説明

リアサスペンションのスプリングの支持構造

【課題】リアサイドメンバの剛性を向上させて操縦安定性を良くすることができるリアサスペンションのスプリングの支持構造を提供する。
【解決手段】リアサスペンションのスプリングの支持構造であって、リアサイドメンバ2にリアクロスメンバ3がリアクロスメンバエクステンション5を介して接続され、リアクロスメンバエクステンション5の車両側方側W2の端部がリアサイドメンバ2の下方を通過してリアサイドメンバ2の車両側方側W2に延出し、その延出部12がリアサイドメンバ2の下面と車両側方側W2の側面6Sに溶接接合され、コイルスプリング1の上端部を受け止めるコイルスプリングブラケット10がリアクロスメンバエクステンション5の下面に接合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
リアサスペンション用のコイルスプリングの上端部をリアサイドメンバで支持するリアサスペンションのスプリングの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
リアサイドメンバはリアサスペンション用のコイルスプリングの上端部を支持しており、車両の走行中のサスペンションの動きに伴ってコイルスプリングから繰り返し荷重を受ける。そのためにリアサイドメンバには剛性と耐久性が必要になる。
そこで、従来、特許文献1に開示されているように、コイルスプリングの上端部を支持するリアサイドメンバの支持部の車両中央側の側面にリアクロスメンバの車両側方側の端面を当接させて接合し、リアサイドメンバの内部に隔壁を形成してあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1−56368号公報
【特許文献2】実開昭63−53873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の構造によれば、リアサイドメンバの車両中央側の側面にリアクロスメンバの車両側方側の端面を当接させて接合しただけの構造であったために、コイルスプリングから受ける繰り返し荷重でリアサイドメンバの車両側方側の側面が車両側方側に開きやすく、リアサイドメンバの剛性が確保できず操縦安定性の向上が難しかった。
本発明は上記実状に鑑みて成されたもので、その目的は、リアサイドメンバの剛性を向上させることができて操縦安定性を良くすることができるリアサスペンションのスプリングの支持構造を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特徴は、
リアサスペンション用のコイルスプリングの上端部をリアサイドメンバで支持するリアサスペンションのスプリングの支持構造であって、
前記リアサイドメンバにリアクロスメンバがリアクロスメンバエクステンションを介して接続され、
前記リアクロスメンバエクステンションの車両側方側の端部が前記リアサイドメンバの下方を通過して前記リアサイドメンバの車両側方側に延出し、その延出部が前記リアサイドメンバの下面と車両側方側の側面に溶接接合され、
前記コイルスプリングの上端部を受け止めるコイルスプリングブラケットが前記リアクロスメンバエクステンションの下面に接合されている点にある。(請求項1)
【0006】
上記の構成によれば、コイルスプリングからの荷重は、リアクロスメンバエクステンションの下面に接合されたコイルスプリングブラケットを介してリアサイドメンバに入力する。
そして、上記の構成では、リアサイドメンバにリアクロスメンバがリアクロスメンバエクステンションを介して接続され、リアクロスメンバエクステンションの車両側方側の端部がリアサイドメンバの下方を通過してリアサイドメンバの車両側方側に延出し、その延出部がリアサイドメンバの下面と車両側方側の側面に溶接接合されているから、リアサイドメンバとリアクロスメンバエクステンションとの結合部の結合剛性が向上し、リアサイドメンバの車両側方側の側面をリアクロスメンバで強固に保持することができる。
その結果、リアサイドメンバの車両側方側の側面がコイルスプリングから荷重を繰り返し受けても前記側面が車両側方側に開きにくくすることができ、リアサイドメンバの剛性を向上させることができて操縦安定性を良くすることができる。
また、リアサイドメンバとリアクロスメンバの間にリアクロスメンバエクステンションを介在させることで組み付け工程の自由度を確保することができるとともに、リアサイドメンバとリアクロスメンバの結合部の剛性を効果的に向上させることができる。(請求項1)
【0007】
本発明において、
前記リアサイドメンバは車両側方側の外側側壁と車両中央側の内側側壁と底壁を備え、
前記リアクロスメンバエクステンションは車両前方側の前壁と車両後方側の後壁と底壁を備え、
前記リアクロスメンバエクステンションの底壁に前記延出部が設けられて、前記延出部が前記リアサイドメンバの底壁の下面と前記外側側壁の側面に溶接接合されていると、次の作用を奏することができる。(請求項2)
【0008】
リアサイドメンバの外側側壁の側面をリアクロスメンバで強固に保持することができる。その結果、リアサイドメンバの外側側壁がコイルスプリングから荷重を繰り返し受けても外側側壁が車両側方側に開きにくくすることができ、リアサイドメンバの剛性を向上させることができて操縦安定性を良くすることができる。(請求項2)
