、分配ブロック205の外部入口および出口の流体管路への接続に用いることができる管継手の一実施形態を開示しており、参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。
【0027】
分配ブロック205は、供給ポンプ、分配ポンプ、およびフィルタ120に流体を送る。ポンプカバー225は、供給モータ175および分配モータ200が損傷しないようにすることができ、ピストンハウジング227は、ピストン165およびピストン192を保護し、本発明の一実施形態によれば、ポリエチレンまたは他のポリマーで形成することができる。弁プレート230は、流体の流れを多段階ポンプ100の種々の構成要素に導くように構成することができる弁のシステム(例えば、図2の入口弁125、遮断弁130、バリア弁135、パージ弁140、およびベント弁145)に弁ハウジングを提供する。一実施形態によれば、入口弁125、遮断弁130、バリア弁135、パージ弁140、およびベント弁145のそれぞれは、弁プレート230に少なくとも部分的に一体化され、対応するダイヤフラムに圧力または真空が適用されることによって、開放または閉鎖されるダイヤフラム弁である。他の実施形態では、いくつかの弁は、分配ブロック205の外部とするか、または更なる弁プレート内に配置することが可能である。一実施形態によれば、PTFEのシートが弁プレート230と分配ブロック205との間に挟まれて、種々の弁のダイヤフラムを形成する。弁プレート230は、対応するダイヤフラムに圧力または真空を適用するように、それぞれの弁に弁制御入口を含んでいる。例えば、入口235はバリア弁135に、入口240はパージ弁140に、入口245は遮断弁130に、入口250はベント弁145に、また、入口255は入口弁125に対応する(この場合、出口弁147は外部にある)。入口への圧力または真空の選択的な適用によって、対応する弁が開閉される。
【0028】
弁制御ガスおよび真空は、弁制御供給管路260を経て弁プレート230に提供され、この管路は、弁制御マニホールド(トップカバー263またはハウジングカバー225の下の領域内)から分配ブロック205を通って弁プレート230へ延びる。弁制御ガス供給入口265は、弁制御マニホールドに加圧ガスを提供し、真空入口270は、弁制御マニホールドに真空(または低圧)を提供する。弁制御マニホールドは、三方弁として作用して、加圧ガスまたは真空を、供給管路260を経て弁プレート230の適切な入口に送って対応する弁を作動させる。一実施形態では、Gashgaee他による米国特許出願第_________号、名称「Fixed Volume Valve System」(_________出願)[ENTG1770−1](参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる)に開示されているような弁プレートを使用して、弁のホールドアップ容量を低減し、真空変動による容量の変動を排除し、真空要件を緩和し、また弁ダイヤフラムへの応力を軽減することができる。
【0029】
図3Bは、多段階ポンプ100の別の実施形態を示した図である。図3Bに示される機能の多くは、図3Aに関連して上述したものに類似する。なお、図3Bの実施形態は、流体の滴が、電子機器を収容する多段階ポンプ100の領域に入らないようにするためのいくつかの機能を含む。流体の滴は、例えば、オペレータが管を入口210、出口215、またはベント220に着脱したときに生じ得る。「防滴」機能は、潜在的に有害な化学薬品の滴が、ポンプ、特に電子機器のチャンバに入らないようにし、必ずしもポンプを「防水」(例えば、漏洩なく流体中で使用可能)とする必要が無いようにデザインされる。他の実施形態によれば、ポンプは完全に密封することができる。
【0030】
一実施形態によれば、分配ブロック205は、トップカバー263と接触する分配ブロック205の縁から外方へ突出する、垂直に突出したフランジ、すなわちリップ272を含むことができる。頂縁上では、一実施形態によれば、トップカバー263の上部は、リップ272の上面と同一平面上にある。これによって、分配ブロック205およびトップカバー263の上部インターフェース付近の滴は、インターフェースを通るのではなく、分配ブロック205上へ流れるようになる。なお、側部上では、トップカバー263は、リップ272の底部と同一平面上にあるか、または、リップ272の外表面から内方へオフセットされる。これによって、滴は、トップカバー263と分配ブロック205との間ではなく、トップカバー263とリップ272とによって形成されるコーナー部に流れるようになる。加えて、トップカバー263の頂縁とバックプレート271との間にシールを配置して、滴がトップカバー263とバックプレート271との間に漏れないようにする。
【0031】
分配ブロック205は、電子機器を収容するポンプ100の領域から下りに傾斜して離れる、分配ブロック205内に画定された傾斜表面を含む傾斜特徴273も含むことができる。結果的に、分配ブロック205の上部付近の滴は、電子機器から離れるように導かれる。加えて、ポンプカバー225は、ポンプ100の側部を流れる滴が、ポンプカバー225のインターフェースおよびポンプ100の他の部分を越えて流れるように、分配ブロック205の外側縁からわずかに内側にオフセットすることもできる。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、金属カバーが分配ブロック205とインターフェースする場所であればどこでも、金属カバーの垂直面を、対応する分配ブロック205の垂直面からわずかに内方にオフセット(例えば、1/64インチ、0.396875mm)することができる。加えて、多段階ポンプ100は、滴が、電子機器を収容する多段階ポンプ100の部分に入らないように、シール、傾斜特徴、および他の特徴を含むことができる。さらに、図4A(後述する)に示されるように、バックプレート271は、更なる「防滴」多段階ポンプ100に対する機能を含むことができる。
【0033】
図4Aは、画定された流体の流路を示すように透過的にした、ブロック205を備えた多段階ポンプ100の一実施形態を図形的に示した図である。分配ブロック205は、多段階ポンプ100のための種々のチャンバおよび流体流路を画定する。一実施形態によれば、供給チャンバ155および分配チャンバ185は、分配ブロック205内に直接機械加工することができる。加えて、種々の流路を、分配ブロック205内に機械加工することができる。流体流路275(図5Cに示す)は、入口210から入口弁に延びる。流体流路280は、入口弁から供給チャンバ155に延び、入口210から供給ポンプ150への経路を完成する。弁ハウジング230内の入口弁125は、入口210と供給ポンプ150との間の流れを調整する。流路285は、供給ポンプ150から弁プレート230内の遮断弁130へ流体を送る。遮断弁130の出力は、別の経路(図示せず)によってフィルタ120へ送られる。流体は、フィルタ120から、フィルタ120をベント弁145およびバリア弁135に接続する流路を通って流れる。ベント弁145の出力はベント出口215へ送られ、バリア弁135の出力は流路290を経て分配ポンプ180へ送られる。分配ポンプは、分配セグメント中に、流路295を経て出口220へ流体を出力するか、またはパージセグメントにおいて、流路300を経てパージ弁に流体を出力することができる。パージセグメント中に、流体は、流路305を介して供給ポンプ150へ戻すことができる。流体流路は、PTFE(または他の材料)のブロック内に直接形成することができるので、分配ブロック205は、多段階ポンプ100の種々の構成要素間のプロセス流体のための配管として作用することができ、更なる管の必要性を無くすか、または低減する。他の場合には、管を分配ブロック205に挿入して、流体流路を画定することができる。図4Bは、一実施形態による、内部の流路のうちのいくつかを示すように透過的にした、分配ブロック205を図形的に示した図である。
【0034】
図4Aに戻ると、図4Aは、供給ポンプ150が見えるようにポンプカバー225およびトップカバー263を取り除いた、供給段階モータ190、分配ポンプ180を含み、供給モータ200および弁制御マニホールド302を含む、多段階ポンプ100も示す。本発明の一実施形態によれば、供給ポンプ150、分配ポンプ180、および弁プレート230の一部は、分配ブロック205内の対応するキャビティに挿入されたバー(例えば、金属バー)を使用して、分配ブロック205に連結することができる。それぞれのバーは、ネジを受ける1つ以上のネジ付き孔を含むことができる。一例として、分配モータ200およびピストンハウジング227は、分配ブロック205内のネジ穴を通ってバー285内の対応する穴に螺入する1つ以上のネジ(例えば、ネジ275およびネジ280)を経て、分配ブロック205に載置することができる。分配ブロック205への連結要素のためのこの機構は、一例として提供されたものであり、あらゆる好適な取り付け機構を使用できることに留意されたい。
【0035】
バックプレート271は、本発明の一実施形態によれば、トップカバー263およびポンプが、225が載置される内方へ延在するタブ(例えば、ブラケット274)を含むことができる。トップカバー263およびポンプカバー225は、(例えば、トップカバー263の底縁および裏縁、ならびにポンプカバー225の上縁および裏縁部で)ブラケット274に重なるので、トップカバー263の底縁とポンプカバー225の頂縁との間のあらゆる空間の、またはトップカバー263およびポンプカバー225の裏縁の、電子機器の領域に滴が流入しないようにする。
【0036】
