説明

ロボット掃除機及びその制御方法

【課題】補助掃除ユニットの誤作動を検出し、該検出結果に基づいてロボット掃除機の走行を制御し、補助掃除ユニットに誤作動が発生した場合にも隅部分を効率的に掃除できるロボット掃除機及びその制御方法を提供する。
【解決手段】このロボット掃除機は、前記ロボット掃除機の下部に突出及び収納可能に装着される補助掃除ユニット100と、前記補助掃除ユニットの突出、収納または回転状態を感知する感知部300と、前記感知部の感知結果に基づいて前記補助掃除ユニットが正常に動作するか否かを判断し、前記判断結果に基づいて前記ロボット掃除機の走行を制御する制御部200と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助掃除ユニットの誤作動発生時に走行を適切に制御できるロボット掃除機及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロボット掃除機とは、使用者の操作なく、掃除領域を自律走行しながら床面からホコリなどの異物を吸い込むことで、掃除しようとする領域を自動で掃除する装置のことをいう。
【0003】
ロボット掃除機は、各種のセンサーなどを用いて、掃除領域内に位置している障害物または壁を感知し、感知結果に基づいてロボット掃除機の走行経路及び掃除動作を制御する。
【0004】
ロボット掃除機は、あらかじめ設定された走行パターンに従って走行しながら掃除作業を反復して行うが、掃除領域に障害物や壁が存在している場合には、障害物または壁と床とが接する箇所まではメインブラシが届きにくく、丁寧に掃除することが困難である。
【0005】
そこで、ロボット掃除機は、ロボット掃除機の外部に突出する補助掃除ユニットを有し、このロボット掃除機の補助掃除ユニットは、主に、掃除機本体の両側部に装着されて回転しつつ、床上のホコリなどをロボット掃除機本体の内側にかき集める。
【0006】
しかしながら、補助掃除ユニットにエラーが生じて正確に動作しない場合には、壁面または障害物と隣接して走行する時に隅部が十分に掃除されないことがあった。そのため、既存のロボット掃除機は、補助掃除ユニットにエラーが生じた場合に、効率的に掃除を行うことができないという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一側面は、補助掃除ユニットの誤作動を検出し、該検出結果に基づいてロボット掃除機の走行を制御することによって、補助掃除ユニットに誤作動が発生しても隅部分を効率的に掃除できるロボット掃除機及びその制御方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る、床を走行しつつ該床から異物を除去するロボット掃除機は、前記ロボット掃除機の下部に突出及び収納可能に装着された複数の補助掃除ユニットと、前記補助掃除ユニットの動作状態を感知する感知部と、前記感知部の感知結果に基づいて前記補助掃除ユニットが正常に動作するか否かを判断し、前記判断結果に基づいて前記ロボット掃除機の走行を制御する制御部と、を備える。
【0009】
前記感知部は、前記複数の補助掃除ユニットの突出、収納及び回転状態のうち少なくとも一つを感知し、前記制御部は、前記複数の補助掃除ユニットが正常に動作するか否かを判断する。
【0010】
前記制御部は、前記補助掃除ユニットを駆動するための命令を伝送した後に、前記感知部から受信した感知結果が前記命令に対応するか否かを判断する。
【0011】
前記制御部は、前記感知部の感知結果が前記命令に対応しない場合に、前記感知部の感知結果が前記命令に対応したり、前記補助掃除ユニットへの命令の伝送及び前記感知部からの感知結果の受信が一定回数に到達するまで前記判断を反復し、前記判断を一定回数反復しても前記感知部の感知結果が前記命令に対応しない場合は、前記補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断する。
【0012】
前記制御部は、前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合に、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが掃除領域内の隅部分と隣接するように前記ロボット掃除機の走行を制御する。
【0013】
前記制御部は、前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合に、壁面追従走行のために、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが掃除領域内の壁面に沿って走行するように制御する。
【0014】
前記制御部は、前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合には、ジグザグ走行のために、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが、正常に動作する補助掃除ユニットに隣接する領域から掃除領域内の相対する領域にジグザグに走行するように制御する。
【0015】
前記制御部は、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが、掃除されなかった掃除領域の隅部分に隣接して再び走行するように制御する。
【0016】
前記複数の補助掃除ユニットは、前記ロボット掃除機の左側に装着される補助掃除ユニット及び前記ロボット掃除機の右側に装着される補助掃除ユニットを有し、前記制御部は、前記複数の補助掃除ユニットのうち左側の補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合には、渦巻き状の走行のために、反時計回り方向に渦巻き状の走行を行い、右側の補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合には、時計回り方向に渦巻き状の走行を行うように制御する。
【0017】
前記制御部は、前記補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した後に、一定周期ごとに前記判断を反復し、前記正常に動作していなかった補助掃除ユニットが全て正常に動作すると判断されると、前記ロボット掃除機の走行を元来の走行モードに復帰させる。
【0018】
前記ロボット掃除機は、前記制御部が前記少なくとも一つの補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合に、それを使用者に視覚的または聴覚的に知らせる報知部をさらに備える。
【0019】
前記感知部は、前記補助掃除ユニットが突出された時に接触する接触式センサー、前記補助掃除ユニットを駆動させる駆動部に装着されるエンコーダ、及び前記駆動部に装着されるホールセンサーのいずれか一つ以上からなり、各補助掃除ユニットの突出及び収納状態を感知する。
【0020】
前記感知部は、各補助掃除ツールの回転を駆動する駆動部に装着されるエンコーダ、及び前記駆動部に装着されるホールセンサーの少なくとも一つからなり、前記各補助掃除ユニットの回転状態を感知する。
【0021】
前記感知部は、接触式センサー、エンコーダ及びホールセンサーの少なくとも一つからなり、各補助掃除ユニットの突出、収納及び回転状態の少なくとも一つを感知する。
【0022】
本発明の他の側面に係る、突出及び収納可能に装着された複数の補助掃除ユニットを有するロボット掃除機の制御方法は、前記複数の補助掃除ユニットを駆動する命令を伝送し、前記複数の補助掃除ユニットのそれぞれの駆動状態を感知し、前記感知結果に基づいて前記複数の補助掃除ユニットが前記命令に応じて正常に動作するか否かを判断し、前記判断結果に基づいて前記ロボット掃除機の走行を制御する。
【0023】
前記駆動状態は、前記複数の補助掃除ユニットの突出、収納及び回転の少なくとも一つを含む。
【0024】
前記補助掃除ユニットが正常に動作するか否かの判断は、前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作が、前記命令に対応するか否かを判断することでよい。
【0025】
