説明

リソグラフィ装置及びデバイス製造方法

【課題】格子プレートの位置測定システムに干渉する汚染物により誤った測定が行われる可能性が低減された液浸リソグラフィ装置を提供する。
【解決手段】装置は、バリア100が使用され、汚染物(例えば、液滴及び/又は微粒子)は格子50又はセンサ20に接触することが防止される。バリア100に付着するいかなる汚染物も放射源からの放射ビームが格子50上で合焦する焦点面から十分に遠いように配置されているので、汚染物は測定に干渉しない。ある実施形態では、表面弾性波を用いて格子50又はセンサ20の表面から汚染物が除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本発明は、リソグラフィ装置及びデバイス製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又は幾つかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが与えられる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、基板を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0003】
[0003] 投影システムの最終要素と基板の間の空間を充填するように、リソグラフィ投影装置内の基板を水などの比較的高い屈折率を有する液体に液浸することが提案されている。液体は望ましくは蒸留水がよいが、別の液体を使用することもできる。本発明の実施形態は、液体について説明されている。しかし別の流体、特に湿潤流体、非圧縮性流体及び/又は屈折率が空気より高い、望ましくは屈折率が水より高い流体が適切なこともある。気体を除く流体が特に望ましい。そのポイントは、露光放射は液体中の方が波長が短いので、結像するフィーチャの小型化を可能にすることである。(液体の効果は、システムの有効開口数(NA)を大きくでき、焦点深さも大きくすることと見なすこともできる。)固体粒子(例えば石英)が懸濁している水、又はナノ粒子の懸濁(例えば最大10nmの最大寸法の粒子)がある液体などの、他の液浸液も提案されている。懸濁粒子は、これが懸濁している液体と同様の屈折率又は同じ屈折率を有していても、有していなくてもよい。適切になり得る他の液体は、芳香族などの炭化水素、フルオロハイドロカーボン、及び/又は水溶液である。
【0004】
[0004] 基板又は基板及び基板テーブルを液体槽に浸すこと(例えば米国特許US4,509,852号参照)は、スキャン露光中に加速すべき大きい塊の液体があることでもある。これには、追加のモータ又はさらに強力なモータが必要であり、液体中の乱流が望ましくない予測不能な効果を引き起こすことがある。
【0005】
[0005] 液浸装置では、液浸流体は、流体ハンドリングシステム、構造又は装置によってハンドリングされる。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、液浸流体を供給することができ、それ故、流体供給システムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、少なくとも部分的に液浸流体を閉じ込めることができ、それにより、流体閉じ込めシステムである。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、流体へのバリアを提供することができ、それにより、流体閉じ込め構造などのバリア部材である。ある実施形態では、流体ハンドリングシステムは、ガスのフローを生成又は使用して、例えば、液浸流体のフロー及び/又は位置を制御するのを助けることができる。ガスのフローは、液浸流体を閉じ込める封止を形成することができ、したがって、流体ハンドリング構造を封止部材と呼ぶこともできる。このような封止部材は、流体閉じ込め構造であってもよい。ある実施形態では、液浸液は、液浸流体として使用される。この場合、流体ハンドリングシステムは、液体ハンドリングシステムであってもよい。上記説明に関して、本節で流体に関して定義された特徴への言及は、液体に関して定義された特徴を含むと考えてもよい。
【0006】
[0006] 提案されている構成の1つは、液体供給システムが液体閉じ込めシステムを使用して、基板の局所領域に、及び投影システムの最終要素と基板の間にのみ液体を提供する(基板は通常、投影システムの最終要素より大きい表面積を有する)。これを配置構成するために提案されている1つの方法が、PCT特許出願公開WO99/49504号に開示されている。図2及び図3に図示されているように、液体が少なくとも1つの入口によって基板上に、好ましくは最終要素に対する基板の動作方向に沿って供給され、投影システムの下を通過した後に少なくとも1つの出口によって除去される。つまり、基板が−X方向にて要素の下でスキャンされると、液体が要素の+X側にて供給され、−X側にて取り上げられる。図2は、液体が入口を介して供給され、低圧源に接続された出口によって要素の他方側で取り上げられる構成を概略的に示したものである。図2の図では、液体が最終要素に対する基板Wの動作方向に沿って供給されるが、こうである必要はない。最終要素の周囲に配置された入口及び出口の様々な方向及び数が可能であり、一例が図3に図示され、ここでは各側に4組の入口と出口が、最終要素の周囲の規則的パターンで設けられる。液体のフローの方向は、図2及び図3に矢印で示されていることに留意されたい。
【0007】
[0007] 局所液体供給システムがある液浸リソグラフィのさらなる解決法が、図4に図示されている。液体が、投影システムPSのいずれかの側にある2つの溝入口によって供給され、入口の半径方向外側に配置された複数の別個の出口によって除去される。入口及び出口は、投影される投影ビームが通る穴が中心にある板に配置することができる。液体は、投影システムPSの一方側にある1つの溝入口によって供給され、投影システムPSの他方側にある複数の別個の出口によって除去されて、投影システムPSと基板Wの間に液体の薄膜の流れを引き起こす。どの組み合わせの入口と出口を使用するかの選択は、基板Wの動作方向によって決定することができる(他の組み合わせの入口及び出口は動作しない)。流体のフローの方向と基板Wの方向は図4に矢印で示されていることに留意されたい。
【0008】
[0008] 欧州特許出願公開EP1420300号及び米国特許出願公開2004−0136494号では、ツイン又はデュアルステージ液浸リソグラフィ装置の概念が開示されている。このような装置は、基板を支持する2つのテーブルを有する。第1の位置にあるテーブルで、液浸液がない状態でレベリング測定を実行し、液浸液が存在する第2の位置にあるテーブルで、露光を実行する。あるいは、装置は1つのテーブルのみを有する。
【0009】
[0009] PCT特許出願公開WO2005/064405号は、液浸液が閉じ込められないオールウェット構成を開示している。このようなシステムでは、基板の上面全体が液体で覆われる。これは、基板の上面全体が実質的に同じ状態に曝露しているので有利なことがある。これは、基板の温度制御及び処理にとって利点を有する。WO2005/064405号では、液体供給システムが投影システムの最終要素と基板の間のギャップに液体を供給する。その液体は、基板の残りの部分の上に漏れることができる。基板テーブルの縁部にあるバリアは、液体が逃げるのを防止し、したがって制御された方法で基板テーブルの上面からこれを除去することができる。このようなシステムは、基板の温度制御及び処理を改良するが、それでも液浸液の蒸発が生じることがある。その問題の軽減に役立つ1つの方法が、米国特許出願公開US2006/0119809号に記載されている。すべての位置で基板Wを覆い、液浸液を自身と基板及び/又は基板を保持する基板テーブルの上面との間に延在させるように構成された部材が提供される。
【0010】
