説明

ロッキングデファレンシャル

ドライブシャフトから一対の同軸配置の出力軸26、28にトルクを供給するロッキングデファレンシャル機構12は、一対のサイドギヤ34、36と、セントラルドライバ52と、一対のサイドギヤ34、36の対応する一方に共に回転するように作動可能に結合された一対のクラッチ部材62、64とを含む。カムアセンブリ78は、一対のカム部材80、82を含む。カム部材80、82は、それぞれ対向するカム部材の対応する歯に向って延びる複数のカム歯88、90を含む。カム部材80、82は、第1位置とそこから関連するサイドギヤに沿って軸方向に距離を有する第2位置とで移動可能である。第1位置では、一対のサイドギヤ34、36が同じ速度で回転しているとき、カム歯88、90が互いに噛合い関係に配置され、第2位置では、関連するクラッチ部材62、64をその第1位置から第2位置に移動させ、関連するサイドギヤ34、36の回転速度の相違に応答してセントラルドライバ52に駆動される関係を離脱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはデファレンシャルに関し、より具体的には、ほとんどの作動状態中に一対のアクスルハーフシャフトを作動結合し、これらのアクスル間の所定の速度差に応答して一方のハーフシャフトを自動的に切離すロッキングデファレンシャルに関する。
【背景技術】
【0002】
デファレンシャルは、アクスルアセンブリの一部品であり、アクスルアセンブリの一部を構成する一対の回転するハーフシャフトを連結するために使用される。デファレンシャルは、ドライブシャフトにより、デファレンシャルに取付けられたリングギヤに噛合うピニオンギヤを介して駆動される。自動車への適用例においては、デファレンシャルは、アクスルアセンブリの両端に取付けられたタイヤが異なる速度で回転できるようにする。これは、例えば車両が旋回しているとき重要になる。外側のタイヤは、内側のタイヤよりも
大きな距離の円弧上を移動する。このため、外側のタイヤは、内側のタイヤよりも高速で回転して、より大きな距離の移動を補償しなければならない。
【0003】
出力軸間にトルクを分配するために使用する関連技術において公知の多くのデファレンシャル機構がある。そのようなデファレンシャルの一つは、ほとんどの作動状態中にアクスルハーフシャフトを互いに一体にロックするが、例えば車両が旋回しているときのアクスル速度差に応答するなど、所定の状態中にこれらのアクスルを離脱するように機能する。これらの装置は、一般的に「ロッキングデファレンシャル」として知られる。
【0004】
多くのロッキングデファレンシャルは、一対のサイドギヤを支持するハウジングを含む。これらのサイドギヤは、一対のアクスルハーフシャフトに共に回転するようにスプライン結合されている。セントラルドライバすなわちスパイダは、デファレンシャルハウジングと共に回転するように取付けられて、セントラルドライバの両側に配置された一対のクラッチ部材を駆動する。カム部材は、作動結合されてセントラルドライバと共に回転し、また、クラッチ部材のそれぞれの複数のドリブン歯の一部に噛合うカム歯を有している。ほとんどの作動状態中、セントラルドライバ、クラッチ及びサイドギヤが一体に作動結合して、両方のアクスルハーフシャフトが一体に回転する。アクスルハーフシャフト間に予め決定された所望の速度差が有る場合、例えば車両が旋回しているとき、より高速回転するアクスルに関連するクラッチの歯の部分がカム歯に乗り上げて、クラッチが移動されてセントラルドライバとの係合が外れる。これにより、関連する一方のアクスルハーフシャフトが、引続きセントラルドライバによって駆動される他方のアクスルハーフシャフトとは異なる速度で回転することができる。この速度差が解消されると、クラッチ部材が移動して原位置に復帰し、ドライブ歯が関連するクラッチ部材のドリブン歯に噛合わされるようにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このタイプのロッキングデファレンシャルは、概ね所期の目的を果たしてきたが、いくつかの欠点が残っている。例えば、当該技術において公知のこのタイプのロッキングデファレンシャルは、比較的に機械的に複雑であり、この複雑さが、これらの装置の製造コストを増やしている。更に、カム歯とクラッチのドリブン歯の一部との相互作用は、セントラルドライバからのトルクを伝達し、また、速度差に応答してカム歯の表面に乗り上げるというドライブ歯の機能から、理想的ではない。セントラルドライバのドライブ歯及びクラッチのドリブン歯は、通常、歯を噛合い係合状態で維持するように設計されている。クラッチ部材のドリブン歯の部分とカム歯との間の相互作用は、これらの噛合い力に作用する。その結果、アクスルハーフシャフト間に速度差がある状態の間、騒音及び振動を生じることになる。
【0006】