マニホールド302は、本発明の一実施形態によれば、圧力/真空を弁プレート230に選択的に導く一組のソレノイド弁を含むことができる。特定のソレノイドがオンなり、弁に真空または圧力が導かれると、実装に従って、ソレノイドが熱を発生する。一実施形態によれば、マニホールド302は、分配ブロック205および特に分配チャンバ185から離れて、PCBボード(printed−circuit board)(バックプレート271に載置され、図4Cにより良好に示される)の下に載置される。マニホールド302は、ブラケットに載置することができ、さらにバックプレート271に載置するか、またはバックプレート271に連結することができる。これは、マニホールド302内のソレノイドからの熱の、分配ブロック205内の流体への影響を防ぐ一助となる。バックプレート271は、ステンレス鋼、機械加工されたアルミニウム、またはマニホールド302およびPCBから熱を放散させることができる他の材料で作製することができる。換言すれば、バックプレート271は、マニホールド302およびPCBのための放熱ブラケットとして作用することができる。ポンプ100は、バックプレート271によって熱を伝導できる表面または他の構造体にさらに載置することができる。したがって、バックプレート271およびそれが取り付けられる構造体は、マニホールド302およびポンプ100の電子機器のための放熱板として作用する。
【0037】
図4Cは、弁プレート230に圧力または真空を提供するための供給管路260を示す、多段階ポンプ100を図形的に示した図である。図3に関連して述べたように、弁プレート230内の弁は、流体が多段階ポンプ100の種々の構成要素へと流れることができるように構成することができる。弁の作動は、それぞれの供給管路260に圧力または真空を導く、弁制御マニホールド302によって制御される。それぞれの供給管路260は、小さなオリフィスを有する取り付け部品(取り付け部品の一例を318にて示す)を含むことができる。このオリフィスは、取り付け部品318が取り付けられる対応する供給管路260の直径よりも小さな直径とすることが可能である。一実施形態では、オリフィスの直径は、ほぼ0.010インチとすることが可能である。したがって、取り付け部品318のオリフィスは、供給管路260を制限する役目をすることが可能である。それぞれの供給管路260内のオリフィスは、供給管路への圧力の適用と真空の適用との間の急激な圧力差の影響を軽減し、したがって、弁への圧力の適用と真空の適用との間のスムーズな移行が可能である。すなわち、オリフィスは、下流の弁のダイヤフラムへの圧力変化の影響を軽減する一助となる。これによって、弁をよりスムーズかつゆっくりと開閉することができ、弁の開閉によって生じ得る圧力の移行をよりスムーズにし、弁自体の寿命を延ばすことが可能である。
【0038】
図4Cには、マニホールド302を連結することができるPCB397も示す。マニホールド302は、本発明の一実施形態によれば、PCBボード397から信号を受信して、真空/圧力を種々の供給管路260に直接供給して多段階ポンプ100の弁を制御するように、ソレノイドを開閉させる。また、図4Cに示されるように、マニホールド302は、分配ブロック205からPCB397の遠位端に配置して、分配ブロック205内の流体への熱の影響を低減することができる。加えて、PCBのデザイン的および空間的制約に従った実行可能な範囲内で、熱を発生する構成要素は、分配ブロック205から離れてPCBの側部に配置することができ、これも熱の影響を低減する。マニホールド302およびPCB397からの熱は、バックプレート271によって放散させることができる。図4Dは、マニホールド302が分配ブロック205に直接載置された、ポンプ100の一実施形態を図形的に示した図である。
【0039】
ここで、多段階ポンプ100の動作を説明することが有用であろう。多段階ポンプ100の動作中に、多段階ポンプ100の弁は、多段階ポンプ100の種々の部分に流体を流したり制限したりするように、開閉される。一実施形態によれば、これらの弁は、圧力または真空のアサート(assert)に基づいて開閉する、空気圧作動の(すなわち、ガス駆動の)ダイヤフラムとすることができる。なお、本発明の他の実施形態では、あらゆる好適な弁を使用することができる。
【0040】
以下に、多段階ポンプ100の動作の種々の段階の概要を提供する。なお、多段階ポンプ100は、これに限定されないが、Michael Clarke、Robert F.McLoughlin、およびMarc Laverdiereによる米国特許出願第11/502,729号、名称「Systems And Methods For Fluid Flow Control In An Immersion Lithography System」(2006年8月11日出願)を含む、種々の制御方式に基づいて制御して、弁および制御圧力をシーケンスすることができ、それぞれ参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。一実施形態によれば、多段階ポンプ100は、準備セグメントと、分配セグメントと、充填セグメントと、前濾過セグメントと、濾過セグメントと、ベントセグメントと、パージセグメントと、静的パージセグメントとを含むことができる。供給セグメント中に、入口弁125が開口され、供給段階ポンプ150が供給段階ダイヤフラム160を動作させて(例えば、引張る)、供給チャンバ155内に流体を引き込む。十分な量の流体が供給チャンバ155に充填されると、入口弁125は閉鎖される。濾過セグメント中に、供給段階ポンプ150は、供給段階ダイヤフラム160を動作させて供給チャンバ155から流体を排出する。遮断弁130およびバリア弁135を開口して、流体が、フィルタ120を通って分配チャンバ185に流れるようにする。一実施形態によれば、(例えば、「前濾過セグメント」において)最初に遮断弁130を開口して、フィルタ120内に圧力を生じさせ、次いで、バリア弁135を開口して、流体が分配チャンバ185内に流れるようにすることができる。他の実施形態によれば、遮断弁130およびバリア弁135の両方を開口して、供給ポンプを動作させて、フィルタの分配側に圧力を生じさせることができる。濾過セグメント中に、分配ポンプ180をその基準位置に導くことができる。Laverdiere他による米国仮特許出願第60/630,384号、名称「System and Method for a Variable Home Position Dispense System」(2004年11月23日出願)、およびLaverdiere他によるPCT出願第PCT/US2005/042127号、名称「System And Method For Variable Home Position Dispense System」(2005年11月21日出願)に記載されているように(これらはいずれも参照することにより本願明細書に組み込まれる)、分配ポンプの基準位置は、分配サイクルに最大使用可能容量を提供するが、分配ポンプが提供できる最大使用可能容量未満である位置とすることができる。基準位置は、多段階ポンプ100の未使用のホールドアップ容量を低減するように、分配サイクルに対する種々のパラメータに基づいて選択される。供給ポンプ150は、同様に、最大使用可能容量未満である容量を提供する基準位置とすることができる。
【0041】
ベントセグメントの始めにおいて、遮断弁130が開口され、バリア弁135が閉鎖され、ベント弁145が開口される。別の実施形態では、バリア弁135は、ベントセグメント中に開口したままとし、ベントセグメントの終了時に閉鎖することができる。この間にバリア弁が開口された場合、圧力センサ112で測定することができる分配チャンバ内の圧力がフィルタ120内の圧力の影響を受けるので、制御器によって圧力を把握することができる。供給段階ポンプ150は、流体に圧力を加えて、開口したベント弁145を介してフィルタ120から気泡を取り除く。供給段階ポンプ150は、所定の速度でベントが生じるように制御することができ、ベント時間を長くするほどベント速度を低くすることが可能であり、それによって不要なベントの量を正確に制御することができる。供給ポンプが空気式ポンプである場合、流体の流れの制限をベント流体経路内に課すことができ、供給ポンプに適用される空気圧は、「ベント」の設定圧力を保持するように上昇または降下させることができ、他の非制御方法のいくつかの制御を提供する。
【0042】
パージセグメントの始めにおいては、遮断弁130が閉鎖され、バリア弁135が、ベントセグメントで開口されていれば閉鎖され、ベント弁145が閉鎖され、パージ弁140が開口され、入口弁125が開口される。分配ポンプ180は、分配チャンバ185内の流体に圧力を加えて、パージ弁140を介して気泡をベントする。静的パージセグメント中には、分配ポンプ180は停止されるが、パージ弁140は空気のベントを継続するように開口されたままである。パージまたは静的パージのセグメント中に取り除かれたあらゆる余分な流体は、多段階ポンプ100から送られる(例えば、流体ソースに戻すか、廃棄する)か、または供給段階ポンプ150へ再循環されることができる。準備セグメント中には、供給段階ポンプ150が、ソース(例えば、ソースボトル)の周囲圧力に到達できるように、入口弁125、遮断弁130およびバリア弁135を開口し、パージ弁140を遮断することができる。他の実施形態によれば、準備セグメントにおいて全ての弁を閉鎖することができる。
【0043】
分配セグメント中には、出口弁147を開口し、分配ポンプ180は、分配チャンバ185内の流体に圧力を加える。出口弁147は、分配ポンプ180よりもゆっくりと制御に反応することが可能であるため、出口弁147を最初に開口して、所定の時間の後に分配モータ200を始動することができる。これは、分配ポンプ180が、部分的に開口された出口弁147を介して流体を押し出さないようにする。さらに、これは、弁の開口によって流体が分配ノズルを上方へ移動しないようにし、その後、モータの動作によって流体が順方向に運動しないようにする。他の実施形態では、出口弁147を開口して、同時に分配ポンプ180による分配を開始することができる。
【0044】
分配ノズル内の余分な流体を取り除く、サックバック(suckback)セグメントをさらに行うことができる。サックバックセグメント中には、出口弁147を閉鎖して、二次モータまたは真空を使用して、出口ノズルからの余分な流体を吸引することができる。あるいは、出口弁147を開口したままにして、分配モータ200を逆回転して当該の流体を分配チャンバに戻すことができる。サックバックセグメントは、ウエハ上へ余分な流体の滴下を防ぐ一助となる。
【0045】
