説明

リサイクル用容器の洗浄方法

容器を苛性溶液に暴露すること、及び該容器をすすぎ溶液ですすぐことを含むリサイクルガラス容器の洗浄方法が教示される。該すすぎ溶液は、キレート化剤と、必要に応じて酸又はキレート化剤として機能し得る酸を含む。該方法により洗浄されたガラス容器についても説明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、リサイクル用容器の洗浄方法に関する。特に、本発明は、重金属のような苛性溶液の残留物を除去するガラス容器の洗浄方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法で使用するためのすすぎ溶液、及び上記方法に従って洗浄された容器に関する。
【背景技術】
【0002】
[背景]
食品産業及び飲料産業で使用されるジャー(広口瓶)やボトル(瓶)のようなガラス容器は、高頻度で再洗浄、再利用(リサイクル)及び/又は再使用される。かかる再利用/再使用は、局所的な区域を汚染し、且つ局所的な埋立地を非生分解性残骸でいっぱいにするガラス容器の量を低減させるという点で好適である。また、ガラス容器の再利用により、食品産業及び飲料産業は、各容器を多数回使用することによりそれらの出資において金銭を節約することが可能となる。
【0003】
ガラス容器を再利用する場合、ガラス容器は、商業的滅菌である段階にまで洗浄されることが必須である。米国食品医薬品局によれば、食品の無菌加工処理及び包装に使用される設備並びに容器の商業的滅菌は、設備及び容器に、貯蔵及び分配の正常な非冷蔵条件下で、食品中で繁殖することが可能な公衆衛生意義を有する生存微生物並びに衛生意義のない微生物を含まないようにさせる熱、化学的滅菌剤(複数可)又は他の適切な処理の適用により達成される状態を意味する。例えば、すでに使用されたボトルから商業的に滅菌されたボトルを得ることは、使用されたボトルが、多くの場合、汚れ、かび、糖類、食品残渣、製品ラベル、接着剤等を含有するため容易なことではない。洗浄される容器からかかる材料を除去するためには、比較的長い接触時間、高温及び苛性アルカリ(NaOH)を使用するもののような過酷な環境が使用される。かかる環境は通常、使用されたガラス容器を洗浄する際に首尾よく、その結果、ガラス容器はかかる材料を実質的に含まず、商業的に滅菌である。洗浄用溶液は通常、上水により容器からすすがれる。通常、洗瓶機を使用して、ボトルのかかる洗浄及び滅菌を遂行する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる過酷な洗浄条件の使用はそれ自体、様々な問題を引き起こし得る。世界の多くの地域で、再利用可能なジャー及びボトルに使用されるガラスは、シリカマトリックス中に鉛及び/又は他の重金属を含有する。多くの場合、例えば高温での苛性ソーダ溶液による洗浄は、ガラス表面を腐食して、表面に結合された鉛及び/又は他の重金属イオンを露出させる。さらに、使用中に、苛性アルカリ洗浄溶液は、溶解されたガラス又はその上にある装飾からの鉛及び他の重金属を含有するようになる場合があり、ガラスの表面上へ金属のような苛性アルカリ溶液の残留物を再堆積させ得る。ジャー及びボトルから苛性アルカリ溶液をすすぐのに通常使用される上水による洗浄は、ガラス表面に結合された鉛又は他の重金属のようなこれらの苛性アルカリ溶液の残留物をすべて除去することができない可能性がある。したがって、かかる容器上及び/又は容器中の苛性アルカリ溶液残留物の量を低減させる、リサイクルガラス容器を洗浄方法が当面必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[概要]
本発明によれば、キレート化剤0.1〜50重量%と水とを含む濃縮水性すすぎ溶液が提供され、ここでキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含む。任意に、濃縮水性すすぎ溶液は、酸0.1〜25重量%を含み得る。適切なキレート化剤としては、EDTA、EGTA、NTA、DTPA、HEIDA、IDS、MGDA、グルコン酸、2,2’−ビピリジル、ホスホン酸、複合リン酸塩、それらの混合物又はそれらの塩が挙げられ得る。適切な酸としては、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルタミン酸、それらの2種以上の混合物、又はそれらの塩が挙げられる。さらに、濃縮すすぎ溶液は、緩衝液0.1〜50重量%を含み得る。一実施の形態では、濃縮水性すすぎ溶液は、キレート化剤0.1〜30重量%、酸0.1〜10重量%及び水を含む。
【0006】