さらに、前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作状態が前記命令に対応しない場合には、前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作状態が前記命令に対応したり、前記補助掃除ユニットへの命令の伝送及び前記補助掃除ユニットの動作の感知が一定回数に到達するまで前記判断を反復し、前記補助掃除ユニットへの命令の伝送及び前記感知部からの感知結果の受信を一定回数反復しても、前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作が前記命令に対応しないと、前記補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断する。
【0026】
前記判断結果に基づく前記ロボット掃除機の走行の制御は、前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合に、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが掃除領域内の隅部分と隣接するように前記ロボット掃除機の走行を制御することでよい。
【0027】
前記命令が壁面追従走行のためのものであり、前記補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合に、前記補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが掃除領域内の壁に沿って走行するように前記ロボット掃除機の走行を制御する制御する。
【0028】
前記命令がジグザグ走行に関するものであれば、前記補助掃除ユニットのうち、正常に動作する補助掃除ユニットが、正常に動作する補助掃除ユニットに隣接する領域から掃除領域内の相対する領域へジグザグに走行するように前記ロボット掃除機の走行を制御する。
【0029】
前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが、掃除されなかった掃除領域の隅部分に隣接して再び走行するように前記ロボット掃除機の走行を制御する。
【0030】
前記複数の補助掃除ユニットは、前記ロボット掃除機の左側に装着される補助掃除ユニット、及び前記ロボット掃除機の右側に装着される補助掃除ユニットを有し、前記命令が渦巻き状の走行のためのものであり、前記補助掃除ユニットのうち、左側の補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合には、反時計回り方向に渦巻き状の走行を行い、右側の補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合には、時計回り方向に渦巻き状の走行を行うように制御する。
【0031】
さらに、前記補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断された後に、一定周期ごとに前記判断を反復し、前記正常に動作していなかった補助掃除ユニットが全て正常に動作すると判断されると、前記ロボット掃除機の走行を元来の走行モードに復帰させる。
【0032】
さらに、前記少なくとも一つの補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断された場合には、それを使用者に視覚的または聴覚的に知らせる。
【0033】
前記複数の補助掃除ユニットのそれぞれの動作状態の感知は、前記補助掃除ユニットが突出された時に接触する接触式センサー、前記補助掃除ユニットを駆動させる駆動部に装着されるエンコーダ、及び駆動部に装着されるホールセンサーの少なくとも一つにより行われ、各補助掃除ユニットの突出及び収納状態を感知する。
【0034】
前記複数の補助掃除ユニットのそれぞれの動作状態の感知は、前記補助掃除ユニットが突出された時に接触する接触式センサー、前記補助掃除ユニットのそれぞれを駆動させる駆動部に装着されるエンコーダ、及び前記駆動部に装着されるホールセンサーの少なくとも一つにより行われ、各補助掃除ユニットの突出及び収納状態を感知する。
【0035】
前記複数の補助掃除ユニットのそれぞれの動作状態の感知は、各補助掃除ユニットのそれぞれを駆動させる駆動部に装着されるエンコーダ、及び前記駆動部に装着されるホールセンサーの少なくとも一つにより行われ、前記各補助掃除ユニットの回転状態を感知する。
【0036】
前記複数の補助掃除ユニットのそれぞれの動作状態の感知は、接触式センサー、エンコーダ及びホールセンサーの少なくとも一つにより行われ、各補助掃除ユニットの突出、収納及び回転状態の少なくとも一つを感知する。
【発明の効果】
【0037】
本発明の一側面に係るロボット掃除機及びその制御方法によれば、補助掃除ユニットのエラーを検出し、前記検出結果に基づいてロボット掃除機の走行を制御することによって、補助掃除ユニットにエラーが発生した場合にも隅部分を効率的に掃除することが可能になる。
【0038】
また、補助掃除ユニットのエラー検出結果に基づいてロボット掃除機の走行を制御する際に現在の走行状態を考慮することによって、使用者の元の意図に合う適切な掃除を行うことができる。
【0039】
また、補助掃除ユニットのエラーが検出された後に、周期的にエラー検出を行い、補助掃除ユニットが再び正常に動作するようになると、ロボット掃除機の走行モードを元来の走行モードに復帰させることによって、補助掃除ユニットの状態変化に速やかに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施例に係るロボット掃除機の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るロボット掃除機の下部の構成を示す図である。
【図3】補助掃除ユニットの突出及び収納を可能にする構造に関する一実施例を概略的に示す図である。
【図4】補助掃除ユニットの突出及び収納を可能にする構造に関する他の実施例を概略的に示す図である。
【図5】本発明の一実施例に係る補助掃除ツールの構成を概略的に示す図である。
【図6】本発明の他の実施例に係る補助掃除ツールの構成を概略的に示す図である。
【図7】本発明の一実施例に係るロボット掃除機の制御構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の一実施例に係るロボット掃除機の制御部の具体的な制御構成を示すブロック図である。
【図9A】第3感知部の一実施例であるマイクロスイッチを示す断面図である。
【図9B】第3感知部の一実施例であるマイクロスイッチを示す断面図である。
【図10】第3感知部の他の実施例としてエンコーダが装着された駆動部を示す図である。
【図11】第3感知部の他の実施例としてホールセンサーが装着された駆動部を示す図である。
【図12】左の補助掃除ユニットにエラーが発生した場合に制御される壁面追従走行を示す図である。
【図13】右の補助掃除ユニットにエラーが発生した場合に制御される壁面追従走行を示す図である。
【図14】左の補助掃除ユニットにエラーが発生した場合に制御されるジグザグ方式の走行を示す図である。
【図15】右の補助掃除ユニットにエラーが発生した場合に制御されるジグザグ方式の走行を示す図である。
【図16】左の補助掃除ユニットにエラーが発生した場合に制御される渦巻き状の走行を示す図である。
【図17】右の補助掃除ユニットにエラーが発生した場合に制御される渦巻き状の走行を示す図である。
【図18】本発明の一実施例に係るロボット掃除機の補助掃除ユニットにエラーが発生したか否かを検出する過程を示すフローチャートである。
【図19】壁面追従走行時に補助掃除ユニットにエラーが発生した場合におけるロボット掃除機の制御方法を示すフローチャートである。
【図20】ジグザグ走行時に補助掃除ユニットにエラーが発生した場合におけるロボット掃除機の制御方法を示すフローチャートである。
【図21】渦巻き状の走行時に補助掃除ユニットにエラーが発生した場合におけるロボット掃除機の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。図面中、同一の構成要素には同一の参照符号を付する。
【0042】
図1は、本発明の一実施例に係るロボット掃除機の斜視図であり、図2は、本発明の一実施例に係るロボット掃除機の下部の構成を示す図である。
【0043】
