リバーストーン処理を利用したリセス構造の形成方法
本発明は基板上にリセス部を形成する方法を提供し、該方法は第1のフューチャを有するパターン形成層を基板上に形成する段階と、第1のフューチャをトリムエッチングしてある形状を有するトリムフューチャを形成する段階と、該形状の反転形状を基板に転写する段階とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は一般に、構造体の微細加工に関する。より詳細には本発明は、トリムエッチング処理を利用してリセス構造を生成した後でリセス構造をリバーストーン(reverse toning)することに関する。
【背景技術】
【0002】
微細加工は、例えば、およそマイクロメートル又はそれよりも小さいフューチャを有する極めて小さい構造体の加工を伴う。微細加工がかなり大きな影響を有している1つの分野は、集積回路の処理である。半導体処理産業が基板上に形成される単位面積当たりの回路を増大させながら、より大きな生産歩留りを継続的に追求するにつれて、微細加工は益々重要になってきている。微細加工は、形成される構造体の最小フューチャ寸法の縮小を図ることができるが、高度なプロセス制御を必要とする。微細加工が利用されてきた他の開発分野には、バイオ技術、光学技術、機械システム、又は同様のものがある。
【0003】
微細加工によって形成される構造体の最小フューチャ寸法を縮小する方法は、Platらに付与された米国特許第6,541,360号に開示されており、小さな臨界寸法を有する集積回路ゲート構造体を形成する2層トリムエッチングプロセスを記載している。更に具体的には、Platらは、ポリシリコン層上に有機基層を堆積させ、該有機基層の上にイメージング層を堆積させて、該イメージング層をパターン形成することによって多層構造体を形成することを記載している。次いでイメージング層は、有機基層を選択的にトリムエッチングし、イメージング層によって生成されるものよりも小さなパターンを形成するためのハードマスクとして利用される。次に、ハードマスクイメージング層が除去され、最終的にポリシリコン層の一部が有機基層によって形成されたパターンを用いてエッチングされる。これによりイメージング層のパターン幅よりも狭幅のゲートパターンの形成が可能になる。
【0004】
しかしながら望まれているものは、より小さな臨界寸法のホール/トレンチを有する構造体を形成する技術である。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,541,360号
【特許文献2】米国特許公開第2004/0065976号
【特許文献3】米国特許公開第2004/0065252号
【特許文献4】米国特許公開第2004/0046271号
【発明の開示】
【0006】
本発明は基板上にリセス部を形成する方法を提供し、本方法は、第1のフューチャを有するパターン形成層を基板上に形成する段階と、第1のフューチャをトリムエッチングしてある形状を有するトリムフューチャを形成する段階と、該形状の反転形状を基板に転写する段階とを含む。これらの実施形態及びその他のものは以下で十分に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1を参照すると、基板30、転写層37、イメージング層43を有する多層構造体40が示されており、転写層37はイメージング層43と基板30との間に配置されている。基板30は、限定ではないが、シリコン、ヒ化ガリウム、石英、溶融シリカ、サファイア、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸塩ガラス、フッ素樹脂、又はこれらの組合せを含む部材から形成することができる。転写層37とイメージング層43は、望ましい部材や用途に応じた知られているあらゆる技術を用いて形成することができる。例えば基板30からだけでなく転写層37やイメージング層43から部材を除去するのに利用することができるエッチング処理は、半導体処理技術分野において知られた任意のものとすることができる。利用されるエッチング処理は、利用される部材や望ましい用途に依存する。転写層37やイメージング層43を堆積させるのに利用することができる技術は、限定ではないが、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)、スパッタ堆積法、スピンコーティング、液体分注法を含む。
【0008】
転写層37は、ミズーリ州ローラのBrewer Science,Inc.から入手可能なDUV30J−6などの反射防止被覆(BARC)層とすることができる。更に転写層37は、例えば、シリコン含有のlow−k層又はBCB層とすることができる。別の実施形態では、転写層37の組成はシリコンが含まれておらず、以下のものからなる。
組成1
アクリル酸イソボルニル
アクリル酸n−ヘキシル
エチレングリコールジアクリラート
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
【0009】
組成1では、アクリル酸イソボルニルは組成の約55%を構成し、アクリル酸n−ヘキシルは約27%、エチレングリコールジアクリラートは約15%、更に開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンは約3%を構成している。開始剤は、ニューヨーク州タリータウンのCIBA(登録商標)によってDAROCUR(登録商標)1173の商標の下で販売されている。上述で認識された組成はまた、化学技術分野で組成の動作寿命を増大させることが良く知られている安定剤を含む。
【0010】
イメージング層43は、転写層37のエッチング特性とは異なるエッチング特性をイメージング層43に与える複数のフューチャ44、45を有する。フューチャ44、45は、限定ではないが、フォトリソグラフィ(G線、I線、248nm、193nm、157nm、13.2〜13.4nmを含む種々の波長)、e−ビームリソグラフィ、X線リソグラフィ、イオンビームリソグラフィ、原子線リソグラフィ、インプリントリソグラフィを含むこのような技術によって形成することができる。インプリントリソグラフィは、米国特許出願第10/264,960号として出願された名称「Method and a Mold to Arrange Features on a Substrate to Replicate Features Having Minimal Dimensional Variability(基板上にフューチャを配置して最小寸法を有するフューチャを複製するための方法及びモールド)」の米国公開特許公開第2004/0065976号;米国特許出願第10/264,926号として出願された名称「Method of Forming a Layer on a Substrate to Facilitate Fabrication of Metrology Standards(計測標準部の加工を容易にするために基板上に層を形成する方法)」の米国特許公開第2004/0065252号、米国特許出願第10/235,314号として出願された名称「Functional Patterning Material for Imprint Lithography Processes(インプリントリソグラフィ処理のための機能的パターン形成部材)」の米国特許公開第2004/0046271号などの多くの公報において記載されており、これらの全ては本発明の譲受人に譲渡されており、引用により本明細書に組み込まれる。例示的なリソグラフィシステムは、78758テキサス州オースチンの1807−C ブレーカーレーン、スイート100に事業所を有するMolecular Imprints,Inc.からIMPRIO100(商標)という商品名で入手可能である。IMPRIO100(商標)のシステム説明書は、www.molecularimprints.comで入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。
