説明

リヤガーニッシュの取付構造

【課題】リヤガーニッシュの取付構造に改良を加えることでコンパクトでかつ、成形が容易なリヤガーニッシュを得る。
【解決手段】左右中央部にオーナメント取付部13を有する横長形状のリヤガーニッシュ1の裏面に複数の締結部材取付座15,35,51を一体に設ける。第1締結部材取付座15は、オーナメント取付部13に形成された開口部25の開口縁部から立ち上がるように設けた立上がり部17を有し、立上がり部17の下側が開放されるとともに、立上がり部17の先端に形成した座面19に、下端からクリップ27が挿入される係合孔23を形成する。一対の第2締結部材取付座35,51は、第1締結部材取付座15を通って上下方向に延びる平面に対して左右対称となる位置に、平面に対し面対称の形状となるように形成され、第2締結部材取付座35,51の上端部は、第1締結部材取付座15の下端部よりも下側に配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リヤガーニッシュを締結部材にて車体に取り付けるリヤガーニッシュの取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両のトランクリッド等に取り付けられ、表面の左右中央にオーナメントが取り付けられる樹脂製のリヤガーニッシュは知られている。このリヤガーニッシュは、例えば、特許文献1に示すように、複数の締結部材取付座を備え、この締結部材取付座に組み込まれるクリップ等の締結部材により車体側に取り付けられる。締結部材取付座は、パネル状のリヤガーニッシュの裏面から立ち上がる立上がり部と、この立上がり部の先端に形成された座面とからなる。
【特許文献1】実開平7−21452号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記リヤガーニッシュを射出成形により成形するとき、例えば成形型の固定型に設けられた凸部と、該凸部が挿入され、可動型に設けられる凹部とによって締結部材取付座を成形したとき、リヤガーニッシュのパネル本体において、この締結部材取付座の基端部(凸部による)開口部が開口されるので、リヤガーニッシュの外観のデザイン性が著しく低下してしまう。このため、スライド型を用いることで、パネル本体に開口部を開口させずに締結部材取付座を成形することが一般的に考えられている。この場合、横長形状のリヤガーニッシュをバランスよく車体に取り付けるために、その左右方向の中央に設けた締結部材取付座を中心にして、他の締結部材取付座を対称に配置することが好ましい。
【0004】
ここで、射出成形時に成形型を型開きする際に、複数のスライド型のスライド方向のバランスがよくなければ成形品が成形型から外れにくくなるという問題がある。そこで、この問題を解決するためには、上記中央に設けられる締結部材取付座のスライド型は、リヤガーニッシュの例えば上下方向にスライドさせ、対称に設けられる対の締結部材取付座のスライド型は、左右方向に互いに反対側にスライドさせることが考えられる。そして、このような中央のスライド型を上下方向にスライドさせると、その両側にあるスライド型と干渉してしまうので、中央の締結部材取付座の位置を他の取付座の位置に対し上側又は下側にずらした位置に形成することでスライド型同士の干渉を防ぐことが考えられる。しかし、これではリヤガーニッシュの中央部が上側又は下側に突出した形状となり、コンパクトなデザインのリヤガーニッシュを得ることができないという問題がある。また、スライド型を外側方向にスライドさせると、これよりさらに外側の締結部材取付座のスライド型との干渉を考慮する必要があり、リヤガーニッシュの全長が長くなってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、リヤガーニッシュの取付構造に改良を加えることでコンパクトでかつ、成形が容易なリヤガーニッシュを得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を解決するために、本発明に係るリヤガーニッシュの取付構造では、開口部が形成される成形でも、その開口部をオーナ目とで隠蔽されるオーナメント取付部に形成するようにした。
【0007】
