リニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、キャップ部品
【課題】案内レールの取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面とを面一にすることが可能なリニアガイド装置等を提供する。
【解決手段】案内レール2に沿ってスライダ3が直線運動するリニアガイド装置1において、案内レール2には、案内レール2を被取付部に固定する固定部材5を挿入するための取り付け穴6が形成されており、取り付け穴6を閉塞するキャップ7を有し、キャップ7には、取り付け穴6と同芯の第1ねじ部11aが配置されており、取り付け穴6内には、第1ねじ部11aと螺合する第2ねじ部が配置されており、キャップ7を取り付け穴6内で回転させて第2ねじ部に対する第1ねじ部11aの位置を変化させることにより、取り付け穴6内のキャップ7の位置を調整することを特徴とする。
【解決手段】案内レール2に沿ってスライダ3が直線運動するリニアガイド装置1において、案内レール2には、案内レール2を被取付部に固定する固定部材5を挿入するための取り付け穴6が形成されており、取り付け穴6を閉塞するキャップ7を有し、キャップ7には、取り付け穴6と同芯の第1ねじ部11aが配置されており、取り付け穴6内には、第1ねじ部11aと螺合する第2ねじ部が配置されており、キャップ7を取り付け穴6内で回転させて第2ねじ部に対する第1ねじ部11aの位置を変化させることにより、取り付け穴6内のキャップ7の位置を調整することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、案内レールに沿ってスライダを直線運動させるリニアガイド装置が知られており、通常、テーブル等に対してボルトで固定されて用いられる。このため、案内レールにはボルトを挿入するための取り付け穴が形成されており、取り付け穴には塵、埃、ゴミ等の異物の侵入を防ぐためのキャップが嵌め込まれている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−38226号公報
【特許文献2】特開2007−211924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のリニアガイド装置では、取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面との間に段差がない状態、即ち面一にするための構成が考慮されていない。このため、キャップの寸法誤差(経時変化による寸法誤差も含む)や取り付け誤差により、キャップの上面と案内レールの上面との間に段差が生じてしまう。そしてこのような段差が生じれば、案内レール上を直線運動するスライダが取り付け穴を通過する際に、スライダに設けられたサイドシールがキャップ又は取り付け穴と干渉して損傷してしまう。また、キャップの上面が案内レールの上面よりも低い場合には、キャップの上面に異物が堆積してしまう。そして、キャップの上面に堆積した異物がスライダ内へ侵入し、スライダの動作に悪影響を及ぼしてしまう。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、案内レールの取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面とを面一にすることが可能なリニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、
案内レールに沿ってスライダが直線運動するリニアガイド装置において、
前記案内レールには、前記案内レールを被取付部に固定する固定部材を挿入するための取り付け穴が形成されており、
前記取り付け穴を閉塞するキャップを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が配置されており、
前記取り付け穴内には、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部が配置されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするリニアガイド装置を提供する。
【0007】
また本発明は、
前記キャップを回転させるための回転冶具と前記キャップの上面とを粘着シールで固定し、前記回転冶具を回転操作することで前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とする前記リニアガイド装置のキャップ位置調整方法を提供する。
【0008】
また本発明は、
リニアガイド装置をボルトで被取付部に取り付けるために案内レールに設けられた前記ボルト用の取り付け穴を閉塞するキャップと、
前記取り付け穴内の前記キャップを位置決めする位置決め部品とを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が形成されており、
前記位置決め部品には、前記取り付け穴内での前記位置決め部品の回転を禁止するために前記ボルトに嵌合される嵌合部と、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部とが形成されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするキャップ部品を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、案内レールの取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面とを面一にすることが可能なリニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係るリニアガイド装置の構成を示す図であり、(a)は一部断面で示した側面図、(b)は正面図、(c)は(a)のA−A断面図である。
【図2】第1実施形態において案内レールをテーブルにボルトで固定する様子を示す図であり、(a)は固定前、(b)は固定後を示す図である。
【図3】第1実施形態における防塵キャップ及び位置決め部品の構成を示す図であり、(a)は防塵キャップの上面図及び側面図、(b)は位置決め部品の上面図及び側面図、(c)は防塵キャップと位置決め部品を組み合わせる様子を示す図、(d)は防塵キャップと位置決め部品を組み合わせた後の様子を示す図である。
【図4】第1実施形態において防塵キャップ及び位置決め部品を案内レールの取り付け穴に取り付ける様子を示す図であり、(a)は取り付け前、(b)は取り付け後を示す図である。
【図5】第1実施形態において防塵キャップ及び位置決め部品を案内レールの取り付け穴に取り付ける様子を示す図であり、(a)は位置決め部品を取り付けた状態、(b)は防塵キャップを取り付けた状態を示す図、(c)は(b)の部分拡大図である。
【図6】第1実施形態において防塵キャップ及び位置決め部品を案内レールの取り付け穴に取り付けた際に防塵キャップの上面と案内レールの上面との間に段差が生じている様子を示す図であり、(a)は防塵キャップが取り付け穴に沈み込んでいる様子、(b)は防塵キャップが取り付け穴から露出している様子を示す図である。
【図7】第1実施形態における回転用部品の構成を示す図であり、(a)は回転冶具の上面図及び側面図、(b)は粘着シールの上面図及び側面図、(c)は回転冶具に粘着シールを貼り付ける様子を示す図である。
【図8】第1実施形態において回転用部品を用いて案内レールの取り付け穴内の防塵キャップの上下方向位置を調整する様子を示す図である。
【図9】第1実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴から取り外す様子を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るリニアガイド装置における防塵キャップの構成を示す上面図及び断面図である。
【図11】第2実施形態に係るリニアガイド装置の構成を示す断面図である。なお、スライダの図示は省略している。