このため、部品点数が少なく、機械的に効率がよく、製造コストが安いと共に、アクスルシャフト間に速度差があるときの騒音及び振動を減少させるロッキングデファレンシャルのための技術的な要求が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ドライブシャフトから、一対の同軸上に配置された出力軸にトルクを供給するためのロッキングデファレンシャル機構に関連する技術における欠点を克服する。本発明のロッキングデファレンシャル機構は、一対の同軸上に配置された対応する出力軸に、共通の軸線回りを共に回転するように取付けられた一対のサイドギヤを含んでいる。セントラルドライバは、ドライブシャフトに駆動結合され、一対の反対向きの環状表面を有している。これらの一対の反対向きの環状表面は、それぞれ複数のドライブ歯を含んでいる。一対のクラッチ部材は、一対のサイドギヤの関連する一方に共に回転するように作動結合されている。一対のクラッチ部材は、それぞれ複数のドリブン歯を含んでいる。一対のクラッチ部材は、それぞれドリブン歯がセントラルドライバのドライブ歯に駆動される関係で噛合い係合して、トルクをセントラルドライバからクラッチ部材を介してサイドギヤに伝達する第1位置と、ドリブン歯がセントラルドライバのドライブ歯との噛合い係合を離脱するように移動されて、関連するサイドギヤがセンタドライバと異なる速度で回転できる第2位置との間で軸方向に移動可能である。本発明のロッキングデファレンシャル機構は、また、一対の反対向きのカム部材を有するカムアセンブリを含んでいる。カム部材は、それぞれ一対のサイドギヤの対応する一方に共に回転するように取付けられ、かつ、一対のクラッチ部材の対応する一方に当接して配置されている。一対の対向するカム部材は、それぞれ対向するカム部材の対応する歯に向って延びる複数のカム歯を含んでいる。カム部材は、それぞれ一対のサイドギヤがほぼ同じ速度で回転しているとき、カム歯が互いに噛合い関係に配置される第1位置、及び、第1位置から関連するサイドギヤに沿って軸方向に距離を有し、関連するクラッチ部材をその第1位置からその第2位置に移動させる第2位置に移動可能である。これにより、カム部材は、一対のサイドギヤの関連する一方の回転速度のバリエーションに応答して、関連するクラッチ部材をセントラルドライバに駆動される関係から離脱するように移動させる。
【0008】
カムアセンブリが互いに相互作用するように特別に設計されて対応するカム作用を提供し、これにより、クラッチ部材をセントラルドライバから離れるように軸方向に移動させる歯を有する一対のカム部材を含んでいることにより、この構成により、静粛かつ円滑な作動と共にロッキングデファレンシャル機構の内部摩耗を小さくすることになる。本発明のロッキングデファレンシャルは、また、関連技術において公知の装置と比較したとき、抵抗リングの数が少ない。これにより、本発明は、機械効率的で、低コストで製造することができる。
【0009】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、添付の図面に関連する以下の説明を読んだ後、よりよく理解され、容易に認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るロッキングデファレンシャルの側面の縦断面図である。
【図2】本発明に係るロッキングデファレンシャルのロッキング機構の側面の縦断面図である。
【図3】本発明に係るロッキングデファレンシャルのロッキング機構の分解図である。
【図4】本発明に係るカムアセンブリの側面の縦断面図である。
【図5−10】両方のアクスルハーフシャフトが一体にロックされたとき、また、アクスルハーフシャフト間に速度差がある他の運転状態中におけるカムアセンブリ及びこれに関連するクラッチ部材の部品の相対配置を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
ドライブシャフト(図示せず)から、一対の同軸上に配置された出力軸(図1及び図2において符号26、28の仮想線で示される)にトルクを供給するための車両ドライブトレーンの代表部分が図1〜4に概略的に示され、これらの図面を通して同様の構造を示すために同様の符号が使用されている。当業者は、以下の説明から、図面の目的は、本発明の一例を示すためであり、その限定を意味しないことを理解するであろう。ドライブトレーンは、図1及び図2において全体として符号12で示されるデファレンシャルロッキング機構を含み、これは、図1において全体として符号14で示されるデファレンシャルハウジングに作動可能に支持されている。ハウジング14は、一般的に公知である技術のあらゆる適当な方法で形成することができる。例えば、図1に示される代表例において、このハウジングは、全体として符号20で示されるフランジカップリングによって一体に作動可能に取付けられた2つの部品16、18によって形成されている。図示しないが当該技術において一般的に公知のナット/ボルト構造等のファスナでリングギヤ(図示せず)がフランジカップリングに取付けられる。また、ハウジング14には、図1及び図2において仮想線で符号26、28によって示される一対のアクスルハーフシャフトを支持するようにした一対の開口22、24が形成されている。そのために、ハウジング14には、アクスルハーフシャフト26、28を挿通させるベアリングハブ30、32が形成されている。ほとんどの作動状態において、ドライブシャフトは、リングギヤに噛合うように配置されたピニオンギヤを有してハウジング14を駆動し、これにより、以下に詳述するようにアクスルハーフシャフト26、28を駆動する。