[0010] リソグラフィ装置、特に液浸リソグラフィ装置(任意のタイプの)で使用されるあるタイプの位置測定デバイスは、格子と、放射源と、センサとを備える。格子及びセンサは、互いに対して可動で、その相対位置が望ましくは測定される異なるオブジェクト上に搭載されている。例えば、格子をリソグラフィ装置の基板テーブルと基準フレームの一方に取り付けることができ、センサをリソグラフィ装置の基板テーブルと基準フレームの他方に取り付けることができる。センサは、格子によって向きが変えられた放射を検知して、基板テーブルと基準フレームとの相対位置を測定する。
【発明の概要】
【0011】
[0011] 上記位置測定デバイスのセンサ又は格子上の汚染物(例えば、微粒子、液滴など)の存在は問題になる。これは、汚染物が格子/センサに入射するか又はそれによって向きが変えられる放射に干渉して読み取りの誤りを引き起こす場合があるからである。これは、液体のはねが発生して、液滴が格子又はセンサ上に落下する場合がある液浸リソグラフィシステムで特に困難である。液浸装置では、格子とセンサが液体をハンドリングする位置に近接しているため、この状況を緩和する手段が講じられないと、液滴がセンサ又は格子上に付着して測定結果の誤りを招く可能性がある。
【0012】
[0012] 例えば、格子及びセンサの位置測定デバイス内で誤った測定が行われる可能性が低減されたリソグラフィ装置を提供することが望ましい。
【0013】
[0013] 本発明のある態様によれば、基板を保持する基板テーブルと、基準フレームと、基板テーブル又は基準フレームに取り付けられた格子と、基板テーブル又は基準フレームの他方に取り付けられたセンサであって、格子によって向きが変えられた放射を検出して、基板テーブルと基準フレームとの相対位置を測定するセンサと、格子に関連するバリアであって、格子に汚染物が到達するのを防ぐ位置にあり、且つ格子から300μm〜5mmの距離にて格子とは反対方向に向いた表面を有するバリアとを備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0014】
[0014] 本発明のある態様によれば、基板を保持する基板テーブルと、基準フレームと、基板テーブル又は基準フレームに取り付けられた格子と、基板テーブル又は基準フレームの他方に取り付けられたセンサであって、格子によって向きが変えられた放射を検出して、基板テーブルと基準フレームとの相対位置を測定するセンサと、表面の特性を変更することにより表面から汚染物を除去する汚染物除去デバイスであって、表面が、(i)センサ、又は(ii)格子、又は(iii)センサもしくは格子を少なくとも部分的に覆うバリア、又は(iv)(i)〜(iii)から選択される任意の組合せの表面である汚染物除去デバイスとを備えるリソグラフィ装置が提供される。
【0015】
[0015] 本発明のある態様によれば、基板テーブル上に保持された基板にパターン付放射ビームを投影するステップを含むデバイス製造方法であって、投影システムに対する基板テーブルの位置が、格子とセンサとを用いて測定され、バリアが、汚染物が格子又はセンサに到達するのを防ぐ位置にあり、バリアが、関連する格子又はセンサから300μm〜5mmの距離にて関連する格子又はセンサとは反対方向に向いた表面を有するデバイス製造方法が提供される。
【0016】
[0016] 本発明のある態様によれば、格子、センサ、又はセンサもしくは格子を少なくとも部分的に覆うバリアの表面の微粒子及び/又は液滴を除去するか、又は上記表面に微粒子及び/又は液滴が付着するのを防止する方法であって、上記表面の特性を変更するステップを含む方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
[0017] 対応する参照符号が対応する部分を示す添付の概略図を参照しながら以下に本発明の実施形態について説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。
【0018】
【図1】[0018]本発明のある実施形態によるリソグラフィ装置を示す図である。
【図2】[0019]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。
【図3】[0019]リソグラフィ投影装置で使用する液体供給システムを示す図である。
【図4】[0020]リソグラフィ投影装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。
【図5】[0021]リソグラフィ装置で使用する別の液体供給システムを示す図である。
【図6】[0022]本発明のある実施形態による液浸リソグラフィ装置の格子及びセンサの位置測定デバイスの略断面図である。
【図7】[0023]図6の装置の平面図である。
【図8】[0024]本発明のある実施形態の基板テーブルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[0025] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示したものである。この装置は、
− 放射ビームB(例えばUV放射又はDUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
− パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構成され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、
− 基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTと、
− パターニングデバイスMAによって放射ビームBに与えられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば1つ又は複数のダイを含む)に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSとを含む。
【0020】
[0026] 照明システムILは、放射の誘導、整形、又は制御を行うための、屈折、反射、磁気、電磁気、静電気型等の光学コンポーネント、又はその任意の組み合わせなどの種々のタイプの光学コンポーネントを含んでいてもよい。
【0021】
[0027] 支持構造MTはパターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、パターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置の設計等の条件、例えばパターニングデバイスMAが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスを保持する。この支持構造MTは、パターニングデバイスMAを保持するために、機械的、真空、静電気等のクランプ技術を使用することができる。支持構造MTは、例えばフレーム又はテーブルでよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。支持構造MTは、パターニングデバイスMAが例えば投影システムPSなどに対して確実に所望の位置にくるようにできる。本明細書において「レチクル」又は「マスク」という用語を使用した場合、その用語は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なすことができる。
【0022】
[0028] 本明細書において使用する「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを生成するように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用し得る任意のデバイスを指すものとして広義に解釈されるべきである。ここで、放射ビームに与えられるパターンは、例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分における所望のパターンに正確には対応しないことがある点に留意されたい。一般的に、放射ビームに与えられるパターンは、集積回路などのターゲット部分に生成されるデバイスの特別な機能層に相当する。
【0023】