【図12】第2実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴に取り付ける様子を示す図であり、(a)は取り付け前、(b)は取り付け後を示す図である。
【図13】第2実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴に取り付けた際に防塵キャップの上面と案内レールの上面との間に段差が生じている様子を示す図であり、(a)は防塵キャップが取り付け穴に沈み込んでいる様子、(b)は防塵キャップが取り付け穴から露出している様子を示す図である。
【図14】第2実施形態において回転用部品を用いて案内レールの取り付け穴内の防塵キャップの上下方向位置を調整する様子を示す図である。
【図15】第2実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴から取り外す様子を示す図である。
【図16】回転用部品の変形例の構成を示す図であり、(a)は回転冶具の上面図及び側面図、(b)は粘着シールの上面図及び側面図、(c)は回転冶具に粘着シールを貼り付ける様子を示す図である。
【図17】回転用部品の変形例の構成を示す図であり、(a)は下面図、(b)は正面図、(c)は(a)のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の各実施形態に係るリニアガイド装置を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、案内レール2と、案内レール2に沿って移動可能なスライダ3とを有する。
案内レール2は、図1に示すように、細長い略四角柱形状の金属製部材からなり、その両側面には軸方向へ延びる案内溝2aが2本ずつ形成されている。案内レール2には、図2に示すようにリニアガイド装置1をテーブル等にボルト5で取り付ける際に、ボルト5を挿入して案内レール2をテーブル等に締め付け固定するための取り付け穴6が軸方向に沿って複数箇所に形成されている。取り付け穴6は、図1(c)に示すように案内レール2を上下方向へ貫通する円形の貫通孔であり、ボルト5の軸部を収納する軸収納部6aと、軸収納部6aよりも大径でボルト5の頭部を収納する座繰り部6bとからなる。取り付け穴6は、後述する図3に示す防塵キャップ7及び位置決め部品8によって閉塞される。なお、本実施形態においてボルト5には、図2に示すように六角穴付きボルトが用いられる。
【0012】
スライダ3は、図1に示すように、案内レール2の軸方向へ延在しており断面が略コ字状をした部材からなり、案内レール2に跨るように配置されている。スライダ3において案内レール2の両側面に対向する部分(両側の袖部分3a)の内側面には、案内レール2の案内溝2aと対向して軸方向へ延びる不図示の案内溝が2本ずつ形成されている。斯かるスライダ3の案内溝と案内レール2の案内溝2aとはボールの転動通路を形成しており、この転動通路には不図示の複数のボールが装填されている。
【0013】
上記構成により、スライダ3は複数のボールが転動通路内を転動することによって案内レール2上を直線運動することができる。
なお、スライダ3の両側の袖部分3aの内部には、転動したボールを反対方向へ送り戻すための不図示の戻し通路と、この戻し通路と転動通路とを連通するための不図示の方向転換通路が形成されている。このため、複数のボールは転動通路、方向転換通路、及び戻し通路を循環することが可能である。
【0014】
また、スライダ3の移動方向側の両端部には、図1(b)に示すように、案内レール2の両側面及び上面に嵌り合う形状のサイドシール8が設けられており、これによって案内レール2の両側面(案内溝2aを含む)や上面に付着した異物を除去することが可能である。
本実施形態に係るリニアガイド装置1において、案内レール2の取り付け穴6を閉塞するための防塵キャップ7は、図3(a)に示すように案内レール2の座繰り部6bよりも大径で樹脂製の円柱部材からなる。この円柱部材の上面は凹凸のない平坦面であり、下面には上方へ向かって延び、かつ上面まで貫通しない円柱形状の穴部11が形成されている。穴部11は当該円柱部材と同芯であって、その内周面には雌ねじ部11aが形成されている。なお、防塵キャップ7は樹脂成形品として金型で製作することが可能である。
【0015】
位置決め部品8は、案内レール2の取り付け穴6内における防塵キャップ7の上下方向位置を位置決めするための部品であって、図3(b)に示すようにボルト5の六角穴に嵌り合う樹脂製の六角柱部材からなる。この六角柱部材の一方の端部には、防塵キャップ7の雌ねじ部11aと螺合可能な雄ねじ部8aが形成されている。なお、位置決め部品8も樹脂成形品として金型で製作することが可能である。
【0016】
斯かる構成の防塵キャップ7と位置決め部品8は、図3(c)及び図3(d)に示すように防塵キャップ7の雌ねじ部11aに位置決め部品8の雄ねじ部8aを螺合させて組み合わせた上で使用される。
ここで、本実施形態に係るリニアガイド装置1をテーブル等にボルト5で取り付ける際の取り付け手順を説明する。
【0017】
手順1:図2に示すように、作業者はリニアガイド装置1をテーブル15に配置する。そして作業者は、案内レール2の取り付け穴6にボルト5を挿入して六角棒レンチ等で締め付けることにより、テーブル15に対して案内レール2を固定する。
手順2:図4に示すように、作業者は防塵キャップ7及び位置決め部品8を、位置決め部品8がボルト5の六角穴に嵌り合うように、案内レール2の取り付け穴6に押し込む。このとき、上述のように防塵キャップ7は、取り付け穴6の座繰り部6bよりも大径であるため、座繰り部6bに締めしろ嵌合される、即ち防塵キャップ7はその弾性力によって座繰り部6b内に保持される。また、位置決め部品8は、ボルト5の六角穴に嵌り合うことで、取り付け穴6内での回転が禁止される。
【0018】
ここで、本実施形態では、図5(a),(b)に示すように、防塵キャップ7を調整するための治具に備えたタッピンねじ8を、防塵キャップ7に設けられた下穴(タップを設けていない)に嵌合して、防塵キャップ7の位置を調整する構成としてもよい。これにより、防塵キャップ7とボルト5との間に生じる緩みは少なくなる。また、本実施形態では、図5(c)に示すように、タッピンねじ8が緩むことを防止するため、防塵キャップ7とタッピンねじ8との間に接着剤Bを介在させ、かかる接着剤によって防塵キャップ7とタッピンねじ8とを接合してもよい。
【0019】
また、防塵キャップ7及び位置決め部品8を案内レール2の取り付け穴6に押し込んだ際には、通常、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面との間に段差が生じてしまう。詳細には、図6(a)に示すように、防塵キャップ7が取り付け穴6に沈み込み、防塵キャップ7の上面が案内レール2の上面よりも低くなってしまう。或いは、図6(b)に示すように、防塵キャップ7が取り付け穴6から露出し、防塵キャップ7の上面が案内レール2の上面よりも高くなってしまう。そこで、本実施形態に係るリニアガイド装置1では、手順3以下で述べるように、図7に示す回転用部品10を用いて、案内レール2の取り付け穴6内における防塵キャップ7の上下方向位置を調整する。
【0020】
回転用部品10は、案内レール2の取り付け穴6内に保持された防塵キャップ7を回転操作するためのものであり、図7に示すように回転冶具13と粘着シール14とからなる。
回転冶具13は、防塵キャップ7よりも小径又は同径の円柱部材13aと、この円柱部材13aの上面の中心に固設されたT字型の取手部材13bとからなる。
【0021】
粘着シール14は、回転冶具13の円柱部材13aと同径で丸型をしており、円柱部材13aの下面に貼り付けて使用される。なお、粘着シール14には、両面に粘着性を有する材料からなるシール(例えば、シリコンシール等)が用いられる。
手順3:図8に示すように、作業者は防塵キャップ7に対して回転用部品10を上方から押し付け、粘着シール14の下面を防塵キャップ7の上面に貼り付ける。これにより、回転用部品10を防塵キャップ7に固定することができる。
【0022】