図1及び図2を参照すると、ロボット掃除機1は、外観を形成する本体10と、床上のホコリを掃いて吸込み口へ導くメインブラシユニット30と、本体10を駆動させるための駆動電源を供給する電源部50と、本体10を走らせる駆動輪41,42及びキャスター43と、壁面との隣接部及び隅部を掃除するための補助掃除ユニット100a,100bと、で構成される。
【0044】
駆動輪41,42は、本体10の下部において中央領域の左右端部に対称に2つが配置される。駆動輪41,42は、ロボット掃除機1が掃除を行いつつ前進、後進及び回転走行などの移動動作を行えるようにする。
【0045】
走行方向を基準に本体10の下部の前方部にキャスター43が取り付けられる。該キャスター43は、ロボット掃除機1が移動する床の状態に応じて回転角度が変化し、本体10が安定した姿勢を維持できるようにする。駆動輪41,42とキャスター43とを一つのアセンブリーにし、本体10に着脱可能に装着することができる。
【0046】
電源部50は、本体10、及び本体10に装着された各種の部品を駆動させる各駆動装置と電気的に連結されて駆動電源を供給するバッテリーを含む。バッテリーは、再充電可能な2次バッテリーとし、本体10が掃除過程を完了してドッキングステーション(図示せず)に結合すると、ドッキングステーション(図示せず)から供給される電力で充電する。
【0047】
メインブラシユニット30は、本体10の下部において中央領域から後方Rへ偏った部分に形成された開口に装着される。
【0048】
メインブラシユニット30は、本体10が置かれている床に積もったホコリなどの異物を除去する。メインブラシユニット30が装着される本体10の下部における開口は、ホコリ流入口33となる。
【0049】
メインブラシユニット30は、ローラ31と、ローラ31の外面に取り付けられたメインブラシ32と、で構成される。ローラ31の回転と共に、メインブラシ32は、床に積ったホコリをかき回してホコリ流入口33に導く。ローラ31は、鋼体とすることができるが、これに限定されるものではない。メインブラシ32は、弾性力を有する様々な材質とすることができる。
【0050】
図示してはいないが、ホコリ流入口33の内部には、吸入力を発生させる送風装置が設けられて、ホコリ流入口33に流入したホコリを集塵装置55へと移動させる。
【0051】
本体10には、ロボット掃除機1の周囲環境を感知できる感知部300が装着される。感知部300は、近接センサー及び/またはビジョンセンサーを有してなることができる。例えば、定められた経路無しでロボット掃除機1が任意の方向に走行する場合、すなわち、マップのない掃除システムにおいて、ロボット掃除機1は近接センサー310を用いて掃除領域を走行することが可能である。一方、定められた経路に従ってロボット掃除機1が走行する場合、すなわち、マップを必要とする掃除システムでは、ロボット掃除機1の位置情報を取り込んでマップを生成するためのビジョンセンサー320を装着することができる。感知部60は、上記に限定されるものではなく、多様な方式で具現可能である。
【0052】
ディスプレイ部65は、ロボット掃除機1の各種状態を示すことができる。例えば、バッテリーの充電状態、集塵装置55がホコリで満ちているか否か、ロボット掃除機1の掃除モード、休眠モードなどを示すことができる。
【0053】
また、図示してはいないが、一実施例に係るロボット掃除機1は入力部70(図7参照)を備え、使用者からの走行モード、掃除モードまたは電源on/offなどに関する命令を受信することができる。
【0054】
以下、図3乃至図6を参照して、本発明の実施例に係るロボット掃除機に備えられる補助掃除ユニットの構成及び構造について説明する。
【0055】
補助掃除ユニットは、ロボット掃除機の下部に突出及び収納可能に装着される。補助掃除ユニットの突出及び収納を可能にする構造には様々な実施例があり、以下では、その2つの実施例について説明する。
【0056】
図3は、補助掃除ユニットを突出及び収納可能にする構造に関する一実施例を概略的に示す図である。
【0057】
図3を参照すると、補助掃除ユニット100は、サイドアーム102及び縁カバー103を備える。サイドアーム102の一側に縁カバー103を取り付けることができる。
【0058】
本体10の前方一側の下部にはサイドアーム102が結合され、その上側には、サイドアーム102を駆動させるアームモーター(図示せず)が収容される。アームモーターは、サイドアーム102に駆動力を伝達する所定のギアを介して回転軸(図示せず)と連結され、この回転軸が、サイドアーム102の一端に形成された結合溝101に装着される。
【0059】
そのため、アームモーターが駆動すると、回転軸が回転しつつサイドアーム102は結合溝101を基準に揺動する。この時、サイドアーム102が本体10の外側に揺動するとともに、縁カバー103は、本体10の開口をそれ以上覆わず、本体10の周縁を形成しなくなる。
【0060】
サイドアーム102の他端には、補助掃除ツールが結合される結合溝104が形成される。その上側には、補助掃除ツールを駆動させる回転モーター(図示せず)が収容され、該回転モーターの駆動力によって補助掃除ツールが結合溝104を基準に回転することとなる。
【0061】
図4は、補助掃除ユニットを突出及び収納可能にする構造に関する他の実施例を概略的に示す図である。
【0062】
図4を参照すると、補助掃除ユニット100a,100bは、サイドアーム106、及び縁カバー108を備える。縁カバー108は、延長アーム107の一側に取り付けることができる。
【0063】
本体10の前方一側の下部には、サイドアーム106が結合溝105に沿って結合され、サイドアーム106の内部には、サイドアーム106の外部へスライドして伸びる延長アーム107が収容される。
【0064】
延長アーム107は、サイドアーム106の内部でサイドアーム106の長手方向に沿って前後に移動する。そのために、サイドアーム106の内部にはレールが設けられ、延長アーム107にはガイド(図示せず)が設けられ、延長アーム107はレールに固定されたままレールに沿って滑動することができる。また、延長アーム107の内部には、延長アーム107の外部へスライドして突出する他の延長アームが収容されてもよい。他の延長アームも延長アーム107と同様の方式で移動すればよく、延長アームの数は制限されない。
【0065】
そして、サイドアーム106の上側には、延長アーム107を駆動させるアームモーター(図示せず)が収容される。アームモーターは、所定のギアを介して延長アーム107に駆動力を伝達し、アームモーターが駆動すると延長アーム107がサイドアーム106の外部にスライドしつつ本体10の外側へ突出する。この時、縁カバー108は、本体10の開口をそれ以上覆わず、本体10の周縁を形成しなくなる。
【0066】
そして、延長アーム107の先端には、補助掃除ツールが結合される結合溝109が形成される。その上側には、補助掃除ツールを駆動させる回転モーター(図示せず)が収容され、該回転モーターの駆動力によって補助掃除ツールが結合溝109を基準に回転する。
【0067】
補助掃除ユニットは、補助掃除ツールを有し、補助掃除ツールにより掃除を行う。補助掃除ツールは、ホコリなどの異物を掃き集めたり分散させたりするブラシを有することもでき、床を拭く雑巾を有することもでき、ホコリなどの異物を吸い込む吸込み器を有することもできる。ただし、これらの補助掃除ツールは例示に過ぎず、補助的に掃除を行えるものであれば、いかなる種類の補助掃除ツールも可能である。
【0068】
図5は、本発明の一実施例に係る補助掃除ツールの構成を概略的に示す図である。
図5を参照すると、補助掃除ツール110は、中央の共通端部から半径方向外側に延在すると共に、周方向に互いに離れて配置されるブラシアーム113を備える。ブラシアーム113には補助ブラシ112が結合され、ブラシアーム113の中央の共通端部から突出した回転軸114が、結合溝104を通ってサイドアーム102、または結合溝109を通って延長アーム107と結合される。補助掃除ツール110が回転すると、補助ブラシ112が壁面との隣接部などに積もったホコリを、本体10の中央領域に掃き集めたり、分散させたりする。
【0069】
図6は、本発明の一実施例に係る補助掃除ツールの構成を概略的に示す図である。
【0070】
