説明

ラインヘッドの制御方法およびそれを用いた画像形成装置

【課題】制御回路を簡略にしてコストを低減したラインヘッドの制御方法およびそれを用いた画像形成装置の提供。
【解決手段】基板に有機EL素子が千鳥状に配されており、奇数列の発光体アレイ6と偶数列の発光体アレイ6aが設けられている。ラインヘッドの制御回路1には、データ転送回路2、補正回路3、定電流源回路4が設けられている。5,5aは有機EL素子で感光体の軸方向に沿って1列に配置されて発光体アレイ6、6aを形成している。補正回路3、3aは、同一の発光体アレイで隣接する2つの有機EL素子で共通に使用している。2つの有機EL素子で光量補正値を共有化して同一の補正値とする事で、補正値メモリを共通化している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御回路を簡略にしてコストを低減したラインヘッドの制御方法およびそれを用いた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真方式のトナー像形成手段は、外周面に感光層を有する像担持体としての感光体と、この感光体の外周面を一様に帯電させる帯電手段と、この帯電手段により一様に帯電させられた外周面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像手段とを有している。
【0003】
前記露光手段として、発光体アレイを設けたラインヘッドを用いる技術が知られている。このラインヘッドは、発光体アレイにLEDや有機EL素子のような発光素子を設置している。例えば、特許文献1には、発光体アレイにLEDを用いた例が記載されている。特許文献1の例では、感光体の軸方向(主走査方向)の発光素子の点灯期間内で、LEDアレイブロックごとに、時分割点灯駆動される。この場合、LEDの1画素の点灯時間は数百ns程度と大変短くなるが、感光体に書き込むには、十分なパワーを持っている。
【0004】
図9は、このようなLEDを用いたラインヘッドの制御回路の例を示すブロック図である。図9において、ラインヘッドの制御回路20には、データドライバ21、複数のLED素子22からなるLEDアレイ23a〜23n、スキャンドライバ24が設けられている。このように、LEDアレイ23a〜23nは、基板上の感光体の軸方向(主走査方向)に沿って複数設けられている。スキャンドライバ24には、各LEDアレイ23a〜23nに対応したスイッチ24a〜24nが設けられている。
【0005】
スキャンドライバ24の所定のスイッチ24a〜24nをオンすることにより、対応するLEDアレイ23a〜23nが選択されて、そのLEDアレイに搭載されているLED素子が点灯する。前記のようにLED素子は十分な発光パワーを有しているので、データドライバ21は、各LEDアレイで共有でき、単一のLEDアレイ23aに対応した分を設置すれば足りる。
【0006】
しかしながら、有機EL素子を光源とする有機ELプリントヘッドでは、有機EL素子はLEDほどの発光パワーを有していない。したがって、有機EL素子を駆動するための主走査期間内の時間を全て使って有機EL素子を点灯させなければならないため、全有機EL素子を個別に駆動制御することが必要になる。図10は、有機EL素子を用いたラインヘッドの制御回路の例を示すブロック図である。図10において、ラインヘッドの制御回路30には、データドライバ31a〜31n、複数の有機EL素子32からなる有機ELアレイ33a〜33n、スイッチ34が設けられている。データドライバ31a〜31nは、各有機ELアレイ33a〜33nに対応して設けられているが、データドライバは個別の有機EL素子毎にそれぞれ設けられている。このように、図10の例では全ての有機ELアレイに対応した分のデータドライバが必要となり、ドライバICのコストが嵩むという問題があった。
【0007】
そこで、ドライバICのコストを低減する試みがなされている。図11は、有機EL素子を用いたラインヘッドの制御回路の改良例を示すブロック図である。図11の例においては、有機EL素子32a、32b
を感光体の回動方向(副走査方向、Y方向)に配して、有機EL素子を千鳥画素配列にしている。複数の有機EL素子32aを感光体の軸方向(主走査方向、X方向)に配して発光体アレイ33aを形成し、複数の有機EL素子32bをX方向に配して発光体アレイ33bを形成している。図11の例では、便宜上、感光体の回動方向(Y方向)の上流側に配された発光体アレイ33aを奇数列、下流側に配された発光体アレイ33bを偶数列の発光体アレイと定義する。ラインヘッドの制御回路30aには、各発光体アレイ33a、33b対応で、データ転送回路35a、35b、光量補正回路36a、36b、定電流源回路37a、37bが設けられている。
【0008】
ラインヘッドの制御回路30aは、ドライバICを使用せず、ガラス基板上に、それぞれの有機EL素子32a、32bごとの駆動回路を、TFTを用いた定電流源回路37a、37bで構成している。定電流源回路37a、37bを用いた駆動回路が、有機EL素子32a、32bの上部に配置されている。データ転送回路35a、35bを介して選択された有機EL素子32a、32bは、補正値メモリを含む光量補正回路36a、36bを通し、定電流源回路37a、37bによって点灯される。すなわち、光量補正回路36a、36bに画像データの補正値メモリを設け、各有機EL素子32a、32bの光量補正を行う。
【0009】
