説明

ラインビームとして成形されたレーザと基板上に堆積された膜との間の相互作用を実現するためのシステム及び方法

【課題】ラインビームとして成形されたレーザとの相互作用に対して膜を位置決めし、かつ例えばアモルファスシリコン膜を溶融させて例えば薄膜トランジスタ(TFT)を製造するために膜を結晶化するように成形ラインビームのパラメータを制御するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】基板上に堆積されたアモルファスシリコンのような膜を選択的に溶融させるためのレーザ結晶化装置及び方法。装置は、膜を溶融させる際に使用される伸張レーザパルスを生成するための光学システムを含むことができる。本発明の実施形態の更に別の態様では、レーザパルスを伸張するためのシステム及び方法を提供する。別の態様では、ビーム経路に沿ったある位置でパルスレーザビーム(伸張又は非伸張)の発散を予め決められた範囲に維持するためのシステムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本発明は、2005年5月26日出願の米国特許出願第11/138、100号に対する優先権を請求するものであり、現在では米国特許第6、693、939号である2002年5月7日出願の「ビーム送出を備えたレーザリソグラフィ光源」という名称の米国特許出願第10/141、216号の一部継続出願である2003年11月13日出願の「長時間遅延高TISパルスストレッチャ」という名称の米国特許出願第10/712、545号の一部継続出願である。これらの文献の全ての開示は、この記載により、本明細書において引用により組み込まれるものとする。
本発明はまた、2004年2月18日出願の「超高エネルギ高安定性ガス放電レーザ表面処理システム」という名称の米国特許出願第10/781、251号の一部継続出願である。
本発明はまた、2003年4月29日出願の「ビーム送出及びビーム指向制御を備えたリソグラフィレーザ」という名称の米国特許出願第10/425、361号の一部継続出願である。
本発明は、ラインビームとして成形されたレーザとの相互作用に対して膜を位置決めし、かつ例えばアモルファスシリコン膜を溶融させて例えば薄膜トランジスタ(TFT)を製造するために膜を結晶化するように成形ラインビームのパラメータを制御するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板、例えばガラス上に堆積されたアモルファスシリコン膜のレーザによる結晶化は、比較的高い電子移動度を有する材料膜の製造を目的とした有望な技術を代表している。結晶化された状態で、この材料は、次に、薄膜トランジスタ(TFT)、及び1つの特定の用途における比較的大型の液晶ディスプレイ(LCD)での使用に適切なTFTの製造に使用することができる。結晶化シリコン膜の他の用途として、「有機LED(OLED)」及び「システム・オン・パネル(SOP)」を含むことができる。より定量的には、約90nmの厚み及び約70mm又はそれよりも長い幅を有する膜を迅速に結晶化することができる大量生産システムが近い将来に市販されると考えられる。光学的にラインビームに形成されたパルスレーザ、例えば第1の軸、例えば短軸に集束されて第2の軸、例えば長軸に拡張されるレーザを使用して、この工程を実行することができる。一般的に、第1及び第2の軸は、相互に直交し、両方の軸は、膜に向けて進む中央光線と実質的に直交する。レーザ結晶化のための例示的なラインビームは、約20ミクロン未満のビーム幅及び約700mmのビーム長を有することができる。この構成を用いて、膜をビーム幅に平行な方向に走査するか又は段階的に進め、連続的に溶融させて、例えば700mm又はそれよりも長い実質的な長さを有する膜を結晶化することができる。
【0003】
一部の場合には、溶融中に、予め選択したエネルギ密度範囲に制御されたレーザエネルギ密度にシリコン膜の各部が露出されていることを保証することが望ましいであろう。特に、成形ラインビームに沿った位置に対しては、予め選択した範囲へのエネルギ密度制御が一般的に所望され、ラインビームがシリコン膜に対して走査される時に若干一定のエネルギ密度が望ましい。エネルギ密度レベルが高いと、膜が流動し、望ましくない「かすれ」、すなわち、非平坦表面プロフィール及び粒子品質不良をもたらす場合がある。この不均一な膜材料の分布は、多くの場合に「凝集」と呼ばれ、結晶化膜をある一定の用途に対して不適なものにする可能性がある。それに反して、エネルギ密度レベルが低いと、溶融が不完全になり、粒子品質不良をもたらす場合がある。エネルギ密度を制御することによって、実質的に均質な特性を有する膜を達成することができる。
露出膜内のエネルギ密度に影響を与える可能性がある1つの要因は、パルスレーザの焦点深度(DOF)に対する薄膜の空間的関係である。このDOFは、集束レンズに依存するが、20ミクロンのビーム幅を有するラインビームを生成するように構成された典型的なレンズシステムの場合、良好なDOF概算値は、約20ミクロンと考えられる。
【0004】
上記を念頭に置いて、シリコン膜の完全にレーザのDOF内にある部分は、シリコン膜の部分的にのみレーザDOF内にある部分とは異なるエネルギ密度を受けることになることは認められるものとする。すなわち、シリコン膜、ガラス基板、及びガラス基板を保持する真空チャック表面の表面変動は、不明な僅か数ミクロの変動でさえも、膜の位置間での不要なエネルギ密度変動をもたらす可能性がある。更に、管理された製造条件下でさえも、全体的な表面変動(すなわち、真空チャック+ガラス基板+膜)は、約35ミクロンになる可能性がある。これらの表面変動は、僅か約20ミクロンのDOFを有する集束した細いビームに対して特に問題になる可能性があることは認められるものとする。
【0005】
表面変動に加えて、成形ラインビームに対する不要の膜移動も、エネルギ密度の変動を引き起こす可能性がある。例えば、ステージ振動中に小さな移動が発生する可能性がある。また、成形ラインビームに対するステージのアラインメントが不適切及び/又は走査面に対するステージのアラインメントが不適切であると、不要なエネルギ密度変動をもたらす可能性がある。
膜の位置間でエネルギ密度の変動をもたらす可能性がある他の要因は、走査中のレーザ出力特性の変化(例えば、パルスエネルギ、ビーム指向、ビーム発散、波長、帯域幅、パルス持続時間などの変化)を含むことができる。更に、成形ラインビームの位置及び安定性、及び走査中のビーム焦点(すなわち、形状)の品質も、エネルギ密度の均一性に影響を与える可能性がある。
上記を念頭に置いて、本出願人は、成形ラインビームと基板上に堆積された膜との間の相互作用を実現するためのいくつかのシステム及び方法を開示する。
【発明の概要】
【0006】
成形ビームが短軸と長軸を形成するような膜が堆積した基板との相互作用に好適なパルス特性を有するパルスを生成するためのシステム及び方法を開示する。本発明の実施形態の1つの態様では、レーザパルスを伸張するためのシステム及び方法を提供する。このシステムは、前記パルスの第1の部分を第1のビーム経路に沿って導き、かつ前記パルスの第2の部分を第2の遅延ビーム経路に沿って導くためのビームスプリッタと、前記遅延ビーム経路に沿って配置され、前記第2のビーム部分を反転させるように配置され、かつ、前記ビームスプリッタと協力して、反転された第2のビーム部分の少なくとも一部を前記第1のビーム経路に配置する複数の反射素子とを含むことができる。
【0007】
本発明の実施形態の別の態様では、ビーム経路に沿ったある位置でパルスレーザビームの発散を予め決められた範囲に維持するためのシステム及び方法を提供する。このシステムは、調節可能なビーム拡大器と、発散を測定し、かつそれを示す信号を生成するための手段と、前記信号に応答して前記ビーム拡大器を調節し、かつ前記パルスレーザビームの発散を前記予め決められた範囲に維持するコントローラとを含むことができる。