【0009】
本発明において、
前記コイルスプリングブラケットの径方向の中心は前記リアサイドメンバの内側側壁付近に位置し、
前記内側側壁の車両中央側の側面と前記リアクロスメンバエクステンションの底壁の上面とにコイルスプリングリンフォースが架設され、
前記コイルスプリングリンフォースの上端部が前記内側側壁の車両中央側の側面に溶接接合され、
前記コイルスプリングリンフォースの下端部と前記コイルスプリングブラケットが前記リアクロスメンバエクステンションの底壁を挟み込み、前記コイルスプリングリンフォースの下端部と前記リアクロスメンバエクステンションの底壁と前記コイルスプリングブラケットが一体に溶接接合されていると、次の作用を奏することができる。(請求項3)
【0010】
コイルスプリングリンフォースは、リアサイドメンバに対して車両中央側に突出したコイルスプリング部分の上方に位置し、コイルスプリングからの荷重を受け止めてこの荷重をリアサイドメンバの内側側壁に伝える。これにより、リアサイドメンバの剛性のある内側側壁で前記荷重を確実に支持することができる。
また、コイルスプリングリンフォースの下端部とコイルスプリングブラケットがリアクロスメンバエクステンションの底壁を挟み込み、コイルスプリングリンフォースの下端部とリアクロスメンバエクステンションの底壁とコイルスプリングブラケットが一体に溶接接合されているから、コイルスプリングリンフォースの下端部とリアクロスメンバエクステンションの底壁とコイルスプリングブラケットを強固に一体化することができる。(請求項3)
【0011】
本発明において、
前記リアクロスメンバエクステンションの側方に位置する前記リアサイドメンバの外側側壁と内側側壁が、サイドメンバブレースに設けられた車両前方側の前壁と車両後方側の後壁で連結され、
前記サイドメンバブレースの前壁と前記リアクロスメンバエクステンションの前壁が車両前後方向でほぼ同一位置に位置し、
前記サイドメンバブレースの後壁と前記リアクロスメンバエクステンションの後壁が車両前後方向でほぼ同一位置に位置していると、次の作用を奏することができる。(請求項4)
【0012】
サイドメンバブレースでリアサイドメンバとリアクロスメンバの接続部の剛性を向上させることができ、リアサイドメンバの外側側壁と内側側壁の剛性を向上させることができて、コイルスプリングからの荷重をリアサイドメンバで確実に受け止めることができる。(請求項4)
【0013】
本発明において、
前記サイドメンバブレースの前壁の上端部と後壁の上端部を連結する上壁が前記サイドメンバブレースに設けられて、前記上壁で前記リアサイドメンバの外側側壁と内側側壁が連結され、
前記サイドメンバブレースの上壁の車両中央側の端部にフランジが形成され、
前記サイドメンバブレースの上壁のフランジと前記コイルスプリングリンフォースの上端部が前記リアサイドメンバの内側側壁の上端部を挟み込み、前記サイドメンバブレースの上壁のフランジと前記リアサイドメンバの内側側壁の上端部と前記コイルスプリングリンフォースの上端部とが一体に溶接接合されていると、次の作用を奏することができる。(請求項5)
【0014】
サイドメンバブレースの上壁でリアサイドメンバの外側側壁と内側側壁が連結されているから、リアサイドメンバの外側側壁と内側側壁の剛性をより向上させることができて、コイルスプリングからの荷重をリアサイドメンバでより確実に受け止めることができる。
そして、サイドメンバブレースの上壁の車両中央側の端部にフランジが形成され、
サイドメンバブレースの上壁のフランジとコイルスプリングリンフォースの上端部がリアサイドメンバの内側側壁の上端部を挟み込み、サイドメンバブレースの上壁のフランジとリアサイドメンバの内側側壁の上端部とコイルスプリングリンフォースの上端部とが一体に溶接接合されているから、サイドメンバブレースの上壁のフランジとリアサイドメンバの内側側壁の上端部とコイルスプリングリンフォースの上端部とを強固に一体化することができて、リアサイドメンバの内側側壁の剛性をより確実に向上させることができる。(請求項5)
【0015】
本発明において、
前記サイドメンバブレースの前壁と後壁の間で、前記リアサイドメンバの底壁と前記リアクロスメンバエクステンションの底壁と前記コイルスプリングブラケットとが一体に溶接接合されていると、次の作用を奏することができる。(請求項6)
【0016】
サイドメンバブレースによって剛性が向上しているリアサイドメンバ部分(サイドメンバブレースの前壁と後壁の間のリアサイドメンバ部分)でコイルスプリングの上端部を支持することができ、コイルスプリングからの荷重をリアサイドメンバて確実に受け止めることができる。(請求項6)
【0017】
本発明において、
前記リアサイドメンバの内側側壁の上端部にフロアパネルに接合されるフランジが形成され、
前記リアサイドメンバの外側側壁の上方に車体側部を補強する補強部材が配置され、
前記リアクロスメンバエクステンションの前壁と後壁の間に位置する前記内側側壁のフランジ部分が前記補強部材にリアフロアサイドブレースを介して連結されていると、次の作用を奏することができる。(請求項7)
【0018】