手順4:図8に示すように、作業者は回転用部品10によって防塵キャップ7を回転操作し、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面とを面一にする。具体的には、作業者が取手部材13bを掴んで回転用部品10を防塵キャップ7に押し付けながら反時計回りに回転させると、回転用部品10に加えられた回転力が防塵キャップ7へ伝わり、防塵キャップ7が回転用部品10と一体的に回転する。これにより、防塵キャップ7の雌ねじ部11aが位置決め部品8の雄ねじ部8aから繰り出して防塵キャップ7と位置決め部品8との間隔が広まり、防塵キャップ7を案内レール2の取り付け穴6内で上方へ移動させることができる。一方、作業者が回転用部品10を防塵キャップ7に押し付けながら時計回りに回転させると、防塵キャップ7の雌ねじ部11aが位置決め部品8の雄ねじ部8aに繰り込んで防塵キャップ7と位置決め部品8との間隔が狭まり、防塵キャップ7を案内レール2の取り付け穴6内で下方へ移動させることができる。このように作業者が回転用部品10を用いて防塵キャップ7を回転操作することで、案内レール2の取り付け穴6内の防塵キャップ7の上下方向位置を調整し、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面とを面一にすることができる。
【0023】
手順5:図8に示すように、作業者は回転用部品10を防塵キャップ7から取り外し、これによって防塵キャップ7及び位置決め部品8による案内レール2の取り付け穴6の閉塞が完了する。なお、上述のように、案内レール2には取り付け穴6が軸方向に沿って複数箇所に形成されている。このため、全ての取り付け穴6について以上に述べた手順1〜5を実施することで、リニアガイド装置1のテーブル15への取り付けが完了する。
【0024】
なお、上記手順4において、作業者が回転用部品10を防塵キャップ7に押し付けながら反時計回りに回転させ続けると、図9に示すように位置決め部品8の雄ねじ部8aから防塵キャップ7の雌ねじ部11aが離脱し、回転用部品10とともに防塵キャップ7を案内レール2の取り付け穴6から取り外すことが可能となる。このとき、位置決め部品8は取り付け穴6内のボルト5の六角穴に残留する。このように本実施形態では、案内レール2の取り付け穴6から防塵キャップ7を損傷させることなく取り外すこともできる。
【0025】
以上より、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、案内レール2の取り付け穴6内の防塵キャップ7の上下方向位置を調整し、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面とを面一にすることができる。このため、スライダ3が案内レール2上を直線運動した際に取り付け穴6を通過しても、スライダ3のサイドシール8が防塵キャップ7や取り付け穴6と干渉することがないため、サイドシール8が損傷することを防ぐことができる。また、防塵キャップ7や取り付け穴6に異物が堆積することを防ぎ、スライダ3内に異物が侵入して動作に悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0026】
また、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、上述のように案内レール2の取り付け穴6内の防塵キャップ7の上下方向位置を調整する際に、回転用部品10を用いて防塵キャップ7を回転させる構成である。したがって、防塵キャップ7の上面は防塵キャップ7を回転させるための特段の構成を必要とせずに平坦面にできるため、前述の効果を最大限に発揮することができる。なお、防塵キャップ7を回転させる際に、回転用部品10を用いずに防塵キャップ7を作業者が手で直接押さえて回転させることも可能である。
また、本実施形態における防塵キャップ7及び位置決め部品8は、これらに対応した特段の構成を案内レールに必要としないため、上記特許文献1、2のような従来のリニアガイド装置の案内レールに対しても適用することが可能である。
【0027】
なお、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、上述のようにボルト5として六角穴付きボルトを採用しているが、これに限られず、その他の形状の穴付きボルトを採用してもよい。例えば、ボルト5として四角穴付きボルトを採用した場合には、位置決め部品8を当該ボルトの四角穴に嵌り合う四角柱部材とすればよい。また、ボルト5は穴付きボルトに限られず、その他の固定手段を採用することも可能である。この場合、位置決め部品8には、案内レール2の取り付け穴6内での回転を禁止するために、当該固定手段に嵌合される嵌合部を設ければよい。
また、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、上述のように防塵キャップ7の穴部11の雌ねじ部11aと位置決め部品8の雄ねじ部8aとを螺合させる構成であるが、これに限られない。例えば、防塵キャップ7の下面に凸部を設けて雄ねじ部を形成し、位置決め部品8に穴部を設けて雌ねじ部を形成し、これらを螺合させる構成としてもよい。
【0028】
(第2実施形態)
図11に示す本実施形態に係るリニアガイド装置20について、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について詳細に説明する。
本実施形態における案内レール12は、図11に示すように、取り付け穴6の座繰り部6bの内周面上部に雌ねじ部12aが形成されている。斯かる案内レール12の取り付け穴6は、図10に示す防塵キャップ17によって閉塞される。
【0029】
本実施形態における防塵キャップ17は、図10に示すように、案内レール12の取り付け穴6の座繰り部6bと略同径で樹脂製の円柱部材からなる。この円柱部材の上面は凹凸のない平坦面であり、外周面全体には案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aと螺合可能な雄ねじ部17aが形成されている。なお、防塵キャップ17は樹脂成形品として金型で製作することが可能である。
【0030】
ここで、本実施形態に係るリニアガイド装置20をテーブル等にボルト5で取り付ける際の取り付け手順を説明する。
手順1:上記第1実施形態の手順1と同様に、作業者はテーブル15に対して案内レール12を固定する(図11を参照)。
手順2:上記第1実施形態の手順3と同様に、作業者は回転用部品10の粘着シール14の下面を防塵キャップ17の上面に貼り付けて、回転用部品10を防塵キャップ17に固定する(図12を参照)。なお、このとき作業者は、防塵キャップ17の雄ねじ部17aにゆるみ止め剤を塗布する。
【0031】
手順3:図12に示すように、作業者は防塵キャップ17の雄ねじ部17aを案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aに螺合させることにより、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6に取り付ける。本実施形態ではこのように防塵キャップ17の雄ねじ部17aと取り付け穴6の雌ねじ部12aが螺合することで、防塵キャップ17が取り付け穴6内に保持される。なお、上記第1実施形態と同様に、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6に取り付けた際には、通常、図13に示すように防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面との間に段差が生じてしまう。そこで、手順4以下で述べるように、回転用部品10を用いて、案内レール12の取り付け穴6内における防塵キャップ17の上下方向位置を調整する。
【0032】
