説明

ロボット玩具

【課題】サーボモータのリード線が弛むことなく、しかも外部に露出することのないロボット玩具を提供すること。
【解決手段】サーボモータが内蔵されたサーボモータユニットを備え、サーボモータによる駆動によって、隣り合う2つのブロックの間で構成される関節部に屈伸動作をさせる関節ロボット玩具であって、一方のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成されたサーボモータユニットが設けられ、他方のブロックには、サーボモータユニットの出力軸に固定されてサーボモータユニットの軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、サーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、サーボモータユニットの固定軸の軸心から導出されると共に導出部分が一方のブロック又は他方のブロックに固定的に支持され、導出部分は、屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボット玩具に関し、詳しくは、関節部を備え、サーボモータによって関節部を屈伸させるロボット玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、関節部を持つ手足を備え、サーボモータによって関節部を屈伸させるロボット玩具が知られている(例えば、非特許文献1)。
このロボット玩具は、サーボモータが内蔵されたサーボモータユニットをそれぞれ固定支持する複数のブロックを備え、上下に位置する一方のブロックの一方のブラケットに他方のブロックのサーボモータユニットの出力軸を一体的に固着するとともに、前記一方のブロックの他方のブロックの他方のブラケットに他方のブロックの固定軸を回動自在に支持した構造を有している。
【非特許文献1】雑誌「ロボットライフ(創刊号)」(発行人・小櫻尚司,2006年8月4日発行、第13頁上段参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、サーボモータユニットが剥き出しのロボット玩具、即ち、カウル等によって機構部が覆われていないロボット玩具では、サーボモータユニットのリード線が外部に露出しており、しかも、各関節部が回動できるように十分な長さを確保するため、リード線は弛んだ状態で配設されていた。その結果、外観を損なっていた。
【0004】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、サーボモータユニットの内部機器に接続されるリード線を弛むことなく配設できる関節ロボット玩具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、
サーボモータが内蔵されたサーボモータユニットを備え、前記サーボモータによる駆動によって、隣り合う2つのブロックの間で構成される関節部に屈伸動作をさせる関節ロボット玩具であって、
少なくとも1つの前記関節部において、
一方のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成されたサーボモータユニットが設けられ、
他方のブロックには、前記サーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該サーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記サーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該サーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記一方のブロック又は前記他方のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成されていることを特徴とする関節ロボット玩具である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、
前記他方のブロックは、前記一方のブロックの反対側に位置する別のブロックとの間で関節部を構成し、
前記他方のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成された他のサーボモータユニットが設けられ、
前記別のブロックには、前記他のサーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該他のサーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記他のサーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該他のサーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記他方のブロック又は前記別のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成され、さらに、前記サーボモータユニット又は前記他のサーボモータユニットの軸心上で前記サーボモータユニットの前記リード線と合流されていることを特徴とする請求項1に記載の関節ロボット玩具である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、
前記他方のブロックは、前記一方のブロックの反対側に位置する別のブロックとの間で関節部を構成し、
前記別のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成された他のサーボモータユニットが設けられ、