[0029] パターニングデバイスMAは透過性又は反射性でよい。パターニングデバイスの例には、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィにおいて周知のものであり、これには、バイナリマスク、レベンソン型(alternating)位相シフトマスク、ハーフトーン型(attenuated)位相シフトマスクのようなマスクタイプ、さらには様々なハイブリッドマスクタイプも含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例として、小さなミラーのマトリクス配列を使用し、そのミラーは各々、入射する放射ビームを異なる方向に反射するよう個々に傾斜することができる。傾斜したミラーは、ミラーマトリクスによって反射する放射ビームにパターンを与える。
【0024】
[0030] 本明細書において使用する「投影システム」という用語は、例えば使用する露光放射、又は液浸液の使用や真空の使用などの他の要因に合わせて適宜、例えば屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム及び静電気光学システム、又はその任意の組合せを含む任意のタイプの投影システムを網羅するものとして広義に解釈されるべきである。本明細書において「投影レンズ」という用語を使用した場合、これはさらに一般的な「投影システム」という用語と同義と見なすことができる。
【0025】
[0031] 本明細書で示すように、本装置は透過タイプである(例えば透過マスクを使用する)。あるいは、装置は反射タイプでもよい(例えば上記で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイを使用する、又は反射マスクを使用する)。
【0026】
[0032] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のパターニングデバイステーブル)を有するタイプでよい。このような「マルチステージ」機械においては、追加のテーブルを並行して使用するか、1つ又は複数の他のテーブルを露光に使用している間に1つ又は複数のテーブルで予備工程を実行することができる。
【0027】
[0033] 図1を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源SOとリソグラフィ装置とは、例えば放射源SOがエキシマレーザである場合に、別々の構成要素であってもよい。このような場合、放射源SOはリソグラフィ装置の一部を形成すると見なされず、放射ビームは、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエクスパンダなどを備えるビームデリバリシステムBDの助けにより、放射源SOからイルミネータILへと渡される。他の事例では、例えば放射源SOが水銀ランプの場合は、放射源SOがリソグラフィ装置の一体部分であってもよい。放射源SO及びイルミネータILは、必要に応じてビームデリバリシステムBDとともに放射システムと呼ぶことができる。
【0028】
[0034] イルミネータILは、放射ビームの角度強度分布を調節するアジャスタADを備えていてもよい。通常、イルミネータILの瞳面における強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ、σ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調節することができる。また、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の種々のコンポーネントを備えていてもよい。イルミネータを用いて放射ビームを調整し、その断面にわたって所望の均一性と強度分布とが得られるようにしてもよい。放射源SOと同様、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一部を形成すると考えてもよいし、又は考えなくてもよい。例えば、イルミネータILは、リソグラフィ装置の一体化部分であってもよく、又はリソグラフィ装置とは別の構成要素であってもよい。後者の場合、リソグラフィ装置は、イルミネータILをその上に搭載できるように構成することもでき、任意選択として着脱式であり、リソグラフィ装置の製造業者又は別の供給業者によって別に提供されてもよい。
【0029】
[0035] 放射ビームBは、支持構造(例えば、マスクテーブル)MT上に保持されたパターニングデバイス(例えば、マスク)MAに入射し、パターニングデバイスMによってパターニングされる。パターニングデバイスMAを横断した放射ビームBは、投影システムPSを通過し、投影システムPSは、ビームを基板Wのターゲット部分C上に合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ又は容量センサ)の助けを借りて、基板テーブルWTは、例えば、様々なターゲット部分Cを放射ビームBの経路に位置決めできるように正確に移動できる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(図1には明示されていない)を用いて、マスクライブラリからの機械的な取り出し後又はスキャン中などに放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めできる。一般に、支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの部分を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けにより実現できる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの部分を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを用いて実現できる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、支持構造MTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。パターニングデバイスMA及び基板Wは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。図示のような基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブレーンアライメントマークとして周知である)。同様に、パターニングデバイスMA上に複数のダイを設ける状況では、パターニングデバイスアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0030】
[0036] 図示のリソグラフィ装置は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0031】
[0037] 1.ステップモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは、基本的に静止状態に維持される一方、放射ビームに与えたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光で像が形成されるターゲット部分Cのサイズが制限される。
【0032】
[0038] 2.スキャンモードにおいては、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに与えられるパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズによって、単一動的露光におけるターゲット部分Cの(非スキャン方向における)幅が制限され、スキャン動作の長さによってターゲット部分Cの(スキャン方向における)高さが決まる。
【0033】
[0039] 3.別のモードでは、支持構造MTは、プログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに与えられたパターンをターゲット部分Cに投影する。このモードでは、一般にパルス状放射源を使用して、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、プログラマブルパターニングデバイスを必要に応じて更新する。この動作モードは、以上で言及したようなタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0034】