一時的に図5を参照すると、本図は、図2の多段階ポンプ100の種々の動作に対する、弁および分配モータの時間調整を示した図である。セグメントの変更中に複数の弁が同時に閉鎖されているように示されているが、弁の閉鎖は、圧力スパイクを軽減するために、わずかに時間間隔(例えば、100ミリ秒)をあけることができる。例えば、ベントセグメントとパージセグメントとの間において、遮断弁130はベント弁145の直前に閉鎖することができる。なお、本発明の種々の実施態様では、別の弁の時間調整を用いることができることに留意されたい。加えて、セグメントのうちのいくつかを一緒に行うことができる(例えば、充填/分配段階は、同時に行うことができ、この場合、入口弁および出口弁は、どちらも分配/充填セグメント時に開口することができる)。さらに、特定のセグメントは、それぞれのサイクルごとに繰り返す必要がないことに留意されたい。例えば、パージセグメントおよび静的パージセグメントは、サイクルごとに行われるわけではない。同様に、ベントセグメントは、サイクルごとに行われるわけではない。
【0046】
種々の弁の開閉によって、多段階ポンプ100内の流体に圧力スパイクを生じさせ得る。出口弁147は、静的パージセグメント中は閉鎖されるので、静的パージセグメントの終わりのパージ弁140の閉鎖によって、例えば、分配チャンバ185内の圧力を上昇させることができる。これは、それぞれの弁が閉鎖されるときに、少量の流体を排出することが可能であるために生じ得る。より具体的には、多くの場合、流体がチャンバ185から分配される前に、多段階ポンプ100が、流体の分配時のスパッタリングまたは他の摂動を受けないように、パージサイクルおよび/または静的パージサイクルを使用して、分配チャンバ185から空気をパージする。なお、静的パージサイクルの終わりには、分配の開始準備時に分配チャンバ185を密封するために、パージ弁140を閉鎖する。パージ弁140が閉鎖されるときに、余分な量の流体(パージ弁140のホールドアップ容量にほぼ等しい)が分配チャンバ185内に押し込まれ、その後、分配チャンバ185内の流体の圧力を、流体の分配のために基準圧力を超えて上昇させる。この過剰な圧力(ベースラインを超える)によって、以降の流体の分配に問題が生じる場合がある。パージ弁140の閉鎖によって生じる圧力上昇が、分配に必要な基準圧力よりも大きな割合となる場合があるので、これらの問題は、低圧の適用時に悪影響を及ぼす。
【0047】
より具体的には、パージ弁140の閉鎖に起因する圧力上昇により、ウエハ上への流体の「吐出(spitting)」が生じるために、以降の分配セグメント中に、圧力が減少していなければ、二重分配または他の不要な流体動態が生じる場合がある。加えて、この圧力上昇は、多段階ポンプ100の動作中は一定ではない場合があるので、これらの圧力上昇が、以降の分配セグメント中に、分配される流体の量を変動させるか、または分配の他の性質を変動させる場合がある。分配時のこれらの変動は、その結果、ウエハのスクラップおよびウエハの再処理を生じさせる場合がある。本発明の実施形態は、分配セグメントを開始するための所望の開始圧力を達成するように、システム内の種々の弁の閉鎖による圧力上昇を補償し、分配前に分配チャンバ185において達成すべきほぼ全ての基準圧力を許容することによって、システム間の装置におけるヘッド圧力の差異および他の差異を補償する。
【0048】
一実施形態では、静的パージセグメント中に、分配チャンバ185内の流体に対する不要な圧力上昇を補償するために、ピストン192を所定の距離戻すように分配モータ200を逆回転して、バリア弁135、パージ弁140、および/または分配チャンバ185内の圧力上昇を生じる可能性のある、他のソースによって生じるあらゆる圧力上昇を補償することが可能である。分配チャンバ185内の圧力は、George GonnellaおよびJames Cedroneによる米国特許出願第11/292,559号、名称「System and Method for Control of FluidPressure」(2005年12月2日出願)、およびGeorge GonnellaおよびJames Cedroneによる米国特許出願第11/364,286号、名称「System and Method for Monitoring Operation of a Pump」(2006年2月28日出願)、(いずれも本願明細書に組み込まれる)に記載されているように、供給ポンプ150の速度を調整することによって制御することが可能である。
【0049】
したがって、本発明の実施形態は、穏やかな流体の処理を特徴とする多段階ポンプを提供する。分配セグメントの前に分配チャンバ内の圧力変動を補償することによって、場合によっては損傷を与える圧力スパイクを回避または軽減することができる。本発明の実施形態は、他のポンプ制御機構および弁の時間調整を用いて、プロセス流体への圧力の悪影響および圧力変動の低減を助けることもできる。
【0050】
そのために、ポンプ装置の種々の密閉空間内に生じる場合がある圧力上昇または降下を補償するためのシステムおよび方法に注目する。本発明の実施形態は、チャンバの容量を調整してチャンバ内の圧力上昇または降下を補償するように、ポンプ装置のポンプ手段を動作させることによって、ポンプ装置のチャンバ内での圧力の上昇または降下を補償することが可能である。より具体的には、一実施形態では、分配チャンバ内の流体に対する不要な圧力上昇を補償するために、ピストンを戻すように分配モータを逆回転して、分配チャンバ内のあらゆる圧力上昇を補償する。
【0051】
これらの圧力変動の低減は、図6を参照してより良好に理解することが可能であり、図6は、本発明の一実施形態による、多段階ポンプの動作に対する分配チャンバ185での圧力プロファイルの一例を示す図である。地点440で、分配が開始され、分配ポンプ180は出口から流体を押し出す。分配は、地点445で終わる。この段階では一般的に分配ポンプ180は関与しないので、分配チャンバ185での圧力は、充填段階中はほぼ一定のままである。地点450で、濾過段階が開始され、供給段階モータ175は、所定の速度で順回転して、供給チャンバ155から流体を押し出す。図6から分かるように、分配チャンバ185内の圧力が上昇し始めて、地点455で所定の設定値に到達する。分配チャンバ185内の圧力が設定値に到達すると、分配モータ200が一定の速度で逆回転して、分配チャンバ185内の利用可能容量を増加させる。地点455と地点460との間の圧力プロファイルの比較的平坦な部分では、供給モータ175の速度は、圧力が設定値を下回ったときには増速され、設定値に到達したときには減速される。これにより、分配チャンバ185内の圧力をほぼ一定の圧力に保持する。地点460で、分配モータ200は、その基準位置および濾過段階の終わりに到達する。地点460での急激な圧力スパイクは、濾過の終わりでのバリア弁135の閉鎖によって生じる。
【0052】
ベントおよびパージセグメントの後、かつ静的パージセグメントが終わる前に、パージ弁140は閉鎖され、圧力プロファイル内の地点1500において圧力スパイクを生じさせ始める。図に示されるように、圧力プロファイルの地点1500と1502との間で、分配チャンバ185内の圧力は、この閉鎖によって著しく上昇する可能性がある。パージ弁140の閉鎖による圧力上昇は、通常は不安定であり、多段階ポンプ100とともに用いられるシステムの温度および流体の粘度に依存する。
【0053】
地点1500と1502との間に生じる圧力上昇を補償するために、ピストン192を所定の距離戻すように分配モータ200を逆回転して、バリア弁135、パージ弁140、および/または他のソースによって生じる、あらゆる圧力上昇を補償することが可能である。ある場合には、パージ弁140は、幾らかの時間を置いて閉鎖することが可能であるため、分配モータ200を逆回転する前の特定の時間の遅延に望ましくなり得る。したがって、圧力プロファイル上の地点1500と1504との間の時間は、パージ弁140を閉鎖する信号と分配モータ200の逆回転との間の遅延を反映する。この遅延時間は、パージ弁140を完全に閉鎖することができ、分配チャンバ185内の圧力をほぼ安定させるに十分な時間であり、約50ミリ秒となり得る。
【0054】
パージ弁140のホールドアップ容量は既知の量(例えば、製造許容差内)となり得るので、ピストン192aを補償距離戻すように分配モータ200を逆回転して、分配チャンバ185の容量を、パージ弁140のホールドアップ容量にほぼ等しく増加させることが可能である。分配チャンバ185およびピストン192の寸法も既知の量であるため、分配モータ200を特定のモータのインクレメント分だけ逆回転させることが可能であり、このモータのインクレメント分だけモータ200を逆回転することによって、分配チャンバ185の容量は、パージ弁140のホールドアップ容量分だけ増加する。
【0055】
分配モータ200の逆回転によるピストン192を戻す作用によって、分配チャンバ185内の圧力は、地点1504から、地点1506の分配に必要な基準圧力付近まで降下する。多くの場合、この圧力補正は、以降の分配段階において満足な分配を得るに十分となり得る。なお、分配モータ200に用いられているモータのタイプ、またはパージ弁140に用いられている弁のタイプによっては、分配モータ185の容量を増加させるように分配モータ200を逆回転させることによって、分配モータ200の駆動機構内に空間、すなわち「バックラッシュ」が発生する場合がある。この「バックラッシュ」とは、分配セグメント中に分配モータ200が順方向に作動されて分配ポンプ180の流体を押し出すときに、モータナットアセンブリのような、分配モータ200の構成要素間に存在し得る特定量のスラックまたは空間のことであり、ピストン192が動くように分配モータ200の駆動アセンブリが物理的に作動する前に取り除かなければならない場合がある。このバックラッシュの量は変動し得るので、所望の分配圧力を得るためにどのくらいピストン192を前方へ動作させるのかを判断するときには、このバックラッシュの補償が困難となり得る。したがって、分配モータ200の駆動アセンブリ内のこのバックラッシュによって、それぞれの分配セグメント中に分配される流体の量に変動が生じる場合がある。
【0056】