リアサイドメンバの上方は車室が形成されて、リアサイドメンバの車両中央側の内側側壁の上方にはフロアパネルが配置されているのみであるが、上記構成によれば、リアクロスメンバエクステンションの前壁と後壁の間に位置する前記内側側壁のフランジ部分が上部車体の補強構造物である前記補強部材にリアフロアサイドブレースを介して連結されているから、前記内側側壁に加わる荷重を、車体側部を補強する補強部材で支持することができてリアサイドメンバのねじれが防止でき、コイルスプリングからの荷重をリアサイドメンバで確実に受け止めることができる。(請求項7)
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、リアサイドメンバの剛性を向上させて操縦安定性を良くすることができるリアサスペンションのスプリングの支持構造を提供する
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】車体後部を車両中央側の上方から見た斜視図
【図2】リアサスペンションのスプリングの支持構造を前上方から見た斜視図
【図3】リアサスペンションのスプリングの支持構造を車両中央側の上方から見た斜視図
【図4】図3のA−A断面図
【図5】リアサスペンションのスプリングの支持構造の平面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図2〜図4に、リアサスペンション用の左右一対のコイルスプリング1の上端部を車両前後方向に沿う左右一対のリアサイドメンバ2で各別に支持するリアサスペンションのスプリングの支持構造を示してある。
【0022】
リアサイドメンバ2には車幅方向に沿うリアクロスメンバ3がリアクロスメンバエクステンション5を介して接続されて、左右のリアサイドメンバ2が連結されている。このように、リアサイドメンバ2とリアクロスメンバ3の間にリアクロスメンバエクステンション5を介在させることで組み付け工程の自由度を確保してある。図1に示すように、リアサイドメンバ2とリアクロスメンバ3の接続部の車両側方側W2に後輪用のホイールハウス4が形成されている。
【0023】
[リアサイドメンバ2の構造]
リアサイドメンバ2は、車体後部のリアフロアパネルの下に車両前後方向に沿って左右一対配置される車体の骨格部材であって、図4に示すように、前記リアサイドメンバ2は車両側方側W2(車幅方向外側)の外側側壁6と車両中央側W1(車幅方向内側)の内側側壁7と底壁2Tを備えている。外側側壁6と内側側壁7は上広がりの形状に形成され、内側側壁7の上端部に車両中央側に向けて屈曲して張り出すフランジ7Fが形成されている。そして、このフランジ7Fがリアフロアのフロアパネル8の下面8Kに重ねられて溶接接合(スポット溶接)されて、リアサイドメンバ2とフロアパネル8とで閉じ断面を形成している。
【0024】
前記外側側壁6は内側側壁7のフランジ7Fよりも上方に延出し、その延出した上端部6Jがフロアパネル8の車両側方側W2の端縁から上方に屈曲して形成された立ち上がり壁8Jとホイールハウスインナパネル9の下端縁に挟み込まれている。そして、前記立ち上がり壁8Jと前記外側側壁6の上端部6Jとホイールハウスインナパネル9とが一体に溶接接合(スポット溶接)されている。そして、前記したように、リアサイドメンバ2とフロアパネル8とで閉じ断面を形成している。
【0025】
コイルスプリング1は軸芯が上方側ほど車両中央側W1に位置するように傾斜していることから、リアサイドメンバ2の底壁2Tを車両中央側W1ほど下方に位置するように傾斜させて、前記底壁2Tによるコイルスプリング1の支持状態を安定化させてある。これによって、後述のコイルスプリングブラケット10の形状及びその取り付けを簡単にすることができる。リアサイドメンバ2の幅(底壁2Tの幅)は後述のコイルスプリングブラケット10の直径よりも幅狭に設定されている。
【0026】
[リアクロスメンバ3の構造]
リアクロスメンバ3は、車体後部のリアフロアパネルの下に車両幅方向に沿って配置され、その車幅方向の端部が左右のリアサイドメンバ2に結合される車体の骨格部材であって、リアクロスメンバ3は上側開放の断面ハット形状に形成され、上端部のフランジ3Fがフロアパネル8の下面8Kに溶接接合されて、リアクロスメンバ3とフロアパネル8で閉じ断面を形成している。本発明の実施の形態では、リアクロスメンバ3がリアフロアのスペアタイヤ収納凹部11(図1参照)と近接配置されており、スペアタイヤ収納凹部11の前端部付近ではリアクロスメンバ3は断面L字形に形成されている。
【0027】
スペアタイヤ収納凹部11の前端部付近ではこのリアクロスメンバ3がスペアタイヤ収容凹部11の前壁とフロアパネル8に溶接接合され、スペアタイヤ収容凹部11の前壁を利用して、スペアタイヤ収容凹部11の前壁とフロアパネル8とリアクロスメンバ3のL字形部35(図2,図3参照)とで閉じ断面を形成している。リアフロアのスペアタイヤ収納凹部11の前端部付近でリアクロスメンバ3を断面L字形に形成したことで、リアクロスメンバ3を軽量化させることができ、断面形状を大きくすることができて剛性を向上させることができる。
【0028】
[リアクロスメンバエクステンション5の構造]