【0012】
より具体的には、デファレンシャル機構12は、当該技術において一般的に公知のように、ハウジング14内で回転可能にベアリングで支持された一対のサイドギヤ34、36を含んでいる。各サイドギヤ34、36は、アクスルハーフシャフト26、28の外周に形成されたスプライン42、44に係合するスプライン付内周部38、40を有している。これにより、サイドギヤ34、36は、それぞれのハーフシャフト26、28に固定され、アクスルハーフシャフト26、28は、共通の軸A回りに回転する。サイドギヤ34、36は、それぞれ内側端部46、48を含んでいる。ロッキングデファレンシャル機構12は、更に、一対のサイドギヤ34、36の対向する一対の端部46、48間に配置されたスペーサ50を含んでいる。
【0013】
また、ロッキングデファレンシャル機構は、全体として符号52で示されるセントラルドライバを含んでいる。セントラルドライバ52は、図1に示されるように、ハウジング14の内表面に形成されたスプライン56と協働して、ハウジング14に共に回転するようにセントラルドライバ52を固定するための複数のスプライン54を有する外表面を含んでいる。この代りに、セントラルドライバ52に代えてスパイダを使用することができることを当業者は理解するであろう。このスパイダは、一般的にハウジングに形成された嵌め合い穴に挿入される4つのトラニオンによってハウジング14に作動可能に結合されることを除き、セントラルドライバと同じ機能を有している。これにより、以下に説明する目的のため、セントラルドライバ52とスパイダとは置換可能であることが当業者には理解されるであろう。図3に最もよく示されるように、セントラルドライバ52は、また、一対の反対向きの環状表面58を有している。これらの一対の反対向きの表面は、それぞれ複数のドライブ歯60を含んでいる。また、ロッキングデファレンシャル機構12は、全体として符号62、64で示される一対のクラッチ部材を含み、これらのクラッチ部材62、64は、一対のサイドギヤ34、36の対応する一方に共に回転するように作動可能に結合される。そのため、一対のサイドギヤ34、36は、それぞれスプライン付外周部66、68を含んでいる(図3)。クラッチ部材62、64は、それぞれスプラインにより一対のサイドギヤ34、36の関連する一方に共に回転するように支持されている。さらに、一対のクラッチ部材62、64は、それぞれセントラルドライバ52の両側に配置されている。一対のクラッチ部材62、64は、また、それぞれ複数のドリブン歯74、76を含んでいる。一対のクラッチ部材62、64は、それぞれ関連するサイドギヤ34、36に対して、第1位置(図1、2、5及び8)と第2位置(図6、7、9及び10)との間で、軸方向に移動可能である。第1位置において、クラッチ部材62、64のドリブン歯74、76は、セントラルドライバ52のドライブ歯60に駆動される関係で噛合い係合するようになっている。これにより、セントラルドライバ52は、ハウジング14からのトルクをセントラルドライバ52及びクラッチ部材62、64を介して、サイドギヤ34、36に伝達するように作用する。第2位置において、クラッチ部材62、64は、サイドギヤ34、36の外周部に沿って軸方向に移動され、ドリブン歯74、76が移動してセントラルドライバ52のドライブ歯60との噛合い係合が外れるようになっている。クラッチ部材62又は64がその第2位置に配置されたとき、以下に詳述するように、関連するサイドギヤ34又は36は、それぞれセントラルドライバ52とは異なる速度で回転することができる。
【0014】
図1、2及び4に最もよく示されるように、ロッキングデファレンシャル機構12は、また、全体として符号78で示されるカムアセンブリを含んでいる。カムアセンブリ78は、一対の対向するカム部材80、82を含んでいる。図3に最もよく示されるように、セントラルドライバ52の左側に示されるカム部材80は、「小カム」ということができ、また、セントラルドライバ52の右側に示されるカム部材82は、「大カム」ということができる。この用語は、以下に詳述するように、大カム部材82が小カム部材80よりも大きな直径寸法を有していることから使用されている。当業者は、セントラルドライバ52に対する小及び大カム部材80、82の相対位置は、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、反対にすることができる。いずれにしても、カム部材80、82は、それぞれ一対のサイドギヤ34、36の対応する一方に共に回転するように取付けられている。更に、カム部材80、82は、それぞれ一対のクラッチ部材62、64の対応する一方に当接して配置されている。また、カム部材80、82は、それぞれ関連するサイドギヤ34、36の外周部のスプライン66、68に対応して嵌め合わされて受入れられるスプライン付内周部84、86を含んでいる。