結果的に、分配モータ200の駆動アセンブリ内のバックラッシュの量を実質的に無視できるか、または存在しないレベルまで低減するように、分配モータ200の最後の運動が、分配セグメント前には順方向になるようにすることが望ましくなり得る。したがって、いくつかの実施形態では、分配ポンプ200の駆動モータアセンブリ内の不要なバックラッシュを補償するために、ピストン192を所定の距離戻すように分配モータ200を逆回転して、バリア弁135、パージ弁140、および/または分配チャンバ185内の圧力上昇を生じる可能性のある他のソースによって生じる、あらゆる圧力上昇を補償することが可能であり、さらに、ピストン192をオーバーシュート距離分戻すように分配モータ192を逆回転して、分配チャンバ185にオーバーシュート容量を追加することが可能である。分配モータ200は、次いで順方向に作動して、オーバーシュート距離にほぼ等しい分だけピストン192を順方向に動作させることが可能である。これによって、分配チャンバ185内がほぼ所望の基準圧力となり、また、分配前の分配モータ200の最後の運動が順方向となり、実質的にあらゆるバックラッシュが分配モータ200の駆動アセンブリから取り除かれる。
【0057】
さらに図6を参照すると、上述のように、圧力プロファイル内の地点1500で始まる圧力のスパイクは、パージ弁140の閉鎖によって生じ得る。地点1500と1502との間に生じる圧力上昇を補償するために、ピストン192を所定の距離戻すように遅延後に分配モータ200を逆回転して、パージ弁140(および/または他のソース)の閉鎖によって生じる圧力上昇、および更なるオーバーシュート距離を補償することが可能である。上述のように、補償距離は、分配チャンバ185の容量を、パージ弁140のホールドアップ容量にほぼ等しい量まで増加させることが可能である。オーバーシュート距離は、分配チャンバ185の容量を、パージ弁140のホールドアップ容量にほぼ等しい量まで増加させるか、または特定の実装に基づいて、より多いか、またはより少ない量まで増加させることも可能である。
【0058】
分配モータ200の逆回転による補償距離およびオーバーシュート距離だけピストン192を戻す作用によって、分配チャンバ185内の圧力は、地点1504から地点1508へ降下する。分配モータ200は、次いで、順方向に作動して、オーバーシュート距離にほぼ等しい分だけピストン192を順方向に動作させる。ある場合には、分配モータ200を順方向に作動する前に、分配モータ200をほぼ完全に停止できることが望ましい場合があり、この遅延は、約50ミリ秒となり得る。分配モータ200の順回転作動によるピストン192の順回転運動の作用によって、分配チャンバ185内の圧力は、地点1510から、地点1512の分配に必要な基準圧力付近まで上昇し、一方で、分配セグメント前の分配モータ200の最後の運動が順方向になるようにして、分配モータ200の駆動アセンブリからほぼ全てのバックラッシュを取り除く。静的パージセグメントの終わりでの分配モータ200の逆回転および順回転動作を、図3の時間調節図に示す。
【0059】
本発明の実施形態は、図7を参照してより明確に説明することが可能であり、図7は、本発明の一実施態様による、多段階ポンプを運転する特定のセグメント中の、分配チャンバ185での圧力プロファイルの一例を示す図である。線1520は、流体の分配に必要な基準圧力を示し、この線はあらゆる所望の圧力となり得るが、一般的には0psi(例えば、ゲージ)、または大気圧である。地点1522で、パージセグメント中に、分配チャンバ185内の圧力は、基準圧力1520より少し高くなる場合がある。分配モータ200は、パージセグメントの終わりに停止して、分配チャンバ185内の圧力を、地点1524で減少させ始め、地点1526でほぼ基準圧力1520まで減少させることが可能である。なお、静的パージセグメントが終わる前に、パージ弁140のようなポンプ100内の弁を閉鎖することが可能であり、圧力プロファイルの地点1528と1530との間で圧力にスパイクが生じる。
【0060】
分配モータ200は、次いで、(上述のように)補償距離およびオーバーシュート距離だけピストン192を動作させるように逆回転することが可能であり、分配チャンバ185内の圧力を、圧力プロファイルの地点1532と1534との間で基準圧力1520以下にする。分配チャンバ185内の圧力をほぼ基準圧力1520まで戻し、分配モータ200の駆動アセンブリからバックラッシュを取り除くために、分配モータ200を、オーバーシュート距離にほぼ等しく順方向に動作することが可能である。この動作によって、分配チャンバ185内の圧力は、圧力プロファイルの地点1536と1538との間で基準圧力1520まで戻る。したがって、分配チャンバ185内の圧力は、実質的に分配に必要な基準圧力まで戻り、バックラッシュは、分配モータ200の駆動アセンブリから取り除かれ、以降の分配セグメント中の所望の分配を達成することが可能である。
【0061】
本発明の上述の実施形態は、主に、静的パージセグメント中にパージ弁を閉鎖することによって生じる圧力上昇に対する補正に関して説明したが、これらの同じ技術を適用して、多段階ポンプ100の動作のあらゆる段階中に、多段階ポンプ100の外部、内部に関わらず、ほぼ全ての段階によって生じる圧力の上昇または下降を補正することが可能であり、また、特に、分配チャンバ185へ/からの流路内の弁の開閉によって生じる、分配チャンバ185における圧力変動の補正に有用となり得ることが明らかとなろう。
【0062】
加えて、これらの同じ技術を使用して、多段階ポンプ100とともに使用される他の装置における変動を補償することによって、分配チャンバ185内の所望の基準圧力を達成することが可能である。装置におけるこれらの差異またはプロセスにおける他の変動をより良く補償するために、環境または多段階ポンプ100の内部または外部で使用される装置、分配チャンバ185に求められる基準圧力のような本発明の特定の側面または変形物、補償距離、オーバーシュート距離、遅延時間などは、ポンプ100のユーザによって設定することが可能である。
【0063】
さらに、本発明の実施形態は、圧力トランスデューサ112を用いて、分配チャンバ185内の所望の基準圧力を同様に達成することが可能である。例えば、パージ弁140(および/または他のソース)の閉鎖によって生じるあらゆる圧力上昇を補償するために、分配チャンバ185内の所望の基準圧力(圧力トランスデューサ112によって測定される)が達成されるまで、ピストン192を戻す(または進める)ことが可能である。同様に、分配前に、分配モータ200の駆動アセンブリ内のバックラッシュの量を実質的に無視できるか、または存在しないレベルまで低減するために、ピストン193を、分配チャンバ185内の圧力が基準圧力以下になるまで戻し、次いで、分配チャンバ185内の圧力が分配に必要な基準圧力に上昇するまで順方向に動作することが可能である。
【0064】
上述のように流体内の圧力変動を補償することが可能なだけでなく、加えて、プロセス流体内の圧力スパイク、または他の圧力変動も、弁を閉鎖して混入空間を生成しないように、また、混入空間の間で弁が開口しないようにすることによって低減することができる。多段階ポンプ100の分配サイクル(例えば、分配セグメントから分配セグメントまで)全体の間に、多段階ポンプ100内の弁の位置がしばしば変化することがある。これらの無数の変化の間、不要な圧力スパイクおよび圧力低下が生じる場合がある。これらの圧力変動は、敏感なプロセス薬品に損害を与えるだけでなく、加えて、これらの弁の開閉によって流体に分配の中断または変化を生じる可能性がある。例えば、分配チャンバ185に連結された1つ以上の内部弁の開口によって生じるホールドアップ容量における急激な圧力上昇によって、分配チャンバ185内の流体の圧力下降がこれに対応して生じ、また、流体内に気泡が発生する場合があり、これらが以降の分配に影響を及ぼす場合がある。
【0065】
多段階ポンプ100内の種々の弁の開閉によって生じる圧力変動を改善するために、種々の弁の開閉および/またはモータの動作および動作停止を、これらの圧力スパイクを低減するように合わせることができる。全体的に、本発明の実施形態に基づいて圧力変動を低減するために、回避できるのであれば、流体経路内に閉鎖空間または混入空間が生じないように弁を決して閉鎖せず、これとともに重要な部分であるが、回避できるのであれば、2つの混入空間の間で弁を開口しない。逆に言えば、多段階ポンプ100の外部の領域へ開口した流体経路がある場合、または多段階ポンプ100の外部の大気または状態への開口した流体経路がある場合(例えば;出口弁147、ベント弁145、または入口弁125が開かれた場合)を除き、あらゆる弁の開口を避けるべきである。
【0066】
本発明の実施形態による、多段階ポンプ100内の弁の開閉に対する全般的なガイドラインを表す別の方法は、多段階ポンプ100の動作中に、弁の開口に起因し得る容量の変化(開口される内部の弁のホールドアップ容量にほぼ等しい)によって生じるあらゆる圧力変化を排出するために、入口弁125、ベント弁145、または出口弁147のような外部の弁を開口したときにのみ、バリア弁135またはパージ弁140のような多段階ポンプ100内部の弁を開口することである。これらのガイドラインには別の態様も考えられ、多段階ポンプ100内の弁を開口するときには、弁を外側から内側へ開口しなければならず(すなわち、内側の弁より先に外側の弁を開口しなければならない)、一方で、多段階ポンプ100内の弁を閉鎖するときには弁を内側から外側へ閉鎖しなければならない(すなわち、外側の弁より先に内側の弁を閉鎖しなければならない)。
【0067】
加えて、いくつかの実施形態では、別の変化(例えば、弁の開口または閉鎖、モータの始動または停止)が生じる(例えば、開始される)前に、特定の弁が完全に開閉されるように、モータが完全に始動または停止されるように、または、システム内またはシステムの一部内の圧力がほぼゼロpsi(例えば、ゲージ)または非ゼロレベルであるようにするために、その特定の変化の間に十分な時間が用いられる。多くの場合、多段階ポンプ100内の弁をほぼ完全に開閉できるためには、遅延を100乃至300ミリ秒としなければならないが、これらの技術の特定の適用または実装に用いられるべき実際の遅延は、多種多様の因子とともに、多段階ポンプ100によって利用されている流体の粘度に少なくとも部分的に依存し得る。
【0068】
上述のガイドラインは、図8Aおよび8Bを参照してより良好に理解することが可能であり、これらの図は、多段階ポンプ100の動作中の圧力変動を改善する役目をする、多段階ポンプ100の動作の種々のセグメントに対する弁およびモータの時間調節の一実施形態を示した図である。図8Aおよび8Bは原寸に比例して描画されていないこと、これらの図の描画に関わらず、番号を付したセグメントのそれぞれは、異なるかまたは独特の時間の長さ(ゼロ時間を含む)とすることが可能であること、および符号を付したセグメントのそれぞれの長さは、実装されたユーザの手法、多段階ポンプ100に用いられる弁のタイプ(例えば、これらの弁の開閉にどのくらいの時間がかかるのか)などの多種多様な因子に基づいたものとなり得ることに留意されたい。