【0011】
図1、2を参照すると、フューチャ44、45の形成にインプリントリソグラフィを利用すると、イメージング層43にフューチャ44と重なる残留部分11が形成される。従って、残留部分11を除去するため、図1に示されている多層構造体40が形成されるように貫通孔を各々利用することができる。
【0012】
図1を参照すると、上述のようにフューチャ44、45は、転写層37のエッチング特性とは異なる各特性をイメージング層43に与える。そのためには、イメージング層43のエッチング特性により、イメージング層43は転写層37用のハードマスクとして機能することが可能となる。そのためにはイメージング層43は、重量で3%から40%の範囲にあるシリコン含有量を有する有機部材、又はフォトイメージ可能とすることができる他の部材から形成することができる。イメージング層43は、所与のエッチング処理において転写層37に対し望ましいエッチング差の特性が得られるように十分な厚さでシリコン含有部材を転写層37上にスピンコートで堆積させる。イメージング層43を形成する例示的な部材は、以下で更に十分に説明する組成2、組成3を含む。フューチャ44、45をイメージング層43にパターン形成した後、多層構造体40はトリムエッチング処理を受ける。別の実施形態では、イメージング層43と転写層37は、ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haasから入手可能なSiBER(商標)DUV2層レジストプラットフォームによって形成することができる。SiBER(商標)DUV2層レジストプラットフォームについての説明書は、http://electronicmaterials.rohmhaas.com/businesses/micro/lithography/248photo.asp?caid=240で入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。
【0013】
図3を参照すると、トリムエッチング処理が多層構造体40に突出部42を形成する。突出部42の各々は、フューチャ45と、これと重なる、本体47と呼ばれる転写層37の一部とを含む。図1で示されているフューチャ45の幅「a1」は、トリムエッチング処理によって縮小され、幅「a2」のフューチャ45となる。具体的には、図1に示されている幅「a1」が幅「a2」よりも大きくなるように、トリムエッチング処理中に部材をフューチャ45から除去する。同様に部材が転写層37から除去される。具体的には、転写層37は部分的にトリムエッチング処理を受けて、図1に示すようにフューチャ44と重なった転写層37の一部が除去される。これは、イメージング層43がトリムエッチング処理中に転写層37に対するマスクとして機能することによって生じる。フューチャ45と重なった転写層37の一部も同様に部分的にエッチングされる。このように本体47は、その長さにわたって変化する寸法を有することになる。本体47と基板30との境界面における本体47の幅「b1」は、本体47とイメージング層43との境界面における本体47の幅「b2」よりも大きい。幅「b1」は幅「a2」と実質的に同じか小さく、幅「b2」は幅「a2」よりも小さい。
【0014】
図3、図4を参照すると、多層構造体40は上述のトリムエッチング処理を受けた後に第2のエッチング処理を受け、転写層37の残留部分を一様な寸法とする。具体的には転写層37が、イメージング層43の残留部分をマスクとして用いて選択的にエッチングされる。このようにして多層構造体140が形成される。多層構造体140は、幅「c1」を備えた突出部42を有する。幅「c1」は幅「b2」と実質的に同一とする。別の実施形態では、幅「c1」は幅「b2」よりも小さい。上述のエッチング処理を多層構造体140に受けさせた結果として、フューチャ45はファセットを有するようになり、ファセット部材と呼ばれる。ファセット部分は除去することが望ましい。ファセット部分を除去する方法は、ファセット部分が形成される部材に応じて決まる。ファセット部材を除去する1つの方法は、このファセット部材をフッ化水素酸(HF)浸液に曝すことに基づく。或いはファセット部分を除去するために、ファセット部分が形成された部材を、放射に露出させ、続いて化学物質に曝す。すなわちファセット部分は光応答性を有し、フォトレジスト部材と類似している。しかしながら、ファセット部分を除去する処理は、突出部42の残留部分のファセット形成を最小限に止め又は排除し、図5に示される突出部54を形成することが望ましい。
【0015】
図5、図6を参照すると、ファセット部分を除去した後、突出部54のリバーストーン(reverse tone)が基板30へ転写される。このために順応層46を突出部54を覆って堆積させ、多層構造体340を形成する。これは、限定ではないが、スピンオン技術、接触平坦化法、又は同様のものを含む方法によって行うことができる。このために、順応層46は重合可能部材から形成する。順応層46を形成する例示的組成は以下の通りである。
組成2
ヒドロキシル−機能性ポリシロキサン
キサメトキシメチルメラミン
トルエンスルホン酸
メチルアミルケトン
組成3
ヒドロキシル−機能性ポリシロキサン
キサメトキシメチルメラミン
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
トルエンスルホン酸
メチル アミル ケトン
【0016】
組成2では、ヒドロキシル−機能性ポリシロキサンは組成の約4%を構成し、キサメトキシメチルメラミンは約0.95%、トルエンスルホン酸は約0.05%、更にメチルアミルケトンは約95%を構成している。組成3では、ヒドロキシル−機能性ポリシロキサンは組成の約4%を構成し、キサメトキシメチルメラミンは約0.7%、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは約0.25%、トルエンスルホン酸は約0.05%、更にメチルアミルケトンは約95%を構成している。
【0017】
順応層46は、第1と第2の向き合っている側を含む。第1の側48は基板30に面している。第2の側は基板30から外方に向いており、正規化面50を形成する。正規化面50は、突出部54と正規化面50との間の距離k1、k3、k5、k7、k9が実質的に同一であり、へこんだ部分58と正規化面50との間の距離k2、k4、k6、k8が実質的に同一であることを確実にすることによって実質的に正規化されたプロファイルを備える。
