リヤサスペンション装置
【課題】スタビライザを利用した簡単な構成でコンプライアンスステア及びロールステアのコントロールができ、走行安定性をより一層向上できるリヤサスペンション装置を提供する。
【解決手段】リヤサスペンション装置10において、アッパーアーム14及びロアアーム15のトレーリングアーム12への取付点14b、15bに対して、クロスメンバ13への取付点14a、15aを車両後方側に配置し、スタビライザ17のトレーリングアーム12への取付点(ブッシュ16)に対して、クロスメンバ13への取付点(ブッシュ18)を車両後方側に配置し、トレーリングアーム12のサイドメンバへの取付点(ブッシュ11)及びスタビライザ17のクロスメンバ13への取付点(ブッシュ18)に対して、スタビライザ17のトレーリングアーム12への取付点(ブッシュ16)を車両上下方向上方側に配置した。
【解決手段】リヤサスペンション装置10において、アッパーアーム14及びロアアーム15のトレーリングアーム12への取付点14b、15bに対して、クロスメンバ13への取付点14a、15aを車両後方側に配置し、スタビライザ17のトレーリングアーム12への取付点(ブッシュ16)に対して、クロスメンバ13への取付点(ブッシュ18)を車両後方側に配置し、トレーリングアーム12のサイドメンバへの取付点(ブッシュ11)及びスタビライザ17のクロスメンバ13への取付点(ブッシュ18)に対して、スタビライザ17のトレーリングアーム12への取付点(ブッシュ16)を車両上下方向上方側に配置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーリングアームを採用したリヤサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両の後輪の向き(トー角)をトーイン傾向にすることで、車両の走行安定性が得られることは周知である。
そして、従来から、車両の旋回時や制動時に後輪の向き(トー角)をトーイン側にコントロールすることで、車両の走行安定性を向上させる技術が知られている。
その一例として、リヤサスペンション装置にトーコントロールアームを設けたものがある(特許文献1)。
この技術は、車両の旋回時や制動時に、車軸より前方側をトーコントロールアームにより車両内側に引き込むことで、後輪の向き(トー角)をトーイン方向に増大する、若しくは、トーアウト傾向になるのを抑制するようにしている。
つまり、車両走行中に後輪に作用する負荷(旋回時の横力や制動時の荷重)に応じてトー角が変化するコンプライアンスステアや車両旋回時の車体のロール、即ち、サスペンション装置のストローク(車輪のバウンド、リバウンド)に応じてトー角が変化するロールステアをトーコントロールアームによりコントロール(トーインとなるようにコントロール)することで、車両の走行安定性を向上させている。
なお、このようなリヤサスペンション装置では、一般的に車両の旋回時の走行安定性を向上させるために、旋回外側(車体のロールによりバウンド状態となる側)の後輪のトー角がトーイン方向に大きく変位するように設定されている。これは、車両の旋回時では、車体のロールにより旋回外側の後輪に荷重が集中するため、旋回外側(バウンド状態)の後輪の状態に大きく影響を受けるからである。
一方、リヤサスペンション装置には、左右のトレーリングアームを繋いで旋回時等における車体のロールを抑制するスタビライザが従来から設けられている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−278410号公報
【特許文献2】特開2002−046443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に示すようなリヤサスペンション装置では、トーコントロールアームに加えて、トーコントロールアームを連結するためのブッシュやブラケットが必要となるため、重量やコストが増加する上、構造も複雑になるという問題があった。
なお、特許文献2に示すようにスタビライザは、特に車両のコンプライアンスステアやロールステアに積極的に寄与する構成とはされていなかった。
このように、リヤサスペンション装置には、車両の走行安定性を向上させるために改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、構造を複雑にすることなく、スタビライザを利用した簡単な構成で有効にコンプライアンスステア及びロールステアのコントロールができ、走行安定性をより一層向上できるリヤサスペンション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する第1の発明に係るリヤサスペンション装置は、
車両前後方向に延設されて、前端部が1対のサイドメンバに各々ブッシュを介して連結され、後端側に後輪が支持される1対のトレーリングアームと、
車幅方向に延設されて、前記サイドメンバに固定されるクロスメンバと、
車幅方向に延び、一端が前記クロスメンバに連結されると共に他端が前記トレーリングアームの後端側に連結され、前記1対のトレーリングアームを揺動可能に支持する1対の連結アームと、
両端部が前記1対のトレーリングアームに各々連結され、中央部が前記クロスメンバに連結されたコの字形状のスタビライザとを有するリヤサスペンション装置において、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記連結アームの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置し、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点及び前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両上下方向上方側に配置したことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決する第2の発明に係るリヤサスペンション装置は、
上記第1の発明に記載のリヤサスペンション装置において、
前記後輪の車軸に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置したことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する第3の発明に係るリヤサスペンション装置は、
上記第1又は第2の発明に記載のリヤサスペンション装置において、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点に第1のブッシュを使用し、
前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に第2のブッシュを使用し、
前記第1のブッシュの剛性を前記第2のブッシュより低くしたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第4の発明に係るリヤサスペンション装置は、
上記第1〜第3のいずれか1つの発明に記載リヤサスペンション装置において、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に第3のブッシュを使用し、当該第3のブッシュにおいて、車両外側の剛性を車両内側より高くしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リヤサスペンション装置を構成する部材同士の取付点の車両前後方向の位置、車両上下方向の位置を工夫したので、スタビライザによりコンプライアンスステア及びロールステアのコントロールが可能となる。これにより、コストや重量を増加することなく、簡単な構成でより一層走行安定性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るリヤサスペンション装置の実施形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示したリヤサスペンション装置の背面図である。