【0015】
図3に最もよく示されるように、一対の対向するカム部材80、82は、また、それぞれ対向するカム部材の対応する歯に向って延びる複数のカム歯88、90を含んでいる。カム部材80、82は、それぞれ関連するサイドギヤ34、36の外周部のスプライン66、68に沿って軸方向に第1位置(図1、2、4、5及び8)と第2位置(図6、7、9及び10)との間で移動可能である。図1、2、4、5及び8に例示される第1位置において、一対のサイドギヤ34、36がほぼ同じ速度で回転しているとき、カム歯88、89は、互いに噛合い関係に配置される。カム部材80、82の一方が図6、7、9及び10に例示されるその第2位置に配置されたとき、これは、関連するサイドギヤ34、36に沿って軸方向に第1位置から離間される。このようにして、カム部材80、82は、また、関連するクラッチ部材62、64をその第1位置からその第2位置へ移動させるように作用し、これにより、一対のサイドギヤ34、36の関連する一方の間の回転速度差に応答してクラッチ部材62、64を移動させてセントラルドライバ52との駆動関係から外す。これは、例えば、車両が旋回して外側ホイールが内側ホイールよりも大きな円弧を描いているときに起こる。
【0016】
より具体的には、これらの状況下で、カム歯88、90は、異なる速度で回転するサイドギヤ34、36に関連するカム部材80、82を他方に対して軸方向に移動させて、カム歯88、90および関連するカム部材80、82が対向するカム部材との噛合い関係を離脱させる。そのため、一対のクラッチ部材62、64は、それぞれ複数のドリブン歯74、76の径方向内側に配置された滑らかな環状表面92、94を形成している。滑らかな環状表面92、94は、また、関連するカム部材80、82の方向に対向している。一方、カム部材80、82は、それぞれクラッチ部材62、64の対応する一方の環状表面92、94に当接して配置された外側に向いた対応する滑らかな環状表面96、98を含んでいる。一対のカム部材80、82の一方の軸方向の移動により、関連するクラッチ部材62、64に、これらの互いに係合する環状表面92、94、96、98間の相互作用を介して、同様の移動が生じる。
【0017】
ロッキングデファレンシャル機構12は、また、一対の対向するカム部材80、82の一方に共に回転するように取付けられた抵抗リング100を含んでいる。ここに示された実施形態においては、抵抗リング100は、小カム80に共に回転するように取付けられている。抵抗リング100は、抵抗リング100の外周に間隔をもって環状に配置された複数のラグ102を含んでいる。抵抗リング100は、回転軸A回りに第1位置と第2位置との間で割出し可能になっている。第1位置においては、一対のサイドギヤ34、36は、同じ回転速度で回転する。第2位置においては、カム部材80、82の少なくとも一方が、その軸方向に間隔をあけた第2位置に配置される。この位置では、抵抗リング100は、その第2位置に割出され、これにより、サイドギヤ間に回転速度差があるとき、カム歯の再噛合いを阻止する。より具体的には、ラグ102は、抵抗リング100がその第2位置に割出されているとき、カム部材80、82の再係合を阻止するように作用する。図2及び3に最もよく示されるように、大カム82は、小カム80のカム歯88よりも径方向長さが大きいカム歯90を有している。大カム82がその第2位置に移動しているとき、カム歯90は、抵抗リング100のラグ102に係合してその第2位置に割出すように作用する。
【0018】
図2に最もよく示されるように、ロッキングデファレンシャル機構12は、また、これを二分し、回転軸Aに垂直に延びる中央線CLを形成する。上述のように、ここに示される代表例においては、抵抗リング100は、小カム80の外周まわりに取付けられて、偏って、すなわち、中央線CLの一側に配置されている。抵抗リング100は、また、小カム80の外周部に配置された対応する溝106に受入れられる内側環状リブ104を含んでいる。一方、セントラルドライバ52は、中央線CLの一側に偏って配置されたキー110を有する内径108を形成する。抵抗リング100は、抵抗リング100がその第2位置に割出されて一対のカム部材80、82のカム歯88、90の再係合を阻止しているとき、キー110に係合するスロットを含んでいる。ここに示された代表例においては、抵抗リングは、中央線の左側に偏るように小カム部材80の外周部に対向して取付けられている。同様に、キー110は、図1及び2に示されるように、中央線の左側に偏った配置でセントラルドライバ52の内周部に配置されている。しかしながら、当業者は、ここでの説明から、抵抗リング100及びキー110の両方は、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、中央線の右側に偏って配置することもできる。
【0019】