本発明はまた、有効量のキレート化剤及び水を含む希釈水性すすぎ溶液を対象とし、ここでキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含む。任意に、すすぎ溶液は、酸0.001〜1重量%を含み得る。さらに、すすぎ溶液は、緩衝液0.01〜1重量%を含んでもよい。有効量のキレート化剤は、すすぎ溶液で洗浄されるガラス容器の表面上に存在するか、又は後に当該表面から浸出する重金属の濃度を低減させる量である。幾つかの実施の形態では、有効量のキレート化剤は、すすぎ溶液中に遊離のキレート化剤を供給するのに十分な量である。さらに別の実施の形態は、溶液中に少なくとも1ppmの遊離のキレート化剤を包含する。一実施の形態では、有効量のキレート化剤は、溶液中に少なくとも5ppmの遊離のキレート化剤を供給するのに十分な量である。さらに他の実施の形態では、有効量のキレート化剤は、溶液中に0.5〜100ppmの遊離のキレート化剤を供給するのに十分な量である。本発明の希釈水性すすぎ溶液の幾つかの実施の形態は、キレート化剤0.0001〜1重量%を含む。
【0007】
本発明はまた、遊離のキレート化剤及び水を含む希釈水性すすぎ溶液を提供し、ここで遊離のキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含む。任意に、すすぎ溶液は、酸をさらに含むことができる。さらに、すすぎ溶液は、緩衝液を含んでもよい。一実施の形態では、すすぎ溶液は、少なくとも1ppmの遊離のキレート化剤を含む。他の適切な実施の形態は、少なくとも5ppmの遊離のキレート化剤を含む。さらなる実施の形態は、0.5〜100ppmの遊離のキレート化剤を含む。酸レベルは、0.001〜1重量%を包含することができる。
【0008】
本発明はまた、ガラス容器を、金属水酸化物を含む水性苛性溶液に暴露すること、及び上記ガラス容器を、有効量の重金属キレート化剤を含むすすぎ溶液ですすぐことを含む、リサイクルガラス容器の洗浄方法を提供する。キレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含み、すすぎ溶液は、少なくとも4であり、かつ11以下のpHを有する。任意に、すすぎ溶液は、酸をさらに含み得る。金属水酸化物は、水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化カリウム(KOH)のようなアルカリ金属水酸化物であり得る。苛性アルカリ溶液は、少なくとも1重量%の金属水酸化物(複数可)を含むことができる。すすぎ溶液中のキレート化剤の有効量は、洗浄されるガラス容器の表面上に存在するか、又は後に当該表面から浸出する重金属の濃度を低減させるような量である。幾つかの実施の形態では、この量は、すすぎ溶液中に遊離のキレート化剤を供給するのに十分な量である。幾つかの実施の形態では、キレート化剤の有効量は、すすぎ溶液中に少なくとも1ppmの遊離のキレート化剤を供給するのに十分な量である。代替的な実施の形態は、すすぎ溶液中に少なくとも5ppmの遊離のキレート化剤を供給するのに十分なキレート化剤の量を包含する。すすぎ溶液のさらに他の実施の形態は、すすぎ溶液中に0.5〜100ppmの遊離のキレート化剤を供給するのに十分な量の有効量のキレート化剤を包含する。代替的な実施の形態は、5〜10ppmの遊離のキレート化剤を供給するのに十分なキレート化剤の量を包含する。すすぎ溶液の幾つかの実施の形態は、少なくとも0.0001重量%のキレート化剤(複数可)を含むことができる。
【0009】
一実施形態では、苛性溶液は水酸化ナトリウムのような金属水酸化物1〜5重量%を含んでもよく、且つ/又はすすぎ溶液はキレート化剤0.0001〜1重量%を含んでもよい。一実施形態では、すすぎ溶液は少なくとも0.001重量%の量で酸を含んでもよい。一実施形態では、すすぎ溶液は酸0.001〜1重量%を含んでもよい。水性の苛性アルカリ溶液及びすすぎ溶液はともに、有効性を損失する前に、多数のガラス容器に対して繰り返し使用され得る。一実施形態では、すすぎ溶液のpHは5〜9の範囲である。代替的な実施形態は6〜8の範囲のpHを有するすすぎ溶液を包含する。幾つかの実施形態では、キレート化剤は、EDTA、EGTA、NTA、DTPA、HEIDA、IDS、MGDA、グルコン酸、2,2’−ビピリジル、ホスホン酸、複合リン酸塩、それらの混合物又はそれらの塩である。酸は、モノ、ジ又はポリカルボン酸であり得る。適切な酸としては、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、それらの2種以上の混合物、又はそれらの塩が挙げられる。幾つかの実施形態では酸はキレート化剤である。幾つかの実施形態では、酸の量の範囲は、0.001〜1.0重量%を包含する。
【0010】
これらの方法に従って洗浄されたガラス容器は、洗浄された容器上及び/又は容器中に見出される重金属含有量の顕著な低減を示す。したがって、本発明の別の態様によれば、本発明の方法に従って洗浄されたガラス容器が提供される。一実施形態では、本発明の方法により洗浄されたガラス容器は、洗浄された容器中に少なくとも10分間貯蔵された100万分の500(ppm)のリン酸試験溶液中で10億分の100(100ppb)未満の重金属を示し、ここで、ガラス容器は、水単独ですすいだ場合には100ppb以上の重金属を示す。別の実施形態では、本発明の方法により洗浄されたガラス容器は、リン酸試験溶液中の20ppb未満の重金属を示し、ここで、ガラス容器は、水単独ですすいだ場合には20ppb以上の重金属を示す。幾つかの実施形態では、重金属は、鉛、ニッケル、銅、亜鉛、ヒ素、セレン、モリブデン、カドミウム、クロム、水銀又はそれらの混合物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