[0040] 上述した使用モードの組合せ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0035】
[0041] 投影システムの最終要素と基板の間に液体を提供する構成は、少なくとも2つの一般的カテゴリに分類することができる。それは、基板の全体及び任意選択で基板テーブルの一部が液体槽に浸される槽型構成と、液体が基板の局所領域に提供されるだけである液体供給システムを使用するいわゆる局所液浸システムとである。後者のカテゴリでは、液体によって充填された空間が基板の上面より平面図で小さく、液体で充填された領域は、基板がその領域の下で移動している間、投影システムに対して実質的に静止したままである。
【0036】
[0042] 本発明のある実施形態が狙いとする別の構成は、液体が閉じ込められていないオールウェット解決策である。この構成では、実質的に基板の上面全体、及び基板テーブルの全部又は一部が液浸液で覆われる。少なくとも基板を覆う液体の深さは浅い。液体は、基板上の液体の薄膜などの膜でよい。図2から図5の液体供給デバイスのいずれも、このようなシステムに使用できるが、その密封特徴は存在しないか、動作していないか、通常ほど効率的でないか、それ以外にも局所領域のみに液体を密封するには有効でない。図2から図5には、4つの異なるタイプの局所液体供給システムが図示されている。図2から図4に開示した液体供給システムは、以上で説明されている。
【0037】
[0043] 提案されている別の構成は、投影システムの最終要素と基板テーブルの間の空間の境界の少なくとも一部に沿って延在する液体閉じ込め構造を液体供給システムに設ける。このような構成が図5に図示されている。液体閉じ込め構造は、投影システムに対してXY面では実質的に静止しているが、Z方向(光軸の方向)には多少の相対運動があってよい。液体閉じ込め構造と基板の表面の間にシールが形成される。実施形態では、シールは液体閉じ込め構造と基板の表面の間に形成され、ガスシールなどの非接触シールとすることができる。このようなシステムが、米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
【0038】
[0044] 図5は、投影システムPSの最終要素と基板テーブルWT又は基板Wとの間の空間11の境界の少なくとも一部に沿って延在するバリア部材又は流体閉じ込め構造12を備えた局所液体供給システム又は流体ハンドリング構造を概略的に示す。(以下の説明で、基板Wの表面という表現は、明示的に断りのない限り、追加的に又は代替的に、基板テーブルWTの表面も指すことに留意されたい。)流体閉じ込め構造12は、投影システムPSに対してXY平面で実質的に静止しているが、Z方向(光軸方向)には相対的に多少動くことができる。ある実施形態では、液体閉じ込め構造12と基板Wの表面との間には封止が形成され、封止は、ガスシール又は流体封止などの非接触封止でよい。
【0039】
[0045] 流体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素と基板Wとの間の空間11内に少なくとも部分的に液体を封じ込める。液体が基板Wの表面と投影システムPSの最終要素との間の空間11内に閉じ込められるように、基板Wへのガスシール16などの非接触封止を投影システムPSの画像フィールドの周囲に形成することができる。空間11は、投影システムPSの最終要素の下に位置し、それを取り囲む流体閉じ込め構造12によって少なくとも部分的に形成される。液体は、投影システムPSの下の空間11、さらに液体入口13によって流体閉じ込め構造12内に流し込まれる。液体は、液体排出口13によって除去することができる。流体閉じ込め構造12は、投影システムPSの最終要素から上に少し突き出すことができる。液体のバッファが提供されるように、液面は最終要素より上に上昇する。ある実施形態では、流体閉じ込め構造12は、上端で投影システムPS又はその最終要素の形状にぴったりと一致する例えば円形の内周を有する。底部で、内周は、画像フィールドの形状、例えば矩形にぴったりと一致するが、これはそうでなくてもよい。
【0040】
[0046] 液体は、使用時に流体閉じ込め構造12の底と基板Wの表面との間に形成されるガスシール16によって空間11内に封じ込められる。ガスシール16は、ガス、例えば、空気又は合成空気によって形成されるが、ある実施形態では、N又はその他の不活性ガスによって形成される。ガスシール16内のガスは、入口15を介して流体閉じ込め構造12と基板Wとの間の空隙に加圧下で提供される。ガスは、排出口14を介して取り出される。液体を内側に閉じ込める高速のガスフローが存在するように、ガス入口15上の過剰圧力、排出口14上の真空レベル及び空隙の幾何構造が配置されている。流体閉じ込め構造12と基板Wとの間の液体上のガスの力で液体は、空間11内に封じ込められる。入口/排出口は、空間11を取り囲む環状の溝であってもよい。環状の溝は、連続的又は不連続的であってもよい。ガスの流れは、液体を空間11内に封じ込める効果がある。そのようなシステムが米国特許出願公開US2004−0207824号に開示されている。
【0041】
[0047] 本発明のある実施形態は、任意のタイプのリソグラフィ装置、特に液浸装置に適用することができる。
【0042】
[0048] 図5の例は、液体が任意の一時点で基板Wの上面の局所領域にのみ提供される、いわゆる局所領域構成である。例えば、米国特許出願公開US2006−0038968号に開示された単相抽出器(2相モードで動作するか否かを問わず)を使用する流体ハンドリングシステムを含む他の構成も可能である。ある実施形態では、単相抽出器は、単一液相の液体抽出を可能にするためにガスから液体を分離するための多孔質の材料で覆われた入口を備えてもよい。多孔質の材料の下流にあるチャンバはわずかに圧力がかかった状態に保たれ、液体で満たされている。チャンバ内の加圧は、多孔質の材料の穴に形成されたメニスカスによって周囲ガスがチャンバ内に引き込まれない程度の大きさである。しかし、多孔質の表面が液体に接触すると、フローを制限するメニスカスは存在せず、液体はチャンバ内に自由に流入することができる。多孔質の材料は、例えば5〜50μmの範囲の直径の多数の小さい孔を有する。ある実施形態では、多孔質の材料は、少なくともわずかに親液性(例えば、親水性)であり、すなわち、水などの液浸液に対して90°未満の接触角を有する。可能な別の構成は、気体抗力原理に基づく構成である。いわゆるガス抵抗原理は、例えば、2008年5月8日出願の米国特許出願公開US2008−0212046号及び米国特許出願公開US61/071,621号に記載されている。そのシステムでは、抽出孔が、望ましくは、角を有する形状に配置されている。角は、ステップ及びスキャン方向に整合することができる。これによって、2つの排出口がスキャン方向に垂直に整合していた場合と比較して、ステップ又はスキャン方向の所与の速度について流体ハンドリング構造の表面の2つの開口の間のメニスカスにかかる力が低減する。本発明のある実施形態は、オールウェット液浸装置で使用される流体ハンドリング構造に適用することができる。オールウェット実施形態では、例えば、投影システムの最終要素と基板との間に液体を閉じ込める閉じ込め構造から液体を流出させることで、流体が基板テーブルの上面全体を覆うことができる。オールウェット実施形態の流体ハンドリング構造の一例は、2008年9月2日出願の米国特許出願US61/136,380号に記載されている。
【0043】
[0049] 図6は、格子及びセンサの位置測定デバイスを使用する液浸リソグラフィ装置の断面図を示す。本発明のある実施形態は、非液浸リソグラフィ装置にも同様に適用することができる。
【0044】
[0050] 図6は、基板テーブルWTと液体供給システム12並びに投影システムPSの略断面図を示す。図から分かるように、図示の装置は、液体膜が基板テーブルWTの上面全体を覆ういわゆるオールウェットシステムである。しかし、本発明のある実施形態は、他のタイプの装置にも同様に適用することができる。
