説明

レチクルの支持機構および検査装置

【課題】レチクルの変形を最小限に抑えることができるレチクル支持機構を提供し、レチクルの検査装置を提供する。
【解決手段】レチクル104を支持するレチクル支持機構1を、レチクル支持台102とレチクル支持台102上に載置された中間部材103とを有して構成し、レチクル支持台102が中間部材103を介してレチクル104支持するように構成する。レチクル支持台102は、レチクル104の隣接する2隅を使用して2点でレチクル104を支持し、中間部材103を1点で支持する。中間部材103は、レチクル104の上述の2隅とは異なる2つの隅を使用してレチクル104を支持する。このレチクル支持機構1を使用して検査装置100を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レチクルの支持機構および検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造のフォトリソグラフィ工程で使用するフォトマスクまたはレチクル(本願明細書において、単にレチクルと称す。)を製造する時に行う検査方法としては、ステージ上にレチクルを載置し、レチクルに、例えば、法線方向から照明光を集光して照射し、レチクルの欠陥の有無を検査する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この検査方法では、レチクルを透過した照明光またはレチクルで反射した照明光を、対物レンズを通して光検出器に結像し、得られる光学画像に基づいてレチクルのパタン欠陥や異物の有無を検査する。
【0003】
このとき、レチクルには、マスクへの異物の付着を防止するためにペリクルを取り付けることが可能である。ペリクルは、方形のフレームに透明な膜を取り付けて構成されたものであり、フレームをレチクルのパタン形成面のパタンの周辺に、接着等により固定している。
【0004】
こうしたペリクルが設置されたレチクルに対し、上述の検査方法を実現する検査装置では、検査対象となるレチクルの支持は、ペリクルの設置されたパタン形成面を使って行われるのが通常である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−322482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の検査装置では、ペリクルが設置されたレチクルの検査を行う場合、レチクル支持台等を利用し、ペリクルによって覆われていない部分でレチクルを支持する必要があった。ここで、レチクルは、通常、正方形または長方形の形状を有しており、そうした場合、ペリクルによって覆われていない部分は、レチクルのパタン形成面の4隅となる。したがって、ペリクルの設置されたレチクルの支持は、この4隅を使って行われる。
【0007】
ところで、レチクルの変形を最小限に抑えるには、レチクルを3点で支持することが好ましい。しかしながら、上述のように、従来の検査装置では、レチクル支持台による、パタン形成面の4隅を用いた4点支持が行われている。4点支持の場合、支持部材に対して高精度の高さ調整が必要となり、高さ調整が不十分であると、レチクルに変形が生じるという問題がある。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、検査時等において、レチクルの変形を最小限に抑えることができるレチクル支持機構を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、検査時等において、レチクルの変形を最小限に抑えることができるレチクル支持機構を有する検査装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、中間部材を介してレチクルを支持するレチクル支持台を有し、
レチクル支持台は、レチクルとは2点で、中間部材とは1点でそれぞれ接するよう構成されたことを特徴とするレチクル支持機構に関する。
【0012】
本発明の第1の態様において、レチクル支持台は、レチクルの4隅のうち対角でない2隅でそのレチクルに接し、
中間部材は、レチクル支持部材とレチクルとが接触する2隅とそれぞれ対角にある2隅でレチクルに接することが好ましい。
【0013】
本発明の第1の態様において、レチクル支持台は、レチクルおよび中間部材とそれぞれボールポイントを介して接していることが好ましい。
【0014】
本発明の第1の態様において、中間部材とレチクル支持台の間には、弾性体が設けられていることが好ましい。
【0015】
本発明の第2の態様は、検査対象であるレチクルを支持するレチクル支持機構を有する検査装置であって、
レチクル支持機構は、中間部材を介してレチクルを支持するレチクル支持台を有し、
レチクル支持台は、レチクルとは2点で、中間部材とは1点でそれぞれ接するよう構成されたことを特徴とする検査装置に関する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1の態様によれば、レチクルの変形を最小限に抑えることができるレチクル支持機構を提供することができる。