[詳細な説明]
一実施形態では、容器を再使用及び/又は再利用する目的の容器(例えば、ガラスジャー又はガラスボトル)の洗浄方法が提供される。当該方法は、ガラス容器を、金属水酸化物を含む水性の苛性溶液に暴露させるという第1の工程を包含する。通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物が使用される。水性の苛性溶液は、洗浄される容器から汚れ、かび、糖類、食品残渣等を除去するのに十分な高濃度でなくてはならない。一実施形態では、水性の苛性溶液は、金属水酸化物1〜5重量%を含んでおり、別の実施形態では、金属水酸化物2〜3重量%を含有している。水性の苛性溶液は室温で使用してもよいが、好適には、一実施形態では30℃〜80℃の範囲の温度に加熱する。使用する温度は用途の必要性に応じて様々であり、当業者により容易に選択される。例示的な温度範囲としては、30℃〜70℃、40℃又は50℃〜80℃、及び60℃〜70℃又は80℃が挙げられる。
【0012】
本発明はさらに、上記ガラス容器を有効量の重金属キレート化剤、及び酸又はキレート化剤として作用し得る酸を含むすすぎ溶液ですすぐという工程を包含する。すすぎ溶液は少なくとも4で、かつ11以下のpHであることが有効である。4未満のpHでは、すすぎは、ガラスから重金属を除去するのに依然として有効であるが、ガラス容器の洗浄で使用される標準的な設備では長期にわたって使用するには過度に腐食性である。11を上回るpHでは、すすぎ溶液はガラス表面から重金属を除去するのに有効ではなくなってくる。好適には、すすぎ溶液のpHは、5〜9、特に6〜8の範囲である。通常、すすぎ溶液のpHは、約7〜8に集中している。
【0013】
本発明のキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含む。かかるキレート化剤は、二、三、四、五又は六配位リガンドとして重金属を結合している。本方法で使用され得る例示的な重金属キレート化剤としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレングリコール−ビス−(β−アミノエチルエーテル)−N,N−四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、HEIDA(N−(2−ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸)、グルコン酸、2,2’−ビピリジル、IDS(コハク酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、ホスホン酸、複合リン酸塩及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。また、重金属キレート化剤の塩は、キレート化剤が、ガラス容器の表面から除去されるべき重金属と比較して、使用される塩に対してより低い親和性を有するもので限り使用してもよい。本願中、用語「重金属」は、カルシウムの原子量よりも大きく、ウランの原子量以下の原子量を有する任意の金属を指す。さらに、ヒ素及びセレンもまた、本願中の重金属の定義に包含される。特に関心のある重金属としては、鉛、ニッケル、銅、亜鉛、ヒ素、セレン、モリブデン、カドミウム、クロム及び水銀が挙げられる。
【0014】
本願中で使用する場合、キレート化剤の有効量は、洗浄されるガラス容器の表面上に存在し、あるいは後に当該表面から浸出する重金属の濃度を低減させる量である。幾つかの実施形態では、キレート化剤の有効量は、すすぎ溶液中に遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である。幾つかの実施形態は、すすぎ溶液中に0.5ppm〜100ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量のキレート化剤を包含する。付加的な実施形態は、すすぎ溶液中に3〜15ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量のキレート化剤を包含する。さらに他の実施形態は、すすぎ溶液中に5〜10ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量のキレート化剤を包含する。さらなる実施形態は、少なくとも1ppmの遊離キレート化剤を有するすすぎ溶液を包含する。さらに他の実施形態は、少なくとも5ppmの遊離キレート化剤を有するすすぎ溶液を包含する。代替的な実施形態では、有効量の総キレート化剤は、0.0001重量%〜1重量%の範囲である。他の実施形態では、キレート化剤の有効量は、0.005、0.01、0.02、0.05又は0.1重量%〜0.4、0.5、0.6又は0.7重量%の範囲である。