【0008】
本発明の実施形態の更に別の態様では、基板上に堆積された膜を選択的に溶融させるためのレーザ結晶化装置及び方法を提供する。この装置は、パルスレーザ出力ビームを生成するレーザ源と、前記レーザ出力ビーム内のパルスを伸張してパルスストレッチャ出力を生成する光学システムと、前記パルスストレッチャ出力からラインビームを生成する光学装置とを含むことができる。
【0009】
本発明の実施形態の更に別の態様では、膜と成形ビームとの相互作用中に、膜でエネルギ密度を予め決められた範囲に維持するためのシステム及び方法を提供する。このシステムは、膜と集束レンズとの間の距離を測定するための自動焦点センサと、前記測定を利用して光源パラメータを調整して、前記膜で前記エネルギ密度を前記予め選択した範囲に維持するコントローラとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】アモルファスシリコン膜を結晶化する例示的な製造システムの主要構成要素の概略図である。
【図2】基板上に堆積された膜にラインビームが集束されているか否かを判断するための装置を示す図である。
【図3A】3つの例示的なビーム、すなわち、テーブル平面に最良の焦点を有する第1のビームと、テーブル平面から10ミクロンのところに最良の焦点を有する第2のビームと、テーブル平面から15ミクロンのところに最良の焦点を有する第3のビームとに対する短軸ビームの関数としての強度変動を示すグラフである。
【図3B】横成長長さの関数としてのエネルギ密度を示し、かつ部分的溶融及び凝集が発生する場合がある領域を示すグラフである。
【図4】ラインビームとの相互作用中に加工物を保持するための真空チャックアセンブリの斜視図である。
【図5A】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5B】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5C】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5D】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5E】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5F】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5G】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5H】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5I】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5J】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5K】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5L】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5M】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5N】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5O】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5P】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図5Q】ラインビームとの相互作用に対してシリコン膜を位置決めするためのシステムを示すと共にその使用法を示す概略平面図である。
【図6】本発明の実施形態の態様を示す図1に示すシステムの一部の概略図である。
【図7】6ミラーパルスストレッチャの詳細図である。
【図8】拡張パルス及び非拡張パルスに関する強度と時間のプロットを示す図である。
【図9】非拡張パルスと比較した時の拡張パルスの垂直方向の均一性の増加を示す強度と垂直方向の幅のプロットを示す図である。
【図10】2つの軸において独立して調節可能な能動制御可能ビーム拡大器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
初めに図1を参照すると、アモルファスシリコン膜12を結晶化する全体的にシステム10と指定された例示的な製造システムの主要構成要素の縮尺通りではない概略図が示されている。図示のように、システム10は、パルスレーザビームを生成するレーザ源20と、パルス持続時間を増大するためのパルスストレッチャ22と、能動的にビームを誘導する機構及び/又は能動ビーム拡大器を有することができるビーム送出ユニット24とを含むことができる。システム10は、1つ又はそれよりも多くのビーム特性、例えば、波面及び/又はビーム指向を測定し、かつ能動誘導ユニット及び/又は能動ビーム拡大器によって使用される制御信号を生成するための安定化方法モジュール26を更に含むことができる。また、システム10は、ビーム均質化、ビーム成形、及び/又はビーム集束を目的とした光学器械モジュール28と、例えばガラスとすることができる基板32上に堆積されたシリコン膜12を保持かつ位置決めするための可動ステージシステム30とを含むことができる。
【0012】
概要としては、図1に示すと共に以下でより詳細に説明するシステム10は、約20ミクロン又はそれ未満の膜12での幅(短軸)、700mm又はそれよりも長い長さ(長軸)、及び約10ミクロンから20ミクロンまでの焦点深度(DOF)を有する集束細ビーム34、例えばラインビームを生成するように構成することができる。集束細ビームの各パルスを使用して、ストリップ状のアモルファスシリコンを溶融させることができる。次に、このストリップを結晶化する。特に、ストリップは、粒子が短軸と平行な方向に成長する横成長過程で結晶化する。粒子は、縁部から内方に(短軸に平行に)成長し、シリコン膜の平面から延びるストリップの中心に沿ってリッジ部(いわゆる粒度境界突出部)を作成することを満たす。次に、第1のストリップに平行でありかつその一部と重なり合う第2のストリップを露出させるために、ステージが区分的又は連続的に移動される。露出中、第2のストリップは、溶融し、その後に再結晶化する。リッジ部を再度溶融させるのに十分な重複を利用することができる。リッジ部を再度溶融させることによって、平坦な膜面(例えば、〜15nmのピーク間値)を維持することができる。以下に細ビーム連続横方向固化(tb−SLS)と呼ぶこの処理は、一般的に、膜全体が結晶化されるまで繰り返される。
【0013】
図2は、基板32上に堆積されたシリコン膜12に細ビームパルスレーザ34が適切に集束されているか否かを判断するための装置を示している。光学器械モジュール28(図1を参照されたい)の各部としては、短軸フィールドストップ36及び短軸集束光学器械37を含むことができる。一般的に、ビームは、初期にフィールドストップ36に集束された後、膜12において図3A(プロット62)に示すような強度プロフィールを生成するように画像化される。図3Aは、短軸において小さな寸法を有するスリットとして構成されたフィールドストップ36のプロフィール(プロット62)を示している。この構成を利用して、約13μmのビーム幅(FWHM)、プロフィールの平坦な上部に沿って5%よりも良好な強度均一性、及び全強度の10%と90%の間で約3um未満とすることができる急な縁部傾斜部を有する図3Aに示すプロフィールを生成することができる。約5μmと10μmの間の幅を有するビームも利用することができる。単一縁部(すなわち、ナイフ刃)をフィールドストップでのスリットの代わりに使用して、前縁部に影響を与えないまま、急な後縁部傾斜部(すなわち、tb−SLS中に再度溶融されない材料に対応する縁部)を有するビームプロフィールを生成することができる。単一のレンズとして示されているが、集束光学器械37は、限定はしないが様々な種類のレンズを含むいくつかの光学構成要素を含むことができることは認められるものとする。