前記他方のブロックには、前記他のサーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該他のサーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記他のサーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該他のサーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記他方のブロック又は前記別のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成され、さらに、前記サーボモータユニット又は前記他のサーボモータユニットの軸心上で前記サーボモータユニットの前記リード線と合流されていることを特徴とする請求項1に記載の関節ロボット玩具である。
【0008】
請求項4に記載の発明は、
前記一方のブロックは、前記他方のブロックの反対側に位置する別のブロックとの間で関節部を構成し、
前記一方のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成された他のサーボモータユニットが設けられ、
前記別のブロックには、前記他のサーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該他のサーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記他のサーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該他のサーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記他方のブロック又は前記別のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成され、さらに、前記サーボモータユニット又は前記他のサーボモータユニットの軸心上で前記サーボモータユニットの前記リード線と合流されていることを特徴とする請求項1に記載の関節ロボット玩具である。
【0009】
請求項5に記載の発明は、
前記サーボモータユニットの出力軸の軸線方向と前記他のサーボモータユニットの軸線方向が直交していることを特徴とする請求項1から4いずれか一に記載の関節ロボット玩具である。
【0010】
請求項6に記載の発明は、
サーボモータユニットの出力軸から導出されるリード線はカバー部材によって全部又は一部が被覆されていることを特徴とする請求項1から5いずれか一に記載の関節ロボット玩具である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1から5の発明によれば、サーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該サーボモータユニットの固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が一のブロックに固定的に支持されているので、リード線が弛むことが少なくなる。
また、リード線の導出部分は、関節部の屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成されているので、リード線が関節部の屈伸の妨げとなることはない。
【0012】
請求項6の発明によれば、サーボモータユニットの出力軸から導出されるリード線はカバー部材によって全部又は一部が被覆されているので、リード線の断線が効果的に防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明に係るロボット玩具の一実施形態の外観を示した正面図、図2は、本発明に係るロボット玩具で使用されるサーボモータユニットの内部構造を示した断面図である。
【0014】
ロボット玩具1は、図1に示すように、胴部10、頭部11、足部12及び手部13を備えている。そして、このロボット玩具1の足部12および手部13は多関節を有している。
このロボット玩具1では、足部12および手部13の関節の作動は、図示しないコントローラの操作によって遠隔で制御される。具体的には、このロボット玩具1は、コントローラの操作によって、ロボット玩具1の手足の屈伸動作が制御されるように構成されている。
【0015】
このロボット玩具1の手足はそれぞれ複数のブロックによって構成されている。そして、隣り合う2つのブロックの間で適宜に関節部が構成されている。関節部を構成する2つのブロックの中の少なくとも一方には、図2に示すようなサーボモータユニット3が組み込まれている。このサーボモータユニット3は、ケース30に収容されたサーボモータ31、減速歯車機構32およびロータリーエンコーダ33によって構成されている。減速歯車機構32は、歯車32a〜32jを含んで構成されている。なお、このロボット玩具1にあっては、ロータリーエンコーダ33に代えて、ポテンショメータを用いることもできる。
また、サーボモータユニット3には、減速機構32の最終段の歯車32jと出力軸34との間にクラッチ機構35が組み込まれている。
すなわち、歯車32jと出力軸34とは互いに独立して回転できるように構成されており、サーボモータ31の出力軸34が回転中に何らかの原因により強制的に停止させられた際に、歯車32jから出力軸34への動力伝達を遮断する。
【0016】