【0017】
また、本発明の第2の態様によれば、レチクルの変形を最小限に抑えることができるレチクル支持機構を有する検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態のレチクル支持機構の構成を説明する模式的な側面図である。
【図2】本実施の形態のレチクル支持機構のレチクル支持台の構造を説明する模式的な平面図である。
【図3】本実施の形態のレチクル支持機構の中間部材の構造を説明する模式的な平面図である。
【図4】本実施の形態の検査装置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
図1は、本実施の形態のレチクル支持機構の構成を説明する模式的な側面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態のレチクル支持機構1は、レチクル支持台102と、レチクル支持台102上に載置された中間部材103とを有して構成される。そして、レチクル支持機構1では、レチクル支持台102が中間部材103を介して、検査等の対象となるレチクル104を下方から支持し、レチクル104を保持する。レチクル104のパタン(図示されない)の形成面は、図1において下方側の面となっており、このパタン形成面には、図示されないペリクルが設置されている。したがって、レチクル支持機構1は、レチクル104の、ペリクルの設置されたパタン形成面を使用してレチクルの支持を行い、保持するように構成されている。
【0021】
レチクル支持台102は、レチクル104のパタン形成面に、例えば、検査用の照明光が到達するように、中央部分が開口した枠状の形状を有する。また、レチクル支持台102は、支持対象となるレチクル104の形状に対応するように、正方形または長方形の枠状体の形状を備えることが好ましい。尚、中間部材103においても、レチクル支持台102上に載置された場合に、レチクル104のパタン形成面への上記照明光の到達が妨げられない形状が選択されて構成される。
【0022】
レチクル支持台102は、レチクル104を支持可能な剛性を実現できればよく、用いられる材料については特に制限されない。例えば、ステンレス鋼、チタン金属、アルミニウム金属等を用いて構成することが可能である。
【0023】
図2は、本実施の形態のレチクル支持機構のレチクル支持台の構造を説明する模式的な平面図である。
【0024】
図1に示すようにレチクル支持台102は、支持部材111を有する。支持部材111は、例えば、頭面が球状のボールポイントにより構成することができる。
【0025】
図1および図2に示すように、レチクル支持台102は、その上に載置される中間部材103とレチクル104が3点で支持されて設置位置が決まるように、3個の支持部材111−1、111−2、111−3が設けられている。レチクル支持台102の3個の支持部材111−1〜111−3のうち2個の支持部材111−1、111−2は、レチクル104の4隅のうち、対角でない2つの隅を使用してレチクル104に接する。そして、支持部材111−1、111−2は、レチクル104を直接に支持する。
【0026】
レチクル支持台102の残る1個の支持部材111−3は、レチクル104を直接に支持するものではない。支持部材111−3は、レチクル支持台102上に載置された中間部材103に接し、中間部材103を1か所で支持するように構成される。
【0027】
すなわち、レチクル支持台102の3個の支持部材111のうち、2個の支持部材111−1、111−2は、レチクル104の4隅のうちの対角ではない、隣接する2隅でレチクル104に接し、レチクル104を支持する。そのため、2個の支持部材111−1、111−2は、レチクル支持台102上の、レチクル104の上記2隅と対向する位置に配設されている。すなわち、支持部材111−1、111−2は、レチクル支持台102上の対角ではない、互いに隣接する2つの隅に配設される。2個の支持部材111−1、111−2は、例えば、長方形の枠状体であるレチクル支持台102の短手方向に伸びる辺の両端に位置する2つの隅にそれぞれ配設されることが好ましい。レチクル支持台102は、支持部材111によって、レチクル104の対角位置にある2隅を支持することはない。
【0028】
レチクル支持台102の3個の支持部材111のうちの残る1つの支持部材111−3は、レチクル支持台102の、支持部材111−1、111−2が配置されていない2つの隅の間の領域に配設される。すなわち、支持部材111−3は、例えば、長方形の枠状体であるレチクル支持台102の短手方向に伸びる2辺のうちの一方であって、両端部分に支持部材111−1、111−2が配設された上記辺と対向する辺の中央部分の領域に配設される。
【0029】