【図3】図1に示したリヤサスペンション装置の側面図である。
【図4】(a)は、図3のA−A線矢視断面図、(b)は、図3のB−B線矢視断面図である。
【図5】図1に示したリヤサスペンション装置の各取付点を説明する図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、各取付点の位置関係を示す図である。
【図6】図1に示したリヤサスペンション装置の車両旋回時の動作を説明する図であり、(a)は、側面図、(b)は、その一部の拡大図である。
【図7】図1に示したリヤサスペンション装置の車両旋回時の動作を説明する図であり、(a)は、動作前の概略平面図、(b)は、車両旋回時の概略平面図である。
【図8】図1に示したリヤサスペンション装置のスタビライザによる車両旋回時の動作を説明する図であり、(a)は、動作前の概略平面図、(b)は、車両旋回時の概略平面図である。
【図9】図1に示したリヤサスペンション装置の制動時の動作を説明する図であり、(a)は、動作前の概略平面図、(b)は、制動時の概略平面図である。
【図10】図1に示したリヤサスペンション装置のトー変化を示すグラフである。
【図11】リヤサスペンション装置のレイアウト例を示す図であり、(a)は、従来のリヤサスペンション装置のレイアウト例、(b)は、本発明に係るリヤサスペンション装置のレイアウト例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るリヤサスペンション装置の実施形態を、図1〜図11を参照して説明する。
【0013】
(実施例1)
最初に、図1〜図4を参照して、本実施例のリヤサスペンション装置の構成を説明する。ここで、図1は、本実施例のリヤサスペンション装置を示す平面図であり、図2は、その背面図、図3は、その側面図である。又、図4(a)、(b)は、各々、図3のA−A線矢視断面図、B−B線矢視断面図である。
【0014】
本実施例のリヤサスペンション装置10は、車両の骨格部材、具体的には、図示は省略しているが、車両左右側部に車両前後方向に沿って配置された左右1対のサイドメンバに取り付けられるものである。又、ここでは図示を省略しているが、例えば、後述の図11(b)に示すように、車両の後輪Wを支持するものである。
【0015】
本実施例のリヤサスペンション装置10は、車両前後方向に延設されて、前端部が1対のサイドメンバに各々連結され、後端側に後輪が支持される左右1対のトレーリングアーム12と、車幅方向に延設されて、サイドメンバに固定されるクロスメンバ13と、車幅方向に延び、一端がクロスメンバ13に連結されると共に他端がトレーリングアーム12の後端側に連結され、1対のトレーリングアーム12を揺動可能に支持する各々1対のアッパーアーム14及びロアアーム15(連結アーム)と、車両のロールを抑制するため、クロスメンバ13と両トレーリングアーム12との間を連結するスタビライザ17とを有する。
【0016】
トレーリングアーム12の車両前方側には、軸方向が車幅方向に配置されたブッシュ11(第1のブッシュ)が設けられており、トレーリングアーム12は、ブッシュ11を介して、サイドメンバに取り付けられる。又、トレーリングアーム12の後方側には、図示を省略しているが、後輪Wが支持されている。なお、図3に示すC点は、後輪Wの車軸中心を表している。
【0017】
クロスメンバ13は、車両の後方側で車幅方向に延設され、その両端部が左右のサイドメンバ(図示省略)の下部に固定されている。車両前方側に延設された部位は無く、このような形状が、後述の図11(b)に示すレイアウトの自由度に寄与することになる。
【0018】
このような形状のクロスメンバ13から左右のトレーリングアーム12へ、アッパーアーム14及びロアアーム15が取り付けられるが、アッパーアーム14、ロアアーム15共に、トレーリングアーム12側の取付部14b、15b(取付点)に対して、クロスメンバ13側の取付部14a、15a(取付点)が車両後方側となるように配置されている(図1参照)。又、アッパーアーム14は、ロアアーム15より車両前方側かつ車両上方側に配置されており、互いに略平行に配置されている。又、ロアアーム15の上面には、コイルスプリング19が立設されている。
【0019】
スタビライザ17は、平面視において、略コの字状の形状である。そして、その両端部が、軸方向が車両上下方向に配置されたブッシュ16(第3のブッシュ)を介して、両トレーリングアーム12に取り付けられ、その中央部が、軸方向が車幅方向に配置された2つのブッシュ18(第2のブッシュ)を介して、クロスメンバ13に取り付けられており、スタビライザ17の両端部のブッシュ16(取付点)に対して、その中央部のブッシュ18(取付点)が車両後方側に配置されている。又、スタビライザ17の両端部のブッシュ16(取付点)は、後輪Wの車軸中心C点よりも車両前方側に配置されている。本実施例では、スタビライザ17の取り付けにブッシュ18を使用して、クロスメンバ13に直接取り付けており、後述するコンプライアンスステア及びロールステアのコントロールだけでなく、支持リンクの廃止により、コストダウンを図ることができる。
【0020】
ここで、図4を参照して、ブッシュ16の構成を説明する。
ブッシュ16は、貫通孔を有する内筒16aと、内筒16aの外周に設けられたゴム等からなる弾性部材16b、16cと、弾性部材16b、16cの外周に設けられた外筒16dとを有している。この外筒16dにスタビライザ17の端部が固定されている。
【0021】
又、トレーリングアーム12の内側には、コの字断面の支持部材12aが設けられており、ブッシュ16の軸方向が車両上下方向となるように、支持部材12aの内側にブッシュ16を配置すると共に、内筒16aの貫通孔に支持軸12bを挿通し、その両端にナット12cを締結することで、ブッシュ16をトレーリングアーム12側に取り付けている。
【0022】
上記弾性部材16b、16cは、一体の構造又は別体の構造のいずれでもよいが、車両外側の弾性部材16bと車両内側の弾性部材16cとでは剛性が異なり、外側の弾性部材16bの剛性を内側の弾性部材16cより高くしている。そのため、車両後方への力が作用した場合、ブッシュ16の外側の弾性部材16bの剛性が高いので、スタビライザ17の反力により、トレーリングアーム12の車体側の取付部(ブッシュ11)の左右移動を抑えることができ、その結果、コンプライアンスステアをトーイン特性にすることができる。
【0023】
又、ブッシュ11とブッシュ18については、前方側のブッシュ11の剛性を後方側のブッシュ18より低くしている。そのため、後述するように、車両旋回時には、旋回外側(バウンド状態側)において、スタビライザ17によりトレーリングアーム12を車両後方へ引っ張る力F1が発生し、トレーリングアーム12が後方へ移動することになる。
【0024】
次に、リヤサスペンション装置10の動作について説明するが、まず、リヤサスペンション装置10における各取付点とそれらの位置関係を説明して、車両旋回時の動作について説明を行い、その後、制動時の動作についても説明を行う。
【0025】