具体的には、第1の発明に係るリヤガーニッシュの取付構造は、表面の左右中央部にオーナメントが取り付けられるオーナメント取付部を有する横長形状のリヤガーニッシュの裏面に、該リヤガーニッシュの裏面から立ち上がる立上がり部と、該立上がり部の先端に形成された座面とを有する複数の締結部材取付座が一体に設けられ、該締結部材取付座の座面に、車体と締結される締結部材が組み込まれるリヤガーニッシュの取付構造であって、上記リヤガーニッシュにおける上記オーナメント取付部に開口部が形成され、上記締結部材取付座は、上記立上がり部が上記リヤガーニッシュにおける上記開口部の開口縁部から立ち上がるように設けられていて、上記立上がり部の一側が開放されるとともに、上記座面に、該開放側から上記締結部材が挿入される係合孔が形成されている第1締結部材取付座と、上記リヤガーニッシュにおいて、上記第1締結部材取付座を通って上下方向に延びる平面に対して左右対称となる位置に該平面に対し面対称の形状となるように形成された少なくとも一対の第2締結部材取付座とからなり、上記第2締結部材取付座の上端部は、上記第1締結部材取付座の下端部よりも下側に配設されている。
【0008】
第2の発明に係るリヤガーニッシュの取付構造は、上記第1の発明に係るリヤガーニッシュの取付構造において、上記複数の締結部材取付座の座面は、上記リヤガーニッシュの左右方向に沿って上下に交互に位置するように配設されている。
【発明の効果】
【0009】
上記第1の発明によれば、リヤガーニッシュの左右中央部のオーナメント取付部に設ける第1締結部材取付座を射出成形時にスライド型を用いずに成形し、その基部のリヤガーニッシュに開口部を有し、立上がり部の一側を締結部材の組付等が行えるように開放している。このため、この第1締結部材取付座の両側に設けられる第2締結部材取付座を成形するためのスライド型が、第1締結部材取付座を成形するための成形型に干渉せず、第1締結部材取付座をリヤガーニッシュの上側又は下側に突出した位置に形成しなくてもよいので、リヤガーニッシュを上下方向の幅を狭くしてコンパクトなデザインで成形することができる。
【0010】
このとき、第1締結部材取付座は、オーナメント取付部に形成されるため、基部の開口部をオーナメントで隠すことができ、外観品質を損なわずにリヤガーニッシュに開口部を設けることができる。
【0011】
また、少なくとも一対の第2締結部材取付座を、第1締結部材取付座を中心にして、左右対称となる位置に面対称の形状となるように設けるため、これらを成形するためのスライド型がバランスの良い位置で、かつスライド方向が反対となるように設けられて、このスライド型から成形品が容易に外れることとなり、リヤガーニッシュを容易に成形することができる。
【0012】
また、第2締結部材取付座が2対以上ある場合、第1締結部材取付座がスライド型を用いずに成形されるので、この第1締結部材取付座の両側にある第2締結部材取付座のスライド型をそれぞれ中央側に向かってスライドさせることができる。これにより、これらの第2締結部材取付座よりも外側の第2締結部材取付座のスライド型もそれぞれ中央側に向かってスライドさせることができるので、リヤガーニッシュの長手方向の長さが長くならず、コンパクトなデザインで成形することができる。
【0013】
また、第2締結部材取付座の上端部が、第1締結部材取付座の下端部よりも下側に配設されることにより、リヤガーニッシュの車体に対する締結部分がバランスよく配置されるので、リヤガーニッシュを堅固に車体に取り付けることができる。
【0014】
上記第2の発明によれば、締結部材取付座をリヤガーニッシュの左右方向に沿って上下に交互となるように、ジグザグ状に配設することにより、リヤガーニッシュを車体との当接部分に隙間が開かないように車体により一層堅固に取り付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
本発明の実施形態に係るリヤガーニッシュの取付構造は、図1に示すように、樹脂製のリヤガーニッシュ1が、車両の車体としてのトランクリッド3(図2〜図4に仮想線で示す)に複数の締結部材によって取り付けられるものである。
【0017】
(リヤガーニッシュ)