【特許文献1】特開2004−284077号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
図11の構成においては、それぞれの有機EL素子の駆動回路は、奇数列の発光体アレイと偶数列の発光体アレイ対応で分割されているが、数十μmの基板幅の中に駆動回路を構成する事になるために、プリントヘッドの幅方向Wxに回路幅が拡張する。このため、駆動回路の幅方向の寸法は、全体として数十mmの幅となり、プリントヘッドの小型化のみならず、プリンタの小型化を阻害するという問題があった。また、補正値メモリも各有機EL素子に対応して設けられているので、メモリの回路規模が大きくなるという問題があった。
【0011】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、制御回路を簡略にしてコストを低減したラインヘッドの制御方法およびそれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する本発明のラインヘッドの制御方法は、
基板の感光体の軸方向に沿って複数配された発光素子からなる発光体アレイを感光体の回動方向に複数設け、前記発光素子の点灯を制御する複数の制御手段を備え、前記それぞれの制御手段は、前記各発光体アレイで複数の発光素子を分割したn個の発光素子(n>2以上の整数)と接続されたラインヘッドを有し、
前記各発光素子の光量補正データを記憶手段に記憶させる段階と、
外部で形成された画像データを受信する段階と、
前記制御手段により前記光量補正データを読み出す段階と、
前記光量補正データを前記分割した発光素子同士に共通して供給する段階と、
からなり、前記画像データを補正して前記発光素子が同一もしくは略同一の光量で発光するように制御することを特徴とする。
【0013】
また、本発明のラインヘッドの制御方法は、前記発光素子の分割は、同一の前記発光体アレイで互いに隣接する発光素子間で行うことを特徴とする。
【0014】
また、本発明のラインヘッドの制御方法は、前記発光素子は、有機EL素子であり、千鳥状に配されることを特徴とする。
【0015】
本発明の画像形成装置は、基板の感光体の軸方向に沿って複数配された有機EL素子からなる発光体アレイを感光体の回動方向に複数設け、
画像データの転送手段と、
前記画像データに基づいて前記有機EL素子の点灯を制御する複数の制御手段と、
前記各有機EL素子に1対1で対応して個別に接続される複数の電流源回路と、
互いに隣接する前記電流源をn個づつに分割して(n>2以上の整数)、対応する個別の前記制御手段に接続する接続線と、
前記各有機EL素子の光量補正データを記憶する記憶手段と、を備えたラインヘッドを有し、
前記n個に分割された各有機EL素子同士に共通の光量補正データを供給して、発光素子が同一もしくは略同一の光量で発光するように点灯制御することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の画像形成装置は、前記転送手段は、1ライン分の画像データを記憶するシフトレジスタと、前記画像データをラッチするラッチ回路を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の画像形成装置は、前記電流源回路は、前記基板上に形成されたTFTからなる定電流源回路であり、前記有機EL素子は千鳥状に配されることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の画像形成装置は、前記いずれかのラインヘッドを各色に対応して複数設け、感光体上で複数色の画像形成を同時に行うことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の画像形成装置は、感光体の周囲に帯電手段と、前記いずれかのラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態の前提となる関連技術につき、図6〜図8で説明する。図6は、図11に対応する回路図である。図6は、有機EL素子を用いたラインヘッド35sの制御回路30xと印刷画像出力制御部38との関係を示している。図6において、35x、36xはデータ転送回路で、画像データを格納するシフトレジスタ35y、36y、画像データをラッチするラッチ回路35z、36z、点灯制御回路35w、36wからなる。35r、36rは光量補正回路と定電流源回路とを組み合わせた回路、32x、32yは有機EL素子、33x、33yは発光体アレイ、34a〜34n、38a〜38nはスイッチである。
【0021】
有機EL素子を用いたラインヘッド35sは、画像出力制御部38と接続されており、ラインヘッド35sの回路動作は、画像出力制御部38により制御される。以下、図11で説明した奇数列の発光素子アレイ33xの制御について説明し、偶数列の発光素子アレイ33yの制御についての説明は省略する。データ点灯を制御するデータ転送回路30xは、前記のように、1ライン分の画像データを格納するシフトレジスタ35yと、画像データをラッチするラッチ回路35zと、ラッチされた画像データに応じて有機EL素子の点灯を制御する点灯制御回路35wから構成される。シフトレジスタ35yは、スタート(Start)パルスで起動し、クロック信号(CLK)に同期してデータ(DATA)信号がシフトして、1ライン分の画像データが格納される。
【0022】
