説明

ロッカー装置

【課題】貸しロッカー装置において、ロッカーユニット10の使用中を表示を簡単な構成で確認しやすくする。
【解決手段】ロッカーユニットのロッカー扉2の自由端A側に把手部3を取り付ける。把手部3を固定金具31と光拡散部材32で構成し、固定金具31のカバー板31aと取っ手板31bの間に光拡散部材32を嵌合固定する。光拡散部材32の拡散板32bの周囲を取っ手板31bの周囲から露出させる。ロッカーユニットの框部1bの前面にLEDランプ6を配設する。カバー板31aのLEDランプ6に対応する位置に透孔31a2を形成する。LEDランプ6の光を光拡散部材32の拡散板32aに照射する。拡散板32aを発光させる。カバー板31aの裏面に施錠ブック2aを配置し、錠装置50との係合部をカバー板31aで覆う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば駅構内等に設置され、複数の利用者にロッカーボックスを利用可能とした貸しロッカー等のロッカー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のロッカー装置として、例えば実公平7−24727号公報(特許文献1)、実用新案登録第2572228号公報(特許文献2)、特開2007−102273号公報(特許文献3)に開示されたものがある。この種のロッカー装置では、ロッカーボックスが使用中であることを示すために、ロッカー扉の自由端側に表示ランプを備えている。
【特許文献1】実公平7−24727号公報
【特許文献2】実用新案登録第2572228号公報
【特許文献3】特開2007−102273号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のロッカー装置では表示ランプがLEDランプであったり、小さなレンズであり、表示が見づらいという改良の余地を残している。また、従来のコインロッカーに表示ランプを付けて超すと低減を図る場合には、改良に適した簡単な構造のものが好ましい。
【0004】
本発明は、ロッカー装置において、簡単な構造で使用中であることを示す表示を見やすくすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1のロッカー装置は、ロッカーボックスと該ロッカーボックスにヒンジ部により開閉可能に取り付けられたロッカー扉とを有する複数のロッカーユニットを備え、前記ロッカー扉の閉状態で前記ヒンジ部と反対側の自由端が前記ロッカーボックスの框部の内側に収納可能となるように、該ロッカー扉と前記ロッカーユニットた構成されたロッカー装置において、前記ロッカーボックスの前記框部に光源が設けられるとともに、前記ロッカー扉の前記自由端に該ロッカー扉の閉状態で前記光源に対向する把手部が設けられ、該把手部に前記光源からの光を拡散する光拡散部材を備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2のロッカー装置は、請求項1に記載のロッカー装置であって、前記把手部は、前記框部の前面部に対向するとともに前記光源に対応する位置に透孔が形成されたカバー板と、該カバー板と一体に形成され該カバー板の縁から前面側に突出する水平断面の形状がL字状の取っ手板とを有し、前記光拡散部材が該カバー板と取っ手板との間に配設されていることを特徴とする。
【0007】
請求項3のロッカー装置は、請求項2に記載のロッカー装置であって、前記カバー板の裏側に、前記框部に設けられた錠装置と係合する施錠フックを配置したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1のロッカー装置によれば、框部の光源からの光が把手部の光拡散部材で拡散されるので、ランプ等より大きな取っ手の部分が発行するので、使用中であることが見やすくなる。また、框部の光源と把手部の光拡散部材で構成され、簡単な構造とすることができる。
【0009】
請求項2のロッカー装置によれば、請求項1の効果に加えて、カバー板と取っ手板とにより光拡散部材を堅牢に保持することができる。
【0010】