図6を参照すると、補助掃除ツール110は、円形の雑巾ホルダー116を有し、該雑巾ホルダー116には、雑巾ホルダー116の周方向に補助雑巾115が装着される。雑巾ホルダー116の中心には、回転モーターの駆動力が伝達されて補助掃除ツール110を回転させる回転軸114が突設され、この回転軸114が結合溝104を通ってサイドアーム102、または結合溝109を通って延長アーム107と結合される。補助掃除ツール110が回転すると、補助雑巾115が壁面との隣接部などを拭くこととなる。
【0071】
図6の実施例が図4の実施例と共に適用される場合に、補助掃除ユニット100の掃除動作は、補助掃除ツール110の回転と、延長アーム106の突出及び収納の反復と、が同時に行われるようにしてもよく、補助掃除ツール110は回転しないで、サイドアーム102または延長アーム107の突出及び収納の反復のみが行われるようにしてもよい。
【0072】
補助ブラシ112は、弾性の様々な材質とすることができ、補助雑巾115は、繊維材質の他にも、様々な材質とすることができる。
【0073】
図示の実施例に係るロボット掃除機1は、本体10の外側に突出する補助掃除ユニット100a,100bにより、掃除領域が広くなり、壁面との隣接部や床の隅部まで掃除可能になる。
【0074】
図1乃至図6の実施例では、補助掃除ユニット100がロボット掃除機1の両側部に2つ設けられるとしたが、それに限定されるものではなく、補助掃除ユニット100の個数及び装着位置には制限がない。ただし、説明の便宜上、後述する実施例では、補助掃除ユニット100が、図1乃至図6の実施例のように、ロボット掃除機1の両側部に2つ設けられるとする。
【0075】
以下、上述した構成に基づいて、図示の実施例に係るロボット掃除機1の走行及び掃除動作について詳細に説明する。
【0076】
以下に説明する実施例では、ロボット掃除機の走行中には基本的にメインブラシユニットによる掃除がなされるとする。
【0077】
また、上述したように、実施例に適用可能な補助掃除ツール110は、ブラシ、雑巾などの様々な形態とすることができるが、以下の実施例では、説明の便宜上、補助掃除ツール110がブラシ形態であるとして説明する。
【0078】
図7は、本発明の一実施例に係るロボット掃除機の制御構成を示すブロック図である。
【0079】
図7を参照すると、図示の実施例に係るロボット掃除機1は、補助掃除ユニット100の状態及び補助掃除ユニット100の周辺環境を感知する感知部300と、使用者からロボット掃除機1の走行または掃除動作に関する命令が入力される入力部70と、感知部の感知結果または入力部に入力された命令に基づいてロボット掃除機1の走行及び掃除動作を制御する制御部200と、ロボット掃除機1の掃除動作を行うメインブラシユニット30及び補助掃除ユニット100と、ロボット掃除機1の走行を行う走行ユニット40と、を備える。
【0080】
感知部300は、掃除領域に存在する障害物などの周辺環境及び補助掃除ユニット100の状態を感知する。具体的に、感知部300は、補助掃除ツール110の突出または収納状態、補助掃除ツール110の回転状態を感知する。感知部300は、補助掃除ツール110の突出または収納状態を感知するために、マイクロスイッチなどの接触式センサー、またはアームモーターの回転数を検出するエンコーダ、ホールセンサーなどにしてもよく、補助掃除ツール110の回転状態を感知するために、補助掃除ツール110を駆動させる回転モーターの回転数を検出するエンコーダ、ホールセンサーなどにしてもよい。しかし、感知部300による補助掃除ユニットの誤作動の検出は上記に限定されない。感知部300は、その他補助掃除ツール110の誤作動も検出することができる。例えば、感知部300は、補助掃除ツール110の誤作動を検出するために、サイドアームまたは延長アームからの補助掃除ツール110の分離を感知することができる。
【0081】
入力部70には、使用者からロボット掃除機1の掃除動作または走行に関する命令が入力される。基本的に、on/off入力によって掃除開始命令または掃除終了命令を入力することができ、走行モード及び掃除モードに関する命令を入力することができる。入力部70は、ロボット掃除機1の本体10に設けられ、ボタン方式で構成されてもよく、ディスプレイ部65にタッチパネル方式で構成されてもよい。
【0082】
制御部200は、補助掃除ユニット100のエラー検出及びそれに基づくロボット掃除機1の掃除及び走行制御を行うもので、補助掃除ユニット100のエラーを検出するエラー検出部210と、ロボット掃除機の掃除動作のためにメインブラシユニット30及び補助掃除ユニット100を制御する掃除制御部220と、ロボット掃除機100の走行のために走行ユニット40を制御する走行制御部230と、を有する。制御部200の構成及び動作に関する詳細な説明は後述する。
【0083】
メインブラシユニット30は、上述の通り、ローラ31と、ローラ31の外面に取り付けられたメインブラシ32と、で構成される。ローラ31が回転すると、メインブラシ32は、床に積もったホコリを掻き回してホコリ流入口33へ導き、主な掃除動作を行う。そのために、掃除制御部220が、ローラ31を駆動させる駆動モーターに制御信号を伝送し、該制御信号に応じてメインブラシ32が掃除動作を行う。
【0084】
補助掃除ユニット100は、メインブラシユニット30だけでは十分に掃除できない隅部を掃除する機能を有する。本発明の実施例でいう隅部とは、壁を含む障害物と床とが接しながら生じる部分のことを意味する。補助掃除ユニット100は、補助掃除ツール110の突出及び収納動作を行うサイドアーム102,106及び/または延長アーム107、補助掃除ツール110を回転させる回転モーター、サイドアーム102,106及び/または延長アーム107を駆動させるアームモーターを備える。
【0085】
走行ユニット40は、上述の通り、駆動輪41,42、キャスター43、及びこれらを駆動させる駆動部を備える。そのため、走行制御部220は、駆動部に制御信号を伝送し、駆動輪41,42を前方または後方に駆動させてロボット掃除機1を前方または後方へ移動させることができる。一方、左側駆動輪41,42を後方へ移動させつつ右側駆動輪41,42を前方に駆動させることで、ロボット掃除機1を前方を基準に左側方向に回転させたり、これと逆に駆動させることで、ロボット掃除機1を前方を基準に右側方向に回転させたりできる。
【0086】
図8は、本発明の一実施例に係るロボット掃除機の制御部200の具体的な制御構成を示すブロック図である。
【0087】
前述した入力部70、メインブラシユニット30、補助掃除ユニット100及び走行ユニット40についての説明は省略する。
【0088】
感知部300は、障害物を感知する第1感知部310、掃除領域の環境を撮像するための第2感知部320、及び補助掃除ユニット100の状態を感知する第3感知部330を有する。
【0089】
第1感知部310は、ロボット掃除機1の移動中に近接する障害物を感知することができる。障害物を感知する感知部310は、超音波センサー、光センサーまたは近接センサーとすることができる。超音波センサーとした第1感知部310は、走行する経路に超音波を発し、反射される超音波を受信して障害物を感知することができる。光センサーとした第1感知部310は、赤外線発光素子が赤外線を発し、反射された赤外線を赤外線受光素子が受信して障害物を感知することができる。その他にも、感知部310に近接センサー、接触式センサーなどを用いてもよく、障害物を感知できるいかなる構成も用いることができる。
【0090】
第2感知部320には、前述したように、ビジョンセンサーを用いることができる。
【0091】
第3感知部330は、補助掃除ツール110の突出、収納状態を感知し、さらには補助掃除ツール110の回転状態を感知することができる。しかし、補助掃除ツールの突出もしくは収納状態、または回転状態を感知することに限定されず、第3感知部330は、補助掃除ツールのその他の誤作動を検出することもできる。本発明の一実施例に係る補助掃除ツール110の突出、収納及び回転動作は、図3乃至図6で説明した通りである。すなわち、補助掃除ツール110の突出、収納動作は、サイドアーム102または延長アーム107を駆動させるアームモーターの回転によってなされ、補助掃除ツール110の回転は、回転モーターの回転によってなされる。以下、図9及び図10を参照して、第3感知部330が補助掃除ユニット100の状態を感知する動作について詳細に説明する。