【0069】
図8Aを参照すると、時間2010で、準備セグメントの信号は、多段階ポンプ100が分配の準備を完了したことを示すことが可能であり、その時間2010のしばらく後に、時間2020で、1つ以上の信号を送信して、入口弁125を開口し、分配モータ200を順方向に動作させて流体を分配し、また、充填モータ175を逆回転させて流体を充填チャンバ155に引き込むことが可能である。時間2020の後だが時間2022より前(例えば、セグメント2の間)に、信号を送信して、流体を出口弁147から分配することが可能となるように、出口弁147を開口する。
【0070】
本開示を読み取ることによって、弁信号およびモータ信号の時間調節は、種々の弁またはモータを動作させるに必要な時間に基づいて変化させることが可能であり、本手法は、多段階ポンプ100または他の因子に関連して実行されることが明らかとなろう。例えば、図8Aにおいて、本実施例では、出口弁147は分配モータ200よりも迅速に動作することが可能なので、分配モータ200を順方向に動作させるように信号を送信した後に、出口弁147を開口するように信号を送信することが可能であり、したがって、出口弁147の開口および分配モータ200の動作は、より良好な分配を達成するためにそれらが実質的に合致するように時間を合わせることが望ましい。なお、他の弁およびモータは、作動速度などが異なる場合があるので、これらの異なる弁およびモータには異なる時間調節を用いる場合がある。例えば、出口弁147を開口する信号は、分配モータ200を作動させる信号よりも早く、またはこれとほぼ同時に送信することが可能であり、同様に、出口弁200を閉鎖する信号は、分配モータ200を停止させる信号よりも早く、遅く、またはこれと同時に送信することが可能である。
【0071】
したがって、時間2020と2030との間に、多段階ポンプ200から流体を分配することが可能である。多段階ポンプ200によって実行されている手法に基づいて、時間2020と2030との間の異なる地点で異なる量の流体を分配できるように、分配モータ200の動作の速度は、時間2020と2030と間で(例えば、セグメント2乃至6のそれぞれにおいて)変化させることが可能である。例えば、分配モータ200が、セグメント2の間でセグメント6の間よりも迅速に動作し、それに相応して、セグメント2においてセグメント6におけるよりも多くの流体が多段階ポンプ200から分配されるように、分配モータを多項式関数に基づいて動作させることが可能である。分配セグメントが生じた後、時間2030の前に信号を送信して出口弁147を閉鎖し、その後の時間2030で、信号を送信して分配モータ200を停止する。
【0072】
同様に、時間2020と2050との間(例えば、セグメント2乃至7)で、充填モータ175を逆回転させて、供給チャンバ155に流体を充填することが可能である。次いで、時間2050で、信号を送信して充填モータ175を停止し、その後、充填セグメントは終了する。充填チャンパ155に圧力を適用してほぼゼロpsi(例えば、ゲージ)に戻すために、他のアクションが行われる前に、時間2050と時間2060との間(例えば、セグメント9、遅延0)に入口弁を開口したままにすることが可能である。一実施形態では、この遅延は、約10ミリ秒となり得る。別の実施形態では、時間2050と時間2060との間の時間を変化させることが可能であり、また、充填チャンバ155内の圧力の示度に基づくことが可能である。例えば、圧力トランスデューサを用いて、充填チャンバ155内の圧力を測定することが可能である。圧力トランスデューサが、充填チャンバ155がゼロpsiに到達したことを示したときに、時間2060で、セグメント10を開始することが可能である。
【0073】
次いで、時間2060で、信号を送信して遮断弁130を開口し、遮断弁130を完全に開口させるに十分長い好適な遅延(例えば、約250ミリ秒)の後に、時間2070で、信号を送信してバリア弁135を開口する。再び、バリア弁135を完全に開口させるに十分長い好適な遅延(例えば、約250ミリ秒)の後に、時間2080で、信号を送信して入口弁125を閉鎖する。入口弁125を完全に閉鎖させるに十分好適な遅延(例えば、約350ミリ秒)の後に、時間2090で、信号を送信して充填モータ175を作動させることが可能であり、時間2100では、前濾過および濾過セグメント(例えば、セグメント13および14中に、充填モータ175が作動し、濾過セグメント(例えば、セグメント14)中に、分配モータ200が作動するように、信号を送信して分配モータ200を作動させることが可能である。時間2090と時間2010との間の時間は、前濾過セグメントとするか、濾過される流体の圧力を所定の設定値に到達させるための、モータの動作に対する設定時間または設定距離とするか、または上述のように圧力トランスデューサを使用して決定することが可能である。
【0074】
あるいは、圧力トランスデューサを用いて流体の圧力を測定することが可能であり、圧力トランスデューサが、流体の圧力が設定値に到達したことを示したときに、時間2100で、濾過セグメント14を開始することが可能である。これらのプロセスの実施形態は、George GonnellaおよびJames Cedroneによる米国特許出願第11/292,559号、名称「System and Method for Control of Fluid Pressure」(2005年12月2日出願)、およびGeorge GonnellaおよびJames Cedroneによる米国特許出願第11/364,286号、名称「System and Method for Monitoring Operation of a Pump」に詳述されており、これらはいずれも参照することにより本書に組み込まれる。
【0075】
濾過セグメントの後に、時間2110で、1つ以上の信号を送信して充填モータ175および分配モータ200を停止する。時間2100と時間2110との間の長さ(例えば、濾過セグメント14)は、所望の濾過速度、充填モータ175および分配モータ200の速度、流体の粘度などに基づいて変化させることが可能である。一実施形態では、濾過セグメントは、分配モータ200が基準位置に到達した時間2110に終了することが可能である。
【0076】
時間を全く必要としない(例えば、遅延無し)場合があるが、充填モータ175および分配モータ200を完全に停止させるのに好適な遅延の後に、時間2120で、信号を送信してベント弁145を開口する。図8Bに移ると、ベント弁145を完全に開口するのに好適な遅延(例えば、約225ミリ秒)の後に、時間2130において充填モータ175に信号を送信して、ベントセグメント(例えば、セグメント17)に対してステップモータ175を作動させることが可能である。ベントセグメント中に、圧力トランスデューサ112によって多段階ポンプ100内の流体の圧力をモニタするように、ベントセグメント中にバリア弁135を開口したままにすることが可能であるが、バリア弁135は、時間2130で、ベントセグメントが始まる前に閉鎖することも可能である。
【0077】
ベントセグメントの終わりに、時間2140で、信号を送信して充填モータ175を停止する。必要に応じて、時間2140と2142との間に、遅延(例えば、約100ミリ秒)を設けて、例えば、ベントセグメント中の流体の圧力が高い場合は、流体の圧力を適切に放散させることが可能である。一実施形態では、時間2142と2150との間の時間を使用して、圧力トランスデューサ112をゼロに合わせることが可能であり、また、この時間を約10ミリ秒とすることが可能である。
【0078】
次いで、時間2150で、信号を送信してバリア弁125を閉鎖する。時間2150の後に、バリア弁125を完全に閉鎖できるように、好適な遅延(約250ミリ秒)が与えられる。次いで、時間2160で、信号を送信して遮断弁130を閉鎖し、遮断弁130を完全に閉鎖させるのに好適な遅延(例えば、約250ミリ秒)後に、時間2170で、信号を送信してベント弁145を閉鎖する。ベント弁140を完全に閉鎖することが可能なように好適な遅延(例えば、約250ミリ秒)が与えられ、その後、時間2180で、信号を送信して入口弁125を開口し、入口弁125を完全に開口させるに好適な遅延(約250ミリ秒)の後に、時間2190で、信号を送信してパージ弁140を開口する。
【0079】
ベント弁145を完全に開口させるのに好適な遅延(例えば、約250ミリ秒)の後に、時間2200で、信号を送信してパージセグメント(例えば、セグメント25)に対して分配モータ200を始動させ、手法に依存し得るパージセグメントに対する時間の後に、時間2210で、信号を送信して分配モータ200を停止してパージセグメントを終了する。時間2210と2212との間には、分配チャンバ185内の圧力が、ほぼゼロpsiに安定させ得るように、(例えば、所定の、または圧力トランスデューサ112を使用して測定した)十分な時間(例えば、約10ミリ秒)が与えられる。続いて、時間2220で、信号を送信してパージ弁140を閉鎖することが可能であり、パージ弁140を完全に閉鎖させるのに十分な遅延(例えば、250ミリ秒)を与えた後に、時間2230で、信号を送信して入口弁125を閉鎖することが可能である。分配モータ200を作動させて、(上述のように)多段階ポンプ100内の弁の閉鎖によって生じるあらゆる圧力変動を補償した後に、多段階ポンプ100を、時間2010で、再び分配を行える状態にすることが可能である。
【0080】
準備セグメントと分配セグメントとの間には幾らかの遅延が存在し得ることに留意されたい。バリア弁135および遮断弁130は、多段階ポンプ100が準備セグメントに入ったときに閉鎖することが可能であるので、分配が充填中または充填後に開始されるかどうかに関わらず、以降の多段階ポンプの分配に影響を及ぼすことなく、充填チャンバ155に流体を導くことが可能である。
【0081】
多段階ポンプ100が準備状態にある間の充填チャンバの充填は、図9Aおよび9Bを参照して、より明確に述べることが可能であり、これらの図は、多段階ポンプ100の動作中の圧力変動を改善する役割を果たす、多段階ポンプ100の動作の種々のセグメントに対する弁およびモータの時間調整の別の実施形態を示した図である。