リアクロスメンバエクステンション5は、車体後部のリアフロアパネルの下に配置され、リアクロスメンバ3の車幅方向の端部を左右のリアサイドメンバ2に結合する部材であって、図3,図4に示すように、リアクロスメンバエクステンション5は車両前方側Frの前壁5Zと車両後方側Rrの後壁5Gと底壁5Tを備えた上側開放の断面ハット形状に形成され、前壁5Zの上端部のフランジ5Fと後壁5Gの上端部のフランジ5Fがフロアパネル8の下面8Kに重ねられて溶接接合(スポット溶接)されて、リアクロスメンバエクステンション5とフロアパネル8で閉じ断面を形成している。
【0029】
リアクロスメンバエクステンション5の車両中央側W1の端部はリアクロスメンバ3の端部と同一幅に設定され、車両側方側W2のリアクロスメンバエクステンション5の端部はリアクロスメンバエクステンション5の車両中央側W1の端部よりも幅狭に設定されている。車両中央側W1のリアクロスメンバエクステンション部分5Aの前壁5Zと後壁5Gは車両側方側W2に向かうに従ってその間隔が狭くなるように形成され、車両側方側W2のリアクロスメンバエクステンション部分5Bの前壁5Zと後壁5Gは車幅方向に沿う互いにほぼ平行なストレート壁状に形成されている。つまり、本発明の実施の形態では、スペアタイヤ収容凹部11の前壁を利用してリアクロスメンバ3の閉じ断面が構成されているので、車両の中央部分に対して左右が車両後方側となるように屈曲しているスペアタイヤ収容凹部11の前壁の形状に向かうように、リアクロスメンバエクステンション部分5Aの後壁5Gは車両中央側W1に向かうに従って車両の後方となるように形成されており、スペアタイヤ収容凹部11の前壁との結合部の剛性を向上させている。
【0030】
車両中央側W1のリアクロスメンバエクステンション部分5Aの後壁5Gは、車両中央側W1ほど高さ寸法が短く、かつ、車両中央側W1ほど車両後方側Rrに位置するように形成されて、前記スペアタイヤ収容凹部11の前壁に滑らかに接続している。
【0031】
図2,図3に示すように、リアクロスメンバエクステンション5の前壁5Zの車両側方側W2の端部に車両前方側Frに延びるフランジ5Fが形成され、リアクロスメンバエクステンション5の後壁5Gの車両側方側W2の端部に車両後方側Rrに延びるフランジ5Fが形成されて、両フランジ5Fがリアサイドメンバ2の内側側壁7に車両中央側W1から溶接接合されている。これにより、リアクロスメンバ3とフロアパネル8で形成される閉じ断面をリアサイドメンバ2側まで連続させることができる。なお、図2,図3及び後述する図5では、説明の便宜上、フロアパネル8は省略している。
【0032】
図4に示すように、リアクロスメンバエクステンション5の車両側方側W2の端部がリアサイドメンバ2の下方を通過してリアサイドメンバ2の車両側方側W2に延出し、その延出部12がリアサイドメンバ2の下面2T1と車両側方側W2の側面6Sに溶接接合されている。すなわち、リアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tの車両側方側W2の端部に車両側方側W2に延出する前記延出部12が設けられて、延出部12がリアサイドメンバ2の底壁2Tの下面2T1と外側側壁6の車両側方側W2を向く側面6S(外側面)とに溶接接合されている。外側側壁6の側面6Sに溶接接合される延出部12の延出端部12Aは上方に折曲している。これにより、リアサイドメンバ2とリアクロスメンバエクステンション5とが強固に接合され、コイルスプリング1から入力される力でこの接合部が変形することを防止できる。
【0033】
リアクロスメンバエクステンション5の底壁5T(延出部12を含む)は、後述のコイルスプリングブラケット10を取り付けることができるような十分な広さを有している。つまり、前記底壁5Tはコイルスプリングブラケット10の直径よりも車両前後方向に長く形成されている。これにより、コイルスプリング1から入力される力は、コイルスプリングブラケット10及びリアクロスメンバエクステンション5の底壁5T(延出部12を含む)によって、リアサイドメンバ2とリアクロスメンバエクステンション5に分配することができる。
【0034】
[コイルスプリングブラケット10の構造]
図4に示すように、コイルスプリング1の上端部を受け止めてこの上端部の位置を保持するコイルスプリングブラケット10がリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tの下面に溶接接合されている。コイルスプリングブラケット10にはゴム状弾性体から成るリング状のスプリングシート14が装着されている。
【0035】
コイルスプリングブラケット10は、下広がりのテーパ円筒状の周壁16を備えた上下逆向きの皿状のスプリングシート受け28と、スプリングシート受け28の径方向中央部から下方に突出する上下逆向きの円錐台形状の凸部13とから成る。
【0036】
スプリングシート14は、前記凸部13に外嵌する嵌合筒部15と、嵌合筒部15の上端部から径方向外方側に張り出してコイルスプリングブラケット10の周壁16に内嵌するコイルスプリング受け17とを備えている。コイルスプリング受け17は円板状に形成され、コイルスプリング受け17の外周面が下広がりのテーパ面に形成されている。そして、前記嵌合筒部15が前記凸部13に外嵌し、前記コイルスプリング受け17がコイルスプリングブラケット10の周壁16に内嵌している。この組み付け状態でスプリングシート14のコイルスプリング受け17がコイルスプリング1の上端部を上方から受け止め支持している。