【0092】
図9は、第3感知部330の一実施例であるマイクロスイッチ330aを示す断面図である。
【0093】
マイクロスイッチ330aは、弱い力で比較的大きい電流を開閉できる超小型スイッチで、微小間隔の固定接点間の可動接点がスナップスプリングの作用により瞬間的に切り換わる構造となっている。
【0094】
図9Aを参照すると、マイクロスイッチ330aは、微小間隔を有する2つの固定接点335,336及びその間で上下に動く可動接点334、アクチュエータを備えて、小型に作られたスイッチ331と、スイッチのon/offに応じて動くスナップスプリング333と、これらを収める筐体332と、を有する。
【0095】
図9Bを参照すると、上側の固定接点335に接するスナップスプリング333に加えられる圧力がスナップスプリング333の力よりも大きくなると、可動接点334は、下側の固定接点336へ移動して接触し、圧力が一定値以下になると、スナップスプリング333が上側に移動する。移動時間は5ms以内、電流容量は5〜30Aが一般的であるが、本発明の実施例がこれに限定されるものではない。
【0096】
補助掃除ツール110が完全に突出した時にスイッチ331と接触し、収納している時はスイッチ331と接触しない位置にマイクロスイッチ330aを装着すると、補助掃除ツール110の突出/収納に応じてマイクロスイッチがon/offになり、これで補助掃除ツール110の突出、収納が感知できる。
【0097】
図10は、第3感知部330の他の実施例としてエンコーダ330bが装着された駆動部120を示す図である。
【0098】
補助掃除ユニット100の駆動部120は、サイドアーム102または延長アーム107を駆動させるアームモーター、及び補助掃除ツール110を駆動させる回転モーターを有する。本発明の一実施例では、エンコーダ330bがアームモーター及び回転モーターの両方に装着されてもよく、いずれか一方にのみ装着されてもよい。
【0099】
エンコーダ330bは、モーターの回転数または位置を検出できる一種のセンサーで、発光部及び受光部を有し、かつ、図10に示すように駆動部120の外周面の一側に装着される。そして、駆動部120のモーター軸には、光を遮断させたり通過させたりするための複数個のスリットが形成された回転板350が装着され、エンコーダ330bは、回転板350に形成されたスリットによってon/offになり、モーターの回転を感知する。
【0100】
図11は、第3感知部330の他の実施例としてホールセンサー330cが装着された駆動部120を示す図である。
【0101】
駆動部120のモーター軸には、回転する磁石板340が装着され、アームモーターまたは回転モーターである駆動部120の外周面の一側には、回転する磁石板340の位置を検出して駆動部120の回転を感知するホールセンサー330cが装着される。
【0102】
磁石板340は、2極の永久磁石が複数個装着された構造を用いることができ、ホールセンサー330cは、120°または90°の位相差で複数個取り付けることができる。ホールセンサー330cをアームモーター及び回転モーターのそれぞれに装着したり、アームモーター及び回転モーターのいずれかに装着したりすることができる。図9乃至図11に示すように、感知部300は様々なセンサーまたはそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、補助掃除ツール110の突出または収納を感知するために、マイクロスイッチ330aを用いることもでき、補助掃除ツール110の回転状態を感知するために、エンコーダ330bまたはホールセンサー330cを用いることもできる。さらに、補助掃除ツール110の突出または収納及び回転状態の両方を検出するために、マイクロスイッチ330aとエンコーダ330bまたはホールセンサー330cとの組み合わせを用いることもできる。
【0103】
図10及び図11の駆動部120がサイドアーム102または延長アーム107を駆動させるアームモーターである場合は、エンコーダ330b、ホールセンサー330cなどの第3感知部330によりアームモーターの回転数を検出でき、アームモーターの回転が正常であると、サイドアーム102または延長アーム107の突出、収納動作、すなわち、補助掃除ツール110の突出、収納動作が正常に行われていると判断することができる。
【0104】
図10及び図11の駆動部120が補助掃除ツール110を駆動させる回転モーターである場合は、エンコーダ330b、ホールセンサー330cなどの第3感知部330により回転モーターの回転数を検出でき、回転モーターの回転が正常であると、補助掃除ツール110の回転が正常に行われていると判断することができる。第3感知部330の感知結果に基づいてエラーを検出する動作について、以下にさらに詳細に説明する。
【0105】
再び図8を参照すると、エラー検出部210は、第3感知部330の感知結果に基づいて補助掃除ユニット100にエラーが発生したか否かを判断する。掃除制御部220が補助掃除ユニット100に突出命令を伝送したが、第3感知部330の感知結果は、補助掃除ツール110が突出しなかった旨を示すと、エラー検出部210は、補助掃除ユニット100にエラーが発生したと判断する。
【0106】
また、補助掃除ツール110が掃除制御部220の突出命令に応じて正常に突出されても、感知部300の感知結果が、補助掃除ツール110が掃除制御部220の回転命令に応じて正常に回転していない旨を示す場合も、エラーが発生したと判断することができる。
【0107】
具体的に、補助掃除ツール110の突出、収納を感知するために第3感知部330でマイクロスイッチ330aを用いる場合には、掃除制御部220で突出命令を伝送した後にマイクロスイッチがonにならないと、補助掃除ツール110が正常に突出されなかったと判断する。
【0108】
また、補助掃除ツール110の突出、収納を感知するために第3感知部330でエンコーダ330bを用いる場合には、掃除制御部220でアームモーターに伝送したPWM信号とエンコーダ330bの出力とを比較し、一定基準値以上のズレがあると、補助掃除ツール110が正常に突出されなかったと判断する。
【0109】
また、補助掃除ツール110が正常に突出されても、補助掃除ツール110が正常に回転するか否かを感知するために、第3感知部330で回転モーターに装着されるエンコーダ330bまたはホールセンサー330cをさらに用いる場合には、掃除制御部220から回転モーターに伝送したPWM信号とエンコーダ330bまたはホールセンサー330cの出力とを比較したり、あらかじめ設定された基準波形とエンコーダ330bまたはホールセンサー330cの出力とを比較したりするなどして、補助掃除ツール110が正常に回転するか否かを判断できる。しかし、補助掃除ツールの突出または収納や回転状態を感知することに限定されず、第3感知部330は、その他補助掃除ツールの誤作動を検出することもできる。
【0110】
図1乃至図6で説明したように、本発明の一実施例に係るロボット掃除機1は、前方の左、右両側に補助掃除ユニット100a,100bがそれぞれ設けられており、エラーの検出も、左側の補助掃除ユニット100b、右側の補助掃除ユニット100aのそれぞれに対して行うようにすることができる。
【0111】
しかし、本発明の実施例はこれに限定されず、補助掃除ユニット100の個数及び位置には制限がなく、メインブラシユニット30により掃除が十分に行われない部分を掃除するのに適した個数及び位置を適用すればよい。ただし、説明の便宜上、後述する実施例では、補助掃除ユニット100がロボット掃除機1の前方の左、右両側に設けられているとする。また、説明の便宜上、以下では、2つの補助掃除ユニット100が同一の構成を有するため、一つの補助掃除ユニット100を挙げて説明する。
【0112】
本発明の一実施例に係るロボット掃除機1は、エラーをより正確に検出するために、上記の過程を一定回数反復することができる。例えば、上記の過程を4回反復すると設定された場合に、掃除制御部220から補助掃除ユニット100に突出命令を伝送したが、第3感知部330の感知結果が、補助掃除ツール110が正常に突出されなかった旨を示すと、補助掃除ユニット100に再び突出命令を伝送する。続いて、第3感知部330の感知結果が、補助掃除ツール110が正常に突出されなかった旨を示すと、再び突出命令を伝送し、この過程を4回反復しても補助掃除ツール110が正常に突出されないと、補助掃除ユニット100にエラーが発生したと判断する。しかし、上記の過程を4回反復する前に補助掃除ツール110が正常に突出されると、エラー検出を中断し、行おうとした掃除及び走行を開始する。