上記リヤガーニッシュ1は、パネル状のガーニッシュ本体7と、このガーニッシュ本体7の裏面側(トランクリッド3側)に長さ方向(左右方向)に間隔をあけて一体に形成された複数(図示例では5つ)の締結部材取付座15,35,51とを備えている。このガーニッシュ本体7は左右方向に延びる横長略矩形状であり、その上側の左右の各コーナー部が曲線状に形成されていて、左右両側縁部から上側縁部がトランクリッド3に当接するようになっている。 上記リヤガーニッシュ1の下端縁には、裏面側に向かって突出する底壁部10が形成されている。
【0018】
リヤガーニッシュ1の表面の左右略中央には、裏面側に向かって僅かに凹陥した略楕円形状のオーナメント取付部13が形成され、このオーナメント取付部13に表面側から、オーナメント取付部13に対応した形状のオーナメント11(図2に示す)が取り付けられるようになっている。
【0019】
(第1締結部材取付座)
図2に示すように、上記ガーニッシュ本体7裏面の上記オーナメント取付部13の上端部に対応する部位には、第1締結部材取付座15がガーニッシュ本体7と一体に形成されている。この第1締結部材取付座15は、ガーニッシュ本体7の裏面からガーニッシュ本体7に対して略垂直に立ち上がる第1立上がり部17と、この第1立上がり部17の先端に設けられ、車体側に向かって下方に傾斜した第1座面19とを有している。この第1立上がり部17は、左右両側面と上面とが連続した曲面状に形成され、下側が開放されている。上記第1座面19には、その下端から上方に向かって第1座面19の上下略中央まで凹陥された第1係合孔23が開口されている。この第1係合孔23は、上端の円形孔部と、この円形孔部から第1座面19の下端まで円形孔部の直径よりも小さい幅で切り欠かれたスリット部とからなる鍵穴状のものである。この第1締結部材取付座15の基部が形成された上記オーナメント取付部13の上端部のガーニッシュ本体7には開口部25が開口されている。言い換えると、ガーニッシュ本体7におけるオーナメント取付部13に形成された開口部25の開口縁部から第1立上がり部17が立ち上がるように設けられている。このように、ガーニッシュ本体7の表面側からオーナメント取付部13に上記オーナメント11が取り付けられることにより、外側からは、この開口部25が露見しないようになっている。
【0020】
上記第1締結部材取付座15の第1座面19には、締結部材としての第1クリップ27が、その基部27aを第1係合孔23の下端から挿入することで組み込まれている。第1クリップ27の先端部には断面略山形形状の頭部27bが形成されており、この頭部27bをトランクリッド3に形成した第1止め孔29に差し込んで嵌着することにより、リヤガーニッシュ1が第1締結部材取付座15において車体側に取り付けられるようになっている。
【0021】
そして、図2に示すように、上記リヤガーニッシュ1をトランクリッド3に取り付けたとき、オーナメント取付部13の下方の底壁部10とトランクリッド3との間には、トランクリッド3を開閉するときに手を挿入するための取っ手孔31が開口されるようになっている。
【0022】
(下側第2締結部材取付座)
図3に示すように、上記ガーニッシュ本体7の裏面の左右中間部には、上記第1締結部材取付座15から左右方向に離間した位置に一対の下側第2締結部材取付座35が一体に形成されている。これらの下側第2締結部材取付座35は、上記第1締結部材取付座15を通って上下方向に延びる平面に対して左右対称となる位置に、この平面に対し面対称の形状となるように形成されている。
【0023】
具体的には、上記下側第2締結部材取付座35は、下側第2立上がり部37と、この下側第2立上がり部37の先端に形成された下側第2座面39とをそれぞれ有している。下側第2立上がり部37は、ガーニッシュ本体7からガーニッシュ本体7に対して略垂直に立ち上がる下側上壁部37aと、各々ガーニッシュ本体7及び底壁部10から略垂直に立ち上がり、下側上壁部37aに連続するガーニッシュ本体7の左右両端部側の側面を構成する下側側壁部37bと、底壁部10から立ち上がった後に、トランクリッド3側に向かうように折曲形成され、上記下側側壁部37bに連続する下側下壁部37cとで構成され、左右中央側がそれぞれ開放されている。下側第2座面39は車体側に向かって下方に傾斜して配設され、この第2座面39には、その左右中央側から左右両端側に向かって凹陥された下側第2係合孔41が開口されている。この下側第2係合孔41は、左右両端側の円形孔部と、この円形孔部から下側第2座面39の左右中央側まで円形孔部の直径よりも小さい幅で切り欠かれたスリット部とからなる鍵穴状のものである。上記下側第2立上がり部37の上端部である下側上壁部37aは、リヤガーニッシュ1における上下方向の位置が上記第1締結部材取付座15の下端部よりも下側に配設されている。
