説明

ロボットアーム、並びに、その保持手段の構成材及び該構成材の製造方法

【課題】その保持手段の強度を従来と同じ以上の強度に保ちながら、表面が緻密で窪みや孔がないロボットアームを提供すること。
【解決手段】動力源により駆動される移動部と、前記移動部に連結され該移動部と共に駆動される取付台と、繊維強化樹脂材からなる中空管体であって、前記取付台から延伸するとともに、その管面に吸盤が管内と連通するように取り付けられていて管内の吸気により管外の物品を吸着し保持することができる保持手段と、を備えているロボットアームにおいて、前記保持手段は、中空管体に形成された本体部と、該本体部の管体内周面を被覆する下鞘部と、該本体部の管体外周面を被覆する上鞘部とからなり、前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、前記下鞘部及び上鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とするロボットアームを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボットアーム、並びに、その保持手段の構成材及び該構成材の製造方法に関し、特に、ガラスなどの板状材を搬送するためのロボットアームと、該ロボットアームにおける保持手段に用いられる構成材及び該構成材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1及び図2は、それぞれ韓国特許公開KR2030003395号公報に開示された板状材を搬送するロボットアームの側面図及び要部断面図であり、図示のように、該ロボットアームは、板状材100を保持する直棒状の保持手段10を有しており、該保持手段10は、中空パイプ状に形成されていて、管内側から管外側まで、カーボン繊維を強化材とした第1の繊維強化樹脂層11と、該第1の繊維強化樹脂層11の外周面を被覆している第1方向カーボン繊維層12と、カーボン繊維を強化材とし、該第1方向カーボン繊維層12の外周面を被覆している第2の繊維強化樹脂層13と、該第2の繊維強化樹脂層13の外周面を被覆している第2方向カーボン繊維層14との4つの層を備えている。
【0003】
この構成は、2つのそれぞれ違う方向に沿っている一方向カーボン繊維層を利用することによって、軽量ながらも優れた制振特性を有している。
【特許文献1】韓国特許公開KR2030003395号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、該ロボットアームを構成する各層の強化材は全てカーボン繊維を用いるので、熱処理の際、カーボン繊維強化樹脂材が既にプリプレグの半成形品であっても、カーボン繊維に含浸している樹脂が強化用のカーボン繊維の隙間から流失しやすいため、熱処理により硬化した繊維強化樹脂材の表面に大量な窪みや孔が生じて粗くなる。この粗い表面自体は、搬送する板状材を傷を付け易い上、窪みや孔にも塵が溜まり易いので、この塵は、そのまま該ロボットアームが搬送する加工品を汚したりまたは固まってから更に加工品を傷つけたりする恐れがある。それに、樹脂の流出も、ロボットアームの内部構造に空孔やすを生じさせるので、ロボットアームの強度に悪影響を与える。
【0005】
更に、熱処理の際に流出した樹脂はロボットアーム周縁の結合箇所に溜まりやすいので、溜まった樹脂を削る工程が必要となり、コストもかかる。
【0006】
従って、本発明は、従来と同じく繊維強化樹脂材で形成されるが、熱処理の際の樹脂流出を抑え、表面が緻密で窪みや孔がなく、内部構造に空孔やすもなく、更に流出した樹脂を削る必要もない材料を用いるロボットアームと、該ロボットアームに用いるシート材と、該シート材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明は、動力源により駆動されるアーム手段と、繊維強化樹脂材からなる長尺形の積層体であって、前記アーム手段から延伸するとともに、その面上に物を吸着して保持する吸盤が取り付けられている保持手段と、を備えているロボットアームにおいて、前記保持手段の積層は、本体部と、該本体部の上下両表面の少なくとも一面に被覆された鞘部とからなり、前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、前記鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とするロボットアームを提供する。
【0008】
前記保持手段は、中実体でも良いが、吸盤の吸気構造を形成するために、中空管体を使用した方が良い。
【0009】
従って、前記ロボットアームの実施形態として、前記長尺形の積層体は中空管体であり、前記吸盤は中空管体の管面に管内と連通するように取り付けられていて管内の吸気により物を吸着して保持することができるものであり、また、前記保持手段は、中空管体になった本体部と、該本体部の管体外周面に被覆された外鞘部とからなり(以下、前者と称す)、または、中空管体になった本体部と、該本体部の管体内周面に被覆された内鞘部と、該本体部の管体外周面に被覆された外鞘部とからなり(以下、後者と称す)、且つ、前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、前記内鞘部及び/または外鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなるロボットアームを提供する。