【0014】
図2は、ビーム36が長軸38において平行化されず、かつフィールドストップ36から膜12まで分岐することを示している。上述のように、長軸38におけるビーム36の長さは、約700mm又はそれよりも長いとすることができる。それに反して、図1に示すように、ビーム36は、集束光学器械38を含むことができる光学器械モジュール28によって短軸40において集束される。この構造的な配置で、膜12から反射した光42は、光軸44から分岐し続けるので、検出システムによって分析し、ビーム36が短軸40(図1に示す)に適切に集束されているか否かを判断することができる。
【0015】
引き続き図2を参照すると、検出システムは、反射光42を画像平面48に導く全反射ミラー46を含むことができる。拡大ミラー50は、カメラ52で画像平面48の拡大画像が得られるように位置決めされる。検出システムに対しては、画像平面48は、膜12から画像平面48まで反射光42が進む距離が同じ光が短軸フィールドストップ36から膜まで進んだ距離とほぼ等しい(例えば、当業技術に対して許容可能な公差内で等しい)ように位置決めされる。次に、カメラ出力を利用して、1つ又はそれよりも多くのシステム変数を調節し、膜12での焦点を改善するか、又は以下で更に詳細に説明するように、膜12でのエネルギ密度を変えることができる。例えば、ステージ30を集束光学器械37に対して移動させて焦点を調節することができる。
【0016】
一部の場合には、図2に示すように、ミラー54、拡大ミラー56、及びカメラ58を有する上述したものと類似である第2の検出システムを含むことが望ましいと考えられる。組み合わせて2つの検出システムを使用し、光が長軸44にビーム両端で集束されている(短軸において)か否かを同時に判断することができる。図2に示す検出システムの1つの注意すべき1つの機能的な面は、検出システム、特にミラー46、54がビーム36から基板12まで進む光を妨害しないように位置決めされる点である。更に、この構成によって、膜12露出中に細ビームの焦点を分析かつ調節することができる。
【0017】
図3Aは、集束ビーム(プロット62)、10ミクロン焦点外れであるビーム(プロット64)、及び15ミクロン焦点外れであるビーム(プロット66)に対して短軸ビーム幅の関数としての強度変動を示すグラフを示している。尚、図示の各種のプロットは、ほぼ0.15の開口数(NA)を有する集束レンズに関するものである。これらのプロットの興味深い特徴は、プロット62、64、66の全てが比較的急な側壁を有する点である。これらの急な側壁は、短軸フィールドストップ36が使用される図2に示す光学的構成の結果として生じたものである。従って、図3Aは、ビームが焦点外れになる時のビーム強度の変動が、対応するビーム幅の変化よりもはっきりしたものであることを示している[背景技術]の節で上述のように、膜12では、エネルギ密度を予め選択した範囲に維持することが望ましいであろう。より具体的には、膜12でのエネルギ密度制御は、ビーム幅の変化は小さくしてレーザパルスの特性、例えばパルスエネルギという特性を変えることによって焦点条件のある一定の範囲にわたって達成することができる。
【0018】
上記を念頭に置いて、本出願人は、例えば、パルス特性を変えて焦点条件の変化を補正することにより、膜12でエネルギ密度を予め選択した範囲に維持するためのシステム及び方法を開示する。この焦点条件の変化は、例えば、ラインビームに対するステージ30の走査作動中に発生する可能性がある。より詳細には、僅かに焦点外れのビームで得られるエネルギ密度(例えば、プロット66)をターゲットエネルギ密度として選択することができる。このターゲットで、焦点条件は、例えば、図2に示す検出システムを使用して測定される。焦点条件を決める代替方法を用いて、膜12と集束光学器械37の間の距離を測定することができる自動焦点センサ(能動又は受動)又は他の適切な技術を含めることができることは認められるものとする。焦点条件を測定すると、パルスエネルギのようなパルス特性を変更して、ターゲットエネルギ密度に到達することができる。従って、測定結果から焦点外れの条件が存在することが分った場合、焦点外れの条件のターゲットエネルギ密度に対応する第1のパルスエネルギE1が用いられる。それに反して、測定結果から膜がDOF内であることが分った場合、焦点条件のターゲットエネルギ密度に対応する第2のパルスエネルギE2が用いられ、E1<E2である。
【0019】
図3Bは、50nm厚のSi膜の横成長長さの関数としてのエネルギ密度を示し、かつ部分的溶融及び凝集が発生する場合がある領域を示すグラフを示している。また、図3は、横成長のエネルギ範囲が、横成長長さがエネルギ密度に比例して増大する状態で全く広く(約450mJ/cm2及び820mJ/cm2)である場合があることを示している。それでも尚、中央リッジ部を再度溶融させながら、より大きな走査ピッチ(及びより高い処理量)を可能にすることによって、より大きな横成長長さは、有用であると考えられる。
【0020】
いくつかの方法を用いて、必要に応じて、一部の場合にはパルス間でパルスエネルギを調節することができる。例えば、エキシマレーザ源の場合、放電電圧を変えて予め選択したパルスエネルギを達成することができる。代替的に、調節可能な減衰器をラインビームのビーム経路に沿って位置決めし、選択的にパルスエネルギを変えることができる。この目的のために、以下に限定はしないが、フィルタ及びパルストリマーが含まれるパルスエネルギを低減する当業技術で公知のあらゆる装置を使用することができる。焦点条件を補正してエネルギ密度を膜12の異なる位置で予め選択した範囲に維持するために変えることができる他のパルス特性としては、以下に限定されるものではないが、例えば、調節可能なライン狭化モジュール又はライン選択モジュールを使用したパルススペクトル(波長)を含むことができる。代替的に、制御フィードバックループ内の測定焦点条件に応答する集束光学器械37として高速焦点制御が可能である適応光学器械を使用することができる。
【0021】
図4及び図5Aから図5Qは、レーザ源から集束されたラインビームとの相互作用に対して膜12を位置決めするのに使用されるシステム及び対応する方法を示している。図4に示すように、例示的な位置決め構成は、可動楔アセンブリを含むことができるいわゆるZPRテーブル102(図5Aを参照されたい)上に位置決めされるか、又はその不可欠部分として形成される例えば当業技術に対しては製造公差内で平面である実質的に平面101(図5Aにも図示)を有する真空チャック100を含むことができる。図4及び図5Aに相互参照して最も分るように、ZPRテーブル102は、Z方向、チャック100がX軸周りに回転されるピッチ方向、チャック100がY軸周りに回転される転動方向に真空チャック100を独立して前後動させることが機能的に可能であるとすることができる。また、図5Aは、概略図であるにも関わらず、本発明のシステムは、X方向に真空チャック100を前後動させるXステージ104と、Y方向に真空チャック100を前後動させるYステージ106とを含むことができることを示している。一般的かつ例示的な設定においては、X、Y、Zは、3本の相互に直交する軸である。図示のように、両方のステージ104、106は、実質的に平面の基準面(例えば、当業技術に対しては製造公差内で平面)を形成する安定した基準ブロック108、例えば花崗岩ブロックに対して移動可能であるとすることができる。一般的に、空気ベアリングをステージ104、106と花崗岩ブロック108の間に採用することができる。
【0022】