ロッキングデファレンシャル機構12は、また、一対のサイドギヤ34、36の対応する一方にそれぞれ作動可能に取付けられた一対の環状のリテーナ112、114を含んでいる。より具体的には、リテーナ112、114は、サイドギヤ34、36に形成された肩部116、118に当接して取付けられている。一対のリテーナ112、114の一方と一対のクラッチ部材62、64の一方との間に一対の付勢部材120、122がそれぞれ配置されている。そのために、各クラッチ部材62、64は、付勢部材120、122の一端を受けて保持する環状の保持溝124、126を含んでいる。一対の付勢部材120、122は、一対のクラッチ部材62、64をクラッチ部材の第1位置へ向けて付勢して、セントラルドライバ52に係合させるように作用する。一実施形態においては、付勢部材120、122は、一対のコイルスプリングを含むことができる。しかしながら、当業者は、この目的のためにあらゆる適当な付勢部材を使用することができることを理解するであろう。
【0020】
セントラルドライバ52の内周部に形成されたキー110は、所定の軸方向幅を有している。抵抗リング100は、軸方向の移動に対して一対のカム部材80、82の一方のカム部材80によって支持されている。上述のように、ここに図示された実施形態においては、このカム部材80は、2つのカム部材のうちで、より小さい方である。一対のクラッチ部材62、64の第2位置は、一対の環状のリテーナによって制限される。キー110の軸方向幅は、クラッチ部材62、64の第2位置への移動距離がキー110の軸方向幅よりも小さくなるように設計されている。これにより、抵抗リング100は、その第2位置に割出されたとき、キー110との係合から外れて軸方向に移動するのを阻止されている。この特徴は、抵抗リングが「キーを飛び越える」のを防止する。関連技術において公知のデファレンシャル機構において起こり得るように、抵抗リングがキーを飛び越えたとき、デファレンシャル機構の他の部品が軸方向に傾斜して進み、その結果、それらの部品が故障することになる。このため、本発明は、特にこの問題が生じるのを防止するように設計されている。
【0021】
図5から図10は、本発明のロッキングデファレンシャル機構12の異なる作動モードを示している。より具体的には、図5に示されるように、アクスルハーフシャフト26、28及び関連するサイドギヤ34、36の両方が同じ速度で駆動されるとき、セントラルドライバ52、クラッチ部材62、64、カムアセンブリ78及びサイドギヤ34、36は、全て一体に回転する。図6に示されるように、右側ホイールが先行(over−running)しているとき、右側ホイールに関連するサイドギヤ36及びアクスルハーフシャフト28は、より大きな速度で回転する。この状況下では、カム部材82は、これに関連するクラッチ部材64を移動させてセントラルドライバ52との係合を外す。これにより、サイドギヤ36及びこれに関連するアクスルハーフシャフト28は、サイドギヤ34及び関連する左側タイヤよりも速い回転速度で回転することがきる。図7に最もよく示されるように、本発明のロッキングデファレンシャル機構12は、左側ホイールが先行しているとき、カム部材80及び関連するクラッチ部材62が移動されてセントラルドライバ52との係合が外れて、サイドギヤ34及び関連するアクスルハーフシャフト26がより速い回転速度で回転できるようにすること以外は、同様に作動する。
【0022】
図8は、両方のホイールが同じ回転速度で回転しているが、惰行状態である作動状態を示している。これらの状況下では、セントラルドライバ52、クラッチ部材62、64、カムアセンブリ78及びサイドギヤ34、36は、全てロックされた状態で一体に回転する。
【0023】
図9及び図10は、それぞれアクスル26、28が接触状態(in contact)で左右のホイールが遅行(under−running)しているときの本発明のロッキングデファレンシャル機構12の作動を示している。それぞれの場合において、上述のように、より低い回転速度で回転しているサイドギヤ34、36に関連するカム部材80、82は、関連するクラッチ部材62、64を移動させ、セントラルドライバ52との係合を外して、サイドギヤ34、36がより低速で回転できるようにする。
【0024】
本発明のロッキングデファレンシャル機構12は、関連技術において公知のロッキングデファレンシャルと比較したとき、1つの抵抗リングのみを使用してこれらの結果を達成する。加えて、本発明のロッキングデファレンシャル機構12は、抵抗リング100が「キー110を飛び越えて」本アセンブリが損傷するのを防止する。更に、本発明は、機械効率的で、かつ、低コストで製造することができる。同時に、カム歯88、90が互いに噛合ってカム作用するように設計されているので、アクスルハーフシャフト間に速度差があるとき、本発明のロッキングデファレンシャル機構12によって生じる騒音及び振動が低減される。
【0025】
以上に本発明を詳細に説明してきたが、本説明を読んで理解することにより、当業者には、本発明の様々な変更及び修正が明らかになるであろう。全てのそのような変更及び修正は、添付された特許請求の範囲の技術的範囲内である限り、本発明に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライブシャフトから一対の同軸上に配置された出力軸(26、28)にトルクを供給するロッキングデファレンシャル機構(12)において、