【0045】
[0051] 投影システムPSに対する基板テーブルWTの位置を決定するために、格子及びセンサの位置測定デバイスが使用される。図6の実施形態では、センサ20は基板テーブルWTに取り付けられ、格子50は、いわゆるメトロロジーフレームと呼ばれる基準フレームRFに取り付けられている。投影システムPSに対する格子50の相対位置は周知であり、基準フレームRFに対する投影システムPSの位置が周知であるため、実質的に静止している。リソグラフィ装置の基準フレームRFをベースフレームBF(図1を参照)上にパッシブ又はアクティブガスマウントで搭載して、工場の床の振動などのいかなる外乱も除去することができる。こうして、投影システムPSの光学カラムを実質的に静止した位置に保持することができる。基板テーブルWTのスキャン動作中に、光学カラムに対する基板テーブルWTの位置を確認することが望ましい。従って、位置測定デバイスが提供されて、基準フレームRFに対する基板テーブルWTの位置が決定される。一実施形態では、センサ20は基準フレームRFに取り付けられているが、格子50は、基板テーブルWT上で形成されるか又はそれに取り付けられている。そのような実施形態について以下に図8を参照しながら説明する。
【0046】
[0052] 格子50は、表面に複数の線又はスポット、例えば、クロム線又はスポットを含む。表面は、例えばプレート55の表面である。プレート55と格子50は、共に格子プレートを形成する。
【0047】
[0053] プレート55は、望ましくは、熱膨張係数が低い材料で製造される。例えば、熱膨張係数が低いガラス、ガラスセラミック、又はZerodur(商標)などのセラミックを使用することができる。
【0048】
[0054] 格子50の線は、例えば、複数の平行な線(一次元)である。しかし、別の形態の格子50も使用することができる。例えば、格子50は、第1の方向の複数の線と第2の方向の複数の線で、第1及び第2の方向が例えば実質的に垂直(2次元)であってもよい。
【0049】
[0055] 放射ビームは、例えば、放射源30によって格子50の方へ誘導される。一実施形態では、放射源30は、波長が例えば約600nmの光を生成する。一実施形態では、放射源30は、波長が約780nmの光を生成する。しかし、正確な波長は重要ではない。放射源は、基準フレームRFに取り付けられている。放射源30は、追加的に又は代替的に基板テーブルWTに取り付けられていてもよい。放射源30によって格子50に誘導された放射ビームは、格子50によって反射及び/又は回折し、次に、この放射はセンサ20によって検出される。センサ20と放射源30は、共にエンコーダ40を形成する。
【0050】
[0056] 位置測定は、1自由度以上で格子50に対するセンサ20の位置を測定することで実行される。図6のシステムの平面図である図7に示すように、複数のセンサ20及び放射源30が基板テーブルWTに取り付けられている。各エンコーダ40は、2自由度で基板テーブルWTの位置を測定することができ、6自由度での位置測定を可能にする。エンコーダタイプの測定システムを使用することで高精度の位置測定が可能になる。エンコーダヘッドの他の任意の適切な構成も適用することができる。図7の実施形態では、基板テーブルWT上には少なくとも3つのエンコーダ、望ましくは4つのエンコーダがある。これによって、基板テーブルWTの平行移動及び回転移動を検出することができる。また、図7に示すように、格子50は、4つの別々の格子50a、50b、50c、50dに分割される。各々の格子50a、50b、50c、50dの線は互いに任意の向きを有する。一実施形態では、各々の格子50a、50b、50c、50dの線は、互いに平行でなく直交もしない。
【0051】
[0057] 格子50は、投影システムPSの光学カラム用の中央の穴を備え、いくつかの搭載デバイスで基準フレームRF上に搭載されている。
【0052】
[0058] 格子50上に液滴(例えば、液浸液の)又は汚染された微粒子が存在すると、測定エラーが発生する場合がある。これは、格子50によって向きが変えられる前又は後の放射源30からの放射ビームは、その特性(例えば、移動方向、偏光方向、輝度)のうちの1つ又は複数が変化し、それにより特性のうちの1つ又は複数が変化した(すなわち、干渉を受けた)放射をセンサ20が検出すると測定エラーを引き起こす場合があるからである。
【0053】
[0059] 本発明のある実施形態では、バリア100が使用される。バリア100は、格子50に対して、関連する格子50に汚染物(例えば、液滴及び/又は微粒子)が到達するのを阻止する位置にある。
【0054】
[0060] バリア100は、格子50とは反対方向に向いた表面110を有する。バリア100に付着するいかなる汚染物もその表面110に付着する。表面110は、それに付着するいかなる汚染物も放射源30からの放射ビームが格子50上で合焦する焦点面から十分に遠いように配置されているので、汚染物は測定に干渉しない。すなわち、汚染物は、センサ20及び放射源30を備えるエンコーダ40にとって焦点はずれの位置にある。
【0055】
[0061] こうして、汚染物が存在するにしても、汚染物は、センサの位置測定システムによって行われる測定にほとんど干渉しない。
【0056】
[0062] 表面110に付着することができる最大液滴サイズ(例えば液浸液が水として)の直径は、約1.8mmである。これは、静的接触角が0°の表面110の場合である。静的接触角が80°の場合、最大液滴サイズの直径は0.6mm程度である。静的接触角が140°の場合、最大液滴サイズの直径は約0.1mm程度である。この知識に基づいて、上記のように大半の液滴が焦点はずれになる格子50からの表面110の距離範囲を計算することができる。どの汚染物の微粒子も同様のサイズである可能性が高い。以下の説明から明らかなように、表面110がより大きい液滴又は微粒子が焦点はずれになるような十分遠い位置にある場合、より小さい液滴又は微粒子は自動的に焦点はずれになる。
【0057】
[0063] 汚染物が焦点はずれになるために表面100が格子50からとるべき距離を決定する式を記述することができる。この式は、距離>汚染物の直径/tan(θ)、但しθはセンサ20の光学系の開口角度である。通常の開口角度θは10°である。従って、汚染物の直径が約100μmの場合、表面110と格子50との距離は少なくとも567μmでなければならない。汚染物の直径が約0.6mmの場合、距離は少なくとも約3mmでなければならない。距離には実用的な限界がある。バリア100で利用可能な所与の空間の量はわずかである。バリア100が格子50から遠すぎる場合、基板テーブルWTの上部に近づきすぎ、それにより、汚染される(例えば、液体がはね散る)可能性が高まる。距離が近すぎる場合、大きい汚染物が放射源30からの放射ビームに干渉する。従って、本発明のある実施形態では、距離は、望ましくは300μm〜5mmの間である。そのような距離は、最大約0.7mmのサイズ(ほぼ最大のサイズ)の汚染物が位置測定読み取りに確実に影響しないために適している。一実施形態では、距離は4mm未満である。ある実施形態では、距離は3mm未満である。ある実施形態では、距離は500μmより大きく、又は1mmより大きい。
【0058】
[0064] 一実施形態では、表面110は、格子50から300μm〜3mm離れている。これは、センサ20及び放射源30を備えるエンコーダ40にとっていかなる汚染物も焦点はずれであるために十分な距離であるが、表面110がより多くの汚染物を引き付ける(基板テーブルWT、従って、例えば液浸液により近くなるために)ような遠い距離ではない。
【0059】
[0065] バリア100は、いかなる浮遊汚染物もセンサ20にとって焦点はずれになり、それにより読み取りを確実に阻害しないようにする助けになる。さらに、液滴が乾燥すると、乾燥する汚れを後に残す場合がある。そのようないかなる乾燥する汚れも焦点はずれになる。バリア100は、格子50よりも交換又は洗浄のコストが低く簡単である。
【0060】