【0037】
上記のように、コイルスプリングブラケット10の周壁16が下広がりに形成され、スプリングシート14のコイルスプリング受け17の外周面が下広がりのテーパ面に形成されているから、コイルスプリング受け17をコイルスプリングブラケット10の周壁16に嵌合させやすくて嵌合作業を容易に行うことができ、しかも、スプリングシート14がコイルスプリングブラケット10の周壁16から外れにくく(嵌合解除されにくく)することができる。
【0038】
コイルスプリング1の直径はリアサイドメンバ2の幅よりも大きく設定され、コイルスプリングブラケット10の径方向の中心Oが平面視においてリアサイドメンバ2の内側側壁7付近に位置している。つまり、コイルスプリングブラケット10の車両中央側W1の半分はリアサイドメンバ2よりも車両中央側W1に位置する。
【0039】
車両側方側W2のコイルスプリングブラケット部分10Bのスプリングシート受け28はリアサイドメンバ2の底壁2Tとリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tに重ねられて溶接接合(スポット溶接)され、車両中央側W1のコイルスプリングブラケット部分10Aのスプリングシート受け28は後述のコイルスプリングリンフォース18の下端部のフランジ18Fとリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tに重ねられて溶接接合されている。これにより、コイルスプリング1からリアクロスメンバエクステンション5の下面に加えられる荷重をコイルスプリングブラケット10で確実に支持することができる。
また、コイルスプリングブラケット10の径方向の中心Oが車幅方向でリアサイドメンバ2の内側側壁7付近に位置しているから、コイルスプリング1から加えられる荷重をリアサイドメンバ2の内側側壁7で確実に支持することができる。
さらに、コイルスプリングブラケット10の前後端部は、それぞれリアクロスメンバエクステンション5の車両中央側W1の部分5Aの前壁5Zと後壁5Gの付近に配置されているとともに、後述するサイドメンバブレース19の前壁19Zと後壁19Gの付近に配置されている。つまり、コイルスプリング1から加えられる荷重は、リアクロスメンバエクステンション5の前壁5Zと後壁5G及びサイドメンバブレース19の前壁19Zと後壁19Gが接続されて補強されているリアサイドメンバ2の内側側壁7にて確実に支持することができる。
【0040】
[コイルスプリングリンフォース18の構造]
コイルスプリングリンフォース18は、リアクロスメンバエクステンション5の内部に配置される板状の部材であって、図2〜図4に示すように、リアサイドメンバ2の内側側壁7の車両中央側W1の側面7Nとリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tの上面5T1とにコイルスプリングリンフォース18が下端部側ほど車両中央側W1に位置する状態に架設されている。このコイルスプリングリンフォース18はリアクロスメンバエクステンション5の内部空間を区切ってリアクロスメンバエクステンション5の剛性を向上させるバルクヘッドとしての機能を有する。
【0041】
コイルスプリングリンフォース18の上端部18Jはリアサイドメンバ2の内側側壁7の車両中央側W1の側面7Nに車両中央側W1から重ね合わされている。そして、コイルスプリングリンフォース18の上端部18Jと後述のサイドメンバブレース19の上壁19Jのフランジ19Fとリアサイドメンバ2の内側側壁7とが一体に溶接接合されている。
【0042】
また、コイルスプリングリンフォース18の下端部に形成された車両中央側W1に張り出すフランジ18Fとリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tと車両中央側W1のコイルスプリングブラケット部分10Aのスプリングシート受け28とが一体に溶接接合されている。
【0043】
さらに、コイルスプリングリンフォース18の車両前方側Frの端部に形成された車両中央側W1に張り出すフランジ18F(図3参照)がリアクロスメンバエクステンション5の前壁5Zの内面(車両後方側Rrの面)に溶接接合されるとともに、コイルスプリングリンフォース18の車両後方側Rrの端部に形成された車両中央側W1に張り出すフランジ18Fがリアクロスメンバエクステンション5の後壁5Gの内面(車両前方側Frの面)に溶接接合されている(図2参照)。
【0044】
コイルスプリングリンフォース18の上部には、車両中央側W1に凸の断面円弧状のビード20が車両前後方向に沿って形成されている。ビード20はコイルスプリングリンフォース18の上端部18Jとリアサイドメンバ2の内側側壁7との溶接部よりも下方に位置する。これにより、コイルスプリングリンフォース18の剛性が強くなっている。また、コイルスプリングリンフォース18の中央部に塗料流通用及び軽量化用の貫通孔Hが形成されている。
【0045】