【0015】
多数の要因が、洗浄されるガラス容器の表面上に存在し、あるいは後に当該表面から浸出する重金属の濃度の低減を提供するためにすすぎ溶液へ添加されることが必要なキレート化剤の具体的な量に影響を及ぼす。概して、キレート化剤は、存在する金属イオンと錯体を形成するか、または配位結合する。キレート化剤は、指定条件下において固定比率で(化学量論的に)金属イオンと配位結合する。利用可能な金属イオンがすべて指定条件下でキレートされると、過剰分は遊離キレート化剤として測定される。重金属を除去するためにガラス容器上ですすぎ溶液を使用する場合、幾つかの実施形態では、すすぎ溶液中に遊離キレート化剤を供給するのに十分な量のキレート化剤を供給することが有益であることがわかっている。幾つかの要因は、すすぎ溶液中の遊離キレート化剤の存在に影響を及ぼす。特に、すすぎ溶液で使用される水の全硬度及び洗浄/すすぎ設備上でのスケール沈積は、遊離キレート化剤の存在に影響を及ぼし得る。全硬度は、水中に溶解される金属化合物、特にカルシウム及びマグネシウム化合物の尺度である。全硬度は、上述の金属が存在する比又は形態を区別せずに、mg/l(炭酸カルシウム)として表すことができる。
【0016】
全硬度及び/又はスケール沈積の低減は、溶液自体から競合する金属イオン(例えば、マグネシウム、カルシウム等)の濃度を低減させ、それにより、キレート化剤が、洗浄されるガラス容器の表面上に存在するか、又は後に当該表面から浸出する重金属をキレート化するのを可能にする。「軟」水の利用及び設備上でのスケール沈積の除去は、すすぎ溶液中の遊離のキレート化剤の存在を容易に可能とする。軟水は、カルシウム及びマグネシウムのような硬水構成成分が、全硬度構成成分の約50ppm又はそれ未満にまで除去或いは低減された水である。或いは、さらなるキレート化剤をすすぎ溶液へ添加して、すすぎ溶液中の水硬度構成成分と錯体形成させて、すすぎ溶液中の遊離キレート化剤の存在を提供することができる。キレート化剤と競合するすべての水硬度及び/又はスケール構成成分を除去する必要はない。すすぎ溶液中のかかる構成成分の数を低減させる量のキレート化剤は、洗浄されるガラス容器の表面上に存在するか、又は後に当該表面から浸出する重金属の濃度を低減させる有効量のキレート化剤を供給することができる。
【0017】
任意に、すすぎ溶液はまた、酸を含むことができる。驚くべきことに、すすぎ溶液中に存在する酸は、ガラス表面からの重金属の除去において、キレート化剤と連動して作動することが発見された。酸はまた、pHを制御するのに使用されてもよく、それ自体重金属のキレート化剤であり得る。したがって、酸は通常、モノ、ジ又はポリカルボン酸である。例示的なカルボン酸としては、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、コハク酸、グルタミン酸、それらの2種以上の混合物、又はそれらの塩が挙げられる。幾つかの実施形態では、当該工程に関してすすぎ溶液で使用される酸の量は、0.001〜0.5又は1重量%、或いは0.01〜0.5又は1重量%の範囲である。幾つかの実施形態では、酸の量は、重金属キレート化剤の量に等しいか、又はそれ未満である。
【0018】
すすぎ溶液は、すすぎ溶液のpHの改善された制御用に緩衝液をさらに含むことができる。一般的な使用では、すすぎ溶液中で利用されるすすぎ水は、多数のガラス容器上で繰り返し使用されるように意図される。各使用に関して、すすぎ溶液は、すすぎ溶液のpHを上昇させ、且つ重金属除去の有効性を低減させ得るガラス容器上に残存する少量の水性の苛性アルカリ溶液で希釈される。例えば0.01重量%〜1重量%での緩衝液(複数可)の添加は、pHのこの上昇を遅らせて、すすぎ溶液の寿命を延長させる。幾つかの実施形態では、緩衝液の量は、0.01重量%〜0.1、0.2若しくは0.5重量%、0.05重量%〜0.2、0.5若しくは1重量%、又は0.1〜0.2、0.5若しくは1重量%に及ぶ。本発明での使用に適した緩衝液としては、少なくとも4であって、かつ11未満のpHを達成するように本技術分野で通常使用される任意の緩衝液が挙げられる。例示的な作用物質としては、リン酸二カリウム(KHPO)、リン酸二ナトリウム(NaPO)、それらの混合物等が挙げられる。緩衝液の他に、即ち代替物として、すすぎ溶液の形成中に、少量の金属水酸化物及び/又は鉱酸を使用して、すすぎ溶液のpHを所望の値に調節してもよい。
【0019】
代替的な実施形態では、すすぎ溶液中の水を繰り返し再使用するのではなく、新鮮な水を利用して、本発明のすすぎ溶液を提供することができる。かかる新鮮な水の添加は、すすぎ溶液のpHを上昇させ、且つ重金属除去の有効性を低減させる苛性アルカリ溶液持ち越し分が最小限に抑えられるか、若しくは排除されるため、すすぎ溶液中での緩衝液の使用の必要性を低減させるか、又は完全に排除する。