ここで、図5(a)は、本実施例のリヤサスペンション装置の各取付点を示す側面図であり、図5(b)は、各取付点の位置関係を示す図である。又、図6(a)は、本実施例のリヤサスペンション装置の車両旋回時の動作を説明する側面図であり、図6(b)は、その一部の拡大図であり、図7(a)は、動作前の概略平面図、図7(b)は、車両旋回時のバウンド状態側の概略平面図である。又、図8は、本実施例のリヤサスペンション装置のスタビライザによる動作を説明する図であり、図8(a)は、動作前の概略平面図であり、図8(b)は、車両旋回時のバウンド状態側の概略平面図である。又、図9(a)は、本実施例のリヤサスペンション装置の動作前の概略平面図であり、図9(b)は、制動時の概略平面図である。又、図10は、本実施例のリヤサスペンション装置のトー変化を示すグラフである。
【0026】
リヤサスペンション装置10において、車両旋回時の動作は、各取付点の位置関係が重要な意味を持つ。具体的には、図5(a)に示すように、トレーリングアーム12のサイドメンバへの取付点Paとなるブッシュ11の中心位置、スタビライザ17のトレーリングアーム12への取付点Pbとなるブッシュ16の中心位置、スタビライザ17のクロスメンバ13への取付点Pcとなるブッシュ18の中心位置、これら3つの取付点Pa、Pb、Pcの関係が重要であり、図5(b)に示すように、それらの取り付けの高さ位置として、以下の関係となるように配置している。
【0027】
(1)取付点Pb>取付点Pa
(2)取付点Pb>取付点Pc
【0028】
このように、取付点Pa及び取付点Pcに対して、取付点Pbを車両上下方向上方側の位置としている。なお、取付点Paと取付点Pcとの位置関係については、共に、取付点Pbより下の位置であれば、どちらが上であってもよいし、同一の高さ位置でもよい。又、取付点Pb(ブッシュ16)は、アッパーアーム14及びロアアーム15のトレーリングアーム12側の取付部14b、15bに対して、車両前方側に配置されており、又、後輪の車軸中心C点に対して、車両前方側に配置されている。
【0029】
以上の配置関係を前提として、リヤサスペンション装置10における車両旋回時の動作について、図6、図7を参照して説明を行う。なお、図6において、1点鎖線は、初期位置Pb0におけるPa−Pb間及びPb−Pc間を結ぶ仮想線を示しており、又、2点鎖線は、車両旋回時における各部位のバウンド状態での位置を示している。なお、車両旋回時には、遠心力により旋回外側が沈み込むように車両がロールするため、リヤサスペンション装置10において、後輪は、旋回外側がバウンド状態なり、旋回内側がリバウンド状態となる。
【0030】
前述したように、取付点Pbは、取付点Pa、Pcより上の位置となっている。そのため、車両旋回時において、取付点Paを回転中心とする取付点Pbの軌跡は、図6(b)に示す軌跡T1のような軌跡となり、取付点Pcを回転中心とする取付点Pbの軌跡は、図6(b)に示す軌跡T2のような軌跡となる。
【0031】
これは、ブッシュ16の内筒16aは、トレーリングアーム12側に固定しているため、トレーリングアーム12を取り付けているブッシュ11が回転中心となって、車両前側に移動し、ブッシュ16の外筒16dは、スタビライザ17側に固定しているため、スタビライザ17をクランプしているブッシュ18が回転中心となり、車両後方へ移動するからである。
【0032】
このように、トレーリングアーム12とスタビライザ17の車両旋回時の軌跡T1、T2が、初期位置Pb0に対して、対称的とはならず、そのため、取付点Pbに相対変位が生じることになる。具体的には、バウンド状態(旋回外側のとき)においては、取付点Pbを取付点Pa及び取付点Pcの方に各々引っ張り合うことになり、トーイン特性を生じさせており、リバウンド状態(旋回内側のとき)においては、取付点Pbを取付点Pa及び取付点Pcの方から各々押し合うことになり、トーアウト特性を生じさせている(後述する図10参照)。
【0033】
そして、バウンド状態においては、取付点Pbを取付点Pa及び取付点Pcの方に各々引っ張り合うことになるが、前述したように、前方側のブッシュ11の剛性を後方側のブッシュ18より低くしているので、車両後方への引張り力F1が発生することとなる。
【0034】
ここで、車両旋回前後におけるリヤサスペンション装置の状況を、図7に示す概略平面図を参照して説明する。
【0035】
図7(a)に示すように、車両旋回前における後輪Wの進行方向をD1とすると、車両旋回時のバウンド状態側(旋回外側)では、前述したように、ブッシュ16において車両後方への引張り力F1が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12が後方へ移動すると共に、クロスメンバ13との間をリンクしているアッパーアーム14及びロアアーム15の取付部14b、15bも後方へ移動する。
【0036】
アッパーアーム14及びロアアーム15の取付部14b、15bが後方に移動する際、アッパーアーム14及びロアアーム15は、上面視において、クロスメンバ13での取付部14a、15aを回転中心として回転するので、取付部14b、15bは、単に後方に移動するのではなく、車両外側へ移動しながら後方に移動することになる。従って、後方へ移動したトレーリングアーム12は、取付部14b、15bの車両外側への移動により、上面視において、ブッシュ16を回転中心として回転することになるので、単に後方に移動するのではなく、車両外側へ移動しながら後方に移動することになる。
【0037】
この車両旋回時の状況(バウンド状態側)を図7(b)中の実線に示している。なお、比較のため、車両旋回前の各部位を、図7(b)中の点線で示している。
【0038】
このように、車両旋回時には、バウンド状態側(旋回外側)のブッシュ16において車両後方への引張り力F1が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12は車両外側へ移動しながら後方に移動することになるので、車両旋回時における旋回外側の後輪Wの向きD2は、車両旋回前の後輪Wの進行方向D1よりトーインとなり、トーイン特性を得ることができる。
【0039】
ここで、車両旋回時のトー変化を図10のグラフに示す。図10のグラフにおいて、実線で示す特性が本実施例のリヤサスペンション装置のトー変化である。なお、比較のため、従来のリヤサスペンション装置のトー変化を点線で示した。
【0040】
図10のグラフに示すように、従来のリヤサスペンション装置においては、バウンド状態側(旋回外側)の大ストローク域でのトーイン量を増加させることはできず、あるストロークを境にトーイン量が減少してしまう。その結果、走行安定性を向上させることが難しく、又、ストロークによっては急激な挙動の変化を招くおそれがある。
【0041】
一方、本実施例のリヤサスペンション装置においては、バウンド状態側(旋回外側)の大ストローク域でのトーイン量を増加させることができ、その変化特性は線形に近い。従って、本実施例のリヤサスペンション装置においては、大ストローク域でのトーイン量を増加することにより、ロール時の旋回外輪のスリップアングルを増加でき、走行安定性を向上させることができる。又、トー変化を線形に近づけることにより、ストロークによる急な挙動の変化を抑えることができる。なお、リバウンド状態側(旋回内側)の特性は、トーアウト特性となっている。
【0042】
車両旋回時には、上述した動作と共に、図8に示すスタビライザの捩れによる動作も同時に起こっている。そこで、車両旋回前後におけるリヤサスペンション装置のスタビライザによる動作の状況を、図8に示す概略平面図を参照して説明する。
【0043】
図8(a)に示すように、車両旋回前における後輪Wの進行方向をD1とすると、車両旋回時には(ここでは、一例として、右旋回とする。)、旋回外側と旋回内側のトレーリングアーム12が互いに逆方向に変位するため、トレーリングアーム12に両端部が連結されているスタビライザ17は捩られた状態となる。この捩れにより、スタビライザ17には車両内側へのバネ反力が生じ、スタビライザ17の両端部が車幅方向内側へ変位しようとするので、トレーリングアーム12の前端側(後輪Wの車軸より前方側)、つまり、サイドメンバへの取付部となるブッシュ11側を車幅方向内側へ引き込むことになり、その結果、後輪Wを更にトーイン方向に変位させることになる。