請求項3のロッカー装置によれば、請求項2の効果に加えて、次のような効果が得られる。框部には錠装置が設けられ、ロッカー扉の施錠フックが錠装置と係合できるように、框部には切り欠き部が形成されているが、この切り欠き部が把手部のカバー板で覆い隠されるので、防犯性やデザイン性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明のロッカー装置の実施形態を図面を参照して説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る貸しロッカー装置の外観正面図である。この貸しロッカー装置は集中制御装置20を有し、その両側及び下側にそれぞれ複数のロッカーユニット10を配置したものである。集中制御装置20の前面には、利用者に情報を表示するLCD表示器の表示画面20a、プリンタからレシートを排出するためのレシート出口20b及び非接触ICカードで操作入力するための操作部20cが配設されている。
【0012】
ロッカーユニット10は、ロッカーボックス1とロッカー扉2を有し、ロッカー扉2は、ロッカーボックス1に対してヒンジ部1aにより開閉自在に取り付けられている。そして、ロッカー扉2のヒンジ部1aと反対側の自由端Aの近傍には、後述説明する把手部3が取り付けられている。
【0013】
図4(A) はロッカーユニット10の平断面図、図4(B) はロッカーユニット10の正面図、図5はロッカー扉2を外した状態のロッカーボックス1の正面図である。図5に示すように、ロッカーボックス1のヒンジ部1aと反対側の框部1bには錠装置50が埋設されており、ロッカー扉2から突出する後述の施錠フック2aが錠装置50に係合して施錠される。
【0014】
図4(A) はロッカーユニット10の平断面図、図4(B) はロッカーユニット10の正面図、図5はロッカー扉2を外した状態のロッカーボックス1の正面図である。図4に示すように、ロッカーボックス1のヒンジ部1aと反対側の框部1bには錠装置50が埋設されており、ロッカー扉2から突出する施錠フック2aが錠装置50に係合して施錠される。
【0015】
ロッカー扉2の自由端Aには把手部3が取り付けられている。把手部3は錠装置50の前面の一部を覆うような後述のカバー板31aを有し、ロッカー扉2が閉状態のとき、このカバー板31aが錠装置50の前面部50cの一部に対向する。そして、図5に示すように、錠装置50には、施錠フック2aがラッチ50aと係合できるように切り欠き部50bが形成されているが、ロッカー扉2を閉じた状態ではこの切り欠き部50b(及びラッチ50a)はカバー板31aによって覆い隠される。したがって、防犯性やデザイン性に優れている。
【0016】
また、図5に示すように、ロッカーボックス1の框部1bには、錠装置50に設けられた「光源」としてのLEDランプ6が配設されている。この実施形態では、LEDランプ6は框部1bの前面部において、ロッカー扉2の閉状態において、把手部3に対向する位置に設けられており、ロッカーユニット10が使用中の時に点灯される。
【0017】
図1は図4(A) の二点差線の円で囲った部分の拡大平断面図、図2は把手部3の分解斜視図、図3(A) は把手部3をロッカーユニットの正面から見た正面、図3(B) は把持部3を上から見た平面図である。把手部3は、固定金具3Aと、該固定金具31に嵌合された光拡散部材32とで構成されている。
【0018】
固定金具31は、台形形状のカバー板31aと、水平断面の形状がL字状の取っ手板31bと、カバー板31aと略直角に形成されたフック取り付け部31cと、ロッカー扉2に固定するための固定板31dとを有しており、これらの各部は鉄板の曲げ加工により一体に形成されたいる。取っ手板31bはカバー板31aと平行な押さえ部31b1を有し、この押さえ部31b1の端部は波形形状となっている。カバー板31aには、取っ手板31bの近傍にネジ孔31a1,31a1が形成されるとともに、押さえ部31b1の先端の下部に透孔31a2が形成されている。
【0019】
光拡散部材32はABS樹脂等の僅かに透明な乳白色の合成樹脂で形成されており、拡散板32aと2つのボス部32b,32bとを有している。拡散板32aには、取っ手板31bの押さえ部31b1に整合する波形形状を有する窪み部32a1が形成されている。また、拡散板32aには、窪み部32a1を形成することにより、その外周にはエッジ部32a2と、波形の中央の幅広部32a3が形成されている。
【0020】