【0082】
図9Aを参照すると、時間3010で、準備セグメントの信号は、多段階ポンプ100が分配の準備を完了したことを示すことが可能であり、そのしばらく後に、時間3012で、信号を送信して出口弁147を開口することが可能である。出口弁147を開口させるに好適な遅延の後に、時間3020で、1つ以上の信号を送信して、分配モータ200を順方向に動作させて出口弁147から流体を分配し、また、充填モータ175を逆回転させて充填チャンバ155に流体を引き込む(入口弁125は、その前の充填セグメントから開口したままとすることが可能であり、以下に詳述する)。時間3030で、信号を送信して分配モータ200を停止し、また、時間3040で、信号を送信して出口弁147を閉鎖する。
【0083】
本開示を読み取ることによって、弁信号およびモータ信号の時間調整は、種々の弁またはモータを動作させるに必要な時間に基づいて変化させることが可能であり、本手法は、多段階ポンプ100または他の因子に関連して実行されることが明らかとなろう。例えば、(図8Aに示されるように)本実施例では、出口弁147は分配モータ200よりも迅速に動作することが可能なので、分配モータ200を順方向に動作させるように信号を送信した後に、出口弁147を開口するように信号を送信することが可能であり、したがって、出口弁147の開口および分配モータ200の動作は、より良好な分配を達成するためにそれらが実質的に合致するように時間を合わせることが望ましい。なお、他の弁およびモータは、作動速度などが異なる場合があるので、これらの異なる弁およびモータには異なる時間調節を用いる場合がある。例えば、出口弁147を開口する信号は、分配モータを作動させる信号よりも早く、またはこれとほぼ同時に送信することが可能であり、同様に、出口弁200を閉鎖する信号は、分配モータ200を停止させる信号よりも早く、遅く、またはこれと同時に送信することが可能である。
【0084】
したがって、時間3020と3030との間に、多段階ポンプ200から流体を分配することが可能である。多段階ポンプ200によって実行されている手法に基づいて、時間3020と3030との間の異なる地点で異なる量の流体を分配できるように、分配モータ200の動作の速度は、時間3020と3030との間で(例えば、セグメント2乃至6のそれぞれにおいて)変化させることが可能である。例えば、分配モータ200が、セグメント2の間でセグメント6の間よりも迅速に動作し、それに相応して、セグメント2においてセグメント6よりも多くの流体が分配されるように、分配モータを多項式関数に基づいて動作させることが可能である。分配セグメントが生じた後、時間3030の前に信号を送信して出口弁147を閉鎖し、その後の時間2030で、信号を送信して分配モータ200を停止する。
【0085】
同様に、時間3020と3050との間(例えば、セグメント2乃至7)で、充填モータ175を逆回転させて、供給チャンバ155に流体を充填することが可能である。次いで、時間3050で、信号を送信して充填モータ175を停止し、その後、充填セグメントは終了する。充填チャンパ155に圧力を加えてほぼゼロpsi(例えば、ゲージ)に戻すために、他のアクションが行われる前に、時間3050と時間3060との間(例えば、セグメント9、遅延0)に入口弁を開口したままにすることが可能である。一実施形態では、この遅延は約10ミリ秒となり得る。別の実施形態では、時間3050と時間3060との間の時間を変化させることが可能であり、また、充填チャンバ155内の圧力の示度に基づくことが可能である。例えば、圧力トランスデューサを用いて、充填チャンバ155内の圧力を測定することが可能である。圧力トランスデューサが、充填チャンバ155がゼロpsiに到達したことを示したときに、時間3060で、セグメント10を開始することが可能である。
【0086】
次いで、時間3060で、信号を送信して遮断弁130を開口し、時間3070で、信号を送信してバリア弁135を開口する。次いで、時間3080で、信号を送信して入口弁125を閉鎖して、その後に、時間3090で、信号を送信して充填モータ175を作動させることが可能であり、時間3100では、前濾過および濾過セグメント中に、充填モータ175が作動し、濾過セグメント中に、分配モータ200が作動するように、信号を送信して分配モータ200を作動させることが可能である。
【0087】
濾過セグメントの後に、時間3110で、1つ以上の信号を送信して充填モータ175および分配モータ200を停止する。時間3120で、信号を送信してベント弁145を開口する。図9Bに移ると、時間3130で、充填モータ175に信号を送信して、ベントセグメントに対してステップモータ175を作動させることが可能である。ベントセグメントの終わりに、時間3140で、信号を送信して充填モータ175を停止する。次いで、時間3150で、信号を送信してバリア弁125を閉鎖し、時間3160で、信号を送信して遮断弁130を閉鎖し、また、時間3170で、ベント弁145を閉鎖する。
【0088】
時間3180で、信号を送信して入口弁125を開口し、その後に、時間3190で、信号を送信してパージ弁140を開口する。次いで、時間3200で、分配モータ200に信号を送信して、パージセグメントに対して分配モータ200を始動することができ、パージセグメントの後に、時間3210で、信号を送信して分配モータ200を停止することができる。
【0089】
続いて、時間3220で、信号を送信してパージ弁140を閉鎖し、その後に、時間3230で、信号を送信して入口弁125を閉鎖することができる。分配モータ200を作動させて、(上述のように)多段階ポンプ100内の弁の閉鎖によって生じるあらゆる圧力変動を補償した後に、多段階ポンプ100を、時間3010で、再び分配を行える状態にすることが可能である。
【0090】
時間3010で、多段階ポンプ100が準備セグメントに入ると、流体が充填チャンバ175に引き込まれ、一方で、多段階ポンプ100が準備完了状態になるように、信号を送信して入口弁125を開口し、別の信号を送信して充填モータ175を逆回転させることが可能である。準備セグメント中は、充填チャンバ155に流体が充填されているが、バリア弁135および遮断弁130が閉鎖され、分配チャンバ185から充填チャンバ155を実質的に分離するので、この充填は、準備セグメントに入ることに続くいずれの地点においても、流体を分配する多段階ポンプ100の能力には全く影響を与えない。さらに、充填が完了する前に分配が開始される場合、この充填は、多段階ポンプ100からの流体の分配と実質的に同時に続くことが可能である。
【0091】
多段階ポンプ100が最初に準備セグメントに入ったときに、分配チャンバ185内の圧力は、ほぼ分配セグメントに対する所望の圧力となり得る。なお、準備セグメントへの入りと分配セグメントの開始との間には幾らかの遅延が存在するので、分配チャンバ185内の圧力は、分配チャンバ185内の分配段階ダイヤフラム190の特性、温度変化、または様々な他の因子に基づいて、準備セグメント中で変化し得る。結果的に、分配セグメントが開始されると、分配チャンバ185内の圧力は、分配に必要な基準圧力から比較的大きくドリフトしている場合がある。
【0092】
このドリフトは、図10Aおよび10Bを参照して、より明確に説明することが可能である。図10Aは、準備セグメント中での分配チャンバ内の圧力のドリフトを示す、分配チャンバ185での圧力プロファイルの一例を示す図である。図22および23を参照して上述したように、ほぼ地点4010で、弁の動作または別の原因によって生じるあらゆる圧力変化の補正が行われ得る。この圧力補正は、分配チャンバ185内の圧力を、地点4020の分配に必要な(線4030によって表される)基準圧力付近まで補正することが可能であり、この地点で、多段階ポンプ100は準備セグメントに入ることが可能である。図に示されるように、ほぼ地点4020で準備セグメントに入った後に、分配チャンバ185内の圧力は、上述したような種々の因子によって一様に上昇する場合がある。次いで、その後の分配セグメントが生じると、この基準圧力4030からドリフトした圧力によって分配が不十分となる場合がある。
【0093】
加えて、準備セグメントへの入りと以降の分配セグメントとの間の時間遅延は変動する可能性があり、また、分配チャンバ185内の圧力ドリフトは遅延の時間と相関し得るので、異なる遅延の間に生じる異なる量のドリフトによって、連続する分配セグメントのそれぞれにおいて生じる分配が異なる場合がある。したがって、この圧力ドリフトは、多段階ポンプ100の正確な分配の繰り返しにも影響を与える場合があり、その結果、プロセス手法の繰り返しにおける多段階ポンプ100の使用を阻害する場合がある。それゆえに、多段階ポンプ100の準備セグメント中に基準圧力を実質的に保持して、以降の分配セグメント中における分配、および分配セグメントにわたる分配の再現性を改善すると同時に、許容可能な流体動態を達成することが望ましくなり得る。
【0094】
一実施形態では、準備セグメント中に基準圧力を保持するために、分配モータ200を制御して、分配チャンバ185内に生じ得る上方(または下方)への圧力ドリフトを補償することができる。より具体的には、分配モータ200は、「不感帯(dead band)」閉ループ圧力制御を使用して、分配チャンバ185内を実質的に基準圧力に保持するように制御することが可能である。一時的に図2を参照すると、圧力センサ112は、圧力示度をポンプ制御器20に一定間隔で報告することが可能である。報告された圧力が所望の基準圧力から特定の量または許容差から外れていた場合、ポンプ制御器20は、分配モータ200に信号を送信して、分配モータ200を動かすことが可能な、ポンプ制御器20で(モータのインクリメントを)検出可能な最小距離だけこの分配モータを逆回転(または順回転)させることによって、ピストン192および分配段階ダイヤフラム190を戻して、分配チャンバ185内の圧力を相応の分だけ降下(または上昇)させることが可能である。
【0095】