図5Bで最も分るように、本発明のシステムは、図示の実施形態に対しては、3つの自動焦点センサ112aから112c、例えば頭上ハウジング114を通じて花崗岩ブロック108に対して固定して取り付けられた能動又は受動自動焦点センサである複数の光センサを含むことができる。図示のように、3つの自動焦点センサ112Aから112Cは、X軸に沿って離間している。一般的に、3つの自動焦点センサ112Aから112Cは、X軸に平行なラインに沿って又はX軸上に位置決めすることができる。更に、図示のように、各自動焦点センサ112aから112cは、それぞれの自動焦点センサ112aから112cと表面101との間でY軸に平行である距離116のような距離を測定する向きに置かれる。それによって表面101と基準面110の間でY軸に平行である距離が得られる。3つの光センサが示されているが、3つよりも多く及び僅か1つの光センサを有するシステムを採用して以下で詳細する機能的態様の一部又は全てを実施することができることは認められるものとする。
【0023】
図5Bから図5Eは、本発明のシステムが表面101と基準面110の間のロール角αを判断することができる方法を示している。具体的には、図5Bから始まってテーブル102がX軸に沿った第1の位置にある状態で自動焦点センサ112Aと表面101の間で第1の測定(距離116)を行うことができることが分る。次に、図5Cに示すように、Xステージの作動によってテーブル102をX軸に沿って並進運動させてX軸に沿った第2の位置でテーブルを位置決めすることができる。この第2の位置で、第2の測距を自動焦点センサ112Aと表面101との間で行うことができる。2回の測定で十分であるが、図5Dは、本発明のシステムが、テーブルがX軸に沿った第3の位置にある状態で第3の測定を行うことができることを示している。次に、これらの測定結果をアルゴリズム内で処理し、図5Eに示すように、表面101と基準面110との間でロール角αを判断することができる。尚、Y軸に沿ってテーブル102を移動させて同様の手順((図示せず)を実施し、基準面に対する表面101の傾斜角度を判断することができる。
【0024】
ロール角α(及び、必要に応じて傾斜角度)を判断した状態で、ZPRテーブル102を選択的に作動させ、図5Fに示すように、基準面110に実質的に平行になるまで表面101を移動させることができる。この時点でステージ座標系を確立することができる。更に、図5Gに示すように、表面101までの距離及び測定範囲にわたる線形性に対して3つの自動焦点センサ112aから112cを較正することができる。この較正で、今後の測定に関して表面101を基準(例えば、自動焦点基準面)として使用することができる。
【0025】
本発明のシステムの1つの実施においては、レーザの集束ラインビームの空間的位置及び向きを判断することができる。実質的に線形のラインビーム軸118によって特徴付けることができる例示的な集束ビームは、図5Hにおいては点線として示されている。図示のシステムに対しては、パルスレーザ光は、張出したハウジング114の上方及びその前でビーム軸に到達する。更に、ZPRテーブル102の一部は、テーブル102の表面101の少なくとも一部をパルスレーザに露出させることができるように、張出したハウジング114からY軸に沿って外方に延びる。
【0026】
図5Hに更に示すように、本発明のシステムは、図示の実施形態に対しては複数の細ビーム焦点位置(例えば、最良の焦点位置)に対して位置を測定するラインビームカメラ120することができる検出器を含むことができる。より具体的には、図示のように、ラインビームカメラ120は、テーブル102上に取り付けることができ、従って、テーブル102と共に移動させることができる。複数のラインビームカメラ(図示せず)を有する構成を用いて、Xステージの移動なく、複数のラインビーム焦点位置を測定することができることは認められるものとする。
【0027】
図5Iから図5Lは、1つのカメラ120を有する本発明のシステムがビーム軸118の空間的位置及び表面101とビーム軸118との間の相対角度φを判断することができる方法を示している。具体的には、図5Iから始まってY軸に平行な(距離122a)を表すカメラ120により、ビーム軸118と基準面110との間でテーブル102がX軸に沿った第1の位置にある状態で第1の測定を行うことができることが分る。次に、図5Jに示すように、Xステージ104の作動によってテーブル102を並進運動させ、X軸に沿った第2の位置でテーブルを位置決めすることができる。この第2の位置で、Y軸に平行に第2の測距122aをカメラ120によって行うことができる。恐らく2回の測定で十分であるが、図5Kは、本発明のシステムが、例えばテーブルがX軸に沿った第3の位置にある状態で第3の測定(距離122c)を行うことができることを示している。次に、これらの測定結果をアルゴリズム内で処理し、図5Lに示すように、表面101とビーム軸118の間の相対角度φを判断することができる。
【0028】
表面101とビーム軸118の間の相対角度φを判断した状態で、ZPRテーブル102を選択的に作動させ、テーブル102を移動して、表面101が図5Mに示すようにビーム軸118に実質的に平行(例えば、当業技術に対して許容可能な公差内で平行)であるアラインメントに配向することができる。整列した状態で、図5Nは、自動焦点センサ112aから112cを使用して表面101の位置(すなわち、自動焦点基準面)を測定し、自動焦点基準面上で自動焦点センサ112aから112cを較正することができることを示している。次に、それによってレーザとステージの座標系が確立される。
【0029】
図5Oは、ガラス基板32及び堆積膜12をこの時点で真空チャック(すなわち、表面101)上に位置決めすることができることを示している。図5Oに示すように、Xステージ104を作動させて、表面101上での膜12の位置決めを助けるのに有利な位置にテーブル102を移動させることができる。膜がテーブル102上に位置決めされた状態で、図5Pに示すように、自動焦点センサ112aから112cとの相互作用に対してテーブル102を移動させることができる。そこで、自動焦点センサ112aから112cを使用して、膜12の高さを判断することができる。膜12の高さが分った状態で、テーブル102を作動させ、図5Qに示すように、集束ラインビームの焦点深度(DOF)内に膜12を移動させることができる。膜12がレーザのDOF内にある状態で、レーザを作動させ、例えば上述の細ビーム連続横方向固化(tb−SLS)の一部としてストリップ状の膜12を露出させて溶融させることができる。
【0030】
本発明の実施形態の別の態様では、図5Aから図5Qに示す本発明のシステムを使用して、不完全な非平面表面を有する膜12を補正することができる。この表面プロフィールの変動は、膜12、ガラス基板32、及び/又は真空チャック表面101内の寸法上の不完全性から生じる場合がある。表面プロフィールの変動を補正することによって、膜12の異なる位置で実質的に一定のエネルギ密度を維持することができる。この目的のために、図5Pに示すように、本方法は、3つの自動焦点センサ112aから112cを使用して、センサと膜12との間でY軸に平行な3つのそれぞれの距離を判断するという第1の段階を含むことができる。ラインビームカメラ120を使用して、ZPRテーブル102を手動で(Z、ピッチ、ロールを変えることにより)調節し、最良の焦点ライン(すなわち、ビーム軸118)に沿って表面101を位置決めすることができる。次に、各自動焦点センサ112aから112cと膜12との間のそれぞれの距離を基準距離として保存することができ、従って、膜12上の3つの座標点が得られる。これらの3つの座標点を通じた線形当て嵌めを利用して、計算した最良焦点ライン(軸118)を判断することができる。露出中、膜12は、Y軸に沿って走査される時、膜12までの距離を例えば3つの自動焦点センサ112aから112cによって測定することができ、従って、3つの新しい座標点が得られる。次に、これらの新しい座標点を通る最良当て嵌めラインを計算することができ、コンピュータ制御を通じてZPRテーブル102を調節し、最良当て嵌めラインが、計算最良焦点ライン(軸118)と実質的に一致する(例えば、当業技術に対して許容可能な公差内で一致する)ようにテーブル102を整列させることができる。