手順4:図14に示すように、作業者は回転用部品10によって防塵キャップ17を回転操作し、防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面とを面一にする。具体的には、作業者が取手部材13bを掴んで回転用部品10を防塵キャップ17に押し付けながら反時計回りに回転させると、案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aから防塵キャップ17の雄ねじ部17aが繰り出して、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6内で上方へ移動させることができる。一方、作業者が回転用部品10を防塵キャップ17に押し付けながら時計回りに回転させると、案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aに防塵キャップ17の雄ねじ部17aが繰り込んで、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6内で下方へ移動させることができる。このように作業者が回転用部品10を用いて防塵キャップ17を回転操作することで、案内レール12の取り付け穴6内の防塵キャップ17の上下方向位置を調整し、防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面とを面一にすることができる。
【0033】
手順5:上記第1実施形態の手順5と同様に、作業者は回転用部品10を防塵キャップ17から取り外す(図14を参照)。なお、このようにして案内レール12の取り付け穴6に取り付けられた防塵キャップ17は、上記手順2のゆるみ止め剤の効果により、取り付け穴6内で不用意に回転することがないため、防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面との面一を維持することができる。また、案内レール12に設けられた全ての取り付け穴6について以上に述べた手順1〜5を実施することで、リニアガイド装置20のテーブル15への取り付けが完了する。
【0034】
なお、上記手順4において、作業者が回転用部品10を防塵キャップ17に押し付けながら反時計回りに回転させ続けると、図15に示すように案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aから防塵キャップ17の雄ねじ部17aが離脱し、回転用部品10とともに防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6から損傷させることなく取り外すことができる。
【0035】
以上より、本実施形態に係るリニアガイド装置20は、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態に係るリニアガイド装置20は、上記第1実施形態の位置決め部品8を必要としない。このため、その分の部品点数を削減することができる。また、ボルト5の種類に左右されないため、ボルト5の選択肢が増えるという利点も備えている。
【0036】
なお、上記各実施形態で用いた回転用部品10の構成は上述のものに限られず、例えば図16及び図17に示す変形例のような構成としてもよい。
図16及び図17に示す回転用部品18の回転冶具13には、図16(a)に示すように、円柱部材13aの下面に複数の小型突起13cが固設されている。小型突起13cは、粘着シール14の厚み以下の長さの円柱形状をしており、円柱部材13aの下面において円柱部材13aより小径の同芯円上に等間隔で6箇所に設けられている。
【0037】
回転用部品18の粘着シール14には、図16(b)に示すように、回転冶具13の小型突起13cに対向する位置に、小型突起13cと嵌り合う寸法の円形貫通孔14aが6箇所形成されている。斯かる粘着シール14は、図16(c)に示すように、回転冶具13の小型突起13cと粘着シール14の円形貫通孔14aとが嵌り合うように、円柱部材13aの下面に貼り付けて使用される。
【0038】
以上に述べた回転用部品18は、回転冶具13の小型突起13cと粘着シール14の円形貫通孔14aとが嵌り合うことにより、回転冶具13に対して粘着シール14をより強固に固定することができる。このため、上記各実施形態の手順4において回転用部品18を用いて防塵キャップ7、17を回転操作する際に、回転用部品18に加えた回転力が防塵キャップ7、17へ伝わりやすくなり、回転操作がより容易になる。なおこのとき、上述のように回転冶具13の小型突起13cの長さが粘着シール14の厚み以下であるため、防塵キャップ7、17が小型突起13cと干渉して損傷してしまうことを防ぐことができる。
以上より、上記各実施形態によれば、案内レールの取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面とを面一にすることが可能なリニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品を実現することができる。
【符号の説明】
【0039】
1、20 リニアガイド装置
2、12 案内レール
3 スライダ
5 ボルト
6 取り付け穴
7、17 防塵キャップ
8 位置決め部品
8a、17a 雄ねじ部
10、18 回転用部品
11a、12a 雌ねじ部
13 回転冶具
14 粘着シール
15 テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、リニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、案内レールに沿ってスライダを直線運動させるリニアガイド装置が知られており、通常、テーブル等に対してボルトで固定されて用いられる。このため、案内レールにはボルトを挿入するための取り付け穴が形成されており、取り付け穴には塵、埃、ゴミ等の異物の侵入を防ぐためのキャップが嵌め込まれている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−38226号公報
【特許文献2】特開2007−211924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のリニアガイド装置では、取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面との間に段差がない状態、即ち面一にするための構成が考慮されていない。このため、キャップの寸法誤差(経時変化による寸法誤差も含む)や取り付け誤差により、キャップの上面と案内レールの上面との間に段差が生じてしまう。そしてこのような段差が生じれば、案内レール上を直線運動するスライダが取り付け穴を通過する際に、スライダに設けられたサイドシールがキャップ又は取り付け穴と干渉して損傷してしまう。また、キャップの上面が案内レールの上面よりも低い場合には、キャップの上面に異物が堆積してしまう。そして、キャップの上面に堆積した異物がスライダ内へ侵入し、スライダの動作に悪影響を及ぼしてしまう。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、案内レールの取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面とを面一にすることが可能なリニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、
案内レールに沿ってスライダが直線運動するリニアガイド装置において、
前記案内レールには、前記案内レールを被取付部に固定する固定部材を挿入するための取り付け穴が形成されており、
前記取り付け穴を閉塞するキャップを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が配置されており、
前記取り付け穴内には、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部が配置されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするリニアガイド装置を提供する。
【0007】
また本発明は、
前記キャップを回転させるための回転冶具と前記キャップの上面とを粘着シールで固定し、前記回転冶具を回転操作することで前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とする前記リニアガイド装置のキャップ位置調整方法を提供する。