そして、レチクル支持台102は、1個の支持部材111−3により中間部材103に接し、1か所で中間部材103を支持するように構成される。中間部材103は、後述するように、レチクル104の、支持部材111−1、111−2で支持されない2隅を支持するように構成されている。すなわち、中間部材103は、レチクル104の、レチクル支持台102の支持部材111−1、111−2が接する2つの隅とそれぞれ対角にある2隅で、レチクル104と接するように構成されている。
【0030】
レチクル支持台102では、レチクル104を載置しないときに中間部材103の姿勢を保持できるように、支持部材111−3の近傍に少なくとも1個の弾性体112を設けることが好ましい。すなわち、レチクル支持機構1では、中間部材103とレチクル支持台102との間に弾性体112を設け、中間部材103の姿勢を保持する。弾性体112の設ける位置は、支持部材111−3の近傍であって、姿勢を保持される中間部材103がしなる等の変形をしない程度の範囲内とすることが好ましい。弾性体112は、例えば、コイルばねを用いて構成することができる。
【0031】
弾性体112は、レチクル支持台102上、支持部材111−3の近傍に、支持部材111−3を挟むように2個設けることが可能である。また、レチクル支持台102上の、支持部材111−3の近傍であって支持部材111−3の周囲に、3個またはそれ以上の個数の弾性体112を設けることも可能である。弾性体112は、図2に示すように、レチクル104の変形を最低限に抑制して、その姿勢を保持できるよう、3個を設けて、支持部材111−3近傍の周囲に配置することが好ましい。
【0032】
図3は、本実施の形態のレチクル支持機構の中間部材の構造を説明する模式的な平面図である。
【0033】
中間部材103は、レチクル104を支持可能な剛性を実現することができればよく、用いられる材料については特に制限されない。中間部材103は、例えば、ステンレス鋼、チタン金属、アルミニウム等を用いて構成することが可能である。そして、レチクル支持台102と同じ材料を用いて構成することが可能である。
【0034】
中間部材103は、レチクル104の、支持部材111−1、111−2により支持されない2隅を使用してレチクル104に接し、レチクル104を支持する形状であることが好ましい。図3では、好ましい中間部材103の形状の一例を示す。
【0035】
例えば、中間部材103は、レチクル104の幅に対応する長手方向の長さを備えた長方形状の板状体とすることが可能である。また、図3に示すように、中間部材103は、レチクル104の幅に対応する長手方向の長さを備えた板状体からなり、その両端部に、短手方向に突設された、レチクル104を支持するための支持部113を有する平面コの字形状とすることが可能である。
【0036】
中間部材103は、レチクル支持台102の支持部材111−1、111−2で支持されないレチクル104の、対角でない隣接する2隅を使用し、レチクル104を支持する形状を有する。そして、図1および図3に示すように、中間部材103は、レチクル104の当該2隅に対向する領域に、レチクル104を支持するための支持部材114を有する。支持部材114は、レチクル104の対角でない隣接する2隅を用いてレチクル104に接し、レチクル104を支持する。支持部材114は、上述した支持部材111と同様、例えば、頭面が球状のボールポイントにより構成することができる。
【0037】
また、支持部材114は、例えば、中間部材103が、上述したように、長方形状の板状体である場合、その両方の端部それぞれに配設される。また、中間部材103が、図3に示すように、上記支持部113を両端部に有する構造の場合、それぞれの支持部113上に配設される。
【0038】
そして、図3に示すように、中間部材103は、3個の支持部材114−1、114−2、114−3を有し、3個の支持部材114−1、114−2、114−3を用いてレチクル104に接し、レチクル104を3点で支持する構成とすることが好ましい。その場合、例えば、中間部材103が、長方形状の板状体である場合、その一方の端部に1個の支持部材114−1が配設され、他方の端部に2個の支持部材114−2、114−3が配設されることが好ましい。また、中間部材103が、上記支持部113を有する構造の場合、そのそれぞれの支持部113の一方の上に1個の支持部材114−1が配設され、他方の上に2個の支持部材114−2、114−3が配設されることが好ましい。
【0039】
このとき、上述のいずれの場合においても、支持部材114−1、114−2、114−3を、上述したボールポイントにより構成することが可能である。また、一方の端部または一方の支持部113に設けられた2個の支持部材114−2、114−3のうちの一方のみをボールポイントにより構成し、その他の2個の支持部材を真空チャックで固定する構造とすることも可能である。
【0040】
このように、中間部材103は、レチクル104を3点で支持する構成を有しており、レチクル104の変形を最小限に抑えながら、レチクル104を支持することができる。