[0066] バリア100は、任意の適切な材料で製造することができる。パターニングデバイスを保護する薄膜に使用する材料が適切である。例えば、PTFEなどのフルオロポリマーが適切な場合もある。ある実施形態では、バリア100は、可撓性ポリマーであってもよい。ある実施形態では、材料は疎液性である。例えば、液浸液は、材料と90°より大きい、望ましくは100°より大きい、より望ましくは110°より大きい、より望ましくは120、130、140又は150°より大きい静的接触角(室温、及び大気圧の条件で)をなしていてもよい。接触角が大きいほど、バリア100に付着することができる最大液滴サイズは小さくなる。一実施形態では、静的接触角は、180°より小さい。一実施形態では、バリア100は、厚さが0.7μmであってもよく、望ましくは0.2μm〜1.5μmである。他のポリマーが適切な場合もある。バリア100の材料は、放射源30からの放射の波長を十分に透過するため、センサ20によって有意の信号を検出することができる。
【0061】
[0067] バリア100のその他の材料が適切な場合もある。例えば、石英又はZerodur(商標)が適切な場合もある。この場合、バリア100は比較的堅固である。この実施形態では、バリア100の厚さを例えば0.1〜0.3mmまで増やしてもよい。一実施形態では、バリア100は、バリア100と格子50との間に空隙を設けた、又は設けない格子50のプレート55に直接取り付けられた比較的厚いプレート(1〜4mm)からなっていてもよい。硬質の又は堅固な又は厚いバリア100の利点は、バリア100が衝突の際に格子50をある程度保護するという点である。
【0062】
[0068] 図6の実施形態では、格子50とバリア100との間に空隙120が存在する。一実施形態では、調整ガス供給部130が提供される。調整ガス供給部130は、一定温度のガスを空隙120に提供する。これは、そうでなければ位置測定エラーを引き起こす可能性がある格子50内の温度変化を回避する助けとなる。同じ目的で、調整デバイス(図6には示さず)がプレート55の反対側に存在する。
【0063】
[0069] バリア100を取り付けることができるフレーム140が提供される。バリア100は、フレーム140から着脱することができる。このためバリア100の交換及び/又は洗浄が楽になる。一実施形態では、バリア100を格子50のプレート55に取り付けずに、バリア100を直接基準フレームRFに取り付けてもよい。
【0064】
[0070] 一実施形態では、バリア100と格子50との間に空隙120は提供されない。バリア100と格子50とは一体化していてもよい。例えば、格子50は、センサ20と放射源30とは反対方向に向いたプレート55の表面上に画定されていてもよい。すなわち、格子50を形成するいかなる線又はスポットもセンサ20とは反対方向に向いたプレート55の表面上に形成される。こうして、格子50から離間したプレート55の表面上にあらゆる汚染物が付着する。従って、プレート55自体がバリア100を形成し、あらゆる汚染物が付着する表面は格子50から離間しているため、センサ20にとって表面上のいかなる汚染物も焦点はずれになる。
【0065】
[0071] 一実施形態では、バリア100は、液浸液に対して疎液性の材料からなり、及び/又は疎液性の被膜を有する。ある実施形態では、材料は疎液性である。例えば、液浸液は、材料と90〜180°、望ましくは100°より大きい、より望ましくは110°より大きい、又は120°より大きい静的接触角をなす。これは、液滴が表面110に付着するのを防止する助けになり、及び/又は液滴を表面110から除去しやすくする。
【0066】
[0072] 時折(例えば、毎日、ロットごとに、又は基板ごとに)、バリア100の表面110を洗浄する必要がある場合がある。これを実行する1つの方法は、ガスの流れを基板110上に吹き付けて汚染物(例えば、微粒子及び/又は液滴)を除去するガスナイフ150を提供することである。
【0067】
[0073] 汚染物を除去する追加的又は代替的方法は、表面110の特性を変更することにより汚染物(例えば、微粒子及び/又は液滴)を除去する汚染物除去デバイス160の使用である。例えば、表面弾性波(surface acoustic waves: SAW)を誘導するように構成されたトランスデューサによって、表面弾性波を基板110に導入することができる。これによって表面110の表面の微細構成(topography)が経時的に変化する(すなわち、基板110に表面波が導入される)。表面110のこの表面の微細構成(すなわち、表面の特性である表面の形状)の経時変化は、汚染物の除去の助けとなる。SAW発生器を適正に配置し構成することによって、音波は、バリア100の底面にある液滴、薬品汚染物及び/又は微粒子を大幅に除去することができる。それに加えて、SAW発生器が起動していると、これらの液滴、薬品汚染物及び/又は微粒子がそもそも表面110に付着することが防止される。バリア100内の音波は、基板テーブルWTの位置測定及び/又は移動に悪影響を与えることがあるため、SAW発生器を常に起動しておくことは不可能である(また必要でもない)ことを理解されたい。
【0068】
[0074] バリア100に付着した汚染物を、バリア100の表面110上でそれらがより害を与えないか、又は効果的に除去することができる場所へ移動させるように、音波がバリア100を確実に通過するようにできる。音波発生器自体を構成することに加えて、バリア100を多少傾けることも有効である。
【0069】
[0075] 代替的に又は追加的に、複数の電極を表面110に形成することができ、電圧を電極に印加することで、表面110の静電位(表面110の特性)を変化させることができる。そのような静電位の変化を用いて、汚染物をそれらの収集が可能であるか、又は少なくとも放射源30からの放射に干渉しない表面110の縁部へ移動させることができる。液滴の静電移動は、2007年12月3日出願の米国特許出願US60/996,736号に詳述されている。
【0070】
[0076] ある実施形態では、可撓性ポリマーのバリア100が使用される場合、表面弾性波を誘導することは不可能な場合がある。しかし、この場合(他の場合と同様)、バリア100を揺すって付着した汚染物を除去することができる。
【0071】
[0077] バリアとして可撓性ポリマーが使用される場合、一方の端部にポリマーの供給ロールを有し、他方に収集ロールを有することができる。ポリマーは、供給ロールからアンロールされ、他方の端部で巻き取られて新しいポリマーを露出する。これは、定期的に、又は一定の間隔で実行することができる。別の方法としては、所与の長さのポリマーの表面110が位置測定デバイスが所望の精度で動作することができないほど汚染された場合に実行してもよい。
【0072】
[0078] 図6に関連してバリア100及び様々な汚染物除去デバイスについて格子50との関連で説明してきたが、これらのデバイスの全部又は一部を、代替的に又は追加的に、センサ20又は放射源30に等しく適用することができる。例えば、液滴がセンサ20又は放射源30に付着すると、信号は、測定された位置には影響せず信号を減衰させる。従って、位置測定の結果のエラーは発生せず(その液滴が格子50に付着した場合とは対照的に)、信号強度が弱すぎるために全く位置測定ができない。一実施形態では、バリア100は存在しない。その代わりに、格子50の表面又はセンサ20の表面又は放射源30の特性を変更する少なくとも1つの微粒子除去デバイス160、170が存在する。
【0073】
[0079] 一実施形態では、バリア100は、格子50に隣接する空間が格子50とバリア100によって囲まれるように、フレーム140の周囲に巻かれている。これは、微粒子がバリア100の縁部の格子50に移動することを防止する助けになる。しかし、この場合、空隙120と空隙120の外部の圧力を均一化する必要がある場合がある。これを達成するために、格子50の表面の平面に実質的に垂直のバリア100の1つ又は複数の縁部に1つ又は複数の穴111を提供することができる。
【0074】
[0080] ラビリンスシール(すなわち、一端から他端へ曲がりくねった経路を提示することで封止するシール)をそのような1つ又は複数の穴の周囲に提供して汚染物が空隙120に侵入するのを防止するのを助けることができる。一実施形態では、フィルタを用いてそのような1つ又は複数の穴を通して空隙120に侵入するいかなるガスも除去することができる。