【0008】
また本発明は、
リニアガイド装置をボルトで被取付部に取り付けるために案内レールに設けられた前記ボルト用の取り付け穴を閉塞するキャップと、
前記取り付け穴内の前記キャップを位置決めする位置決め部品とを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が形成されており、
前記位置決め部品には、前記取り付け穴内での前記位置決め部品の回転を禁止するために前記ボルトに嵌合される嵌合部と、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部とが形成されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするキャップ部品を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、案内レールの取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面とを面一にすることが可能なリニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態に係るリニアガイド装置の構成を示す図であり、(a)は一部断面で示した側面図、(b)は正面図、(c)は(a)のA−A断面図である。
【図2】第1実施形態において案内レールをテーブルにボルトで固定する様子を示す図であり、(a)は固定前、(b)は固定後を示す図である。
【図3】第1実施形態における防塵キャップ及び位置決め部品の構成を示す図であり、(a)は防塵キャップの上面図及び側面図、(b)は位置決め部品の上面図及び側面図、(c)は防塵キャップと位置決め部品を組み合わせる様子を示す図、(d)は防塵キャップと位置決め部品を組み合わせた後の様子を示す図である。
【図4】第1実施形態において防塵キャップ及び位置決め部品を案内レールの取り付け穴に取り付ける様子を示す図であり、(a)は取り付け前、(b)は取り付け後を示す図である。
【図5】第1実施形態において防塵キャップ及び位置決め部品を案内レールの取り付け穴に取り付ける様子を示す図であり、(a)は位置決め部品を取り付けた状態、(b)は防塵キャップを取り付けた状態を示す図、(c)は(b)の部分拡大図である。
【図6】第1実施形態において防塵キャップ及び位置決め部品を案内レールの取り付け穴に取り付けた際に防塵キャップの上面と案内レールの上面との間に段差が生じている様子を示す図であり、(a)は防塵キャップが取り付け穴に沈み込んでいる様子、(b)は防塵キャップが取り付け穴から露出している様子を示す図である。
【図7】第1実施形態における回転用部品の構成を示す図であり、(a)は回転冶具の上面図及び側面図、(b)は粘着シールの上面図及び側面図、(c)は回転冶具に粘着シールを貼り付ける様子を示す図である。
【図8】第1実施形態において回転用部品を用いて案内レールの取り付け穴内の防塵キャップの上下方向位置を調整する様子を示す図である。
【図9】第1実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴から取り外す様子を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係るリニアガイド装置における防塵キャップの構成を示す上面図及び断面図である。
【図11】第2実施形態に係るリニアガイド装置の構成を示す断面図である。なお、スライダの図示は省略している。
【図12】第2実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴に取り付ける様子を示す図であり、(a)は取り付け前、(b)は取り付け後を示す図である。
【図13】第2実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴に取り付けた際に防塵キャップの上面と案内レールの上面との間に段差が生じている様子を示す図であり、(a)は防塵キャップが取り付け穴に沈み込んでいる様子、(b)は防塵キャップが取り付け穴から露出している様子を示す図である。
【図14】第2実施形態において回転用部品を用いて案内レールの取り付け穴内の防塵キャップの上下方向位置を調整する様子を示す図である。
【図15】第2実施形態において防塵キャップを案内レールの取り付け穴から取り外す様子を示す図である。
【図16】回転用部品の変形例の構成を示す図であり、(a)は回転冶具の上面図及び側面図、(b)は粘着シールの上面図及び側面図、(c)は回転冶具に粘着シールを貼り付ける様子を示す図である。
【図17】回転用部品の変形例の構成を示す図であり、(a)は下面図、(b)は正面図、(c)は(a)のB−B断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の各実施形態に係るリニアガイド装置を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、案内レール2と、案内レール2に沿って移動可能なスライダ3とを有する。
案内レール2は、図1に示すように、細長い略四角柱形状の金属製部材からなり、その両側面には軸方向へ延びる案内溝2aが2本ずつ形成されている。案内レール2には、図2に示すようにリニアガイド装置1をテーブル等にボルト5で取り付ける際に、ボルト5を挿入して案内レール2をテーブル等に締め付け固定するための取り付け穴6が軸方向に沿って複数箇所に形成されている。取り付け穴6は、図1(c)に示すように案内レール2を上下方向へ貫通する円形の貫通孔であり、ボルト5の軸部を収納する軸収納部6aと、軸収納部6aよりも大径でボルト5の頭部を収納する座繰り部6bとからなる。取り付け穴6は、後述する図3に示す防塵キャップ7及び位置決め部品8によって閉塞される。なお、本実施形態においてボルト5には、図2に示すように六角穴付きボルトが用いられる。
【0012】
スライダ3は、図1に示すように、案内レール2の軸方向へ延在しており断面が略コ字状をした部材からなり、案内レール2に跨るように配置されている。スライダ3において案内レール2の両側面に対向する部分(両側の袖部分3a)の内側面には、案内レール2の案内溝2aと対向して軸方向へ延びる不図示の案内溝が2本ずつ形成されている。斯かるスライダ3の案内溝と案内レール2の案内溝2aとはボールの転動通路を形成しており、この転動通路には不図示の複数のボールが装填されている。
【0013】
上記構成により、スライダ3は複数のボールが転動通路内を転動することによって案内レール2上を直線運動することができる。
なお、スライダ3の両側の袖部分3aの内部には、転動したボールを反対方向へ送り戻すための不図示の戻し通路と、この戻し通路と転動通路とを連通するための不図示の方向転換通路が形成されている。このため、複数のボールは転動通路、方向転換通路、及び戻し通路を循環することが可能である。
【0014】
また、スライダ3の移動方向側の両端部には、図1(b)に示すように、案内レール2の両側面及び上面に嵌り合う形状のサイドシール8が設けられており、これによって案内レール2の両側面(案内溝2aを含む)や上面に付着した異物を除去することが可能である。
本実施形態に係るリニアガイド装置1において、案内レール2の取り付け穴6を閉塞するための防塵キャップ7は、図3(a)に示すように案内レール2の座繰り部6bよりも大径で樹脂製の円柱部材からなる。この円柱部材の上面は凹凸のない平坦面であり、下面には上方へ向かって延び、かつ上面まで貫通しない円柱形状の穴部11が形成されている。穴部11は当該円柱部材と同芯であって、その内周面には雌ねじ部11aが形成されている。なお、防塵キャップ7は樹脂成形品として金型で製作することが可能である。
【0015】
位置決め部品8は、案内レール2の取り付け穴6内における防塵キャップ7の上下方向位置を位置決めするための部品であって、図3(b)に示すようにボルト5の六角穴に嵌り合う樹脂製の六角柱部材からなる。この六角柱部材の一方の端部には、防塵キャップ7の雌ねじ部11aと螺合可能な雄ねじ部8aが形成されている。なお、位置決め部品8も樹脂成形品として金型で製作することが可能である。