【0010】
また、保持手段に用いられる材料として、本発明は、繊維強化樹脂材から積層になった構成材であって、その積層は本体部と該本体部の上面に被覆された鞘部とからなり、前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、前記鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とする構成材、及び、繊維強化樹脂材から積層になったシート材であって、本体部と該本体部の上下二表面にそれぞれ被覆された上鞘部及び下鞘部とからなり、前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、前記鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とするシート材、乃至、中空管形であって、前記積層がその径方向に沿うようになった前記構成材をも提供する。
【0011】
更に、前記2種類のシート材の製造方法として、本発明は、複数のカーボン繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ層を貼り合せて本体部を形成する本体部形成工程と、形成した本体部の上面にガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材を被覆する第1の外層被覆工程と、熱処理を行って硬化させる熱処理工程とを含むことを特徴とするシート材の製造方法、及び、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材を第1の外層として形成する第1の外層形成工程と、形成した第1の外層の一面に複数のカーボン繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ層を積層し貼り合せて本体部を形成する本体部形成工程と、熱処理を行って硬化させる熱処理工程とを含むことを特徴とするシート材の製造方法を提供し、特に、前記熱処理工程の前に、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材を用いて前記本体部を前記第1の外層との間に挟む第2の外層を前記本体部に形成する第2の外層形成工程をも行うことを特徴とするシート材の製造方法をも提供する。
【0012】
前記ロボットアームにおける内鞘部及び外鞘部は、前記シート材における上鞘部及び下鞘部を利用することが出来、また、前記シート材における上鞘部及び下鞘部は、前記シート材の製造方法における第1の外層形成工程及び第2の外層形成工程で形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上の構成による前者のロボットアームは、その外鞘部がカーボン繊維より隙間が小さいガラス繊維で形成されているため、熱処理の際、プリプレグの成形品であっても、それ自体の樹脂、又は、本体部からの樹脂の流出が抑えられるので、その表面は窪みや孔がなくて非常に緻密であり、流出した樹脂からなる固まりを削る必要もなくなる。
【0014】
また、以上の構成による後者のロボットアームは、その外鞘部及び内鞘部がカーボン繊維より隙間が小さいガラス繊維で形成されているため、熱処理の際、プリプレグの成形品であっても、それ自体の樹脂、又は、本体部からの樹脂の流出が抑えられるので、その表面は窪みや孔がなくて非常に緻密であり、流出した樹脂からなる固まりを削る必要もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下は添付図面に参照しながら、本発明のロボットアームの好ましい実施形態について説明する。
【0016】
まず、図3は本発明のロボットアーム2の構成を示す側面図である。
【0017】
図示のように、本発明のロボットアーム2は、動力源21により駆動されるアーム手段22と、アーム手段22に連結されていて複数のガラス板などの板状材200を一斉に搬送することができる搬送手段23とを備えている。
【0018】
また、図4は搬送手段23の構成を示す斜視図であり、図3及び図4に示すように、搬送手段23はアーム手段22に連結されていて該アーム手段22と共に駆動される取付台231と、それぞれが取付台231から同一の水平面に並列するように延伸していて、図に示していないが、板状材200が広い場合それらの一以上で下から持ち上げて保持することもできる複数の保持手段232とを有している。
【0019】
これらの保持手段232は、図4に示すように、いずれも、長尺形になっているが、その上面に物を吸着して保持する吸盤238が複数取り付けられている積層材である。
【0020】
図5における保持手段232の断面構成図を更に参照すると、各保持手段232は、中空管形の積層体であって、カーボン繊維を強化材とした複数層の繊維強化樹脂材239からなる中空管体に形成されている本体部230と、該本体部230の管体内周面236に被覆された内鞘部241と、該本体部230の管体外周面234に被覆された外鞘部242とを有し、更に、本体部230を構成する複数層の繊維強化樹脂材239の中には、複数の層間層243が介在している。