【0031】
図6は、図1に示すシステム10の一部をより詳細に示している。具体的には、図6は、2チャンバエキシマレーザ20を有する例示的な実施形態を示している。他の種類のレーザ源をシステム10内で使用し、半導体レーザ、1チャンバを有するエキシマレーザ、2つよりも多い、例えば発振チャンバ及び2つの増幅チャンバ(増幅チャンバは並列又は直列)を有するエキシマレーザ、又は1つ又はそれよりも多くのエキシマ増幅チャンバにシード光を供給する半導体レーザを含めることができることは認められるものとする。他のデザインも可能である。図6に示す2チャンバレーザ源20の更なる詳細は、2003年7月30日出願の「2チャンバガス放電レーザ用制御システム」という名称の米国特許出願出願番号第10/631、349号、2003年1月31日出願の「ガス放電レーザ用自動ガス制御システム」という名称の米国特許出願出願番号第10/356、168号、2003年12月18日出願の「ガス放電レーザMOPAシステムの出力を制御する方法及び装置」という名称の米国特許出願出願番号第10/740、659号、2003年9月30日出願の「ガス放電MOPAレーザスペクトル分析モジュール」という名称の米国特許出願出願番号第10/676、907号、2003年9月30日出願の「ガス放電MOPAレーザスペクトル分析モジュールのための光学的装着法」という名称の米国特許出願出願番号第10/676、224号、2003年9月30日出願の「ガス放電MOPAレーザスペクトル分析モジュール」という名称の米国特許出願出願番号第10/676、175号、2003年7月30日出願の「2チャンバガス放電レーザ用制御システム」という名称の米国特許出願出願番号第10/631、349号、2003年7月24日出願の「超狭帯域2チャンバ高繰返し数ガス放電レーザ」という名称の米国特許出願出願番号第10/627、215号、2003年6月25日出願の「磁気回路素子を冷却する方法及び装置」という名称の米国特許出願出願番号第10/607、407号、2004年8月20日出願の「2チャンバガス放電レーザシステム用タイミング制御」という名称の米国特許出願出願番号第10/922、692号、「高繰返し数MOPAレーザシステム」という名称の米国特許第6、625、191号、及び「基本モジュール式MOPAレーザシステム」という名称の米国特許第6、567、450号で見つけることができ、これらの特許の全ての開示は、この記載により、本明細書において引用により組み込まれるものとする。
【0032】
概要としては、図6は、2チャンバレーザ源20が、主発振器208及び電力増幅器210を含むことができ、従って、多くの場合にいわゆるMOPAレーザ源と呼ばれることを示している。上述のtb−SLS法の1つの実施においては、6Khz(6000パルス/秒)MOPAレーザを約150mJのパルスエネルギで使用することができる。この構成で、730mmx920mm膜を約75秒にわたって(60%の重複で)処理することができる。
【0033】
主発振器208及び電力増幅器210は、各々、2つの細長い電極と、レーザガス、例えば、XeCl、XeF、ArF、又はKFと、電極間でガス放電レーザを循環させる横流ファンと、1つ又はそれよりも多くの水冷フィン付き加熱器(図示せず)とを収容することができる放電チャンバを含む。例えば、電力増幅器210を通る2回のパスによって増幅してレーザビーム214Bを生成することができる主発振器208は、第1のレーザビーム214Aを生成する。主発振器208は、出力カプラ208Aによって形成された共振空洞と、ライン狭化モジュール208Bとを含むことができ、そのいずれも、先に参照した出願及び特許において詳細に説明されている。主発振器208に対する利得媒質は、各々が長さが30センチから50センチであって主発振器放電チャンバ内に収容された2つの電極間で生成することができる。
【0034】
電力増幅器210は、2つの細長い電極間に利得媒質を供給する主発振器208の放電チャンバと類似の放電チャンバを含むことができる。しかし、主発振器208と異なり、電力増幅器210は、一般的に、共振空洞を有しておらず、ガス圧は、一般的に、主発振器208のガス圧よりも高く維持することができる。図6に示すMOPA構成によって、主発振器208は、波長安定性のようなビーム品質パラメータを最大化し、かつ超狭帯域幅が得られるように設計して作動させることができ、一方、電力増幅器210は、電力出力を最大にするように設計して作動させることができる。
【0035】
主発振器8の出力ビーム214Aは、例えば、電力増幅器210を通る2回のパスによって増幅され、出力ビーム214Bを生成することができる。これを達成する光学構成要素は、本出願人が、主発振器波面エンジニアリングボックス「MO WEB」224、電力増幅器波面エンジニアリングボックス「PA WEB」226」、及びビーム反転器「BR」228と命名した3つのモジュール内に収容することができる。ライン狭化モジュール208B及び出力カプラ208Aと共に、これらの3つのモジュールは、全て、放電チャンバ208C及び電力増幅器210の放電チャンバから独立した単一の垂直光学台上に取り付けることができる。この構成で、音響衝撃及びファン回転によって引き起こされるチャンバ振動は、光学構成要素から実質的に隔離することができる。
【0036】
ライン狭化モジュール208B及び出力カプラ208A内の光学構成要素は、先に参照した出願及び特許においてより詳細に説明されている。概要としては、ライン狭化モジュール(LNM)208Bは、リトロー構成で配置された3点又は4点プリズムビーム拡大器、超高速応答同調ミラー、及び格子を含むことができる。出力カプラ208Aは、KrFシステムの場合は出力ビームの約20%、ArFシステムの場合は約30%を一般的に反射する部分反射ミラーとすることができる。残りの非反射光は、主発振器208を通過し、ライン中心分析モジュール(LAM)207内に入る。LAM207から、光は、「MO WEB」24内に入ることができる。「MO WEB」は、全反射(TIR)プリズム(又は、高反射率コーティングを有する第1の表面ミラー)及び出力ビーム214Aを「PA WEB」26内に正確に向けるアラインメント構成要素を含むことができる。
【0037】
「PA WEB」226は、TIRプリズム(又は高反射率コーティングを有する第1の表面ミラー)及びレーザビーム214Aを電力増幅器利得媒質を通る第1のパスに導くアラインメント構成要素を含むことができる。ビーム反転器モジュール228は、全反射に依存するので光学コーティングが不要である2回反射ビーム反転プリズムを含むことができる。代替的に、ビーム反転器228は、全反射ミラーとすることができる。いずれの場合にも、ビーム反転器228は、電力増幅器利得媒質を通る予め選択したビーム経路上で部分増幅ビームを導くように測定装置、例えばSMM26からの制御信号に応答して調節可能にすることができる。特に、ビーム反転器は、上述のように、ビーム指向誤差を補正してパルスストレッチャ22を出るビームのビーム発散を低減するように調節することができる。
【0038】