【0044】
スタビライザによる車両旋回時の状況を図8(b)中の実線に示している。なお、比較のため、車両旋回前の各部位を、図8(b)中の点線で示している。
【0045】
このように、車両旋回時には、スタビライザ17により車両内側へのバネ反力が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12の前端側が車両内側へ移動することになるので、車両旋回時における後輪Wの向きD3は、車両旋回前の後輪Wの進行方向D1よりトーインとなり、上述した向きD2と合わせて、更に大きいトーイン特性を得ることができる。
【0046】
次に、制動前後におけるリヤサスペンション装置の状況を、図9に示す概略平面図を参照して説明する。図9(a)に示すように、制動前における後輪Wの進行方向をD1とすると、制動時には、後輪Wにおいて車両後方への制動力F3が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12が後方へ移動すると共に、クロスメンバ13との間をリンクしているアッパーアーム14及びロアアーム15の取付部14b、15bも後方へ移動する。
【0047】
そして、トレーリングアーム12が後方へ移動する際、トレーリングアーム12の車体側、つまり、サイドメンバへの取付部となるブッシュ11側も後方へ移動するが、単に後方に移動するのではなく、車両外側へ移動しながら後方に移動することになる。このとき、ブッシュ11や取付部14b、15bだけでなく、ブッシュ16も車両外側へ移動するが、ブッシュ11やブッシュ16の部分は、これらの車両外側へ移動を抑制するように、スタビライザ17のバネ反力が車両内側の方向に働く。このバネ反力により、ブッシュ11、ブッシュ16側を車両内側へ引き込むことになり、取付部14b、15b側は車両外側へ移動するので、トレーリングアーム12の前端側が車両内側へ移動することになる。
【0048】
この制動時の状況を図9(b)中の実線に示している。なお、比較のため、制動前の各部位を、図9(b)中の点線で示している。
【0049】
このように、制動時には、スタビライザ17により車両内側へのバネ反力が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12の前端側が車両内側へ移動することになるので、制動時における後輪Wの向きD4は、制動前の後輪Wの進行方向D1よりトーインとなり、トーイン特性を得ることができる。
【0050】
上述してきたように、本実施例のリヤサスペンション装置10においては、車両旋回時、制動時において、ステアをトーイン特性とすることができ、車両の走行安定性を向上させることができる。従って、リヤサスペンション装置のコストや重量を増加することなく、簡単な構成でより一層走行安定性を向上させることができる。
【0051】
加えて、従来のリヤサスペンション装置と本実施例のリヤサスペンション装置10のレイアウトを比較したものが図11である。図11(a)が、従来のリヤサスペンション装置のレイアウト例、図11(b)が、本実施例のリヤサスペンション装置10のレイアウト例である。
【0052】
なお、図11(a)、(b)において、SMはサイドメンバ、TAはトレーリングアーム、UAはアッパーアーム、LAはロアアーム、CMはクロスメンバを示し、又、Wは後輪、SHはスペアタイヤハウジング、FTは燃料タンク、EXは排気管、MFはマフラを示している。なお、スタビライザ等の図示は省略した。
【0053】
図11(a)に示すように、従来のリヤサスペンション装置(トレーリングアームTA、アッパーアームUA、ロアアームLA、クロスメンバCM等)は、両後輪Wを支持するように、サイドメンバSMに取り付けられるが、前述したように、アッパーアームUA及びロアアームLAのクロスメンバCMへの取付位置が、アッパーアームUA及びロアアームLAのトレーリングアームTAへの取付位置より前方となっているため、クロスメンバCMの前方の空間が狭く、燃料タンクFTを配置するに止まり、排気管EXのマフラMFは、上面視において、スペアタイヤハウジングSHと同じ位置となり、レイアウトの制約が大きい。
【0054】
一方、本実施例のリヤサスペンション装置(トレーリングアームTA、アッパーアームUA、ロアアームLA、クロスメンバCM等)は、図11(b)に示すように、両後輪Wを支持するように、サイドメンバSMに取り付けると共に、前述したように、アッパーアームUA及びロアアームLAのクロスメンバCMへの取付位置が、アッパーアームUA及びロアアームLAのトレーリングアームTAへの取付位置より後方となっているため、クロスメンバCMの前方の空間が大きい(図11(b)中の太い点線の領域参照)。そのため、クロスメンバCMの前方に、燃料タンクFTと共に排気管EXのマフラMFを配置することができ、又、クロスメンバCMの後方に、スペアタイヤハウジングSHを単独で配置でき、レイアウトの自由度が大きい。
【0055】
このように、本実施例のリヤサスペンション装置は、コンプライアンスステア及びロールステアのコントロールができるだけでなく、クロスメンバより前側のスペースを大きくとることができ、レイアウト性も優れる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、車両のリヤサスペンション装置に好適なものである。
【符号の説明】
【0057】
10 リヤサスペンション装置
11 ブッシュ
12 トレーリングアーム
13 クロスメンバ
14 アッパーアーム
15 ロアアーム
16 ブッシュ
17 スタビライザ
18 ブッシュ
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーリングアームを採用したリヤサスペンション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、車両の後輪の向き(トー角)をトーイン傾向にすることで、車両の走行安定性が得られることは周知である。
そして、従来から、車両の旋回時や制動時に後輪の向き(トー角)をトーイン側にコントロールすることで、車両の走行安定性を向上させる技術が知られている。
その一例として、リヤサスペンション装置にトーコントロールアームを設けたものがある(特許文献1)。
この技術は、車両の旋回時や制動時に、車軸より前方側をトーコントロールアームにより車両内側に引き込むことで、後輪の向き(トー角)をトーイン方向に増大する、若しくは、トーアウト傾向になるのを抑制するようにしている。
つまり、車両走行中に後輪に作用する負荷(旋回時の横力や制動時の荷重)に応じてトー角が変化するコンプライアンスステアや車両旋回時の車体のロール、即ち、サスペンション装置のストローク(車輪のバウンド、リバウンド)に応じてトー角が変化するロールステアをトーコントロールアームによりコントロール(トーインとなるようにコントロール)することで、車両の走行安定性を向上させている。
なお、このようなリヤサスペンション装置では、一般的に車両の旋回時の走行安定性を向上させるために、旋回外側(車体のロールによりバウンド状態となる側)の後輪のトー角がトーイン方向に大きく変位するように設定されている。これは、車両の旋回時では、車体のロールにより旋回外側の後輪に荷重が集中するため、旋回外側(バウンド状態)の後輪の状態に大きく影響を受けるからである。
一方、リヤサスペンション装置には、左右のトレーリングアームを繋いで旋回時等における車体のロールを抑制するスタビライザが従来から設けられている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61−278410号公報