【0113】
掃除制御部220は、感知部300の感知結果、エラー検出部210の検出結果または入力部70から入力された使用者の命令に基づいて、メインブラシユニット30及び補助掃除ユニット100を制御する。具体的に、掃除制御部220は、所望の動作に対応するPWM信号を生成し、それをメインブラシユニット30及び補助掃除ユニット100を駆動させる各種モーターに伝送することで、メインブラシユニット30及び補助掃除ユニット100の動作を制御することができる。
【0114】
走行制御部230も同様に、感知部300の感知結果、エラー検出部210の検出結果または入力部70から入力された使用者の命令に基づいて走行ユニット40を制御し、ロボット掃除機1の走行経路及び走行速度を制御する。
【0115】
以下、走行制御部230がエラー検出部210の検出結果に基づいてロボット掃除機1の走行を制御する動作について説明する。
【0116】
本発明の一実施例に係るロボット掃除機1は、エラー検出部210で補助掃除ユニット100が正常に動作していないと判断すると、補助掃除ユニット100を用いなくとも効率的な掃除を行えるように、現在の走行モードに合わせて適宜の走行制御を行う。例えば、左、右いずれかの補助掃除ユニット100a,100bにエラーが発生した場合は、エラーの発生していない補助掃除ユニットが壁面または隅部分と隣接するようにロボット掃除機1の走行を制御する。
【0117】
以下、図12乃至図17を参照して具体的な走行制御について説明する。
【0118】
図12及び図13は、左、右いずれかの補助掃除ユニット100にエラーが発生した場合に制御される壁面追従走行を示す図である。
【0119】
壁面追従走行のために補助掃除ユニット100に突出命令を伝送した後に、エラー検出部210で一つの補助掃除ユニット100にエラーが発生したことを検出した場合に、走行制御部230は、エラーの発生していない補助掃除ユニット100が壁面と隣接して走行するように走行ユニット40を制御する。
【0120】
参考として、以下の実施例で言及される掃除領域の上、下、左、右は、掃除領域を上から見た時を基準にするとする。
【0121】
図12を参照すると、右側の補助掃除ユニット100aは正常に動作し、左側の補助掃除ユニット100bにはエラーが発生した場合に、右側の補助掃除ユニット100aが壁面と隣接するように反時計回り方向に壁面追従走行をする。
【0122】
図13を参照すると、左側の補助掃除ユニット100bは正常に動作し、右側の補助掃除ユニット100aにはエラーが発生した場合には、左側の補助掃除ユニット100bが壁面と隣接するように時計回り方向に壁面追従走行をする。
【0123】
エラーの発生により突出されなかったか、突出されても正常に回転しない補助掃除ユニット100が壁面と隣接して走行をすると、壁面と床とが接する隅部分が十分に掃除されず、掃除の効率性が低下する。しかし、図12及び図13に示すように、正常に動作する補助掃除ユニットが壁面と隣接するようにロボット掃除機1の走行を制御すると、補助掃除ユニットにエラーが発生した場合にも効率的な壁面追従方式の掃除を行うことができる。
【0124】
図14及び図15は、左、右いずれかの補助掃除ユニット100にエラーが発生した場合に制御されるジグザグ方式の走行を示す図である。
【0125】
図14を参照すると、右側の補助掃除ユニット100aは正常に動作し、左側の補助掃除ユニット100bにはエラーが発生した場合には、ジグザグ走行の最初の段階である下から上へ壁に沿って移動する走行を、右側において開始する。左側の補助掃除ユニット100bにエラーが発生した状態で、左側において下から上に壁に沿って走行し始めると、左側の隅部分はよく掃除されないからである。
【0126】
図14に示すように、右側から始めてジグザグ方式の走行を完了した場合は、下側では補助掃除ユニットが届かず、完全に掃除されない領域が生じる。そのため、ジグザグ方式の走行が完了すると、掃除領域中の下側壁面に沿う壁面追従走行を左側から右側へと行うようにし、掃除未完了領域まで完全に掃除可能にすることができる。
【0127】
図15を参照すると、左側の補助掃除ユニット100bは正常に動作し、右側の補助掃除ユニット100aにはエラーが発生した場合には、図14とは逆に、下から上へ壁に沿って移動する走行を、左側から始める。そして、下側において補助掃除ユニットが届かず掃除の完了していない領域については、ジグザグ方式の走行完了後に、右側から左側へと下側壁面に沿って走行させることで掃除を完了する。
【0128】
図16及び図17は、左、右いずれかの補助掃除ユニット100にエラーが発生した場合に制御される渦巻き状の走行を示す図である。
【0129】
図16及び図17に示すように、掃除領域の外側部に沿って一回りし、その走行領域を掃除領域の内側部に狭めていく渦巻き状の走行は、掃除領域を丁寧に掃除できる走行モードである。しかし、渦巻き状の走行においても、エラーの発生した補助掃除ユニットが壁面に接して走行する場合には隅部分を十分に掃除できない。
【0130】
図16を参照すると、右側の補助掃除ユニット100aは正常に動作し、左側の補助掃除ユニット100bにはエラーが発生した場合には、右側の補助掃除ユニット100aが壁面と隣接するように、ロボット掃除機1を反時計回り方向に渦巻き状の走行をさせる。
【0131】
右側の補助掃除ユニット100aが正常に動作するロボット掃除機1が反時計回り方向に渦巻き状の走行をすると、図16に示すように、掃除領域内の隅部分の掃除を完了することができる。
【0132】
図17を参照すると、左側の補助掃除ユニット100bは正常に動作し、右側の補助掃除ユニット100aにはエラーが発生した場合には、図16とは逆に、左側の補助掃除ユニット100bが壁面と隣接するように、ロボット掃除機1が時計回り方向に渦巻き状の走行をする。
【0133】
左側の補助掃除ユニット100bが正常に動作するロボット掃除機1が時計回り方向に渦巻き状の走行をすると、図17に示すように、掃除領域内の隅部分の掃除を完了することができる。
【0134】
上述の実施例は、補助掃除ユニット100a,100bのいずれか一方は正常に動作し、いずれか他方にのみエラーが発生した場合について説明した。左、右側の補助掃除ユニット100a,100bの両方にエラーが発生した場合には、そもそも意図した走行をそのまま行えばよい。左、右側の補助掃除ユニット100a,100bがともに誤作動する場合には、制御部は、補助掃除ユニット100の状態を周期的にチェックする。以降、補助掃除ユニット100a,100bのいずれかが正常に動作するようになると、制御部は、上記の実施例で補助掃除ユニットが動作するのと同じ方法でロボット掃除機の走行を制御することができる。例えば、制御部は、正常に動作する補助掃除ユニットが壁と隣接する領域に沿って走行するようにロボット掃除機の走行を制御することができる。
【0135】
図12乃至図17に示す走行制御は、本発明の一部の実施例に過ぎないもので、補助掃除ユニット100のエラーを検出し、エラーの発生していない補助掃除ユニットが隅部分と隣接するようにロボット掃除機の走行を制御するものであれば、いずれも本発明の実施例に含まれる。
【0136】
また、本発明の他の実施例では、補助掃除ユニット100にエラーが発生した場合にが、掃除制御部220が補助掃除ツール110を突出させないで、そもそも意図した走行をするようにしてもよい。例えば、補助掃除ツール110が突出されたが回転しない場合には、これを収納させてもよく、補助掃除ツール110のいずれか一方にエラーが発生した場合に両補助掃除ツール110をともに突出させなくてもよい。または、使用者が入力部70を介して補助掃除ツール110を収納させるように駆動命令を入力してもよい。
【0137】
本発明の一実施例に係るロボット掃除機1は、補助掃除ユニット100にエラーが発生したと判断すると、以降、周期的に補助掃除ユニット100の状態を確認し、補助掃除ユニット100が正常に動作するようになると、元の走行モードに復帰する。
【0138】