【0016】
斯かる構成の防塵キャップ7と位置決め部品8は、図3(c)及び図3(d)に示すように防塵キャップ7の雌ねじ部11aに位置決め部品8の雄ねじ部8aを螺合させて組み合わせた上で使用される。
ここで、本実施形態に係るリニアガイド装置1をテーブル等にボルト5で取り付ける際の取り付け手順を説明する。
【0017】
手順1:図2に示すように、作業者はリニアガイド装置1をテーブル15に配置する。そして作業者は、案内レール2の取り付け穴6にボルト5を挿入して六角棒レンチ等で締め付けることにより、テーブル15に対して案内レール2を固定する。
手順2:図4に示すように、作業者は防塵キャップ7及び位置決め部品8を、位置決め部品8がボルト5の六角穴に嵌り合うように、案内レール2の取り付け穴6に押し込む。このとき、上述のように防塵キャップ7は、取り付け穴6の座繰り部6bよりも大径であるため、座繰り部6bに締めしろ嵌合される、即ち防塵キャップ7はその弾性力によって座繰り部6b内に保持される。また、位置決め部品8は、ボルト5の六角穴に嵌り合うことで、取り付け穴6内での回転が禁止される。
【0018】
ここで、本実施形態では、図5(a),(b)に示すように、防塵キャップ7を調整するための治具に備えたタッピンねじ8を、防塵キャップ7に設けられた下穴(タップを設けていない)に嵌合して、防塵キャップ7の位置を調整する構成としてもよい。これにより、防塵キャップ7とボルト5との間に生じる緩みは少なくなる。また、本実施形態では、図5(c)に示すように、タッピンねじ8が緩むことを防止するため、防塵キャップ7とタッピンねじ8との間に接着剤Bを介在させ、かかる接着剤によって防塵キャップ7とタッピンねじ8とを接合してもよい。
【0019】
また、防塵キャップ7及び位置決め部品8を案内レール2の取り付け穴6に押し込んだ際には、通常、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面との間に段差が生じてしまう。詳細には、図6(a)に示すように、防塵キャップ7が取り付け穴6に沈み込み、防塵キャップ7の上面が案内レール2の上面よりも低くなってしまう。或いは、図6(b)に示すように、防塵キャップ7が取り付け穴6から露出し、防塵キャップ7の上面が案内レール2の上面よりも高くなってしまう。そこで、本実施形態に係るリニアガイド装置1では、手順3以下で述べるように、図7に示す回転用部品10を用いて、案内レール2の取り付け穴6内における防塵キャップ7の上下方向位置を調整する。
【0020】
回転用部品10は、案内レール2の取り付け穴6内に保持された防塵キャップ7を回転操作するためのものであり、図7に示すように回転冶具13と粘着シール14とからなる。
回転冶具13は、防塵キャップ7よりも小径又は同径の円柱部材13aと、この円柱部材13aの上面の中心に固設されたT字型の取手部材13bとからなる。
【0021】
粘着シール14は、回転冶具13の円柱部材13aと同径で丸型をしており、円柱部材13aの下面に貼り付けて使用される。なお、粘着シール14には、両面に粘着性を有する材料からなるシール(例えば、シリコンシール等)が用いられる。
手順3:図8に示すように、作業者は防塵キャップ7に対して回転用部品10を上方から押し付け、粘着シール14の下面を防塵キャップ7の上面に貼り付ける。これにより、回転用部品10を防塵キャップ7に固定することができる。
【0022】
手順4:図8に示すように、作業者は回転用部品10によって防塵キャップ7を回転操作し、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面とを面一にする。具体的には、作業者が取手部材13bを掴んで回転用部品10を防塵キャップ7に押し付けながら反時計回りに回転させると、回転用部品10に加えられた回転力が防塵キャップ7へ伝わり、防塵キャップ7が回転用部品10と一体的に回転する。これにより、防塵キャップ7の雌ねじ部11aが位置決め部品8の雄ねじ部8aから繰り出して防塵キャップ7と位置決め部品8との間隔が広まり、防塵キャップ7を案内レール2の取り付け穴6内で上方へ移動させることができる。一方、作業者が回転用部品10を防塵キャップ7に押し付けながら時計回りに回転させると、防塵キャップ7の雌ねじ部11aが位置決め部品8の雄ねじ部8aに繰り込んで防塵キャップ7と位置決め部品8との間隔が狭まり、防塵キャップ7を案内レール2の取り付け穴6内で下方へ移動させることができる。このように作業者が回転用部品10を用いて防塵キャップ7を回転操作することで、案内レール2の取り付け穴6内の防塵キャップ7の上下方向位置を調整し、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面とを面一にすることができる。
【0023】
手順5:図8に示すように、作業者は回転用部品10を防塵キャップ7から取り外し、これによって防塵キャップ7及び位置決め部品8による案内レール2の取り付け穴6の閉塞が完了する。なお、上述のように、案内レール2には取り付け穴6が軸方向に沿って複数箇所に形成されている。このため、全ての取り付け穴6について以上に述べた手順1〜5を実施することで、リニアガイド装置1のテーブル15への取り付けが完了する。
【0024】
なお、上記手順4において、作業者が回転用部品10を防塵キャップ7に押し付けながら反時計回りに回転させ続けると、図9に示すように位置決め部品8の雄ねじ部8aから防塵キャップ7の雌ねじ部11aが離脱し、回転用部品10とともに防塵キャップ7を案内レール2の取り付け穴6から取り外すことが可能となる。このとき、位置決め部品8は取り付け穴6内のボルト5の六角穴に残留する。このように本実施形態では、案内レール2の取り付け穴6から防塵キャップ7を損傷させることなく取り外すこともできる。
【0025】
以上より、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、案内レール2の取り付け穴6内の防塵キャップ7の上下方向位置を調整し、防塵キャップ7の上面と案内レール2の上面とを面一にすることができる。このため、スライダ3が案内レール2上を直線運動した際に取り付け穴6を通過しても、スライダ3のサイドシール8が防塵キャップ7や取り付け穴6と干渉することがないため、サイドシール8が損傷することを防ぐことができる。また、防塵キャップ7や取り付け穴6に異物が堆積することを防ぎ、スライダ3内に異物が侵入して動作に悪影響を及ぼすことを防ぐことができる。
【0026】
また、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、上述のように案内レール2の取り付け穴6内の防塵キャップ7の上下方向位置を調整する際に、回転用部品10を用いて防塵キャップ7を回転させる構成である。したがって、防塵キャップ7の上面は防塵キャップ7を回転させるための特段の構成を必要とせずに平坦面にできるため、前述の効果を最大限に発揮することができる。なお、防塵キャップ7を回転させる際に、回転用部品10を用いずに防塵キャップ7を作業者が手で直接押さえて回転させることも可能である。
また、本実施形態における防塵キャップ7及び位置決め部品8は、これらに対応した特段の構成を案内レールに必要としないため、上記特許文献1、2のような従来のリニアガイド装置の案内レールに対しても適用することが可能である。
【0027】
なお、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、上述のようにボルト5として六角穴付きボルトを採用しているが、これに限られず、その他の形状の穴付きボルトを採用してもよい。例えば、ボルト5として四角穴付きボルトを採用した場合には、位置決め部品8を当該ボルトの四角穴に嵌り合う四角柱部材とすればよい。また、ボルト5は穴付きボルトに限られず、その他の固定手段を採用することも可能である。この場合、位置決め部品8には、案内レール2の取り付け穴6内での回転を禁止するために、当該固定手段に嵌合される嵌合部を設ければよい。