シフトレジスタ35yに格納された1ライン分の画像データは、ラッチ(Latch)信号によりラッチされ、そのラッチデータにもとづいて、ストローブ(STB)信号により、全画素が点灯制御される。なお、図6の例では、各有機EL素子のDATA信号D1、D3・・・は、点灯ON/OFF信号である。また、補正回路は、後述するように画像データを補正するデータを記憶する補正メモリと、定電流回路を含み、有機EL素子が均一に発光するように制御する。
【0023】
図7、図8は、図6に対応する光量補正回路と定電流源回路とを組み合わせた回路を示す回路図である。図7は、奇数列の発光体アレイの制御回路に相当し、図8は、偶数列の発光体アレイの制御回路に相当する。
奇数列の発光体アレイは、図7に示された発光素子5n〜5n+6を有している。また、偶数列の発光体アレイは、図8に示された発光素子5n+1〜5n+7を有している。以下、図7の奇数列の発光体アレイの制御について説明し、図8の偶数列の発光体アレイの制御については説明を省略する。図7において、補正回路は、補正値メモリ7と、その補正値に応じた電流を供給する3個のトランジスタ8からなる定電流源回路4a〜4dと、スイッチ(10a、11a、12a)〜(10d、11d、12d)、で構成される。9は有機EL素子5n〜5n+6を接地線と接続するスイッチ、スイッチ(10a、11a、12a)〜(10d、11d、12d)は、各有機EL素子5n〜5n+6に定電流源回路4a〜4dの電流を供給する。各定電流源回路4a〜4dの3個のトランジスタ8の供給電流は、I1:I2:I4=1:2:4となるように選定された定電流源として機能する。トランジスタ8は基板上に形成されたFET構成で、ソースに電源電圧VELが印加され、ゲートに基準電圧Vrefが印加される。
【0024】
補正値メモリ7は、3ビットの容量で有機EL素子5n〜5n+6に流れる電流は、補正ビットの値に応じて、7段階の電流値(I1〜I7)に設定される。ビット値が「0」の場合には、スイッチ10〜12がすべてオフで、有機EL素子5n〜5n+6には電流は流れない。図7(a)は、スイッチ12aがオンで、有機EL素子5nにはI4の電流、すなわち、電流値「4」が流れる。図7(b)は、スイッチ11b、12bがオンで、有機EL素子5n+2にはI6=I2+I4の電流、すなわち、電流値「6」が流れる。
【0025】
図7(c)は、スイッチ10cがオンで、有機EL素子5n+4にはI1の電流、すなわち、電流値「1」が流れる。図7(d)は、スイッチ10d、11dがオンで、有機EL素子5n+6にはI3=I1+I2の電流、すなわち、電流値「3」が流れる。図示を省略しているが、補正値メモリ7の回路構成は、例えばSRAMなどでは、1ビットあたり4〜6トランジスタで構成される。このため、図7、図8の構成では、補正値メモリの占める回路面積は大きなものとなり、スペースが増大し、コストが高くなるという問題がある。
【0026】
本発明の実施形態においては、このような補正値メモリの構成を改良するものである。図1は、本発明の実施形態を示す回路図である。図1において、ラインヘッドの制御回路1には、データ転送回路2、2a、補正回路3、3a、定電流源回路4、4xが設けられている。5、5aは有機EL素子で、感光体の軸方向に沿って1列に配置されて発光体アレイ6、6aを形成している。有機EL素子5、5aは、千鳥状に配されている。Ea〜En+1、Fa〜Fn+1は、定電流源回路4、4aを補正回路3に接続する接続線である。定電流源回路4、4xは、1対1で有機EL素子5、5aと対応して設けられている。一対の定電流源回路4は、それぞれ補正回路3(p、q、r・・)に接続され、一対の定電流源回路4xは、それぞれ補正回路3a(u、v、w・・)に接続される。図1の例では、互いに隣接する複数の定電流源回路4は、接続線Ea、Ebにより共通の補正回路3に接続され、互いに隣接する複数の定電流源回路4xも、接続線Fa、Fbにより共通の補正回路3aに接続される。
【0027】
このように、図1の例では、補正回路3、3aは隣接する2つの有機EL素子で共通に使用している。この点について、図3、図4の回路図で説明する。図3、図4において、図7、図8と同じところには同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。以下、図3の奇数列の発光体アレイ6の制御の例について説明する。図3(a)の例では、基板上の感光体の軸方向に沿って第n番目の有機EL素子5nと第n+2番目の有機EL素子5n+2に電流を供給する例を示している。
【0028】
図3(a)では、定電流源回路4aと4bのスイッチ10a、10bおよびスイッチ12a、12bが共にオンであり、有機EL素子5n、5n+2にはI5の電流が流れる。ここで、I5=I1+I4、であり、I5=「1」+「4」=「5」の電流値が流れる。また、図3(b)は、基板上の感光体の軸方向に沿って第n+4番目の有機EL素子5n+4と、第n+6番目の有機EL素子5n+6に電流を供給する例を示している。図3(b)では、定電流源回路4cと4dのスイッチ11c、11dがオンであり、有機EL素子5n+4、5n+6にはI2の電流が流れる。ここで、I2=「2」の電流値が流れる。
【0029】
このように、図3では補正値メモリ7を互いに隣接する2つの有機EL素子で共通化している。すなわち、2つの有機EL素子同士で光量補正値を共有化して同一の補正値とする事で、補正値メモリを共通化している。このため、メモリの回路規模を削減し、図1において、基板の幅方向の回路サイズWaを大巾に減少させることができる。図4の偶数列の発光素子アレイの制御回路も、奇数列の発光素子アレイの制御回路と同じ構成であり、全体として基板の幅方向の回路サイズWaを減少させることができる。なお、二つの光量補正値を同一の補正値としても、その値を二つの補正値の平均値にするなどすれば、印字性能を劣化させるものではない。