共通軸(A)に同軸上に配置された対応する一対の出力軸(26、28)に共に回転するように取付けられた一対のサイドギヤ(34、36)と、
前記ドライブシャフトに作動可能に結合され、それぞれが複数のドライブ歯(60)を含む一対の反対向きの環状表面を有するセントラルドライバ(52)と、
一対の前記サイドギヤ(34、36)の対応する一方に共に回転するように作動可能に結合された一対のクラッチ部材(62、64)であって、一対の複数のドリブン歯(74、76)を含み、前記ドリブン歯(74、76)が前記セントラルドライバ(52)の前記ドライブ歯(60)に駆動される関係で噛合い係合してトルクを前記セントラルドライバ(52)から当該クラッチ部材(62、64)を介して前記サイドギヤ(34、36)に伝達する第1位置と、前記ドリブン歯(74、76)が移動し、前記セントラルドライバ(52)のドライブ歯(60)との噛合い係合を離脱して、関連する前記サイドギヤ(34、36)が前記セントラルドライバ(52)と異なる速度で回転できるようにする第2位置との間で軸方向に移動可能な一対のクラッチ部材(62、64)と、
一対の対向するカム部材(80、82)を含み、該カム部材(80、82)がそれぞれ一対の前記サイドギヤ(34、36)の対応する一方に共に回転するように取付けられ、一対の前記クラッチ部材(62、64)の対応する一方に当接して配置されたカムアセンブリ(78)と、を備え、
一対の対向する前記カム部材(80、82)は、それぞれ対向する当該カム部材(80、82)の対応する複数のカム歯(88、90)に向って延びる複数のカム歯(88、90)を含み、第1位置と、該第1位置から関連する前記サイドギヤに沿って軸方向に距離を有する第2位置とで移動可能であり、
前記第1位置では、前記カム部材(80、82)は、それぞれ一対の前記サイドギヤ(34、36)がほぼ同じ速度で回転しているとき、前記カム歯(88、90)が互いに噛合い関係に配置され、
前記第2位置では、関連する前記クラッチ部材(62、64)をその第1位置からその第2位置に移動させ、これにより、一対の前記サイドギヤ(34、36)の関連する一方の回転速度の変化に応答して、関連する前記クラッチ部材(62、64)を前記セントラルドライバ(52)に駆動される関係から離脱する、ことを特徴とするロッキングデファレンシャル機構。
【請求項2】
前記カム歯(88、90)は、異なる速度で回転する前記サイドギヤ(34、36)に関連する前記カム部材(82)を他方のカム部材(82)に対して軸方向に移動させて、前記カム歯(88、90)及び関連する前記カム部材(80、82)を対向する前記カム部材(80、82)との噛合い関係を離脱するように移動させることを特徴とする請求項1に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項3】
更に、一対の対向する前記カム部材(80、82)の一方に共に回転するように取付けられた単一の抵抗リング(100)を含み、該抵抗リング(100)は、前記軸回りの回転について、一対の前記サイドギヤ(34、36)が同じ回転速度で回転する第1位置と、前記カム部材(80、82)の少なくとも一方が軸方向に距離を有する前記第2位置に配置されて、一対の前記サイドギヤ(34、36)間の回転速度が異なるとき、前記抵抗リング(100)が前記カム歯(88、90)の再係合を阻止する第2位置との間で割出し可能であることを特徴とする請求項1に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項4】
前記抵抗リング(100)は、その外周回りに間隔をもって円弧状に配置された複数のラグ(102)を含み、前記ラグ(102)は、前記抵抗リング(100)がその第2位置に割出されているとき、前記カム部材(80、82)の再係合を阻止するように作用することを特徴とする請求項3に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項5】
当該デファレンシャル機構を二分割する中央線(CL)を形成し、前記抵抗リング(100)は、前記カム部材(80、82)の一方の周りに取付けられて前記中央線(CL)の一側に偏っていることを特徴とする請求項3に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項6】
前記セントラルドライバ(52)は、前記中央線(CL)の一側に偏って配置されたキー(110)を有する内径(108)を形成し、前記抵抗リング(100)は、該抵抗リング(100)がその第2位置に割出されて一対の前記カム部材(80、82)のカム歯(88、90)の再係合を阻止するとき、前記キー(110)に係合するスロットを含んでいることを特徴とする請求項5に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項7】