【0018】
正規化面50に正規化プロファイルをもたらす1つの方法は、順応層46を平坦面62を有する平坦化モールド60と接触させることである。この後、平坦化モールド60は順応層46から分離され、放射線を順応層46に入射させて順応層46を重合させ、従って固化させる。順応層46に入射する放射線は、紫外線、熱放射、電磁放射、可視光、温度放射、その他の同様のものとすることができる。別の実施形態では、順応層46に入射する放射線は、平坦化モールド60が順応層46から分離される前に入射させることができる。順応層46が平坦化モールド60に確実に付着しないように、低表面エネルギーコーティング64を平坦化モールド60上に設けることができる。
【0019】
或いは、順応層46の剥離特性は、順応層46が製作される部材内に界面活性剤を含めることにより改善することができる。界面活性剤は、順応層46の平坦化モールド60への接着性を低減させる望ましい剥離特性を与える。本発明の目的において、界面活性剤はその1つのテイル(tail)が疎水性である、あらゆる分子と定義される。界面活性剤は、フッ素(例えばフッ素鎖を含む)含んでもよいが、或いは界面活性剤分子構造内にどのようなフッ素も含まなくともよい。例示的界面活性剤は、DUPONT(商標)からZONYL(登録商標)FSO−100という商品名で入手可能であり、これはR1R2の一般構造体を有し、式中、R1=F(CF2CF2)y、yは1から7のこれらを含めた範囲、R2=CH2CH2O(CH2CH2O)xHであり、xは0から15のこれらを含めた範囲にある。界面活性剤は、平坦化モールド60に適用することができる低表面エネルギーコーティング64と共に、又はその代わりに用いることができることを理解されたい。
【0020】
図6、図7を参照すると、ブランケットエッチングを利用して、順応層46の一部を除去し、クラウン面66を有する多層構造体340を生成している。クラウン面66は、突出部54の各々の露出面68と、ブランケットエッチング後に順応層46上に残留する部分70の上部表面とによって定められる。ブランケットエッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングとすることができる。別の実施形態では、化学機械研磨/平坦化法を利用して、順応層46の一部分を除去し、クラウン面66を備えた多層構造体340を形成することができる。
【0021】
図6、7、8を参照すると、クラウン面66が異方性プラズマエッチングを受ける。異方性エッチングのエッチング性質は、突出部54のエッチングを最大にすると同時に、部分70のエッチングを最小にするように選択される。この例では、突出部54と順応層46との間のシリコン含有量の差を利用した。具体的には、酸素ベースの化学作用を伴うプラズマエッチングを利用することにより、クラウン面66に近接する部分70の領域にin−situ硬化マスク72が生成され、多層構造体440を形成することが明らかになった。これは、シリコン含有重合可能部材の酸素プラズマとの相互作用により生じる。硬化マスク72とエッチング処理の異方性の結果として、突出部54と重なった領域74が露出する。
【0022】
図8、図9を参照すると、多層構造体440によって形成されたパターンが、基板30に転写されるパターンのベースを形成している。具体的には、多層構造体440によって定められた構造の形状を、異方性フッ素プラズマエッチングを利用することによって基板30に転写することができる。この処理の利点は、リセス部の形状のベースを形成する図1に示されるイメージング層43などのパターン形成層と比べ、遙かに小さな寸法を有するリセス部を基板30内に形成することができる点である。また図6に示されている順応層46がシリコン含有光応答性部材から形成されている場合には、図6に示されている順応層46の除去は、フォトレジスト部材の除去と同様の方法で行うことができる。結果としてブランケットフッ素エッチングを利用する必要はないことになる。
【0023】
図4と10を参照すると、上記で説明したHF浸液利用の必要性を回避する別の実施形態が示されている。具体的には、突出部42の形成後に順応層46が堆積される。このために、順応層46と突出部42のファセット領域は、同様のエッチング特性を有する部材から作られる。具体的には、ファセット領域に関するエッチング速度は、順応層46に関するエッチング速度よりも大きくないのが望ましい。この方法で、ブランケットエッチングは、図6、7に関して上記で説明した様に実施することができる。しかしながら、表面は図7に示されるクラウン面66に関して上記で示されているように平坦である必要はない点を理解されたい。この後、図7、8、9で上述したように、基板30の領域74にリセス部が形成される。
【0024】
図11を参照すると、本発明の別の実施形態が記載されており、前述の処理を利用して、基板30上の既存層内にリセス構造を形成できることを示している。このために、多層構造体540は、基板30、基層141、転写層137、イメージング層143を有し、基層141は転写層137と基板30との間に配置され、転写層137はイメージング層143と基層141との間に配置されて示されている。転写層137とイメージング層143は、図1にそれぞれ示されている転写層37とイメージング層43に関して上述の部材によって形成することができ、図1にそれぞれ示されている転写層37とイメージング層43に関して上述のように形成することができる。
【0025】
基層141は、シリコン含有low−k、BCB、二酸化ケイ素、スピンオンガラス、FSG、ポリシリコンなどのlow−k部材から形成することができる。基層141は、図1に示されている転写層37とイメージング層43に関して上記で説明した技術のいずれかを利用して形成することができる。例示的な実施形態では、基層141は、スピンコート技術を利用して基板30上に堆積させることができ、low−kのシリコン含有誘電体からなる。
【0026】
図12、13を参照すると、図1に示されるイメージング層43と転写層37に関して上述したように、イメージング層143は、転写層137のエッチング特性とは異なる、関連するエッチング特性を有する。この方法では、突出部142を形成するためにトリムエッチング手法が利用される。図のように、基板30とフューチャ45との間に延びる図3の本体47とは異なり、本体147がフューチャ145と基層141との間に延びる点以外は、突出部142は、図3に関して上記で説明した方法で形成されている。多層構造体540に上述のトリムエッチング処理を受けさせた後、図4、5、6、7、8、9に関して上記で説明したような追加の処理を行い、基層141内にリセス構造174を得ることができる。図示しないが、リセス構造174は、基層141を貫通して延び、基板30で終端することができる。
【0027】