【特許文献2】特開2002−046443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に示すようなリヤサスペンション装置では、トーコントロールアームに加えて、トーコントロールアームを連結するためのブッシュやブラケットが必要となるため、重量やコストが増加する上、構造も複雑になるという問題があった。
なお、特許文献2に示すようにスタビライザは、特に車両のコンプライアンスステアやロールステアに積極的に寄与する構成とはされていなかった。
このように、リヤサスペンション装置には、車両の走行安定性を向上させるために改善の余地があった。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、構造を複雑にすることなく、スタビライザを利用した簡単な構成で有効にコンプライアンスステア及びロールステアのコントロールができ、走行安定性をより一層向上できるリヤサスペンション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する第1の発明に係るリヤサスペンション装置は、
車両前後方向に延設されて、前端部が1対のサイドメンバに各々ブッシュを介して連結され、後端側に後輪が支持される1対のトレーリングアームと、
車幅方向に延設されて、前記サイドメンバに固定されるクロスメンバと、
車幅方向に延び、一端が前記クロスメンバに連結されると共に他端が前記トレーリングアームの後端側に連結され、前記1対のトレーリングアームを揺動可能に支持する1対の連結アームと、
両端部が前記1対のトレーリングアームに各々連結され、中央部が前記クロスメンバに連結されたコの字形状のスタビライザとを有するリヤサスペンション装置において、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記連結アームの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置し、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点及び前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両上下方向上方側に配置したことを特徴とする。
【0007】
上記課題を解決する第2の発明に係るリヤサスペンション装置は、
上記第1の発明に記載のリヤサスペンション装置において、
前記後輪の車軸に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置したことを特徴とする。
【0008】
上記課題を解決する第3の発明に係るリヤサスペンション装置は、
上記第1又は第2の発明に記載のリヤサスペンション装置において、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点に第1のブッシュを使用し、
前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に第2のブッシュを使用し、
前記第1のブッシュの剛性を前記第2のブッシュより低くしたことを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決する第4の発明に係るリヤサスペンション装置は、
上記第1〜第3のいずれか1つの発明に記載リヤサスペンション装置において、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に第3のブッシュを使用し、当該第3のブッシュにおいて、車両外側の剛性を車両内側より高くしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、リヤサスペンション装置を構成する部材同士の取付点の車両前後方向の位置、車両上下方向の位置を工夫したので、スタビライザによりコンプライアンスステア及びロールステアのコントロールが可能となる。これにより、コストや重量を増加することなく、簡単な構成でより一層走行安定性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係るリヤサスペンション装置の実施形態の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示したリヤサスペンション装置の背面図である。
【図3】図1に示したリヤサスペンション装置の側面図である。
【図4】(a)は、図3のA−A線矢視断面図、(b)は、図3のB−B線矢視断面図である。
【図5】図1に示したリヤサスペンション装置の各取付点を説明する図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、各取付点の位置関係を示す図である。
【図6】図1に示したリヤサスペンション装置の車両旋回時の動作を説明する図であり、(a)は、側面図、(b)は、その一部の拡大図である。
【図7】図1に示したリヤサスペンション装置の車両旋回時の動作を説明する図であり、(a)は、動作前の概略平面図、(b)は、車両旋回時の概略平面図である。
【図8】図1に示したリヤサスペンション装置のスタビライザによる車両旋回時の動作を説明する図であり、(a)は、動作前の概略平面図、(b)は、車両旋回時の概略平面図である。
【図9】図1に示したリヤサスペンション装置の制動時の動作を説明する図であり、(a)は、動作前の概略平面図、(b)は、制動時の概略平面図である。
【図10】図1に示したリヤサスペンション装置のトー変化を示すグラフである。
【図11】リヤサスペンション装置のレイアウト例を示す図であり、(a)は、従来のリヤサスペンション装置のレイアウト例、(b)は、本発明に係るリヤサスペンション装置のレイアウト例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るリヤサスペンション装置の実施形態を、図1〜図11を参照して説明する。
【0013】
(実施例1)
最初に、図1〜図4を参照して、本実施例のリヤサスペンション装置の構成を説明する。ここで、図1は、本実施例のリヤサスペンション装置を示す平面図であり、図2は、その背面図、図3は、その側面図である。又、図4(a)、(b)は、各々、図3のA−A線矢視断面図、B−B線矢視断面図である。
【0014】
本実施例のリヤサスペンション装置10は、車両の骨格部材、具体的には、図示は省略しているが、車両左右側部に車両前後方向に沿って配置された左右1対のサイドメンバに取り付けられるものである。又、ここでは図示を省略しているが、例えば、後述の図11(b)に示すように、車両の後輪Wを支持するものである。
【0015】
本実施例のリヤサスペンション装置10は、車両前後方向に延設されて、前端部が1対のサイドメンバに各々連結され、後端側に後輪が支持される左右1対のトレーリングアーム12と、車幅方向に延設されて、サイドメンバに固定されるクロスメンバ13と、車幅方向に延び、一端がクロスメンバ13に連結されると共に他端がトレーリングアーム12の後端側に連結され、1対のトレーリングアーム12を揺動可能に支持する各々1対のアッパーアーム14及びロアアーム15(連結アーム)と、車両のロールを抑制するため、クロスメンバ13と両トレーリングアーム12との間を連結するスタビライザ17とを有する。
【0016】
トレーリングアーム12の車両前方側には、軸方向が車幅方向に配置されたブッシュ11(第1のブッシュ)が設けられており、トレーリングアーム12は、ブッシュ11を介して、サイドメンバに取り付けられる。又、トレーリングアーム12の後方側には、図示を省略しているが、後輪Wが支持されている。なお、図3に示すC点は、後輪Wの車軸中心を表している。