【0041】
本実施の形態のレチクル支持機構1は、以上の構造を備えることにより、レチクル104のパタン形成面を使用し、レチクル支持台102によって、中間部材103とレチクル104とを3点支持により支持することが可能となる。すなわち、レチクル104は、レチクル支持機構1のレチクル支持台102により、直接に2点支持がなされ、中間部材103を介して1点支持がなされて、合計3点での支持が実現されることになる。その結果、本実施の形態のレチクル支持機構1は、レチクル104の変形を最小限に抑えながら、レチクル104を支持し、その状態を保持することができる。
【0042】
<実施形態2>
図4は、本実施の形態の検査装置を示す説明図である。
【0043】
図4に示す本実施の形態の検査装置100は、図1に示した本実施の形態のレチクル支持機構1を有する。
【0044】
レチクル支持機構1は、詳細が図1に示されるように、レチクル支持台102と、レチクル支持台102上に載置された中間部材103とを有して構成される。レチクル支持台102は、図1および図2に示されるように、レチクル104とは2点で、中間部材103とは1点でそれぞれ接するように構成されている。レチクル支持機構1は、レチクル支持台102が中間部材103を介して検査等の対象となるレチクル104を支持する構造を有する。そして、検査装置100は、レチクル支持機構1に支持されたレチクル104を検査する。検査装置100は、パタンの形成面にペリクルを取り付けたレチクル104の検査が可能である。
【0045】
検査装置100は、レチクル104を保持するレチクル支持機構1を載置するステージ10と、ステージ10の移動を制御する移動制御手段20と、レチクル支持機構1上のレチクル104に法線方向から照明光を照射する照明手段30と、レチクル104を透過した照明光とレチクル104で反射した照明光とを対物レンズ41を通して光検出器42、42に結像させる結像手段40と、光検出器42、42で得られる光学画像に基づいてレチクル104の欠陥や異物の有無を検査する処理を行う処理手段50と、対物レンズ41の焦点をレチクル104に合わせるオートフォーカス手段60と、を備えている。
【0046】
ステージ10は、互いに直交する水平2方向たるX方向およびY方向にそれぞれモータ11X、11Yにより移動されると共に、鉛直のθ軸線回りにモータ11θにより回転される。また、ステージ10のX方向およびY方向の位置を計測するレーザ測長計12が設けられている。尚、ステージ10の、レチクル104を保持するレチクル支持機構1を載置する部分には、図示を省略した窓穴が形成されている。そして、ペリクル(図示されない)の取付面が下になるようしてレチクル104はレチクル支持機構1に支持され、ステージ10に、レチクル104を保持したレチクル支持機構1が載置される。
【0047】
移動制御手段20は、制御計算機70にバスラインを介して接続される走査範囲設定部21と、走査範囲設定部21で後述するように設定される走査範囲内でステージ10が移動されるように各モータ11X,11Y,11θを制御するモータ制御部22とで構成される。
【0048】
照明手段30は、光源31から出射されるレーザ光等の照明光をレンズ32,33を介して平行な光束に拡径した後、照明光をミラー34とコンデンサレンズ35とを介して、レチクル支持機構1上のレチクル104にその法線方向たる鉛直方向上方から集光して照射する透過照明系と、レンズ33とミラー34との間に配置したハーフミラー36で反射した照明光をミラー37とハーフミラー38と対物レンズ41とを介して、レチクル104に鉛直方向下方から集光して照射する反射照明系とで構成されている。
【0049】
結像手段40は、レチクル支持機構1上のレチクル104に上方から照射されてレチクル104を透過した照明光(透過光)とレチクル104に下方から照射されてレチクル104で反射した照明光(反射光)とを対物レンズ41とハーフミラー38とを通して分離ミラー43に入射し、透過光を分離ミラー43からレンズ44を介して第1の光検出器42に結像させると共に、反射光を分離ミラー43からレンズ45を介して第2の光検出器42に結像させるように構成されている。光検出器42、42としては、TDIセンサ、CCDセンサまたはCMOSセンサ等を用いることができる。また、光検出器42、42は長方形に形成されている。そして、光検出器42、42をその長手方向が後述する副走査方向に沿うように配置して、副走査方向の走査ピッチを広く取れるようにしている。
【0050】
処理手段50は、比較部51と参照部52とで構成されている。参照部52は、レチクル104の設計データを、磁気ディスク53から制御計算機70を通じて読み出し、設計データに基づくマスクパターンの画像(参照画像)を作成する。比較部51には、参照画像と、光検出器42、42で得られた光学画像と、レーザ測長計12に接続されて光学画像のレチクル104上の位置を検出する位置検出部54からの位置データとが入力される。そして、光学画像と参照画像とを所定のアルゴリズムに従って比較し、レチクル支持機構1上のレチクル104の欠陥等の有無を判定する検査処理を行う。尚、繰り返しパタン同士を比較する方式(die―to―die方式)で欠陥の有無を判定することも可能である。