【0020】
本発明の別の形態によれば、本発明の方法で使用するためのすすぎ溶液が提供される。すすぎ溶液は、使用前に水で希釈され得る濃縮物として、又は使用溶液として配合され得る。濃縮形態では、水性すすぎ溶液は、キレート化剤0.1〜50重量%及び酸0.1〜25重量%を含み、ここでキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含む。濃縮すすぎ溶液は、緩衝液0.1〜50重量%をさらに含んでもよい。幾つかの実施形態では、濃縮物は、水で希釈すると、キレート化剤0.0001〜1重量%及び酸0.001〜1.0重量%を含む使用溶液を生じる。代替的な実施形態では、水硬度レベルは、濃縮物及び得られた希釈使用溶液の含有量を確定するのに使用され得る。幾つかの実施形態では、希釈すすぎ溶液は、少なくとも或るレベル又は或る量の遊離のキレート化剤を有する。代替的な実施形態では、0.5〜100ppm、3〜15ppm又は5〜10ppmの遊離のキレート化剤が存在する。さらに他の実施形態は、少なくとも1ppmの遊離のキレート化剤、少なくとも3ppmの遊離のキレート化剤及び少なくとも5ppmの遊離のキレート化剤を包含する。希釈すすぎ溶液は、緩衝液0.01〜1重量%をさらに含むことができる。キレート化剤、緩衝液及び酸は、本明細書中に記載される通りである。
【0021】
幾つかの実施形態では、すすぎ溶液は、実質的に重金属キレート化剤からなり、ここでキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含み、pHは、少なくとも4であり、かつ11以下である。他の実施形態では、すすぎ溶液は実質的に重金属キレート化剤と酸とからなり、ここでキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含み、pHは、少なくとも4であり、かつ11以下である。さらに他の実施形態では、すすぎ溶液は実質的に重金属キレート化剤、酸及び緩衝液からなり、ここでキレート化剤は、少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含み、pHは、少なくとも4であり、かつ11以下である。幾つかの実施形態では、酸の重量%量は、キレート化剤の重量%量に等しいか、又はそれ未満である。キレート化剤、緩衝液及び酸は、本明細書中に記載される通りである。
【0022】
幾つかの用途では、すすぎ用配合の緩衝能力は、非常に高価であるか、或いは単にすすぎ溶液のpHを11未満のpHにさせるのに十分強力ではない。簡単な鉱酸又は有機酸の溶液を使用してアルカリ度を有効範囲へ低減させてもよい。試験した用途では、50%リン酸溶液を使用して、pH9〜11から7.5〜8.5の範囲に至るすすぎ溶液のpHの低減を提供した。上記用途は、ガラス容器から滴る苛性溶液或いは洗浄/すすぎ装置中の交差タンク汚染の非効率によりさらなるアルカリ度を被る。
【0023】
本発明はさらに、本明細書中に開示される方法により洗浄されたガラス容器を提供する。かかる容器は、食品又は飲料製品で満たされると、本発明の方法に従って洗浄されなかった同じガラス容器よりも、貯蔵後に、測定できる程度に少ない量の重金属を示す。ガラス容器を洗浄方法の有効性を確定するための利便性のよい試験は、洗浄された容器中に500ppmのリン酸を含有する水溶液を少なくとも10分間貯蔵すること、及び続いて溶液の重金属含有量を分析することを包含する。このようにして分析され得る重金属としては、鉛、ニッケル、銅、亜鉛、ヒ素、セレン、モリブデン、カドミウム、クロム、水銀又はそれらの混合物が挙げられる。特に、本発明の方法は、別の状況では洗浄されたガラス容器上及び/又は容器中に見出され得る鉛、六価クロム又はカドミウムの量を低減させるのに有効である。通常、本発明の方法により洗浄されたガラス容器は、きれいな容器中で45日間貯蔵された500ppmのリン酸試験溶液中で100ppb未満の任意の重金属を示す。対照的に、同じガラス容器は、水単独ですすいだ場合、100ppb以上の重金属を示す。幾つかの実施形態では、リン酸試験溶液は、20ppb未満、又はさらには10ppb未満の重金属を示すのに対して、水のみですすいだ場合の同じガラス容器は、それぞれ20ppb以上、又は10ppb以上を示す。
【実施例1】
【0024】
本実施例では、ボトル詰めライン上で洗浄したボトルから浸出する鉛の量に対する本発明方法の影響について説明する。ボトルは70℃の温度においてNaOHを3重量%含有する苛性溶液で13分間洗浄する。続いて、ボトルを、表1に示すすすぎ溶液及び条件で洗浄する。すすぎ溶液に添加する酸の量は、規定のpHを付与するのに十分である。酒石酸溶液pH=7のように、溶液pHが所望のレベルを下回らない限り、それぞれのpH調節は、標準的なpH計を使用して、0.1%HCl溶液で滴定して規定のpHとした。続いて、これらの溶液を、0.1%NaOHで規定のpHに調節された。試験用ボトルにリン酸の500ppm溶液を満たし、外気温で12時間以上保存した。得られた溶液をPbに関して試験した。変数「n」は、試験するボトルの数を示す。「Ave」及び「Stdv」で示される列は、試験溶液中で見出されたか、或いは試験溶液中で見出されるであろうppbでの鉛に関する平均濃度及び標準偏差を報告している。