そして、光拡散部材32をカバー板31aと取っ手板31bとの間に嵌合し、ボス部32b,32bをカバー板31aのネジ孔31a1,31a1に合わせ、ネジN1,N1にをボス部32b,32bにネジ込むことにより固定される。この把手部3の組み立て状態では、拡散板32aのエッジ部32a2と幅広部32a3は取っ手板31bの周縁から露出されている。また、カバー板31aの透孔31a2は幅広部32a3の直下に位置する。なお、光導光部材32のボス部32b,32bは取っ手板31b側の端部に形成されており、拡散板32aとカバー板31aとの間には間隙があり、ロッカー扉2を開けるときに手先を入れることができるようになっている。また、施錠フック2aはフック本体からL型に曲げられた固定板2a1を有し、この固定板2a1をフック取り付け部31cにあてがって、ネジN2,N2によりネジ止めし、施錠ブック2aが固定金具31(把手部3)に固定されている。
【0021】
図1に示すように、ロッカー扉2の内部にはステー21が固着されており、固定金具31の固定板31dをロッカー扉2内に挿入して、ネジN3,N3によりステー21にネジ止めすることで、把手部3がロッカー扉2に固定されている。この図1はロッカー扉2の閉状態であり、その自由端Aが框部1bの内側に収納され、把手部3(カバー板31a)は框部1bの前面部1b1及びLED光源6対向している。また、カバー板31aの透孔31a2はLEDランプ6に対応する位置に形成されている。したがって、LEDランプ6の光は透孔31a2を介して把手部3の光拡散部材32の拡散板32aに向けて照射される。これにより、拡散板32aはLEDランプ6からの光を拡散する。この拡散光は、拡散板32aのエッジ部32a1及び幅広部32a2を光らせるが、これらの部位は露出しているので、利用者はその光を容易に視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態におけるロッカー扉の自由端側近傍の拡大平断面図である。
【図2】実施形態における把手部の分解斜視図である。
【図3】実施形態における把手部の正面図及び平面図である。
【図4】本発明実施形態のロッカーユニットの平断面図及び正面図である。
【図5】本発明の実施形態におけるロッカー扉を外した状態のロッカーボックスの正面図である。
【図6】本発明の実施形態に係る貸しロッカー装置の外観正面図である。
【符号の説明】
【0023】
10 ロッカーユニット
1 ロッカーボックス
1a ヒンジ部
2 ロッカー扉
3 把手部
31 固定金具
32 光拡散部材
6 LEDランプ(光源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッカーボックスと該ロッカーボックスにヒンジ部により開閉可能に取り付けられたロッカー扉とを有する複数のロッカーユニットを備え、前記ロッカー扉の閉状態で前記ヒンジ部と反対側の自由端が前記ロッカーボックスの框部の内側に収納可能となるように、該ロッカー扉と前記ロッカーユニットた構成されたロッカー装置において、
前記ロッカーボックスの前記框部に光源が設けられるとともに、前記ロッカー扉の前記自由端に該ロッカー扉の閉状態で前記光源に対向する把手部が設けられ、
該把手部に前記光源からの光を拡散する光拡散部材を備えたことを特徴とするロッカー装置。
【請求項2】
前記把手部は、前記框部の前面部に対向するとともに前記光源に対応する位置に透孔が形成されたカバー板と、該カバー板と一体に形成され該カバー板の縁から前面側に突出する水平断面の形状がL字状の取っ手板とを有し、前記光拡散部材が該カバー板と取っ手板との間に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のロッカー装置。
【請求項3】
前記カバー板の裏側に、前記框部に設けられた錠装置と係合する施錠フックを配置したことを特徴とする請求項2に記載のロッカー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−155933(P2009−155933A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−336131(P2007−336131)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000170598)株式会社アルファ (433)
【出願人】(506226658)株式会社アルファロッカーシステム (39)
【Fターム(参考)】