図14を参照すると、別の実施形態において、イメージング層43を基板30上に配置し、多層構造体640を形成することができる。イメージング層43は、ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haasから入手可能なI線、193nm、248nmのフォトリソグラフィレジストなどの有機レジストで形成することができる。I線、193nm、248nmのフォトリソグラフィレジストの説明書は、http://electronicmaterials.rohmhaas.com/businesses/micro/lithography/248 photo.asp?caid=235から入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。イメージング層43はまた、日本国東京のZeon Corporationから入手可能な電子ビーム有機レジストで形成してもよい。電子ビーム有機レジストについての説明書は、http://www. zeon.co.jp/business e/enterprise/imagelec/zep7000.htmlから入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。フューチャ45の幅「a1」を縮小するために、イメージング層43は等方性エッチング成分を有する有機エッチングを受けることができる。しかしながらこれは、ファセット部材と呼ばれるファセットが形成されるフューチャ45をもたらす可能性がある。多層構造体640によって形成された構造体形状を基板30に転写させるために、図4、5、6、7、8、9に関して上記で説明したように追加の処理を受けることができる。しかしながら、多層構造体640に対して図6、7に関して上述したブランケットエッチングを利用すると、上述のファセット部材を排除するためにオーバーエッチングを必要とする可能性がある。
【0028】
図15を参照すると、別の実施形態において、イメージング層143を基層141上に配置して多層構造体740を形成することができ、ここで多層構造体740は、多層構造体740によって形成された構造体形状が基層141に転写されるように多層構造体640に関する上述の処理を受けることができる。
【0029】
上述の本発明の実施形態は例示的なものである。本発明の範囲内に留まりながら、上記の開示に対して多くの変更及び修正を加えることができる。従って本発明の範囲は、添付の請求項並びに均等物の全範囲に関連して決定すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】多層構造体の簡易立面図である。
【図2】インプリントリソグラフィによって形成された多層構造体の簡易立面図である。
【図3】図1に示されている多層構造体がトリムエッチング処理を受けた後の該多層構造体の簡易立面図である。
【図4】図3に示されている多層構造体を選択的にエッチングした後の該多層構造体の簡易立面図である。
【図5】図4に示されている多層構造体が浸液エッチングを受けた後の該多層構造体の簡易立面図である。
【図6】図5に示されている多層構造体の順応層堆積後の簡易立面図である。
【図7】図6に示されている多層構造体のブランケットエッチング及びクラウン面形成後の簡易立面図である。
【図8】クラウン面にエッチング処理を受けさせて基板領域を露出させた後の図7に示されている多層構造体の簡易立面図である。
【図9】多層構造体のパターン転写後の図8に示されている基板の簡易立面図である。
【図10】本発明の別の実施形態による順応層の堆積後の図5に示されている多層構造体の簡易立面図である。
【図11】本発明の別の実施形態による多層構造体の簡易立面図である。
【図12】図11に示されている多層構造体がトリムエッチング処理を受けた後の簡易立面図である。
【図13】本発明の別の実施形態による後処理の後の図12に示されている多層構造体の簡易立面図である。
【図14】本発明の別の実施形態による多層構造体の簡易立面図である。
【図15】本発明の別の実施形態による多層構造体の簡易立面図である。
【符号の説明】
【0031】
140 多層構造体、42 突出部、45 フューチャ、43 イメージング層、37 転写層、30 基板
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は一般に、構造体の微細加工に関する。より詳細には本発明は、トリムエッチング処理を利用してリセス構造を生成した後でリセス構造をリバーストーン(reverse toning)することに関する。
【背景技術】
【0002】
微細加工は、例えば、およそマイクロメートル又はそれよりも小さいフューチャを有する極めて小さい構造体の加工を伴う。微細加工がかなり大きな影響を有している1つの分野は、集積回路の処理である。半導体処理産業が基板上に形成される単位面積当たりの回路を増大させながら、より大きな生産歩留りを継続的に追求するにつれて、微細加工は益々重要になってきている。微細加工は、形成される構造体の最小フューチャ寸法の縮小を図ることができるが、高度なプロセス制御を必要とする。微細加工が利用されてきた他の開発分野には、バイオ技術、光学技術、機械システム、又は同様のものがある。
【0003】
微細加工によって形成される構造体の最小フューチャ寸法を縮小する方法は、Platらに付与された米国特許第6,541,360号に開示されており、小さな臨界寸法を有する集積回路ゲート構造体を形成する2層トリムエッチングプロセスを記載している。更に具体的には、Platらは、ポリシリコン層上に有機基層を堆積させ、該有機基層の上にイメージング層を堆積させて、該イメージング層をパターン形成することによって多層構造体を形成することを記載している。次いでイメージング層は、有機基層を選択的にトリムエッチングし、イメージング層によって生成されるものよりも小さなパターンを形成するためのハードマスクとして利用される。次に、ハードマスクイメージング層が除去され、最終的にポリシリコン層の一部が有機基層によって形成されたパターンを用いてエッチングされる。これによりイメージング層のパターン幅よりも狭幅のゲートパターンの形成が可能になる。
【0004】
しかしながら望まれているものは、より小さな臨界寸法のホール/トレンチを有する構造体を形成する技術である。
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,541,360号
【特許文献2】米国特許公開第2004/0065976号
【特許文献3】米国特許公開第2004/0065252号
【特許文献4】米国特許公開第2004/0046271号
【発明の開示】
【0006】
本発明は基板上にリセス部を形成する方法を提供し、本方法は、第1のフューチャを有するパターン形成層を基板上に形成する段階と、第1のフューチャをトリムエッチングしてある形状を有するトリムフューチャを形成する段階と、該形状の反転形状を基板に転写する段階とを含む。これらの実施形態及びその他のものは以下で十分に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1を参照すると、基板30、転写層37、イメージング層43を有する多層構造体40が示されており、転写層37はイメージング層43と基板30との間に配置されている。基板30は、限定ではないが、シリコン、ヒ化ガリウム、石英、溶融シリカ、サファイア、有機ポリマー、シロキサンポリマー、ホウケイ酸塩ガラス、フッ素樹脂、又はこれらの組合せを含む部材から形成することができる。転写層37とイメージング層43は、望ましい部材や用途に応じた知られているあらゆる技術を用いて形成することができる。例えば基板30からだけでなく転写層37やイメージング層43から部材を除去するのに利用することができるエッチング処理は、半導体処理技術分野において知られた任意のものとすることができる。利用されるエッチング処理は、利用される部材や望ましい用途に依存する。転写層37やイメージング層43を堆積させるのに利用することができる技術は、限定ではないが、化学蒸着法(CVD)、物理蒸着法(PVD)、スパッタ堆積法、スピンコーティング、液体分注法を含む。