制御部200のエラー検出部210は、補助掃除ユニット100のいずれか一方のエラーを検出すると、以降、あらかじめ設定された一定周期ごとにエラー検出動作を反復して行う。その結果、エラーの検出された補助掃除ユニット100が再び正常動作するようになると、元の走行モードに復帰することができる。
【0139】
本発明の一実施例に係るロボット掃除機1は、少なくとも一つの補助掃除ユニット100にエラーが発生したと判断した場合は、それを使用者に知らせる機能をさらに備えることができる。補助掃除ユニット100にエラーが発生したことをディスプレイ部65に視覚的に表示することもでき、音声を出力して聴覚的に知らせることもできる。
【0140】
以下、本発明の一実施例に係るロボット掃除機の制御方法について説明する。
【0141】
図18は、本発明の一実施例に係るロボット掃除機1の補助掃除ユニット100に突出及び収納に関するエラーが発生したか否かを検出する過程を示すフローチャートである。
【0142】
図18を参照すると、まず、掃除制御部220が、設定された掃除動作を行うために、補助掃除ユニット100に突出命令を伝送する(符号511)。前述した通り、補助掃除ユニット100への突出命令は、アームモーターへのPWM信号でよい。
【0143】
そして、第3感知部330で補助掃除ツール110の突出状態を感知する。補助掃除ツール110の突出状態を感知することは、マイクロスイッチ330aのon/offから補助掃除ユニット100とマイクロスイッチとが接触したか否かを判断すること、または、アームモーターに装着されたエンコーダ330bまたはホールセンサー330cの出力信号と掃除制御部220からアームモーターに伝送されたPWMとを比較し、両者間にズレがあるか否か判断すること、でよい。
【0144】
感知の結果、補助掃除ツール110が正常に突出されなかった場合は(符号513の「いいえ」)、補助掃除ユニット100にエラーが発生したと判断できる。当然ながら、本発明の一実施例では、より正確なエラー検出のために、上記の動作を一定回数反復してもよい。
【0145】
したがって、補助掃除ツール110が正常に突出されなかった場合には、突出の命令、及び正常に突出されたか否かの判断を反復し、その過程が一定回数に到達すると(符号514の「はい」)、補助掃除ユニット100にエラーが発生したと判断する(符号516)。
【0146】
補助掃除ツール110が正常に突出された場合は(符号513の「はい」)、補助掃除ユニット100にエラーの発生がないと判断する(符号515)。
【0147】
上述したように、本発明の一実施例に係るロボット掃除機の制御方法は、上述したエラー検出を、左側の補助掃除ユニット100b及び右側の補助掃除ユニット100aのそれぞれに対して行う。
【0148】
図18では、補助掃除ツール110の突出動作に対してのみエラー発生の有無を判断したが、補助掃除ツール110が正常に突出した場合であっても、正常に回転しないと、エラーが発生したと判断できる。補助掃除ツール110が正常に回転するか否かは、上述したように、回転モーターに伝送したPWMと回転モーターに装着されたエンコーダ330bまたはホールセンサー330cの信号とを比較することによって判断できる。
【0149】
図19は、壁面追従走行時に少なくとも一つの補助掃除ユニット100にエラーが発生した場合のロボット掃除機1の制御方法を示すフローチャートである。
【0150】
図19を参照すると、まず、壁面追従走行のために補助掃除ユニット100に突出命令を伝送する(符号611)。それ以降のエラー検出過程は、図18のそれと同様に行う。
【0151】
図18の過程に従って、補助掃除ユニット100にエラーが発生したか否かを検出する(符号612)。一つの補助掃除ユニット100にエラーが検出され(符号612の「はい」)、エラーの発生した補助掃除ユニット100が左側の補助掃除ユニット100bであると(符号613の「はい」)、右側の補助掃除ユニット100aを壁面と隣接させるために、ロボット掃除機1が反時計回り方向に壁面に沿って走行するように制御する(符号614)。
【0152】
エラーが検出されなかった場合は(符号612の「いいえ」)、正常走行モードで走行させる(符号619)。ここで、正常走行モードは、ロボット掃除機1がそもそも行おうとした走行モードを意味する。
【0153】
一方、エラーの検出された補助掃除ユニット100が右側補助掃除ユニット100aである場合は(符号613の「いいえ」)、左側補助掃除ユニット100bを壁面と隣接させるために、ロボット掃除機1が時計回り方向に壁面に沿って走行するように制御する(符号615)。
【0154】
この実施例では、左側の補助掃除ユニットのエラーがまず検出されたが、補助掃除ユニットを検出する順序はそれに限定されず、補助掃除ユニットのエラーは、いかなる順序で検出されてもよく、同時に検出されてもよい。例えば、右側の補助掃除ユニットのエラーがまず検出されてもよく、左、右側の補助掃除ユニットのエラーが同時に検出されてもよい。
【0155】
図示してはいないが、左、右側の補助掃除ユニット100a,100b両方にエラーが発生した場合は、ロボット掃除機は正常走行モードで走行するように制御され、以降、制御部は、補助掃除ユニット100a,100bの状態をチェックし、補助掃除ユニット100a,100bのいずれか一方が正常に動作することを検出すると、動作614または615に示すようにロボット掃除機の走行を制御することができる。
【0156】
一定周期が経過すると(符号616)、補助掃除ユニット100に対するエラー検出を再び行う(符号617)。検出の結果、補助掃除ツール110が正常に突出され、エラー発生がないと判断されると、ロボット掃除機1の走行モードを正常走行モードに復帰させる(符号618)。
【0157】
図20は、ジグザグ走行時に補助掃除ユニット100にエラーが発生した場合のロボット掃除機1の制御方法を示すフローチャートである。
【0158】
図20を参照すると、まず、ジグザグ走行のために補助掃除ユニット100に突出命令を伝送し(符号711)、図18に示す過程に従って補助掃除ユニットにエラーが発生したか否かを判断し(符号712)、その結果、エラーが検出され(符号712の「はい」)、エラーの検出された補助掃除ユニットが左側の補助掃除ユニット100bであれば(符号713の「はい」)、下側の壁面以外の壁面との隅部分が十分に掃除されるように、掃除領域の右側下端から壁面追従走行するように制御する(符号714)。
【0159】
ジグザグ走行が完了すると、掃除の完了していない部分を掃除するために、ロボット掃除機が左側から右側へと掃除領域の下側壁面に沿って走行するように制御する(符号716)。
【0160】
一方、エラーの検出された補助掃除ユニットが右側の補助掃除ユニット100aであれば(符号713の「いいえ」)、掃除領域の左側下端から壁面追従走行をするように制御し(符号715)、ジグザグ走行が完了すると、右側から左側へと掃除領域下端の壁面に沿って走行するように制御し(符号717)、これで掃除の完了していない部分に対する掃除を行う。
【0161】
この実施例では、左側の補助掃除ユニットのエラーがまず検出されたが、補助掃除ユニットを検出する順序はそれに限定されず、補助掃除ユニットのエラーは、いかなる順序で検出されてもよく、同時に検出されてもよい。例えば、右側の補助掃除ユニットのエラーがまず検出されてもよく、左、右側の補助掃除ユニットのエラーが同時に検出されてもよい。
【0162】
図21は、渦巻き状の走行時に少なくとも一つの補助掃除ユニットにエラーが発生した場合におけるロボット掃除機の制御方法を示すフローチャートである。
【0163】
図21を参照すると、まず、渦巻き状の走行のために補助掃除ユニットに突出命令を伝送する(符号811)。
【0164】
図18に示す過程に従って、補助掃除ユニットにエラーが発生したか否かを判断し(符号812)、その結果、いずれかの補助掃除ユニットにエラーが検出され(符号812の「はい」)、エラーの検出された補助掃除ユニットが左側の補助掃除ユニット100bであれば(符号813の「はい」)、ロボット掃除機1が反時計回り方向に渦巻き状の走行をするように制御する(符号814)。
【0165】
エラーが検出されなかった場合は(符号812の「いいえ」)、正常走行モードで走行する(符号816)。上述したように、正常走行モードは、ロボット掃除機がそもそも行おうとした走行モードを意味する。
【0166】