圧力センサ112が分配チャンバ185内の圧力をサンプリングして報告することが可能な周波数は、分配モータ200の動作速度に比較して幾分高速となり得るので、ポンプ制御器20によって別の圧力の測定値を受信または処理する前に、分配モータ200がその運動を完了することが可能なように、ポンプ制御器20は、分配モータ200に信号を送信する特定の時間ウィンドウ中に、圧力センサ112によって報告された圧力の測定値を処理しないか、または、圧力センサ112を無効にすることが可能である。あるいは、圧力センサ112によって報告された圧力の測定値を処理する前に、分配モータ200が、その運動を完了したことを検出するまで、ポンプ制御器20を待機させることが可能である。多くの実施形態では、圧力センサ112が、分配チャンバ185内の圧力をサンプリングするサンプリング間隔、およびこの圧力の測定値の報告は、約30kHz、約10kHz、または他の間隔とすることが可能である。
【0096】
なお、上述の実施形態には、問題が無いわけではない。ある場合では、これらの実施形態のうちの1つ以上は、上述のように、準備セグメントへの入りと以降の分配セグメントとの間の時間遅延が変動するときには、分配時に著しい変動を呈する場合がある。準備セグメントへの入りと以降の分配との間に固定時間間隔を用いることによって、ある程度まで、これらの問題が低減され、再現性が高められるが、特定のプロセスを実装している場合は、これが必ずしも適しているとは限らない。
【0097】
多段階ポンプ100の準備セグメント中に基準圧力をほぼ保持し、一方で、分配の繰り返し性を高めるために、いくつかの実施形態では、分配モータ200を制御して、閉ループ圧力制御を使用して、分配チャンバ185内に生じ得る圧力ドリフトを補償することができる。圧力センサ112は、圧力示度を制御器20に一定間隔(上述のように、一実施形態では、約30kHz、約10kHz、または別の間隔)で報告することが可能である。報告された圧力が所望の基準圧力よりも高い(または低い)場合、ポンプ制御器20は、分配モータ200に信号を送信して、モータのインクレメント分だけ分配モータ200を逆回転(または順回転)させることによって、ピストン192および分配段階ダイヤフラム190を戻して、分配チャンバ185内の圧力を降下(または上昇)させることが可能である。この圧力のモニタリングおよび補正は、分配セグメントの開始までほぼ連続的に生じ得る。このようにして、分配チャンバ185内をほぼ所望の基準圧力に保持することが可能である。
【0098】
上述のように、圧力センサ112が分配チャンバ185内の圧力をサンプリングして報告することが可能な周波数は、分配モータ200の動作速度に比較して幾分高速となり得る。この差異を補うために、ポンプ制御器20は、分配モータ200に信号を送信する特定の時間ウィンドウ中は、圧力センサ112によって報告された圧力の測定値を処理しないか、または、圧力センサ112を無効にし、その結果、分配モータ200は、別の圧力の測定値が圧力センサ112によって受信または処理される前に、その運動を完了することが可能である。あるいは、分配モータ200が圧力センサ112によって報告された圧力の測定値を処理する前にその運動を完了したことを、ポンプ制御器20が検出するか、または通知を受信するまで、ポンプ制御器20を待機させることが可能である。
【0099】
上述のように閉ループ制御システムの一実施形態を用いて基準圧力をほぼ保持する有益な効果は、図10Bを参照して容易に理解することができ、図10Bは、準備セグメント中に当該の閉ループ制御システムの一実施形態を用いた場合の、分配チャンバ185での圧力プロファイルの一例を示す図である。弁の動作または別の原因によって生じるあらゆる圧力変化の補正は、図6および7を参照して上述したように、ほぼ地点4050で、行われることが可能である。この圧力補正は、分配チャンバ185内の圧力を、地点4060の分配に必要な(線4040によって表される)基準圧力付近まで補正することが可能であり、この地点で、多段階ポンプ100は準備セグメントに入ることが可能である。ほぼ地点4060で準備セグメントに入った後に、閉ループ制御システムの一実施形態は、準備セグメント中のあらゆる圧力のドリフトを補償して、所望の基準温度を実質的に保持することが可能である。例えば、地点4070で、閉ループ制御システムは、圧力上昇を検出し、この圧力上昇を補償して基準圧力4040をほぼ保持することが可能である。同様に、地点4080、4090、4100、および4110で、閉ループ制御システムは、分配チャンバ185内の圧力ドリフトを補償して、準備セグメントの長さに関わらず、所望の基準圧力4040をほぼ保持することが可能である(注:地点4080、4090、4100、および4110は代表的なものにすぎず、閉ループ制御システムによる他の圧力補正は、参照番号が与えられていない図10Bに示されているために、そのように記述されない)。結果的に、準備セグメント中に、閉ループ制御システムによって分配チャンバ185内が所望の基準圧力4040にほぼ保持されるので、以降の分配セグメントでは、より十分な分配を達成することが可能である。
【0100】
しかし、以降の分配セグメント中に、このより十分な分配を達成するために、分配モータ200を作動させて分配チャンバ185から流体を分配するときに、補正のための補償を行って基準圧力を実質的に保持することが望ましい場合がある。より具体的には、圧力補正が生じ、多段階ポンプ100が最初に準備セグメントに入った直後の地点4060で、分配段階ダイヤフラム190は最初の状態になり得る。この最初の位置から所望の分配を達成するために、分配段階ダイヤフラム190は分配位置に移動されなければならない。しかし、上述のように、圧力ドリフトを補正した後に、分配段階ダイヤフラム190が、最初の位置とは異なる第2の位置にある場合がある。いくつかの実施形態では、この差異は、所望の分配を達成するように分配段階ダイヤフラム190を分配位置に移動させることによって、分配セグメント中に補償されなければならない。換言すれば、所望の分配を達成するために、分配セグメント中に何らかの圧力ドリフトの補正が生じた後に、分配段階ダイヤフラム190を、その第2の位置から、多段階ポンプ100が最初に準備セグメントに入ったときの分配段階ダイヤフラム190の最初の位置へ移動させることが可能であり、その後、分配段階ダイヤフラム190を、最初の位置から分配位置までの距離分だけ移動させることが可能である。
【0101】
一実施形態では、多段階ポンプ100が最初に準備セグメントに入るときに、ポンプ制御器20は、最初の距離(分配距離)を算出して、所望の分配を達成するように分配モータ200を移動させることが可能である。多段階ポンプ100が準備セグメントにある間に、ポンプ制御器20は、分配モータ200を、準備セグメント中に生じたあらゆる圧力ドリフトを補償するように移動させた距離(補正距離)を記録することが可能である。分配段階中に、所望の分配を達成するために、ポンプ制御器20は、分配モータ200に信号を送って、補正距離に分配距離を加えた分(または差し引いた分)だけ移動させることが可能である。
【0102】
しかし、他の場合には、分配モータ200を作動させて分配チャンバ185から流体を分配するときに、これらの圧力補正を補償することが望ましくない場合がある。より具体的には、地点4060で、圧力補正が生じ、多段階ポンプ100が最初に準備セグメントに入った直後に、分配段階ダイヤフラム190を最初の位置とすることが可能である。この最初の位置から所望の分配を達成するために、分配段階ダイヤフラム190を分配距離だけ移動させなければならない。上述のように、圧力ドリフトを補正した後に、分配段階ダイヤフラム190が、最初の位置とは異なる第2の位置にある場合がある。いくつかの実施形態では、単に分配段階ダイヤフラム190を(第2の位置から始まる)分配距離だけ移動させることによって、所望の分配を達成することが可能である。
【0103】
一実施形態では、多段階ポンプ100が最初に準備セグメントに入るときに、ポンプ制御器20は、最初の距離を算出して、所望の分配を達成するように分配モータ200を移動させることが可能である。次いで、分配段階中に、所望の分配を達成するために、ポンプ制御器20は、分配モータ200に信号を送って、準備セグメント中の圧力ドリフトを補正するために分配モータ200が移動した距離に関わらず、この最初の距離だけ移動させることが可能である。
【0104】
あらゆる所与の環境に用いられるか、または適用される上述の実施形態のうちの1つを選択することは、システム、装置、またはとりわけ選択された実施形態とともに用いられるべき経験的な条件などの多数の因子に依存することは明らかとなろう。また、基準圧力をほぼ保持するための上述の制御システムの実施形態は、準備セグメント中の圧力ドリフトの上昇を補償することに関して記述されているが、これらの同じシステムおよび方法の実施形態は、多段階ポンプ100の準備セグメントまたは他のセグメントにおける圧力ドリフトの上昇または降下の補償にも等しく適用可能であることも明らかとなろう。さらに、本発明の実施形態は、多段階ポンプ100に関して記述されているが、これらの発明(例えば、制御方法など)は、単一段階の、または実質的に他のタイプのポンプ装置に等しく良好に適用可能であり、またこれらの装置に用いることが可能であると理解されよう。
【0105】
ここでは、本発明の種々の実施形態に関連して用いることが可能な単一段階のポンプ装置などの一例を説明することが有用となろう。図11は、ポンプ4000のためのポンプアセンブリの一実施形態を示した図である。ポンプ4000は、分配段階の場合、上述の多段階ポンプ100のうち1つの段階に類似したものとすることができ、ステッパブラシレスDCモータまたは他のモータによって駆動される転動形ダイヤフラムポンプを含むことができる。ポンプ4000は、ポンプ4000を貫通する種々の流体流路を画定し、少なくとも部分的にポンプチャンバを画定する、分配ブロック4005を含むことができる。分配ポンプブロック4005は、一実施形態によれば、PTFE、改質PTFE、または他の材料の一体ブロックとすることができる。これらの材料は、他のプロセス流体と反応しないか、または最小限にしか反応しないので、これらの材料を使用することによって、流路およびポンプチャンバは、最小限の追加ハードウェアとともに、分配ブロック4005内に直接機械加工することができる。したがって、分配ブロック4005は、一体型の流体マニホールドを提供することによって、配管の必要性を低減する。
【0106】