【0021】
また、図5に示すように、吸盤238は、各保持手段232の管面に上方に面し、且つ、管内空間と連通するように取り付けられているので、管内の吸気により板状材200を下方から吸着して支えて保持し、アーム手段22と共に移動することができる。
なお、この実施形態において、保持手段232は管内空間が吸盤238と連通している中空体に形成されているが、保持手段232に中実体を用い、吸盤238と連通する空気経路を他に用意することもできる。
【0022】
次いで、本発明のロボットアームにおける保持体232の本体部230や内、外鞘部241、242、層間層243など、及び保持体232の構成に用いられる構成材の構成及び用材について詳しく説明する。
【0023】
まず、図6は本発明のシート材の第1の実施形態の構成を示す断面図である。図示のように、この実施形態のシート材4は、カーボン繊維を強化材とした複数層の繊維強化樹脂材411からなる本体部41と、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、該本体部41の上下二表面412、413のそれぞれを被覆する上、下鞘部42、42とを有している。
【0024】
この実施形態のシート材4は、図7のフローチャートに示すように、まず、複数のカーボン繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ層(繊維強化樹脂材)を貼り合せて本体部を形成する本体部形成工程(ステップ71)を行ない、それから形成した本体部の上面及び下面にガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材(上、下鞘部)を被覆する第1、第2の外層被覆工程(ステップ72)を施し、最後に熱処理を行って硬化させる熱処理工程(ステップ73)を施すことによって形成される。
【0025】
この構成により、上、下鞘部42、42は、隙間の小さいガラス繊維を強化材としているため、繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ半成形品に熱処理を施し硬化させて本体部41及び上、下鞘部42、42を形成していた際、含浸材における樹脂の流出を抑えることができ、この硬化後の上、下鞘部42、42の表面は窪みや孔がなくて緻密である特徴を有しながら、流出した樹脂からなる固まりを削る必要もなくなるので、美観性と製造利便性の利点を有している。
【0026】
ちなみに、この第1の実施形態では、本体部41の上下二表面412、413にそれぞれ上、下鞘部42、42を被覆しているが、コストの節約を目的として上、下両鞘部42、42のいずれかを省略することもできる。
【0027】
次いで、図8に示すのは本発明のシート材の第2の実施形態であるシート材4Aの構成を示す断面図である。図示のように、この第2の実施形態のシート材4Aは前記ロボットアーム2の保持手段232の構成に用いる材料であり、シート材の第1の実施形態における複数層の繊維強化樹脂材411からなる本体部41Aと、該本体部41Aの上下二表面412、413にそれぞれ被覆する上、下鞘部42、42とを有している上、本体部41を構成する複数層の繊維強化樹脂材411の中には、複数の層間層414が介在している。層間層414は上、下鞘部42、42と同じくガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、隣り合う2層の繊維強化樹脂材411の間に形成されている。
【0028】
この層間層414を有するシート材4Aは、図7における本体部を形成する工程(ステップ71)において、上、下鞘部42、42を形成する予定の面を除く各プリプレグ層の一側面にガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなる層間層を形成してから、他のプリプレグ層と貼り合せることによって形成される。
【0029】
この上、下鞘部42、42のほかに、更にガラス繊維を強化材としている層間層414を有する構成により、樹脂の流出を抑える効果が強化された製造方法によって製造されるシート材を提供することができる。
【0030】
ちなみに、この第2の実施形態では、各プリプレグ層の間に全て層間層414を形成しているが、コストの節約を目的として層間層414の数を1つまで減らすことができる。即ち、複数層の繊維強化樹脂材411を一層の層間層414によって、上と下2つのグループに区切ることができる。
【0031】
次いで、本発明の中空管材や前記保持手段232を製作する他の方法を説明する。
【0032】