一方、エラーの検出された補助掃除ユニットが右側の補助掃除ユニット100aであると(符号813の「いいえ」)、ロボット掃除機が時計回り方向に渦巻き状の走行をするように制御する(符号815)。
【0167】
この実施例では、左側の補助掃除ユニットのエラーがまず検出されたが、補助掃除ユニットを検出する順序はそれに限定されず、補助掃除ユニットのエラーは、いかなる順序で検出されてもよく、同時に検出されてもよい。例えば、右側の補助掃除ユニットのエラーがまず検出されてもよく、左、右側の補助掃除ユニットのエラーが同時に検出されてもよい。
【0168】
上述した方法によれば、ロボット掃除機は、渦巻き状の走行を行いながら、掃除領域の外側部に位置する壁面との隅部分を完全に掃除することができる。
【0169】
図20及び図21には示さなかったが、図19で説明した壁面追従走行と同様に、ジグザグ走行及び渦巻き状の走行時にも一定周期ごとにエラー検出を反復し、補助掃除ユニットが再び正常に動作すると、再び正常走行モードに復帰させることができる。
【0170】
以上実施例の図面では補助掃除ツール110をブラシの形態としたが、本発明の実施例において補助掃除ツール110の種類や掃除方法に制限はなく、様々な実施例が可能である。
【符号の説明】
【0171】
100 補助掃除ユニット
200 制御部
210 エラー検出部
220 掃除制御部
230 走行制御部
300 感知部
310 第1感知部
320 第2感知部
330 第3感知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床を走行しながら該床から異物を除去するロボット掃除機であって、
前記ロボット掃除機の下部に突出及び収納可能に装着された複数の補助掃除ユニットと、
前記補助掃除ユニットの突出、収納または回転状態を感知する感知部と、
前記感知部の感知結果に基づいて前記補助掃除ユニットが正常に動作するか否かを判断し、該判断結果に基づいて前記ロボット掃除機の走行を制御する制御部と、
を備える、ロボット掃除機。
【請求項2】
前記制御部は、
前記補助掃除ユニットに突出、収納または回転動作の命令を伝送した後に、前記感知部から受信した感知結果が前記命令に対応するか否かを判断する、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項3】
前記制御部は、
前記感知部の感知結果が前記命令に対応しないと、前記感知部の感知結果が前記命令に対応したり、または、前記補助掃除ユニットへの命令の伝送及び前記感知部からの感知結果の受信が一定回数に到達するまで前記判断を反復し、
前記判断を一定回数反復しても前記感知部の感知結果が前記命令に対応しないと、前記補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断する、請求項2に記載のロボット掃除機。
【請求項4】
前記制御部は、
前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合は、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが、掃除領域内の隅部分と隣接するように前記ロボット掃除機の走行を制御する、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項5】
前記制御部は、
前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合は、壁面追従走行のために、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する補助掃除ユニットが掃除領域内の壁面に沿って走行するように制御する、請求項4に記載のロボット掃除機。
【請求項6】
前記制御部は、
前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合は、ジグザグ走行のために、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する補助掃除ユニットが、掃除されなかった掃除領域の隅部分に隣接して再び走行するように制御する、請求項4に記載のロボット掃除機。
【請求項7】
前記複数の補助掃除ユニットは、
前記ロボット掃除機の左側に装着される補助掃除ユニット及び前記ロボット掃除機の右側に装着される補助掃除ユニットを有し、
前記制御部は、
前記複数の補助掃除ユニットのうち左側の補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合には、渦巻き状の走行のために、反時計回り方向に渦巻き状の走行を行い、右側の補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合には、時計回り方向に渦巻き状の走行を行うように制御する、請求項4に記載のロボット掃除機。
【請求項8】
前記制御部は、
前記補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した後に、一定周期ごとに前記判断を反復し、前記正常に動作しない補助掃除ユニットが全て正常に動作すると判断されると、前記ロボット掃除機の走行を元来の走行モードに復帰させる、請求項5に記載のロボット掃除機。
【請求項9】
前記制御部が前記少なくとも一つの補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断した場合には、それを使用者に視覚的または聴覚的に知らせる報知部をさらに備える、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項10】
前記感知部は、
前記補助掃除ユニットが突出された時に接触する接触式センサー、及び前記補助掃除ユニットを駆動させる駆動部に装着されるエンコーダまたはホールセンサーのいずれか一つ以上である、請求項1に記載のロボット掃除機。
【請求項11】
突出及び収納可能に装着された複数の補助掃除ユニットを有するロボット掃除機の制御方法であって、
前記複数の補助掃除ユニットに突出、収納または回転動作に関する命令を伝送し、
前記複数の補助掃除ユニットの突出、収納または回転状態をそれぞれ感知し、
前記感知結果に基づいて前記複数の補助掃除ユニットが前記命令に応じて正常に動作するか否かを判断し、
前記判断結果に基づいて前記ロボット掃除機の走行を制御する、ロボット掃除機の制御方法。
【請求項12】
前記補助掃除ユニットが正常に動作するか否かの判断は、
前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作が、前記命令に対応するか否かを判断することである、請求項11に記載のロボット掃除機の制御方法。
【請求項13】
前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作状態が前記命令に対応しない場合には、前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作状態が前記命令に対応したり、前記補助掃除ユニットへの命令の伝送及び前記補助掃除ユニットの動作の感知が一定回数に到達するまで前記判断を反復し、
前記補助掃除ユニットへの命令の伝送及び前記感知部からの感知結果の受信を一定回数反復しても、前記感知結果に基づくロボット掃除機の動作が前記命令に対応しないと、前記補助掃除ユニットが正常に動作しないと判断する、請求項12に記載のロボット掃除機の制御方法。
【請求項14】
前記判断結果に基づく前記ロボット掃除機の走行の制御は、
前記複数の補助掃除ユニットのいずれか一方が正常に動作しないと判断した場合に、前記複数の補助掃除ユニットのうち、正常に動作する少なくとも一つの補助掃除ユニットが掃除領域内の隅部分と隣接するように前記ロボット掃除機の走行を制御することである、請求項12に記載のロボット掃除機の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−89256(P2013−89256A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−231777(P2012−231777)
【出願日】平成24年10月19日(2012.10.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】