【0017】
クロスメンバ13は、車両の後方側で車幅方向に延設され、その両端部が左右のサイドメンバ(図示省略)の下部に固定されている。車両前方側に延設された部位は無く、このような形状が、後述の図11(b)に示すレイアウトの自由度に寄与することになる。
【0018】
このような形状のクロスメンバ13から左右のトレーリングアーム12へ、アッパーアーム14及びロアアーム15が取り付けられるが、アッパーアーム14、ロアアーム15共に、トレーリングアーム12側の取付部14b、15b(取付点)に対して、クロスメンバ13側の取付部14a、15a(取付点)が車両後方側となるように配置されている(図1参照)。又、アッパーアーム14は、ロアアーム15より車両前方側かつ車両上方側に配置されており、互いに略平行に配置されている。又、ロアアーム15の上面には、コイルスプリング19が立設されている。
【0019】
スタビライザ17は、平面視において、略コの字状の形状である。そして、その両端部が、軸方向が車両上下方向に配置されたブッシュ16(第3のブッシュ)を介して、両トレーリングアーム12に取り付けられ、その中央部が、軸方向が車幅方向に配置された2つのブッシュ18(第2のブッシュ)を介して、クロスメンバ13に取り付けられており、スタビライザ17の両端部のブッシュ16(取付点)に対して、その中央部のブッシュ18(取付点)が車両後方側に配置されている。又、スタビライザ17の両端部のブッシュ16(取付点)は、後輪Wの車軸中心C点よりも車両前方側に配置されている。本実施例では、スタビライザ17の取り付けにブッシュ18を使用して、クロスメンバ13に直接取り付けており、後述するコンプライアンスステア及びロールステアのコントロールだけでなく、支持リンクの廃止により、コストダウンを図ることができる。
【0020】
ここで、図4を参照して、ブッシュ16の構成を説明する。
ブッシュ16は、貫通孔を有する内筒16aと、内筒16aの外周に設けられたゴム等からなる弾性部材16b、16cと、弾性部材16b、16cの外周に設けられた外筒16dとを有している。この外筒16dにスタビライザ17の端部が固定されている。
【0021】
又、トレーリングアーム12の内側には、コの字断面の支持部材12aが設けられており、ブッシュ16の軸方向が車両上下方向となるように、支持部材12aの内側にブッシュ16を配置すると共に、内筒16aの貫通孔に支持軸12bを挿通し、その両端にナット12cを締結することで、ブッシュ16をトレーリングアーム12側に取り付けている。
【0022】
上記弾性部材16b、16cは、一体の構造又は別体の構造のいずれでもよいが、車両外側の弾性部材16bと車両内側の弾性部材16cとでは剛性が異なり、外側の弾性部材16bの剛性を内側の弾性部材16cより高くしている。そのため、車両後方への力が作用した場合、ブッシュ16の外側の弾性部材16bの剛性が高いので、スタビライザ17の反力により、トレーリングアーム12の車体側の取付部(ブッシュ11)の左右移動を抑えることができ、その結果、コンプライアンスステアをトーイン特性にすることができる。
【0023】
又、ブッシュ11とブッシュ18については、前方側のブッシュ11の剛性を後方側のブッシュ18より低くしている。そのため、後述するように、車両旋回時には、旋回外側(バウンド状態側)において、スタビライザ17によりトレーリングアーム12を車両後方へ引っ張る力F1が発生し、トレーリングアーム12が後方へ移動することになる。
【0024】
次に、リヤサスペンション装置10の動作について説明するが、まず、リヤサスペンション装置10における各取付点とそれらの位置関係を説明して、車両旋回時の動作について説明を行い、その後、制動時の動作についても説明を行う。
【0025】
ここで、図5(a)は、本実施例のリヤサスペンション装置の各取付点を示す側面図であり、図5(b)は、各取付点の位置関係を示す図である。又、図6(a)は、本実施例のリヤサスペンション装置の車両旋回時の動作を説明する側面図であり、図6(b)は、その一部の拡大図であり、図7(a)は、動作前の概略平面図、図7(b)は、車両旋回時のバウンド状態側の概略平面図である。又、図8は、本実施例のリヤサスペンション装置のスタビライザによる動作を説明する図であり、図8(a)は、動作前の概略平面図であり、図8(b)は、車両旋回時のバウンド状態側の概略平面図である。又、図9(a)は、本実施例のリヤサスペンション装置の動作前の概略平面図であり、図9(b)は、制動時の概略平面図である。又、図10は、本実施例のリヤサスペンション装置のトー変化を示すグラフである。
【0026】
リヤサスペンション装置10において、車両旋回時の動作は、各取付点の位置関係が重要な意味を持つ。具体的には、図5(a)に示すように、トレーリングアーム12のサイドメンバへの取付点Paとなるブッシュ11の中心位置、スタビライザ17のトレーリングアーム12への取付点Pbとなるブッシュ16の中心位置、スタビライザ17のクロスメンバ13への取付点Pcとなるブッシュ18の中心位置、これら3つの取付点Pa、Pb、Pcの関係が重要であり、図5(b)に示すように、それらの取り付けの高さ位置として、以下の関係となるように配置している。
【0027】
(1)取付点Pb>取付点Pa
(2)取付点Pb>取付点Pc
【0028】
このように、取付点Pa及び取付点Pcに対して、取付点Pbを車両上下方向上方側の位置としている。なお、取付点Paと取付点Pcとの位置関係については、共に、取付点Pbより下の位置であれば、どちらが上であってもよいし、同一の高さ位置でもよい。又、取付点Pb(ブッシュ16)は、アッパーアーム14及びロアアーム15のトレーリングアーム12側の取付部14b、15bに対して、車両前方側に配置されており、又、後輪の車軸中心C点に対して、車両前方側に配置されている。
【0029】
以上の配置関係を前提として、リヤサスペンション装置10における車両旋回時の動作について、図6、図7を参照して説明を行う。なお、図6において、1点鎖線は、初期位置Pb0におけるPa−Pb間及びPb−Pc間を結ぶ仮想線を示しており、又、2点鎖線は、車両旋回時における各部位のバウンド状態での位置を示している。なお、車両旋回時には、遠心力により旋回外側が沈み込むように車両がロールするため、リヤサスペンション装置10において、後輪は、旋回外側がバウンド状態なり、旋回内側がリバウンド状態となる。
【0030】
前述したように、取付点Pbは、取付点Pa、Pcより上の位置となっている。そのため、車両旋回時において、取付点Paを回転中心とする取付点Pbの軌跡は、図6(b)に示す軌跡T1のような軌跡となり、取付点Pcを回転中心とする取付点Pbの軌跡は、図6(b)に示す軌跡T2のような軌跡となる。
【0031】
これは、ブッシュ16の内筒16aは、トレーリングアーム12側に固定しているため、トレーリングアーム12を取り付けているブッシュ11が回転中心となって、車両前側に移動し、ブッシュ16の外筒16dは、スタビライザ17側に固定しているため、スタビライザ17をクランプしているブッシュ18が回転中心となり、車両後方へ移動するからである。
【0032】
このように、トレーリングアーム12とスタビライザ17の車両旋回時の軌跡T1、T2が、初期位置Pb0に対して、対称的とはならず、そのため、取付点Pbに相対変位が生じることになる。具体的には、バウンド状態(旋回外側のとき)においては、取付点Pbを取付点Pa及び取付点Pcの方に各々引っ張り合うことになり、トーイン特性を生じさせており、リバウンド状態(旋回内側のとき)においては、取付点Pbを取付点Pa及び取付点Pcの方から各々押し合うことになり、トーアウト特性を生じさせている(後述する図10参照)。
【0033】