【0025】
【表1】

【実施例2】
【0026】
この実施例は、様々なすすぎ溶液の使用によるガラス容器の表面からの鉛除去を評価するための研究室試験手順を説明する。ガラス容器上の鉛の量は、以下の通りに鉛洗浄溶液を調製することにより規格化される:1)新しいガラスボトルからの12個のアプライドセラミックラベル(ACL)部分を3%水酸化ナトリウム水溶液2リットルへ添加する;2)苛性溶液を被覆ステンレス鋼容器中で80℃において6時間加熱する;3)溶液を冷却させて、Whatman2ペーパーに通してろ過する;さらに4)鉛含有量(ppm)に関して分析する。得られた溶液を、次の工程で使用するために250ppmの鉛及び3%苛性アルカリを含有するように調節する。
【0027】
すすぎ溶液は以下の通りに試験する:1)70℃の温度において、新しいガラス容器にACL鉛/苛性アルカリ溶液(鉛250ppm、3%苛性アルカリ)を満たす;2)7分後、容器を空にして、鉛を含まない軟水を再び満たす;3)120秒後、容器を再び空にして、試験するすすぎ溶液で満たす;4)120秒後、容器を空にして、500ppmのリン酸溶液を満たす;さらに5)容器を密閉して、鉛試験用に送る。この方法により試験し得るガラス容器としては、例えば、トウガラシペッパーソースボトル、12オンストマトソースジャー、炭酸飲料ボトル及びピクルスジャーが挙げられる。試験時に、本発明の方法及びすすぎ溶液は、かかる容器中に付着される鉛のレベルを低減させたことを示すか、或いは低減し得ることを示すであろう。
【0028】
表2は、トウガラシペッパーソースボトル、12オンストマトソースジャー及び炭酸飲料ボトルに関する、上水すすぎに対して本発明のすすぎ剤を使用したすすぎ手順の結果を提示する。結果は明らかに、本発明の方法及びすすぎ剤が、かかる容器から浸出され得る鉛の量を低減させることを示している。
【0029】
【表2】

【実施例3】
【0030】
この実施例は、様々なレベルの遊離キレート化剤を用いて様々なレベルの全水硬度でボトル詰めライン上で洗浄されるボトルから浸出する鉛の量に対する本発明の方法の影響を説明する。
【0031】
【表3A】

【0032】
表3Bは、全硬度が一定に保たれ、且つ総キレート化剤が低減されて、より低レベルの遊離のキレート化剤をもたらす場合の本発明の方法の有効性を説明する。
【0033】
【表3B】

【0034】
表3Cは、遊離のキレート化剤を維持することにより全硬度の存在下での重金属の除去を説明する。必要とされる総キレート化剤の量は、全水硬度のレベルが増大するに伴って増大する。
【0035】
【表3C】

【実施例4】
【0036】
本実施例は、ボトル詰めライン上で洗浄されるボトルから浸出する鉛の量に対する様々な本発明のすすぎ溶液の影響を説明する。ボトルを、70℃の温度においてNaOHを3重量%含有する苛性溶液で10分間洗浄した。続いて、ボトルを、表4に示すすすぎ溶液及び条件ですすいだ。すすぎ溶液#1、#2及び#3並びにすすぎ溶液を用いない対照を比較した。すすぎ溶液は、返送可能で再使用可能なガラス容器用の絶えず流れている(補充している)洗浄/すすぎ装置において規定の濃度を維持するように連続的に投与した。
【0037】
すすぎ後、試験用ボトルにリン酸の500ppm溶液を満たして、外気温で1時間以上保存する。続いて、得られた溶液を鉛(Pb)含有量に関して試験した。
【0038】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
実質的に重金属キレート化剤と水とからなる水性すすぎ溶液であって、該キレート化剤が少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含んでおり、pHが少なくとも4で、かつ11以下であることを特徴とする水性すすぎ溶液。
【請求項2】
さらに酸を含んでいる請求項1に記載の水性すすぎ溶液。
【請求項3】
前記キレート化剤が、EDTA、EGTA、NTA、DTPA、HEIDA、IDS、MGDA、グルコン酸、2,2’−ビピリジル、ホスホン酸、複合リン酸塩、それらの混合物又はそれらの塩である請求項1に記載の水性すすぎ溶液。
【請求項4】
前記酸がモノ、ジ又はポリカルボン酸である請求項2に記載の水性すすぎ溶液。
【請求項5】
前記酸が、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、コハク酸、それらの2種以上の混合物、又はそれらの塩である請求項2に記載の水性すすぎ溶液。
【請求項6】
前記酸がキレート化剤である請求項2に記載の水性すすぎ溶液。
【請求項7】
ガラス製品の洗浄方法であって、
ガラス容器を、金属水酸化物を含む水性苛性溶液に暴露すること;及び