また、本実施形態に係るリニアガイド装置1は、上述のように防塵キャップ7の穴部11の雌ねじ部11aと位置決め部品8の雄ねじ部8aとを螺合させる構成であるが、これに限られない。例えば、防塵キャップ7の下面に凸部を設けて雄ねじ部を形成し、位置決め部品8に穴部を設けて雌ねじ部を形成し、これらを螺合させる構成としてもよい。
【0028】
(第2実施形態)
図11に示す本実施形態に係るリニアガイド装置20について、上記第1実施形態と同様の構成については説明を省略し、異なる構成について詳細に説明する。
本実施形態における案内レール12は、図11に示すように、取り付け穴6の座繰り部6bの内周面上部に雌ねじ部12aが形成されている。斯かる案内レール12の取り付け穴6は、図10に示す防塵キャップ17によって閉塞される。
【0029】
本実施形態における防塵キャップ17は、図10に示すように、案内レール12の取り付け穴6の座繰り部6bと略同径で樹脂製の円柱部材からなる。この円柱部材の上面は凹凸のない平坦面であり、外周面全体には案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aと螺合可能な雄ねじ部17aが形成されている。なお、防塵キャップ17は樹脂成形品として金型で製作することが可能である。
【0030】
ここで、本実施形態に係るリニアガイド装置20をテーブル等にボルト5で取り付ける際の取り付け手順を説明する。
手順1:上記第1実施形態の手順1と同様に、作業者はテーブル15に対して案内レール12を固定する(図11を参照)。
手順2:上記第1実施形態の手順3と同様に、作業者は回転用部品10の粘着シール14の下面を防塵キャップ17の上面に貼り付けて、回転用部品10を防塵キャップ17に固定する(図12を参照)。なお、このとき作業者は、防塵キャップ17の雄ねじ部17aにゆるみ止め剤を塗布する。
【0031】
手順3:図12に示すように、作業者は防塵キャップ17の雄ねじ部17aを案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aに螺合させることにより、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6に取り付ける。本実施形態ではこのように防塵キャップ17の雄ねじ部17aと取り付け穴6の雌ねじ部12aが螺合することで、防塵キャップ17が取り付け穴6内に保持される。なお、上記第1実施形態と同様に、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6に取り付けた際には、通常、図13に示すように防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面との間に段差が生じてしまう。そこで、手順4以下で述べるように、回転用部品10を用いて、案内レール12の取り付け穴6内における防塵キャップ17の上下方向位置を調整する。
【0032】
手順4:図14に示すように、作業者は回転用部品10によって防塵キャップ17を回転操作し、防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面とを面一にする。具体的には、作業者が取手部材13bを掴んで回転用部品10を防塵キャップ17に押し付けながら反時計回りに回転させると、案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aから防塵キャップ17の雄ねじ部17aが繰り出して、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6内で上方へ移動させることができる。一方、作業者が回転用部品10を防塵キャップ17に押し付けながら時計回りに回転させると、案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aに防塵キャップ17の雄ねじ部17aが繰り込んで、防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6内で下方へ移動させることができる。このように作業者が回転用部品10を用いて防塵キャップ17を回転操作することで、案内レール12の取り付け穴6内の防塵キャップ17の上下方向位置を調整し、防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面とを面一にすることができる。
【0033】
手順5:上記第1実施形態の手順5と同様に、作業者は回転用部品10を防塵キャップ17から取り外す(図14を参照)。なお、このようにして案内レール12の取り付け穴6に取り付けられた防塵キャップ17は、上記手順2のゆるみ止め剤の効果により、取り付け穴6内で不用意に回転することがないため、防塵キャップ17の上面と案内レール12の上面との面一を維持することができる。また、案内レール12に設けられた全ての取り付け穴6について以上に述べた手順1〜5を実施することで、リニアガイド装置20のテーブル15への取り付けが完了する。
【0034】
なお、上記手順4において、作業者が回転用部品10を防塵キャップ17に押し付けながら反時計回りに回転させ続けると、図15に示すように案内レール12の取り付け穴6の雌ねじ部12aから防塵キャップ17の雄ねじ部17aが離脱し、回転用部品10とともに防塵キャップ17を案内レール12の取り付け穴6から損傷させることなく取り外すことができる。
【0035】
以上より、本実施形態に係るリニアガイド装置20は、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、本実施形態に係るリニアガイド装置20は、上記第1実施形態の位置決め部品8を必要としない。このため、その分の部品点数を削減することができる。また、ボルト5の種類に左右されないため、ボルト5の選択肢が増えるという利点も備えている。
【0036】
なお、上記各実施形態で用いた回転用部品10の構成は上述のものに限られず、例えば図16及び図17に示す変形例のような構成としてもよい。
図16及び図17に示す回転用部品18の回転冶具13には、図16(a)に示すように、円柱部材13aの下面に複数の小型突起13cが固設されている。小型突起13cは、粘着シール14の厚み以下の長さの円柱形状をしており、円柱部材13aの下面において円柱部材13aより小径の同芯円上に等間隔で6箇所に設けられている。
【0037】
回転用部品18の粘着シール14には、図16(b)に示すように、回転冶具13の小型突起13cに対向する位置に、小型突起13cと嵌り合う寸法の円形貫通孔14aが6箇所形成されている。斯かる粘着シール14は、図16(c)に示すように、回転冶具13の小型突起13cと粘着シール14の円形貫通孔14aとが嵌り合うように、円柱部材13aの下面に貼り付けて使用される。
【0038】
以上に述べた回転用部品18は、回転冶具13の小型突起13cと粘着シール14の円形貫通孔14aとが嵌り合うことにより、回転冶具13に対して粘着シール14をより強固に固定することができる。このため、上記各実施形態の手順4において回転用部品18を用いて防塵キャップ7、17を回転操作する際に、回転用部品18に加えた回転力が防塵キャップ7、17へ伝わりやすくなり、回転操作がより容易になる。なおこのとき、上述のように回転冶具13の小型突起13cの長さが粘着シール14の厚み以下であるため、防塵キャップ7、17が小型突起13cと干渉して損傷してしまうことを防ぐことができる。
以上より、上記各実施形態によれば、案内レールの取り付け穴に嵌め込まれたキャップの上面と案内レールの上面とを面一にすることが可能なリニアガイド装置、リニアガイド装置のキャップ位置調整方法、及びキャップ部品を実現することができる。
【符号の説明】
【0039】
1、20 リニアガイド装置
2、12 案内レール
3 スライダ
5 ボルト
6 取り付け穴
7、17 防塵キャップ
8 位置決め部品
8a、17a 雄ねじ部
10、18 回転用部品
11a、12a 雌ねじ部
13 回転冶具
14 粘着シール
15 テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