【0008】
転写層37は、ミズーリ州ローラのBrewer Science,Inc.から入手可能なDUV30J−6などの反射防止被覆(BARC)層とすることができる。更に転写層37は、例えば、シリコン含有のlow−k層又はBCB層とすることができる。別の実施形態では、転写層37の組成はシリコンが含まれておらず、以下のものからなる。
組成1
アクリル酸イソボルニル
アクリル酸n−ヘキシル
エチレングリコールジアクリラート
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
【0009】
組成1では、アクリル酸イソボルニルは組成の約55%を構成し、アクリル酸n−ヘキシルは約27%、エチレングリコールジアクリラートは約15%、更に開始剤である2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンは約3%を構成している。開始剤は、ニューヨーク州タリータウンのCIBA(登録商標)によってDAROCUR(登録商標)1173の商標の下で販売されている。上述で認識された組成はまた、化学技術分野で組成の動作寿命を増大させることが良く知られている安定剤を含む。
【0010】
イメージング層43は、転写層37のエッチング特性とは異なるエッチング特性をイメージング層43に与える複数のフューチャ44、45を有する。フューチャ44、45は、限定ではないが、フォトリソグラフィ(G線、I線、248nm、193nm、157nm、13.2〜13.4nmを含む種々の波長)、e−ビームリソグラフィ、X線リソグラフィ、イオンビームリソグラフィ、原子線リソグラフィ、インプリントリソグラフィを含むこのような技術によって形成することができる。インプリントリソグラフィは、米国特許出願第10/264,960号として出願された名称「Method and a Mold to Arrange Features on a Substrate to Replicate Features Having Minimal Dimensional Variability(基板上にフューチャを配置して最小寸法を有するフューチャを複製するための方法及びモールド)」の米国公開特許公開第2004/0065976号;米国特許出願第10/264,926号として出願された名称「Method of Forming a Layer on a Substrate to Facilitate Fabrication of Metrology Standards(計測標準部の加工を容易にするために基板上に層を形成する方法)」の米国特許公開第2004/0065252号、米国特許出願第10/235,314号として出願された名称「Functional Patterning Material for Imprint Lithography Processes(インプリントリソグラフィ処理のための機能的パターン形成部材)」の米国特許公開第2004/0046271号などの多くの公報において記載されており、これらの全ては本発明の譲受人に譲渡されており、引用により本明細書に組み込まれる。例示的なリソグラフィシステムは、78758テキサス州オースチンの1807−C ブレーカーレーン、スイート100に事業所を有するMolecular Imprints,Inc.からIMPRIO100(商標)という商品名で入手可能である。IMPRIO100(商標)のシステム説明書は、www.molecularimprints.comで入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。
【0011】
図1、2を参照すると、フューチャ44、45の形成にインプリントリソグラフィを利用すると、イメージング層43にフューチャ44と重なる残留部分11が形成される。従って、残留部分11を除去するため、図1に示されている多層構造体40が形成されるように貫通孔を各々利用することができる。
【0012】
図1を参照すると、上述のようにフューチャ44、45は、転写層37のエッチング特性とは異なる各特性をイメージング層43に与える。そのためには、イメージング層43のエッチング特性により、イメージング層43は転写層37用のハードマスクとして機能することが可能となる。そのためにはイメージング層43は、重量で3%から40%の範囲にあるシリコン含有量を有する有機部材、又はフォトイメージ可能とすることができる他の部材から形成することができる。イメージング層43は、所与のエッチング処理において転写層37に対し望ましいエッチング差の特性が得られるように十分な厚さでシリコン含有部材を転写層37上にスピンコートで堆積させる。イメージング層43を形成する例示的な部材は、以下で更に十分に説明する組成2、組成3を含む。フューチャ44、45をイメージング層43にパターン形成した後、多層構造体40はトリムエッチング処理を受ける。別の実施形態では、イメージング層43と転写層37は、ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haasから入手可能なSiBER(商標)DUV2層レジストプラットフォームによって形成することができる。SiBER(商標)DUV2層レジストプラットフォームについての説明書は、http://electronicmaterials.rohmhaas.com/businesses/micro/lithography/248photo.asp?caid=240で入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。
【0013】
図3を参照すると、トリムエッチング処理が多層構造体40に突出部42を形成する。突出部42の各々は、フューチャ45と、これと重なる、本体47と呼ばれる転写層37の一部とを含む。図1で示されているフューチャ45の幅「a1」は、トリムエッチング処理によって縮小され、幅「a2」のフューチャ45となる。具体的には、図1に示されている幅「a1」が幅「a2」よりも大きくなるように、トリムエッチング処理中に部材をフューチャ45から除去する。同様に部材が転写層37から除去される。具体的には、転写層37は部分的にトリムエッチング処理を受けて、図1に示すようにフューチャ44と重なった転写層37の一部が除去される。これは、イメージング層43がトリムエッチング処理中に転写層37に対するマスクとして機能することによって生じる。フューチャ45と重なった転写層37の一部も同様に部分的にエッチングされる。このように本体47は、その長さにわたって変化する寸法を有することになる。本体47と基板30との境界面における本体47の幅「b1」は、本体47とイメージング層43との境界面における本体47の幅「b2」よりも大きい。幅「b1」は幅「a2」と実質的に同じか小さく、幅「b2」は幅「a2」よりも小さい。