ビーム反転器モジュール228における反転後、部分増幅ビーム214Aは、電力増幅器210内の利得媒質をもう一度通過し、電力増幅器出力ビーム214Bとしてスペクトル分析モジュール209及び「PA WEB」226を通って出ることができる。「PA WEB」226から、ビームは、例えば以下で詳細するようにパルス持続時間を増大し、ビーム部にわたる強度変動を低減し(すなわち、強度プロフィールを平均化又は平滑化し)、かつビーム干渉を低減することができる6ミラーパルスストレッチャ22に入る。パルス持続時間を増大することによって、パルスエネルギを維持しながら各レーザパルスのピーク強度が低減される。図1に示すシステム10に対しては、光学器械モジュール28内の光学構成要素は、製造しにくく、かつ製造費が高い比較的大きなレンズを含む可能性がある。これらの高価な光学構成要素は、数十億もの高強度紫外線パルスから生じる劣化が発生しやすいことが多い。更に、光学的損傷は、レーザパルス強度の増大と共に増大することで公知である(すなわち、cm2当たりの光電力(エネルギ/時間)、又はmJ/ns−cm2)。従って、パルス持続時間を増大することによってパルス強度を低減すると、これらの光学構成要素を長寿命化することができる。更に、パルス持続時間の延長は、結晶化処理において有用であると考えられる。6ミラーパルスストレッチャ22の代わりに、又は6ミラーパルスストレッチャ22に加えて、2003年11月13日出願の「長時間遅延高TISパルスストレッチャ」という名称の現在特許出願中の米国特許出願第10/712、545号に開示されているパルスストレッチャの1つ又はそれよりも多くを使用して、本明細書で説明する細ビーム連続横方向固化(tb−SLS)法での使用に向けて伸張パルスを作成することができ、特に、200ns時間積分平方(TIS)の出力パルスを有するパルスストレッチャを使用することができる。米国特許出願第10/712、545号は、この記述により、本明細書において引用により組み込まれるものとする。
【0039】
図7は、パルスストレッチャ22を通るビーム経路を示す6ミラーパルスストレッチャ22の更に詳細な図を示している。ビームスプリッタ216は、部分増幅ビーム214Aの所定の割合を6つの集束ミラー320A、320B、320C、320D、320E、及び320Fによって作成された遅延路に反射させるように選択することができる。残りの光は、ビームスプリッタ216を通じて伝達される。ビームスプリッタの反射/通過特性は、出力パルス持続時間及び/又は出力パルス形状に影響を与える場合があることは認められるものとする。ストレッチャ22に対しては、各ミラー320Aから320Fは、集束ミラー、例えば凹型球面ミラーとすることができる。一般的に、パルスストレッチャ22のアラインメントを助けるために、6枚のミラーの1つ又はそれよりも多くは、調節可能、例えば先端/傾き調節可能にすることができる。
【0040】
図7に示すように、ビームスプリッタ216からの反射光は、光路301Aに沿ってミラー320Aに集束されない状態(すなわち、実質的に平行化状態)で進むことができ、次に、ミラー320Aは、反射部分を光路301Aに沿ってミラー320Aとミラー320Bの途中に位置する地点302に集束させる。次に、ビームは拡大し、ミラー320Bから反射させることができ、ミラー320Bは、拡大中のビームを平行(すなわち、実質的に平行化)ビームに変換して、光路301Cに沿ってミラー320Cに導く。次に、ミラー320Cは、反射部分を光路301Dに沿ってミラー301Cとミラー301Dの途中に位置することができる地点304に集束させることができる。次に、ビームは拡大し、ミラー320Dから反射させることができ、ミラー320Dは、拡大中のビームを平行(すなわち、実質的に平行化)ビームに変換して、光路301Eに沿ってミラー320Eに導く。次に、ミラー320Eは、反射部分を光路301Fに沿ってミラー301Eとミラー301Fの途中に位置する地点306に集束させることができる。次に、ビームは、拡大してミラー320Fから反射させることができ、ミラー320Fは、拡大中のビームを平行(すなわち、実質的に平行化)ビームに変換して、光路301Gに沿ってビームスプリッタ216に導く。ビームスプリッタ216で、ミラー320Fからのビームを光路301H上に反射させることができ、そこでビームは、ビームスプリッタ216を通じて伝達されるパルスの部分と結合する。パルス部分の伝達部と遅延部を合わせて、図示のように、パルスストレッチャビーム出力214Cを確立する。伸張パルス400は、図8において強度対時間でプロットされており、ここでもまた、図8においてプロットされている電力増幅器出力パルス402(非伸張パルス)の形状と比較することができる。図示の伸張パルスに対しては、パルスは、2つの大きなほぼ等しいピークを有し、第1の2つのピーク後に時間と共により小さな漸減ピークがあるように成形することができる。伸張パルスの形状は、異なる反射率を有するビームスプリッタを使用して修正することができることは認められるものとする。
【0041】
図7は、遅延ビームが、別々に3回集束して拡大することができることを示している。この奇数回(すなわち、偶数ではない)の集束段階のために、遅延ビームは、ビームスプリッタ216を通じて伝達されるパルスの部分に対して反転される(水平方向と垂直方向の両方で)。従って、6ミラーパルスストレッチャ22からの出力ビーム214Cは、組合せビーム又は混合ビームを含むことができる。この混合によって、強度変動を低減することができる。また、パルスストレッチャ22は、ビームの異なる部分からの異なる干渉セルを混合させることができるために、ビーム干渉を低減することができる。例示的なビームの垂直方向の均一性に及ぼす影響を図9に示している。具体的には、伸張パルス404は、図9においては、強度と垂直方向の幅としてプロットされており、ここでもまた、図9においてプロットされている電力増幅器出力パルス406(非伸張パルス)の形状と比較することができる。ビームが、エキシマレーザ源を使用した時に一般的であることが多い水平軸において近ガウス分布である場合には、水平方向の強度変動に及ぼすパルスストレッチャ22の影響は無視できる場合がある。
【0042】
上述のように、レーザ結晶化処理の性能は、エネルギ密度の均一性に依存する場合がある。多重発射処理であって露出中の発射間の平均化が得られるリソグラフィレーザと異なり、レーザ結晶化は、主として一回の発射による処理であり、従って、平均化は、単一パルス内の強度平均化に限定される場合がある。エネルギ密度均一性を決める要素の一部は、ラインビーム均一性及びビーム空間干渉である。一般的に、光学器械は、光学器械モジュール28(図1)内に含め、ビームを均質化することができる。これらの光学器械では、ビームをビームレットに分割するためにマイクロレンズのアレイが使用されると考えられる。大型開口レンズを使用して、ビームレットが球面レンズの焦点面において互いに正確に重なり合うようにビームレットを向け直すことができる。これらのビームレットを統合すると、あらゆる強度変動を実質的に排除することができ、平頂ビームプロフィールが得られる。ビームがビームレットに分割されるほど、平均化を改善することができる。しかし、マイクロレンズ開口が小さすぎ、例えばラインビームの1つの干渉区域よりも小さい場合、干渉区域では、マイクロレンズの繰返しパターンが発生する恐れがあり、これは、望ましくない結果を発生するであろう。要するに、マイクロレンズのアレイを使用して達成される均質化量には限界がある場合があるということである。これを念頭に置いて、パルスストレッチャ22内の空間干渉セルが平均化されると、マイクロレンズアレイに送出されるビームは、結果的に干渉が劣るものになると考えられ、これは、次に、干渉による強度変動を最小にし、及び/又はマイクロレンズアレイの開口の小型化を可能にするであろう。
【0043】