また、ケース30は、その一側面(出力軸34側面に対向する面)にカバー30aを備えている。そして、ケース本体とカバー30aとの間には所定の空間が形成されている。カバー30aには、出力軸34と同じ軸線上となる位置に固定軸36が立設されている。この固定軸36は、軸心にリード線挿通孔36aが貫設されている。そして、サーボモータ31の内部機器に接続されるリード線37は、ケース本体とカバー30aとの間の空間を経て、リード線挿通孔36aから外部へ導出されている。また、出力軸34の軸心には、六角形の孔34aが形成されている。この孔34aには六角レンチが挿入可能となっている。そして、孔34aに挿入した六角レンチを操作することによって、サーボモータの初期位置の調整を行なうことができるようになっている。
【0017】
また、ロボット玩具1の胴部10には、電池(図示せず)と、処理装置100および受信回路110が組み込まれている(図9参照)。処理装置100は、受信回路110、サーボモータユニット3の機器に接続されている。処理装置100は、内部の記憶装置に記憶されたプログラムに従って、受信回路110、サーボモータ31およびロータリーエンコーダ33からの信号等を処理し、サーボモータ31の動作の制御を行なう。例えば、ロボット玩具1の電源が投入された場合、初期パルスをサーボモータ31に与え、サーボモータ31を初期位置(サーボ・ゼロ位置)に移行させる。
【0018】
以下に、図3から図5に基づいて右側の足部12の構造について説明する。このロボット玩具1の足部12は、4つのブロック21,22,23,24および接地ブロック25を備えている。なお、以下、「左右」、「前後」の方向はロボット玩具1側からのものをいうものとする。
【0019】
ブロック21は、前端に上方に向けて起立する舌片状のブラケット21aが形成されたL字状の部材と、左端に下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット21dが形成されたL字状の部材とを結合した形状のブロック本体を備えている。ブロック本体には、後端に上方に向けて起立する舌片状のブラケット21bが付設され、右端に下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット21eが付設されている。ブラケット21b,21eはボルト21c,21fによってブロック本体に対して着脱自在となっている。
ブロック本体には、ブラケット21eの付設部からブラケット21bの付設部に亘ってL字状のガイド穴21gが貫通して形成されている。このガイド穴21gはリード線37を案内するためのものである。
ブラケット21b,21eの内面側には、リード線37を案内するためのガイド穴21h,21iが形成されている。このガイド穴21h,21iは、ブラケット21b,21eがブロック本体に付設されたときに、ブロック本体のガイド穴21gを介して相互に連通する。
ブラケット21aには、サーボモータユニット3aの出力軸34が嵌合する軸挿入穴21jがブラケット21aの内外を貫通して形成されている。この場合のサーボモータユニット3aは胴部10内に固定される。ブラケット21bには、サーボモータユニット3aの固定軸36が臨む(遊びをもって嵌合する)軸挿入穴21kがブラケット21bの内外を貫通して形成されている。ブラケット21bの外面側には、軸挿入穴21kと軸心を一致し且つ該軸挿入穴21kよりも大径の座ぐり穴(図示せず)が形成されている。この座ぐり穴はブラケット21b内でガイド穴21kに連通している。そして、後述するサーボモータユニット3b〜3eのリード線37は、ガイド穴21i,21g,21hを通って座ぐり穴まで導かれ、サーボモータユニット3aの固定軸36の軸心上で、サーボモータユニット3aのリード線37と合流している。
ブラケット21dには、サーボモータユニット3bの出力軸34が嵌合する軸挿入穴21lがブラケット21dの内外を貫通して形成されている。ブラケット21eの内面側には、サーボモータユニット3bの固定軸36と軸心を一致し且つ該サーボモータユニット3bの固定軸36の軸端が臨む穴21mが形成されている。この穴21mは上記ガイド穴24iに連通している。そして、後述するサーボモータユニット3c〜3eのリード線37は穴21mまで導かれ、サーボモータユニット3bの固定軸36の軸心上で、サーボモータユニット3bのリード線37と合流している。
【0020】
ブロック22は、サーボモータユニット3bと、サーボモータユニット3bに組み付けられる左側枠体22aおよび右側枠体22bとから構成されている。左側枠体22aおよび右側枠体22bは、それらの間にサーボモータユニット3bを挟み込んだ状態で、ボルト22cによって相互に結合される構造とされている。
左側枠体22aには、上方に起立する舌片状のブラケット22dと、下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット22eとが形成されている。ブラケット22dは、ブロック21とブロック22とを連結した際に、ブロック21のブラケット21eの内側に配置される。このブラケット22dには、サーボモータユニット3bの固定軸36と軸心を一致し且つ該固定軸36が臨む(遊びをもって嵌合する)軸挿入穴22hがブラケット22dの内外を貫通して形成されている。この軸挿入穴22hにはスリット22kが形成されている。一方、ブラケット22eには、サーボモータユニット3cの固定軸36と軸心を一致し且つ該固定軸36の軸端が臨む穴22jが形成されている。この穴22jは、リード線37を案内するためのガイド穴21gによって軸挿入穴22hと連通している。そして、後述するサーボモータユニット3c〜3eのリード線37は、穴22j、ガイド穴21k、スリット22kを通して、穴21mまで導かれる。
右側枠体22bには、下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット22fが形成されている。そして、ブラケット22fには、サーボモータユニット3cの出力軸34が嵌合する軸挿入穴22iがブラケット22fの内外を貫通して形成されている。