【0024】
そして、上記下側第2座面39の下側第2係合孔41に、締結部材としてのボルト43がトランクリッド3側に向かって挿入され、このボルト43をトランクリッド3に予め固定したウェルドナット45に螺合させることで、リヤガーニッシュ1が各下側第2締結部材取付座35において車体側に取り付けられるようになっている。
【0025】
(上側第2締結部材取付座)
図4に示すように、上記ガーニッシュ本体7の左右両端部には、一対の上側第2締結部材取付座51が一体に形成されている。これらの上側第2締結部材取付座51も、上記下側第2締結部材取付座35と同様に、上記第1締結部材取付座15を通って上下方向に延びる平面に対して左右対称となる位置に、この平面に対して面対称の形状となるように形成されている。
【0026】
具体的には、上記上側第2締結部材取付座51は、上側第2立上がり部53と、この上側第2立上がり部53の先端に形成された上側第2座面55とをそれぞれ有している。上側第2立上がり部53は、ガーニッシュ本体7からガーニッシュ本体7に対して略垂直に立ち上がる上側上壁部53aと、各々ガーニッシュ本体7及び底壁部10から略垂直に立ち上がり、上側上壁部53aに連続するガーニッシュ本体7の左右両端側の側面を構成する上側側壁部53bと、底壁部10から立ち上がり、上記上側側壁部53bと連続する上側下壁部53cとで構成され、左右中央側がそれぞれ開放されている。上側第2座面55は車体側に向かって下方に傾斜して配設され、この上側第2座面55には、その左右中央側から左右両端側に向かって凹陥された上側第2係合孔57が開口されている。この上側第2係合孔57は、左右両端側の円形孔部と、この円形孔部から上側第2座面55の左右中央側まで円形孔部の直径よりも小さい幅で切り欠かれたスリット部とからなる鍵穴状のものである。
【0027】
上記上側第2立上がり部53の上端部である上側上壁部53aは、リヤガーニッシュ1における上下方向の位置が上記第1締結部材取付座15の下端部よりも下側でかつ、下側第2立上がり部37の下側上壁部37aよりも上側となるように形成されている。そして、上側第2座面55は、その下端部が、下側第2立上がり部37の下側上壁部37aよりも上側となるように形成されている。このように、これら複数の締結部材取付座15,35,51の座面19,39,55は、リヤガーニッシュ1の左右方向に沿って、上下に交互位置するように配置されている。
【0028】
上記上側第2締結部材取付座51の上側第2座面55には、締結部材としての第2クリップ59が、上側第2係合孔57のリヤガーニッシュ1の左右中央側からその基部59aが挿入されて組み込まれている。第2クリップ59の先端部には、第1クリップ27と同様に、断面略山形形状の頭部59bが形成されており、この頭部59bをトランクリッド3に形成した第2止め孔61に差し込んで嵌着することにより、リヤガーニッシュ1が上側第2締結部材取付座51において車体側に取り付けられるようになっている。
【0029】
(成形方法)
次に、上記リヤガーニッシュ1を射出成形により成形するための成形型73による成形方法について、図5〜図7に基づいて説明する。成形型73は、固定型70と、この固定型70に対して進退可能に対向配置された可動型71と、上記第2締結部材取付座35,51を成形するためのスライド型75,77とを備えている。この固定型70の固定型側成形面はリヤガーニッシュ1の表面を成形するように、それに対応した形状に形成され、また可動型71の可動型側成形面はリヤガーニッシュ1の裏面を成形するように、それに対応した形状に形成されている。
【0030】
図5に示すように、リヤガーニッシュ1の第1締結部材取付座15は、第1立上がり部17及び第1座面19を成形するために可動型71に向かって突出した凸部を有する固定型70と、これに対応した凹部を有する可動型71とによって成形される。
【0031】