この方法は扁平のシート材を経由せずに、初めから中空管材を目指して工程を進めるのである。つまり、まずは最内層となるガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材をパイプ状に形成する第1の外層形成工程を行ってから、形成した第1の外層の一面、即ち外面に複数のカーボン繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ層と、ガラス繊維の樹脂含浸材からなる層間層を順番に積層し、貼り合せて層間層をも含む本体部を形成する本体部形成工程を行い、それから本体部の外面に第2の外層を形成してから、熱処理を行って硬化させる熱処理工程を施して円環状の中空管材を形成した後、四角状の中空管形に形付け、四角状の中空管体を形成する。最後に、熱処理を行って前記保持手段232を製作する。
【0033】
上記構成により、本発明のロボットアームにおける内、外鞘部22、22は、強化材が隙間の小さいガラス繊維を用いるので、繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ半成形品に熱処理を施して本体部や、内、外鞘部22、22を硬化させる際、内、外鞘部22、22の隙間の小さいガラス繊維が含浸材における樹脂の流出が抑制されるので、この硬化後の内、外鞘部22、22の表面は窪みや孔がなくて緻密であり、搬送する板状材を傷付けない上、塵も溜まりにくくて板状材を汚したり更に傷つけたりしない。
【0034】
その上、流出を抑えられた樹脂は、上、下鞘部22、22を構成するプリプレグ(プリプレグが使用された場合)に含浸していた樹脂だけではなく、本体部21Cを構成するプリプレグに含浸していた樹脂も流出を遮断されるので、この保持手段31は、構造内に空孔やすが出ていず、従来の保持手段より強度が遥かに高い。
【0035】
更に、樹脂の流出が抑えられるので、流出した樹脂によりロボットアーム周縁の結合箇所に溜まった固まりを削る工程を省くことによって、コストを削減することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
以上の構成による本発明のロボットアームは、鞘部がカーボン繊維より隙間が小さいガラス繊維で形成されているため、熱処理の際、プリプレグの成形品であっても、それ自体の樹脂、乃至、本体部からの樹脂の流出が抑えられるので、その表面は窪みや孔がなくて非常に緻密であり、塵が溜まり易い窪みや孔もないので、板状材に傷を付けることなく搬送することができる。更に、樹脂の流出を防ぐことができるため、ロボットアームの内部構造に空孔やすを生じず、ロボットアームの強度を高めると共に、熱処理の際に流出した樹脂が溜まる固まりも生じなくなるので、溜まった樹脂を削る工程を省いてコストを削減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】従来のロボットアームの構成例を示す側面図である。
【図2】同ロボットアームの要部断面図である。
【図3】本発明のロボットアームの実施例を示す側面図である。
【図4】同ロボットアームの斜視図である。
【図5】同ロボットアームにおける保持手段の断面図である。
【図6】本発明のシート材の第1の実施形態の構成を示す断面図である。
【図7】本発明の構成材の製造方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明のシート材の第2の実施形態の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
2…ロボットアーム、200…板状材、21…動力源、22…アーム手段、23…搬送手段、230…本体部、231…取付台、232…保持手段、234…外周面、236…内周面、238…吸盤、239…繊維強化樹脂材、241…内鞘部、242…外鞘部、243…層間層、4…シート材、41…本体部、411…繊維強化樹脂材、412…上表面、413…下表面、414…層間層、41A…本体部、42…鞘部、4A…シート材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源により駆動されるアーム手段と、
繊維強化樹脂材からなる長尺形の積層体であって、前記アーム手段から延伸するとともに、その面上に物を吸着して保持する吸盤が取り付けられている保持手段と、を備えているロボットアームにおいて、
前記保持手段の積層体は、本体部と、該本体部の上下両表面の少なくとも一面に被覆された鞘部とからなり、
前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、
前記鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とするロボットアーム。
【請求項2】
動力源により駆動されるアーム手段と、
繊維強化樹脂材からなる中空管体であって、前記アーム手段から延伸するとともに、その管面に吸盤が管内と連通するように取り付けられていて管内の吸気により物を吸着して保持することができる保持手段と、を備えているロボットアームにおいて、
前記保持手段は、中空管体になった本体部と、該本体部の管体外周面に被覆された外鞘部とからなり、
前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、
前記外鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とするロボットアーム。
【請求項3】
動力源により駆動されるアーム手段と、