【0021】
ブロック23は、重畳状態で設けられる2つのサーボモータユニット3c,3dと、サーボモータユニット3c,3dに組み付けられる左側枠体23aおよび右側枠体23bとから構成されている。左側枠体23aおよび左側枠体23bは、それらの間にサーボモータユニット3c,3dを挟み込んだ状態で、ボルト22cによって相互に結合される構造とされている。
左側枠体23aには、上方に位置する舌片状のブラケット23dと、下方に位置する舌片状のブラケット23eとが形成されている。ブラケット23dは、ブロック22とブロック23とを連結した際に、ブロック22のブラケット22eの内側に配置される。このブラケット23dには、サーボモータユニット3cの固定軸36と軸心を一致し且つ該固定軸36が臨む(遊びをもって嵌合)する軸挿入穴23gがブラケット23dの内外を貫通して形成されている。この軸挿入穴23gにはスリット23iが形成されている。一方、ブラケット23eには、サーボモータユニット3dの固定軸36と軸心を一致し且つ該固定軸36が臨む(遊びをもって嵌合)する軸挿入穴23hが形成されている。この軸挿入穴23hと軸挿入穴23gとは、リード線37を案内するためのガイド穴23fによって相互に連通されている。そして、サーボモータユニット3d、および後述するサーボモータユニット3eのリード線37は、軸挿入穴23h、ガイド穴23fおよび軸挿入穴22gを通して穴22jまで導かれ、サーボモータユニット3cの固定軸36の軸心上で、サーボモータユニット3cのリード線37と合流している。
【0022】
ブロック24は、右端に上方に向けて起立する舌片状のブラケット24bが形成されたL字状の部材と、前端に下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット24aが形成されたL字状の部材とを結合した形状のブロック本体を備えている。ブロック本体には、左端に上方に向けて起立する舌片状のブラケット24eが付設され、後端に下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット24cが付設されている。ブラケット24c,24eはボルト24d,24fによってブロック本体に対して着脱自在となっている。
ブロック本体には、ブラケット24cの付設部からブラケット24eの付設部に亘ってL字状のガイド穴24gが貫通して形成されている。このガイド穴24gはリード線37を案内するためのものである。
ブラケット24c,24eの内面側には、リード線37を案内するためのガイド穴24h,24iが形成されている。このガイド穴24h,24iは、ブラケット24c,24eがブロック本体に付設されたときに、ブロック本体のガイド穴24gを介して相互に連通する。
ブラケット24bには、サーボモータユニット3dの出力軸34が嵌合する軸挿入穴24kがブラケット24bの内外を貫通して形成されている。ブラケット24eは、ブロック23とブロック24とを連結した際に、ブロック23のブラケット23eの外側に配置される。このブラケット24eの内面側には、サーボモータユニット3dの固定軸36の軸端が臨む穴24mが形成されている。この穴24mはブラケット24b内でガイド穴24iに連通している。そして、後述するサーボモータユニット3eのリード線37は、ガイド穴24h,24g,24hを通って穴24mまで導かれ、サーボモータユニット3dの固定軸36の軸心上で、サーボモータユニット3dのリード線37と合流している。
ブラケット24aには、サーボモータユニット3eの出力軸34が嵌合する軸挿入穴24jがブラケット24aの内外を貫通して形成されている。この場合のサーボモータユニット3eは接地ブロック25に固定される。また、ブラケット24cには、サーボモータユニット3eの固定軸34が臨む(遊びをもって嵌合)する軸挿入穴24lが形成されている。この軸挿入穴24lはブラケット24c内でガイド穴24hに連通している。そして、サーボモータユニット3eのリード線37は、軸挿入穴23l、ガイド穴23hに導かれる。
【0023】
そして、ブロック21,22,23,24は、上からこの順に配置され、ブロック22のブラケット22dの外面にブロック21のブラケット21eが重ねて配置され、ブロック23のブラケット23dの外面にブロック22のブラケット22eが重ねて配置され、ブロック23のブラケット23eの外面にブロック24のブラケット24eが重ねて配置される。
【0024】
なお、以上の説明では、右側の足部12について説明したが、左側の足部は右側の足部12とは対称となるので、その説明は省略する。
【0025】
このようにして組み立てられたロボット玩具1の足部12は、サーボモータユニット3aによってブロック21が胴部10に対して左右方向に回動され、サーボモータユニット3bによってブロック22が前後方向に回動され、サーボモータユニット3cによってブロック23が前後方向に回動され、サーボモータユニット3dによってブロック24が前後方向に回動され、サーボモータユニット3eによって接地ブロック25が左右方向に回動される。
【0026】
このロボット玩具1によれば、サーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該サーボモータユニットの固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が一のブロックに固定的に支持されているので、リード線が弛むことが少なくなる。
また、リード線の導出部分は、関節部の屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成されているので、リード線が関節部の屈伸の妨げとなることはない。
【0027】