【0051】
オートフォーカス手段60は、反射光をハーフミラー38と分離ミラー43との間に配置したハーフミラー61を介して入射する共焦点光学系で構成されるフォーカスずれ検出部62と、フォーカスずれ検出部62からの検出信号を入力するフォーカス制御部63と、フォーカス制御部63により制御されて対物レンズ41を鉛直方向に移動させるモータ64とで構成されている。そして、フォーカスずれ検出部62で検出されたレチクル104と対物レンズ41の焦点とのずれ量に応じて対物レンズ41を鉛直方向に変位させることにより、対物レンズ41の焦点をレチクル支持機構1上のレチクル104に合わせる。尚、対物レンズ41に代えてステージ10を鉛直方向に変位させるようにしてもよい。
【0052】
レチクル104の検査に際しては、レチクル支持機構1上のレチクル104に固定の座標系における互いに直交する2つの座標軸方向であるx軸方向とy軸方向との一方、例えば、x軸方向を主走査方向、y軸方向を副走査方向として、ステージ10の移動により照明光を走査する。即ち、ステージ10のX方向への移動で照明光をx軸方向に走査することと、ステージ10のY方向への移動で走査位置をy軸方向に所定ピッチずらすこととを繰り返し行う。
【0053】
図4に示す本実施の形態の検査装置100は、以上の構造を備え、ステージ10上に載置される本実施の形態のレチクル支持機構1は、図1に示すように、レチクル104のパタン形成面を使用し、レチクル支持台102によって、中間部材103とレチクル104とを3点支持により支持している。したがって、検査装置100は、レチクル104の変形を最小限に抑えながら、レチクル104を保持した状態で、レチクル104のパタン欠陥や異物の有無を検査することができる。その結果、本実施の形態の検査装置100は、高い精度でのレチクル104の検査を実現することができる。
【0054】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 レチクル支持機構
10 ステージ
11X、11Y、11θ、64 モータ
12 レーザ測長計
20 移動制御手段
21 走査範囲設定部
22 モータ制御部
30 照明手段
31 光源
32、33、44、45 レンズ
34、37 ミラー
35 コンデンサレンズ
36、38、61 ハーフミラー
40 結像手段
41 対物レンズ
42、42 光検出器
43 分離ミラー
50 処理手段
51 比較部
52 参照部
53 磁気ディスク
54 位置検出部
60 オートフォーカス手段
62 フォーカスずれ検出部
63 フォーカス制御部
70 制御計算機
100 検査装置
102 レチクル支持台
103 中間部材
104 レチクル
111、111−1,111−2,111−3、114、114−1、114−2、114−3 支持部材
112 弾性体
113 支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間部材を介してレチクルを支持するレチクル支持台を有し、
前記レチクル支持台は、前記レチクルとは2点で、前記中間部材とは1点でそれぞれ接するよう構成されたことを特徴とするレチクル支持機構。
【請求項2】
前記レチクル支持台は、前記レチクルの4隅のうち対角でない2隅で前記レチクルに接し、
前記中間部材は、前記レチクル支持部材と前記レチクルとが接触する2隅とそれぞれ対角にある2隅で前記レチクルに接することを特徴とする請求項1に記載のレチクル支持機構。
【請求項3】
前記レチクル支持台は、前記レチクルおよび前記中間部材とそれぞれボールポイントを介して接していることを特徴とする請求項1または2に記載のレチクル支持機構。
【請求項4】
前記中間部材と前記レチクル支持台の間には、弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレチクル支持機構。
【請求項5】
検査対象であるレチクルを支持するレチクル支持機構を有する検査装置であって、
前記レチクル支持機構は、中間部材を介して前記レチクルを支持するレチクル支持台を有し、
前記レチクル支持台は、前記レチクルとは2点で、前記中間部材とは1点でそれぞれ接するよう構成されたことを特徴とする検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−77683(P2013−77683A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216363(P2011−216363)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(504162958)株式会社ニューフレアテクノロジー (669)
【Fターム(参考)】