更に、一対の前記サイドギヤ(34、36)の対応する一方に作動可能に取付けられた一対の環状のリテーナ(112、114)を含み、一対の前記リテーナ(112、114)の一方と一対の前記クラッチ部材(62、64)の一方との間に一対の付勢部材(120、122)がそれぞれ配置され、一対の前記付勢部材(120、122)は、一対の前記クラッチ部材(62、64)を前記第1位置に向って付勢するように作用することを特徴とする請求項6に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項8】
前記キー(110)は、所定の軸方向幅を有し、前記抵抗リング(100)は、一対の前記カム部材(80、82)の一方(80)によって軸方向の移動に対して支持され、一対の前記クラッチ部材(62、64)の前記第2位置が一対の環状の前記リテーナ(112、114)によって制限されて、一対の前記クラッチ部材(62、64)のその第1位置への移動距離が前記キー(110)の軸方向幅よりも小さく、前記抵抗リング(100)がその第2位置に割出されたとき、前記抵抗リング(100)が前記キー(110)との係合から離脱して軸方向に移動するのを防止することを特徴とする請求項7に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項9】
一対の前記クラッチ部材(62、64)は、それぞれ複数の前記ドリブン歯(74、76)の径方向内側に関連する前記カム部材の方向に配置された滑らかな環状表面(92、94)を形成し、前記カム部材(82、84)の関連する一方は、それぞれ前記クラッチ部材(62、64)の対応する一方の前記環状表面(92、94)に当接して配置された対応する外向きの滑らかな環状表面(96、98)を含むことを特徴とする請求項1に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項10】
一対の前記カム部材(80、82)の一方(82)のカム歯(90)は、対応する前記カム(80)のカム歯(88)よりも径方向長さが大きく延びていることを特徴とする請求項1に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項11】
一対の前記サイドギヤ(34、36)は、それぞれ内側の端部(46、48)を含み、当該ロッキングデファレンシャル機構は、更に、一対の前記サイドギヤ(34、36)の対向する一対の前記端部(46、48)間に配置されたスペーサ(50)を含むことを特徴とする請求項1に記載のロッキングデファレンシャル機構。
【請求項12】
更に、ハウジング(14)を含み、当該ロッキングデファレンシャル機構は、前記ハウジング(14)内に作動可能に支持され、前記ハウジングは、複数のスプライン(56)を有する内側表面を含み、前記セントラルドライバ(52)は、前記ハウジング(14)の内側表面の前記スプライン(56)と協働して前記セントラルドライバ(52)を前記ハウジング(14)に共に回転するように固定する対応する複数のスプライン(54)を有する外側表面を含むことを特徴とする請求項1に記載のロッキングデファレンシャル。
【請求項13】
ドライブシャフトから一対の同軸上に配置された出力軸(26、28)にトルクを供給するロッキングデファレンシャルにおいて、
ハウジング(14)及び該ハウジング(14)内に作動可能に支持されたロッキングデファレンシャル機構(12)を備え、前記ハウジング(14)は、複数のスプライン(56)を有する内側表面を含み、
前記デファレンシャル機構は、共通軸に対して同軸上に配置された対応する前記出力軸(26、28)と共に回転するように前記ハウジング(14)内で支持された一対のサイドギヤ(34、36)と、
前記ハウジング(14)の内側表面の前記スプライン(56)と協働して前記ハウジング(14)に共に回転するように固定するための対応する複数のスプライン(54)を有する外側表面を含み、かつ、前記ドライブシャフトに作動可能に結合され、それぞれが複数のドライブ歯(60)を含む一対の反対向きの環状表面を有するセントラルドライバ(52)と、
一対の前記サイドギヤ(34、36)の対応する一方に共に回転するように作動可能に結合された一対のクラッチ部材(62、64)であって、一対の複数のドリブン歯(74、76)を含み、前記ドリブン歯(74、76)が前記セントラルドライバ(52)の前記ドライブ歯(60)に駆動される関係で噛合い係合してトルクを前記セントラルドライバ(52)から当該クラッチ部材(62、64)を介して前記サイドギヤ(34、36)に伝達する第1位置と、前記ドリブン歯(74、76)が移動して、前記セントラルドライバ(52)のドライブ歯(60)との噛合い係合を離脱して、関連する前記サイドギヤ(34、36)が前記セントラルドライバ(52)と異なる速度で回転できるようにする第2位置との間で軸方向に移動可能な一対のクラッチ部材(62、64)と、
一対の対向するカム部材(80、82)を含み、該カム部材(80、82)が、それぞれ一対の前記サイドギヤ(34、36)の対応する一方に共に回転するように取付けられ、一対の前記クラッチ部材(62、64)の対応する一方に当接して配置されたカムアセンブリ(78)と、を含み、