【0075】
[0081] 一実施形態では、バリア100は、水平面に対してある角度をなすように配置されている。こうしていかなる汚染物(例えば、液滴)も重力の影響で収集されるか又は残るバリア100の1つの縁部へ移動することができる。
【0076】
[0082] 図7は、図6の構成の平面図を示す。図7では、投影システムPSを取り囲む4つの格子プレート55a、55b、55c,55dが示されている。基板テーブルWT上の少なくとも3つのエンコーダ40が基板テーブルWTの任意の位置(位置が格子プレート/センサの位置検出器で測定される)について一度に格子プレート55の下に位置するように格子プレートの寸法が選択される。
【0077】
[0083] 格子50の全表面がバリア100で覆われるように、各格子50は1つ又は複数のバリア100を備えることができる。望ましくは、どの格子50もフレームで覆われないように、格子50あたり1つのバリア100しか使用されない。
【0078】
[0084] 図8は、格子プレート55又は格子50が基板Wを取り囲む基板テーブルWTの上面に形成された実施形態を示す。図を見やすくするために図8からバリア100は省略されている。この場合、センサ20及び放射源30を備えるエンコーダ40が基準フレームRFに取り付けられている。この場合、図6の実施形態と同様、格子50の上及び/又はセンサ20の上及び/又は放射源30の上にバリアを提供することができる。図6の実施形態と同様、格子50、センサ20、放射源30及び/又はバリア100の上のそれらのオブジェクトのうちのいずれか上で様々な汚染物除去デバイスを使用することができる。
【0079】
[0085] ご理解いただけるように、上記の特徴のいずれも他のいずれの特徴とも併用することができ、本発明出願で対象になる範囲は上記の明示的な組合せに限定されない。
【0080】
[0086] ある態様では、基板を保持する基板テーブルと、基準フレームと、基板テーブル又は基準フレームに取り付けられた格子と、基板テーブル又は基準フレームの他方に取り付けられたセンサであって、格子によって向きが変えられた放射を検出して、基板テーブルと基準フレームとの相対位置を測定するセンサと、格子に関連するバリアであって、格子に汚染物が到達するのを防ぐ位置にあり、且つ格子から300μm〜5mmの距離にて格子とは反対方向に向いた表面を有するバリアとを備えるリソグラフィ装置が提供される。任意選択として、バリアの表面は、疎液性であるか、又は疎液性の被膜を有する。任意選択として、バリアと関連する格子又はセンサとの間に空隙があるように、バリアは関連する格子又はセンサから遠位の位置にある。望ましくは、装置は、さらに、ガスを空隙に提供するガス供給部を備える。望ましくは、ガス供給部は、一定温度のガスを空隙に供給することができるような調整ガス供給部である。望ましくは、装置はフレームをさらに備え、バリアはフレームに取り付けられている。望ましくは、バリアは、関連する格子又はセンサに隣接する空間を取り囲む。望ましくは、装置は、さらに、空間内及び空間外のガスの圧力を均一化できる穴をバリア内に備える。任意選択として、バリアは、ポリマー、望ましくはPTFEなどのフルオロポリマーを含む。任意選択として、バリアは厚さが0.1〜2μmで、望ましくは1μm未満である。任意選択として、バリアは格子と一体化している。望ましくは、プレートはバリアを形成し、格子がプレートの裏側に形成されている。任意選択として、バリアはプレートを備える。任意選択として、バリアは格子又はセンサに接触している。任意選択として、バリアは、各々が関連する格子又はセンサの異なる部分に隣接して位置する複数の別々のバリアを備える。任意選択として、格子は、表面上に複数の線を含む。望ましくは、線はクロム線である。任意選択として、バリアは、装置に着脱式に取り付けられている。任意選択として、バリアは、使用時に、バリア上のいかなる液滴も重力の影響下で移動するように水平面に対してある角度をなす。任意選択として、装置は、バリアの表面から汚染物を除去する汚染物除去デバイスをさらに備える。任意選択として、距離は、望ましくは500μmより大きく、より望ましくは1mmより大きい。任意選択として、距離は、望ましくは4mm未満で、より望ましくは3mm未満である。
【0081】
[0087] ある態様では、基板を保持する基板テーブルと、基準フレームと、基板テーブル又は基準フレームに取り付けられた格子と、基板テーブル又は基準フレームの他方に取り付けられたセンサであって、格子によって向きが変えられた放射を検出して、基板テーブルと基準フレームとの相対位置を測定するセンサと、表面の特性を変更することにより表面から汚染物を除去する汚染物除去デバイスであって、表面が、(i)センサ、又は(ii)格子、又は(iii)センサもしくは格子を少なくとも部分的に覆うバリア、又は(iv)(i)〜(iii)から選択される任意の組合せの表面である汚染物除去デバイスとを備えるリソグラフィ装置が提供される。任意選択として、汚染物除去デバイスは、表面から微粒子及び/又は液滴を除去するように構成されている。任意選択として、特性は、表面の微細構成又は静電位である。任意選択として、汚染物除去デバイスは、表面弾性波を表面に誘導するトランスデューサを備える。任意選択として、汚染物除去デバイスは、表面上又は表面内に形成された複数の電極と電極に電圧を印加する電圧印加装置とを備える。
【0082】
[0088] ある態様では、基板テーブル上に保持された基板にパターン付放射ビームを投影するステップを含むデバイス製造方法であって、投影システムに対する基板テーブルの位置が格子とセンサとを用いて測定され、バリアが、格子又はセンサに汚染物が到達するのを阻止する位置にあり、バリアが、関連する格子又はセンサから300μm〜5mmの距離にて関連する格子又はセンサとは反対方向に向いた表面を有するデバイス製造方法が提供される。
【0083】
[0089] ある態様では、格子、センサ、又はセンサもしくは格子を少なくとも部分的に覆うバリアの表面の微粒子及び/又は液滴を除去するか、又は上記表面に微粒子及び/又は液滴が付着するのを防止する方法であって、上記表面の特性を変更するステップを含む方法が提供される。
【0084】
[0090] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているかもしれないが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用誘導及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ、「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが、当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジーツール及び/又はインスペクションツールで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板処理ツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、したがって本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0085】
[0091] 本明細書で使用する「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外線(UV)放射(例えば、365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nm、又はこれら辺りの波長を有する)を含むあらゆるタイプの電磁放射を網羅する。「レンズ」という用語は、状況が許せば、屈折、反射、磁気、電磁気及び静電気光学部品を含む様々なタイプの光学部品のいずれか1つ、又はその組合せを指すことができる。
【0086】