【0014】
図3、図4を参照すると、多層構造体40は上述のトリムエッチング処理を受けた後に第2のエッチング処理を受け、転写層37の残留部分を一様な寸法とする。具体的には転写層37が、イメージング層43の残留部分をマスクとして用いて選択的にエッチングされる。このようにして多層構造体140が形成される。多層構造体140は、幅「c1」を備えた突出部42を有する。幅「c1」は幅「b2」と実質的に同一とする。別の実施形態では、幅「c1」は幅「b2」よりも小さい。上述のエッチング処理を多層構造体140に受けさせた結果として、フューチャ45はファセットを有するようになり、ファセット部材と呼ばれる。ファセット部分は除去することが望ましい。ファセット部分を除去する方法は、ファセット部分が形成される部材に応じて決まる。ファセット部材を除去する1つの方法は、このファセット部材をフッ化水素酸(HF)浸液に曝すことに基づく。或いはファセット部分を除去するために、ファセット部分が形成された部材を、放射に露出させ、続いて化学物質に曝す。すなわちファセット部分は光応答性を有し、フォトレジスト部材と類似している。しかしながら、ファセット部分を除去する処理は、突出部42の残留部分のファセット形成を最小限に止め又は排除し、図5に示される突出部54を形成することが望ましい。
【0015】
図5、図6を参照すると、ファセット部分を除去した後、突出部54のリバーストーン(reverse tone)が基板30へ転写される。このために順応層46を突出部54を覆って堆積させ、多層構造体340を形成する。これは、限定ではないが、スピンオン技術、接触平坦化法、又は同様のものを含む方法によって行うことができる。このために、順応層46は重合可能部材から形成する。順応層46を形成する例示的組成は以下の通りである。
組成2
ヒドロキシル−機能性ポリシロキサン
キサメトキシメチルメラミン
トルエンスルホン酸
メチルアミルケトン
組成3
ヒドロキシル−機能性ポリシロキサン
キサメトキシメチルメラミン
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
トルエンスルホン酸
メチル アミル ケトン
【0016】
組成2では、ヒドロキシル−機能性ポリシロキサンは組成の約4%を構成し、キサメトキシメチルメラミンは約0.95%、トルエンスルホン酸は約0.05%、更にメチルアミルケトンは約95%を構成している。組成3では、ヒドロキシル−機能性ポリシロキサンは組成の約4%を構成し、キサメトキシメチルメラミンは約0.7%、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランは約0.25%、トルエンスルホン酸は約0.05%、更にメチルアミルケトンは約95%を構成している。
【0017】
順応層46は、第1と第2の向き合っている側を含む。第1の側48は基板30に面している。第2の側は基板30から外方に向いており、正規化面50を形成する。正規化面50は、突出部54と正規化面50との間の距離k1、k3、k5、k7、k9が実質的に同一であり、へこんだ部分58と正規化面50との間の距離k2、k4、k6、k8が実質的に同一であることを確実にすることによって実質的に正規化されたプロファイルを備える。
【0018】
正規化面50に正規化プロファイルをもたらす1つの方法は、順応層46を平坦面62を有する平坦化モールド60と接触させることである。この後、平坦化モールド60は順応層46から分離され、放射線を順応層46に入射させて順応層46を重合させ、従って固化させる。順応層46に入射する放射線は、紫外線、熱放射、電磁放射、可視光、温度放射、その他の同様のものとすることができる。別の実施形態では、順応層46に入射する放射線は、平坦化モールド60が順応層46から分離される前に入射させることができる。順応層46が平坦化モールド60に確実に付着しないように、低表面エネルギーコーティング64を平坦化モールド60上に設けることができる。
【0019】
或いは、順応層46の剥離特性は、順応層46が製作される部材内に界面活性剤を含めることにより改善することができる。界面活性剤は、順応層46の平坦化モールド60への接着性を低減させる望ましい剥離特性を与える。本発明の目的において、界面活性剤はその1つのテイル(tail)が疎水性である、あらゆる分子と定義される。界面活性剤は、フッ素(例えばフッ素鎖を含む)含んでもよいが、或いは界面活性剤分子構造内にどのようなフッ素も含まなくともよい。例示的界面活性剤は、DUPONT(商標)からZONYL(登録商標)FSO−100という商品名で入手可能であり、これはR1R2の一般構造体を有し、式中、R1=F(CF2CF2)y、yは1から7のこれらを含めた範囲、R2=CH2CH2O(CH2CH2O)xHであり、xは0から15のこれらを含めた範囲にある。界面活性剤は、平坦化モールド60に適用することができる低表面エネルギーコーティング64と共に、又はその代わりに用いることができることを理解されたい。
【0020】
図6、図7を参照すると、ブランケットエッチングを利用して、順応層46の一部を除去し、クラウン面66を有する多層構造体340を生成している。クラウン面66は、突出部54の各々の露出面68と、ブランケットエッチング後に順応層46上に残留する部分70の上部表面とによって定められる。ブランケットエッチングは、ウェットエッチング又はドライエッチングとすることができる。別の実施形態では、化学機械研磨/平坦化法を利用して、順応層46の一部分を除去し、クラウン面66を備えた多層構造体340を形成することができる。
【0021】
図6、7、8を参照すると、クラウン面66が異方性プラズマエッチングを受ける。異方性エッチングのエッチング性質は、突出部54のエッチングを最大にすると同時に、部分70のエッチングを最小にするように選択される。この例では、突出部54と順応層46との間のシリコン含有量の差を利用した。具体的には、酸素ベースの化学作用を伴うプラズマエッチングを利用することにより、クラウン面66に近接する部分70の領域にin−situ硬化マスク72が生成され、多層構造体440を形成することが明らかになった。これは、シリコン含有重合可能部材の酸素プラズマとの相互作用により生じる。硬化マスク72とエッチング処理の異方性の結果として、突出部54と重なった領域74が露出する。
【0022】
図8、図9を参照すると、多層構造体440によって形成されたパターンが、基板30に転写されるパターンのベースを形成している。具体的には、多層構造体440によって定められた構造の形状を、異方性フッ素プラズマエッチングを利用することによって基板30に転写することができる。この処理の利点は、リセス部の形状のベースを形成する図1に示されるイメージング層43などのパターン形成層と比べ、遙かに小さな寸法を有するリセス部を基板30内に形成することができる点である。また図6に示されている順応層46がシリコン含有光応答性部材から形成されている場合には、図6に示されている順応層46の除去は、フォトレジスト部材の除去と同様の方法で行うことができる。結果としてブランケットフッ素エッチングを利用する必要はないことになる。