【0030】
図2は、本発明の異なる実施形態を示す回路図である。図1と同じところには同一の符号を付しており詳細な説明は省略する。図2の例では、補正回路3、3aを互いに隣接する3つの有機EL素子5、5aで共通化するものである。図2の例では、3つの有機EL素子ごとに光量補正値を共有化して同一の補正値とする事で、補正値メモリを共通化している。このため、図1の例よりもさらに回路規模を削減し、基板の幅方向の回路サイズWbを大巾に減少させている。なお、互いに隣接する4つ以上の有機EL素子の補正値を共通化すると、さらに基板の幅方向の回路サイズが削減できる。このように、奇数列、または偶数列の発光素子アレイに設けられている発光素子に対して、互いに隣接するn個(n>2以上の整数)の発光素子を分割して、それぞれに対応する補正回路に接続することにより、各発光素子と補正回路との配線処理も簡素化できる。
【0031】
本発明の実施形態においては、ドライバICを使って駆動する場合も同様の効果があり、ドライバICの端子数や光量補正値のメモリサイズを削減できる。上記の例では、隣接する有機EL素子同士で分割して補正値メモリのデータを共用しているが、分割の際に隣接する有機EL素子同士でない場合にも適用できる。この場合にも、光量補正値のメモリサイズを削減できる。また、分割される有機EL素子数も同数でない場合にも適用できる。例えば、有機EL素子の分割数を「2,3、3、2・・・」とすることもできる。なお、本発明の実施形態では、発光素子が同一もしくは略同一の光量で発光するように制御するものであるが、略同一の光量とは、基準値の±1%の光量である。
【0032】
本発明の実施形態においては、4つの感光体に4つのラインヘッドで露光し、4色の画像を同時に形成し、1つの無端状中間転写ベルト(中間転写媒体)に転写する、タンデム式カラープリンター(画像形成装置)に用いるラインヘッドを対象としている。図5は、発光素子として有機EL素子を用いたタンデム式画像形成装置の一例を示す縦断側面図である。この画像形成装置は、同様な構成の4個の発光体アレイ(ラインヘッド)101K、101C、101M、101Yを、対応する同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)41K、41C、41M、41Yの露光位置にそれぞれ配置したものであり、タンデム方式の画像形成装置として構成されている。
【0033】
図5に示すように、この画像形成装置は、駆動ローラ51と従動ローラ52とテンションローラ53が設けられており、テンションローラ53によりテンションを加えて張架されて、図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト(中間転写媒体)50を備えている。この中間転写ベルト50に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体41K、41C、41M、41Yが配置される。
【0034】
前記符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体41K、41C、41M、41Yは、中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向(時計方向)へ回転駆動される。各感光体41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を、感光体41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の上記のようなラインヘッド101(K、C、M、Y)が設けられている。
【0035】
また、このラインヘッド101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とを有している。101(K、C、M、Y)のアレイ方向が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置される。そして、各ラインヘッド101(K、C、M、Y)の発光エネルギーピーク波長と、感光体41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定する。現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤-(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
【0036】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写され、中間転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
【0037】
なお、図5中、63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、67は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、69は二次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0038】