分配ブロック4005は、例えば、流体を受ける入口4010、パージ/ベント流体のためのベント/パージ出口4015、および分配セグメント中に流体が分配される分配出口4020を含む、種々の外部の入口および出口を含むことができる。図11の実施例では、分配ブロック4005は、ポンプがチャンバを1つだけ有するように、外部パージ出口4010を含む。Iraj Gashgaeeによる米国仮特許出願第60/741,667号、名称「O−Ring−Less Low Profile Fittings and Fitting Assembly Thereof」(2005年12月2日出願)、およびIraj Gashgaeeによる米国仮特許出願、名称「O−Ring−Less Low Profile Fittings and Assemblies」([ENTG1760−1]出願)では、分配ブロック4005の外部の入口および出口の流体管路への接続に用いることができる管継手の一実施形態を開示しており、これらは参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。
【0107】
分配ブロック4005は、入口から(例えば、弁プレート4030によって少なくとも部分的に画定された)入口弁へ、入口弁からポンプチャンバへ、ポンプチャンバからベント/パージ弁へ、また、ポンプチャンバから出口4020へ流体を送る。ポンプカバー4225は、ポンプモータが損傷しないようにすることができ、ピストンハウジング4027は、ピストンに対する保護を提供することができ、本発明の一実施形態によれば、ポリエチレンまたは他のポリマーで形成することができる。弁プレート4030は、流体の流れをポンプ4000の種々の構成要素に導くように構成することができる弁のシステム(例えば、入口弁、およびパージ/ベント弁)に弁ハウジングを提供する。弁プレート4030および対応する弁は、上述の弁プレート230に関連して記述した態様と同様に形成することができる。一実施形態によれば、入口弁およびパージ/ベント弁のそれぞれは、弁プレート4030に少なくとも部分的に一体化され、対応するダイヤフラムに圧力または真空が適用されることによって、開放または閉鎖されるダイヤフラム弁である。他の実施形態では、いくつかの弁は、分配ブロック4005の外部とするか、または更なる弁プレート内に配置することが可能である。一実施形態によれば、PTFEのシートが弁プレート4030と分配ブロック4005との間に挟まれて、種々の弁のダイヤフラムを形成する。弁プレート4030は、対応するダイヤフラムに圧力または真空を適用するように、それぞれの弁に弁制御入口(図示せず)を含む。
【0108】
多段階ポンプ100と同様に、ポンプ4000は、流体の滴が、電子機器を収容する多段階ポンプ100の領域に入らないようにするためのいくつかの機能を含む。「防滴」機能は、電子機器を滴から隔てるように、突出リップと、傾斜機能と、構成要素間の密封と、金属/ポリマーインターフェースと、上述の他の機能を含むことができる。電子機器およびマニホールドは、ポンプチャンバ内の流体への熱作用を低減するように、上述した態様と同じように構成することができる。したがって、多段階ポンプで使用されるような、フォームファクタおよび熱作用を低減し、流体が電子機器のハウジングに入らないようにする類似した機能を、単一段階ポンプに使用することができる。
【0109】
加えて、ほぼ十分な分配を提供するように、上述の制御方法の多くをポンプ4000とともに使用することも可能である。例えば、本発明の実施形態を使用してポンプ4000の弁を制御することにより、ポンプ装置を貫通する流体経路が(例えば、ポンプ装置の外部に対して)閉じている時間を実質的に最小限に抑えるように構成された弁シーケンスに基づいたポンプ装置の弁のシステムの動作を保証することが可能である。さらに、特定の実施形態では、ポンプ4000の動作時に弁の状態が変化する間に十分な長さの時間を用いることにより、別の変化が開示される前に特定の弁を完全に開口または閉鎖できるようにする。例えば、ポンプ4000のモータの動作は、充填段階の前にポンプ4000の入口弁を完全に開口できるように、十分な時間遅延させることが可能である。
【0110】
同様に、ポンプ装置のチャンバ内で生じ得る圧力ドリフトを補償するためのシステムおよび方法の実施形態は、ポンプ4000に実質的に等しい有効性を適用することが可能である。分配モータは、分配チャンバにおいて検出された圧力に基づいて、分配前に、分配チャンバ内を基準圧力にほぼ保持するように制御することが可能である。制御ループは、分配チャンバ内の圧力が所望の圧力とは異なるかどうか(例えば、高いまたは低い)を繰り返し判断し、そのような場合は、ポンプ手段の動作を調整して分配チャンバ内をほぼ所望の圧力に保持するように用いることが可能である。
【0111】
ポンプ4000のチャンバ内の圧力の調整は事実上あらゆる時間に生じうるが、分配セグメントが開始される前には特に有用となり得る。より具体的には、ポンプ4000が最初に準備セグメントに入るときには、分配チャンバ185内の圧力は、以降の分配セグメントに対する所望の圧力(例えば、較正または以前の分配から測定された分配圧力)またはその一部分である基準圧力にほぼなり得る。この所望の分配圧力を用いて、所望の流速、流量などのような所望の一連の特性を有する分配を達成することが可能である。分配チャンバ185内の流体を、出口弁が開口する前の任意の時間に所望の基準圧力に導くことによって、ポンプ4000の構成要素の追随性およびばらつきを、分配セグメントの前に補償して十分な分配を達成することが可能である。
【0112】
しかし、準備セグメントへの入りと分配セグメントの開始との間にはいくらかの遅延が存在するので、ポンプ4000のチャンバ内の圧力は、種々の因子に基づいて分配セグメント中に変化する場合がある。この圧力ドリフトを防止するために、ポンプ4000のチャンバ内が所望の基準圧力にほぼ保持され、以降の分配セグメントにおいて十分な分配が達成されるように、本発明の実施形態を用いることが可能である。
【0113】
単一段階ポンプ内の圧力ドリフトの制御に加えて、本発明の実施形態を使用して、ポンプ4000の内部の種々の機構または構成要素、あるいはポンプ4000とともに使用される装置の作動によって生じる分配チャンバ内の圧力変動を補償することも可能である。
【0114】
本発明の一実施形態は、分配セグメント(または他のセグメント)の開始前に、パージ弁またはベント弁の閉鎖によって生じる、ポンプのチャンバ内の圧力変化を補正することが可能である。この補償は、多段階ポンプ100に関して上述したものと同じように、パージ弁または入口弁が閉鎖されたときに、ポンプ4000のチャンバの容量が当該の弁のホールドアップ容量分だけ実質的に増加するように、ポンプ4000のモータを逆回転することによって達成される。
【0115】
したがって、本発明の実施形態は、穏やかな流体の処理を特徴とするポンプ装置を提供する。ポンプ装置内の弁の開閉および/またはモータの作動をシーケンシングすることによって、場合によっては損傷を与える圧力スパイクを回避または軽減することができる。本発明の実施形態は、他のポンプ制御機構および弁時間調節を用いて、プロセス流体への圧力の悪影響の低減を助けることもできる。
【0116】
上述の明細書では、本発明を特定の実施態様を参照して説明した。なお、当業者は、以下の特許請求の範囲に記載されているような本発明の範囲から逸脱することなく、種々の修正および変更を行うことができるものと理解されよう。したがって、本明細書および図面は、制限的なものではなく例示的なものであるとみなされるべきであり、そのような全ての修正が本発明の範囲内に含まれることを意図するものである。
【0117】
利益、他の長所、および問題点に対する解決策を特定の実施形態に関して上述した。なお、利益、長所、問題の解決策、およびあらゆる利益、長所、または解決策を生じさせる、あるいはより明白となり得るあらゆる構成要素は、特許請求の範囲のいずれかまたは全
【0118】
(付記1)
ポンプ装置の分配チャンバの中に流体を導入することと、
該分配チャンバの容量を調整して該分配チャンバ内の圧力変動を補償するために、該ポンプ装置のポンプ手段のダイヤフラムを動かすことと、
を含んだ方法であって、該ダイヤフラムはモータを用いて直接動かされる、方法。
【0119】
(付記2)
ポンプ装置の分配チャンバの中に流体を導入することと、
前記ポンプ装置のポンプ手段を動かして、前記分配チャンバ容量を調整して該分配チャンバ内の圧力変動を補償することと、
を含んでいる方法。
【符号の説明】
【0120】
10 ・・・ポンプシステム、 20 ・・・ポンプ制御器、 100 ・・・多段階ポンプ、 105 ・・・供給段階部、 110 ・・・分配段階部、 112 ・・・圧力センサ、 120 ・・・フィルタ、 125 ・・・入口弁、 130 ・・・遮断弁、 135 ・・・バリア弁、 140 ・・・パージ弁、 145 ・・・ベント弁、 147 ・・・出口弁、 150 ・・・供給ポンプ 155 ・・・供給チャンバ、 160 ・・・供給段階ダイヤフラム、 165 ・・・ピストン、 170 ・・・親ネジ、 175 ・・・供給モータ、 180 ・・・分配ポンプ、 185 ・・・分配チャンバ、 190 ・・・分配段階ダイヤフラム、 195 ・・・親ネジ、 200 ・・・分配モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプ装置の分配チャンバの中に流体を導入することと、
該分配チャンバの容量を調整して該分配チャンバ内の圧力変動を補償するために、該ポンプ装置のポンプ手段のダイヤフラムを動かすことと、
を含んだ方法であって、該ダイヤフラムはモータを用いて直接動かされる、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−154337(P2012−154337A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−85238(P2012−85238)
【出願日】平成24年4月4日(2012.4.4)
【分割の表示】特願2008−543355(P2008−543355)の分割
【原出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(505307471)インテグリス・インコーポレーテッド (124)
【Fターム(参考)】