前記アーム手段に連結されていて該アーム手段と共に駆動される取付台と、
繊維強化樹脂材からなる中空管体であって、前記取付台から延伸するとともに、その管面に吸盤が管内と連通するように取り付けられていて管内の吸気により管外の物品を吸着し保持することができる保持手段と、を備えているロボットアームにおいて、
前記保持手段は、中空管体になった本体部と、該本体部の管体内周面に被覆された内鞘部と、該本体部の管体外周面に被覆された外鞘部とからなり、
前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、
前記内鞘部及び外鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とするロボットアーム。
【請求項4】
前記保持手段は、前記本体部を内外複数層に区切る層間層を更に備えており、該層間層は前記ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載のロボットアーム。
【請求項5】
前記本体部は、カーボン繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグで形成されてから、前記保持手段を構成する他の部分と共に熱処理されて硬化してなったものであることを特徴とする請求項4に記載のロボットアーム。
【請求項6】
前記保持手段は複数あり、該複数の保持手段は、同一の水平面に並列しており、また、各保持手段における吸盤も複数あり、いずれも、上方に向かっており、
それにより、前記複数の吸盤で板状材を下方から吸着して保持しながら、前記アーム手段の駆動で移動することができることを特徴とする請求項4に記載のロボットアーム。
【請求項7】
繊維強化樹脂材から積層になった構成材であって、その積層は本体部と該本体部の両反対面の少なくとも一面に被覆された鞘部とからなり、
前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、
前記鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とする構成材。
【請求項8】
中空管形であって、前記積層がその径方向に沿うようになったことを特徴とする請求項7に記載の構成材。
【請求項9】
繊維強化樹脂材から積層になったシート材であって、本体部と該本体部の上下二表面にそれぞれ被覆された上鞘部及び下鞘部とからなり、
前記本体部は、カーボン繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなり、
前記鞘部は、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とするシート材。
【請求項10】
前記本体部を上下複数層に区切る層間層を更に備えており、該層間層は前記ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなることを特徴とする請求項8に記載の構成材。
【請求項11】
複数のカーボン繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ層を貼り合せて本体部を形成する本体部形成工程と、
形成した本体部の上面にガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材を被覆する第1の外層被覆工程と、
熱処理を行って硬化させる熱処理工程とを含むことを特徴とするシート材の製造方法。
【請求項12】
ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材で第1の外層を形成する第1の外層形成工程と、
形成した第1の外層の一面に複数のカーボン繊維の樹脂含浸材からなるプリプレグ層を積層し貼り合せて本体部を形成する本体部形成工程と、
熱処理を行って硬化させる熱処理工程とを含むことを特徴とするシート材の製造方法。
【請求項13】
前記熱処理工程の前に、ガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材を用いて前記本体部を前記第1の外層との間に挟む第2の外層を前記本体部に形成する第2の外層作成工程をも行うことを特徴とする請求項11または請求項12に記載のシート材の製造方法。
【請求項14】
前記本体部形成工程において、前記第1の外層または第2の外層を形成する予定の面を除く各前記プリプレグ層の外側面にガラス繊維を強化材とした繊維強化樹脂材からなる層間層を形成してから、他のプリプレグ層と貼り合せることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載のシート材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−285823(P2009−285823A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−289922(P2008−289922)
【出願日】平成20年11月12日(2008.11.12)
【出願人】(501106263)明安國際企業股▲分▼有限公司 (12)
【Fターム(参考)】