図7に示すパルスストレッチャ22の注意すべき1つの特徴は、入力ビーム(すなわち、ビーム214B)のビーム指向誤差が増大する時に、出力ビーム(すなわち、ビーム214C)のビーム発散が増大する場合があるという点である。このビーム発散の増大は、レーザ結晶化には望ましくないものであることが多く、従って、パルスストレッチャに入るビーム(すなわち、ビーム214B)のビーム指向誤差を最小にすることが望ましい。図6は、能動ビーム誘導ユニット500をパルスストレッチャ22の上流側に位置決めし、パルスストレッチャに入るビーム214Bのビーム指向誤差を最小にすることができることを示している。この能動ビーム誘導ユニットは、パルスストレッチャ22の上流側で行われたビーム指向測定及び/又はパルスストレッチャ22の下流側で行われた発散測定に応答するものとすることができ、例えば、発散測定は、SMM26で行ない、かつ能動ビーム誘導ユニット500を制御するのに使用することができる。構造的には、能動ビーム誘導ユニット500は、ビーム送出ユニット238におけるビーム誘導を能動的に制御するために、以下にかつ引用により先に本明細書に組み込まれたいくつかの出願においてより詳細に説明されるミラー240A、240Bと類似の1つ又はそれよりも多くの調節可能ミラーを含むことができる。代替的に又は能動ビーム誘導ユニット500に加えて、ビーム反転器228の向きを能動的に調節し、パルスストレッチャ22の上流側でビーム指向を制御することができる。具体的には、調節可能なビーム反転器228は、パルスストレッチャ22の上流側で行われたビーム指向測定及び/又はパルスストレッチャ22の下流側で行われた発散測定に応答するものとすることができる。
【0044】
図6は、システム10が、ビーム送出ユニット24及び安定化方法モジュール(SMM26)を含むことができることを示している。機能的には、これらの要素は、レーザ源20及びパルスストレッチャ22と協働して、本出願の1組のビーム仕様を満たすSMM26の出力部でパルスビームを供給することができる。実際は、光学器械モジュール28(図1を参照されたい)の入力部でのビーム仕様は、光学器械モジュール28(照射装置)のデザインに依存する場合がある。特定のビームパラメータとしては、以下に限定されるものではないが、強度、波長、帯域幅、波面(例えば、波面曲率、ビーム発散度とも呼ばれる)、偏光、強度プロフィール、ビームサイズ、ビーム指向、線量安定性、及び波長安定性を含むことができる。レーザ結晶化に向けて上述の例えば20ミクロンx700mmのラインビームを生成することができる光学器械モジュールに対しては、20μrad以内までの指向安定性、10%未満までの波面曲率変化、及び±2%以内までのエネルギ安定性を維持することを必要とするであろう。更に、無駄な発射を回避するために、レーザが「安定」するまで比較的長期間にわたって連続的に作動することを必要とせずにこれらの特性を得ることが望ましいであろう。
【0045】
SMM26は、ビーム指向、ビームサイズ、波面、及びパルスエネルギを含む望ましいパラメータで光が確実に光学器械モジュール28に供給されるようにするために、入射光をモニタし、フィードバック信号を制御システムに供給することができるように光学器械モジュール28の入力ポートの上流側に位置決めすることができる。例えば、パルスエネルギ、ビーム指向、及びビーム位置は、先に引用により本明細書に組み込まれた米国特許出願出願番号第10/425、361号(’361号出願)に説明されている技術を用いて、パルス間でSMM26内の測定機器によってモニタすることができる。具体的には、’361号出願の図10Bで、パルス間でパルスエネルギ、ビーム指向、及びビーム位置を測定する構造的配置が示されている。更に以下で詳細するように、SMM26は、波面曲率及びビームサイズをモニタするようにも構成することができる。高速CMOS線形フォトダイオードアレイと組み合わせてDSPベースのプロセッサを使用すると、迅速なフィードバックと同様に、最大8kHzでのビーム特性の迅速な計算により、ビーム特性が安定化することを可能にすることができる。
【0046】
垂直方向及び水平方向のビーム指向及び位置誤差は、レーザによって生成される光の全てのパルスに対してSMM26で評価することができる。全体としては、4種類の独立したセンサ測定、すなわち、垂直方向の指向誤差、水平方向の指向誤差、垂直方向の位置誤差、及び水平方向の位置誤差がある。1つの例示的な実施においては、垂直方向及び水平方向の指向の測定は、米国ニュージャージー州ブリッジウォーター所在の「Hamamatsu Corporation」によって提供される「S903 NMOS線形画像センサ」のような線形フォトダイオードアレイ(PDA)素子上に遠視野像を置くことによって行うことができる。一般的に、指向誤差は、SMM26の出口に定められたターゲット位置から規定することができる。垂直方向及び水平方向の位置の測定は、ビームの縮小画像をPDA素子上のBDU出口近くに置くことによって行うことができる。ビームのパルスエネルギの測定は、較正済フォトセル回路でSMM26で行うことができる。SMM26内のセンサからの信号は、電気コネクタを通じてSMM26の一部を成すことができる「安定化コントローラ」に送ることができる。
【0047】
ビーム指向制御は、パルスストレッチャ22(上述)上流側及び/又はBDU24内にある能動ビーム誘導ユニット500を使用し、ビーム反転器228(同じく上述)の向きを選択的に調節することによって達成することができる。具体的には、BDU24は、2つのビーム指向ミラー240A及び240Bを含むことができ、その一方又は両方を制御し、先端及び傾きの補正を行ってビーム指向を変えることができる。ビーム指向は、ビーム指向ミラー240A、240Bの一方又は両方をフィードバック制御し、SMM26内でモニタすることができる。例えば、誤差信号は、高速誘導回転ミラー40A及び40Bを駆動するために生センサデータを処理して指令を生成するSMM26内の安定化コントローラに送ることができる。各々が2つの制御軸を有するこれらの2つの高速誘導回転ミラーは、図示のように、SMM26の上流側に置くことができる。回転ミラーは、各々、高速誘導モータに取り付けることができる。特定的な実施形態では、圧電ミラー駆動装置を設置して、迅速な(200Hz)ビーム指向及び位置補正を可能にすることができる。
【0048】
モータは、2つの軸内でミラー角度を作動し、従って、レーザビームの光路を向け直すことができる。2つの制御軸を有する2つのモータは、BDU安定化コントローラが垂直方向及び水平方向のビーム指向及び位置誤差を独立して調節することを可能にすることができる。制御システムは、パルス間でビーム誤差を補正することができる。すなわち、各レーザパルスからのビーム誤差をフィードバック制御システムに供給し、誘導モータ向けに指令を生成することができる。フィードバック制御システムを作動させるのに使用される電子機器は、「安定化コントローラ」に配置することができる。図6に示すようなミラーを配置することにより、レーザ、減衰器(設けられている場合)、及び他の光学器械によるドリフトを補正することができる。従って、一部の場合には、安定した(位置及び指向において)ビームを10μrad以内までの安定性を有する光学器械モジュール28の入口に投射することができる。
【0049】
SMM26でモニタされたパルスエネルギをレーザのエネルギ制御アルゴリズムへのフィードバック信号及び入力として用いることができる。ガス放電レーザに対しては、レーザの放電電圧を調節してパルスエネルギを変えることができる。エネルギ制御アルゴリズムは、SMM26での(光学器械モジュール28入力部での)エネルギを安定化させることができるので、光吸収又は他の原因によるパルスエネルギのあらゆる短期的又は長期的ドリフトを補正することができる。
上述のように、SMM26は、ビームサイズ及びビーム発散(波面曲率)も測定することができる。一般的に、レーザ出口の開口を利用してレーザからのビームサイズを固定することができる。しかし、レーザからのビーム発散は、光学器械の加熱、レーザエネルギ、レーザ電圧、フッ素エキシマレーザ使用時の放電ガス中のF2濃度による変わる可能性がある。
【0050】