[0092] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることが理解される。例えば、本発明の実施形態は、上記で開示したような方法を述べる機械読み取り式命令の1つ又は複数のシーケンスを含むコンピュータプログラム、又はこのようなコンピュータプログラムを内部に格納したデータ記憶媒体(例えば半導体メモリ、磁気又は光ディスク)の形態をとることができる。さらに機械読み取り式命令は、2つ以上のコンピュータプログラムで実現することができる。2つ以上のコンピュータプログラムを、1つ又は複数の異なるメモリ及び/又はデータ記憶媒体に記憶することができる。
【0087】
[0093] 1つ又は複数のコンピュータプログラムがリソグラフィ装置の少なくとも1つのコンポーネント内にある1つ又は複数のコンピュータプロセッサによって読み出される時に、本明細書に記載するコントローラは各々、又は組み合わせて動作可能になる。コントローラは各々、又は組み合わせて、信号を受信、処理、送信するのに適した任意の構成を有する。1つ又は複数のプロセッサは、コントローラの少なくとも1つと通信するように構成されている。例えば、各コントローラは、上記方法のための機械読み取り可能命令を含むコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプロセッサを含むことができる。コントローラは、そのようなコンピュータプログラムを格納するデータ記憶媒体及び/又はそのような媒体を収容するハードウェアを含むことができる。したがって、コントローラは、1つ又は複数のコンピュータプログラムの機械読み取り可能命令に従って動作することができる。
【0088】
[0094] 本発明の1つ又は複数の実施形態は、任意の液浸リソグラフィ装置に、特に液浸液が浴槽の形態で提供されるか、基板の局所的な表面領域のみに提供されるか、基板及び/又は基板テーブル上に閉じ込められないかにかかわらず、上述したタイプに適用することができるが、これに限定されない。閉じ込められない構成では、液浸液は基板及び/又は基板テーブルの表面上に流れることができ、したがって実質的に基板テーブル及び/又は基板の覆われていない表面全体が濡れる。このように閉じ込められていない液浸システムでは、液体供給システムが液浸液を閉じ込めることができないか、又はある割合の液浸液閉じ込めを提供することができるが、実質的に液浸液の閉じ込めを完成しない。
【0089】
[0095] 本明細書で想定するような液体供給システムは、広義に解釈されたい。特定の実施形態では、これは、液体を投影システムと基板及び/又は基板テーブルの間の空間に提供する機構又は構造の組み合わせでよい。これは、1つ又は複数の構造、1つ又は複数の液体入口、1つ又は複数の気体入口、1つ又は複数の気体出口、及び/又は液体を空間に提供する1つ又は複数の液体出口の組み合わせを備えてよい。実施形態では、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの一部でよいか、空間の表面が基板及び/又は基板テーブルの表面を完全に覆ってよいか、又は空間が基板及び/又は基板テーブルを囲んでよい。液体供給システムは、任意選択で、液体の位置、量、品質、形状、流量又は任意の他の特徴を制御する1つ又は複数の要素をさらに含むことができる。
【0090】
[0096] 上記の説明は例示的であり、限定的ではない。したがって、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板テーブルと、
基準フレームと、
前記基板テーブル又は前記基準フレームに取り付けられた格子と、
前記基板テーブル又は前記基準フレームの他方に取り付けられたセンサであって、前記格子によって向きが変えられた放射を検出して、前記基板テーブルと前記基準フレームとの間の相対位置を測定するセンサと、
前記格子又はセンサに関連するバリアであって、該関連する格子又はセンサに汚染物が到達するのを妨げる位置にあり、且つ該関連する格子又はセンサから300μm〜5mmの距離にて該関連する格子又はセンサとは反対方向に向いた表面を有するバリアと、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項2】
前記バリアが前記格子と一体化している、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
プレートが前記バリアを形成し、前記格子が該プレートの裏側に形成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記バリアがプレートを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記バリアが前記格子又は前記センサに接触している、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記バリアと前記関連する格子又はセンサとの間に空隙があるように、前記バリアが、前記関連する格子又はセンサから遠位の位置にある、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
ガスを前記空隙に提供するガス供給部をさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
フレームをさらに備え、前記バリアが該フレームに取り付けられる、請求項6又は7に記載の装置。
【請求項9】
前記バリアが、前記関連する格子又はセンサに隣接する空間を取り囲む、請求項6から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記バリアが、各々が前記関連する格子又はセンサの異なる部分に隣接して位置する複数の別々のバリアを備える、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記バリアが前記装置に着脱式に取り付けられる、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記バリアが、使用時に、前記バリア上のいかなる液滴も重力の影響下で移動するように、水平面に対してある角度をなす、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記バリアの表面から汚染物を除去する汚染物除去デバイスをさらに備える、前記請求項のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
基板を保持する基板テーブルと、
基準フレームと、
前記基板テーブル又は前記基準フレームに取り付けられた格子と、
前記基板テーブル又は前記基準フレームの他方に取り付けられたセンサであって、前記格子によって向きが変えられた放射を検出して、前記基板テーブルと前記基準フレームとの間の相対位置を測定するセンサと、
表面の特性を変更することにより該表面から汚染物を除去する汚染物除去デバイスであって、該表面が、(i)前記センサ、又は(ii)前記格子、又は(iii)前記センサもしくは格子を少なくとも部分的に覆うバリア、又は(iv)(i)〜(iii)から選択される任意の組合せの表面である、汚染物除去デバイスと、
を備えるリソグラフィ装置。
【請求項15】
基板テーブル上に保持された基板にパターン付放射ビームを投影するステップを含むデバイス製造方法であって、投影システムに対する前記基板テーブルの位置が、格子とセンサを用いて測定され、バリアが、前記格子又はセンサに汚染物が到達するのを防ぐ位置にあり、該バリアが、関連する格子又はセンサから300μm〜5mmの距離にて該関連する格子又はセンサとは反対方向に向いた表面を有する、デバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−138602(P2012−138602A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−38613(P2012−38613)
【出願日】平成24年2月24日(2012.2.24)
【分割の表示】特願2009−268223(P2009−268223)の分割
【原出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(504151804)エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. (1,856)
【Fターム(参考)】