上記のように、コイルスプリングリンフォース18は、リアサイドメンバ2に対して車両中央側W1に突出したコイルスプリング部分10Aの上方に位置し、コイルスプリング部分10Aの上方に、リアサイドメンバ2の内側側壁7とリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tとで剛性の高い断面三角形の閉じ断面を形成し、コイルスプリング1からの荷重を受け止めてこの荷重をリアサイドメンバ2の内側側壁7に伝える。
【0046】
さらに、図4に示すように、コイルスプリングブラケット10の車両中央側W1の上方には、リアサイドメンバ2の内側側壁7・リアクロスメンバエクステンション5の底壁5T・コイルスプリングリンフォース18によって閉じ空間が形成されている。つまり、断面三角形の閉じ断面の前後端をリアクロスメンバエクステンション5の前壁5Zと後壁5Gで閉じて剛性の高い三角柱形状の空間を形成し、これにより、リアクロスメンバエクステンション5の剛性が向上するとともに、コイルスプリング1の支持構造の剛性がさらに向上し、コイルスプリング1からの荷重を前記支持構造で確実に受け止めることができる。
【0047】
[サイドメンバリンフォース21の構造]
図4に示すように、上側が開放した断面コの字状に形成されるとともに車両前後方向に沿うサイドメンバリンフォース21の両側壁22,23が、リアサイドメンバ2の外側側壁6の下端部の内面と内側側壁7の下端部の内面とに各別に溶接接合されて、サイドメンバリンフォース21がリアサイドメンバ2を補強している。
【0048】
サイドメンバリンフォース21の車両側方側W2の側壁22は、リアクロスメンバエクステンション5の延出部12の延出端部12Aと協働してリアサイドメンバ2の外側側壁6の下端部を挟み込んでいる。そして、前記側壁22と外側側壁6と延出端部12Aが一体に溶接接合されている。
【0049】
リアサイドメンバ2の底壁2Tは車両中央側W1ほど下方に位置するように傾斜しているが、サイドメンバリンフォース21の底壁21Tはほぼ水平姿勢(フロアパネル8と平行な姿勢)に設定されて、リアサイドメンバ2の底壁2Tに上方から近接している。
【0050】
[サイドメンバブレース19の構造]
図3,図4,図5に示すように、リアクロスメンバエクステンション5の側方に位置するリアサイドメンバ2の外側側壁6と内側側壁7を、サイドメンバリンフォース21よりも上方に位置するサイドメンバブレース19で連結してリアサイドメンバ2を補強してある。
【0051】
サイドメンバブレース19は、車両前方側Frの前壁19Zと車両後方側Rrの後壁19Gを備えるとともに、前壁19Zと後壁19Gの上端部同士を連結する上壁19Jを備えている。上壁19Jはほぼ水平姿勢(フロアパネル8と平行な姿勢)に設定されている。また、前記前壁19Zの左右両端部と下端部に車両前方側Frに突出するフランジ19Fが形成され、前記後壁19Gの左右両端部と下端部に車両後方側Rrに突出するフランジ19Fが形成され、上壁19Jの左右両端部に上方に突出するフランジ19Fが形成されている。
【0052】
そして、車両側方側W2の各フランジ19Fがリアサイドメンバ2の外側側壁6の内面に重ねられて溶接接合され、車車両中央側W1の各フランジ19Fがリアサイドメンバ2の内側側壁7の内面に重ねられて溶接接合され、前壁19Zと後壁19Gの下端部のフランジ19Fがサイドメンバリンフォース21の上面に重ねられて溶接接合されている。
【0053】
詳述すると、図4に示すように、前記上壁19Jの車両中央側W1のフランジ19Fはコイルスプリングリンフォース18の上端部18Jと協働してリアサイドメンバ2の内側側壁7の上端部を挟み込んでおり、前記フランジ19Fと内側側壁7の上端部とコイルスプリングリンフォース18の上端部18Jとが一体に溶接接合されている。これにより、コイルスプリングリンフォース18に伝えられるコイルスプリング1からの荷重を、前壁19Zと後壁19Gと上壁19Jにて剛性のある形状のサイドメンバブレース19によってリアサイドメンバ2の外側側壁6に伝え、確実に受け止めることができる。
【0054】
また、サイドメンバブレース19の前壁19Zのフランジ19Fとリアクロスメンバエクステンション5の前壁5Zのフランジ5Fがリアサイドメンバ2の内側側壁7を挟み込んでおり、前記サイドメンバブレース19の前壁19Zのフランジ19Fと内側側壁7とリアクロスメンバエクステンション5の前壁5Zのフランジ5Fとが一体に溶接接合されている。
【0055】
同様に、サイドメンバブレース19の後壁19Gのフランジ19Fとリアクロスメンバエクステンション5の後壁5Gのフランジ5F(図3参照)がリアサイドメンバ2の内側側壁7を挟み込んでおり、サイドメンバブレース19の後壁19Gのフランジ19Fとリアサイドメンバ2の内側側壁7とリアクロスメンバエクステンション5の後壁5Gのフランジ5Fとが一体に溶接接合されている。
【0056】
さらに、前述したように、サイドメンバブレース19の上壁19Jのフランジ19Fとコイルスプリングリンフォース18の上端部18Jがリアサイドメンバ2の内側側壁7の上端部を挟み込んでおり、サイドメンバブレース19の上壁19Jのフランジ19Fと内側側壁7の上端部とコイルスプリングリンフォース18の上端部18Jとが一体に溶接接合されている。
【0057】