次に、図6から図8に基づいて、左側の手部13の構造について説明する。このロボット玩具1の手部13は、4つのブロック26,27,28を備えている。
【0028】
ブロック26は、前端に下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット26aが形成されたL字状の部材を備え、このL字状の部材の後端には下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット26bが付設されている。ブラケット26bはボルト26cによって着脱自在となっている。
L字状の部材の上面には、リード線37を案内するガイド穴26dが形成されている。また、L字状の部材には中空の軸26fが植設されている。この中空の軸26fにはD形の穴が形成され、この穴には、胴部10内に固定されたサーボモータユニット3fの出力軸34が嵌合する。この中空の軸26fは小径部と大径部とを有している。そして、その小径部と大径部とからなる段部には、ガイド穴26dおよび中空の軸26f内に連通するガイド穴26gが形成されている。そして、このガイド穴26gから、サーボモータユニット3fおよび後述のサーボモータユニット3g,3fのリード線37をまとめて引き出すことができるようになっている。
一方、ブラケット26bの内面にはガイド穴26eが形成されている。このガイド穴26eは、L字状の部材にブラケット26bが付設されたときに、L字状の部材のガイド穴26dに連通する。また、ブラケット26bの内面には、サーボモータユニット3gの固定軸36と軸心を一致し且つ該固定軸36が臨む(遊びをもって嵌合する)軸挿入穴26hが形成されている。
また、ブラケット26aには、サーボモータユニット3gの出力軸34が嵌合する軸挿入穴(図示せず)がブラケット26aの内外を貫通して形成されている。
【0029】
ブロック27は、サーボモータユニット3gと、サーボモータユニット3gに組み付けられる後側枠体27aとおよび後側枠体27bとから構成されている。後側枠体27aおよび前側枠体27bは、それらの間にサーボモータユニット3gを挟み込んだ状態で、ボルト27cによって相互に結合される構造とされている。
後側枠体27aには、上方に起立する舌片状のブラケット27dと、下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット27eとが形成されている。ブラケット27dは、ブロック26とブロック27とを連結した際に、ブロック26のブラケット26bの内側に配置される。このブラケット27dには、サーボモータユニット3gの固定軸36と軸心を一致し且つ該固定軸36が臨む(遊びをもって嵌合する)軸挿入穴27hがブラケット27dの内外を貫通して形成されている。一方、ブラケット27eには、サーボモータユニット3hの固定軸36と軸心を一致し且つ該固定軸36の軸端が臨む(遊びをもって嵌合する)軸挿入穴27iが形成されている。この軸挿入穴27iは、リード線37を案内するためのガイド穴27gによって軸挿入穴27hと連通している。そして、後述するサーボモータユニット3hのリード線37は、軸挿入穴27iおよびガイド穴27gを通して、軸挿入穴27hまで導かれる。そして、リード線37は、スリット27kを介して、軸挿入穴26hまで導かれる。
前側枠体27bには、下方に向けて垂れ下がる舌片状のブラケット27fが形成されている。そして、ブラケット27fには、サーボモータユニット3hの出力軸34が嵌合する軸挿入穴27jがブラケット27fの内外を貫通して形成されている。この場合のサーボモータユニット3aはブロック28に固定される。
【0030】
なお、以上の説明では、左側の手部13について説明したが、右側の手部は左側の手部13とは対称となるので、その説明は省略する。
【0031】
このようにして組立てられたロボット玩具1の手部13は、サーボモータユニット3fによってブロック26が胴部10に対して回動され、サーボモータユニット3gによってブロック27が左右方向に回動され、サーボモータユニット3hによってブロック28が左右方向に回動される。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であることはいうまでもない。
【0033】
例えば、図3および図6に示すように、一の手部又は足部を駆動するためのサーボモータユニットのリード線37をひとまとまりにして小さな基板上に付設されたコネクタCに結線し、それらコネクタCをピン穴が同じ方向に開口するように胴部10内に並べておき、処理装置等の電子又は電気部品がマウントされた基板に付設されたピンをコネクタCのピン穴に差し込みすることで、電気的に接続するようにしても良い。このようにすれば、組立がきわめて簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係るロボット玩具の一実施形態の外観を示した正面図である。
【図2】本発明に係るロボット玩具で使用されるサーボモータユニットの内部構造を示した断面図である。
【図3】本発明に係るロボット玩具の足部を示した概念的な斜視図である。
【図4】図3に示した足部の要部分解斜視図である。
【図5】図3に示した足部の配線を示した要部断面図である。
【図6】本発明に係るロボット玩具の手部を示した概念的な斜視図である。
【図7】図6に示した手部の要部分解斜視図である。
【図8】図6に示した手部の配線を示した要部断面図である。
【図9】本実施形態の制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1 ロボット玩具

3,3a〜3h サーボモータユニット
10 胴部
11 頭部
12 足部
13 手部
21〜28 ブロック
31 サーボモータ
34 出力軸