そして、バウンド状態においては、取付点Pbを取付点Pa及び取付点Pcの方に各々引っ張り合うことになるが、前述したように、前方側のブッシュ11の剛性を後方側のブッシュ18より低くしているので、車両後方への引張り力F1が発生することとなる。
【0034】
ここで、車両旋回前後におけるリヤサスペンション装置の状況を、図7に示す概略平面図を参照して説明する。
【0035】
図7(a)に示すように、車両旋回前における後輪Wの進行方向をD1とすると、車両旋回時のバウンド状態側(旋回外側)では、前述したように、ブッシュ16において車両後方への引張り力F1が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12が後方へ移動すると共に、クロスメンバ13との間をリンクしているアッパーアーム14及びロアアーム15の取付部14b、15bも後方へ移動する。
【0036】
アッパーアーム14及びロアアーム15の取付部14b、15bが後方に移動する際、アッパーアーム14及びロアアーム15は、上面視において、クロスメンバ13での取付部14a、15aを回転中心として回転するので、取付部14b、15bは、単に後方に移動するのではなく、車両外側へ移動しながら後方に移動することになる。従って、後方へ移動したトレーリングアーム12は、取付部14b、15bの車両外側への移動により、上面視において、ブッシュ16を回転中心として回転することになるので、単に後方に移動するのではなく、車両外側へ移動しながら後方に移動することになる。
【0037】
この車両旋回時の状況(バウンド状態側)を図7(b)中の実線に示している。なお、比較のため、車両旋回前の各部位を、図7(b)中の点線で示している。
【0038】
このように、車両旋回時には、バウンド状態側(旋回外側)のブッシュ16において車両後方への引張り力F1が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12は車両外側へ移動しながら後方に移動することになるので、車両旋回時における旋回外側の後輪Wの向きD2は、車両旋回前の後輪Wの進行方向D1よりトーインとなり、トーイン特性を得ることができる。
【0039】
ここで、車両旋回時のトー変化を図10のグラフに示す。図10のグラフにおいて、実線で示す特性が本実施例のリヤサスペンション装置のトー変化である。なお、比較のため、従来のリヤサスペンション装置のトー変化を点線で示した。
【0040】
図10のグラフに示すように、従来のリヤサスペンション装置においては、バウンド状態側(旋回外側)の大ストローク域でのトーイン量を増加させることはできず、あるストロークを境にトーイン量が減少してしまう。その結果、走行安定性を向上させることが難しく、又、ストロークによっては急激な挙動の変化を招くおそれがある。
【0041】
一方、本実施例のリヤサスペンション装置においては、バウンド状態側(旋回外側)の大ストローク域でのトーイン量を増加させることができ、その変化特性は線形に近い。従って、本実施例のリヤサスペンション装置においては、大ストローク域でのトーイン量を増加することにより、ロール時の旋回外輪のスリップアングルを増加でき、走行安定性を向上させることができる。又、トー変化を線形に近づけることにより、ストロークによる急な挙動の変化を抑えることができる。なお、リバウンド状態側(旋回内側)の特性は、トーアウト特性となっている。
【0042】
車両旋回時には、上述した動作と共に、図8に示すスタビライザの捩れによる動作も同時に起こっている。そこで、車両旋回前後におけるリヤサスペンション装置のスタビライザによる動作の状況を、図8に示す概略平面図を参照して説明する。
【0043】
図8(a)に示すように、車両旋回前における後輪Wの進行方向をD1とすると、車両旋回時には(ここでは、一例として、右旋回とする。)、旋回外側と旋回内側のトレーリングアーム12が互いに逆方向に変位するため、トレーリングアーム12に両端部が連結されているスタビライザ17は捩られた状態となる。この捩れにより、スタビライザ17には車両内側へのバネ反力が生じ、スタビライザ17の両端部が車幅方向内側へ変位しようとするので、トレーリングアーム12の前端側(後輪Wの車軸より前方側)、つまり、サイドメンバへの取付部となるブッシュ11側を車幅方向内側へ引き込むことになり、その結果、後輪Wを更にトーイン方向に変位させることになる。
【0044】
スタビライザによる車両旋回時の状況を図8(b)中の実線に示している。なお、比較のため、車両旋回前の各部位を、図8(b)中の点線で示している。
【0045】
このように、車両旋回時には、スタビライザ17により車両内側へのバネ反力が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12の前端側が車両内側へ移動することになるので、車両旋回時における後輪Wの向きD3は、車両旋回前の後輪Wの進行方向D1よりトーインとなり、上述した向きD2と合わせて、更に大きいトーイン特性を得ることができる。
【0046】
次に、制動前後におけるリヤサスペンション装置の状況を、図9に示す概略平面図を参照して説明する。図9(a)に示すように、制動前における後輪Wの進行方向をD1とすると、制動時には、後輪Wにおいて車両後方への制動力F3が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12が後方へ移動すると共に、クロスメンバ13との間をリンクしているアッパーアーム14及びロアアーム15の取付部14b、15bも後方へ移動する。
【0047】
そして、トレーリングアーム12が後方へ移動する際、トレーリングアーム12の車体側、つまり、サイドメンバへの取付部となるブッシュ11側も後方へ移動するが、単に後方に移動するのではなく、車両外側へ移動しながら後方に移動することになる。このとき、ブッシュ11や取付部14b、15bだけでなく、ブッシュ16も車両外側へ移動するが、ブッシュ11やブッシュ16の部分は、これらの車両外側へ移動を抑制するように、スタビライザ17のバネ反力が車両内側の方向に働く。このバネ反力により、ブッシュ11、ブッシュ16側を車両内側へ引き込むことになり、取付部14b、15b側は車両外側へ移動するので、トレーリングアーム12の前端側が車両内側へ移動することになる。
【0048】
この制動時の状況を図9(b)中の実線に示している。なお、比較のため、制動前の各部位を、図9(b)中の点線で示している。
【0049】
このように、制動時には、スタビライザ17により車両内側へのバネ反力が発生し、これに伴い、トレーリングアーム12の前端側が車両内側へ移動することになるので、制動時における後輪Wの向きD4は、制動前の後輪Wの進行方向D1よりトーインとなり、トーイン特性を得ることができる。
【0050】
上述してきたように、本実施例のリヤサスペンション装置10においては、車両旋回時、制動時において、ステアをトーイン特性とすることができ、車両の走行安定性を向上させることができる。従って、リヤサスペンション装置のコストや重量を増加することなく、簡単な構成でより一層走行安定性を向上させることができる。
【0051】
加えて、従来のリヤサスペンション装置と本実施例のリヤサスペンション装置10のレイアウトを比較したものが図11である。図11(a)が、従来のリヤサスペンション装置のレイアウト例、図11(b)が、本実施例のリヤサスペンション装置10のレイアウト例である。
【0052】
なお、図11(a)、(b)において、SMはサイドメンバ、TAはトレーリングアーム、UAはアッパーアーム、LAはロアアーム、CMはクロスメンバを示し、又、Wは後輪、SHはスペアタイヤハウジング、FTは燃料タンク、EXは排気管、MFはマフラを示している。なお、スタビライザ等の図示は省略した。