一対の対向する前記カム部材(80、82)は、それぞれ対向する当該カム部材(80、82)の対応する複数のカム歯(88、90)に向って延びる複数のカム歯(88、90)を含み、第1位置と該第1位置から関連する前記サイドギヤに沿って軸方向に距離を有する第2位置とで移動可能であり、
前記第1位置では、前記カム部材(80、82)は、それぞれ一対の前記サイドギヤ(34、36)がほぼ同じ速度で回転しているとき、前記カム歯(88、90)が互いに噛合い関係に配置され、
前記第2位置では、関連する前記クラッチ部材(62、64)をその第1位置からその第2位置に移動させ、これにより、一対の前記サイドギヤ(34、36)の関連する一方の回転速度の変化に応答して、関連する前記クラッチ部材(62、64)を前記セントラルドライバ(52)に駆動される関係から離脱する、ことを特徴とするロッキングデファレンシャル。
【請求項14】
前記カム歯(88、90)は、異なる速度で回転する前記サイドギヤ(34、36)に関連する前記カム部材(82)を他方のカム部材(80)に対して軸方向に移動させて、前記カム歯(88、90)及び関連する前記カム部材(80、82)を対向する前記カム部材(80、82)との噛合い関係を離脱するように移動させることを特徴とする請求項13に記載のロッキングデファレンシャル。
【請求項15】
更に、一対の対向する前記カム部材(80、82)の一方に共に回転するように取付けられた単一の抵抗リング(100)を含み、該抵抗リング(100)は、前記軸回りの回転について、一対の前記サイドギヤ(34、36)が同じ回転速度で回転する第1位置と、前記カム部材(80、82)の少なくとも一方が軸方向に距離を有するその第2位置に配置されて、前記サイドギヤ(34、36)間で回転速度が異なるとき、前記抵抗リング(100)が前記カム歯(88、90)の再係合を阻止する第2位置との間で割出し可能であることを特徴とする請求項13に記載のロッキングデファレンシャル。
【請求項16】
前記抵抗リング(100)は、その外周回りに間隔をもって円弧状に配置された複数のラグ(102)を含み、前記ラグ(102)は、前記抵抗リング(100)がその第2位置に割出されているとき、前記カム部材(80、82)の再係合を阻止するように作用することを特徴とする請求項15に記載のロッキングデファレンシャル。
【請求項17】
当該デファレンシャル機構を二分割する中央線(CL)を形成し、前記抵抗リング(100)は、前記カム部材(80、82)の一方の周りに取付けられて前記中央線(CL)の一側に偏っていることを特徴とする請求項15に記載のロッキングデファレンシャル。
【請求項18】
前記セントラルドライバ(52)は、前記中央線(CL)の一側に偏って配置されたキー(110)を有する内径(108)を形成し、前記抵抗リング(100)は、該抵抗リング(100)がその第2位置に割出されて前記一対のカム部材(80、82)のカム歯(88、90)の再係合を阻止するとき、前記キー(110)に係合するスロットを含んでいることを特徴とする請求項17に記載のロッキングデファレンシャル。
【請求項19】
更に、更に、一対の前記サイドギヤ(34、36)の対応する一方に作動可能に取付けられた一対の環状のリテーナ(112、114)を含み、一対の前記リテーナ(112、114)の一方と一対の前記クラッチ部材(62、64)の一方との間に一対の付勢部材(120、122)がそれぞれ配置され、一対の前記付勢部材(120、122)は、一対の前記クラッチ部材(62、64)を前記一対のクラッチ部材の前記第1位置に向って付勢するように作用することを特徴とする請求項18に記載のロッキングデファレンシャル。
【請求項20】
前記キー(110)は、所定の軸方向幅を有し、前記抵抗リング(100)は、一対の前記カム部材(80、82)の一方(80)によって軸方向の移動に対して支持され、一対の前記クラッチ部材(62、64)の前記第2位置が一対の環状の前記リテーナ(112、114)によって制限されて、一対の前記クラッチ部材(62、64)の前記第1位置への移動距離が前記キー(110)の軸方向幅よりも小さく、前記抵抗リング(100)が前記第2位置に割出されたとき、前記抵抗リング(100)が前記キー(110)との係合から離脱して軸方向に移動するのを防止することを特徴とする請求項19に記載のロッキングデファレンシャル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2012−519808(P2012−519808A)
【公表日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−552535(P2011−552535)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際出願番号】PCT/IB2010/000439
【国際公開番号】WO2011/092535
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】