36 固定軸
37 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーボモータが内蔵されたサーボモータユニットを備え、前記サーボモータによる駆動によって、隣り合う2つのブロックの間で構成される関節部に屈伸動作をさせる関節ロボット玩具であって、
少なくとも1つの前記関節部において、
一方のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成されたサーボモータユニットが設けられ、
他方のブロックには、前記サーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該サーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記サーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該サーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記一方のブロック又は前記他方のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成されていることを特徴とする関節ロボット玩具。
【請求項2】
前記他方のブロックは、前記一方のブロックの反対側に位置する別のブロックとの間で関節部を構成し、
前記他方のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成された他のサーボモータユニットが設けられ、
前記別のブロックには、前記他のサーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該他のサーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記他のサーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該他のサーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記他方のブロック又は前記別のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成され、さらに、前記サーボモータユニット又は前記他のサーボモータユニットの軸心上で前記サーボモータユニットの前記リード線と合流されていることを特徴とする請求項1に記載の関節ロボット玩具。
【請求項3】
前記他方のブロックは、前記一方のブロックの反対側に位置する別のブロックとの間で関節部を構成し、
前記別のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成された他のサーボモータユニットが設けられ、
前記他方のブロックには、前記他のサーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該他のサーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記他のサーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該他のサーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記他方のブロック又は前記別のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成され、さらに、前記サーボモータユニット又は前記他のサーボモータユニットの軸心上で前記サーボモータユニットの前記リード線と合流されていることを特徴とする請求項1に記載の関節ロボット玩具。
【請求項4】
前記一方のブロックは、前記他方のブロックの反対側に位置する別のブロックとの間で関節部を構成し、
前記一方のブロックには、軸線が同一直線上に位置する出力軸及び固定軸がケースから突出して形成された他のサーボモータユニットが設けられ、
前記別のブロックには、前記他のサーボモータユニットの前記出力軸に固定されて該他のサーボモータユニットの前記軸線を中心に回動可能に連結される連結部が設けられ、
前記他のサーボモータユニットの内部機器に接続されたリード線は、該他のサーボモータユニットの前記固定軸の軸心から導出されると共に該導出部分が前記他方のブロック又は前記別のブロックに固定的に支持され、該導出部分は、前記屈伸動作に追従して、軸心導入部分を中心に回動可能に構成され、さらに、前記サーボモータユニット又は前記他のサーボモータユニットの軸心上で前記サーボモータユニットの前記リード線と合流されていることを特徴とする請求項1に記載の関節ロボット玩具。
【請求項5】
前記サーボモータユニットの出力軸の軸線方向と前記他のサーボモータユニットの軸線方向が直交していることを特徴とする請求項1から4いずれか一に記載の関節ロボット玩具。
【請求項6】
サーボモータユニットの出力軸から導出されるリード線はカバー部材によって全部又は一部が被覆されていることを特徴とする請求項1から5いずれか一に記載の関節ロボット玩具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−66707(P2009−66707A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237745(P2007−237745)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年7月1日 株式会社 日経BP発行の「日経ものづくり 7月号」に発表
【出願人】(000003584)株式会社タカラトミー (248)
【Fターム(参考)】