【0023】
図4と10を参照すると、上記で説明したHF浸液利用の必要性を回避する別の実施形態が示されている。具体的には、突出部42の形成後に順応層46が堆積される。このために、順応層46と突出部42のファセット領域は、同様のエッチング特性を有する部材から作られる。具体的には、ファセット領域に関するエッチング速度は、順応層46に関するエッチング速度よりも大きくないのが望ましい。この方法で、ブランケットエッチングは、図6、7に関して上記で説明した様に実施することができる。しかしながら、表面は図7に示されるクラウン面66に関して上記で示されているように平坦である必要はない点を理解されたい。この後、図7、8、9で上述したように、基板30の領域74にリセス部が形成される。
【0024】
図11を参照すると、本発明の別の実施形態が記載されており、前述の処理を利用して、基板30上の既存層内にリセス構造を形成できることを示している。このために、多層構造体540は、基板30、基層141、転写層137、イメージング層143を有し、基層141は転写層137と基板30との間に配置され、転写層137はイメージング層143と基層141との間に配置されて示されている。転写層137とイメージング層143は、図1にそれぞれ示されている転写層37とイメージング層43に関して上述の部材によって形成することができ、図1にそれぞれ示されている転写層37とイメージング層43に関して上述のように形成することができる。
【0025】
基層141は、シリコン含有low−k、BCB、二酸化ケイ素、スピンオンガラス、FSG、ポリシリコンなどのlow−k部材から形成することができる。基層141は、図1に示されている転写層37とイメージング層43に関して上記で説明した技術のいずれかを利用して形成することができる。例示的な実施形態では、基層141は、スピンコート技術を利用して基板30上に堆積させることができ、low−kのシリコン含有誘電体からなる。
【0026】
図12、13を参照すると、図1に示されるイメージング層43と転写層37に関して上述したように、イメージング層143は、転写層137のエッチング特性とは異なる、関連するエッチング特性を有する。この方法では、突出部142を形成するためにトリムエッチング手法が利用される。図のように、基板30とフューチャ45との間に延びる図3の本体47とは異なり、本体147がフューチャ145と基層141との間に延びる点以外は、突出部142は、図3に関して上記で説明した方法で形成されている。多層構造体540に上述のトリムエッチング処理を受けさせた後、図4、5、6、7、8、9に関して上記で説明したような追加の処理を行い、基層141内にリセス構造174を得ることができる。図示しないが、リセス構造174は、基層141を貫通して延び、基板30で終端することができる。
【0027】
図14を参照すると、別の実施形態において、イメージング層43を基板30上に配置し、多層構造体640を形成することができる。イメージング層43は、ペンシルバニア州フィラデルフィアのRohm and Haasから入手可能なI線、193nm、248nmのフォトリソグラフィレジストなどの有機レジストで形成することができる。I線、193nm、248nmのフォトリソグラフィレジストの説明書は、http://electronicmaterials.rohmhaas.com/businesses/micro/lithography/248 photo.asp?caid=235から入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。イメージング層43はまた、日本国東京のZeon Corporationから入手可能な電子ビーム有機レジストで形成してもよい。電子ビーム有機レジストについての説明書は、http://www. zeon.co.jp/business e/enterprise/imagelec/zep7000.htmlから入手可能であり、引用により本明細書に組み込まれる。フューチャ45の幅「a1」を縮小するために、イメージング層43は等方性エッチング成分を有する有機エッチングを受けることができる。しかしながらこれは、ファセット部材と呼ばれるファセットが形成されるフューチャ45をもたらす可能性がある。多層構造体640によって形成された構造体形状を基板30に転写させるために、図4、5、6、7、8、9に関して上記で説明したように追加の処理を受けることができる。しかしながら、多層構造体640に対して図6、7に関して上述したブランケットエッチングを利用すると、上述のファセット部材を排除するためにオーバーエッチングを必要とする可能性がある。
【0028】
図15を参照すると、別の実施形態において、イメージング層143を基層141上に配置して多層構造体740を形成することができ、ここで多層構造体740は、多層構造体740によって形成された構造体形状が基層141に転写されるように多層構造体640に関する上述の処理を受けることができる。
【0029】
上述の本発明の実施形態は例示的なものである。本発明の範囲内に留まりながら、上記の開示に対して多くの変更及び修正を加えることができる。従って本発明の範囲は、添付の請求項並びに均等物の全範囲に関連して決定すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】多層構造体の簡易立面図である。
【図2】インプリントリソグラフィによって形成された多層構造体の簡易立面図である。
【図3】図1に示されている多層構造体がトリムエッチング処理を受けた後の該多層構造体の簡易立面図である。
【図4】図3に示されている多層構造体を選択的にエッチングした後の該多層構造体の簡易立面図である。
【図5】図4に示されている多層構造体が浸液エッチングを受けた後の該多層構造体の簡易立面図である。
【図6】図5に示されている多層構造体の順応層堆積後の簡易立面図である。
【図7】図6に示されている多層構造体のブランケットエッチング及びクラウン面形成後の簡易立面図である。
【図8】クラウン面にエッチング処理を受けさせて基板領域を露出させた後の図7に示されている多層構造体の簡易立面図である。
【図9】多層構造体のパターン転写後の図8に示されている基板の簡易立面図である。
【図10】本発明の別の実施形態による順応層の堆積後の図5に示されている多層構造体の簡易立面図である。
【図11】本発明の別の実施形態による多層構造体の簡易立面図である。
【図12】図11に示されている多層構造体がトリムエッチング処理を受けた後の簡易立面図である。
【図13】本発明の別の実施形態による後処理の後の図12に示されている多層構造体の簡易立面図である。
【図14】本発明の別の実施形態による多層構造体の簡易立面図である。
【図15】本発明の別の実施形態による多層構造体の簡易立面図である。
【符号の説明】
【0031】