以上、本発明のラインヘッドの制御方法と画像形成装置をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図3】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図4】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図5】本発明の電子写真プロセスを用いた画像形成装置の1実施例の全体構成を示す模式的断面図である。
【図6】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図7】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図8】本発明の実施形態を示す回路図である。
【図9】従来例を示すブロック図である。
【図10】従来例を示すブロック図である。
【図11】従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・制御回路、2、2a・・・データ転送回路、3、3a・・・補正回路、4、4a・・・定電流源回路、5、5a・・・有機EL素子、6、6a・・・発光体アレイ、7・・・補正メモリ、8・・・トランジスタ、9・・・スイッチ、35y、36y・・・シフトレジスタ、35z、36z・・・ラッチ回路、35w、36w・・・点灯制御回路、38・・・画像出力制御部、41(K、C、M、Y)・・・感光体ドラム(像担持体)、42(K、C、M、Y)・・・帯電手段(コロナ帯電器)、44(K、C、M、Y)・・・現像装置、45(K、C、M、Y)・・・一次転写ローラ、66・・・二次転写ローラ、101K、101C、101M、101Y・・・ラインヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の感光体の軸方向に沿って複数配された発光素子からなる発光体アレイを感光体の回動方向に複数設け、前記発光素子の点灯を制御する複数の制御手段を備え、前記それぞれの制御手段は、前記各発光体アレイで複数の発光素子を分割したn個の発光素子(n>2以上の整数)と接続されたラインヘッドを有し、
前記各発光素子の光量補正データを記憶手段に記憶させる段階と、
外部で形成された画像データを受信する段階と、
前記制御手段により前記光量補正データを読み出す段階と、
前記光量補正データを前記分割した発光素子同士に共通して供給する段階と、
からなり、前記画像データを補正して前記発光素子が同一もしくは略同一の光量で発光するように制御することを特徴とする、ラインヘッドの制御方法。
【請求項2】
前記発光素子の分割は、同一の前記発光体アレイで互いに隣接する発光素子間で行うことを特徴とする、請求項1に記載のラインヘッドの制御方法。
【請求項3】
前記発光素子は有機EL素子であり、千鳥状に配されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のラインヘッドの制御方法。
【請求項4】
基板の感光体の軸方向に沿って複数配された有機EL素子からなる発光体アレイを感光体の回動方向に複数設け、
画像データの転送手段と、
前記画像データに基づいて前記有機EL素子の点灯を制御する複数の制御手段と、
前記各有機EL素子に1対1で対応して個別に接続される複数の電流源回路と、
互いに隣接する前記電流源をn個づつに分割して(n>2以上の整数)、分割された前記電流源毎に対応する個別の前記制御手段に接続する接続線と、
前記各有機EL素子の光量補正データを記憶する記憶手段と、を備えたラインヘッドを有し、
前記n個に分割された各有機EL素子同士に共通の光量補正データを供給して、発光素子が同一もしくは略同一の光量で発光するように点灯制御することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項5】
前記転送手段は、1ライン分の画像データを記憶するシフトレジスタと、前記画像データをラッチするラッチ回路を含むことを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記電流源回路は、前記基板上に形成されたTFTからなる定電流源回路であり、前記有機EL素子は千鳥状に配されることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記ラインヘッドを各色に対応して複数設け、感光体上で複数色の画像形成を同時に行うことを特徴とする、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項8】
感光体の周囲に帯電手段と、請求項4ないし請求項6のいずれか1つに記載のラインヘッドと、現像手段と、転写手段との各画像形成用ユニットを配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、タンデム方式で画像形成を行うことを特徴とする、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−184161(P2009−184161A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24683(P2008−24683)
【出願日】平成20年2月5日(2008.2.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】