該ガラス容器を、有効量の重金属キレート化剤を含むすすぎ溶液ですすぐことを含んでおり、該キレート化剤が少なくともアミン官能基、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含んでおり、該すすぎ溶液が少なくとも4で、かつ11以下のpHを有していることを特徴とするガラス製品の洗浄方法。
【請求項8】
前記すすぎ溶液がさらに酸を含んでいる請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項9】
前記金属水酸化物がアルカリ金属水酸化物である請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項10】
前記アルカリ金属水酸化物がNaOH又はKOHである請求項9に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項11】
前記の水性苛性溶液が金属水酸化物1〜5重量%を含んでいる請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項12】
前記アルカリ金属水酸化物がNaOH又はKOHである請求項11に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項13】
前記すすぎ溶液のpHが5〜9の範囲である請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項14】
前記すすぎ溶液のpHが6〜8の範囲である請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項15】
前記キレート化剤の有効量が、洗浄される前記ガラス容器の表面上に存在し、あるいは後に該表面から浸出する重金属の濃度を低減させる量である請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項16】
前記すすぎ溶液中の前記キレート化剤の有効量が、該すすぎ溶液中に遊離のキレート化剤を供給するのに十分な量である請求項15に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項17】
前記すすぎ溶液中の前記キレート化剤の有効量が、該すすぎ溶液中に少なくとも1ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である請求項15に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項18】
前記すすぎ溶液中の前記キレート化剤の有効量が、該すすぎ溶液中に少なくとも5ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である請求項15に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項19】
前記すすぎ溶液中の前記キレート化剤の有効量が、該すすぎ溶液中に0.5〜100ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である請求項15に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項20】
前記すすぎ溶液中の前記キレート化剤の有効量が、該すすぎ溶液中に5〜10ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である請求項15に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項21】
前記すすぎ溶液中の前記キレート化剤の有効量が0.0001〜1重量%の範囲である請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項22】
前記キレート化剤が、EDTA、EGTA、NTA、DTPA、HEIDA、IDS、MGDA、グルコン酸、2,2’−ビピリジル、ホスホン酸、複合リン酸塩、それらの混合物又はそれらの塩である請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項23】
前記酸がモノ、ジ又はポリカルボン酸である請求項8に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項24】
前記酸が、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、コハク酸、それらの2種以上の混合物、又はそれらの塩である請求項8に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項25】
前記酸がキレート化剤である請求項8に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項26】