図6及び図7に示すように、ビーム発散及びビームサイズは、BDU24に沿って位置決めすることができる調節可能なビーム拡大器502を使用して能動的に制御することができる。図2に示すように、ビーム拡大器502は、4つのレンズ、すなわち、2つの水平レンズ504A、504B及び2つの垂直レンズ504C、504Dを含むことができる。1つの構成においては、ビーム拡大器502は、約0.30mの長さLを有し、かつ水平軸において12mm、垂直軸において9mmの公称入力部、水平軸において5mm、垂直軸において18mmの公称出力部を有するようにサイズを決めることができる。例示的な構成においては、レンズ504Aは、f=507.0mmの平凸円柱レンズとすることができ、レンズ504Bは、f=202.8mmの平凸円柱レンズとすることができ、レンズ504Cは、f=202.8mmの平凸円柱レンズとすることができ、レンズ504Dは、f=405.6mmの平凸円柱レンズとすることができる。代替構成において、レンズ504A及び504Cは、代わりに単一のレンズを使用することができる。ビーム発散及びビームサイズの変化は、ビーム拡大器レンズの間隔を調節することによって達成することができる。具体的には、レンズ504Aと504Bとの間隔は、水平軸においてビームを変えるように変更することができ、レンズ504Cと504Dとの間隔は、垂直軸においてビームを変えるように変更することができる。一実施形態では、可動レンズを線形電動駆動装置上に取り付けることができる。こうして、拡大器504は、水平方向及び垂直方向のビーム波面の独立した制御を可能にすることができる。
【0051】
先に開示した本発明の実施形態の態様は、好ましい実施形態のみであることを意図したものであり、いかなる点においても本発明の開示内容を特に特定の好ましい実施形態だけに制限することを意図したものではないことが当業者によって理解されるであろう。当業者によって理解かつ認識されることになる開示した発明の実施形態の開示した態様に多くの変更及び修正を行うことができる。特許請求の範囲は、その範囲及び意味において、本発明の実施形態の開示した態様だけではなく、当業者には明らかであろう均等物及び他の修正及び変更も包含するように想定されている。「35 U.S.C.§112」を満たすために必要される詳細において本特許出願で説明かつ示した「ラインビームとして成形されたレーザと基板上に堆積された膜との間の相互作用を実現するためのシステム及び方法」の実施形態の特定的な態様は、上述の実施形態の態様によって解決すれる問題に対する上述の実施形態の態様のあらゆる上述の目的、又は上述の実施形態の態様に対するあらゆる他の理由又はその目的を十分に達成することができるが、本発明の説明した実施形態のここで説明した態様は、単に例示的なものであり、本発明によって広く考えられている内容を示しかつ表すものであることが当業者によって理解されるものとする。実施形態のここで説明して請求した態様の範囲は、本明細書の教示内容に基づいて当業者に現在明らかであるか又は明らかになると考えられる他の実施形態も完全に包含するものである。本発明の「ラインビームとして成形されたレーザと基板上に堆積された膜との間の相互作用を実現するシステム及び方法」の範囲は、特許請求の範囲によってのみ唯一かつ完全に限定され、いかなるものも特許請求の範囲の請求事項を超えるものではない。単数形でのこのような特許請求の範囲中の要素への言及は、明示的に説明されない限り、このような特許請求の範囲の要素を解釈するに際して「1つ及び1つのみ」を意味することを意図せず、かつ意味すべきではなく、むしろ「1つ又はそれよりも多く」を意味するものとする。当業者に公知か又は後で公知になる実施形態の上述の態様の要素のいずれかに対する全ての構造的及び機能的均等物は、明示的な引用により本明細書に組み込まれ、かつ特許請求の範囲によって包含されるように意図されている。本明細書及び/又は特許請求の範囲において使用され、かつ本明細書及び/又は本出願における特許請求の範囲において明示的に意味が与えられたあらゆる用語は、このような用語に対して辞書又は他の一般的に使用される意味に関係なく、そのような意味を有するものとする。実施形態のいずれかの態様として本明細書で説明した装置又は方法は、それが特許請求の範囲によって包含されるために本出願で開示した実施形態の態様によって解決しようとする各及び全ての問題に対処することを意図しておらず、又は必要でもない。本発明の開示のいかなる要素、構成要素、又は方法段階も、その要素、構成要素、又は方法段階が明示的に特許請求の範囲に列挙されているか否かに関係なく、一般的に与えることを意図したものではない。特許請求の範囲における請求項のいかなる要素も、その要素が語句「のための手段」として、又は方法請求項の場合にその要素が「行為」の代わりに「段階」として説明されていない限り、「35 U.S.C.§112」も第6項の規定の下で解釈されないものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膜と成形光学器械によって光源から成形されたラインビームとの相互作用中に、前記膜でエネルギ密度を予め選択した範囲に維持するためのシステムであって、
前記膜は、不完全非平面表面を有し、
前記システムは、
前記膜と前記集束レンズとの間の距離を測定するための自動焦点センサと、
前記測定を利用して光源パラメータを調整して、前記膜で前記エネルギ密度を前記予め選択した範囲に維持するコントローラと、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記光源はパルスレーザ源であり、前記光源パラメータはパルスエネルギであることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記レーザ源はガス放電レーザ源であり、前記パルスエネルギは、レーザ源の放電電圧を変えることによって調節されることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、可変減衰器を調節して、前記膜で前記エネルギ密度を前記予め決められた範囲に維持することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記光源は光源スペクトルを発生し、前記コントローラは、前記光源スペクトルを変えて前記膜で前記エネルギ密度を前記予め決められた範囲に維持することを特徴とする請求項1に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図5J】
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【図5K】
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【図5L】
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【図5M】
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【図5N】
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【図5O】
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【図5P】
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【図5Q】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−21353(P2013−21353A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−209641(P2012−209641)
【出願日】平成24年9月24日(2012.9.24)
【分割の表示】特願2008−513702(P2008−513702)の分割
【原出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(504010648)サイマー インコーポレイテッド (115)
【Fターム(参考)】