図5に示すように、サイドメンバブレース19の前壁19Zとリアクロスメンバエクステンション5の前壁5Z(車両側方側W2のリアクロスメンバエクステンション部分5Bの前壁5Z)は車両前後方向でほぼ同一位置に位置し、サイドメンバブレース19の後壁19Gとリアクロスメンバエクステンション5の後壁5G(車両側方側W2のリアクロスメンバエクステンション部分5Bの後壁5G)は車両前後方向でほぼ同一位置に位置している。
また、サイドメンバブレース19の前壁19Zと後壁19Gと上壁19Jに塗料流通用及び軽量化用の貫通孔Hが形成されている。
【0058】
サイドメンバブレース19の前壁19Zと後壁19Gの間で、リアサイドメンバ2の底壁2Tとコイルスプリングブラケット10のスプリングシート受け28とがリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tを挟み込んでいる。そして、リアサイドメンバ2の底壁2Tとリアクロスメンバエクステンション5の底壁5Tとコイルスプリングブラケット10のスプリングシート受け28とが一体に溶接接合されている。
【0059】
[リアフロアサイドブレース40の連結構造]
前記リアサイドメンバ2の外側側壁6の上方でリアクロスメンバ3及びリアクロスメンバエクステンション5と車両の前後方向で同じ位置に、ホイールハウスインナパネル9(車体側部に相当)を補強するパーティションサイドブレース30(補強部材に相当)が配置されている(図1参照)。
【0060】
パーティションサイドブレース30はリアサイドメンバ2の外側側壁6の上端部6Jに溶接接合(スポット溶接)されてその上方に配置されているホイールハウスインナパネル9の車室内側のパネル面に取り付けられ、このホイールハウスインナパネル9を挟んで車外側に取り付けられる(サスペンションのアブソーバを取り付ける)サスペンションブラケットとともに上下方向に延びる閉じ断面構造を形成し、トランクルームと車室内を区切るパーティション部分を補強する補強部材を構成している。
【0061】
そして、前記リアクロスメンバエクステンション5の前壁5Zと後壁5Gの間に位置する前記内側側壁7のフランジ部分7F1がパーティションサイドブレース30の車両中央側W1の下方に位置し、前記フランジ部分7F1がパーティションサイドブレース30の下端部にリアフロアサイドブレース40を介して連結されている。
【0062】
リアフロアサイドブレース40は、上下両端部が上下中間部に対して屈曲した角板状に形成されている。そして、前記内側側壁7のフランジ部分7F1とパーティションサイドブレース30をリアフロアサイドブレース40で連結した組み付け状態で、リアフロアサイドブレース40の上端部が上下方向に沿うとともに下端部が水平方向に沿い、長手方向中間部が下側ほど車両中央側W1に位置するように傾斜している。
【0063】
リアフロアサイドブレース40の車両前後方向の両端部と中央部には、車両中央側W1に凸の断面円弧状のビード41が上下方向に沿うように上下方向の全長にわたってそれぞれ形成されている。これにより、リアフロアサイドブレース40の強度が向上している。
【0064】
リアフロアサイドブレース40の下端部は前記内側側壁7のフランジ部分7F1及びこのフランジ部分7F1の上面に重なったフロアパネル8に連結ボルトBで連結され、リアフロアサイドブレース40の上端部はパーティションサイドブレース30の下端部に連結ボルトBで連結されている。つまり、リアフロアサイドブレース40は、リアサイドメンバ2の上部を塞ぐフロアパネル8部分とホイールハウスインナパネル9とで三角形の閉じ断面をリアサイドメンバ2の上部に形成し、リアサイドメンバ2を支えてコイルスプリング1からの荷重を確実に受け止める。
【0065】
前記内側側壁7のフランジ部分7F1とフロアパネル8とパーティションサイドブレース30の下端部には、連結ボルトBを挿通させるボルト挿通孔Sが複数個ずつ形成されている。そして、前記内側側壁7のフランジ部分7F1の裏面(下面)に連結ボルトBに対するナットが溶接固着されている。
【0066】
また、リアフロアサイドブレース40の上端部において、リアフロアサイドブレース40の車両前後方向の中央部のビード41の両側に前記ボルト挿通孔が上下一対ずつ形成されている。さらに、リアフロアサイドブレース40の下端部において、リアフロアサイドブレース40の車両前後方向の中央部のビード41の両側に前記ボルト挿通孔が1個ずつ形成されている。
【0067】
上記の構造により、コイルスプリング1からの力を受けるコイルスプリングブラケット10の中心軸と概ね一致するリアサイドメンバ2の内側側壁7のフランジ部分7F1にパーティションサイドブレース30が結合されて、コイルスプリング1からの力を自動車の側部部分に伝えることができて、コイルスプリング1からの力を確実に受け止め支持することができる。これにより車体の剛性が向上する。
【符号の説明】
【0068】
1 コイルスプリング
2 リアサイドメンバ
2T 底壁(リアサイドメンバの底壁)
2T1 リアサイドメンバの下面(リアサイドメンバの底壁の下面)
3 リアクロスメンバ
5 リアクロスメンバエクステンション
5T 底壁(リアクロスメンバエクステンションの底壁)
5T1 リアクロスメンバエクステンションの底壁の上面
5Z 前壁(リアクロスメンバエクステンションの前壁)
5G 後壁(リアクロスメンバエクステンションの後壁)