図6に示すように、ガーニッシュ本体7は、固定型70と可動型71とによって成形される。一方、上記各下側第2締結部材取付座35は、その外側面を成形する可動型71と、その内側面を成形し、リヤガーニッシュ1の左右中央側に向かってスライドする下側スライド型75とによって成形される。また、上記各上側第2締結部材取付座51は、その外側面を成形する可動型71と、その内側面を成形し、リヤガーニッシュ1の左右中央側に向かってスライドする上側スライド型77とによって成形される。各スライド型75,77には、リヤガーニッシュ1の中央側に向かって斜めに配置されたアンギュラピン79が取り付けられており、固定型70に向かってスライド型75,77を押し出すように、可動型71に対して移動するようになっている。
【0032】
図7に示すように、上記成形型73の型開きは、まず、可動型71が固定型70から離間する方向に後退し、これに伴って、下側スライド型75及び上側スライド型77が、アンギュラピン79に押される。アンギュラピン79が可動型71に対して、固定型70に向かってつき出るように移動すると、リヤガーニッシュ1の左右中央側に向かって各スライド型75,77がスライドする。
【0033】
(実施形態の効果)
したがって、本実施形態のリヤガーニッシュ1の取付構造においては、リヤガーニッシュ1の左右中央部のオーナメント取付部13に設ける第1締結部材取付座15は、スライド型を用いずに固定型と可動型とによって成形している。このため、この第1締結部材取付座15の両側に設けられる下側第2締結部材取付座35を成形するための下側スライド型75が、第1締結部材取付座15の下方の可動型71と干渉しないので、第1締結部材取付座15をリヤガーニッシュ1の上側に突出した位置に形成しなくてもよく、リヤガーニッシュ1をコンパクトに成形することができる。
【0034】
このとき、第1締結部材取付座15をオーナメント取付部13に形成するため、スライド型を用いずに成形して、基部のリヤガーニッシュ1に開口部25を開口させても、この開口部25をオーナメント11で隠すことができる。その結果、スライド型を用いないで外観のデザイン性を損なわずに第1締結部材取付座15を成形することができる。
【0035】
また、二対の第2締結部材取付座35,51は、第1締結部材取付座15を中心にして、左右対称となる位置でかつ、左右対称の形状となるように設けられている。このため、これらを成形するためのスライド型73,77がバランスの良い位置で、かつ反対のスライド方向となるように設けられることとなり、リヤガーニッシュ1がスライド型73,77から容易に外れて、その成形を容易に行うことができる。
【0036】
また、各スライド型75,77を中央側に向かってスライドさせることにより、型同士の不要な干渉を防ぐことができ、リヤガーニッシュ1の長手方向の長さを短くして、コンパクトなリヤガーニッシュ1を成形することができる。
【0037】
また、第1締結部材取付座15の第1座面19には、下端から第1クリップ27が挿入される第1係合孔23が形成されているので、リヤガーニッシュ1をトランクリッド3に取り付けたときに、第1クリップ27によってリヤガーニッシュ1を下側から上側に向けて係止支持することができる。そして、第2締結部材取付座35,51が第1締結部材取付座15と上下方向の異なる位置に配設されることにより、リヤガーニッシュ1の車体に対する締結部分がバランスよく配置されるので、リヤガーニッシュ1を堅固にトランクリッド3に取り付けることができる。
【0038】
また、締結部材取付座15,35,51をリヤガーニッシュ1の左右方向に沿って上下に交互に位置するように、ジグザグ状に配設することにより、リヤガーニッシュ1のトランクリッド3に対する当接部分に隙間が開かないようにリヤガーニッシュ1を取り付けることができる。
【0039】
また、締結部材取付座15,35,51のうち、下側第2締結部材取付座35をボルト43とウェルドナット45とによりトランクリッド3に締結することにより、リヤガーニッシュ1の脱落を防止し、より堅固にトランクリッド3に取り付けることができる。
【0040】
(その他の実施形態)
なお、上述の実施形態は、本発明の例示であって、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、以下のような構成としてもよい。
【0041】