140 多層構造体、42 突出部、45 フューチャ、43 イメージング層、37 転写層、30 基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にリセス部を形成する方法であって、
前記表面上に第1の寸法と形状を備えたフューチャを有するパターン形成層を形成するステップと、
前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する、前記形状の反転形状を前記表面に転写するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記転写ステップは、前記形状の反転形状を基板に転写するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記転写ステップは、前記形状の反転形状を基層に転写するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記転写ステップは、前記形状の反転形状を前記フューチャの1つと重なった前記表面領域に転写するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記転写ステップは、前記フューチャと重なった基層領域に前記形状の反転形状を転写するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記転写ステップは、前記フューチャから前記表面に延びる複数の突出部を生成するステップと、順応層で前記複数の突出部を覆うステップとを更に含み、前記順応層と前記突出部の小部分が同等のシリコン含有量を有する部材から形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記転写ステップは、前記フューチャから前記表面に延びる複数の突出部を生成するステップと、順応層で前記複数の突出部を覆うステップとを更に含み、前記順応層と前記突出部の第1の小部分が同等のシリコン含有量を有する部材から形成されており、前記突出部の第2の小部分は前記第1の部分とは異なるシリコン含有量を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記転写ステップは、前記フューチャから前記表面に延びる複数の突出部を生成するステップと、順応層で前記複数の突出部を覆うステップとを更に含み、前記順応層と前記突出部の第1の部分は所与のエッチング化学作用に対して同様のエッチング特性を有し、前記突出部の第2の部分は前記所与のエッチング化学作用に対して前記順応層とは異なるエッチング特性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の寸法は前記第1の寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記形成ステップは、前記パターン形成層と前記表面との間に転写層を配置するステップを更に含み、前記転写ステップは、前記転写層をエッチングし、第1の方向に沿った前記反転形状の寸法と実質的に等しい、前記第1の方向に沿った寸法を有する複数の突出部を生成するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項1】
表面にリセス部を形成する方法であって、
前記表面上に第1の寸法と形状を備えたフューチャを有するパターン形成層を形成するステップと、
前記第1の寸法とは異なる第2の寸法を有する、前記形状の反転形状を前記表面に転写するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記転写ステップは、前記形状の反転形状を基板に転写するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記転写ステップは、前記形状の反転形状を基層に転写するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記転写ステップは、前記形状の反転形状を前記フューチャの1つと重なった前記表面領域に転写するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記転写ステップは、前記フューチャと重なった基層領域に前記形状の反転形状を転写するステップを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記転写ステップは、前記フューチャから前記表面に延びる複数の突出部を生成するステップと、順応層で前記複数の突出部を覆うステップとを更に含み、前記順応層と前記突出部の小部分が同等のシリコン含有量を有する部材から形成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記転写ステップは、前記フューチャから前記表面に延びる複数の突出部を生成するステップと、順応層で前記複数の突出部を覆うステップとを更に含み、前記順応層と前記突出部の第1の小部分が同等のシリコン含有量を有する部材から形成されており、前記突出部の第2の小部分は前記第1の部分とは異なるシリコン含有量を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記転写ステップは、前記フューチャから前記表面に延びる複数の突出部を生成するステップと、順応層で前記複数の突出部を覆うステップとを更に含み、前記順応層と前記突出部の第1の部分は所与のエッチング化学作用に対して同様のエッチング特性を有し、前記突出部の第2の部分は前記所与のエッチング化学作用に対して前記順応層とは異なるエッチング特性を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第2の寸法は前記第1の寸法よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記形成ステップは、前記パターン形成層と前記表面との間に転写層を配置するステップを更に含み、前記転写ステップは、前記転写層をエッチングし、第1の方向に沿った前記反転形状の寸法と実質的に等しい、前記第1の方向に沿った寸法を有する複数の突出部を生成するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2008−517448(P2008−517448A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527480(P2007−527480)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017756
【国際公開番号】WO2005/114719
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【国際出願番号】PCT/US2005/017756
【国際公開番号】WO2005/114719
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】
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