前記酸が0.001〜1.0重量%の範囲の量である請求項8に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項27】
前記すすぎ溶液がさらに緩衝液を含んでいる請求項7に記載のガラス製品の洗浄方法。
【請求項28】
請求項7に記載の方法により洗浄され、且つ洗浄された容器中に少なくとも10分間貯蔵した500ppmリン酸試験溶液中に100ppb未満の重金属を示すガラス容器であって、水単独ですすいだ場合には100ppb以上の該重金属を示すことを特徴とするガラス容器。
【請求項29】
前記リン酸試験溶液が20ppb未満の前記重金属を示し、前記ガラス容器を水単独ですすいだ場合には20ppb以上の前記重金属を示す請求項28に記載のガラス容器。
【請求項30】
前記重金属が、鉛、ニッケル、銅、亜鉛、ヒ素、セレン、モリブデン、カドミウム、クロム、水銀又はそれらの混合物である、請求項28に記載のガラス容器。
【請求項31】
キレート化剤0.1〜50重量%と水とを含む濃縮水性すすぎ溶液であって、該キレート化剤が少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含んでいることを特徴とする濃縮水性すすぎ溶液。
【請求項32】
さらに酸0.1〜25重量%を含んでいる請求項31に記載の濃縮水性すすぎ溶液。
【請求項33】
前記キレート化剤が、EDTA、EGTA、NTA、DTPA、HEIDA、IDS、MGDA、グルコン酸、2,2’−ビピリジル、ホスホン酸、複合リン酸塩、それらの混合物又はそれらの塩である請求項31に記載の濃縮水性すすぎ溶液。
【請求項34】
前記酸が、酢酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、コハク酸、それらの2種以上の混合物、又はそれらの塩である請求項32に記載の濃縮水性すすぎ溶液。
【請求項35】
さらに緩衝液0.1〜50重量%を含んでいる請求項32に記載の濃縮水性すすぎ溶液。
【請求項36】
キレート化剤0.1〜30重量%、酸0.1〜10重量%及び水を含んでおり、該キレート化剤が少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含んでいる請求項32に記載の濃縮水性すすぎ溶液。
【請求項37】
有効量のキレート化剤と水とを含む希釈水性すすぎ溶液であって、該キレート化剤が少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含んでいることを特徴とする希釈水性すすぎ溶液。
【請求項38】
さらに酸0.001〜1重量%を含んでいる請求項37に記載の希釈水性すすぎ溶液。
【請求項39】
さらに緩衝液0.01〜1重量%を含んでいる請求項38に記載の希釈水性すすぎ溶液。
【請求項40】
前記キレート化剤の有効量が、前記溶液中に少なくとも1ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である請求項37に記載の希釈水性すすぎ溶液。
【請求項41】
前記キレート化剤の有効量が、前記溶液中に少なくとも5ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である請求項37に記載の希釈水性すすぎ溶液。
【請求項42】
前記キレート化剤の有効量が、前記溶液中に0.5〜100ppmの遊離キレート化剤を供給するのに十分な量である請求項37に記載の希釈水性すすぎ溶液。
【請求項43】
前記キレート化剤の有効量がキレート化剤0.0001〜1重量%である請求項37に記載の希釈水性すすぎ溶液。
【請求項44】
実質的に重金属キレート化剤、酸、緩衝液及び水からなる水性すすぎ溶液であって、該キレート化剤が少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含んでおり、pHが少なくとも4で、かつ11以下であることを特徴とする水性すすぎ溶液。
【請求項45】
遊離のキレート化剤及び水を含む水性すすぎ溶液であって、該遊離のキレート化剤が少なくともアミン、カルボン酸官能基又はリン−酸素官能基を含んでいることを特徴とする水性すすぎ溶液。

【公表番号】特表2008−519144(P2008−519144A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540392(P2007−540392)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2005/039598
【国際公開番号】WO2006/052578
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(398061050)ジョンソンディバーシー・インコーポレーテッド (101)
【住所又は居所原語表記】8310 16th Street,Sturtevant,Wisconsin 53177−0902,United States of America
【Fターム(参考)】