すなわち、上記実施形態では、二対の第2締結部材取付座35,51を設けたが、この第2締結部材取付座は少なくとも一対設けられればよく、また、リヤガーニッシュ1の長さに応じて、三対以上設けてもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、下側第2締結部材取付座35をボルト43によりトランクリッド3に締結したが、これをクリップにより締結してもよく、また、上側第2締結部材取付座51をボルトとナットとにより締結してもよい。第2締結部材取付座65,51のうち少なくとも2つをボルトにより締結することで、リヤガーニッシュ1の脱落を防止し、堅固にトランクリッド3に取り付けるようにすればよい。
【0043】
また、上記実施形態では、第1締結部材取付座15の第1立上がり部17の下側を開放したが、側方を開放するようにしてもよく、この場合、第1座面19には、この開放側の側方から第1クリップ27が挿入される第1係合孔23を形成すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上説明したように、本発明は、リヤガーニッシュを締結部材にて車体に取り付けるリヤガーニッシュの取付構造について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態に係るリヤガーニッシュを裏面側から見た斜視図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】図1のIII−III線拡大断面図である。
【図4】図1のIV−IV線拡大断面図である。
【図5】リヤガーニッシュを成形する成形型を示す図2相当断面図である。
【図6】型閉じした状態の成形型を示す平面図である。
【図7】型開きした状態の成形型を示す平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 リヤガーニッシュ
3 トランクリッド(車体)
11 オーナメント
15 第1締結部材取付座
17 第1立上がり部(立上がり部)
19 第1座面(座面)
25 開口部
27 第1クリップ(締結部材)
35 下側第2締結部材取付座(第2締結部材取付座)
37 下側第2立上がり部(立上がり部)
39 下側第2座面(座面)
43 ボルト(締結部材)
51 上側第2締結部材取付座(第2締結部材取付座)
53 上側第2立上がり部(立上がり部)
55 上側第2座面(座面)
59 第2クリップ(締結部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の左右中央部にオーナメントが取り付けられるオーナメント取付部を有する横長形状のリヤガーニッシュの裏面に、該リヤガーニッシュの裏面から立ち上がる立上がり部と、該立上がり部の先端に形成された座面とを有する複数の締結部材取付座が一体に設けられ、該締結部材取付座の座面に、車体と締結される締結部材が組み込まれるリヤガーニッシュの取付構造であって、
上記リヤガーニッシュにおける上記オーナメント取付部に開口部が形成され、
上記締結部材取付座は、
上記立上がり部が上記リヤガーニッシュにおける上記開口部の開口縁部から立ち上がるように設けられていて、上記立上がり部の一側が開放されるとともに、上記座面に、該開放側から上記締結部材が挿入される係合孔が形成されている第1締結部材取付座と、
上記リヤガーニッシュにおいて、上記第1締結部材取付座を通って上下方向に延びる平面に対して左右対称となる位置に該平面に対し面対称の形状となるように形成された少なくとも一対の第2締結部材取付座とからなり、
上記第2締結部材取付座の上端部は、上記第1締結部材取付座の下端部よりも下側に配設されていることを特徴とするリヤガーニッシュの取付構造。
【請求項2】
請求項1のリヤガーニッシュの取付構造において、
上記複数の締結部材取付座の座面は、上記リヤガーニッシュの左右方向に沿って上下に交互に位置するように配設されていることを特徴とするリヤガーニッシュの取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−184066(P2008−184066A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19930(P2007−19930)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(390026538)ダイキョーニシカワ株式会社 (492)
【Fターム(参考)】