案内レールに沿ってスライダが直線運動するリニアガイド装置において、
前記案内レールには、前記案内レールを被取付部に固定する固定部材を挿入するための取り付け穴が形成されており、
前記取り付け穴を閉塞するキャップを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が配置されており、
前記取り付け穴内には、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部が配置されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするリニアガイド装置。
【請求項2】
前記キャップを位置決めするための位置決め部品を有し、
前記位置決め部品は、前記取り付け穴内での前記位置決め部品の回転を禁止するために前記固定部材に嵌合される嵌合部を備えており、
前記第1ねじ部は、前記キャップの下部に形成されており、
前記第2ねじ部は、前記位置決め部品に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド装置。
【請求項3】
前記固定部材は、角穴付きボルトであり、
前記位置決め部品の前記嵌合部は、前記角穴付きボルトの角穴に嵌合されることを特徴とする請求項2に記載のリニアガイド装置。
【請求項4】
前記キャップは、樹脂からなり、前記取り付け穴に締めしろ嵌合することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のリニアガイド装置。
【請求項5】
前記第1ねじ部は、前記キャップの外周面に形成されており、
前記第2ねじ部は、前記取り付け穴の内周面上部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド装置。
【請求項6】
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部から前記第1ねじ部を離脱させることにより、前記キャップは前記取り付け穴から取り外し可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリニアガイド装置。
【請求項7】
前記キャップを回転させるための回転冶具と前記キャップの上面とを粘着シールで固定し、前記回転冶具を回転操作することで前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリニアガイド装置のキャップ位置調整方法。
【請求項8】
前記粘着シールには、複数の貫通孔が形成されており、
前記回転冶具には、前記粘着シールの前記複数の貫通孔に嵌合する複数の突起が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のリニアガイド装置のキャップ位置調整方法。
【請求項9】
リニアガイド装置をボルトで被取付部に取り付けるために案内レールに設けられた前記ボルト用の取り付け穴を閉塞するキャップと、
前記取り付け穴内の前記キャップを位置決めする位置決め部品とを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が形成されており、
前記位置決め部品には、前記取り付け穴内での前記位置決め部品の回転を禁止するために前記ボルトに嵌合される嵌合部と、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部とが形成されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするキャップ部品。
【請求項1】
案内レールに沿ってスライダが直線運動するリニアガイド装置において、
前記案内レールには、前記案内レールを被取付部に固定する固定部材を挿入するための取り付け穴が形成されており、
前記取り付け穴を閉塞するキャップを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が配置されており、
前記取り付け穴内には、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部が配置されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするリニアガイド装置。
【請求項2】
前記キャップを位置決めするための位置決め部品を有し、
前記位置決め部品は、前記取り付け穴内での前記位置決め部品の回転を禁止するために前記固定部材に嵌合される嵌合部を備えており、
前記第1ねじ部は、前記キャップの下部に形成されており、
前記第2ねじ部は、前記位置決め部品に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド装置。
【請求項3】
前記固定部材は、角穴付きボルトであり、
前記位置決め部品の前記嵌合部は、前記角穴付きボルトの角穴に嵌合されることを特徴とする請求項2に記載のリニアガイド装置。
【請求項4】
前記キャップは、樹脂からなり、前記取り付け穴に締めしろ嵌合することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のリニアガイド装置。
【請求項5】
前記第1ねじ部は、前記キャップの外周面に形成されており、
前記第2ねじ部は、前記取り付け穴の内周面上部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のリニアガイド装置。
【請求項6】
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部から前記第1ねじ部を離脱させることにより、前記キャップは前記取り付け穴から取り外し可能であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリニアガイド装置。
【請求項7】
前記キャップを回転させるための回転冶具と前記キャップの上面とを粘着シールで固定し、前記回転冶具を回転操作することで前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリニアガイド装置のキャップ位置調整方法。
【請求項8】
前記粘着シールには、複数の貫通孔が形成されており、
前記回転冶具には、前記粘着シールの前記複数の貫通孔に嵌合する複数の突起が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のリニアガイド装置のキャップ位置調整方法。
【請求項9】
リニアガイド装置をボルトで被取付部に取り付けるために案内レールに設けられた前記ボルト用の取り付け穴を閉塞するキャップと、
前記取り付け穴内の前記キャップを位置決めする位置決め部品とを有し、
前記キャップには、前記取り付け穴と同芯の第1ねじ部が形成されており、
前記位置決め部品には、前記取り付け穴内での前記位置決め部品の回転を禁止するために前記ボルトに嵌合される嵌合部と、前記第1ねじ部と螺合する第2ねじ部とが形成されており、
前記キャップを前記取り付け穴内で回転させて前記第2ねじ部に対する前記第1ねじ部の位置を変化させることにより、前記取り付け穴内の前記キャップの位置を調整することを特徴とするキャップ部品。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図11】
【図12】
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【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−64499(P2013−64499A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−189048(P2012−189048)
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】
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