【0053】
図11(a)に示すように、従来のリヤサスペンション装置(トレーリングアームTA、アッパーアームUA、ロアアームLA、クロスメンバCM等)は、両後輪Wを支持するように、サイドメンバSMに取り付けられるが、前述したように、アッパーアームUA及びロアアームLAのクロスメンバCMへの取付位置が、アッパーアームUA及びロアアームLAのトレーリングアームTAへの取付位置より前方となっているため、クロスメンバCMの前方の空間が狭く、燃料タンクFTを配置するに止まり、排気管EXのマフラMFは、上面視において、スペアタイヤハウジングSHと同じ位置となり、レイアウトの制約が大きい。
【0054】
一方、本実施例のリヤサスペンション装置(トレーリングアームTA、アッパーアームUA、ロアアームLA、クロスメンバCM等)は、図11(b)に示すように、両後輪Wを支持するように、サイドメンバSMに取り付けると共に、前述したように、アッパーアームUA及びロアアームLAのクロスメンバCMへの取付位置が、アッパーアームUA及びロアアームLAのトレーリングアームTAへの取付位置より後方となっているため、クロスメンバCMの前方の空間が大きい(図11(b)中の太い点線の領域参照)。そのため、クロスメンバCMの前方に、燃料タンクFTと共に排気管EXのマフラMFを配置することができ、又、クロスメンバCMの後方に、スペアタイヤハウジングSHを単独で配置でき、レイアウトの自由度が大きい。
【0055】
このように、本実施例のリヤサスペンション装置は、コンプライアンスステア及びロールステアのコントロールができるだけでなく、クロスメンバより前側のスペースを大きくとることができ、レイアウト性も優れる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、車両のリヤサスペンション装置に好適なものである。
【符号の説明】
【0057】
10 リヤサスペンション装置
11 ブッシュ
12 トレーリングアーム
13 クロスメンバ
14 アッパーアーム
15 ロアアーム
16 ブッシュ
17 スタビライザ
18 ブッシュ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前後方向に延設されて、前端部が1対のサイドメンバに各々ブッシュを介して連結され、後端側に後輪が支持される1対のトレーリングアームと、
車幅方向に延設されて、前記サイドメンバに固定されるクロスメンバと、
車幅方向に延び、一端が前記クロスメンバに連結されると共に他端が前記トレーリングアームの後端側に連結され、前記1対のトレーリングアームを揺動可能に支持する1対の連結アームと、
両端部が前記1対のトレーリングアームに各々連結され、中央部が前記クロスメンバに連結されたコの字形状のスタビライザとを有するリヤサスペンション装置において、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記連結アームの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置し、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点及び前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両上下方向上方側に配置したことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリヤサスペンション装置において、
前記後輪の車軸に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置したことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリヤサスペンション装置において、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点に第1のブッシュを使用し、
前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に第2のブッシュを使用し、
前記第1のブッシュの剛性を前記第2のブッシュより低くしたことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のリヤサスペンション装置において、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に第3のブッシュを使用し、当該第3のブッシュにおいて、車両外側の剛性を車両内側より高くしたことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【請求項1】
車両前後方向に延設されて、前端部が1対のサイドメンバに各々ブッシュを介して連結され、後端側に後輪が支持される1対のトレーリングアームと、
車幅方向に延設されて、前記サイドメンバに固定されるクロスメンバと、
車幅方向に延び、一端が前記クロスメンバに連結されると共に他端が前記トレーリングアームの後端側に連結され、前記1対のトレーリングアームを揺動可能に支持する1対の連結アームと、
両端部が前記1対のトレーリングアームに各々連結され、中央部が前記クロスメンバに連結されたコの字形状のスタビライザとを有するリヤサスペンション装置において、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記連結アームの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点を車両後方側に配置し、
前記連結アームの前記トレーリングアームへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置し、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点及び前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両上下方向上方側に配置したことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のリヤサスペンション装置において、
前記後輪の車軸に対して、前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点を車両前方側に配置したことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のリヤサスペンション装置において、
前記トレーリングアームの前記サイドメンバへの取付点に第1のブッシュを使用し、
前記スタビライザの前記クロスメンバへの取付点に第2のブッシュを使用し、
前記第1のブッシュの剛性を前記第2のブッシュより低くしたことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のリヤサスペンション装置において、
前記スタビライザの前記トレーリングアームへの取付点に第3のブッシュを使用し、当該第3のブッシュにおいて、車両外側の剛性を車両内側より高くしたことを特徴とするリヤサスペンション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−224266(P2012−224266A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94837(P2011−94837)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】
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