6 外側側壁(リアサイドメンバの外側側壁)
6S リアサイドメンバの車両側方側の側面(外側側壁の側面)
7 内側側壁(リアサイドメンバの内側側壁)
7N 内側側壁の車両中央側の側面
7F フランジ(リアサイドメンバの内側側壁の上端部に形成されたフランジ)
7F1 フランジ部分
8 フロアパネル
9 車体側部(ホイールハウスインナパネル)
10 コイルスプリングブラケット
12 延出部
18 コイルスプリングリンフォース
18J コイルスプリングリンフォースの上端部
19 サイドメンバブレース
19Z 前壁(サイドメンバブレースの前壁)
19F フランジ(サイドメンバブレースのフランジ)
19G 後壁(サイドメンバブレースの後壁)
19J 上壁(サイドメンバブレースの上壁)
30 補強部材
40 リアフロアサイドブレース
O コイルスプリングブラケットの径方向の中心
Fr 車両前方側
Rr 車両後方側
W1 車両中央側
W2 車両側方側


【特許請求の範囲】
【請求項1】
リアサスペンション用のコイルスプリングの上端部をリアサイドメンバで支持するリアサスペンションのスプリングの支持構造であって、
前記リアサイドメンバにリアクロスメンバがリアクロスメンバエクステンションを介して接続され、
前記リアクロスメンバエクステンションの車両側方側の端部が前記リアサイドメンバの下方を通過して前記リアサイドメンバの車両側方側に延出し、その延出部が前記リアサイドメンバの下面と車両側方側の側面に溶接接合され、
前記コイルスプリングの上端部を受け止めるコイルスプリングブラケットが前記リアクロスメンバエクステンションの下面に接合されているリアサスペンションのスプリングの支持構造。
【請求項2】
前記リアサイドメンバは車両側方側の外側側壁と車両中央側の内側側壁と底壁を備え、
前記リアクロスメンバエクステンションは車両前方側の前壁と車両後方側の後壁と底壁を備え、
前記リアクロスメンバエクステンションの底壁に前記延出部が設けられて、前記延出部が前記リアサイドメンバの底壁の下面と前記外側側壁の側面に溶接接合されている請求項1記載のリアサスペンションのスプリングの支持構造。
【請求項3】
前記コイルスプリングブラケットの径方向の中心は前記リアサイドメンバの内側側壁付近に位置し、
前記内側側壁の車両中央側の側面と前記リアクロスメンバエクステンションの底壁の上面とにコイルスプリングリンフォースが架設され、
前記コイルスプリングリンフォースの上端部が前記内側側壁の車両中央側の側面に溶接接合され、
前記コイルスプリングリンフォースの下端部と前記コイルスプリングブラケットが前記リアクロスメンバエクステンションの底壁を挟み込み、前記コイルスプリングリンフォースの下端部と前記リアクロスメンバエクステンションの底壁と前記コイルスプリングブラケットが一体に溶接接合されている請求項2記載のリアサスペンションのスプリングの支持構造。
【請求項4】
前記リアクロスメンバエクステンションの側方に位置する前記リアサイドメンバの外側側壁と内側側壁が、サイドメンバブレースに設けられた車両前方側の前壁と車両後方側の後壁で連結され、
前記サイドメンバブレースの前壁と前記リアクロスメンバエクステンションの前壁が車両前後方向でほぼ同一位置に位置し、
前記サイドメンバブレースの後壁と前記リアクロスメンバエクステンションの後壁が車両前後方向でほぼ同一位置に位置している請求項2又は3記載のリアサスペンションのスプリングの支持構造。
【請求項5】
前記サイドメンバブレースの前壁の上端部と後壁の上端部を連結する上壁が前記サイドメンバブレースに設けられて、前記上壁で前記リアサイドメンバの外側側壁と内側側壁が連結され、
前記サイドメンバブレースの上壁の車両中央側の端部にフランジが形成され、
前記サイドメンバブレースの上壁のフランジと前記コイルスプリングリンフォースの上端部が前記リアサイドメンバの内側側壁の上端部を挟み込み、前記サイドメンバブレースの上壁のフランジと前記リアサイドメンバの内側側壁の上端部と前記コイルスプリングリンフォースの上端部とが一体に溶接接合されている請求項4記載のリアサスペンションのスプリングの支持構造。
【請求項6】
前記サイドメンバブレースの前壁と後壁の間で、前記リアサイドメンバの底壁と前記リアクロスメンバエクステンションの底壁と前記コイルスプリングブラケットとが一体に溶接接合されている請求項4又は5記載のリアサスペンションのスプリングの支持構造。
【請求項7】
前記リアサイドメンバの内側側壁の上端部にフロアパネルに接合されるフランジが形成され、
前記リアサイドメンバの外側側壁の上方に車体側部を補強する補強部材が配置され、
前記リアクロスメンバエクステンションの前壁と後壁の間に位置する前記内側側壁のフランジ部分が前記補強部材にリアフロアサイドブレースを介して連結されている請求項2〜6のいずれか一つに記載のリアサスペンションのスプリングの支持構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−5969(P2011−5969A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151942(P2009−151942)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】